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1967/07/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第27号
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1967/07/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 大蔵委員会 第27号

#1
第055回国会 大蔵委員会 第27号
昭和四十二年七月十三日(木曜日)
   午前十時四十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
  七月十三日
     辞任       補欠選任
      戸田 菊雄君    成瀬 幡治君
      二宮 文造君    和泉  覚君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                青柳 秀夫君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                西田 信一君
                野上  元君
                野溝  勝君
                二宮 文造君
                瓜生  清君
   政府委員
       大蔵政務次官   小沢 辰男君
       大蔵省証券局長  加治木俊道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   参考人
       証券投資信託協
       会会長      間島 達夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○理事(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 証券投資信託法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由及び補足説明を順次聴取いたします。小沢大蔵政務次官。
#3
○政府委員(小沢辰男君) ただいま議題となりました証券投資信託法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 現在、証券投資信託は、広く一般大衆の間に普及し、その信託財産の証券市場全体に占める割合も相当大きなものとなっておりまして、その健全な運営は、社会的にも、また国民経済的にも、きわめて重要な課題であります。
 このような状況にかんがみまして、証券投資信託における受益者の保護を一そう徹底するとともに、証券市場の健全な発展に資するため、ここに証券投資信託法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、証券投資信託の委託会社は、受益者に対して忠実義務を負う旨を明らかにするとともに、信託財産の適正な運用を確保するための措置を講じ、受益者の保護に資することをはかっております。すなわち、委託会社がその運用の指図を行なう信託財産相互間において一定の有価証券の取引を行なうこと、及び同一法人の発行にかかる同一種類の有価証券を一定の割合をこえて取得することを指図すること等、受益者の保護に欠けまたは信託財産の運用の適正を害する行為を行なうことを禁止することとしております。また、信託財産として有する有価証券にかかる議決権、その他株主の権利のうち必要と認められる権利の行使については、委託会社にその指図を行なわせることとしております。
 第二に、投資信託業界の自主規制を強化し、その健全な発展に資するために、証券投資信託協会の目的、業務及び監督等に関する規定を設けることとしております。
 第三に、現在、各委託会社は、多数の単位型証券投資信託について運用の指図を行なっておりますが、これらの運用を効率化するために、株式等に対する投資を特定の信託において集中して行ない、その信託の受益証券を単位型の証券投資信託に組み入れることとするいわゆるファミリー・ファンド方式を認めることとし、このような信託についても、証券投資信託とみなしてこの法律の規定を適用することとしております。
 このほか、委託会社の免許基準、監督に関する規定の整備、その他投資者保護のため必要な規定の整備をはかることといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#4
○政府委員(加治木俊道君) ただいま政務次官から提案の理由、その概要について説明がありましたが、証券投資信託法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。
 今回の証券投資信託法の改正は、証券投資信託の受益者の保護の徹底をはかり、あわせて証券市場の健全な発展をはかるための施策の一環として提案するものであります。
 まず、委託会社の受益者に対する責任を明らかにし、信託財産の運用の適正を確保するための所要の規定について御説明申し上げます。
 本来、証券投資信託におきましては、信託財産の運用指図権を有する委託会社は、その管理保管の責めに任ずる信託銀行とともに、受益者に対し実質的には共同受託者たる地位にはあるのでありますが、法律上は委託会社の受益者に対する責任関係は必ずしも明らかではありません。そこで今回、信託財産の運用にかかる指図を行なうにあたって、委託会社に受益者に対する忠実義務を課することとし、その責任を明確にすることといたしたのであります。また、委託会社の指図行為等の中で、信託財産ないしは受益者保護の見地から、行なってはならない行為としまして、第一に、その運用の指図を行なう信託財産相互間において、好ましからぬ有価証券の取引、いわゆるコロガシを行なうこと、第二に、信託財産の危険分散のため、委託会社がその運用の指図を行なうすべての信託財産をもって、同一法人の発行にかかる同一種類の有価証券を一定割合をこえて取得すること、第三に、その他受益者の保護に欠けまたは信託財産の運用の適正を害するものとして大蔵省令で定める行為を禁ずることといたしております。
 また、信託財産の運用を一そう効果的に行なわしめるためには、信託財産として有する有価証券にかかる議決権並びに株式の転換請求権、営業譲渡等を理由とする株式の買い取り請求権、新株引き受け権、その他これらに準ずるような株主の権利の行使について、委託会社自身の意思が反映されることが必要でありますので、これらの権利の行使については委託会社が指図することといたしております。なお、これに関連しまして、信託財産として有する株式にかかる議決権の行使については、商法に、会社は株主が二人以上の代理人を総会に出席させることを拒否し得る、こういう規定がございますが、この旨の規定は適用しないことといたしております。
 次に、証券投資信託協会に関する規定について御説明を申し上げます。
 証券投資信託について、投資者の保護をはかり、投資信託制度の健全な運営を確保するためには、まず、業界自身によって必要な規制を行なう等、所要の措置をとり得る体制が確立されることが望ましいのであります。このため、証券投資信託協会の目的、業務等について規定するとともに、協会に対する監督権限を明らかにし、協会が公益的な立場から高度の自治機能を発揮することを期待いたしております。
 なお、現在あります社団法人証券投資信託協会につきましては、この法律の規定の趣旨に即して、定款、業務規程の変更、整備を行なった上で、新法の規定による協会となるものといたしております。
 次に、証券投資信託とみなす信託について御説明申し上げます。現在、各委託会社は、多数のユニット型投資信託の運用の指図を行なっておりますが、これらのファンドについて徹底した分別管理を行なうことは、実際問題としてなかなか困難な面がございますので、その改善策の一つとして、ファミリー・ファンド方式が考えられております。この方式は、数個のユニット型投資信託、いわゆるベビー・ファンドにつきまして、これを設定するごとに、その信託財産に株式等を組み入れるかわり、ベビー・ファンドに株式等を組み入れるかわりに、同一のマザー・ファンドの受益証券を組み入れることとし、これらベビー・ファンドの資金をマザー・ファンドに集めて、ここでまとめて株式等への投資を行なおうとするものであります。このマザー・ファンドの受益者は、ベビー・ファンドを受託している信託銀行に限られることとなるため、従来の証券投資信託の概念には入りませんので、証券投資信託とみなして、この法律の規定の適用を受けることといたしております。
