くにさくロゴ
1967/05/24 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 石炭対策特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1967/05/24 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 石炭対策特別委員会 第3号

#1
第055回国会 石炭対策特別委員会 第3号
昭和四十二年五月二十四日(水曜日)
   午後一時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大矢  正君
    理 事
                西田 信一君
                二木 謙吾君
                小野  明君
    委 員
                井川 伊平君
                沢田 一精君
                高橋雄之助君
                徳永 正利君
                柳田桃太郎君
                吉武 恵市君
                阿部 竹松君
                大河原一次君
                宮崎 正義君
   国務大臣
       通商産業大臣   菅野和太郎君
       労 働 大 臣  早川  崇君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        栗原 祐幸君
       通商産業省石炭
       局長       井上  亮君
       通商産業省鉱山
       保安局長     中川理一郎君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
       労働省職業安定
       局長       有馬 元治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢正君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、去る五月十八日に本付託となり、提案理由の説明もすでに聴取しております。本案に対する質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○小野明君 この前の委員会で大臣に、炭鉱労働者の賃金について非常に低いではないか、ことしの鉄鋼産業その他の賃上げの状況を見ましても大体四千三百円から五千円くらい、その他好況にある産業もそうでありますけれども、軒並み大体四、五千円という相場が出ている、炭鉱労働者だけが、どこから出たのか知りませんけれども、七%ということで押えつける、こういった点については、大臣は一体どうお考えになっておるのかという点についてお尋ねをいたしたわけでありますが、まあ公労協の問題にしましても、昨夜ほぼ方向が出ておりますけれども、やはりかなりのものが出ておると思うのです。それから見まして、炭鉱労働者というのがやはり低いところにランクされておるということはおわかりいただけると思うのでありますが、この炭鉱労働者の賃金をどうお考えになっておるか、まずお尋ねをしたいと思います。
#4
○国務大臣(早川崇君) 目下経営者と労働組合とが、それぞれ二つの組合がございまするが、炭鉱労働者の賃上げにつきまして折衝中でございます。本日も組合から陳情を受けておるようなわけであります。七%というのは、有沢答申その他における一応の試算でございまして、もちろん拘束力があるものではございません。労使間でその炭鉱の実情並びに一般の勤労者の状況をにらみまして、妥当な賃金決定がなされることを側面から期待いたしておるわけであります。
#5
○小野明君 折衝中であるというお話でありますけれども、私がお尋ねしておりますのは、ほかの産業労働者に比べて非常に低いところに押えつけられておるではないか。たとえば一方八十一円から二円、こういうところから見まして、月に直しますと大体二十二あるいは三というところだと思うのです。大体二千円足らず、千八百円か千九百円くらいになる、七%でいきますと、そうしますと、ほかの産業の労働者に比べると非常に低いところに押えつけられておる。七%というような、試算の目途だとは言われますが、そこにくぎづけされておる実態ではないかと思うのであります。それでなくとも炭鉱には人が集まらぬ、あるいは中高年齢者のみしか残っていないという実情から、この際、炭鉱労働者の賃金を引き上げるべくお考えはないのかどうか、この点をお尋ねいたしたいと思うのであります。
#6
○国務大臣(早川崇君) ただいまも通産大臣ともお会いしまして、この労使問題が円満にしかも納得いく線で解決するように、これは使用側については通産大臣を通じてお願いをいたし、また中労委に対しましても妥当な調停をしていただくようにお願いしようと思っている次第でございます。
#7
○小野明君 お話を承って非常に重要な段階にあるかのように考えるわけです。なお、炭鉱労働者の賃金が非常に低いところに押えられており、魅力のない職場になりつつある、こういった実情を御勘案いただきまして、今回の賃金アップの問題について、格段の御努力をお願い申し上げておきたいと思います。
 次に、緊急就労の問題でありますが、衆議院のほうでもかなり議論をされておるようでありますが、いかがなっておりますか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
#8
○政府委員(有馬元治君) 御承知のように、緊急就労対策事業は三十四年から始まりまして、今日に至っておるわけでございますが、今年度の予算上の規模は、事業規模が五千二百人、事業費単価が二千百円ということで、規模において前年度と比較しますと二百人の減でございます。単価において二百円のアップになっております。こういう状態で、三十九年以来閣議決定によって現在の緊急就労対策事業が継続されておる状態でございます。
#9
○小野明君 そういった点については私も資料が出ておりますからわかっておるつもりであります。なお、今年度相当な離職者が出るわけでございますね。それで就職援護対策というものもかなり行なわれておりますけれども、一番やっぱり手近かな問題は緊就制度なのでありまして、これが明年の三月三十一日で打ち切られるようになっておるのでありますが、この事業をさらに延長する等の措置についていかがなっておるのかお尋ねをしたいと思うのであります。
#10
○国務大臣(早川崇君) この緊急就労事業は、なかなかいい仕事もしていただいておりますし、自治体当局の意見を徴しましても、たいへん評判がいい仕事をされておるわけでございます。他方、炭鉱離職者の就労君のいわゆる再就職の現況を見ましても、なおこの緊急就労事業を続けなければならないというように考えまするので、今度の国会に提案をいたしました抜本策が三年間という期限を持って行なおうといたしておることに平仄を合わせまして、昭和四十六年三月三十一日までさらに三年間予算措置によって現行の緊急就労事業を続けてまいりたい、かように努力をいたしたいと考えております。
