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1967/06/06 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第16号
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1967/06/06 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第16号
昭和四十二年六月六日(火曜日)
   午前十時四十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月一日
    辞任         補欠選任
     任田 新治君     林屋亀次郎君
     中尾 辰義君     鬼木 勝利君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     鬼木 勝利君     中尾 辰義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                塩見 俊二君
                田中寿美子君
                野上  元君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省主税局長  塩崎  潤君
       国税庁長官    泉 美之松君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とノールウェー王国との問の条約の
 実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の
 特例等に関する法律案(内閣提出)
○登録免許税法案(内閣提出、衆議院送付)
○登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、税務署の設置に関し承認を求めるの件(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、その補欠互選を行ないたいと好じますが、互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#3
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認め、それでは理事に中尾辰義君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(竹中恒夫君) 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との問の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案、登録免許税法案、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件、以上四案を一括して議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。米田政務次官。
#5
○政府委員(米田正文君) ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との間の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案外三法案について、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最初に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との問の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案について申し上げます。
 政府は、さきにノールウェー王国との間の租税条約に署名いたしました。この条約の締結の承認については、別途、今国会において御審議を願っているのでありますが、この条約は、昭和三十四年二月に両国間で調印された現行租税条約を全面的に改定するものであります。現行条約を国内において実施するための特別の法律として、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェーとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律があるわけでありますが、現行条約の改定に伴い、これにつき所要の立法措置を講ずるため、現行特例法の全部を改正する必要があるので、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。
 以下、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。
 まず、非居住者または外国法人の取得する配当、利子及び工業所有権等の使用料に対する源泉徴収所得税に関する事項であります。
 わが国の所得税法によりますと、非居住者または外国法人の取得する配当、利子及び工業所有権等の使用料につきましては、二〇%の税率により源泉徴収所得税を徴収することになっております。しかるに、このたびの租税条約によりますと、配当につきましては親子会社間のものを除き一五%、親子会社問の配当、利子及び工業所有権等の使用料につきましては一〇%を、それぞれこえてはならないとされております。そこで、これらの所得に対する源泉徴収所得税の税率を、それぞれその条約上の最高限度である一五%及び一〇%と定めることとするものであります。
 次に、非居住者または外国法人のうち、わが国に支店等を有しているものにつきましては、国内法では、配当、利子及び工業所有権等の使用料にかかる所得と、これら以外の他の所得とを合算して課税するたてまえになっております関係上、配当等につきまして租税条約で定める制限税率をこえて課税されることとなる場合がありますので、その点を考慮して、総合課税の場合の税額につき、租税条約の規定に適合するよう、所要の軽減措置をとることといたしております。
 なお、この場合、このたびの租税条約におきましては、住民税をも条約の対象とすることとなっておりますので、総合課税の場合の軽減措置を講ずるにあたっては、法人税割りの住民税をも含めて制限税率をこえることのないよう、所要の措置を講じております。
 その他、このたびの租税条約を実施するにつきまして必要な事務取り扱い等につき所要の規定を設けております。
    ―――――――――――――
 次に登録免許法案について申し上げます。
 政府は、今次の税制改正の一環として、登録税の税負担が最近における所得及び物価水準に適合するものとなるよう、定額税率について所要の調整を行ない、あわせて課税範囲の整備合理化等制度全般にわたっての合理化をはかるため、登録税法の全文を改正し、その名称を登録免許税法に改めることとして、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容についてその大要を申し上げます。
 第一は、税負担の調整をはかることであります。すなわち、現行の登録税の税率は、昭和二十三年以降据え置かれておりますが、その後の所得及び物価水準の推移を考慮して、これに適合するものとなるよう定額税率を調整することとしております。なお、最低税額は、登記等に要する費用及び納税者の負担を配慮しまして五百円としております。また、不動産等の取得にかかる仮登記につきましては、その利用の現状と仮登記の持つ機能に顧み、現行の定額税率から千分の一の定率税率とする一方、本登記の際はこれを控除することに改めることとしております。
 第二は、課税範囲の整備であります。すなわち、現在課税されております登記、登録とのバランスを考慮しまして、個人の資格または事業の開始等の場合の登録、特許、免許等のうち現行課税対象に匹敵すると認められるものを新たに課税対象に加えることとし、その税率は現行のものとの権衡をとって定めることとしております。他面、現在課税しております建物の床面積の増加による表示の変更登記、船籍の登録、弁護士の登録がえ等につきましては、その登記等の性格に顧みて、課税対象から除くこととしております。
 第三は、課税標準及び税額の計算の簡素合理化であります。すなわち、抵当権等担保物権の設定登記の場合の課税標準は、現行法では担保される債権金額と不動産の価額のうちいずれか低い金額によることとされておりますが、これを担保される債権金額に統一し、その税率を現行の千分の六・五から千分の四に引き下げる等の措置を講じ、課税標準の簡素合理化をはかっております。また、借地権等用益物権の設定登記等につきましては、現行法ではその設定、更新等の登記のつどその権利の存続期間に応じ異なる税率によることとしておりますが、これを最初の設定登記の際には単一の定率税率を適用することに改める一方、その更新登記の際の登録免許税は不動産等一個につき五百円の定額税率に改める等、税額計算の簡素合理化をはかることとしております。
 第四は、納付方法の簡素合理化であります。すなわち、現行の印紙納付方式に加えて、国税の収納機関に金銭を納付し、その領収証書を登記等の申請書に添付する現金納付方式を併用することとしております。
 このほか、還付の手続、納税地その他所要の規定の整備をはかることとしております。
 以上のほか、現行法はかたかなの文語体でありますが、これを口語体に改め、また、課税範囲及び税率等を別表に掲記する等、納税者の理解を容易にするよう留意いたしております。
 なお、この法律案は、公布の日から二カ月以内で政令で定める日から施行し、八月一日以後に受ける登記等について適用することとしております。
    ―――――――――――――
 次に、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、さきに提出いたしました登録免許税法案に関連して、国税通則法、租税特別措置法その他国税に関する法律並びに登録免許税法に関連する他の法律について、その整備をはかるため、所要の規定の改正をしようとするものであります。
 以下、この法律案の内容についてその大要を申し上げます。
 第一に、新たに登録免許税を課すこととした登録、免許についての手数料は、調査、選考等に相当の実費を要するものを除いて廃止することとしております。
 第二に、登録税法の登録免許税法への名称の変更その他全面改正に伴い、他の法律で引用している登録税等の名称の整備その他関係法律について所要の整備を行なうこととしております。
    ―――――――――――――
 最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき税務署の設置に関し承認を求めるの件について申し上げます。
 最近における経済の発展に伴い、都会地の税務署では、管内の納税者及び課税物件等が年々増加しておりますが、一部の税務署におきましては、事務量が過大となり、税務指導等、納税者に対するサービスや事務管理の面で支障が生じようとしております。
 このような事情に対処いたしまして、東京国税局において、世田谷税務署の管轄区域を分割して、世田谷区の北部の地域を管轄する北沢税務署を、大阪国税局において、淀川税務署及び北税務署の管轄区域を再編成して、東淀川区を管轄する東淀川税務署を、また、広島国税局において、広島東税務署の管轄区域を分割して、広島市の東南部及び佐伯郡の一部を管轄する広島南税務署をそれぞれ設置し、納税者の利便と税務行政の円滑な運営をはかろうとするものであります。
 以上が所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とノールウェー王国との問の条約の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案外三法律案等の提案理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(竹中恒夫君) 引き続いて、補足説明を聴取いたします。塩崎主税局長。
#7
○政府委員(塩崎潤君) 補足説明を申し上げます。
 まず第一に、日本、ノルウェー間の租税条約実施のための特例法を補足する説明でございます。
 御案内のように、わが国とノルウェーとの間には昭和三十四年二月に調印されました現行租税条約がございますが、その後OECD等において租税条約についての国際的な検討が進み、また、最近におけるわが国の租税条約の進展等に照らしまして、現行の租税条約につきまして改定の必要性が痛感されておったのでございます。今般ノルウェー側から交渉の申し入れがございましたので、昨年十一月東京におきまして改定交渉を行ないましたところ、両国代表団の問で実質的な合意に達し、本年五月十一日ノルウェーのオスロで正式調印を行なったものであります。したがいまして、現行条約の改定でありますし、また現行特例法の改正でございますので、簡単に改定あるいは改正になりました点につきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず第一は、条約の改定になった点でございますが、おおむね二つございいます。第一は、投資所得の源泉地国における制限税率を従来より引き下げた点でございます。内容は、親子会社間の配当、利子及びロイアルティーでございますが、これを一五%から一〇%と、おおむね私どもが締結いたしております他の条約の例にならっております。第二は、日本側は新しく地方税たる住民税を条約の対象に入れたのでございます。これも、これまで締結いたしました最近の租税条約の例にならったものでございます。
 第二は、特例法の改正点でございます。先ほどの条約の改正点から当然特例法の改正が出てまいるわけでございますが、第二条、第三条におきまして制限税率を一〇%に引き下げてございます。第二条は親子会社の間の配当でございます。第三条は利子及びロイアルティーでございます。
 第四条は、新しく配当、利子、ロイアルティー等に対しましてノルウェー居住者が所得税の総合課税を受ける場合の特例を規定いたしまして、一定の条件のもとに一五%または一〇%の制限税率をこえてはならないと規定しているので、国内法による総合課税に際してもこれらの税率をこえるようなことのないよう特例を設けてございます。きわめて常識的な改正でございます。第五条は、第四条と同様な趣旨から、法人に対しても同様な特例を設けることとしたものでございます。
 第六条は、住民税法人税割りの税率の特例を設けたものでございます。ノルウェーの居住者または法人が受け取る配当、利子、ロイアルティー等で、条約上の制限税率の適用されるものにつきましては、住民税の課税に際しまして、各地方公共団体は標準税率を採用していただくことにしております。第七条は、双方居住者の取り扱いでございます。
 第八条は、日本とノルウェー当局間の協議を行なう場合の日本側における国税当局と地方税当局との調整について規定したものでございます。第九条は、実施規定を大蔵省令、自治省令で定めることができる旨の規定でございます。
 以上、簡単でございますが、日本、ノルウェー間の租税条約の特例法の補足説明でございます。
    ―――――――――――――
 次に、登録免許税法案の提案理由の補足説明を申し上げます。
 御案内のように、現行の登録税法は、明治二十九年に制定されました古めかしいかたかなの文語体の税法を基本とするものでございます。現行の税率は昭和二十三年以来据え置きでございまして、その後の所得、物価等の推移により現状に適合しない面も生じております。政府の税制調査会からは、本年二月に、登録税法について全面改正を行ない、その税負担を調整すべき旨の答申を得たのであります。政府におきましては、その後さらに検討を加えまして、この際、登録税法の全文を改正することとし、税負担の調整合理化を行なうとともに、課税範囲を整備し、あわせて納税者の理解を容易にする見地から、制度全般にわたりましての体系的な整備と簡素合理化をはかることとして、その名称を登録免許税法に改めることとしておるのでございます。
 その内容でございますが、第一に、税負担の調整をはかることでございます。これにつきましては、提案の理由で御説明申し上げましたように、定額税率の調整と不動産等の所有権の取得にかかる仮登記の税率及び最低税額の調整をはかっております。なお、定率税率によるものにつきましては、その課税標準が経済の推移に応じるものであり、ひいてはその税負担も調整されていると考えられますので、原則として現行どおり据え置くことといたしております。
 第二は、課税範囲の整備でございます。今回新たに銀行業、運送業等の事業の開始または個人の資格に対する国の許認可等で現行課税対象に匹敵すると認められるものを対象に加えることとしております。この反面、現在課税しております建物の床面積の増加による表示の変更登記、船籍の登録、弁護士の登録がえ、税理士の変更登録等につきましては、その登記等の性格に顧みまして、課税対象から除くこととしております。このような課税範囲の整備に関連しまして、税法の名称はその実体に即するよう登録免許税法に改めることとしておるのでございます。
 第三は、課税標準及び税額の計算の簡素化でございます。これにつきましては、抵当権等の担保物権の登記及び借地権等の用益物権の登記の際の登録免許税の計算を簡素合理化いたしましたほか、不動産の取得登記等の場合の課税標準である不動産の登記時の価額につきましては、原則として固定資産課税台帳の登録価格を基礎として算定した金額によることとすることを明確にしております。
 第四は、納付方法その他の規定の整備合理化でございます。現行法におきましても、すでに印紙納付のほか現金納付方式は採用されているのでございますが、今回は現金納付方式をさらに拡大することといたしまして、納税者の便宜をはかることといたしております。また、登記等の申請につきまして却下または拒否があった場合に過誤納金を還付する規定を新たに設けますとともに、還付加算金の計算方法を定めました。このほか納税地その他所要の規定の整備をはかることといたしております。
 以上のほか、法体系及び規定の表現につきましては、できる限り簡潔平明なものになるよう留意いたしました。また、課税範囲及び税率を別表第一に掲記いたしますとともに、非課税規定につきましては、現行法では第十九条にその適用を受ける登記、登録及び法人が混在して規定されておりますのを、非課税規定のうちその者の受ける登記、登録等のすべてが非課税とされる公共法人等は別表第二に、特定の登記、登録等が非課税とされる公益法人及び非課税登記等は別表第三に、それぞれ分類して掲記しまして、納税者にわかりやすい税法となりますよう配慮いたしております。
 なお、この改正は、公布の日から二カ月以内で政令で定める日から施行し、八月一日以後に受ける登記等に適用することとしております。
 以上、登録免許税法案につきましての補足説明でございます。
    ―――――――――――――
 次に、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案の提案理由の補足説明を申し上げます。
 さきの登録税法の全部を改正する登録免許税法案を提出するに伴いまして、国税通則法、租税特別措置法その他国税に関する法律並びに登録免許税法に関連する他の法律について、所要の規定を改正し、その整備をはかる必要がございます。この法律案は、登録免許税法に関連するこれらの法律について所要の改正を行なおうとするものであります。
 その内容といたしましては、第一に、登録手数料等の整備をはかることでございます。従来、登録等の際徴しておりました手数料のうち、新たに登録免許税を課すこととしました登録、免許にかかるものは、調査、選考等に相当の実費を要するものを除いて廃止することといたしております。
 第二に、登録税法の登録免許税法への名称の変更その他全面改正に伴いまして、国税通則法の一部を改正して登録免許税の納税義務が成立するときを定める規定その他の規定を整備するほか、他の法律で引用している登録税等の名称の整備その他関係法律について所要の整備を行なうこととしております。
 なお、この改正法律案は、登録免許税法の施行の日から施行することといたしております。
 以上、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案についての補足説明でございます。
#8
○政府委員(泉美之松君) 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件につきまして、補足説明を申し上げます。
 最近における経済の発展に伴いまして、都会此の税務署で管内の納税者及び課税物件等が年々増加することに対応いたしまして、本年新たに三つの税務署を分轄設置しようとするものであります。
 まず最初に、東京国税局管内の北沢税務署の設置について申し上げます。
 現在、世田谷税務署は、東京都の世田谷区のうち玉川地区以外の地域を管轄しております。世田谷及び玉川税務署の管轄区域である世田谷区は、京王線、小田急線、井之頭線、玉川線に沿う住宅地区とこれら私鉄の各駅周辺の商店街が中心となっておりまして、都心への交通の便がよいため、最近の発展は目ざましく、人口も逐年増加し、現在大田区に次いで都内第二位となっております。
 これに伴いまして、世田谷税務署管内の納税者数、徴収決定税額等は、最近十年間について見ると、申告所得税納税者数は三・二倍、徴収決定税額は五・八倍となっており、その増加は著しく、税務署事務量の限界に達し、税務指導等納税者に対するサービスの面でも支障を生じようとしております。
 また、職員数も二百五十七人を有し、事務管理上少なからず支障を来たしておりますので、今回、世田谷税務署の管轄区域を分割して、世田谷区の北部を管轄する北沢税務署を設置しようとするものであります。
 次に、大阪国税局管内の東淀川税務署の設置について申し上げます。
 現在、淀川税務署は、大阪市の大淀区と東淀川区を管轄しております。管内は、大阪市の北辺にあるため、従来、開発がおくれておりましたが、近時、東海道新幹線の新大阪駅が設置されたことによって、東淀川区は急速に発展し、今後も相当の発展が予想されております。
 これに伴いまして、淀川税務署管内の納税者数、徴収決定税額等の増加は著しく、最近十年間で法人数は二・八倍、徴収決定税額は五・二倍となっております。
 また、隣接する北税務署の管轄する北区は、大阪における政治、経済、文化等の中心として、古くから発達しており、職員数も二百五十九人の大規模税務署となっております。
 そこで、納税者に対する便宜をはかり、あわせて事務管理の適正を期するため、淀川及び北税務署の管轄区域を再編成して、東淀川区を管轄する東淀川税務署を設置しようとするものであります。
 最後に、広島国税局管内の広島南税務署の設置について申し上げます。
 現在、広島東税務署は広島市の東部と、佐伯郡の一部を管轄しております。
 広島市は、中国地方の政治、経済の中心として、その発展は目ざましいものがあります。
 これに伴いまして、広島東税務署管内の納税者数、徴収決定税額等の増加も著しく、最近十年間について見ると、法人数は一・八倍、徴収決定税額は三・九倍の増加を示しております。
 また、その職員数も二百三十人となっており、管轄区域は市街地と農漁村地帯という異なる性格の地域をかかえておりますので、事務処理上のロスや納税者に対するサービスの面での不便も生じております。
 そこで、納税者に対する便宜をはかり、あわせて事務処理の適正を期するため、広島東税務署の管轄区域を分割して、広島市の東南部及び佐伯郡の一部を管轄する広島南税務署を設置しようとするものであります。
 以上申し上げましたように、今回の税務署の設置は、事務処理体制の確立をはかり、納税者の利便と税務行政の円滑な運営をはかろうとするものであります。
 簡単でありますが、これをもちまして、補足説明を終わります。
#9
○委員長(竹中恒夫君) 以上で説明を終わります。
 これより四案の一括質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○藤田正明君 国税庁長官にお伺いしたいのですが、税務署に限らず国の各省の委託機関の新設に関しては、廃止すること、廃止してしまうということとこれはそれほどの意味の相違はないと思うのですね。新設と廃止ということですね。しかし、新設に関しては国会の承認を得なければならぬ。廃止に関してはその必要はないのだ。これはちょっと片手落ちだという気がするのですが、その辺、長官、どういうぐあいにお考えですか。
#11
○政府委員(泉美之松君) これは地方自治法の規定にあるわけでありまして、私からお答え申し上げてよいかどうかわかりませんが、地方自治法の第百五十六条第六項におきまして、新たに国の官署を新設する場合におきまして国会の承認を求めるということにいたしておりますので、地方自治のたてまえからいきますと、その地方団体の管内はできるだけ地方自治によって処理すべきでありまして、国の機関が新しく出てくるということはそれだけ地方自治をいわば制約することになるというような趣旨からいたしまして、新しくそういう国の官署を設置するについては国会の承認が要る。しかし、国の官署を廃止することは地方自治のたてまえからいえは好ましいことであるから、それについては別段国会の承認は要らない、こういうようなことでできておるものだと考えております。
#12
○藤田正明君 ただいまの御説明によりますと、地方自治法によって、新設する場合には地方自治に対する制約があるけれども、廃止する場合にはその制約を解くんだから国会の承認は必要ないんだと、こういうぐあいな御説明だと思いますが、ちょっと納得がいきかねると思う。
 つきましては、ただいま東京、大阪、広島と、三カ所の事務量が非常に過大になっておるから新設するという御趣旨はよくわかりましたが、それでは、廃止統合されるものがことしはどのような計画になっておるのか、また、その廃止統合される場合の職員の配置転換、住宅の確保等について、どのような処置をおとりになっておるのか、その点についてお伺いしたい。
#13
○政府委員(泉美之松君) 先ほど提案理由で申し上げましたように、昭和三十年代に入りまして以後の経済の発展度合いが非常に大きいために、しかもその経済発展がおおむね、大都市に人口が集中してそこの経済力が大きくなる、こういった形で発展をしてきております。そこで、私どもといたしましては、そうした納税者あるいは課税対象物件の増加いたしましたところにおきまして、納税者の利便と課税の便宜ということを考えまして、税務署を分割して適宜な規模の税務署にすると同時に、特に農業所得者が近年著しく減少いたしておりますが、そういったことに伴いまして、納税者数が著しく減った地域につきましては、それらの税務署を納税者の利便を考慮しつつ逐次統合するということでやってまいっておりまして、昭和三十八年以降、昭和三十八年度におきましては一署を統合し、三十九年度におきましては三署を統合し、四十年度におきましては二署を統合し、四十一年度におきましては七署を統合するということでやってまいったのでありますが、四十二年度におきましては六署を統合するという予定をいたしております。
 なお、この統合に伴いまして、これらの署の職員につきましては、一部は統合される税務署に増加いたさなければなりません。これは事務量がそれだけ統合された税務署におきまして増加するわけでありますので当然でありますが、しかし、他の一部につきましては、職員を増加する必要のありますところに増加する、こういう措置をとっております。概して東京、大阪、名古屋といった大都市局署に定員を集中する、そういうことでおおむね二年ごとにそういった局間あるいは直税、間接税徴収といった事務官の定員の再配置を行なってきておるわけであります。
 もちろん、そういうことを実施いたしますには住宅の確保が必要でありまして、地方局から南京、大阪、名古屋といった国税局管内の税務署に人を動かすために住宅の設置が必要でありますので、これにつきましては昭和三十八年以降税務署職員の住宅についての五カ年計画を立てまして、逐次住宅を増加するようにいたしております。
 なお、職員につきましては、統合されることによって廃止される税務署におきましては、職員の希望をできるだけ取り入れましてその配置先を考慮するということで、この廃止によって職員が職を失うということのないように十分な配意をいたしてまいっておる次第でございます。
#14
○藤田正明君 四十二年度に六つの統合廃止されるところがあるというお話ですが、その六つの場所をちょっと御説明願いたい。
#15
○政府委員(泉美之松君) これは北から申し上げますと、札幌国税局管内の夕張税務署を岩見沢税務署に統合すること、それから仙台国税局管内の赤湯税務署を米沢税務署に統合すること、名古屋国税局管内の熊野税務署を尾鷲税務署に統合すること、大阪国税局管内の香住税務署を豊岡税務署に統合すること、高松国税局管内の卯之町税務署を八幡浜税務署に統合すること、熊本国税局管内の玖珠税務署を日田税務署に統合すること、この六つの税務署を廃止して統合するということを予定いたしております。
#16
○藤田正明君 ただいまの統合廃止される地点はわかったのですが、そこで、将来の税務行政ということと産業経済基盤ということですね、長い目で考えられて、今後の国土改造あるいは都市の再開発と、いろいろと日本の内情が変わってくると思うのでありますが、そういうような長い目で見られて税務行政をお考えになっておるのか、それとも時点時点で、ここ二、三年非常に人口数も減ってきた、だからこれはそろそろやめてもいいのじゃないかというような短期間の見通しをもって統合廃止をなさっておるのか、あるいはもっと長い目で税務行政というものを経済基盤、産業基盤と関係づけてお考えになっておるのか、それが一点。
 それと、経済基盤と関係づけて、大中小とあると思いますが、その最大規模、それから平均の規模と申しますか、それから最小の規模、そういうもののどの程度が適正と経済基盤と関係づけてお考えになっておるのか、その二つをお尋ねいたします。
#17
○政府委員(泉美之松君) お話のように、全国を税務署の管轄区域に分割して税務行政を執行してまいります場合には、産業行政の基盤といったものを十分考慮しなければならないわけでございまして、私どもといたしましては、もちろん二、三年とか四、五年といった短期の考え方でやっておるわけではなくて、少なくとも十年以上の間にどういうふうにその地域の産業経済が変化してきたか、それによって納税者数がどのようになってきたか、徴収決定税額がどうなったかといったような点を十分考慮いたしまして考えておるのでありまして、先ほどあげましたような税務署におきましては、とこ十年の間に納税者数が相当減少してまいり、同時に、徴収決定税額もふえないのみならず減ってくる。あるいは、そういったことのために税務署の職員定数も以前に比べまして漸次縮小してきております。そういった事情を十分考慮いたしまして考えておるのであります。
 もちろん、これ以外の税務署におきましても、職員の定数が今回廃止しようとするところよりも少ないところとか、徴収決定税額が少ないところがございます。しかし、税務署の廃止につきましては、やはり納税者の利便ということを十分考慮しなければなりませんので、廃止統合によりまして納税者が非常に遠いところの税務署に出かけていかなくちゃならぬというような事態が起きますことは避けなければなりませんので、そういった地域におきましては、たとえ納税者数が減り、職員数が減っておりましても、それを廃止することによって著しく納税者に不便をかけるということになりましては恐縮でありますので、そういうことはいたしておらないのであります。
 なお、それでは、税務署の適正規模といったようなものはどういったものかということになりますと、これはなかなかむずかしい問題でございまして、全国でいま一番大きい職員数をかかえておりまする税務署は東京の京橋の税務署でございまして、職員定数が三百六十七名にのぼっております。しかし、これは地域からいたしますと、面積が六キロ平方メートルでありまして、地域からの広さからいたしますと、ごく狭い地域。ただ、経済の非常に中心地であるということ。それから、税額で申し上げますと、日本橋の税務署が徴収決定税額が千億をこえる。したがって、広島国税局あるいは関信国税局の全体の徴収決定税額にほぼ匹敵するような税額に一署だけでなっておるような税務署もあるわけでありまして、この面積が三・二平方キロメートルでありまして、これも非常に狭い地域でありますので、こういったところでは、職員数が多い、あるいは税額が多いからといって、すぐに分割するということも必ずしも適当でない。むしろこれらの税務署は副署長であるとか、あるいは課の数をふやすということによって処理していくべきものだというふうに考えておるのであります。
 したがいまして、必ずしも税額あるいは職員数ということで簡単には申し上げかねるのでありますけれども、しかし、一人の税務署長が管理し得る職員の数などからいたしますと、概して申し上げますと、二百五十名ぐらいの職員数になりますと、一人の税務署長が管理するのにはなかなか骨が折れてまいります。それから、地域が非常に広大になりますと、職員が調査等に出張いたしますのに不便を来たしてまいります。したがって、そういった点を考慮して、適正な規模のものに持っていくということを考えておるような次第であります。
#18
○藤田正明君 わかりました。税額と地域面積と職員数、そういうものをかみ合わせて適正な規模というふうなことを各様にお考えになっておるという御説明、わかりました。
 そこで、税務署の数もさることながら、事務の合理化といいますか、機械化といいますか、また非常に輸送機関あるいは道路が発達してきておりますが、そのようなことを含めて、税務署の事務の能率向上、これをどのようにお進めになっておるか、最後にお伺いいたします。
#19
○政府委員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたような、日本の三十年代におきまする経済の高度発展に伴いまして、年々減税が行なわれておりますけれども、納税者数が相当増加いたしております。そこで、国税庁といたしましては、税務職員の定員の増加を要望いたしておるのでありますが、これは政府職員の増加ということが好ましくないということでなかなか増加が認められません。したがいまして、事務の合理化、簡素化ということによりまして、膨大化する事務処理を円滑にやっていこうという考え方をとりまして、一面におきましては、事務のうちできるだけ統合できるものは統合していく。帳簿書類などにつきましても、従来三冊ありました帳簿書類につきまして、それを一冊に取りまとめるとか、報告などにおきましても、定期の報告をできるだけ減らしていく、こういうような事務の簡素化の面を推進してまいっております。それとともに、機械化によって事務処理を早く行なおうということを考えておりまして、現在東京に電子計算機を入れまして、給与計算でありますとか、あるいは法人税の統計でありますとか、あるいは東京都内の税務署及び調査課所管の法人についての申告書につきまして更正あるいは決定をする場合の税額計算等があるわけでありますが、これらにつきまして機械処理を行うということなど、電子計算機を利用いたしまして、迅速に事務処理をはかることにいたしております。これにつきましては、さらに明後年には大阪国税局に電子計算機を導入いたしまして、大阪国税局及びそこから西の地区についてのそういった事務処理を電子計算機にのせる、こういったことを考えておるような次第でございます。
#20
○藤田正明君 最後に、泉国税庁長官に希望を申し上げたいのですが、われわれが税を納めるのは国民の義務と、かように思う次第でありますけれども、最近の税務署員の方々の態度は非常によくなってきておるとは思いますけれども、まだまだその応待態度、サービスという点においては至らざる点が多分にあるのじゃないか、私自身も個人として感ずるところがございます。そういう点について、よくなってはきておりますが、ひとつ今後とも国民に納税義務の意識を向上させるような税務署署員の教育をお願いいたしたい。これは希望でございます。
 次に、主税局長に登録税のことについてお伺いしたいのですが、一人当たりの国民所得がことし二十八万幾らと、昭和二十三年の当時に比べますと十丁六倍になったと思うのですが、そしてまた物価水準は卸売り物価で二・四倍、消費者物価で二・三倍というような倍数になっておりますが、物価水準から見ると、今回は登録税の負担が五倍ないし十倍に引き上げられる、引き上げ額があまりにも急激ではないか。なぜ二十三年からこの二十年間税率を据え置いて、そして一ぺんに五倍ないし十倍というような急激な引き上げ方をしたのか、二十年間放置しておったのは政府の怠慢ではないか、かように思うのですが、その辺はいかがですか。
#21
○政府委員(塩崎潤君) 確かに御指摘のように、私どももこの点につきましてはおわび申し上げておるところでございます。本来、定額税率というものは、所得水準あるいは物価水準に常に照応するがごとく更正するような義務が主税局にはあると思うのでございますが、昭和二十三年以来登録税法がそのままに据え置かれたために、このような結果を招来いたしまして、ほんとうに申しわけなく思う次第でございます。
 先ほど御指摘のように、物価水準から見まして引き上げ幅が大きいではないか、こういう御意見でございますが、私どもは、確かに物価水準も大きな要素ではございまするけれども、何といっても登録税のような税金は所得から支払われるものである、こういうふうに考えますと、やはり所得水準との関係で判断さるべきである、かように考えるのでございます。これは第一の理由でありまして、国民所得は二十三年と四十一年では十四・四倍、四十二年にはそれがもう少しこれを上回るかと思いますけれども、私どもはそういった観点から五倍ないし十倍程度の引き上げをお願いしておるのでございます。さらにまた、その他の商品価格あるいは料金、これの変動も十分考慮いたしまして、その税率をきめたつもりでございます。
 それから、第二の理由は、非常に大幅なように見えますですけれども、これは毎年毎年税負担を変動さすということは適当ではございませんので、やはり今後はしばらくこの税率を安定さしたい、かように考えております。二十三年からこれまで安定――安定と申しますか、据え置いたことは非常に弊害があったと私は思うのでございます。しかし、やはりこれは毎年毎年改正することが適当な税金ではございません。所得税のように毎年毎年納税者が同じような方でありますれば適当でございますが、納税者が毎年変わるような税金はやはり相当長期にわたって安定さすほうがよかろう、二十三年からこれまでは少し長過ぎたわけでございますが、相続税や登録税のように偶発的な事由によって納税義務が発生するような場合はしばらく安定させる、こういった趣旨で考えておりますので、今後、引き上げ幅が大きいのでございますが、しばらくこのままできる限りひとつ安定さしたい、そういうような気持ちを持っております。もちろん、物価水準、所得水準が変われば別でございますが、そういった趣旨で私どもは今回の税率の引き上げ幅を適当であると考えまして御審議をお願いしているような次第でございます。
 なお、私どもが怠慢でありました理由は、いま申し上げましたように、安定ということが一つの要素ではございましたが、それ以外に、何と申しましても、登録税には今回の改正の中に含まれております非常な問題があったわけでございます。同じく今回、先般御審議をお願いいたしまして御承認いただきました印紙税も、昭和二十九年から据え置きでございましたが、印紙税は昭和二十三年と昭和二十九年の間に一回改定がございました。登録税もそのとき議題にのぼりましたけれども、やはり根本的な検討が必要であるということで見送られまして今日に至った経過がございます。
 さらに、第二には、所得税の減税財源、これが第二の理由でございます。自然増収をもちまして減税財源に充てるようなときには、おっしゃいましたように登録税もふえなくても済んだのでございますけれども、だんだんと公債発行下の財政におきましてやはり財源が必要である。それも税制の中で所得税の減税をさがせという要請がございますときには、この登録税もやはりその爼上に上がりまして検討しなければならない、こういった経過がございます。
 以上、私どもの怠慢のそしりも免れないわけでございますが、そういった考え方で今回御提案申し上げた次第でございます。
#22
○藤田正明君 ただいまの説明で、物価水準、所得水準といいますか、定額税率というものはそういうものからきめられるということはわかるのですが、税負担のバランスですね、今回、たとえば個人の人的資格の弁護士、医師、公認会計士等は二万円、保健婦とか看護婦は三千円ですか、そういうことになっておると思うのですが、そこで、銀行とか証券会社の開設の免許、それから支店設置の認可というような、こういう際は五万円という負担になっていると思うのです。これはこの個人と法人との比較において、この税率の負担がバランスがどういうことになっているのか。個人の税率は高過ぎると、私はかように考えるのですが、その点についてはどうですか。
#23
○政府委員(塩崎潤君) 御指摘のように、税負担のバランスにつきましては、私どもは一番大事な問題でございますが、いろいろな考え方ができ上がるわけでございます。しかし、まず何と申しましても、これは非常に古典的なことばで申しわけないのでございますが、「旧税は良税」ということばがありますように、経済の中に長らく溶け込んだ税金はやはり税金といたしまして長所を持っております。したがいまして、その税にありますところのバランスは、これまた尊重せざるを得ない。それはそれ自体といたしまして、最近の所得水準に適合するような税率の引き上げが考えられてしかるべきだという考え方でございます。
 そこで、先ほど御指摘のありました医師、弁護士、公認会計士、あるいは看護婦、これらの方々の登録税は、いわば旧税と申しますか、古くから人的資格の登録にございます登録税でございますが、これは一つのバランスがございますし、これは先ほど申し上げました所得水準に適応させるように私どもは調整いたしたつもりでございます。そこで、御指摘の銀行等の免許等に比べましてバランスが悪いではないか、こういった御指摘でございまして、私どももこの点は問題があることは十分存じておりますし、今後はひとつ御批判等を十分考えまして、ひとつこれは検討する余地があるものだと考えております。
 まず第一に、このような税負担を盛りました根拠は、第一に、新しい税金であるということでございます。
 御指摘のように、個人の人的資格に対しまして一つの政府の保護あるいは政府の要する費用、これに対する支払い能力から着目いたしました税金でございますが、そういった人的資格のみならず、考えてみますと、そういう許認可に伴いまして反射的な利益が生ずることは当然考えられる。御承知のように、人的資格登録以上の社会的な費用もかかりますし、反射的な利益も生ずるわけでございます。そういった点を考えまして、費用の種類あるいは規模等を考慮いたしまして税負担は設けたのでございますが、何と申しましても、新しい税金であるということが第一の制約でございます。
 第二は、これはこまかい理由になるかもわかりませんけれども、人的資格のほうは一回限りでございます。最初の一回限りでございますが、支店等は、これを設けるごとに、支店ごとに納めていただかなければならない税金でございまして、そんなようなところにも違いがあろうかと思います。
 まあ、しかし、いずれにいたしましても、企業と個人では支払い能力もいろいろな意味におきまして違いがございましょうから、今後のひとつ検討問題といたしまして研究さしていただきたいと思っております。
#24
○藤田正明君 それでは、祖税統計として一般に公表されるものの中に、登録税の税収は明記されていないのですね。印紙税収入額として計上されておるだけですが、今後こういうことで登録税が二十年目に大幅な引き上げがされるわけでございますが、税収明記の見地から、あるいは納税者、国民全体に対してやはり登録税がこの程度のウェートを持つのだということを明記される必要はないのかどうかということです。
#25
○政府委員(塩崎潤君) おっしゃるように、私どもの祖税印紙収入の説明でお示ししておりますように、印紙収入という形で登録税、印紙税その他の手数料も込めてお示ししておるのでございます。私どもはこの中から登録税が幾ら、印紙税が幾ら、その他の手数料が幾らと推定いたしております。とにもかくにも印紙は売りさばき人の手を通じて、あるいは郵便局の手を通じて売られますので、正確な登録税、正確な印紙税という金額は実は税務署からも報告が出ないような仕組みでございまして、印紙の売りさばきによりまして印紙収入として入っておる形で、正確を期せばこういった形となるのでございます。御指摘のように、私どもも登録税、印紙税を着目する意味におきまして、先生のような御指摘は私はごもっともだと思います。ただ、問題は、推定であるだけに、いろんな意味におきまして誤解が生じます、不正確な点が出ますので、公文書として出しますと。もし資料として御要求がありますれば、いつでも喜んで国会に出すことはしていきたい、かように考えております。
#26
○藤田正明君 推定と、こう言われるのですが、結果はよくわからない。そこで、登録免許税とか、印紙税とか、その他印紙で納める手数料、そういうものの税目に応じてその印紙を色分けしたらどうですか。色分けすることによってはっきりしてくるんじゃないですか。
#27
○政府委員(塩崎潤君) 御指摘のような問題も研究問題だと思います。ただ、各企業も個人も、印紙を一括して買っておきまして、いろいろな場合に使うということを考えますと、簡単に色分けするとかえってまあ不便な点もあろうかと思いますが、このあたりひとつ郵政省あるいは大蔵省の中でも検討してみたいと思います。
#28
○委員長(竹中恒夫君) 本日の審査はこの程度にいたし、明後日八日午前十時より開会いたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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