 以上のほか、委託会社の免許基準として、その営もうとする業務が証券投資信託及び証券市場の状況に照らし、必要かつ適当であることを別号として加え、委託会社の免許申請者に業務方法書を添付させることとし、商号、資本の額、業務の方法の変更を認可事項とするほか、委託会社について、受益証券の説明書及び信託財産の運用報告書の作成業務を明らかにする等、所要の規定の整備をはかることといたしております。
 以上、この法律案の提案理由につきまして、説明を補足いたしました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださるようお願い申し上げます。
#5
○理事(青柳秀夫君) これにて休憩いたし、午後一時より再開いたしたいと思います。午後はこの法律案について参考人より意見を聴取いたします。
 これにて休憩いたします。
   午前十時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
  〔理事青柳秀夫君委員長席に着く〕
#6
○理事(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、戸田菊雄君、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として成瀬幡治君、和泉覚君が選任されました。
    ―――――――――――――
#7
○理事(青柳秀夫君) 証券投資信託法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 ただいまから、本案について参考人より意見を聴取いたします。御出席をいただきました参考人は、証券投資信託協会会長間島達夫君でございます。
 間島参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙のところを御出席くださいまして、まことにありがとうございます。つきましては、本委員会の審査のために、忌憚のない御意見をお述べくださいますようお願いいたします。
 なお、議事の進め方でございますが、初めに参考人から御意見をお述べいただきまして、それが終わりましたら、委員の質疑に入りますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、間島参考人に御発言を願います。間島参考人。
#8
○参考人(間島達夫君) ただいま委員長から御紹介のございました間島達夫でございます。私、現在、投資信託協会の会長のほかに、山一投資信託の社長を兼ねております。よろしくひとつお願いいたします。
 それでは、委員長のお話にございましたので、最初、少しばかり陳述をさせていただきたいと思います。
 冒頭に申し上げたいことは、あとで理由は御説明申し上げますけれども、今度政府で御提案になりました証券投資信託法の一部を改正する法律案につきましては、業界も納得しております法律なのでございますが、ぜひ今度の国会で成立することを希望しておるということを申し上げておきたいと思います。
 で、いろいろまた話はございますけれども、最初に、投資信託は一体どうなっているかという概況を少しばかり御説明申し上げたいと思います。
 投資信託は、ここ二年半ほど、元本が非常に減り続けておるというのが現状でございまして、ちょっと数字で申し上げますと、三十九年の十二月の末、ちょうど二年半前になりますんですが、株式投信の残存元本は一兆一千六百十五億ございました。公社債投信はその当時二千九十五億ほどでございましたが、この株式投信、これが毎年毎年減り続けてまいりまして、ことしの六月、先月の末には七千四百七十三億に減ったわけでございますが、幸いに公社債投信のほうは、ことしの六月末で二千四百六十六億でございますか、これはふえておる。これが幾らか、私ども業界といたしまして慰めの点でございます。ただいま申し上げましたように、三十九年十二月からことしの六月の末までに減りました額と申しますのは、実に四千百四十一億になっておる。これはたいへんな減り方でございます。
 ただ、私のほうで幾らか明るい希望が持てますと申しますのは、減り方がだんだん減ってきておるということでございます。いま四千百四十一億減ったと申し上げましたが、そのうち四十年じゅうに千九百五十二億減っておりますが、昨年、四十一年じゅうには千六百五十五億減ったわけでございますが、ことしは一月から六月まで半年の間に、五百三十四億減っておるわけでございまして、少しずつ減り方が減ってきたということで、幾らか私どもは将来に明るい希望を持っておる、こういうことが言えるかと思うのでございます。
 で、この株式投信、これは字のとおり、株式を主体に運用しておるものでございますけれども、減ってまいります場合の株式投信の運用というのは非常にむずかしい。ふえないものですから、むしろ売る一方の投信運用になりがちなものですから、われわれ業界としては非常にやりにくいということでございまして、われわれ業界にとっては、この減り方は非常にたいへんなことだということでございます。
 投信がどうしてこんなに減ったのかと申しますと、過去のことを多少申し上げたいと思うのでございますけれども、過去の高度成長時代に投信は非常に躍進に躍進を重ねたのでございますが、先ほど申し上げましたように、最高のときは株式投信で一兆以上の残存総額を持ったわけでございますけれども、少し調子に乗りまして、高度成長時代におきましては非常に高い分配を行なった。それから、お客さんに、これはユニットが主体でございますけれども、元本五千円のものに対してお返しするときは一万二千円とか一万三千円、もう倍以上の償還をいたしました。これは非常にその御利用になりましたお客さんには喜んでいただいたのですけれども、多少調子に乗り過ぎたという点がございまして、その反動期、三十六年以降だんだんに市況が悪くなってきたその当時におきまして、だんだんにこの分配率が低下してまいった。そういうことと、これは非常に悪いことでございますが、元本が割れてまいったという現象が起こったわけでございます。この点につきましてはいろいろ市況の関係もあろうかと思いますけれども、調子に乗り過ぎて運用に慎重な態度が欠けておったという点で、受益者の方にはまことに申しわけないと心からおわびしておるわけでございますが、ただ私どもとしてはそういうふうに反省を重ねております。
 現在まだ残存元本を七千億以上かかえております。それから、業界としては、この際何とか投資家の、信頼を回復して盛り返したいという気持ちを持っておるわけでございますが、それにつきましては、いろいろわれわれは研究検討を重ねてまいりました結果、やるべきことというのは、まず第一に、どういうことが欠陥であるかということを深く考えたわけでございます。これは最初に投信が本業との兼営で出発した、こういういきさつもございまして、本業との関係がなかなか断ち切れないという面が、かなりこれが悪くなったことに対する理由の一つになっておるわけでございまして、私どもはどうしてもこの際は本業――本業というと悪いのだけれども、各投信会社を生みました、委託会社を生みました証券会社のことでございますが、それとの関係をここで断ち切り、分離独立する。完全に分離独立して、自主的に運営できるような方向に持っていくことが、これが一番大事なことである。それに付随をいたしまして、まず調子のいいときでも株式をむやみやたらに入れるということはやめようじゃないかというようなことで、株式組み入れ比率の検討、それからもう一つは、これは非常に悪名をとどろかしたものでございますが、いわゆるコロガシということも、これは自粛しようじゃないか。このコロガシと申しますのは、これは通俗語でございまして、われわれの仲間では信託財産相互間の売買取引とこういうことでございますが、過去においてあまりひんぱんにやって、いいときはよかったのですが、こういうふうに悪くなると、かなりこれが弊害になった。こういう点を検討しようじゃないか。
 それからもう一つは、株が下がった場合の歯どめをひとっこしらえようということで、いわゆる価格変動準備金というものの制度を強化いたしまして、何とか多少でも株式市況が悪くなってもこれは歯どめになるようにしたい、こういうようなことを考えたわけでございます。
 三十八年以降いろいろわれわれはこの制度につきまして、いま申し上げた制度について考えて、やれることはやってまいったわけでございますが、一応昨年の十一月、あとで申しますけれども、十一月にきめました制度改善を含めまして、われわれといたしまして、現在の段階でやれる制度改善あるいは改正は一応全部やったということでございますが、昨年の、いま申し上げました十一月にきめました、これは協会としてきめました投信制度の改善要綱というのがございますけれども。これが一番大きな改善でございます。
