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1967/07/19 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第25号
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1967/07/19 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 地方行政委員会 第25号

#1
第055回国会 地方行政委員会 第25号
昭和四十二年七月十九日(水曜日)
   午前十一時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月十八日
    辞任        補欠選任
     宮崎 正雄君     三木與吉郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         仲原 善一君
    理 事
                林田 正治君
                吉武 恵市君
                占部 秀男君
                原田  立君
    委 員
                岸田 幸雄君
                小柳 牧衞君
                高橋文五郎君
                津島 文治君
                林田 正治君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松本 賢一君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       警察庁長官    新井  裕君
       警察庁長官官房
       長        浅沼清太郎君
       自治省財政局長  細郷 道一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       警察庁交通局交
       通企画課長    片岡  誠君
       警察庁交通局交
       通指導課長    綾田 文義君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○ボーリング課税撤廃に関する請願(第一一号)
○軽油引取税の減免に関する請願(第九四号)
○社会保険(厚生省)関係等の職員を国家公務員
 (地方事務官)から地方公務員とすることに関す
 る請願(第一一五号)(第二三〇号)
○昭和四十二年度における地方自治体財源の確立
 に関する請願(第一一六号)(第二二九号)
○地方公務員の定年制実施に関する請願(第一七
 一号)
○町村財源の強化による財政確立に関する請願
 (第一七二号)
○退職地方公務員の共済年金等の格差是正に関す
 る請願(第三一三号)(第三一四号)(第三一五号)
 (第三一六号)(第三一七号)(第三一八号)(第三一
 九号)(第三七八号)(第三七九号)(第三八〇号)
 (第三八一号)(第六七五号)(第六七六号)(第六七
 七号)
○共済組合制度の整備改善に関する請願(第三四
 八号)
○特別区の区長公選制及び自治権拡充に関する請
 願(第四九二号)
○零細所得者に対する個人事業税の軽減措置等に
 関する請願(第六九七号)
○地方公務員の給与改定に必要な財源措置に関す
 る請願(第八七三号)
○実用衛星センターに付随する公共事業予算の特
 別措置に関する請願(第八八三号)
○名神高速道路用交通警察費の全額国庫負担に関
する請願(第一〇〇〇号)
○行政書士の既得権の保護に関する請願(第一〇
 二八号)
○千葉県内の有線放送電話に対する国庫補助等に
 関する請願(第一〇六六号)
○戦傷病者に対する地方税の減免等に関する請願
 (第一四五二号)
○特別区の区長公選制復活に関する請願(第二〇
 六五号)
○市町村が行なう有線放送電話に対する助成拡充
 等に関する請願(第二一六三号)(第二四六〇号)
 (第三一九三号)(第三二四二号)(第三三二六号)(第
 三六二二号)(第三六五九号)(第三七四二号)(第
 三八三三号)(第三八三四号)(第三八三五号)(第
 四〇一八号)(四〇八六号)(第四〇八七号)(第四
 一四五号)
○市町村自主財源の充実に関する請願(第二四五
 二号)(第二四五三号)(第三三七一号)
○公共用地の先行取得のための起債わく拡大等に
 関する請願(第二四五四号)(第二四五五号)(第
 三三七二号)
○交通反則通告制度反対に関する請願(第二七七
 七号)
○交通反則通告制度反対等に関する請願(第二七
 七八号)
○地方公務員等の退職年金、恩給のスライド制早
 期実現等に関する請願(第二八八六号)(第三三
 二七号)(第三四五二号)(第三四五三号)(第三四
 五四号)(第三四五五号)(第三四五六号)(第三四
 五七号)(第三四五八号)(第三四五九号)(第三四
 六〇号)(第三四六一号)(第三四六二号)(第三四
 六三号)(第三六五八号)(第三八三二号)(第四〇
 八五号)
○東北管区警察学校移転促進に関する請願(第三
 一五四号)
○東京都豊島区旧高田本町一・二丁目の住居表示
 変更に関する請願(第四〇八一号)(第四〇八二
 号)(第四〇八三号)(第四〇八四号)
○住居表示に関する法律改正に関する請願(第四
 一一一号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は御発言を願います。
#3
○加瀬完君 警察庁に伺いますが、おたくのほうからいただいた資料によりますと、普通乗用車相互間の事故が一万三千八百二十件、原付二種と乗用車の関係が一万千九百八十五件、普通貨物が一万三千六百三十三件、普通貨物車相互が八千九百六十八件と、非常にいま申し上げたような車の事故が多くて、普通私ども一が認識をしております大型相互の件数というのはきわめて少ない、このように統計の上からは見受けられるわけでございますが、そのとおりでございますね。
#4
○委員長(仲原善一君) 政府委員の方に申し上げますけれども、お暑いですから上着はおとりになってけっこうですから、どうぞ。
#5
○説明員(片岡誠君) そのとおりでございます。
#6
○加瀬完君 今度の道交法の改正というものの目的は、また別にあるわけでございますが、現状におきまして、いわゆるオートバイといったようなものに対する交通安全上の規制というのは非常にゆるいと思われますが、いかがですか。
#7
○説明員(片岡誠君) オートバイに関しましては、ほかの車と同じように規制はいたしておると思います。
#8
○加瀬完君 事故の原因は、原付二輪車というのが非常に多いわけです。ですから事故を防ごうと思えば、事故を多く起こしているものに規制がきびしくなければならないわけです。普通と同じではますます事故はいまの状態が助長されるということにもなるわけでございましょう。その点を同って治るわけです。
