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1967/04/18 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第5号
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1967/04/18 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第5号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第5号
昭和四十二年四月十八日(火曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     木暮武太夫君
     田村 賢作君     西川甚五郎君
     北條 雋八君     二宮 文造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
    委 員
                伊藤 五郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                徳永 正利君
                林屋亀次郎君
                木村禧八郎君
                須藤 五郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
 (当面の財政に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 租税及び金融等に関する調査中、当面の財政及び金融に関する件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○柴谷要君 きょうは政務次官も御出席のようでありますので、当面の問題を二、三御質問いたしたいと思います。参議院に送付されてきた法律案がまだ一つもありませんし、それから参議院先議の議案等もまだ付託になっておりませんので、それらの問題からはずれまして、当面しております春闘の問題について少しくお尋ねをしてみたいと思う。
 いつもながら、春ともなりますというと、労働階級が結束をされて春季闘争というものを展開するわけであります。その中で特に公労協の問題について二、三伺いたいと思うのでありますが、公労協の戦いは、いつもながら当事者能力というような問題が議論されるわけでありますけれども、どうも当事者間で解決がつかない、それがために調停に持ち込まれる、調停案が提示をされ、その段階で解決したためしがほとんどない、そのために紛争は長引いて仲裁に持ち込まれる、こういう経路をたどっていままできたのが通例でございます。それがために闘争が長引いて、その間にはかなり国民にも迷惑をかけるような事態も発生をしてきておることは事実なんです。これを何とか短期円満解決という方向を政府等はお考えにならないかどうか。特に公労協の場合は当事者能力がありませんために、どうしても大蔵省に最終的に予算の折衝をしてある程度見通しを立てないと妥結ができないというのが、今日までの現状なんです。ことしも一応そのような形になってくると思うのでありますが、これに対して大蔵省は、調停の段階で円満に解決をさせる、こういうような御意思があるかどうか、また春闘をどのような形でごらんになっておられますか、これについての御見解をひとつ御披露いただきたい、こう思うわけです。
#4
○政府委員(米田正文君) お話のように、現在春闘が始まっておりまして、各地でそれぞれ交渉がされ、あるいは妥結を見たところもあるようですが、公労協関係については現在調停が進んでおるように承知をいたしております。お話のように、いつも春になって交渉が行なわれて、そのためにいろいろとトラブルを起こして、国民全体にもいろいろと迷惑を及ぼすような結果を招来するというようなことは、私どもとしても、たいへんこれは国民に迷惑をかけることでございますから、なるべくそういうトラブルを起こさないでいくような方法というようなことについては、かねがね政府としては意を使っているところでございます。しかし、現実の問題になりますと、いわゆる三公社五現業という公共企業体は、その運営が非常に国民生活にも、あるいは国民経済にも、それから国の財政全体にも、たいへん影響を持つものでございますから、いまの法律のたてまえからは、これらの三公社五現業の運営についても、国会を通じて、予算というものが議決をせられて、その給与等も予算総則で決議せられているというようなたてまえになっておるものですから、どうしてもやはりいままでは最終的には国会の議決を待つというような結果になっておることは御承知のとおりであります。それも補正という形で解決をいままで見てきているというのが実情でございます。しかし、お話のように、私どもとしても、いつもこういうことを常時、その調停、仲裁の段階になって、そうしてそれが補正予算の形で出るということが常道のような形になってくると、これは何とか考えるべき時期に来ているのではないか、私はそう考えております。
