くにさくロゴ
1967/07/04 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第24号
姉妹サイト
 
1967/07/04 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第24号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第24号
昭和四十二年七月四日(火曜日)
   午前十時五十二分開会
   委員の異動
    ―――――――――――――
 七月四日
    辞任        補欠選任
     瓜生  清君     高山 恒雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                西田 信一君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                野上  元君
                野溝  勝君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  水田三喜男君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       日本専売公社監
       理官       海堀 洋平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       大蔵大臣官房財
       務調査官     結城 義人君
       運輸省自動車局
       参事官      上原  啓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○石油ガス税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、瓜生清君が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(竹中恒夫君) 日本専売公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。米田大蔵政務次官。
#4
○政府委員(米田正文君) ただいま議題となりました日本専売公社法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 第一は、たなおろし資産に対する資金手当ての円滑化をはかることであります。日本専売公社のたなおろし資産は、たばこ事業の業務量の拡大に伴い、近年著しく増加しております。このたなおろし資産の増加に対する資金手当ては、現行法のもとにおいては、政府からの借り入れ金によらざるを得ないのでありますが、これはたなおろし資産の増加の著しい現在のような事態に適しているとは申し上げかねるわけであります。
 そこで、たなおろし資産に対する資金手当てを円滑にするため、その方法として、借り入れ金の借り入れ先について現行法が政府に限定していることを改め、政府以外からも借り入れをすることができるようにするとともに、たなおろし資産の増加額を限度として利益金の一部を公社に留保することもできるようにいたしております。
 第二は、日本専売公社の監事の権限に関する規定を整備することであります。すなわち、監事が監査の結果に基づき必要があると認めるときは、総裁または大蔵大臣に意見を提出することができるようその権限を明確にするとともに、公社が大蔵大臣に提出する決算書類に監事の意見を付さなければならないことといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(竹中恒夫君) 引き続いて、補足説明を聴取いたします。海堀専売公社監理官。
#6
○政府委員(海堀洋平君) 補足して御説明申し上げます。
 本法律案の目ざすところは、先ほど御説明申し上げましたように二つでございます。一つは、日本専売公社のたなおろし資産に対する資金手当ての円滑化をはかることでありまして、他は、の権限に関する規定を整備することであります。
 まず第一の、たなおろし資産に対する資金手当ての円滑化について御説明申し上げます。
 たばこの売れ行きは、昭和三十五年度、六年度ころから大幅に伸びまして、昭和三十五年度の売り上げ高千二百六十五億本を一〇〇といたしますと、昭和四十一年度の実績の千八百三十六億本は一四五に当たっております。これに伴いまして、原料葉たばこの購入数量も大幅に増加するとともに、国内産葉たばこの価格も相当急激な上昇を示してまいりました。国内産葉たばこの昭和三十五年度における収納価格水準を一〇〇といたしますと、昭和四十一年度のそれは一七七となっております。この結果、原料葉たばこを中心としますたなおろし資産は年々増加してまいりまして、昭和三十五年度末千二百九十四億円に対し、昭和四十一年度末は二千七百五十七億円に達し、金額で千四百六十三億円、率で二三%の増加となっております。
 この増加したたなおろし資産に対する資金手当ては、現行法のもとにおきましては、年度内において一時的に国庫に納付すべき益金を流用するほかは、政府からの借り入れ金によらざるを得ないことになっております。この結果、昭和四十年度末において三百二十億円の年度越し借り入れを行わざるを得なくなり、これが四十一年度末には五百六十億円と増大し、さらに四十二年度宋には千三百九十三億円に達することが予想されております。この長期借り入れ金は資金運用部資金でまかなわれてきたわけでございますが、資金運用部資金にもおのずから限界がありますので、この際借り入れ先を政府以外のものにも広げたいと思うわけでございます。
 さらに、増加するたなおろし資産の資金手当ての方法を借り入れ金のみにたよることは、公社の財務体質という面から必ずしも適当でないと考えまして、この際たなおろし資産に対する資金手当ての方法として内部留保によることもできることといたしたわけであります。そこで、とりあえず昭和四十二年度は、たなおろし資産の増加額三百九十七億円のうち五十億円を内部留保により手当てすることに予定いたしております。
 次に、監事の権限に関する規定の整備について御説明申し上げます。
 監事の権限につきましては、現行法は公社の業務を監査することを簡単に規定するにとどまっております。しかし、公社においては、監事の職務の重要性にかんがみ、内部規定といたしまして監査規程を定め、監事の機能を十分に活用することにつとめております。しかしながら、さらにこの際、監事の権限のうち重要な点を法律に規定することによりまして、監事の権限を一そう明確にすることとしたわけであります。改正の要点は、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、総裁または大蔵大臣に意見を提出することができること、並びに、公社が大蔵大臣に財務諸表及び決算報告書を提出する場合に、監事の意見を付することとしておる点であります。
