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1967/06/22 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第21号
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1967/06/22 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第21号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第21号
昭和四十二年六月二十二日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                塩見 俊二君
                西田 信一君
                林屋亀次郎君
                戸田 菊雄君
                野上  元君
                二宮 文造君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省関税局長  谷川  宏君
       国税庁長官    泉 美之松君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通関業法案(内閣提出)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、税務署の設置に関し承認を求めるの件(内
 閣提出、衆議院送付)
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 通関業法案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件、以上両案を一括議題として、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○須藤五郎君 二十日の当委員会で、私が品川税関埠頭の録音盗聴事件が起こった問題につきまして谷川局長に質問しました。そのとき谷川局長は、よく調べましてお答えいたしますということだったと思いますので、あなたが調べた報告を受けたいと思います。
#4
○政府委員(谷川宏君) 東京税関の本館の統計課において起こりました事柄でございます。統計課の上席の職員が、テープを使いまして、その統計課内における職場の雰囲気を個人的な意思でテープに録音をしておりましたことは事実でございます。ただ、これは個人的な意思で録音をしたものでございまして、また前回私が官の録音機であろうという推測をいたしましたけれども、調べましたところ、これは録音をとった本人の個人的な私有物でございます。全く個人の意思で録音をしていたのでございまして、すなわち、もちろん税関長ほか課長、係長の指図に従って録音をとったものではございません。したがいまして、先般お尋ねのように、当局が労働組合の情勢を探知するために録音をとらせたということでは毛頭ないわけでございます。
 それでは、何のためにそういうことを一職員が行なったかということでございますが、それにつきましては、私どもの税関の職場が外部の国民と接する機会が非常に多い職場でございます。ことに外国の方もときどきはお見えになるので、職場の秩序維持ということについては細心の注意を払いまして、税関長はじめ全職員が整然たる職場で明朗に仕事をするということに努力をいたしておるわけでございますけれども、たまたま各税関におきましてそういうような努力が実行されない場合があるわけでございまして、東京税関の統計課の職場におきましても、統計課長、係長が常日ごろ職場の秩序維持につきましては努力をしておるわけでございますが、私が調べたところによりますると、統計課の職場におきましては、再三にわたりまして、勤務時間中雑談をいたしましたり、職務を平静に行なうことができないような状態になるようなことがあったわけでございまして、その統計課に属しておる一職員が、それではいけない、お互いに反省をしようじゃないかということで、再三にわたりまして、そういう平静に職務遂行していない同僚職員に対して、口頭で同僚として注意を与えたわけでありますが、なかなか聞き入れません。かえって何を言うかというようなことを言われるということで、平素から職場の秩序の確立につきましては、その職員は非常に真剣に考え努力していたわけでございまして、また課長、係長にもそのことを報告し、また課長、係長も、職場の秩序の維持につきましては、そういう喧騒にわたる言動をする職員に対しましてはしょっちゅう注意を与えているわけでございますが、なかなか改善されないということで、当人が個人的に持っておりました録音機を使いまして、お互いに反省の機会を持とうという意図のもとに、その職場の空気の一場面を録音していた。ところが、それをたまたま時間外におきましてとった録音を聞いておりましたところ、労働組合の者に渡したということが事実であります。