 御参考に、ちょっとどういうことをそれできめたかということを申し上げたいと思うのでございますが、三つございますが、その一つは、先ほど申し上げましたことに関連があるのですけれども、委託会社の自主運用体制の確立ということでございます。これはむずかしいことばで申し上げましたけれども、中身を申し上げますと、いわゆる本業たる証券会社からいかにして分離独立するか、それを完全なものにするかということが根幹になっております。それにつきましては、まず本業の投信販売部門のシェアと申しますか、販売の高でございますが、そういうシェアは、これはやはり少なくしなきゃいかぬということで、これを証券会社以外に投信専門の販売会社がございますけれども、そういうものも含めまして、そのほか中小の証券会社にも投信を売ってもらおう、いわゆる販売の公開と申しておりますが、そういうものをやろうじゃないか、こういうことをきめたわけであります。それから、それにからみまして、販売してもらうのだから、してくれた中小の証券会社には投資信託の株式の売買に対して委託発注をする。これは早く申しますと、本業に集中をしておりました委託発注を分散する、こういうことでございます。そのほか本業証券会社との間の役員人事の問題につきましてもこれをきめて、あまり交流を盛んにやらないというようなことをきめたわけであります。
 それから、その二でございますが、これは過去におきまして、非常に調子のいいときには幾らでもやるというようなこと、あるいは株を幾らでも入れるというようなことをやった。そういうことも反省いたしまして、まず投信協会というものを強化しようじゃないかということで、これを場合によっては法律上の協会にしたらどうかというようなことをわれわれは論議したわけであります。われわれのできますことをやったわけですが、それは理事会というのが意思決定機関の最高のものでございますが、その中に業界だけがなくて会員外の理事に入っていただく。それで公正な意見を吐いていただこうということでございます。
 それから、もう一つは、非常に景気が過熱いたしまして、投信の募集は幾らでもやる、そういうふうになると非常にありがたいのですが、今後そういうこともあろうかと思うのですが、そういう場合にわれわれは自粛して、募集額なりその他につきまして一応の何らか制約をこしらえたらどうか、そういうことを諮問する機関あるいは理事会に対して勧告する機関といたしまして、評議員会というものをつくったわけでございます。ことしの四月の総会におきまして定款を改正いたしまして、一応理事会のほうには会員外の理事を入れる。評議員会をつくって、その評議員会の構成につきましても、業界だけでなくて、業界の外から学識経験者として中正な、公正な意見を吐かれる方を入れよう、こういうことをきめたわけでございます。
 それから、その三といたしましては、これはこまかい制度改善、従来やってまいりましたことのこれは最後的なあれと申しますか、そういうことできめたものでございますが、これは株式の組み入れ比率を従来よりもさらに下げようじゃないか。これはユニットでございます。いま申し上げましたのは単位型、ユニット型の投信についての改善でございまして、株式の組み入れ比率を従来よりも下げよう。それから、価格変動準備金、これは従来やはりやっておったのでございますけれども、準備率を上げるということでこれをきめたわけでございます。
 それから、ユニット型につきましては、いろいろ、買ってすぐ解約する方があるのでございますけれども、そうすると非常に運用がまずい、そうするとほかの受益者にも迷惑をかけるということで、早期解約防止の措置をとろうということで、これもきめたわけでございます。そのほか、信託報酬につきまして、単位型につきましては従来残存元本に対して一定の率をかけて信託報酬をもらっておったわけでございますけれども、これは運用の巧拙が反映しないから、ユニットの基準価額にこれをかけてもらう、こういうことにきめた。
 いま最後に申しました第三の、ユニットの制度の改善につきましては、これはもう実行に移っております。そういうことで、いろいろわれわれのやりますことは一応現在の段階で終わったということでございますが、先ほど申し上げました投信協会を法律上のものにするとか、あるいはさらにいままでしてきたことを法律に明記することによって一そうしつかりしたものにするという意味で、この投信法の改正という問題も起きまして、これは大蔵省のほうからいろいろ御相談を受けましたし、この法案についてもお示し願って、われわれも業界として一応いろいろ内部で検討いたしました。私どもといたしましても、この法案については、再度申し上げるわけですけれども、納得しての法案ということで、先ほども言ったように成立を希望している、こういうことを申し上げたわけでございます。
 そこで、今後の問題でございますけれども、従来いろいろわれわれは制度改正なり改善をやつてまいったわけですけれども、こういうことがしょっちゅう新聞に出ますというと、要するに問題になっておる業界の商品というものはなかなか売りにくいということをわれわれは痛感したわけなんでございますけれども、改正なり改善をやるなら、それが済んでから買おうじゃないかというのが、これは人間の心理かと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、早くこの法律も通って一応われわれのやれる改正なり改善は終わったという体制を示したいわけでございまして、今後はこの法律の成立、これを新しい出発点といたしまして、前向きに前進し、そうして真剣にこの投信業界の健全な発展をはかっていきたいというのが、私の現在の心境でございます。
 おそらく、この法律が通りまして、われわれとしては制度の改正なり改善は一応やった、体制は整ったと申しましても、投資家はなかなかそれですぐ投信を買ってくるという状態にはならない。われわれはそれに加えまして、投資家にとっては非常に魅力のある商品というものをつくり出していかなければならない。これは非常にむずかしいわけでございまして、われわれの努力は今後そのほうに向けていくということになろうかと思うのでございますが、いままで非常に投資家のイメージをこわしたわけでございますので、なかなかこれが売れていくという状態が来るまでには非常に忍耐強い、あらゆる困難を耐え忍んで努力していかなければならないかと、こう思っておる次第でございます。
 ただ、幸いなことにいたしまして、この投信の品物は、いわゆる投信というパイプを通して大衆の資金を資本市場に導入するという意味におきまして、大方の皆さまからは、これは国民経済的に見て重要な仕事であるということを言っていただいております。
 それから、もう一つは、この投信制度はアメリカで一番発展しておりまして、毎年非常な伸びを見せております。三月の末でございますが、アメリカのミューチュアル・ファンドの残存元本は約四百億ドル近くになっておるわけですから、日本の円に換算いたしますと十四兆近くになっているわけであります。これはやはり投信というものが大衆には受けておる、魅力があるのだという一つの証左だと思いますので、海のかなたのことでございますけれども、日本にもやがてそういう時代が来るということで、その点につきましては非常に明るさを持っております。私も、日本におきまして、再度申し上げますと、投信というものは非常に大きく発展する可能性を持った事業であるということを自負しておるわけでございます。この二、三年来、われわれは四面楚歌の中で一生懸命やってまいりましたけれども、ともかくそういう明るさがあるものですから、これからさらに一そうその努力を続けて投信の健全な発展をはかってまいりたいと、こう思っておるわけでございます。
 以上で終わります。
#9
○理事(青柳秀夫君) ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の開陳は終わりましたので、ただいまの御意見に対し質疑のあるお方は、順次御発言を願います。
#10
○野上元君 ただいまは投資信託の概況について詳しく御説明いただきまして、私たちも非常に参考になったのですが、その中で特にあなたもその重要性を認め、かつまたその困難性も認められておるとおり、国民の投信に対するイメージが非常に悪くなった。従来のイメージをことごとくスポイルしてしまったというような今日の状態から立て直すために、どういう制度が大衆に魅力があるかという問題になろうと思いますが、そういう魅力のあるものをあなたのほうで何か考え出して挽回する以外に、ちょっと手がないというふうに考えるわけですが、しかしながら、そのあなた方も魔術師ではないと思います。やはり資本主義の中値生きておられる。そしてまた、あなた方自身も企業ベースにのっとって今後やっていかれることになるわけですから、経済が過去のように飛躍的に高度成長する時代においては、かつての夢よもう一度ということもあり得るかもしれません。しかし、政府は御承知のようにこの過熱をきらって安定成長経済を続けていくというようなことになりますと、あなた方がいかに考えられてみても、この安定成長の中から大衆に魅力のあるものを創設するといってみても、はたしてそれが可能なのでしょうか。その点が私は非常に心配なわけですが、大衆の魅力というものは、要するに五千円の元本が何年か後には一万三千円になり一万五千円になるということが魅力だと思うのですが、それ以外に何かあなた方で考えておられることがあれば、ひとつお見通しをお聞かせ願いたいと思うのです。
