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1967/03/31 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第4号
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1967/03/31 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第4号
昭和四十二年三月三十一日(金曜日)
   午後一時二十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     木暮武太夫君     林田悠紀夫君
     西川甚五郎君     田村 賢作君
     二宮 文造君     北條 雋八君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
    委 員
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                田村 賢作君
                徳永 正利君
                西田 信一君
                林田悠紀夫君
                林屋亀次郎君
                日高 広為君
                木村禧八郎君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                山本伊三郎君
                北條 雋八君
                瓜生  清君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵大臣官房長  亀徳 正之君
       大蔵省主計局次
       長        岩尾  一君
       大蔵省主税局長  塩崎  潤君
       大蔵省関税局長
       事務代理     細見  卓君
       大蔵省理財局長  中尾 博之君
       大蔵省証券局長  加治木俊道君
       国税庁長官    泉 美之松君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     保川  遜君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源
 泉徴収の臨時特例に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○期限の定めのある国税に関する法律につき当該
 期限を変更するための法律案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、木暮武太夫君、西川甚五郎君、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君、田村賢作君、北條雋八君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹中恒夫君) 昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案、期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案、以上両案を一括して議題といたします。
 この際、大蔵大臣から発言を求められております。これを許します。水田大蔵大臣。
#4
○国務大臣(水田三喜男君) 期限の到来する特別措置のうち、配当の源泉選択課税制度について、昨日の政府側の説明には不十分なものがあり、申しわけありませんでした。審議期間の切迫したこの段階で恐縮でございますが、何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#5
○山本伊三郎君 いまの、理事のほうで話されたのですから、私はこれで承服しないとは言いません。が、説明が足らなかったということではないと思います。もともとそういう審議期間一カ月もあるやつをこの期限切れの中に入れて、さあやれということではいけない。やはり分離して、出すものは出してもらいたい、こういう私は趣旨できのう言ったわけなんです。説明のいい悪いということは私は問題にしておりません。それは政府の方々もいろいろ勉強されておりますが、説明が足らない場合もありましょう。そんなことを私は言わないが、そのほかにも教育関係法案にもそういうものがあるやに聞いておるのですよ。この際一緒にやっちまえという考え方で政府が提案する。いまの憲法では政府に議案の提案権がある。あるから、それを選択するのは議運なりやりますけれども、膨大な議案でありますから、そう一々審査できない。したがって、政府が出したやつは無条件で国会で審議されるというような状態です。
 それで、今後そういうことにやらないということ、前例としないという意味の釈明があると私は期待しておったのですが、説明が足らなかったということでは私は実は承服はできません。
#6
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
#7
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
#8
○国務大臣(水田三喜男君) 今後十分気をつけることにいたします。
#9
○委員長(竹中恒夫君) これより両案に対し質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○須藤五郎君 この両案に対してじゅうぶんの質疑をしたいと思っていたわけでありますけれども、非常に時間も制約されますししますので、私も質問をできるだけ切り詰めてすることにしたいと思うのです。なお、私はきょうは租税特別措置法のほうですね、日限を延ばすという問題につきましては、これは租税特別措置法そのものにつきましては私たちも根本的に反対ですし、これを論議すると相当時間がかかってしまうような感じがしますので、それは一応さておいて、所得税法の減税の問題、そういう問題について私はきょう質問をしたいと思うのです。
 なお、私、大臣がいらしたら、大臣に対する質問から始めたいというふうに考えていたんですけれども、大臣が退席をしてしまわれたししますので、ちょっと質問が前後するわけで、あまりおもしろくないですけれども、まあやむを得ないこととして、後ほど大臣が見えましたら大臣に対します質問をすることにしまして、まず減税の点から少し質問したいと思うのです。
 昨日私は中途で席を立ちましたので、昨日の質問者がどういう質問をなさったかということ、ちょっと聞いておりませんので、あるいはダブる点もあるかと思いますが、その点を御了承願いたいと存じます。
 四十二年度減税は初年度一千億ですか、平年度千五百億という数字が私たちに出されておるんですが、その平年度千五百億という数をはじいた根拠は一体何か。
#11
○政府委員(塩崎潤君) お手元に租税及び印紙収入予算の説明という資料がございます。これの五ページに各項目ごとの減税額を出しておりますが、所得税におきまして平年度千二百八十億、相続税におきまして三十億五千万円、企業減税におきまして二百四十一億八千八百万円、合計千五百五十二億九千四百万円、これが平年度千五百五十億円の減税の項目並びに各項目の減収額でございます。
#12
○須藤五郎君 この減税をするということで、課税最低限というものを去年より十万円ほど上げて七十四万円ですか、五人家族七十四万円というふうに見積もっていらっしゃるわけですが、この七十四万円というふうに課税最低限をきめられたその根拠を、いろいろ詳しく……。
#13
○政府委員(塩崎潤君) この問題も昨日田中先生はじめ皆さま方御論議があったところでございますが、私どもは、課税最低限がいかにきまるか、これはいろいろな要素がある、こういうふうに申しております。これは住民税についてもよくいわれるところでございますが、一つは財政事情の問題、さらに所得税に依存することがどの程度依存したらいいかという問題、それからどの程度の階層から所得税の分配機能である課税を始めるという意味においての分配の基準といったもの、それからさらに、やはり一番大きな問題は、どうしても個人でございますから、生活しなければならぬ、生計費、これらの生計費がやはり考慮さるべきであるという、こういったいろいろな要素から、現在私どもは七十四万円程度の所得税の課税最低限がよかろうということで御提案申し上げた次第でございます。
#14
○須藤五郎君 国民の生活費といいますか、そういうものは、いろいろな食費も含めて、あるいは生活費が大体これぐらいかかるだろうというそこから割り出した数字なのか、税務署が所得税をどのくらい取らなきゃならぬという点で、そこを根拠にしてこの七十四万円というものをはじいたのか、そのはじき方に性格がはっきり分かれてくると思うのですよ。どうも大蔵省のやり方を見ていると、今年度は所得税どれくらい取らなきゃならぬ、ことしは所得税が非常に少なくなるからどうしてもああいう面で所得税をうんとこさ取らなきゃならぬ、これはしばしば塩崎さんがはっきり言っていることなのだ。そういう立場でこの七十四万円というものをはじいてきたのか、ほんとうに七十四万円あったら国民は十分に生活ができるんだ、憲法で保障された生活ができるんだ、だから七十四万円以上使うことはこれはぜいたくに属するのであって、そういう点からはじかれたのかどうかという点をぼくは聞くわけなんですよ。
#15
○政府委員(塩崎潤君) この問題非常に大事な問題でございますが、私どもは、生計費という要素は非常に所得税の課税最低限と密接な関係があり、これはひとつ考慮しなければならないというふうに考えております。しかし、それだけできまらないということは先ほど申し上げたとおりでございまして、財政事情、これは非常に影響するわけでございますし、そのうちで所得税に期待する程度も影響するわけでございます。ほうっときますと、昭和四十二年度は六十三万円の課税最低限になります。しかし、これはできる限り、所得税減税の要望が強いし、また家計費の状態、いろいろのことを考慮いたしまして、十万円上げるならば、まずまずひとつ課税最低限として適当なものである、こういった判断でいたしたような次第でございます。
 なお、六十三万円、あるいはその前の五十四万円といった時代には、例の大蔵省メニュー一日百六十七円四十八銭とか、あるいは百八十六円八十七銭、こんなような問題で検討が行なわれたことは御承知のとおりでございます。私どもは、その検討は、昨日も田中先生の御質問に対しましていろいろ申し上げたのでございますが、一つの参考資料であり、私どもは主税局という徴税官庁と申しますか、税制を扱う官庁が、そういった生計費、あるいは食料費を推測すること自体非常に世の中に曲げて見られるおそれがある、日常生活に結びつくような、直ちに基準生計費というふうに見られても、非常に変な効果があるだけでございますが、それは別途の客観的な、どなたか資料をひとつ私ども以外のところで検討していただいたらと、こんなような感じがいたしておりました。しかし、私どもは生計費等勘案いたしましても、現在の財政嘉情のもとではこの程度の課税最低限でひとつ適当なものと考えております。
#16
○須藤五郎君 いま、あなたがおっしゃった現在の財政状態ではという点なんですね。それはあなたのほうにもふところ勘定があるかもわからぬけれども、国民全般に、やはり個々に見て、個人個人のふところ勘定というものがあるわけなんですよ。だから、国のふところ勘定を第一義にするのか、国民のふところ勘定を第一義にして税金をきめていくのかという点だと思うのですよ。やはりぼくは、何じゃないですか、佐藤さんはうそつきだとぼくが言ったら、佐藤さんはおこったけれども、この前の大蔵委員会で。しかし、佐藤さんはしょっちゅう、私は平和の精神に徹した政治をやりますと言っているんですね。私は人間尊重の精神  今度の所信表明では、それがことばが変わって、私は人間を大切にする政治をやります、こう言っているんですね。ところが、全く佐藤さんの政治というものは、言っていることとやっていることと正反対のことばかりやっていると思うのですよ。何で、平和の精神に徹した政治をやるというならば、三次防で二兆三千四百億円もの税金をなぜ取ろうとするのか。そんなもの取らなければいいんじゃないですか。平和の精神に徹したら、自衛隊など増強する必要はないですよ。あの金は、二兆三千四百億という金は、結局国民の負担でまかなわなければならぬ金でしょう。そういうばかげた金使いをするから、だから国民のふところ勘定なんということは度外視して、国のふところ勘定といいますか、佐藤自民党政府のふところ勘定を主体にして、そしてこの税金というものが割り出されてくる。これは全く国民としては不満にたえぬ点だと思うのですよ。
 そういう点、やはり私の言うように、国のふところ勘定が主体であって、国民のふところ勘定なんというのは意識しない、佐藤自民党内閣のふところ勘定を主にして、これだけ取らなければやっていけないから、だからこれだけ取るのだ、こういうところから割り出したのが七十四万円じゃないのですか、五人家族で。
#17