 これは何のために渡したかといいますと、そういう職場の空気を労働組合の幹部の人にも知ってもらいたい、そうしてお互いにこういうことがあっちゃならないということで、直そうということで渡したのであります。職場のそういう空気の改善につとめることが管理者の当然の責務でございまして、管理者みずからが断固としてそういう職場の秩序を守る決意を固めて実行しなければならないのでありますが、たまたま正義感の旺盛な一職員が、お互いに同僚として改めようじゃないかということの一つの材料として録音をとったということでございますが、今後はそういう職員にまかせないで、管理者の責任においてそういう職場の秩序維持を確立するということで私は努力をいたしたい、こういうふうに思います。
#5
○須藤五郎君 非常に考えられた答弁だと思うのですが、それはあなたの考えたことでないかもしれないけれども、現場からそういう報告、言いわけが来て、それをあなたがしているのだろうと思いますが、いまあなたの報告を受け取っても、ぼくはやはり暗いものを感ずるわけですよ。
 あそこの職場にはテープレコーダーというのはこれまでなかったのです。それで、一度も使ったことが危いのです。それがテープレコーダーを使う必要のないところで何で個人的に使ったか。数日前に買ったということもいわれているのですが、テープレコーダーを使う、何でそういうことをしたのかということについては、やはり行動の裏に暗い影があるということはこれはもう否定できないと思うんですよ。もしもそういうような執務中やかましくて困るというならばですね、何でそのときに課長なり係長は口頭で注意をしないのか。ぼくはそのほうが明るいと思うんです。しゃべっちゃいかぬとか言うべきだ。それを、机の中に隠しておいて、そして自分の留守中に部下がどういうことをしゃべっておるかということ、単に喧騒にわたるということじゃなしに、レコードをするということはその内容を知るということですよ。しゃべっておることの内容を知るということなんですね。だから、これは明らかにスパイ行為だと私は思うんですよ。それはあなたはうまいこと言いわけをなすっても、やはりあなたの言いわけの裏にも暗い影があるということはいなむことばできない。否定できないです。私は聞いておって、やはり暗いですよ。その影がありますよ。ですから、そういう疑惑を受けるようなこと、スパイ行為という疑惑を受けるようなことは、ぼくはせぬほうがいいと思う。もう堂々と、部下がやかましかったら、やかましいから静かにしなさいと注意を与えるべきですね。そうすべきものだ。
 かりにテープにしたとしますか。それなら、何も課長、係長三人でひそかに聞くということじゃなしに、みんなを集めて、テープにとったらこうなんだ、これほど喧騒にわたるんだから君たちも注意してくれたらどうだということを、塚本さんがみんなの前でやるべきだ。それを係長や課長の前でやって、こういう状態ですということは、これは上司に対して自分の同僚を売り渡すことじゃないですか。かりに喧騒であったとしても、そういうことをする前に同僚なら同僚らしくお互いに注意することがいいのですよ。まず第一に同僚に注意すればいい。テープに吹き込むというようなそういうばかげたスパイ行為をやらないで、堂々と、お互いに慎しもうじゃないかと話し合って、そしてやるべきことで、どうしてもこのテープにとって、そうして内容を残して、こういうことをやっておったんですといって、課長と係長と三人で聞くということは、これはもう明らかにスパイ行為ですよ。こんなことはすべきことじゃない。だから、課長もこういうことを塚本君がやったことは遺憾であるということを言っておるんですよ。
 課長が遺憾であるということを言っておるということは、一体どういうことなんですか、その意味は。
#6
○政府委員(谷川宏君) 先ほど答弁したところに尽きるわけでございますけれども、録音をとりました職員が職場の秩序維持を同僚として見るに見かねて、これを改善しようという熱意にあふれた行為だと私は信じております。