#11
○小野明君 お考えはよくわかりました。それで具体的にきまりますのはいつごろになりますか。
#12
○国務大臣(早川崇君) 現在緊急就労事業は予算措置で来年の三月三十一日までになっております。したがって、その期限を、来年度の予算のときに閣議決定をいたしまして、引き続き三年間と私考えておりますが、延長するようにいたしたい、かように思っております。
#13
○小野明君 こういうことを申し上げるのはどうかと思うのですけれども、大臣はそのころまでやはり大臣でおられるかどうかということはわかりませんね。これはなかなか前の大臣がおっしゃったことをあとまで踏襲されるかどうかというのはなかなか問題があるところで、その辺の問題もあわせて含みながらどういうふうに具体化の見通しをお立てになっておるのか、再度念を押しておきたいと思うのです。
#14
○国務大臣(早川崇君) 最近の大臣は大体一年くらいということになっております。これは総理大臣のおきめになることで、私も何年もやるつもりはございませんし、またやらしてもくれないと思いますが、少なくとも国会におきまして労働大臣がこういうつもりでやるのだと申し上げておる以上、もしほかの労働大臣がおやりになるにいたしましても、同じ自民党政府の内閣でなければ別でございますけれども、引き続き自民党内閣であるならば、十分国会における答弁というものは尊重してくれるものと私は確信いたしております。
#15
○小野明君 これもまあ要望になるわけでありますが、私はこの緊就制度の問題については、大臣の御見解であるいは緊就問題について実現ができるのではないかという希望を持っておる。ただ心配するのはこの中央の立法についても参議院の社労でああいった取りきめがされておりますけれども、今日まだ具体化していない、いろいろな問題が生じておるやに承っておるわけです。それで、この問題についてはそういった点から不安を持っておりますが、なお緊就制度が、いま大臣が御答弁になりましたように、実際にこれが残りますように、再度の御努力をお願いしておきたいと思うのであります。
 次に、法案の中身の問題、若干の問題でありますが、二、三お尋ねしておきたいと思うのであります。この法案を見ますと「自営支度金の支給基準及び支給方法」というのを項目としてあげておるわけでございますね。これはどういうふうにきめられ、あるいは支給方法になっていくのか、この点をお尋ねしておきたいと思います。
#16
○政府委員(有馬元治君) 今回の改正の主要な内容の一つでございます、自営支度金の制度とそれから債務保証制度の内容でございますが、まず自営支度金は、炭鉱離職者の手帳を持っておる者が自営業を開始しようという場合に、自営準備に要する費用の一部としまして支給するものでございます。その支給額は、再就職奨励金の支給と同じ基準によって支給をいたしたいと思います。すなわち、離職後一年以内に自営業を開始する場合には就職促進手当の日額の七十五日分、それから一年半以内の場合には五十日分、二年以内の場合には三十日分、再就職奨励金と同じ支給基準で算定した金額を支給いたしたい、かように考えておるわけでございます。
#17
○小野明君 七十五日分という最高をとりますと、これは幾らぐらいになりますか。
#18
○政府委員(有馬元治君) いま促進手当の日額が現行は五百七十円でございますが、今回の法改正によりまして六百十円に日額を引き上げる予定にいたしております。そして扶養加算がつきますので、平均三十円ないし四十円ぐらいになると思いますが、そういたしますと六百四、五十円というのが最高になります。これの七十五日分でございますので、約四万五千円見当になろうかと思います。
#19
○小野明君 その次に、債務保証の問題でありますが、これはどういうふうになるんでございますかね。
#20
○政府委員(有馬元治君) 第二の問題点は債務保証制度の創設でございますが、これは御承知のように、今日までにおきましても炭鉱離職者の一部の方々で自営業を開業しておる場合が若干ございます。また、駐留軍の離職者についても自営業を開業いたしておる者が相当いるわけでございますが、自営に必要な開業資金を金融機関から借り入れる場合に、これらの離職者が担保能力がないために開業できない、こういうふうな実情がございますわけでございますが、これを、今回債務保証制度を創設することによってこの開業資金を借り入れやすくしてまいりたい、かような趣旨でこの制度を創設いたしたわけでございます。大要といたしましては、この制度を実施する機関は雇用促進事業団がこれに当たりまして、債務を保証される資格を持つ者は適当な事業計画を有する炭鉱離職者、こういうことに相なるわけでございます。そして一件当たりの保証限度額は一被保証人について百万円、保証期間は最高五年間、こういった内容の債務保証制度を創設してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#21
○小野明君 その際の金融機関はどういうふうになるわけですか。
#22
○政府委員(有馬元治君) 国民金融公庫を一般的な金融機関として考えておりますが、そのほか北海道、北九州という地域的な限定もございますので、それぞれ地元の金融機関を指定金融機関といたしまして、今後借り入れ金融機関の具体的な範囲を決定いたしたいと思います。
#23
○小野明君 そうすると、担保がなくても百万円までは借りることができるわけですね。
#24
○政府委員(有馬元治君) 保証の限度額が百万でございまして、担保の要、不要は五十万円を限度にいたしております。五十万円をこえる場合には原則として物的担保を徴するという考え方で大蔵省と話を進めておる段階でございます。
#25
○小野明君 五十万円までは無担保でよろしい、あとの五十万円について担保を要する、こういうことになるのでございますね、そうでございますね。
#26
○政府委員(有馬元治君) はい、そうでございます。
#27
○小野明君 そうしますと、たとえば七十万円借りたい、こういう場合にはどういうふうになるわけですか。
#28
○政府委員(有馬元治君) 五十万円をこえる二十万円分について物的担保をお願いする、こういう考え方でございます。
#29
○小野明君 たとえば、五十万円までは要らない、そうすると五十二万、これはきわどい話になりますけれども、二万円こした場合、こういう場合にはどういうふうになりますか。それは便宜的な措置といいますか、そういうものは考えられないのですか。
#30
○政府委員(有馬元治君) 原則は先ほど申したとおりでございますが、具体的なそういうケースにつきましては金融機関の判断になると思います。
#31
○小野明君 それはどうですかね。金融機関の判断ということになれば、これはいまの五十万も全部そういうことになるでしょうが、どうもその辺が、もう少し何といいますか、幅のある実施のしかたというものは考慮できないものかどうか、これを再度お尋ねしておきたいと思うのです。
#32