#9
○説明員(片岡誠君) 御承知のように、オートバイは自動車と違いまして、体を露出して運転をいたしております。したがいまして、事故を起こしました場合に、死傷する率が非常に高うございます。私どもといたしましては、事故原因になると同時に、乗っている人自身の生命を守り、けがをしないようにという意味で、御承知のようにヘルメットをかぶらす法規制をいたしまして、現在まだそれが高速道路と自動車専用道路だけでございますけれども、指導として各県ではヘルメットをかぶる運動を相当やっております。近い機会に政令改正いたしまして、ヘルメットをかぶって運転する道路の区間をもっと広げまして、ヘルメットをかぶることによって死亡事故を減らしていくということをやっていきたいと思っております。
#10
○加瀬完君 それから事故原因を調べますと、酔っぱらい、それから規則違反といいますか、そういうものが非常に多い。その中でも未成年の酒酔い運転というものが非常に多いわけです。これは年々増加しておりますね。これは交通局の対策だけではどうにもならないわけでございますが、むしろ法務省あたりに聞かなければならぬわけでありますが、未成年者の飲酒というものに対する取り締まりといいますか、規制というのが非常にルーズだと思いますが、この点は長官でもけっこうでございますが、いかがですか、自動車事故の一番大きな原因になっておりますので、年々それが累増されております。その点をお伺いします。
#11
○政府委員(新井裕君) 未成年者の飲酒は、喫煙とともに相当早くから法律的には規制されておるわけでございますけれども、確かに御指摘のように、単なる取り締まりだけでこれは防遏すべきものであるというよりは、社会的な風潮でございますので、今後の問題として、私どもは成年をも含めまして、酒に酔って運転をするということを重点的に取り締まりをしてまいりたい。加瀬委員の御質問は、その根源にさかのぼって、酒を飲むことそれ自体をもっと取り締まれという御意見かと思うのでありますけれども、これは法律があり、罰則があるからといって、それだけでは片づかない問題で、もう少し社会風潮として、そういうことをさせない運動というものを起こさなければならないんじゃないかと思っております。
#12
○加瀬完君 確かにそれはありますけれども、交通事故の原因調べによりますと、未成年者の酒酔い運転というものが激増しているわけですね。だから未成年者の飲酒というものを社会教育の上からだとか、青少年の指導保護の面からということもあり得ますけれども、交通事故を少なくするという目的からいっても、もう少し重点として取り上げなければならぬ私は問題だと思うのです。体長さん、この点はいかがですか。
#13
○説明員(片岡誠君) 確かにやはり仰せのとおりだと思います。第一線でも酒酔い運転による事故を防止するために、特に若い人たちの酒酔い運転による事故を防止するためにいろいろの手を打っております。たとえば、よくございます大工さんだとか、棟上げの上棟式をいたします場合に、いままでであれば酒を出しておる。それを出さなくて、びん詰めの酒を出して帰らすとか、あるいはドライブ・インで酒を売ることを自粛さすとか、いろいろその土地土地の実情に合った対策を現在いたしております。
#14
○加瀬完君 いたしておりますと言われれば、いたしておりませんとも言いかねるわけでございますけれども、どうも私はゆるい、未成年者の酒酔い運転に対して若干のいまお話をいただいたような規制はあっても、未成年者の飲酒というものに対して非常にゆるいと思うんですよ。そのずさんさから、そのままそういう状態で車に乗る。ですから事故が非常に激増しておりますね。毎年上がっておりましょう。こういう点が、ひとつやはり考えなければならない点じゃないかと思うわけでございます。
 まあ財政局長瀞見えのようでございますが、問題は、どんなに規制したところで、法律の規制だけで道交法の目的が達しられるわけではないと思うのですね。まあ警察庁からいただいた資料によりましても、国道が表側よりはだんだん裏側、大都市よりは近郊の都市、こういう形に事故が移動をいたしておりますね。そして飛び出しとか遊戯中とかいうようなものが多くなってまいりますと、これは法律規制だけではどうなるわけでもないわけです。ですから、その点やはり今度百四十億ですか、反則金をそういう安全施設の財源にするということでございますが、それだけで道路の状況が、あるいは安全施設が完備するにはほど遠いと思うんです。そこで私はちょっと調べたわけでございますが、いま国道と元一級国道あるいは二級国道、それから主要府県道、それから市町村道というように分けますと、一体道路の全体の費用並びに安全施設に対する費用というのが、一キロ当たりどういう割合になっているか、おわかりですか。
#15
○政府委員(細郷道一君) ちょっとキロ当たりというのを持っておりませんが、四十一年度におきます交通安全対策費の地方におきます決算の見込みを見てまいりますと、都道府県分が約百二十億四千五百万、市町村分が百二十四億三千八百万、こういうことになっております。そのうち道路の分につきましては、都道府県が約七十二億、市町村が約八十億というようなことになっております。交通安全対策のための施設といたしましては、いろいろ省庁の所管によりまして、たとえば信号機は警察の所管であるといったようなことから、府県の費用に含まれておると思いますが、道路の部分に関しましては、おおむねそれぞれ管理者別に施設をする、こういうふうに見てまいりますと、四十一年の安全施設費の実際の決算見込みというものでは都道府県が七十億、市町村分が約八十億、こんなような見当になっております。
#16
○加瀬完君 私の調べによりますと、元一級国道の整備事業費は一キロ当たり千五百六十九万円、主要地方道が二百四十七万円、一般地方道が六十六万円、市町村道が一万七千円という数字になるようです。さらに安全施設の費用を見ると、元一級国道が一キロ当たり六十六万円、主要地方道が十三万円、一般地方道が三万円、市町村道になりますと二千六百円という計算になるわけです。市町村道は安全施設を必要としないところも多いかもしれませんけれども、また道路の総キロ数が多いわけでありますから、安全施設を必要とするところも逆に多いということも言えるわけです。路地とか市町村道に事故が多いということになりますれば、これは市町村道は、安全施設だけでなくて、道路そのものを改造する、それに安全施設を加えていかなければならないというふうに、この交通安全の対策の費用というものは、地方のほうがむしろ比率を見れば、よけいかかるということに私はなると思うのです。しかしそういう財源は、この反則金だけでは出てこない。これは自治省の問題だけでは解決できませんけれども、なぜガソリン税とか国税であるものを、安全施設なら安全施設あるいは安全施設のための道路整備なら道路整備というものに、もっと流せないか、そういう目的税というのは、国道にばっかり使われておったり、あるいは特定の道路ばっかりに使われておって、一般の重要市町村道という、ことばはないかもしれませんけれども、交通安全の上で重要と思われる市町村道には、そういった特別な財源というのは一つもないというところに、私は根本的な問題があると思うのです。ですから、反則金をこれから充ててまいりましても、反則金が一体何年間重なれば、問題の安全施設が地方にできるかということになりますと、ちょっとこれは七、八年というところで、どうやらこうやらという点には計算上なりません。どうしても特定の財源を必要とすると思いますが、この点は御所見はいかがですか。