 で、遺憾ながら私どもの職場には二つの労働組合の対立がございます。私はこういうことをなくそうと努力をしておるわけでございますけれども、その録音をとった職員も労働組合員でございます。決してその労働組合の対立のゆえにそういうことをとったわけじゃないんでございますが、あくまで一国家公務員として、職場は平静な秩序ある職場でなければいけないという熱意をもって同僚の説得に当たったわけでございますが、たまたま別の組合に属しているために、なかなか言うことを聞いてくれないということを平素から上司に漏らしていたような経緯もございます。私は、職場の中におきまして、そういう労働組合の対立が原因となって、そういうような職場の秩序を乱すということがあってはならないと思いますが、今後とも私どもは、当局としては、そういうことのないように努力をしてまいりたいと思います。
#7
○須藤五郎君 それではですね、もう一言。こういうことのないように、再びこういうテープを使ったりなんかして疑惑を招くような行為をとらないように注意してくださるならば、それでぼくはおさまるんですよ。ただ、あんたがね、あくまでもテープレコーダーをとってそういうことをすることが正しいことで、今後もそういうことをやらすんだ、やっても差しつかえないんだと、こういう御意見だと、問題になるんですよ。(「個人がやっているならしようがない」と呼ぶ者あり)個人がやったって、よくないことはよくないですよ。あんたがしゃべっていることを、ぼくがひそかにテーブルの下にテープを隠しておいてそれでやったら、あなた、おさまりますか。
 答えないかね、これは。
#8
○委員長(竹中恒夫君) 次の発言、柴谷委員。
#9
○柴谷要君 私がいまその問題について質問する。
 須藤委員の質問している塚本君というのは、実は目黒に住んでおる。私の居住地のすぐそばにいましてね、その子供も私の子供の行っておる田道小学校に通わせておる。たまたまこういう問題が起きたので、私のところに二回にわたって電話をかけてきた。そこで私は、君のとった態度はよくない、テープレコーダーを持ち込んで同僚の声をとってどうしようとしたのか知らぬけれども、君の行為はよくない、今後注意しろということを言っておきました。そうしたら、以後気をつけます、こういうことになっておる。で、この点は須藤委員に私は伝えるべきであったけれども、きょう質問があるから、質問の最終に私が伝えたい、こういうことで申し上げておく。で、実はこれは群馬に赴任をしておったけれども、一年半ほど前に羽田に転任になった、こういう履歴を持ったまじめな青年です。しかし、この行為自体はよくないから、これはあなたとしても、局長としても率直に認めて、須藤委員の意見には、注意をいたします、こういうことだけ答弁をするのが至当だと思う。私はこの点は塚本君に注意をしておきました。しかし、この青年は非常に純真な青年であるということだけはつけ加えて申し上げておく。
 そこで、続いて質問いたしたいと思うのでありますが、通関業法の一番問題点となるのは、やはり何といっても既存業者が心配をしておりますのは、専業にされるのか兼業がいいのかという問題が一つ。いいですか、私はまとめてこれを質問しますからね。港湾運送事業法との関係によって免許をもらっております業者が、今度は通関業法によって業務を行なうということになると、これは兼業になる。こういうことがいいのか、それとも専業にさせるのがいいのか、この点をひとつまず第一点として明らかにしていただきたい。
 それから次は、免許基準が永久免許となっておるけれども、条件つきのものは一時免許になっておる。しかし、それは一時免許というのは、特にいろいろな問題があって一時免許にしておるんだけれども、本質的には永久免許である、こういうことになる。その永久免許をおろす場合に、現在の業者には無条件で永久免許を下げるのか、それとも過去に罪過があるようなものは一時免許にするのか、その一時免許になるのは大体いま調べてある範囲ではどのくらいの率になっておるか、これが第二点。
 それから、第三点としては、通関士試験の対象が営業者を除いて担当人及び従業者になっておるけれども、それでいいのかどうかという問題が第三点。
 それから次は、試験の範囲と実施時期は大体いつごろか。特に通関士というものを試験によってつくるということは、一つのねらいが陰にひそんでいるのでは雇いか。というのは、実は天下りの人事を考えてはいないか、こういうこと。つまり、通関士試験を受けさせるけれども、合格者は一定限度に押えてしまって、そうして足らず目のところは天下りにその資格を持った人間を下げて、これを雇わなければ、おまえのところは条件が整わないのだから免許をしないのだというような、天下り人事をやるねらいはないかどうか、こういう問題。
 まあもう二つくらいに分けて質問しますがね、以上この四点について、ひとつ明快な御答弁を願います。
 その前に、須藤委員から質問のあったことについて、局長が私の言ったような答弁をしてください。それを念のため。
#10
○政府委員(谷川宏君) 東京税関の問題につきましては、私から税関長に対しまして、当該職員に対して、今後誤解を受けるようなことをしないようにということを十分注意をしたいと思います。
