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1967/07/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第23号
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1967/07/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第23号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第23号
昭和四十二年七月十三日(木曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉武 恵市君
                占部 秀男君
                原田  立君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                沢田 一精君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                中村喜四郎君
                林田 正治君
                鈴木  壽君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
                市川 房枝君
   衆議院議員
       発  議  者  倉成  正君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       警察庁長官    新井  裕君
       警察庁交通局長  鈴木 光一君
       経済企画政務次
       官        金子 一平君
       経済企画庁総合
       開発局長     加納 治郎君
       文部省体育局長  赤石 清悦君
       自治政務次官   伊東 隆治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     日出 菊朗君
       警察庁交通局交
       通指導課長    綾田 文義君
       大蔵省主税局税
       制第二課長    大倉 真隆君
       自治大臣官房参
       事官       志村 静男君
       自治省税務局府
       県税課長     石川 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度における地方公務員等共済組合
 法の規定による年金の額の改定等に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○離島振興法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#3
○原田立君 今回の提案及び年額改定の法律案は、恩給法の改正に伴う技術的な問題が大部分であると思いますが、そういうふうに解釈してよろしいですか。
#4
○説明員(志村静男君) 御指摘のとおりでございます。
#5
○原田立君 今回の法律案といい、また基本になる地方公務員等共済法といい、非常に難解な法律でありますが、これら共済組合法というものがどのような精神に立脚してつくられているか、ほんとうはこれは大臣にお伺いしたいわけなんですが、お答え願います。
#6
○説明員(志村静男君) 新しい地方公務員の共済制度は、恩給とは異なりまして、職員の相互救済を目的とする制度であり、社会保険の一環である、かように考えておるわけでございます。
#7
○原田立君 社会保険的問題ということですが、その前に、これは実は事務当局の答弁では社会保険的な性格ということだったけれども、大臣の話では、社会保障的なそういう意味合いのものも含んでいるというようなことで、若干そこに表現のしかたが違うし、精神の面からいくと非常に大きな隔りがあるのですけれども、まああなたにお伺いしてもどうかと思うんですけれども、その点どうお考えですか。
#8
○説明員(志村静男君) 社会保険といい、社会保障といい、なかなか定義と申しますか、これはむずかしい問題であろうかと思っているわけでございます。私ども通常、社会保険というようなことばを使いますような場合におきましては、社会保険と公的扶助をひっくるめまして社会保障というようなことばを使っているわけでございます。したがいまして、大臣が申し上げましたところの社会保障というような意味も、実質的には私どもが申し上げていますところの社会保険と同じ意味で私どもお使いになっておると、かように考えているわけでございます。
 まあ一応区分といたしましては、社会保障という場合には、公的扶助も社会保険、こういうように理解をしてもいいんじゃないか、かように思っておるわけでございます。
#9
○原田立君 そうすると、大臣は社会保障的な考えだというお話だけれども、実際は大臣は社会保険制度的な考え方で言ったのだと、こういうふうなお話なんですけれども、そういうふうに――大臣に聞かなければわからないことですけれども、志村参事官のお話のように了解していいわけですね。
#10
○説明員(志村静男君) 私どもそういうように大臣の御発言は理解しておるわけです。
#11
○原田立君 共済組合法の一条の二項には「国及び地方公共団体は、」「健全な運営と発達が図られるように、必要な配慮を加えるものとする。」、こういうふうな項目があるわけですね。「国及び地方公共団体」、国ということがはっきり言われておるし、しかもそこに必要な配慮を加えると、こうなっておる。そういう精神からいけば、当然いろいろそこに問題点が起きてくるわけでありますけれども、国が必要な配慮を加えるものとするというそこの点については、どういうふうにお考えなんですか。
#12
○説明員(志村静男君) 現行地方公務員の共済制度におきましては、たとえば警察共済組合というような場合は、これは警察庁の職員が組合員になっておるわけでございます。そのような組合の場合におきましては、国家公務員たる職員が警察共済組合の事務に従事ができる、こういうような規定等も共済組合法等におきましては設けておるわけであります。
#13
○原田立君 率直に申し上げますけれども、当然――当然というよりか、地方公務員共済にも国庫負担の導入があるべきと、こう思うのですが、この点はいかがですか。
#14
○説明員(志村静男君) 御指摘の点につきましては、いわいる長期給付あるいは単期給付につきましての国庫負担の問題こういう点でなかろうかと、われわれ考えるわけであります。それで、まず長期給付につきましては、先生御承知のように、公経済の主体としての地方公共団体が自分の十五というものは負担をしておるわけでございます。それから短期給付制度につきましても国庫負担を導入すべきじゃないかというような御議論はいろいろあるわけでございますが、これにつきましては、私どもやはり地方公務員の共済制度が社会保険の一環でございますので、たてまえといたしましては、使用者としての地方公共団体と組合員とがその費用というのは折半すべきじゃないか、かように考えておるわけでございます。ただ、この点につきましては、同じく先生御承知のように、昭和四十年の秋でございますか、社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会の答申におきましても、国庫負担の定率化という問題につきまして触れているというような点もございますので、今後私どもそういったような点につきましては研究をしなければいけない、かように考えております。
#15
○原田立君 この地方公務員共済のほうの赤字額、これは幾らぐらいなんですか。
#16
○説明員(志村静男君) 具体的には長期経理の場合と短期経理の場合とでは違ってくるわけでございますが、長期経理の場合におきましては、いわゆる責任準備金に相当するものが、昭和四十一年度末におきましては、推計でございますが、約四千四百億円、こういうことになっておるわけでございます。それから次に短期経理でございますが、これは四十一年度末におきまして、全体といたしましては大体収支とんとんである、かように考えておるわけでございます。ただ、もちろん昭和四十一年度だけの単年度収支というものをとってまいりますというと三十五億円の黒字、こういうようなかっこうになっているわけでございます。
#17
○原田立君 あなた方のほうからいただいたこの資料によると、昭和四十年度、三角じるしがついて、四十七億五千五百八十八万円ですか、これは別に単位が書いてないですけれども、千円ですか万円ですか。
#18
○説明員(志村静男君) これは千円でございます。
#19
○原田立君 千円ですね、そうすると四十七億五千五百八十八万円、これが短期給付の関係の赤字だ、こういうことですか。
#20
○説明員(志村静男君) これは四十年度単年度におきますところの収支でございます。ところが御承知のように実質的な収支計算ということになりますと、それ以外に過去の純粋の剰余金でございますとか、あるいは不足金補てん積み立て金でございますとか、あるいは支払い準備金等がございますので、それらをすべて合計いたしまして、具体的に幾らになるかということを計算しなければならないわけでございます。これはあくまでいま先生が御指摘になりましたのは、昭和四十年度単年度における収支差、それが結局こういうような赤字になっておるということでございます。実質的な資産勘定、負債勘定ということになりますと、いま申し上げましたようないろいろな要素を入れまして結果的に出てくる数字になるわけでございます。そういったような意味合いで申し上げますと、昭和四十一年度末におきましては大体実質的には収支とんとんになる、かように私ども考えておるわけでございます。
#21
○原田立君 詳しくわからないんですが、昭和四十年度単年度で四十七億からの赤字が出た、だけれども四十一年度においてはとんとんである、こういうことは、いままでたいへんプラスしておったのが赤字でだんだん埋まってきているのか、あるいは多少掛け金のほうを上げたので、いままでの赤字であったのがちょうどとんとんでよくなったのか、その点はどうなんですか。
#22
○説明員(志村静男君) いまお尋ねでございますが、四十年度におきましては、確かに単年度収支におきまして四十七億からの赤字になっているわけでございます。それに対しまして、昭和四十一年度、単年度におきましては三十五億というような黒字が出ているわけでございます。さらにそれ以外には、先生から御指摘がございましたように、いわゆる過去の蓄積というものもございます。したがいまして、それらを合わせますと、四十一年度末の実質収支というのはとんとん、こういうことでございます。それからまた、その過程におきましては、確かに掛け金等にいたしましても、これを上げまして、そうして収入のほうはふやしている、こういった面ももちろんあるような次第でございます。
#23
○原田立君 そうすると、二つの要素が含まれるというような意味に解していいだろうと思うんですけれども、私ふしぎに思うのは、四十年度でこれだけの赤字が出た、当然四十一年度も赤字がもっと出るのじゃないだろうか、また今後の見通しを見ても、四十一年度はうまいぐあいにとんとんであったからいいかもしれませんけれども、だんだんその赤字がふえていくんじゃないか、こう考えるんですけれども、その点の見通しはどうなんですか。
#24
○説明員(志村静男君) 今後の見通しがどうなるかという点になりますと、正確にはなかなか困難な点があるわけでございます。たとえば四十一年度の場合でございますと、四十年度に比べましてだいぶ改善をされているわけでございますが、その原因と申しますか、理由というようなものを調てみますと、支出のほうにつきましては、例年でございますと、大体対前年度比二〇%以上のものが伸びている。それに対しまして四十一年度の場合は一四%程度の伸びにとどまっているわけでございます。それからまた一方におきましては給与改定等もございますので、当然掛け金も上がってくる、さらには個々の組合におきますところの経営努力と申しますか、あるいは組合員自体の自覚というような問題もございまして、だいぶ四十一年度におきましては好転してきたわけでございます。
 したがいまして、今後それではどうなるかということでございますが、現状を条件にいたしまして変わりがなければ、私どもやはりこういったような状態が大体続くのではないか、これは多少楽観に過ぎるかもしれませんが、さように考えておるわけでございます。ただ今後あるいは医療費の改定等の問題がございますれば、当然これにつきましては相当短期経理の収支というものにつきまして、私ども何とかしなければいかんということをかねて考えていなければならぬような事態になるかもしれない、かように思っておるわけでございます。
#25
○原田立君 私、しろうとですからよくわからないからお聞きするのですけれども、四十一年度は非常に内容がよくなった、こういうふうに理解していいのじゃないかと思う。というのは、実は四十年度は四十七億からの欠損金が単年度にある。四十一年度は三十五億からのプラス、黒字になっている。差し引きといいますか、出入りを見ると約八十億ぐらいの差が出ているわけですね。いま多少、なぜこうなったかという理由を簡単なお話だったのですけれども、よくわからないのですが、どうしてこんなに八十億からの差が出るような中身がよくなったのですか、赤字が出ないで。
#26
○説明員(志村静男君) 結局、問題は収入と支出でございますので、一言で申し上げますならば、支出のほうでは、支出のほうでございますが、例年に比べてだいぶ伸びが減ったということ、逆に収入のほうにおきましては、これは給与改定のはね返り等もありまして、だいぶふえた。したがいまして二重に黒字が出てきた、こういうように考えていただけば一番わかりやすいのではないか、かように考えておるわけでございます。
#27
○原田立君 そんなふうにごく簡単に考えていいものであるならば、地方公務員共済等において、附帯決議をつけて、やれ何だ、やれかんだなんというてやらんでもいいような感じがするのですが、ちょっとあまり簡単にならないのじゃないかと思うのですが。
#28
○説明員(志村静男君) いま私が申し上げましたのは、御説明が非常に不十分であったかと思いますが、要するに昭和四十一年度の単年度収支としてはだいぶ黒字になったという原因を一言に御説明したわけでございまして、実体的にそれじゃそう簡単なものかというのでございますれば、もちろんそんなに簡単なものではございません。これはいろいろ複雑な要素がからみ合っていろいろな結論が出てくるわけでございます。ただ私ども申し上げたいのは、四十年度まではやはり医療費の伸びというのが、薬剤費の増等を中心にいたしまして、対前年度比二〇%をこえるというのが毎年毎年出てくるわけでございます。ですから、毎年毎年かりに給与改定がございましても、それに伴うところの掛け金の増というのはとても追っつかない。したがって、その差がどうしても赤字というかっこうになって出てくるわけでございます。それに対しまして、昭和四十一年度におきましては、やはりこれは個々の共済組合におきますところの経営努力あるいは組合員の方の自覚、あるいは地方公共団体におきますところの健康管理というような点からいたしまして、だいぶ医療費の伸びというものが、前年度に比べて、数字といたしましては落ちてきたわけでございます。一方、赤字問題が非常にうるさいわけでございますので、個々の共済組合は単年度ペイをするというたてまえから、掛け金の引き上げということも実行に移しておると、さらには給与改定等もございますので、当然掛け金の額も上がってくるというようなことで収入もふえてくる。その結果、だいぶ黒字が出てきて、短期経理としては好転をしてきたと、こういうことなんでございます。
#29
○原田立君 どうもよく納得がいかないんです。同じ対象人員、同じワクの中で、そして前年度は四十七億からの欠損であった。このワクが拡大されたわけでもないのに、同じワクの中でありながら、四十一年度は三十五億プラスなんですね。これは非常な激変じゃないですか、そうじゃないですか。
#30