#17
○政府委員(細郷道一君) 御承知のように、道路の総延長は約九十万キロぐらいあるわけです。そのうちの国のいま持っております交通安全三カ年計画で指定をしております路線は約五万キロでございます。したがいまして、それ以外のいわゆる地方道に交通安全施設が必要であるということは、その度合いはともかくとして、十分そういった点からうかがわれるわけでございます。そういう意味合いで、今回こういった反則金収入を地方の単独事業、いわゆる国の安全計画によって補助事業として行なわないものに充てていきたい、こういうふうにいたしておるものでございます。
 もちろん交通安全につきましては、安全施設だけでなく、おっしゃるように道路の整備というのが基本の問題でございます。これにつきましては、かねてから申し上げておりますように、地方におきます道路財源の充実ということに、なお一そうの努力をいたしたいと、こう思っております。
#18
○加瀬完君 ずさんな計算でありますが、私の計算によりますと、この反則金の財源と現状でね、交付税の算定の内容とか、あるいは補助金とか、こういう特定財源というものを入れても、二十年かかりますね、地方道に安全施設というものを一応完備するために。ですからね、反則金を設けて、それを地方の財源にするというのは、一歩前進ですが、それだけで解決できるという問題じゃない。だから、交通安全問題というものを解決するとすれば、反則金を地方にやるから、これで一応の解決だということにはならないという、私は断定は下せるだろうと思う。もっと財源を流さなければどうにもならない、その点はお認めになりますか。
#19
○政府委員(細郷道一君) 今回の反則金は、一応年間百四、五十億を見込んでおります。法律にも、当分の間これを地方の交通安全対策費として出す、こういうように仕組んであるわけであります。何年間やったら地方の交通安全施設ができるか、整備されるかということは、いろいろやはりこれからスピードのふえ方もまた変わってきましょうし、また人の集中度合い、あるいはそこにできます施設の状況、そういったようなことから、交通安全施設自体もだんだんと進化していくべきではなかろうか、いろいろ変わっていくのではないだろうか、そういうふうに考えておりまして、そういう点で、当分の間というふうにいたしておるわけであります。
 しかし、現在非常に緊急に交通安全施設を整えなければならぬという事態から、先般国会におきましても、通学路でありますとか、踏切道の緊急整備の法律が成立を見たようでございます。こういった緊急事態のものを処理するのには、いま申し上げました反則金収入だけで、さしあたってもなかなか私は十分でないと思っております。したがいまして、あの法律の中にありますように、いずれ地方から積み上げた需要額が出てまいりますれば、それにおいて、国においても措置をしなければならぬでありましょうし、それに対応する地方の財源もそれぞれ措置をして、その実行ができるようにやってまいりたいと、かように考えております。
#20
○加瀬完君 これは私どもも責任がありますが、政府も地方自治体も、交通の安全性というものに対する、現在問題になっている焦点のつかみ方というものが私は不確実だと思うんですよ。たとえばいまお話しの踏切道なんかというものの整備というものを取り上げておりますが、踏切における事故というものは、交通事故の中の比率は非常に低いわけです。大きな事故がありますから、新聞には大きく取り上げられたりなんかしますが、件数からいえば、あるいは死亡あるいは負傷した者の人数というものから見れば少ないわけです。裏道で子供が遊戯中に事故を起こす、あるいは特定の財源の対象にならないような道路での事故というものが非常にふえておる。またそういう問題を解決するためには、私は反則金を財源とするだけでは、道路交通の安全の目的を達することにはほど遠い、こういう点は御認識をしていただかなければならないと思うわけです。
 で、政府として根本的な安全対策というものは、反則金だけを地方に流せばそれで事足りるということには絶対ならないという点を、これはお認めいただかなければならないと思うわけです。それで、交通安全というものを考えますときに、もっと総合施設というものが必要になってくるのではないか、たとえば取り締まりで問題の解決をされるパーセンテージというものは非常に低い。これは警察庁もお認めになっておる。取り締まりで解決できない問題は、どうして解決するかといったら、これは交通安全のための総合施設というものを、もっと政府が本腰になって考えなければどうにもならないのじゃないか。
 たとえば、社会運動として、ちびっこ広場とか、いろいろ行なわれておりますね。遊び場というものがないために道路で遊ぶ、あるいは道路にかけ出したりして事故になるわけですね。そうなれば、子供の遊び場というものも問題になってくる。あるいは、通学路の問題が今度法律で出されるようでありますが、通学路の問題にしても、ああいう法律を出したって、あれだけでは解決のつかないような道路条件がある。この道路の改良をどうするか、いろいろの問題があるんですよ。こういう総合的な問題は、警察庁だけではどうにもならないことでございますので、自治省としても、特に地方道に対しましては、応分の御研究と御対策をお願いしなければ、どうにもならないと思うのですが、この点は、今後そのような方向で御研究をし、地方に対して交通安全に対する財源の裏づけもいろいろと研究をしてやろうというお考えであると了承してよろしゅうございますか。
#21
○政府委員(細郷道一君) おっしゃるとおり、交通安全の完ぺきを期するには、やはり広く社会環境をよくするということが必要であろうと考えております。したがいまして、それには政府の関係各省におきましても、それぞれの立場で、その充実に向かわなければいけない、こういうふうに思っております。
 自治省の私どもが所管しております範囲内におきましても、今回のたとえば通学路の法律等におきましても、市町村、府県、そういった地方のほうから必要なものを積み上げてくるというのは、実は私どもが政府部内で主張をいたした点でございます。そういった事態に合ったような計画のもとで執行をはかり、それに応じた財源も考えていく、こういう行き方をとって、おっしゃるような意味での前進を期してまいりたい、かように思っております。
#22
○加瀬完君 最後にひとつ。そうすると、そういう方法をとりたいので、県を何して、市町村の交通安全施設としてさっそく必要な問題点を県あたりに集めさして、それを自治省が全体を掌握して、何か財源的措置その他の対策を考えるような、その前段の状況あるいは要望を集めるように、府県に依頼をするような作業をお取り計らいいただけますか。