 それから次に、ただいまの御質問でございますが、通関業者として、将来専業という形態が望ましいのか、またそういうことが可能なのかどうか、従来のようにほとんど大部分のものが兼業であるという状態についてどう考えるかという御質問でございますが、この通関業者の仕事の性質が、たとえば公認会計士とか税理士のようなその仕事だけで営業をして成り立つには、まだまだその仕事の性質がそこまでいっていないというのは事実であろうと思います。で、そういう通関業としての業態の性質からいたしまして、また仕事の関連が荷役でありますとか運送とかいう仕事の関連が非常に多い、物を輸出し輸入するということでございまするので、海上運送、陸上運送、あるいは倉庫の保管というものと密接に結びついている仕事でございます。で、税関に書類を提出する、あるいは検査を受けるというものも、すべていまのような仕事と密接に関連しておる重要な仕事でございますけれども、まあその一部分にしかすぎない。で、したがいまして、港湾運送事業でありますとか、陸上運送事業、あるいは倉庫業との関連が非常に強いし、またそちらのほうの仕事による収入のほうが、どちらかといえば非常に多いということでございまするので、将来とも兼業の形態が適しておる。また、そのためにそういうことになるであろうと思います。もちろん、兼業ではなくて、専業として絶対に成り立ち得ないということではございません。たとえば東京における航空貨物の税関貨物取り扱い業、一つの会社組織でやっておりますが、これは従来個人的な経営をしておりましたものが、話し合いで統合しまして、りっぱな会社をつくり、もっぱら通関業を営んでおるわけで、非常に成績がいいわけでございます。将来そういう形態のものは専業として成り立ち得るわけでございまして、将来私どもは通関業の発展のために、専業にいたしましても、兼業にいたしましても、十分経営が成り立つような配慮を加えて指導してまいりたい。
 次に、免許の基準でございますが、原則として、現在税関長の免許を受けております者は、新しい法律によりまして、原則として全員許可をすることにしております。新規の許可申請があったものにつきましては、本委員会にたびたび答弁しておりまするように、一応の基準によって選考するわけでございますが、現在すでに税関長の免許を受けておる者につきましては、これを全部許可をするというたてまえにしております。ただ、その場合に、例外といたしまして、過去たとえば一年以内において関税法等の違反を行ないまして業務停止等を受けた者につきましては、条件つきで免許する。また、地域的あるいは商品の種類によりまして、一定の地域だけあるいは特定の商品だけを扱うというものにつきましては、通関士を置く必要がないというたてまえのもとにそういう条件をつけるということでございますが、その条件づきの許可をどの程度のものにするかということにつきましては、今後許可の申請を待って処理をいたしますが、私の見通しでは、そうたくさんは出てこない。現在の免許業者は大部分のものが永久許可になるという見通しでございます。
 それから次に、通関士の営業者を除いておるという点につきましては、通関業を営むという経営者の立場は必ずしも試験をしなくてもいいんじゃないか。経営者としての社会的な信用あるいは経営の基礎が確実であるという、経営者としての過去の経験が尊重さるべきであると思います。そういう方々が専門の技術的な処理能力を持っておるという通関士を一人以上雇用すれば、むしろ経営者はそういう者を雇用することによって経営者としての健全な経営をいかにしてやるかということに頭を使うということが適当であろうということで、経営者自体については試験の必要がないというふうに考えておるわけであります。
 また、通関士の国家試験をやることによりまして、たとえば税関職員の試験合格者を通関業者に天下りさせるのではないかという御疑問でございますが、私は絶対にそういうことがないということに確信しております。しかし、本人の能力によりまして、通関業者のほうからどうしても採用したいということはあり得ると思いますけれども、税関当局のほうとして元税関職員の試験合格者をぜひ採用してくれというようなことを言うことは絶対にないと考えております。
 それから、試験は、この法案が施行になりましたならば、なるべく早い機会におきまして、本年度試験を実施してまいりたいと、こう思います。
#11
○柴谷要君 次は、取り扱い料金の認可制度が最高料金制をとっているわけですね。はたして最高料金制が妥当であるか、私はやっぱり均一料金でいったらどうか、しかも業者間の自由にしていけるような方法を考えたらどうか、こう思うんですが、この点はどうか。これが第一点。それから次は、免許者団体が任意団体となっているが、これを特殊法人化する考えはないのかどうか。この二点をまず伺っておきたい。