○政府委員(有馬元治君) それは金融機関を指定する際に、その辺の内面指導は十分行なっていきたいと思います。
#33
○小野明君 それからもう一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、なかなか炭鉱地帯で商売をするといいましても、あなたの御存じのように人口は減っている、ああいうことで、なかなか商売ができない、こういう状態だと思うのです。これはまあから念仏に終わっておりますが、産炭地振興というものがだんだん実を結んでくれば話は別になるでしょうけれども、よその地域で、たとえば筑豊で離職した者が北九州でやる、あるいは大阪でやる、こういった場合にも、それはよろしいわけですね。
#34
○政府委員(有馬元治君) 産炭地以外に移転をして開業するという場合でも可能でございます。
#35
○小野明君 もう一つ。私が一つ心配をいたしておりますのは、今日五十万円ぐらいでどんな仕事があるかということですね。あるいはこれを百万円まで広げましても、どんな仕事があるか。そういった面で、事業計画というものが炭鉱離職者にこたえられるものかどうか、その辺の自営業を営もうとする者に対しまして、いろいろ相談というか、示唆を与えるものが要るのではないか、こういうふうな気がするわけです。その点はどういうふうにお考えになっているのか、お尋ねをしたい。
#36
○政府委員(有馬元治君) 駐留軍の離職者の場合と石炭の離職者の場合とでは、地域的にもあるいは経験的にもいろいろ違いますので、必ずしも同じ傾向だとは言えませんが、駐留軍の自営業種の分析をいたしますと、やはり養豚、養鶏、養魚というふうな業種が相当多く選ばれております。もちろん自動車整備あるいは土建業というふうなものもございますが、そういう業種が相当多く選ばれておりますので、産炭地域においても自営業種が相当限られるとは思いまするが、全然ないわけではないし、具体的にはそういう希望がぼつぼつ出ております。そこで、五十万円ないし百万円程度の自営資金というケースが過去の事例によりましても多いわけでございますが、その場合においてもやはり自己資金は何がしか持っておる、二、三十万円持っておるという場合が一般的でございます。そこで、私どもといたしましては、国民金融公庫を中心といたしまして、いろいろと自営業種の好事例等がございます。たとえば三十万円から四十万円程度の資金ではどういう業種について自営ができる、その場合の何といいますか、備品、設備等の内容はこうだというふうな手引きがございます。これを参考資料といたしまして、事業団を中心に安定機関も協力いたしまして、開業希望者について十分指導ができるように積極的に指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#37
○委員長(大矢正君) 局長ね、私もちょっといまのあなたの答弁の中でわからぬところがあるからお尋ねしたいと思うんだが、百万円ということばが出てくる。百万円というのは一体どういう意味なのか。なぜそういうことを言うかというと、百万円まで債務保証いたしますというならば百万円ということばが出てきてもいいと思う。ところが債務保証は五十万円だというんでしょう。あとの五十万円は物的担保が必要だという。物的担保を出して金を借りるんなら、何もあっせんしてもらわなくてもどこでも金は借りられるわけだ。ですから、百万円ということばは一体どういうところから生まれてくのるかということが私にはわからない。それをちょっと説明していただきたい。
#38
○政府委員(有馬元治君) 百万円は、一件当たりの保証の限度額が百万円でございます。五十万円は担保は要らない。担保不要の限度が五十万円ということで、債務保証の限度と担保の要否の額と、この二本立てで説明申し上げましたものですから、百万円、五十万円という金額が出てくるわけですが、あくまで債務保証の限度額としては百万円、こういうふうになっております。
#39
○委員長(大矢正君) いや、そうすると重ねて聞きますが、かりに二十万円の担保があるけれども、金が百万円必要だという場合には、二十万円の担保で百万円金を貸すということはできるのですか。
#40
○政府委員(有馬元治君) 百万円までの債務保証はできますが、五十万円をとえて二十万円の担保力しかないという場合には、あとの三十万円の担保について、金融機関はどう判断するかという問題であろうと思います。
#41
○委員長(大矢正君) いや、だからそうなれば、結局のところ債務保証は五十万円だということになるじゃないですかと言うのです。それをあなたは百万円、百万円と言うんだが、私はどうしてもその百万円というものがわからない。そうでしょう、五十万円物的担保をとっておいて、そうして五十万円貸して百万円だという、それが全部債務保証しているんだという理屈にはならぬと思う。
#42
○政府委員(有馬元治君) まあ三十万円について物的担保がなければ借りられないんじゃないかという御指摘だと思いますが、私ども物的担保と、それから人的担保もこの場合相当重視していくべきだと思いますので、必ずしも、百万円ほしい場合にあと三十万円分の担保能力のない部分について、それはもう全然不可能だというふうにも考えておりませんので、その辺は金融機関にわれわれがこれから指導する場合に、離職者の事情をよく説明いたしまして善処してまいりたいと思います。
#43
○委員長(大矢正君) あのね局長、あんた商売人じゃないからそういうことをおっしゃるが、はっきりとその債務保証の限度額は五十万円でありますと、それだけで終わると話はそのとおり聞きますよ。ところが、その中で債務保証は百万円でありますと、しかし五十万円は担保をとりますというなら、これは債務保証じゃない、私の言うのはなぜかというと、五十万円の担保がない者には結局金を貸さぬということになるんですよ、金融機関が。さすれば、それを現に百万円あたかも借りられるような錯覚におちいるようなことに私はなると思う。しかも、債務保証するかしないかということは、その企業が万一の場合、倒産等の場合にどうするかということでしょう。さすればね、かりにその債権が残って倒産をした場合に、債務保証の五十万円というのは、具体的にはどうなっていくかということになると、なかなかこれはむずかしい。
 それからもう一つ私のわからないのは、その金融機関というものがかりに金を貸す場合に、労働省が金を貸すなら別だけれども、金融機関が金を貸す場合に、百万円貸す場合に、あなたは五十万円の担保でよろしゅうございますと言うことは絶対にない。金融機関にやらしたら百万円の担保をとる。それを百万円の担保をとらせないためにはどうするかという問題が一つ残ると思う。もう一回、ひとつあなたこれから大蔵省と具体的な折衝をやられるそうだから、ひとつ御説明をお願いしたいと思います。
#44