○説明員(志村静男君) もちろんこの問題につきましては、先ほどから申し上げておりますのは、いわば収入と支出の差の問題でございますので、そういったような観点からわかりやすく御説明申し上げたわけでございますが、具体的な原因ということになりますれば、それ以外のいろんな事情があるわけでございます。たとえば薬価基準でございますが、これは四十一年度におきましては下がっておりますので、そういったような面からの支出の伸びの鈍化というようなことも、当然理由の中には入ってくるわけでございます。それからそれ以外に、先ほどから申し上げておりますように、給与改定もございます。それに伴って掛け金額というものもふえておるわけでございます。あるいは短期経理のたてまえが単年度ペイでございますので、そういったような面から掛け金率、財源率を引き上げる、こういうこともあるわけでございます。
 またさらに、それ以外には、個々の共済組合の経営努力あるいは組合員の自覚、そういったようなものが全体といたしまして作用をいたしまして、四十一年度は四十年度に比べまして、見違えるような経理状態を示してきた、こういうことなんでございます。
#31
○原田立君 今後のことということを先ほどお伺いしたらば、なかなかむずかしくてよう言えないというような意味の御答弁がありましたけれども、そうすると、じゃあ今後は現在のような情勢であれば、こういうような赤字は出なくて、完全に経営ができるんだと、こう考えておられるようでありますけれども、ぼくは決してそうじゃないだろうと思うんですよ。またいろいろと情勢の変化等あって、赤字が出てくるんじゃないかと、たいへん心配するわけです。
 それで問題は、国庫負担がもっと入ってしかるべきものじゃないんだろうか。先ほど参事官は、国庫の補助も多少入れてあるというような意味の話があったけれども、地方交付税関係で計算の見合いを入れてあるというような意味だろうと思うんです。そうなるとまた交付団体、不交付団体というのが分かれてくる。そこにも議論の問題があると思うけれども、それは先にして、国庫の負担ということが、補助金とか負担金とか、そういうふうなことで入ってしかるべきじゃないだろうか。というのは、一条の二項でございます。国は必要な配慮を加えると、そういうように法律にも出ております。それと関連して国庫の負担というものが入ってしかるべきではないか、こう考えるんですけれども、この点どうですか。
#32
○説明員(志村静男君) 同じことを繰り返すようなことになって非常に恐縮なのでございますが、短期給付の場合と長期給付の場合と違うのじゃないか。やはりたてまえといたしましては、これは使用者と組合員とが折半で負担をするというのが私ども正しいというふうに考えておるわけでございます。こういったたてまえは、国家公務員共済組合の短期給付制度も同じでございます。ただ、これは先ほど申し上げましたように医療費の抜本対策との関連におきまして、将来は国庫負担の定率化ということについても考えるべきではないか、検討すべきではないかというようなことが、昭和四十年の九月あるいは十月に出されました社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会の答申におきましても述べられておりますので、私どもこういったような点につきまして、将来はやはり検討しなければいかぬとは思っております。ただ、たてまえといたしましては、何と申しましても、使用者と組合員とが折半をするというたてまえが正しいというふうに考えております。
 さらに、何と申しましても、地方公務員の共済制度と国家公務員の共済制度との均衡というものを抜きにいたしまして考えるわけにいきませんので、この際、地方公務員の短期給付制度だけが国庫負担の導入をはかるということも非常に困難な事態にあると、かように考えているわけでございます。
#33
○原田立君 昭和三十七年九月にこの法律が施行されたわけでございますが、それまでに至る国会の審議の上でも種々論議もされ、附帯決議が付されたわけでありますが、現在までに改善されたのはどの点か、あるいは当初から問題になっていながら改善されていないものはどういう点なんですか。
#34
○説明員(志村静男君) 新しい共済制度につきましては、昭和三十七年十二月一日から施行されたわけでございまして、その当時から問題になりまして、現在におきましてもまだ解決をされていないもの、あるいは解決をされているというようなものがあるわけでございます。やはり問題として依然として残っておるというような問題につきましては、先ほどから先生がおっしゃっておりますところの国庫負担の問題でございますが、これが非常に大きな問題であろうかと思っております。もちろんそれ以外にも、問題としてはいろいろあろうかと思っております。また、問題になって、これは解決を見ておるというようなものもございます。たとえば地方議会議員の退職年金関係などにつきましては、退職一時金制度を認めるというようなことも解決を見ておる一つの問題になっておるわけでございます。
#35
○原田立君 この年金のスライド制あるいはまた、いま話のあった地方議員のこと、あるいは通算期間の問題これらは解決された問題であります。いまの国庫負担問題これは未解決、こういうように私も理解しておるわけですが、将来もこの問題を検討しなければならないだろうというお話ですけれども、あなたにお伺いしてどうかと思うのですけれども、将来というのはいつごろなんですか。ほんとうは大臣にお聞きすればいいのですけれども、あなたも来ておるし、政務次官もお見えですから、この点どんなふうに内部で御検討になっておられるのですか。
#36
○説明員(志村静男君) 短期給付につきましての国庫負担の導入ということになりますと、医療費の抜本対策との関連、これはやはり私ども二番問題になるのではないかと思っておるわけでございます。また、先ほどから申し上げておりますように、社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会の答申も、抜本対策との関連におきまして、国庫負担の定率化というような問題について検討されるべきではないかというようなことを指摘しておりますので、私どもといたしましても、共済の短期給付への国庫導入の問題が起こるとすれば、やはりその医療費の抜本対策との関連においてこれが研究されるようになってくるのではないか、かように思っているわけでございます。
#37
○原田立君 いま、今国会で審議中の健康保険法の改正について、医療費の一部負担増の問題が自動的に地方共済にも作用すると、こう私は思うのですけれども、通った場合、地方共済にも作用すると、こう思うのですが、その点どうですか。
#38
○説明員(志村静男君) 御指摘のとおりでございます。
#39
○原田立君 市町村職員共済の短期給付の赤字の問題は、昨年の地共済組合の一部改正の審議の際にも問題になりましたけれども、一部の組合においては、非常に高い掛け金にある現在、今回の健保の改正で、この上に患者の一部負担がかかれば、事実上の掛け金アップと同じになる、こう思われますが、この点はどうですか。
#40
○説明員(志村静男君) 確かに、その健康保険法の臨時特例というものが成立をいたしまして、これが実施をされるということになりますと、入院時あるいは初診時の一部負担というものがふえる、あるいは薬剤につきましての一部負担というものが新設されますので、その限度におきましては負担がふえるということは御指摘のとおりであろうかと思います。ただ、私どもといたしましては、その結果、短期経理の財政状況というものが好転をいたしてまいりまするならば、やはりその分につきましては、掛け金を引き下げるとか、あるいは付加給付の充実をはかるとか、そういう面でもって措置をしていくのが妥当ではないか、かように考えておる次第でございます。
#41
○占部秀男君 関連して。いまの志村参事官の御答弁ですけれども、地共済法の掛け金の負担のところに法としては明示してあるわけですね。それは健康保険のあれがそのままこちらのほうに影響するという点が……。それで、あなたは、掛け金を下げると言うけれども、いまの事態で掛け金の下がるような見込みは私はないと思うのですよ。もし、いまの一部負担の増加によって財政状態がよくなるのならば掛け金を下げますと、はっきり、それ言えますか。
#42
○説明員(志村静男君) それは、お尋ねの点でございますが、これは個々の共済組合によりまして、具体的にどの程度の影響があるか、その結果、短期経理の財政状況がどうなるか、これは違ってくるわけでございます。で、私の申し上げましたのは、確かに健康保険の臨時特例法がかりに成立したとした場合、これが実施に移される、その結果、個々の共済組合によりまして、短期経理に対する影響は違うと思いますが、その結果ある程度財政状況がよくなったということでありますならば、これはやはり現在の短期経理の財源率につきましては、単年度経理というたてまえでございますので、そのたてまえからいたしまして、財源率というものは下げてもいい、下げてもやっていけるという組合も出ることは考えられるわけでございます。あるいはまた、自分のところは下げようと思うならば下げられるけれども、それよりは付加給付の充実をはかっていきたい、こういう組合もあろうかと思います。ですから、やはりこれは、個々の共済組合によりまして、短期経理の財政状況に対するところの、及ぼすところの影響というものが違ってまいります。あるいはその結果どうするか、どのような措置をとることをその共済組合としては希望するかということも違ってまいると思いますので、具体的には個々の共済組合で御判断をいただく。ただ基本的な考え方としては、先ほど申し上げましたように、その結果、余裕ができるということであれば、財源率というものは下げてもいいんじゃないか、あるいはまた付加給付の充実というものに回してもいいんじゃないか、こういうことを申し上げたわけでございます。
#43
○占部秀男君 あまり、関連だからこれ一つだけですがね。いま言われたような考え方は、ある程度考え方としては通ると思うのです。しかし、各個々の共済の場合の実態上からすると、なかなかそうはいかぬと思うのです。というのは、かりに追加給付をふやそうとした場合にも、追加給付に対する公共団体の側の負担の問題があって、そう簡単にはふやせないのですよ。また無理してやっておる追加給付のものもあるのですから、つまり組合員と公共団体との間の話し合いで、公共団体のほうとしては、やむを得ずやっておるというような場合もあるのですから、なかなかそうはいかない。しかも今度の健保の特例の改正によって、組合員側は一律に経費がふえていくわけですね。ところが影響されるいま言った団体、組合員側は一律にふえていきますけれども、公共団体としては、各組合、単位組合としては、財政状況では個々ばらばらな実情になっておる、こういうようなあり方自体がやはり私は問題じゃないかと思うのですよ。むしろ今度の健保の特例のはね返りというものを遮断する方向に持っていくのが、これは当然じゃないか。それをまた一律的な形の、影響に対する自治省側のいわゆる防衛的な措置として、組合員に負担をかけないという、防衛的な措置として、まずそのほうをとるべきじゃないか、かように私は思うのですが、その点いかがですか。
#44
○説明員(志村静男君) 確かに個々の共済組合によりましては事情が違いますので、これはなかなか一がいには申し上げることはむずかしいのでございます。むしろ私が先ほどから申し上げておりますのは、ある意味におきましては、現在におきましても、短期経理の状態が悪くないところ、そういったところを確かに念頭に置いて申し上げているわけでございます。そういったようなところにおきましては財源率を下げる、あるいは財源率をそのままにしておいて、実質的な給付をふやしていこうということです。それでは、現在すでに短期経理の財政状況が悪い、また掛け金も相当いっているというようなところは一体どうなるのだ、こういうことになるのですが、その点につきましては、これはどうもおことばを返すようでございますけれども、やはり、私ども、それはそれなりに赤字が減ってくる、あるいは少しでも、消極的な意味かもしれませんが、財政状況がよくなってくるという点がございますので、そういった意味におきましてひとつ御理解をいただきたい、かように考えております。
#45
○原田立君 先ほどもちょっと問題にしたのですが、地方公共団体が負担している長期給付の一五%について、この性格は一体どういうことなんですか。
#46
○説明員(志村静男君) 公経済を主体としての地方公共団体の負担金である、かように私ども考えております。
#47
○原田立君 ただ単なる財源措置として、交付税に織り込んであるのか、あるいはまたもしそうなれば、先ほども指摘したように、不交付団体の場合は一体どうなってくるのですか、その点はどうですか。
#48
○説明員(志村静男君) 実は財源措置といたしましては、基準財政需要額で見ておるわけでございます。で、その基準財政需要額には同じように見ておりまして、結果的に不交付になるというわけでございますので、その点私ども取り扱いとしては、片手落ちではない、かように考えておるわけでございます。
#49
○原田立君 増加退隠料の受給権者の放棄の選択期間が退職時まで延期されるわけでありますけれども、すでに放棄してしまった人とのバランスの問題はどうなるのですか。
#50
○説明員(志村静男君) 確かに結果だけをつかまえてみますと、新法施行に伴い放棄をした者と、制度改正によりまして、退職の時点でもって選択ができる人との間においては、不均衡がある、考え方によっては私ども御指摘のようなことはあろうかと存ずるわけであります。ただ実際問題といたしましては、地方公務員の関係におきましては、増加退隠料等を受ける権利を放棄した者は三名程度というように私ども承知をしておるわけでございます。それからまた、今回の制度改正におきましては、先生御指摘のように、やはりこの増加退隠料を受ける権利につきましては、現行制度におきましては、いわゆる別建てというものをたてまえにしておる。したがって、増加退隠料等を受ける権利の基礎になっておった期間というのは、原則として組合員期間に算入されないわけであります。ただ本人が希望いたします場合におきましは、増加退隠料を受ける権利を消滅させるかわりに、その基礎になっておった期間は組合員期間に入れて、組合員期間の長短に応じて退職年金を支給しよう、こういう制度になっておるわけであります。しかしその場合におきましても、支給されます退職年金というのは通常の退職年金でございまして、増加退隠料等の支給事由になりました廃疾状態というのは何ら加味することなく、給付が行なわれておるわけであります。これはやはり実情に合わないのじゃないかということから、今回制度改正をいたしまして、増加退隠料等を受ける権利の事由になりました不具廃疾というものは、新法施行前のものでございますが、新法施行後の公務傷病による廃疾の場合と同様に、公務廃疾年金を支給しようということでございますので、その点につきましては、私どもやむを得ざる処置であるし、また、実際問題といたしましても三人程度で、ほとんどの方というものは、現に増加退隠料等の支給を受けておるわけでございますので、実際問題といたしましては、そのようなアンバランスという事態は起こらぬじゃないか、かように考えておるわけであります。
#51
○原田立君 増加退隠料の性格なんですけれども、公務の傷病に対する責任賠償的なものだと、このように理解していいんでしょうか。
#52
○説明員(志村静男君) 本質はそのようなものであろうかと私ども考えております。
#53
○原田立君 放棄しない人の旧法部分の期間が新法期間に追加されないという点は、非常に不合理ではないかと思います、こう考えるのですが、その点はどうですか。
#54
○説明員(志村静男君) やはり一定の期間が二重に評価されると申しますか、二重に給付の基礎になるということは、私ども不合理というふうに考えましたので、放棄をしない場合におきましては、その基礎となった期間というのは新しい組合員期間には算入しない、逆に放棄をいたしますれば、当然その基礎になったところの期間というのは新しい組合員期間に算入する。そうして同一期間に対しまして重複した給付が行なわれることを避けよう、こういう趣旨のものでございます。
#55
○原田立君 地方公務員共済、各種の共済がもちろんあるわけですが、農林共済あるいは私学共済あるいは厚生年金等々は国庫負担は、長期のみでありますが国庫負担は入っている。そうするとその関係と、地方公務員共済との関連は一体どうなってくるのですか。
#56
○説明員(志村静男君) 御指摘の点は、地方公務員共済組合の長期給付の場合におきましては、公的負担の割合は一五%である。それに対しまして私学共済、農林共済の場合は一六%になっている、違うんじゃないか、こういった御指摘ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。これにつきましては、私どもやはり私学共済、農林共済と地方公務員の長期給付とでは、給付水準あるいは給付内容に相違があるというように考えておるわけであります。