 以上で補足説明を終わらせていただきます。
#7
○委員長(竹中恒夫君) 以上で提案理由の説明と同補足説明を終わりました。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(竹中恒夫君) 次に、石油ガス税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○戸田菊雄君 今回の提案は暫定軽減税率を二年間延長すると、こういうことでありますから、さして私のほうも問題ではないわけでありますが、ただ二、三質問しておきたいのであります。
 これからの石油ガスの消費量というものは相当ふえていくんだろうというふうに考えるわけでありますが、大体今年度の見通しはどの程度になるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたい。
#10
○説明員(結城義人君) 本来は、石油ガスの需給の見通し等は通産省の所管でございますが、便宜私のほうから申し上げます。四十二年度の見通しでございますが、需要のほうが四百五万トンでございます。それに対しまして、供給のほうが四百十二万トン、その内訳は、国内生産が二百七十四万トン、輸入が百三十八万トンの見込みでございます。
#11
○戸田菊雄君 いろいろとその使用区分があると思いますが、たとえば、自動車用であるとか、あるいはまた家庭業務用と都市ガス用とか、こういった使用区分に基づいて、どのくらいの需要供給になっているのか、その辺をひとつ。
#12
○説明員(結城義人君) これも本来は通産省の所管でございますが、便宜私のほうから申し上げます。需要の四百五万トンの内訳でございますが、家庭業務用が二百二十三万トン、それから都市ガス用が七万九千トン、工業用が五十五万九千トン、自動車用が九十六万八千トン、化学原料用が二十一万三千トン、輸出が八千トンと、かようになっております。
#13
○戸田菊雄君 それでは、最初に……。いろいろ諸般の事情によって二年間軽減税率を行なうと、こういうことですが、そういういわば情勢の見方といいますかね、二年間軽減税率を延長しなければいけない、そういう根源は一体どこにあったのか、その辺をひとつ。
#14
○説明員(結城義人君) 最初、一昨年石油ガス税法を提案いたしまして、国会で御修正を受けました。その、最初の十一カ月間が五円、その次の一年間が十円、一年十一カ月たってから初めて本則の十七円五十銭に戻るという御修正を受けた趣旨は、いわば激変を緩和する――いままで納税したことがない業者の納税態勢を逐次ならしていくという御趣旨であったかと思うのであります。その後一年間の状況にかんがみますと、そういった激変を緩和する必要が依然としてまだあるのではないかということが、まず基本的には言えるかと思うのであります。
 それから第二といたしましては、石油ガスとタクシー料金との関係は密接な関係がございますが、最近、物価政策の重要性から見まして、運賃の引き上げといったような物価へのはね返りの原因をできるだけ少なくしておくということが必要だという意見がございます。これが第二の理由でございます。
 それから第三に、最近の小規模な業者の多いタクシー業界の経営状態は、人件費等の上昇等によりまして若干悪化しておると考えられますので、現在におきましては、本則の十七円五十銭に返りますと、さらに業界の経営内容が悪化するのではないかという心配がある。
 このような点を考えまして、さらに二年間暫定税率を延長するということにいたしたいと考えておるわけでございます。
#15
○戸田菊雄君 いまおおむね三点についてその事情を申されておるんですけれども、そうだとすれば、当初、やはり石油ガス税の創設そのものに私は問題があったのではないか、こういうふうに考えるのですけれども、その辺はどうですか。
#16
○説明員(結城義人君) 石油ガス税が創設せられました理由は、揮発油税とのバランスということでございます。現在、揮発油税は最も大きな実は道路財源になっておることは御承知のとおりでございますが、その後石油ガスが登場いたしましてから、石油ガスのほうが無税でございますものですから、有利なほうに切りかえるということが逐次進行いたしまして、このままで進むならば道路財源である揮発油税の歳入にも大きな穴が生ずるのではないかということが心配されましたので、財政需要の見地からも石油ガスに課税する必要がある、こういうことで課税されたわけでございます。
#17
○戸田菊雄君 その石油ガス税の収入の大部分は、一つは、道路整備緊急措置法、こういう法律に基づいて、そちらに国として回しておる。もう一つは、地方財源に二分の一を繰り入れている。こういうことになっているわけですけれども、建設省で当面、交通対策、事故防止等に対して、おおむね三カ年道路計画というものをやっておるわけでありますけれども、これは総体五百九十億でありますね。で、私のいまの記憶では、詳細な資料はいま持ってきておりませんが、第一年度、今年度はおおむね二百億円と。その中に一体石油ガス税というものはどのくらい包含されておるか、ちょっと説明をしてもらいたい。
 それから、具体的に、地方道路、市町村道路、こういうものを含めて、いろいろと、道路三カ年計画でいきますと二分の一の補助体制をとるということになっておりますけれども、そういうものに対して一体どのぐらいこの石油ガス税というものが組み込まれておるか、その辺わかっておったら、ひとつお知らせ願いたい。
#18
○説明員(結城義人君) 先ほどの御質問の中に、石油ガス税の歳入は最も多く道路財源へというお話がございましたが、その点はちょっと誤解があろうかと思いますので、御説明申し上げますが、石油ガス税の歳入は全額道路財源に入れることになっております。ほかの用途には用いてはならないということになっておりますので、御承知おき願います。
 それから、道路整備計画との関係でございますが、新計画は実はまだ検討中でございまして、旧道路計画で恐縮でございますが、旧道路計画では、石油ガス税は全体のうちでは非常に少ないウエートしか占めておらないわけでございます。国の関係だけでございますと、一兆七千四百七十八億のうち百二十九億という見通ししか一応計上してはございません。
#19
○戸田菊雄君 市町村道の場合は。
#20
○説明員(結城義人君) 地方の道路計画は一兆四千四百六億、うち石油ガス税の見込みは百二十九億ということでございます。
#21
○戸田菊雄君 おおむね地方の交付の場合は大阪、東京あたりに集中されているんじゃないかというふうに考えますが、大体、交付の都道府県の内容等についてわかりますか。
#22
○説明員(結城義人君) 地方交付税の配分は自治省の所管でございまして、ちょっと私ども手元に資料がございません。恐縮でございます。
#23