○政府委員(塩崎潤君) なかなかむずかしい御質問でございまして、答えにくいのでございますが、まあ確かに国民あっての政府でございます。しかし、国民もやはり政府がないとなかなか日常生活も営み得ないことも事実でございまして、私どもは、国民の経済生活は大切でございますが、同時に、政府の財政、これはまた国民生活を営む上において必要不可欠でございます。言うなれば、同時にきまるのであろう。しかし、何といっても国民の負担は考えていかなければならぬ、こんなことではないかと思います。
#18
○須藤五郎君 この間、朝日新聞を見ておりましたら、朝日新聞の二面ですかに、人間尊重はどこへいったという見出しで、佐藤さんの非人間的な政治の断面が、老人ホームに対する今年の一日の食費の値上げ、それから乳児院の児童に対する値上げ、そういうものがずっと出ているんですよ。あれによると、去年は老人ホームなどは百五十二円ですか、一日の食費が。私は、人間尊重を口にする佐藤さんの政治なら、老人ホームに入って自分の家族と一緒に住めないような、そのような気の毒な老人なら、せめてもう少し食費を上げて、そして楽しい老後を送れるように配慮するのがぼくはほんとうだと思うんですよ。私もだんだん年をとってきたから、老人の気持ちがよくわかりますがね。私はそうじゃないかと思いますよ。ところが、去年百五十二円の食費を、ことし幾らあんた上げましたか、幾ら上げたんです。何円何十銭じゃないですか。全く哀れなものですよ。乳児院なぞは三十三銭ですか。私いま資料を忘れてきたんです、実は。ちゃんと持っているんですよ。今日貨幣価値、貨幣として通用しないようなそんな金額、何十何銭というような金は、今日私たちの目の前にない金ですよ。そういう金を、ああいう施設の不幸な老人や子供の食費の値上げをやって、それで人間尊重といえますか、人間を大切にする政治といえますか。大蔵省はそれでいいと思っているんですか。そんな予算の立て方でいいと思っているんですか。どうですか。
#19
○政府委員(塩崎潤君) 私は税のほうでございまして、そういうものはなかなか答えにくいので、政務次官からひとつ御答弁を願いたいと思います。
#20
○政府委員(米田正文君) ただいまのお話は、どうも税金を少し取り過ぎて、一向に社会福祉の関係の事業の予算が少ないというお話のようですが、これは須藤さんだって御承知のように、年々日本の社会福祉事業というものは進んでいることは事実でございます。それはお認めになるだろうと思います。それは一挙になかなか理想のところまでいけぬのが現実の姿であって、それを一つの事例だけをお取り上げになって、それだけを強調されると、全体を失うおそれがあると思いますが、政府としては極力努力しておるということは、ほんとうは須藤さんだってお認めになっておると私は思うんです。まあ政府は極力努力をして、今度の予算についても各施策について努力しているのは、ごらんになればおわかりのとおりだと思います。
#21
○須藤五郎君 ここは予算委員会でもないし、社労委員会でもないから、社労委員会でやる筋のものであるかもわからないけれども、しかし、何といってもさいふを握っている大蔵委員会であるから、私はこういうことを言うんですよ。それはあれを読んだ者はみんな憤慨していますよ、実際。佐藤さんの人間尊重の政治の実態がこれかということです。それを見せたら、いかに佐藤さんが人間を大切にしていないかということがはっきりするんですよ。そして片方では三次防に二兆三千四百億というような金を出す。何で金をもっと社会保障のほうに出さぬかと、こういうことですよ。余裕は十分あるのです。金はないのじゃないですよ。そこで、金がないから所得税は遠慮なしに取るのだという理屈は成り立たぬと思うのですよ。金の使い方によって、金はたくさん浮いてくるのです。租税特別措置法でいうならば、ああいう独占資本に対する免税、非課税をやめて、金を取るならば、住宅問題も解決しますよ。一兆五千億の金を独占資本に免税、非課税で租税特別措置法でくれてやる、税金を取らない。これを全部取るならば、百万円の家が百五十万戸建つじゃないですか。それを何年かやったら、住宅難というものは全部たちどころに解消するものなんですよ。金の取り方も知らなければ出し方も知らないのが大蔵省じゃないですか、今日の。人民から遠慮会釈なく金を取って、それを使うときには軍備増強、独占資本擁護、こういう方向ばかりに金を使う。
 あなた、政務次官は社会福祉は年々進んでいると言うけれども、マイナスになっているのですよ。物価のほうの上がり方がずっと上がって、老人ホームのことしの一日の食費の増加額なんかでも、あれ、社会福祉といえるのですか。あれ、全く残酷物語です。知能のおくれた子供を入れている児童院に行くと、ことしは一文も増額しないのですよ、食費。知能のおくれている子供なんというものは、これは親の責任でもなんでもないですよ。自然にそういう子供が生まれてきたのですよ。だから、こういう子供はもっと社会があったかく守ってやらなきゃならぬ。その子供に対する食費はことしも一文も上がっていない、ゼロなんですよ。この間の朝日新聞といえども、人間尊重どこへいったかという見出しで書いているわけですよ。こういう政治というものはいかぬと、やっぱり大蔵省の責任だとぼくは思う。大蔵省は金を取る。しかし、金を使うほうも間違っている。
 それで、七十四万円で実際五人家族でほんとうに憲法で保障された文化的で健康な生活ができるかということになるわけなんですが、その点、まあ田中さんもきのうやられた点だろうと思うから、あまり私はくどくは申しませんけれども、七十四万円だったら、十二カ月で六万円ですよ、月六万円。それで、夏期手当、それから年末一時金、こういうものを引くと、大体一カ月の賃金が四万五千円なんですよ。十四カ月で割ってごらんなさい、大体四万五千円ですよ。五人家族で四万五千円で月々生活している人に税金をかけるなんということは、これはどういう立場から見てもぼくは人間尊重、人間を大切にする政治ということはいえないと思うのですよ。だから、ぼくはこの前の大蔵委員会で、徳永委員長はぼくの質問をぱしっと三分間で切ってしまうので、ぼくは質問を続けることができなかったけれども、佐藤さんは大うそつきだということを私は言うのです。大うそつきだと言われると、佐藤さんはいたけだかになって怒る。何で怒らなければならぬかというと、やはり痛いから怒るのですよ。それが今日の私は日本の佐藤自民党内閣の財政政策だと、こういうふうに思う。
 それで、大体私は、田中さんも要求されたと思うのですが、一日一人二百五円でしょう。去年は百八十六円八十七銭ですか、何かそういう額だった。そのときに私は、動物園の動物のえさ代だと。動物に劣る。馬や鹿と同じ扱いじゃないかということを私はそのとき言ったのですが、この二百五円という数字ですね、あなたのほうではどういうふうにはじいているのです。一ぺん根拠を出してもらいたいのです。
#22
○政府委員(塩崎潤君) この点も先ほど触れたつもりでございますが、繰り返して申し上げたいと思います。衆議院の横山委員の御要求に基づきまして出した資料の中に、いま須藤先生の申されました昭和四十二年分の食料費が二百五円二十四銭と入っておるではないか、こういう点の御指摘だと思います。この問題、昨年も、あるいはまた一昨年も、ずいぶん御議論願ったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、課税最低限はいろいろな要素はあるけれども、その中で生計費という要素は確かに大きな要素である。その生計費はいろいろな考え方、あるいは見方がございますし、個人個人、生活態様が違います。都市あるいは地方によって物価も違っておりますから、そこでひとつ主税局といたしまして、昭和四十年の課税最低限の検討資料といたしましてつくりましたものが例の百六十七円四十八銭でございます。しかし、これは御案内のように、国立栄養研究所にお願いをいたしまして、献立をつくっていただきました。それに尿計調査から得られました食料費の金額を乗じただけでございます。私どもは栄養学の知識もあるわけじゃございません。国立栄養研究所に一つの参考資料としてつくっていただいたものでございますが、それがいかにも大蔵省が国民の日常生活の基準生計費というようなものを押しつけているような印象を与えたので、実はきのうも申し上げたのでございますが、私どもがっくりしておるわけでございます。あるいは課税最低限を説明するための無理な数字、こんなような批評もあり、私どもが一つの参考資料として考えておっただけでございますし、これはいろいろな考え方があり、私も弁解ができると思います。そんなような関係で、私ども外へ出すのはちゅうちょしておったのでございますが、国会がどうしても出せというわけで、去年も出しまして、去年は同じような計算方式をいたしますと、それが百八十六円八十七銭、こういうふうになったわけでございますが、献立を変えなかったというところでまたいろいろな意味の御批判があった。私どもは成年男子一日二千五百カロリーというカロリー、これから見て国立栄養研究所は私ども以上の権威のあるところでございますので、しかも課税最低限は生計費だけではないということから考えますと、毎年毎年そういった献立を変え、あるいはこまかいイワシ、エンドウの値段まで調べてつくること自体、どうであろうかということで、今回は私どもは七十四万という、平均初年度におきましては一六%ぐらい課税最低限が引き上げられるわけでございます。独身者は二一%課税最低限を引き上げるときでございますので、まずまず消費者物価の上昇が政府の見通しのごとく四・五%としても、これは十分私は生計費の問題は解決できる、こういった考え方をとり、かてて加えまして、先ほど来申し上げておりますように、栄養学の知識もない、生計費の知識もそんなにない大蔵省が、税のためにこういった基準生計費をつくるのは適当でないというふうに考えまして、ラフな計算といたしましては、昨年つくりました基準生計費に四十一年度の消費者物価の上昇率を――これは五・一%でございます――乗じ、それから四十二年度は四・五%上昇するという見通しでございますが、それを乗じて基準生計費が五人で六十三万七千七百七十八円で、こういうふうになる。そういたしますと、昭和四十二年分の課税最低限は七十一万千八百九十九円でございますから、差額は七万四千百二十一円残るではないかということで、国会の強い要求がありましたので提出したわけでございます。
 こういった計算方式でございますと、当然食料費も去年の百八十六円八十七銭にいま申し上げました数字をかけたもの、つまりそれが二百五円二十四銭になるということだけでございまして、去年のように、こまかい食料費の中で大豆がどうだ、豆腐がどうだ、ダイコンがどうだというような計算はしておりません。しかし、いまわかった数字では昭和四十一年度の消費者物価の上昇率のほうが食料費の上昇率よりも高うございますので、食料費を調べましても、これは私は十分この中に入り得る、こういうふうな考えを持っております。二百五円ということがまたいかにも拘束するような数字でございますが、いま申し上げましたような気持ちから、私どもが国会の御要求に基づきまして一つの参考資料、検討資料として出したものにすぎないものでございます。
#23
○須藤五郎君 私はこの間の衆議院選挙のときに、佐藤内閣の国民に対する食費の規定、昨年は百八十六円でした。百八十六円で三度のめしが食えるのかという質問をしましたよ。大多数の聴衆は、それではやっていけない。それでやるために、いかに主婦が毎日頭を痛め、そうして苦しんでいるか。私は麹町に住んでおりますが、麹町辺の主婦でも、かりにある品物が五円安いということを聞くと、もう五丁も六丁も先まで歩いて行ってその安いものを一生懸命さがしてやっているのですよ。それでないと生活というものが実際やっていけないのですよ。特に若い労働者、学生、こういうのは外食でしょう。外食でやって、二百五円で三度のめしは食えないでしょう。下宿屋だって二百五円ではまかないしてくれませんよ。もし二百五円で三度のめしをまかなってくれる下宿があれば、その学生は立ちどころに栄養失調です。困っちゃうのです。このごろ、ざるそばは幾らですか、御存じですか。安いところで六十円、高いところでは八十円です。ざるそばだったら三度食べられないのですよ。ざるそば三度食べて、二千五百カロリーとれて、りっぱに活動できるか。やはり肉もとらなければなりません、たん白質もとらなければなりません。そうすると、二百五円で三度の食事をせいということは非常に困難じゃないか。酷なことじゃないかと思うのです。
 そこで、私は、昨日田中さんがどういう要求をなさったか知らぬが、この前の委員会で百八十六円きめるときも、実際、大蔵省はそれほど確信を持ってやっているなら、一ぺん実物を持っていらっしゃいということを言ったことがある。ところが、大蔵省はそれはできないということでしなかった。今度は二百五円で三食持ってこいといっても、私はできないと思う。できないような品物なんです、二百五円というのは。そんな自信のある額じゃない。それを根拠にしてやっておるのです。どこからこの額を割り出したかというと、一昨年は百七十六円四十八銭、それから昨年が百八十六円八十七銭、今度はそれを根拠にして二百五円を割り出した。もともと間違っているのです。間違ったものを根拠にしてやっているのです。ほんとうに人間を尊重し、人間を大切にするという精神に立ったやり方でないということは、こういうやり方でわかるのです。いかに税金を取るかというその立場に立ってすべてのものをはじいてくるから、こういう非人間的な数字が出てくるのです。ここに私は佐藤自民党内閣の財政政策根性があると思う。根性というと、えらいよさそうに見えるけれども、こういう冷酷な態度、これがやはりあなたたちの租税政策の中に流れているのじゃないか。だから、これはいかぬ、こういうふうに私は考えますよ。その点、塩崎主税局長もよく考えて、もう少し考えた数字を出してもらいたい、出すべきである、こういうふうに思うのです。