 つまり具体的に申し上げますと、大体地方公務員の長期給付制度と、私学共済、農林共済との給付水準というのは同じでございますが、なお違っておった点があるわけであります。それはどういうような点かと申しますと、給付算定の基礎になりますところの標準給与額の最高限、あるいは給付算定の基礎になりますところの標準給与額の算定期間というもの、こういったような点において違いがあったわけでございますが、それを先般の法律改正によって直しまして、地方公務員あるいは国家公務員の長期給付並みに直したわけであります。その結果、当然私学共済、農林共済の場合におきましては、長期給付に要するところの費用がふえてまいりますので、組員合負担を軽減するという意味合いにおきまして、従来一五%の国庫負担であったものを、一%ふやしまして一六%、こういうことにしたわけでございます。しかしながら、地方公務員の長期給付につきましては、すでにそのような給付水準に達しておりましたので、別にこれについて措置をする必要はないということで、一六%をそのまま据え置いた、このような事情にあるわけでありまして、実質的に給付水準というものをながめました場合におきまして、私ども均衡がとれておるのではないか、かように思っておるわけでございます。
#57
○原田立君 私、率直に思うのですが、地方公務員共済、たしか去年も内容の一部改正やったと思うのですけれども、ことしもこうやってある、毎年毎年ちびちび多少あるのですね。それで、それは少しでも内容よくしていこうという意味の改正だろうと思うのですが、今回の改正によって、はたしてもうこれは非常によくなって、もうほかに手を打たなくてもだいじょうぶだというようにお考えなんですか、それともまだ足りないところがたくさんあるのだが、とりあえず今回これだけやるのだというお考えなのですか、どうですか。
#58
○説明員(志村静男君) なかなかむずかしい御質問でございますが、この地方公務員共済組合法の改正につきましては、いろいろ御審議を願うわけでございますが、そのような際におきましては、たとえば附帯決議というものもついているのでございます。そういたしますと、私どもといたしましては、当然附帯決議というものにつきましては尊重いたしまして、その結果、私どもとしまして措置できるものは、また国会のほうに御提案申し上げてお願いをするということ、こういうようなことも当然あるわけであります。さらにまた、基本的におきましては、地方公務員の共済制度は、国家公務員の共済制度とは均衡を考えてもらわなければなりませんので、決して地方公務員の共済制度が国家公務員の共済制度に追随するというものではございませんが、やはり歩調をそろえまして直さなければならぬ、こういうようなこともあるわけでございます。さらにはまた、現在共済組合の組合員になっております方の大部分は、新法施行前の期間というものを持っておるわけでございます。そのような関係からいたしますと、恩給制度というものが改正になりますと、やはりこれとの均衡も考えなければならぬ。そうなれば当然地方公務員等共済組合法等の関係も改正しなければならぬ、こういうような点もありますので、それらの点とあわせまして、今後とも私どもしかるべき点につきましてはお願いしていかなければならぬのではないか、かように考えております。
#59
○原田立君 そのしかるべき点というのが問題だろうと思うのですね。今回の提案されている法律は、恩給法の一部改正というところでの技術的な手直しというように、一番最初お答えがあったわけですけれども、地方公務員等共済組合法それ自体に、いま参事官が言われたような、しかるべき点というようなものはあるのですか。またその附帯決議がついて、それを尊重してやるのだというような御答弁だったのですけれども、それはちょっと考え方によっては、附帯決議をつけてやかましく言わなければ法改正しないとでも、われわれ見ればそんな意味にもとれる、そんな悪意にとるのは別にして、もっと法自身にあるいはその運用自身に何か欠陥があるんではないか。それはやっぱりすっきりと出して、そしてこういうふうに改革を加えていくんだという、もう少し前向きの姿勢でお答え願いたいと思うのです。
#60
○説明員(志村静男君) 確かに問題点としてはいろいろたくさんあるわけでございます。現に、まあ先ほどから先生から御指摘もございますような、国庫負担の引き上げであるとか、あるいは導入というような問題、あるいはまたスライド制の実施というような問題いろいろ根本的な問題があるわけでございます。まあ、もちろん技術的な問題もいろいろそれなりにあるわけでございます。これらの点につきましては、私どもといたしましても、今後鋭意検討いたしまして、成案が得られますれば、これはまあ国会に御提案申し上げて御審議をわずらわすと、こういうことになるわけでございまして、そういったものをすべてまとめまして、しかも一気に結論を得るというようなこともなかなかむずかしいわけでございます。これはまた他の制度との関連というものもございます。ですから、私どもといたしましては、やはりそれらの問題につきましては十分横との連絡をとりながら、鋭意検討を進め、また成案が得られましたら御審議をわずらわすと、こういうことをいまの段階では申し上げる以外にないのではないか、かように思っておるわけでございます。
#61
○原田立君 これで終わりにしたいと思うのですが、一条二項の先ほど取り上げた問題ですが、「国及び地方公共団体は、」「健全な運営と発達が図られるように、必要な配慮を加える」という、国の必要な配慮ですね。くどいようですけれどももう一ぺん、地方交付税の基準財政需要額の繰り入れというようなことをさすのだと、先ほど参事官が言われたけれども、それ以外にもっと性格的にはあるのじゃないか、こう思うのですがね。
#62
○説明員(志村静男君) 先ほど私が申し上げましたのは、国としての便宜供与ということでございます。たとえば、先ほども例をあげましたが、地方公務員の共済組合の中には警察共済組合というようなものがあり、警察共済組合は都道府県の警察職員のみならず、警察庁の職員も含んでいるわけでございます。そういたしますと、そのような共済組合の事務に国家公務員たる職員というものが従事できる、こういったような便宜供与を与えておる、こういうことを申し上げたわけでございます。
#63
○委員長(仲原善一君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#64
○委員長(仲原善一君) 速記を起こしてください。
 他に御質疑はございませんか。――別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論を行ないます。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 昭和四十二年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#65
○委員長(仲原善一君) 多数であります。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、吉武委員より、各派共同提出による附帯決議案が提出されました。よって本附帯決議案を議題といたします。
 吉武君の説明を願います。
#66
○吉武恵市君 私は、本法律案に対し、各派共同による附帯決議案を提出するものであります。案文をまず朗読をいたします。
 地方公務員共済組合制度の運営は、特に近年の医療費等の増高により、その健全なる運営に支障をもたらしている現在、各種共済組合制度との均衡を考慮して、公的負担割合の引き上げ、年金のスライド制の具体的措置、遺族給付等、実情に即した措置をすみやかに講ずべき必要があると思われますので、政府は適切なる措置を講ずべく、鋭意検討することを求めるものであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#67
○委員長(仲原善一君) ただいまの吉武君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#68
○委員長(仲原善一君) 全会一致であります。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤枝自治大臣から発言を求められております。これを許します。藤枝自治大臣。
#69
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、十分その御趣旨を体しまして、善処いたしたいと存じます。
#70
○委員長(仲原善一君) 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
 午後二時まで休憩いたします。
   午前十一時四十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四十五分開会
#71
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を願います。衆議院議員倉成正君。
#72
○衆議院議員(倉成正君) 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表して、離島振興法の一部改正案の提案理由を御説明申し上げます。
 現行の離島振興法は、本土から隔絶した離島の後進性を取り除くことを目的として、昭和二十八年に制定され、その後、数回にわたり一部改正を行ない、今日に至っております。この間、公共事業を中心とした離島振興対策事業の進展に伴ない多年にわたる後進性の除去には、なおかなりの歳月を要するとはいえ、年々離島の面目を一新しつつあることはまことに喜ばしいことであります。
 しかしながら、ひるがえって離島における教育、文化、厚生等の社会面を見ますと、公共事業の整備に比べて立ちおくれが著しく、これが離島振興上の大きな障害となっております。最近、政府は社会開発の一環として、僻地における教育問題並びに厚生医療対策を重点事項として大きく取り上げ、その推進を図っていますが、離島こそは、その置かれている自然的、社会的条件により、後進地域の縮図ともいうべく、教育及び社会福祉面における国の強力な対策が、従来から強く要請されていたところであります。
 これにかんがみ、離島における塩害、風害等の特殊な気象条件により施設の損耗度が著しいこと、及び運賃コストの割り高等によって工事費の増大が地元の超過負担を招き、そのため離島市町村の貧弱な財政力をもってしては施設の完備が不可能である現状であり、この対策を早急に行なう必要があります。さらに、離島は水が乏しく、地形が急峻で、風も強く、さらに家屋が密集しているため、一たん火災が発生すると大火になりやすい条件にあり、離島の市町村財政をもってしては前述と同様、消防施設の整備が困難な状態であります。
 したがって、義務教育諸学校施設及び同災害復旧、教職員住宅及び集会室施設、保育所施設、並びに消防施設の国庫補助率を引き上げて、地域の特殊性に応じた諸対策をさらに一そう推進する必要があります。
 以上が提案の趣旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#73
○委員長(仲原善一君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論を行ないます。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 離島振興法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#74
○委員長(仲原善一君) 全会一致であります。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任願います。
 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#75
○委員長(仲原善一君) 速記を起こして。
 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明はすでに聴取しておりますので、これより補足説明をお願いします。新井警察庁長官。
#76
○政府委員(新井裕君) 道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明いたします。
 まず、第一条の改正規定から御説明いたします。
 第一は、横断歩行者の保護をはかるための車両等の通行方法の規定の整備についてであります。
 第三十八条第二項及び第三項の規定は、交通整理の行なわれていない横断歩道を通過する車両等について、横断歩道の直前で停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その横断歩道の直前で一時停止しなければならないこととし、また、横断歩道及びその手前の三十メートル以内の部分においては、前方を進行している車両等の側方を通過してその前方に出てはならないこととしようとするものであります。
 現行規定におきましても、車両等は、横断歩道を歩行者が通行し、または通行しようとしているときは、一時停止してその通行を妨げないようにしなければならないこととなっており、また、横断歩道の手前の三十メートル以内の部分は、追い越し禁止場所となっているのでありますが、歩行者の通行を妨げないようにするため、横断歩道の直前で一時停止している車両等の側方を通過してその前方に出たため、あるいは、いわゆる追い抜き等、追い越し禁止に触れない形態で進行中の前車の側方を通過してその前方に出たため、前車の陰になっていた歩行者の発見がおくれ、横断歩道上で交通事故を起こす車両が少なくないことにかんがみ、さらに横断歩道における歩行者の保護の徹底をはかろうとするものであります。
 なお、この改正と関連して、横断歩行者の保護に関する規定を第三章第六節の二にまとめて規定することとし、あわせて現行の第三十八条の規定と第七十一条第三号の規定の関係を整理することとしております。
 第二は、大型自動車による交通事故を防止するための所要の規定の整備についてであります。
 その一は、第六十三条の三の運行記録計による記録に関する規定についてでありますが、これは、道路運送車両法に基づく命令の規定により大型貨物自動車等に運行記録計の備えつけが義務づけられることとなったことに伴い、これらの自動車を、運行記録計が不備な状態で運転させ、または運転することを禁止して運行記録計による記録の励行をはかるとともに、これらの自動車の使用者に運行記録計による記録の保存を義務づけようとするものであります。
 その二は、第五十七条、第七十五条、第百十九条等の積載制限違反の防止に関する改正規定についてでありますが、これらは、積載重量または積載容量の制限に違反して自転車、荷車等を除く車両を運転した場合の罰則を、三万円以下の罰金から三月以下の懲役または三万円以下の罰金に引き上げるとともに、このような違反は、運転者のみに責任を負わせるのは適当でないと考えられる場合もあることから、安全運転管理者、その他車両の運行を直接管理する地位にある者がこのような積載制限違反の運転を下命し、または容認することを禁止しようとするものであります。
 その三は、第八十五条、第八十八条、第九十六条等の大型自動車の運転の資格要件を引き上げるための改正規定についてであります。
 第八十八条第一項第一号及び第九十六条の改正規定は、大型自動車免許の資格年齢を現行の十八歳から二十歳に引き上げ、及びその運転免許試験は、普通自動車免許、大型特殊自動車免許または軽自動車免許を現に受けており、かつ、これらの運転免許によって運転することができる自動車の運転の経験の期間が二年以上の者でなければ受けることができないこととしようとするものであります。なお、厳重な規律と監督のもとに大型自動車を運転する者については、資格年齢の特例を、一定の技量に達していると認められる者については、運転の経験の期間の特例を認めることとし、この特例を受ける者の範囲をそれぞれ政令で定めることとしております。第八十五条第六項の規定は、資格年令の特例を認めたことに関連した改正であります。
 第八十五条第五項の改正規定は、同項の政令で定める大型自動車の運転の資格要件である運転の経験の期間を二年から三年に引き上げようとするものであります。
 第三は、運転免許の行政処分の制度の合理化をはかるための改正についてであります。
 その一は、第百三条の二等の運転免許の効力の仮停止の制度に関する規定についてであります。
 第百三条の二第一項の規定は、運転免許を受けた者が、負傷者の救護等の義務に違反したとき、酒酔い運転をして死傷事故を起こしたとき、または居眠り運転等危険性の高い違反行為をして死亡事故を起こしたときは、その交通事故が発生した場所を管轄する警察署長が、その者の運転免許の効力を、その交通事故があった日から起算して二十日を経過する日まで仮停止することができることとしようとするものであります。
 第二項から第八項までにおいては、仮停止をした後の弁明の機会の供与、仮停止を受けた者の運転免許証の提出義務、仮停止を受けた者が都道府県公安委員会によって運転免許の効力の停止を受けた場合の処分期間の通算等、この制度について必要な事項を規定することとしております。なお、運転免許が取り消された場合の運転免許の欠格期間への通算については、第八十八条第一項第六号の改正によることとしております。第百七条の五第九項の規定は、国際運転免許証を所持する者に対する準用規定であります。
 その二は、第百十四条の二の規定についてでありますが、これは、運転免許の取り消し、停止等の事務が激増している現状に対処して、これらの処分の迅速化をはかるため、運転免許の保留及び効力の停止に関する事務を都道府県公安委員会が警視総監または道府県警察本部長に行なわせることができることとしようとするものであります。
 その三は、第百二条、第百四条等の改正規定についてでありますが、これは、精神病者等の身体的免許欠格者であることの認定は、医師の診断に基づいて行なうべきものであることにかんがみ、臨時適正検査の方法を総理府令で定めることとするとともに、処分の迅速化をはかるため、指定の医師の診断に基づいて身体的免許欠格者であると認定した者については、聴聞を行なわないで運転免許を取り消すことができることとしようとするものであります。
 第四は、その他所要の規定を整備することについてであります。
 その一は、第七十五条の四の改正規定についてでありますが、これは、片側三車線の構造を有する東名高速自動車国道が新たに建設されることに伴い、高速自動車国道の左側部分の高速通行路に三の車両通行帯を設けることができることとしようとするものであります。
 その二は、第五十三条及び第百二十条の合図違反の過失犯の処罰規定を設けるための改正でありますが、最近における高速交通の発達によって重要度の高くなっている合図の励行をはかろうとするものであります。
 その三は、第七十一条、第百二十二条等の改正規定についてでありますが、これは、現行の第七十一条第二号から第四号までの横断歩道における歩行者の保護等に関する規定の違反について酒気帯び加重の規定を適用できることとしようとするものであります。
 次に第二条の改正規定について御説明いたします。この改正規定は、交通反則通告制度を新設するためのものであります。
 第一は、第百二十五条の通則規定についてであります。
 第一項は、この制度の対象となる反則行為について定めようとするものであります。反則行為は、自転車、荷車等を除く車両等の運転者がした違反行為で別表の上欄に掲げるものとしておりますが、別表の上欄に掲げられている違反行為は、比較的軽微なものであって、現認、明白でおおむね定型的な交通方法に関する違反行為であります。なお、反則行為の種別は、政令で定めることとしております。
 第二項は、この制度の適用を受ける反則者について定めようとするものであります。同項各号に掲げる者は、反則行為をした者であっても、反則者としないこととしております。
 第三項は、反則金の意義及び反則金の額について定めようとするものであります。反則金は反則者がこの制度の適用を受けようとする場合に国に納付すべき金銭でありまして、反則金の額は、別表に定める限度額の範囲内で、反則行為の種別ごとに政令で定めることとしております。
 第二は、第百二十六条の告知に関する規定についてであります。
 警察官は、反則者があるときは、反則行為となるべき事実の要旨及び反則行為の種別を、また、原則として出頭の期日及び場所を書面で告知するものとし、告知をしたときは、その旨を原則として反則行為が行なわれた地を管轄する警視総監または道府県警察本部長に報告しなければならないこととしております。なお、居所または氏名が明らかでない者及び逃亡するおそれがある者については、この制度を適用することができないので、告知をしないこととしております。
 また、少年につきましても、告知をしないこととしております。
 第三は、第百二十七条の通告に関する規定についてであります。
 告知の報告を受けた警視総監または道府県警察本部長は、告知を受けた者が告知されたとおりの反則者であるときは、理由を明示して反則金の納付を書面で通告することとしております。この通告は、反則者が告知された出頭の期日及び場所に出頭しないときは、通告書を送付して行なうこととなりますが、この場合には、通告書の送付に要する費用もあわせて通告することとしております。
 また、告知を受けた者が告知されたとおりの反則者でないときは、その旨を通知することとし、この場合に、告知が反則行為の種別を誤っているときは、正しい種別の反則行為について通告することとしております。
 第四は、第百二十八条の反則金の納付及びその効果に関する規定についてであります。
 反則金の納付は、任意でありますが、その納付は、通告を受けた日の翌日から起算して十日以内に、政令で定めるところにより、国に対してしなければならないこととしております。通告書の送付に要する費用の納付についても同様としております。そして、この手続に従って反則金等を納付した者は、その通告の理由となった行為について公訴を提起されない、すなわち刑事訴追をされないこととしております。
 第五は、第百二十九条の仮納付に関する規定についてであります。
 告知を受けた者は、告知を受けた日の翌日から起算して七日以内に、反則金に相当する金額を仮納付することができることとし、仮納付をした後に、通告を受けたときは、通告に従って反則金を納付した場合と同様の効果を受けることとしております。なお、仮納付をした者に対する通告は、通告書によらずに、公示の方法で行なうことができることとしております。
 また、誤った告知に基づいて仮納付をした者に対しては、仮納付された金額をすみやかに返還しなければならないこととしております。
 第六は、第百三十条の反則者にかかる刑事事件に関する規定についてでありますが、この規定は、この制度の適用を受けることができる者が、直ちに刑罰を科されることがないようにするため、反則者の刑事事件に関する訴訟条件について規定しようとするものであります。
 第七は、第百三十一条及び第百三十二条の規定についてでありますが、これらの規定は、道警察本部長の方面本部長に対する権限の委任及びこの制度の実施に関し必要な事項の政令への委任について規定しようとするものであります。
 次に、第三条の改正規定について御説明いたします。
 この改正規定は、第一条の改正規定中第九十六条第二項において軽自動車免許について規定し、第二条の改正規定中別表において軽自動車について規定することとしておりますが、運転免許の種類としての軽自動車免許及び自動車の種類としての軽自動車が、昭和四十年の道路交通法の一部改正によりまして、昭和四十三年九月一日から廃止されることになっておりますため、これらの規定をさらに改正しようとするものであります。
 最後に、附則の規定について御説明いたします。
 第一項の規定は、この法律の施行期日について規定しようとするものであります。
 第二項から第六項まで及び第十二項の規定は、大型自動車の運転の資格要件を引き上げるための改正、運転免許の効力の仮停止の制度の新設、交通反則通告制度の新設等に伴い、必要な経過措置を設けようとするものであります。
 第七項から第十一項まで及び第十四項の規定は、交通安全対策特別交付金の交付及びその中途、その毎年度分の総額、本来の用途に充てたかった場合の返還命令等について規定しようとするものであります。
 第十三項の規定は、自動車の保管場所の確保等に関する法律の違反行為のうち、道路交通法の違反行為と同一に取り扱われているものについて、交通反則通告制度を適用するため、同法を改正しようとするものであります。
 以上が、道路交通法の一部を改正する法律案のおもな内容であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
#77
○委員長(仲原善一君) それでは、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#78
○中村喜四郎君 いま警察庁長官から新しい道交法改正の要点の補足説明を聞きましたが、大体その要点とするところは、歩行者の優先の原則を打ち立っていこうと、さらに大型自動車による事故が多いので、これに対する事故防止の規定を整備、充実していこうと、その問題点となっている運行記録計による記録及び保存の義務、積載制限違反の罰則の強化、下命、容認の禁止、さらに第三点としては、免許の効力停止制度の新設をしよう、四番目には、運転免許行政処分の合理化の問題、それから反則金制度の新設の問題等、このように大体法改正の要点を私は考えるわけでございますけれども、現在の交通違反の累増する状況は、警察庁の統計を見ますと、検挙件数だけでも年間で五百三十万をオーバーしていると。その中で科刑を受けた者、この人が四百万、免許停止になったのが百三十万というような膨大な数字になっておる。車の台数も自動車、原動機付で千三百万台をオーバーするという状況、悲惨な交通事故の状況を見ましても、年間で五十三万人以上の負傷者ができるというこの事故の実態、事故の原因となるものが車両によってする場合に、法規を守らなかったこと、あるいは酔っぱらい運転をしたということ、スピード違反をしたと、こういうことが重なって五十三万件という痛ましい負傷者の実態を示している。また事故を受ける人、被害を受ける人たちの事故の実態を統計によって調べてみると、飛び出しとか車の問から飛び出した、こういうことによる負傷事故がきわめて多い現実、また外国との交通事故の統計比例等を見てみましても、自動車の台数に比例し、信号に比例し、そしてまた自動車一万台当たりの負傷者がどの程度かと、こういうことを外国と比べてみますと、日本が非常に多いということ、こういう現実から私は法改正をせざるを得ないことになったんであろうと、こういうことはよく認識できるわけでございますが、私は最初に、冒頭に申し上げましたように、法の改正の要点をずっと突き進めていきますと、問題点になる点が幾つかあるはずでございますので、私はそれらの問題について具体的にひとつお聞きしたいと思うのでございます。
 まず、第一には、この反則金制度の問題でございますが、この点につきましては、私は先進諸国のもろもろの例を考えましても、あるいは現実に日本のいまの罰金制度の中で、ごく軽微なものでも警察に呼び出され、ほとんど一日取り調べを受ける。さらに検察庁に行かなくちゃならない、裁判所に行かなくちゃならぬ、こういう実態の中で、この問題の反則金のあり方、軽微にすると、そして二度と再び起こさないような教育をするということ、こういう点から考えると、反則金制度そのものに対しては、私は基本的に賛成するわけでございます。
  〔委員長退席、理事吉武恵市君着席〕
 そこで、この制度が国民に理解されるためには、いまの説明を聞きますと、一年間の猶予期間を置くのだと、国民に周知させる方法はどういうふうにしてやっていくのか。また反則金を取り扱う場合、第一線の警察官にこれを委任されると、同じ状態ですから、警察官の教育についてはどういうふうにやっていくという考え方か、当局のひとつお答えをいただきたいと思います。
#79
○政府委員(新井裕君) 具体的な計画はまだ十分に立てておらないのでありますけれども、そういうただいまお尋ねがございましたように、全然新しい制度でございますので、来年の四月から施行するという一般の改正規定からはずしまして、これだけは七月から施行するということにいたしました。その間に一般の市民にも十分に周知徹底させる方法をとると同時に、ただいま問題点として御指摘に相なりましたように、これを実際に取り扱う警察官に対して十分に指導をいたしまして、取り扱いの要領をできるだけ具体的に明示いたしまして、間違いのないようにいたすつもりでございます。まだ具体的にこういうことをいたしますというところまでは至っておりませんが、これが可決された暁には、できるだけ早い機会にそういう周知徹底のための運動を起こしたいと思っております。
#80
○中村喜四郎君 さらに反則金の最高限度額は、それぞれ法律によってきめるといっているけれども、その運用等については政令でそれぞれの処置をするはずだと思うのでございますが、この政令できめる方法は、どういうふうにしますか。
#81
○政府委員(鈴木光一君) 法律で出ておりますのは、各種別の最高限度額を書いてございます。一番危険性の高い種別を取り出しましての最高額を規定をいたしておるわけであります。そうしてこの限度額の範囲内におきまして、さらに詳細な各種別ごとにわたりまして政令できめることになっておりますが、その政令できめる額は、一応従来の科刑の実績を参考にいたしましてきめていくわけであります。
#82
○中村喜四郎君 そうしますと、政令できめるというこのきめ方は、従来の科刑の経緯等を勘案してきめるというわけでございますが、いまの反則金の場合には、先ほど長官から説明がありましたように、定型的な現認できるものということにするわけですが、その場合に、私どもはたいへん皆さんからいただきました、法律できめられている最高限度額等についても幾多の疑問があるわけです。
 疑問の一例をあげてみますと、たとえば警音器を鳴らす問題あるいは左折右折の問題、免許証の不携帯の問題、これに対してただいま大型車では最高限度として五千円、普通車では四千円、原付で三千円というふうな反則金の限度額としての例が示されておるわけでございますけれども、かりに警音器を鳴らすという場合、警音器を鳴らす場所が危険な場所とか、あるいは坂ののぼり坂とかでそれぞれ規定されておりますが、それ以外のところで鳴らした場合、クラクションを鳴らした場合は、当然これは反則行為として現認されたものは反則金の対象になるわけですか、いかでございましょうか。
 そこでもう一つ、同じクラクションを鳴らし、警音器を鳴らすのに、大型が警音器を鳴らした場合には最高額五千円、普通車で四千円、原付三千円という、こういうふうな最高限度額を示しているのは、どういうことでそういう基準を出されているのか。免許証不携帯の場合でも同様の措置が要請されているか、いかがでございますか。
#83
○政府委員(鈴木光一君) 法律の別表の中に示されております限度額は、たとえば百二十条の反則行為の中にいろいろな反則行為の種別があるわけでございますが、駐停車違反とか通行区分帯違反とか合図違反とか、燈火違反とかいう、いろいろな規定がございますが、そのうちの最も危険性の高いものをとって限度額といたしたわけでございまして、その違反の種別によりまして、さらにこの限度額の範囲内において、危険性に応じて低くきめていくということになるわけでございます。したがって、御指摘のように警音器の吹鳴の問題につきましては、従来禁止されておるものにつきましては、これはおそらく大型、普通等の区別なしにきめられるようになろうかと思います。なお検討中でございますけれども、そういう大型の場合に非常に危険なもの、小型の場合には危険性が少ないという違反種別もございます。しかし大型、小型を通じましてこれは同じだという、危険性の同じだという違反の類型もあろうかと思います。そういう危険性を常に考えながらきめてまいりたいと思いますが、これは従来裁判の場合の科刑の実績を参考にいたしましてきめてまいりたいということでございます。
 具体的に、いまの吹鳴の違反のことにつきましての予定しております反則金の額につきましては、説明員から答弁させていただきます。
#84
○説明員(綾田文義君) ただいまの警音器の吹鳴につきましては、警音器を鳴らすべきところで鳴らさなかった違反というのは百二十条でございまして、五千円、四千円、三千円、それからみだりに鳴らしてはいかぬところでぶうぶう鳴らしたのは百二十一条で、四千円、三千円、二千円となっおります。
 そこで、先生の言われました前者の鳴らすべきところで鳴らさなかったというのは、これは非常に危険でありまして、科刑実績を見ますと、やはり大型と普通と原付と区別が分かれております。で、大体まだこれは案でありますが、三千円、二千円、千円という案を考えております。それから、みだりに鳴らしたという場合には、これはすべて同じ千円である。不携帯も同様に、車種にかかわらず千円であるというように考えております。もちろん警音器の場合は、現在と同じように、非常に軽いものにつきましてはすぐ取り締まるというものではなくて、現場で注意したりすることもたくさんあるわけでございます。
#85
○中村喜四郎君 そうしますとこう解釈していいわけですね。たとえば警音器の場合等においては、最高限度額はこうなっておるけれども、現実の問題としては、従来の科刑に見合わせて、政令できめる場合に規定する、こういう考え方ですね。
#86
○説明員(綾田文義君) はい、大体そういう考え方でございます。ただこの科刑実績の平均額を大体充てるわけでございますが、科刑実績の平均額と、今度の制度で変わります点は、駐車につきましては、特に二輪車の原付の駐車違反はいまの科刑実績よりは少し軽くする、それからこの三番目にあります原動機付自転車と小型特種自動車につきましても、現在の科刑よりは千円程度軽くするということで、その他は大体科刑実績の平均額というふうな考えでございます。
#87
○中村喜四郎君 わかりました。それで定型、現認的なものという考え方からいいまして、私は非常に第一線で問題になるところが多いのじゃないかと思います。たとえばクラクションは鳴らしたか鳴らさないか、こういうような問題左折右折の場合、方向器を右に出し、左に走って折れたという場合、当然これは行為としては右に回る合い図行為をして左に回っている、それで右折左折をしているわけですが、そういう場合に当然現認、定型的だという判断で、もしかりにこれは意地悪くやったらば、いつでもそこに証拠のない中で争わなければならない事態が起こると思いますが、いかがですか。
#88
○政府委員(新井裕君) ただいまのお尋ねの点は、現在の制度でもあり得るわけでございまして、御承知のように送致の手続が交通事故については簡易化されておりまして、切符を発行しておりますが、今度の制度になりまして、かりに告知書というものを交付することになりますと、大体あの切符に似通ったものになるわけであります。したがいまして、ただいまお尋ねがありましたように、現認した行為で、その一回限りの瞬間的なものでありますから、たいへんむずかしいことがしばしば起こると思いますけれども、これはしかし、いままでも比較的、全然紛争がなかったとは申せませんけれども、大体は大きな紛争なくいっております。
 それから先ほどちょっとお答えいたしましたように、五百万件の違反を検挙しております。そのほかに現場で説諭したものが五百万件ございます。現在説諭にとどめておるものを、この制度になったら意地悪く取り立ててやろうというようなことは、最も慎しむべきだと思いますので、この点は今後はむしろいままでよりもそういう点はできるだけ慎重な方法でやるように、させるように指導いたしたいと思っております。
#89
○中村喜四郎君 わかりました。
 そこで、反則金を現認する場合が、しかも反則金の額もその場で決定される状況なわけです。それは第一線の警察官に全権を委任された形においてすべてが行なわれるのが、今度の反則金制度の意義であろうかと思うんですが、問題は、いま長官が言うたように、取り締まりに当たる警察官の態度いかんというものが大きなポイントになってくるんではなかろうか。もしこれが行き過ぎた行為になった場合には、この法の趣旨は、警察が交通取り締まりをやって事故を防止しようという崇高な使命から相反した形において、国民から離反する形に私はなっていくんじゃないかと思う。さっき冒頭に私が、反則金制度等について警察官の教養を高め、理解を高めていただきたい、これを徹底しろと言った趣旨もそこにあるわけですが、その点をひとつ十二分に気をつけていただきたいと思うんです。
 そこで、この反則金の問題で、少年に適用しない根拠はどういうところなのか、ひとつお聞きします。
#90
○政府委員(新井裕君) ただいま前段でお話がございましたことは、私ども衆議院の審議の際にも繰り返して御注意がございましたし、私ども自身としても、相当慎重にやらなければならないと思っておりますので、今後これを具体的に第一線にどういうふうに徹底させるか、先ほど冒頭でお尋ねがございましたように、最も大事な問題だと思っております。
 ただ、第一線に全権があるというのは、若干誤解がございまして、金額その他は政令等できちっときめておりまして、結局第一線の現場の認定が問題であると、それがいままでよりは直接的な効果を発するという意味において、いままでよりも第一線の認定の重さが加わるということでございますので、そういう点について、警察官の認定で金額まで左右されるということはないということをお含み願いたい思います。
 それで、少年の問題につきましては、実は去年この案をつくりまして、ことしにかけまして各方面に御意見を伺ったときに、原案としては少年にも適用するという原案で、学者あるいは関係の有識者の方々に御意見をお尋ねいたしました。率直に申しまして、賛否相半ばいたしておりました。当然免許証を獲得してある、危険性を伴ったものの運転を許されておる以上は、全責任を帯びるべきであるというような御意見もありましたんですけれども、また反対に、いまの少年法のたてまえからいうと、そうは言っても、少年にすぐこれを適用するということは行き過ぎじゃないかという御意見もありまして、それらを勘案をいたしまして、結局少年にはこれを適用しないということに決定いたしましたが、その一番大きな理由は、御承知のように、法務省が少年法を改正をしようということで提案をいたしておりまして、今度の国会にはできれば提案をしたいということでやっておられた。ところが、主として最高裁の事務当局と意見が合わないということがございまして、そういう少年の取り扱いについていま論争があって、決着がつかないのに、これだけ先ばしってやるというのは、私どもとしてはどうしても行き過ぎじゃないか。
 それからまた、実質的にそれがはっきりいたしませんと、言うことを聞いた少年は、制裁として反則金を払うと、御承知のようにいまの実態から言いますと、家庭裁判所へ行くと、大体不開始処分になるのが七割から八割ございます。そうなると非常に不均衡にならざるを得ない。いわんや反則行為より重い行為につきましても、同様に不開始処分になる。軽い者は、正直といいますか、従順な者は納めて、それでとられてしまうというようなことでは、不均衡じゃないかという議論もかたがたございまして、少年にはこの際適用しない、先の問題に延ばそうと、こういうようにいたしたわけであります。
#91
○中村喜四郎君 説明を聞くとわかるのですけれども、私は、文部省関係も総理府関係も来ておりますから、ひとつお聞き取り願いたいと思っております。
 いまの少年法の関係から、やむを得ずそうせざるを得ない実態はよくわかるわけであります。しかし違反の実況というか、少年の犯す交通違反の実況というものも、まあ、昨年あたりの状況を見ますと、警告だけで百十七万件、検挙件数で八十三万八千件、その中で無免許運転をやっている少年が二十二万、スピード違犯をやっているのが十八万という、こういう数字が出ておって、この人たちが違反だけではなく、重大な交通事故を起こしている事例が数多くあるわけです。しかも少年が免許証をとって車を運転している、車を運転するということは、当然責任を持っているわけです。こういう観点からいきますと、私どもは、単にいまの少年法だけで、これを、こういう状況だからこれに適用しないということでは、納得はいかないのだけれども、しかし法のたてまえ上、一挙にこれを問題にするわけにはいかないわけでございますから、総理府や文部省等におきましても、少年の交通違反対策等については、十二分にこれは考慮を払わなくちゃならぬはずと思うのでございます。それらにつきましては、後刻私それぞれの担当の方にお伺いをしたいと思うのでございます。
 さらに、今度も歩行者優先の原則が打ち立てられて、これは従来もそうであったわけですけれども、今度の場合等におきましては、割り込み禁止というようなことで、絶対横断歩道における歩行者に優先権を与えようという、こういう趣旨はわかるわけでございますけれども、皆さんも自動車に乗ってみればわかりますように、自動車に乗っているときは、横断歩道を横断したり、あるいは横断歩道のないところをずっと入ってきて、ゆうゆうゆうゆう入ってきている。しゃくにさわる。自分が歩いているときは、自動車に突っ込まれてくるのが非常にしゃくにさわるという状況が非常に多いわけでありますけれども、この横断歩道を通行する場合に、かりに事故が起きた場合でも、一〇〇%自動車の運転者にすべての罪を着せられるというこのことが、運転者にとっては非常に痛い制裁であり、これはおそらく交通労働に関係している諸君なんぞも、ことさらにこのことを痛感するのではなかろうかと思うのでございますけれども、要すれば、私は外国等の例を見てまいりましても、とにかく歩行者は横断歩道しか渡らない。黄色であっても、あるいは一人も通ってなくっても、自動車は横断歩道のところではぴたっととまっているという、こういうことが事故を少なくする大きな原動力ではなかろうかと思う。したがって、こういう問題については、歩行者優先の原則は当然ではあるけれども、歩行者に対する交通法を守る施策については、どのようにとっているか。私は警察のほうにひとつお伺いし、後刻文部省、総理府等についてお尋ねしたいと思います。
#92
○政府委員(新井裕君) お説のとおり歩行者の優先につきまして、今度幾つかの改正をいたしたわけでありますけれども、事故が起こった場合に、すべて運転者が悪くすべて歩行者がいいときまらないことも、また当然でございまして、しかるにいまの日本の現状では、どうしても運転者のほうが悪くて、歩行者のほうがいいという判定を受けるのはおかしいという意見は、実はしばしばお聞きいたします。たとえば突然子供が横町から飛び出してきて、それで間に合わなくてひいた。ところがそれに対しても、もっとゆっくり走っていればとめられたじゃないかというような理屈をつけて、運転者の責任にするというような実情でございます。これは日本の各地でいろいろ聞きますけれども、最後になりますと、どうしても強いものが遠慮すべきだというような気持ちが強くて、なかなかこれが払拭されない。
 この間も衆議院でもそういう点に強く御希望がございましたし、われわれとしても、できるだけそういうことについて、実質的に運転者に責任を課しがたいものについて、いま申しましたように、もっとゆっくり走っておれば、とめられたじゃないかという仮定の上に立っての責任の転嫁というようなことは、できるだけ避けたいと思っております。結局私は、いま中村委員が例におあげになりましたように、横断歩断は歩行者優先、横断歩道以外は、そのかわりむしろ歩行者が悪いというような一種の社会的な慣行というものをできるだけしんぼう強く、事あるごとに説得していき、打ち立てるほかないんじゃないかというふうに考えております。
 したがいまして、一応は、横断歩道の事故は、歩行者優位、横断歩道以外のところを歩いた場合には運転者優位、それで運転者が優位の場合に、歩行者側から抗弁するなら歩行者側のほうから抗弁する、歩行者優先について、運転者側に抗弁することがあれば、抗弁をするということに、だんだんすべきじゃないかと思っておりますが、いまの日本の訴訟の扱い方というものは、一方だけが悪くて一方が悪くないという立て方が非常に多い。また、訴訟法においても、挙証責任というものは常に原告側にあるような形でありますけれども、刑法等をとってみましても、アメリカとかヨーロッパの法律は、挙証責任というのは、適当に両当事者に分配してあるようなものが多いようであります。そういう点の風習がどうもなじまないせいで、挙証責任というものが時によってやっぱり被害者側にもあるのだ、加害者側にもある程度その弁明ができるのだというふうな風習に持っていかないと、なかなかここで議論しましても、そんなことを言っても、死んだやつがかわいそうじゃないかという議論のほうが勝ちを制して、なかなかうまくまいりません。
 私どもも親しい人からときどき相談を受けまして、自分は絶対に悪くないと思っているのだけれども、相手の子供が死んじゃったから、やむを得ない、できるだけのことをするから、処分はできるだけ軽くしてほしいというような陳情がございます。そういうことで、なかなか日本の人情論というものを一気に突きくずして、冷酷に割り切るというわけにもいかない点もございますけれども、確かにお示しのように、今後の大きな問題ではないかと思って、そういう点についての一般の気持ちに訴える方法を考えると同時に、警察官としても、現場の取り扱いのときには、できるだけそういう点を慎重に考えていくようにしなければならないと思います。これもまた、ある程度定型化してやりませんと、どうもあのおまわりさん、あっちのほうに味方している、いやこっちに味方しているということで、問題になるものですから、できるだけ定型化したもので、第一線にやらしたい、こういうふうに考えております。
#93
○中村喜四郎君 その長官の言う気持ちはよくわかる。強い者、大きい者が弱い者に最後には護らなくちゃならぬ、私はよくわかるわけなんです。ただ問題は、私は今度の法改正等におきまして、免許証の仮停止その他の諸問題が大きく浮かび上がってくる。特に働く労働者等は、免許証一本に家族の生活をかけている、こういう状況なわけで、私はやはり国民に対しまして、歩行するときの横断歩道等々の問題は、警察だけではない、これは警察は微々たるものです、その力というものは。私は国民の力をここに結集するような安全教育体制というものを、当然整えておかなくちゃならない、こう思うわけでございます。
 問題を進めまして、私は法の取り締まり関係の警察官の問題に少しく触れてみたいと思うのでございますけれども、取り締まりに当たる警察官等の苦労はわかるわけです。あの交通繁雑の中で、交通整理をし、スモッグの中で病気になりながらやっている苦労、よくわかるわけでございますが、しかし、この交通安全という、あの新しい法の運用ということにつきましても、さらに警察官には使命が大きくなるわけでございますが、警察官の教養というものを非常に大きく考えなければならないのではなかろうか。
 その教養の一つに、警察官の免許証所有の問題がございます。一線警察官を含めまして、免許を所有しているのはどの程度になっておりますか。
#94
○政府委員(新井裕君) 大体七割ぐらい、いろいろの免許をまぜますと、第一線の警察官は保有しているという計算になります。
#95
○中村喜四郎君 七割というと、いろいろの免許をまぜてと申しますと、第一種原付、第二種原付とか、それぞれのものを含んだものだと想像するわけですけれども、普通、自動車といわれる大型、普通、軽自動車等の免許証を持っておるパーセンテージはわかりませんか、わからなかったらけっこうでございます。
#96
○政府委員(鈴木光一君) 軽免許以上というと約六〇%、その他二輪免許と原付を含めますと七七%ということになります。
  〔理事吉武恵市君退席、理事林田悠紀夫君着席〕
#97
○中村喜四郎君 六〇%、あるいは全部を含んで七七%と承ったわけでございますけれども、私は交通取り締まりに当たる警察官が、法だけではなくて、運転技術についても精通しておらないために、いままでしばしば理解のない、あるいは未熟な判定をするような場合もなきにしもあらずなわけでございます。できることなら、私は警察官は、たとえば交通取り締まりの警察官でなくても、いなかに行きますれば、駐在所のおまわりさんは必ず交通取り締まりに当たる、その方々が持っておらない、持っておらないで取り締まりに当たっている。こういう現実もあるわけですけれども、全警察官が免許証を持つような方途は考えられませんか。
#98
○政府委員(新井裕君) ただいまの数字も、実はこの数年、一般の風潮として、だれでも自動車の運転をするのはあたりまえだという風潮もありましたけれども、中村委員のおっしゃいますように、警察として取り締まる以上は、運転免許証を持つべきであるという強い要請もありまして、非常に強い勧奨をして、あらゆる機会に運転免許を取得できるようにした結果、こういう数字になっているわけであります。実は来年度の予算要求には、初任の警察学校ではもうすべて、運転免許を取っている者はもちろんでありますけれども、取っていない者には取らせる、取っている者は、さらにその技量を向上させるというような施設をつくるために必要な予算を要求したいというふうに考えております。
#99
○中村喜四郎君 私はやはり免許証を取らせるという、義務づけるという意味においては、国家がこれに対して、警察官が自動車免許を取るための助成措置、場所も考えると同時に、助成措置を考えなければいけないと思うのです。それで、実際に免許証七七%、六〇%は持っておっても、ペーパー免許になっておる場合も多く私はあろうかと思うわけでございます。いまの取り締まり警察官が自動車に乗ることは、おそらく恐怖症におちいっておる場合も考えられる。なぜ恐怖症におちいったかというと、警察官が、かりにわずかな事故を起こした場合でも、世論のきびしい反撃を買うために、できるだけ、乗ることは乗るけれども、自分では運転しない、運転したくないと、こういう風潮があることを、私は警察官の一線の人を見て感ずるわけなんです。まさにそうだと思うんです。
 二、三日前に出た警察官の交通事故、あるいは千葉のあの交通違反等々が新聞に大きく報道されました。ああいうものは論外でありますけれども、日本全国で先ほど申し上げましたように警告件数が五百万をこえる、検挙件数が五百万をオーバーしている中で、昨年、一昨年起きた全警察官の事故は五十六件、五百万の中で五十六件、ほんとうにりょうりょうたるものであっても、何か警察官に対するきびしい世論があることを考えると、免許を持っていても乗れない。それじゃ意味がないから、私は警察の機関の中で、自動車を常に練習できるような施設と時間を与えることが必要ではなかろうか。また全国各地に千百六十校も自動車教習所があるのだから、そこと連絡し合って、常に自動車の練習に精励できるような方法、そうして自動車運転者の、ドライバーの心理をみずからも体験するような方途をとっていただかなければならないと考えますが、長官のお考えはいかがですか。
#100
○政府委員(新井裕君) 結局自分で私用の車を運転する場合と、公用の車を運転する場合と二つあるわけでありまして、公用の運転をする運転者の技能というものは、相当高度でなければいけないというので、再訓練をいまでも若干はやっておりますけれども、初任者に訓練するのと並行してやりたいと思っておりますが、結局公用の車には乗らないけれども、私用の車を持っておる者は相当またおるわけでありまして、こういう者は、紙の上で免許証は持っておるけれども、実際には運転しないという者の中には、われわれとしても運転させたくない者が実はございます。そこで、いま各県でそういうテストをやりまして、ほんとうに運転できる者、運転できる者のうち、相当高度の技能を要する緊急自動車を運転できる者、緊急自動車以外の公用の自動車を運転できる者、私用の自動車でもむしろ乗らないことを勧奨する者ということで、各県で種別して管理するようにしております。
 したがいまして、その一環として、御指摘になりましたような練摩するチャンスを与えるという意味で、警察に施設がなければ、警察以外の施設を利用するということもあり得ますし、大いにやらせたいと思っております。
  〔理事林田悠紀夫君退席、理事吉武恵市君着席〕
#101
○中村喜四郎君 よくわかります。だから、来年度の予算要求等においても、十分免許証獲得のための国の助成措置や、その他あるいは設備等についても、さらに現場警察官の運転技術の高揚ということについては、力を注ぐような施策を十分打ち立てていただきたいと思うわけでございます。警察官の問題については以上です。
 さらに私は車に乗るドライバー、運転者の問題についてお尋ねをしたいのでございまが、冒頭に申しましたように、原動機付自転車を含めまして千三百万台、免許証所有者が日本の人口の四五人に一人ぐらいずつ、二千二百万の人が免許証を持っている。この人たちが道路を走っているわけですが、そこで事故が大きく起きるわけです。法の取り締まりだけではなく、この運転者対策に対して十分な措置を講じなくちゃならないと思うわけでございますけれども、いままでの事故の事例を見ていきますと、技術が悪くて事故を起こしたという例は比較的少なかろうと思うんです。日本の運転免許というのは、世界最大のむずかしい運転免許試験だといわれております。
 私は事故というのは、車は運転の技術じゃない、心の運転だ、心の運転がいわゆる車の運転だ、こういうふうに解釈するわけですが、そういう立場から、運転車対策についてお尋ねしたいわけでございますけれども、運転免許の試験を受ける際に法規試験が行なわれるわけでございますけれども、法規の試験はもう少し平易化して、そして大衆化して、国民に理解されるような試験の課題等が、新聞社等の協力を得て、その問題が新聞に掲載されて、なるほどこういう問題だなという、すべてが理解できるような、そういうふうな法規、道徳を含んだ問題にしていくべきではなかろうかと思うんですが、まずこの免許を取る際の法規試験のあり方についてお尋ねしたい。
#102
○政府委員(鈴木光一君) 法規試験の内容につきましては、従来からできるだけわかりやすいようにということと、それから落とすための試験ということで非常に意地の悪い問題もありましたし、それから、必ずしも重点的な、ほんとうにドライバーに必要なものだけに限ってやったほうがいいじゃないかという御意見もありまして、そういう方向に私どものほうも各府県を指導し、また重点的な問題につきましては、私どものほうで選びまして、この中から出しなさいということで指導しているわけでございますが、なお若干御指摘のような点で至らない点があるといたしますれば、今後さらに検討してまいりたいと思いますが、なお、お尋ねの中に法規だけでなくて、いわゆる交通道徳の問題も出したらどうかという御意見につきましては、交通道徳ということの問題の出し方が非常にむずかしい問題もございますし、また、交通道徳ということを試験科目に入れていくということになりますと、法例も改正しなければなりませんので、そういう点は検討いたしたいと思います。
 そこで、またもとへ戻りますが、なるべくわかりやすいということで、私どものほうで監修いたしまして、全国交通安全協会が出しております「みんなの守る交通法規」というわかりやすいパンフレットをつくりまして、これを全ドライバーに持っていただく、それから、これから試験を受けようという方々にも、これから問題を出して、これを活用していただくということを考えて、わかりやすい、しかもドライバーにぜひこれだけは知っていてもらわなければいかぬという重点的な問題を出していくという方向でやっているわけでございますが、なお御意見の中にありましたので、さらに検討してまいりたいと思います。
#103
○中村喜四郎君 私は「みんなの守る交通法規」、非常にいい本だということで読ませていただきました。私自身も持っております。ただ問題は、私は法規問題がやかましい問題だというけれども、法規問題ほど、警察が試験に出題する問題ほど難解な問題少しひねくれた問題はなかろう。弁護士さんでも受からないような問題が一ぱいある。あれはもう少し平易にわかるように、そうしてこれは身につけるような問題を考えていただいたらどうかと思います。
 御承知のように一年間に九百万人の人が試験を受けるわけです。そうして三百万程度ということになっていきますと、これは国民全体の問題になってくる。したがって、問題等を平易にわかりやすい、これは必要だというものを収録して、それらを中心として問題を出し、それらが新聞等にもひとつ協力をいただき、学校教育機関の中にも協力していただいて、そうして全体で交通法規の問題を、交通道徳の問題を考えるような仕組みに、免許というもののあり方を、免許の出題を、これは法を改正しなくてもできる問題ですから、問題の出題方向を考えていく必要があろうかと思いますが、その点については後刻十分の御検討をいただきたいと思うのです。
 さらに、免許更新が、二千二百万人の人が免許を持っている人、この免許は三年おきに必ず書きかえをやっているわけでございますけれども、その三年おきに書きかえる際に、適性検査を、目の検査とかその他をやっている。私はあの適性検査だけではなく、交通法規がこんなに変わってくるのだ、しかも道路の状況は変わっていくのだ、車の構造も変わっていくのだ、こういう現実からすると、三年に一回の免許更新の際に、法規や構造の講習、あるいはできれば、ペーパードライバーの人もあるわけですから、こういう人に対して講習を受けた上で免許更新をするというような、新しい機軸を出す必要があるのではなかろうかと思うのです。
 特に交通安全という問題から考えて、私は試みにこういうことをテストしたことがあるのです。タクシーの運転経験十五年以上の人十二、三人、警察のパトカー運転の人三人、自動車教習所にお寄りいただきまして、三十分間練習をして、そして教習所の学生が卒業するときに受ける七十点の合格点に、皆さんが三十分間の練習で合格するならば、懸賞金五万円出しましょうと言ったことがある。やってみたのです。十五、六年の経験を持った人、パトカーの人が七十点の合格をとれなかった。一人もとれなかった。とれなかったというのは、現在の警察の指導というものが安全教育ということを主体としておるので、その採点の際に、少なくとも安全確認をしなきゃならぬ場所が二十五、六カ所もある。左右確認をしなきゃならぬ、あるいは踏切の場合もしなきゃならぬ、こういうテスト方法をとっているために、現にドライバーでいつも運転している人たちは、なれてしまっているので、安全確認やその他の手続を見忘れがちなために合格しなかったという、こういう事例もあるわけなんです。そういうことから考えると、許される範囲内において、三年目に免許更新する際に、どうしても学科の講習を、できれば技術講習等も受けさせる措置をとってみたらどうかと思うのですが、この点はいかがでございましょうか。
#104
○政府委員(鈴木光一君) 御指摘の点、まことにごもっともでございまして、私どものほうで従来、行政指導でございますけれども、全国で半数ぐらいの府県で、警視庁含めまして半数ぐらいのところで、免許更新の際に講習を実施しております。簡単な講習でございまして、たくさんの免許書きかえ人がおりますので、あまり時間をかけてやるというところまではまだいっておりませんけれども、いわゆる交通安全の講習というものを実施しております。私どものほうは、さらにこの実施県を拡大いたしまして、行政指導でそういった安全教育の講習をやってまいりたいと思っております。これを義務化することにつきましては、いろいろ問題点もございますので、今後検討してまいりたいと思います。講習の内容につきましては、御指摘の点を参考にして、さらによいものにしてまいりたいと思っております。
#105
○中村喜四郎君 警察庁長官ね、わかります、いまの局長の話。だが、私は、ここまできたらば、その程度の手を打たなきゃならない事態がやってきたんじゃないか。百一条の二項の中に、何かこれをつけ加えるような方法で行政指導の面がぴしっといけばいいけれども、いかない場合には、そういう措置をするような考え方もぜひとっていただきたいと思うのでございます。
 それと同じような問題でございますけれども、違反者の講習の場合ですけれども、昨年あたりの場合でも、百四、五十万の免許停止になった者がある中で、わずかに二時間か三時間の講習を受けた者が七十万ぐらい、百三十万、百四十万のこの交通違反者の、単に違反を起こして免許停止になって、停止期間があけるのを待っているのじゃなくて、私はその際には、積極的に講習を受けさせるような義務づけを考えたらどうかと思う。少なくとも、スピード違反や、あるいは交差点の、あるいはその他の法規違反をやったために免許停止になっておるわけでございますから、実はこれは百三条の八項につけ加えて、この中を生かして義務づけるようにしたらどうですか。
#106
○政府委員(新井裕君) ただいまの御意見は、要するに自動車の交通事故を防止するためには、運転者の対策をある程度はっきりいたしませんと、防止するのに限度があるということを前提とされての御意見だろうと思います。私どもも、運転者の免許そのものをルーズにしておりまして、街頭に出てから、違反が出てから取り締まったり、講習しているというのではうまくないというふうに考えます。そこで講習制度というものを、違反者につきましては数年前から相当活発に行なっておりまして、お手元に資料差し上げてありますように、四十一年は停止を受けた者が百三十四万、講習を受けたのが百二万ということで、相当上がっております。これをもう一歩進めて、義務化したらどうかという御意見だと思います。これはいずれ来年度、私どものいま考えております例の点数制度、免許証の停止なり、取り消しなりについて点数制度を考えたらどうかという、検討をしておりますので、その際あわせて検討をしてまいりたいと思います。そうなりますと、講習それ自体も一種の行政処分になりますので、そこいらのかね合いが非常に問題になると思いますので、十分に時間をかけて検討をしてまいりたいと思っております。
#107
○中村喜四郎君 まあガードレールをつくり、踏切を整備し、横断歩道をどんなに整備しても、乗る運転者が順法精神がなけりゃ、絶対にこれは交通安全は確保できないわけですから、これは冒頭に申し上げましたように、免許更新の際の法規、学科等の講習や、あるいは違反者等に対する講習の義務づけというものについては、これはもう安全という立場から、ひとつ真剣に、具体的に研究をしていただきたいと思うのです。
 そこで、この自動車の免許証を取るための運転者の養成機関の問題について私はなおお尋ねしたいと思うのでございますけれども、現在、三十五年の道交法改正によって、新しく指定自動車教習所が生まれて、その数は千百六十何校に達しておるわけでございますから、この卒業生が年間に百九十万オーバーしています。この人たちがそれぞれドライバーになっていくわけでございますけれども、この指定教習所というものが、国では指定をするけれども、警察ではこれを監督するけれども、助成措置というのは全然ないわけなんです。助成措置は全然ないわけなんです。そのために、場所によっては過当競争におちいり、乱立になり、学生の、卒業生の質を低下させるという事態も起きていることは御承知のとおりでございますが、私はドライバー養成機関、年間百九十万も卒業する学生に対する、教習所に対する国の姿勢の問題について、どうあるべきかということを長官にお尋ねしたいのです。
 私は現在のように設備が整えば、コースができれば、車がそろえば、それで指定をするのだという、申請があれば、条件がかなえば指定するというこの制度にメスを加えて検討する時期ではなかろうかと、いわば指定ではなく、認可制度にこれを持っていく時期になったのではなかろうかと思いますが、それについてお答えをいただきたいと思います。
#108
○政府委員(新井裕君) 実はこの自動車教習所のいまの指定制度、もう限度にきておる。認可制度にして、もう少し国が関与し、あるいは助成をして、内容を充実さしたらいいんじゃないかというのが、最近二、三書きものにもされまして、私どものところにも届いております。これは運転者の養成のための学校というのは、中村委員御案内のように、言ってみれば日本独特の制度でございまして、車が各家庭に普及して、小さいときから親のそばで子供が自動車をいじったり、ながめたりして、そうして習得をして、警察に行って免許証をもらうというようなアメリカ的な行き方と比べまして、たいへん対象的でございます。日本もやがてそうなるのではないかという考え方もあるようでありますが、少なくともこの五年や十年の間はいまのままでいくんじゃないかと私どもも想像いたしております。
 そして、この内容を充実するためにどういう方法がいいのか、いま御提案になりましたような方法がいいのか、いまのままでもう少し監督を強化するのがいいのか、あるいは認可ではなくて、ある程度の基準に達したものをもう一つふるいにかけて助成措置を講ずるというふうにするのがいいのか、そこいらについて非常に問題がございます。
 いまお話がございましたように約二百万の運転者がこの学校の門をくぐって世の中へ出てまいるわけでございます。この人たちが、確実に安全な運転者であるという保証は、あるほうがほんとうは望ましいわけでございます。しかし、たいへんむずかしい問題、もし認可にするということになりますと、相当の基準というものをふるいにかけなければならないということになりますと、現存の学校制度、いままで指定しておったものにさらに認可するというものをやって、A級とB級といふうにつくるのかつくらないのか、そこいら非常に問題でございます。ただ御案内のように、確かに一時ほど教習所の経営も楽ではなくなっておりまして、現に少しずつつぶれてくるものも出てきている状況でございますから、これは自由経営だからまかしておいていいというふうに言い切れないものがございますので、十分に検討していかなければならない問題だと思っております。
#109
○中村喜四郎君 直ちに認可制にするということが困難だとするならば、次善的な方法として、指定をする場合に、人口とか地域的配慮とか、そういうものを頭に描きつつ、そして公益委員のような公正な第三者的な考え方を持つ審議会を公安委員会の中に置いて、公安委員会が委嘱して、合理的に指定するように持っていくことがまず第一ではなかろうかと思います。御承知のように薬局の場合は法律で、薬事法できめられており、浴場をきめる場合には浴場法があり、さらにはたばこ、酒という場合においては専売法の中に置かれておる。タクシーとかハイヤーとか運輸業という場合には、これはもう公聴会等を開いて十分検討した上でなされておるわけでございますが、いまの指定自動車教習所の場合には、基準がはっきりしておりまして、八千平方メートル以上のコース面積を持って、そして教官がこういう資格の者がいればいいということで、これはきびしい規制だと思いますが、あの規制は。私はそういうことを考えておって、しかも現実に私たちが類推いたしますと、日本全国で千百六十五校教習所があります。その一教習所で投下される資本というのは、少なくともコースや土地代、建物を含めまして二千五百万円程度、車が三十台平均としても二千万円以上、四千五百万円から五千万円の投下資本が一校当たりでされております。日本全国で五百数十億の投下された資本が、ただ指定すればよろしいというために、人口三万、四万のところに学校ができたために、お互いに過当競争になってつぶれてしまう。現在指定取り消しになった学校含めますと、六十何校やめておる。しかも、昨年あたりの状況を見ますと、一年間に三千人の人が指導員に採用になって、二千八百人がやめていくという状況、そういう不振の状況にあるわけなんです。
 そういことを考えていきますと、私はドライバーの養成というものは明らかに教育事業であり、公共事業であるという立場から、十分勘案してしかるべきものだと考えます。したがって、直ちに法の改正、認定ということができないとすれば、指定をする場合に、行政指導の上において、公安委員会の中に審査会等を設けて、第三者の意見を聞き、地域的配慮もはかって、過当競争におちいらざるような措置をするということが、当然いますぐにでもやらなくちゃならない考え方だと思うのですが、あらためて長官のもう一度御答弁をいただきたいと思います。
#110
○政府委員(新井裕君) たいへん具体的な御提案でございますので、これを重要参考案といたしまして、さらに検討をいたしてまいりたいと思います。
#111
○中村喜四郎君 さらに私は長官にお尋ねしたいのですが、ドライバーのこういった指定自動車教習所の養成機関は、教育事業や公共事業という観点から、監督もし助成もし、育成もしてほしいと思うのでございますが、私の考え方誤っておりましょうか。
#112
○政府委員(新井裕君) 程度の問題はございますけれども、そういう段階に到達しておるのじゃないかと私ども感じております。
#113
○中村喜四郎君 それでは一応警察庁に対する御質問はこの程度にいたしまして、なお後刻ちょっとお尋ねしたいことがありますが、私は主税局、大蔵省関係のほうにお尋ねしたいと思うのでございます。
 いま私が申し上げましたように自動車教習所というドライバー養成機関、百九十万年間養成しているというこの機関、この機関は、私は公の機関、公共的性格を持った機関、施設と考えるわけでございますが、大蔵省、通産省等の皆さん方は、レジャー産業のような、こういうふうな見解が比較的とられていることが多いわけです。それは、たとえば通産省等における中小企業金融公庫の融資の場合においても、甲乙丙の基準があるけれども、バーやあるいはそれに類するものと同じような取り扱いを受けて、融資対象になっていないような現状なわけでございますが、こういうことに対しては、まず大蔵省の考え方どうですか、これは公の機関と考えられましょうか、どうでしょうか。
#114
○説明員(大倉真隆君) 私からお答え申し上げるのは適当かどうかわかりませんけれども、長官が先ほどおっしゃいましたように、程度の問題はございましょう。運転者を養成するという事柄の中に公共性があるということ、これは否定できないと考えます。具体的な問題につきましては、ちょっと私の所管からはずれるものですから、お答えを留保さしていただきます。
#115
○中村喜四郎君 私は、単なるサービス業ではない、教育事業、公共事業という観点、先ほどの長官と同じような考え方を持っておるわけです。そこで私は教習所における問題につきまして立ち入ってお尋ねしたいのですけれども、教習所で使うガソリン税の問題についてお尋ねしたいわけでございますが、ガソリン税は、道路整備の目的税的性格をもって課されているものと思うのですが、いかがでございましょうか。
#116
○説明員(大倉真隆君) お話のとおり揮発油税は、もともとはそうではございませんでしたけれども、現状におきましては、この収入金額を道路整備の財源に使うということになっております。
#117
○中村喜四郎君 そうしますと、教習所等におけるガソリンというのは、道路の上を、公道の上を走るものではなく、一つの構内で走るものであるわけですから、道路整備のための目的税的性格からすれば、これは免除の対象になるべき性質のものではなかろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#118
○説明員(大倉真隆君) 御指摘のような考え方には、確かに一つ理屈があろうかというふうに思います。ただ私どもの立場から申し上げますと、ガソリン税が目的税であるということは、ガソリン税収入をあげて道路整備に使おうという意味でございまして、非常に窮屈に道路の上で使うガソリンだけが課税になるなんていう考え方はとっておりません。したがいまして、たとえば大きな工場の中で、これは道路でも何でもないけれども、物を運搬するのにガソリンを使う、あるいは燃料用に使うというのも、当然ガソリン税は課せられているわけでございます。それから、かりにそこの点をある程度窮屈に考えるといたしましても、やはり、いまお話しの、教習所の仮免を受ければ、当然道路に出て走るわけでございますし、仮免を受けるまで教習所の敷地の中で走っているときに使うガソリンというものと、道路の受益関係というものは、むしろいま私が申し上げたような例よりはもっと近いのじゃないか。要するにいずれ自動車を動かすことを覚えて、そうして道路を使って車を走らせる、そのために練習している段階、これまでも道路財源と直接的関係がないから切り離すべきだということになりますと、率直に申し上げまして、税制の立場からはなかなかお受けいたしかねるような気がいたします。
#119
○中村喜四郎君 税制の立場からむずかしいと言うけれども、私は、税制の立場から当然考慮さるべき性質のものと考えるわけです。たとえば自動耕うん機等、農村で使うもののガソリンの免税については、ガソリンの量がどの程度使われて、その一部が車に使われているかどうか、なかなかわからないという観点から、ずいぶん判断に苦しんだ結果、ことしあたりも免税措置の肩がわりとして、農免道路のように九十七億八千万という今年度の予算にも組み込んでこの見返りをしているわけです。それで、先ほど申しましたように、そこで乗った者でやがて外に出て車に乗るのだからというこの理屈は、私はどうにも納得いかないわけです。それて自動車教習所の場合は、明らかに農村における自動耕うん機とは違って、ガソリンが一時間走れば幾らかかるんだという、一人の学生が卒業する場合に、最低限度何時間自動車に乗らなくちゃならぬということは、法律できめられているわけです。大型を乗る場合に幾ら、普通車の場合は幾らという、その消費量等についても十分なデータがこれは出ているわけです。現実に私どもが類推いたしますと、千百六十五校で、ガソリン税と道路譲与税を含めまして、一キロリットル当たり二万八千四百円が課税されておりますので、これを総計しますと、全国の教習所が納めるガソリン税というのは三十五億を突破しているわけでございます。そういう現実を考えて、車の走るために要する油の量も、一時間のキャパシティも全部わかる。そういうことからして、しかも教習所が教育事業であり、公共性を持っているという現実から、私は公共性とさらに主張するならば、安保条約等においてアメリカ軍の使うガソリンに対しては免税措置がされている、飛行機に対しても免税を措置されている。こういうことから考えると、きのうは防衛二法案について国会で論争になったけれども、一年間に百九十万くらいの卒業生が出、二千万のドライバーが、日本の人口の四・三分の一を持っているということは、私の理論からいけば、見えざる潜在自衛力を持っている、潜在戦力を持っている。あの大東亜戦争以前の、運転技量を持っていない姿から考えて、日本国民が四人に一人免許証を持つということ、こういうことから考えていけば、大きな社会的影響があるし、公共的な性格を持っている。そうしてこのことが行なわれなかったならば、教習所がなかったならば、学校の庭なり道路で、無免許の事故を起こすことが、昨年も相当あったということを考えてみると、私はここで単に税法上の問題税制上の問題からいけば、道路目的税からいえば、はっきりとうなずけない、どうですか。
#120
○説明員(大倉真隆君) 最初に申し上げましたように、中村先生のおっしゃるような御意見にも、確かに一つの角度があると私も思います。ただ、私のいまの立場からお答えさせていただきますと、一つは、先ほど申し上げましたように、道路の上を走らないのだから、そういうガソリンからは税を取るなということでものを考えますと、たとえば広い工場敷地の中で車を走らせたらどうなるか。大学の自動車部員の練習のために大学構内を走ったらどうなるか、非常に範囲を一体どこで切るのかという問題のむずかしさが出てくるように思います。
 それからおっしゃいます公共性の問題ということは、これは私どもだけではなくて、やはり関係の当局のほうとも御相談して、こういう自動車運転技術教習という事業の公共性というものをどのくらいに――まあことばは悪いのでございますが、どの程度のランクのものとして考えるのか、それに対して国が助成をすべきであるのかどうか、すべきとすればどういう手段があるかという全体の問題になるような気がいたしますので、いま直ちに教習所で使うガソリン税をまけるということが、一番いい方法だというふうにお答えするのはお許しいただきたい、こういう趣旨でございます。
#121
○中村喜四郎君 二課長さんの立場としては非常にむずかしいことだが、単なるサービス業という問題ではなくて、公共的な性格を多分に持っているということだけはまず御理解いただいたと思いますから、ひとつ帰りまして、省の幹部の皆さん方と会って、この問題を十分御検討いただきたいと思うのです。
 で、先ほどの洗たく屋さんがガソリン使ったり、いろいろな人が使う、それと同じじゃないかということですが、この考え方は少し改めてもらって、私は直ちにこれができないとすれば、第二の問題をひとつ御質問したいのですけれども、ガソリン税を免税できないとすれば、あなた方の考え方でできる方法として、それにいわゆる公共事業として助成措置を――こういう公共的な性格のものをさらに助長する意味におきまして、自動車教習所における自動車や固定資産等に対する減価償却、耐用年数の問題について、ひとつ御考慮をいただきたいのですけれども、たとえばコンクリート舗装の場合十五年、アスファルト舗装の場合十年、簡易舗装の場合三年という耐用年数がきまっておりますが、現実には、いま警察庁で示された基準でコースをつくっている場合には、アスファルトの場合に十年という寿命は絶対にないのです。三年程度でこわれてしまうわけです。それは十年というのは、建設省の基準から大蔵省はとったわけですけれども、それは下水溝や側溝が完備されている場合に十年の寿命を持っていくわけですが、教習所のコースの場合は、下水溝や側溝があったのでは教習車の運転が不可能になるわけです。だとすれば、簡易舗装と同じように、耐用年数は三年程度に、あるいは五年程度に短縮すべきが至当ではなかろうか。
 また、自動車の耐用年数の場合にも三年間、普通車の場合三年だけれども、三年たって、あなた方が現実にお考えになればわかりますように、かりに七十万の車が入った場合に、二年たってこれを下取りに出す場合には二万ないし三万の金になってしまう、自動車教習所の場合そういうことを考えると、ガソリン税はできないとするならば、耐用年数については、これは国税局長の判断でできるわけですから、あなたの考え方、いかがですかしら。
#122
○説明員(大倉真隆君) 非常に具体的な御質問でありまして、耐用年数につきましては、先生御承知のように、ことしの法人税法の改正でも償却を非常に弾力的に行なえるように全般的に法人税そのものを直しております。具体的に法定耐用年数に比べて非常に損耗度が早いというものは、それに見合ったような償却ができるというふうに御理解いただきたいと思います。
 それから自動車の場合も、非常に損耗度が早ければ、もちろん、そういう償却もできまするし、また、下取りに現実に出されるのであれば、それは償却のかわりに下取りのときの帳簿価額と売り値の差額は当然損金になるという意味で、投下資本は回収できるわけでございます。税法上はそういうふうに御理解いたださたいと思います。
#123
○中村喜四郎君 たいへんわかりましたようですが、それじゃひとつ、そういう問題について具体的な資料を整えて、その当事者からそういうものが大蔵当局に要請された場合、耐用年数等については十分考慮すると、こういうことに理解、解釈してよろしゅうございますね。
#124
○説明員(大倉真隆君) ちょっと一言だけ申し上げておきたいのは、私が御説明申し上げました耐用年数と申しますか、償却の弾力的な運用というのは、非常にケース・バイ・ケースの問題として私ども考えておりまするので、自動車教習所のアスファルト道路は、一般のアスファルト道路に比べて何年にするというものの考え方ではなくて、栃木県にあるこの教習所のは一年で終わり、東京都のここのはもっと早く終わるというふうに、ほんとうに現実に即した償却をやっています。そういう考えでございます。
#125
○中村喜四郎君 それは少し私は理解できないのですがね。道路交通法できまって、ユースのつくり方も、舗装のしかたもほとんど規定され、それに従って、指定をされている条件としてはすべて同じ条件にコース等は置かれているわけです。また車の実際の状況についても、そのようなことはどこでもデータが出ていますから、取りまとめて、そういうものもケースバイケースとして考えていただいてけっこうですが、そういう申請があった場合には、ひとつ十分御考慮をいただきたいと思うのです。
 さらにもう一つは、この物品税の問題ですが、こういうところで使う自動車等は教える材料――教材じゃないでしょうか、そういう解釈は成り立ちませんか。
#126
○説明員(大倉真隆君) 物品税につきましては、いろいろと物品税独特の議論がございますが、現在のところ、これよりもっと先に、営業用の自動車は、集配用の資産なんだから、これから物品税をとらなくたっていいではないかという非常に強い御意見がございます。そういう問題も含めまして、物品税の改正を行なう機会がございますときには、十分検討したいと考えております。
#127
○中村喜四郎君 自治省のほうにお尋ねしたいのですけれども、いまと同じような例で、軽油引取税は、ガソリン税と同じような考え方は成り立ちませんか、いかがでしょうか。
#128
○説明員(石川一郎君) 軽油もガソリンも同じような性格のものでございますので、ただいま大蔵省からお答えしたとおりの考え方を私どもも持っております。道路の目的財源ではございますが、道路を損傷するとか、そういうことと直接関連があるわけじゃございません。現在の軽油引取税は、そういう観点から、たとえば国が使うとか、地方団体が使うとか、そうしたものについても広く負担を求めていこうという考え方でございます。
#129
○中村喜四郎君 船舶とか鉄道あるいは農林漁業用、こういうものに対しては免税措置が行なわれておるわけですから、これらの問題につきましても、それらと並行して――時間があまりたってしまいますから、ひとつ大蔵省とも考え、あなた方も考えまして、先ほどのような公共的な立場からこの問題を御判断をいただきたいと思うのです。
#130
○説明員(石川一郎君) 軽油もガソリンとほぼ同じ考え方をとるべきだと考えておりますので、よく両省で連絡をとって検討いたします。
#131
○中村喜四郎君 それじゃ文部省のほうにお伺いします。時間もだいぶ私取ってしまって申しわけございませんけれども、もう少し時間をお借りしたいと思うのでございますけれども、先ほどから警察庁のほうからの御説明がありましたように、私が質問を投げかけましたように、少年の交通違反というものが非常に多くなっている。警告件数だけでも百十七万六千件という四十年のデータがあるわけです。その中で検挙件数が八十三万八千件、無免許数が二十二万、スピードをオーバーしているのが十八万三千件というような、こういうふうな実態が示しているわけです。しかも冒頭に申しましたように、この交通事故の原因となっている歩行者の違反の状況を見ると、飛び出し、車の直前直後の横断、信号無視、こういうのが非常に多いわけです。さらに、この交通事故の中で、児童の交通事故の痛ましい数が非常に多いわけです。
 それで、その児童の交通事故の状況を見ますと、学校から帰った三時から五時ごろ、五時ごろから六時ごろの交通の被害を受ける児童がきわめて多いということです。しかも、それは、土曜とか日曜とかに、その比率は大きく上がっておるわけでございます。こういう少年の痛ましい事故を考え、あるいは少年の交通違反の実態を考えて、文部省のほうでは交通事故に対してどのような教育態度をとっているか、まずお伺いをしたい。
#132
○政府委員(赤石清悦君) 御指摘のように、学童において交通事故が非常に多うございまして、社会問題になっていることは御指摘のとおりでございます。しかし、教育はなかなか、その教育体系がいろいろ緻密に組み合わせられておりまして、
 いろんな必要な場合に応じて、そのつどそのつど改変することが困難な状況にございます。さりながら、御指摘のように、交通事故から子供を守る、また将来正しい歩行者となり、正しいドライバーとなるための基礎的な教育の重要性は、これはどうしても重要である、こういうことで、数年来教育関係者で検討してまいったところでございます。
 しかし、昨今の情勢にかんがみまして、現在の教育課程において、必ずしも十分交通安全教育がなされない状況にあるにもかかわらず、これをほっておくわけにいかないということで、現在の教育課程の範囲内におきましても、各教科、道徳、特別教育活動、または学校行事等において、若干交通安全教育関係で示された事項を総合修正いたしまして、交通安全指導の教育体系を昨年来検討し、つくったのでございます。
 この目的といたしますところは、特に小中学校の児童生徒に対しまして、危険な交通事故からいかにすれば自己の身を守るかということの教育と、もう一つは、先ほど来御指摘がございますように、その学童が将来成長して、普通のおとなとなり、もしくはドライバーとなったような場合におきまして、交通規則を守り、正しい歩行者となり、さらには御指摘のような正しい運転手、運転者となるのに必要な教育を目標として、この二つをねらいといたしまして、交通安全教育を考え、かつ指導しておるのでございます。これは主として小中学校でございますが、さらに高校生になりますと、御指摘のように、通学途上におきまして、いろいろ自転車なり、もしくは原動機付でございますか、そういうものを利用するようでございますし、また御指摘のような、きわめて残念なんですけれども、交通違反起こす事例もございます。そこで高校生を対象にいたしました指導につきまして、さらに徹底を加えたいと考えております。すでに高校長協会におきましても、この問題を取り上げまして、高校生においてこういう、今度は単にみずからを交通事故から守るだけではなく、さらに加害者とならないような、正しいドライバーとなるための必要な教育を施す、こういう方向に現在相なっております。
#133
○中村喜四郎君 体育局長の理想と信念、念願することはわかりますけれども、現実にこういう問題は差し迫った問題で、ただそういう計画や、こうしたいということだけではならないわけです。私は具体的にお聞きしたいのです。いまのような着想をどう実を結ばせるか、こういう点で学習指導要領の中に安全教育の位置づけはどうやっているか、時間の割り当てはどうやっているか、これをひとつお伺いしたい。
#134
○政府委員(赤石清悦君) 交通安全につきまして特別の教科をつくっておるか、そういうことはなかなか現在の教育体系のもとにおきましては困難なことでございます。先ほど申しましたように、たとえば社会科とか体育科とか、理科とか、あるいは道徳、あるいはまたクラブ活動、もしくは学校行事、安全の日とか、朝会、朝礼等におきまして、総合的にこういう交通安全指導の時間、もしくは指導訓練の機会をつくるように指導はいたしております。大体何時間というふうにはなかなかきめがたいのではございますが、月二時間とか、そういうふうな時間をせめてとって、もちろん学校のいろいろの事情もございますけれども、私のほうのつくりましたこういう交通安全指導の手引きに準拠いたしまして、そういう指導をしてもらうように、特に昭和四十二年度から具体的な指導を展開しているのでございます。
#135
○中村喜四郎君 いまの教育課程審議会で安全教育がどんなふうに取り上げられておりますか、課程審議会のほうでは。
#136
○政府委員(赤石清悦君) 現在、御指摘のように教育課程審議会におきましては、いろんな社会の実態に合いました教育内容を編成すべくさらに検討を進めております。保健体育の面におきましては、御指摘のように、こうした安全教育、交通事故等からの安全教育、あるいはまた学校給食とか、あるいは体育の問題が特に取り上げられておりますが、現在のところ、まだ全部審議が完了いたしておりませんけれども、交通安全教育についてはきわめて各委員とも熱心でございます。ただ、御承知のように、なかなかこういう教育体系はまとめますまでには時間がかかりますので、いま直ちにでき上がるというわけにはまいりません。
 そこで、先ど来から申し上げましたように、現行の学習指導要領からしてでも、これは最大限交通安全指導ができるように私ども解釈いたしまして、そうした方々に分かれております交通安全指導に関するいろいろな指導を、こういう交通安全教育の体系下において指導できる、こういうふうな指針を示したわけでございます。もちろんこういう前提に立って、さらにそれ以上に、現在の教育課程審議会におきまして、一そう交通安全指導につきましての徹底した指導内容が樹立されるのではないかと期待いたしております。
#137
○中村喜四郎君 まあ都会の子供たちの交通事故の状況を見ておりますと、狭い道路で事故にあったという場合がずいぶんあるわけでございます。これは遊び方の問題あるいは遊び場所のないという問題です。昔、私たちの子供のころは、羽子板遊びも、ボール遊びも路上でやったものが、路次がいまはすべて自動車によって、オートバイによって占領されている。こういう遊び場のない実態というものの中で悲惨な交通事故が起きているわけです。児童公園とか児童遊園というのも都市公園法できめられた四分の一程度しか日本全国にないということ、これは私たち政治家の責任ではあるけれども、これらについては政治家として解決していかなければならぬけれども、私が体育局長に念願するものは、学校の開放、校庭の開放、土曜、日曜における開放等についてはこれは十分考慮していただかなければならない問題だと思うのですが、それらについては、体育局のほうではどのように指導しておるか、学校の開放の問題についてひとつお答えいただきたいと思います。
#138
○政府委員(赤石清悦君) いろいろな子供の体育もしくは遊びのために、使われていない場合における学校施設の開放ということは、年来世論として叫ばれた点でございます。ただ、御承知のように、学校を一般社会に開放するということになりますと、学校の管理という問題といつでも対決いたしまして、なかなか困難な事情のあることは申し上げるまでもございません。そこでこれをどうしても進めたいということで、国といたしましても、若干学校開放に必要な補助金、これはまあたいしたことではないと思いますけれども、一面においてそういう補助金も二、三年来から計上いたしておりますし、また、各都道府県におきましても、一番学校開放できめ手は、教員にたよらずとも、だれかが放課後、日曜等におきまして、学校が十分その安全が管理できるという態勢にできるような、だれか人間がそこにおるといったようなことは叫ばれておりますので、そうした特別な人員を配置しまして、学校が一般、広く子供の利用に供せられるような状態にされると、こういう道が徐々に都道府県なり市町村当局によって進められつつあると存じます。もちろんまだ十分な状態にあるとは言いがたいとは存じますけれども、非常に最近そういう機運が醸成されてきておることを御報告できると思います。
#139
○中村喜四郎君 体育局長の学校開放についての管理がむずかしいことはわかります。しかし、わかっても、なおかつ私は子供たちに遊び場所を与えていかなくちゃならない、そういうふうに考えるのです。いまの学校の先生方が時間、教え終われば、あとは宿日直等については他の人がやるのだというこの考え方の中で学校が運営され、管理されている中では、私はとうていむずかしいと思う。したがって文部省としては、いまの交通事故から子供たちを守るという観点から立って、学校の先生方の協力態勢をどう整えていくか、その上で管理態勢をどう整えていくか、あるいは管理者をどう置くか、こういうことは、やはり私は積極的に取り組んでいただく必要があるのじゃないかと、あの広場の中で子供たちがすくすくと伸びることは、遊び場のないアパートの三階、四階の中でじっとしている姿を考えると、私はやっぱり教育的な考慮の上から、あるいは政治的な考慮の上からも、そこらのことは積極的に取り組んで考えるべきではないかと思いますが、この点はお答えいただかなくてもけっこうですから、ひとつ慎重に御検討をいただいて、教育者の皆さん方の御協力、さらにはPTAの御協力をいただくような措置をひとつ御検討をいただきたいと思うのでございます。
 最後に、体育局長さんに、いまのドライバーの問題で、学校の先生方に交通事故、交通違反が比較的多いということはまことに残念なことなんです。某県における実例等を見ましも、ひき逃げをやったり、あるいは酒を飲んで人を殺傷したという事例が幾つか見られることは、これは先ほどの警察官と同じように、教育界に対するきびしい世の中の批判の中から特に取り上げられるものでありますけれども、しかし、警察官で取り上げられたと同じように、自己反省をしておると同じように、私は教育者の交通事故、交通違反の問題につきましては、絶対に起こさないようなひとつ措置、考え方を各県に通達しまして、自粛する態勢、安全教育をする立場の皆さんが、ひき逃げ事故を起こしたということがあったら、百日の説法へ一つということがありますから、どうかそういう意味で、先達として教育界に対しましてもきびしい、そうして強力な指導をなされるよう要請いたします。この点についてはお答えもいただかなくてもけっこうですから、どうかこういうふうに世の中のきびしい批判を受けないように指導をお願いいたします。
 たいへん時間がなくなったのですけれども、もう一つだけ最後に私は総理府のほうにお尋ねしたいと思うのでございます。
 三十五年に交通法が改正になったときに、衆議院及び参議院において附帯決議が付されたわけでございます。そうしてまず総理府あるいは警察庁、運輸省あるいは建設省、それぞれの省が十分な行政的な連絡措置をとって交通安全対策を立てよと、こういうような附帯決議がなされたわけです。それに基づいて総理府の中にも交通安全の協議会が生まれて、閣僚会議が生まれて、そうしてあなた方のように陸上交通安全本部というようなのが生まれたわけですけれども、これらは交通安全に対する総合的な行政指導をやているはずと思うのでございますけれども、私どもの目に写るところ、何かその実績、その行動力というのが具体的に出ていないように思うのですけれども、たとえば閣僚会議あるいは協議会というものは、年間どのくらいずつ開かれて、どんな具体的なことをやっているか、ちょっとお知らせ願います。
#140
○説明員(日出菊朗君) お答えいたします。
 政府における交通安全施策につきましては、御指摘のとおり、現在総理府に設けられております交通対策本部を中心にいたしまして運営いたしております。この交通対策本部は、総理府の総務長官が本部長でございまして、交通に関係のある関係省庁の事務次官が部員となって構成されております。さらに関係各省庁の局長クラスをそれぞれの要員といたしまして、いわば下部機構として幹事会を設けて、具体的な安全対策を推進いたしておるところでございます。さらに、高度の重要な案件につきましては、交通関係閣僚協議会におきまして、それぞれの施策につきまして、御審議を願い、方針をおきめいただいておるところでございます。
 最近におけるおもなる仕事の内容につきましては、たとえば、昨年の十二月の初旬に、愛知県の猿投におきまして、園児等が大型ダンプカーによる大きな被害を受けた事件が発生いたした事情にかんがみまして、交通対策本部決定といたしまして、昨年の十二月二十日には、大型自動車による事故防止等に関する特別措置についてと、こういう本部決定がなされております。さらに、この本部決定は、交通関係閣僚協議会におきまして、了解を得ておるわけでございます。
 したがいまして、この一例として、どんなことをやっておるかということを申し上げますと、ただいま申しましたダンプの規制に関する特別措置につきましては、交通安全施設等整備事業三カ年計画による事業の実施の促進、これをまず第一にやるところでございます。さらに第二といたしまして、大型貨物自動車に対する取り締まりの徹底等、これは、緊急に措置を要するので、直ちに関係各省庁においてお願いいたしておるところでございます。さらに第三点といたしまして、学童の事故防止の徹底と、こういうことで、この三つの柱を中心にいたしまして対策を進めてまいったわけでございます。
 で、その結果といたしまして、二月の十三日には、学童・園児の交通事故防止の徹底に関する当面の具体的対策について、という、こういう交通対策本部の決定をいたしておるわけでございます。これは、先ほど申しました、大型自動車による事故防止等に関する特別措置に基づきまして、交通対策本部の中に学童事故防止対策専門部会を設けまして、この専門部会におきましていろいろ検討いたしました具体的内容を関係各省庁に指示
 いたしまして、御協力願っておるところでございます。
 さらに、ことしの四月一日には、御承知のとおり、大阪の泉南町における南海電鉄の踏切事故が発生いたしたわけでございます。こういう重大なる踏切事故防止にかんがみまして、踏切事故防止対策の強化についてという交通対策本部決定をいたして、これまた、具体的に内容を関係各省庁と検討いたしまして、それぞれ、御協力をお願いいたしまして、ただいま実施いたしておるところでございます。
 さらに……。
#141
○中村喜四郎君 ちょっと待ってください。あなた方の交通対策本部が、三十五年から、改正のとき附帯決議をかけられて、具体的にどういうことをやっているかということをたくさんお聞きしたいのですけれども、ひとつ資料をいただけませんか、そうして私検討をいたしまして、あなたのところへ疑問とするところはお尋ねに行きますから――時間が長くなっておりますものですから、資料をいただいて検討するということにいたしたいと存じますが、それでけっこうでございます。
 ちょっと最後に、いろいろ私、具体的な問題その他についてお尋ねしましたが、交通安全の問題は非常に、どれを取り上げてもむずかしい問題ですが、いわばガードレールをつくり、横断歩道をつくり、あるいは踏切を整備するだけでは、日本の交通安全というのは確保されないわけでございます。問題は私はドライバーの人、この取り締まりだけではなく、人だと思う。その人の国民運動を展開することについては、きょう御出席の各省庁とも十分ひとつ御検討をいただきまして、私ども政治の場においても、これを十分検討したいと思いますが、ひとつさらに交通安全の前進のために御努力をお願いしたいのでございます。
 特に私は、警察庁長官には、今度の交通法の改正については反対論もありますし、それぞれありますけれども、私は冒頭に申し上げました、現実の情勢からいけば、これは最低限度のものである。さらにこれは整備強化していかなければならない問題が数々あろうと思うのです。警察官が権力主義になるとかワンマンになるとか、ファショになるとか、こういうことが言われますけれども、私は逆に、この交通法の生まれ出ることによって、警察官の仕事が、第一線の人たちの仕事が非常に過重になってしまうのではないか、精鋭の取り締まり官が、事務もやらなければならない、反則制度の問題等々も考えますと、非常に気の毒に思うくらいです。しかし、これは、交通安全の問題は緊急を要する問題ですから、ひとつこの法の趣旨が曲げられないように、全警察官に対して教養を豊かに、取り締まりが教育的に、しかも安全が確保されるようなひとつ対策を特にお願いしまして、長い質問でありましたけれども、終わらしていただきます。
#142
○理事(吉武恵市君) 本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
#143
○理事(吉武恵市君) なお、参考人の出席要求についておはかりをいたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○理事(吉武恵市君) 御異議ないと認め、さよう決します。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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