○政府委員(有馬元治君) この金貸しの問題、私どもは非常に苦手でございますが、いろいろな金融機関の担保とそれから債務保証の関係を見てみますと、一般の事業資金の場合の国民金融公庫の例で申し上げますと、二百万円以下の場合でも、やはり百万円までは担保をとるというふうな仕組みになっておりますので、この債務保証の限度額と担保の要否の額というものは食い違っているわけです。したがって、あとの半分については担保がなければ現実に貸さないんじゃないかと、――全然貸さない場合もあるでしょうし、人的担保あるいはその他の信用力をもって貸す場合もあるでしょうし、債務保証の限度が上回っておれば金融機関としてはそれだけ貸し出しやすくなるということでございますので、ほかの事例を見ましても、その両者の金額の限度は食い違っておるというのが実例のようでございまして、まあ私どももその辺は大蔵省と折衝する場合に、できるだけ担保を要しない額の限度を引き上げてまいりたいとは思いますけれども、必ずしも一致しなくてもやむを得ないんじゃないかというふうに思います。
#45
○小野明君 それでは、これで私も終わりたいと思いますが、やっぱり貸し出せるお金のワクの中でどういう仕事をすればいいかという指導が、非常にまあ一つは問題であろうと思うんです。先ほど御答弁がありましたが、そういったあらゆる機関を通じて十分な御指導をお願いをしたい。さらにまた、炭鉱離職者ですから、残りの五十万円についても、担保を持っておるというような方はあまりないのではないかと思うんですね。ですから、その辺をひとつ拡大するように御指導をひとつお願いしたいと思うんです。これで終わりたいと思います。
#46
○委員長(大矢正君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#47
○委員長(大矢正君) 速記をつけて。
#48
○阿部竹松君 大臣並びに担当なさっておる村上基準局長にお尋ねしたいわけですが、先国会でも問題になりました一酸化炭素中毒患者の保護立法を今国会で提案するという与野党の話、まあ局長さんも御承知おきだと思うわけです。しかし、国会ももうすでにあと余すところ一カ月しかございません。したがって、その後の状態をまず、事務的問題ですからこの点は局長さんでけっこうですが、お尋ねしたい。
#49
○政府委員(村上茂利君) ただいま先生御指摘のように、昨年六月参議院社会労働委員会における決議の次第もございましたので、一酸化炭素中毒症に関する特別立法につきまして、労働者災害補償保険審議会において審議をしていただいたのでありますが、去る五月十六日審議会から答申がございまして、労使公、三者の一致した意見といたしまして、次の数点は一致したものとして立法化すべきことを答申しております。
 第一は、特別立法の対象は炭鉱の特殊事情などにかんがみ、石炭鉱山に限ることはやむを得ない。すなわち、対象は石炭鉱業に限る。
 第二は、災害発生後における一酸化炭素中毒症の発病防止について積極的な努力をすべきことを明確にする。つまり予防につきましては鉱山保安法とか労働基準法がございますが、その整備強化をはかると同時に、新しく一酸化炭素中毒症の発病防止について努力する義務を使用者に課すということが適当であろうということでございます。
 第三は、一酸化炭素の発生を伴う炭鉱災害に際して、その場所にいた労働者あるいはその直後にその場所におもむいた労働者につきまして、特殊の健康診断義務を使用者に課す。いわゆる特別健康診断を法定する。
 それから第四の内容といたしましては、重度の精神神経症状のために特殊な介護を要する者については、一定の介護手当ないしは介護料を支給する、そういうことと、症状が平衡状態に達したと認定された後においても、アフターケアとしての健康管理の措置を講ずることを労災保険施設として行なう。――こういった内容の答申がございました。
 そこで、労働省といたしましては、この答申の内容に即した法律案の作成をいま進めておりますが、別に社会保障制度審議会に諮問するという手続を要しますので、社会保障制度審議会にはかった上、成案を得まして、できるだけ早く国会に法案を提出いたしたい、かように考えております。
#50
○阿部竹松君 まだ閣議はおろか、省議でも決定しておらぬような状態なんでしょうから、その中身についてお尋ねするのは不見識だと思うのですがね。基準局長は出席されておりませんでしたが、この前の委員会に。鉱山保安法の五十四条によれば、公害が続発したとか、大きな災害が起きた場合に、村上基準局長が通商産業省の鉱山保安局長に、これはいかぬではないか。こういうことを直しなさいと勧告することができる。あるいは早川労働大臣は菅野通商産業大臣に対して同様の趣旨かどうかは別として、勧告することができる。ところが前回の委員会で、出席なさっておった早川労働大臣は私の質問に答えていわく、三井三池のあの大災害以後ございませんという、こういう御答弁です。これはどうもきわめて私にとっては遺憾な問題です。あれ以後相当数の災害が続発しておるのです。しかし労働大臣の答弁によれば、これ速記録見ればわかるわけです。労働大臣の答弁によればそういう御答弁なんです。そうしますと、これから論議しようとする、また論議されておる離職者の問題についても重大な関係があるわけです。同時にさいぜんも申し上げましたとおり、国会ももうすでにあと一カ月しかございません。これから省議、閣議決定、こういうことで法制化し、ここへ提出されるのでしょうが、
  〔委員長退席、理事小野明君着席〕
一カ月くらいの論議でほかの案件もあるわけですから、はたしてそういうことができるかどうか、答弁としてはできても、実質的にそういう論議ができるかどうか、ということを私はきわめて不安に思っているのですが、いかがですか。
#51
○国務大臣(早川崇君) ちょっと私のこの前の答弁が誤解されておりますので、あらためて申し上げますが、あの場合、三池の災害のときに勧告をいたしました、ということだけ申し上げたのでありますが、その後調べますと、山野鉱業下のガス爆発事故にあたりましても、労働大臣から強い勧告をいたしていることをつけ加えたいと存じます。それ以外にいわゆる協議というケースはかなりたくさん立証いたしておることをこの際追加をかねて御報告いたしておきます。
#52
○政府委員(村上茂利君) 特別立法提出につきましては、あと会期は一カ月余りしかないのに、これから省議その他を経て法案を提出するというのは、だいぶんおくれるのではないかという、こういう点の御指摘がございましたが、私どもといたしましても、できるだけ早く提案をいたしたいと考えている次第でございますが、御承知のように、いま社会保障制度審議会にはかりまして、審議会では二十七日土曜日に審議されるという予定になっております。そういう審議会の都合もありまして、ややおくれているわけでありますが、その間事務的な検討を終えまして、社会保障制度審議会の答申をいただきまして、できるだけすみやかに法案を提出いたしたいと考えております。
#53