#12
○政府委員(谷川宏君) 従来におきましても、税関貨物取り扱い人が受けるべき報酬につきましては、利用者の保護のたてまえから、不当な料金を取ることがないようにというような考え方のもとに、最高料金の定めをしておったわけでございますが、私ども税関貨物取り扱い人の団体等といろいろ話し合い等をしたわけでございます。その団体の幹部の中には、いまの御指摘の定額料金あるいは最低料金にしてほしいという希望のあったことも承知しております。従来の最高料金制度において弊害が全然ないという過去の実績をも考えながら、また新しい法律のもとに私どもは通関業界の健全な発展を望むためにいろいろな手段を講じておるわけでございます。一方におきまして、この通関業を利用する立場の商社等の方々の意見も十分聞きながら、従来の利用者保護のたてまえ、それから通関業としての健全な経営が維持できるようにするために、一応いろいろな――通関業界にはいろいろな形態、規模がございますので、一応適正な金額としての最高料金をきめまして、あとは行政指導によりまして業界の経営が健全に維持できるように指導してまいりたいと思います。
 それから、免許者団体の法的な性格でございますが、業界といろいろ相談をいたしました。法律による特殊法人にするということが適当かどうか、いろいろ再々にわたりまして慎重審議したわけでございますが、現在のところはまだ特別法による特殊法人ということにまでするには機が熟しないという業界の判断でもございますので、私どもは今後現在ありまする任意団体としての業者団体が基礎が固まって、そして団体全体の空気として法律に基づく特殊法人にしてほしいというような機運になった場合におきましては、その段階で慎重に検討したい、現在のところは要すれば民法による公益法人ということでやってまいりたい、こういうように考えております。
#13
○柴谷要君 じゃ、最後に、この問題については条文的に須藤委員から詳細な質問が行なわれておりますので、私は重複を避けて、最後の問題を一つだけ御質問いたしたいと思いますが、それはもう何といっても非常にむずかしい問題を取り扱っております税関職員のことですから、慎重の上にも慎重を期さなければならぬ、こう思うわけなんです。最近の動向ではなしに、数年前から、あなたが局長になられる前の問題だと思うのですけれども、従業員に対する当局の態度というものは非常に高圧的な、混乱的な、非常にまずい行政が行なわれたことは事実なんです。というのは、組合を分裂をさして、そしてまあ意のままになるような組合をつくり上げようというようなことで、あなたの二、三代前の局長がやられたことは私よく知っておるのです。当時私もまあその調査に当たったことがあるのですがね。あなたにはそういうことはないと思いますが、どうかひとつ労働問題も理解をしなければならないと思うのです。その立場を理解し合って初めて、そこに正常な労使慣行というものが樹立されていくのです。いま問題として起きている事件が一、二件あるのじゃないか。たとえば独身寮の問題をめぐって大阪方面に何か発生しているというようなことも聞いておるわけです。こういう問題をひとつ円満裏に解決する御意思をお持ち合わせになっておられるか、また将来労使間の問題を誠意をもって対処される、こういう考えであるかどうか、これを簡潔でいいですけれども御答弁いただいて、私はこれで質問を終わりたいと思います。
#14
○政府委員(谷川宏君) いま御指摘のように、私は、労使間の問題の処理にあたりましては、労使相互信頼ということが第一義的に非常に重要であると考えておりまするし、相互信頼の上に立ちましてお互いに相手の立場を理解し合う。ただ、国家公務員でございまするから、法律の範囲内においてものごとを処理するという立場を労働組合の低うでも尊重する、これは当然のことでございます。私どもは労働組合の健全な発展をこいねがっておるわけでございます。
 なお、個別の問題はいろいろございますけれども、寮の管理の問題等につきましても、寮に入る職員の立場を十分に考えまして、円満に問題の解決に当たってまいりたいと、こう思います。
#15
○野上元君 ちょっと関連して二、三質問さしていただきたいと思いますが、税関貨物取扱人法というのは明治三十四年に制定されて、その後一回も改正なく今日にまで至った。それを今回突如として通関業法に改正する決定的なファクターは何ですか。
#16