#11
○参考人(間島達夫君) お答え申し上げます。
 まあ制度は一応そういうふうにいたしましたけれども、先ほど申し上げましたように、この魅力ある商品というものは非常にむずかしいわけでございまして、私のほうも、これは山一といたしましていろいろお客様に接して御意見を聞いております。これは一昨年あたりから聞いておるわけですが、最近も聞きましたのですが、二通りございまして、一つは、分配率は高くなくてもいいから、ひとつ元本だけは割らないようにしてほしいというのが一つの御意見でございます。もう一つは、おれは昔持っておって非常に高い分配をしてもらったし、いい値段で紹介してもらったのだから、そういうことをもう一度やってもらいたいという御意見があるわけでございます。いまおっしゃいましたように、私どもは、三十五年、三十六年のあのような高度成長時代というものははたして来るのやらわかりませんけれども、これは近いうちに来るとはいまのところ考えない、将来はわかりませんけれども。そういたしまして、政府でうたっております安定成長の時代に、それでは魅力ある商品ができるのかという問題は、私どももことしあたりから考えてまいったわけでございますけれども、最近私どもがお客様に打ち出しております説明は、もう昔のような高度成長は終わったのだから、とても昔のような分配、そして高い償還率というものはちょっと確信がございませんと。そこで、私どもは、まあ元本は必ずしも割らないということは保証できないわけでございます。したがいまして、利回りの点で何とかお客様に報いたいということで、最近われわれはお客様に申し上げておりますことは、われわれとしてこれから、もうこれは過去のことですけれども、分配率はそう高いものにはまいりませんと。しかし、おおむね五分五厘くらいにはいたします。これは年一回の分配でございます、五分五厘にいたしますと。それから、五千円のものは五年目にお返しいたしますときには六千五百円でお返しいたすように努力いたしますと。そういたしますと、分配金と償還の差額を入れますと、ちょうど年率にいたしまして総合利回りが一割ぐらいに回るのでございますが、そういうことでどうでございましょうかということを、方々のお客さまに聞いておるわけでございますけれども、大方のお客さまは、ことに最近の新しいものを買っていただくお客さまは、一割に回るならば、これはわれわれにとっては魅力があるということを申していただいておるわけでございます。
 私ども、目標は、いま申しましたように、そういうふうに一年に総合利回りが一割ぐらいに回るような方向で努力しております。現にまあ最近の新しいものを見ましても、一年ぐらいで一割以上に回っているものもございますし、それ以下のももちろんございます。これはまあ努力が足らなかったということで反省をしておりますが、やれば、さっき申しました制度改正の中で、一割五分ぐらいに回せるように運用できるということにもなる。そういうことで、大体最近のお客さまは納得していただいているものでございますから、われわれの魅力あるというのは、一応そんな辺で考えておるわけでございますけれども、なおいろいろくふうをこらしたいということを常に念願して努力しているわけでございます。
#12
○野上元君 元本だけは割ってもらいたくないという願望は、これはもう当然のお話なんですね。しかし、これはもうすでにして投資信託に投資をした人の言い分だと思うのです。これから入る人は、せめて元本だけは割ってくれるなということで新しく投信に私は投資する人はいないと思うのです。もしもそんなことするなら、よほど金持ちであって、あるいは将来、いま投資しておけば、また三十割、四十割ということで返ってくるということがあり得るというような見通しがあれば、あるいはそういうこともあり得るかと思いますが、あなたがおっしゃっておいでのように、将来かりにそういうことがあっても、そういう配当はやらない。せめて年総合利回りが一割ぐらいになるというもので押えていかなければならぬ。でないと、今度は元本割れのないように保証することができないというようなことになると、魅力としては、将来新しい資本家を、受益者を募集していくのに、勧奨していくのには、非常に力が弱くなるような気がするのです。その点はどういうふうに切り抜けられるかは皆さん方の手腕にまつところが大きいと思います。
 それともう一つ、価格変動準備金というものをつくられているわけですね。この価格変動準備金というものの運用はどういうふうにやられるのですか。たとえば現在元本割れの際には、元本割れはもちろん補てんをするし、あるいはまた最高年一割の利回りは価格変動準備金で確保してやる、こういうことを考えておられるのですか、その辺の運用の方法をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#13
○参考人(間島達夫君) お答え申します。
 最初の、一割ぐらいではあまり魅力はないのじゃないかというお話でございますけれども、私どもはこういうふうに反省して、これから立ち上がろう、再建して発展させようという場合に、いろいろ個人の金融資産の問題もあると思うのですけれども、まず最低線としては元本を割らないでいこう。しかし、それではお客さまはお買いにならない。要するに銀行の定期預金よりも安い利率ではだれも買う人はございませんで、貸付信託は現在七分二厘二毛でございますので、それと同じではだめだというので、一割という目標を一応きめたわけでございます。当分は私は、過去のあれにかんがみまして、その線で、それを買ってくれるお客さまを目当てに少しずつふやしていきたいということを、そういうことを念願しております。
 それから、いろいろアメリカの制度などを研究しておりますと、なかなかおもしろい商品が向こうでは出ているのですけれども、日本の国情あるいは環境からいって、それがすぐ日本で受け入れられるかどうかは問題がありますけれども、そのほか新種のもので魅力のものがありましたらやろうかと思いますが、これはきょう研究してあしたやろうというものじゃございませんので、これは長い時間をかけて研究してまいって、そうして確信のついたところでそういうものを打ち出していこうということで、現在のユニットのそういうものを続けていく反面、そういうものも研究していこう、こういう心がまえでございます。
 それから、価格変動準備金でございますけれども、これはいま一万円で募集しておりますユニットは、ことしの初めから半年目にそれが一万五百円になったといたしますと、五百円の六〇%、六割、これはもうたとえば株を売って現金にいたしましても、その六〇%についてはもう株に運用しない、コールなり公社債にそれをためておく。そういたしますと、そういうのがだんだんたまってまいりますと、株式が下がった場合にういても、それが多少歯どめになって、昔のようなひどい下がり方はしないのじゃないかということで、そういうシステムを考えたわけでございます。私が先ほど、去年の制度改善要綱で引き上げたと申しますのは、従来これは四〇%でやっておったのですが、どうも四〇%じゃ足りないから六〇%に上げよう、こういうことで上げたわけでございまして、いますでに実行しておるわけでございますが、将来これがどういう効力を発揮いたしますか、私どもはこれはかなり歯どめになるのじゃないかと考えております。
#14
○野上元君 アメリカが年々非常にふえているというようなことがいま御説明にありましたので、これは後ほどまたお聞きするとして、いまの価格変動準備金のやつは、何といいますか、株価の変動を食いとめる一つの歯どめにしようということが主であって、元本割れのないように保証するというようなことは全然考えておられないというふうに理解してよろしゅうございますか。
#15
