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1967/07/04 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第20号
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1967/07/04 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第20号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第20号
昭和四十二年七月四日(火曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                原田  立君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治政務次官   伊東 隆治君
       消防庁長官    佐久間 彊君
       消防庁次長    川合  武君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       通商産業省化学
       工業局保安課長  矢野俊比古君
       消防庁教養課長  村山 茂直君
       消防庁予防課長  高田  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○吉武恵市君 私は、今回御提案になっておりまする消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案につきまして、若干お尋ねをいたしたいと思います。
 それは私、最近の情勢を見ておりますと、危険物による事故というものが相当多く発生をしておるようであります。これらにつきまして、もちろん政府は、人命尊重の立場から鋭意御努力になっておると思うのでありまするけれども、一体これらに対する取り締まりは、どこが責任を持っておやりになっておるのか。そしてそれはどういう機構を通じて一体おやりになっておるのかというような点につきまして、お尋ねをいたしたいと思うのであります。それぞれ役所の立場もおありでございましょうし、役所間同士の権限の争いとかどうとかという点を抜きにいたしまして、政府と私ども、目的は同じであろうかと思いまするので、そういう点について、少しこまかくなるかもしれませんけれども、お尋ねを進めていきたいと思いますので、率直にありのままをひとつお答えをいただきたいと思います。
 そこでまず第一に、今回御提案になりました消防法及び消防組織法における一部改正のうち、液化石油ガス等に関する改正点の目的を、一応消防庁長官からひとつお答えを願いたいと思います。
#4
○政府委員(佐久間彊君) 液化石油ガス等に関する改正規定の立案の理由でございますが、御承知のように最近液化石油ガス等に関する事故が続発しておる状況でございまして、私どもも保安の責任の一端を担当しております者といたしまして、憂慮いたしておったところでございます。そこで、この問題につきましては、法律の体系といたしますと、高圧ガス取締法の規則の対象になっておりまして、高圧ガス取締法は通産省の所管の法律でございます。そこで通産省のほうにおかれましても、最近の事故の状況にかんがみまして、何か新しい法的措置をとる必要がある、かような考えを持っておられましたので、私どもといろいろ長期間にわたりまして折衝いたしました結果、通産省関係におきましても新しい立法を考える、私どももそれと関連して消防法の改正を考える、かようなことにいたしまして、そこでいろいろ検討いたしました結果、従来の高圧ガス取締法の体系におきまして規定をすることが、現行法のたてまえからいたしますと適当であろうと思われる規定は、通産省関係の法案の中で規定をしてもらうということにいたし、消防法で規定をすることが適当だと思うものにつきまして、消防法で規定をいたすことにいたしたのでございます。
 そこで、消防法に規定をいたしましたのは、わずか一カ条ということになりましたが、これは政令で定めます物質につきまして、それを貯蔵、取り扱いをいたします場合には、あらかじめ消防機関に届け出なければならない、かような趣旨を規定をいたすことにいたしたのでございます。そこで現行消防法のたてまえからいたしますと、消防法上危険物と申しております、これはガソリン等でございますが、こういうものにつきましては、現在消防法で規定がございまするので、今回新しく設けました規定は、液化石油ガス等、消防法の危険物に入らないもので、消防機関としてあらかじめ実態を把握しておく必要があると考えられるものをこの新しい規定の対象と考えておる次第でございます。
 そこで、この液化石油ガス等につきましては、一定量以上のものを貯蔵、取り扱います場合に、あらかじめ消防機関に届け出をさせることの理由でございますが、消防機関といたしましては、これらの物質による事故をできますれば未然に防止をしたいということで、そのためには常時必要に応じて予防査察を励行する必要がある。そのためには、どこにどういう物質があるかということがあらかじめ把握されておらなきゃいかぬ、かようなことで届け出をさせることにいたしたわけでございます。で、その結果、消防機関といたしましては、必要によって予防査察をして事故の防止につとめる。それからさらに、不幸にして事故が起こりました場合におきましても、あらかじめ実情、状況を把握いたしておりまするので、どのようにそれに対して防遇の措置をとったらいいかという消防上の戦術と申しますか、対策を講じます場合にも、これが効果的な対策があらかじめ検討でき、現場においてもそうした行動がとりやすくなる、かような点も考慮いたした次第でございます。
 以上申したようなことが、新しく消防法に設けました規定の趣旨でございます。
#5
○吉武恵市君 大体いまの御答弁でわかったんでありますが、少し字句に私はこだわるわけではございませんけれども、責任の所在というものをはっきりするために重ねてお尋ねをするわけであります。
 この法律案の、今度改正になりまする第九条の二を見ますると、「圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他の火災予防又は消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質で政令で定めるものを貯蔵し、又は取り扱う者は、」、いまお話のように、あらかじめ届けさせると、こういうことになっておるのであります。私は、これから見まするというと、消防をお使いなって、消防庁が、この最近頻発する。プロパンガスに取っ組んで、そうしてこれを事前に防止をし、また最小限度にとどめたいという御意図は私了とし、また、やっていただかなければならないのでありますが、これを見た感じは、火災予防と消火活動に重大な支障ということになっております。私は、一般の国民の側から見るならば、もちろん火災の予防も必要でございまするし、拡大を防止してもらわなければなりませんが、それと同時に、人命の尊重、人命に危害を及ぼさない処置ということは、これはどこの役所がやる、やらぬにかかわらず、一番大事な点ではないかと思うのでありますが、この点について消防庁は、この改正に、火災予防と消火活動の支障のおそれに限定された理由はどこにありますか。
#6
○政府委員(佐久間彊君) 火災予防と申しまするのは、いま先生御指摘のように、少しことばとして狭いではないかというようなお感じであろうと思いますが、消防法におきましては、火災予防と・いう表現によりまして、当然、何のために火災を予防するかと申しますと、火災から人命を救助する、人命の危害を防止するということを主眼に置きまして、火災予防ということで規定をいたしておりまするので、私どももこの火災予防ということばによりまして、もちろん、御指摘のように人命の危害を防止をするということを第一義的に考えてまいるつもりでございます。
#7
○吉武恵市君 私は、実は現在の消防庁及び市町村の消防機構が、単に水火災の予防、防除という点のみならず、いま言ったあらゆる危険物についてまで力を注がれているという点を、私は決して反対するものじゃございません。やっていただきたい。いただきたいんですが、こういうふうに限定されまするというと、私が受けた感じは、消防庁の名前の示すように、末端の機関に至るまで消防が主体である、火を消すことが主体である。そのためには火災の所在を明らかにしたい。勝島の災害のように、消防職員の十九名が犠牲になりましたが、多数の犠牲者を出したというのは、地元の消防署は知っていたかもしれないが、応援に来た消防署員は全然知らぬで飛び込んでいった。そのために不慮の多数の災害者を出した。したがって、消防はあらかじめ危険物については承知していなければならぬということが当時言われたのであります。それはそれなりに重要なことである。重要なことでありますが、これを消防という名前にこだわって、消防のためにこのプロパンガスの取り扱いを見る、こういうことになりまするというと、一般の住民の危険というものの防止という点が第二義的になるんじゃないか、こういう感じがするんです。
 私はどうも実際に方々の状況を見てみまするというと、私どもも、消防庁並びに末端の消防署等において行なわれるのは、火災を予防されるのが主体であったと思うのですけれども、今日石油スタンドの問題にしろ、あるいはプロパンの問題にしろ、その他危険物がたくさんございまして、この危険物をいかにして住民から保護するか、つまり具体的に言うならば、やたらにどんどん町の中に許されている、一定の基準はありまするけれども。しかし、それがために幾多の事故が起こっておるというときに、一体これはだれがこれの責任を負うて、この危険物を国民から救うか、守るかという点になりまするというと、いささかぼくは欠くるところがあるんじゃないかという感じがするから申し上げておるのであります。
 そこで、先ほど消防庁長官が御説明になりましたように、私も消防法を調べてみた、調べてみまするというと、消防組織法を見ましても、消防組織法の第一条にはこういうふうに書いておる。「消防は、その施設及び人員を活用して、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、」「被害を軽減する」というふうに限定をしておりますね。これは私は、消防のいままでの由来から見るならば、決して間違っていない、けっこうだと思うんだけれども、今日皆さん方がおやりになっておる消防の機能、職員のやられておる仕事、これはプロパンにしましても、石油にしましても、一般の国民を守るという立場から、現在消防署が相当これにタッチしてやっていらっしゃると思うのです。これは私あと、だんだんとお聞きするつもりですけれども、石油スタンドについては全面的に消防庁及び末端の市町村長、消防署が責任官庁となって、許可その他のことを取り扱っていらっしゃいますね。その際に大事なこの機能が、消防組織法なり、あるいは消防法なり、火災の予防とか、あるいはその防止とかという点に拘束をされると、ややともするというと、一般の国民からの危害の除去という点にやや欠くるところがあるということ、一体それはだれが責任を負うてそれをやるか、こういう問題に私はなってくると思うのです。
 ですから、もっと端的に言うならば、もし消防という名前が悪ければ、消防を変えて、こういう危険物、石油にしろプロパンにしろ、その他各種の危険物がございますが、昔は警察がこれを一括してやっていたものです。私もかつては地方庁において、県において保安課長もやった経験がございます。その当時は保安課において、交通の危険取り締まりのみならず、火薬その他の一切の危険物の取り締まりを保安課がやっておりました。保安課は保安課だけの職員じゃなくして、その下級官庁である警察署を動員いたしまして、取り締まりに一生懸命やって、ダイナマイトその他の検査も厳重にやっておったわけでございます。ところが、戦後機構の改正とともに、これらのものが分散をしてきた。あるものは通産省にいき、あるものは警察庁に残り、あるものは消防庁にいくと、それは私どこでやられても、政府がそれぞれの機関において、末端に至るまで十分なる取り締まりもなさり、また国民のこれらの危険を防止されれば、私はそれでもいいと思うんです。ところが、だんだんこれを調べてみまするというと、私は必ずしも皆さん方のおやりになっていることが、万全を期しておられるかどうかという点に多少の危惧の念を持つからであります。
 そこで、もう一つ突っ込んでお聞きいたしますが、石油についてのスタンドの取り締まりといいますか、設置許可その他は、消防法に基づく政令に基準を定め、そうして市町村長あるいは消防署長の許可、取り締まりにゆだねておられますですね。これは可燃物ですから火災のおそれが多分にあるということで、私は消防でやられることはけっこうだと思いますが、可燃性以外のものも消防庁でやっていらっしゃるのかどうか、この点をひとつお聞きしたいと思うんですが。
#8
○政府委員(佐久間彊君) 消防法におきまする対象といたしておりまする危険物は、消防法の別表に品名が列挙いたしてございまするが、これは大体可燃性のものが主体ではございまするが、必ずしもそれだけには限っておりませんで、たとえて申しますと、第一類というのがございますが、そこに書いてございまするものは、必ずしも可燃性ではないものもございます。
#9
○吉武恵市君 可燃性でないもので、消防庁でやっていらっしゃらないもののおもなるものは、そうこまかくなくてもけっこうですが、火薬類はどこでおやりになっていますか。
#10
○政府委員(佐久間彊君) これは通産省が法律を所管いたしておりまして、県の商工課でやっております。
#11
○吉武恵市君 それから。プロパンガスは可燃性ですか、可燃性でないですか。
#12
○政府委員(佐久間彊君) 可燃性でございます。
#13
○吉武恵市君 これは可燃性ならば、なぜプロパンガスの取り締まりを、石油と同じように一貫して消防庁でおやりにならないのか。
#14
○政府委員(佐久間彊君) これは化学的な性質から申しますると、プロパンも可燃性であると思うのでございますが、なお石油などと同じ可燃性持っておりましても、石油と性質が違う点がいろいろあるようでございます。しかし、これをどこの役所で所管するのがいいかということは、私は行政機構上における権限の分配の一つの行政技術的な問題であろうかと思うのでございます。そういうふうに考えてみますと、これは戦後における内務省解体後の一つの沿革的な事情も多分にあったのではなかろうかと思います。
#15
○吉武恵市君 私は最初に申し上げましたように、どこの省に移管したらよろしいとか、どこの省がやるべきであるとかいう問題には実はあまりタッチしたくない。目的は、国民の側から見て一貫をして安心をして政府なり、政府の行政機構におまかせができる態勢をつくりたいという意味で、実は私これに検討を加えつつあるわけです。
 そこで、私一つ、なぜこれを申し上げるかといいまするというと、プロパンガスはお話しのように通産省で御所管になっておる。それから火薬類も通産省でお取り扱いになっておる。ところが、通産省が直接全国の末端の市町村にまで目が及んで一体監督ができるかどうか、私は、言うべくしてできないんじゃないか、結局法律を調べてみまするというと、通産省は府県知事をお使いになっておる。私はこれは、国の行政事務というものは、国が直接自分の機関をつくってやられるものもあろうし、あるいはまた府県を使っておやりになるものもありまするから、それ自体は私はけっこうかと思います。ところが、石油のほうはどうかというと、国民の側から見れば同じ危険物なんです。石油スタンドもやたらにつくられて、事故も相当起こっております。あとで件数はお聞きしたいと思うのですが、スタンドは相当の設備をこのごろやるわけでありまするけれども、それでも一年に相当の事故が起こっておる。プロパンについても、最近の需要の激増に応じまして相当の事故数がふえておるのであります。ところが、消防の石油行政に関する取り締まりは、消防庁は直接市町村長をお使いになっているでしょう、府県知事をお使いになっていない。それは消防庁は消防庁の人員を幾ら動員をされたって、全国におけるたくさんふえつつあるスタンドの取り締まりや臨検ができるはずはないですから、末端をお使いにならざるを得ない。ところが同じ危険物でありながら、プロパンガスのほうは通産省は府県知事をお使いになって、市町村はお使いになっていない。今度ようやくこれによって、消防署に届け出の義務を負わせるということで、若干これに関与することになっている。それでプロパンガスを、通産省はどういうふうにしておやりになっているか聞きたいのですけれども、私はどれだけの人員をもってこのプロパンガスの取り締まりや許可をやっているかどうかと思って、府県を調べて見ますると、名前をあげるのは差し控えたいと思いますが、ある県になりまするというと、産業観光課でやっている、産業の助長、観光の施設を取り扱っているところの課でこのプロパンの取り締まりを、わずか二人か三人の職員でやっておられる。ところが今日一般の需要は、都市はもちろんのこと、いなかのほうにおきましても、プロパンの需要は非常にふえつつある。昔のようにまきとか炭とかというようなものに依存していたいなかでも、みんな家庭でプロパンをやっている。そうすると、そのプロパンを配給するのはどこかというと、昔のまき屋さんや炭屋さんがみな販売店になって、ちょっとした貯蔵所をつくって、そして配給をされておる。それを府県の二人、三人の職員で、どうして一体監督が行き届くかどうか。この点について、通産省から課長お見えになっているようでありますが、その状況をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#16
○説明員(矢野俊比古君) 液化石油ガスの保安行政につきましては、ただいま先生御指摘のとおり通産省の化学工業局が所轄に当たりまして、いわゆる第一線は、都道府県の行政機関第一線でお願いをしているわけでございます。その府県のまず人員の問題でございますけれども、いま一つの例でお話ございましたが、私どもも昨年九月現在で、このいわゆる保安体制は十分かということから調査をいたしましたところ、高圧ガスというのはほとんどLPガスでございますが、これの担当員が二百三十七・二名という現状でございました。
 ところが、御指摘のとおり、これでは十分な保安検査あるいは立ち入り検査、あるいはそれ以外のいろいろな被害予防の指導といったことも十分できませんので、そういう点を、一定の事務量を算定をいたしまして、各県別に全部整理をいたしまして必要人員を出しますと四百六・七名、いわば四百七名の人員でなければ、現在十分できないということになるわけであります。したがって、差し引き百六十九・五、約百七十名というものが現在不足人員だというわけでございまして、昨年九月二十四日に、各府県知事に対しまして私どものほうの局長名をもちまして、今度の四十二年度におきましては、この不足をぜひ定員の確保をしていただきたいということを要請をいたしたわけであります。
 現在それの報告が逐次参ってありますが、最終集計はできておりませんが、私どもいままで報告を受けましたところでは、二十二・五という、約二十三人ということでございます。要求しました不足の幅に対しまして約一割ちょっとというところ、これは相当やはり府県のほうもいろいろと事情がありまして、苦労もあったと思いますが、誠意を見せていただいたものの、まだまだ不足であるということで、非常に残念に思います。
 したがいまして、私どもとしましては、今回の消防法改正で、いろいろ消防のほうでも御苦労をかけております。一部の改正ではお願いしておりますが、あわせまして、現在国会に提案をして、衆議院のほうに提出をしております液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案におきましては、いわゆるこの販売店、あるいはそういった消費施設、消費先というものにつきましては、許可の際におきまして、あらかじめ地元の消防署の御意見を出していただく。それから、さらに許可をいたしましたら、その内容を、従来この保安行政が、火薬、高圧ガス取締法、いずれも昔の警察からこちらのほうに移りました関係で、都道府県の公安委員会との通報がございます。今回消防署にも御通知を申し上げ、それから、いろいろ保管設備として、消防法に基づく検査をやった暁におきまして、その上で私どもの省令、いわゆる技術基準に違反あれば、これに対して府県知事に改善命令を出すようにといった意味の措置請求を消防署のほうからしていただくというような、消防との密接な協力体制を固めまして、それによって消費施設なり販売店につきましての私どもの技術基準につきましても、消防庁長官に制定、改廃については協議を申し上げるような形で、これも法律で十分そういった点の裏づけをいたしたい。そういう点で、府県の体制の不足というものはできるだけカバーをしていくとともに、先ほど先生の御指摘にもありました国民生活の安全を徹底的に確保していく、こういうように考えておる次第でございます。
#17
○吉武恵市君 いまのお話によりますというと、全国で二百三十七名、平均にして五名ですけれども、東京とか大阪というこの膨大な都市におけるプロパンの販売その他についての監督、許可あるいは検査等をやりますれば、これは東京だけでも相当の陣容が私は必要だと思います。私は、あなた方が法律を、中央で基準をおつくりになるときには、それは専門家を入れておつくりになるでしょう。基準をつくったら、あとはそのまま行なわれるというような感覚でおやりになっているものだから、実際とあなた方の意図とには相当の食い違いが出てくる。いなかの県になりまするというと、普通一人か二人ですね。一人か二人で一体これだけのことができるかどうか。昔は、私が申し上げましたように、昔は県の警察部の保安課においてこういう問題は、ごく少ない、その当時はもうダイナマイトとか、あるいは銃砲火薬であるとかという程度のものでも、相当の保安課に職員がおる。なおその末端には警察署の職員を動員して、年に何回か現場の検査もして、そうして行き届いた取り締まりをしておったんです。一方、このごろのような、いわゆる都市生活の変化に伴うプロパンの需要の激増でありまするから、うっかりいたしますると、ちょうど自動車がたくさんふえちゃって、東京都内にちっとも車が動かなくなるのと同じようなことで、よほどお考えになりませんというと、つまりほったらかしになるきらいが私はあると思うのですが、さて、その問題は別といたしまして、あなた方は府県知事に機関委任をしておいででございますが、これは国の事務の委任ですか、何ですか。
#18
○説明員(矢野俊比古君) 地方自治法の規定から見ましても、国の委任事務であり、機関事務であると、こういうふうに考えております。
#19
○吉武恵市君 そうしますると、府県に委任するのではなくて、自治体の委任ではなくて、行政庁としての府県知事に委任するのですね。
#20
○説明員(矢野俊比古君) お話しのとおりでございます。
#21
○吉武恵市君 そうですね。
 それから消防庁にお聞きいたしまするが、消防のほうで石油スタンドその他の取り締まりをおやりになっておられる。消防自体、火を消すこと自体は、これは消防法を見ましても、自治法を見ましても、これは私は自治体自身の仕事であるから、当然自治体が負担をし、自治体がやるべきだと思うのですが、危険物取り締まりということになりますと、これは国の事務を委任されておるのですか、自治体の事務ですか。
#22
○政府委員(佐久間彊君) 法制的に見ますと、国の事務を地方公共団体の機関に委任していると、かような法制になろうかと思います。
#23
○吉武恵市君 そうしますると、府県にしましても、市町村にしましても、自治体の仕事であれば、これは自治法にも規定しておりまするように、あるいは消防法に規定しておりまするように、自治体の負担になるのである。現在消防機関、消防署の費用というものは市町村がこれを負担しておる。プロパンにしましても、石油その他の危険物にしましても、国が取り締まりをして、そして人命保護という立場においておやりになっているのに、国自身では手が届かないから、府県知事なり市町村長に機関委任をしておやりになっておるということ、委任されることは、これは私はやむを得ないと思う。しかし、昔府県知事に権限を委任いたしましたのは、府県知事は自治体の長であると同時に国の機関です。国の行政長官、地方長官でありまするがゆえに、地方長官に事務をどんどん委任しておったのであります。今日では自治体の長であって、国の行政機関ではないのですね。しかし、いま言ったように、国が自分の末端の機構をつくって、それにやらせるといったって、ばく大な金もかかるし、また手も及びませんから、府県知事をお使いになる。また、消防も市町村長をお使いになることはけっこうですが、その国の事務を機関委任をされて、その費用は、国や消防庁は一体国費としておやりになっておられますか。
#24
○政府委員(佐久間彊君) これは地方自治法の原則といたしましては、機関委任事務等につきましての経費は、その団体が負担をするということになっておりまするので、知事に委任されました分につきましては、都道府県、市町村に委任されましたものにつきましては市町村の負担ということになっております。ただその場合に、国としては必要な財源措置をしてやらなければならぬと、かようなことになりまするので、それに必要な経費は地方交付税の基準財政需要額に計上をいたしまして措置をいたしておるわけでございます。
 なお、これらの機関等の事務につきましては、手数料収入が相当ございます。これはそれぞれの団体の収入に相なっております。
#25
○吉武恵市君 いまお話しになりましたように、機関委任をした事務は、その費用は自治体が負担するという規定はどこにありますか。――それでは時間がかかりますから、あとでほかの方がお調べになってお答えをいただきたいと思います。
 私は、消防組織法第八条は「市町村の消防に要する費用は、当該市町村がこれを負担しなければならない。」、市町村の消防については当然自治体の事務でありまするから、市町村の負担になることは私は当然だと思う。しかし、国が国の行なうべき行政事務を市町村あるいは府県に委任をして、委任をしたやつは当然自治体が負担せなきゃならぬというのは、根拠がなくちゃならぬと私は思う。
#26
○政府委員(佐久間彊君) 地方自治法の二百三十二条に経費の支弁に関する規定がございまするが、「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務を処理するために必要な経費、」、これはまあ団体の経費でございます。その次に、「当該普通地方公共団体の長、委員会若しくは委員又はこれらの管理に属する機関」とございますが、この場合、長でございますが、その長が、法律またはこれに基づく政令により、その権限に属する国の事務を管理し、または執行するために必要な経費を支弁するものとすると、まあこういう……。
#27
○吉武恵市君 それは何条ですか、自治法の。
#28
○政府委員(佐久間彊君) 地方自治法の二百三十二条の第一項でございます。
#29
○吉武恵市君 はい、わかりました。
#30
○政府委員(佐久間彊君) なおそれで、そういうことで当該団体が支弁はいたしまするけれども、その第二項で、機関委任事務を処理、執行させる場合には、国がそのために要する経費の財源につき必要な措置を講じなければならないという、こういう規定がございまするので、この財源措置のしかたは、先ほど申しましたように、地方交付税の中の基準財政需要額に算定するということも含まれておるわけでございます。
#31
○吉武恵市君 その地方財政需要の中に含まれるというのは、本来の自治体の事務である消防に関する事務をいっているのではないだろうか。それ以外の国の行政事務を委任した、その事務一切も含まれているのでしょう。
#32
○政府委員(佐久間彊君) ただいま申し上げました二百三十二条の第二項の規定で、わざわざ財源につき必要な措置を講じろと書いてございまするのは、機関委任事務の場合を主眼といたしました規定でございます。
#33
○吉武恵市君 それから手数料の財源も含まれているということですが、いまの石油スタンドの許可、その他危険物の取り扱いに関する、あるいは試験であるとか設置の手数料が定められておるようでありますが、それは全国で幾らになっておるか、そうして消防の予算というものは全国で幾らになっておるか、その何%はそれで補われているか、おわかりだったらお知らせ願いたい。
#34
○政府委員(佐久間彊君) 全国で市町村の消防費でございますが、昭和四十年度の決算の額は六百七十八億円でございます。で、その中で手数料収入が幾らになるかということにつきましては、後ほどよく調べまして御報告申し上げたいと存じますが、一般財源が五百九十一億円でございます。残りの八十七億が特定財源でございますが、その八十七億のうち十五億が補助金でございます。起債が三十三億でございます。その他三十九億という中に手数料収入も含まれておりまするが、その他の内訳につきましては、後ほど調べまして申し上げたいと思います。
#35
○吉武恵市君 通産省のほうのプロパンガスなり、あるいは火薬についてやはり手数料を取って、府県の収入にしておられると思いますが、それと、府県の現在その取り締まりに当たっておる職員の人件費及びその旅費等の経費との関係はどういうふうに……。
#36
○説明員(矢野俊比古君) 火薬につきましては、手元に資料持ってきてまいりませんでしたので、高圧ガスについて申し上げたいと思いますが、高圧ガスにつきましては、昭和四十年度の手数料総収入、全国三億四千七百四万九千円でございます。これはいわゆる許認可手数料、完成検査手数料あるいは容器検査の手数料あるいは販売主任者試験手数料、そういったような府県におきます試験の手数料の全部を総合して三億四千七百四万九千円、これに対しまして、昭和四十一年度の予算の計画でございますが、これが三億一千八百九十三万一千円でございます。この内訳は、人件費といたしまして一億六千六百十五万八千円、それから旅費庁費といった検査に要するいわゆる費用といたしまして九千九百四万九千円、それ以外、いわゆる指導費といたしましての補助金、委託費といったようなもの、これが五千三百七十二万四千円、計が三億一千八百九十三万一千円ということで、いわゆる高圧ガス取り締まり関係予算は、手数料収入よりかはいわば下回っておるというのが実態でございます。
#37
○吉武恵市君 いまのプロパンガスのほうにつきましては、手数料収入にやや下回った職員を置いておりますから、まだまだ多少の余裕はあるかと思いますが、この手数料収入で取り締まりをやらせようとなさるから、先ほどお話のように、府県になると二人か一人半というようなことになりますね。それで十分であれば、私は何も今日役人をたくさん置く必要はないと思いますよ。しかし、とうとうとして需要が増してきておるこのプロパンガス、そうして方々に事故が発生しておるこの検査、こういうものについて、手数料があるからそれの範囲でまかないなさいということは、少し私は無責任じゃないかと思いますね。国が人命の尊重というたてまえに立てば、国の経費の中から支出してでも危険のないようにするということは、私は当然の国の義務であると思います。それを手数料でまかないなさいということは、ちょっとどうかという気がするのですが、どうですか。
#38
○説明員(矢野俊比古君) いま先生御指摘のとおりでございまして、先ほど消防庁長官からもお話がございましたように、別途、地方交付税の算定基準という形で、あるこういった県に対する財政措置というものも、自治省の財政局にいろいろことしお願いいたしまして、従来その算定基準で、いわゆる給与というものについては、大体標準県で三名でいいんじゃないかというようなことを、今回から五名に増額をしていただきました。それ以外に、いろいろなそれに要する事業費というものについての査定を相当な幅を置いていただきまして、これは消防庁からもいろいろ御協力をいただいているように伺っておりますが、そういう体制で、今後こういう標準県に対する対策もできましたので、こういう点からもいろいろ措置をいたしたいと思います。
 それからさらに私どもとしても、県自身に対する補助金というような形は考えてございませんでしたけれども、いわゆるLPガスの販売店あるいは充てん所に対します点検費というようなものにつきましては、昨年来千百万ばかりの予算で、自主保安という形で、高圧ガス保安協会を通じまして、各府県全部で三千人の動員をいたしまして、県の立ち入り検査の間に、そういった自主体制を進めるというようなことも考えております。府県に対する補助金というような形まで進めておりませんけれども、いろいろ今後こういう交付税の関係等も考えまして、そういう将来体制を大いに確立をしていきたい、こういうふうに考えております。
#39
○吉武恵市君 だいぶその点については御努力をされておるようでありまするが、問題は何も人数をたくさんふやすだけじゃないと思うのです。専門的な職員を置いて、そうして遺漏なきを期せられたいと思います。かりに五人を要求されて、今日とうとうとして増加しつつあるこのプロパンを五人ぐらいで、販売所だってたいへんな数でしょう。それを許可をするといっても申請書の許可の基準に合っているかないか審査するだけでもたいへんな手数ですよ。そしてそれを基準どおりに一体やっているのかどうかという監督なんというのは、とても四人や五人では私はできないと思うのです。だから、やっぱり末端の機構を使わざるを得ない。その意味において、今度消防署と提携をされまして、消防署に届け出させる、また、消防署の手を借られるのはけっこうですけれども、いまさっき言ったように、消防はややもすると火を消す消防と考えやすい。火を消す消防は市町村の事務であるから、市町村がやったらいいじゃないかというふうに押しつけがちになると私は思うのですよ。ですから、そこにこの問題が危険にさらされるおそれがあるので、やっぱり府県に対してあなたが、通産省が責任を負って、この。プロパンガスについての人命救助といいますか、尊重の点から、責任がおありになるならば、県のみならず、私は末端の市町村の機構までやはり配慮をされる必要があるのじゃないか。
 それからもう一つ、消防庁長官に私お尋ねいたしますが、プロパンはいまのように省が違うからでもありますが、府県をお使いになって下がない、あなたのほうは、石油その他の危険物は市町村の消防をお使いになるけれども、府県はお留守になる。まあそれは、それぞれで責任を負うて万全を期しますとおっしゃれば、私はそれでけっこうだけれども、いかにもこれは私は行政機構の取り扱いとしては片手落ちな気がするのです。プロパンについて府県に責任を負わす、そしてその府県が自分の機構及びその末端の市町村を使って取り締まりを期する、同時に石油スタンドその他についても、府県にこの危険物についての課を置くなり、そうしてそれに相当の人員を配置して、そして末端をやるというふうにしないと、あなた方は、気持ちはそのほうになっていらっしゃるけれども、実際の機構が、あなたのほうは消防署だけを使っておる、府県は全然関係がない。地方の地方課の中に消防に関する取り扱いをする人が一人かそこらいて、それが責任はないのですね。こういう点は、私は機構をどちらがやったらいい、こうだということになると、役所の権限争いみたいになりますから、私は避けてもらいたいが、政府としては責任が一貫している国民に対して危険防止の立場から、あぶないですよ。
 この間私は新聞を見るというと、広島市の横川では、食堂でプロパンの炊事に使っている五十キロ二つと、十キロ二つのやつが爆発して、約八十メートルの範囲が全壊もしくは半壊で、三人重傷を負ったという、負っているということ、今度は川崎で、これは家庭のプロパンが爆発したのですけれども、爆発して、そうして近所の産院の赤ん坊にまでけがをさせているのですね。これはまあ、その危険を一々気にしておってはならぬでしょうけれども、やっぱり万全を期して事故を少なくするという、それがためには、やはり通産省あるいは消防庁は、危険物については相当真剣な責任感を持って末端までお考えにならないというと、ただあなた方が中央で基準だけをおつくりになる、基準だけつくって、そして基準を府県やあるいは市町村に命じて、そしてそのとおり行なっているはずだというおつもりになっておるけれども、なかなかそうはいっておりませんよ。
 そこで私は消防庁の関係について少し掘り下げてお聞きいたしますが、消防庁のほうは、石油については、石油スタンドについてはあなたのほうの責任で、一切市町村長あるいは消防署を使っておやりになっているのですね。ところが法律を見ますというと、スタンドの中には、一般取り扱い所のスタンドと、それから普通のガソリンの給油スタンドとの二つの種類があります。一般取り扱い所の許可基準が、製造所と同じように重要な基準が準用されておる。これはあなた御承知でしょう、ありますね。これは消防法に基づく政令の第十九条を見ますると、「第九条の規定は、」、すなわち石油の一般製造所に関する規定でありますが、「第三条第三号の一般取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準について準用する。」と書いてありますね。ところがこの第九条を見まするというと、プロパンガスの貯蔵所からはスタンドは二十メートルを隔たなければ許可をしてはならないと書いてある。現在私はいなかも見て回りましたが、東京都内も見て回りましたが、この基準はほとんど守られておりません。なぜ守られていないかと言って聞いてみるというと、それは政令でこれだけの厳重な基準が示されておるにもかかわらず、あなたのところは通牒をお出しになっておる。予防課長の通牒をもって、灯油専用の一般取り扱い所の規定についての運用基準として、そうしてその中に、その政令によらなくてもよろしいという通牒がある。政令でもって厳重な基準をあなた方お示しになっておりながら、通牒でもってその例外をお認めになっているというのは、私には理解がつかないのであります。どうしてかといって調べてみまするというと、抜け道が書いてある。どういう抜け道が書いてあるかというと、政令の第九条第一号の距離制限については消防法の政令の二十三条に特例の規定があります。二十三条に特例の規定があって、「危険物の貯蔵又は取扱の方法並びに製造所等の周囲の地形その他の状況等から判断して、この章の規定による製造所等の位置構造及び設備の基準によらなくとも、火災の発生及び延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認めるとき」には適用しないという特別の例外規定がございます。
 これは野原の中とか、あるいは山のふもととかにやるのに、一々距離の制限を厳重にしなくてもいいじゃないかという常識的なことは私はあり得ると思うのです。規則ずくめでやれるものではないので、だれが見てもなるほどこれなら危険はないじゃないかということの規定だと思うのです。ところが、これをあなたのほうは援用をされておるけれども、実際はこの通牒が出ているためにほとんどしり抜けですね。一般取り扱い所はもう普通の給油取り扱い所の中にできている。そうして規則の中では、一般取り扱い所と給油取り扱い所とが隣接して、同じ人がやっているときには認めてもいいというようなことをいわれておるけれども、隣接じゃないんだ。給油取り扱い所の中に認めていますよ。そうしてこの通牒の中には、はっきりとその区画をしておかなければならないという。区画は何をやっているかというと、白い線をやっているが、わからない。規則の上ではこれが区画でございますといっている。私どもから見れば区画じゃない、同じものなんですよ。給油取り扱い所の中に一般取り扱い所、どこに区別があるか。これは私は、都会のようなところにとうとうとしてガソリンの需要あるいは灯油の需要というものが増してきたから、あまりやかましいことを言っておったのではできないからという気持ちはわかります。気持ちはわかりますけれども、あなた方がこういうふうな通牒を出されて、これは先ほど私が読み上げましたように、二十三条の特別の差しつかえがない、だれが見ても被害が最小限度と考えられるところについてはという規定を大っぴらに運用をしておるんです。そうして、それはどういうふうにあなた方はおまかせになっているかというと、すべて市町村長、消防署長の認定にまかされているでしょう。市町村長の認定にまかされているのは自由裁量ですか。
#40
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のございました危険物の規制に関する政令の第二十三条につきまして、先ほどお読み上げになりましたような条件に該当するかどうかということは、市町村長等の認定になっておりまするが、この認定は、私はいわゆる行政法学上で申しますと、法規裁量というものに該当するものと理解いたしております。
#41
○吉武恵市君 私もさようでなければならぬと思いますが、しかし法規裁量といったって、四囲の状況から見て差しつかえないと思えば、市町村長は許可ができるとなっておりますると、自分は差しつかえないと思いましたと言ったら、どうしてあなた方、それを間違ったと言って訂正できますか。
#42
○政府委員(佐久間彊君) かりに市町村長の認定が間違っておった、違法であるというようなことでございますれば、これは機関委任事務でございますので、地方自治法の一般の規定に従いまして、都道府県知事が取り消しができる、あるいはまた違法とまでいわぬでも、非常に不当な判断であるというような場合におきましては、これも地方自治法の規定によりまして、都道府県知事が是正するように指示をすることができる、かように考えております。
#43
○吉武恵市君 それは形式的な理論からすれば、違法があれば是正をさせ得るのは監督官庁として当然です。しかし四囲の状況から見て差しつかえがあるかないかということは、判断のしかた一つでしょう。限界がありますか、違法と違法でない限界が。距離が二十メーターとなって距離制限があれば、その距離制限に違反をしたとすれば、違反をしたということは明瞭です。しかし通牒で二十三条を援用されて、これで運用して差しつかえないと思えばよろしゅうございますよという通牒をあなた方は出されておるのです。自分は差しつかえないと思って許しますと、違法といっても、どうして違法ということがいえるのですか。
#44
○政府委員(佐久間彊君) 一般論として先ほど申し上げたわけでございますが、具体の問題につきますれば、なおいろいろと具体的な状況を検討いたさなければならないと存じます。ただ、一般的な問題として御提起いただいておりますので、私も二十三条の特例の運用につきましては、反省をいたさなければならぬ点があるように存じます。せっかく法令で相当こまかい規定をいたしながら、二十三条によりまして、状況によりますればその規制を適用しないことができるという特例でございまするから、その特例を適用していいかどうかということにつきましては、よほど慎重に判断いたさなければならぬものと思いまするので、それらの運用のしかたにつきましては、いろいろ御指摘もいただきましたので、なお今後よく検討をしてまいりたいと思います。
#45
○吉武恵市君 私は規則ずくめで、すべてをやかましく厳重にというつもりはございません。それは状況によってはまあこの程度という良識というものがあろうかと思うのですけれども、こういうあいまいな指示、通牒を出されてやらせれば、えたりかしこしとして、どんどん要求はあるのですから、かってに無視されて許可になるおそれがあるのです。そのときに付近のものは非常に危惧の念を持つわけですね。プロパンガスの貯蔵所もあり、それに接近してこんな一般取り扱い所の取り扱いもある、ガソリンスタンドもある。危険物を一緒くたにやられては心配をするのですよ。その際に付近の人が承諾すれば、これは私はいいと思いますよ、いいことはない。人命尊重の点から見れば、その隣家の者がいいとおっしゃっても、それはそうはいきません。あぶないから、そういうことをさせてはなりませんというのが、これが国としての私は責任だと思うのですよ。しかし付近の者が承諾をすればという気持ちはするのですけれども、このごろはかってに許していますね。それはどうして付近の人の了解をとらないのですか。
#46
○政府委員(佐久間彊君) 規定の上では規制を相当こまかく規定をいたしておりますので、法律上周囲の人の承諾を必要とするという規定はございませんけれども、実際の運用といたしましては、非常に周囲の方々にいろいろ御意見もあるというような場合には、よく御了解をいただいた上で事を進めるべきであるという指導はいたしておる次第でございます。
#47
○吉武恵市君 それでそういう指導をなさいましたか。
#48
○政府委員(佐久間彊君) これは従来会議の席上等におきましては、そういうようなことを申しております。
#49
○吉武恵市君 私が聞いたところのある消防署長は、そういう規定はございません、規定がないから、法律の基準に従って許可すれば、それで差しつかえございません、こう言っているのですね。その際にはいま言ったように、一般取り扱い者は、民家から十メートル隔たなければならない。一定の規模以上のプロパンの取り扱い所、貯蔵所があれば、二十メートルの許可制限をしなければならない。あるいは学校その他の制限もございますよ、これは私は当然だと思うのですが、その基準によらないのですね。よらないというのは、本省から通牒が出て、二十三条の規定によって、よらなくともよろしいという、規則にはよれと書いてあるが、通牒ではよらなくとも、周囲の状況を考えて差しつかえなかったらよろしい、それじゃ一体どっちに本心があるのかわからないでしょう。そうすると消防署長は、いいと書いてあるのですからやりましたと、こういうことになる。そこであとで問題が起こるのです。
 そこで私は通産省のほうにお聞きしますが、プロパンガスの貯蔵所というのがありますね、これはもっと危険です、スタンドよりも。タンクローリーのような大きいものが町の中に施設されて、そこから各ボンベに分けて売っているところもありますね、町の中にこれが許されているのですよ。これは付近の承諾をとりますか、とりませんか。
#50
○説明員(矢野俊比古君) 先ほど消防のほうからお話がございましたが、法律の上としては、私どものほうの許可をする際には、五号の補完規定というのがございまして、販売ないし製造することが公共の安全の維持、あるいは災害発生の防止に支障があるかどうかという規定がございます。それの援用という形で、最近のように、特に町中の充てん所でいろいろな問題が多い場合には、そういう点で、できるだけ近所の付近の人たちの同意書といいますか、承諾書をとった上で、その上許可をする際、それがとれているかどうか確めるような、これも担当者の会議の席上で指導いたしております。
#51
○吉武恵市君 昔のことですけれども、昔はダイナマイトの火薬、私は自分で炭鉱でそれを使ったこともあるのですけれども、相当やかましくて、事務所やその他から相当の距離を隔たった山の中に貯蔵所を置いて、厳重な取り扱いをさせられたのです。また、そうしなければならないと、われわれも常識上思っていた。ところがダイナマイトどころではない。相当威力のあるプロパンガスが町の中に大きくどんどん入ってきているのですね。これは先ほどお話しのように、付近の人が承諾すればそれはいいともいえるでしょう。しかし、人命尊重という立場から見て、幾ら付近の人がいいと言っても、危険があれば、そういうところは適当でない。やはり相当の危険性があると認めた場合には、危険性のないところを選んで許可するという配慮が私は必要だと思うのです。ところが、これはあなたのほうは、法律にはないけれども、その点は付近の人の了解なりなんかを得てやっているということだからいいけれども、消防のほうは、あなたは指示されたと言っているけれども、実際は指示していないでしょう。
#52
○政府委員(佐久間彊君) この灯油専用の一般取り扱い所の規制に関する先ほどおあげになりました運用基準につきまして、特にそれを対象として指示をいたしたことはないようでありまするが、この危険物の規制に関する諸施設の取り扱いにつきましては、往々にしていろいろ問題が起こっておる場合がございまするので、それらの場合につきましては、関係の者とよく了解を得て事を進めるようにというようなことは、会議の際に申しておるわけでございます。なお、この一般取り扱い所の通達の問題でございますが、そう申しますと、多少弁解がましくなりまするけれども、一般取り扱い所として念頭に置いておりまするのは、大工場における一般取り扱い所を念頭に置いている場合が多いわけでございまして、まあこの灯油専用の一般取り扱い所というような場合には、ガソリンの貯蔵所と、給油所と比べてみまして、状況によっては二十三条の規定を適用しているという場合も考えられるというふうに思いまして、かような通達を出しておるわけでございますが、まあしかし、そういうことになりますると、政令の規定そのものにつきましても、なお立法論としては検討を要する点もあろうかと思いまするし、一般の問題といたしまして、御指摘のとおり、せっかく厳格な規定を設けておりまするものを適用しなくてもいいという特例の場合でございますが、これの運用につきましては、なおよく今後とも十分検討をいたしてまいりたいと思います。
#53
○吉武恵市君 私は規則の末端をとらえてどうこう言おうとは思いません。問題は危険がなければけっこうなんです。ところがスタンドでも毎年相当の事故を起こしてます。これは火災の事故ばかりじゃない、爆発の事故もある、プロパンガスも相当の事故を起こしております。これを接近して許す、そのときの危険度というものは私は相当大きいと思うのですね。それは、それみずからが危険を生じない場合はあるかもしれませんよ。スタンドは厳重な取り扱いをしておりますと、プロパンも厳重な取り扱いをしておりますということがあるかもしれない。しかし、その付近の火災によってプロパンが爆発すれば一発でしょう。そういうときの責任はどうしておとりになるのです。それはしようがないのだと、それで死んだ者は災難だと、そういうことでは済まないのですね。ですからおおよその良識でもって、まあこの程度は気をつけなければならない、まあこの程度は注意をすればいいじゃないかという点を、あなた方のほうで慎重にお取り扱いにならないというと、規則をおつくりになっても、その規則が片一方のしりで抜けるようなことを実際におやりになると、末端のほうはえたりかしこしとなるのですよ。
 先ほど違法だったら取り消しますと言われましたが、その違法を取り消してどうなさいますか。認定を市町村にまかし、その市町村が、いやもう差しつかえないと思いました、二メートルくらいのブロックの壁がつくってありますからだいじょうぶだと、こう言っている。二メートルぐらいのブロックなんか一ぺんに吹っ飛んでしまいますよ。さっき言ったように広島の横川に起こったプロパンガスの食堂の爆発は五十キロが二つ、十キロが二つ、百二十キロのボンベが爆発しただけで八十メートル付近の家屋が全壊及び半壊なんです。これに規定しているプロパンガスは三百立方メートルの容量以上のものは規制されておりますけれども、それ以下の貯蔵所だって十キロや五十キロのプロパンガスを何十も販売店で詰めておりますよ。そういうものをたくさんあなた方は町の中に認めているのです。もうなれっこになっちゃっているのですね。そして事故が起こったときには、ああどうも災難でしたな、では済まないのですから、あなた方は人命尊重ということをよほどお考えにならないと、このごろはもうなれっこですよ。自動車だって、ダンプカーなんかはもう小さい道路で、幼稚園の生徒を緑のおばさんが案内しているところだってぶち込むのですから。このごろようやく世論がやかましくなって、そうしてだんだんと取り締まりが厳重になったけれども、よほどあなた方が腰を据えておやりにならないと、一方需要というものはどんどんふえてくるのですから、ふえてきますと、いいかげんな取り締まりをなさっているというと、収拾がつかなくなりますよ。
 それから私は最後に、こまかい点でありますけれども、今度の液化石油ガス関係の法律ですね、これは通産省のほうの関係、これはまだ参議院に回ってきませんが、これを見まするというと、これはまた第一条に、「液化石油ガスによる災害を防止するとともに液化石油ガスの取引を適正にし、もって公共の福祉を増進することを目的とする。」、なるほど公共の福祉を増進されるのはいいかと思いますが、現在、高圧ガス取締法は公共の安全と、そうして災害の防止ということをはっきりと目的に掲げて今日あるのを、どうしてこういうふうに変えられたか。その趣旨はどこにあるかをひとつ御説明願いたいと思います。
#54
○説明員(矢野俊比古君) 御指摘のとおり、この液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案は、まだ御審議のほどをいただいておりませんけれども、これの立案過程といたしまして一つの問題がございましたのは、非常に消費先の事故が多い。これは最近におきましての事故件数も、四十年に四十六件という報告、これは都道府県からする報告でございます。それが四十一年は百二十五件になり、今年は一月から六月の半年ですでに五十四件というような事故がございました。それについていろいろ調べてまいりますと、一つには消費者が、特に高圧ガス取締法はいわゆる工場、事業場というものをむしろ中心に考えられて立法されている関係で、ある程度化学的知識もあり、また、技術屋さんもおるという前提が一つの法律体系をなしております。家庭の主婦というものについては、こういったガスの危険性というものについての認識も非常に薄い。そういう点では、消費者の不注意というものも一つございますし、同時に、それをいかにカバーするかというのは、いわゆる第一線の販売店の保安指導責任というものも考えてもらわなければならない。また、器具についてもいろいろ欠陥がございます。そういう点も、これは検定制度でそういったことのないようにしたいということで、いわゆる災害防止ということについては従来以上にきめのこまかいものにする。しかし、同時に、現在の液化石油ガスが非常に、国民の千三百万世帯というところに回っておりまして、都市ガスが六百六十万世帯といわれる、倍の普及を示しております。国民生活におきます熱源料としては、いまさら薪炭に返り得るという態勢ではないわけでございます。そういう点で、ある程度公益性を持った立場から見ますと、消費者に対して取引の適正化、いわゆるガスをキロ・ボンベ入れいたしまして、そのガスを販売したといたしますと、たまたまガスが残りましてもわかりません。そうしますと、それをはからないままに十キロ幾ら、あるいは八百円ということになりますと、実際のガスは七キロになって、それが八百円になるということもございますので、そういった計量方法も極力、計量をメーターに切りかえる。メーターがなければ、残量を必ず引き取ってもらう。それから保安責務の区分というものは、液化ガスの場合には明らかに家庭の元せんまではいわゆる保安責任を持ちます。それ以降の、ガスゴム管から燃焼器は家庭の責任ですが、まあ保安の指導責任は持っております、というような体制にするという形で、取引適正化という形の、一つのやはりこれは消費者保譲というものをねらったわけでございます。
 そうなりますと、単純に公共の安全、災害の防止というだけではございませんで、いま申し上げました、取引上におきます消費者保護をはかるということになりますと、さらにその要因が加わる関係で、公共の福祉の増進という、さらにもう一歩大きく包括的な目的をここに掲げたということが経過でございます。
#55
○吉武恵市君 それは、取引を適正にされるのはけっこうでしょう。これも必要なことです。必要なことでありますが、それが入って、そうして公共の福祉――公共の福祉の中で一番端的に必要なのは、危険がないということです。それがためにこういう取締法というものができているのでしょう。いままで高圧ガスについては「公共の安全を確保する」ということが主目的になっています、第一条を見ると。それがいつの間にかのいてしまって、そうして何かわけのわからんような文字が入って「公共の福祉」、これではぼけてしまいますよ。火薬類ははっきりしている。火薬類取締法は、その目的の中に、「火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。」と言って、端的に表現している。これは私はほんとうの姿だと思うのです。火薬類はこれは昔からそうです。あぶない、これでもなお、火薬を持ち出して、この間のように東京駅でああいう事件が起ってみたり、羽田の飛行場において事故が起こったり、あるいは兵庫県では電車の中へ持ち込んでいるような事故が起こっておりますね。こういうふうな公共の福祉という文字を、まぎらわしい文字を――これは反対はありませんよ。けっこうなことだけれども、積極的にどこまでやりますなんて言って、その間に公共の安全という問題がぼけてしまうというのはたいへんなことです。そうじゃない。プロパンガスはこの公共の安全というものを主体にして、これだけでもいいのです。それが完全にいけば、あとはいろいろなことをなさってもけっこうだけれども、これを取られてぽかされたというところに、私は何か意図があるのじゃないかと思います。これは先ほどの御答弁であって、そうだということであればやむを得ませんけれども、私はこういう大事な文字を、公共の安全確保という文字をいつの間にかそっとすりかえて、これからはずして、通産省は公共の安全の確保の責任をのがれようというのでしょう、これで。プロパンの商取引の規制を入れて、そうしてそういう販売店のいろいろな関係をやられるというほうに主体が向いて、大事な公共の安全というものがいつの間にか抜けてしまう。それですから、事故がとうとうとして起こって、まだ起こりますよ。どんどんどんどんプロパンの普及というのは、いなかにいくほどまきや炭をたく者はなくなってしまって、全部プロパンになってくるわけですから。あなた方規定はつくられていくけれども、末端は、いま言ったように、府県には二人か三人、二人ぐらいですよ。それでもって県下全部に、町村の末端までいくやつが取り締まりできるはずがないのです。だからやはり今度のは、その点にいわば消防が一歩これに足を踏み入れて責任を分担をされるのですから、私はけっこうです。この法律自体については私は文句はないですけれども、もっといわば人命尊重という点に真剣に取り組んでもらう。府県で陣容が足りなければ、予算を取るなり、それからいまのように消防をお使いになるなら、消防の末端に至るまで指示をするなり、それから消防庁のほうも、今日、末端の市町村の消防機構までをあなた方は監督指導ができる。府県にはないものですから、府県を通り抜けておやりになっているけれども、それでは私は完全を期せられない。やはり予算措置をしていく県知事にもその監督の責任を負わして、そしてたくさん乱立しているスタンドというものについて遺漏のないように、そうして今度プロパンをやられれば、同じ府県知事とあなた方おっしゃるけれども、府県知事だけじゃ、片方は観光課でやるでしょう、産業課で。そういうことではおろそかになるのです。
 ですから、もうこれ以上私は申し上げましてもくどくなりますから、その点を御注意申し上げまして、いますぐここで機構の統合といっても間に合いませんが、将来この点につきましては、これを機会に危険物、その危険物はプロパンあるいは石油とかいうばかりでなく、あらゆる危険物について、政府はもっと真剣に人命尊重の立場で、国民に不安の念を抱かせないように、危険を招来をしないようにひとつ御留意を願いたいと思います。
 これをもって私の質問を終わります。
#56
○委員長(仲原善一君) 本案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。
 午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時二十九休憩
     ―――――・―――――
   午後二時一分開会
  〔理事吉武恵市君委員長席に着く〕
#57
○理事(吉武恵市君) それでは地方行政委員会を再開いたします。
 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 午前に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は御発言を願います。
#58
○鈴木壽君 今度の改正で、消防法のほうに第九条二として「圧縮アセチレンガス、液化石油ガスその他の火災予防又は消火活動に重大な支障を生ずるおそれのある物質で政令で定めるものを貯蔵し、又は取り扱う者は、あらかじめ、その旨を所轄消防長又は消防署長に届け出なければならない。」、こういうことでございますが、そこで午前中の吉武先生の質疑のそれにも関連をしてまいりますが、ここに消防機関に届け出ることとなっておりますが、届け出を受けた消防機関は、それから届け出を受けて、その後の措置なり、あるいは防災という立場からの業務なりですね、そういうものは一体どうなるのか、その点をひとつお聞きしたい。
#59
○政府委員(佐久間彊君) 消防機関は届け出を受けますると、まず第一に予防査察を必要によって行なうということにいたします。そして予防査察をいたしました結果、注意することがあればそこで注意をし、指導をいたすわけでございます。
 第二に、もしそれが消防機関が事実上の指導としての注意を与えるという程度では是正されないと、知事が通産省令で定めておりまする基準に対して是正を要するものにつきましては措置要求ができる、措置命令ができる規定が通産省関係の法令であるわけでございまするが、それをやってもらったほうがいいというような判断をいたしました場合には、消防機関から知事に対しまして必要な是正措置を要求することに相なるわけでございます。
 それから第三といたしましては、消防機関は、もしそこで事故が起こるとすると、どういう場合であろうか、そうしてまた起こりました場合には、消防機関としてはそれを防遇いたしますために、どういうような措置をとったらいいであろうかというような消防戦術と申しますか、そういうものをあらかじめ検討をしておくと、こうようなことを、届け出を受けましてから消防機関としてはいたすことになります。
#60
○鈴木壽君 今度の液化石油ガス等の保安規制に関する法律では、いろいろな販売、貯蔵あるいは一般消費家庭の使用の際の設備等に対して、ほとんど消防のほうでは実際にその予防、防災という立場からのタッチがあまりできないようになっておるのでありますが、たとえば基準を定めるときに消防庁長官の意見を聞くとか、あるいはその基準に対して意見があれば意見を述べることができるというようなことになっておりますが、この法の改正によって――この法というのは液化石油ガス等の保安の法律によって、消防法の改正ではこの一点だけで、あと心配なくこれらのものによっての災害、その防除なり防遇なりということに対して心配ないというふうにお考えになっておられるのか、その点はいかがですか。
#61
○政府委員(佐久間彊君) いろいろ私どもも検討はいたしましたが、結論といたしますと、当面これだけの改正をいたしまするならば、その運用によりまして、ほぼ心配ないところまでいけるんじゃなかろうかと、かように思っておるわけでございます。もちろんこの消防といたしましても、液化石油ガスの保安につきまして、これだけの積極的に責任を分担するということになりますのは、今回のこの改正法が成立いたしました暁において初めてのことでございまするので、これでやってみまして、なおもう少しこういう点についてこうしたほうがよかろうというような意見も出てこようかと思いまするが、ただいままで検討いたしました結果といたしましては、とにかくこれでひとつ一生懸命やってみたい、かように思っておる次第でございます。
#62
○鈴木壽君 この消防法の改正では、政令で定めるものを貯蔵し、または取り扱うもの、いわば販売、まとめていえば販売のところだと思うのですがね、そこに対してだけ消防のほうでタッチできるのだというふうにも考えられますが、あと製造の部面あるいは販売、一般消費者、この間における輸送といいますか、運送といいますか、そういう部面、これは消防のほうではタッチできないという、こういうことなんですか。
#63
○政府委員(佐久間彊君) 今回の液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律案におきましては、主として販売所、充てん場等が対象になるわけでございますが、なお、この法律の対象からはずれて、もう少し規模の大きい製造所等につきましては、これは高圧ガス取締法の規制を引き続き受けることになろうと思いますが、そういう場合におきましても、主務官庁が許可をいたしました場合におきましては、消防機関のほうに通報をしてもらうように、次の機会において法的措置を講じてもらう、こういうことで通産省のほうとお話し合いをいたしております。
#64
○鈴木壽君 ここで規定したもの以外にもやはり消防のほうへの通報を必要とするものが私はあると思うし、いまのお話からいっても、まあその問題についてはあとに残されたような形で、後日その法律改正等の際にですね、それをというようにいまおっしゃったように聞きましたが、私もこれだけで消防との関係が終わったということでは、どうも心配なんです。何か私、さっきも吉武先生からお話があったように、あの役所でどうの、この役所でどうのというつもりはございませんが、まあいずれにしましても、直接的に消防業務、防災の、それをやるという立場からすれば、もっと私は消防のほうでそういうことに対して十分承知しており、また対策も立てられるという、そういう仕組みなり体制というものがなければならないと思うのですね。そういう意味で、どうもこれだけで一体どうなのか、こういうように思うわけなんでありますが、それからもう一つですね、消費者の、いわゆるここにあります、液化石油ガス法の中の第十五条に「調査の義務等」ということがありまして、ここにその設備等については販売業者が調査をすることになっております。これはある意味においては、販売業者にそういう責任を持たせるということで意味もあると思いますが、これらの設備等が一応その政令で定められた基準に合致しているかしておらぬかというような調査をしたとしても、基準というものが一応定められておるわけでありますけれども、しかし実際問題として、そういうものの調査を業者だけにやらしておいて心配ないかどうかという私疑問を持つわけですね。その点はどうです、消防の立場から。
#65
○政府委員(佐久間彊君) 率直に申しまして、私どもも業者に責任を持たせるということにつきまして、どの程度実効をおさめ得るか、危惧の念がないわけではございませんけれども、通産省のほうのお考えで、これでやってみるのだ、こういうことでございまするので、まあ私どももこれに同意をいたしたわけでございますが、ただ、まあ私どもといたしましては、どうも業者だけの調査にまかせておくことは、これは消防としてはどうも不安だ。そこで先ほど申しましたように、消防につきましては、この予防査察を励行することにいたしまして、その結果基準に適合してないというものを発見いたしました場合には、適切な指導を行なうことによりまして全きを期することができるのじゃないか、かように思っておる次第でございます。
#66
○鈴木壽君 消防でいう予防査察ですね。いままでもこれはいろいろなものに対して予防査察ということがあったのですし、これからもやっていくのでしょうが、今度それも入るのだ、予防査察ができるのだということですが、予防査察という中に、この液化石油ガスの保安法で、ここでいっている調査の義務という、この第十五条にいうこういう趣旨の基準に合致しているかどうかというような、しかもそれが安全を確保するという立場からのいろいろな要請があると思うのですが、そういうことに、いわゆる予防査察ということでちゃんとやれるということなんですか。ただそれはしかし業者の分はまかせておる、予防査察の中に、この業者がやるというようなことに入ることになるのですか、その点はどうなんですか、実際の仕事として。
#67
○政府委員(佐久間彊君) 消防機関といたしましては、業者がやるやらぬにかかわりませず、火災予防上必要があると思います場合につきましては、予防査察ができるわけでございます。今回先ほどお話のございましたような新しく立法措置も講じました機会に、一そうこの点については励行をさせる、かような考え方でおるわけでございます。
#68
○鈴木壽君 ちょっと長官ね、業者が調査するしないにかかわらず、消防の予防査察はできるのだと、やるのだと。そうすると、別段いわゆる保安という立場からのそれは、この業者にやらせなくたってもういいわけなんですね。ですから、私はこの場合の業者が行なわなければならないとする調査の義務、調査というものは、保安の立場から念には念を入れてやるんだという、こういう考え方だろうと思うんです。販売業者は、自分のところの販売で取り扱うことについて必要なそういう施設なり、設備なりということだけでなしに、もう最終段階まで保安についての一つの責任を負わされる形になっていますから、そういう意味で念を入れた私は規定だと思うんです。しかし一方、先にも申し上げましたように、どうも私は業者のそういうのにこれをまかせておいたんでは、はたしてどうかなという心配があるんで、そこでさっきからお聞きしているわけなんでありますが、一方しかし、あなたのほうからは、消防一般の仕事としての、ぜひやらなきゃいけないこととしての予防査察があり、それでも十分やれるんだというようなお話がございましたが、両方からそれを――方には業者でそれを調査し、一方消防の立場からはいわゆる査察ということでこれをやっていく、両方の網をかぶるというかっこうになりますね。そういうことと理解していいんですか。
#69
○政府委員(佐久間彊君) たてまえといたしましては、そういうことに御理解願っていいと思います。ただ、もちろん十五条で規定いたしておりまするのは、個々の消費家庭に至りますまでのものでございまするので、消防が人数の制限もございまするし、実際上そんなに個々の家庭まで行き届いた査察ができるかと、こういうような点が先生の御心配の点であろうかと思います。その点につきましては、私もそう個々の家庭をシラミつぶしに行き届いた査察が、それじゃこれから消防の手でできるかということになりますれば、それはどうかと思う点もございまするけれども、このような十五条の規定と相まって、消防といたしましても、従来より以上に液化石油ガスの危険の防止につきましては予防査察を励行する、そういうことによって、この保安の確保に努力をいたしたい、かような考え方でやっておるわけでございます。
#70
○鈴木壽君 そうしますと、十五条によって販売業者も調査をするし、それから一方、消防のほうでは査察によってできるだけ事故等の起こらないようにやっていくと、こういうことだと思うんですが、それならそれでよろしゅうございますが、ただこの十五条によっても、それから消防の査察あるいは立ち入り検査等の規定等からいっても、手の届かないところがあるということを、この法律の条文そのものからいって、十五条にも、ただし、「所有者又は占有者の承諾を得ることができないときは、この限りでない。」、立ち入り検査等の消防法の規定の中にも、個人の住居については云々といって、承諾がなければだめだというようなことが、特別の緊急の必要がある場合以外はだめだというようなことも、これは法律の立て方からして、よく言われる立ち入り権とかなんとかというやかましい問題が一つありますからね。そういうことからつけられたものだろう、こう思うのですが、実際問題として、こういうことがあまりあらわれると困るんですな。調査をし検査をしようとしても、おれのところに入ってくるなというようなことがたくさんあらわれることは、これは困ったことだと思うのですが、そういうことについては、何かそうしますと、実際の仕事をやっていく上において考えていかなければいけない問題があるんじゃないかと思うのです。が、どうです。
#71
○説明員(高田勇君) 個人の住居に対します立ち入りの問題でございます。この問題は消防の四条に、先生のおっしゃったように、個人の承諾があった場合、あるいは承諾がなかった場合に特定の条件がついておるというのはそのとおりでございまして、一般に最近の立法といたしまして、個人の住居に対しますというのは一番法律の入りにくい分野ということから見まして、個人の承諾があるということが、普通立法例といたしましては、承諾を得るということが前提になっておりますということで、うちの消防法の四条におきましてもそうなっております。この通産の新法案の十五条のただし書きにおきましても、その思想を受けてやっておるのじゃないかと、ただ実際のそれじゃ運用でもって、四条の立ち入り権で、これが火災予防の観点から立ち入りをする場合、予防的にこれを診断をするという意味で査察をいたします場合、個人の家庭においてそういう趣旨を理解していただかないで拒否されたという例はきわめて例外でございます。したがって四条で立ち入りというものは、原則的には個人の承諾を得てやっている場合がほとんどでございます。
#72
○鈴木壽君 お話のようであれば、私あまり心配する必要ないと思いますがね。ですから、むずかしく言えば、その立ち入権とかなんとかということで、憲法上の問題にもなることですから、私こんなもの取ってしまえというようなことではございません。ございませんけれども、しかし、また何かこういうことがあるために、ぜひとも調査しなければならぬもの、検査を必要とするものであっても、なおかつ拒否されてすごすご引き下がらざるを得ない、それ以上には出ることができないというようなことがもしたくさんあればと思って、そういう心配からいまのお聞きしたわけなんですが、いままでのところではそう私が心配したようなことはあまりない、こういうことなんですね。
#73
○説明員(高田勇君) そのとおりでございます。
#74
○鈴木壽君 どうです。液化ガスのこの法で言う第三条の「事業を行なおうとする者」の許可でありますが、この場合の申請書等に「消防署長の意見書その他」云々と、こういうことで、消防署長の意見が出るようになっておりますが、この意見書についての何といいますか、消防署の署長の意見書等に対する扱いといいますか、これについて何か皆さん心配なしに消防署長の意見書、これが十分尊重されて、それに基づいた許可等が、あるいは場合によっては不許可等がなされるものと、こういうふうにあなた方、期待しておられますか。
#75
○説明員(高田勇君) この意見書につきましては、今度販売所が許可いたされます場合の一連の流れといたしまして、まず意見書が出て、それに基づいて許可が出て、その次に、その許可どおりの基準が維持されているかどうか、この一連の流れがある。その一番最初の段階において、設置の申請の段階において消防機関が関与するという形がこの意見書という形で出ているわけでございます。したがって、消防機関がこれに関与いたします場合には、たとえばこれが許可になります場合の、この法案の五条、通産の法案の五条のところで、「通商産業大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、許可をしなければならない。」ということで、一号から四号までこの許可基準というものが立っておるわけでございます。したがって、通産大臣または都道府県知事が許可をいたします基準というものが、これは実際には、現地における消防機関というものが現地の状況というものをしっかりと把握をいたしておりますので、そういう現地的な正確な把握という立場において、消防機関がこういう基準というものを踏まえて、この意見書というものを添付してその意見を述べていく。その意見を最終的にとるかどうかという問題につきましては、これは都道府県知事ないしは通産大臣の権限に属する、こういう形になっておるわけでございますが、現地の意見といたしましては、消防機関がしっかりしたものを出していく、こういうのが意見書のたてまえになっております。
#76
○鈴木壽君 私、変なことを聞くように思われるかもわかりませんが、意見書の、何といいますか、たてまえとか何とかいうことでなしに、実際問題として、商売についての許可とか認可とかいうような事柄が、必ずしも、人間を含めた、他のいわゆる保安というような立場からの意見が十分くみ入れられて、それに反したようなものは絶対だめなんだというようなことではない、幾多の事例があるわけですよ。ですから、そういう点から私心配なものですから、意見書をつけて申請をするのだ、意見書をつける場合には、こうこうこういうふうな基準があるし、そういうような基準から見て一体どうなのかというようなことの意見書をつけるのだと言っても、それはそれだけれども、そこまではそれでいいのですが、さて、もしその基準等から照らした意見書というもので、かりに好ましくないというようなものが出たにしても、場合によっては、まあそれはそれとして、しかし商売のそちらのことだから許可をやるというようなことになりはしないかという心配が私はあるわけなんです。そういう点です。
#77
○政府委員(佐久間彊君) これは、権限が通産大臣または都道府県知事にございまするので、法律上の形式から申しますと、消防機関の意見が尊重されないという場合もあり得るわけでございますが、行政の運用といたしまして、消防機関が保安上の見地から付しました意見というものは、許可権者において十分尊重されるものと私は期待をいたしている次第でございまするし、この点は、法律が成立いたしました暁におきましては、通産省の指導の上におきましても、十分こちらにも御相談願って、遺憾のないようにしていただくように連絡をするつもりでいるわけでございます。
  〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕
#78
○鈴木壽君 これは何べんも引き合いに出してあれですが、吉武先生の午前中の御質問にありました、その設けられるであろうという地域の住民といいますか、その付近の住民の意見なんかも、私は非常に大事にしてもらわなければいけないと思うのです。もちろん、この法律の中には何も住民のそれはございません。しかし私は、たとえば消防署長の意見なり消防長の意見というようなもの、こういうものも付近住民の声を十分聞いたもの、あるいは逆にいえば納得させ得るような条件を備えているということを明確にした上で出されなければならんと思う。何もこれは法律には書いていませんよ、そんなことは。しかし事の性質上、私はそういう配意というものは当然消防のほうで考えなければならんと思うのですが、しかし、そういう事柄が何か足らないですよね。
 いまこれに対して通るとか通らないと言うことは、これは変な言い方ですけれども、従来こういうものの、たとえばガソリン・スタンドとか何かの設置等において、基準に合っているからいいのだということで、小学校の校地に入るすぐそこへ、しかも国道に接した、歩道に接したところへやる。住民なりあるいは学校の父兄の人たちは、そこにしてもらいたくないということがあっても、とうとう許可になってやったという事例、まあいま私言ったように、この法律に基づいてじゃありませんけれども、えてしてこういう事業の許可とか販売に関するようなことについて、そういうことが起こりやすいものですから、ですから、この場合でも私は消防長、消防署長の意見書というようなものはしっかりしたものでなければならんと思うし、そうしてまた、それは当然尊重されるような立場でこれを扱ってもらわなければならん、こういうふうに思うわけなんです。この点はここで法律上のことでどうのこうのと言うわけじゃありませんけれども、十分今後のことについてひとつ通産あるいは都道府県知事に対する話し合いを深めていって、われわれの心配のないようにしていただきたいということを、これは要望として申し上げておきたいと思います。
 なお、私はこれはひとつ意見になりますけれども、液化石油ガスの保安関係のこの法律、こういうものが新しくできるわけなんでありますが、この中にもっと消防のほうの立場が、仕事がもっと入っていく、ということは少しことばが悪いのですが、もっと権限の上で持てるように、それはあくまでも保安対策という立場からですよ。そういうふうにして、ひとつ今後私は考えていただきたいと思います。例として言えば、さっき言った調査の問題とか、あるいは検査の問題とかいうようなことですね、それは業者のほうで一応責任を負うのだと、負わせるのだと、こういうことがあったとしても、そしてまた一方、消防としては本来の査察ということがあるにしても、こういうものが新たに必要から出て、保安の確保についてのそれができる際ですから、もっと私はこっちに権限をよこせとか何とかでなしに、消防がもっとタッチできる、そういうものであってほしいという気がするわけなんです。そういう意味でひとつ大臣からも、この法律ができるかできないかわかりませんが、かりに今回このままできたにしても、将来の問題として私は十分御検討をいただきたいと思う。
 何べんも繰り返して申し上げますが、あの仕事を通産から持ってきて、消防に持ってこいとか、消防のやつをどうという、そんな私気持ちでなしに、あくまでもそれこそ人命なり物質なりを含めた災害からみんなを守らなければならぬという立場から、消防の持つ本来のあるべき姿というものを私はここにはっきり出してもらいたい、こういう気持ちからなんですが、いかがですか。
#79
○国務大臣(藤枝泉介君) まさにお話しのとおりでございまして、その権限の問題と離れましても、こういう企業本来に考えていきますと、ややもすれば危険防止という点についての問題がおろそかとは言いませんけれども、やや軽視される傾向もありますので、そういう意味におきましては、こうしたものが非常に危険なものであるところにかんがみまして、十分通産大臣なり、あるいは都道府県知事と消防機関とが一体となって危険防止をはからなければなりませんので、法律は法律といたしまして、その執行にあたりましては、十分その辺を注意をいたしまして、危険の未然防止に努力をしてまいりたいと、万全を期してまいりたいと考えます。
#80
○鈴木壽君 いまの液化石油ガスの問題ではございませんが、ちょっと消防関係で権限の点あるいは任務、そういう点から言ってちょっと私お聞きしたいことがありますが、石油関係のそれを中心にして申し上げたいと思うのですが、最近、たとえば横浜港とか、これは横浜にあったという意味じゃない、例として申し上げる。東京港とか、あるいはどこそこの港にタンカーの衝突とか何とかということで火災、油の関係の火災がありますね。そういう事態があちこちに起こるものですから、地方の港湾でもそれを非常に心配をしておるわけなんであります。これは具体的なことを、名前をあげていいかどうか、一つ例として申し上げますが、私のところの秋田港ですね、あそこは従来から港湾の施設のすぐそばに日石の製油所があり、貯油タンクがたくさん並んでおる。港湾の区域と言っていいけれども、接しておるわけなんですが、それからガス化学の工場がある。そこにまた大きなタンクがある。そういうのに加えて、最近、石油の配分基地なんということばを使っておるようでありますが、各社が貯蔵タンクを設けて、そこを一つの配分の基地にして各地へ送る。海からタンカーその他で持ってきて、そこへ送ると、こういうことが行なわれて、タンクが大小いま二十六、七あるんです。したがってタンカー、小さいタンカーですけれども、タンカーの出入りが非常にひんぱんになってきておる。
 こういうことで、もし一朝タンカーの事故等がありまして火災が起こったらどうするか。それが海面上ですからどうもいまの市の消防の体制からいっても、その他からいっても、なかなかこれはたいへんだと、あるいは場合によってはタンクの重油が何かの事故で流れ出し、これは岸壁のそばに並んでおるものですから、海面上に流れ出して、火災ということが起こらないとも限らないというようなことで、実は対策に苦慮しておるところなんです。聞くところによると、海上保安庁のほうで、海上保安本部のほうでも、そういう海面といいますか、海上の火災については責任を持っておるように聞いておる。陸上の化学消防車とか、あるいはその他の消防施設とかいっても、海面にはとても及ばないし、できるならば、できるならばではなく、ぜひともそれでは海上保安庁のほうにもそういう業務についての責任があり、任務があるとするならば、海上保安庁のほうでひとつ何とか、たとえば消防艇とか――消防艇といいますか消火艇といいますか、そういうふうなものを備えつけてほしいと、こういう要望があって、よりより話し合いをしておるようでありますけれども、なかなかそれもこない。保安庁のほうではそれを用意してもらえない、こういう一つの悩みといいますか、問題があるわけなんでありますが、その場合にひとつお聞きしたいのでありますが、海上保安庁が、そういう場合に一体どの程度の任務と責任を持ってやれるものかどうか。あるいはそういうものを海面上に、一つの港湾の中の水面ですから、それを管理しておる市とか県とか、そっちのほうの管理者のほうの責任であるのか。あるいはそこにあるところの市町村の消防の責任というふうに考えたらいいのか。これは協力とか何とかいうことを別にして、そもそもの責任というものは一体どこにあるのか、これをひとつお聞きしておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#81
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては、旧来から多少法律の解釈上の問題があったようでございます。しかし現在のところ、私ども消防庁といたしましては、かように解釈をいたしております。
 と申しますのは、消防組織法の第六条におきまして、「市町村は、当該市町村の区域における消防を十分に果すべき責任を有する。」ということで、市町村の区域内における消防の責任を市町村が持っておるということが規定されております。ここで「市町村の区域」と申しますのは、定説によりますと、領海内ということで、他の行政法規におきましてもさように解釈されておりまするので、領海内でありますれば、海上であっても一応市町村の消防として責任の中に入るものだと、かように思っております。一方、海上保安庁法によりますと、海上における保安の維持ということにつきまして、海上保安庁の任務として規定されております。そこで、市町村の領海内におきましては両方の責任が競合しているというふうに考えていいのじゃなかろうかと思っております。
 で、実際問題といたしますと、どうしておるかと申しますと、昭和二十四年に、当時の国家消防本部と海上保安庁との間に協定がございまして、その協定によりますと、消防機関は、入渠中の船舶あるいは接岸している船舶、これは消防が責任を持って、そして海上保安庁が協力をする。それから離れたところにおる船舶については海上保安庁が責任を持って、消防機関が協力をすると、まあこういう協定が結ばれております。そこで現在各港湾におきましては、それぞれ現地で、その協定に基づきまして、現地における協定を結んでおりますが、大体その原則どおりに、入渠中のもの、あるいは接岸中のものだけを消防機関が責任を持つという形になっておるところが大部分でございます。ただ東京港におきましては、実際上の必要から、海上保安庁との間で、当分の間、一定の区域を限って、これはもう海上に停泊しているものでありましても、航行中のものでありましても、東京消防庁が責任を持つという協定を結んでおります。それで、おそらく昭和二十四年当時はまだ、お話しのような石油コンビナート地帯というようなものもございませんでしたし、港湾における船舶のふくそうの状況というものが今日とよほど事情が違っておったと思います。そこで最近の実情に即して考えてみますと、ただいま例におあげになりましたところのように、石油コンビナート地帯というものにつきましては、相当危険性があるわけでございまして、それに対して、私どもとしても、二十四年当時の協定のままでいくということについては、消防としての責任を持つゆえんではなかろう、かように思いまして、もう少し、港湾の実情によっては、東京消防庁が現にやっておりますように、一定区域を限って、その中のものは消防機関として責任を持つというような形の協定も結んでいくように、できるようにしたほうがいいのではなかろうかというので、この点は先般来、海上保安庁のほうとも協定の改定方について現在相談をいたしております。その相談の趣旨は、二十四年の協定よりももう少し必要によって消防機関が責任の範囲を広く持とうと、こういうような趣旨でございます。それで、それに対応いたしますためには、市町村が海上消防力を整備しなければいけませんので、本年度から市町村に、必要なところには消防艇を配置できますように、その消防艇について国庫補助の対象にいたしますようにいたしております。本年度四カ所ぐらいにまず配置をする予定でおりますが、漸次必要度の高い港湾におきましては、地元の市町村とも相談をいたしまして、いまのような措置をとってまいりたい、かようなことで現在検討をいたしておるところでございます。
#82
○鈴木壽君 その港湾ですね、その海面のやつは、さっきのお話からしますと、いわば岸から離れたところのやつは海上保安部で責任を持つのだ、こういうふうなことが一応協定の中にあるわけなんですね。しかしまあ当時の状況等も違ってきておるし、なお話し合いをしてそこら辺ははっきりし、また、それらに伴うところの消防力といいますか、施設等についても、それぞれ充実をしたいと、こういうことだと思うのですが、海上保安庁のほうでも、何かの消防艇と申しますか、消火艇と申しますか、いずれ相当な力のあるものをそれぞれ考えておる。あるいは一部にはそういうものを配置しておる港湾もあるというようなことなんですが、そうすると、いま長官がおっしゃったようなことを前提に、そういうことを海上保安庁のほうではやっておるのですか。まだそこまで話がきちっときまっていないのを、ともかく海上保安庁ないしは海上保安部においてなすべき仕事として、従来協定等でいわれておったそういうことをなすためのとりあえずの施設整備というような、そういうことでやっているのですか、そこら辺どうですか。
#83
○政府委員(佐久間彊君) 私もしかと確かめてはおりませんけれども、海上保安庁からも昭和四十二年度予算要求の際に、消防艇の要求が出されたと承っております。その海防艇は、私どもよりもだいぶ規模の大きいものを出されたように伺っておりますが、予算は取れなかったのかと思います。
 海上保安庁の守備範囲は、日本列島の沿海全部が守備範囲でございまするし、その点、市町村消防のほうで実際海上消防力を持つ必要のありますところは、石油コンビナート地帯などを持った港湾ということでございまするから、これは地域も限られております。
 そこでまあ私、まだこれは一個の考えでございますが、そうした港湾地帯の陸に近い湾内のところは、大体関係の消防機関が相当程度責任が持てるようにしていこう、海上保安庁としてはもっとその外まわりの広いところ、これを守備範囲にしてもらおう、こういうようなことで大体いったらいいのではなかろうか。現在、先ほど申しましたように、二十四年の協定の改定方を相談いたしておりますので、その相談の過程を通じまして、その辺のところももう少し話を詰めてまいりたいと思っております。
#84
○鈴木壽君 あれですね、そうするといまの考え方としては、海上保安庁の任務はむしろ一般の海洋、外海と言いますか、少しことばがそう言ってしまえばあれでありますけれども、港湾の中の水面等については市町村消防で受け持つようにしたいと、すべきじゃないかと、こういうことなんですが、そこら辺は……。
#85
○政府委員(佐久間彊君) まだそこまで詰めたわけじゃございませんが、まあ私ども、いま海上保安庁とこれからいろいろと話し合いをいたします気持ちといたしましては、港湾の中につきましては消防機関が相当責任をいままでより持つようにしていく、もちろん海上のことでございまするから、両方協力をしていかなければいけませんが。
#86
○鈴木壽君 海上保安庁の巡視船なんかも消火設備を持っているんだと、一応。しかしその巡視船がしょっちゅうある港にばかりおるかというと、そうでもない、それこそ巡視しておりますから。ときどき港へ戻ってきておるという程度で、いわゆる災害に備えるという意味では、そういう意味での消火の災害に備えるという意味ではどうもあれは当てになるようでならぬ。それから小っちゃな船を持って、消防器具を積めるような船も小さいものがあるんだそうです。しかし自分自身に積むところのポンプといいますか、いずれそういうものも十分でもないし、というので、だいぶ実際の面では海上保安庁としても困っておる。地元では今度海上までとてもじゃないが出ていけるわけじゃない、船もないしというのです、場合によっては、まあよくいわれるタグボートといいますか、ああいうのにポンプを積んで持っていったらいいんじゃないかというようなことも考えておるそうでありますけれども、なかなかいまのところは効果的な対策というものが立てられないで、さっき言ったように保安部でもそういうふうに海面、水面上における火災等についての責任があるならば、ひとつそっちのほうでりっぱなものを用意してもらいたいと、こういう要求といいますか、お願いといいますか、そういう話がいま出ておるところだというんですが、これひとつ、いずれにしても、どっちの受け持ちにしてもほっておけない、ところによっては、全国どこでもというわけにはいかぬと思いますけれども、各地にこれは起こる、起こりつつある問題ではないかと思うんで、で、もし一たんそういう事故が起こった場合には、これはたいへんなことになるものですから、ひとつ早急に話を詰めて、協定の改定でも、あるいはそれに伴う設備の充実等について手を打っていただきたいと思うんです。
 それから、それに関連して、いわゆる自衛消防といいますか、企業等が何かこういうことについてもっと責任を持つような態勢というものは考えられないかどうかですね、その点どうでしょう。
#87
○政府委員(佐久間彊君) 先生の御承知のように新潟地震のありましたあとの消防法の改正におきまして、企業が自衛消防組織を持つようにいたしたわけでございます。で、私も、ところどころ視察もいたしましたが、相当企業といたしましても、自分の企業のこれは成績にかかわることでございますので、真剣に法律の趣旨に沿いまして、自衛消防の整備に努力をされておるようでございます。しかし、なおこの点につきましては、必ずしも十分とは言えませんので、実は先般私どもの消防審議会に、石油コンビナート地帯の消防防災対策について諮問を出しておきました結果、答申もいただきましたが、その中での企業における自衛消防組織というものについては、さらに充実をはかり、また地元の市町村の消防力についても整備をする。そしてお互いに連係をはかって遺憾のないようにすべきだという趣旨のことが言われておりますが、私どもとしても、その趣旨に沿いましてさらに努力をいたしたいと考えております。
#88
○鈴木壽君 まあ私さっきから、それからまたこれから言うのも、何か地元のことばかりで、地元に何かしてくれという、そんな意味じゃございません。まあ例として言っているのですから、ひとつその点了解していただきたいのですが。日本石油とか帝国石油とかといういわゆる企業には、それぞれ化学消防車特殊の油関係でございますからそういうものを持っておるんですが、しかしその台数からいってもあんまり安心できるほどでは私ないと思いますが、まあいずれにしても持っている。今度のさっき言ったタンクですね、タンクそれ自体には、それぞれの消火装置といいますか、何かそういうようなものがあるそうですけれども、一たんいわゆる事故が起こった場合のそれに対する化学消防車なり、あるいは防災の設備、装置というようなものは全然ないわけなんですね。ですから、ああいうふうに一つや二つ小さいものがあるというのならともかく、そんなに大きいとは言いませんけれども、ともかく数としては二十六、七もある。たしか一万五千キロリットルぐらいの全部で容量になるのだそうですけれども、こういうふうになってくると、会社単独でなくとも、そこに設置してある、これは一群になってそこにあるのですから、そういうみんなが共同してでも、何かのそういう消防の機材器具というようなもの、これは自分の力でも持つ、ある程度は持つ、こういうふうであってほしいと思うのですが、いまのいわゆる自治消防のこれから言ってもどうです、この法律にこれあるからすぐ持てといっても、なかなかそうでないと思うのですね。もっと義務づけるようなことを、当時のあれとちょっと状況も違っておるし、いろいろな問題はあると思うのですが、どうでしょう、そういうことについてはもっとそういう規制づけるようなそんなことを考えられませんか。
#89
○政府委員(佐久間彊君) 現在の規定におきましても、自衛消防組織を置かなければならないということで義務づけがなされております。御承知のように政令で事業所の規模に応じまして、人員並びに化学消防車の台数を規定をいたしております。さらにこれをもっと強化する必要があるかどうかということでございますが、これはまあ自衛消防組織だけじゃなくて、関係の市町村の消防力につきましても合わせてどの程度のコンビナート地帯においてどの程度の消防力を持ったらいいかということについては、さらに検討をいたしたいと存じております。
#90
○鈴木壽君 もちろん消防の最終的なといったらいいか、いずれ市町村の責任においてやらなければならぬということは、それはそのとおりですけれども、しかしまた、いま私例に出ておるような、こういう施設に対して、やはり他に迷惑をかけない、いわば自分の手でできるだけやっぱり処理をするという、そういう意味で、公害でもないんですけれども、公害の考え方のように、やはり私企業もそういう災害防止についての責任というものはあると思うのです。なければならぬと思うし、そういう意味でひとつ御検討をいただきたいと思うんです。それによって市町村消防が何もやらなくてもいいということには私はならぬと思うし、市町村消防は消防として、またさらにそういうようなことに対処するためのことを考えなければいけませんけれども、当面の自分たちのところからのそういうものが、多くの場合ああいうものの火災というものは、自分たちの施設なりにとどまらないで、他に非常に影響するところが大きい災害であるだけに、そういうものを防ぐという意味で、やはり企業の責任としてそういうことをやっていくということが私必要だろうと思うんで、ひとつ十分御検討の上善処していただきたいと思うんです。
 次に救急業務についてでありますが、今度の高速自動車国道または一般国道のうち、特に救急業務が必要な区間として政令で定める区間について、都道府県が救急業務を行なうものとすること、このことについて、せんだって実は組織法との関係で、ちょっと私自身の疑問といいますか、それを申し上げておきましたが、御見解はあのとき御答弁になったあれで尽きると、こういうことでしょうか。
#91
○政府委員(佐久間彊君) 前回申し上げたとおりでございますが、なおつけ加えさせていただきますと、前回、今回府県が行なう場合には、市町村が行なうという原則に対する例外的な特殊な場合であるから、組織法のほうは原則的な事務だけを列挙しておって、あとは十項のセービングクローズでいくのだ、こういうたてまえからもそうしたんだということを申しましたが、なおもう一つは、やはり法上のたてまえといたしまして、市町村が責任を持っていくというたてまえをとっておりまするので、そういう例外的な特殊なものにつきましては書かないほうが、そういう点からいたしましてもよろしいんじゃなかろうかというような気持ちもございまして、このような規定のいたし方をいたした次第でございます。
#92
○鈴木壽君 そのこと、私あれからも自分で考えてみましたが、どうもあまり考えてもなかなかわからない、問題としてなおありますし、それから立法技術とかなんとかということになりますと、さっぱりわからなくなりますから、これ以上どうこうというようなことを言わないことにしたいと思いますが、いまお話しのように、特殊なことであるから、一般というようなことをきめた法律の中までいじらないで、まあこういうようなかっこうでやっていったらいいんじゃないかということ、まあいえばそれに尽きるだろうと思うのですね。私も組織そのものに手をつけて、組織法にこういうことが都道府県でもやれるのだということじゃあ書こうかということになると、ちょっと抵抗がまあ私もあるのですね。だけれども、何か組織法のこれからしますと、この十八条の二の十、これでいいんだ、こう言われても、ここには「前各号に掲げるものの外、法律に基きその権限に属する事項」、だから消防法のほうで実際の業務としてこういうことも都道府県がやれるのだぞということを書ければ、それでいいんだということについて、ちょっと私まだ疑問があるのです。というのは、十八条の二の一から九号までと、これはいわば都道府県の行なう消防事務として市町村との連絡、市町村相互間の連絡協調、あるいは消防に関し掲げる次の事務と、こう次のこれこれの事務と、こうありまして、いわばここに掲げられてあるような事務ということは、救急業務を実際に行なうという、そういうこととはちょっと精神の違うことなんですね。ある場合には立案をし、計画をし、それをもっていろいろな連絡なり調整なり、そういうことのいわゆる事務、こういうことだと思うのです、一から九までの述べられてあるのは。したがって、十は他の法律によって権限を与えられたということ、そういうことも含めるのだ、こういっても、いわゆる権限というのは一から九にあるようなこういう事務的な、いわゆる県として本来やるべき消防事務のそういう範疇のものであって、異質と言っちゃあ少しことばが変でありますけれども、やはり実際業務ということと私は違うのだから、それまでをこの法律の中に、法律に基づきその権限に属する事項といって、法律で別に消防法のほうで書ければそれで差しつかえないのだというのは、第十号はそういうことを予想しなかった書き方じゃないだろうか、ここにある府県のいわゆる消防に関する事務、これの中には、実際に業務をやるという、救急業務のそういうものを予想しておらない書き方だろうと思うのです。さっきちょっと異質ということばを使いましたが、そういうことを予想しない、一から九に掲げてきて、なおかつこれに類するようなこういう事務だったら、私は別の法律でも書いてこれは差しつかえない。まあいわば異質と思われる実際の救急業務をやることができるということを、ただ消防法だけでやるというのは、やっぱりこれにはそぐわないのじゃないだろうか、こういう気持ちをまだ持っていますが、これはまことに私しろうと、法律についての、あるいはさっき言ったように、立法技術とかなんとかということを全然わからない者の、まあいわば素朴な一つの疑問ですがね。これどうでしょう。
#93
○政府委員(佐久間彊君) 先生の御指摘になっております点は決して素朴ということではなくて、確かにここに列挙されておりまする事務から見ますると、事務の性質が異質と仰せられましたが、そういうふうな従来と違った、言いかえますると、消防の実施業務の一部というようなことになろうかと思うのでございます。その点はそうでございまするが、しかし都道府県といたしましては、あくまでも九号にございますように、市町村の行なう救急業務の指導というのが、これが原則的な救急については事務でございまして、市町村がどうしても手の及ばない場合を、ごく例外的な場合を補完的にこれを県がかわってやるということでございますから、かりにここに列挙いたしますると、相当しぼりをかけてそういう表現をいたしませんと、何か救急業務が市町村が行なうのが原則だ、たてまえだということがまた乱るような印象を与えるような書き方をすることも、かえってまた別な面から適当ではないんじゃなかろうか。まあ前回も立法技術ということを申し上げましたが、しかし同じ消防に関する法律の中でございまするから、そうした例外的な特殊な場合だけにやるというのが消防法の実際業務を規定してありますところに規定をすれば、それで足りるのじゃないか、むしろそのほうが立法の形式上から見ましてもいいんじゃなかろうか。いずれにいたしましても、これはどっちでなくちゃならぬという性質のものではなかろう、かように思うのでございます。
#94
○鈴木壽君 あなたの後段の言うことは、私もさっき言いましたように、ここにそんな新たに都道府県がその救急業務をやることができる、かりにしぼりをつけたにしても、これはいまの少なくとも現行の消防関係の法規でとられているたてまえからしますと、これはそれをまあ一角であれ、小っちゃなところであれ、くずすことになりますから、私もあなたの後段のおっしゃるように、じゃ、ここに書こうかというと、ちょっとさっきも言ったように抵抗がありますが、書くということになると、これは変なことになるなと、そういう気はいたしますがね。ただ、しかし、いま一方に、さればと言って、明らかにこういう権限を新たに与えておって、こちらのほうに全然それに触れていないということについてどうかなという気がするわけなんですね。だから、私もさっき言ったようにちょっとわからないので、まあ法制局も――これはあなた方政府の法制局とも十分話をなされた結果、法制局でもこういうふうにいこうというふうになさったのだろうと思うのですがね。それで、その過程で何かやっぱり問題といいますか、扱いについて何か問題になりませんでしたか。
#95
○政府委員(佐久間彊君) 審議の過程におきましては、組織法で何か規定を入れたほうがいいかなどうかなということは議論になりましたことは事実でございますが、いろいろ議論いたしました結果、先ほど私が申し上げましたような理由で消防法に規定を置くということになった次第でございます。
 なお、第四条の消防庁の権限のところにおきましては、十六号、現行法では「市町村の行なう救急業務の基準の研究及び立案に関する事項」、こう書いてございますが、ここの「市町村の行なう」ということは、これは削ることが当然であるということで、これは削ることにいたしてございます。
#96
○鈴木壽君 いまの何ですか。
#97
○政府委員(佐久間彊君) 消防組織法第四条の第十六号でございます。
#98
○鈴木壽君 これはあれですか、いまの第四条の十六号は、市町村の行なう救急業務の基準の研究及び立案に関する事項として、消防庁がやる仕事でしよう。
#99
○政府委員(佐久間彊君) そうでございます。ここで「市町村の行なう」というこれを、御審議いただいております改正法案の中では削ることにいたしております。
#100
○松澤兼人君 いま問題になりました十号ですか、事務という、これはどういうことを予想しておるのですか。十八条の二、他の法律、これはどういうことを予想しているのですか。
#101
○政府委員(佐久間彊君) これは御承知のように、こういう組織法は限定的にすべての事務を列挙するということはなかなかむずかしいものでございまするから、おもなものを具体的に書きまして、そしてそのほか、なお他の法律でその権限に属する事項、こういうような書き方をいたしておりますのが通常の例でございます。これもその例にならったわけでございます。
#102
○松澤兼人君 それでは、これは別段どういう法律ということを予定しているわけでも何でもないわけですね。一般的に権限を受けるということだけ規定しておるわけですね。
#103
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#104
○松澤兼人君 今度の改正法律案をここで受けるという意味でもないのですね。
#105
○政府委員(佐久間彊君) これは十八条の二の十号の規定は、今回の改正の前からある規定でございまするから、この規定をつくりましたときに、今回の改正法を予定しておったわけじゃございませんが、今回の改正法案の中の、先ほど鈴木先生が御指摘になりました都道府県の事務は、この十八条の二の十号で見るというふうに私どもは思っておる次第でございます。
#106
○松澤兼人君 そうしますと、長官が言われたごく例外的なものだから、それをここではっきりと書くことは、市町村本来の消防の権限を害するという、そういうことから書かなかったのだというのですけれども、ほかの法律、たとえばいま問題になっていますこの改正法律案、これも受けるということになると、そうするとやっぱり市町村消防という本来のあり方といいますか、性格というものがくずれてくるというふうに考えられませんか。
#107
○政府委員(佐久間彊君) これはちょっとまた別な観点から問題になろうかと思いますが、消防が市町村の自治体消防のたてまえを原則といたしておりますことは、御指摘のとおりでございまするし、それをくずそうという意図は全然ございません。ただそこで、今回の救急業務につきましても、できるだけ市町村に行なわせるようにしようということで、前回も申し上げましたように、現在人口十万以上に義務づけられておりますものを五万以上に範囲を拡張することにいたしておりますし、さらに今後もう少し、少なくとも市くらいは全部救急業務をやらせるように拡張しようと思っておりますが、そういうふうにいたしまして、市町村にできるだけやらせる努力をしても、なおかつ市町村にやらせることが無理だ、そういう盲点ができるわけでございまして、その盲点につきましては、府県が市町村を包轄する広域自治体という性格からいたしまして、補完的な事務として都道府県が例外的に処理をできるようにしょう、かようなことでございまするから、私は今回の改正によりまして、市町村消防のたてまえをくずすというふうには毛頭考えていないのであります。
 ただ、十八条の二の関係は、都道府県が原則的にやる、原則的な事務を列挙してございますので、そういう例外的な場合に行なうものは、一々麗々しく列挙いたしませんで、十号の「法律に基きその権限に属する事項」というセービングクローズで読むようにするということが、立法技術的にも適当ではなかろうか、かような趣旨で申し上げておるわけでございます。
#108
○松澤兼人君 この十八条の二は、ずっと都道府県がやる、何といいますか、指導監督あるいは指示、調整という原則的なことをいまやっているわけです。今度の法律改正で、もしこの十号というものでそれを受けるということになると、その原則的な形というものがくずれてしまやしないかということを非常に心配するのです。これはあなた方そういう考えはないと思うけれども、消防をいまに都道府県消防に取り上げてしまうのだというようなうわさがあるわけです。その一環として考えた場合、鈴木君はまあしようがないというような意向かもしれないけれども、私は断じて認めるわけにはいかぬということです。非常に府県警察がそういうことになったし、市町村警察が……、今度は消防がまたそういうようなことになって、救急業務だけだというふうになっておりますけれども、しかしそのほかに市町村消防の本来の姿がくずされる危険性、突破口というものが、こういうことでもって出てきやしないかということを心配しておるわけです。大臣、そういうことはないと思うけれども。
#109
○国務大臣(藤枝泉介君) 市町村消防のたてまえは絶対にくずすわけのものではないと考えておるわけでございます。ただ、今回の法律改正につきましては、万やむを得ない。まずこの救急業務をやる市町村をふやして、また隣接の市町村に頼む、しかしそれもきかないような、しかも現在の高速道路などの実態からいたしまして、交通事故が相当に起こるというような所に、ほんとうに例外的に認めようというわけでございまして、いま御心配になるような、市町村消防を将来府県消防へというようなことは、全然考えていないところでございます。
#110
○鈴木壽君 その点についてはもう一つだけ私の考えることを申し上げて終わりたいと思いますが、まあ繰り返すので恐縮ですが、「法律に基きその権限に属する事項」といっても、そのいわゆる権限に属する事項は、あくまでも府県がなすべき権限、それであって、それを越えるようなものを新たに権限として付与するとか、あるいは場合によっては市町村の権限を取ってしまうというような、そこまで考えていないでしょうが、形の上からすればそういうことで、立法からすれば、県が持っていなかった権限にさらに新しい、さっきいったように、一つの違う権限を与えるということを意味するものではないだろうということは、私はまだ、したがって――しかし、これまあ一応やめますが、何かもう少し……。だから、法律のもし書き方として、どうしてもこういうことが必要だということについて、われわれもわかるような気がするんだが、だとしたら、ただすぐ消防法の中に都道府県がこういうことは行なうのだぞと、政令に定める区間については、都道府県が救急業務を行なうのだということだけでなしに、何か消防組織法の何の規定にかかわらずとか、十八条の二の規定にかかわらず特にやるんだという、何かそういうことでもうたって、いわば特別立法みたいな形にやればまたいいのじゃないだろうかということも考えますが、まあそこはひとついわゆる質問ということではこれはやめます。私もやっぱり問題だと思いますね。
 これ法律に、何でも他の法律の権限を、新たな権限をこっちへくっつけるとか、こっちから持っていってこっちへ移すとかいうことは、私はすべきじゃないと思うし、もし必要があってそういうことがあったとしても、そのためには、まあもともとの権限、それに何か付け加えるものとか、あるいは何かの措置を講じないとうまくない。何でも法律をつくれば、あとからの法律で何でもやれるのじゃないかというようなことは、私はいけないのじゃないか。あなた方の意図は、何もさっき松澤氏からお話があって、大臣からお答えのあったように、将来権限をこっちへ持っていくのだというつもりはもちろんないだろうと思います。そんなことは私もないと思いますけれども、しかし、やっぱりはっきりしておくところははっきりしておかなきゃいけないということからそういうことを考えます。
 その点についてはそれぐらいたしまして、いわめる政令で定める区間のことでございますが、これは何かやっぱり基準があるでしょうね。このいただいた資料の中に、予定の路線の例として幾つかあげられてありますが、たとえば交通事故の件数とか、あるいは路線の延長とか何か、いろいろあると思うのですが、その基準というものはどういうふうに予定されていますか、それをひとり……。
#111
○政府委員(佐久間彊君) 一応府県に対しまして照会をいたしたのでございますが、まあそのときにこちらで申しましたのは、一つは、事故がありましてから十五分ぐらいではおそくもかけつけられるということでございませんと、救急に間に合いませんので、距離の上からいたしますと十五分ぐらいで、まあ二十キロぐらいになりましょうか、それから事故が少なくとも毎日一件ぐらいは起こっているところと、年に三百件以上起こっているところというぐらいなところで、さらにその県が具体の事情をいろいろ検討されまして、個々には政令で指定するのがよかろう、こういうところを一応回答してもらいましたものが、お手元にお配りいたしました資料に載せてある事例でございます。で、他のすでに救急業務をやっておりまする市町村に知事が要請をいたしまして、そこでやってもらうというようなことができる範囲内のところでございますれば、またその方法をまずとることに努力をしてほしい。それでもどうしてもいかぬという場合にというようなことも、つけ加えて府県には話しました結果、回答をもらった次第でございます。
#112
○鈴木壽君 県で、あなた方の照会に対して回答をしたというそれ、あとそれに基づいて、もちろん回答をするには、たとえばいまもお話しがありましたように、事故のところへかけつけるのに十五分でかけつけられるような距離的な一つの条件なり、あるいは過去において発生した件数、統計的に年間三百件以上というようなこと、それを県から回答をしてきたものがこれだというのですが、これをそのまま指定するつもりなんでございますか。
#113
○政府委員(佐久間彊君) 県のほうにおきましても、とりあえず検討された一案として回答されてきたものでございまするから、具体的に指定をいたします段階までには、なお私のほうでもよく前後の事情も検討いたしますし、県のほうでもなおお考えを願った上できめることにいたしたいと思います。
#114
○鈴木壽君 政令で定める場合のはっきりした基準というのは、なかなかこういうものについては立てにくいわけですね、ほんとうを言えば。ですから、場合によってはどうもルーズになるというようなことも心配されるんですがね。そういう点について、これは単に都道府県から回答なりあるいは要望というような形で出てきたというそれだけでなしに、お話のように、やはりあなた方の立場で、あるいはまた、交通取り締まりの任に当たっている警察の関係、おそらく警察の関係が県からきたやつは相当大きいと思いますけれども、さらに、いわば特殊のケースとして、こういうことを都道府県にやらせるんですから、それがルーズになったりなんかすることのないようにやはりしなければならぬと思うのです。さればといって、あまりしぼって、実際に必要な救急業務をどこもやり手がないんだといわれてもまた困るわけだけれども、しかし事の性質上、こういうことはやっぱりだれしもが納得できるような一つの規定の仕方、あるいはそのもとになる基準のいろいろな定め方というものが、私必要だと思うんですがね。現在きている九カ所、これ以外にはいまのところないわけですか。
#115
○政府委員(佐久間彊君) これは御審議をいただきます参考として、とりあえず県に照会いたしましたものでございますので、なおその県内でいろいろ意見があって、私どもに回答を出すまでに至らないというところもきてございます。現在検討中だというところも相当あるようでございますから、最終的にはもっとあるんじゃないかと思います。
#116
○鈴木壽君 政令で定める区間のいわゆる指定というものは、まず第一に、都道府県知事が救急業務を行なっておる他の市町村に実施するような要請が一つぜひとも前段になければいけないと思いますね。これがどうしてもそれは不可能だという場合、さらに市町村同士の相互間での応援といいますか、協力といいますか、そういうことも十分なし得るように考えなければならぬと思うのですが、その点はどうですか。
#117
○政府委員(佐久間彊君) 仰せのとおりに考えております。
#118
○鈴木壽君 都道府県知事が行なう要請あるいは市町村間の応援、協力、こういう体制、場合によっては私は一つの事務組合的な、救急業務に関してですよ、そういう構想も考えられなければならぬと思うのですが、そういう点はどうでしょうか。やはりどうしてもそういうことを考えても、なおかつ現在の時点で、ここにあげられたものは九つでございますけれども、各地にそれをもってしてもなお十分カバーできないという、こういうのが数多くあるというふうなあなた方のお認めなんでございますか、どうなんですか。
#119
○政府委員(佐久間彊君) 私どものほうで一応いろいろ検討いたしましたところによりましても、大体これの倍ぐらいはこういうところがあるのじゃないか。いま先生のおっしゃいましたように、市町村を中心にしてやらせる努力をいたしましても、どうしても手が及ばないというようなところがこのくらいは出るのじゃないか、かように予想をいたしております。
#120
○鈴木壽君 一番初めにここに例示してあります岩手県の国道四号線の区間のものですが、金田一村なり福岡町等、特に福岡町あたりには何とか救急業務をやれるようにしてやるという、こういうことで解決がつかぬでしょうか。私はほかのところはちょっとわかりませんが、大体隣の県のここら辺のことをちょっと思うのですが、どうですか。
#121
○政府委員(佐久間彊君) 私も現地の状況は詳しくは存じておりませんが、この区間は市が一つもございませんので、明年度、市までは救急業務を義務づけるようにいたしたいと思っておりますが、それの該当個所もございません。しかも七十キロをこえるということでございまするから、かりにこの区間を県でいたすにいたしましても、おそらく二カ所か三カ所ぐらい駐とん所を設けなければいかぬのじゃないかと思います。そのうちの一カ所、お話しの福岡町を中心にして一部事務組合でもつくって出したらどうかということ、これは今後その問題は検討いたしてみてもよいと思っておりますけれども、ただ一般的に申しますと、こういう国道上の交通事故が主体となります救急業務におきましては、沿道の市町村の住民が対象になりますことがごくわずかでございまして、大部分は他から入り込んできておりまする者が、たまたまその地域の国道で事故を起こして救急のお世話になると、こういうケースでございまするので、こういう国道を中心といたしました救急業務につきましては、沿道の小さな町村は、おまえのところでやれと言いましても、なかなか無理な場合が多いのじゃなかろうか、もちろん相当な能力がある町が、いや自分のところの町民のためにもいろいろやるのだから、ひとつやってみようというようなことがございますれば、私どものほうとしては、そのほうを優先的にひとつ助長するようにという考え方ではまいりたいと思っております。
#122
○鈴木壽君 指定の市のこの救急業務を行なうための経費については、交付税において一応経費が見られますね。
#123
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#124
○鈴木壽君 任意の実施市町村、まだ指定にはならぬけれども、実際行なっている市町村に対しては、いまのところ財政的な措置というものが行なわれておらぬと思うのですが、それはどうですか。
#125
○政府委員(佐久間彊君) 救急車につきましては国庫補助の対象にいたしておりまするが、平常の運営費につきましては、仰せのとおりでございます。
#126
○鈴木壽君 県がもし今後こういう仕事をするというふうになりますと、県に対するたとえば救急車の購入等に対しての補助、あるいは救急隊員の給与関係に必要な経費とか、その他いろいろな経費が出てくると思いますが、それはどうですか、どういうふうになさいますか。
#127
○政府委員(佐久間彊君) 救急車につきましては、市町村の救急車と同様に補助の対象に加えるように折衝いたしたいと思っております。それから救急隊員の給与等経常費につきましては、その点につきまして特別交付税で措置をするというふうに考えております。
#128
○鈴木壽君 そうしたら、任意に実施しておる市町村でも、単に車に対する補助だけでなしに、特交等で見てやるということができるはずですね。同時に、やはりぜひここでは救急業務を実施すべきだというようなところも私はあるのじゃないかと思うのですが、たとえばいまのこの岩手県の中でも、どの団体ということは私申し上げませんが、どっかがやって、ここら辺のところもやるというふうなことが必要だと思うが、そういう場合に、単に車に対する補助でなしに、県でこれからやろうとする場合に見てやるように、特交等でその他の費用も見てやるということをやれば、その町を中心にして他の町村等と協力し応援し合うというような形で、わざわざ指定区間というものを定めて県にやらせなくてもいいと思うですが、そこら辺御研究なさいませんでしたか。
#129
○政府委員(佐久間彊君) 前段の任意で実施している市町村に対しても特交の措置を講じてはどうか、こういうお尋ねでございますが、従来は任意に実施しておりますところにつきましては、交付税上何らの措置もいたしていなかったのでございますが、今回全国的に救急業務の実施面を整備をしようということに踏み切りました以上は、任意に実施しておりますところにつきましても特交で措置を考えてやるというようなことが、仰せのとおり私も適当ではなかろうかと思いまするので、その点は財政局とも相談をいたしまして、さようなことができますように努力をしてみたいと思っております。
 それから後段の、そういうような措置をとれば、岩手のような場合、一部事務組合をつくるというようなことで解決がつくのではないかという仰せでございますが、地域によりましては、あるいはそれで解決のつく場合もあろうかと思います。しかし他面考えてみますと、これらのところは、本来の消防活動につきましても消防団でやっておる地区でございますので、救急業務だけ常勤の職員を置いたものを持つということが、当該町村の内部においても均衡上問題があるんじゃないか、また全体の制度から見ましても、消防本部署がない、団でやっておりますのに、救急だけは常備の救急隊を置くということもいかがなものであろうか、もちろん市町村が自主的に要望されて、体制が整うものについてはもちろんけっこうでございまするけれども、こちらがぜひそうしろというふうにいたしまするについては、これはやはり無理じゃなかろうか、かようなふうにも思っておるようなわけでございます。
#130
○鈴木壽君 これ押しつけたり何かして簡単に解決する問題でも私はないと思うのですがね。しかし、市町村の中には、かりに消防本部署を持たなくとも、いまこういう実際上の必要があるのですから、これ手をこまねいてほうって置いていいということじゃないと思うのです。もし金等の問題でそれができるならば、私やりたいというところもあるんじゃないだろうか、まずやってみようというところがあるんじゃないだろうか。私例をあげたこれは、何もこれにやらせろとかあれにやらせろということじゃなしに、こういうふうにするという、この中に関係しているものの、何かやはりお互いの協力なり一部事務組合式なものをやっていく上に、そういう方向が望ましい方向だと思うから、そっちのほうへ向けるためにはそういうことがやはり考えられてしかるべきじゃないか。とてもいまの組織の上ではやれないのだ、やっても変なかっこうになりはしないか。だからこれを県にやらせるということよりも、何とかそこでやはりやれる体制を、かりに署なり本部というものがなくても、私はそのことだけでも一つの大きな前進になると思うのです。ただ保留するというだけでなしに、特に人命尊重の立場から、私はそういうことだけでも市町村の消防の仕事としてはりっぱなことだと私は思うので、そういう面でやはりもっと考えていくべきじゃないか、そのためには財政的にも、おまえのところはかってにやったのだから、消防のほうの車の補助はつけるけれども、あとは知らぬぞということも、私は残念だと思うし、また県にやらせることにしたから、したがって県のほうには特交か何かで見てやるんだと言って、自発的にやっているようなところ、あるいはこれからやろうとするところに何らそういう措置をしてやらないというようなことになると、私はこれは少し残念なことだと思うから、これはひとつ大臣にも、国家公安委員長という立場から、交通問題としてこれは考えていただかなければいけないと思いますが、十分ひとついまの、どこを指定するか、どういう基準にするか、あるいはそれは簡単にどうもやれないのだから、ここを指定してやらせようという簡単なことでなくして、やはり本来のその業務を主としてやらなければいけないその団体で、どううまくやっていくかということをまず考えていくべきだと思いますので、そこら辺ひとつ十分大臣からも消防庁のほうともお話しをしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#131
○国務大臣(藤枝泉介君) もちろん国道で指定をする、政令で指定する場合におきまして、任意に都道府県から言ってきたから、そのまま認めるということでなくして、十分精査をいたしまして、ほんとうに例外的な例外として認めざるを得ないというところだけを政令で指定するつもりでございます。その場合、選考前提といたしましては、ただいまお話しのような町村が、はたして救急業務ができるかどうか、もちろん財政的な処置もしてやらなければわかりませんが、まあできれば地元の市町村、町村でやることが望ましいことでございますから、そういう点も十分に調査しまして、政令の指定はいたしたいと考えております。
#132
○鈴木壽君 さっきもちょっとお聞きしましたですが、任意に実施しておる市町、村はないようですが、団体に対しての財政措置でございますが、ひとつはっきり、車に対する補助ということだけでなしに、補助したいということでなしに、その他の経費についても特交で、少なくともことしからは、四十二年度からは特交等で、私必ずしも特交でなくともいいと思いますが、とりあえずそこから出るのが出やすいと思うのですが、やっていただけますかどうか、大臣、その点どうですか。
#133
○国務大臣(藤枝泉介君) まあ任意でやっているところについては、従来のたてまえとしては、そういう交付税、交付金で見るということはいたしていないわけでございます。ただ、先ほど長官からもお答えいたしましたように、こうした救急業務を全国的に拡充したいというときでございますから、ひとつその点は、ただいま特交で必ず見ますとお答えするまでには研究不十分でございますが、できるだけその方向で考えてみたいと思います。
#134
○鈴木壽君 たとえば人口五万で今度新たに指定になるところがかなりありますね。四万数千というところで指定にならないで、なおかつ救急業務を行なっている。例をあげればそういうところが幾つかあるようでございますね。おまえのところはかってにやっているのだからということでは、私はやっぱりこういうものを拡充していかなきゃいけないという、そういう考え方に立つならば、そういうところに対しても財政面での手当てというものをやっぱりやっていく。それからもう一つは、私は、人口五万ということに今回ことしからなりますけれども、この業務の必要性からいったら、もっと人口段階を低くしたところで、かりに三万とか三方五千とか、そこら辺いろいろあると思いますが、いずれもっと低いところで指定をするという方向でないといけないと思うのですよ。そういうこともありますから、現在指定を受けないにもかかわらず救急業務を行なっているというところについて、まあ一つの報償的な意味も私は考えてもいいと思うのですよ、ほんとうに。まあこういうことに対しては報償とか何とかというのは変な話ですけれども、気持ちとしては私はそういうことで、だからできるだけ何かの形で援助してやる、見てやる、こういう姿勢がほしいと思うのですがね。そうじゃないと、さっき言ったように四万五千ぐらいでやっているところ、四万ぐらいでやっているところ、これは自動車のそれをもらったということだけで、やはりかなりの町村にとっては負担ですから、これは人命尊重というたてまえから、それくらいの負担は当然だといえばそれまでですけれども、一方には何とか見てやってもらえる方法があるのですから、それに準じた扱いをすべきだと思うので、そういう意味で何とかこれはひとつできるように、いまここで大臣も述べられたように、ここで約束しましょうとは言えないかもしれないけれども、これはできるものと私は期待しておりますから、ひとつ十分その点についての善処方を要望しておきたいと思います。
 任意に実施しておるところの一覧の資料をいただきましたが、私のいま言っているような人口五万じゃないけれども、四万幾らとか三万幾らというようなところ、こうありますね。ちょっと見たところでも、かなり任意に実施しているところでも、そういう団体があるのじゃないですか。またもっと小さいところもあります。もっと小さいところで人口二万くらいのところもありますね。まあ貧乏な町村でだいぶこれは苦労しながらやっているのでございますが、まあくどいようでございますが、その点強く要望して、私の質問を終わります。
#135
○松澤兼人君 先ほど鈴木君が政令で指定をするということについて例を述べられましたが、ほかのところは、私も地理をよく存じませんが、逆に兵庫県の場合を例にとってお話しして、まことに恐縮なんですけれども、たとえば淡路島のようなところは一市二郡十町、一市の洲本市というのが、いわゆる救急業務政令市でもありませんし、それから新指定市でもありませんし、任意実施をしている市でもない。そうすると、淡路島全体というものが救急業務を一つもやってないということになる。この事故件数がどのくらいありますか、それはわかりません。それと、兵庫県知事がそういう救急業務なんかやりたくないといってここへ持ってこなかったのかもしれませんけれども、全島あれだけの人口もあり、そして淡路を抜ければ徳島へ行くという、毎日のように遠距離のトラックが通っている。これをこのままにしておけば、路線の指定も得られないし、救急業務も行なわれないし、全く盲点みたいなところになるんじゃないかと思いますが、これは県から上がってこないやつを、県で救急業務をやりなさいと私言っているのじゃないですけれども、そういうところがあると考えますと、この路線予定例ですか、これはさらにさらに検討を要するような気もいたしますが、いま鈴木君からもお話がありましたように、十分検討していただいて、洲本市などというものは、もし金のめんどう見てくださるというならば、あるいは救急業務を自分のところでやってもいいというふうに考えているかもしらぬ、私何も知りませんけれども。兵庫県の中で気がつけばそういうところがあるわけです。そういうものにつきまして、私どうこうということを言うのじゃないけれども、なおなお予定の例というものは慎重検討を要するんじゃないかと思います。これは別に答弁も要りませんから――何かおっしゃることがあったらひとつ。
#136
○政府委員(佐久間彊君) これは先ほど申しましたように、御審議をいただく際の参考としてとりあえず県で考えられるところがどういうところがあるか出してくれということで照会いたしました結果でございまするので、完全なものではございませんし、ただいま御指摘のような点も十分含みまして、最終的には決定するようにいたしたいと思います。
#137
○委員長(仲原善一君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#138
○委員長(仲原善一君) 速記起こして。
#139
○原田立君 消防関係の資料本日ちょうだいしたわけですが、その中に「液化石油ガス等の保安規制に関する」というところで、各項目をあげてあるわけですが、今回当委員会で審議している消防法においては、あらかじめ消防機関に届け出る、ちょっと何か意味が弱いような感じがするのです。それからそのほかの液化石油ガス保安等の(2)のところでは「通報する」、それから第2の「一般消費者の消費設備に対する消防の関与」のところでは、「あらかじめ消防庁長官の意見をきかなければならない」、その反語で聞かない場合もあるというふうなことになってくるだろうと思うのです。そういうふうに全体的に見て、この液化石油ガス――LPGに関する消防の関与というのは、法的には、文章的には何か非常に弱い感じを私は受けるわけなんです。
 そこでこういうことでなしに、前回も私主張したところでありますが、こういうLPGの使用については漸次ぐんぐんと増加しておりますし、もっと通産行政ではなしに、消防行政のほうにもつともっと入れていくべきではないか、こういうふうに実は考えているわけであります。3の「一般消費者用液化石油ガスにかかる販売所に対する消防の関与」という項の四ページのところですけれども、(5)「個々の施設の位置、構造及び設備並びに製造及び販売の方法について」、ちょっと中を略しますが、「消防機関から知事に対して、改善命令を出すよう要請することができることとする。」、要請することができるものとするというのは、これまた非常に文章的には弱いのじゃないだろうか、こういうふうな実は心配をするわけです。それでかりに、「改善命令を出すよう要請することができる。」と、こうなっていますが、もしこれが出ないような場合は、知事のほうで、いや、これで適当なんだということで、出さないのだというようなことが将来起きるのじゃないだろうか。こんな心配をするわけですけれども、その点いかがですか。
#140
○政府委員(佐久間彊君) 法律的に申しますと、お話しのような、要請をいたしました場合に、知事が要請に応じないという場合もあり得ようかと思いますが、実は今回のこの法律の取りまとめます過程におきまして、相当時間もかけまして通産省当局とも折衝をいたし、意見の交換もいたしました結果、かようなことにいたしたわけでございまして、先生のお目からごらんになるというと、なお消防の権限が弱いじゃないかというような仰せでございますが、まあ通産省当局とも十分意思の疎通をはかりまして、運用によりまして十分実効が上がりますように努力をいたしたいと思っております。
#141
○原田立君 その運用によって実効をはかるということだけれども、それはたいへん失礼な言い方をして悪いけれども、委員会答弁用でなしに、実際の場合があったときに、先ほど吉武委員のほうから指摘がありましたが、法文にないじゃないかというようなことで、現実と実際、食い違う場合が多い。だからそういう面からいけば、消防庁はこれで一歩引き下がって納得したのだろうと思うけれども、そんなところで納得しないで、なおもう一歩前向きの姿勢で強く言うべきではなかろうか、こう思うのです。
#142
○政府委員(佐久間彊君) まあ、当面これでひとつ成立させていただきまして、これの実施の運用に努力をいたしまして、どうしても先生の御指摘のように、これはもう通産省に主導性を持たしておいたのでは、とても保安の確保ができぬ、かような結論になりましたならば、ひとつ先生のおっしゃいます方向でさらにかけ合うことにいたしたいと思います。
#143
○原田立君 通産省にお伺いしますけれども、この両三年くらいの間に、充てん所あるいは販売所等においてあがった事故件数等、いかがですか。
#144
○説明員(矢野俊比古君) 私のほうの府県からの報告によりまして、いわゆる充てん所及び販売所、これを私ども事業所と一括しておりますが、三十九年からの事故を申しますと、件数にして三十九年は五件、その場合に死者が三名、負傷者は七十三名でございます。これは特に大阪の茨木におきます充てん所の非常に大きい事故がございました。このときには死者三名まで出しております。それで、これを内訳をいたしますと、この場合には五件のうち二件がスタンド、いわゆるLPGスタンドであります。それから一般の充てん所が三件ということになります。
 それから四十年になりまして、事業所の事故件数十一、死者はゼロ、負傷者二十七名ということでございます。この十一件のうち四件がLPGスタンド、それから一般の充てん所が三件、計七件、残りました四件は販売店あるいは容器検査所の事故でございます。
 それから四十一年は少しふえまして十七件、事業所全体でございます。この内訳は、七件がLPGのスタンド、六件が一般の充てん所でございます。残りが販売店あるいは容器検査所でございますが、この場合も死者はゼロでございます。負傷者が三十二名。
 それから四十二年に入りまして、ことしの一月から六月までの事業所の事故件数が十件、死者が一名、負傷者が十八名でございます。この場合の十件の中でLPGスタンド一件、それから一般の充てん所と称するものにつきまして五件、計六件で、残りの四件が販売店、容器検査所というふうになっております。なお、今回死者が出ましたのは、山形県におきます充てん所、タンク車の充てんにおきまして、初めてタンク車から充てん所に入れますときに事故が起こりました。そのときの作業主任者がやけどを負いまして、そのまま即死したというようなことでございます。
#145
○原田立君 三十九、四十、四十一と、こういう年次を追って見れば、数は少ないようでありますけれども、やはり漸増している。こういうことが数字的に示されると思うのです。これは、今回の法改正で、消防の意見がある程度いれられるから、もっと少なくなるのだというふうな感じだろうと思うのですけれども、はたして責任を持って言えますか、それ。いままで三十九年は五件、四十年は十一件、四十一年は十七件、四十二年は、六月までですね、これでもう十件。今度の法改正によって、これ以上に今後も漸増することを食いとめる自信は、長官おありですか。
#146
○政府委員(佐久間彊君) これは年々プロパンガスを使用いたします世帯の数が激増いたしておりますので、本年の件数以上に増加しないように食いとめることができるということは、断言することは、これはできません。できませんけれども、その使用件数の増加に対しまして、事故の件数をできるだけ減少させるように努力をいたしたいと思っておりまするし、今回の改正案の中に、消防にも法文上明確にその責任の一端を分担させていただくことができますれば、消防といたしましては、関係の職員の教育訓練にもさらに力を入れまして、国民の御期待に沿いますように最善の努力をいたしたいと思います。
#147
○原田立君 要するに努力をなさるという、精神的な問題だろうと思うのですが、やはり事の実体は精神的な問題ではなしに、現実はもっと非情なものだと思うのです。そういうことで、今回はこれでどうしようもないのだろうと思うのですけれども、非常に弱い、そういう感じが非常に強いわけです。今後も格段の努力をしてもらいたいと思うのです。
 いまも長官のお話しになっているように、LPGの使用者はぐんぐんとウナギ登りになっています。また事故件数も多くなってきている。一般のものも入れたらもっともっとはるかに多いだろうと思うのです。そうなると、この問題は、まあなわ張り争いとか何とかいうようなことはないだろうと思いますけれども、やはり国民の安全保全のためにはもっと強力な措置が必要ではないか、こう考えるわけです。
 それから、なおちょっとお伺いしておきますけれども、この三ページに出ていますが、「個々の施設について許可を受ける際、申請書に消防機関の意見書を添付させることとする。」、こうありますが、この消防機関の意見書の作成は、その専門の係官がいるのだろうと思うのですが、これはだれがやるのですか。
#148
○説明員(高田勇君) 意見書を書きますその書く当事者でございますか、それはもちろん消防長または消防署長が行なうわけでございます。その行ないます基準というのは、先ほども申し上げましたように五条の基準というものを基本にいたしまして、特にその四号等につきましては配慮をしながら意見書を作成してまいりたいというふうに考えております。
#149
○原田立君 消防署長が書くのはわかっているんですよ。ただ専門的に知識のない人が、書類の申請がきたらある程度調べてやったというふうな意見書では、非常に弱いと思う。それで、もちろん署長の名義で書くのだろうと思いますけれども、専門に取り扱うのはだれなのかということをお聞きするわけです。それで、その法律的な面だけであろうと思いますが、いわゆる意見書などという場合には、法の番人であるという立場で、専門知識の造詣の深い人がその衝に当たって、署長に進言して、合格ならば書くでしょうし、そこのところどうなっていますかというのです。
#150
○説明員(高田勇君) 私どもは、通産と接衝いたしました過程におきましても、通産のほうに対しまして非常に強くものを申しましたのは、都道府県知事の段階における許可ということでは、なかなか人的な陣容も不足しているから、これは実際問題として、保安の体制は全きを期し得ないのではないか、こういうことを強く申していたのであります。それに対しまして私どものほうは、消防のほうは、それだけの陣容を持っているからということで、その消防機関が関与する、こういうことに結局なったわけでございます。その場合に、消防機関が関与するといった場合に、実際問題といたしましては、法律上の問題は別といたしましても、実際上のいままでの運用にいたしましても、知事が許可いたします場合にも、消防機関がこれに対して実際上関与していたということは方々の各地においてあったわけでございます。したがって、今後もそういう人たち、いままでもそういう人たちの意見、専門的に見ていた意見とか、あるいは今後も、先ほど長官からも御説明ありましたように、LPGに対します今後権限的に付与されたことに伴います教養というものを、十分に現地に対しましては私ども責任をもって積まなければならぬ。そういう教養をもっと積むことによって、また専門の人の意見というものによって、この意見というものをまとめていこうというふうに考えておるわけであります。
#151
○原田立君 何課で扱うようになるのですか。
#152
○説明員(高田勇君) これはもちろん現地におきます、本部署におきます予防担当の課または係でやるわけであります。
#153
○原田立君 大臣にもお伺いしたいと思うのですけれども、いまの件ですが、今回の法律の文面からいえば、消防関与ができるようにはなっておりますけれども、非常に表現が弱いし、長官は、これを足がかりにしてやっていくのだということを言っていますけれども、それよりももう一歩前進したところのものが必要なのではないか、こう思うのです。で、近い将来そういうふうな方向に、もっと消防のほうに、LPG関係の行政は消防行政のほうに移すべきだという強い要請等をなさるお考えはないですか。
#154
○国務大臣(藤枝泉介君) 生産、販売という面をとらえれば、これは産業官庁の所管であろうと思います。しかし一方において、こういう石油ガスのような相当危険性を持っているものの災害予防、危険予防という面からとらえてまいりますれば、消防がそこに関与せざるを得ない。その辺を単に液化ガスばかりじゃなくて、いろいろな火薬の問題もございます。石油の問題もございますが、そういうものの生産、販売という形態と、それから、それの持つ危険性に対する消防の関与、その危険性を防止するべき責務を持っておる消防の関与をどの程度にするのかということは、いろいろ問題があろうと思います。しかし、だんだんこうしたものが相当にいろいろな事故を起こす危険が増大しておるという点からいたしまして、その危険予防を責務としておる機関の関与がだんだん強くなる。ことに末端における設備等に対しまして強くなっていくということは、これは傾向として当然上がってくるものであると思います。そういう意味で今後も考えてまいりたいと思います。
 ただ、今回の問題につきましても、一方知事は、先ほど来消防組織法の問題でいろいろ御議論ありましたが、知事自体も、また町村の消防が円滑に有効に行なわれるように、いろいろな指導なり監督なり、監督と申しますか、助言をする義務を持っておるわけでございます。その辺でひとつ、この今回の液化石油ガスの問題につきましては、そういう面もとらえながら、両々相まって危険の予防に努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#155
○原田立君 一般家庭もLPGの燃料としての使用が多くなっているのは、御承知のとおりでありますが、特に東京都内などのように、こういう密集しているところの旅館あるいは寮だとか、そういうところ、聞くところによれば、都内三千七百くらいの数があるそうであります。それらもLPGの使用がたいへん多くなってきているんだろうと思う。いろいろ聞いたところによると、この旅館等も警報機さえついていないのが約三割、千百くらいあるという。全体で合格しているのは約五%くらいで、百八十内外しかない。それと火災の発生件数が毎年五、六十件はある。これは非常にますます危険な状態にあるんじゃないかと、こう思うのです。聞くところによると、消防庁では一斉査察をしたということでありますけれども、結果はどうであったのか。
 それから、もうみんな聞いておきますけれども、危険なものには改修、使用停止などという強い行政措置をとるという方針ということも聞いておりました。それは一体調査した結果、そういう強い行政措置をやったのは何件くらいあったのか、そこら辺のところ……。
#156
○説明員(高田勇君) 御質問の件につきましては、東京消防庁が先般行ないました都内におきます査察の状況だろうと存じます。で、あの件につきまして、私は正確な数字をいまちょっと持っておりませんけれども、大体一万軒くらいについてこれは行なったんじゃないかと思います。その間に悪いものについて、悪いものが、配管の状態が不備だとか、あるいはボンベの置き場所が屋内であるとかいった、そういう観点から悪いものが若干あったということは聞いておりますが、私はさだかにその数字は覚えておりませんので、正確な数字はわかりましてからお答えさしていただきたいと思います。
#157
○原田立君 よくおわかりでなければ、それを調べて、資料として御提出を願いたいと思います。
 なお、引き続いてのLPGガスの規則についてお聞きしたいと思いますが、消防庁の前につくったいわゆる試案と、このでき上ってきたこの法案とは、いろいろな面で抜けておるところが多いのですね。それで試案の構想と相当食い違ってきている。それをどんなふうにお考えになっておるのか。危険物及びLPGガス等を取り扱う事業所全体の自主保安体制を確立するため保安規定をつくる、こういうことも試案の中にあったけれども、これは出ていない。個々のことについて一つ一つお伺いしたいと思うのですが、試案とでき上ったものとたいへん食い違っておる、その点はどうしてその食い違っておるのを納得なさったのか、消防庁にお伺いしたい。
#158
○政府委員(佐久間彊君) 試案にございまするもの、これは試案と申しましても、立案の過程におきましてだんだんと変わってまいりましたが、当初考えておりましたもので、事柄といたしまして、今度御審議いただいておりますものから落ちておりますのは、一つは事業所の自主保安体制を確立するということの事項でございます。この点につきましては、現在、石油等の消防法によりまする危険物と、それから高圧ガスのほうのものと、法律のたてまえが違っておりまするので、私どもの案は、それぞれが個々の施設を対象とした規制ではなくて、保安上は、事業所を一つの単位といたしまして、これについての自主保安体制を整備をするようにさせたいと、そのために保安規定を定めるとか、あるいは経営消防組織についてさらに強化をするとかいうようなことを考えたのでございますが、この問題につきましては、なお私どもも、もう少し実態を、実情をよく調査をいたしまして、かたがた、通産当局ともさらに検討をいたしました上で、相談をいたしました上で結論を出そうということで、今回の法案からも問題をあとに送ったわけでございます。と申しますのは、これは必ずしも、今回の法案で一番重点にいたしておりまする、プロパンの消費家庭に近いところでの保安の確保という問題と、ちょっと問題も違っておりまするので、まあそういうことで一応分離をいたしたのでございます。
 それからいま一つは、危険物等のタンクロ−リーなどの運搬についての規制でございます。これも、現在消防法で危険物について規制をいたしておりまする規制と、高圧ガス取締法で高圧ガスについて規制をいたしておりますものと、多少規定も違っておりまするが、まあ両方をひっくるめまして、このタンクローリー等の規制をさらに強化をしたいと、こういうことで検討をいたしておったのでありますが、この問題につきましても、もう少し検討をしたいと、研究したいと。と申しますのは、一つは、技術的に申しましても、輸送するときの容器等についてもう少し研究をした上で、どういう規制をしたらいいかきめるほうがよろしいのじゃないかというようなことが、だんだん検討の結果出てまいりましたので、この点もひとつあとの問題にして、さらに通産省とも連絡をとりながら研究をしよう、こういうことにいたした次第でございます。
 それから、そのほかの、プロパン、直接プロパンに関係をいたしまする点につきましては、当初は私どもは、これは消防にこの仕事を権限も持ってきて、消防の関係の強化というようなことにもしようというようなことも試案にはあったわけでございますが、これは通産省といろいろ折衝の結果、その点については、御提案申し上げておりますようなことにいたした次第でございます。
#159
○原田立君 ちょっと二、三ほかの件でお伺いしたいと思うのですが、去る四月に鈴鹿トンネルの隧道内の火災事故がありました。幸いにして、学童等の乗っているような車がなかったことはたいへんしあわせだったと、こう思うのでありますが、そのときに大臣は、地下道及び地下街及びトンネル等の防火措置が不備なので、今後新たに検討して提案したいというふうなことでありましたが、今国会にそれは提案されるに至っておりませんけれども、これは非常に重要な問題だと思うのであえてお伺いするのですが、その点、今後どういうふうなお取り扱いなさるのですか。
#160
○国務大臣(藤枝泉介君) 鈴鹿トンネルの事故、トンネル内で自動車が火災にあいましたあの事故にかんがみまして、その後、全国の各隧道等の調査をいたし、そうして関係各省、消防庁も含めまして、関係各省でいろいろ相談しました結果につきましては、事務当局から申し上げますが、それによりますと、いろいろ施設をしなければならない個所も相当多いようでございます。それからまた、いろいろな救急体制、その他消防体制等を整備しなければならないところもございまして、事実上できるもの、あるいは道路管理者がやらなければならないもの等につきましては、逐次そうした整備をいたすことにいたしておるわけでございます。
 これに関連いたしまして、最近地下街が相当発達してまいりましたが、地下街における火災等を予想いたしますと、相当の被害が予想されるわけでございまして、これらの消火方法、あるいは地下街におけるこうした消火設備その他につきましては、消防研究所その他におきまして研究もさせ、また実際に設備すべきものはさせるような指導をいたしておるわけでございます。
#161
○原田立君 指導なさっておられるのは、もちろん当然けっこうでありますけれども、立法措置を講じたいというようなことも当時の新聞に出ておりました。その点はどうなっているのですか。
#162
○説明員(高田勇君) トンネルの問題につきましては、ただいま大臣から御説明ございましたように、建設省、警察庁、私どもと、それと運輸省と、この四省が中心になりまして、交通対策本部において四月十七日に決定を見たわけでございます。その間におきまして、建設省でトンネル自体の構造に対する設備の問題として、道路構造令で措置すべきもの、あるいは消防の設備として消防自体でやること、それから自動車についての構造安全性というものをどうするかという問題は運輸省でやる、こういうふうな振り分けをなされたわけであります。こういうふうになっています。
 ただ、設備の関係で、それ以外の消火せんとか、あるいは消火器というものも設置することが必要だということが、ABCDのクラスづけによってなっているわけでございますので、そういう特別のはめ込み設備というものを必要としないような消火せん、消火器、その他貯水槽等の問題につきましては、必要に応じて、消防庁自体で消防法の組織令を改正して、政令して、政令を改正してできる問題でございますので、その法律の改正を待たないで、政令の改正でこれを行なっていこうというふうに考えているわけでございます。
#163
○原田立君 それは着手しているのですか。
#164
○説明員(高田勇君) 現在建設省のほうでどういう基準のものがいいかということを検討中でございます。それは同時に、自動車に積みます消火器の基準というものについても、それの強化をはかっていこうというふうに運輸省との間で折衝いたしておりますので、その点の消火器の基準というものをどういうふうに強化していくかという点についての運輸省との折衝ともあわせまして、検討いたしております。
#165
○原田立君 いつごろでき上がるのですか、はっきりと。
#166
○説明員(高田勇君) 時期については、関係各省との関係もございますので、ちょっとさだかには申し上げられません。できるだけ早くその点の準備はいたすべく進めておるところでございます。
#167
○原田立君 あのときも特に大臣は法的措置を講じていきたいというようなことを仰せでした。私もそれは賛成であります。いまも申し上げたように、学童等が、人間がいなくてよかった。だけれども、今後はっきりやっておかなければ、この際はっきりやっておかなければ、また第二、第三の鈴鹿トンネル事件ないとは限りません。人間が今度は百人も二百人も蒸し焼きになったらたいへんな問題です。それで研究なさるのもけっこう。じゃあ、いつごろどういうふうになっていくのかということですね。これははっきりしなければいけないと思うんですよ。いま意見の交換中でありますとかいうようなことでは、私非常に納得しがたい。大体の目安等はないんですか。
#168
○説明員(高田勇君) 事柄が事柄でございますので、できるだけ早く御趣旨に沿って進めてまいりたいと思っております。
#169
○原田立君 その問題については、消防庁長官、はっきりしたらば、ぜひ当委員会でこれ説明願いたいと思います。
#170
○政府委員(佐久間彊君) 承知いたしました。
#171
○原田立君 消防力の基準等について、消防力の基準について三十六年に告示になっており、すでに相当の期間を経過しておりますから、若干の手直し等する必要があるのではないかと、三十六年当時から比べてみれば、建設物の態様も非常に変化もしておりますし、改正をする必要があるのではないか、たとえていえば、高圧消防ポンプあるいは排煙車の配置等についても、もっと明確な基準をきめる必要があるんじゃないかと思うんです。それで変様の著しい都市の態様等に対し、消防力基準、特に排煙車等の配置について、これは改める必要があるんじゃないかと私は思うんです。どうですか。
#172
○政府委員(佐久間彊君) 仰せのとおり、消防力の基準が制定されましてから六年経過をいたしておりまするし、ただいま御指摘のありましたように、都市の形態もだいぶその間に変化いたしてきております。さらにまた、科学消防力については相当発達をいたしてきております。それらの事情を織り込みまして手直しをするということにつきましては、私どももさように考えておりまして、ただいま検討を始めたところでございます。
#173
○原田立君 その基準によって設置すべき施設、これに対応する現有の消防施設等を対比して、三十九年に全国的な調査が行なわれたそうでありますが、調査の概要、これ御説明願いたいと思うんです。
#174
○政府委員(川合武君) 先生、数字でございますか。消防力の基準は御承知のように告示をいたしておりまして、各都市が、大体概要を申し上げますと、独立火災と私のほうでは言っておりますのですが、要するに俗っぽく言いますと火元でございますが、火元はこれは焼けるけれども延焼しない。焼けるけれどもと言うと、どうも語弊がございますけれども、延焼しないためには、どれだけの消防力が必要かということを、その町の気象条件あるいはその土地の土地柄、たとえば市街地であるとか農村であるとか、そういうようなものから計算をいたします一つの方式をきめておるわけでございます。その方式で計算をいたしますと、この町は具体的にどれだけのポンプ車が必要である、Bはどれだけのものが必要であるという数字が具体的に出るようなふうな一つの方式をきめておりまして、それをもって消防力の基準といたしております。
 なお、つけ加えて申し上げますと、少しよけいなことをしゃべることになるかとも思いますが、正直申しまして、現状その数字を全国平均いたしますと、まだ六割という、総じまして六割という数字になっておるわけでございます。
#175
○原田立君 いまの答弁で、六〇%ですね、充当率が。これは非常に低い数字だと思うんですね。たいへん大きな問題だと思うんです。で、大臣、どうですか、これ、消防力自体ですね、六割だなんて、先刻御承知だろうと思いますが、こんなことでいいとは思ってはおいでにならぬと思うのですが、これもう少し充当率をよくしていかなければならないと思うんですが、どうなさるんですか。
#176
○国務大臣(藤枝泉介君) まあ本年度の予算におきましても、いろいろ消防器具の補助の額も引き上げましたが、まだ十分でございません。ただいまお答えいたしましたような六〇%というのは、非常に低いわけでございます。これは早急に充実しなければなりませんのでございまして、今後もひとつ計画的にこれの引き上げをはかってまいりたいと思います。ことに統計から見ましても、大都市は発生件数は多いけれども、類焼面積は少ないというような、逆に農村では、いなかでは発生件数は少ないけれど、類焼面積が多いというようなところを考えますると、やはり消防力、ことに手薄であるいなかの消防力の充実というものをまず考えなければならない。また大都市におきましては、しばしば御指摘がありますように、特殊な火災等がありますので、それに対応するような消防力を備えなければならないというようなことで、その態様態様によりまして、適切な方法をとりながら、消防力の充実を計画的にやってまいりたいと思います。
#177
○原田立君 去年の秋ですか、その結果がまとまったというような話を聞いておりましたので、それのひとつ全国集計、府県集計等ありましたならば、資料要求でいただきたいと思います。
 それともう一つには、各市町村は毎年充当率を調査しておりますが、次回の全国調査はいつごろおやりになるのですか。
#178
○政府委員(川合武君) 毎年行ないます。
#179
○原田立君 三十六年ごろを初年度として、消防施設整備十年計画というのが策定されたと聞いております。それで十年間で消防力基準の線は達することを考えていたようでありますが、その後当初の考えよりかなり後退したというふうに聞いております。消防力基準の線まで施設の充足をならしめる予定等、いまちょっと大臣の、考えているというようなお話だけでありましたけれども、どんなふうになさるのか、また当初の計画、それからまた改定計画なども、もしおありでしたらお話し願いたいし、もしなければ、後日資料でも提出してもらえばたいへんありがたいと思います。
#180
○政府委員(佐久間彊君) 三十六年につくりました十カ年計画は、十カ年で消防力の基準に到達するという一応目標を立てておりますが、実際の経過を見ますというと、とてもそういう目標に到達するまで十カ年ではいきそうにもないということでございましたので、さらに再検討をいたしまして、四十二年から四十六年までの五カ年計画をつくったのでございます。この五カ年計画で、消防力基準の八〇%まで達成をすることにしよう、こういう計画でございます。
 で、残りの二〇%をどうすべきかと申しますと、今回の五カ年計画は、主として国の補助金の交付によって整備をするというものを中心に考えましたので、残りの二〇%は、いわば自己努力、自主的に努力をする、あるいは相互応援協定等によって、相互に補完し合うというような努力に期待をしようということでございます。なお一化学消防力につきましては、当初の三十六年に立てました計画におきましては欠けておりましたので、昭和四十年に五カ年計画を立案をいたしまして、これによって現在進行中でございます。
#181
○原田立君 たいへん計画計画といって、まあ計画の改定ですね、あまり改定ばっかりやったんじゃ権威がないと思うんですね。それで三十六年を初年度として十カ年計画は、結論的には六〇%あったということですね。それで反省なさって、四十二年からまた五カ年計画で八〇%まで持っていこう、こういうふうなことのようですけれども、実際そこまでしかいかなかったんだから、六〇%までしかいかなかったんだから改定して、さらに努力するという考えもわからないことはないですけれどもれども、やはり国の公の機関として発表したものを、ばらばらしたと言ったのでは語弊がありますけれども、何でもかんでも改定していったのでは、どうも納得しがたいのですね。ひとつ今度の五カ年計画はりっぱなんでしょうから、現実に八〇%、いな九〇%までもいくように、これはせっかく御努力を願いたいと思います。
 それから化学消防のほうのこともお話しありましたけれども、計画の概要、現在の実施状況、具体的に御説明願いたいと思います。
#182
○政府委員(佐久間彊君) 計画は、化学車、はしご車、救急車、消防艇、ヘリコプター等を対象といたしております。で、化学車は二百三十、はしご車三百二十二、救急車四百五十六、消防艇四十七、ヘリコプター二ということを四十年立てました当初予定をいたしております。ただ、この中で救急車につきましては、本日御審議をいただきました法案にもあらわれておりますように、その後の状況にかんがみまして、これは当初の計画よりもさらに力を入れて、全国的に整備をいたしたいということでございまするので、この部分につきましてはまあ改定ということで、またおしかりを受けるかもしれませんが、さらに充実する方向で改定をいたしたいと思っております。それから消防艇でございますが、まあこれにつきましては、当初計画をいたしましたが、四十年度、四十一年度は補助金がつきませんで、四十二年度に補助金がつきましたりいたしました。この計画も四十年度立てましたときからは、その後若干事情はいろいろ変化もございますけれども、ただいま申しましたとおりに、救急車を除きましては、大体このとおりの数字で現在までのところ進んできております。
#183
○原田立君 いま言われた数字は、これだけのものを五カ年計画で整備するのだ、こういう数字ですか。
#184
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#185
○原田立君 そうしますと、たいへん申しわけないのですけれども、化学消防車はこの分をプラスして何台になるのか、はしご車は何台になるのか、おわかりでしたら……。
#186
○政府委員(佐久間彊君) ただいま申しました数字がこの五カ年計画の数字でございます。でございますから、化学車二百三十、はしご車三百二十二と申しますのは、五カ年問でこれだけ整備をしようという数字でございます。
#187
○原田立君 ですから、現在何台あって、何台ふやしてこうなるのだという、わからなければあとでけっこうです。
 それで、これは一つ現場の問題として十分御考慮願いたいと思うのですが、先々月でしたか、先月でしたか、福岡県の大牟田で山火事等がありました。だけれども、あの中身は化学薬品が多分に貯蔵してあったわけですが、あれがとうとう焼けるにまかせほうだい、結論的にはそうなった理由は何だと――化学消防車がなかったということなんです。その点たいへん心配するのですが、そういういわゆる工業地帯、化学薬品工場地帯等の特に化学消防車の充足状況ですね、あるいは今後どういうふうに、そういう該当するのは何市町村ある、こういうふうにやっていきたいという計画はおありですか。
#188
○政府委員(佐久間彊君) そういう計画を念頭に置きまして、五カ年計画は立案いたしたわけでございます。
#189
○原田立君 先日、鈴木委員より交付税法の審議の際に、消防団員等公務災害補償等共済基金、このことについて、累積赤字等のことについて御質問ありましたけれども、現在どのような形でこの十三億の資金不足、累積赤字、資金繰りをしているのか、また、これをどういうふうに解消していこうとなさるのか、その点はどうですか。
#190
○政府委員(佐久間彊君) 現在十五億赤字がございます。で、これを昭和四十二年度以降五カ年計画で解消してまいりたい、かように考えております。そこで、その関係の分が、交付税の中に織り込んでおりまする基金に対する掛け金の額でございますが、これを団員一人当たり二百五十円増加をするということにいたしております。それから、なお今後赤字を出さないようにいたしますために、当初三万六千人毎年退職者が出るという想定をいたしましたのを、四万五千人に改めまして、その関係の分が団員一人当たり四百五十円掛け金が増加になります。それでこの四百五十円のほうは、普通交付税の中に織り込むことにいたしまして、さらに二百五十円のほうは特別交付税の中に織り込む、かような措置をいたした次第でございます。
#191
○原田立君 結局これは退職者が激増したことによって起きたことだろうと思うのですが、国で財政的に援助をすべきものと私は思っております。予算折衝の過程で国の補助金を要求したのかどうか、この点はどうですか。
#192
○政府委員(佐久間彊君) これは地方の一般財源で見るべき性質のものでございまするので自治省内部で相談いたしました結果、これは地方交付税によって措置をしよう、こういうことにいたしまして、大蔵省のほうにこの関係の分を要求することはいたしませんでした。
#193
○原田立君 そういうことで、いま五カ年計画というようなことがあったが、それではかえって地方財政も非常に逼迫しているというし、そのために消防力もつかないのだというし、これはただ地方交付税だけで言うのではなしに、やっぱり国で補助金を出してやるとか、そういうふうな方向にすべきなんじゃないのですか。
#194
○政府委員(佐久間彊君) これは繰り返して申しますが、市町村が自分で一般財源でもって負担をすべき性質のものであろうと私どもは考えております。この制度のできました当初、そういうたてまえでできておりまするので、途中赤字が出ましたから、その赤字の解消は国が補助金を出して埋めろということは、筋が通らないということになるわけでございまして、しかし地方交付税でもってそれだけの分を見るわけでございまするから、実質的には国でその分だけ措置をしてやった、こういうことになるわけでございまするので、私は現行制度のたてまえ上これで十分である、かように考えておる次第であります。
#195
○原田立君 その問題は別にして、これは地方交付税の中の基準財政需要額の中に消防費等が見込んであるから、それはどう使おうとかまわないわけでありますけれども、消防費の決算と、基準財政需要額に見込んである消防費のこの関係ですね、このあまり使い方が少ないようなんですが、最近どういうふうになっているか。聞くところによれば、三十七年は基準財政需要額が四百六億で決算額が三百四十一億、六十五億使ってない。三十八年、三十九年飛ばして、四十年は六百三十二億のところ五百五十七億の決算額で、七十五億使ってない。こういうふうな数字を私のほうで一応聞いておりますけれども、これは地方交付税だから、何に使ってもかまわないというふうな感じもしないことはないのですけれども、消防費に十分向けられていないことは現実であります。こんなところから六割とか何とかということになるだろうと思うのですが、消防庁としてはどういうふうに指導なさるのか、どういう考えでおられるのか、その点をお伺いしたいのです。
#196
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては、仰せのとおり交付税の性質上ひもつきではございませんので、交付税に計上されたとおり必ず支出をしなきゃいかぬということは言えないわけでございまするが、しかし、消防庁といたしましては、そうでなくてさえ、現在の交付税の措置が決して十分だと思っておりませんので、少なくとも基準財政需要額に計上された額は、これは十分に消化すべきものであるということで、いろいろな会議等がありますると、その点につきましては、あなた方がそれぞれの市町村の財政当局に対して、もっと強腰でやってもらわなければ困るというようなことを、私も申しておる次第でございます。なお、だんだんとその点につきましては改善されてまいりまして、四十年度決算におきましては、歳出総額が基準財政需要額に対する割合は一〇八・六%ということになっておるようでございます。
#197
○原田立君 いまの一〇八・何%というのは、基準財政需要額に見込んだのと決算額と、かなり当然よけい使われているという意味ですか、一〇八%というのは。
#198
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#199
○原田立君 少ないと聞いているのですがね。さっきもちょっと言ったように、基準財政需要額では六百三十二億、決算額では五百五十七億と、こうなっているのだから、少ないんじゃないですか、一〇八%というのは間違いじゃないのですか。
#200
○説明員(村山茂直君) 四十年の決算でございますが、基準財政需要額の消防費は六百十二億四千二百七十七万九千円でございまして、消防費の決算額が六百七十八億百八十三万六千円でございます。
#201
○原田立君 それならば、当然よけい使ったということですね。ちょっと話が混乱してきますけれども、それはまあ別にして、ひもつきではないけれども使うように言っているということでありますが、やっぱり特に消防力が現状六〇%ということ自体問題だと思うのです。最近それを通達なり話し合いなりでなさったんだろうと思いますけれども、その点はどうですか。
#202
○政府委員(佐久間彊君) この点はまあ私も就任当初、先生の御指摘になりましたような話を聞きましたので、全国の消防長の会議あるいはブロックの消防長の会議等に出ました際には、あなた方は国のほうで補助金をもっとふやしてくれということを要望される、それはけっこうだ。私らも一生懸命努力するけれども、市町村の中で基準財政需要額を十分消化していないところがあるそうじゃないか、そういうことじゃ困るということを私も強く申しまして、まあお互いにそれぞれ手を取り合って、大いに消防財源を獲得するために努力しようじゃないかというようなことで呼びかけてまいりました。その結果、四十年度の決算を見てみますと、これは初めてだと思いますが、基準財政需要額を上回った、こういうようなことでございます。
#203
○原田立君 じゃ、ひとつ今後そういうようにぜひやってもらいたいと思います。
 消防費の起債について、一般単独事業費として七億円が見積もられ、ワク外部分を含めると四十八億円くらいと聞いておりますが、この消防起債を別ワクとして地方債計画において認めてくれるよう要望があり、消防白書にも述べられておりますが、その主張の理由及びこの要望に対する態度、これはいかがですか。
#204
○政府委員(佐久間彊君) 消防の起債につきましては、従来政府債がほとんどございませんで、損保債等そのほかに財源を仰いでおったわけでございます。しかし消防の公共的な性格にかんがみまして、これは利子の安い政府債をもっと当然充当してしかるべきではないか、かような考え方に立ちまして、四十二年度は、自治省といたしまして七億円だけ政府債を単独債の中に見込むということにいたしたのでございます。私は、これをさらに明年度は増額をするように努力をいたしたいと思っておりますが、これを一般の単独債から切り離して、別ワクの消防債といったようなことにするかどうかという点につきましては、消防庁の立場といたしますと、できれば別ワクにしてもらうことが望ましいと思っております。ただ額があまり低い場合に、これを別ワクにするということは、全体の整理上の便宜もございますと思いますので、今後いまの七億をさらに増額して、せめて二けたに早くいたしまして、二けたになりましたならば、ひとつ別ワクにしてもらうように、これは省内のことでありますから、財政局とも話をしたい、かような気持ちでおります。
#205
○原田立君 今回の消防組織法の正改にあたって、私たちは常備消防の義務設置、あるいはLPガスの規制を全面的に消防法に取り入れる、あるいは救急業務の体制の整備というような大きな柱で組まれるものと思っておったのでありますけれども、この市における常備消防の義務設置を急に取りやめられた理由は何ですか。
#206
○政府委員(佐久間彊君) これは省内で相談をいたしましたところ、その趣旨はだれも異存はございませんけれども、法律の上にわざわざ規定をいたさぬでも、明年度は残った市については全部消防本部署を義務設置することについて、財政局においてもそういう方向で財源措置をするということについては異論がないから、法律の上にわざわざぎらぎら書くのはひとつよしてくれ、こういうような話もありまして、私どもといたしましては、実質が確保できればよろしいわけでございまするので、消防組織法の改正は取りやめることにいたした次第でございます。
#207
○原田立君 幾つぐらいありますか。
#208
○政府委員(佐久間彊君) 市で現在なお消防本部署が未設置のところがたしか二十七と記憶いたしております。
#209
○原田立君 その二十七は、いま長官の説明によれば来年は全部つくるということですね。
#210
○政府委員(佐久間彊君) さように考えております。
#211
○原田立君 火災はどんどん、どんどん待ったなしでふえていくのでありますし、法律の改正があるなしにかかわらず、なってくるわけなんですから、二十七カ所あるという、その二十七カ所なくても、消防本部を設置しておかなかったために手おくれになっちゃって問題になるということも考えられるわけですね。まあ長官は、来年は全部できるという確言をなさったのですから、それはだいじょうぶだろうと思いますが、念のためにもう一ぺん。
#212
○政府委員(佐久間彊君) まあ来年のことでございまするから、まだ正式に決定をいたしたわけではございませんけれども、しかし、先ほど申しましたこの改正法案を相談する経過におきまして、省内におきましては、財政当局もそれに同意をされておりまするので、そのように実現するものと考えております。
#213
○原田立君 地方制度調査会の答申では、ちゃんと義務づけろと、こういっておったわけなんだし、やっぱり答申は尊重するということのほうがこれはいいと思うのですよ。それからやるのだから、ぎらぎらしくやらなくてもいいじゃないかというふうな御意見だったけれども、やはりそれはある意味の答申不尊重というようなことにもなりかねない。やっぱり答申は尊重して入れるべきではなかったのか、こう考えるわけですが、いま実施になるからという説明でありますので、これで終わります。
 それから本年五月の第四次指定の四十二市町を含めて六百五十六市町村が常備消防の設置義務者となっているわけですが、その内訳となっているのが、指定基準は、当初は総人口三万五千、これが今回は二方五千、市街地人口は、これは一万で変わりはないとして、現在の指定基準でまだ指定されていないものが二十七ということでありましたが、それ以外の現在の指定基準に当てはまらなくても、たとえば山合いの温泉地、水上温泉にことしの一月にはたいへん大きな火災がありました。それでそういう山合いの温泉地などのように、常備消防を必要とするものがあると思うのですが、三十ぐらいあるというようなことをお聞きしたことがありますが、いつごろまでこれらのものを指定なさるのか。
#214
○政府委員(佐久間彊君) まあ三十ぐらいということにつきましては、これはまだごく大ざっぱな話でございまして、個々のものにつきましては検討をいたさなきゃいかぬと思っておりますが、考え方といたしまして、先生のおっしゃいますように、市ではございませんでも、温泉地等で火災の危険が非常に高いところにつきましては、その状況を勘案いたしまして指定をすることにいたしてまいりたいと思っております。まあ今回もそういうような趣旨から、栃木県の鬼怒川温泉のある藤原町、あるいは神奈川県の湯河原温泉のある湯河原町というようなものを、町ではございまするが、指定に加えたわけでございます。なお、それと同様な必要性のあるところは毎年検討をいたしまして追加をするというようなことにいたしたいと思います。
#215
○原田立君 救急業務のところでちょっとお伺いしたいと思うのですが、東京とか大阪等の大都市の消防署には救急車が一、二台ぐらいは――一台とかいうふうな話を聞いておりますが、配置されているとお聞きしておりましたけれども、その点はどうですか、各消防署の救急車の配置状況。
#216
○説明員(村山茂直君) 署によりまして、交通事故が多いところは署に二台配置してございます。
#217
○原田立君 今回の法改正で、人口五万以上のところは救急車をつけろ、こうなっているわけですね。ところで、東京都内の各区だとか、あるいは大阪だとか、そういう大都市なんかになってみると、人口の面からいくと、片方は五万になっているし、大都市なんかの場合は二十万も三十万も、こうなっている。ちょっとアンバランスなんですね。その点はどうなさるのですか。
#218
○政府委員(佐久間彊君) 今回、法律とおっしゃいますが、政令で人口五万に下げる措置をいたしました。それから五万と大都市の中とアンバランスじゃないかというお話でございますが、中都市、大都市につきましては、それぞれ人口段階に応じまして台数をふやすことにいたしております。
#219
○原田立君 ふやすことによってそのアンバランスは是正できるんだ、是正するんだ、その計画もあるということですね。
#220
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#221
○原田立君 東京と大阪――六大都市でけっこうですけれども、そのアンバランスを埋める計画ですね、それを資料として提出願いたいと思います。
#222
○政府委員(佐久間彊君) 後日、御提出申し上げます。
#223
○原田立君 最後にもう一つ、実は私新聞で見たわけでありますが、四月二十八日付の産経新聞に、東京世田谷で、東京消防庁の庁内野球予選これに、「東京消防庁第三方面本部管内の各署が消防自動車をつらねて野球の対抗試合にでかけた。“動員”された車は、ポンプ車五台、指令車、署長用乗用車など合計八台。」というようなことが新聞に出ておりますが、これはちょっと非常に軽率な行為ではないのか、こう思うのですが、それなりの指導はなさったと思いますが……。
#224
○政府委員(川合武君) 御指摘の点については、まことに遺憾に存じております。そこの新聞記事に出ておりますポンプ車でございますが実はこれは予備軍でございますが、しかしそんなことは弁解でございまして、私弁解いたしません。まことに申しわけないこと、遺憾なことだと思います。長官の意を受けまして、私東京消防庁にその旨注意、注意と申しますか、よくさようなことのないようにということを、今後注意せよということを申しました。東京消防庁でも、十分今後注意するという――注意といいますか、そういうことを行なわないというふうにいたしております。はなはだどうも申しわけないことだと思っております。
#225
○原田立君 個人的には、ちょっと乗っかっていったんだと思われるから、考えられないことはないと思うのですけれども、やはりこういうことになれば非常にまずいと思う。ただしちょっと、もう一つ気になる発言があるわけなんです。それは東京消防庁第三方面本部の渡辺本部長が「野球は毎年やっているが、これまでは送り迎えだけに使っていた」、送り迎えだけに使っていた、毎年ですね。「こんどにかぎり、一日中待たせてしまい、ウカツなことだった。住民感情をそこねたことは、まことに申しわけない。じゅうぶん反省し、二度とこのようなことがないようにする」、こういうことなんですがね。これはいま私取り上げて、八時間も腰を据えていたことの悪いことの反省だけだと思ったら、送り迎えは合法なんだ、やっていいのだというような発言なんですね。この点どうなんですか。
#226
○政府委員(川合武君) 八時間そこに置きっぱなしであった、これはどうもぐあいが悪いと思っております。送り迎えするということでございますが、本部長がどういう意味で言いましたかという点につきましては、私、正直確かめませんでございましたが、おそらくそれが予備軍であるので、送り迎えまでは従来やっておったというような軽く言ったのかと思いますが、いずれにいたしましても、さような予備車、実際第一線に使っていない車であるにしても、さような点は今後慎むべき問題じゃなかろうか、かように私も思いますし、また東京消防庁の責任ある者もさように思っておるわけでございます。
#227
○原田立君 たまたま世田谷の事件がこうやってひょこっと新聞に出たわけですが、おそらく本部長自身が送り迎えだけに使っていた、毎年使っていたと言うのですから、全国的なことじゃないかと思うのです。ほかのほうはまだ表面に上がってこない、潜在的なものじゃないかというふうに思うのですけれども、これらについて消防庁長官のほうで、こういうようなことは好ましくないとか、やっちゃいかぬとか、全国的な通達等はお出しになりましたか。
#228
○政府委員(佐久間彊君) 通達は出しておりませんが、おそらくこれは全国的なことじゃございませんで、ごく局部的な現象であったと思います。したがって、わざわざ全国に通達を出して注意するまでもないことだと思っておりますが、今後なお類示行為があちこちにございますようでしたら、厳重に注意いたしたいと思っております。
#229
○吉武恵市君 ちょとど大臣がお見えになっておりまするので、私ごく簡単に御要望を申し上げておきたいと思います。
 実はこのたび御提案になりましたこの法案に関連して、午前中、消防庁長官並びに関係官にお尋ねをしたのでありますが、先ほど原田委員からも御指摘になりましたように、今回のこのプロパンガスの取り締まりに関して消防庁が関与されることは、私非常にけっこうだと思うのですけれども、それに対して、ただ届け出をさせるということで、これはだれがごらんになりましても非常に消極的と申しまするか、関与されておるにすぎないと思うのです。そこで、私は権限争議とか役所の争いというものはきらいでありますから、どこがどうということを申し上げるわけじゃございませんけれども、今日、人命尊重ということが非常に叫ばれて、特に交通につきましては非常にやかましくなりまして、ようやく歩道橋その他を政府でおやりになるようになったわけです。この最近の社会生活に伴いまして、危険物というものが非常に多く町にはんらんをしております。
 その一番大きい問題がプロパンでございまして、午前中も申し上げたのでありますが、広島市の横川では、ある飲食店でありますけれども、プロパンが爆発いたしまして相当の重傷、それからまた付近の家屋が相当全壊、半壊をしておる。先般また川崎市におきましては、ある民家でありますが、プロパンが爆発いたしまして、その近所の産院の赤ん坊にまでけがをさせるという事例があるわけであります。したがいまして、市民生活をしておるものから見まするというと、今日、まき、炭を使うわけにいきませんから、都市ガスを使うことができない場合には便利なプロパンガスを使うということは、これは自然な要請でありますので、やむを得ないことでありますけれども、これをただ放置いたしまするというと、ますます私はこの危険度は高まってくるのじゃないか、かように思うわけであります。
 そこで、大臣は、プロパンガスについて、今回消防が関与したことは、ごくわずかな点であるけれども、まあ産業の関係と関連のあることだからやむを得ないとおっしゃっておりますが、これも私にはわからぬことではございません。わからぬことではございませんが、今日消防庁でやっておりまする仕事というものは、ただ火を消す仕事だけじゃない。私は今日消防庁及び下級の市町村の消防がやっておる仕事は、火を消す仕事と同時に、この危険物に対して取っ組んで、いかにして住民の生命安全を確保するかということに取っ組んでおるのであります。これは私は当然のことであるし、また大いにやっていただかなきゃならぬのでありますが、消防法の中には、危険物の指定をいたしまして、これに対して相当詳細な基準なり取り締まりを設けられています。しかしこれは石油類、スタンド類を中心にいたしましていろいろやられておりますが、プロパンは、先ほど御指摘になりましたように、通産省が基準を設けやっておりますが、ところが午前中私は指摘したのでありまするが、府県ではこのプロパンガスについてどれだけの陣容でやっているかというと、府県に大体二人くらいであります。もっとも、東京とか大阪とかという大都市におきましては二、三十人あるいは四、五十人の陣容をもってやっております。しかしそれで一体県下全体の――このプロパンの販売店というのは今日たくさんございます。そしてその貯蔵所もたくさんあります。これをわずか県の二、三人の人でもって取り締まりの万全を期するということがはたしてできるか、私はこれは無理だと思います。許可の申請が出たとき、その許可が基準に合っているかいないかということをいろいろ調査して許可するだけでも仕事は一ぱい。いわんやその施設について回ってみて、それが規定どおり行なわれているかどうか、あるいはまた危険度はどんなふうであるかということに、私はおそらく目が届いていないと思うのです。それから府県でやっている仕事も、実は通産省がおやりになっているために、府県では産業部でやっております。ある県は観光課がやっている。まあ観光課がやったらいかぬということを私申し上げるわけじゃありませんけれども、観光を主管するところの課長のもとに、この人命の危害を除去するところの大事な仕事をやれる、やれぬことはございませんが、まあ片手間というか、二、三人の人でやられるという結果になるわけであります。
 それから私、この石油関係の仕事を消防が取っ組んでいる。どの程度取っ組んでいられるかと思って、東京都の消防署にも私は行って調べましたんですが、相当多数の陣容をもってこれに取っ組んでおります。毎年相当優秀な技術者を入れてそうしてやる、石油スタンドの許可、設置基準あるいは実際の取り締まり等もやっておられるのであります。ところが東京都のほうで、プロパンガスの取り締まりを東京都はある程度の陣容でやっているようであります。これはどこがやっているかといえば、東京都のいわゆる整備局、建築関係のほうがやっているのですね。そこにもまた専門の――プロパンと石油とは多少違いますけれども、同じ系統、同じ技術の人がやっているわけでありますが、それが東京の都内だけでも、東京都の整備局の中に二十人、三十人の陣容をもってプロパンをやっている。それから東京都の消防のほうは消防のほうで、石油スタンドについて何十人かの人間でやっている。しかも府県はどうかというと、わずか二、三人の人でこれをやっているにすぎません。それから消防のほうはどうかといえば、これも午前中私は指摘したわけでありますが、消防庁では相当優秀な陣容をおそろえになって、石油スタンド、その他についての基準を設け、取り締まりの指示をされておりますけれども、その末端はどうかというと、府県はほとんど使わないで、消防署だけを使う。
 いなかの消防署は、先ほど来お話しがありましたが、やはり火を消すことが本来の仕事でありまするから、そのほうに主力を注がれる。そうしてこのスタンドの許可なんかになりますというと、一人かなんかの主任がおりまして、そうしてあなた方がお示しになった基準に従って、法規を正直に適用するということに一生懸命になってやられておるという状況であります。私はどこがやったらいいということではございませんが、住民の保護の側から見ますというと、役所のそうしたばらばらのことよりも、一貫をしてこういう危険物に対する国民の安全を確保するということに、もうちょっと政府は一貫をした政策があっていいんじゃないか、そうして府県もお使いになってけっこうです。府県もまたこれに大いに協力すべきであります、県民の安全確保のことですから。市町村もまた市町村の住民の安全確保のことですからお使いになっていいんですが、消防は消防で市町村だけをお使いになって、そうして石油スタンドその他のほうに取っ組んでいる。プロパンはプロパンで、通産省が府県の二人か三人の人間を使ってやっておる。
 私はこういうことで済むかどうか、もう石油関係の需要というものは年々非常な勢いで伸びてきております。したがって、町には危険物がはんらんをしておる。こういうときでありますから、私はここで大臣から結論を聞くというつもりはございませんけれども、まあ国務大臣としてひとつお考え置きをいただき、今回の改正は、これ一歩前進をされたことですから、非常にけっこうだと思いますが、こういうふうな消極的な届け出をさせるだけで消防が関与するというのではなくて、もうちょっと積極的に取っ組んで、そうしていかにして国民の生命安全を確保するかという点に私は取っ組んでいただきたい、かように存じまして、せっかく御出席でありますから、要望を申し上げまして私の発言を終わりたいと思います。
#230
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに御指摘のように、一方危険物の種類も多くなり、量も非常に多くなり、それに対して、それでは政府なりのこれに対する管理の方法と申しますか、先ほどもちょっと触れましたが、製造、販売というような形からとらえれば産業官庁でございましょうけれども、危険防止という観点に立てば、やはりそういう職責を持っている消防等がこれに当たらなければならぬわけでございます。その調和をどこで求めるか、今回の法改正もその一つでございますが、必ずしもこれで十分とは考えません。
 しかし、消防といたしましては、特にこうした専門的な知識も必要でございますから、そうした教養も積ませまして、そうして第一線にある危険予防の責任者としての消防の役割りが、十分果たされますように今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
#231
○委員長(仲原善一君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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