○戸田菊雄君 三十分までだそうで、時間がありませんが、大臣が来られましたので、一点だけ質問をして、なおかつ、次回までに資料をひとつ御提示願いたいと思うんですが、四十二年の七月二日の朝日新聞によりますと、目下特殊法人は百八あって、行政管理庁を中心にして、どんどん整理をしていく、いわばその改廃を八月に向けてやっていこうという方針であるということを、何回かわれわれも聞いたのです。ところが、いろいろ調べてまいりますと、大蔵省認可で約三十のもぐり特殊法人がある、こういうことが実は出ておる。こういうことは一体、いまの政府の一元化した行政管理庁等の方針に基づいていろいろと行政改革というものを具体的に進めようという矢先であるが、大蔵省も、政府の一員として大蔵大臣は当然その中に入っておる。そういうときに、大蔵省が、政府全体がわからないような形、三十の特殊法人を、それをやみ行為的に裏でそういう認可を与えて発足せしめているということは、一体いまのそういう行政管理庁なり政府の一貫した行政改革方針からいってどういうふうに考えるか、大臣の見解をひとつ聞かしていただきたい。
#24
○国務大臣(水田三喜男君) 新聞に出たことは承知しておりますが、まだ私のほうでは、私自身、この問題を調査してございませんので、どういう内容かまだ承知しておりませんので、よく調べてからお答えいたします。
#25
○戸田菊雄君 新聞によりますと、目下、行政管理庁長官を中心にしまして、百八の特殊法人について具体的に、行政改革の方向というものの政府は方針を持っておる。ところが、こういうふうな表現になっているのであります。行管の、特殊法人の新設は認めない、そういう方針から、設立を拒否された。ところが、その後内容を変えず名称だけをたとえば臨時繊維工業構造改善事業団、あるいは繊維工業構造改善事業協会、あるいは貿易大学校ともども認可法人として大蔵省に申請し、パスしてしまった、こういうことですね。ですからそういうことになりますと、そういう諸団体の特殊法人というものは、一体この認可基準制度というものをどういうふうに政府は統制をして、一定の方向で行なわれているか、その辺も大きな疑問がある。
 もう一つは、そういう特殊法人を設立する場合に、政府が認可をして、これに対して補助金体制をとっているわけですが、三十団体につきまして、そういうものは当然予算編成にも影響してくるのではないか。
 たとえば、一つの東北開発会社をつくるということになれば、年間少なくとも政府から北東開発公庫に対して七百億円程度の交付をやっている。そういうことになりますと、ちょっとそういう問題は、特殊法人にからまる助成金というものは、国会の承認というものがやはり必要になってくる。ところが、これは大蔵省独断でもってすべて行なわれているわけですね。こういうことがあってもいいのかどうか。
 大臣はまだ明確に承知をしていないというのでありますが、大臣が知らないところでそういうものが推し進められていいのかどうか。じゃ、これは大臣が認可をしているということになるのだが、大臣が知らないということになれば、どこで一体そういう認可承認を与えているか、この辺も非常に多くの疑問を持たれるわけですね。そういう点について一体どういうふうに考えられますか。
#26
○国務大臣(水田三喜男君) ことしの予算折衝で私どもの知っております限りは、たとえば貿易大学というようなものを別につくりたいという要望がございましたが、それはその必要がない、ジェトロの中でこういう機関でやればいいじゃないかというような各省との折衝をやったことは記憶しておりますが、その場合にはそれに対する必要な法律は出すし、予算に正式に計上しておるものでございますので、国会を全部通って、やみでそういうものをつくって、かってに予算をそこにつけているというようなことは、おそらくないのじゃないか。全部予算折衝においてきまって、国会に提出して説明しているということでございますので、やみでやっているというような性質のものではないというふうに私は思っております。
#27
○戸田菊雄君 こういうことになっておるのですね、新聞によりますと。問題になっている認可法人というものが、大蔵省や関係各省の調べでは、輸出振興事業協会(二団体)、それから野菜生産出荷安定資金協会、農業信用保険協会、自転車競技会、これは八団体、小型自動車競走会(五団体)、農業共済基金、鉱害復旧事業団(四団体)、農業信用基金協会、中央開拓融資保証協会、中央労働災害防止協会、モーターボート競走会、合わせて三十、その中で繊維工業構造改善事業協会等には国から五億円も出資している。それからさらに、運営等につきましては、たとえば理事長、監事、これは通産大臣が任命しているほか、そういうものが大臣の認可によって事業が発足している。あるいは貿易大学、こういうものに対しては国から一億円の交付金を出す、こういうことなんです。ですから、すでにもう既存の特殊法人と同じような効力を発効さして、それぞれ事業に向けて具体的な作業の開始をされている、こういう状態なんです。ですから、こういうものについては大蔵大臣は主管大臣だと思いますから、こういうものについて大臣が全然知らないということは、私はおかしいのじゃないかと思う。その辺はどうですか。
#28
○国務大臣(水田三喜男君) いま言われました、たとえば繊維工業構造改善法という法律の中でそういう協会をつくって、そこに政府は補助することができるというようなことも、全部どこかの立法に基づいた機関としてつくって、正式に予算に計上するということになっておりますので、いわゆる政府関係機関というのではなくても、法律上の根拠を持って、そこを通じてこういう補助金を出すことができるとかいうようなことになっておりますので、そういうものを今後どういうふうに整理するかということは別問題でございますが、かってにそういうものをつくっているというものじゃないということだけは私は申しているわけでございまして、今後そういうものが必要かどうか、全部見直して、一ぺん整理統合を考えろというようなことなら、これは当然でございまして、全体においてそういう現存のものは今度の場合、一つ一つもう一ぺん洗い直すつもりでおりますから、当然検討いたします。
#29
○戸田菊雄君 きょうはこの質問はこのくらいで終わりますが、加えて、これらに関する資料をひとつあとで、こちらのほうに、政府委員のほうに要求いたしておきますから、親切な資料をひとつ御提出願いたい。大臣、ぜひひとつお願いいたします。
 それから、石油ガス税でもう一点最後にお伺いしておきたいのは、従来の予算は、何といいますか、軽減税率を見込んで予算というものが組まれておる、租税収入の部面で。この点を最後に一点だけお伺いしたい。
#30
○説明員(結城義人君) もちろん、前年度の予算は五円で組まれております。ことしの予算は政府提案の法律で十円ということになっておりますので、十円をもとにして収入見込みが組まれております。
#31
○柴谷要君 主として運輸省にちょっとお尋ねしたいんですが、石油ガス税は御承知のとおり一昨年の審議で、昨年が一リットル五円、本年が十円、四十三年からは十七円五十銭、こういう価格が決定になった。それを本年の十円を二カ年間時限立法で延ばそうというねらいはどこにあるのか、この解釈をどう運輸省は考えておられるか、まずそれから聞いていきたい。