○参考人(間島達夫君) この点、非常に誤解が起きますといけませんので、お答えさせていただきたいと思います。大体株式の組み入れ限度と申しますのは、去年の十一月にきまりましたのは、従来七五まで入れてもいいということを七〇にしたわけでございます。われわれ実際に運用いたします場合には、七〇きっかり入れますと、株がちょっと上がりますとそれを越してしまいますものですから、それよりちょっと内輪に入れておくわけでございます。ともかく六割以上を株に運用しておるという場合に、株が下がった場合には、これはもう絶対に元本割れしないという保証は私はできないと思うのですけれども、ただ割れ方を過去のようにひどくしないようにするためにいろいろとやっておるわけでございます。比率を下げたのも一つの防止法でございますけれども、だんだん元本を越した場合に、先ほど申したように、元本を越した分を全部株にするとかなんとかして七〇を維持してまいりますと、株の下がったときに切り下げ価格のひっ込め方がひどいということで、そういうものは六〇%を株に運用しないということで、だんだんそれがふえてまいりますと、全体の中の株式の組み入れ限度は七〇%よりだんだん下がっていくわけでありますから、過去のあれに比べまして、いまはそういうことでできるだけわれわれは元本割れを防ごうということにいまかなり重点を置いておるわけであります。その一方において、先ほど申し上げましたように、一割の総合利回りになるような運用をやっていく、こういうことで非常にむずかしいことをわれわれはやろうということで努力しておるわけでございます。
#16
○野上元君 非常にしつこく聞いて恐縮なんでございますが、元本割れをなくそうというふうに言っておられるけれども、いまの間島さんの御説明によりますと、元本割れに対する保証というものはないのですね。それはあなたのほうの運用の妙を得て、元本だけは保証するような運用をやろう、そのためには株式の組み入れ率を少しでも下げて、そして公社債のほうに、比較的安全な社債投資をやろう、そのことによって株価の変動のゆれを少しでも防ごうということが、いわゆる元本の保証というか、元本割れはしないような運用をやろうということになるわけですが、そうしますと、大衆から見ると、必ずしもそれは保証ということにならないわけですね。それでもなおかつ、株式の組み入れ率を六〇%あるいはは五〇%に下げても、なおかっ株価の変動がひどいときには、元本割れはあり得るというようなことになりますと、非常にこれはむずかしい問題を含んでおるように思うのです。したがって、せっかく株価変動の準備金というものがあるとするならば、委託会社としてもあるときはもうけるわけですから、あるときはうんともうけ、あるときは非常に少な過ぎるというときもあるでしょう。しかし、それは大衆全部転嫁するのではなくて、大衆にはある程度の元本だけは保証するというようなために積み立てられる、準備金を積み立てられるというなら、私はよくわかるのですがね。いまのお話を聞いてみると、そうでもないし、要するに、株価変動を少なくするための歯どめにするための方法であるというふうに考えますと、大衆がよほどでないとこれは納得しないのじゃないかというような気がしますが、いわゆる魅力というものに関連してそういう疑義が生ずるのじゃないか。少しでもそういう心配があると、大衆は魅力どころか、みんな逃避してしまうというような心配があるのですね。そういう点、思い切った措置はできないものでしょうか。
#17
○参考人(間島達夫君) 私どもは投資家に直接接しまして、やはりこれは過去に元本割れのやつを買った方がおっしゃるのだと思いますけれども、非常に元本割れを心配なさる方が多いのです。そこで私たちは、まずそこにウエートを置こう、重点を置こうということでやってまいっております。早く申しますと、魅力のある商品で、元本をなるべく割らぬようにすることは、二律背反的な感じも受けるのですけれども、私たちは去年からのあれを見ましても、そういう実績が上がっておりますし、少しばかりの株価の変動ですぐに元本を割るというようなことも私どもは避けたい。
 私どもは元本を保証できないと申し上げましたのは、非常な、スターリン暴落とか、一日にダウが百円も七十円も下がった場合のことは、どうも私どもとしても自信はございませんが、いわゆる普通の変動でございますね、景気変動による変動については元本を割らないようにやりたい、こういう念願でございますけれども、どうも私の説明がさっきから足りないと思いますけれども、誤解のないようにしていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。何かございましたら……。
#18
○野上元君 お説はよくわかるのです、私も。あなたのほうも企業としてやっておられるわけですから、企業の採算を全然無視して大衆のためにやれというわけにはまいりません、これは当然。大衆もあるときには非常に大きな配当をもらって喜んだ時代もあるのですから、それはお互いに負担しなければならないと思います。思いますが、最近の状況を見てみますと、元本割れが非常に多いわけです。先ほど間島さん御説明になりましたように、四十年度から最近はぐんぐん落ちてきておるという一つの証左になってあらわれておると思いますが、これを挽回するためにはあなたのほうとしても相当思い切ったことをやっていかなければ、このままの状態でいきますと、減少のカーブは若干緩慢にはなった、こういって喜んでおっては、私は積極的な姿勢ではないと思うのですね。やはりこの減少を食いとめて再び上昇線をたどらなければ、証券業界としても、あるいはあなたのほうの投資信託のほうとしても、問題が多いと思うのです。そのためには相当思い切ったことをやらなければならぬと思うのですが、どうも間島さんのお話を聞いても、間島さん自身が二律背反的な方法なんだということを言っておられますが、元本だけは何とかして割らないように努力するし、総合利回りは一割を上回るものを何とかして出したい、こういうことを考えてみますと、そんなことがどうしてできるのかとばくは実はふしぎでしょうがないのです。魔術があれば教えていただきたいと思うのですが、そういうことをいろいろと総合してみますると、これはなかなかたいへんなことではないかというふうに思うわけです。
 それで、先ほどの話に戻りまするが、安定成長が続いていきますと、なかなかあなた方の思うような妙味が発揮できないというふうに考えます。しかし、企業として一つの歯どめが要ると思いますね。株価の変動によって大衆に迷惑を及ぼす、あるいは企業自体が危殆に瀕するというようなことは食いとめなければならぬかと思いますが、その場合、現在の安定成長経済が続くとして、株式の組み入れ率は大体どのくらいが企業的に見て限度だというふうにお考えになっておりますか。たとえば、企業の利益もある程度確保し、かつ大衆にも迷惑をかけないというのは、大体どの辺の組み入れ率が適当だというふうにお考えになっておりますか、参考のためにお聞かせ願いたい。
#19
○参考人(間島達夫君) 私は先ほど二律背反と申し上げましたのですけれども、私どもは改正してもらった制度の中で一割ぐらいには回わるようにということでやっているわけですが、まあ各社によってあれがありますけれども、やれば一割以上に回わるものもあり得るということが一つでございます。
 それから、いまのようなことではなかなか退勢が挽回できないではないか、こういうようなお話がございましたけれども、まあ私どもはしんぼう強く待って発展を願うんだということでございますが、われわれが安定運用に入りましてからの本数がだんだんにふえてまいりました。投資家も、最近のやつは割らなくて利回りもそう悪くはない、五分五厘はちゃんとやっているじゃないかということで、少しずつ認識を改めてきているわけでございますので、私は、ことしといかないまでも、来年ごろ元本割れのしない、元本五千円なら五千円、一万円というものがちゃんとふえてまいりますと、大衆はそのときの実績を見て、これなら安心だということで、まあ来年の後半ぐらいからはかなり買ってくださるのではないかという期待を持ってきておりますので、そのときから伸びていきたい。いまあまり無理なことをいたしますと、また昔のような轍を繰り返すのではないかという心配を持っております。
 それから、もう一つは、株式の組み入れ比率でございますけれども、われわれはリミットを七〇ぐらいに押えております。大体私どもといたしましては、六五から七〇ぐらいの間が一番適当な組み入れ率じゃないかと、こう思っているわけです。上がれば上がったときには売りますし、下がったときに多少また入れていくということで、大体その辺のところを行ったり来たりということで運用をしてまいりたいと、こう思っているわけでございます。
 それと、まあ高度成長じゃございませんので、安定成長ということになりますと、株のほうもそう大幅に上昇を続けるということはないかと思いますけれども、いろいろ波があるわけでございますが、まあ多少そういう小波、中波を利用いたしましてキャピタルゲインをかせいでいくというようなことで、何とか一割見当のものは確保したい、こういうことでやっております。
#20
