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1967/05/23 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第10号
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1967/05/23 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第10号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第10号
昭和四十二年五月二十三日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     木暮武太夫君     塩見 俊二君
                青木 一男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                西田 信一君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                野溝  勝君
                瓜生  清君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
       国 務 大 臣  宮澤 喜一君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       宮沢 鉄蔵君
       経済企画庁国民
       生活局長     中西 一郎君
       経済企画庁総合
       計画局長     鹿野 義夫君
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省主計局次
       長        岩尾  一君
       大蔵省主税局長  塩崎  潤君
       大蔵省関税局長  谷川  宏君
       大蔵省銀行局長  澄田  智君
       大蔵省国際金融
       局長       柏木 雄介君
       国税庁長官    泉 美之松君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       大蔵大臣官房財
       務調査官     近藤 道生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○石炭対策特別会計法案(内閣提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案、石炭対策特別会計法案、関税定率法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、政府より提案理由、同補足説明を順次聴取いたします。米田大蔵政務次官。
#3
○政府委員(米田正文君) ただいま議題となりました税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案外二法律案について、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最初に、税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 納税者の負担の軽減と手続の簡素化の見地から、先般行なわれました税制調査会の税制簡素化の答申に基づきまして、直接税につきましては、すでに提出済みの所得税法、法人税法及び相続税法の各一部を改正する法律案にその具体的内容を織り込んで御審議を願っている次第でありますが、さらに国税通則法及び国税徴収法並びに酒税法その他の間接税諸法につきまして、同様の趣旨から、所要の改正を行なうため、ここに税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容について、その主要なものを申し上げます。
 初めに、国税通則法及び国税徴収法の関係であります。
 この関係では、まず第一に、負担の軽減及び計算の簡素化の見地から、国税の端数切り捨ての基準を、原期として、課税標準については百円未満から一千円未満に、税額については十円未満から百円未満にそれぞれ引き上げ、あわせて延滞税率が日歩二銭から四銭となる日について、現在、督促状の発付から十日経過日とされているものを、その発付までの期間を考慮して単純に納期限の一カ月後に改めることとしております。
 第二に、納付方法の簡素化の見地から、口座振りかえによる納付の方法を法定し、その場合における延滞税及び延納の要件を緩和し、また、滞納処分における公売保証金徴取の要件を緩和する等の規定の整備を行なうこととしております。
    ―――――――――――――
 次に、酒税法等の間接税関係であります。
 この関係では、第一に、課税物品の未納税移出等にかかる証明書の提出期限の延長の手続について、法定提出期限から三月以内の延長の場合には、現行の承認制を届け出制に改めることとしております。
 第二、製造場等への戻し入れまたは移人にかかる税額の控除または還付を受けるための手続について、納税申告書に添附する書類を簡略化する等間接各税法の諸規定につき、手続または仕組みの簡素化のための所要の整備をはかることとしております。
    ―――――――――――――
 次に、石炭対策特別会計法案について申し上げます。
 御承知のように、昨年七月、石炭鉱業審議会は石炭鉱業の抜本的安定対策について政府に答申したのでありますが、政府といたしましても、この答申の趣旨に沿って石炭対策を強力に推進することとし、このためすでに昨年度におきましても閉山交付金の単価の引き上げ等の措置をとったところであります。本年度からは、さらに、石炭鉱業の借り入れ金債務一千億円に対する元利補給、中小炭鉱等に対する安定補給金の交付等、石炭鉱業の生産の合理化あるいは経常経理の改善及び安定のための措置を強化するほか、引き続き炭鉱離職者の援護、産炭地域の振興及び鉱害復旧の促進等の諸措置を推進することにより、石炭対策を抜本的かつ総合的に実施することといたしております。
 他方、石炭対策のための財源につきましては、昭和三十五年四月以降原重油関税の税率を引き上げて対処して来たところでありますが、今回の抜本的対策の実施にあたって、石炭対策に要する費用とその財源との関係をより明確にし、あわせて、石炭対策に関する政府の財政措置の全貌を明らかにするため、特別会計を設置することとしたのであります。
 次に、この法律案の概要を申し上げます。
 まず、この会計のおもな歳入は石炭対策の財源に充てられる原重油関税収入でありますが、当分の間、歳入不足を埋めるために、一般会計から必要な金額を繰り入れることができることとしております。なお、この繰り入れ金については、後日、その繰り入れ金相当額に達するまでの金額を予算で定めるところにより一般会計に繰り戻すこととしております。
 次に、この会計の歳出とされるのは、石炭対策に要する費用でありますが、そのおもなものを要約いたしますと、その一は、石炭鉱業の生産の合理化、経営経理の改善及び安定並びに石炭の需要の確保または流通の合理化をはかるための事業にかかる補助金または出資金、その二は、炭鉱離職者援護のための事業にかかる補助金または炭鉱離職者に対する就職促進手当、その三は、産炭地域の振興のための事業にかかる補助金または出資金、その四は、鉱害復旧工事にかかる補助金等であります。
 昭和四十二年度予算におけるこの会計の石炭対策費は約五百二十二億円であります。これは、昭和四十一年度の一般会計当初予算における石炭対策費約二百八十一億円に対して約二百四十一億円の増加となっております。
 一方、この会計の歳入となる原重油関税収入は約四百七十五億円でありまして、差額の約四十六億円は一般会計からの繰り入れによることとしております。
 以上のほか、この会計の管理は大蔵大臣、通商産業大臣及び労働大臣が行なうことといたしますとともに、この会計の予算及び決算の作成提出、一時借り入れ金の借り入れ及び借りかえ、支出残額の繰り越しその他この会計の経理に関し必要な事項を定めております。
 なお、この会計の終期を昭和四十五年度末と定めておりますが、これは、石炭鉱業合理化臨時措置法に定める石炭鉱業合理化基本計画の目標年度及び関税暫定措置法に定める原重油関税の暫定税率の適用期限を昭和四十五年度末とするようこれらの法律の改正案を今国会に提出し、御審議を願っておるところでありまして、これらの目標年度及び適用期限とこの会計の終期を合わせる趣旨であります。
 また、昭和四十二年度におきましては、この会計の予算が成立するまでの間は暫定予算が施行されることになりますので、昭和四十二年度の予算が成立して暫定予算が失効することとなった場合には、同年度の一般会計暫定予算に基づく支出または債務の負担で石炭対策に要する費用にかかるものは、同年度のこの会計の予算に基づいてしたものとみなし、かつ、暫定予算期間中に収入した原重油関税収入は、この会計の歳入とみなすこととしております。
    ―――――――――――――
 最後に、関税定率法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 最近における経済情勢の変化に対応するため、関税率及び関税の減免税制度等について所要の調整を行ない、また旅客の通関の迅速化をはかるためその携帯貨物について適用する簡易税率の制度を設け、さらに万国博覧会の開催に備えて保税展示場制度を新設するほか、開港の追加、関税罰則の合理化をはかる等のため、関税定率法、関税法、関税暫定措置法についてそれぞれ所要の改正を行なう必要がありますので、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、関税率について必要な調整を行なうことであります。すなわち、関税定率法及び関税暫定措置法を通じて四十八品目の実行税率を変更いたしますとともに、暫定税率の適用期限が本年五月三十一日とされている九十四品目の適用期限を延長することといたしております。実行税率を変更する四十八品目の内訳は、税率を引き下げるもの三十五品目、関税割り当て制度を新設するもの八品目、スライド関税制度を新設するもの一品目、暫定税率の適用期間等を政令に委任するもの四品目となっております。また、暫定税率の適用期限を延長する品目につきましては、石炭対策特別会計の財源に充てるため、昭和四十五年度まで適用期限を延長することとしております原重油関係の七品目を除き、すべて本年度末まで適用期限を延長することといたしております。
 第二は、本年五月三十一日に適用期限が到来する重要機械類の免税、肥料製造用揮発油にかかる関税の還付等十四の関税の暫定減免税及び還付制度の適用期限を本年度末まで延長することであります。これらのうち、石油化学製品等製造用触媒免税制度の対象として重油脱硫用触媒を追加し、また、製造用原料品の減免税制度の対象としてアルコール製造用の糖みつ及びカーバイド製造用の石油コークスを追加することといたしております。なお、適用期限が本年三月末とされている電力業等用の重油にかかる関税の一般還付及び特別還付制度に関する規定は、石炭対策特別会計の設置に伴い、同会計からの交付金制度に吸収されますので、この際削除することとしております。
 第三は、外国から入国する者の携帯品について、酒、たばこ等特定の物品を除き、関税及び内国消費税を統合し、かつ、これをできるだけ少数の税率区分にまとめた簡易税率を新設することであります。これは最近における旅客の入国の激増に対処して、簡易な税率を設けることにより、携帯品の通関の迅速化をはかろうとするものであります。
 第四は、万国博覧会の開催に備え、展示等のため一時輸入される外国貨物について保税展示場の制度を新たに設けることであります。この制度は、万国博覧会の規模、輸入される貨物の種類及び外国での開催の際の取り扱い等を考慮し、外国貨物を簡易な手続により展示し、または使用することができることとするため設けるもので、万国博覧会のほか、国際見本市についても適用することができることといたしております。なお、このほか博覧会関係といたしましては、観覧者に無償で配布される見本品、記念品及び博覧会の建設、維持または運営等のため消費される貨物について所要の免税規定を設けることといたしております。
 第五は、開港の指定であります。最近における港湾施設の整備状況、外国貿易船の人出港状況及び輸出入実績等を考慮いたしまして、新たに開港として、岩手県の大船渡港、宮城県の石巻港、茨城県の日立港、大阪府の阪南港及び佐賀県の伊万里港を指定することといたしております。
 第六は、関税罰則の合理化であります。現在関税法は、関税の逋脱犯等につき、その犯則の態様にかかわらず犯罪にかかる貨物をすべて没収することとしていますが、このような現行法のたてまえが実情に即さない面があることに顧み、必要没収は麻薬等の輸入禁止品、非自由化物資、高関税物資等に限ることとする等、罰則規定の整備をはかることといたしております。
 このほか、寄贈物品についての免税制度の整備、保税制度の円滑な利用のための簡素化その他関税制度の簡素化及び合理化をはかるために所要の整備をはかることといたしております。
 以上が税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案外二法律案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#4
○政府委員(塩崎潤君) 税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。
 政府は、税制が非常に複雑であるという国民の最近の世論にかんがみまして、税制調査会の答申に基づきまして、広範な簡素化計画を打ち立てておりまして、これに基づく法律案を国会に御提出申し上げているところでございます。本法律案はその一部をなすものでございます。したがいまして、この法案だけで簡素化という点を御判断にならないようにひとつお願いいたしたいと思うのであります。むしろ国民に最も関係のございます所得税法、法人税法、相続税法の三つの法案におきましては、減税を中心といたします改正案と並びまして、大きな簡素化の案を御提案申し上げておる次第でございます。
 たとえば所得税におきましては、青色申告者の中でも小規模事業者につきましては、これまでの発生主義会計という一本の所得計算原理に追加いたしまして、現金主義会計でも認めるというような簡素化法案を用意いたしております。なお、そのほか予定納税の基準、あるいは資産所得の合算の限度、これらにつきましても簡素化をねらい、さらに法人税法におきましては、清算所得税の簡素化、中間納税の基準、減価償却制度の簡素化、こんなような法案を予定いたしております。なお、相続税におきましては、相続税額の計算の簡素化を御提案申し上げております。この法案はそういった各税法に含まれておりませんところの技術的な簡素化をねらったものでございます。
 その内容は提案理由に詳しく書いてありますように、第一に、国税通則法及び国税徴収法の関係でございまして、その一は、端数計算の切り捨て限度の簡素化でございます。第二は、延滞税の簡素化でございます。第三は、納付方法の簡素化の見地から、口座振りかえ制度によるところの延滞税の計算の簡素化であります。それから第四は、公売保証金徴取の要件の緩和であります。
 以上が国税通則法、国税徴収法の関係でございますが、さらに、減税法案を提案いたしません酒税法等の間接税につきましても、簡素化を行なおうといたしております。第一は、未納税移出の場合の承認制を届け出制に改めることであります。第二は、戻し入れ制度、これにおきまするところの手続と仕組みの簡素化をいたそう、こういう内容でございます。技術的な仕組みにつきましては、提案理由で詳しく御説明申し上げておりますので、ここでは省略さしていただきます。
 なお、この法案につきましては、衆議院におきまして附帯決議がつきまして、政府はこれを契機といたしましてもう少し徹底した簡素化をしなさい、こういう附帯決議が出まして、私どもの大臣から、そういった方向に努力をするということがございましたことをつけ加えさしていただきたい。
 以上でございます。
#5
○政府委員(岩尾一君) 石炭対策特別会計法案につきまして、提案の理由を補足して御説明申し上げます。
 本法案を提出した理由については、ただいま御説明がありましたので、この特別会計の歳入歳出の内容について補足して申し上げます。
 まず、会計の歳入のおもなものは、石炭対策の財源に充てる原重油関税収入であります。原重油関税収入のうちこの会計の歳入となるものは、正確には本法案第四条に定めるところでありますが、概括していえば、原重油関税収入の約十二分の十相当でありまして、その額は昭和四十二年度予算では四百七十五億円を見込んでおります。
 しかし、特別会計発足当初においては、会計の歳入歳出が単年度ごとには必ずしも均衡するものではないので、本法案の附則においてこの会計の歳入不足を埋めるため、当分の間、一般会計から必要な金額を繰り入れることとしており、昭和四十二年度予算におけるこの繰り入れ額は約四十六億円となっております。なお、この繰り入れ金は、この会計が長期的には収支均衡することを前提としておりますので、後日、予算で定めるところにより繰り戻すことといたしております。
 次に、特別会計の歳出としての石炭対策経費には多種多様のものがございますが、これを石炭対策の体系に従って分けますと、次の四つの区分に要約されます。
 まず第一は、石炭鉱業の経営の再建に関する対策経費でありまして、石炭鉱業の行なう生産の合理化であるとか経営経理の改善及び安定または石炭の需要の確保、流通の合理化のための対策経費であります。これに該当するものとしては、石炭鉱山整理促進交付金に充てるための補助、炭層の探査、坑道掘進、保安の確保、鉱山技術の開発等のための補助、石炭鉱業の借り入れ金債務一千億円に対する元利補給、安定補給金の交付、石炭鉱業合理化事業団への出資のほか、電力、鉄鋼用炭の増加引き取りに伴う負担増加に充てるため昨年度まで行なわれていました関税還付制度にかえまして本年度から行なわれる歳出からの交付金がございます。昭和四十二年度におけるこれらの諸施策に必要な予算額は三百七十二億円に達するのであります。
 第二は、炭鉱離職者のための対策経費でありまして、緊急就労対策事業、職業訓練及び再就職援護業務に関する補助並びに就職促進手当計五十億円が計上されております。
 第三は、産炭地域の疲弊にかんがみ、その地域の振興のためにとられる対策経費でありまして、産炭地域公共事業債利子補給金、産炭地域振興事業団への出資など三十億円が計上されております。
 第四は、石炭鉱害に関する対策でありまして、鉱害復旧事業補助、鉱害基金への出資など六十二億円であります。なお、鉱害復旧事業費補助は、昨年度までは関係各省から工事施行者に対して個々に補助金を交付しておりましたが、本年度からは、通商産業省が取りまとめて鉱害復旧事業団に補助金を一括交付し、同事業団から個々の工事施行者に負担金を支払う方式に改めることとしております。
 以上の経費のほか、これらの対策に付帯しまたは密接に関連する措置たとえば原料炭炭田開発調査の委託、炭鉱離職者対策協議会補助、無資力鉱害調整交付金の支払いなどに要する経費、並びにこの会計の事務取り扱い費等計六億円、会計の予備費五千万円があり、特別会計の歳出予算総額は約五百二十二億円となっております。
 以上、この特別会計法案に定める石炭対策関係の歳入歳出の概要について御説明申し上げました。何とぞよろしくお願います。
#6
○政府委員(谷川宏君) 関税定率法等の一部を改正する法律案の補足説明を申し上げます。
 第一は、関税定率法及び関税暫定措置法で定められている関税率等の改正の関係であります。その内訳は、実行税率を変更するもの四十八品目、適用期限を延長するもの九十四品目、計百四十二品目となっております。
 実行税率の変更となります。おもな品目は、バナナ、ニッケル圧延品類、鉛、亜鉛の塊、シクロヘキサン、建築用ボード、アンモニア及び液化石油ガス製造用ナフサ等でありまして、いずれも現行税率を引き下げるものであります。また、新たに銅についてスライド関税制度を、ニッケルのくず等について関税割り当て制度を採用するとともに、珪砂、フェロモリブデン等場合によっては需給の事情によって変動が予想されるものについて、必要な場合に備えて、暫定税率を用意しつつ、その適用時期を政令に委任し、関税の弾力的運用をはかることといたしました。また、現行暫定税率をそのまま延長適用するおもな品目は、原重油、米麦類、パイナップル、酸化アルミニウム、レース、刺しゅう布等であります。
 第二に、暫定減免税または還付制度の関係で御説明申し上げたいのは、本年三月末で適用期限の到来いたしました電力業、鉄鋼業用の重油にかかる関税の一般還付及び特別還付制度についてであります。従来石炭鉱業対策の見地から、政策的に国産石炭の引き取りを要請されていた両業界に対し、原重油関税の負担をかけぬようにする一方、国産石炭の一定量以上の引き取りによって生ずる負担増を補てんするために設けられていたものでありましたが、納付した関税額以上の還付は行なえないという還付制度本来の制約上、制度の合理的な運用を期しがたい面もあり、今回石炭対策特別会計の設置に伴い、これらの還付制度を廃止し、同会計の交付金制度へ移行させることとしたものであります。
 以上の関税率及び減免税または還付制度の改正につきましては、大蔵大臣の諮問に基づき関税率審議会において慎重な検討がなされておりまして、今回の改正は昨年十二月二十六日及び本年二月十六日に行なわれた同審議会の答申を基礎としたものでございます。
 第三は、簡易税率の新設の関係であります。
 旅客または乗り組み員が携帯して輸入いたします貨物については、一定の範囲を越えたものについて課税されるわけでありますが、この課税の場合の関税率は、一般の輸入貨物と同様に関税率表の税率が適用されることとなっております。御承知のように、関税率表の分類は二千数百品目に分類されており、携帯貨物がどの税率に該当するかを知るには相当の知識と経験が必要でございます。さらに、貨物の種類によっては内国消費税が課されるものもあります。これらの複雑な税率のため、旅客等は自己の携帯品についておよそ幾らの課税がされるかを知ることが困難な状況でございまして、これによる不安が旅具通関の際の紛争や不正輸入の一因となっているのではないかと考えられる次第であります。このため、これらの携帯品につきましては、関税率表の税率とは別個に簡単な税率を設け、通関の円滑化、迅速化をはかろうとするのが簡易税率制度を設けた理由でございます。
 簡易税率は、関税と内国消費税とを統合し一本の税率としたものでありまして、税率区分を十に分け、輸入事例の多い、たとえば身辺用細貨類や時計等の品目を九つの区分に特掲いたしまして、特掲品目以外のものはすべて「その他」といたしまして、二〇%の税率を適用することといたしております。ただし、携帯品の中の無税品、免税品、その他簡易税率を適用することが適当でない一部の貨物については、これを適用除外品目として定め、通常の関税率及び内国消費税率を適用することといたしております。
 第四は、万国博覧会関係であります。
 昭和四十五年の万国博覧会開催の際における通関上の取り扱いを特別規則として定め、本年秋のパリの万博理事会で承認を受ける必要がありますので、今国会に所要の改正案を提出したものでございます。
 展示等のため貨物を一時的に輸入する例としては国際見本市がございますが、従来この場合の取り扱いといたしましては、会場を便宜保税倉庫として許可いたしておりますが、万国博覧会の場合にはその規模、貨物の種類、外国での取り扱いの例などから見て、保税倉庫によることは適当でないので、外国貨物を簡易な手続により展示し使用することができる保税展示場の制度を新たに設けることとしたわけであります。
 第五は、開港の追加でございます。
 第六は、関税罰則のうちの没収及び追徴の規定の改正であります。現行の関税罰則では、関税通脱犯等は、その犯則の態様にかかわらず犯罪にかかる貨物をすべて没収することになっており、他の税法等に比して著しく厳格な規定となっております。これは戦後の厳格な貿易管理上の要請を反映しているものでありまして、最近のような貿易自由化の時代になってまいりますと、このようなたてまえが実情に即さない面が出てきておりますので、没収対象貨物を麻薬等の輸入禁止品、非自由化物資及び酒、たばこ等の高関税物資に限り、また追徴の範囲もこれに対応して縮小する等、罰則規定の整備をはかることといたしております。
 以上、関税定率法等の一部改正案について補足説明を申し上げました。
#7
○委員長(竹中恒夫君) 以上で三案の提案理由及び補足説明を終わりました。
 これより三案を一括して質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○野溝勝君 私は大蔵大臣に質問をしたいと思います。
 大蔵大臣、お忙しいところでありますが、私はいまの日本の経済の現況について非常に憂慮しているものです。それは皮肉でものを申すのでなくて、国民の中には私のような見方をして治る者もありますので、そういう点でひとつ大蔵大臣から御答弁を願いたいと思います。
 まず第一は日本経済の現況について、それから第二は国際収支の動向、第三には資本自由化、第四が外資と日本金融制度との関係、こういう点について御質問をしたいと思います。
 まず第一点は、先ほど申し上げましたとおり、日本経済の現況ですが、政府当局は、景気が上昇の傾向にある、三月期決算を見てもそれはうかがえるというのでございますが、しかし、反面では中小企業は年間一千件以上も倒産がある。こういう状態のもとにおいて、実際株式界における三月期決算といいましても、いまの株式は実際巨大会社が大部分を動かしておるのでありまして、個人が株の売買をするというようなことは御承知のとおり少ないのでございます。してみると、この三月期決算の一部の動きによって景気上昇と即断することはどういうものか。それから特に、経済企画庁の発表によりますと、消費者物価の動き、経済の伸び率などの表もあります。これとても、なかなか私はこの表の上からだけ見たのでは安心ができないのでございます。
 現実の問題として、いま国民の中に問題になっておるのは消費者物価だけでなくて、卸売り物価についても同じで、今月などの統計は少し卸売り物価が下がったといいますけれども、いままでにはないのです。こういうように消費者物価、卸売り物価の上昇、そこへ持ってきて労働需給の逼迫、特に中小企業などはオートメーションなどはやっておりませんから、労働需給の逼迫ということが非常に影響しておるわけなんです。非常に不安なんです。こういう点、さらには最近マスコミで問題になっておりまする資本の自由化の問題、国際化の問題、この点についても非常な不安があるのでございまして、たとえば経済企画庁あたりの消費者物価の見通しなどにおきましても、結論においてはいろいろいいようなことを言っております。先に見込みのあるようなことも言っております。しかし、現実に予想がみな狂ってきておるのであります。本年は五%、明年は四・五%上昇の見込み、こういうことを流しております。ところが、実際にこれを検討してみると、この見通しはいま改訂されておる。
 さらに、経済の伸び率等におきましても、四十一年度は一四・五%、四十二年度が一二%ないしは一三%で、当初の経済企画庁の予想は一五%だった。こういう点は先々非常な不安な立証だと私は思うのです。その他民間の設備投資におきましても、一二%だったのが本年は八%に改訂された。
 こういうような状態で、私は企画庁の統計がでたらめだというようなことを言うのではない、ほんとうにこういう予見がつかないという事態は事実なんですから。しかし、こういう事実の前に立って検討すると、私は今日の日本の経済の動向というものに不安を感じる。この点、大蔵大臣としても容易でないものを感じておられると思います。大臣の御見解をひとつざっくばらんにこの際お話し願いたいと思う。
#9
○国務大臣(水田三喜男君) いろいろの御質問がございましたが、まず去年の四十一年度のあとを受けて、個人消費支出の伸び率、企業設備投資、在庫投資等、内需の堅調ということははっきりしておりますし、鉱工業生産も伸びが一ころは非常なテンポで伸びておったというようなことで、経済が強い上昇基調にあって、非常に好景気段階にあるということは、これはもういろいろな経済指標から見ても間違いないところであろうと思います。
 したがって、これが今後どういうふうにいくかということについては、私ども決して楽観はしておりませんが、やはり経済がうまくいかないということがどこにあらわれてくるかといいますと、一つは国際収支にあらわれてくる。それから、もう一つはおっしゃるように物価にあらわれてきますので、この国際収支と物価の動向だけは私どもは絶えず気をつけて、この経済運用をやらなければならぬという立場で、いまいろいろのことをやっております。
 これについての私どもの見通しを申しますと、私は物価はことし心配するようなことにはならなくて、全体としては落ちつくというふうに思っております。過去十年ずっと一〇%平均くらいで伸びてきたのが、ことしになって初めて、五%という予定が四十一年になって初めて少し下になって、四・七%におさまったということは、これは偶然のことじゃなくて、いままでの物価動向から見たら、やはりたいへんな一つの変化だと私は思っております。というのは、やはり物価問題の根本的なものはやはり特に低い生産性部門に近代投資がどれだけ行なわれておるかということでございますが、この三、四年、特に景気が少し悪いというときに、中小企業、農業の投資が非常にこの期間に進んでいるということが、いまやはりこれが目に見えてきたところでございまして、昨年度予想よりも小売り物価が下がって、上昇率が低かったということは、去年だけの現象でなくて、ことしさらにこれはそういう傾向をはっきりさせてくるものだろうと。政府としては四・五%というふうに見ていますが、あるいは私はことし後半期にいって消費物価はそれ以下の上昇率にとまるような傾向を持ってきやしないということを考えております。
 それともう一つは、卸売り物価でございますが、これはいろいろ卸売り物価が落ちついていく要素がいまたくさん出てきました。まあ不況カルテルが全部打ち切られているというようなこと、海外市況は先行き非常に軟調が予想されているというようなこと、鉄鋼の市況が急落して思惑需要というものもいま鎮静化してきたというようなこと、それからいままでの設備投資がようやくまた稼働期に入って、次の供給力の増加というものが、下半期の供給力増加が期待されるというような経済情勢から見ますというと、卸売り物価はやはり一応ここらで落ちつくのじゃないかというふうにも思われますので、この点の心配というものは去年の暮れからことしの二月にかけて、あのテンポの速さから来た心配よりも、私は薄らいでいるというふうに考えます。
 それから、国際収支の問題でございますが、これはもう予想したとおりにはいまいっていません。内需が非常に強いものですから、また外国の市場の経済停滞というようなものがございまして、輸出は鈍化しておる、反対に輸入は最初の政府の予想よりもふえておるというようなことで、相当上半期に狂いは出てきておりますが、上半期は輸入期でもありますし、下半期の動向を見なければ、予想が大狂いになるかどうかということもいまの段階ではわからぬという状況でございますので、当初騒ぎ立てたような経済の過熱というようなものも、一ころの感じよりはちょっと遠のいておるというようなことで、いろいろな点で若干の落ちつきも出ておるときでもございますので、私は、一応いままで政府が、予算編成のときにとった政府の態度というものを堅持して今年度の運営に当たったら、ことしはわりあいにうまくやってのけられるんじゃないかというふうに考えております。
 非常に楽観的と言われるかもしれませんが、かりにこの国際収支の問題に若干の見込み違いが出てきましても、昔と違って、この国際収支の構成が日本で変わって、貿易収支の黒字というものは、黒字幅が少なくなるということがあっても、黒字ということを基調にしているものでございますから、もとのような不安定なものではない。したがって、国際収支が短期的に若干のバランスのくずれがあっても、長期的観点から見てそう心配する必要はないということでしたら、との政府の施策をそう狂わさないでやっていける、経済成長も順調に望むことができるということになりますので、かりに若干のそういうものがあっても、ことしの日本経済にそう本質的なむずかしい問題はなくて切り抜けられるのではないか、これがいまのところの見通しであり、私どもの考え方でございます。
#10
○野溝勝君 労働需給の関係はどうですか。
#11
○国務大臣(水田三喜男君) むしろ、今度のこの企画庁でやった経済発展計画でもはっきり指摘しておりますが、日本経済を均衡的に発展させるというためには、労働不足というような問題のほうがむしろむずかしい問題であって、これに対処する方法をうまくやらぬと、物価にしろ何にしろ、そういう面から来るもののほうが私は心配だということになりますと、この労働需給を無視した経済の伸びというものをそのまま放置できない。やはりそこの点を適当に、何といいますか、伸びをある程度調和させるということが大切だ。私は労働面のその問題のほうをむしろ重視したいと思っております。
#12
○野溝勝君 もちろん、日本経済の動向という問題は大きな幅があるのでございまして、国際収支の問題なども関係のあることは当然でございます。
 そこで、いま大臣からいろいろと御答弁がありましたが、この問題は私はそう簡単に一時間やそこらで論戦のできるものでもなければ、結論が得られるものでもないと思います。おのおのの資料に基づいて、いろいろの角度からの意見もあるので、たとえば消費者物価の見通しなどは、私は遺憾ながら大臣と違うのでございます。大臣はこれを軽く見ておられるし、先々そんな不安はないというようなことを言われておる。しかし、政府みずから公共料金、特に運賃の問題でも、あるいは通信の問題でも、あるいはその他公共料金の問題を、年度内の値上げは押える、しかし考えておるというようなことを言われております。そういう点から見ても、物価の問題は政府の関係しておる公共料金でさえも上がっていくというような展望にあるのでございまして、なかなかそう大臣の見るような簡単なものではないと思います。
 それから、労働需給の問題について重大視していることについては、私はむしろ大臣なかなか感心だと思っております、その点は。それだけに重大でありますから、労働問題については十分労働大臣等といまから、財政方面から意見を出して検討していく必要があると思います。
 とにかくいまの大臣の見通しは明るい観察でございますけれども、私の考えとは違うということを申し上げておきます。この問題についてお話をしておるというと、相当時間がかかると思いますので、私はいまの質問のうち国際収支の問題について意見を少しく述べてお伺いしたいと思います。
 国際収支の問題につきましては、私は前年度本委員会におきまして、福田君のときでしたか、聞いたことがある。それは経常収支、特に貿易収支がよくいっておるから心配ないというようなことを言われておりましたが、すでにその当時欧州におきましてはユーロダラーの問題とインパクトローンの問題が出ておったのです、外電あたりには、外国の資料には。ですから、なかなか日本の金融経済におきましてもこれは簡単に見るわけにいかない、いま日本経済としてはこれで安心していちゃいかぬ、必ず外資の問題が出てくる、いまからその対策を練っておくようにということを、大臣に申しておきました。ところが、今日はどうでございますか。事実問題になってきております。きょうの新聞を見ましても、もう問題になっている。たとえばコールよりユーロダラーへ、こういう状態で、それで、日本におきましても外銀が積極的に進出しておる。特に大臣が閣議におきましてそれを心配されていろいろと発言されたようでございますが、私は当然だと思います。こういうように外資の問題を中心にいろいろ話を進めるのでございますけれども、問題は国際収支の問題です。
 一体、いまの状態で、国際収支の将来というものは明るくなるというような見通しでございましたけれども、貿易はもう大体頂点に来ておると思うのですよ。いろいろとそれはいいますけれども、輸入はこの上ますますふえていくと思います。それはある専門家などは、とにかく国内需要が多くて在庫品が大体なくなってきた、だからこれからいまのところ輸入を入れて、それで国内の需要に充ちてる、同時にそれを輸出に振り向ける、こういうことを言われております。しかし、私は国内需要は頂点じゃないかと思うのですよ。そうなってくると、貿易です。貿易をどうするのですか。外国、アメリカを対象としておるところの貿易を――ちょうど経済企画庁長官が見えたが、長官なども非常にいいようなこと言われておりますが、私は今度のケネディ・ラウンドの会議を見ても、容易じゃないと思うのです。そうなってくると、どこに一体輸出増進の条件がありますか。すべて東南アジア方面じゃないですか。欧州方面はEECでだめです。そうなってくると、これも私はそんな貿易は楽観的なものじゃないと思うのです。
 そういうことを考えてくると、国際収支というものはやはり貿易外収支あるいは資本収支によってこの穴埋めをしていくよりしかたがない。これは本筋じゃない。本筋じゃないですけれども、それも考えなければならぬですね。経常収支がそういう不安の場合、貿易収支がそういう不安の場合、やはり資本収支、これはやはり重大視しなければいかぬと思うのです。そこで私は非常に心配するのでございます。私は経済の専門家ではありませんけれども、真剣に考えるのです。当局は日本の経済は安定だというようなことを言いますけれども、おだてられておるだけでございます。ちょうど欧州においてユーロダラーやインパクトローンがどんどんやってきたときに、欧州産業界におきましては第二進攻作戦に入っておる。アメリカの第二進攻作戦だ。それが今日日本に来ておるのです。大臣、経済企画庁長官、真剣にこれは考えてもらわなくちゃだめですよ。私は現実にあるところの日本の経済から推論して、真剣に考えなきゃならぬと思う。
 そこで、いま申し上げた私の見通しですね、こういう点について、大臣は、この国際収支の中で、輸出輸入、貿易問題もさることながら、国内金融体制に当然響いてくる外資問題と日本の金融とをどういうふうに一体調整しようとしておるのか、どういうふうにしてやっていこうとするのか、この点ひとつ大臣からお伺いしておきたいと思います。
#13
○国務大臣(水田三喜男君) この輸入の見込み、輸出の見込みについては、確かに最初の政府の見通しとは少し狂っておりますが、まあ去年の四十一年度のことをいいますと、貿易収支で大体月一億八千万ドルの黒字を持てばそのほかの収支の赤を大体まかなえるということであり、ことしの見通しでは、大ざっぱにいって月一億六千万ドルの貿易収支の黒字を確保すれば、いろいろこの資本収支の問題あるいは貿易外収支の赤字の問題も考えられますが、それだけの貿易収支の黒を持てば一応まかなってとんとんになるだろうと、大ざっぱな私どものものさしはそうでございますが、それを基準にしてやってみますと、大体この上半期、四月から六月、七月から九月という動向は、いまもう四、五月と進んでおりますが、悪くて一億五、六千万ドルの総合収支の黒字幅の縮小という程度で済むのじゃないかというのが私どもの見通しでございますので、そうしますというと、この後半期に行ったら――この輸出の減っている一番大きい原因は、日本の内需の強いこともありますが、やはりアメリカの不況ということが一番影響しておりますので、アメリカの不況もせいぜい半年の問には立ち直るというのが一般の見通しでございますので、後半期においてはこのアメリカの輸出ということがだいぶ変わってくるというようなことを考えますというと、そういま心配されているほどの、国際収支の問題は何とか防ぎ得るのじゃないかというふうにも私どもは考えております。また逆になる場合もあるかもしれませんが、いろいろのことを考えてそういうふうに考えております。資本収支で、たとえば日本の金利との関係で、短期資本というものが相当日本へ流れてくる可能性というものもございますので、そういうことを考えると、この国際収支は、経常収支、長期資本の収支、いろいろあっても、短期資本である程度カバーできる、そうして保有外貨は減らずに済むのじゃないかというような情勢もはっきり見通されますので、したがって、この国際収支の短期的なアンバランスというものをこの資本収支でカバーできないような事態にはならないというふうに考えますというと、そういう変化が出てきても、私は、政府が政策を転換して、大きい国内での引き締め政策をやるというような事態にならなくても済む、避けられるというふうにも考えておりますので、この短期的なアンバランスをユーロダラーのほかの短期外資でカバーするという方法も決して悪いことではなくて、この短期資本の安定性というものも相当に評価していいと思いますので、そこらに対する見方は、私どもは一ころ、短期外資が入ることは不安であるとか、それは感心しないというようなことをずいぶん言っておりましたが、いまのような場合には、これを取り入れることはちっとも不安でもないというふうに考えていると同時に、長期外資についても、調達できればこれを調達する方法を考えるという政策もここでとるべきだというふうに考えています。
#14
○野溝勝君 大臣の御答弁によりますと、輸出貿易管理令の第一条の中にありますような御意見を述べておられるのでございますが、しかし、日本の財政金融に影響を持ってくるような事態になったとする、あるいはそういう事態があらわれたとする、そういう場合に、私はあなたのような答弁では、それはとても不安でたまらぬのです。あなた自身が会長であられるところの外資審議会ですか、小林君が代理をやっておる、そういうところでもやはりいまの外資の動きに対して心配をしておるのじゃないですか。日本の経団連あたりもそういう意見を出している。先般の相互銀行総会の記録を見ると、山際さんなども、具体的ではありませんが、そういうことをにおわせておる。政策でコントロールするというようなことを言われていますが、現実にきょうの新聞にも出ておりますとおり、外資の流入というものは非常に大きいのでございまして、これを受けてコール放出額は、昨年十一月が三十一億、十二月が二十二億、大体昨年で五十三億なのに、四十二年では一月三十三億、二月百六億、三月百三十七億とふえている。この飛躍的な放出というものは、一体これで日本の金融経済にも産業経済にも不安がないでしょうか。
 さらに、大臣に申し上げますが、企業の状態も、キャタピラー三菱あたりが五年間で一千万ドルの、ナショナルシティーバンクですか、アメリカ銀行の日本支店にそういう契約をした。そればかりじゃない。今日ではトマト加工品にまでそういう動きが出ている。さらに、最近におきましては、いろいろな企業にアメリカ資本が出てきている。ただ、アメリカ資本が、いま大臣のおっしゃるとおり、日本の企業のためになるということなら、いいと思う。こまかいことは言いませんが、それがやがては企業支配をしてくる。一ころ欧州で心配した第二進攻作戦というのは、具体的にいま登場しておるのですね。こういう企業への支配性を持ってきた。
 特にはなはだしいのに至っては、もう豊年リーバとかあるいは日魯ハインツとかいう関係におきましては、株の半分くらいじゃなくて、今日はもう向こうが五〇から六〇、七〇、ほとんど支配性を持っております。こういうように日本の企業が外資の導入によって――その外資の入り方はいろいろの形がありますよ。ユーザンスの形をとるでしょう。こちらの為替銀行の取引先へもってきてユーザンス方式をとって、どんどんとその幅をふやしてくる、そういうやり方もありましょう。あの手この手ですよ。やはり企業というものは金融が目標なんでございますから、その弱点をちゃんと知っているのですよ、金融資本というものは。
 大臣、こんなことを言わなくても御承知と思いますが、こういう情勢の中にあっていまの大臣の見通しは私はあまりあまいと思うのです。それじゃどうするかということになると、なかなかこれでこうという答えは、そう簡単には出ないと思います。それはだれがやっても出ないと思います。けれども、もう少しく先の見通しを立ててもらいたいと思う。
 それがためには、日本の予算というものを――予算というものは何が多いかというと、社会保障費だとかということを言うけれども、やはり問題は防衛費ですよ。二千億も三千億も、さらにこの上ともふえるようなこういうような非生産的な予算というものは、ほんとうに考えなければならぬと思う。この核戦争の時代にもうそういうことを考えること自体が私は古くさいと思う。私はむしろ逆だと思うのです。そんなことを考えたって追いつきやしない。人類破滅になるようなことを、ああでもない、こうでもないといってみても、マスターべーションをやるようなもんですよ。
 さらに、大臣は輸出の問題、展望を先ほどお話しになりましたけれども、輸出など、アメリカは後半期になれば景気が立ち直ってくるだろう、その場合よくなるだろうというような、いわゆる医者のだろう診断では私はいかぬと思うのです。とてもアメリカが後半期によくなる見通しはありません。だからこそ、インパクトローンとかユーロダラーによるところの外資の作戦によってドルを集める、ドルの還元をはかっているじゃありませんか、アメリカ人が。これは企画庁長官も考えておられると思うのです。そういう状態にあって、後半期にアメリカ経済が軌道に乗るというのは、アメリカ経済を対象にしてものを考えるやり方で、この考え方も少し改めなければならないと思う。さらにまた、EECのほうはどうかというと、ああいうふうな状態。東南アジアにはドルもなければ原料もない。さあここでどうするかということなんですよ。私はほんとうに真剣に考えておる。これは何も社会党なるがゆえに、何なるがゆえにということじゃない。真剣に考えている。私のは幼稚な意見かもしれません。けれども、あまり間違っておらぬと思う。
 特に輸出の問題、貿易の問題につきましては、まあ国際収支の大きな柱ですが、輸出が昨年は九十七億、輸入が八十六億、差し引き十億八千三百万ドル。これが本年の上期は、輸入が十一億四千、前年度と比較いたしまして九千万ドル伸びている、上昇している。しかし、下期に至っては九億三千万ドル。ところが、前年と比較してこれは一億二千万ドル減っております。ふえておるのは貿易外収支です。軍関係の受け取り、これはあなたのほうで発表したのです。大蔵省、日銀の速報によるのです。軍関係の受け取りは大幅に増加しております。前年度と比較して一・三倍、これは低目に出したと思うのですが、これでさえも一・三倍。長期資本収支に至っては前年度と比べて、まあ機械輸出やその他の延べ払い、信用供与、輸出超過幅が二億ドル拡大しておる。外国資本の信用借り入れ返済が非常にふえている。九千万ドル増加。年度間の赤字が八億四千万ドル、前年度に比べて大幅にふえている。こんな状態で、これでどうして一体貿易の好転の見通しがつくかというのです。アメリカが後半期はよくなるだろうと。どこに一体展望が立つんですか。アメリカがよくなるだろうと先ほど大臣は言われましたが、どこに一体その条件があるでしょうか。
#15
○国務大臣(水田三喜男君) いま貿易の見通しの狂いは、やっぱり一番の原因はアメリカにございまして、アメリカの伸び率がいま極端に落ちているということの狂いが一番大きい問題でございますが、それじゃアメリカはどうなるかという問題で、さっき「だろう」では困るということでしたが、私どももアメリカの動向というものには十分に関心を払って、あらゆる方法で観測しておりますが、御承知のように、アメリカ自身にも経済の見通しの誤りがあって、最初大統領教書でことしは大きい増税をすると言うておったのですが、増税をするということは、相当アメリカ経済がよくなるということの見通しの上に立ったことでございましたが、逆に、ごくわずかの間に公定歩合を下げるという方向で、で、アメリカも経済停滞の現状の見込み違いに驚いて、今度は刺激策を積極的にとりだしてきたと。大統領教書が出たときの政策とは逆のことをいま非常に本気でアメリカがやっておる。その結果、アメリカの景気の立ち直りといいますか、動向の変化といいますか、ここ半年の間には変わってくるというのがもうあらゆるとごろの見方でございまして、私どももアメリカの銀行とか、日本へ来るその筋のエコノミストの意見を聞きますし、いろいろの資料をとってみても、アメリカの経済というものはあと半年たてば変わるということはもう大体間違いのない観測だと思います。変わった場合の日本の輸出がどうなるかということをやりますというと、いまのような落ち込み状態は改善される、これは上向いていくということははっきりしております。そのほか、ほかの外国の市場は、やはりいま全般として停滞ぎみでございますが、こういうものの動向というようなものを見まして、上半期の貿易よりも下半期の貿易のほうが日本にとって改善されるということは大体はっきりしている方向だろうと思いますので、そういう意味で、ただ根拠なしに予想しているわけではこれはございません。
#16
○野溝勝君 では、見通しは見通しの問題として、つかむところがありませんから、まあそれこそ見解の相違といいましょうか、そういうことで私のほうで遠慮しましょう。けれども、大臣ね、私はあなたに、これは質問じゃないですが、考えてもらいたいことは、日本も昨年までは、円シフトがあったように、輸出ドライブもかかって、貿易も相当明るかったのですが、今日は先ほど申したようなことで、容易でないと思う。それにアメリカとしては、ベトナム戦争その他、中近東の方面においてもいろいろの動きが出てきたから、軍需景気がよくなるのでよくなるというふうに展望しておるのですか。さもなければ、何もいい条件はないでしょう。ですから、ひとつこの際日本の財政金融のやり方も、将来に悔いを残さざるように考えてもらってやらぬというと、いろいろの意味で変なところへ引きずり込まれていくから、金融経済のほうから引きずり込まれていっちゃうのだから、その点ひとつ、平和との関係がありますから、非常にあなたも注意してやってもらいたいと思います。日本の将来のため、真剣に考えていただきたい。
 それで、その問題はそれにいたしまして、次に聞いておきたい点は、ちょうど資本の自由化の問題が、特に巨大メーカーとか企業を中心にしてものを考えておられるらしいのでございますが、中小企業のほうに対しては、どういうふうに考えられておるのですか。これはやっぱり中小企業と巨大企業と、別々というわけにはいきません。このやり方がいろいろにあるでしょうけれども、別々にものを考えるというわけにいきません、これは連関しておるわけでございますから。しかし、現実には、政府の考え方、あるいは金融界の考え方が、やはり巨大企業を中心に考えておられるらしい。
 そうなってくると、この日本の中小企業――中小企業といっても、これは池田さんがつくったことばでございますから、中小企業だって、五百人も六百人も使っておるところがある。これは何も中小企業とは私は思いません。私どもは零細企業と中小企業と、そこは違うと思っておる。まあいずれにしても、とにかく中小企業は全事業所中九九%以上もある。工業生産額が四九%、工業品の輸出額が四六%、流通面でも比重が大きい。ところで、大企業はどういうことをするかというと、この中小企業、下請企業に対して、非常に犠牲をしいてくるわけです。こういう点で、非常に中小企業でも下のほうの諸君は心配しておるのです。こういう点について、どういうふうに大蔵大臣は考えておられるか、また今後こういうものの対策に対しましてはどうしようとするのか、この点をひとつお伺いしておきたいと思います。
#17
○国務大臣(水田三喜男君) 資本の自由化が日本経済にとってプラスであるということは間違いございませんので、私どもは資本自由化の、前向きの姿勢でいま自由化のプログラムの作成にとりかかっておるというときでございますが、そこで、マイナス面というのは、おっしゃられるようないろいろな問題があると思います。かりにこれによって日本の企業の経営権が外国の資本に握られてしまうというようなことの影響とかいうようなものについては、これは当然私どもは考えなければなりませんので、業種別の検討をやっておりますが、むしろ一般にいわれているような大企業というようなものは、外国が日本へ進出して経営権を握るというようなことについての懸念よりも、いい中小企業というもののほうが外資にとっては一番、もしそういう意図を持つんだとしたら、外資のほうがねらいいいという事情にあると思いますので、したがって、私どもは特に中小企業部門を重視して、自由化すべき業種、これを自由化をどの辺まで自由にするかというような問題をいま業種別に政府の関係機関で検討しておる、また外資審議会でもいろいろ業界別のヒヤリングをやって、いま勉強しているという段階でございますので、こういう点への配慮は十分するつもりでおります。
#18
○野溝勝君 ただいま言われたように、確かに大企業が外資の何といいますか、目標ではない、確かに中小企業をも目標にしておることはわかります。だけれども、具体的にこういう場合があるので、こういう点はひとつ考えてもらいたい。たとえば、今度は外資と金融制度との関係になってくるんですが、まあ企業の整備統合といいますか、整備あるいは近代化、こういうことで盛んにいま動いておりますが、こうなってくると、結局金融機関というものはやはり小さいものといいますか、そういうものにはあまり協力することをかえってしないんですね。そうなってくると、そこに結局、いままででさえも企業の大きなのが金融の面においては有利だ、今度そういう場合になってくると、中小企業はより不利になってくるような場合がある。そういうような点は、これは御答弁要りませんが、先ほどあなたが業種別に検討しておると言われますから、そういう点もひとつ十分配慮して遺漏のないように希望しておきます。
 もう一つお聞きしたいことは、外資の関係ということでなくて、日本における金融制度が非常に複雑だから、これを何とかしなければならぬということで、企業に対する近代化の問題も必要だが、金融機関における近代性の問題も考えなければいかぬということです。それを政府も考えられて、金融制度調査会というものができておるわけですね。ところが、金融制度調査会というものは、外資の導入の問題の前にできた機関ですね。そこで、この外資との関係におきまする金融制度という問題をここでは対象にしてあるのかないのか。そういう点で金融制度調査会の運営のやり方についても構造的変化が来ておるのでございますから、そういう点について大臣はどういうふうに考えられておりますか。
#19
○国務大臣(水田三喜男君) 今後の日本経済に対処するための金融制度のあり方ということで、いまこの制度調査会は全般的な検討をやっておりまして、したがって、すぐに結論は出ませんので、ことしの秋にならなければいまの検討は終わらないだろうというふうに見ておりますが、全般にわたっての検討をやっておりますので、秋ごろまでには結論が出ると思います。
#20
○野溝勝君 その問題はもちろん国内だけの金融制度でなくて、やはり外資との、開銀との関係や、そういう問題も総括して検討しておりますか。
#21
○国務大臣(水田三喜男君) 調査会のプログラムでございまして、九月に答申されるのは大体中小企業金融を中心とした等申、その次に検討されるのがいま言った全般の問題ということになりますので、むろんその場合には外資というものを考慮した検討に入るということでございます。おくれるそうでございます。
#22
○野溝勝君 そこで、まあ大臣、あとで簡単な質問がありますから、関税の問題について、ケネディ・ラウンドの問題を少しくお伺いしたいと思います。
 経済企画庁長官にお伺いしますが、先般は御苦労さまでございました。しかし、御苦労さまということは、一部御苦労さまであって、第二はそういうことは言いませんよ。さて、一応長官は努力されてきて、穀物の援助義務規定というのを拒否した、この点は非常に御苦労さまでございました。しかし、やはり負担は五%負わなければならないということになったのですな。そうすると、結局、小麦は反対したけれども、ほかの穀物は五%を負担するということについては、これは承諾をされたわけなんですが、この間の事情をひとつこの際お伺いしておきたいと思います。
#23
○国務大臣(宮澤喜一君) お許しがあれば、着席のままでよろしゅうございますか。
#24
○委員長(竹中恒夫君) どうぞ。
#25
○国務大臣(宮澤喜一君) 小麦協定を締結することとの関連において、食糧が不足しております低開発国に対して食糧援助をすべきではないかということが、このたびの関税一括引き下げ交渉に参加をいたしました多数の国の意見であったわけであります。わが国としては、そのような援助は本来人道的なものでございますし、わが国は食糧の輸入国でございますから、小麦協定との関連でそのような義務を受諾することは、事柄の本質からして適当ではない。ただ、わが国としては、従来からいろいろな形での援助はいたしておりますし、今後もそれを継続する意向はある。したがって、小麦協定との関連で、各国に定められます援助の比率については受諾をする意思はあるが、その援助の内容についてはわが国独自の方針に従って行なっていきたい。これがわが国の基本的な立場でありまして、このたびの交渉を通じてその立場はそのまま通し得たと、こう考えておるわけでございます。
 そこで、野溝委員のお尋ねでございますが、ただいまの段階では、いわゆる各国がわが国を除きましてきめましたところの食糧援助の内容というものが必ずしも明確には最終的にきまっておりません。すなわち、それが小麦だけによるものか、あるいは雑穀をも含め得るかということが第一に明確にきまっておりません。それから、第二に、その援助がすべていわゆるやりっきりの贈与であるということではない。一部は長期の貸し付けであってもいいということまではさまっておりますけれども、その両者の間の比率、ないしは貸し付けの場合の条件等については、返済は現地通貨によるということだけがきまっておりまして、詳細にはきまっておりませんのがただいままでの状況であります。この点はやがて正式に協定が条約になりますまでに決定をされるものと思いますが、したがって、わが国が留保いたしました点は、留保の客体がただいま申し上げましたように必ずしも最終的に明確でございませんので、この点この点と一つ一つを申し上げますことはいまではまだできない状態でございますが、少なくとも援助の内容についてはわが国独自の立場で徹するであろう、こういうことでございます。
 したがって、従来の実績を見ますと、その内容は、私どもとしては、最近インドに行ないましたように、食糧の形をとったこともございます。しかし、多くの場合には食糧以外のものであっわけでございますから、今後とも相手国の必要、わが国の置かれました状態に従っていろいろな形をとるであろう。たとえば肥料でありますとか、農機具でありますとか・農薬でありますとか、その他相手国の農業振興に必要な形が多いと考えますが、それらいろいろな形をとるであろう。
 それから、わが国に一応割り当てられましたシェアは、御指摘のように五%でございますけれども、総体の金額が何がしであるかということは、ただいま申し上げましたように、小麦だけであるか、雑穀を含むかということが明確でありませんのと、小麦にいたしましても、どの小麦を幾らの評価でということがきまっておりませんために、総体が四面五十万トンであるということはさまっておりますけれども、その金額換算が幾らであるかということがきまっておりません。したがって、五%の金額がドルにして、あるいは円にして、幾らであるかということは、正確にはまだきまっていない、こういう現状でございます。
#26
○野溝勝君 私はせっかく努力されました宮澤長官に決してけちをつけようとか、そういう気持ちで質問しておるのじゃなくて、実際国民が知らんとするところをお伺いするのですが、なぜこういうことを開くかというと、実際日本の国は食料の援助をいままでもやっておるわけですね、外国に。しかし、援助をするということよりは、実際まだ日本では自給自足が非常に不安の状態になっておるわけですよ。私は、そういうことを知っておりながらアメリカが日本に義務援助なんということはとんでもない話だと思っておったのですが、それを長官の努力であれしたのでございますけれども、実際こういう状態ですよ。輸入穀物の状況ですね、これは四十一年に一千万トン輸入されておる。その内訳は、小麦が四百万トン、トウモロコシが三百万トン、大豆が二百万トン、米が百万トン。これは四十一年です。最近のはまだわからぬと言っておりますが、政府もおかしいと思うのだけれども、最近の統計はまだこれよりふえておる。ずっとふえておる。そういうことになってくると、義務規定を断わった、これは非常にいいのですが、小麦などを援助するのはおかしいのですよ。四百万トン入っている。だから、あなたの拒否した努力というのは賢明だと思うのです、日本にとって。しかし、いま申したとおり、あと四百五十万トンのうち五%の援助だけは日本でしょったというのでございますから、これはあなたに聞くというと、内容はまだ不明だというから、私はこれ以上申しませんが、とにかくこういう事情にあるわけなんです。
 そこで、日本の国は、閣議の決定といいましょうか、政府といたしましては、後進地域に対する開発、自主開発ということで、ケネディ・ラウンド、あれを認めよう、ほかには認めるわけにはいかぬということを大蔵大臣も農林大臣も叫ばれているわけです。それはそのとおりなんですが、しかし、こういうように穀物を輸入しておる。それで、あなたの言われるのは、小麦は困るが、ほかの穀物ということならば、そこのところあいまいでまだわからぬのですが、援助をしてもいいというようなことなんですか、穀物に関する限りはノーというわけなんでございますか、この点をお伺いしておきたいと思います。
#27
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびわが国以外の国が合意いたしましたことは、援助の具体的な内容であったわけであります。そこで、わが国は、援助の内容、中身についてはわが国の特殊事情及び事柄の本質からわが国が独自に決定する、このたびの各国の合意に拘束されないという立場をとったわけでございます。したがって、将来の問題として、かりにもし何かの事情でわが国が、それは一部小麦が入ることがよろしい、あるいは一部雑穀が入ることがよろしいということを決定すれば、それはもちろんわが国の自由でございますが、それらのことは適当でないと決定をすれば、それらを全部除外してそれ以外のものですることも自由でございます。したがって、その決定は今後わが国が全く自由な立場で独自になし得る、こういうことでございます。
#28
○野溝勝君 宮澤長官が時間が来たから退席したいというような通知を受けましたが、他の委員会との関係もありましょうから、私はあと希望を織りまぜてあなたに申し上げておきます。
 まだあと、化学薬品の問題もありますし、いろいろありますが、そのことは別にいたしまして、アメリカといたしましては、先ほども大蔵大臣とも話をしたんですが、やはりドルが流出して困っておる。それに余剰農産物の処理ということがアメリカの大きな悩みなんです。私たちの見方から見るというと、やはりこのケネディ・ラウンドのこの会議も多分にこれが含まれておるというふうにも見えるわけです。だから、最初出してきたあの援助義務の規定なんというものはとんでもない話だと思ったんです。私どもの見方はそういうところから見ると当たっていると思うのです。しかし、アメリカは何でもかんでも端から悪いというわけでもない、アメリカと友好関係を結ぶこともけっこうだし、やらなければならぬと思うのですが、いま申したような動きもあるのでございますから、日本農業というものがどういう状態にあるかということもひとつ、十分農林大臣とも話をされまして、穀物などの場合におきましてはあなたもいままで努力されてきておるのでございますから、さらに一そう努力をされまして、自主的に日本農業がやっていけないような羽目に追い込むことのないように、今後十分配慮をしていただくことを希望しておきたいと思います。これで終わります。
 最後に、大蔵大臣にお伺いしたいことは、衆議院でも参議院のほうでも問題になりましたから、私はここでは省略します。希望だけ述べておきます。
 間接税、売り上げ税の問題がちょっと問題になりました。しかし、三十九年においては一応これは税制調査会におきましても反対されたわけです。だから、この問題についてはまだやるともやらぬともあなたが言ったわけじゃないのですけれども、しかし、世論は強い関心を示しておりますから、こういう問題はひとつ真剣に考えて、大衆課税になりますから、あなたの考えではメーカーから卸から小売りまでずっとやる、こういう腹らしい、そういううわさも出ておるわけです。とんでもないことになりますので、こういう問題は私はむしろ賢明な大臣としてはおやめになったほうがいい。それは答弁要りません。
 最後に、証券行政についてお聞きしたい。最近の新聞に、大手十二社の決算状況が出ておりましたが、その内容を見るというと、四社が赤字、中堅もむずかしいところもだいぶあるようだ。こういう状況下、これから移行していく免許制度の下で、業界の健全化、大衆投資家保護が見込めるのですか。あるいはその辺、ぼくらにもわからぬのでございますが、免許制度をやってからどういうように証券界の行政がいっておりますか、その点お伺いしておきたいと思います。
#29
○国務大臣(水田三喜男君) これから免許制度にしようということでございまして、まだ免許制度になっておりません。
#30
○野溝勝君 いや、なっておらぬより、そういうことでこの四月一日から仮免許制をやっているのでしょう。仮免許制をやってからどうかというのですよ。
#31
○国務大臣(水田三喜男君) 仮免許制度はやっておりません。ことしの九月までに申請を出して、そうして内容を十分見て、そうして許可制をするということでございますから、大衆投資家の保護のためにやるということでございます。
#32
○野溝勝君 仮免許をやって、業界ではなかなかこんとんとしておるということを聞いておりましたので、私はお伺いしたのでございますが、しかし、さような動きもあるから、非常に重大な動きなんですが、そういう点を十分調査をして、本免許をやる場合には真剣に考えられたほうがいいと思います。大衆投資家のために十分考えてもらいたい。
 では、きょうはこの辺で……。
#33
○中尾辰義君 今度決定になりました経済社会発展計画、これに関連しまして若干お伺いしますが、この計画が今度昭和四十二年度を初年度として向こう五カ年間、物価の安定、経済の効率化、社会開発、こういうことが柱になって出ておりますが、個々の財政面につきまして計画も出ておりますので、お伺いしたいのですが、これによりますと、今後、将来五カ年を目標にして、公債の依存度、一般会計に対する公債発行額の割合をだんだん引き下げていく、これを目標とするということで出ておりますけれども、最終年度の四十六年度ぐらいには、どの程度まで公債依存度を下げることを目標にしていらっしゃるのか、その辺のところを若干聞きたいと思います。
 その前に、本年度は、四十二年度は一般会計四兆九千五百九億、これに対する公債依存度が約一六%ですね。
#34
○国務大臣(水田三喜男君) この経済社会発展計画は、四十六年度の財政規模をどうして、公債の発行の依存度をどうというような予定を、計画の中では一切いたしておりません。これは実際問題として簡単に予想できることではございませんので、全般の考え方として公債発行の依存度を下げるようにということだけでございまして、内容はございません。
#35
○中尾辰義君 内容のない計画というのは、私どもはそれは納得できませんがね。ですから、あなた、ここに文字には出ていなくても、大蔵大臣の腹の中にあるだろうと私は思っておるわけです。具体的に、四十二年度は先ほど申し上げましたように一般会計四兆九千五百九億に対する公債の依存度は一六%、これは前年度の公債依存率は一六・九%であったので、本年度は八千億の公債が出ておりますけれども、約〇・九%を引き下げた、こうなっているわけですね。先ほど大蔵大臣がおっしゃったように、今後経済の発展に伴いまして一般会計予算もだんだんと拡大されていくでしょう。かりに一四、五%財政規模が拡大していくと、こういうことになりますというと、やはり公債依存度というものをだんだん下げましても、かなりのこれは公債発行額になるのじゃないか。去年からことしにつきまして、約一%ぐらい下がった。かりに向こう四カ年間毎年一%ずつこれを下げてみましても、一六%ですから、一二%、まあ単純計算するとこういうふうになるわけですね。ところが、毎年毎年の歳出の自然増もありますので、そんなに公債依存度を下げるということも不可能じゃないか。せいぜい一%か、まあ一・五%ぐらい。そうすると、やはりそういったような数字が出まして、四十六年度あたりは一兆円ぐらいの公債発行になる、こういうような気がするのですがね。そこら辺のところを、まあこの計画は内容ありませんといいましても、やはり大蔵大臣ですから、大体のあなたの見通しというものは腹の中にあるのじゃないかと思いますので、私、聞いてみたのですけれども。
#36
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、外国においては、早くから発行しておりましたから、公債残高というものは非常に多い。それから見ましたら、それに比べましたら、日本は公債残高というものは外国に比べて非常に少ないというために、公債発行についてそう特別な心配のないように思われておりますが、しかし、単年度の公債依存率一六%。一六%というのは世界一に高いものでございまして、これが通常の国債の発行になったら、そりゃたいへんでございますので、いま高度成長をやったあとのいろんな不均衡の是正とかいうようなものが急務になってきましたために、この一定期間、社会資本のおくれを取り戻すとか、いろんなことで需要が集中しておりますから、そういうことを考えた公債の発行でございますが、この依存度をこのまま継続するということは、これはたいへんなことでございまして、毎年依存度を減らすといいますか、もう長くこういうことを保ってはいられませんので、思い切って一定の時期に大きく切り下げをやらなければいけないと私は考えておりますので、そういう意味で、今後の財政のあり方というようなものを長期的に私どもはまた別にいろいろ考えることをやっておりますが、依存率を下げるといっても、一%や二%下げる程度ではこれの依存率はまだまだ世界一に高い、高過ぎるものでございますから、これを長く続けるつもりは絶対ございません。
#37
○中尾辰義君 一定の時期に大きく下げるといまおっしゃったのですが、一定の時期というのはどういう時期をお考えになっていらっしゃるのか。
#38
○国務大臣(水田三喜男君) これは別に政府に統一した見解があるわけじゃありませんので、私もそういう点を心配して、諸方面の学者、専門家の意見を聞きますと、諸外国においてもこういう問題は、国債なら国債を発行したら四、五年というものは、急速にどうこうできないので続ける。たいてい五年を一期にして、一ぺん諸施策を見直していろいろ考え直すということをやるのが一つの政治になっているので、もう出発したら四、五年の間というものは、毎年いまよりも依存率を下げるということをやっておればいいかもしらぬが、そのあとは全般的に政策的に考え直すということをやらないと……。どこで一区切りとするか、平均すると五年というのがやはり政策の区切りであるというような説明を諸方面で承ってきましたが、これは三年とか五年とか、年数は別にあるわけじゃございませんが、やはりどこでも約五年計画というようなことを言っておりますが、五年というものが政策の一つの区切りの時期であって、そういうときをやはり転機に次の政策というものを吟味し直すということが必要であろうと。こういうことになりますというと、日本の国債発行政策も、いまの依存度というものを、これはそう長くここで続けるべきものじゃないので、四、五年たったところがやはり公債政策の大きい転機になるのじゃないか、そのときに再検討すべきであるというふうに私ども考えております。
#39
○中尾辰義君 四・五年たてば転換の時期だとおっしゃっても、いまのような高度経済のときに、はたして転換できるかどうか、私は危惧しているわけですよ。同じように、毎年一四、五%も予算規模が大きくふくれていくわけですからね。いまでも公債の残高は二兆二千八百三十九億円、一般会計の四六%ある。ですから、今後昭和四十六年にどのくらいになるか、これは公債依存度と財政規模の大きさから大ざっぱに検討をしても、五、六兆円の残高になるのじゃないか、公債の累積した総額は一般会計に対して七〇%くらいにふくれ上がってくるのじゃないか、このように考えて私ども心配しているわけです。そうすると、公債政策というものにつきまして、どこか行き詰まってくる。もう利子だけでもたいへんなものになりますよ。そういうわけで私はお伺いしているわけですね。
 それで、今度これに関連して聞きますけれども、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案、これが出ておりますけれども、これによりますと、これから毎年国債総額の百分の一・六に相当する金額を償還しなければならぬ、こういうことで出ておりますね。この一・六という数字はどこから出たのか、これと関連して私は聞いてみたい。一・六という数字ですね、これはどういうふうに計算なさっており、何を基礎にして出たのか。
#40
○政府委員(岩尾一君) お手元に出しております国債整理基金の繰り入れでございますが、これは将来の国債の償還の財源に充てるために、前年度首の国債総額――この場合の国債総額と申しますのは、いま申しましたような定率繰り入れにふさわしい長期の国債を対象といたしまして、その総額に対して百分の一・六という率でございます。これは先生も御承知のように、従前は万分の百十六ということで繰り入れ法ができておったわけでございますが、その後諸般の事情で、あるいは停止をしあるいは三分の一に引き下げるというようなことをやっておったわけでございますが、今回、昨年から国債が一つの建設公債という形で出てくるようになりましたので、将来の償還というものを確保するために、あるいは全体としての公債政策の歯どめという意味で、百分の一・六という率をつくったわけでございます。
 この基礎は、いろいろ外国の例もございますし、日本の過去の例もございますが、全体としての考え方は、四十一年度に発行いたしました七千三百億の公債につきまして、これは全部建設公債でございますから、一種の償還見合い財源と申しますか、それが将来には果実を生むという財産になるわけでございます。そういう財産という意味で、その七千三百億につきましての、公共事業の対象となりましたものを、あるいは国富統計あるいは租税の法律等によりまして、償還年限、減価償却の年限というものを計算いたしまして、土地等の場合にはこれは永久資産でございますから、かりに百年というふうにおきまして、その他につきましてはいま申しましたようなことで、道路は何年、港湾は何年というようなことで計算をいたしまして、それぞれ集計をいたしますと、大体六十年程度ということになるわけでございます。したがって、そういった公債の見合いになる建設的な資材の減価償却年限といいますか、そういうものは大体六十年である。六十年の問にそういうものをかえていけばいいではないかという考え方で、六十分の一ということで百分の一・六という数字を出したのであります。
#41
○中尾辰義君 そうすると、いろいろな公共投資をしたものが六十年で減価償却していかなければならぬ、そういうわけで毎年毎年の国債総額の一・六%にきめたと。こうなりますと、これはいまの国債は大体七年ものですから、七年にほんとうはこれは償却しなければならぬ。これはあなた、六十年もかかったのでは、ずいぶんこれはもう借りかえ借りかえをしていかなければならない、こういうことになるわけですね。そうすると、相当これは国債の残高が累積してくるのじゃないか、膨大なものになってくるのじゃないか、こういうことを私は心配しておるわけですよ。その辺のところから――それにプラス国債の利子もかなり出てまいりますし、財政に対する公債政策というものが全くこれは弾力性もなく、運用の面において弾力性もなく、公債政策も行き詰まってくるのじゃないか、こういうことを心配するわけですが、大蔵大臣はどういうふうにお考えですか。
#42
○国務大臣(水田三喜男君) そういうことを心配するために、減債整理基金というものができておる。そうすれば一般会計からここに繰り入れる額が年々大きくなるということは、一般経費の先取りを公債によってされるということになって、財政を非常にこれは圧迫し、梗塞しますから、そこでこれが一つの自律作用といいますか、公債を無制限に出せない、これが歯どめの役をすることにもなりますので、減債政策というのを出した。公債の償還を完全にできるためにということと、また無制限に公債を出せないという一つの歯どめの制度ということになりますので、こういう意味で私どもは今後この制度が必要であるというふうに考えて、過去にもございましたが、事実上はこの制度は死んでおりましたので、今回はっきりしたこういう新しい減債政策をつくろうと考えておるわけでございます。
#43
○中尾辰義君 まだありますがね、この次の機会に聞きますが、話は変わりまして、この前の暫定予算の期間中に二千億の公債発行ということになったのですが、あれはその後どうなりましたか、二千億も公債発行できたのですか。
#44
○国務大臣(水田三喜男君) 大体、四月千四百億、五月五百億ですか、予定の硝化はできたはずでございます。
#45
○中尾辰義君 新聞なんか見ますと、国債が都市銀行なんかにかなり圧力を加えておる、そういうことで資金繰りが非常に苦しくなって金融債を売り急いでおる、こういうことが出ております。また、国債の相場が若干下がっておるのじゃないか、こういうことも出ておるようですが、いま国債の価格はどのくらいになっておりますか、時価は。
#46
○説明員(近藤道生君) 九十八円四十銭でございます。
#47
○中尾辰義君 そうすると、発行価格は幾らでしたかな。
#48
○説明員(近藤道生君) ただいまちょっと。資料を取り寄せまして、すぐお答えいたします。
#49
○中尾辰義君 もう一つ。それはあとでよろしゅうございます、時間がありませんので。税制の問題につきまして出ておりますが、租税及び税外負担の比率が四十年度は二一%、これは将来四十六年度には二二%ぐらいまでに持っていくのもやむを得ないと出ておりますが、これは税負担が四十六年度あたりになるとかなり高くなる、こういうことですか。
#50
○国務大臣(水田三喜男君) その負担は、税の負担、それから社会保険の保険料負担というようなものも入っておるはずでございます。
#51
○中尾辰義君 その前に、「所得税を中心とする税負担の軽減に努め」と、こう出ておりますので、これは税負担額は高くなっても所得税は安くなる、こういう意味にとってよいわけですか、その点はいかがですか。
#52
○国務大臣(水田三喜男君) 必ずしもそうとは言えないと思いますが、と申しますのは、所得税というものは累進構造を持っておりますので、この減税というものを始終しないと、所得税負担というものが比重で国民負担が多くなりますので、そういう意味で、国民可得の増大に対応して所得税というものは始終下げなければならぬということがございますので、こういうこともその中で述べておることだと思います。
#53
○中尾辰義君 そうすると、関連いたしまして、先ほども質問がありましたがね、あなたはこの前須藤委員の質問に答えて、間接税を今後上げるようなことをおっしゃっておるわけですが、やはりこういうこととこれは関連しているわけです。間接税を上げ直接税を圧縮すると。どうですか。
#54
○国務大臣(水田三喜男君) ここで間接税の問題が御質問がありましたときに、いま四一%と五九%の比率になっておる、この間接税の比率はもう少し上げたいということを言ったんでございますが、それで衆議院のほうで、それじゃ、たばこを上げるのか何を上げるのかという質問が一ぱい来ましたので、私の言っている間接税の比重を上げたいというのはそういう意味じゃないのだ、はっきりと大衆課税を望んでいるのじゃないのだと言って、さきの税制についてのいろいろ考え方を提起して、こういう問題も検討すべきであると、そうすれば、そこでは間接税の比重が上がっていくということになるのではないかというので、まだ政府の見解でもございませんが、私たちがふだん考えている一つのことを研究課題として衆議院で申したということでございまして、そういうような、いろいろなこれから税制の仕組みについての新しい構想というようなものを考える過程におきましては、直接税がいまの比重よりも下がっていくということは考えられますので、そういうことも言えようと思いますが、この間申したのは、そこまでの意味で申したわけじゃございません。
#55
○中尾辰義君 間接税のことは、さっきも野溝さんからお話がありましたように、やはり税制審議会におきましてかなりの検討を加えてあるのでありますから、あまり大衆課税ということは私どもは賛成をしかねるわけです。その点ひとつ考慮していただきたいと思います。
 それで、最後に、国債の問題ですが、今後、先々またかなりの国債が出るわけですが、そうすると、やはり市中銀行の資金をかなり圧迫する、そういう現象が出てくるわけですね。今度も新聞に出ておりますとおり、金融債がかなり弱くなっている。これに対処してどういうふうに手をお打ちになるのか、これをひとつお伺いして終わりましょう。
#56
○国務大臣(水田三喜男君) それはできるだけ市中の金融圧迫にならぬようにということで、運営を弾力的にするというのが最初から申しておる私どもの考え方でございますので、市中の金融市場がそうだというときには、この公債の発行についてはやはりいろいろ考えなければならぬと。場合によったら、無理だというときには、一部預金部の資金で引き受けるというようなこともときによってはございましょうし、まだそれをどうするという方針はきめておりませんが、市場の圧迫にならぬようなやり方によって対処したいと考えております。
#57
○説明員(近藤道生君) 先ほどお尋ねの発行価格でございますが、九十八円六十銭でございます。
#58
○中尾辰義君 市場圧迫にならないようにいろいろな政策を講ずるとおっしゃった。私はそれを聞きたいのですよ。いまおっしゃったことはどんなことを考えていらっしゃいますか。
#59
○国務大臣(水田三喜男君) これはやっぱり金融の問題でございますから、この様子を見て私どもがやりますので、今度こういうふうにするぞ、ああいうふうにするぞということを私どものほうでわざわざ言う必要はないので、市場を見て適当に対処するということでございます。
#60
○委員長(竹中恒夫君) 本日の審査はこの程度にいたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十人分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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