○阿部竹松君 その点に関してこれ以上基準局長にお尋ねいたしませんが、基準局長は御承知のとおり、長く労働省におられた関係上、国会の審議状況というものはよく御承知です。したがって、あと一カ月余すのみとなった今国会で、これから省議で決定し、閣議で決定し、ここで論議を願うということは、国会の答弁用語としては、さいぜん申し上げましたとおりけっこうです。しかし、実際一皮むけば、きわめて端的なことばを使いまして、遺憾である。しかし、今日これ以上いかに責めてもこれはどうにもなりませんから、それはそれとして、その手を負傷した、足を負傷した、あるいは打撲傷、こういうような外傷があって、医師の診断を待たなければなりませんけれども、ある程度われわれしろうとでもわかる場合がある。しかしその一酸化炭素中毒患者というものは、きょうは一〇〇%平常の人間であっても、明日は精神薄弱児童のような状態があり得るのだそうですね。そういうのをどこで判断し、法を施行せんとするか、その法律はつくられるのかどうか、その条項の中に。その点をお聞きしておきたい。
#54
○政府委員(村上茂利君) 御指摘のように中毒患者の症状は、いわゆるなおったといわれておりましても、その後いろいろ問題がございます。そこで先生御指摘のような事例について考えますと、いわゆる続発症として療養な要するような状態のものと、それからアフターケアとして健康管理上配慮すべきものと二種類があるんじゃないかと存じます。そこで、なおったといわれておりましても、あとは続発症という形で発病した場合は、これは労災保険による療養補償、本来の療養補償で療養を行なうということになるわけでございますが、その続発症かどうかの認定がはなはだ困難である、しかしアフターケアとして十分見なければいかぬものにつきましては、従来の労災保険上はアフターケアが保険施設の運用として考えられておりましたけれども、制度としてはっきりいたしておりませんでした。で、先ほど申しました審議会の答申にもアフターケアの措置を講ずるようにということを示しております。そこで立法化にあたりましては、アフターケアを制度的に法律上明らかにいたしまして、おそらくはその内容は技術的な問題が多々ございますから、細部は労働省令になろうかと思いますけれども、そういった続発症として扱い得るかどうかという判断が困難なものにつきましても、アフターケアとして健康管理をいたす措置を講じまして、いま御指摘になりましたような状態で対処するような制度を確立したい、かように考えておる次第でございます。
#55
○阿部竹松君 私どもが国会で審議権を放棄するがごとき態度をとって、政府から出された法案に異議なしと賛成すれば、残余の国会で通るかもしれません。しかし、そう簡単にまいらぬわけですから、なかなか残余のわずかな期間でこの法律が成立するということは考えられませんから、特にいまお尋ねしたわけですが、いずれにいたしましても局長の、早急にいたしますという御答弁を信用して了承いたします。
 そこで、関連するわけですが、さいぜん早川労働大臣が、前回の三池炭鉱に加えて山野炭鉱をつけ加えられましたが、そのほかに北炭夕張とか、あるいは伊王島炭鉱、あるいは歌志内、赤平、近くは杵島炭鉱と、もう枚挙にいとまがないほど災害が起きておるわけですね、それが実態です。しかし、そういうことについても一々やっていただきたいわけですが、まあ労働省も多く仕事があるから、なかなかお願いするのも無理だったかもしれませんけれども、そこで保安局長、さいぜんお見えになっておると思いますが、その基準局長なり大臣の勧告を受けられて、どういう態度をおとりになりましたか。
#56
○政府委員(中川理一郎君) ただいま阿部先生からお話のございましたような三池、山野、これはたいへんな大災害でございまして、私そのときは在職しておりませんので詳細を存じておりませんけれども、御勧告の趣旨に従って十分な措置がとられたはずでございます。私どもの仕事の関係から申しますと、ただいま御指摘ございましたように、精一ぱいやっておるつもりでございますが、依然として災害の事例が多いわけでございます。今後ともこれは御勧告を待つまでもなく、私ども自身でよほど徹底的な対策を講じなければいかぬのではないか、かように考えております。
#57
○阿部竹松君 鉱山保安局長のあげ足をとるわけではありませんが、やったようでございますでは、全く他人の問題のように聞こえるのですがね。それと同時に五、六年前は千名の犠牲者が出た、今日は五百名である、犠牲者の数においては半数である、こういうことがいえる、しかしながら、千名のときは二十万人以上あった、今日では十万人切れるわけです。何名に対し何名の犠牲者が出たというこういうケースで申しますと、今日はとにかく以前より多い、重症、軽症含めて。それを炭鉱ばかりでなくて、坑外で仕事をなさっても、やはりけがしたり、あるいは重症、軽症こういう人がたくさん出るわけですから、とにかく坑内の危険な場所で働くわけですから、一名も犠牲者を出さないということは望ましいけれども、なかなかそういう万全たるところまでいかぬでしょうけれども、前よりふえることはこれはけしからぬじゃないですか、佐藤さんの三本の柱である人命尊重なんていう、全然一本の柱が欠けてしまっている、やがて通産大臣おいでになるからそこで申し上げようと思う。
 そこで、炭鉱離職者臨時措置法が出ているから、炭鉱離職者の、やめていった人、あるいはやめさせられた、あるいはやめなければならぬ人を助ける、一方では、炭鉱で人が足らぬで困っているのです。労働省といたしましては、一方ではやめた人を助けましょう、一方ではそっちへ人を、炭鉱に人をあっせんしなければならぬというようなことを言いたいだろうと思うのです。矛盾きわまる話です。それも鉱山の保安確保ができないからだろうと思うのですが、こういう点については、直接にこの法案とあなた、関係はございませんよ、これが炭鉱の実態ですから、やはり関連があろうと思うのです。したがって、保安はどうするのですか、前より悪くなっている。
#58
○政府委員(中川理一郎君) 阿部先生おっしゃいましたように、炭鉱労働者の総数、これが著しく減少しておりまして、したがいまして災害件数の絶対数は下がっておりますけれども、稼働延べ人員一人当たりの災害値と申しますものは、御指摘のとおり上がっておるわけでございます。そういうことでございますので、私どもといたしましても、できるだけ災害の防止ということには努力をいたしておるつもりでございますが、一つには、労働者自身がこの問題を真剣に感じていられる事柄でございます。技術的な解明のほかに、もう一つ保安の教育ということを徹底して考えていかなければいけないのではなかろうか、ことに、いま御指摘のございましたように、炭鉱の将来に対しまして、労働者自身が好ましい職場として考えないような気持ちが出てまいりますということは、たいへんむずかしい問題でございますので、保安技術、保安教育といった面に、特に今後力を入れて、安心のできる職場であるという自覚を持っていただいて、またそうであるような諸条件を整えることを私どもは努力したいと考えております。
#59
○阿部竹松君 これは政策的な問題を加味しておりますので、労働大臣にお尋ねしたいのですが、いまも鉱山保安局長にお尋ねする中で申し上げましたのですが、炭鉱が休廃山、閉山になって、労働者があふれて、早川労働大臣の非常なお世話になる、一方、北海道に行って新聞を見ると、炭鉱労働者募集という広告がたくさん出ております。きわめて矛盾きわまる。そこで、炭鉱から炭鉱へ移動していけば万事終われりというような算術計算になるわけですが、炭鉱労働者といえども、遊牧の民ではない、ここの炭鉱がつぶれて三菱へ行った、ところが三菱がつぶれて住友へ行くと、その次の日は古河に行くというのが炭鉱の実態です。炭鉱は依然として人が足りないわけです。こういうのを国として、一方では国で金を出してそして助けてあげる、一方で炭鉱経営者が、やれ旅費だ、荷づくり運賃だ、途中の日当だというのを、一人何万円かの金をかけて募集しているのです。この矛盾点を解決する方法がございませんか。