#32
○説明員(上原啓君) 先ほど御説明があったかと思いますけれども、現在LPガスを使っておりますのは主一としてハイヤー、タクシー事業の関係で、自動車関係ではこれが主でございますけれども、いろんな要素から漸次経営状態がよろしくなくなってきております。その結果、運賃改定申請が続々出願されておるというのが実情でございますが、燃料費もこの経営を左右する一つの大きな要素でございますので、このLPガス税が上がるということは決して好ましいことではないと思っております。したがいまして、今回二年間延長していただくことについては、けっこうなことだと思っております。
#33
○柴谷要君 主としてLPガスを使っておるのは、都内をかけめぐっている営業車、つまり法人車並びに個人タクシーなどが多くこれを使っておる。そうなるというと、従来ガソリンを使っておったよりも収益が非常に高くなってきておる、こういうことで、事業成績は非常に最近上がっておるとわれわれは見ておるんですが、運輸省の見解はどうですか、ひとつ数字をもって答えていただきたい。たとえばガソリンであるならば、二十四時間稼働で一カ月に大体どのくらいのガソリン量を使うのか、LPガスならば一体どのくらいなのか、金額とそれから量、これをひとつ明確にしていただきたい。
#34
○説明員(上原啓君) いま先生のおっしゃいましたようなこまかい資料を実は手元に持ち合わせておらないのでございますけれども、ガソリンとLPGを比較いたしました場合、現在全国平均でキロ当たりの原価といたしまして、ガソリンの場合は約四円八十銭かかるという計算になっております。LPGの場合は二円六十銭、こういう計算になっております。しかして燃料費が原価構成の中で占める比率というものは、約一二%程度というぐあいに記憶をいたしております。正確な数字は持っておりませんので、恐縮でございます。
#35
○柴谷要君 非常にガスを使うことによって燃料費が低廉になり、それから現在の営業実績というものが上がってきておるということになると、いま東京都の業者団体が値上げ申請しておるのはちょっと矛盾だと思うんですが、この点はどう考えておるか、これをひとつお聞きしたい。
#36
○説明員(上原啓君) ただいま申し上げたことは非常にことばが足りませんで、恐縮でございました。確かにLPGを使いますとガソリンを使いますよりも経営が合理化されてくることは事実でございますが、反面、特に東京とか大阪といったような大都市の場合には道路混雑が激しくなっておりますので、非常に車の走行能率が悪くなっておるというような点もございます。また、人件費も逐年上がっております。その他の諸経費もどんどん上がっておるというようなことで、残念ながらLPGに転化したということについてのメリットは漸次消えていっておるというふうに考えております。しかしながら、ハイヤー、タクシー事業の運賃改定については、物価対策上慎重な態度で処理したいと思っております。決して安易な態度で認可するというふうなことは思っておりません。
#37
○柴谷要君 参事官、最近東京のタクシーの一日の水揚げ料はどのくらい平均いっておるか、御存じですか。
#38
○説明員(上原啓君) 法人タクシーの場合が約一万一千円、個人タクシーの場合が約六千円程度というぐあいに記憶いたしております。
#39
○柴谷要君 一万一千円で、これは平均一万一千円ですから、一カ月でいうと相当膨大な金になる。しかも、これは運転手が二人で乗車するわけです。二十四時間ぶつ通しで交互にやる。三十日かせいだら三十三万何がしという金があがるわけですね。その中で占める燃料費というのは非常に安くなっておる。で、人件費が上がったとはいいながら、労働者階級の賃金というものはそう上がっていない。あなたの言われるようにそう上がっていない。諸経費のほうはかなり上がっておる。それはなぜかというと、ハイヤー、タクシーの運転手の給与というのは数年前に大改革を行なって、その当時はちょっと上がった。それからというものは足踏み状態で今日になっておるわけです。そういう状態ですから、このガスを使うことによって相当の利益があがっていることはわれわれ承知をしておる。たとえば個人タクシーの一日六千円というのは、これは低く出ておるわけです。実際はもっとそれより高い。
 二、三の例を私は申し上げますけれども、特に懇意にしている個人タクシーの実績を調べてみると、大体七千五百円ぐらいかせいでおる。そしてこれは毎日走るんですから、二十四時間は走りません。十時間ないし十一時間ぐらい走っておるんですが、その個人タクシーでも一カ月走って大体ガス代が一万六千円から七千円。一日七千五、六百円かせいで一カ月にすれば二十数万円あがる。そうしてガス代が一万五千円から二万円ぐらい。たいへんな利益をあげるわけです。
 そういう実績を考えてくると、最近業界が運賃値上げを要求しているということは矛盾だと思うんですけれども、これはこまかい数字は調べがあるならば資料としてもらいたいと思う。この点、いかがですか。
#40
○説明員(上原啓君) 先生いま御指摘の、東京のハイヤー、タクシー運賃につきましては、現在正確な原価計算その他の資料を持ち合わせておりませんので、資料として差し上げたいと思います。
#41
○柴谷要君 それならば、資料をひとつつくってもらっていただきたいと思うんですが、次は新聞で取り上げられた問題ですけれども、大阪陸運局が認可をしたタクシーの二割増し冷房料金の問題ですね。これは非常に客との間にトラブルが起きておるということで新聞に出ておるんだが、実は一日からこれを実施をして値上げを強行したタクシーで、法人百九十二社、一万三千百二十九台、個人が八百七十九台の計一万四千八台が、冷房車で二割のつまり料金の値上げをしたということで、客との間にたいへんなトラブルが起きた。この問題に関連をして、実は近畿管区行政監察局が調査に乗り出した、こういう新聞が出ておるわけです。同じ政府機関である陸運局と近畿管区行政監察局とは全く異なる意見を持っているというのは、一体どういうわけですか。これは大阪陸運局として軽々に値上げを認めたのか、それとも実情に即した処置として適切なものであると考えておられるのか。そうなるというと、行政監察局が調べに出かけるというのはちょっとおかしいと思うんだが、この点についてひとつ明快に答えてもらいたい。
#42
○説明員(上原啓君) ただいま御指摘の大阪のハイヤー、タクシーの冷房料金につきましては、種々検討の結果、適正かつやむを得ないものとして認可いたしたものでございます。それにつきまして、管区の行政監察局でございますか、監察に乗り出したという正式の通報はわれわれまだ聞いておりませんけれども、これがどういう見地で調査をなさるのか、実はわれわれにはその御真意のほどがはかりかねる次第でございます。当然これは事前に協議すべき性質のものではございませんので、もちろん御相談も何もしておらないと思います。むしろ実施したあとの一般利用者の声を聞かれて、一体どういうことなのか、その事情を聞きたいというようなことではないかと推察する次第でございます。公式にはこれは何も聞いておりません。
