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1949/04/20 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政・大蔵連合委員会 第5号
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1949/04/20 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政・大蔵連合委員会 第5号

#1
第005回国会 地方行政・大蔵連合委員会 第5号
昭和二十四年四月二十日(水曜日)
   午後一時五十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方配付税法の特例の関する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長代理(櫻内辰郎君) これより地方行政、大藏連合委員会を開会いたします。前回に引続いて御質疑を願いたいと存じます。
#3
○岡本愛祐君 吉田総理大臣に対しまして質問をいたしたいと存じます。最初に昨年七月実施されました地方財政制度の改正によりまして、地方財政の基礎は一應不十分ながら確立された次第でございます。然るに今回二十四年度の予算編成に当りまして、配付税の大減額を行われた、これは公共事業費の削減と共に全國の地方自治團体が一致して反対いたしておるのでありまして、窮乏甚だしい地方財政の現状から見ますれば、誠に尤もなことでございます。六・三制の実施警察費の支弁、災害復旧等につき、総理は、如何なる施策を以て地方自治体に臨むおつもりでありますか、それを承りたいのであります。國家財政が苦しいから、地方税なり又個人の寄付金なりで適当にこういうことを賄えと、こう言われても、地方は非常に困るのであります。民自党は、かねて地方團体の中央金庫の創設とか、災害復旧基金の設定の問題の解決とか又、酒、煙草消費税の増徴、創設について実現を期し、廣く地方財政の確立の根本方針に向つて、全力を傾倒せんとするというようなことを叫ばれ、且つ六・三制の経費の國庫負担の増額の実現について、民自党は昨年八月十五日附で各市町村長に対しまして、書面を発しておられるような状況もございます。それで市町村におきましては、吉田内閣に対しまして、非常にこれを期待しておつたのであります。然るに経済九原則、ドツジ・ライン等によりまして、これらの実現が困難になつた、この事情はよく我々も諒察することができますが、とにかく今度の予算によりまして、配付税の大減額、地方公共事業費の削減、こういうようなことになりましたので、各市町村では今度の予算を当てにして、みずからの負担で六・三制の校舎の建造なんか借金でやつておるというようなのもございます。それではこれはもう中止しなければならんというようなことになつて参りました。市町村長の責任問題なんということも起りつつあるのであります。又自治体警察の負担に堪えかねている市町村が多くありまして、地方行政委員会に対しましても、いろいろ陳情、請願が多く提出されております。一昨日の新聞にも神奈川縣下の町村長が経費負担に堪えかねて、自治体警察の返上決議をするというようなことも報道されておるのであります。自治体警察に充当さるべきものとして保証されていたこの配付税の大減額で、如何にもこの自治体警察の維持なんということが困難になつて來た。如何にも残酷であるという感じがするのであります。こういうことに対する総理のお考えをお聞かせ願いたいのであります。
 それから昨日までの大藏大臣並びに木村國務大臣に対しまする質疑におきまして、政府は総合均衡予算の原則によつて、配付税を止むを得ず減額したと、こういうふうに御説明があります。予算の均衡を維持することは非常に大切でありますが、その均衡をし得たのは國の財政のみでありまして、地方財政はこの國の財政の均衡のために犠牲になつて、借金として残る二百三十三億円の赤字公債を発行しなければならないということになつて参りました。地方財政の支出を如何に切詰めても、これだけはどうしても借金せざるを得ないという結果になつて來たのであります。これは均衡財政、均衡予算ということから考えますと、果してそういうことがいえるかどうか疑わしいということになつて参ります。又これでは余りに中央集権的でありまして、地方財政が國家の財政の犠牲となつているということは明白であると思います。地方ではこれは政府が地方財政を軽視している現われであるとか、地方の自治確立に対する熱意の欠如であるとかいうことを申しております。
 右地方財政の赤字補填のために、何とかしてせめてこの二百三十三億、この起債による部分だけでも、配付税の増額を政府は工夫をするということができないか、それで、眞の均衡財政、均衡予算たらしめることができないか、こういう点について総理大臣のお考えを承りたいと思います。
#4
○國務大臣(吉田茂君) お答えをいたしますが、第一、六・三制の問題でありますが、これは、予算委員会で説明をいたしたと思いますが、一体、六・三制の施行は、第一次吉田内閣で取上げた問題でありますが、当時私の考えは、六・三制は、五年、十年にして、初めて完成し得るものであつて、かくのごとく、二、三年の間に完成することができると私は毛頭考えておらなかつたのでありますが、その後の内閣において、文部当局が鋭意この完成を図つた結果、今日こういう窮状が起つたものと私は思います。さて、後は善後策でありますが、私はこれに対して、文部次官等について、とくに意見を聞いて見たのでありますが、その話は、要するに、本年四十三億ですが、五億でありますか、出して貰えればということであつて、この四十五億ができないから、この問題が生じた。それならこうしたらいいじやないか、例えば今年十五億出す、來年十五億、再來年十五億、それで一年間に完成するものを三年延ばす、時をずらす、その間の遺り繰りは、金融措置等においてできないか、それを一つ研究して見たらどうかということを申しておるのであります。又警察の問題については、私は警察の組織について、根本的に改正する必要があると思う。というのは、現在においては、地方負担になる警察費が人口の少い地方等においては負担が過重であつて、そのために、返上したいというこれも無理のない話でありますが、又併し現実について聞いて見ると、事がないときには人員が余り過ぎる、事があれば少な過ぎるというので、今の自治体警察なり、國家警察にしても、その組織の根本において、治安の上から國として考えなければならん問題があるだろう、この警察組織は更に根本的に研究をいたす考えで、関係当局者をして、今研究さしております。それでありますからして暫くこの際各地方々々においては相当困難もありましようが、とにかく國の予算の均衡と財政の建直しをするために、中央においても地方においても暫くの間はいわゆる耐乏生活で互いに忍ぶより仕方がないという窮状であることを御了承願いたいと思います。
 それから最後に地方財政のお話でありまするが、これは勿論財政的にも地方公共團体の自治性を十分尊重しなければならないことは仰せの通りでありますが、何分今年は今申したように、均衡予算とか経済的自立とかいう問題があるものですから、止むを得ざる本年度限りの特別措置としてこういうことになりましたが、これも施政方針等において申した通りに、一應この予算で参つて、一方においては歳入を図り、他方においては歳出の実施面において更に一層緊縮を図るということによつて、財政の上に余力を生じたならば、そこで次の臨時國会によつて補正して行きたい、こういう考えであります。
#5
○岡本愛祐君 もう一つ総理大臣にお伺いいたしたい。総理大臣のお話によりますと、これは本会議でもお話しになりましたが、シヨーブ博士が來朝の機会におきまして、地方、中央を通ずる税制改革についていろいろ研究をされまして、これに伴つて補正予算を臨時國会にお出しになる、今そういうふうに承つたのであります。その機会におきまして、その際までに地方財政の窮状を政府は篤と御調査になりまして、その窮状に対して、公共事業費の増額と共に優先的に地方配付税の増額を顧慮して行く、これをお願いしておく次第であります。それから配付税は、元來所得税の附加税に代るものとして制定された臨時の制度だと存じます。若しこの所得税、法人税の附加税制度であつたならば、今度のような無茶苦茶な大幅の配付税の削減ということはできなかつたのであります。地方財政の確立のためには、どうしても政府は、將來この税制改革の方向といたしまして、所得税及び法人税の附加税主義を採られまして、そうして配付税は、最小限度の地方財政の調整資金として存置するようにすることが適当であると思うのであります。現に木村國務大臣もそういう希望を述べられ、又昨日大藏大臣もそれが適当じやないかと思つているというお話がございました。これに対する総理大臣のお考えを伺いたいのであります。
#6
○國務大臣(吉田茂君) 御趣意全体はその通りと我々も考えるのでありますが、取敢えずシヨープ博士の來る前に税制審議会を設けまして、國家の税制についても地方の税制についても、今日の税制全般について檢討を加えて、シヨープ専門家が参る以前に日本側として持つすべての政治若しくはデーターを研究して、質問に應ずるだけの用意を早速にもするつもりでおります。又委員の任命等においては、取急いで只今選考中でございます。
#7
○波多野鼎君 総理大臣に二点お伺いいたします。総理大臣は、組閣以來常に民主政治のルールを確立するということを一つの念願としてやつておいでになる、これは本会議その他においてしばしば言明されているところでありまして、我々の敬意を拂うところであります。ところで民主主義のルールを確立するということについては、何も政権の授受の場合にだけそれが問題となるのではなくて政府の行政その他の面におきましても、常に民主主義のルールに從うことが必要だろうと思うのです。ところで行政面におきます民主主義の徹底ということに関して申上げますれば、これは政府が現存の法律を尊重して行く、この法律たるや民主主義的な手続によりまして國会の議決によつて決定されたものでありますから、その法律を尊重して行くということが行政面における民主主義のルールの確立とこう私は解釈するのである、ところで本年度の予算案を見ておりますと、地方配付税法が所得税並びに法人税の三三・一四%を地方配付金として出すべきことを規定しておるにも拘わらず、この予算案におきましては、これ以下の全額しか組んでおらない、この点につきましてこれは地方配付税法の違反ではないかということがしばしば問題になつておつたのです。私は大藏大臣にもその点を質問いたしました。大藏大臣はこういうふうに答弁しているのです。地方配付税の税率の問題は、そのときどきの國の予算の建て方によつて変更していいものである、從來そういう慣例でやつて來たのだという答弁であつたのです。私はそれに対して從來というのはいつかということを尋ねて見ますと、それは昭和十六年以來ということであつたのです。その頃は併しながら旧憲法の時代であります。新憲法になつてからこの配付税法の税率を変えて予算を組んだ前例はない、旧憲法時代の法律の意義と、新憲法時代の法律の意義とは根本において違うと私は解釈する、日本が人民主権を宣言しましてそうして新らしい憲法を布いた、その新らしい憲法の下における法律というものの重要性は、旧憲法時代におけるそれとは根本において違うと思う、さて現存のこの配付税の率を予算の編成の都合によつて変えて行く、予算の方を先に決めて置いて、後で配付税の税率を変えるという手続を取られることは、現存の法律の趣旨には反しないかと私は思うのですが、この点について総理大臣の所見を先ず伺います。
#8
○國務大臣(吉田茂君) 御質問が非常に専門的で、私には少々分りかねるところもございますから、大藏大臣の答弁を以て一應政府の答弁とお考えを願いたいと思います。
#9
○波多野鼎君 その答弁は非常に不満足で納得できません。私共併し答弁できないと抑しやればいたし方ないと思います。
 第二の点をお伺いいたします。第二点は地方財政法というのが昭和二十三年に制定されております。この地方財政法の第二條におきましてこういうことが規定されておるということは御承知と思います。即ち國の財政と地方の財政との相互関係をこの第二條で規定しておる、そうしてその趣旨とするところは、國の財政によつて地方の財政を脅かしてはならんということと、他方におきましては地方の財政が國の財政に過重な負担を掛けるようなことはやつてはならん、お互いに相侵してはならないということを第二條の第一項、第二項においてはつきりと規定しておるのであります。ところで今度の地方配付金の減額というものは、これは大藏大臣は総合予算の見地からやつたのだという答弁でありますが、これは承服できない、というのはこの地方財政配付金の減率をする理由書に國庫財政の都合によつて配付金の税率を下げるんだこういう説明がしてある。即ちこれは國庫の都合によつて地方財政の方に負担を転嫁しておるということを明かに認めておる説明趣意書であります。こういう説明趣意書では、この地方財政法第二條の規定の精神と正面衝突をするじやないかということを私は質問した、それに対して大藏大臣は正面衝突はしませんと言う、木村國務大臣は御列席でありますが、木村國務大臣はこれに対して答弁を留保されておる、総理大臣はこの点を如何にお考えか、それを一つお尋ねいたします。
#10
○國務大臣(吉田茂君) ちよつとこの問題は、私にとつては厄介な問題であります。ここに書いてあります通りお答えいたします。(拍手、笑声)地方財政法の精神は、財政的な地方公共團体の自立性を十分尊重しなければならないということの趣意については、政府もその通りに考えますが、併し本年度は均衡予算、或いは経済独立というような観点から、どうしてもこういう予算を組まなければならなくなつたのでありまして、その事情は十分御了解を願いたいのと、併しこれは今年度限りでありまして、決してこれで將來を律するわけではない、又先程申した通りに、財政において余裕ができ次第に補正をするという考えでおりますから、どうぞさよう御了承を願いたい。
#11
○波多野鼎君 余裕ができ次第という御答弁でありますが、余裕のできるお見通しは確かにあるのですか、どうですか、それを一つ伺いたい。
#12
○國務大臣(吉田茂君) これは確かにあるのであります、というのは、予算の支出の面においても、歳出の実施面におきましても、十分緊縮を図るつもりでおりまするのと、他方面においては、國有財産、その他成るべく拂下げを実行して、そうして租税によらない收入を図りたいと思います。この点は政府はそう考えても、政府だけでは実行はできないので、どうぞ諸君におかれても十分御協力をなすつて頂いて、例えば官業をして民営に移す場合に、民営に移す方法等については、いろいろ方法がありましようが、これらについても御協力を下さつて、歳出、歳入が多少なりとも緩かになるように御協力を願いたいと思います。そうすれば多少……幾らということは私は考えられません。ここで以て数字を以てお示しすることはできませんけれども、相当の余裕ができると、財政当局は申しております。
#13
○波多野鼎君 もう一つ、今年度限り配付税率を下げたと、こうおつしやいますが、今年度においては、地方財政法の、この國の負担を公共團体に転嫁してはならないという、この精神を多少蹂躙しておる、これには多少反しておるということをお認めになるかどうか、この点をはつきり伺いたいのであります。
#14
○國務大臣(吉田茂君) これも受賣りでありますが、反しておらんそうであります。なぜ反しておらんかとおつしやつても、ちよつと私には説明ができないのです、正直に申上げます。(笑声)
#15
○小川友三君 どうも今日の総理大臣は、非常に実直な御答弁でありまして、総理大臣の御答弁のできる範囲内においてお尋ねしますが、この地方配付税が非常にやかましくいわれておる、地方の方でも耐乏生活をしなくてはいけないということの認識が足りない点も私はあるように思われますので、地方配付税の減少は止むを得ないことと思う。そして耐乏生活をするのだということを、やはり地方にも政府がはつきりと知らせてやる必要があると思います。そこで地方においては、地方財政法、地方税法等がありまして、それによつて賄うことができるのでありますから、この点を一つ御当局から耐乏生活を中軸として、日本経済再建のために、政府の機関も大いに御協力を願うというような点を、総理大臣から特に御連絡を願いたいと、かように本質は思つております。それから治安も相当以上に確立しておりますし、現在日本の政界の情勢から、吉田総理のような優秀な政治家は、昔の元老院みたいな制度を作る考えを政府が持つておるかどうか、そういう制度を作つて、吉田総理は、えらい人をそこへまつり込んで、大いに國家の政治に参画して貰うというようなことを考えていらつしやるかどうか、吉田総理大臣はこのぐらいは分ると思いますので、ちよつとお伺いいたします。
#16
○國務大臣(吉田茂君) 只今のところでは、老人をまつり込む元老院などの組織は考えておりません、併し御趣意は御尤もでありますが、國の元老といいますか、経驗学識の富んでおる人を成るべくいろいろな委員会等において委員になつて貰つて、これは單に東京ばかりではありません、地方を通じて、学識経驗を生かして、各種の政府の、例えば今の税制審議会とか、或いは行政審議会でありますとか、行政機構を改正する、これは從來役人が主として考えた行政制度でありますが、役人が考えれば、同じ制度になつてしまうのであります。違つた観点から、新らしい観点からして、新らしい知識と経驗とを以て、行政組織にしても、税制組織にしても、その他の國家財政についても、十分学識経驗を利用するために、各種の委員会といつても、そう沢山置いてもいたし方がありません、必要なだけの委員会を設けて、成るべく地方、中央を通じて、学識経驗者を委員に選んで、そうしてその経驗学識を生かして参りたいと、こういう考えでおります。
#17
○油井賢太郎君 最後に一点お伺いいたしたいのでありますが、総理は今回の税制改正については、シヨープ博士が來るまでは、審議会で以て十分檢討して行くんだというようなことを、そうおつしやられたのでありますが、この地方配付税に限つて、政府が今回、外の税制の改革とは切り離して、なぜ三三・一四を一六・二九になるかということが、どうも我々納得行かない、又今年度限りというお話でありますが、今年度限り御都合によつて訂正されるということは、これは一つの前例になつて、來年度におきましても、どういう政党が内閣を組織するか知りませんが、吉田総理大臣の今回の例をとつて、慣例によつて又これを一六・二九%よりもつと或いは引下げるということもあり得るかと思います。そういう場合に、地方において、只今財政上本当に目鼻がつかない、盲が街道を歩くようなものでありまして、全く地方財源の根源から破壞されるようなことになつてしまうのであります。この点について、もつと國民の納得するように、総理の御所見を伺いたい。
   〔委員長代理櫻内辰郎君退席、委員長着席〕
#18
○國務大臣(吉田茂君) 只今も申しました通り、地方税とそれから國の……國家財政と地方財政との関連については、審議会において改めて審議すると、この審議会によつて、その運用等は、政府はその関係を確立するつもりであります。そうして現在の地方財政法の精神は、これは先程申した通りに、大藏大臣の考えによつて、決して精神は沒却しているものではない、のみならず、私の今申すのは仮に、反しているとしても、それは何か、精神が沒却されているというのではないので、現実において地方財政が苦しい、その苦しい財政は、補正予算で以て訂正して行きたいと思います。併し今日やつたことが悪い前例になつて、將來同じ犯則行爲をするか、それは決していたしませんが、これは御了解を願います。
#19
○委員長(岡本愛祐君) 各位に申上げます。総理大臣は、止むを得ない急用がおできになりましたので、御退席になりますから、残りの質疑は、木村國務大臣にお願いいたします。(「異議なし」と呼ぶ者あり)御質疑はございませんか。
#20
○鈴木順一君 吉田総理大臣に御質問しようと思つておつたんですが、おられなくなりましたから、木村國務大臣に御質問いたしたいと思いますが、先程総理大臣のお言葉の中に、本年二十四年度の予算として六・三制のために十五億程度の予算を計上されている、或いは來年も再來年も計上されるというようなお話があつたと思うのであります。然るに現在提出されている予算にはそういうものはございませんのでありまして、総理大臣のお言葉は、現在提出されている予算から見るとどうも相反するように考えられますが、今後必ず財政に余裕を求め二十四年度に十五億程度のものを出されるということでありますか、或いは現在提出されている公共事業費から十五億程度のものを出すといふことを言明されたのでありましたか、その点をはつきりお答え願いたいと思います。
#21
○國務大臣(木村小左衞門君) 六・三制の問題は少しく私の所管とは違いまして、責任のある御答弁をちよつとしかねますことは御了承願いたいと思います。ただ先程総理が今年十五億円、來年十五億円、四十五億円を五ケ年ぐらいで出資したら、それで完成するような順序になるのではないかというようなことをおつしやつておりましたように、お隣りで拜聽しておりました。今年の十五億円というものをどこから出すかというような御質問であつたように思います。私は責任を以ては御答弁しかねますが、ただ私の忖度いたしますのは、想像いたしますのは、文部大臣が只今非常に心魂を傾けてこれに努力いたしております。その文部大臣が努力をいたしております目標は僅少でありまして、誠に満足ではありませんけれども、今年度十五億ぐらいは何とかして捻出して貰うという意氣込みで、まだ努力しておられるようでありますから、それは公共事業費の中から出すのであると私は思います。公共事業費のあらゆる部面から駆り出しましてそれに充てるということではないかと思います。そういうことを総理大臣は多少お聞きになつておりまして、ああいう御答弁があつたのではないかと思います。これは私責任を以てはお答え申上げません。御参考になるかどうか分りませんがただ私の忖度として御答弁申上げます。
#22
○吉川末次郎君 これは地方行政委員会…單独の委員会のときでしたが、始まりの委員会で私が木村國務大臣に数項目質問をいたしまして、一項目だけ当日お答えを得ることができないで、他日調査の上答弁するというように御留保になつている御答弁があつたのですが、それはして頂いたでしようか、私実は数日間病氣で寢ておりましたが……
#23
○國務大臣(木村小左衞門君) 御答弁いたそうと思いましたが、次の委員会のときも、その次にもお顔が見えなかつたようでありましたから、お答えを保留いたしました。私も大分経ちますので、質問の要旨を忘れましたから、ここにちよつと書いて來ました。質問の要旨は、今般の配付税の繰入率の引下げは、経済九原則に則り中央地方を通ずる総合予算の均衡を図る趣旨において、國庫財政の都合により地方財政を圧縮して行うとのことであるが、これは國庫財政の均衡を図るため地方財政に犠牲を転嫁することではないかというような御趣旨であつたように思いますが……
#24
○吉川末次郎君 ちよつと違いますが、それについて御説明を願います。
#25
○國務大臣(木村小左衞門君) こういうように聞いております。経済九原則の趣旨に則りまして財政收支の均衡を図りまするためには、政府におきましても地方團体におきましても、地方團体におきましても、共に財政においては最大限の拡大を図りまして、歳出におきましては極度にこれを縮減をいたしますことの必要なことはこれは申すまでもないことであります。このため地方財政におきましては、その独立財源につきまして極力増收を見込むと共に、経費全般に亘り大幅な圧縮を行うことによりまして地方配付税の総額を五百七十七億円に止め、かくて中央地方を通ずる総合予算の一應の均衡を保持することになつたのであります。この結果昭和二十四年度地方予算の実際の執行において破綻を生じ、延いては政府予算の均衡保持のため地方財政を犠牲とするのではないかという御説も自然に起るかと存じます。もとよりこれにより昭和二十四年度の地方財政が相当苦しいものになるであろうということは容易に想像せられるところでありますが、國家財政におきましても又相当の苦しい予算を取らなければならない事情に立至つておりまするので、関係方面から昭和二十四年度に限り地方配付税本來の性格の例外を設けざるを得なくなつた次第であります。
 その間の事情を御了承をお願いをいたして御答弁といたして置きます次第であります。
#26
○吉川末次郎君 不十分で満足しませんけれども、又この委員会で御答え頂けないでしようから又次にいたします。
#27
○小川友三君 木村國務大臣にお伺いいたしますが、地方財政の窮乏を救うためにいろいろ政府にも案を立てていらつしやいますが、特に地方財政の足らん分を補給するだけの方法がいろいろあると思いますが、そこでこの今の非常時に準ずる形体をとつた大藏大臣の説明でこうした削減をしたのだということになつておりますが、いわゆるデイス・インフレで大きな統制を加えた財政面からのインフレを防いでおります。これはこうした形体の減額として現われるわけでございますが、そこで減額をすれば又デフレになつてしまう、又デフレに統制制限を加えて行く、デイス・インフレ、いわゆるデフレの中間を政府として按排して行かなければ地方財政をやつていけないとかように思いますので、特に大臣におかれては地方で一番要望しておるのにドツグレースというのがありますが、あれをやらして呉れというので、ああいう收入を地方財政に向けて行く、分り易い言葉で恐縮でありますが、シヤモの喧嘩なんか盛んに地方でやつております。これを地方に許可してやつてこれを財政收入にしてやるということにすると五十億から百億ぐらいの收入はあると思います。そうした收入面も新たに政府が與えてやるという方法をとりましたならば、こうした減額に対して埋合せできるということになると思いますが、大臣は「しやも」の喧嘩なんとか、ドツグレースというものを地方民は都会民と違いまして境遇が違いますから、皆「しやも」を飼つておる、こうしてお話をしておる間でも日本中何十というところで「しやも」の喧嘩を大いにやつておるのですから、公然とやる、その自然に発生したものですから、それを大いに財政面に向けてやるというやり方が非常にいいと思うのであります。或いは大臣はどういう工合にお考えですか、特に財源を削減するときに何か一つやるというとこれは政府の政治面として非常にいいと思います。軍備はない、鉄砲を作る所もない平和日本確立の点において特にこの世界的に「しやも」の喧嘩なんかは、日本も有名になるし、観光客なども喜ぶというような方法をとるのが非常にいい処置と思いますが如何でございますか、御所見を伺います。地方財政面から割出したこの二案を御答弁願いたいのであります。
#28
○國務大臣(木村小左衞門君) 地方税制の税を取りまする対物について殆んど限界点に達しておるような状況でありまして、何かいい税の税源がありはせんかということは、各地方の公共團体が盛んに考究せられております。又財政委員会でも非常に考慮いたしております。もとより今年のような配付税の圧縮を受けました場合には、何か代るべきものを最高限度に考えませんと、これを補給して参りますことはできませんで、お説のようなものも考慮にございます。ございますけれどもこういうものをやりまするというと、自然所管が地方財政委員会だけの所管ではちよつとできかねます、ものによりますというと、まあ「しやも」の喧嘩というものはこれはどういうものか私はまだ見たことはございませんが、これはやはり家畜のことでありまして、農林省の方の関係に変つております。その他市競馬というような申請も出ております。もう一つ何かおつしやつたことはこれは忘れましたが。
#29
○小川友三君 犬です。
#30
○國務大臣(木村小左衞門君) これも考慮したいと思いますが、富くじ類似とか、その他賭博類似というようなことでいろいろ法務廳関係の法規の解釈に抵触いたしまして、なかなかこれが実現することに容易なことでありませんので、最近は地方の草競馬の二回開催を四回にするとか、馬が疲れない範囲に馬の補給ができるぐらいな範囲において四回の分を六回にするというようなことを今農林省の方に交渉して、そういう申請があつたら許してもいいのじやないか、こういうふうに考えております。今犬、「しやも」のことはまだ考えておりません。これも一つ我々として研究いたして見たいと思います。
#31
○小川友三君 お考え願いたいと思います。木村國務大臣に「しやも」の喧嘩については見て頂いてからにいたしましよう、見て頂くとこれは國際的になるということの自信がつきます。私は「しやも」の喧嘩をちよつと見に行きましたが、その点は観迎できます。
 それから大藏大臣が昨日予算委員会で、ここの委員会でこういう御答弁を願つたのですから、これは政府の答弁ですから木村大臣も同じだと思いますので、特に念に押しておきます。例えば各府縣で大きな災害があつた、そのときに地方長官は、どうしても五億要る、或いは二億要る、一億要るという場合に、緊急にそれをしなければ又雨が降つて洪水が出るというような場合に、地方廳で立替えて、やつてしまう、そうして、五億なら五億立替えて堤防を作つてしまう、そうして雨が降つても水害がなくて、その堤防を造り掛けましたから水害がないため、ここで何億かの被害を防止できるのだという観点から、咄嗟の場合に、そういう洪水があつた場合に政府は金を呉れなくちや困る、余裕がある限り拂つて貰いたい、大藏大臣は余裕があれば無論拂いたいということを証言した、証言ではありませんが、答弁を得て速記録に載つております。それで木村大臣は特に地方の方の所管大臣でいらつしやいますから、特にそういう場合には大藏大臣と協力なさつて是非やつて頂きたい、かように考えます。大藏大臣と同じだと思いますが、違うといけませんからこの機会にちよつとお伺いをいたします。
#32
○國務大臣(木村小左衞門君) 公共事業費で國から十分な補助金を與える指示をして置かないと、不意に起つた災害に対して、これは地元は地元の災害ですからいやでも應でもこれは直さなければならない、復旧しなければならない、復旧したその費用はお前の方で、地方で勝手にやつたのだからこれは國としては聞かないと、端的に俗な言葉で申上げますが、そういうようなことで国の立場としては立つものでは私はなかろうと思いますが、それはそのときに應じまして考える、第二予備金、又は余裕金があれば余裕金、その他でできるだけこれを補給してやる、これは大藏大臣なり建設大臣の所管に属することで、私の所管ではございませんが、私の方ではそういう場合には地方起債の許可の限度を高めまして、地方起債によつてその措置をするということにできるだけの便宜を與えたい、こう考えております。
#33
○小川友三君 誠に有難うございました。それから埼玉縣で縣立の高等学校が実は燒けましたのです。そこで丸燒けでございまして、これを復旧する場合の金がありません。縣の方に貰いに行きましたところが、縣廳も燒けてしまいまして、埼玉縣は非常に燒ける所でございまして、縣知事は刑務所に入りましてどうにも仕様がない、困まつておりますが、そこで地方財政は特に埼玉縣は困まつておりますので、この例を申上げて恐縮ですが、特に木村大臣にお願いを申しますのは、復旧に約二千万円以上掛かるのでございます。そこでこの金がなくて困まつておりまして、学生は露天に勉強しておるというような状態でございまして、二、三千万円の起債を許して頂きますように、又別に請願をしますが、よろしくお願いをいたしたいと思いますが、如何でございましようか。
#34
○國務大臣(木村小左衞門君) 委員会で二千万円を許可いたしますという御答弁はちよつといたしかねますが、これは願書を出して頂きますれば、でき得る限り起債の許可をいたしたいと思います。
#35
○小川友三君 どうも有難うございました。
#36
○委員長(岡本愛祐君) 他に御質疑ございませんか。御質疑がございませんでしたら、この前の委員会で申上げましたように、地方行政大藏連合委員会はこの程度で打切りたいと思います。それでは委員会を閉じます。
   午後二時三十八分散会
 出席者は左の通り。
  地方行政委員
   委員長     岡本 愛祐君
   理事      吉川末次郎君
           岡田喜久治君
           鈴木 順一君
   委員      三木 治朗君
           寺尾  豊君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
  大藏委員
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事      波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
   委員      玉屋 喜章君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  國務大臣
   内閣總理大臣
   外 務 大 臣 吉田  茂君
  國 務 大 臣 木村小左衞門君
ソース: 国立国会図書館
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