#60
○国務大臣(早川崇君) 先般の法律改正にあたりましても、いま言ったような御指摘の炭鉱、ビルド炭鉱におきましても、人手が不足しているという実情にかんがみまして、移住資金と、炭鉱地帯以外に行く人に与えるいろいろな諸手当を、炭鉱から炭鉱へ移る方に差し上げるという法律改正を前国会で御承認いただいたのも、いま申されましたような実情に沿うための措置でございまして、しかし、根本は、やはり炭鉱に災害が多いとか、あるいはヘビーワークであるとか、これは斜陽産業であるとか、先行き不安であるとか、まあいろいろな事情がからみまして、炭鉱労働者になろうという人が非常に少ない、また少なくなってきておるという問題は、いま直ちに鉱炭がつぶれるというほどの問題ではございませんが、当然、数年後を予測しますと非常に大きい問題になってくるのではなかろうか、かように考えまして、たいへん頭を痛めておるわけでございます。通産省の鉱山保安局ともよく協議をいたしまして、何としても主人が安心して危険なく働けるような炭鉱の条件をつくっていくということにつきましては、格段の新しい決意で努力をしてまいりたいと考えております。
  〔理事小野明君退席、委員長着席〕
#61
○阿部竹松君 通産省の保安局とあるいは通産大臣と十分相談して炭鉱の保安を守って云々とおっしゃるが、答弁としては労働大臣優等生かもしらぬけれども、そういう話は三回も四回も何回も同じことを聞いておるわけです。それをひとつやっていただきたい、現実の問題として。答弁を聞きたいんじゃないんです。それをなぜやってくれませんかと、こう言いたい。まあ上を見ればきりがないし、下を見ればきりがない。この小さい四つの島に一億人も人口があるわけですから、あまりぜいたくは言えないでしょう。炭鉱労働者といえども国に甘えるわけにはいきませんけれども、あまりにみじめだ。これは私ばかりでない、保安局長も答弁の中で申されましたとおり、相当犠牲者が出る。しからば賃金はどうか。これはいま小野委員の質問の中にもございましたが、べらぼうに安いわけです。それから、期末手当なども四万円ぐらい、中小炭鉱に至っては一万円から一万五千円のところもざらにあるわけです。労働者を守るため、労働者がたった一つのたよりとする労働省の大臣であるあなたが、たとえばいま炭労と石炭経営者とごたごたやっておるようですが、こういう問題についてひとつあなたが乗り出して解決していただくというような気持ちはないですか。たとえば中央労働委員会などもあなたとは別個な機関である、別個な機関ではあるけれども、あなたが示唆することによって大きく動くこともできるわけです。こういう問題の扱い方について、大臣の御見解を承っておきたいわけです。
#62
○国務大臣(早川崇君) これは労働大臣の権限という問題に関係いたしますので、なかなかむずかしい問題でございますけれども、私の仄聞しておるところでは、組合がまた二つございましてそれぞれ別個に労使折衡をいたしておるという現状でございまするのと、今度二十億に近い特別年金という制度を使用者側のほうから出すことになりました。これが二十億としますと大体二千円近いベースアップ分の金でございます。まあこういう措置をしているからというようなこともからんでおるようでございまするが、いずれにいたしましても、通産大臣とも先ほど申し上げましたようによくお願いをいたしまして、炭鉱労働者が非常に困るような状態にならないように、また、中労委というあっせん機関もございまするので、こういったところは私の手の及ばぬところでありますけれども、中立機関でございますので及びませんが、炭鉱の収支の状況等の最大限まで炭鉱労働者のベースアップのために努力するように働きかけをするということをやっておるわけでございまして、権限はございませんけれども、そういう努力は最大限やっておりますし、また、今後やろうと思っておりますので、御了承願いたいと思います。
#63
○阿部竹松君 私の手に及ばないところと二度ほどお聞きしましたが、労働大臣はだれをさして言っておるのか。たとえば労働大臣の手に及ばないということになると、最後は残ったのは佐藤総理大臣だけでしょう。佐藤総理大臣はかつて三年ほど通商産業大臣をやられて、第一回目の有沢答申が出た当時手がけた人です、通産大臣時代。それから当時の大蔵大臣は田中角榮さんで、総理大臣は池田さん、池田さんはお気の毒にもなくなられましたが、みな当時の人は知っておるんです。おれにまかしておけ――。あの当時佐藤さんに聞いた。ここにおる大矢さんも知っておる。衆議院の人も何人か知っておる。おれにまかしておけ――。だめですよと言ったが、おれにまかしておけ、これで炭鉱は立ち直りますと言ったのは、当時の通商産業大臣佐藤榮作さんです。あなたの手が及ばぬということになれば、佐藤総理大臣に頼めと、こういうことですか。あるいはそういうように解釈しなければなりませんか。
#64
○国務大臣(早川崇君) 第一義的には、私企業でございますから、使用者と労働者の間の問題でございまして、政府が介入する余地がないことは原則上言えることであります。ただし、有沢答申以来、スクラップ・アンド・ビルド案で多額の補給金も出し、また、政府といたしましても、他産業にない一つの税金による予算措置をいたしたことも事実でございます。そういう関係で、通産大臣あるいは政府全体として、使用者側に対してある程度の発言権、あるいは補助金の使い方をどうするとかという限度において働きかけることができることは申すまでもないわけであります。また、どうしても労使の紛争がまとまらない場合には、中央労働委員会というものがございまして、ここで妥当な結論を出していただく余地もあるわけでございまして、そういう限度内におきまして、労働大臣といたしましてはできる限り労働者の福祉の向上のために努力をいたしたい、かように申しておる次第でございます。
#65
○阿部竹松君 なるほど労働大臣のおっしゃるとおり組合が二つある。しかし、二つあろうが三つあろうが、私は炭鉱労働者、炭鉱従業員がどうなるかということで大臣に御要請を申し上げておるのであって、組合が二つあろうが三つあろうが、ABCDをつけなさいということを私は申し上げておらぬ。炭鉱労働者の今日の現状、どうして労働省が手を打ってくださらぬのか。なるほど労働大臣のおっしゃるとおり、私企業であるには違いない。しかし、私企業であっても、昭和二十三年だと思いますが、労働省ができた当時、これは労働者のサービスセンターですよといって出発しておるんです。ですから、法的には経営者も拘束できぬでしょう。あるいは法的には民間産業の労働者もそれは拘束できないかもしれませんけれども、行政指導という面で、かくあるべきだという方針ぐらい私は打ち出すことはできると思う。それと同時に、さいぜん申し上げましたとおり、佐藤総理大臣も十分知っておるわけですから、これは大臣の要請によって総理大臣も動いていただけると思うわけです。こういうことをやっていただけぬものかと、こういうことをお願いしておるんです。