○中尾辰義君 先ほど、証券投資信託は、今日非常に不況を招いて、過去の反省録みたいなことをお伺いしたわけですが、その中でいろいろとおっしゃったんですがね。運用に慎重を欠いて調子に乗り過ぎたとか、あるいは証券会社との関係が断ち切れなかったとか、まあいろいろおっしゃったのですけれども、そういうことをひとつ具体的にどういう点がまずかったとか、証券界の裏話とかといった、それをひとつ具体的にちょっと参考に聞かせていただきたい。
#21
○参考人(間島達夫君) だいぶいまの御質問のようなことは新聞、雑誌に書かれまして、周知の事実になっておりまするから、申し上げたいと思うのですけれども、日本の投資信託と申しますのは、多少政策的に、いわゆる株式の民主化、ドッジラインがしかれましたあと、財閥の持っていた株式を民衆、一般の人に分ける、頒布するというような一つの手段といたしまして、多少政策的にこの投信というものが創設されたのではないか。戦前にもございましたのですけれども、戦後そういうことでこれができたんじゃないかと思います。私は当時まだ銀行のほうにおりましたものですから、よく事情を知らないんですけれども、いろいろ歴史を見ましても、そういう発生のいきさつから見まして、当時できるだけ早く投資信託というものを発達させて株をそこに吸収したいという業界のほうのあれがあったものですから、それじゃ売買になれた証券会社を使おうじゃないかということで、これが兼業で始まったわけでございますが、根幹はそこにあったわけでございまして、初めは非常に調子よくいったわけでございますけれども、まあ証券会社になりますと、事業会社との間に幹事関係とかいろいろとございます。そういった関係で、多少幹事のところはよけい株を入れるとか、あるいは売るのを遠慮するとか、そういうことが起きたのでございますけれども、これが何と申しましても運用上一番の支障になったかと思うのでありますが、いま申し上げたようなことが一つのあれになりまして、反動期に景気を悪くした、こういうようなことがあったわけでございます。現在は、先ほど申し上げましたように、ここ二、三年非常に改まっておりまして、そういうことなしに自主独立的に売りたいものは売る、買いたいものは買うというようなことでやっておりますので、その弊害はなくなったかと思いますけれども、過去のことを申し上げますと、そういうことでございます。
 それから、もう一つ申し上げますと、その幹事関係のことと、それから本業の収入をあげるために多少よけいに信託財産の中の株式の売買をやったということが過去にはあったようでございますが、そういうことが一つの大きな原因になっておるかと思いますが、よろしゅうございましょうか。
#22
○中尾辰義君 それで、今度の改正法律案にも出ておりますけれども、例のコロガシ行為の禁止ということでございますが、これも一つの原因をなしたと思いますが、それをひとつ具体的に、私は専門家じゃありませんから、こういうふうにコロガシをやって、こういうことがまずかったと、ひとつ説明してください。
#23
○参考人(間島達夫君) まあわれわれ、いろいろ反省いたしましたのですが、なかなかそいつはわれわれの傷口になっておりますのですが、きょうは申し上げたいと思います。
 コロガシというのは、私、最初陳述いたしましたときに、悪名高いコロガシと申しましたけれども、非常にこれが世間に悪く流布されました。と申しますのは、これも過去のことに属するのでございますけれども、先ほど本業の証券会社が収入がほしいというときには信託財産の売買をよけいにやったということを申し上げましたけれども、その中にコロガシというのがあったわけでございます。市場に売りたいと思うときに、市場で売れればいいのですが、売れないような場合に、それでは一つのファンドから、信託財産から、ほかのファンドにそいつを流す。信託相互間で株式のやりとりをするわけでございます。これはもちろん手数料は普通の料率より安いわけでございます。大体A率の四〇%ということになっておりますが、これは取引所の受託契約の準則の中でそういうことになっております。しかし、四〇%にいたしましても、それをひんぱんにいたしますと、やはり証券会社の収入がふえるということになったわけでございます。それが非常にコロガシの悪名を呼んだ一つの原因でございます。コロガシの一つの悪い点は、一つのファンドの利益のためにやる場合もあるわけでありまして、他に流しますというと片方のファンドがいたむというような事例があったわけでございます。過去においてそういうことをやったのは、そういった本業の兼業から投信が始まったということに一つの原因があったわけでございます。
 そういうふうなコロガシでございますが、現在は――現在といっても二、三年前から実行しているのでございますが、もうこういうコロガシをやっておったのでは信託財産はよくならないということで、われわれみずから反省いたしたのでございます。こんなことをやっておったのでは、委託会社の、われわれ経営者の首を絞めるようなものだということで反省いたしまして、現在もコロガシというのはございます。ございますけれども、たとえば一つのユニットは償還期が近づいてきたというようなときに、われわれは償還期が近づいてきますと、だんだん株を減らしてまいりまして、そうしてコールと公社債をふやしてまいりますが、最後にどうしても株が一割とか二割とか残る場合がございます。その中で、たとえば電力株とかあるいは自動車株とか、優良な銘柄があるわけでございます。そういうものをやっぱりほしい新しいファンドがあるわけでございますから、そういう場合には、古いものはもうそれで償還するのだから、新しいものがほしい優良銘柄を回してもらう。場に出てしいますと、ほしい優良株が手に入らないわけでございます。電力の株なんかなかなか手に入らないわけでございます。これは一つの資産株といいますか、インカムゲインをかせぐ場合に非常に効果的な株でございます。そういうものが新しいユニットとしてほしいわけでございます。そういう場合にころがそうということでやっているということでございます。
 それから、もう一つは、現在減っていますが、大体解約が多いわけでございます。解約が非常に殺到する、たとえば先ほど申し上げました四十年には、一日に四億も五億も解約が出る場合があったのでございますけれども、この場合、場に出しますと非常に相場が下がってしまうということになり、そのためにほかのファンドの株が下がって傷ができるというようなことから、その中の優良銘柄――大体優良名柄でございますけれども、それをほかの信託財産に流して解約の資金をつくるというようなことをやってまいったわけでございます。最近は、先ほど申し上げましたように、非常に解約の率も減っておりますので、かりにそういう際にやる場合でも、いい銘柄だけをやるというようなことをわれわれ努力してやっておる、こういうことでございます。
 昔のやり方と現在のやり方を比較して申し上げましたが、それでおわかりいただけたかと思います。
#24
○中尾辰義君 結局、何ですか、銘柄のいい、これから値上がりのしそうなものは証券会社がかかえて、悪いやつ、カビの生えたようなもの、値上がりの少ないようなもの、配当の悪いようなもの、極端なことになるかもしれませんが、そういうものを償還期のまだ来ないファンドに組み入れて、そしてころがしておった、こういうことですか。
#25
○参考人(間島達夫君) 失礼ですが、もう一度。最後のところを聞きのがしまして……。
#26
○中尾辰義君 値上がりの悪いやつを償還期の来ないファンドに入れて、そしてころがしていった、こういうわけですか、そこら辺のところをひとつ。
#27
○参考人(間島達夫君) お答えいたします。
 先ほど、償還期が近づくにつれて株をどんどん減らしていくという場合に、私どもは一応その中の売り目標というのを立てておるわけです。たとえばいまおっしゃいました市場性のないもの、これは最近はほとんどないのでございますが、売りにくいというもの、そういうものを優先的に売っておるわけでありますが、償還期になりまして、すぐ売ろうにも売れないものは、もうあらかじめ優先的に売っておくということを現在やっております。そういたしますと、そういうものは、たとえば市場で千株しか売れない、しかし時間があるから、じゃ千株ずつだけ売ろう。値が下がらないように売らなくちゃならない。そういうものを先に処分して、最後にはおおむね優良株だけが残る。ですから、償還のまぎわになりますというと、そういうもので一〇%とか一五%、非常に率の低いもので、そういうものを流し込むというふうになっておるわけでございます。
#28
○中尾辰義君 それで、いま解約の問題が出たんですが、アメリカなんかでは解約できないのがありますね、会社型投信とかいうのが。ああいうのに対しては、業界の方はどうお考えですか。
#29