#43
○柴谷要君 それならば、大阪陸運局の認可をした二割増の、つまり冷房車についての運賃値上げは妥当なものであるという考え方ならば、それならば、数年前から冷房を取りつけて運行しておる東京のタクシーの場合はどうなのか。これは放任しておいて、大阪だけ本年に限って認めたと、こういう理由がわからぬ。第一、一貫性がないじゃないか、運輸省に、それはどういうわけですか。東京でも冷房車が走っておる。ましてや、個人で冷房車にして、しかもサービスをしておる。中にはそれどころじゃない、りっぱなサービスをしておる個人タクシーもあるわけです、冷房を取りつけて。こういうのは一体どういうことですか。東京と大阪では条件が違うのか。大阪だけ認可をして、東京はほうっておいていいのか。こんな片手落ちの行政というのはあり得ないと私は思う。この点はどう考えておられるか。これは本来であれば運輸大臣に聞くところだけれども、いま運輸省設置法を上げるか上げないかで大騒ぎをしておるから内閣のほうにもらいかねておるわけで、お気の毒だけれども、参事官にどうしても頼むわけだ。この点は大臣にかわった気持ちで答弁してもらいたいな。
#44
○説明員(上原啓君) たいへんきびしい御指摘で恐縮でございます。実はこの東京も、大阪も、一般的に運賃改定の要望が出ておったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、当方が相当シビアーな態度で臨んでおるものでございますから、一般的な基本的な料金改定ということは当分望み薄だという観点から、率直に申してあの手この手を考えておるのではないかと思いますが、大阪は冷房料金という線を打ち出してまいったわけでございまして、これが一応適正なものだという判定のもとに認可になったわけでございます。東京につきましては、こういう認可申請がまだ出ておりません。われわれは物価対策の立場から、大阪がこういうことをやったから東京もぜひおやりなさいというような気持ちは毛頭持っておりませんで、東京が現状どおりでやっていくというんなら、それでけっこうだという気持ちでおるわけでございます。
#45
○柴谷要君 それはいまの参事官の答弁はだめだ。そんな答弁じゃ、第一、運輸行政の一貫性というものがないんだよ。それじゃ、要求してくれば大阪は冷房賃として二割を認めてやる、東京はしてこないから認めない、しかし、それじゃ東京が今度運賃改定を要求してきた場合に、東京だけ運賃改定を認めて、それで大阪のほうはほうっておくか、こういうわけにはいかぬだろう。やはり全国的に問題というのは、運輸省としては高所からながめて運賃政策というものは確立をしていかなければならぬ。その場合に、東京は冷房車の要求はしてこないからいいんだと、こういうことでは、それは一貫性がないと思うんだが、どうだ、その点は。それは運輸省として妥当なものかどうか。いまの答弁が妥当だというなら、これはどうしても大臣に来てもらって、大臣の見解を聞かなければならぬ。そんな運輸行政はいままでやったことはないと思う。ぼくらも多少関係して、運輸省はじっくりながめてきたけれども、そんな行政は今日までやったことはないと思う。それはそういう手段をとらざるを得なかったという理由がどこかにひそんでいるはずだ。その理由をひとつ言ってもらいたい。
#46
○説明員(上原啓君) 現在タクシー運賃料金につきまして考えております運輸省の考え方は、全国一律的にものを考えるということじゃなしに、ケース・バイ・ケース、地域ごとに、場合によっては地域によってもサービスの異なるものは異なる料率があってもよろしいという考え方で処理していこうという考え方でおるわけでございます。したがいまして、大阪で認めたから東京で認める、東京でこういうことは当分はあるかどうかわかりませんけれども、基本料金の改定を認めたから直ちに大阪も認めるということにはならないというのが運輸省の考え方でございまして、要するにケース・バイ・ケース、個々に真にやむを得ないものであるかどうかということを審査した上で判断するという立場に立っております。
#47
○柴谷要君 ケース・バイ・ケースで考えられたから大阪だけは特別この問題をあれしたということ自体が、行政上うまくないという結果が出ていると思う。それはなぜかというと、客とのトラブルが非常に大きなものになってあらわれている。しかも、監察局が調査に乗り出したというような行政が、はたしていい行政かどうか、この点はひとつどういうふうに考えられておるか、これは認めたことがよかったと思っておられるか、認めないほうがよかったと思っておられるか、率直にひとつ答えてもらいたい。これはあまり賢明な策じゃなかったと私は思うというくらいな答弁があってしかるべきだと思うのだが、どうだろう。その点をひとつ答えてもらいたい。
#48
○説明員(上原啓君) 夏の間、特に冷房の割り増し金を取ることの可否、これは冷静なお立場の方々からはいろいろ御批判はあろうかと思いますけれども、われわれといたしましては、今回の冷房料金の設定ということはやむを得なかった必要最小限度のものであるというぐあいに考えております。
#49
○柴谷要君 最小限度で、やむを得なかったという考え方のようだけれども、とにかく土地にこれだけの大きな問題が起きているのです。平常な、運賃値上げなんというのは、まあしかたがない、しゃくにさわるけれどもしかたがないという状態なら、まだいいのです。そうじゃないのだ。大阪だけこのような手を打つことは、運輸行政としてはまずいのじゃないか。けしからぬという大衆の圧倒的な声が盛り上がってきて、いまトラブルが起きている。同じ政府機関である行政監察局が調査に乗り出したというのは、あまり名誉なことじゃないと私は思うのですよ。この点はどう考えられておるか。どうもまずい結果が生まれたなと、こう思っておられるのか、これはしかたがない、成り行きだからながめているのだ、こういうふうに考えておられるか、この点を明らかにしてもらいたい。
#50
○説明員(上原啓君) 先ほども申し上げましたように、監察局のほうでどういう見地から調査に乗り出されましたのか、公式の通報に接しておりませんので、何事も私から申し上げる段階ではございません。われわれといたしましては、先ほど繰り返し申し上げましたように、今回の大阪のクーラー料金の設定につきましては、やむを得ないものであり、適正なものであるというぐあいに信じております。
#51