○政府委員(谷川宏君) 昨年の十月から、関税の納付方法につきまして申告納税制度が実行されたわけでございます。申告納税制度になりますると、従来と違いまして、納税者が自分でその商品の対応する税番をきめ、そしてそれに基づいて納めるべき関税額を算定するということになるわけです。従来これはすべて税関で行なっておりましたが、今度は納税者のほうで自主申告というたてまえになりました。しかし、納税者自身がそういう手続をとるにはあまりにも技術的な問題が関税の問題には多いわけでございまするので、従来からその間に立ちまして仕事をしておりました税関貨物取扱人、これの社会的な地位の向上、またしたがいまして、それに従事する職員の資質の向上ということが申告納税制度をとった場合に辞別に必要になったわけでございます。従来から、古い法律でございますから、たびたび新しい時代に即応した形に改めたいという機運がございましたけれども、いま申したことが決定的な事情となりまして、今回の改正の運びになったわけでございます。
#17
○野上元君 関連質問ですから、あまり長く時間を取ろうとは思いませんので、簡単に質問したいと思いますが、従来の税関貨物取り扱い人と今回新たに設けられる通関士との決定的な相違点というのはどういうものですか。
#18
○政府委員(谷川宏君) 税関貨物取り扱い人に対応するのは通関業者でございます。で、通関士と申しますのは、従来も税関貨物取り扱い人が雇用しておる従業員があったわけでございますが、その従業員に対しまして、その資質の向上をはかり、また社会的な地位というものを確立するために、国家試験を実施いたしまして通関士という名前をつけることになったわけでございます。
 そこで、従来の税関貨物取り扱い人と通関業者との違いは、仕事の中身としては同じでございますが、その権利義務の関係、税関貨物取り扱い人、今回の通関業者の権利義務の関係、従来の法律によりますと必ずしも明確になっておりませんので、私ども社会的なこの仕事をすべき通関業者に対しましては、保護もいたしますけれども、半面において社会の信頼にこたえるために相当の義務も負担していただく、そういう権利義務の関係を明確にしたことでございます。それから、従来は免許制度でございました。今回は許可ということになっておりますが、これ必ずしも免許、許可といって本質的に違いがあるわけではございませんけれども、今回の許可にあたりましては、許可の基準を一応法律上明確にしたわけでございます。なお、通関士につきましては、従来の従業員に比べまして、国家試験をやることによりまして相当資質の向上がはかられる。実質的にりっぱなものになると思います。
#19
○野上元君 通関士の試験をやられることによって質の向上をはかるというのはわかりますが、そもそも、税関貨物取り扱い人というのが発生した動機は、貿易業者の、輸出入業者のいわば自衛的手段として生まれたものじゃないかというふうに考えますが、このたびの新しい通関士というのも、やはりそういう立場に立つのですか。たとえば通関業者が雇用している通関士ということになるのですか、それとも別個の人格を持った通関士ということになるのか、たとえば弁護士のような立場に立つのか、その点ひとつ。会計士とか、あるいは計理士とか、税理士というようなものになるのか、あくまでも通関業者の雇用者の一人なのか、その点はどういうようになっておりますか。
#20
○政府委員(谷川宏君) 原則として通関業者に雇用される立場に立つのが通関士でございますが、国家試験に合格しました通関士自身が、みずから許可を受けて営業するということも排除するものでございませんが、事実上、原則として通関士というのは通関業者に雇用されて仕事をするということになります。
#21
○野上元君 そうしますと、通関士の身分保障というのはあくまでも通関業者との雇用契約にある、こういうことになりますね。そうしますと、この法案の中にも、提案理由の説明等の中にもありますように、通関士が不当な行為を行なうというようなことが考えられる、その罰則については別につくる、こういうように書かれておりますが、通関士のいわゆる相互の人事交流というようなものを考えられておるのか、あるいは雇用契約があくまでも通関業者との間にあるので、やはり一定のところに永久に通関士というのはおるのか、その点はどういうふうに犯罪防止上考えてわられるか、その点はどうですか。
#22
○政府委員(谷川宏君) 原則として雇用者と雇用される者との間の契約関係でございますので、相互の間の自由意思によって移動もなされ、場合によっては固定的に長年継続して雇用されるということにもなると思います。ただ、業界のほうからいまのような問題につきまして税関当局にいろいろ申し出がありました場合におきましては、税関当局は業界全体の発展のためにその申し出につきまして十分聞き入れて、場合によりましては行政指導ということも考えられると思いますけれども、原則としては、あくまでも当事者間の契約の問題であろうと思います。
#23