 それじゃもう一つ詳しく聞きますがね、一カ月四万五千円で暮らすために、食費が二百五円ですから、三十日かければ六千円だけです。月六千円。これには光熱費は入っていないのでしょう。
#24
○政府委員(塩崎潤君) 食料費の計算方式は、先ほど来申し上げておりますように、昭和四十年度から延ばしてまいりましてやっておりますので、いまみたいな計算になるわけでございます。私は、食料費が幾ら、あるいはその他の生計費が幾ら、これはひとつエンゲル係数という約束を置いて計算しておりますが、基本的に考えるべきなのは、課税最低限としての、たとえば四十二年分ならば七十一万一千八百九十九円、あるいは七十四万円がいいかどうか。その中で抽出しましたものの中からエンゲル係数を想定し、食料費を想定して、これは過去ですが、しただけでございまして、二百五円が絶対的に正しいということはない。むしろここにあげられておる数字の示すように、余剰が示されておりますので、これを使っていただくこともまた可能でございますし、私は二百五円で、一つの過去の統計から十分説明できると思います。しかし、人の消費態度あるいは食料費のとり方はいろいろなバラエティーがありますから、御批判は重々あるとは存じております。いま申しましたように、光熱費は、これは別なところに入って、これは完全に食料費だけの額でございます。
#25
○須藤五郎君 時間が非常に切迫してきているので、私、一々質問すると時間がなくなっちゃいますから、文書で出してよろしいのですが、五人家族、月四万五千円の生活費の中に食費が幾ら、それから被服費は幾ら、住居費は幾らか、交通費は幾らか、光熱費は幾らか、文化費、児童の学校の費用が幾らかということを、それをどういうふうに数字を大蔵省ははじいて、この七十四万円という数字を出したのか、文書で出して下さい、一一あんたの答弁を聞いていると時間がなくなってしまうので。どうだ。
#26
○政府委員(塩崎潤君) 七十四万円は、去年が六十三万でございましたので、十万円上げるというところから来ているのでございまして、一々その十万の内訳が何に当たるというような計算ではございません。ただ消費者物価の上昇は別に四・五%あるということは念頭に置きましたが、六十三万円を七十四万円、これは過去におきましての引き上げ率では最南でございます。こういうところから見て、十分生計費の問題もカバーできるという意味で出したのでございまして、十万のうち、これが食料費、これが衣服費というような計算はいたしておりません。
#27
○須藤五郎君 米価がこの十月、一五%上がるでしょう。そうすると、この食費の二百五円という数字は、もう十月にたちどころにくずれちゃう性格のものですよ、一五%も米価が上がるわけですから。だからこの二百五円というのは全く私は根拠のない数字だと言わなければならない。そんな根拠のない、見識のない数字をもとにして七十四万円というものをはじくことに、私は非常に無理がある。
 それから、交通費じゃ、汽車賃がやがて上がるのでしょう。これ、大臣に質問しなきゃいけないことなんですけれども、この間、衆議院で大橋さんが、「運輸省と大蔵省とで相談をいたしまして、四十三年度の予算までにこの問題を十分検討いたしたい」とある。根本委員が国鉄運賃の値上げの問題に触れたときにそういうふうに答弁しているのですよ。そうすると、もうやがて交通費も上がるということはこれではっきりしてきているわけなんですね。そうすると、この七十四万円という数字の根拠は実にもうたよりないものであって、大蔵省が、最低限はどのへんに押えたらどのくらいの税金が今年取れるかと、こういうことであんたたちのふところ勘定でこのすべての問題が割り出されている。これはけしからぬと思う。人民のふところ勘定を基礎にして税金をきめなさい、これが私の言い分なんですが、大蔵省は汽車賃値上げに対して何か考えているのですか。
#28
○政府委員(塩崎潤君) 米価が確かに一五%近く上がることは存じておりますが、これが消費者物価の四・五%の中に入ることになっております。私どもの積算は、いま言ったような考え方でございますけれども、それは四・五%の中に入って食料費が計算されているとお考えになって間違いないと思いますし、さらにまた、運賃の問題は去年あれだけ国会で御議論があって改定されたところでございます。私どもはことし運賃が再び上がるということはまだ聞いておりません。
#29
○須藤五郎君 それじゃ、そういう相談を運輸省のほうから受けたら、大蔵省はどういう態度で臨むのですか。
#30
○政府委員(米田正文君) まだ国鉄運賃の値上げの問題については、大蔵省としては相談を受けたこともございませんが、政府全体としてはいま国鉄運賃問題を、値上げをしょうというような方針については検討もまだいたしておりませんし、まだいまのところ上げるという見込みは全くございません。それは将来の問題として、あるいはそういうことが起きてくることを前提にしてそういう議論をされておるのかとも思いますが、それはまだ政府としては考えておらぬ問題です。かねてから国鉄がそういう意見を言っておることはちょいちょい聞きますけれども、いまの物価抑制というたてまえから、当分の間政府としてはおそらくこの問題は取り上げないというふうに方針はきまっておるように承知をいたしております。
#31
○須藤五郎君 この、見てください、昭和四十二年三月二十日の予算委員会の質疑の中で、根本さんの質問に対して大橋国務大臣は、要するに運輸省と大蔵省で相談いたしまして、四十三年度の予算までにはこの問題を十分検討いたしたいと思っておりますという、大臣がそういう答弁をしておるから、やはりもうすでに運賃値上げの問題は政府の問題として取り上げられているんじゃないか、こういうことなんですがね。運輸省からそういう相談を受けても、大蔵省は反対しますか、運賃値上げに対して。
#32
○政府委員(米田正文君) これはまだそういう問題も起きておりませんし、政府の問題としてあがってきておりませんから、いまのところお答えのしょうがありませんが、おそらく私はことし値上げをするようなことはないだろうと、こう信じております。
#33
○須藤五郎君 この間政府から、大蔵省からもらった資料ですがね、この世帯員一人、改正案による昭和四十二年分の課税最低限が二十六万七千六百二十二円、それから基準生計費は二十一万九千八百十六円、ゆとりが四万七千八百六円、こうなっておるのです。ゆとりが、一人、二人、三人、四人とだんだんふえていくのですよ。二人になると九万二千七百五円、三人になると十万五千五百三十二円、四人になると十一万八千四百十五円。ところが、ふしぎなことに、五人になるとたんにゆとりががたんと落ちてしまって、七万四千百二十一円となっておるのですよ。これははなはだ不合理なことだと思うのですがね、これはどういうふうに説明……。
#34
○政府委員(塩崎潤君) これはどうも、私どもがこの算出の根拠に四十二年に使いましたところの家計調査のエンゲル係数の関係からこういうふうになる、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#35
○須藤五郎君 だって、一人で四万七千八百六円のゆとりがあるなら、五人家族になったらやはりもっとゆとりがなくちゃならぬのが本筋だと思う。四人で十一万八千四百十五円ゆとりがあるなら、何で五人になったら七万四千百二十一円のゆとりしかなくなるのかということは、裏返せば、五人に対する課税最低限が低過ぎるのではないかと私は思うのです。やはり五人になったら、四人が十一万八千四百十五円のゆとりがあるならば、やはり五人になったらもっとこれよりもゆとりがふえなければならぬ。そのために大体五人家族八十万円くらいが、大蔵省の計算でも八十万円くらいにしないとこの矛盾は直すことができないと思うのですよ。五人になったらもっとゆとりは必要になってくるでしょう。それが五人になるとゆとりが減ってしまうということはおかしい。
 あなたはエンゲル係数、エンゲル係数とばかり言っておるけれども、人間はエンゲル係数で飲み食いしているのではないですよ。ところが、実際になるとこういう不合理な面が出てきているわけです。これはやはりあなたの五人に対する課税最低限が低過ぎるのだ、大蔵省の案も低過ぎるのだ。だから、私たちは、共産党の主張は四人家族百万円まで無税にせい、これが共産党の方針なんですよ。やはり共産党の方針が正しくて、大蔵省はエンゲル係数、エンゲル係数といっているけれども、何ら人間の実生活に根拠を置いた計算をしていないということがはっきりいえると思う。ゆとりが四人より五人が減ってしまう。一人から四人まではだんだんふえていく、五人になると逆に減ってしまうのです。これはおかしいじゃないですか。常識的に言ってください。エンゲル係数の結果こうだというのでは納得できないのですよ。
#36
○政府委員(塩崎潤君) 確かに、先生のおっしゃった考え方をとれば、私も独身者あるいは子供の少い家庭に比べて多い家庭のほうを課税最低限をもう少し大きくしたらこの問題も解消するということはいえると思います。で、過去におきましての私どもの課税最低限の引き上げのしかたを見ますと、おっしゃるように夫婦・子三人のところに重点を置いてやってまいりました。その関係で、むしろ独身者のほうに課税最低限の引き上げが少なかったというのが、これまでの御批評でございます。今回はそういう御批評も十分承りまして、独身者の引き上げを多くいたしました関係上、若干先生おっしゃいましたように、夫婦・子三人よりも、家族の少ないほうが得をした面のあることもございますが、これは個々に御批判を伺った結果でございます。今後また引き上げの際には、ひとつ先生の御意見を十分しんしゃくいたしまして、その面をどういうように調和したらいいか検討してまいりたい。
 現在二千万の所得税の納税者のうち、所得税法上の単身世帯、独身者と見られるものが九百六十六万、四八%も独身者が占めておるという状況でございまして、むしろ家族持ちに対する課税最低限をこれまで引き上げ過ぎたのじゃないか、逆にいえば独身者の引き上げ方が足りなかったのじゃないかということも言われますが、そのあたりいろいろな御批判を伺ってまいりまして、こんなような結果になったということもいえるかと思いますが、今後は十分ひとつ検討してまいりたいと思います。
#37
○委員長(竹中恒夫君) 速記をとめて。
#38
○委員長(竹中恒夫君) 速記を起こして。
 次の発言者の通告がございます。戸田委員。
#39
○戸田菊雄君 大臣がおりませんから、答申上の問題については、あとで大臣が来るそうですから、その際に譲りたいと思いますが、一つだけ次官に伺っておきたいと思います。
 それは三十八年の税制調査会、これは会長が中山伊知郎氏で、この中山伊知郎会長の調査会というものが長期税制のあり方について、政府に対して答申を行なった。結局内容は、いろいろ基本問題が六項目あるわけですが、その第五項で次のように指摘しているわけです。税制以外の措置で有効な方法がないかどうかを検討し、他に適当な方法を見出し得ない場合に限らるべきである、いわゆる特別措置法というものはそういうことで将来縮小していく、こういうのが当時の税制調査会の政府に対する答申、こういうようになっているわけでありますけれども、これに対して、その後私たちの調べた範囲では、縮小どころか逐次拡大をしている、こういう姿にある。そういう点に対して、一体政府の答申案に対する考え方は、どういうふうに考えるか。長期税制で示された答申案の内容は尊重されるのかどうか、こういう問題について明確な答弁をお願いしたいと思います。
#40
○政府委員(米田正文君) お話のように、長期的な見通しのもとにおける税制としては、いまのお話の租税特別措置法に関しては、逐次これは縮小していくものだということは私どもも一つの原則だと心得えております。ことしの税制改正、所得税法の改正等も行ない、かつ租税特別措置法の改正も今後提案をいたしまして御審議を願うことになっておるわけですが、それらについてもそういう基本的な考え方を入れて考えていくことにいたしております。ただ、現在の時点における事情等がございますから、それらはやはりその中に勘案をしていかなければならぬ事態だとは存じます。が、基本としては、お話のように租税特別措置法は漸次縮小をしていくものだというように考えて進んでおるつもりでございます。
#41
○戸田菊雄君 漸次縮小されていると思いますか。
 それから、もう一つは、主税局長に答弁を願いたいのですけれども、実務的に見てやはりこの方針に沿っているかどうかということです。
#42
○政府委員(塩崎潤君) 私ども、大きな線ではこの方針に沿っていると思います。私どもの経験におきましても、昨年は重要物産免税の廃止、あるいは特別償却の縮小、今年度、四十二年度におきましてはこれから御提案申し上げますところの預貯金利子の五%の引き上げ、あるいは交際費の制限、こういったことはやはり新しい情勢に応ずる特別措置の整理合理化の一環だと思います。なお、そのほかに新しい情勢に応じまして、やはり租税特別措置は経済政策との調和でございますので、新しい特別措置がふえていることは事実でございますが、これは流動的に租税特別措置を改廃していく、その中の一環だと思っております。
#43
○戸田菊雄君 次官の考えはいかがですか。
#44
○政府委員(米田正文君) 私のかわりにいま答弁したのですが。
#45
○戸田菊雄君 私の調査によりますと、決して現実はそういうふうにいっていないと思うのですね。たとえば三十九年の末でありますが、四十年度予算編成に際して佐藤内閣が税金について次のように言っているのです。それはどういうことかというと、これは池田内閣当時からそういうことは踏襲されてきているのでありますが、この四十年度の税制について税制調査会が首相に答申をし、四月以降四十年度の減税、具体的には当初五百三十五億だと思いましたけれども、それに対して八百十八億減税額が確かにふえてきている。しかし、このふえた分はどこに行っているかといいますと、大体三百億程度になりますが、その内容はほとんど利子配当の減税、このほうに行っている。さらに法人税一%引き下げを実施しております。こういう方向に、すべて減税をした分はそれに回された。こういう形でありまするから、逆にいうならば、租税特別措置はそういう面でさらに大きく拡大をし、特定の独占ないし資本家に対して恩典をこうむらせている、こういう姿が私は実務的にも具体的に出てきているのではないか、こういうふうに考えているわけであります。
 さらに、佐藤総理が当時国会で答弁した内容について、どういう批判があってもそういう配当利子等の問題については変更しない、いわばもっと拡大していく、こういうふうな特別措置法というものによってさらに恩典に与えていく、こういうようなことをぬけぬけと言っているわけでありますが、こういう姿勢からいえば、いま次官が言われたように長期税制のあり方に示された答申の第五項というものは全くいま抹殺にひとしい状況にある。ですから、私はいまの答弁では全く納得がいかない。もう一回その辺について明確にしてもらいたい。
#46
○政府委員(米田正文君) 私が先ほど申し上げましたように、基本的にはこの答申の線に沿って今後も進んでいく予定にいたしており、現在もそういう心がまえでおりますということを申し上げたのですが、その内容等についてはいま主税局長からもお話を申し上げましたように、内容的にも特別措置法の縮小をはかったものもあり、かつしかし、それのみでなくて増収になっているものもございますが、この増収になっておりますのは今日の時点においてやはりその時代に応ずる措置としてこれが適切だというような考え方で計上いたしておる次第でございます。
#47
○政府委員(塩崎潤君) 戸田先生の御指摘は四十年の利子配当の特別措置の拡充、これを言っておられると思います。その改正は、確かに税制調査会の答申と政府が採用いたしました税制改正案の最も大きな違いでございまして、これが今回期限が切れようとするものでございまして、それを私どもは今回、租税特別措置の整理合理化の一環といたしまして五%引き上げよう、こういうものでございます。なお、法人税率一%引き下げということは特別措置と私どもは考えておりません。これには、しかし、法人税引き下げがいいか、あるいは租税特別措置の形で企業に一つの刺激を与えるのがいいかどうか、これはまた別途の角度として検討すべきものだと思います。私は現在の法人税の仕組みが非常に混乱しておるときに、法人税率の引き下げというようなものは避けていきたい、企業減税をするならばもう少し別な形の企業減税が望ましい、こういうように考えております。
#48
○戸田菊雄君 それじゃ、特別措置法というものは一体だれを優遇する租税形態だというふうに考えておりますか。
#49
○政府委員(塩崎潤君) 租税特別措置法に規定する租税特別措置は、私は先生のおっしゃるように確かに租税負担公平原則の大きな例外でございます。そういった意味では非常な問題もございますが、この租税特別措置のねらいは特定の経済部門と申しますか、国民経済の特定部門に対しまして傾斜的な優遇措置、これは減税の形になるか、あるいは特別償却の形になろうかと思いますが、このような形を与えて、それを通じて国民経済全体を大きくしたい、こういうことだと思います。したがいまして、その傾斜的な減税の恩典を受ける人に、あるいは資産を蓄積さし、あるいはぜいたくな消費生活を誘う、こういうのが目的ではなくて、それを通じて経済の成長をより大きくはかろう、こういうように考えるべきであろう、かように考えております。
#50
○戸田菊雄君 詳しくは本格予算の中でやっていきたいと思いますが、それでは具体的に少し質問してまいりたいと思うんです。
 その前に、きのう非常に時間のないところで資料を要求いたしまして、たいへん苦労をかけて、ありがたい資料をちょうだいいたしました。お礼を申し上げます。
 それで、第二の質問は、きのうも資料で要求いたしまして、租税特別措置法の関係に基づく三十年以降四十一年までの減免額はわかったのでありますが、これは全体で一兆六百三十三億円にわたるわけですね。そのほかに、私たちは、特別措置法によって擁護されておる各種の項目があるわけでありますが、たとえば配当控除によるもの、それから法人受け取り利子配当非課税によるもの、それから法人が払うべき配当分にかかる法人税率の引き下げから来るもの、そういう譲渡所得等の恩典的に免税になってくるものですね、そういったものに対する各種日別の総額は大体どのくらいか、これいまおわかりですか。
#51
○政府委員(塩崎潤君) いま戸田先生の御指摘になりました、たとえば配当控除、あるいは配当益金不算入、これは考え方によりましては特別措置といえるかもしれませんけれども、現在の税法のたてまえでは、御案内のように、法人税というものは個人株主の所得税の前払いであるという観点からでき上がっております。その観点から見ると、まさしく逆に、配当控除なんというのはまだ足りないということにもなります。そういった計算をいたしておりますので、これまでに私どもは配当控除の金額がどの程度累積してあるかといったような、簡単にいま計算をするような仕組みはしておりません。推定して計算すればできるであろう。しかし、これは私ども、ただ基本的な仕組みについては、議論がございまするけれども、基本的な仕組みでございますので、租税特別措置の中には計算しておりませんので、資料として御提出申し上げることは、これは十分推計してからお答え申し上げたいと思います。
#52
○戸田菊雄君 結局いまの配当控除による問題の恩典を受けておるのは、私はいまの独占だと考えるのです。具体的に一つの例を申し上げますと、東京電力債の場合どれくらい一体恩典をこうむっておるかということでありますが、私の調査でありまするからあるいは間違っておったら、あとで指摘をしていただきたいと思うのでありますが、それによりますと、電力債の現在高は、私の調査によりますると、五千七百九十一億。これは三十九年の統計でございます。これが大体約四百二十億利子を支払っておる。そうしますと、一つの例でありまするけれども、電力債を五十万円持っておる。これは一割配当で、株価にすれば約五百万くらいになると思うのです。七年償還でありますから、そうすると二十五万五千円くらい、いわばこの利子配当を受けられる。そうしてなおかっこの株配当については、御存じのように二つの抜け道があります。一つは五万円以下は所得申告をしなくてもよろしい、こういうのがありますから、その銘柄を細分化して多額のこういった株を持っておるというと、その配当金はより膨大になってくると思うのであります。それらに対しては、いま国税庁は何ら手を加えておらぬ、全く不明のまま。それが意識的にやられておると私は考える。こういうように、一つの東京電力社債の場合で、このくらいの金について利子配当がどんどん入ってくる、こういう形が具体的に私はあると思うのです。
 これは三十九年の十二月十一日の朝日新聞でありますが、野村、山一証券などは次のようなことを言っておる。「電力社債は無記名です。税金は利息をうけるときの源泉分離(5%)だけ。総合申告の必要はありません。非課税制度を、ご利用になれば元金50万円までの利息は、税金がかかりません」、したがって大いに買ってくださいと、そういうことで宣伝をやっておられる。
 こういうぐあいに東京電力債一つをとっても、多額の利子配当というものが次々に入ってくる、こういうのが実態です。そういうものの配当控除全体の総額も私は相当になると思うのであります。あとで一つふれていきますが、八幡製鉄の場合でもそうなんです。こういうぐあいに、いわば特別措置法から来る多額の恩典というものをいわば集中的に独占や資本家側にのみやられる、こういうのが実態です。こういう実態について、一体主税局長はどういう考え方をとっておるか。
#53
○政府委員(塩崎潤君) いま御指摘の、ある会社の電力債の問題、これは戸田先生御案内のように、確かに個人が持ちますと、源泉分離一〇%の課税であります。なお、少額貯蓄は百万円まで。社債だけでありますれば、無税であります。これは私ども御提案申し上げておりますところの昭和四十一年度の利子所得に対する軽減の中に当然入っておるわけでございます。そういった意味では計算されます。もうすでに電力債のみならず、あるいはその他の事業債、これも利子の分離課税の特例という形の中に入っておりますので、それを込めていま御議論いただいておることだと思います。
 なお、配当というお話もありました。確かに東京電力株式会社の配当を持っておりますと、配当控除がございます。これは先ほど申し上げましたように、法人税の基本的な仕組みから来ておることでございますので、私どもは現在のところ特別な恩典とは考えてはおらない――私どもと申しますか、現在の税制では特別な恩典と考えるべきではないということになっております。
#54
○戸田菊雄君 少なくとも労働者や農民や中小企業者、きわめて零細なそういう人たちは、確定申告しなかったら、それはもう徹底的に税務署から追及をされる、こういう状態になっておると思うんですね。それにもかかわらず、配当利子関係については、東京電力債一つとってみても、四百二十億程度当時払っている。これらに対しては何ら申告という点については税務署は介入しておらぬそれはもう当然五万円以下は、五%は申告しなくてもよろしい、この抜け道があるからでありますが、こういうことについて、やはり局長として矛盾を感じないのかどうかですね、その点はどうです。
#55
○政府委員(塩崎潤君) もう御案内のように、配当が二百二十六万円までならば、夫婦・子三人の世帯ならば所得税の申告が要らない。ところが、給与所得ならば、これが二十八万三千円まで税金がかかる、事業所得ならば申告が要って、二十八万九千円まで所得税がかかるということはもう御案内のとおりでございます。私も、昭和二十五年にできました現在の法人税制は、決して、どうも大企業、大法人については、世の中の納得を得るような仕組みとは考えておりません。しかし、この法人税を一般的に何ら基準なくして考えること自体、シャウプ勧告が否定しましたように、何らかの基準を設けて法人税というものは考えるべきだと。シャウプ勧告は、これを個人所得税の前払いと、源泉徴収というふうに考えたわけでございますが、それはまた一般的には中小同族会社にはこれは当てはまる。しかし、全く株主と遊離した―遊離したと申しますか、別に存在する大会社についてはどうもおかしいというのが大方の御意見のようでございます。これらひとつ根本的に法人税を考えようということで、昨年の税制調査会にも、給与課税の根本的なあり方として検討しておることは、先般来御報告申し上げておるとおりでございます。そのときに出ました一つの議論は、やはり法人税は、独立に存在する法人企業から利潤を対象といたしまして国に納めてもらう税金と観念するのがよいのではないかと。しかし、この考え方は、いまのシャウプ税制に基づきます法人擬制説を根本的に変えることになります。さらにまた、中小同族会社に対しましては非常なショックを与えることになります。株式市場にはまた大きな影響も来たすものでございます。いま申されたような法人税についての考え方が、シャウプ税制で私は企業の経営者にも株主にも一般大衆にも溶け込まなかった、十分に理解できなかったと同様な結果が生じないように、この法人税の考え方は、ひとつ広い階層の方々で御議論願って、法人税とはどういうものだということを十分認識していただいて、それから根本的な改変を下すべきであるというふうに考えておりますし、税制調査会もそういった考え方で、しばらく時間をかけてこの問題は根本的に検討しよう、そうしていま申されました配当控除というような、世の中の方々がどうもおかしい、納得されないという問題は解明していこう、こういうふうに考えていくようにいまのところは審議されておるのでございます。
#56
○戸田菊雄君 まあ根本的に検討する、ないし改善を加えると、こういうことでありますから、その点ではまたあとでこまかい点に触れたいと思います。ただ、私の記憶では、昭和三十八年の、かりに六十万の所得者の中で、労働者は一体どのくらい税金を納めているか、記憶では年間約五万円近いものを納めておる。それから、中小企業やあるいは若干小さい工場を持って事業をやっておるこういう人たちは、少なくとも六万ちょっと納めているはず。ところが、利子配当で寝食いをしている人は一体どのくらいかというと、一銭もかからぬ、これは免税点が高いから。わずかに地方住民税千百四十八円を納めれば事が済むという、このくらいいまの税徴収の中に不公平というものがあるわけですね。少なくとも税法上の原則からいけば、これは負担能力に応じて公平に取るというのが税法上のたてまえだと思う。にもかかわらず、いまの状況からいけばそういう具体的な内容を見ていくと、きわめて不公平。これは当然いま局長が言われたように早期に改善されなければならない。そのことは何かというと、まずもって特別措置法というものを廃止をすべきだ。その上に立って各税種目ごとに、一体これは妥当を欠いているかどうか、こういう意味で私は逐一検討を加えていくべきではないかと、こういうふうに考える。
 いま言ったように、かりに電力社債の問題一つ取り上げたのだけれども、大体いまの特別措置法をずっと羅列的に見ていきますと、昭和三十八年には少なくとも三十二種類くらいだったと思う。ところが、現在四十種目に近いほどに拡大をされてきている。たとえば一つの例でありますが、重要外国技術料の課税の特例とか、あるいは重要機械類の関税の免除、あるいは自由化に伴う特定産業の合併促進、これから来る免税、あるいは合理化機械及び重要機械の特別償却、貸し倒れ準備金、こういったこと、具体的には何といっても大企業擁護の上に立って、すべては特別措置法というものが進められていることは間違いないと思う。ですから、そういう点からいけば、これらの特別措置法というものは、やはりいま局長が言われたように、口だけではなくて早い機会にこの抜本的改善策をとっていく必要があるのではないか、こういうふうに考えているわけなんです。そういう点について、時期的に一体いつごろまでかという明確な方針があれば、ひとつ聞かしてもらいたい。
#57
○政府委員(塩崎潤君) 確かに税制は世の中の常識にささえられなければならないと思いますし、さらにまた、負担の公平の原則というのは、最も大きな税の基準でございます。これを犠牲にすることは、できる限り避けるべきだと思うわけでございます。そういった意味で、私どもは常日ごろ、租税特別措置につきましては、非常に期限もつけたりあるいはまたいろいろな条件もつけまして、やかましい審議をしているつもりでございます。しかしながら、昨年の税制調査会の答申にありますように、同時に、現在の経済社会のもとでは、補助金というような制度だけで一つの誘因を与えるということ自体適当でもございませんし、やはり租税の果たす誘因的な機能は相当高く評価しなければならぬ。問題は、設けられました租税特別措置が、固定化する、あるいは既得権化する、こういったところが問題であろうと思うわけでございます。そういったところは、ひとつ時期の来るごとに、あるいは効果がなしと判断されたときは、勇敢にこれを削除していくと、なおかつ、新しい情勢において必要なものはどんどんと設けていくということがとられるべきだという答申も最近出ているわけでございますが、こういった形はぜひ守っていきたい。そういった意味では、租税特別措置を、期限的に一体いつまでに排除するということは言えないわけでございますが、その中身につきましては、経済情勢に常に応ずるような改定を加えていくべきであるし、新しい情勢に応じての新しい措置は、必要によってはできるかもしれない、こういうことに御理解願いたいと思います。
 さらにもう一つ、先生が先ほど来申されておりますように、法人税というものは、いまシャウプ税制によって法人擬制説というたてまえをとっております。で、先ほども申されましたように、六十万の人は年五万から税金がかかっていくのだ。配当所得者は一銭も納めない。これは利子と一緒にお考えかもしれませんが、配当所得者は全く納めなくても済むじゃないか、こんなようなお話でございますが、ここに問題がございます。これは先ほど来るる申し上げておりますように、その方は全然無税で済んでいるのじゃなくて、自分が持っている株式を発行している会社で法人税を納めているから個人所得税を納めなくていいという考え方がその基本にあるわけでございます。そこが先生はおかしいと言っておられる。世の中の人も、それはどうも擬制に過ぎる、税というものは、自分が額に汗してもうけた所得に対して、自分が申告して初めて税という感じがするけれども、八幡製鉄あるいは東京電力が納めた税金を、個人株主の納めた税金と見ること自体がどうも不合理だということを言っておられるのだと思います。しかし、現在の税制は、先ほど来申し上げておりますように、シャウプ勧告以来そういった仕組みをとっているわけでございます。そこに問題がある。したがいまして、こういった基本的な仕組みを簡単にいじくれないといたしますると、別な租税特別措置によって企業に誘因措置を与えることも、法人税を変な形で改正するよりも適当な場合もある、こんな感じがするわけです。したがいまして、より基本的には、先生のおっしゃるように、できるだけ早く法人税の仕組みをどうしたらいいか、これもひとつ根本的に洗ってみて世の中の大方の方々の是認されるような仕組みに持っていきたい。これはひとつできる限り早く検討すべきであろう。しかしながら、経営者にも、株主にも、シャウプ勧告に基づく税制をわからないままにいかないで、ぜひひとつ十分時間をかけて呑み込んでいただいて長期に安定するような法人税の仕組みをつくるべきだ、かように考えております。
#58
○戸田菊雄君 それじゃ、逆に私は聞きますけれども、一体現行の特別措置によって国民大衆あるいは中小企業――中小企業ということに限定をいたします。中小企業で一体従来恩典を受けているものがございますか。あったら指摘をしてください。
#59
○政府委員(塩崎潤君) 中小企業の範囲、問題でございますが、私どもは税法の上では個人事業者あるいは農業あるいは自由職業までを含め、さらに法人形態では資本金一億以下の法人をまずまず中小企業の範囲に属するものと一応税法では考えております。したがいまして、逆に一億円をこえます法人が大法人、大企業と考えております。
 そこで、租税特別措置法のうちの減収額がどの程度大企業と中小企業に帰属しているかということを研究したのはございます。これは衆議院の御要求によりまして御提出申し上げました。お手元に行っているかと思いますが、四十一年の二千三百八十五億円の減収額のうち、企業関係の租税特別措置は八百一億円でございまして、うち三百六十四億円は大企業でございます。残りの四百三十七億は中小企業でございまして、大企業分がこの一〇〇のうち四五・四%、中小企業が五四・六%、かようになっております。ちなみに、法人税の内訳で、大法人と中小法人との納税額のシェアと申しますか、割合は、大法人が大体六〇%程度、中小法人が四〇%程度でございます。
#60
○戸田菊雄君 その統計がどういうことで進められたか、私は資料を見ておりません。私が調べたところでは、一つしかないというふうに考えております。わずかにその額が十五億です。中小企業に対する特別措置法から来る恩典をこうむっておると思われるものは、それしかない。その資料があればちょっと見せていただきたいのでありますけれども、結局それは中小企業に対する割り増し償却、これはわずかに認めているだけじゃないかと私は考える。少なくとも三十八年当時の統計でいくならば、当時特別措置法に基づく一千九百九十八億円、これが総体的に特別措置として免税に上がっている。しかし、中小企業に対してはわずか十五億。それはいまの設備近代化等に伴う割り増しの問題、それしかないというふうに私は考えておるのでありますけれども、しかし、それも中小企業近代化促進法に指定されたこういう業種しかだめなんです。きびしい制限がある。そういう特定業種しか認めない。わずか企業は五年間だけだ。こういうふうに中小企業等については非常に縛っていっている点が多くあるわけです。さらに償却済みの三分の一しか認めない、こういうことであります。そういう一面に対して、非常にきびしい抑制策をとっておるのでありますが、八幡の例を一つ申し上げますと、これなんか全く寛大そのものであります。
 中小企業に対してはそういう体制にありながら、八幡の場合、一体どういうことになるかというと、これは私きのう資料の要求のしかたが悪くて提示をしていただくことができなかったから、私は自分の統計でやるしかないのであります。これは今後ひとつそういった問題について、個々の産業について出せないのかどうか、ここでひとつ確かめておきたい。それは具体的にはあとで御回答願いたいと思いますが、たとえば三十七年四月から三十八年三月期の八幡の減価償却は二百二十五億ある。これが普通なら、三十七条方式でいくならば三八%税率であります。そのものが二百二十五億の減価償却で、その純収入が七十三億。ですから、七十三億を三十七条方式で三八%でいくならば膨大な税金になる。ところが、特別措置によって特別償却引き当て金であるとか、こういう免税措置がいろいろとやられてきますから、実際は十六億円に対して〇・三%かけた税率ということになるわけです。結局は、この税金というものは非常に安くなる。このくらい実は恩典を受けていると思うんですよ。これを三十七条でいった場合には相当多額の、少なくとも私は多くの税金を取っていかなければいけないということになるんじゃないかと思うんです。これは八幡といえば皆さんもご存じのように、鉄鋼の大独占であります。日本でいえば最高です。そういうものについては、非常にいわばまけた形で税金というものを取っておる、こういうふうになっておると思うんです。こういう問題について、結局中小企業と比較対照してみると、格段の差がある、こういう矛盾もはなはだしい税制体系が公然といま日本の中で行なわれておる、こういう問題については、いまやっぱり主税局長が言われたように、早期に改善策をやることは当然だ。
 そこで、資料の提示の問題についてひとつここでは御回答願いたい。
#61
○政府委員(塩崎潤君) 私どもは、これまでの慣例でもございましたが、法律上、職務上知り得た秘密をここで申し上げることもなかなかむずかしいわけでございますが、したがいまして、個々の会社の内容についての私は税法上の適用について申し上げることができにくいわけでございます。そういった意味で、ひとつ大企業あるいは中小企業の一般的な傾向をあらわすような資料ならばつくれるかと思いますので、そういった資料ならば、お許しを願えるならば、ひとつ御要求によりまして提供したいと、かように考えております。
 なお、先ほど来戸田委員御指摘のように、中小企業と大企業との間に特別措置の適用状況について非常な格差がある、こういうお話でございます。三十八年の税法について申されておるようでございますが、この租税特別措置法はなかなか分類がむずかしいのでございます。そういった関係で、中小企業だけの特別措置というものを抜き出すことが必ずしも容易でございません。私どもは、合理化機械の特別償却の中には、大企業のみならず、中小企業も同じ条件で適用されることになっておりますので、この数字もございます。さらにまた、御案内のように、価格変動準備金は何も大企業だけでもなくて中小企業にも適用がございます。それから、輸出割り増し償却にいたしましても、海外市場開拓準備金にしても、同様でございますので、この準備金をおのおの中小企業と大企業との間に割り振らなければならない、そういうことをだんだん割り振ってまいりますと、いま申しましたように、中小企業の割合が大きい、むしろ納税額では逆転するようなことになります。それから、昨年あたりからは、御案内のように、中小企業の貸し倒れ引き当て金は大法人の貸し倒れ引き当て金の二割増しであるというような特例まで設けまして、中小企業独自の特別措置の制度がございます。さらにまた御案内のように、私どもは農業の予約米減税は、これは大企業のものとは考えておりません。これも特別措置の減収額の中に入れてございます。さらにまた、お医者さんの社会保険診療報酬の特例、これは四十一年で百三十億円ばかりございますが、これが大法人のための特別措置とも考えておりません。こういうことを考えますと、租税特別措置が必ずしも大法人のためばかりというふうに考えるべきではなくて、むしろ私どもが租税特別措置法に規定しておる趣旨は、ともかくも同じ経済状態にある人に対しては、別な税負担、税法上の例外として考えられるべきもの、税負担の均一化と申しますか、公平の見地から見て、特殊な階層に特殊な税負担を設けておるものを租税特別措置としているわけでございまして、大企業のための租税特別措置だけを租税特別措置法に規定しているわけではないのでございます。
#62
○戸田菊雄君 それじゃ、逐一、局長が大企業ばかりではないと言いますから、あと二点ばかり私は指摘してまいりたいと思いますが、時間がございませんから、若干割愛さしていただきます。
 その第一は、貯蓄奨励という名によるいわゆる特別措置の問題であります。この内容を見ますると、結局は、利子所得の分離課税あるいは税率の軽減、あるいは配当所得に対する源泉徴収税率の軽減、あるいはまた生命保険料の控除の問題、あるいは少額貯蓄の利子に対する免税、あるいはまた有価証券譲渡非課税によるもの、こういう内容がいわば貯蓄奨励という名目の中で恩典をこうむっておるのが大部分じゃないか、少なくとも私の統計によれば。これは、第一項の利子所得の分離課税については三十八年は三百六十億、さらに配当所得に対する源泉徴収の税率軽減については二百十億、あるいは生命保険料の控除は二百二十億ぐらい、少額貯蓄は百三十億、有価証券譲渡非課税については七十億、そしてなおかつきのうもらった資料によりましても、貯蓄の奨励、全体の免税というのが千四百五十四億も四十一年度ある、こういうぐあいに、いま読み上げたような大まかな項目だけ拾ってみても、そのくらいに恩典をこうむっておる。この内容は、一体だれに向けられておるのか。少なくとも私はあまり国民大衆は、苦労しても、三万やあるいは四万の給料取りでは、とてもここまでは手が伸びないのが現実である。そういうことから推してみれば、当然いま局長が言われたように、大法人関係ばかりじゃないと言うけれども、具体的には、すべて資本蓄積名目やなんかで、どんどんそういうものが強くなっておる、そういうのが実態である。こういう一つの貯蓄奨励関係を見ても、私は非常に特別措置法から来る問題点がある、こういうふうに思えるわけです。
#63
○政府委員(塩崎潤君) 租税特別措置の中で、戸田先生のおっしゃるように、貯蓄奨励関係のウエートは非常に高うございます。二千三百八十五億のうち、千四百五十四億円は貯蓄奨励関係でございます。確かに所得税というものは最も税制の中心でございまして、私は法人税よりもより基本的な税金だと、かように考えるわけでございます。したがって、所得税において総合所得課税の原則が破れるということ、あるいは累進性が阻害されることは、もう税制上最も注意しなければならぬ点だと、かように考えます。その点におきまして、貯蓄奨励関係は私は非常な例外だと思うわけでございます。
 しかし、この貯蓄奨励関係の中にもいろいろのものが入っておりまして、先ほど引用いたしました資料の中に、二百万円をこえる所得者と、二百万円以下の所得階層で、どの程度千四百五十四億円の税収が分けられるかという数字も衆議院の御要求によりまして出したのでございますが、分析の過程でわかりますように、非常に貯蓄奨励の各項目の中で高額所得者に片寄る程度が違ってくるわけでございます。先ほど御指摘の生命保険料というようなものは、限度が三万七千五百円というようなことがありますので、むしろ高額所得者には片寄っていない。多分に、千万人の掛け金を払っている方がございますので、相当広く分散している。少額貯蓄の奨励制度もそうでございます。しかし、一方配当所得のようになりますと、非常に高額所得者に片寄ってくる。つまり負担の公平を犠牲にしているといいながら、貯蓄奨励の中には非常な変化のある片寄り方を示すものがあり、そこに私どもは注目して、これがどのように経済にいい影響を来たすかということの判断をし、それと、税負担の公平の原則をどの程度害しているか、これをひとつ両者をにらみ合わせながら、この問題を解決していかなければならぬ、かように考えております。
#64
○戸田菊雄君 もう一つお伺いしたいと思います。それは交際費の関係です。四十一年度は総額どれくらいあるか、この点についてまずお伺いしたい。
#65
○政府委員(塩崎潤君) 四十年度に私ども調べました交際費は、実績におきまして五千七百四十八億五千九百万の交際費が使われたということが法人の税務統計の中で明らかにされております。
#66
○戸田菊雄君 ちょっと聞き漏らしたのですが、五千七百幾らですか。
#67
○政府委員(塩崎潤君) 五千七百四十八億五千九百万円でございます。
#68
○戸田菊雄君 この交際費をいまおっしゃられましたね。四十年度だけでも五千七百四十八億五千九百万、このくらい膨大な交際費を、いわば会社で見るならば損金に入れてしまうのですね。現行は五〇%しか税対象になりません。その浮いてきた金がこのくらいですね。少なくともこれは三十八年度は四千五百六十二億、三十九年度で五千三百六十四億、四十年度はいまおっしゃられた。四十一年度はちょっと統計はいまわかりませんが、こういう金を追ってみますと、これはまことにばく大なものだと思う。これに対して五〇%。
 一体、この交際費という定義ですが、三十九年版の実務教育の中には、若干国税局としての見解が明らかになっておりますが、この交際費の定義についてひとつこの際明確に聞いておきたい。
#69
○政府委員(塩崎潤君) 交際費の定義は、税法で可及的に明らかにいたしております。なかなかその範囲についての認定はむずかしい問題がございますが、ともかく大きな意味において会社の接待あるいは飲食を伴うような費用、これに着目いたしまして、次のように定義してございます。「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、きょう応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう。」、こういうふうにしております。ただし、小さなもの、あるいは社会慣習上こういった交際費の中に含めるのが適当ではないという趣旨から、次のようなものは除いてございます。「もっぱら従業員の慰安のために行なわれる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用」など福利厚生費とされるべきもの、その次の例外は、「カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用」など広告宣伝費とされるべきもの、第三の例外は、「会議に関連して、茶菓、弁当その他これに類する飲食物を供与するために通常要する費用」など会議費とされるべきもの、第四の例外は「新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他記事の収集のために、又は放送のための取材に通常要する費用」など編集費または取材費とされるべきもの、以上でございます。
#70
○戸田菊雄君 時間がありませんから、これで終わりたいと思うのですが、この特別措置法の中にこういった交際費が含まれ、特定の恩典をこうむっておる、これは全く奇々怪々だと私は思うのですね。そうしてその額も五千七百億幾らという、こういう莫大な額になってるわけです。そうしてなおかつ、いま局長がおっしゃられましたように、この交際費の定義というものは非常にばく然としておる。具体的には、たとえば宴会費だとか会議費であるとか、旅行あるいは観劇であるとか、招待、私はこういうものを税制上認めているところに、いわば政治家とそういう事業家の結着ができてきて、政治がやはりその面からも乱れていく、こういうものが私は多くあると思う。そういういわば百害あって一利なしのこういう交際費については、即刻私はあらためて、やっぱり適切に、五〇%だといわないで、まるまるこれについては税金の対象にしていく。たとえばわれわれ個人生活の中で、友だちが来たからきょうはひとつ一ぱいやろうじゃないかとか、そういう経費については何ら見てないわけです。言ってみれば、それは事業経営者と個人生活というものは違うと皆さんおっしゃられるかもしれないけれども、一体その範囲なんかについてもきわめて不明確ですからね、現在の税務署で言っておられる定義内容は。ですから、こういう問題について私はひとつこの問題を早期に、私たちが言う、主張する方向に、ひとつ改善策をやってもらわなければいけないと思う。これはぜひひとつ、あとで本格予算の中でさらにこまかく質問してまいりたいというふうに考えます。ぜひそういうことで検討してもらいたい。
 それから、大臣が参りましたから、大臣に一言だけこの機会に質問をいたしたいのですが、それはさっき次官と主税局長には質問いたしましたけれども、三十八年の税制調査会の中で、政府に対して、特別措置は少なくとも今後縮小していく、こういうことを言われましたけれども、現況の姿は一体どうなっているのか、あるいはその答申の方針に対して大臣はどう考えているのか、この点だけひとつ聞いて、私の質問を終わります。
#71
○国務大臣(水田三喜男君) 新規にこしらえたもの、あるいはやめたもの、流動的にこれを対処していくということです。
#72
○戸田菊雄君 次官は、少なくとも縮小の精神は踏襲すべきだと、こう言っている。いま大臣は弾力的に情勢に応じてと、こういうんですから、私はそれでは答弁が違うと思う。次官は、少なくとも三十八年の税制調査会におけるその精神は踏襲していく、いわゆる縮小の方向でこれから努力する、大臣は弾力的にというのですから、これはちょっと私は違うと思うのです。その辺はどうです。
#73
○国務大臣(水田三喜男君) 弾力的にじゃなくて流動的にと言いましたが、たとえば重要物産免税というようなものは、どんどん政策的にもう不必要だと思われるようなものは整理してまいりましたし、また新しい事情によって必要と思われる新しい措置をつくっていくということもございまして、増加する方向もやっておりますが、減らすほうも答申に沿ってやっております。こういうことを申し上げたわけです。
#74
○戸田菊雄君 つまり大臣、答申案を尊重するのか、しないのか、その点ひとつおっしゃってください。
#75
○国務大臣(水田三喜男君) 答申案はもちろん尊重いたします。
#76
○木村禧八郎君 大蔵大臣、きのう質問いたしましたことについてまず御答弁願いたいと思う。それは、三十八年度と三十九年度の純計、一般会計、特別会計の純計について重大な誤りがあると認めるわけです。御承知のように、純計は、財政法二十八条に基づいて国会に提出しなければならない資料でございます。この重大資料につきまして大きな誤りがあったとすれば、三十八年、三十九年度は、間違った数字に基づいて予算が審議されたということになるわけですよ。これは重大な問題です。ですから、この事実はどうなんであるか、その事実関係をはっきり、どういうふうに間違っているか、そうしてなぜ間違ったのか、いつごろこの間違いを発見したのか、それと、これを今後どういうふうに処理していくか。それは国会に対し、国民に対し、相すまぬわけです。財政法二十八条は、予算、財政というものを、税金を納めておる国民にわかりやすく理解させるために、二十八条によって国会に提出をしなければならぬということを義務づけた、そういう資料であります。この資料において重大な誤りをおかしておるということは、これは今後にも重要な影響を及ぼしますし、また、他の資料においてもそういう、一般国民にはわからないけれども、重大なミスがあるんじゃないか、政府の統計に対する信頼感も、これは私は失わしめるものだと思う。ですから、明確にはっきりと、その点を明らかにしてもらいたい。どういうふうにこれを処理するか。これに対しての大蔵当局、また大臣の、これは国会に対して、もしこれが事実であれば相すまぬのですから、どういう態度をおとりになるか、この点についてお伺いいたします。
#77
○国務大臣(水田三喜男君) 御指摘のような誤りのあったことは事実でございます。どうしてこういう誤りができたか、これをまたどう処理するかというようなことは、詳しく岩尾政府委員から説明いたさすことにいたします。
#78
○政府委員(岩尾一君) ただいま御質問のございました財政法二十八条の規定に基づきまして昭和四十年度及び四十一年度の予算に添付して提出いたしました参考書類の中で、三十八年度と三十九年度の決算純計額に誤りがあるといわれておるが事実かという御質問でございますが、御指摘のとおり、いま大臣もお話をいたしましたとおり、計算上誤りがありましたことは事実でございまして、まことに遺憾に存じております。今後はこういうことのないように、十分留意をいたしたいと考えております。
 なぜこういう誤りができたかということでございますが、三十八年、三十九年度におきます決算の純計を出します場合に、先生も御承知のように、一応一般会計と特別会計で控除をいたしまして、そのあと、さらに全体についての控除をやっておるわけでございます。その最初に一般会計と特別会計で控除いたしました際に、いわゆる国債整理基金特別会計におきます借りかえ償還額というものを控除項目に入れまして、さらにまた最後に、計でやります控除の際にもそれをもう一度控除した、こういうことでございまして、明らかに二重控除ということで、全く計算上の誤りでございます。まことに申しわけないことであります。
 で、これを発見いたしましたのは昨年の八月でございまして、ちょうど国会も閉会中でございますし、昭和四十年度、四十一年度の予算も成立をしておりましたので、実は正誤表は昨年の夏に印刷をしたのでございますが、正式の手続でこれを提出する時期を失したわけでございます。今回この機会にあらためて御報告申し上げまして、遺憾の意を表したいと思います。
 それから、先生の申されました、今後どうするかということでございますが、四十一年度、四十二年度の予算に添付いたしております二十八条の参考書類につきましては、かような誤りがなく、正確に計算をいたしております。
 それから、今後におきましてもこういう誤りがないようにいたしたいと思いますが、なお先生のおっしゃいますように、純計自体についてどういう意味を持つか、どうしてこういうものを参考書類で出したほうがいいのかということにつきましては、われわれもいろいろ異論がございますし、また皆さん方のほうからも御意見をちょうだいして、むしろ財政制度審議会その他にも相談をして、実際に国民が、予算を審議される際にどういうようなものが審議の参考として一番プラスになるのか、率直に申し上げまして、私は現在の一般会計と特別会計だけのいま申しましたような純計ではちょっと予算の参考書類としては十分ではないんではないかという気がいたしておりますので、その辺は財政制度審議会にはかって、十分検討いたしたい、かように考えております。
#79
○木村禧八郎君 間違った数字を、これは明らかにして速記に残しておく必要があると思います。ですから、正しい数字と間違っている数字をここで明らかにしておいていただきたいと思います。それで幾ら誤差が出たか。
#80
○政府委員(岩尾一君) まず、四十年度のほうで申し上げます。四十年度の参考書類におきましては、いま申しました二重計上いたしました借りかえ額が三百八十一億三千五百四十四万でございます。したがいまして、各項目においてその分が重複計上されておる、こういうことでございます。それから、四十一年度につきましては、この借りかえ償還額の二重計上が四百九十四億四千七百八万九千円でございます。以上でございます。
#81
○木村禧八郎君 三十八年、三十九年は。
#82
○政府委員(岩尾一君) それがいま申しました三十八年度の分について四十年度予算で二重計上いたしたのが三百八十一億でございまして、それから四十一年度予算で三十九年度について二重計上いたしましたのが四百九十四億という数字でございます。
#83
○木村禧八郎君 それで、かりに今回のこうした誤りがいわゆるケアレス・ミステークであったとしても、今後こういう事態を避けるためにも、こうした誤りが国民から、外部から容易にわかるようなやはり計算のしかたについて、これを公表する必要があるんじゃないかと思うのです。これは非常に専門家でなければわかりません。純計なんか特に計算がむずかしいんだし、こういう誤りをおかしたについては、特に純計表を三十八条で提出を義務づけているのは、要するに納税者に予算とか財政というものをわかりやすくするための一つの方法なんですよ、財政民主主義の。ですから、こういう点をもっと今後明らかにする算出基礎数字ですか、その概要でいいですから、その内容をあわせて発表されたい。この点、いかがですか。
#84
○政府委員(岩尾一君) 二十八条の参考書類で、先生のおっしゃいますように、純計がどれだけ意味を持つかということは、これは非常に問題でございまして、先ほどもお話しいたしましたように、財政制度審議会にはかってみまして、どういう方法が一番皆さんの御納得のいく方法であるか、そういう点はよく検討していきたい。
 ただ、これは最初からのしきたりでございまして、先生も御承知ように、最初は特別会計と一般会計だけが予算のようなものでございましたから、これで一応各会計間の差し繰りは除かれるということになるわけですけれども、いまは政府関係機関というのがたくさんできましたので、こういうものを全部見ていかないとほんとうのことはわかりませんし、さらに地方財政もございますし、さようなことを考えますと、さらにいえば財投もございますし、なかなか見方がむずかしいので、これはむしろ実際の経済計算で見ておられます政府財貨サービスというようなもので見ていただいたらよいんじゃないか、かように考えてます。
#85
○木村禧八郎君 大蔵大臣は、いま岩尾さんからいろいろ事実についての説明がありました。大蔵大臣、こういうようなミステークをおかしたことに対して、これは国会に対して、国民に対してどういうふうにお考えか、そうしてどういうふうにこれを処理しようとされるのですか。それから、今後こういうミステークをおかさないようにするためにどうしたらよいか、その点についてお考えを聞いておきたい。
#86
○国務大臣(水田三喜男君) 私は、昨日ご指摘を受けて初めて知った問題でございますので、今後どうしたらよいかということはまだ考えておりません。問題は、これに気がついたときは去年の夏、気がついたときは四十一年度の予算がもうきまっておったときである、そのあとで気がついた、しかし、気がついた以上は正誤表をつくらなければならぬということで、実は印刷をしたのだそうでございますが、そうして国会の事務局のほうへ御相談をかけた、事務局のほうでも、さて、もう本予算はきまってしまったあとの問題で、これをどうするかというようなことをやはり研究しておってくだすったらしいのでございますが、機会をとにかく失した、いま次長が説明されたような形になって、正誤表はつくったものの、案は持っているというようなことでございますので、この処理をどうするかということは、あとで私もいろいろ御相談して考えたいと思っております。
#87
○木村禧八郎君 大蔵大臣、責任について何とも触れていないですよ。こういうことは、これは国民に対して大蔵大臣は相すまぬと思っているんですか。それはあとで発見したといいましても、これは重大な間違いですよ。こういうようなことをこの際はっきりしておきませんと、これは非常に予算の数字、特に純計なんかはなかなかわからない、専門家であっても困難です。なぜこういうことを、意地悪いようなことを指摘するように思われるかもしれませんが、そうでないと、国会というのはめくらだと言われるんですよ。大蔵省のかりに役人が、どうせ国会にはわからない、三十八年、三十九年ごらんなさい、純計の間違っているのを知らないで予算審議をしておった、こういうことになるんですよ。ですから、今後はやはり国会もめくらじゃないのだ、節穴じゃないので、やはり慎重にやらなければいかぬということをきちんとここでしておかなければいけないんです。責任というものをやはり明らかにしておかなければなりませんよ。大蔵大臣、いかがですか。
#88
○国務大臣(水田三喜男君) もう誤りであったことは間違いございませんし、これは非常に遺憾なことと思っております。今後はこういう間違いはしないつもりですが、いま事務当局から話がありましたように、この問題については、先ほどのような意味から検討を要する問題でございますので、これは財政制度審議会そのほかにそういった検討を願うということにしたいと思っております。
#89
○木村禧八郎君 それから、さっき触れた算出基礎数字というものを今後明らかにする用意があるか。
#90
○政府委員(岩尾一君) 算出というのはなかなかむずかしいわけでございます。どこまで算出基礎に入れるかということで、できるだけわかりやすいように計上するように努力したいと思います。
#91
○木村禧八郎君 それからもう一つ、会計検査院の純計と大蔵省の純計と違うんですよ。それは両方とも一応理屈があるわけです。大蔵省は単年度で考えていますよ。会計検査院のほうは単年度じゃないようです。剰余金をもこれは差っ引くものだ、こういうふうに単年度でなく考えているようです。しかし、これはまあ統一せよということがいいのか、悪いのかわかりませんが、やはりそれぞれの立論があるんですから、それで参考になると思います。しかし、会計検査院でもやはりこの剰余金の受け入れなんか、これは一括歳入の重複額の欄に組み入れられているんですよね。こういうのをやはり明らかにする必要があるのではないかと思うんです。大蔵省と違う点をはっきりして、こうこうこういうわけで違うのだと、そうしないと国民はわからないですよ。会計検査院のほうも純計だと見ているんです。大蔵省のほうも純計だと見ているんです。同じように思うんですよ。しかし、会計検査院はこういう考え方で純計をつくっている、大蔵省と違うのはこういうわけだということをやはり明らかにしておく必要があると思うんです。ですから、会計検査院でそういうことについて明らかにする考えがあるかどうか、考えがあるかというより、明らかにすべきだと思うんです、今後そういう点については。
#92
○説明員(保川遜君) ただいまの御指摘、まことにごもっともと存じます。われわれも従来その点は十分に考えておったのでございますけれども、戦前からずっとこういう方式を踏襲しているということで、惰性になれたきらいがございます。今後そういう点ははっきりいたしまして、これは大蔵省とわれわれ、単年度と継続ということで若干の考え方の相違がございますけれども、どちらが正しい、どちらが間違いとも言いかねると思います。ただ、お示しのとおり、その差異は今後の検査報告の記述におきましてはっきりしたい、こう考えます。
#93
○木村禧八郎君 私は無理に同じようにしろとは言っておりません。それぞれにやはりこれを使用する目的によって、大蔵省の単年度の計算がいいのか、あるいは会計検査院のやり方がいいのか、これはいろいろあると思います。両方あっていいと思うんですよ。無理に統一する必要はない。ただ、それを明らかにしておく、国民に対してわかりやすく明らかにしておくということを要望しておきます。
 次に、大蔵大臣に伺いたいんですが、ところで、この純計によると、四十一年度の伸び率よりは四十二年度の伸び率のほうが大きいですね。四十一年度伸び率は一七%、四十二年度は一七・八%なんです。そうすると、政府は四十二年度予算は中立予算で景気刺激でないと言っていますけれども、純計で見ると、四十二年度予算規模のほうが四十一年度より大きいんですよ。これはどういうことなんですか。
#94
○政府委員(岩尾一君) 御指摘は、四十一年度におきます一般、特別会計を通じました先ほど申し上げました純計と、それから四十二年度の純計と比べますと、まあかねがねわれわれのほうは一般会計は非常に規模が伸び率が減ったと申し上げておりまするけれども、純計を見るとむしろふえているではないかという御質問であったのですが、この点につきましては、先生もよく御承知のとおり、特別会計はそれぞれ自己固有の財源を持って、しかも一般会計とのやりくりをもってやっている。その歳入歳出を全部トータルいたしておるわけでございます。そこで、四十二年度におきまして一番大きな理由となっておりますのは、国債整理基金特別会計と食糧管理特別会計、それから簡易生命保険及郵便年金特別会計、さらに石炭対策で別に特別会計をつくりました、四十二年度におきまして。この四点が大きな違いでございまして、国債整理基金におきましては食管その他の年度末におきます短期借り入れ金の償還分というものが上がってくるというような事情、それから食管につきましては短期の借り入れ金をそういったぐあいで年度初めに振り出すとともに、年末にはまた会計内における口座の間を短期借り入れ金が動いていくというようなこと、それから簡易保険及び郵便年金につきましては、例の簡保をちょうど十五年前に保険金を上げました、その満期が参りまして、来年は多少支払いをしなければならぬというような事情がございます。それから、石炭は、一般会計から新たにそういう会計をつくりましたので、純計をつくりますとこの分がふえてくるということでございます。そこで、これを四つ全部引いてみますると、大体伸び率が一六・六というような数字に相なるわけでございまして、大体四十一年と同じような伸び、こういうことになると思います。
#95
○木村禧八郎君 ぼくは理解できないのですけれども、純計ですから重複は引いてあるわけでしょう。ですから、振替所得やなんかもやはり有効需要として作用すると思います。ですから、それが景気を刺激するかどうかということは、政府の財貨サービスだけじゃ足りないと思います。経済企画庁は前年度に比べて伸び率は低いから景気刺激的でない、最後はそういうふうに言い出してきている。ところが、それだけでは私は足りない。やはり純計というものが一つの私は景気刺激的であるかないかのメルクマールになる。それから、財政規模が大きいか小さいかを判断するのに純計で見る。もちろんこれには財投も含め、あるいは地方財政も含めて考えなければならぬけれども、とにかくそういう点で問題があると思います。もう時間がありませんから、その点、大蔵大臣、ひとつ答えてください、あともう二、三分しかないから。大蔵大臣、おかしいじゃないですか、景気刺激じゃないですか。
#96
○国務大臣(水田三喜男君) 政府の財貨サービス購入は四十一年度は一五・三、四十二年度一二・八、これでやはり本年度のほうが非常に伸び率が少ないというふうにやはり勘案していただくのがいいのじゃないかと思います。
#97
○木村禧八郎君 もう私の時間がなくなりましたから、この点はまたあらためて。時間が二、三分しかないですから、これは十分議論しなければなりませんし、これは一番重大な点じゃないですか。景気刺激的でないということをいままで言っていて、純計だとむしろ伸び率がふえていますから、これでもって合理的説明がつかなければだめですよ。景気刺激的でないとは言えません。
 最後に、もう一つだけ。四十一年度の公債発行減らしましたね。ですから、公債依存率は幾らになるか。四十二年度の公債依存率は幾らになるか。そうなると、これまで公債依存率をだんだんと減らしていくという政府の方針であったのが、結果として四十二年度は依存率が大きくなるのじゃありませんか。この点について、いままでの政府の方針と違ってきますから、なぜ、公債依存率を低くするといいながら、四十二年度は高くなったか。もし、いままでの政府の言うことを貫くなら、三千億ぐらい八千億から公債発行をやめなければ前年度四十一年度より依存率高くなるのです。その点はっきりおやりになるかどうか、そうしなければいままでの方針とは違反してくるわけですから。いかがですか。
#98
○国務大臣(水田三喜男君) まあ、私どもが公債発行の依存度を減らすということは、要するに、当初予算の比較においてこれはせざるを得ませんから、こういう編成方針をとっているのでございますが、四十一年度の当初予算においては一六・九%、大体公債依存度がそうなってくると思います。今度六百五十億公債を削減しましたので、それによって計算すると、一五・四%ということになって、四十二年はちょうど一六%ですから、この依存度は四十二年度のほうが多い。しかし、これは四十一年度の事情を見ましても、今後の事情によって、これが公債が削減される情勢もあろうかと思いますし、最終的にははっきりここで申し上げられませんが、いずれにしましても、四十一年度の実績から見ますというと、この四十二年度のいままでの公債依存度というものは去年より高いということになっておることは事実だと思います。
#99