#23
○政府委員(細郷道一君) 先般成立した法律は、御承知のとおり八月末日までに市町村で市町村道を中心にした計画をつくる、それから九月末までに府県を中心にして府県道並びに管下の市町村道を合わせたものの計画をつくる、それを十一月末に政府でそれぞれの所管省が寄って計画の閣議決定をしたい、こういうような内容のものでございます。それによりまして、地方の実態に合った事業量というものをとらえ、それに対応する財源措置を講じていきたい、かように考えております。
#24
○加瀬完君 悪いですけれども、それはできた法律の裏をとるだけのことですね。新しくどういう対策を立てなければならないかということであれば、もっと地方の直接の、先ほどの御説明によりますと、要望というものをもっと政府なり自治省なりが受けて立つという方法をとらなければどうにもなりませんね。問題がある、問題の一部分を解決する法律をつくる、その法律の一部分をまた解決する対策を地方から集めていくということでは、この問題の解決にはならないと思うわけです。私がいろいろ申し述べましたような点を御考慮をいただきたい。要望を申し上げまして、質問を終わります。
#25
○松本賢一君 もう大体各委員さん方から質問が出尽くしてかりますので、簡単に一つ、二つお聞きしておきたいと思いますが、いまお話が出ておりましたので、それに関連してひとつお尋ねするのですが、交通安全対策の交付金というものは、これはいわゆる基地交付金みたいな助成交付金なんですか、それとも普通の交付金なんですか。つまり交付税の算定の基礎になるのか、それから全く除外されるまるまるの地方自治体の収入になるのか、そういう点ひとつお聞かせいただきたい。
#26
○政府委員(細郷道一君) いま考えておりますのは、今回の反則金収入による交付金は、目的を縛っておる関係もございますので、交付税の収入算定はいたさないでまいりたい、かように考えております。
#27
○松本賢一君 というと、いわゆる基地交付金のようなものになるわけですね、地方自治体からいうと。
#28
○政府委員(細郷道一君) 国から地方へ交付されるという意味で交付金でございますが、基地交付金は、御承知のように使途がきめられておるというようなことでなく、いわゆる一般財源的なものになっております。こちらのほうは御承知のような交通安全対策に使う、こういうふうになっておる点が違うと存じます。いまひとつは、額も非常に総額として違っております。そういった意味で、これのほうが交通安全対策費としては効果があろう、こう思っております。
#29
○松本賢一君 同じことを聞くようですが、目的はきまっているけれども、金の入り方としては、つまり普通の税金なんかの入ってくるときには、それが七割ですか、交付税の基準財政収入に計算されて、地方自治体側からいうとまるまるの収入は三割しかないということを俗に言うのですが、そういった性格のものじゃない、十割の収入になる性格のものなんですか。
#30
○政府委員(細郷道一君) 基準収入に入れませんから、そのもの自体が財源になると思います。ただ、御承知のように、基準収入に入れた場合は、それに見合いの財政需要を立てるという問題が別個にあるわけでございます。
#31
○松本賢一君 それからこれは自治省の方にお尋ねするより、むしろ建設省の方に……。おわかりならちょっとあれしてもらいたいのですが、この間国会通過した通学路に係る交通安全施設等の整備の特別法ありましたね、この間通過した。あれと、それからいわゆる三カ年計画というのありますね。これとの関係、ここらのところを大まかに説明していただければと思います。
#32
○政府委員(細郷道一君) この間の法律は、御承知のように学校周辺の通学路の安全を確保するということが一つと、いま一つは踏切道の整備をしたい、特に道路側の面において整備をしたい、この二つが中身になっておるわけです。現在ございます交通安全三カ年計画では、踏切道は含まれておりません。通学路に当たるほうの施設につきましては、その施設がいろいろ、具体的にはたとえば信号機の設置であったり、あるいはガードレールの設置であったり、歩道橋をかけるという問題であると思いますが、そういう種類のものはいま安全計画に入っておるわけでございます。しかし、先ほどお答えいたしましたように、これを集めてみますと、どれくらいの規模になるかということは、いまちょっとわかりませんので、全部集めて政府でそれをまとめた実施計画にする際には、要すれば安全三カ年計画を一部修正をするというようなことも考えられると思います。
#33
○松本賢一君 そうすると、あの法案に対する財源として約三百億ということがうたわれておりましたが、そうすると三カ年計画、あれは現在のところ約六百億ですか、この六百億とあの三百億というものとは、ある程度重なってしまうことになるわけですか。
#34
○政府委員(細郷道一君) 三カ年計画は事業量にして六百億、四十一年が約百億、それからことしの四十二年度が二百五十億、四十三年度が残りの二百五十億、一応こういう予定をいたしておりまして、ことしの二百五十億分につきましては 国においてもそれ相当の額の措置をいたしまして、また地方におきましても、先般御審議をいただきましたように、交付税算定等におきまして、その地方負担を完全に見るように実はいたしたわけでございます。
 ただ、先ほどお話の出ておりました今回の法律によって、実際の事業量というものが出てまいるわけでございます。その事業量を、あの法律は御承知のようにことしと来年の二カ年で整備をしていきたい、こういうふうなことになっておりますので、出てまいりました事業量を、本年の残りの期間内及び来年度においてどういうふうに当てはめていくかということが必要になるわけでございまして、その際は、必要があれば、先ほど申し上げましたように、安全三カ年計画というものを一部改定をしてやっていく、あるいはまた、これはこれで別個に、安全計画の外にはみ出た分は別個のものとしてやっていくか、それはなお事業量を見た上での検討問題でございますが、実質的には改定をされて、それだけ増強されるということになろうと思います。
#35
○松本賢一君 それからこの三カ年計画なり、それから新しくできた通学路の安全施設の整備法による事業、こういうものの財源と、先ほどの交通安全対策特別交付金というものとは、どういう関係になるわけですか。
#36
○政府委員(細郷道一君) 今度出てまいります通学路等の事業計画をとってみないとわかりませんけれども、その中には国の補助対象にすべき事業と地方単独にすべき事業と分かれてまいると思います。その際に、今回の交付金は地方の単独事業に充てるということにいたしておりますので、単独事業の部分につきましては充てていく、こういうことになります。
#37
○松本賢一君 そうすると、単独事業は単独事業として従来どおりのような財源措置を考えていく、そしていまの特別交付金のほうは、それ以上に地方自治体が必要に応じて何かを交通安全のためにやるということにするような、私は希望的な観測を持っていたのですが、そうじゃないのですか。
#38
○政府委員(細郷道一君) 現在の交通事情にかんがみまして、交通安全対策施設費を充実したい、いま以上に充実をしたい、そういう気持ちがございまして、今回の反則金につきましても、国の補助事業の裏負担には充てない、地方の単独事業に充てる。それは各地方団体が従来も地方の単独事業をやっておったわけでございますが、それにさらにこの分が上乗せになるように私どもとしては指導してまいりたい、こういう意味で反則金収入は特に増強充実の種になる、こういうふうに考えております。
#39
○松本賢一君 ですから、いま上乗せになるということは、そうすると、その三カ年計画なり、今度の新しい法律なりによって計画される単独事業というものは、この特別交付金はないものとして一応財源措置を考えていく、そしてその上乗せになることを、何か地方自治体が独自に考えてやっていくということができるような財源になるという意味でございますか。
#40
○政府委員(細郷道一君) そういう考え方でございます。
#41
○松本賢一君 それじゃひとつ確認さしてもらいます。
 それから、警察のほうにお尋ねしたいのですが、きのう鈴木さんから質問がありました積載量の超過の問題で、雇い主側のほうにも同一の責任があるのだから同一の、何というか、体刑なら体刑、罰金なら罰金というものを考えるべきだという議論があるわけです。これに対して、いまの命令を下して実際にやった場合には、これは教唆ということになるのだから、同罪もしくはそれより重い取り扱いを受けるということをおっしゃったのですが、そのいままでの実例を一、二示してもらいたいと思うのです。
#42
○説明員(綾田文義君) 長崎県でのこれは処分結果が出た例でございますが、運行管理者が積載の下命をしまして、そして運転者が実行しまして、そして運行管理者も運転者も罰せられたわけですが、運転者は三人おりまして、おのおの罰金三千円、四千円、五千円、運行管理者は一万五千円の罰金を課せられたという判決がございます。それから同様な例も大阪あるいは兵庫におきましてあったという報告が私どものほうへまいっております。
 ただ、体刑につきましては、さっきも申し上げましたように、今度初めてつけるものでございますから、積載につきましてはそういう体刑の例はございません。それからさらに一般の教唆、幇助につきましては、一番多いのは無免許の下命容認でございますが、無免許の下命容認に関する教唆につきましては、雇用者あるいは運行管理者が体刑になっておる者もございます。ただし、その場合には、大体道交法違反だけではなくて、道路運送法の無許可営業とか、ほかの特別法犯との併合罪でございますけれども、そういう実例は相当たくさん報告がまいっております。
#43
○松本賢一君 その点は了解をいたしましたが、反則金の問題につきましてちょっとあれですが、これは反則金はいろんなことがあげてありますが、事故を伴った場合には、もう一切反則金の取り扱いはしないで、従来どおりの、何というか、刑事になっていくわけですか。
#44
○説明員(綾田文義君) はい、そのとおりでございますが、たとえば信号無視をして事故を起こした。とにかく信号無視が何らかの原因になって事故が起こったという場合には、すべて本制度に乗りません。ただ、その場合には、道交法違反である場合と、人身を伴いますと、業務上過失との併合罪というふうになる場合が多かろうと思います。この制度に乗っておりません。
#45
○松本賢一君 そうすると、どんな、何というか、軽微な違反であっても、その反則金制度の中へは入らぬということなんですか、事故を伴えば。
#46
○説明員(綾田文義君) 事故を伴うという、酔って事故を起こした場合、たとえば免許証不携帯の者が事故を起こしたという場合には、通常の場合には不携帯が事故の原因になるという場合は大体ないわけでございますから、ほとんどまあ、あるいはそれは不携帯で、非常に警察官にいつつかまるかもわからぬと思って、ひやひやしておって事故を起こしたという場合もあるかもしれませんけれども、そういう場合でも、大体の場合はこの制度に乗るようになると思います。しかし、その違反が一つの原因であったという場合には、この制度に乗りません。
#47
○松本賢一君 どうもあんまり結果にとらわれ過ぎているような――大体この法律は私はそんな感じがするのですがね、結果にとらわれ過ぎているような。もう、そうすると駐車違反のような場合、ちょっとやって、そこにあったために、その車がなければ事故が起こらなかったけれども、その車がそこへとまっていたために事故が起こったという判定をされる場合には、これはやっぱりそういうことになるわけですか、反則制度の中へは入らないで、もう罰金になっちゃうという、そういうことになるわけですか。
#48
○説明員(綾田文義君) 駐車の場合は、普通駐車をしておって、そうして車がうしろから追突したという場合には、追突した運転者が、普通いわゆる安全運転義務、前方不注視という過失によって事故を起こした場合で、その場合は駐車は原因にならないと思います。
#49
○松本賢一君 こまかいことを言うようですけれども、多少原因になる場合もあるでしょう。ここにいた場合に、駐車している車の前かうしろを飛び出したり何かしたようなときに、その車がなければよく人は見えるのだけれども、その車があるために見えなかった。駐車しちゃいかぬところへその車がとまっていたんだと、これは明らかに原因になるのじゃないかといったような場合もあるんじゃないですか。あんまりこまかいことを言うようですけれども、どうでしょうか。
#50
○説明員(綾田文義君) そういう場合は、非常にまあ微妙な問題がありますので、これはどちらに過失があったかというのは、事故の判定の上において非常にむずかしゅうございます。やはり個々の具体的なケースについて判定を下すよりほかないと思います。一般的には言えないのじゃないかと思います。
#51
○松本賢一君 それから、これはこの前本会議で質問したのですが、反則金の中で相当われわれ常識で考えると大きな違反ではないかと思われるようなものが、この中に取り入れられていると思うのです。たとえばスピード違反の、きのうも鈴木さんの質問にもありましたけれども、二十五キロなんというようなものになってくると、これは相当抵抗を感じると思う。積載量も無制限にオーバーしても、一回限りだったら反則金でいくというようなことであって、それが双方が同時に、倍の荷物を積んで、二十五以下のスピードオーバーであったら、これも一回限りでは反則金だというような、これもちょっと常識で考えたら非常に大きな違反だと思われるようなものがこの中に取り入れられておるという点に、われわれ非常に抵抗を感じるのです。
 この前本会議で質問したのですけれども、そういう点どうしてこういうことになったんですか、ひとつうがって考えると、統計数字を見ますと、スピード違反、非常に数が多い、数が多いからその大部分をこれで片づけてしまおうということになると、そんなところまで持っていかなければならぬということになるのですけれども、そこはもう少し慎重にやらなければならなかったのじゃないかと思いますが、その点ひとつ大臣なり長官なり、課長さん、皆さんの御意見を伺ってみたいと思います。
#52
○説明員(綾田文義君) まず事務局の検討の過程を申し上げますと、先生もおっしゃるようなことは、われわれも非常にこの案をつくる事務的な段階において、長い間検討をしまして苦しんだ問題でございます。特にたとえば過積載の場合は、十割以上はいきなり刑罰にしたらどうかという案を立案の過程にありましたけれども、それからスピード違反につきましては、あるいは二十キロという意見もありました、あるいは三十キロという意見もありまして、いろいろ検討したわけですが、一応まあスピード違反について簡単に御説明いたしますと、これは、私が申し上げるまでもないことでございますけれども、スピード違反がなぜ危険かというと、これはまず第一には衝突した場合の破壊エネルギーというものが、スピードの自乗に比例して大きくなるわけでございます。それから停止距離、停止距離も同様にスピードの自乗に比例して長くなる。また、ハンドルを切るという場合に、やはりスピードの自乗に比例して遠心力を増しますために、非常にハンドルが切りにくくなるということ。それからもう一つは、車の流れを著しく乱して、非常にまあ危険であるという、この二つの危険性がスピード違反にはあるわけでございます。そういう観点から私どもの科学警察研究所のほうにも依頼いたしまして、まあ専門家の、技術家の人に検討してもらったんでございますが、大体六十キロの場合を考えますと、これは専門的で私もあれでございますが、二十五キロ増した場合に運動エネルギーが大体倍になるわけでございます。それから大阪、東京等の交通スピードの測定を各路線についてやりますと、大体まあ二十から二十五が、あるいは二十五以上が非常にだんだん少なくなって、やはり著しく車の流れを乱すような車がそれであるということがわかったわけでございます。
 それからまあ運転者自身につきましても、実際道路環境とか天候などの環境の変化に基づきまして、運転者が感じている速度と実際の速度の誤差というものは、大体二十から二十五キロのところである。追い越し動作に入る場合も、普通二十キロ程度、速い速度のものが追い越しに入るということで、大体二十キロから二十五キロという線が出たわけでございますが、先生おっしゃるのは、おそらく法定速度の六十キロの場合に八十五キロじゃ非常に危険じゃないかということだろうと思うのですが、大体全国で相当、たとえば東京とか、一応原則四十キロというような指定方法をやっておりますが、そういう公安委員会による指定の速度というものを全国的に考えますと、まあ二十五キロでいいというふうな結論に達しまして、私どもはこうしたわけでございます。おそらくこうすれば、こういう制度ができれば、もうあるいはまたスピードの違反状況もまた相当これによって削減されて、変わってくるのじゃないかというような考え方を持っております。
 積載オーバーの場合も同様に、これは破壊エネルギーというものは、これはまあ摩擦係数もございますけれども、積載の量、重量に比例して増すということになりまして、これも日産、その他自動車工業会関係へいろいろ科学的な検討を頼みまして、一応現在のような案をつくったということでございます。
#53
○松本賢一君 これはまあそういった議論をしますと、これはあるいは水かけ論になるかもしらんし、私のほうで言い負かされてしまうのじゃないかとも思いますけれども、とにかく交通事故というものはスピードというものにつながるものであるという、国民は非常に強い関心を持っているわけですね。そのやさきに制限速度六十キロの場合は八十五キロ未満までは、あるいは四十キロの場合は六十五キロ未満までは、比較的簡単なことだから反則金で処理するのだということをやられると、非常に、一番慎重であるべきスピードというものに対するものの考え方が何となく乱れてしまうのじゃないかと思うのです。そうして、警察でお出しになっておるスローガンもスピード制限、スピード制限、ブレーキは早目にスピードはゆっくりとということをしょっちゅう言っておられるのに、ははあ八十五キロまではそれじゃ罰金にはならぬのかと、こういうことになるわけですね。
 そういう、だんだんどうも私どもには非常に抵抗を感じるのです。そうして、こういう制度を非常に思い切った、きのうも参考人の方も言われたように、非常に思い切った改革である。こういうものをおやりになる際に、慎重過ぎるぐらい慎重であってもいいと思うのに、こういう点はまた特に思い切っておやりになっておるわけですね。スピードの制限と積載量の制限に対しては非常に思い切って大幅にやっておられる。
 私は実は統計をちょっと見てみたのですが、二十五キロのところまでとりますと、大体スピード違反が、去年のこれは警察でおつくりになった統計だと思うのですが、公安委員会の統計ですが、去年八月から九月にかけて一カ月の間で九万七千八百件スピード違反がある中で、二十五キロ以上というのは一割に足りない数字なんですね、二十五キロ以上というのは。二十キロ以上をとって、大体二割ですか、その程度になるわけですね。ですからあながち、やっぱりほとんどは十五キロから二十キロまで、あるいは十キロから十五キロといったようなところが圧倒的です。この件数が多いわけで、それにもかかわらず二十五キロに線をお引きになったということが、どうも非常に慎重であるべき警察の方がおやりになった仕事としては、われわれむしろ逆に言いたいようなものなんですよ。もっと制限を緩和したらいいじゃないかというような案が出てくるだろうと思っているやさきに、こっちからこういうことを言わなきゃならぬような案が出てくるというのは、どうもおかしいのですよ。
 そういう点、私はまた実際に運転した経験もあるし、運転する人たちにも聞いてみるのですよ。二十五キロをオーバーした経験がおまえたちあるかというと、それは夜中に車の一つもいないときには飛ばしてみたこともあったかもしれぬけれども、普通はそんなことはないです、こういう返事が大方ですよ。二十五キロをオーバーするということはない。そうすると、二十五キロをオーバーするということは、よほどスピードの好きな人がやることなんで、普通起こらないことだと思うのですが、そこに線を引かれたということは、どうも納得がいかないのです。こういう点ひとつ大臣……。
#54
○鈴木壽君 きのうもちょっと触れたことで、いま松本先生御質問になっておりますが、これはかりに二十五キロという線でも、場所によっては二十五キロでもいいというふうなところも私あるのじゃないかと思うのです。場所によってはたんたんとした道路で、ほとんど車も通らないというようなところ、それからいわゆる道路そのものの安全施設というようなものがあってというような場合があるし、しかし、一方また、都市あるいは都市の周辺のそういうところの道路というのは、もし二十五キロとか二十キロというようなことになると、これは事故のもとになるので、非常にあぶないことだと思うのです。ですから、一がいには私言えないと思いますけれども、しかし、しぼる場合には、心配ないようなところということをめどにしてやるのじゃなしに、心配のあるところを基準にした一つのしぼり方、線の決定というようなものをやらなければいけないと思うのですね。
 追い抜きの場合なんか許されておることであるし、どこでもやれるわけじゃない。許されたところでスピードが出てくる場合がある。これやったって、いまの法規からいったって、すぐ違反とかなんとかいうことでなくて、その場合に、いま言ったように二十五キロも、場合によっては三十キロも出ることもあるかもしれません。ですから、これはさっきの綾田さんがおっしゃったように、これを検討する際、これは追い抜きのことについては全然考慮しないというわけじゃないけれども、これを考える場合の要素としてはあまり適当なものじゃないと思うのです。普通のやっておるところ、これはもちろんスピードを出し過ぎて追い越しをしたことによって云々ということも出てきますけれども、ですから一般的に、いま言ったスピードの出し過ぎによって事故が起こるというようなことの心配のためにみんなやっているときなんですから、そういうことを考えてやっていきますと、かりに四十キロだ、四十キロで多少オーバーしても五十キロ、五十五キロ、十キロか、十五キロだったら、そう心配ないと思う。自分でやってみても、やっぱり四十キロじゃちょっとまだろっこしいのです。五十キロ、五十五キロでまあまあ車に乗ったような感じがするのです。それによって事故がどうのこうのという心配はない。ところが二十五キロまで許される。――まあ金は取られますけれどもね。となると、二十五キロですから、六十キロ、六十五キロはまあいいが、七十キロを越すというのは、これはやっぱり心配ですね。まして五十キロとか六十キロの線にきめられてあるところを、さらに二十五キロオーバーして八十キロだ、八十五キロでいいんだということになりますと――まあ、いいわけじゃなくて、いま言ったように反則金は取られますけれども、いわゆる悪質のものと見られないというようなことでやられますと、松本先生がおっしゃったような心配を私もちょっと持ちますし、もしこういうところで線を引くとすれば、せいぜい十五キロか二十キロ、十五キロぐらいのところで線を引く。しかし、実際の判定といいますか、認定といいますか、これだってなかなかむずかしいのですからね。場合によっては二十キロ出ているかもしれませんけれども、その程度でやるというふうなことでないと、変な話だけれども、金さえ出せばと、そういうような気持ちの者がふえるのじゃないかという心配が一方にある。
 こういう問題ですからね。どうもそこら辺が少し、これはいろいろ科学的な検討の結果というふうにおっしゃっておりますけれども、心配ですね。ですから、これからもっとこまいそれをおつくりになると思いますが、その際に、もう少しこれの、たとえば十キロ程度のときは幾らとか、十五キロ程度のものは幾らということで、金で差等がついていくような仕組みになるだろうと思いますから、もしそういうあれでしたら、ひとついまの二十五キロという問題を、今度のこまいものをつくる際に、何とか考えてもらいたいと思うのですがね。そうでないと、まあくどいようでございますけれども、たとえばさっき指導課長の綾田さんからお話があったように、車のスピードを出しておって、とまる場合の距離、これは五十と五十五、六十五とじゃかなり違いますよ。さらにいま言ったように、もし五十という制限があるときには、七十五出そうということになると、これまた心配ですからね。そこら辺ひとつ慎重にやるべきでないだろうか、こう思いますが、ひとつあわせて……。
#55
○松本賢一君 ついでにもうちょっと。
 答弁になる前に、いま鈴木委員も言われたのですけれども、これは大臣の答弁をお願いしたいと思うのですが、もっと慎重なところに、いま鈴木さんも言われたとおり、十五キロなら十五キロというところに線を引いて、そうして、もう危険のないところだったというような場合には、情状によって多少の酌量を加えるというようなことはされてもいいと思うのですが、一応線はもっと慎重なところに引いておくべきじゃないか。
 たとえばこの統計を見ても、十キロ未満の違反というものは非常に少ない。ところが、十キロ未満の違反というものは実際には一番多いわけですね。それはあらゆる場合に十キロ未満の違反をやっている。ところが、件数としてあらわれるのは少ない。ということは、皆さんが大目に見ておられるということですね。それと同じように、十五キロというところに線を引いておいて、そうして二十五キロまでの間情状によって大目に見るということのほうが、われわれとしてはそのほうが望ましいのではないかということであって、二十五キロというところに線を引いておられると、いついかなる場合でも、相当悪質な違反であっても、これはもうこの扱いになってしまうのだということになってしまいますからね。そうすると、この上の情状酌量というものを見ますと、かりに十キロの情状酌量を見ますと、三十五キロまでというようなことになってしまう。そうなるとたいへんな危険なことになってくるので、こういう点についてひとつ大臣の御感想を承っておきたい。
#56
○国務大臣(藤枝泉介君) 今回の二十五キロまでにきめましたのは、先ほどお答えいたしましたように、科学警察研究所の研究あるいは実務家の経験その他をしんしゃくいたしましてきめたわけでございます。まあそれなりの理由はあったと思います。ただ、いま御指摘のようなことでございますので、このことが二十五キロオーバーまではいいんだというような風潮を来たすようなことがあってはたいへんなんでございまして、その点は別途そういうことのないような指導その他につとめていかなければならないと思います。
 それからまた、先ほど鈴木さんから御提案がございましたような、政令で定める反則金につきまして、何かそういうようなことの一助になればまた考慮いたさなければならぬと思います。いずれにいたしましても、相当科学的にやったようでございますが、また一般的に常識的にごらんになりまして、やや少しあぶないのではないかという御懸念は、私もわかるのでございまして、そういう意味においていろいろ今後くふうをいたしてまいりたいと思います。
 なおさらに、このことがもう二十五キロまでは平気なんだというようなことになってはたいへんでございますから、そういう点についても十分気をつけてまいりたいと思います。
#57
○松本賢一君 いま大臣が言われましたように、スピードというものが交通違反の本家本元なんだという、国民のせっかく生じつつある気風を破壊するような逆な結果にならないように、慎重な取り扱いをしていただくと同時に、この反則金制度の中における取り扱いについても、その中での危険性を含んだ違反というか反則については、厳正にやっていただいて、そしてひとつ国民の誤解を招かないようによろしくお願いいたしたいと思います。
#58