○柴谷要君 まあこれは水かけ論でしかたがないと思うが、あまり賢明な策じゃなかったと思う。しかも、かってに会社のほうで冷房を取りつけておいて、今度は客から二割を上回った料金を取るということは、これは相当慎重にやるべきですよ。それを、一陸運局長の権限だからといって、陸運局長が許可をした。もちろん本省に通告はしてきたろうけれども、権限は陸運局長にあるわけだが、これは大阪陸運局長がしたに違いない。だけれども、これだけ地元に大きな問題を起こすというようなことを考えてやられたとは思わない。こういうことは、これは運輸省としては全くまずいやり方だと思う。それならば、今日物価値上げを抑制しようということで、いろいろ政府は苦慮され、また国会でもこの問題で特別委員会をつくって真剣にやっているのに、東京では冷房を使ってしかも営業を数年前からやっているのを値上げをしないで、大阪だけ認可しているということであるならば、大阪に対して運輸省が、東京の実態をながめてそうしてやりなさいということで、値上げを認める前にまず指導すべきだ。指導しないで、大阪は特殊事情だから、地方の状況はその地方だけは特別だからといって大阪を認可したということに、今日のトラブル、これだけの問題が起きている。あまり賢明な行政じゃないのです。運輸省としてはこの点はどうだ。じゃ、今後仙台が冷房だ、あるいは名古屋がそうだ、京都がそうだ、こういうことになったら、認可をするのか、しないのか、この点を聞いておきたい。
#52
○説明員(上原啓君) 御指摘のとおり、大阪のクーラー料金の設定は大阪陸運局長の権限であることは申すまでもございませんが、われわれも――われわれと申しますか、本省のほうもちゃんと陸運局長から稟伺を受けておりますので、その責任を分担するにやぶさかではございません。これがはたして賢明な策であったかどうかということについては、もうしばらくたってその成果を見たいというぐあいに考えております。
 仙台とかほかの地域でこういう申請があったらどうするかという御質問につきましては、先ほどお答えいたしましたように、そのつどケース・バイ・ケースで、真にやむを得ないものであるかどうかということを判断して決定すべきことでありまして、一律に全国に及ぼすという考え方はいたしておりません。
#53
○柴谷要君 そんなでたらめな運輸行政をやっておったのではだめですよ。大阪だけは冷房料金二割を認めて、今度すぐお隣の名古屋、京都が申請してきたら、これは考えようによってはしないのだ、考えようによってはするのだ、こういうふうなことを答弁されたって、それはだめだ。そんな行政をやっておったのでは、国民は迷惑する。これは運輸省は大いに検討すべきだ。こういうことをやるならばやるように、ほんとうに次は名古屋あるいは京都から出てきてもするのだというような腹がまえをもって、これは当然やってあげなければならぬ実情にあるのだということを把握した上でやるべきなんだ。ところが、大阪のこれは、言い過ぎかもしれぬけれども、大阪の業者団体に圧力をかけられて、そうして陸運局長が職権をもってしたので、やむを得ずやったというふうなうわさも飛んでいるわけです。そういう監督行政であったとするならば、これはけしからぬと思う。いいですか。そういうことがあってはならないと思う。私はないことを信じているけれども、そういううわさすら飛んでいるわけです。だから、そういうことのないように運輸省としてはやらなければいかぬと思う。仙台が要求してきたら、仙台は地理的な条件でやれぬ、あるいは京都はだめだ、大阪だけはいいけれども、名古屋はだめだというわけにいかぬだろうと私は思うのです。ところが、東京は要求をしていない。来ないから東京はそのまま見のがしているのだ、ほうっておくのだというような片手落ちの行政をやってはいかぬ、私はそう思う。だから、料金を、東京は東京の料金、あるいは名古屋、大阪料金が定められてもいいですよ。いいですけれども、こういう特殊なものを設定する場合には、やはり全国に及ぼす影響というものを考えながら行政をしてもらいたい。そのことを私は希望します。
 それから次は、経済企画庁が、最近の行政の運営について、ハイヤー、タクシーは自由営業でいいじゃないか、こういう意見が出ている。これは一面検討してみるというと、なるほどとうなずける節もある。そうかといって、手放しに自由営業にしたら、また問題が起きそうな気もする。これはいろいろ検討の要があると思うのだが、運輸省としてはこの問題についてどう対処していこうと考えておられるのか、その態度についてお答え願いたい。
#54
○説明員(上原啓君) お答え申し上げます。先般の閣僚協議会でも結論として出されました――了承されたといいますか、その線は、現行体制のもとにということでございまして、自由化するとか免許制を撤廃するということは全く触れられておりません。われわれといたしましても、現在のハイヤー、タクシーの免許制は必要なものであり、これを撤廃する、自由化するということは全く考えておりません。これを撤廃いたしました場合には、半面、過当競争が起こり、また一般利用者に対しましては不当な差別的取り扱いが随所に起こってまいりまして、非常に一般大衆の足としての機能が弱くなってくる、むしろ一般大衆が迷惑するという実態があらわれてくるということを考えている次第でございまして、現在のところ免許制の撤廃、自由化、そういうことは考えておりません。これは経済企画庁もそういうことは申してはおられません。
#55
○柴谷要君 まあ明確に答弁されたから、その点はいいと思うのだが、しかし、行政の上から見て、今日ハイヤー、タクシーの売買が一台百五十万円、百六十万円という高値を呼んでいるという実態については運輸省は十分承知のはずだが、承知をしていると思います。一体、一台の権利が百五十万も百六十万もで売り買いがされているという実態についてあなた方はどういうふうに考えているか、ひとつその点についてお答え願いたい。
#56
○説明員(上原啓君) ただいま御指摘の、ハイヤー、タクシーの権利金の問題につきましては、実は行政的には一番把握しにくいデータでございまして、正確に幾らぐらいしておるのかということは行政的によくわからないのでございます。相当な値段がついておるということはしょっちゅう耳にするところでございます。これは、半面、需給状態を物語りますとともに、実は現実のハイヤー、タクシーの需給状態とは関係なしに値段がつり上がるということも考えられるケースが多いわけでございます。たとえば、輸送状況が相当逼迫してきたのでそろそろ増車しょうというような空気が起こってまいりますと、権利金が下がってしまう、それから、相当輸送供給がダブっておって経営状態がよくないにかかわらず、むしろそういう実態があるからこそ増車は抑制していこうという方針を出しますと、逆に権利金が上がる、こういう非常に奇妙な心理的な現象もございまして、一般的にはこの権利金の金額の高い低いということは、まあ長い目で見ますれば輸送需給状態を反映するものとは思いますけれども、短期的にはそういう非常に奇妙な心理的な要素も働いておると思っておりますので、絶対的なメルクマールというぐあいには考えておりません。
#57
○柴谷要君 それは理屈なんだ。現実の東京のタクシーの権利の譲渡については、金額は変わっていないのです。あなた方が増車をするからといって急に下がった、近ごろは増車をしないから値がつり上がってきた、そんなばかげたことはないと思うのです。ただ、そういう結果になるだろうという予測をして言っているだけなんです。実際は下がっておらぬです、ばか値もない、それ以上の値にはなっておらぬ。