○参考人(間島達夫君) アメリカで最初に発達いたしましたのは、クローズドエンド型という会社型の投信でございます。そのほかアメリカで非常に投信が伸びたというのは、オープンエンド、いわゆるミューチュアル・ファンドというものができましてから、非常に躍進したわけでございます。それが残存元本が非常に増加した一つの原因でございます。このオープンエンド型と申しますのは、もちろん会社型でございます。日本は契約型でございますが、向こうは会社型でございます。株で持っている。持っている人が会社へ行って、それを買い取ってくれと言う。いま日本でやっているユニット、オープンと同じようなことで、会社に買い取りを求める。もう一つクローズド型と申しますのは、これは会社では引き取らない。それはどうするかと申しますと、市場で売る。市場で売ります場合には、いまの日本の株と同じで、需給関係で非常に安く売らなくちゃならない。もちろんプレミアムがつく場合もありますけれども、安く売らなくちゃならない。最近それが非常に非難の的になっておりますのは、基準価格の大体二割から三割ぐらいディスカウントされないとそれが売れないということで、クローズドエンド型の解約などにつきましては、投資家からかなり非難を受けておるという状態でございます。いま申し上げましたオープンエンドのほうは、これはいま日本でやっておりますように、基準価格で買い取っておるわけでございます。
 そういうことで向こうはあれしているのですけれども、何と申しましても、根本は、アメリカの個人層の金融資産が豊富でございますので、募集額よりも解約が多いということはほとんどないのでございます。ですから、毎年毎年残存元本がふえ続けていくというような状態でございます。一つの例を申し上げたいと思うのですけれども、アメリカの投資家と日本の投資家はそこが違うのじゃないかと思いますが、昨年の二月に、セネラル・サイという、シナ人でございますが、これはアメリカのフィデリティというファンドの役員をして、運用責任者で非常にそこで成績をあげたわけでございますが、その人が昨年の二月にそこをやめて、マンハッタン・ファンドというファンドを創設したわけでございます。昨年の二月に創設して、二千五百万ドル募集しようというのが、非常に集まり過ぎたと申しますか、十倍以上、二億七千万ドルもファンドが集まったわけでございます。ところが、御承知のように、アメリカはそのころは千ドル以下というような状態だったのが、その後かなり暴落をしたわけでございまして、かなりニューヨーク市場が悪くなった。私は非常にこれに関心を持っておりまして、二億七千万ドルも集めて、その後どうなったろうということを調べてみたのでございます。それが、何カ月かたった後に見ますと、九ドル五十セントで募集したマンハッタン・ファンドの資産が、八ドル七十セントぐらいに落ちたわけでございます。落ちたから、私はきっと解約がふえて減ったのではないかということを調べてみたところが、逆にふえておりまして、最近聞くところによりますと、四億五千万ドルぐらいにふえた、こういうことを聞いております。これはアメリカ人の心理というものはよくわかりませんけれども、一度サイという人の才能を信用してあれした以上、一時下がっても買い取ってくれということをしないで、持ち続ける、逆にまた買い増ししていくというようなことが起きたのではないかと、こう思っております。
 日本はまだそこまで全体の金融資産がいっておりませんので、やはり子供が学校へ行くとかなんとかということになりますと、投信を買い取ってもらって資金を捻出するというようなことがあるので、解約が多いのではないかと思っております。われわれはそれに対処して、いろいろコールとかなんとかで、解約してもすぐに株を売らないようなことを現在やっております。さっきの組み入れ限度を下げたというのは、そういう理由でございます。
#30
○中尾辰義君 もう一つ聞きますが、いま毎月毎月設定をなさるわけですが、こういう市況が悪いときには、毎月毎月の設定を制限したらどうかなということを考えるわけですが、それはどういう御意見をお持ちですか。
#31
○参考人(間島達夫君) これは私どもは昨年制度の改善ということを考えて、いろいろ検討しておりました際に、要するに、ファンドのわれわれの管理する本数というものはどうなんだということを検討いたしましたわけです。ファンドは少ないほうが管理しやすいのではなかというような議論がありましたわけです。だいぶ多いところでは百本以上も、まあ合併したところもございますけれども、かかえているわけでございます。毎月毎月さらに本数がふえていくということで、さらに管理本数を削減しようじゃないかと。非常に本数の多いところは、毎月やらないで、三カ月に一ぺんとか、四カ月に一ぺんとかということを実行いたしてやっておりまして、それによって管理本数を減らす。
 それからさらに、減らす方法といたしまして、信託財産の合併ができたらいいじゃないかということで、これも去年から大蔵省にお願いいたしまして、両方で研究してまいっております。合体という形なら、これはできそうだ、できるという結論になりまして、二本の相似たような信託財産を合併いたしまして、それで管理本数を減らす。
 それから、もう一つは、みなし信託ということで、改正法律に載っておりますけれども、マザー・ファンド、いわゆるファミリー・ファンドと申しまして、ユニットを毎月設定するが、株式に運用するのは、まあそのうちの三本を一まとめにして、一つのマザー・ファンドをつくって、それで三本のユニットはそのマザー・ファンドの受益証券を組み入れていくという、こういうことを考えて、改正法律案に盛っていただいたわけでございます。そういたしますと、株式に運用すると、これが一番管理に骨が折れるわけでございますけれども、これをひとっこしらえまして、あとユニットを募集してきた場合には、三カ月分、三本あるわけですけれども、その三本には何を入れるかという、いま申し上げましたように、マザー・ファンドの受益証券を入れていくということになりますと、これも一つの管理本数を減らす手段ではないか、こう思っております。その方法で管理本数を減らすことに考えております。
 それで人員の関係、あるいは調査機能の関係で、やれるところは、そういうことでやっておりますけれども、その場合に、管理本数を減らしたところで、基準価格の競争をしなければならないわけですから、法律案が通りまして、マザー・ファンドができるということになりますと、いま申し上げたような方法の中で、各自が自由に努力して管理本数を減らすということでやっていきたいと思っております。
#32
○中尾辰義君 もう一つ、ちょっと。まあ今度改正法案が出ていますが、大蔵省とあなたのほうと事前にいろいろ検討を加え、打ち合わせもなさったと思うんですが、その際にいろいろと意見の食い違ったような点もあったように私は聞いておるわけですが、どういう点があなた方のほうと大蔵省のほうと違ったのか、それをひとつ参考に聞かしてください。
#33
○参考人(間島達夫君) この問題は、昨年の十一月に制度改善要綱をつくられる過程におきまして、いろいろ御当局とは折衝をし、検討し、やってまいったわけでございまして、まあ特にと申しますというと、この名称の問題かと思うのでございますけれども、まあ山一証券があって山一証券投資信託というとあれだから、名前を変えたらどうかというような御意見がございましたけれども、われわれはすぐにこれはできるとかできないとかいうことでなくて、これはひとつ時間をかしていただきたい。これは法律に盛らなくても、やりたいと思うときにはできるわけです。大蔵省の認可を得ればできるわけですから、名前の問題は非常に重要な問題であるから、これはひとつ今後自主的に検討さしていただきたいということで、それがたしか法律改正にからんで出た問題点だと思いますが、その他は全部われわれ納得済みのものでございます。それで先ほど成立を希望すると申し上げたわけでございます。
#34
○藤田正明君 現在一番不調なのはユニットだと思いますが、このユニットが、これは数字は私が調べたのはちょっと違うかもしれませんが、全部で八百八十三ございますね。そのうちの四百十が元本を割っているわけですね。その中で一番ひどいと思われるのが――まあこれはもちろん元本を割ったから延長になり、再延長になったと思うんですが、二百十三の延長、再延長がございますね。その二百十三の中で元本を割っているものが二百十ある。三つだけ元本以上のものがある。それからまた、これはうわさですから、ここに証券局長もおられますが、どうか知りませんが、もう一度延長してくれというふうな要望が業界から大蔵省へ出された、大蔵省は非常にそれを渋っていると、まあこのようにうわざを聞いておりますが、一体これは見通しがないからもう一度延長してくれという御要望をなさったのか、あるいは何らかの見通しが――この二百十三のうちで九九%まで元本を割っているという事実ですね、これ、何らかの見通しがおありかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#35