○委員長(仲原善一君) 他に御質疑はございませんか。――別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認め、これより討論を行ないます。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 道路交通法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(仲原善一君) 多数であります。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、吉武君から、各派共同提出による附帯決議案が提出されました。よって、本決議案を議題といたします。
 吉武君の説明を願います。
#60
○吉武恵市君 私は、道路交通法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提出にかかる附帯決議案の提案をいたします。
 案文を朗読いたします。
  道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の交通反則金通告制度等の運用に当つては、左の諸点に留意し、事故防止における根本的かつ総合的施策の一層の推進を図るとともに、違反処理の適正確保に遺憾なきを期すべきである。
 一、交通反則金通告制度の円滑なる運用を期するため、警察官の指導取締りにかける公正な態度の保持等、資質の向上のための教育を徹底し、責任ある指導のもとに、交通指導取締りの適正を図るよう配意すること。
 二、交通反則金通告制度の運用に併せて、事故予防、累犯防止のため、違反運転者の教育、適性検査及び免許更新者の素質向上のための適切な措置を拡充強化すること。
 三、免許の効力の仮停止処分に当つては、いやしくも一律処分となるがごとき運用をすることなく、違反事実及び過失の認定を慎重に行ない、その運用に過誤なきを期すること。
 四、積載制限違反の取締りに当つては、雇用者、運行管理者等の責任の厳正な追及に配意することとともに、雇用者等の責任義務を道路運送管理体制のなかに確立するよう検討すること。
 五、運転者養成機関の公共性にかんがみ、その指定基準、適正配置を確立強化し、併せてその指導監督育成措置を講ずること。
 六、交通規制等の実施、運用の適正を期するため、都道府県ごとに、民意を反映する交通規制等の審議機関を設けることを検討すること。
 右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願いいたします。
#61
○委員長(仲原善一君) ただいまの吉武君提出の附帯決議に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#62
○委員長(仲原善一君) 全会一致であります。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、藤枝国務大臣から発言を求められております。これを許します。藤枝自治大臣。
#63
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいりたいと考えます。
#64
○委員長(仲原善一君) 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(仲原善一君) 速記起こしてください。
    ―――――――――――――
#66
○委員長(仲原善一君) 請願七十八件の審査を行ないます。
 先刻、委員長及び理事打合会におきまして御協議いただきましたものにつきまして、専門員から簡単に報告をさせます。
#67
○専門員(鈴木武君) お手元に配付してあると思いますが、この請願一覧表によって御報告申し上げます。
 請願第一一五号外一件、社会保険(厚生省)関係等の職員を国家公務員(地方事務官)から地方公務員とすることに関する請願、それが採択。
 第一七一号、地方公務員の定年制実施に関する請願、留保。
 第三四八号、共済組合制度の整備改善に関する請願、採択。
 第三一三号外十三件、退職地方公務員の共済年金等の格差是正に関する請願、採択。
 第四九二号、特別区の区長公選制及び自治権拡充に関する請願、留保。
 第一〇二八号、行政書士の既得権の保護に関する請願、留保。
 第二〇六五号、特別区の区長公選制復活に関する請願、留保。
 第二八八六号外十六件、地方公務員等の退職年金、恩給のスライド制早期実現等に関する請願、採択。
 第四〇八一号外三件、東京都豊島区旧高田本町一・二丁目の住居表示変更に関する請願、留保。
 第四一一一号、住居表示に関する法律改正に関する請願、留保。
 第一一六号外一件、昭利四十二年度における地方自治体財源の確立に関する請願、採択。
 第一七二号、町村財源の強化による財政確立に関する請願、採択。
 第八七三号、地方公務員の給与改定に必要な財源措置に関する請願、採択。
 第八八三号、実用衛星センターに付随する公共事業予算の特別措置に関する請願、採択。
 第一〇六六号、千葉県内の有線放送電話に対する国庫補助等に関する請願、採択。
 第二一六三号外十四件、市町村が行なう有線放送電話に対する助成拡充等に関する請願、採択。
 第二四五二号外二件、市町村自主財源の充実に関する請願、採択。第二四五四号外二件、公共用地の先行取得のための起債ワク拡大等に関する請願、採択。
 第二号、ポーリング課税撤廃に関する請願、留保。第九四号、軽油引取税の減免に関する請願、留保。
 第六九七号、零細所得者層に対する個人事業税の軽減措置等に関する請願、採択。
 第一四五二号、戦傷病者に対する地方税の減免等に関する請願、採択。第一〇〇〇号、名神高速道路用交通警察費の全額国庫負担に関する請願、採択。
 第二七七七号、交通反則通告制度反対に関する請願、留保。第二七七八号、交通反則通告制度反対等に関する請願、留保。第三一五四号、東北管区警察学校移転促進に関する請願、留保。
 以上でございます。
#68
○委員長(仲原善一君) ただいまの報告どおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さように決しました。
 それでは、採択に決定いたしました請願は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するものとし、他は留保するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 審査報告書の作成につきましては、先例により、委員長に御一任を願います。
    ―――――――――――――
#71
○委員長(仲原善一君) 次に、閉会中の継続調査及び委員派遣についておはかりいたします。
 閉会中の継続調査はこれを行なうこととし、その要求書の取り扱い並びに閉会中の委員派遣につきましては、いずれも委員長に御一任を願いたいと存じますが、さよう決することに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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