 大体、最近、個人タクシーの売買が行なわれているというのは、個人タクシーがまあ許可をいただく、そうすると、自分がやめようと思うけれども、権利をもらったのだからこれを少し高く売って、ひとつほかに転職したいとか、あるいは郷里に帰りたいというような場合には、まず代務者というやつを指定するでしょう。代務者の申請をする。代務者の申請をすれば、今度はその次には何をするかというと、今度は譲渡申請というやつを出すわけです。その売買の金額がいま幾らぐらいで取引されていると思いますか。百五十万を下りませんよ。しかも、もう二年も乗っちゃって、車はもういたんじゃって、権利をもらった、百五十万で権利を取ったらばすぐ取りかえなければならぬという古い車でも、百五十万もしている、今日。それだから、こういう値段で売買がとり行なわれている。これは相当の量です。これは参事官なんかもそういう調査をやって、知っておられると思うのだ。
 こういう値段の売買がとり行なわれている限りにおいては、何といいますか、タクシー業者は膨大な金を出してタクシーを買い上げているのだから、どうしたって、いまのLPガスのように値下げをしてやって、税金を安くしてやって、しかも利益をあげておっても、その利益金がやはりそういう方面に回っていけば金が必要になってくるから、料金の値上げのほうにどうしてもたよらざるを得ないということで、料金値上げの申請をしてくると思う。どうですか、その点は。そういう点をお考えになりませんか。二、三年前までは五、六十台しか持っておらなかった会社の社長が、今日では七百台、八百台の車を押えて、自分が社長におさまって、堂々とやっている社長がいるじゃありませんか。四、五年前には五、六十台、ところが今日はその十倍、みんな小さな会社を買っちゃって、あなた方が法人の許可を二十台か三十台の会社に下げたけれども、十五台や二十台の会社じゃ持ち切れないのだから、一台百五十万なり百六十万でどんどん大会社に売り込んでいる。大会社は投資をしているから、結果的には相当の金を必要とする。
 そういうような結果に対して、いまのLPなんか、ガスを使っていれば相当な利益があるにもかかわらず、運賃値上げをいま業界としてはしているじゃないですか。こういうところを十分指導してやらなければいけません、都民の足ですから。ましてや、大阪に起きている客とのトラブルなんかはすみやかに解消するように何らかの手を打つべきだ、私はこう思う。この点について運輸省としての最後の答弁を願っておきたい。
#58
○説明員(上原啓君) ハイヤー、タクシー、特に大都市におきますハイヤー、タクシーについて、利用者の方々からいろいろな御批判があることは、われわれよく承知いたしております。この点につきましては、従来ともできるだけの努力はやってまいったつもりでおりますけれども、今後ともさらにその努力は継続してまいりたいと思っております。そのことは先月二十七日の閣僚協議会でも触れられまして、現在大都市のハイヤー、タクシー業者は免許制の上にあぐらをかいておる傾きがなきにしもあらずである、よって、免許制の撤廃とかなんとかいうことは別にいたしまして、競争原理を導入すべきであるということを指摘されまして、この点で了承されております。われわれといたしましては、この具体化を現在急いでおるわけでございます。
 御指摘のとおり、いろいろな事情がありますことはよく承知いたしておりますので、今後とも利用者、都民、市民の足として遺憾のない公益的な事業として存立してまいりますように、十分監督指導を強化していくつもりであります。
#59
○柴谷要君 最後の一問、これは要望で、答弁は要りませんがね。運輸省が免許制度を獲得してから――最初は警察庁がこれを持っておりましたね。免許も取り締まりも全部警察庁であった。それが運輸省に移ってからというものは、運輸省の行政になってきて、いい行政がかなり行なわれてきたことは認めるが、しかし、最近ややもするというと、官庁間の十分な意見の交換がなされないかあるいは意見相違があるのか知らぬけれども、とかく他の省から運輸省に向かって批判的な声が出ているのです。そういうことのないように、各省間は十分連絡をとって緊密にして、そして行政をうまくやるように、これは参事官、帰ったら、自動車局長なり大臣に報告をして、各省間の連絡を密にして、りっぱな運輸行政をやるように、こういう叱咤激励をされたということを、ひとつ伝えてください。これでおしまいです。
#60
○戸田菊雄君 関連質問で、ちょっと質問しておきたいわけです。
 いまいろいろと答弁の中で一貫して感ずることは、運輸省で何か料金政策といいますか、広義でいうならば運賃政策、こういうものに対する一貫した方針というようなものがないような印象を受ける。
 それから、もう一つは、いまのハイヤー、タクシー、あるいはバス料金、こういったものはすべて政府の認可を必要とするわけです。そういうものに対して、ケース・バイ・ケースで、その状況によって許可をしていく、こういうことであれば、私は広義でいう運賃政策というものは全く野方図になっていくと思う。たとえば、いま冷房装置に対する二割料金の問題が問題になったのですけれども、これを押しなべて考えていくと、国鉄だって冷房装置をやって、サービスを提供している。これから自動車がだんだん改造されまして、冷房を備えつけるというのが常識化していくだろうと思う。こういうものに対して、一体料金政策の中にそういうものは入れていいのかどうか。こういういわば料金政策の方向として、運輸省はやっぱり一定の方向というものを持ち合わせていなくちゃいけないと思う。それが全然ない。たとえば大阪の問題については、陸運局でかってに認可して、それを事後報告か何か知らぬけれども、こちらに報告する、こういうことです。こういうことではたして料金政策や運賃政策というものは、うまい政策というものはとっていけるのかどうか。
 たとえばこれが全部、あらかじめ冷房料金の二割を、新しく機械を設置したからその部分として、各個人営業のタクシーの人たちは、どうしても大衆に負担をしてもらわなければいけないから、料金にかぶせていく、こういうことになっているのかどうか知りませんけれども、そういういわば料金政策、運賃政策に対する運輸省の一貫した態度というものは、私はなくちゃいけないと思う。国鉄がかりに今後運賃改正のときに、夏場において冷房装置をやるからこれもあわせてサービスのやつは料金政策の中に入れていく、こういうことになれば、それを運賃政策として運賃を上げていかなければならぬ。こういうことに対して、一体行政指導はどういう方向で臨むのか、その辺ひとつ教えていただきたい。
#61