○野上元君 そうしますと、通関士の身分保障というのは、通関士が一人いなければ通関業者は通関事務を取り扱ってはならぬ、こういうことになっているので、やめさせることはできない。やめさせれば、たった一人の通関士をやめさせれば、その通関業務を取り扱うことはできないということになるので、また通関士を、試験を合格させてつくらなければならぬ、こういうことになるのですが、おおむねあなた方が考えておられる通関士の数は、一つの業者に何人くらいを置けるようにしておくのですか、その点をひとつ聞いておきたい。
#24
○政府委員(谷川宏君) その業態によりましていろいろ違うと思いますが、現在七千人前後の従業員がおるわけでございますので、平均して申しますと、大体一経営者について十人程度の従業員がおるわけでございます。
 試験の合格率の問題でございますが、公認会計士でありますとか、税理士、あるいは不動産鑑定士の合格率は非常に低いわけでございますが、今回の通関士の試験は、私どもの見込みでは、それよりも相当合格率がよろしくなるのではなかろうかと思います。と申しますのは、従来とも税関長のもとにおきまして法律によらない事実上の試験を行なっておるわけでございますが、それは大体七割くらい合格しておりますので、事実上試験に合格する者といたしましては、一営業所必ずしも一人だけしか合格しないのではなくて、数人は合格するであろう、いまのような御心配は要らないのじゃないかと、こういうふうに見込んでおります。
#25
○野上元君 いまあなたが御説明になりましたように、現在は、現行法のもとにおきましては、通関業務に携わっておるものは大体七千五百名くらいおる、こういうわけですね。しかし、この人たちは今度は試験を受けなければなりませんね。そうすると、これが全部試験に受かるとは限らない。あるいは五千人に減るかもしれないという場合には、明らかに人員が不足することになりますと、通関士の人員、そのために経過措置の三年間というものを設けてあるのですが、三年の間にまた試験を受けさして人員を補充していく、それまでの間は経過措置として受からなかった者でも旧法に準拠していく、こういう趣旨なんですか。その点、どうですか。
#26
○政府委員(谷川宏君) そのとおりでございまして、三年間は通関士を一人も置かなくても従来どおりの経営ができるということであります。
#27
○柴谷要君 国税庁長官に一言だけ。香住税務署を廃止する、こういうこと、この問題については、衆議院でわが党の堀昌雄議員が質問しておるのだが、それに対してあなたはどういうふうに答弁されたか、その答弁をひとつ反復してもらって、それを議事録に残せばそれでいい。
#28
○政府委員(泉美之松君) お話のように、大阪国税局管内におきまして、兵庫県の北部のほうにございます香住の税務署を豊岡の税務署に統合することを予定しております。香住の税務署は、昭和二十四年に豊岡の税務署から分割してでき上がった税務署でありますが、当時は農業所得の人員が相当おったわけでありますが、御承知のように、農業所得者が最近非常に減ってまいりまして、職員数はその当時に比べまして非常に減ってまいりましたので、今回廃止するということにいたしたわけであります。他の税務署におきましても同様でございますが、税務署を廃止することによって地元の納税者の方にあまり多く御不便をおかけしないようにということが私どもの念願でございますので、今回の香住税務署の廃止にあたりましても、地元のほうといろいろ御相談申し上げまして、地元の納税者に御不便にならないような措置を講じたいということにいたしておりまして、具体的には、たとえば私ども税務署におきましては、毎月五の日に納税相談をいたしておりまして、いままでは香住の税務署管内の納税者は香住の税務署に出かければよかったわけでございますが、今度豊岡のほうへ一々行かなくてはならぬということになりますと、御不便になりますので、当分の間は五の日には香住の税務署においでになれば、今度廃止した香住のほうへおいでになれば、そこで納税相談ができる。それから、月のうち日をきめまして、その日には税務署員が豊岡から香住に出張いたしまして、そこで税務についてのいろいろな仕事を処理する。したがって、一々納税者の方が豊岡までおいでにならなくても済むような措置を講ずる、こういうことにいたしておるのでございます。
#29
○委員長(竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、通関業法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#33
○委員長(竹中恒夫君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は六月二十七日(火曜日)午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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