#66
○国務大臣(早川崇君) 御指摘のように、労働大臣は労働サービスミニスターという適切なおことばでございますし、私もそう思っておるわけでありまして、一例を申しますと、昨日の公労協の労使紛争につきましても、労働大臣は少し甘過ぎるじゃないかと、金を出すほうからはおしかりを受けたわけでありますが、また労働組合のほうからは、もっと上げるべきじゃないかと、結局板ばさみ的な、仲介的な立場にいつも立たされるわけでございます。これは非常に労働大臣としては名誉なことであり、またそれでいいんだと、私は思っておるわけでございますけれども、今回の炭鉱労働者の賃上げ問題につきましても、そういった基本的姿勢でいま通産大臣や官房長官とお話をするこのお役をさしていただいておるわけでございます。どうかひとつ労働大臣の立場というものを御理解賜わりまして、まあいろいろ御激励も賜わり、御叱正も賜わりたいと思います。
#67
○阿部竹松君 理解し過ぎるほど理解しているから、労働大臣はこのくらいできるじゃないかということをぼくは言うておる。あなた、きのうの公労協の決定、上げ過ぎるといっておこられて、一方は足らぬというたというのですが、上げ過ぎておこられたというのは、経営者のほうばかり多く会うからそちらのほうの声ばかり大きく聞こえて、上げ過ぎぬというほうの人たちとあまり会わぬから、そちらのほうの声が耳に入らぬ、やはり平等にやってみなさい、十対百か十対千くらいになります。そのために労働省をつくったのだから、そのあたり青年代議士として初めて早川さんが労働大臣になられて、自来二十年になって、まだ二十年間同じことをやっているわけです。もう少し日本の労働行政というものは、あなたのお力によってやはり行政指導の面で十分果たしていただかなければ、これをつくっていただいてたいへんけっこうだが、私などは炭鉱離職者、これで三十億くらい特別会計から金を取ったわけです。早川労働大臣は別途に取るという、大蔵省と交渉やったというからさすが早川労働大臣だと思ったのです。五百億のワク内に入ったので、私もこれはふんまんやる方ないので、ここでもの申そうとは思わないけれども、そういうところから出発しなければ、ほんとうの炭鉱労働者を守ってあげる、あるいは石炭産業を救ってあげるということにならぬじゃないですか。宮崎委員、お見えになったようですから、あと質問は通産大臣がお見えになるまでけっこうですから、これで質問やめますが、とにかく炭労と石炭経営者のいまいろいろ問題があるようですから、格段の御努力をひとつ御要請申し上げたいと思います。
#68
○宮崎正義君 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案、この問題につきまして小野委員との重複を避けるようにして、先ほどの債務保証の問題について少し伺っておきたいと思います。
 五十万円までは無担保ということはよくわかりましたけれども、これを金融会社で借りる場合、保証人が要るかどうか。
#69
○政府委員(有馬元治君) 五十万円までは人的担保も無用でございます。
#70
○宮崎正義君 百万の場合には要るわけですか。
#71
○政府委員(有馬元治君) 五十万をこす分については、原則として物的担保を要する、その場合に人的担保も銀行によっては要求するだろうと思います。
#72
○宮崎正義君 先ほどもちょっとお話がありましたように、離職者でありますので、担保を出すようなものをその人たちが持っているかいないか、こういう点に非常に心配するところがある。もう一つは、いま申し上げましたその保証人ですが、保証人にほんとうになる人がいるかどうか、この点で非常に、せっかくの債務保証という制度も相当壁にぶつかるのじゃなかろうか、こう心配するものです。
#73
○政府委員(有馬元治君) これは離職者でございますから、御指摘のとおり担保力がないということがあるわけですが、それでもやはり同僚の保証という場合もございますし、それから一種の、何といいますか、共同経営というような形で、数人相寄って事業を行なう場合もございます。融資の方法としては各人別に融資するわけでございますが、持ち寄って共同してやるという場合もございまして、これは全然人的担保の余地がないというわけではない。いままでの事例を見ましても、そういった保証人に相互になっておるあるいは友人がなっておるという場合もございますので、全然ゼロであるというわけにはいかないのじゃないかと思います。
#74
○宮崎正義君 そうしますと、共同事業ということは、いまのお話だとよろしいわけですね、もう一回お伺いしておきたい。
#75
○政府委員(有馬元治君) 共同方式によって事業を行なう場合、たとえばクリーニングあるいは自動車の整備事業、こういう場合ございますが、貸し出しを行なう場合には各人別に行なって、一つの企業体として貸し出すというよりは、その共同で行なっておる離職者各人々々に貸し付ける、こういう形で実際の貸し付けを行なっておりますし、今後もそういう方法でやりたいと思っております。
#76
○宮崎正義君 そうしますと、各人各人に債務保証をしていく、それを今度事業体にして、一つの株式なら株式形式にいたしますと、その債務請求というものは、やはり一人一人に渡したから一人一人になっていくという、会社対象じゃないということですね。
#77
○政府委員(有馬元治君) 各人を対象に貸し付けていきますので、共同事業をやる場合に、会社を構成した場合でも、会社が直接の貸し付け対象にはならないという考え方でございます。
#78
○宮崎正義君 いまの問題は大体それくらいにしておきまして、自営支度金を希望しておるというこの前の豊里の炭鉱あたりはどのくらい希望しておりますか。
#79
○政府委員(有馬元治君) 豊里炭鉱の場合、現在までの状況を見てみますと、まだ自営開業の希望者というものは出ておりませんが、今度の改正によりまして支度金ないし債務保証の制度が確立されますと、この中から若干でも自営開業の希望者が出るのではないか、現在まではすべて他の事業所に雇用労働者として再就職したいという希望者のみでございます。
#80
○宮崎正義君 いま豊里炭鉱の話が出ましたけれども、こういうふうに国民の中に一般に知られた閉山になった炭鉱、この面につきましては国民も注視しておりますから、どういうふうな行き方になったかなということの関心を非常に持っていると思うのですよ。総理と少女との手紙のやり取り等で、これは国民はみなひとしお関心を持っておりますが、こういうように名前のない、豊里のような名前のあるところでない、名前のない閉山になった、俗に知らていない閉山になっている炭鉱が、北海道にも例をとってあげますと上村炭鉱というのがありますが、この上村炭鉱につきましては御存じだと思いますが、二カ月分の給料を支払っていないというような状況下で閉山になっているというふうに聞いておりますが、この上村炭鉱のことについて御存じかどうか。そうしてもう一つは、閉山規模に含まれておったかどうか。
#81