○参考人(間島達夫君) それは現在の段階における数字だと思いますけれども、これは四月の末では、再延長しておりますのが二百六十六億でございまして、そのほか延長、これは六年目まで延長したものでございますが、これが七百七十一億、合計いたしますと延長しておりますものが千三十八億あるわけでございます。
 いまおっしゃいました、昨年の十月以降六年目の来たものを再延長いたしまして、いま七年目にかかっておるわけでございます。これをさらに延長しろというようなお話でございますか。
#36
○藤田正明君 はい。
#37
○参考人(間島達夫君) まあ私ども最近いろいろお客様の意向を聞きますと、もう延長しないでくれという向きが非常に多いのでございます。それと、私どもといたしましても、昨年私どものほうも再延長したものもあるのでございますが、去年からことしにかけての市況にまあ便乗をいたしましてというか、それを利用いたしまして、少しばかり基準価格も上がったわけでございますから、この面でお客様には少し報い得たんじゃないかと思いますので、いまのところはこれをさらに延ばすということは私は考えていないのでございます。
 ただ、これは業界に与える影響その他でどういう――皆さまのこれは御意見も聞かなくちゃいけないのですけれども、私の個人的なあれといたしましては、どうも再々延長、さらにこれを延長するというのはまずいんじゃないかというふうに考えております。
#38
○藤田正明君 まあそのようなことで、とにかくユニットは非常にまあ不調だと思うのですが、これおやめになるということはお考えになりませんか、ユニットは。
#39
○参考人(間島達夫君) まあ私はユニットをいまやめるという考え方は持っておりません。実は先ほど申し上げました制度改善要綱をつくります前の一つの前提といたしまして、おととしの夏から去年の春にかけまして、外の方にこの投信問題、いわゆる投資信託のあり方というものを検討していただきまして、そのとき出ました議論は、ユニットをやめてオープン一本にしたらどうかという議論が出たのでございます。まあ現在オープンと申しますのは、市況がこうのぼり坂でないときはなかなか売れないというのが現状でございまして、最近のように停滞したときには、これはオープンは一銭も売れないのです。そうしますと、たとえば販売サイドでいろいろ人員をかかえておるのに、今月はもう投信はお休みだということになりますと、まあ販売のほうの問題も一つあるわけでして、まあやめてしまうということは何ですけれども、まあ量を少なくするとか、そういうことは考えていいと思っております。やめることは全然いま私は考えておりません。当分やっぱりこれはオープンと併存してやっていかなくちゃいけない、いまの日本の現状では。そういうふうに考えております。
#40
○藤田正明君 それから、本業との関係なんですが、完全に独立されるといってもですね、なかなかむずかしいのじゃないかと思うのです。たとえば山一証券さんと山一信託さんの売買がどうしたって主になってくる。野村さんが山一さんのものを売るということはちょっとやっぱり、あり得ないとは申し上げませんが、むずかしい。まあそういうふうな売買とか、あるいは人的な面もまあありましょうし、なかなかこう完全独立ということはむずかしいのじゃないかと思うのですが、これ、まあやらなきゃならぬことだ。それとともに、本業と離れて経営危機になるような会社はございませんか。完全独立したがために経営不振になっちゃったと。やらなきゃならぬことなんですがね、そのために経営不振になっちゃったと。
#41
○参考人(間島達夫君) 本業とのいわゆる分離独立というその内容でございますけれども、まあ私どもが運用をやる場合に、昔のまあ兼業時代とか、その後のしばらくの間、運用について本業から干渉を受け、介入されることをやめるというのがわれわれの目標でございまして、販売についてはどうしてもいまのところ本業にたよらざるを得ないということでございますが、その販売を依存しておるということで、それが運用面にまで介入を招く原因にならないようにするというのがわれわれのこれまでやっていることなんです。それで、先ほど申し上げました販売公開と申しますのは、要するにオール本業の証券会社に販売を依存しておるから、そのオールをやめて、少しでもほかの証券会社にこの投信を売ってもらったら、多少そういった影響力はなくなるのじゃないかというようなことで始めたわけでございまして、ことしの一月から販売を公開しております。まだ額は少ないですけれども、まあ投信が売れる理由が何か知りませんけれども、なればだんだんこれがふえていくと、本業の販売しているシェアが少なくなれば、本業は昔のようなことの繰り返しということはないと思います。現在まあ販売をオール依存しておりますけれども、運用面にはほとんど介入ということはなくなっておりますので、われわれはその面は非常に過去から見るとやりよくなったと思っております。
#42
○藤田正明君 話は変わるのですが、十七条だったかと思いますが、非常に大蔵省の自由裁量が大きくなってきていると思うのですよ、今度の改正案を見ると。業界の自主的な判断を拘束し過ぎるのではないか。あつものにこりてなますを吹くのたぐいになりはしないかとも思われる節があるのですけれども、証券局長のおられる前で言いづらいことがあるかもしれませんが、この点の御意見をひとつ聞かしてください。
#43
○参考人(間島達夫君) 十七条の入れかわったのを申し上げます。最初の受益者に対する忠実義務の点が変わった点なんですけれども、「委託会社の行為準則」というあれで、ずっとそこでやっちゃいけないことが書いてあるわけです。これは現在もうすでに実行しておることなんでございます。それをただ今度法律に明記されたという点が変わったわけですけれども、われわれそれで大蔵省の規制がよくなるというふうには考えておりません。違いますか、御質問の趣旨が。
#44
○藤田正明君 2の四の規定に、一括して縛るようなことばが入っていますね、大蔵省令で。法案を見なければわかりませんがね。証券局長、そういうのがありましたね。一括してこう縛るやつがある。
#45
○政府委員(加治木俊道君) 禁止行為の中で、法律でもってあらかじめきめておるものもございますが、たとえばコロガシの禁止。コロガシの禁止も、一部大蔵省令で、全面的禁止ではございませんので、差しつかえないコロガシは認める、そういう余地はございますので、この辺も大蔵省はいま考えております。
 それから、組み入れ比率。一銘柄の組み入れ比率を大蔵省令で定める。大体いまのところ十分の一を予定しておりますが、この辺が大蔵省令で定められております。おそらくおっしゃっている点はこの十七条の第二項第四号の「前三号に掲げるもののほか、受益者の保護に欠け、又は信託財産の運用の適正を害するものとして大蔵省令で定める行為」、したがって、いま言ったようなことのほかに、なおどうもこれはぐあい悪いことがあれば大蔵省令で定められる、こういう規定がございます。
#46
○藤田正明君 大蔵省令で定められるとなっておりますか。
#47
○政府委員(加治木俊道君) さようでございます。
#48
○藤田正明君 私はこれでいいです。
#49
○柴谷要君 私は、質問というよりも、投資信託協会に要望があるのです。というのは、実は、ざっくばらんに、こういう機会ですから、会長さんにお聞き取り願いたいと思うのですけれども、最近の世評というものはあまりいいものが出ていないわけですね。たいへん批判的なんです。もっともっと大蔵省が投資信託等については監督を厳重にして、そうしてやらなければいけない、手ぬるいじゃないか、何をしているか、こういう声が強いのです。それと同時に、一面皆さんと十分話し合う機会がないために、意思の疎通というものが欠けているんじゃないか、それから来る多少のあれもあろう、こう思うのですが、法律案が出たから懇談するというのではなしに、常時適当な機会にやはり証券界の実情はこうだ、これを切り抜けるためにはどうしたらいいかということをひとつ忌憚なく話し合う機会を持たれることが、私は業界のためにもいいし、国会の審議にも役立つ、こう思うのです。そういう点をひとつこの機会に会長さんに御要望申し上げて、たいへんにお忙しいきょうおいでいただいたことを厚く感謝して、私はこの程度で終わりたいと思います。
#50
○理事(青柳秀夫君) 他に御質疑がなければ、参考人の意見聴取はこれをもって終了いたします。
 間島参考人にごあいさつを申し上げます。
 本日はお忙しいところを本委員会のために御出席を願い、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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