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1967/07/11 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第22号
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1967/07/11 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第22号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第22号
昭和四十二年七月十一日(火曜日)
   午前十時五十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十日
    委員木暮武太夫君は逝去された。
     補欠選任        小沢久太郎
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                吉武 恵市君
                占部 秀男君
                原田  立君
    委 員
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                市川 房枝君
   衆議院議員
       地方行政委員長
       代理理事     岡崎 英城君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治政務次官   伊東 隆治君
       自治省行政局長  長野 士郎君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治大臣官房参
       事官       志村 静男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
 (西日本における梅雨前線集中豪雨による被害
 に関する件)
○住居表示に関する法律の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○昭和四十二年度における地方公務員等共済組合
 法の規定による年金の額の改定等に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 西日本における梅雨前線集中豪雨による災害に関する件を議題といたします。
 まず、政府側から被害の概況について御報告を願います。藤枝自治大臣。
#3
○国務大臣(藤枝泉介君) 台風第七号くずれの低気圧の影響によりまして、七月八日から九日にかけ西日本の各地に局地的に集中豪雨が降り、そのため広島、長崎、佐賀、兵庫の各県をはじめ、西日本の二十四府県にわたり被災し、その被害のおもなものは、死者二百八十三名、行方不明八十四名、負傷者四百六十二名、建物の全半壊・流失千八百四十四棟等でございます。
 政府といたしましては、直ちに非常災害対策本部を総務長官を本部長として設けまして、各省協力をいたしまして、被災者の救助あるいは災害の復旧、その他災害に必要な各行動を起こしておるわけでございまして、今回の災害が局地的とはいえ、非常に死傷者の多いことが注目されるわけでございまして、これらの救助あるいは死体の発掘等につきましては、自衛隊等も協力をいたしまして、目下懸命にその作業を行なっておるような次第でございます。対策の詳細につきましては、なお他の機会に申し上げたいと存じます。
#4
○委員長(仲原善一君) 御質疑のある方は御発言を願います。
#5
○松澤兼人君 いまほんとうに概略の報告をいただいたのでありますが、おそらく本会議でもこの問題が取り上げられて、状況やあるいは対策等について熱心な質問あるいは意見があると思います。
 そこで、私は、今回の集中豪雨の被害につきまして二、三お尋ねいたしたいと思います。その第一の問題は、今回の災害が必ずしも天災でないという感じを持っているのであります。それはなぜかと申しますと、一定時間に相当多量の豪雨があったということは、これは明らかに天災と言うべきだと思います。しかし、たとえば九州方面におきましては、主として中小河川のはんらんであります。あるいは広島、呉、神戸などにおきましては、そういう都市的なところにおきましては、宅地の造成や、あるいは都市計画による道路の拡幅などが原因である。あるいは神戸の場合には、地下の高速鉄道を工事しておって、穴のあいているところへ集中的に雨の水が流れ込んで、地盤がゆるんだためにビルが横倒しになったというようなことを取り上げて考えてみますと、相当に人災的な性格を持っているんじゃないかというふうに考えますが、政府としてはどのように考えていらっしゃいますか。
#6
○国務大臣(藤枝泉介君) 実は本日の閣議でも問題になったのでございますが、大きな河川の改修は大体もう済んでおりますが、中小河川等についてまだ手がついていない部面が多い。ことに都会地の中を流れておる小さな川などの対策が十分でないということが一つあると思います。
 もう一つは、いまおあげになりました宅地造成等について、もちろん規制もある程度ございまするけれども、その規制の対象にならないような部面が非常に多かった。もう一つは、急傾斜地に対する対策が必ずしも十分でなく、本年、四十二年度から急傾斜地対策の一部を実行に移しているようでございます。そういう点が問題でございます。
 それで、確かに一つの人災と申しますか、ただがけ下に個人が家をつくる、あるいは河川敷に近いところに家をつくるというようなものを一々規制もできないわけでございまするが、一方において宅地造成等についてさらに規制を深める、あるいは中小河川の改修をさらに積極的にやっていく、あるいはまた急傾斜地帯についての対策を国としてもさらに拡大してやっていくというようなことをあわせて行ないませんと、今回のようなことがさらに起こり得る可能性があるのでございまして、その辺ただいまいろいろと御指摘を受けておりまするような問題について、政府として総力をあげて考えていかなければならないと思っている次第でございます。
#7
○松澤兼人君 きょうの旬日新聞でも、今回の神戸の豪雨禍について、これを人災として追及するということが兵庫県警の態度としてきまった。それは必ずしもあげて政府の責任だというわけではありませんけれども、少なくとも建築基準法であるとか、あるいは宅地造成等規制法でありますとかいうようなものが現にあるにかかわらず、こういう事件が起こってくる。他の県におきましても相当死亡者、行方不明が出ておりますけれども、ほとんど神戸市だけで百人に近い死亡者あるいは行方不明というものが出ているわけでございます。この主としたものは、やはりいま大臣も指摘されました急傾斜地においてがけ上あるいはがけ下の急造された宅地造成地帯である。いま大臣の言われたように、そういうところに家を建てることは個人の自由といたしましても、しかし、人命の危険ということを考える場合に、必ずしも宅地造成法であるとか、建築基準法であるとかいうものの条文のたてまえをとっていたといたしましても、それよりもう少し危険ということを深く認識して、少なくとも行政指導の面から、ここはかつて川があったところであるとか、あるいはまた、ここは以前にもがけくずれしたところであるとかいうようなことで、衣を建てないように行政指導するということが必要なことではないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#8
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かに御指摘のようなことでございまして、なるほど宅地造成に関する法律あるいは建築基準法等の外にある、たとえば宅地造成についても、あの法律以前につくられたものについては規制が及ばないわけでございます。しかし、一般の国民の方には、必ずしもそこは危険であるかどうかというようなことは、しろうとでわかりません。そういう意味におきましては、いまお話しのような、土木出張所等を活用することになるだろうと思いますが、そういう危険地帯というようなものを国民一般に知らせる、そういう努力をやはり今後政府としてはやらなければいけないのではないかということを考えます。そうして、いま申しましたように、政府としての責任も責任でありますが、やはり国民全体が、こうした集中豪雨等の危険にさらされるというようなことについての認識を深め、そうして宅地造成あるいは建築について、国民の側も注意していただけるような、そういう周知徹底と申しますか、そういうことは、やはり政府としてやっていかなければならないんじゃないか、さように考えておる次第でございます。
#9
○松澤兼人君 宅地造成及び建築規制などにつきましては、必ずしも大臣の所管するところではありませんから、この程度にしておきますけれども、閣議の際などにおきましては、こういう点を強く主張していただきたいと思います。
 もう一つの問題は、都市計画に関しまして、都会地でありますから、裸の川をそのままにして放置しておくということは、経済効率の上からいっても適当でない、これを暗渠にして、上を道路として使うわけです。しかし、上のほうで、もし岩石やあるいは樹木等が詰まりますと、その暗渠の上を川と同じように流れてしまいまして、その流れた水あるいは川が、その両わきに建っております住宅、商店の床下あるいは床上浸水という結果をもたらすわけです。私は、すべての都会の河川を昔のままに広く、あるいは暗渠にしないで開渠にしておけと言うわけではございませんけれども、暗渠にした結果はそういうことになるわけです。都市計画が道幅一ぱい使うとか、あるいは道路幅を広くするとかというようなことを考えることは当然ですけれども、しかし、繰りし繰り返しそういう暗渠の川があふれて、付近の商店街、住宅に非常に大きな被害を与えるということを考えると、またそこに、何か都市計画上の必要と地域の住民の生活安全ということとがかみ合わなければいけない部面があるんじゃないか、こう思うわけなんです。こういう点につきまして、これもやはり建設省の所管かと思いますけれども、あなたも自治省を所管しておられるから、承りたいと思います。
#10
○国務大臣(藤枝泉介君) 私自身も、松澤さん御承知のように、神戸市のそうしたいま御指摘になったような惨害を現実に見たことがございまして、俗なことばでいって、あんまり川をいじめてはならぬという気持ちを非常に強くしたわけなんでございますが、いまお話しのように、やはり都市計画等を考えるときに、私ども建築関係の専門家でございませんから、はっきりしたことを申し上げられませんが、過去のその川のはんらんの実情等を考え、また背後の山地等の開発の状況等を考慮いたしまして、やはり川をあんまりいじめないような形で計画をつくらないといけないんじゃないかということを考えておる次第でございます。
#11
○松澤兼人君 昭和十三年の風水害で阪神、あるいは神戸そういうところに非常に大きな被害を受けまして、山には砂防、植林等がすでにできましたし、都市河川も改修されて、もうこれで神戸は安心かというように考えておりましたのに、やはりこういう結果が出てくるわけなんです。私の近所にも昔、貧乏川といった川がありまして、よくはんらんする川なんでしょう。その川が荒れると百姓が貧乏するということで、そういうことで貧乏川というものがあったわけですが、それがずっと川幅が狭められまして、全くのみぞ川になってしまって、今回そこへコンクリートの上からずっと水が押し出してきまして、上のほうはといいますと、いつも川が流れておらないものですから、石がきをつくったり、あるいはその上に宅地をつくったり、こういう集中豪雨になると、鉄砲水になってそのがけ下からどんどんと出てきて、土砂、岩石が川の入り口をふさぎますから、貧乏川がもう一ぺん昔のままの姿で流れてきて、付近に非常に迷惑を与えるわけです。こういうことは昔の人、いわゆる古老はよく知っているのですけれども、このごろの土木技術者なり、あるいは市役所の都市計画の係の人はそういうことを知りませんけれども、道幅を広くするという経済効果から考えて川幅を狭くする。そのために繰り返し繰り返しやっぱりそういう被害があるわけなんです。
 いまも大臣から、川をあまりいじめてはいけないという話がありましたけれども、これに対しては私も名案というものは持っておりません。大臣もおそらく持っていないと思いますけれども、これはやはり建設あるいは都市計画、自治省という関係で、どうすればこういう昔の川筋というものを確保しながら道幅を広くするかと、そういう点も考えていただきたいと思うわけなんです。長く時間がございませんので、今後地方からいろいろ上がってくる災害対策、おそらくは自治省所管のものもあると思いますが、政府としては、この全体の災害対策に対しては、補正予算を組むのか、あるいは予備費を流用するのか、あるいは他の方法があるのか、そういうことを政府部内で話し合われているかどうか。何か災害対策本部というものができて、そこでいろいろと対策を講ぜられているという話でありますけれども、その対策の具体的なものについてお伺いしたい。
#12
○国務大臣(藤枝泉介君) まあとりあえずは、生き埋めになった方々の救助とか、なくなられた方の死体の運搬とか、あるいは神戸その他の大都市で断水をいたしておるようでございまして、それの自衛隊等による給水を円滑にする、さらに、こうした災害によく起こりがちな伝染病の発生を予防する防疫活動を盛んにするというようなことだと思いますが、だんだん住宅を建てる、あるいは店の復興をやるというような、あるいは河川の破堤したところを改修しなければならないというような問題が出てくると思います。
 政府といたしましては、三地区に分けまして、現実に政府関係者を本日視察に出発をさせたわけでございますが、それらの調査の結果を待ち、また、地方からのいろいろな報告を待ちまして、それぞれに適切な対策を講じていくわけでございまして、その財源的な措置等につきましても、これはまだ、さらに補正を組むのか、あるいは予備費でやるかということにつきまして、具体的にはきまっておりませんが、検討をいたしておる次第でございます。
 また、自治省といたしましては、特に地方の災害につきまして、たとえは起債の問題、さらに将来は、特別交付金の問題等がございますので、十分これらに対処してまいりたいと考えております。
#13
○松澤兼人君 じゃあ、万全を期して対策を講じていただきたいということを要望しまして、本問題は終わります。
#14
○委員長(仲原善一君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(仲原善一君) 次に、住居表示に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を願います。衆議院議員岡崎英城君。
#16
○衆議院議員(岡崎英城君) ただいま議題となりました住居表示に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由並びにその内容の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、この法律案を立案した理由を申し上げます。
 御承知のように、住居表示に関する法律は、昭和三十七年五月六日、第四十国会で成立し、同年五月十日公布、即日施行されて今日に至っております。
 この法律は、町名地番の混乱に基づく各種の弊害を解消するとともに、市街地における住居の表示の合理的な制度を定めることを目的とするものでありまして、現在、市町村では、市街地である区域について住居表示の実施が進められており、当初完了の目標とされました本年三月三十一日までにその実施計画のほぼ四〇%が完了を見ている次第であります。
 ところが、これまでの実施状況を見ますと、往々にして町の区域の全面的な変更のなされるきらいがあるのみならず、町の名称につきましても、従来の町の名称と縁もゆかりもない画一的な名称をつけられることが間々あり、このため各地区で住民感情を傷つけ、また、由緒ある町名の消滅を招くため、関係住民はもとより、世の識者からも批判を受ける事例が少なくないのであります。
 そこで、このような事態を改善するため、住居表示の実施のための町または字の区域の変更にあたっては、できるだけ、従来の区域及び名称を尊重するものとするとともに、住民の意思を尊重しつつ慎重に行なうよう手続を整備しようとするものであります。
 次に、本案の内容について御説明いたします。
 以上のような趣旨に基づきまして、第一に、住居表示の実施に伴う町または字の区域の合理化につきましては、街区方式により住居表示を実施することが不合理なものに限って行なうものであることを明らかにするとともに、新たに町または字の名称を定めるときは、ただ単に読みやすく簡明なものにするというだけでなく、できるだけ従来の名称に準拠すべきこととしております。
 第二に、市区町村長が、住居表示の実施のため、町もしくは字の区域、またはその名称の変更について議会の議決を経ようとするときは、あらかじめその案を公示することとし、これに対し異議のある者は、公示の日から三十日以内に、その処分にかかる町、または字の区域内に住所を有する者の五十人以上の連署をもってその案に対する変更の請求をすることができるものとしております。
 そして、この変更の請求があった場合において、市区町村長は、町または字の区域、または名称の変更に関する議案を議会に提出するときは、その請求書を添えなければならないものとし、その場合には、市区町村の議会は、公聴会を開いて関係住民から意見を聞かなければならないものとしております。
 第三に、改正法の施行前に行なわれた町もしくは字の区域、またはその名称の変更でありましても、改正法施行の日から六カ月以内に限り、都道府県知事が改正後の法律の趣旨に適合していないものがあると認めるときは、市区町村長に対し、当該処分の是正のため必要な措置を講ずべきことを求めることができることとしております。
 また、この請求に基づく町または字の区域の変更等の処分に関する議会の議決にあたりましては、当該処分にかかる区域の住民から意見を聞くため公聴会を開くこととしております。
 このほか、住居表示の実施の状況にかんがみ、その円滑な推進をはかるため、所要の規定を整備することとしております。
 以上がこの法律案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。
 この法律案は、衆議院におきまして、各党の合意のもとに成案を得、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提案し、全会一致をもって衆議院を通過いたしたものであります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#17
○委員長(仲原善一君) 御質疑のおありの方は順次御発言願います。――別に御発言もないようでございますから、質疑は終局したものと認め、これより討論を行ないます。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 住居表示に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に対し賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#18
○委員長(仲原善一君) 全会一致であります。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#19
○委員長(仲原善一君) 速記起こして。
    ―――――――――――――
#20
○委員長(仲原善一君) 昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#21
○占部秀男君 今度の共済組合法の規定による年金の額の改定の問題ですが、最近の打ち続く物価の上昇の中で改定が行なわれることは、これはもう当然過ぎるほどの当然の問題だと思うのでありますが、しかし内容的には相当な問題点がまだ残されておるようにわれわれは感じておるわけであります。
 そこで二、三お伺いをいたしたいのでありますが、この今回の法律は地共済の規定による年金の額の改定に関する法律案と、地共済そのものの改正、さらに施行法の改正等いろいろとあるわけでありますが、まず法のほうからお伺いをしたいと思うのであります。
 それは、この改定に関する法律案の第一条に、
 「昭和四十二年九月三十日以前の地方公務員共済組合の年金の額の改定」、この第一条があるわけですが、ここで基準となっておるのは、その中の一項の仮定新法の給与年額のとり方の問題で、いわゆる二万円ベースに三二%増しと、こういうことになっておるわけでありますが、この二万円ベースという意味は、たしか恩給法の関係にストレートで関連をして、三十五年でしたか、この仮定俸給年額の改正を行なった、それが基準になっているんではないかと思うのですけれども、その点はいかがでございますか。
#22
○政府委員(長野士郎君) ただいまお話がありましたとおりでございまして、三十五年の三月三十一日に施行されましたいわゆる二万円ベースの給与条例が退職の日まで適用されたものとみなしまして、改定を行なうということにいたしておるわけであります。
#23
○占部秀男君 そこで、この恩給というか、年金年額の改定の問題は、従来から問題があった問題で、非常に国会の中でも、本委員会でもたびたび問題になったところなんですが、それがなされておらなかったというまあ過程があるわけです。三十五年から今日まで約七年間でありますか、その間における消費物価の上昇というものは、これはもう私が言うまでもないと思うのですが、自治省のほうとしては、三十五年以来の物価の上昇をどのくらいに見られておりますか、消費物価を中心として。
#24
○政府委員(長野士郎君) いわゆる二万円ベースを三十九年に二〇%アップをいたしまして、そのアップいたしましたものをさらに今回アップするというようなことになっておるわけでございまして、まあ物価の上昇とはほぼ見合っている、こういう考え方で今回の改定が行なわれておるわけであります。
#25
○占部秀男君 そうしますと、この法案の一条の一の「給料年額に一・三二を乗じて得た額」、この額は、物価の上昇にほぼ見合ってこの基準が考えられておるんだと、こういうふうに了承していいわけですか。
#26
○政府委員(長野士郎君) そのとおりでございます。
#27
○占部秀男君 しかし一・三二、いわゆる三二%増しというのは、三十九年に二〇%を引き上げた、それを基準にしてさらに三二%引き上げるというわけじゃないわけでしょう。三十五年にきまった仮定年額といいますか、年金の対象になる仮定俸給額ですか、これに一・三二を乗じたと、こういう計算になるんじゃありませんか。
#28
○説明員(志村静男君) 御指摘のように一・三二を乗じました算定の基礎は、恩給ベース二万四千円を土台にしているわけではございませんで、昭和三十五年三月三十一日現在の給料二万円ベースを土台にしているわけでございます。
#29
○占部秀男君 そうすると、一・三二という基準といいますか、一・三二、三二%増し、その理由とした基準は、私は相当、いま局長の言われたことでは納得できないように思うわけなんですね。というのは私、あなたのほうの資料もそうでしょうが、総理府の統計局の日本統計年鑑や、また日銀等の経済統計、こういうものを調べてみますと、明らかに昭和三十年来、この十年間に消費物価を中心にすると五〇%以上上がっておるわけなんですが、そのうちの四〇%というものはここ五年間ぐらいの間に上がっておるわけなんですね。で、そういうことを考え一これは四十年度までですが、この新しいまあスライドといいますか、年金年額の改定というものがことしの十月以降ですか、実施されるのは、この額で、そういうことになりますね。そうなると、この四十二年までの消費物価の値上がりということを考えると、どうも低きに過ぎるのではないか。三二%増しにしたことは、われわれは決して増しをするということについては反対ではないんだけれども、その押えた基準というものは、物価の上昇ということに見ってはるかに低いんじゃないかと、こういう点を私たちは心配するんですが、その点はいかがでございますか。
#30
○説明員(志村静男君) 今回の年額改定の考え方でございますが、これは先生御承知のように、恩給年額の改定、さらにはこれに伴いますところの国家公務員共済組合の年額改定、これにならっておるわけでございます。私ども承知をいたしておるところでは、昭和二十六年までは、先生御承知のように恩給と給付というものが一致をしておったわけでございます。この昭和二十六年の指数を一〇〇といたしますと、昭和四十年におきまして公務員の給与ベースはおおむね三五〇、それに対しまして消費水準と申しますのは二一〇程度になる、それから物価のほうでございますと一七〇程度、それから恩給のほうでございますと一九〇程度になるわけでございます。で、これを土台にいたしまして一〇%上げるということになりますと、先ほど局長から御説明申し上げましたように、物価はもちろんのこと、さらに消費水準と申しますか、そういったものにもおおむね見合うものではないかと、こういうふうに、私ども直接の所管ではございまんが、承知をしておる次第でございます。
#31
○占部秀男君 この点あんまりやると、これはあとでこまかい資料の問題にもなってくると思うんですが、どうも私は低きに過ぎるのじゃないかと、まあ、どうせ上げてもらうという言い方はおかしいのですけれども、どうせ上げてもらうなら、もう少し幅のある現実に合った上げ方をしてもらいたいと考えているわけなんですが、この問題は将来的な見通しとしてはどうでございますか。ということは、慢性化している現状でありますから、相当こういう点については一まあ慢性化というのは、物価の値上がりが慢性化している現状でありますから、こういう点についても相当今後とも考慮してもらわなければならぬ問題点がたくさん出てくるのじゃないかと、次々に出てくるのじゃないかと、こういうふうに私たちは考えておるのですが、そういう点の見通しはいかがですか。
#32
○政府委員(長野士郎君) お話しのように現在のような形でなお今後物価の上昇その他が続くといたしますと、こういう年金等の改定もそれに見合って行なわれることがひんぱんに出てきはしないかということは、私どももそのようになることが予想されはしないかと思います。
 そこで問題になりますのは、いわゆるスライド制等の問題でございますが、これにつきましても、各種年金それぞれスライド制についてのものの考え方は法律の上では定められておるわけでございます。ただ、いずれもいわゆる精神的規定といいますか、訓示的規定でございまして、具体のスライド制の実施につきましては、検討は目下関係機関において鋭意行なっておるという現状であります。共済につきましても、地方公務員の共済制度だけでございません。いま申し上げますような各種の年金制度との関係もございますので、それらと見合いまして、今後その問題に真剣に取り組んでまいらなければならないというふうに考えております。
#33
○占部秀男君 いま局長からスライド制の問題に関連しての御答弁がありましたので、私そのスライド制の問題について、これに関連をしてちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、今度衆議院で上がってきたときに附帯決議がついておるわけですが、この附帯決議によりますとですね、第三項で「年金のスライド制の実施については、すみやかに統一的な責任機関を定め、関係機関との調整をはかりつつ、実効ある具体的措置を講ずるよう努めること。」と、こういうことになっておるんですね。実際問題として、これはもう局長はすでに御存じだと思うのですが、地方公務員の、各県市町村へ行きますと、年金をもらってどうにか食っていけるのはいま三年間だといわれているんですね。三年たつと、もうじたばたしていかなければとうていどうもあれができない、こういうような実態がある。これは特にたくさん年金をいただいておる人はどうかとは思いますけれども、いわゆる一般職員のほとんどがそうじゃないかと思うんです。そこで、こういう問題は、やはり早急に問題点を検討してもらわないと、一体何のために地方共済組合法ができ、何のために、相互扶助ということでありますけれども、老後保障の問題が法的につくられておるかという目的が第一わからなくなってしまうんじゃないか、こういうように私は心配をしているわけですが、そこで、この決議に関連をして、ここには「すみやかに統一的な責任機関を定め、」というんですけれども、こういう点について、具体的に自治省としていまどういうような構想を持たれているか、あるいはまだ持たれておらないのか、そういう点をちょっとお聞きしておきたいと思います。
#34
○政府委員(長野士郎君) 年金のスライド制の実施につきまして、衆議院におきまして附帯決議で、すみやかに統一的な責任機関を定めて、実効のある具体的措置を講ずるようにしろということでございますが、この点につきましては、たとえば現在恩給の関係につきましては、恩給審査会におきましてスライド制実施につきましての検討が行なわれております。それから社会保障制度審議会のほうからは申し入れ書がございまして、現在各種の年金等につきましての関係機関が非常に多く、所管が分かれておりますので、そういう意味でそれを統一的に調整をはかっていかなければ、その実施について責任のある措置が講ぜられないのではないかというような意味の申し入れもございました。そういう意味で、この附帯決議は、スライド制の実施について恩給の関係のスライドの考え方、それから厚生年金とか、そういう各種年金の考え方、それから共済等におきますところの考え方、あるいは年金におきましても災害補償とか、そういう点における年金制度についての考え方、いろんなものがありますが、考え方の基礎には共通的なものを求めていくべきものだ。多少ずつ制度のたてまえからも違うものはございますけれども、そういう考え方でその責任機関というものをきめて、検討がそれを中心にして行なわれるような総括機関を早くつくることが、すなわち実効のある具体的措置を講じさせるための一つのスタートになるんだ、こういう意味を含まれまして附帯決議があったものと考えておるのでございますが、自治省としましては、年金といいますか共済の関係につきましては、関係の各省庁が連絡協議機関を持っておりまして、そして検討に入ろうとしておったところでございますが、こういう附帯決議もございましたので、政府関係機関がさらに協議をいたしまして、この趣旨に沿って具体的な検討に入り得るような態勢をつくっていきたい、こういうふうに考えております。
#35
○占部秀男君 先ほども言いましたように、今日もこの物価の上昇、いわゆるインフレ的なこの問題はやや慢性化しているんですね。ここ四、五年の間に物価が下がるという見通しは遺憾ながらないわけです。
  〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕
 しかも、物価が上がることによって年金の実質価値が下がるということは、これは年金の受給者の責任ではないわけですね。これは一つの社会、経済の動き、結局は、私はある程度政府の責任であると思うんですよ。しかし、いずれにしても、年金の受給者にとっては、自分の責任でないのに、あれよあれよという間に、せっかく二十年も三十年も、四十年も働いて、どうにか老後の保障ができかかったというやつがどんどん底をくずされていく。結局今度の台風で土地を洗われてビルディングが倒れてしまったんですが、あれと同じような結果にいま多くの受給者はなっているんじゃないかと私は思うんです。
 そこでいま局長の御答弁で、これは問題は単に地共済だけの問題でなく、いろいろな共済あるいは社会保障制度その他の関係がある。その中での御苦労ということは、私たちも知らないわけじゃないんですけれども、いまの局長の御答弁は、五十一国会でこの法律の改正をしましたね。あのときに、地方公務員等共済組合法の中の七十四条の二でしたか、を起こして、物価の上昇に見合うという法律改正を行なったときに、われわれのほうで自治省に対して、それではどういう機関でこの問題をやるのだ、いつごろこの問題をやるのだということをお尋ねしたときの御答弁と今日も何ら変わっていないように思う、いまの御答弁は。それではもう――私は、たしかあれは一昨年だったか、去年でしたかね。それから何ら進展をしていないという印象を私は強くするわけです。そこで、そういうことでは、このどんどんと物価の上昇している現在、年金受給者の生活というものは守り切れないのじゃないか、こういう意味で、少なくとも何らかの統一的な責任機関というんですから、統一的な責任機関でこの問題をオープンの形で討議、検討するのだということを、少なくとも本年度というか、あるいは本年度は無理とすれば、この一、二年の間にある程度のめどを、ともかくも答申というんですか、何というんですか、それができるように努力をしてもらいたい、こう思うんですがね。
 特にいま共済関係では各省間の、これは地共済だけではありませんから、国家公務員の共済もあるし、いろいろあるわけですから。各省間の連絡機関を持っているというんですが、どうも連絡機関の行き方が何か各省間の私的連絡――私的と言ってはおかしいですが、もうほんとうの意味の連絡機関であって、この共済のスライド制の問題にひとつまっ正面から取り組むというような、一つの審議会的な連絡調整の機関にはなっていないように私は考えているんですが、少なくとも今度の衆議院の附帯決議というものは、前回の附帯決議よりも一歩進められているわけですから、そういうようなはっきりした何らかの統一的な責任機関をつくってもらいたいというのがこの趣旨だろうと私は思うので、そういう点についてひとつ局長のお考えを聞かせていただきたい。
#36
○政府委員(長野士郎君) 去年と比べてちっとも進展してないじゃないかという御指摘でございますが、年金関係の関係各省が年金制度の連絡協議会を持っておりますが、その年金制度の連絡協議会が積極的にこのスライド制について本格的に取り組んでいるという状況になってないというような点につきましては、端的に申しまして、まさにそういう御印象がありますことは、ある面ではごもっともだろうと思います。と申しますのは、まだまだやはりこのスライド制について取り組むという身固めといいますか、準備というものについては、ある程度手さぐりといいますか、そういうような状況も実はあるわけでございまして、そういうところまで至っていないということにあることは御指摘のとおりだろうと思います。しかし、恩給制度審査会におきましても、来年の三月三十一日が期限でございますし、その間には何らかの形で方向を見出さなければならないということになっているわけでございます。また、今回の附帯決議もございますことでございますので、私どもといたしましては、少なくともこの附帯決議の趣旨に沿いまして、ほんとうにこのスライド制の実施についての責任機関というものを定めてもらいまして、そうしてそれを中心にいたしまして、この問題と真正面から取り組んでいくために協力を惜しまないというつもりでおります。
#37
○占部秀男君 この点どうもしつこいようですが、問題のスライドということは、私たちもこうやって局長にお願いをしておりますけれども、その性格からいって、各種の基金との調整の問題もあり、また財政的な問題もあって、相当困難をきわめる問題であるというふうなことはわれわれも知っているわけです。ですから、必ずしも機械的に自治省を責め上げるような形で私は言っているわけではないのでして、内容自体も非常に御苦労の点が多々あると思うのですが、しかし、いずれにしても、去年の改正、そうしてことしの改正、こういう中で物価はどんどんと上がっているわけですから、やはり年金受給者に何らかの希望を与えるような点を政府としてははっきりと打ち出すというか、してもらわなければならぬ。そうしないと、年金受給者はお先まっ暗のような感じでいまいるわけですね。といって、それでは幾ら上げるとか、どういうようなスライドの方法があるとかというようなことは、これは軽々として自治省としても私は言えないだろうと思う。そこまでぼくたちが質問するのは、この段階では無理であるということは私はよく知っております。ただ、さっき言ったように、この年金問題を取り上げているんだということが、年金受給者にわかるような形の何らかの、ここに言われる統一的な責任機関というものをやはり各省関係で相談をして、ひとつ何というか、表に打ち出すというのはおかしいのですけれども、少なくともそれが現実にまあどの程度動くかわかりませんが、動いているのだという一つの安心感というか希望というか、そういうものを持たせるような形を少なくともことし、来年あたりまでにはこれはつくってもらわなくちゃならぬ。形だけはどうしても本年内に私はつくってもらわなくちゃ、どうもいまの年金受給者がかわいそうじゃないかという感じがするわけですね。
 そこで現在の連絡機関がそのまま私は何にもしていないと言うわけじゃないのですけれども、現在の連絡機関のような形だけでは、これは非常に私はこの大きな問題に取り組むべくお粗末じゃないか、率直に言って。局長には悪いけれども、お粗末じゃないかということを感じるわけです。この問題大きな問題ですから、きよう御答弁願わなくてけっこうです。また、ひとつ大臣に御相談していただいて、この次の機会に御答弁願ってもけっこうでありますけれども、何かそういう点について、恩給年金の受給者に希望を持たせるような打ち出しといいますか統一的な責任機関――責任という字がついているのですがね、責任機関という姿を年度内に打ち出せるようにひとつ努力してもらいたいと同時に、ある程度の構想もひとつ考えていただきたいと思うのです。これはきょう直ちに御答弁をいただくという形では、先ほど言ったようにないわけですから、その点ひとつ省内として討議をしてもらいたい。そうして、この次か――次はわかりませんけれども、いずれにしても御答弁を願いたい、こう思うのですがね、いかがなものでしょうか。
#38
○政府委員(長野士郎君) 私どもも全く同感でございまして、御趣旨の線に従いまして検討いたしまして、また後ほど御答弁さしていただきたいと思います。
#39
○鈴木壽君 関連。いまの占部委員からのスライド制の実効のある具体的な措置ということについての質問に関連をしまして一つお聞きをいたしますが、去年のちょうど五月の三十一日、この委員会でも「年金のスライド制の運用については、その実効ある措置が早急に講ぜられるよう適切な配慮をすること。」、こういう附帯決議がついておるのです。同じ趣旨のことが衆議院段階にもありますし、たしか恩給法の一部改正のその附帯決議にもあったと記憶をしますが、いずれにしましても、昨年はっきりこういうことについての附帯決議がつけられ、そうしてそれに対して善処する旨の大臣からのお話もあったわけなんですが、昨年の五月からちょうど一年余りになりますけれども、この実効ある具体的な措置を何ら講じてはおらなかったということになるのではないかと思うのですが、したがって、今回のこの改正案の審議にあたっても、昨年のこうした附帯決議、それがわれわれから言わせると尊重されず、実効ある措置がとられなかったということで、大いに不満はあるわけなんですがね、これは。
 いま局長にばかりこの問題の責任どうのこうのということを申し上げるのも、何かこうはばかられるようでありますけれども、しかし、こういうことについての、附帯決議等についてのやはり取り扱い、その処置等については、もっと政府として真剣にやってもらわなければならぬだろうと思うのであります。今回の衆議院における附帯決議、これに関連して、先ほど占部委員からいろいろお尋ねがございましたが、なおかつはっきりしない。今度責任機関を定めろというから、これから考えましょう、こういう程度にしか出ないわけですが、すでにこれはいま言ったように、昨年の附帯決議の中に、そういうことばは出ておりませんけれども、そういうものを含めた意味での具体的な措置を早急に講じなければならぬということであったと思うのでありますし、また、これは記録には載ってないのですが、これは当時、早急にやらなければいけないから、来年のこういう際には何とか目鼻をつけたいというようなことも内輪のほうでは言っておったようなこともあると思うのでありますが、そういう点からしまして、どうも私遺憾だと思うのですが、これは政務次官からひとつ。
#40
○政府委員(伊東隆治君) この問題は非常に核心に触れる重要な問題だと思いますので、私大臣とも相談をいたしまして、いわゆる責任ある機関の設置につきましても、有効な措置をとるようにいたしたいと存じます。
#41
○鈴木壽君 問題は、この地方公務員等の共済組合法のこれだけでなしに、他の恩給、他の年金等にもこれは関連することでございますから、それぞれ違うものだから違う機関をつくるかどうか、あるいはそういうものを含めて、他の年金等についてのスライド制を検討するというそういう機関にするのか。まあこれはいろいろあると思いますが、いずれにしましても、早急に検討するその機関を定めて、そこでやはり具体的に方向というものをはっきり示さなければならぬと思うのです。
 私は、去年のそういう附帯決議がありますから、今回の改正は、単に恩給法の改正に伴う改正だけでなしに、こういうことについても一歩何か前進したものがあってしかるべきだったと思うのですが、いま言ったように、そういうことが――いま言っても、どうともしようのないことでございますけれども、いずれにしましても、これはのんびりかまえて、さあこれから機関を定める、そこで審議をしてもらう、そして二年も三年もかかるのじゃこれは何ら役に立たないということなんです。もうスライド制のことについては、去年の法律改正によってこれはできておるのですから、それこそ実効のある、内容のあるものにする、それがいま残っているわけです。どのような形でスライドさしていくのか、給与によるのか、あるいは物価水準によるのか、まあいろいろむずかしい問題がこれはあると思いますけれども、いずれにしてもその方向というものははっきり示してもらわなければならぬし、それに基づく措置が講じられなければならぬと思うのです。これから機関を設けて、二年も三年もかかってやってまだというようなことは、私は許されないと思うのです。そういうような意味で、いま政務次官からお答えがございましたけれども、私は機関を設けることは、国会が終わったら直ちにもうやってもらいたい。そして結論は、できれば今後一年間以内ぐらいにやっていただきたい、こういうふうに思うのですが、そこら辺いかがでしょう。
 私、少し短兵急なきらいもあるかもしれませんけれども、いま始まったことじゃございませんから、私はいま言ったように、この国会が終わったら直ちにこういう機関をつくり、そしてそこで検討していただいて、二年も三年もかかってやるような、いわゆる慎重審議でなしに、今度の通常国会のときにはもっとはっきりしたものを示していただけるぐらい、私はそれこそ急いでいただきたいと思うのですが、そこら辺どうでしょう。取り運びを、いま直ちにそのようにしますと、あるいは言われないだろうと思うけれども、これらの措置を講ずるための心がまえとしては、私はそういうものであってほしいと思うのです。それに対する御見解をひとつ政務次官から。
#42
○政府委員(伊東隆治君) このスライド制の問題は、広範な事項にかかりますけれども、直ちに大臣ととくと相談いたしまして、非常に強くおっしゃる意味もよくわかりますから、ひとつそういうように取り計らいたいと思います。
#43
○占部秀男君 じゃ、このスライドの問題は、いま鈴木先生のほうからもお話がありましたし、私もさっきこの次の委員会で、この点について自治省としてのある程度の構想というか、方向というか、それをはっきりひとつ大臣と相談をして示してもらいたいという、こういうお願いをしておりますから、きょうはこの問題はこれでひとつ打ち切っておきたいと思います。
 次に、法の一条の二項、三項、四項関係に幾らかわたる問題だと思うのですが、今度の改正によると、地共済の施行前の期間を基礎として算出する部分については、七十歳以上の者は五四・二%ですか、六十五歳から七十歳未満の者あるいは六十五歳未満の妻、子及び孫は四四%、それぞれ増額ということになっておるわけですが、これは先ほど言ったように、第一項の基準の仮定俸給年額に対して三二%増したそれと同じ計算の基礎といいますか、基準、こういうものでやったわけですか、この点をひとつお伺いしたい。
#44
○説明員(志村静男君) 同じでございます。
#45
○占部秀男君 次に、同じ五項の中に、地方公共団体の長や警察職員その他に対する問題点があるわけですね。一条の五項にあるのは、御承知のように長の場合は、たとえば給料の手額の扱い方が最後の給料年額で三分の一だというような、これは一種の特例的な扱いが行なわれておりますし、警察職員の場合にも、いま法の附則で十五年以上ということで一般地共済の組合員とはまた違った特例的な扱いが行なわれておるのですが、こういうような特例的な扱い方のものを一律に同じような率で引き上げるというのは、ちょっと私は筋が違いはしないか。違うというのはおかしいのですが、ちょっと筋違いのような感じがするのですが、その点はどういうような見解を持たれたのですか。
  〔理事吉武恵市君退席、委員長着席〕
#46
○説明員(志村静男君) 御指摘のいまの問題につきましては、いろいろ考え方があろうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、今回の年額仮定は、基本的には恩給の年額仮定によっているわけです。そういたしますと、先生御承知のように、恩給の場合でございますれば、例の十七年ということで、そういうような問題もございますし、いろいろ議論はあろうかと思いますが、恩給にならったのを、さらにそれにならった国家公務員にならったということで、ひとつ御了承をいただきたいと考えております。
#47
○委員長(仲原善一君) 午後一時まで休憩いたします。
 午前十二時休憩
    ―――――――――――――
 午後一時四十一分開会
#48
○委員長(仲原善一君) 地方行政委員会を再開いたします。
 昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
#49
○占部秀男君 次に、法の題三条の問題に入るんですが、ここでは、今度の改定によって増加する費用の分担の問題が出ているんですが、この中で「国、地方公共団体又は地方公務員共済組合が負担し、」とあるんですが、「国、地方公共団体」、これはわかるんですが、「又は地方公務員共済組合」というのは、これは団体の場合のことをいっておるんですか、どうですかこの点は。
#50
○説明員(志村静男君) これは共済組合の事務職員のことをいっておるわけでございます。
#51
○占部秀男君 次に、今度の地方公務員等共済組合法の一部改正の問題なんですが、今度の地共済の改正では、例の議員の問題が出ているわけです。第二条の改正で、「恩給法別表第一号表ノ二に掲げる程度の不具廃疾の状態にあるときは、」と、こりいうことになっておるんですが、これは端的にいって公務傷病の年金を受給できるというような状態をさしてるわけですか。
#52
○説明員(志村静男君) 地方議会議員の場合におきましては、先生御承知のように、公務傷病年金という制度があるわけでございますが、これはあく悪でも公務に基因していなけりゃならぬわけでごさいますが、ここで取り上げておりますのは、公務に基因している、公務と相当因果関係があるというものではございませんで、公務に関連する傷病だと、ただその結果の不具廃疾の状態は、公務傷病年金を受け得る程度の廃疾の状態、不具廃疾の状態そのものが、公務傷病年金の場合と同じ程度のものであると、こういうことをさしておるわけでございます。
#53
○占部秀男君 そうすると、あくまでこの場合は、公務に直接関連するという限定があるわけですか。
#54
○説明員(志村静男君) これは、ここに書いてございますように、「公務に関連する傷病」でございますので、公務傷病年金の場合のように、公務に基因すると、こういうことは必要ないわけでございます。
#55
○占部秀男君 わかりました。
 次に、施行法の問題に入るんですが、百三十六条の二の「追加費用に関する自治大臣の権限」の問題なんですけれども、これはいままでの百三十六条に今度新しく二が起こった改正だろうと思うんですが、従来は、言うまでもなく、業務の監督、あるいは報告書を提出さしたり、場合によっては監査があったり、まあ監督、命令も出せるというような形にはなっていたんですが、今度この給付の額の改定等によって増加する費用について、「適正な負担を確保するため必要があると認めるときは、」と、こういうことで自治大臣の追加費用に関する権限を新しく入れたと思うんですが、なぜこういう形で入れたのか、それをひとつお伺いしたい。
#56
○説明員(志村静男君) 地方公共団体が負担しますところの追加費用につきましては、国が国家公務員共済組合に対して負担すべき追加費用の算定方法の例に準じまして自治大臣が定める、その定めたところによって地方公共団体が負担をするということになっておりまして、自治大臣がその権限を持っておるわけでございます。
 それから次に、追加費用でございますが、昭和四十二年度からは国家公務員共済組合の例にならいまして、いわゆる実額負担方式をとるようにいたしておるわけでございますが、そういたしますと、追加費用の額というものが、非常に膨大なもののなる。そういたしますと、これの適正化ということにつきましては、十分私どもとしても留意をしていかなければなりませんので、特にこういった規定を設けたわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、本来、追加費用の算定方法というのは、自治大臣の定めるところによることになっておりますので、私どもその点は問題がないのではないか。また、当然、他の共済組合との関連におきましては、この第三項におきましても規定を設けておりますように、あらかじめ文部大臣あるいは内閣総理大臣に――これは警察共済組合でございますが、「その旨を通知する」ということになっておりますので、特に自治大臣にこういったような権限を与えたために支障が起こる、こういった問題はないと考えております。
#57
○占部秀男君 いや、私は、支障が起こるというのじゃなくてこれを聞いたわけなんです。というのは、この改正案では「当該職員をして実地について給付に関する帳簿書類の検査をさせることができる。」となっておりますね。そこで、この検査の結果について、自治大臣のほうでどういうことをするのか、しないのか、そういう点に関連してちょっと聞いてみたいと、こう思ったわけです。
#58
○説明員(志村静男君) いまお答えいたしましたように、昭和四十二年度からは追加費用は実額負担方式ということになりまして、その金額も約三億近いものとなっているわけです。そういたしますと、その適正な算定ということが非常に問題になりますので、やはりこれにつきましては、土台になりますところの資料が適正なものであるかどうか、あるいはその算出方法あるいは計算の過程、こういったものが正確であるかどうかによりまして相当大きな影響があるわけでございますので、その適正化を期そうと、こういう趣旨だけでございます。
#59
○占部秀男君 そうすると、検査をした結果、これはあまり適正でないとか、算定の基礎に間違いがあったのではないかというような、ちょっと疑問を付すような場合には、自治大臣として、これを直すような、何とかそういうような方向をこの法律でとるわけですか、やや強制力のあるような形で。
#60
○説明員(志村静男君) 具体的問題が起こりました場合におきまして、私ども運用の問題としてひとつ是正をさせてまいりたいと、かように思っておる次第でございます。ただ、実際問題としましては、いま申し上げましたように、中身はあくまでも技術的な算定と申しますか、そういうものでございますので、そのために特にその問題はどうこうと、こういうことは私ども実際問題としてはなかろうかと、こういうふうに存じておるわけでございます。
#61
○占部秀男君 次に、第九条の増加退隠料等の扱いの問題ですが、これは例の、「この法律の公布の日から六十日を経過する日以前に、当該増加退隠料等を受けない旨を当該権利の裁定を行なった者に対して申し出ることができると、これは退職の日からということに直ったわけですね。
#62
○説明員(志村静男君) 現に在職している者につきましては、そういうような国会修正が行なわれたわけでございます。
#63
○占部秀男君 そこで、いままで法律案の条文の内容で二、三お尋ねしたのですが、さらに問題点は、地共済の法律にはいろいろあるわけなんですね。私はまず第一にお聞きしたいことは先ほどスライドの問題をだいぶ詰めたような形で鈴木先生もお尋ねになり、われわれも尋ねたわけでありますけれども、当面この問題は速急にことしというふうには間に合わぬと、こういうことになると、物価の変動が非常に激しい現在ですから、せめて年金給付の算定の基礎の問題をとりあえずは改善してもらう必要があるのじゃないかと、こういうことをわれわれは考えるわけなんです。
 御存じのように、この算定の基礎については、現行法では三年間のたしか平均ということになっておるわけですが、これはどうも現在のような物価の変動が激しいおりで、しかもスライドが当面間に合わぬと、こういうときでは、ますます退職時の俸給を基準にした年金と、三年間平均賃金とでは相当な開きが出てくるのじゃないか。したがって、この点については、やはりこの法が三十七年ですか、できた前の、たとえば単位組合ごとの条例であるとかあるいはその他のあれがあったわけですが、たいていの場合は最終月額を基準にしたあれになっていたわけですから、そのほうに戻してもらうような検討を自治省としてはするべきじゃないかと私は思うのですけれども、その点はどういうような御意見でございますか。
#64
○説明員(志村静男君) 地方公務員の共済制度は社会保険の一環でございますので、そうなりますと、やはり私ども保険における公平性ということは考えていかなければいかぬのじゃないか、かように思っておるわけです。そういったような観点からいたしますと、退職時の給料を給付の算定の基礎にするということになりますと、やはり掛け金の拠出額と給付額との不均衡というのが大きくなって、やはり保険における公平性の面からいたしまして私ども問題があると、かように考えているわけです。
 また、この退職前三年門の平均でやるという制度は、ひとり地方公務員共済制度だけの問題ではございませんで、国家公務員共済制度におきましても同様なたてまえをとっておるわけでございますので、そういった均衡からいたしましても、地方公務員の場合だけこれを改めるということは、私ども困難ではないかと、かように考えておるわけでございます。
#65
○占部秀男君 これは一般公務員というよりは、給与関係ですが、三公社のような場合は、最終の月俸を基礎にした俸給年額になっておるのじゃありませんか。
#66
○説明員(志村静男君) おっしゃるとおりでございます。
#67
○占部秀男君 ちょっといま聞こえなかったのですが、地共済と同様ですか。
#68
○説明員(志村静男君) 公社職員の場合におきましては、御指摘のように、退職時の給料を給付の算定の基礎にしているわけでございます。
#69
○占部秀男君 そこでこの各種年金の公平ということにひっかかるのですがね、というのは、地共済と三公社の場合は即ストレートの関係と言えない部面が幾らかあると思いますけれども、これは三公社ともにやはり政府機関であり、こちらも公共団体であるということで、むしろ地共済なり国家公務員の年金を、三公社と並べてやはり改善すべきじゃないか。というのは、先ほども申しましたように、こういうような例があるのですから、スライドは当面間に合わぬ、しかも物価の引き上げの見合いからして、何といっても三年平均と最後では、これはもらう金が違うわけですから、したがって当面の措置とて、そういう点を考えるべきじゃないかと私は思うのですが、さらにひとつお答え願いたい。
#70
○説明員(志村静男君) 公共企業体の場合におきましては、いまお答えいたしましたように、給付算定の基礎になりますところの給料が、退職時ということになっておるわけであります。その点は確かに違うわけでございますが、一方公社職員の退職手当というものを見てまいりますと、二十年以上勤続いたしました公社職員の退職手当につきましては、国家公務員並みの退職手当の九七%を支給する、こういうことになっておりますので、私ども退職年金及び退職一時金と退職手当を合わせました退職給付そのものにおきましては、おおむね地方公務員の場合、国家公務員の場合と、公社との間では均衡がとれているのではないかと、かように考えておるわけであります。
#71
○占部秀男君 いまの九七%支給するという、九七%は、結局三公社の場合のもらう実額の、ベースというか、何というか、そういうものが、国家公務員の年金の実額というが、ベースというかに比べて九十何%と、こういうことなんですか。
#72
○説明員(志村静男君) 先ほどお答え申し上げましたように、国並みの退職手当ではなくて、国並みに計算した場合の退職手当の九七%に当たる退職手当しか出ないということでございます。でございますから、確かに退職年金という点におきましては相違がございますが、退職手当を含めた退職給付そのものにおきましては、おおむね均衡がとれているのではないかと、こういうふうに私承知をしておるわけであります。
#73
○占部秀男君 そうするとこの問題については、いまのところ再検討するという考え方はない、こういうふうに了承していいわけですか。
#74
○説明員(志村静男君) その点なかなかむずかしい問題ではございますが、すでに新しい共済制度におきましては、従来のやり方を変えまして、特に退職前三年間の平均ということで考えて、しかも国家公務員共済組合につきましても同様な制度をとっており、またそのたてまえは、先ほど申しましたような社会保険の一環であります以上、保険の公平性というものを考えなければならぬというたてまえからやられておるわけでございますので、にわかにこれを改めるということは私ども困難であると、かように考えておるわけであります。
#75
○占部秀男君 そうすると、かりにこの問題が、国家公務員その他の年金との見合いで、全体としてやろうというときじゃなければできないのじゃないか、こういうふうに受け取れるのですけれども、そういう考え方ですか、かりにやるとすれば。
#76
○説明員(志村静男君) まあ国家公務員の長期給付制度、地方公務員の長期給付制度は、これは完全といっていいくらい一緒のたてまえをとっております。地方公務員の長期給付制度だけが独走するということは、私ども困難だと思っておるわけであります。そういうような観点からいたしますれば、先生がいま御質問になったようなことになるわけでありますが、同時に、先ほども申しましたように、わざわざ過去三年間の、平均に改めたわけでございます。新しい制度におきましては、これは従来の恩給制度とは違いまして、職員の相互救済を目的とする制度であると同時に、新しい社会保険に脱皮した制度であるという観点から出てまいっておるわけでございますから、それをまた再び昔に返しましてやるという点は、やはりその趣旨からしても問題があるのではなかろうか、こういうこともあわせて申し上げておるわけであります。
#77
○占部秀男君 私はその考え方自体がちょっとおかしいのじゃないかと思うのですが、それは、相互扶助の社会保険的なものであるということで流れておるのですけれども、やはり社会保障制度の一環であると、こういう観点にわれわれは立っておるわけです。そこでその社会保障制度、老後保障という問題を実体的に考えた場合に、やはり現在のようなスライドの問題あるいはまたベースアップを、物価の問題等が激しく変動しておるときには、せめてこの年金の算定の基礎だけでも改善をして、これにある程度くっつけてやるというぐらいな私は気持ちがなくっちゃならぬのじゃないかと、社会保険制度だから三年間の平均でなければならぬという、私は基準といいますか、理論的な基準はないと思うのですけれども、その点はどういうふうにお考えになっておるのですか。
#78
○説明員(志村静男君) やはり保険における公平性と、こういう観点からだというように私ども考えておるわけであります。
 それからまた先生がおっしゃっておりますところの激しい物価の変動であるとか、あるいはまた消費水準の向上という点でございますが、これにつきましては、過去におきましても、必要に応じまして年額の改定というようなことを行なっておるわけであります。それからまた今後におきましては、先ほどから問題になっておりますように、当然スライド制の実施というような問題が起きてくるわけであります。したがいまして、御指摘のような点は、すみやかなるスライド制の実施という面におきましてこの問題の解決をはかっていく、こういう筋のものではないかと、かように考えておるわけであります。
#79
○占部秀男君 私も、あなたの言うように、すみやかにスライド制を実施するのが本筋だと思うのですよ。ところが、その実施してもらいたいスライド制が、率直に言ってなかなかこれは困難な問題になってきていると思うのです。
 先ほども局長の御答弁でも、この統一的な責任機関を設けるという問題自体にも、これはいまの各種年金の連絡の調整の機関の動いておる自体にも、やはりスライド制の問題が非常にわれわれから言わせればなまぬるい、こういうような実態が率直に言ってあるわけですね。そこであなたの言われるような筋にこの問題が決着が速急につくようならば、私もこの問題は出さないわけなんです。やはりそういう点がなかなか実際はでき得ない。そこで当面の間に合わせとして、その年金受給者の何というか、損失を少しでも埋めて、生活面を有利にさしてやろう、こういう考え方で私はいま言っておるわけなんですが、この点はまたあとでひとつ申しますけれども、そういうやはり考え方は、この際自治省として一てきして、踏み切ってもらいたい、こういうふうにわれわれは希望を持っているわけですが、この点はこれ以上進みません。
 次に、従来、これは最初この法律ができたときに、たしかあれは三十七年か三十八年の国会のときでしたか、一番問題の一つになったのですが、年金の掛け金が掛け捨てになるような場合が相当あるわけですね。これの救済の問題はあの当時から問題になっていたのですが、今日まで実は解決していないわけです。具体的に言いますと、この地共済のほうの二条の三ですか、遺族年金や遺族一時金あるいは死亡一時金、こういう問題について、適用の対象になっておる遺族というものの範囲が非常に狭くなっておるわけですね。
 具体的に言えば、扶養家族を中心にしているのじゃないかと思うのですけれども、たとえばこういう場合があるわけですね。組合員の同じ家の中で、組合員に、早く言えば、平板なことばで言えば、食わしてもらっておる、組合員の収入でまかなわれておる、こういう父や母のような場合、その他の場合にはもちろん扶養家族ですから、したがって、この点については適用される。ところが、弟なり妹なりのところへと行っている場合には、もうその組合員が死んでも、現実には母親が残っていても、どうにもならないというのが現状じゃないか。そういうこと自体が、組合員のいままでの掛け金というものは結局掛け捨てにするような形になっているので、そういう点を何とかもう少し拡大していくような考え方はないのですか。せめて両親であるとか、そういうような者については、これは遺族年金がもらえるのだ、こういうふうに改善をしていく考え方は自治省にはないかということをお尋ねしたいのですが、そうなってなければいいのですけれども、どうも私はそうなっているような気がするので、その点についてお伺いいたします。
#80
○説明員(志村静男君) 御指摘のように、被扶養者がない場合、組合員が在職中に死亡したというような場合は、やはり掛け金というものは掛け捨てになるわけであります。それでは遺族の範囲でも拡大したらどうか、先ほどもお話がございましたように、旧制度におきましては、たとえば父母でるあとか、あるいは祖父母等におきましても、一定の血縁関係にあれば、扶養関係がなくても一時金の受給資格者たる遺族の範囲に入るという制度になっておりますので、そういうものをまたもとに戻したらどうか、こういうことだろうと思いますが、そういった場合に、たとえば遺族の範囲を広げる、そうしていわゆる現行制度の遺族以外の者についても給付を与えることができるようにしたらどうかということになりますと、これはやはり財源率にも影響してくるということがあるわけであります。
 それから、これはまた、同じことを繰り返して恐縮でございますが、やはり給付の受給資格者たる遺族の範囲というようなものにつきましては、他の制度との均衡というようなものもございますので、この点につきましては、私どもにわかにこれを地方公務員の共済制度だけでも拡大をやるよう改めろと言われましても、なかなか困難な問題があるわけでございます。しかしながら一方、そういったような問題とは別個の問題ではございますが、同じ遺族の範囲というような観点からいたしまして、たとえば被扶養者の認定にありましては、年額十万八千円以上の収入があればこれはだめなんですというような取り扱いをしておるわけでございますが、それではそういったような基準が、はたして現在の経済状態において適当であるかどうかということになりますれば、これは率直に申しまして、いろいろ問題があるわけであります。こういったような問題でございますれば、他の制度との均衡はもちろん考えてまいらなければなりませんけれども、私ども十分他との均衡も考えながら、こういったものにつきましても検討していかなければいかぬのじゃないか、かように考えておる次第であります。
#81
○占部秀男君 この問題はどうもあちらこちらで不合理があるのですね。たとえば、いまのやつは遺族の対象をふやせという問題ですけれども、年齢制限の問題にもやはり問題が相当あるのですよ。
 これは一つの実例ですが、私は聞いた話なんで、詳しい資料は取っていないのですけれども、山梨県で中学校の校長先生ですか、それが水害でなくなって、奥さんもなくなってしまった。すると残ったのが高校へ行っている娘さん一人です。その娘さんが何か一カ月のうちに満十八歳になるというのですね、それで一カ月だけ適用されるような形ですね。これはどうにもならなくて、結局は年金の掛け金の掛け捨てになったと、こういうふうな実例があるわけなんですね。
 で、少なくとも私は年齢制限の場合でも、それは一つの基準をつくらなければならないとは思うのですけれども、まあ昔でいえば、男は徴兵検査というようなこともありましたが、やはり短期大学を出るくらいまでは、二十一、二ですね、今日やはりこの年齢制限を拡大してやらなければ、結局そういう娘さんはどうにもならぬと、いまの状態では十八歳といっても、これはもう高校出て大学に入るか入らないかのときですから、やはり教育期間なんですね。そういうような実態に合わせた制限の、年齢制限なら年齢制限にしても、制限の拡大をはかってやる。また、いま言った扶養家族の対象の点についても、これは財源率の問題もあるかもしれませんが、相当限定すれば、そんなにたくさんは私はないと思うのですよ。たとえば直接の父母であるとか、そういうふうに年齢の基準をあれするとか、限定すれば、その財源率に大きく響くほどの問題ではないのじゃないかと、これは私の感覚ですから、計数ではじいたわけではないのであれですけれども、そう思うのですが、そういうような対象の拡大とか、あるいは年齢制限の拡大、こういうものはやはり一ぺんスライドの問題と同じように、時世に合わした再検討をしてもらう必要があるのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、この点はいかがですか。
#82
○説明員(志村静男君) 確かにいま事例にあげられました子供の場合でございますが、これは組合員が死亡の当時十八歳未満でございませんと、いわゆる遺族という範囲に入らないわけでございますので、ケースによりましてはそういった気の毒な例が出てくるわけでございます。まあただこれにつきましては、どこかで切りましても、同じようなケースが出てくるということは考えられるわけでございますが、先生のおっしゃる趣旨は、そういうことではなくて、学生等の場合におきましては、十八歳というのは非常に酷ではないか、まあ大学がいいのか、あるいは短大がいいのかわからぬが、そのくらいまではひとつ年齢制限というようなものを緩和したらどうだろうか、こういう御趣旨だろうと思うわけであります。
 御趣旨は、私どもわからぬわけではございませんが、やはりそういったものを改めるということになりますと、なかなか地方公務員の共済制度だけでどうこうというわけにはまいりません。これはやはり私どもとしましては、横を見たり縦を見たりいたしまして、均衡というものを考えていかなければまいりませんので、財源の点というようなこともあわせまして、なかなかむずかしい問題であろうかというふうに考えておるわけでございます。しかし、そういったような問題があるという点につきましては、私ども先生のおっしゃる趣旨は理解ができると思います。
#83
○占部秀男君 重ねて言うようですけれども、確かに年齢基準の切り方によってはまた問題が出る、こういう問題も積み重なってはあるようにも考えられるのですが、やはりぼくは一人前になるという――一人前になるというのが、これをどこでとらえるかという問題に関連してくると思うのですよ、結局。いまの教育がだんだん高度になってきている現在では、高校卒というよりは、やはり短大出てつとめる人が、何というか、比率からいえばだんだんふえてきているのじゃないかと思うのですね。そういうような実態というものもやはりとらまえて、生きた年齢制限というものをひとつつくってもらいたい。
 これはまあ私の質問というか、要請のようになってしまうのですが、現に、確かにいまのような共済とは違うかもしれませんが、しかし、旧国家公務員の共済組合法ですか、先ほどあなたもちょっと触れられたと思うのですが、救済の措置が、何か年金の遺族一時金ですか、そういう形であったのじゃないかと思うのですが、そういう点がまあいま、あの当時のは扶養家族とか、主たる、そこで生活の維持というものに直接組合員との関係があるなしにかかわらず、年金の遺族一時金というものはたしかあったと思うのですが、やはりああいう制度を、私は運用によっては悪い制度じゃないと思うのですが、その点を言ったのですけれどもも、どうですか。そういう、せめて年齢制限のそういうような時代に合わせたような改善というか、制限の引き上げというか、そういう点は一ぺん、もちろん地共済だけではだめでしょうけれども、自治省として取り組んでもらいたいと思うのですが、国家公務員にも影響は及ぼすと思うのですが、この点局長いかがですか。
#84
○政府委員(長野士郎君) 確かにお話しのようにおあげになりました例伺っておりますと、まことにそういうお気持ちよくわかるわけでございます。まあ、その範囲でありますと、たとえばいまおっしゃいました一時金といえども、掛け金の範囲だけであれば掛け捨てにならないし、他に影響を与えないというような見方もある場合にはできるかもしれません。いろいろ私どもの中でもかねてから議論しておる問題の一つではございます。今後とも実態に即するような面で検討しろというお話でございますから、真剣に取り組んでまいりたいと思います。
#85
○占部秀男君 次に、長期給付の問題についてお伺いをしたいのですが、これは現在の百十三条の2の二ですか、これで、まあ具体的にいえば、組合員の掛け金が四二、五%、それから地方団体のほうが国の一五を入れて五七、五%、こういうふうになっているわけですね、現行法は、そうでしたね。政府委員(長野士郎君) そのとおりでございます。
#86
○占部秀男君 最近の長期給付の負担のあり方を見ていても、相当各共済とも、率直に言えば苦しんでいるのじゃないかという点が私たちには考えられるのですが、現にこの数字もだいぶいただいておりますが、一々これをあげては言わないつもりですけれども、現在の厚生年金が国庫負担は二〇%に引き上げられておるのですが、せめてこれとの見合いで、国の負担を現在のものより、いわゆる現在のものよりというよりは、二〇%以上のものにして、そして組合員の掛け金というものを下げるというような考え方をとってもらわなければならぬじゃないかと、こう思うんですげれども、そういう点はいかがですか。
#87
○説明員(志村静男君) 厚生年金の国庫負担の割合が二〇%であるから、それと合わせたらどうかと、まあこういう御質問だと存ずるわけでございますが、これは先生御承知のように、厚生年金の場合と地方公務員の長期給付とでは、制度的な相違があるわけでございます。例の年金の支給開始年齢の違いでありますとか、あるいは給付算定の基礎になりますところの標準報酬、あるいはまあその給料の算定期間、こういったものが違いますので、実質的に給付水準、給付内容というものを比校をしてみますと、厚生年金は、まあ共済給付の水準に引き直しますと、おおむねまあその六割ないし七割になる人ではないかというふうに私どもは考えているわけでございます。したがいまして、ここでの場合に二割と申しましても、これを共済並みに引き直してみますと、一二ないし一四%ということになりますので、まあ地方公務員の共済の場合の一五%と大体均衡がとれておるんじゃなかいかと、かように私ども考えておるわけでございます。
#88
○占部秀男君 まあ自治省の答弁としてはそういうような答弁になると思うんですが、例の一〇%が一五%に上がった、国のほうのあれがまあ確かに一歩一歩改善されていることは事実なんですけれども、やはり長期の費用の負担割合は、何といっても地共済の場合には四二・五%というのですから高いですよ、率直に言って。で、給付の内容の問題との振り合いをあなたも言われておるようですけれども、現在のこの長期に対する組合員の負担というものは相当私は過重になっているんじゃないかというふうに、これはいやみに言っているわけではありませんが、率直に思っておるわけです。そこで、これはきょうそういうふうに言ったところであなたが答弁できないことは、これは私もわかっていますから、まあこの次に大臣に来ていただいて、この点についてひとつ回答をしていただきたいと思うんですけれども、いずれにしても、国庫負担の長期に対するこの増といいますか、強化といいますか、これは年来の主張というか、要望になっておる問題で、せめて基礎的な点については、公的年金の一つである厚生年金に橋がかかるというか、見合うというか、そういうふうにひとつやってもらいたいと思いますが、これはまああとで大臣にお伺いをしたいと思います。
 次に、短期給付の関係なんですが、これは御存じのように、これには国の負担というものは一切なく、これはもう折半方式がとられておるわけですが、やはりこの社会保険というけれども、社会保障制度の一環なんですから、労使の折半だけでなく、国庫負担の問題を考えてもらう必要があるんじゃないか。というのは、この四、五年急激に医療費が激増しておりますわけです。これはどこでも、単に地共済だけの問題じゃないんですが、これが非常に増高してきておるわけです。冬単位共済の経理内応というものは非常にいま悪くなってきている。そのために組合員が大幅な掛け金の引き上げに迫られておるわけです。で、先ほどあなたから、自治省のほうから短期についてのこの掛け金率の調べ、これは負担率の調べ、財源率の調べ、これに対する統計をいただいたんですが、この中でもその点ははっきりしておるわけですね。したがって、こういう点を短期についてやはり国庫負担をある程度導入して、地方団体あるいは組合員の負担というものを軽くするという考え方は持たれておりませんか、その点をお伺いしたいと思うのです。
#89
○説明員(志村静男君) 地方公務員の短期給付制度でございますが、これはやはり社会保険の一環でございますので、私どもとしては、使用者たる地方公共団体と組合員とが、折半でその費用というものは負担すべきだ。このたてまえが正しいんじゃないかという考え方であります。
 また、この点につきましては、先生も御承知のように、たしか昭和三十七年八月であったかと思いますが、社会保障制度審議会から出されました答申、勧告におきましても、こういったような趣旨が指示をされておるわけでございます。これもまた同じことを繰り返して恐縮でございますが、国家公務員の共済組合の短期給付との均衡というものも、これは考えてまいらなければならんわけでございます。ただ比校内最近と申しますか、医療費の抜本対策の関連にからみまして、社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会におきましては、国庫負担の定率化というふうなことについて言及をしておるという面もございますのでこういった面におきましては、私どもも今後研究をしなければならない、こういうような点はあろうかと存じます。
#90
○占部秀男君 社会保障制度審議会の答申の趣旨を言われたんですが、私はあれには全幅的に賛成しておるわけじゃないので、われわれにはまたわれわれなりの考え方、論点というものもあるわけなんですが、御存じのように厚生年金では、たしか組合員の短期給付についての負担すべき保険料ですね、最大限度といいますか、それを法で明確にしておるんですね。これはもう標準月収の千分の三十五を超過する場合は、この超過分については事業主負担、こういうことになっておるんですね。これは私は一つの短期問題に対する組合員の掛け金の最大限を示した基準ではないか、私はこう考えておるわけなんですけれども、そういう点につていは自治省としてはどういうふうに考えておられますか。
#91
○説明員(志村静男君) 先生の御指摘の点は、組合建保の場合であろうかと存ぜられるのであります。確かに組合、健保の場合におきましては、保険料の最高限度としましては千分の八十、それから組合員としましては千分の三十五という条件があるわけでございます。ただ、これにつきましても、共済組合の場合と組合健保の場合とでは、たてまえが違いまして、また端的に申しまして、組合健保の場合でございますれば、千分の八十なら八十という範囲内でもってやれる仕事をやる。それでやれなくなれば、いわゆる付加給付にいたしましても、あるいは福祉施設にいたしましても、これは切り捨てていく。そしてそれでもどうしてもだめだということでありますれば、最後のとりでであるところの政管健保があるわけでございます。ところがそれに対しまして、地方公務員の短期給付制度につきましては、まずいわば支出を自由にきめるといいますか、どういった給付内容にするかといったような点は、付加給付等につきましては自由にきめられるわけでございます。そうでございますならば、まずどういったような給付水準にするかということをきめて、それに必要な費用を自主的に折半で負担するということになっておるわけでございまして、たてまえが違いますので、たてまえが違いますところの組合健保のいわゆる負担方式だけをカットいたしまして導入するというのは、ちょっと疑問、問題があるのではないか、かように思っておるわけです。
#92
○占部秀男君 確かに法的なたてまえは、あなたのおっしゃるとおりですね。この違いはありますけれども、それじゃ短期の給付内容はどうかということになると、必ずしも地方公務員共済に関係する短期給付がまさっているとは私どもは考えていないのですよ。で、組合保健の場合もいろいろ実例はわれわれも調べてはいますけれども、組合員の掛け金の最大限を千分の三十五に押えるために、やはりいろいろな形で事業主はそれ相応の何といいますか、負担というか、超過負担という言い方もおかしいのですが、いろいろな面で超過負担的な形をとっておるんですね。ですから、それは法のたてまえからいって、こちらのほうは短期のときにちゃんと一定の予算をやって、それに見合うやつを折半だと、こういうたてまえがあるわけですけれども、しかし、それだからといって、それを折半だけでいいというわけには、私は保険の内容の実態から見ていかないんじゃないか。むしろ、これを改善をする方向に進んでいかないと、結局何というか、給付内容が実質的に下がっていくんじゃないかということを私は心配するわけなんです。率直に言えば、三者負担方式といいますか、使用者である地方公共団体、そうして使用人であるところの組合員、この三者負担方式をこの際やはり考えてもらう必要があるんじゃないか、かように考えておるのですが、その点はいかがでございますか。
#93
○説明員(志村静男君) やはり地方公務員の短期給付制度は社会保険の一環でございますので、そういう観点からいたしますと、たてまえといたしましては、使用者たる地方公共団体と組合員とが折半をする、これは私ども正しいんじゃないかと思っているわけでございます。したがいまして、そういったような観点からいたしますと、にわかに、しかも地方公務員の共済制度についてだけこれを改めるということは非常に困難である、かように考えておるわけでございます。
#94
○占部秀男君 なぜこういう問題をそんなに質問するかというと、自治省からきようもらった資料をざっと見ても、この四十二年の本年の一月一日現在、それが三カ月後の四月一日現在では、組合員の掛け金率というものは、わずか三カ月足らずの間にやはり上がっておるのですね。しかも、この掛け金率が五五であるとか、あるいは四八であるとか、四五、六であるとか、厚生年金の場合の三五に比べてもはるかに高い掛け金率を負担している。そういう資料をあなたのほうからいただいておるわけなんですが、こういうような掛け金率から見ても、地方公務員の短期に対する掛け金率というものは非常に重い負担になっているということが私はわかるんじゃないかと思うのです。
 それでやはり限度というものがあるわけですから、どうしてもこれがこのままいかなければならぬ、給付内容を下げるわけにいかぬということになれば、これはもう組合員の掛け金を上げるといってもなかなかそうはいかないので、やはり国家の負担を導入してもらうとか、そういう方向に持っていってもらわぬと、結局、特に市町村の職員の場合の負担率などはどうにもならなくなってくるんじゃないかと思うのですが、こういう点についての見通しはどうですか。
#95
○説明員(志村静男君) 組合健保の場合の三五というような問題になるわけでございますが、この三五につきましては、先生御承知のように、組合健保の場合におきましては、標準報酬というものが土台になっておるわけでございます。それに対しまして、地方公務員の短期給付制度におきましては、給料が土台になっておりますので、単純になまの数字だけを比較をしてどうこうはちょっと私は困難じゃないかと思っております。さらにその給付内容、給付水準につきましては、先ほどお答えしましたように、たとえば、法定給付につきましても、災害給付であるとか、あるいは休業給付のうちの休業手当金といったようなものにつきましては、地方公務員の場合のほうがまさっておるわけであります。それからまた付加給付というような点につきましては、これは組合によりましてそれぞれ違うと思いますが、差異があるわけでございます。したがいまして、掛け金率あるいは財源率というものを比較します場合におきましては、同じ基準に直しまして、実質的に私ども比較すべきものじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
 それにいたしましても、いま指摘のございました市町村職員共済組合の中には、確かにおっしゃるように軽いとは言えないところがあろうかと思います。ただ、その場合におきましても、たとえば軽いとか、あるいは重いとかいうのは、何をものさしにして言うのかということでございますが、かりに政管健保というようなものを土台にいたしまして、これは現に審議中でございますが、かりに政管健保が千分の七十二というようなことになると仮定いたしますと、大体これは私ども共済に引き直せば千分の百程度になるのではないか。そういたしますと、折半でございますから千分の五十ということになるわけでございます。そういたしますと、決して私ども千分の五十自体が軽いという気持ちは持っておりませんが、一応のめどといたしまして、比較するのが正しいかどうかは別といたしまして、かりにそういったものとの比較をしてみますと、まあ特に飛び抜けて政管健保よりも重いんだということもしいて言えないのではなかろうかと、こういう気もするわけでございます。しかしながら、中には確かに御指摘のように、青森の共済組合のほうに五十五というところがあるわけでございます。ですから、私どもといたしましても、こういったような点につきまして、そのままで決していいんだというようには考えておらないわけでございます。そのためには、私どもといたしましては、例の短期給付調整資金制度の創設等につきまして、いろいろ検討したわけでございますが、幸い四十一年度におきましては、地方公務員の共済組合全体といたしましては、だいぶ収支が好転してまいりました。これは各共済組合の経営努力ということもあったと思いますが、だいぶ好転をしてきたというようなこともございまして、いましばらくひとつ情勢の推移を見てみよう、そして今後とも短期給付調整資金制度の創設をひっくるめまして、これが対策について鋭意検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#96
○占部秀男君 これはもちろん、あなた当該の責任者ですから御存じだと思うんですが、短期の財源のあり方が好転してきておるということには、相当短期給付のいわば切り捨て的なものがあるんじゃありませんか。それが結局財源関係をゆるめておる私は一つの原因になっているんじゃないかと思うんです。
 きょうは資料がないからそれ以上は申しませんが、もう一つ聞きたいことは、標準報酬月額、いわゆる健保の標準報酬月額ということになると、実際にもらっておる月給なら月給よりは低いわけですね、あれは。たいていの場合低いわけでしょう。低いものに対する掛け金率というものは三十丘で押えられておる。ところが地方公務員共済の場合には俸給実額ですね、それは掛け金率が高いというので、相当これは地共済の給付の内容をこまかくやってみると、どういうふうになるか、また資料をいただきたいと思うんですけれども、相当どこでも掛け金率が高いということでまあ悩んでいる、組合員が少し高過ぎるんじゃないかということで悩んでいるのが私は実態じゃないかと思うんですが、いまの点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#97
○説明員(志村静男君) まあ標準報酬の点でございますが、これは標準報酬の場合には、給料だけでなくて、例の臨時に支払われるものを除いた付加金が入りますので、だいぶもとと申しますか、これがふくれてまいりますので、それの三十五というものを、これはやはり給与だけに直しますと、相当高く上がってくる。まあ私ども大体そのごく大ざっぱな見当でございますが、三十五というのは、共済の場合にしますと八掛けでございますが、八割程度といったふうにまあ考えておるわけでございます。
 それから実際の医療給付の支給にあたりまして切り捨てがあるんじゃないかという点でございますが、確かに付給付というような点でございますれば、いわゆる足切りという問題はあるわけでございます。しかし、これは付加給付でございますので、法定給付と同一には私ども議論はできないと、かように考えておるわけでございます。
#98
○鈴木壽君 ちょっと関連して。
 参事官ね、さっきの御答弁の中にありました地方共済の、まあたとえば青森なんかずいぶん高いと、まあ去年もここでいろいろやって、調整金の問題なんかをずいぶんやりましたが、一方あれですね、いまのお話の中に四十一年度ではかなりまあ財政状況が、好転とまでもいかないでしょうが、あまりひどくならないかっこうでやってきたというようなこともありましたが、その簡単に各地方共済の掛け金の率やら財政の状況、ほんとうの簡単な一覧みたいなものでもいいが、そういうものいまございますか。
#99
○説明員(志村静男君) きょうお手元にお配りした資料に載っておるわけでございますが。
#100
○鈴木壽君 じゃあそれはよろしゅうございます。
 じゃあ調整金の問題、どういうふうになりましたか。あれその後の、昨年のこの委員会でいろいろやって、お話を聞いてみましたが、あれどういうふうな扱いになりましたか。
#101
○説明員(志村静男君) 短期給付調整資金制度につきましては、私どもは国会の附帯決議もございまして、そういった意味に沿って鋭意検討をしたわけでございますが、ただ正直に申しまして、これをつくるということになりますれば、当然市町村職員共済組合のほうとも十分協議もしなければならぬと、そういうことになりますと、市町村職員共済組合は、これは四十以上あるわけでございまして、それぞれ共済組合によって事情が違いますので、これはまあ端的に申しまして、なかなか利害関係が一致をしないという面が一方においてあるわけでございます。
 それからさらに、短期給付調整資金制度を設けます場合におきまして、その趣旨が、実質的にはいわば上限を設けるというところにあろうかと存ずるわけでございます。その実質的な上限というのを何をものさしにしてどの程度にしたらいいかと、こういったまあやはり根本的な問題というのがあるかと思うわけでございます。で、さらに一方におきましては、先ほど申し上げましたように、昭和四十一年度におきましては、これは推計でございますが、市町村職員共済組合全体といたしましては約六億円、それから実質収支といたしましては約二億六千万円程度の黒字が出ると、こういうような状況になっておるわけでございます。
 そこでまあそれらの事情を考えまして、今国会には私どもこの制度につきましての成案は得るに至りませんでした。そういうような事情にあるわけでございます。
 しかし、まあそれでもそのままほっぽっていいということにはなりませんので、今後ともひとつこの市町村職員共済組合のまあ短期経理につきましては、その推移等も十分見ながら、短期給付調整資金制度をひっくるめまして、どうしたらいいのだということをひとつ鋭意検討を続けてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#102
○占部秀男君 次に、退職後の療養の問題なんですがね。療養制度の問題なんですが、この衆議院の付帯決議では、五として、「組合員が退職後一定の期間内に発病した場合にも療養給付を受けることができるよう検討すること。」 こういうことにまあ決議がなっておるわけなんですが、これはまあ御案内のように、現行法では、継続療養の場合を除いては、あれはもう国民健康保険か何かに切りかえるということになると思うのですけれども、やはりこの地共済なら地共済関係の健保に何十年もかかって、短期にかかっていたわけですから、したがって、それに対する既得権的なものは、確かにこれは全体の、総括的に考えればですよ、あるのだと私は男うので、やはり退職後の一定の期間内に発病した場合のこの給付の問題は、早急に検討してもらわなければならぬと考えるのですけれども、こういう点について何か自治省として当面お考えはありませんか。
#103
○説明員(志村静男君) 私ども非常に冷たいこれは理届になろうかと存じますが、その現行制度におきましては、医療制度はまあ国民皆保険ということになっておりますので、制度的にはこれはまあ公務間を退職すればいずれかのまあ保険制度の適用は受けると、こういうことになるわけでございます。ただまあ実際問題といたしましてはですね、各種のまあ医療保険制度の間には給付水準に格差があると、さらにまあ退職をされますと、大部分の方は収入がなくなってしまう。あるいは落ちるというようなことからですね、長年忠実に勤務された方に対してですね、気の毒じゃないかと、こういうまあ考え方があるわけでございます。
 ですからまあ私ども、これも非常に率直に申しまして、問題は、その地方公務員の共済制度の問題ではなくて、わが国の医療保険制度全体の問題だというように考えておるわけでございます。まあ医療保険制度全体の問題だということになりますれば、当然これはその抜本的対策ということにつきましてですね、今後ともまあ検討されなけりゃならないと、そういうことになれば、まあその段階におきましてですね、当然まあこの問題も対象になろうかというように考えておるわけでございます。で、確かにまあおっしゃるような御趣旨は私どもよくわかりますので、まあそういったような御趣旨もくみまして、ひとつ十分しかるべき機会にはこの問題を、地方公務員共済制度だけの問題としてではなく、全体の問題といたしまして十分研究もしてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
#104
○占部秀男君 まあ確かに行政制度の一つの問題点ですわね。特に定年制の問題なんというのが出てきたりですね、いろいろまああるわけですから、したがって、行政制度の問題であることは間違いないですけれども、といって共済制度の問題ではないのだという言い方も私はできないのじゃないか。これはやはり一つの共済制度に対する見方の問題も入ってくるわけですが、やはり多年共済の中で短期給付の掛け金をやっていたという場合には、たとえば、これはまあ話は違うかもしれませんが、よくこの厚生関係でですね、療養所なんかの問題がありますわね。これはまあ別会計だと思うのですけれども、やはり長年掛けていた共済の中から療養所ができたと、そのできた療養所は、退職してから後も本来は私は既得権として使わせるべき、また使う権利のある私はものじゃないかというように思うのですが、現実はそれがないわけでしょう。で、それとこの短期のこの医療給付等の場合には、ある程度通じたものがあるのじゃないかと、やはりこれは行政制度の問題であることは事実なんですけれども、同時に共済制度の問題としてですね、真正面から取り組むべき性格の問題じゃないかと、私はこう考えるんですが、いま参事官から、これはもう真剣に考えようというようなお話がございました。全体としてですね、行政制度の問題としても考えましたので、そうしつこく追及する意味じゃないんですが、そういうやはり考え方の点を明確にしておかぬと次の発展がないので、そういう点はどうですか、どういうふうにお考えになっておりますか。
#105
○説明員(志村静男君) いわゆる福利厚生施設の場合でございますと、これはいま先生おっしゃいましたように、過去に掛け金をする、そしてそれが長期経理資産になっているわけです。その資産の運用として、あるいは別途福祉財源の運用として施設ができる。だから、自分も一枚加わっておるじゃないかと、こういうふうな面が確かにあるわけでございます。それから、また一方におきましては、長年忠実に勤務をされた方だということもございますので、やはり私ども、この問題につきましては、御趣旨のように、退職後といえどもやはりこれは十分活用できるように、ひとつ行政指導でもって善処してまいりたい、かように考えているわけでございます。
 それから、短期給付制度のことにつきましては、先ほど申し上げたことを繰り返すようなことになるわけでございいますが、確かに御趣旨としまして、長年勤務されて退職された方でございますから、正直申しまして、何とかしたいという気持ちは持っておるわけでございます。ただ、何ぶんにも地方公務員の共済制度だけの問題でないという点がございますので、ひとつ十分研究をしてみたい、こういうことでございます。
#106
○占部秀男君 まあその点は、これは普通、この共済全体があちらこちらの問題でそういうことになるんだろうと思うんですが、地共済だけの問題でないという形が出てくるわけですから、その点について私なんかも地共済だけでこれをどうしてもやらなきゃならないんだと心じゃ思っていても、実際の扱い方としてはむずかしいと思うんですが、しかしそれは検討していただくとして、このいま言われた保養所その他の利用の問題ですね、あなたいま行政指導でそういう点はひとつあれをしたいというようなことを言われたわけですが、現実にはそういう行政指導がなされておるわけですか。
#107
○説明員(志村静男君) 現実問題といたしましては、個々の共済組合によりまして、その取り扱いとしてやっているところがあるわけでございます。その組合全体に対しまして、自治省として具体的にどうこうということはいままでやっておらぬわけでございます。
#108
○占部秀男君 ぼくの言うのはそこなんですがね、やはり地共済関係については、自治省としては、そういうような保養所等の問題は、既得権もあるのだし、今後の労務管理、いわゆる行政制度に関連した問題点も相当出てくるので、自治省の行政指導として、やはり何年かは退職した人も使わせるのだと、まあそれにはいろいろ条件があると思います。あると思いますけれども、基本の原則はやはりそこに置いた行政指導を一般的にこの際してもらいたいというふうに私は考えるのですが、その点はいかがですか。
#109
○説明員(志村静男君) たてまえ、方向といたしましては、先ほど御答弁申し上げたようなことでございますが、実険問題ということになりますと。実はいろいろ問題があるわけでございます。これは先生御承知のように、員外利用ということになりますと、民間私企業と申しますか、そういったものとの関連等もございますので、具体的に私どもがどうするかということになりますと、さらにやはりいろいろ問題点を十分検討した上でやりませんと、適切なる措置がとれるというようには考えておらないわけでございます。ただ、方向として、あるいは気持ちといたしましては、私ども先生のおっしゃることはごもっともでございますので、十分これに関連いたしますところの問題、あるいは前提問題というものも検討いたしまして、ひとつ何とか善処をしたいと、かように考えているわけでございます。
#110
○占部秀男君 その点お願いするというのは、実険退職された方々で、いまあなたが言われたように、共済によっては使わしているところも実際はあるわけですね。何か個々に、まあ秘密というか、正々堂々と使えなくて、何かままっ子、私生子的な、まあ頼むというようなことで使わしている場合が多いわけなんですよ。ぼくは、これは行政指導としても、それぞれの単位共済によっていろいろと問題点はあると思うのですけれども、それを退職された方に使わしたからといって、それが直接民間の館やその他に直接大きく響くという、事新しく響くというほどの問題でもないだろうし、せめて退職したあとのたまの保養ぐらいはさしてやってもらいたいと思うのです、大手をふって。そうしてやってもらいたいと思うので実は言ったわけなんですが、ひとつそういう点もあわせて実態を調べて検討していただきたいと思うのですが、よろしゅうございますね。じゃあこれで。
#111
○委員長(仲原善一君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後二時五十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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