 しかし、この問題は大きな問題でございまして、影響するところもたいへん広範でございますから、大蔵省だけでこの問題を解決するということもなかなか困難ですから、私ども大蔵省としては、この前のILOの関係法のときにできております公務員制度審議会というのが総理府に設置をせられておりますから、昨年来ここでひとつ全体として、いわゆる公共企業体給与の問題を全体の問題として広い立場から検討をしてもらって、今後のあり方についての方針を打ち出してもらいたいということに非常に期待をいたしております。それがまだ予期のごとく進んでおらぬのは御承知のとおりですが、大蔵省としては、そういう機関でひとつ全体から見て適切な方法を見出したいということに、非常に期待をいたしておるところでございます。そういうことができれば、私は非常な前進ではないかと思っております。
#5
○柴谷要君 これは古い話を持ち出してたいへん恐縮なんですけれども、私が十年以上前に労組の責任者をやっておりましたときに、まあ今日の年中行事の一つのような春闘などというものを、私どもが、総評ができない前ですけれども、考え出して公労協全体に呼びかけて、そして組織したのが春闘なんです。その当時、私どもは紛争というものはできるだけ短期間に解決をしていきたい、それに対しては両当事者もできるだけ団交によって問題を解決しようということで、相当熱意を込めて団体交渉をやり、両者間である程度妥結に近い額が出てきて、それで当局者はちょっと待ってくれ――たとえば私のところで例をとりますならば、国鉄なら国鉄自体でこれが処理できる問題ではないんで、どうしても大蔵省の了承を得なければ解決がつかない、だから大蔵省の了承を取りつけるまで暫時待ってくれと、こういう当局者の話がよくあったんです。それならば、両当事者の間に妥結に近い額が出ているんだけれども、背後にある大蔵省の見解をたださなければならぬということで、大蔵省というか、政府というか、その方面の筋の了承を得るまで少し待ってくれということで、時間的に待たされる。ところが、それがいつも政府筋あるいは大蔵省筋によってけられて、不幸仲裁に持ち込まれ、時間が長引く、その間に待ち切れないで闘争態勢を強化する、そしてストライキに似通った、準じたような行為が行なわれる、こういうようなことで、まことに残念な結果が出ていたのが過去の例なんです。それが引き続いて今日あるわけなんです。というのは、当事者に能力がないからなんです。たとえば国鉄にしろ、専売にしろ、その他でも、総裁が一切の権限を持って賃金でもなんでも解決できるだけの能力を持ち合わせていればいいんですけれども、それがないために、大蔵省なり政府の見解をただす、こういうことになってきているんです。このままでいきますと、やはり年中行事の春闘のスケジュール闘争というのは絶えないと思うのです。だから、これを一日も早く直させるために――労働者側もあえてこれを計画的にやりたいんではないんです。ですから、この点は政府側も十分ひとつお考えいただいて、当事者の能力をつけるか、あるいはある程度政府が裏面から指導をして早期解決をさせる、こういう熱意に立っていただきませんと、これはもう年々こういう問題は同じことを繰り返していくんじゃないか。まことに残念だと思うのです。そういう点は政府にそういう気持ちがおありになるとするならば、われわれもまた労働者側に対してできるだけ円満に早期解決をするように呼びかけたいと、こう思うのですけれども、その熱意の点が政府に今日欠けているんじゃないか、こう思うのですけれども、この点をひとつ忌憚なく政務次官からお聞かせいただきたいと思うのです。
#6
○政府委員(米田正文君) お話のように、春闘というのがスケジュール闘争になっておるといっていいような状態にあるのは同感でございます。これは大体こういう闘争というものはスケジュール的にやるべき性質のものではなくて、その事態事態に応じて、そのときに事態が違うべきだ、違うのが私もむしろ当然ではないかと思うのですけれども、毎年の例を見ると、ほとんどスケジュール的にずっと同じようなコースを歩いて、同じように最後は仲裁に持ち込んで、国会に持ち込むというようなことで、ほんとうの性格といいますか、それが一定の計画に沿った闘争が行なわれておる実情と私も認識しております。そういうことですから、そういうふうになれば、一つのルールですから、いまの制度では適切でないという一つのあらわれとも思います。いまちょっと申し上げたように、公務員制度審議会というのが早急にこれらの公務員制度の全般から見て、あるいは国民経済なり、あるいは国の財政なり、そういう全体から見て、もうこういうふうにスケジュール的になっているものですから、それならばこういう方法でやるべきではないかという一つの案をつくってもらいたいというのが私どもの希望でございますが、この問題は大蔵省がひとりでやるべきでもないので、政府全体の問題としてこれは解決をはからなければいかぬと思っております。
 いまの例がありましたように、国鉄なら国鉄との話がだいぶ妥結に近づいて、あとは大蔵省にひとつ話をしてみようというような段階にまで達して、どうも大蔵省にけられるというようなお話がございましたが、それはそのときそのときの情勢で、一がいには言えませんけれども、やはりこれは国の予算で議決しているものですから、そこに一つの問題がございます。国鉄自体の予算なり資金なりの面からだけで解決のできる範囲であれば、大蔵大臣がただ単にこの協議に応じて認めればいいという程度の額であれば、それはその範囲内で解決できると思いますが、多くの場合、やはり予算に触れてくる、資金に触れてくるものですから、大蔵省としても、大蔵省だけの認めるという権限内の問題でなく、やはりどうしても国会の議決を要するというようなことになるものですから、そこが問題だと思います。そこを全体の問題としてどうするかという大きい立場から、国会の議決の範囲内、限度というような根本問題をひとつ検討を願いたいというのが私どもの希望でございます。
#7
○柴谷要君 第一あれなんですね、年度予算の編成のときに少しも賃金改定の原資というものを計算に入れて組んでおらぬというところに問題があるわけですね。たとえば国家公務員ならば人事院の勧告が出る、人事院の勧告が出てから補正予算で国会の承認を得るという形で国家公務員の賃金を上げる。ところが、公労協関係の、たとえば国鉄なり専売その他の三公社五現業にしましても、あらかじめ賃金の上昇という点を考えて予算に組んで、そうして国会の承認なら承認を得ておけば、当事者能力的な限界までできるんですけれども、全然それを組んでいない。だから、そこに問題が、一々政府の了承を得る結果になってくる。これをもう少し労使間の紛争を短時間の間に解決をするという点から、少し技術的にお考えになったらどうか、こういうふうに私ども思うわけなんです。御承知と思いますけれども、何も労働者階級が好きこのんで闘争するわけじゃない。ですから、何か日本の予算の編成のしかたについても欠陥があるんじゃないか。そういうような点が私どもは年々指摘をしているところなんですけれども、改善されてきていないというような点。
 それから、きょうはあまり、大蔵委員会ですから、はずれたことを言うのも、政務次官にお尋ねするのも無理と思いますから、申し上げませんが、もう少し労働者階級と話し合う、大いに話し合うという機会を持たれることが、私は解決が早いんじゃないかと思う。たとえば佐藤総理になられてから、総評の幹部あるいは同盟の幹部、中立の幹部にときおりお会いになっておりますけれども、あれは非常に成功だと思うんです。だいぶこの点については労組側の感情というものは、まあ事があったならばひとつ総理、閣僚の皆さんと会って話してみようと、こういう気持ちになる。そのことはやはり一つの問題点を解決しようという熱意が出てくるので、まあこの点は佐藤内閣としては非常によいできだと私は思う。ですから、これは続けてもらう。ただひとり頑迷に何か理屈ばったことを言っておるのが、依然として残っておるのが文部省なんですね。文部省は中央交渉はどうのこうのと言うんですが、中央交渉なんてむずかしいことを言わずに、文部大臣が労組の幹部と会っていろいろ話をしてみるということも、これも問題を解決するには一つの有効な手段ではないか。話もしないでいると、会わぬとかなんとかというと、そこにまあむずかしい問題が出る。
 私はかつて国鉄の委員長をやっておりますときに、夜分いまの水田蔵相の私邸を訪問したことがある。そうしたら水田さんが、何といいますか、着流しのよれよれのゆかたを着て、われわれを応接間に上げてくれまして。いや、玄関口でけっこうですと言ったら、いや、そんなことを言わずに、せっかく来たんだから、応接間へ上がれというので、上がりまして、それで、私ども三役ですから三人で行ったんですが……。いまの衆議院の横山、書記長をやっていた。それから私と、一人は秋田に戻りました土門幸一と、三人で行ったんです。水田さん会ってくれましてね。しかも応接間に上がって、まあいろいろ話をした。よろしい、じゃあ国鉄総裁にぼくらのほうとしても返事をしてやろうということに――まあ当時倉石さんが労働大臣だった。で、倉石さんのほうからも電話があって、それで円満に国鉄の問題を解決した過去の経験がある。ですから、これは水田大蔵大臣が、それはもう古い話で、私がまだ組合におるころのことですけれども、まあそういうぐあいに話し合いの上で、まあもう少し君たちのほうで譲歩しないか、それならば何とかしようということになれば、それはできるのですね。ところが、一向に、だめだというような、まあ木で鼻をくくったような回答をしているから、いつまでたっても解決がつかぬと、こう思うのですよ。ということでですね、私はまあ非常に組合員にそのときには解決の内容が喜ばれた経験がある。
 そういうふうなことを考えますと、まあ政府というものはもっと労働運動に対する理解を深めてもらうと同時に、ひとつ早期解決ということに少し頭を使っていただきたいということをこの機会に要望して、私は質問を終わろうと思います。ひとつよろしくお願いいたします。
#8
○委員長(竹中恒夫君) ほかに御質疑のある方はございませんか。――別に御発言もないようですから、本件に関する質疑は、本日はこの程度にいたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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