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1967/05/11 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第7号
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1967/05/11 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第7号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第7号
昭和四十二年五月十一日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                伊藤 五郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                林屋亀次郎君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                山本伊三郎君
                須藤 五郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省関税局長
       事務代理     細見  卓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通関業法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 通関業法案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。米田大蔵政務次官。
#3
○政府委員(米田正文君) ただいま議題となりました通関業法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 現行の税関貨物取扱人法は、貨物の輸出及び輸入に際し、荷主にかわって通関手続を専門的に行なう業者に関する法律でありますが、その制定が明治三十四年に行なわれ、その後実質的な改正がなかったため、その内容において現状に即さなくなっている点が少なくありません。
 このような事情に顧みて、最近における貿易量の増大等に対処して、貨物の通関手続の適正かつ迅速な実施を確保するとともに、これら業者に通関手続等を依頼する者の利益の保護をはかるため、通関業務従事者の一部について特別の資格を要することとする等制度の整備合理化をはかる必要がありますので、税関貨物取扱人法の全文を改正し、その名称を通関業法に改めることとして、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、税関貨物取り扱い人の名称を通関業者に改めるとともに、その営業は、従来どおり税関長の許可を要することとしております。また、その業務の範囲、許可の基準及び欠格事由について、実情に即した規定を設けることとしております。
 第二に、通関士制度を新たに設けることとしております。すなわち、通関業者は、一定の資格試験に合格した通関士を各営業所ごとに少なくとも一名以上配置して、輸入申告書等の重要な通関書類を審査させなければならないこととしております。ただし、地方港における通関業者及び特定貨物のみを取り扱う通関業者の場合は、例外とすることにしております。
 第三に、通関業者の業務の遂行につきまして、秘密を守る義務、料金の掲示義務、信用失墜行為の禁止等の規定を設け、利用者の利益の保護をはかることとしております。
 第四に、通関業者によってされた納税申告について、通関業者と税関との間の見解の相違に基づいて増額更正が行なわれることになる場合には、税関長は事前にその通関業者の意見を徴し、また、税関職員に貨物の検査をさせる場合には、通関業者またはその従業者に立ち会いを求めるため、その旨を通知しなければならないこととしております。
 その他、通関業者及び通関士に不正があった場合の処分、罰則等につきまして所要の規定の整備をはかることとしております。
 なお、従来の税関貨物取り扱い人については、三年間は従前どおり営業を認め、その新許可への切りかえについては、許可の基準を緩和する等の措置を講ずることとしております。
 以上が通関業法案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
#4
○委員長(竹中恒夫君) 引き続いて、補足説明を聴取いたします。細見関税局長代理。
#5
○政府委員(細見卓君) 簡単に、法案を提案いたしました業界の背景その他について、補足して申し上げたいと思います。
 業界の概況でございますが、税関貨物取り扱い人は、貨物の輸出または輸入に際しまして、荷主の依頼を受けて、税関に対し貨物の通関手続を専門的に行なうことを業としておるものでございますが、その営業につきましては、現在はその業務を営もうとする管轄地域の税関長が免許をいたすということになっております。
 この制度は、広く諸外国におきましてもこのような制度がございまして、わが国におきましては、明治の初年開港とともに横浜、神戸等の開港場におきまして、実質的にこの種の業務が存在いたしており、明治三十四年に現行の税関貨物取扱人法が制定されて、その後はこの法律の規制を受けて今日まで営業が行なわれております。
 昭和四十年三月末現在の実態調査の結果によりますと、税関貨物取り扱い人の業者数は五百九十四でございます。税関ごとに若干重複いたしますので、免許数は八百三十二となっております。実働従業員数は約七千五百人でございまして、現在においてもこれらの数はほとんど変わっておりません。
 業者のうち大部分は法人でございまして、個人業者はわずか四人でございます。なお、この業態はおおむね専業ということでなくて兼業が多くなっておりまして、兼業は港湾運送業とか、あるいは倉庫業、陸運業、運送代理店業、あるいは海運業等の業者がこの業務を兼業しておるというのが実情でございます。
 今回改正いたしました理由といたしましては、従来の税関貨物取扱人法の全文を改正いたしましてこの通関業法を提案したおもな理由といたしまして、一つは、明治三十四年に制定されたもので、非常に古い法律であるということで、現状に即さない面がある、それらの点につきまして適正な行政を行なうために必要な法改正を考えたものでございます。そのおもな点を一、二申し上げますと、現在の貨物取り扱い人は、先ほど申しましたように、ほとんどが法人でございますが、現行法はほとんど個人免許を前提にしたようなものになっております。それから、現行法の制定後――現行法と申しますが、明治三十何年の法律でありますが、この制定後、港湾関係の業態が非常に機能分化をしてきておるわけでありますが、この法律はそうした機能分化に適応できない古い形の法律になっておるという点でございます。それからまた、第三点は、現行法の規定が非常に簡単でありまして、免許の基準並びに業務の規制というようなことにつきまして具体性を欠いている。それらの規定の不備を補う必要があるというわけであります。
 なお、この改正のもう一つの大きな理由といたしまして、昨年十月から関税につきましては申告納税制度を採用したわけでありますが、この申告納税制度が円滑にまいりますためには、どうしても税関の業務の改善と並びまして申告される側のいろいろな御協力を要する、そういうような意味におきまして、この通関業法を改正いたしまして適正な申告の一助になるようにいたしたいと、かように考えるわけであります。
 以上のような理由をもちまして、昨年末広く関係業界の代表者及び一般学識経験者の意見を聴取いたしまして、種々検討を加えました上、関税審議会にもはかりまして、今回の全文改正をいたしたわけでございます。
 改正の要点につきましては、先ほどの提案理由説明とほぼ重複いたしますので、詳細は省略さしていただきますが、今回の改正法律案におきましては、その業務の実態等に即しまして名前を通関業法とまず改めておりますが、そのほか、次のような改正を行なっております。
 第一点は、業務の範囲でありますが、現行法におきましては非常にあいまいな「税関ニ対シ貨物ニ関スル手続ノ取扱ヲ為スヲ業トスル者」というようなかっこうになっておりまして、範囲があいまいでありますので、その点を明確にいたしております。
 それから、第二番目は、営業の許可でありますが、許可にあたりましては、現在は明確な規定がなくて、通達等による運営にまかされておりますが、また、その欠格事由につきましても、法人を主とする業態の実情に即さないような欠格事由があげられておりますので、そうした規定の不備を整備いたしまして、通関業の許可の一そうの適正を期するようにいたしたわけであります。
 それから、第三点は、通関士の設置でございますが、現行法では、税関貨物取り扱い人の従業者につきましては特別の資格を公には必要としていないわけでありますが、改正法におきましては、通関業を営むには一定の資格試験に合格した通関士を営業所ごとに少なくとも一人以上配置する必要を認めているわけでございます。ただし、地方港あるいは特定の貨物のみを取り扱っておる業者におきましては、特例を設けております。
 それから、第四点として、業務の規制についてでございますが、一般的な税関長の監督権限のみが現行法では規定されておりまして、細部の運用というようなことになりますと、すべて通達にまかされておるというような点を改めまして、これらについてはっきりとした権利義務あるいは業務の規制といったようなものをきめておるわけでございます。
 それから、業者の権利につきましては、義務と見合いまして業者の権利を第五点として取り上げておりまして、現行法では特にそうした権利を認めておりませんが、改正案におきましては、業者がなした納税申告につきましては、業者と税関との間に意見の相違が出たときには、必ずこの業者の意見を徴することにしておる、あるいはまた、貨物の検査にあたりましては立ち会いを求める、あるいはその旨を通知することによって業者の立場を尊重するということにいたしております。
 その他現行法におきましては、通関貨物取り扱い人はもちろんその従業員に不正があった場合の税関長による処分、罰則等に関する規定など、今日におきましては実情に即さなくなっているものにつきまして、これらの整備をはかる、同時に、監督の適正化を期するようにいたしております。また、当然のことでございますが、新しく通関士になられる方の資格試験等につきまして、必要な規定を設けております。
 しかし、従来の業者との切りかえにあたりまして、従来の業者の権利を守る必要がございますので、先ほどの提案理由にもございましたような新許可への切りかえにあたって必要な経過措置を設けていることは当然でございます。
 以上簡単でございますが、補足して説明いたしました。
#6
○委員長(竹中恒夫君) 本案に対する質疑は後日行ないます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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