○木村禧八郎君 おかしいじゃないか。それじゃ最後には高くなるんですか。要するに、最後の四十二年度のじゃあ実績で見た場合、実績で見た場合ですよ、今度は。そのときでもちゃんと四十二年度は低くなりますか。するつもりですか。そうじゃないと違反しますよ、あなたがいままで言われたこと。
#100
○国務大臣(水田三喜男君) これはそうなるように私どもは運営において努力するつもりでおります。
#101
○木村禧八郎君 そうすると、一五・四%よりよけいにしない、四十二年度の最後にそういう調整をすると、そういうことですか。そうすると、八千億をかなりこれは減さなければなりませんよ。そう理解してよろしゅうございますね。
#102
○国務大臣(水田三喜男君) 私はそうしたいといまのところは思っております。
#103
○須藤五郎君 大蔵大臣、時間が非常にないので、私は質問を二、三まとめて質問しますから、答えてほしいのです。
 一つは、今度勤労者に対する退職金の免税点を引き上げるということでいろいろ段階をつけて、三十五年つとめれば五百万円まで免税にするという措置をとっていらっしゃるんですが、大体大蔵大臣はこの退職金というものの性格についてどういうふうに考えていらっしゃるのか。どうも政府の見解だと、社会保障として、いわゆる恩恵的な立場に立ってこの免税点の引き上げをやっているようにわれわれ受け取れるんです。これははなはだ私たちとは違う意見です。討論するといいけれども、私の意見を申しておきましょう。私たちは、この退職金というものは決してそういう恩恵的なものじゃないと思うんですよ。退職金は、長い間労働者を搾取してきた、その労働者が当然取るべき、より一そうたくさん取るべき賃金のこれは残りだというふうに私たちは考えている。だから、労働者は当然これ以上の退職金を取る権利がある、こういうふうに思っているんですが、その点、大蔵大臣はどういうふうに考えられるか。そういうふうに考えてくれば、私たちの共産党は、退職金には、年限を問わず、金額を問わず、勤労者に対する――重役などは違うですよ、勤労者に対する退職金はすべて免税にすべきであると、かりに一千万円の退職金があっても、それも免税にすべきだ、税を取るべきではない、こういう見解を私たちは持っておるんです。ところが、政府は、今度のこの退職金免税点引き上げを、企業整理や合理化による労働者のいわゆる首切りと申しますか、これに利用しようとしておるのではないだろうか、こういうふうに私たちは受け取るわけです。だから、まあ率直にいって、政府が年限や金額においてこういう差を、免税点をいろいろ設けたというその根性は一体どこにあるのか。われわれはすべて無税にすべきであるということが、これが一つです。
 それから、先ほど塩崎主税局長に質問したんですが、この今度の七十四万円という数字を検討すると、非常に不合理な面が出ているんですよ。一人の人にはゆとりが年四万七千円あるのですね。二人は九万二千円、三人家族は十万五千円。四人は十一万八千円というようにゆとりがどんどんふえているのですよ。どんどんというほどの額じゃないが、とにかくそういうふうになっておる。ところが、五人家族になると、このゆとりが逆に減っちゃうのですよ、七万四千円に。大体こういう不合理さを大蔵大臣はどういうふうに処置しようとするのか。やはり日本共産党の言っているように、四人家族百万円までは無税にせい。事業税、住民税を含めて、すべて免税にせい、こういう主張を共産党はとっておるのですが、この五人家族になって減ってしまう理由がどこにあるかということ、これがもう一つ。
 それから、もう一つぜひ聞いておきたいことは、この課税最低限を引き上げたと言いながら、この十万円から十五万円の最低所得者ですね、これに対する課税を〇・五%上げて九%にしたということ、これははなはだ私は不可解なことだと思うのです。それで、政府報告でも百六億の増税になると、こういうことが言われておるのです。この百六億という数字をはじいた根拠は一体どこにあるのか、その点をひとつ聞いておきたい。
 いまも木村さんもおっしゃったようにね、こういう今度の予算の組み方で、おそらく四十二年度は人民に対する大収奪、税の収奪が起こると思うのですよ。これは議論すれば明らかになると思いますが、時間がありませんのでやめますけれども、議論は。しかし、必ずこういうことになる。自民党は四十二年度の減税千五百億、こういうふうに宣伝しておりますけれども、他方で印紙税、これで六百億を増税する。さらに物価上昇に伴うところのからくりで約七千億円の増税と、大増税になる。これをまあ自然増収というような名目をつけておりますけれども、これはやはり人民の大収奪がこういうからくりでなされる、こういうふうに言わなければならない。こういうことに対してひとつ大蔵大臣の所見を伺っておきたいと思います。
#104
○国務大臣(水田三喜男君) いまの課税最低税率の一〇%についての問題は、税制調査会で審議してもらった結果の答申に私どもはよっているのですが、去年からもう実施しておりまして、減税のたびに最低税率を一〇%まで段階的に持っていくと、〇・五%ずつことしで……。
#105
○須藤五郎君 去年もそれはけしからぬという意見を述べたのですよ。
#106
○国務大臣(水田三喜男君) それによって、しかし実際の租税負担は多くならないというふうに私どもは考えて、減税の率はきめておるということが一つでございます。
 それから、退職手当についての問題でございます。これはもうできるだけ、長く勤務された方への退職手当には税をかけないという方向で私どもは解決していきたいと考えております。
 それからもう一つは、やっぱり家族の多い家庭ほど課税最低限というものを上げていくという方向でやはり税制を考えるよりほかしかたがないのじゃないかと思います。
#107
○柴谷要君 私はごく簡単に政府の見解をただしておきたいと思うのですが、それはほかでもありませんけれども、日本の多くの労働者が組織をしておりますところの消費者生活協同組合の留保所得に対する課税軽減の問題が長い間、総評なりあるいは同盟、中立労連その他組織労働者はもとより、それ以外の消費者、労働組合員の諸君から強い要望として出されているわけです。しかし、その中におきましても、地域生協ではなくて職域生協、この職域生協の問題については何とか留保所得の課税軽減をしてほしい、こういう要望を強くいたしてまいったところであります。今日いまだ実現を見ない状況にございますけれども、政府はこの点をどうお考えになっておられますか、ひとつ伺いを立てたい、こういうことでございます。
#108
○政府委員(塩崎潤君) 柴谷先生の御指摘の問題は、かつて消費生協一般の問題といたしまして、農業協同組合あるいは中小企業協同組合の留保所得課税の特例とのバランスで私どもは検討したわけでございます。一般的に検討しただけに、中小商工業者との関係でなかなか問題が多かったわけでございますが、いまの御提案は職域の消費生協に限るという新しい御提案でございます。その角度はおそらく商工業者との競争の関係を避けたものだと思われますので、私どもといたしましては、新しい御提案といたしまして税制調査会にはかり真剣に検討してまいりたい、かように存じます。
#109
○柴谷要君 たいへんよい御回答をいただいたのでありますが、私どもの考えは、地域生協というのは中小企業に及ぼす影響が大きいというところから、分離をして考えました。特に、地域生協ではなしに職域生協というのは、工場単位であるとかあるいは職場単位というところで会員自体が利用するものであって、決して多数の不特定な人が利用するものじゃない。こういうところを十分検討されて、早期実現をするようにひとつ取り計らってもらいたいということを強く要望して、私は終わりたいと思います。
#110
○政府委員(塩崎潤君) ただいま申し上げましたように、真剣に検討してまいりたいと思います。
#111
○委員長(竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
#112
○委員長(竹中恒夫君) 異議ないものと認めます。
 それでは、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#113
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、反対の立場から、期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案に対する反対討論を行なうものであります。
 本日の委員会における租税特別措置法の期限延長については、次の諸点から絶対反対の立場を表明いたすものであります。
 その一つは、税金は国民負担の能力に応じ公平であるべきであります。
 その一つは、中山伊知郎会長による昭和三十八年の税制調査会の答申による長期税制のあり方についての五号で、将来は特別措置法は縮小すべきだという答申を尊重せず、逆に拡大の方向に行っていることは、調査会答申のみならず、国民を無視した行為であります。
 その一つは、現下政府は、国家財源の不足から国債を発行し、かつ国民の生活に不可欠の食管法の赤字をはじめ社会保障諸費の削減を来たしておりますが、特別措置法廃止に伴って生ずる財源は、大蔵省資料によっても、昭和三十年度以降四十一年度まで一兆六千億の多額の税金を独占並びに資本家にのみ減免措置は不当と言わなければなりません。
 ゆえに、租税特別措置法は直ちに廃止すべきであると考えます。
 以上の理由から、今回の期限延長には絶対反対するものであります。以上。
#114
○青柳秀夫君 私は、自由民主党を代表して、両案に賛成をいたすものであります。
 まず第一の、昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案でございますが、これは昭和四十二年に平年度千五百億円の減税を行なうというこの減税について別途改正の法律案が提出されますが、それは六月一日から施行となっておりますので、その間四月一日から五月三十一日までの間に支払われる給与並びに退職金につきましてもその減税の効果を及ぼそうとする改正案でございますので、適切なる措置と思うのでございます。
 次に、期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案でございますが、これは租税特別措置法及び関税暫定措置法に規定されておりますものが、本年の三月三十一日、また四月三十日に期限が参りまして期限切れとなりますものについて、別途これが存続並びに改正については法律が提出されることになっておりますが、その間、これを五月三十一日まで延長したいという案でございますが、これも今回の暫定予算に伴う適切の措置と思いまするので、私はこの両案に以上の理由によりまして賛成をいたすものでございます。
#115
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案、及び期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案の二法案に反対します。
 まず、昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案でありますが、これは政府の言うように減税でもなく、また国民の税負担の軽減にもなりません。自然増収七千三百億円に比し、実質約八百億の減税にすぎず、実質的には大増税にほかなりません。このほか、消費者米価の値上げなど公共料金の値上げを合わせれば、国民負担の増加ははかり知れないものがあります。わが党は、勤労所得税については四人家族で百万円までは課税最低限を引き上げることを要求すると同時に、勤労者の退職金に関しては課税すべきでないということを主張しております。
 次に、期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案については、わが党は租税特別措置法のごとき不労所得階級や独占資本のための減免税に一貫して反対しており、また関税暫定措置法の非課税にも反対してきましたが、かかる一握りの独占資本、不労所得者のために租税特別措置法、関税暫定措置法の期限の延長に対しても、断固として反対をするものであります。
#116
○委員長(竹中恒夫君) 他に御意見もないようですから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
#117
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、昭和四十二年分の給与所得等に係る所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
#118
○委員長(竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、期限の定めのある国税に関する法律につき当該期限を変更するための法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
#119
○委員長(竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案につき本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#120
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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