○説明員(上原啓君) 運輸省といたしましては、特に自動車関係につきましては、一貫した運賃政策を実は持ち合わせておるつもりでございます。これは合理的な経営のもとにおける適正な原価を償う、しかも過当競争を生じないような運賃という一貫した政策があるわけでございますけれども、数年前からの物価対策としての公共料金抑制策のために、この伝統的な自動車の運賃政策というものが完全な姿で実施することが困難になっております。したがいまして、ここ数年は、ケース・バイ・ケース、合理的な経営を行なってもなおかつ欠損を生ずるものについてそれを認める、こういうケース・バイ・ケース的な姿になっておるということでございまして、これは経済が正常化いたしましたならば、もう少しすっきりした形のもとの姿に戻っていくというぐあいにわれわれは信じておるわけでございます。
#62
○戸田菊雄君 もちろん、それは事業をやるのですからね、事業者が経営が成り立たないようでは困ると思う。同時に、やはりそれを利用するのは大衆でありますから、大衆の生活がやはり保障されなければいけないと思いますね。それで、いまの常識からいくならば、当然サービスというもの、快適さというもの、こういうものは交通条件としては入ってくる。そういうものが総合加味された上に立って、料金なり運賃というものが策定されていかなければいかぬと思うのですね。ただ事業経営が成り立つかどうか、これだけを考えられたのでは、先ほど質問された労働者の賃金にいたしましても、利用する大衆の負担部面について、あるいは快適という部面、交通政策上必須条件といわれるそういう面について、当然サービスとして一部入るべきものがあるわけだ。そういうものを総合的に指導監督する運輸省でありますから、利用する者も事業をやる者も、全体が理解し納得するというものでなければいけないと思うのですね。そういうものがいまの回答では私はどうも納得しかねる。どうですか。
#63
○説明員(上原啓君) 旅客のサービスに必要な原価、それから労働者の職場環境の改善に必要な施設その他の原価というのは、これは全部織り込んで、総合的な原価というものを算定いたしまして、その上であるべき運賃を判断するのが現在のわれわれの考え方でございます。
#64
○須藤五郎君 大臣も時間があるそうだし、社会党の諸君が相当質問しましたから、私は一、二点だけ確かめておきたいと思います。
 LPガスが最近家庭でたくさん使われるようになったわけですが、家庭用のLPガスとそれから営業用と、どれくらいの比率になっておりますか。
#65
○説明員(結城義人君) 数字でございますので、便宜、私のほうからお答えをいたします。
 先ほど御説明いたしましたように、四十二年度の需給計画の需要の内訳でございますが、家庭用が二百二十三万トンに対しまして、自動車用は九十六万トンでございます。そのくらいの開きがございます。
#66
○須藤五郎君 そうすると、営業用と家庭用と比べれば、家庭用が非常に少ない……。
#67
○説明員(結城義人君) 逆でございます。
#68
○須藤五郎君 そうすると、家庭用のガスにまで税金をかける必要はないと思うのですがね。だって、家庭用で使うのが道路の費用に使われるということは、何だか筋の通らぬおかしいことだと思うのですよ。だから、せめて家庭用のガスは税金をなくするというのが私は本筋じゃないかと思うのですが、どうですか。
#69
○説明員(結城義人君) 石油ガスに課税になっておりますのは、実は自動車用の石油ガスでございまして、家庭用の石油ガスには課税になっておりません。
#70
○須藤五郎君 私はこの前、これが当委員会を通るとき討議に参加しなかったので、詳しく存じませんでしたので、そういう愚問を発しましたが、それならば了承できると思います。
 で、ガソリンとLPガスとの違いというか、私が聞いていると、LPガスのほうが排気ガスが少なくて、非常にガソリンよりはいいということを聞いておるのですが、それが事実かどうか。ならば、むしろ政府として、ガソリンを使うよりもLPガスを使うように奨励したほうがいいと思うのですが、その点。それからまた、一説によると、ガソリンよりもLPガスのほうが危険率が大きいということも聞いているんですが、それについても伺っておきたいと思います。
#71
○説明員(結城義人君) 御質問のような仕事につきましては、実は通産省が所管だと思いますが、便宜、私のほうからお答え申し上げますと、LPGがガソリンに比べて公害の度合いが少ないということが一般的には言われております。そのためにLPGの税金をやめるべきだということにはならない点は、先ほど申し上げましたように、実は道路財源の揮発油税とのバランスの問題があるということでございます。
 なお、奨励すべきかどうかということに関しましては、通産省のほうの所管でございますので、税務当局のほうとしてはちょっとお答えいたしかねますが、よろしくお願いいたします。
#72
○須藤五郎君 危険率は……。
#73
○説明員(結城義人君) 危険率は、一般的な常識といたしましては、危険を防ぐためにLPGのほうがよりむずかしい設備が要るということにはなっております。しかし、その設備が完全であれば危険はない、かようになっております。
#74
○須藤五郎君 この石油ガス税法の附則にある税の軽減の点、これを二年間延ばすというのが今度の法案だと思うんですが、二年間と期限を切った理由は何なのか。今後ともまだ、二年たったらばその次もこれをずっと延長していくという意向があるのかどうか、聞いておきたい。
#75
○説明員(結城義人君) いまの段階で、政府といたしましては、二年間というのを提案しております趣旨は、二年たちましたら本則の十七円五十銭に返したい、かようなつもりでございます。十七円五十銭の本則の性質は、実は揮発油とのバランスをとって、道路財源としての効率をバランスをとってきめた金額でございますので、二年たちましたらその本則に返したいと思います。
#76
○委員長(竹中恒夫君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#78
○須藤五郎君 私たちは、この法案はやはり大衆課税だという点で、従来反対をしてきたのです。しかし、今回の法案は、単に附則にある、十七円五十銭を従来どおり二年間十円として、大衆課税を少なくする趣旨を二年間延長するという法案だけなのですから、その見地に立ちまして、大衆課税を軽くするということを二年延ばすというそういう解釈に立ちまして、今度はこの法案に賛成をすることにいたします。
#79
○委員長(竹中恒夫君) 他に御意見もないようですから、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。石油ガス税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#81
○委員長(竹中恒夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(竹中恒夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は七月六日(木曜日)午前十時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト