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1967/06/08 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第17号
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1967/06/08 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第17号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第17号
昭和四十二年六月八日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                林屋亀次郎君
                田中寿美子君
                二宮 文造君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省主税局長  塩崎  潤君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○登録免許税法案(内閣提出、衆議院送付)
○登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に
 関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 登録免許税法案、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案、以上両案を一括議題として、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○柴谷要君 質問は山ほどあるのですが、ごく要領よく二、三質問して終わっていきたいと思うのです。
 その前に、郵便切手、収入印紙等の売りさばき人は全国で十万をこえておる、こういうことを聞いておるわけですね。これらの人たちが、切手売りさばき総額の約四%というものを手数料としていただいておると聞いておるわけなんです。そうすると、現行の価格の四%の手数料を受けておるわけです。これが飛躍的に、多い者は十何倍かの価額に上がるわけなんです。この手数料の料率というものは変わりはないものかどうか、それが一つ。
 それから、もう一つは、この法案の第二十一条と二十二条によると、登録税は今度、一万円以上納付する場合は原則として収入印紙によらなくてもいい、つまり現金払いということができるということになると、今日まで売りさばき人として印紙の売りさばきをやっておった諸君が、だいぶ減収になるのじゃないか。そういうことで、強い要望が出てきているのですが、これらの人たちの心配しているような点が現実にあらわれてくるものか、それとも杞憂に帰して、そういうことじゃない、収入も減らないし、間違いないと、こういうふうにおっしゃられるか、この点をひとつまずお尋ねをしたいと思います。
#4
○政府委員(塩崎潤君) 二つ御質問がございました。まず第一の手数料率の問題でございます。おっしゃるように、印紙及び切手につきましては、段階的な手数料の割合がございます。これは三十三年、三十七年、四十一年と、ときおり改正されておるわけでございますが、現在のところ、一万円以下は九%、一万円をこえまして十万円以下は五%、十万円をこえ百万円以下が一・五%、百万円超百五十万円以下が一%、百五十万円をこしますと〇・五%、なお、最低保証といたしまして四千五百円と、こういうふうな料率がございます。柴谷先生御指摘の四%というものは、全国平均の率を御指摘になったかと思います。ただいま申し上げましたように、この料率は、手数料の率は、四十一年に改正になったものでございます。しかもまた、私どもの所管ではございませんので、郵政省の所管でございますので、私がまあここで責任ある答弁はできないわけでございますが、おそらく四十一年の改正の直後でもございますので、今後の情勢を見て検討するということがおそらく郵政省はお答えになるのではないかと、とういうふうに思います。
 と申しますのは、この点につきまして第二の御質問の、現金納付の入ることによる影響、これを考えることもございますが、まあそのほかに全体といたしまして、なお現在の手数料率では印紙売りさばき人の手数料の収入金額はまだ少ないのではないかという御意見があるのでございます。そのような声に応じまして、四十一年に改正されまして引き上げられましたけれども、なおそんなような御要望をどの程度に勘案しますか、これは郵政省が慎重に今後検討する問題ではないかと思います。
 第二の、今回の私どもの御提案申し上げております登録免許税法案の第二十一条、第二十二条によりますと、印紙納付と並びまして現金納付が認められるというたてまえになっておるが、この現金納付方式が収入印紙の売りさばき人に大きな影響を与えるのではないか、こういう御質問ですが、この点は私どもは影響を与えるということはほとんどないと見ております。
 まず第一に、今回の改正案で初めて現金納付方式を入れたのではございません。御承知のように、昭和二十八年に不正印紙偽造事件が非常に大規模に行なわれまして、そのときに登録税につきましても現金納付の道が開かれまして、現在でも登記所の中で特に税額の大きいところではすでに実施されておるところでございます。今回改正をお願いしておりますのは、この現金納付の範囲を若干拡大いたしまして、その範囲を明らかにする。たとえば一万円以下というものは印紙納付には適しますが、一万円をこえますと、やはり現金納付のほうが、不正印紙の問題、あるいは収入印紙を消し印いたしましたもののその後の保管の問題、そういった事務上の管理の問題、さらにまた歳入確保の問題から見まして、やはり印紙収入と現金納付の限界を適当にきめる必要があろう、こういう趣旨でお願いしておるわけでございます。
 しかも、またあとでまたおしかりを受けるかもわかりませんけれども、今回の印紙税は二十三年以来の税額の調整が行なわれました結果、現金収入あるいは印紙収入ともに増加する傾向にございまして、おそらくこの結果印紙売りさばき人の手数料は増加してくるのではないか、こういうふうに見ておるのでございます。たとえて申し上げますと、昭和四十二年度におきまして改正の結果、平年度におきましては、昭和四十二年度におきましては、現金収入が十九億増加いたしますが、印紙収入は百三十一億六千八百万円増加いたします。これに先生の御指摘のように四%をかけますと、五億ばかりの収入増加が印紙売りさばき人に期待される。これは自然増収を除いての話でございます。単に増額部分だけの、増収部分だけの四%の数字でございます。もちろん、そのほかに最近の不動産価格の騰貴あるいはまた取引の活発化に応じまして、印紙売りさばき人の手数料収入は増加の傾向にあることは言うまでもないところでございます。
#5
○柴谷要君 切手類売りさばき人が全国に十万もいる。これらの人たちが非常に心配しているのは、現金納入方式である。つまり、納付方法の簡易化によって減収になるんだと、こう心からきめているわけなんですね、必ずなると、そうなるというと、自分たちの収入は、いままで売りさばき総額の年約四%だと。自分の手数料を自分で手がけていて、しかもその人たちが四%になっておるんだと、こういう説明なんですけれども、間違いないと思う。これがずっと減るんじゃないかと。そうするというと、これを主体にして生活をしておる売りさばき人の家計というのが非常に苦しくなってくる。これに対する政府としての対策は何らかあるか、こう質問したわけなんだが、これはまあ郵政省の問題だと、こういうんですけれども、納付方法の簡易化を大蔵省が考えたときに、影響するのはやはりそういうところに影響していくわけです。そういう場合に郵政省と打ち合わせをして、そういうような細部にわたってまで配慮をするということも考えないんですか。
#6
○政府委員(塩崎潤君) その点は私どももこの現金納付方式を若干拡大する際に検討いたしまして、意識いたしまして郵政省とも打ち合わせたところでございます。そういった意味で、先ほど申し上げましたが、登録免許税の印紙納付と現金納付の範囲につきまして考慮し、さらにまた一万円以上の場合でも、付近に納付官署と申しますか、郵便局あるいは金融機関のないようなときには現金納付は困難でございますので、印紙納付を認めるといったことを考えまして、私どもはそれに対処するつもりでいたわけでございます。なお、この影響につきましては、私ども当然予測でございますので、先生のおっしゃいましたような、私どもの思いもよらないような事態が生じました際には、これはもちろん私どもといたしましては、郵政省と相談の上、適切なる措置を講じなければならない、かように考えております。
#7
○柴谷要君 そうなりますと、郵政省と十分連絡とって改善をしなければならぬということなんですが、それは収入減のほうを救えるような方法に考えておられるのですか。
#8
○政府委員(塩崎潤君) 私が先ほど申し上げましたように、収入印紙の売りさばき額も非常に増加し、もちろん現金収入も増加いたしますが、額といたしましては、収入印紙の増加額も非常にふえてまいります。そういった意味で、おしかりを今回の登録免許税法案の改正については受けておるわけでございますが、そういった事態は万々ないというふうに私どもは考えておりますが、もしもありました際には、この手数料の問題といたしまして、これは郵政省と慎重に検討してまいりたい、こういう意味でございます。
#9
○柴谷要君 念のために特に申し上げておきますがね、売りさばき人から、現行法とそれから改正後においては開きが出てきた、こういうような事実の点が相当あらわれてきて、そうしてそれが要請された場合には十分な対処をする、こういうふうに考えている、こういうふうに理解してよろしいですか。
#10
○政府委員(塩崎潤君) 先般郵政省もそんなような考え方を私は漏らしておったように記憶しております。
#11
○柴谷要君 それでは、次の質問に入りたいと思うのですが、二十三年にこの法律は改正になって、以後ずっとそのままになっておった。だから、時宜に適した改正である、まあこういうことは言えると思うんですが、中にはたいへんな金額のはね上がりがあるわけです。たとえば看護婦さんなどの登録の場合に、現行からいきますというと相当高額にのぼるわけなんですが、この登録の場合に看護婦さんあたりの団体から何らかの意思表示がなされているのじゃないかと、こう思うのですが、それらの点は幾つか、看護婦さんばかりでなしに、他の保健婦さんでも助産婦さんでもそうですし、あるいは水先案内人でもお医者さんでもどこでもいい、そういう団体から特殊な申し出が行なわれておるかどうか、これをあったら聞かしてもらいたい。
#12
○政府委員(塩崎潤君) まず最初の登録税の上げ幅が、二十三年から据え置きにいたしましても大き過ぎるではないかという御批判でございます。私どもも税法を事務的にあずかる者といたしまして、こういった事態になりましたことにつきましてはおわびしなければならないと思っております。非常に問題のある登録税法でございましたので、検討が慎重になり過ぎた傾向があり、さらにまた、これまでは自然増収があったために減税は比較的容易に行なわれた。したがいまして、租税間の調整ということがあまり考えられなかった。これが、私どもの言いわけになるわけでございまするけれども、登録免許税法につきまして昭和二十三年からそのまま据え置かれましたことの原因でございます。今回は所得税の課税最低限が大幅に引き上げられる、さらにまた税制のうちにもその財源を求めるという理由から、相当大幅ではございますけれども、登録免許税法の全面的な改正をお願いいたしまして御審議を受けている次第でございますが、しかし、これは大幅といたしましても、今後しばらくはやはり安定していきたい、こういうふうに考えております。やはり納税者が毎年毎年同じような税目と違いまして、登録免許を受ける方は毎年毎年違った方でございます。そういった意味ではやはり、税金が比較的大幅に上がりましても、その間しばらくは、よほど所得水準あるいは物価水準が変われば別でございますが、安定して持っていきたい、こういうことでございます。私どもはぜひこの際申し上げておきたい、かように思うのでございます。
 そこで、第二の看護婦、水先案内人その他の方々から、登録税についていろんな御批判があったのではないかという御質問でございました。私どももその御批判は十分承ってまいりまして、今回の登録免許税の税率をつくったつもりでございます。看護婦さんにつきましては、私どもは当初は、看護婦不足の状況から見まして、登録税をひとつ廃止したらどうか、こういうふうな考え方を持ち、それが新聞紙上に漏れたのでございますが、それが非常な反響を招きまして、いわば社会的な地位に対する一つの税の上の評価を示すということで御批判を受けたわけでございます。看護婦の方々の要望は、ここにもございまするけれども、お医者さんについて登録税をたとえば六倍に引き上げながら残していく、しかしながら看護婦に対する登録税を廃止するということは、一つの看護婦の地位に対する軽視ではないかという御批判があったのでございます。さらにまた、看護婦につきましては、何といっても社会的な職業といたしまして国家的に公認されました地位、職業であり、一つの登録ということは大きな事実でございます。それに対しまして登録税を廃止するということはやはり非常な弊害がある。言うならば、旧税は良税であり、その旧税は一つの社会的な地位を示すものである、これを廃止するということは、あるいはまたその間のバランスを非常にくずすということは適当ではない、こういうお話がございまして、私どもはその御要望に耳を傾けまして、登録税の税率は現在は千円でございますが、今回は三千円、お医者さんは三千円の現行の税率から二万円ということにいたしてございますが、若干の格差は開きましても、やはり社会的の地位の租税における評価は、これはやはり軽々に変えてはいけないし、またその間のバランスを十分考えるべきであるということで、いま申し上げましたような税率を御提案申し上げておる次第でございます。
 このような同種の要望はたくさんございまして、税理士の方々はやはり、現在は税理士は二千円、公認会計士は三千円でございますが、社会的な地位から見ましても、同額にしてくれというようなお話があり、水先案内人にいたしましても、あるいは装蹄師にいたしましても、どうも登録税から落とされるということは一つの社会的地位に対する軽視というような印象を世間に与えるということから、私どもはバランスを考えながら、現在のところ新しい税率を提案している次第でございます。非常にそういった意味でむずかしい税金でございますけれども、一つの地位の保護に対する国家の登録税といたしまして、そういった評価も私は適当である、こういうふうに考えております。
#13
○柴谷要君 最後の一問になりますが、一番登録税の極端な改定、多いのは十倍、少なくても三倍以上の引き上げになっているわけですね。ですから、それらの人たちの反響というものを実は聞きたかった。いろいろ各方面の意見を聞いてみますると、案外何か自分の地位というものを考えた場合には、登録税は少しぐらい上がってもいいのだ。たとえば看護婦さんなどは千円が三千円になるのは困るんじゃないかと実は思ったのです。ところが、看護婦さんの大会で、登録税を廃止することはわれわれの地位を認めないことだ、軽視することだ、三倍ぐらいの登録税は取るべきだ、こういう大会の決議をしたということで実はびっくりしたのです。だから、地位をやはり認めてやる、こういう観点に立てば、登録税の三倍ぐらいは意に介しないということで看護婦さんの決議になってあらわれてきた、こう思うのです。そこで、この登録税の引き上げは今回このように行なわれるわけですが、それのうらはらになる地位の問題等については、やはり政府はその点は考えていかなければならぬじゃないか、こう思うのですが、この点いかがでしょう、少し高度な質問になるわけですが。
#14
○政府委員(塩崎潤君) これは主税局長の答弁の範囲をはるかに越えておりますので、そういった御意見が登録税の税率引き上げに関しまして行なわれましたことは、厚生省あるいは主計局に十分伝えたいと思います。
#15
○委員長(竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
#16
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですから、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
#17
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案を一括して採決に入ります。登録免許税法案、登録免許税法の施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案、以上両案を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。
#18
○委員長(竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決することに決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
#19
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は六月十三日(火曜日)午前十時より開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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