○政府委員(有馬元治君) 御指摘の上村炭鉱につきましては、この四月十日に閉山になっておりますが、これについてはすでに私どもの離職者対策の計画の中にこの閉山予定が組み込まれておった炭鉱でございます。
#82
○宮崎正義君 それでは、現在の時点においてどういうふうに手を打っておられるかお伺いしたい。
#83
○政府委員(有馬元治君) 閉山当時の在職者数が百五十七名でございまして、うち求職者として安定所に求職の申し込みをした者が百二名でございます。まだ閉山から間もない関係もございまして、われわれの手元の資料によりますと、再就職した者は三名というふうになっておりますが、大体いままでの傾向から見ましても閉山後半年から一年の間に再就職する者は大部分が再就職する、こういうふうな傾向がございますので、この場合においても、まあその時期に再就職者が相当出てくるというふうに考えております。
#84
○宮崎正義君 いまお話のありましたように、最近だからというお話でありますが、ここで働いている人たちは二カ月ないし三カ月分の給料ももらっていない。そうしてさらに、保坑していなければならぬという者が今日十三名もそれに当たっている。もちろんこれは御存じのように給料は無報酬である。失業保険もこれはもらえば保坑に従事ができないという状況下にあると聞いていますが、こういうふうな事態の人たちにどういうふうな手を打たれているか。
#85
○政府委員(有馬元治君) ちょっと私聞き取りにくかったのですが、十三名は……失礼ですが保坑と申しますとこれは……。
#86
○委員長(大矢正君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#87
○委員長(大矢正君) 速記を起こして。
#88
○宮崎正義君 常用労務者という労務者が、いわゆる炭鉱労務者が十万いる。そうしてまた臨時夫が四千二、三百といわれる。そうして組夫が一万七、八千。職員が約一万六千というふうにいわれております。この炭鉱労務者の人の中の組夫の問題について大臣はどういうふうに将来お考えになっていらっしゃいますか。
#89
○国務大臣(早川崇君) 組夫というものが炭鉱の労働において非常に有効なお仕事をしておられることは承知をしておるわけでございます。問題は、これらの人たちの労働条件、その他労働福祉の面、あるいは賃金の面で、一般の常用の労働者の方々と格差があったり、あるいは手の届かないところがあったりしては、労働行政としては申しわけないと思いまして、特に労働基準局あるいは監督署に命じまして、これらの方々の労働条件の向上と福祉の確保に特に留意をいたしておるというのが現状でございます。
#90
○宮崎正義君 そのお考えはそうだと思いますが、実際におきましてほとんど手が下されていないのが実情でございますが、具体的にどのような手を打っていかれるか。
#91
○政府委員(村上茂利君) 石炭鉱業における組夫の労働条件につきましては、労働基準監督機関としましては、この問題を重視いたしまして、かなり広範な監督指導を実施いたしておるところでございます。ただ基本的な問題としては、雇用期間がいかにも短い、たとえば四十年五月の調査でございますが、組夫の勤続年数が二カ月未満の者が一八%、二カ月以上六カ月未満が二一%、六カ月から一年未満が二一%というように、過半数の者が一年未満であるという勤続年数になっておりまして、その勤続の不安定性からくる労働条件の低さという点についてはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。しかしながら労働時間を守らす、それから超過勤務については法定の超過勤務手当は支払わすというように、労働条件については特に注意をして監督いたしておる次第でございます。
#92
○宮崎正義君 いまお話がありましたように、短期間だということでありますが、長期滞在してやっているところを私はは承知しているわけですが、こういうのはそのまま、いまのお話ですときめこまかく手を差し伸びていくのだと言われておりますが、実際問題は夕張とか長期滞在しておるところもまだ手を打っていない現況だと見ておるのですから、こういうところの調査をどういうふうになさっていますか。
#93
○政府委員(村上茂利君) 私先ほど申し上げましたのは、昭和四十年五月に、元方炭鉱六十九鉱業所坑内下請二百二十八につきまして監督をいたした結果について申し上げておるわけであります。で、かなり広範な監督を一ぜいにやりまして、それに基づきまして、労働時間の短縮とか超過勤務手当の法違反の問題とか、そういうものを発見いたしました分については勧告をいたし、これを是正させるというように指導いたしております。特に労働時間につきましては、大手、中小組夫全体をとらえまして、特に直接夫の労働時間につきましては、いわゆる連動などのないように、かなりこれを厳格にやってまいりました。最近は直接夫の労働時間に関する違反はほとんどなくなってきた、こういうような状態にあるわけでございます。その際、その元方炭鉱だけを監督して組夫を除くということではなくして、実は逆のような観点から監督には力を注いでおるということでございます。しかしながら数ある組夫でございますから、まだ手の至らぬところもあろうかと存じます。しかし、私どもは監督の重点として、この面には特に力をそそいでおりますので、今後も十分注意をいたしまして監督の徹底をはかりたい、かように存じております。
#94
○委員長(大矢正君) 速記とめてください。
  〔速記中止〕
#95
○委員長(大矢正君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶあり〕
#97
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の諸君の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#98
○委員長(大矢正君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記とめてください。
  〔速記中止〕
#100
○委員長(大矢正君) それじゃ速記つけてください。
    ―――――――――――――
#101
○委員長(大矢正君) 次に、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、昨五月二十三日に本付託となり、提案理由の説明もすでに聴取いたしております。
 本案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#102
○小野明君 最初に、炭鉱労働者の賃金の問題について、先ほど労働大臣にもお尋ねをし、かつお願いをしておったところであります。そこで、通産大臣も御承知のように、公労協がほぼ大体めどがつきまして、あと炭鉱労働者の賃金をどうするかという問題がきわめて重要な段階になっていると思うのであります。で、他産業の労働者と比べてかなり低い位置にランクをされておるという事情については大臣も御承知のとおりであろうと思いますが、今年度の炭鉱労働者の賃金をきめる重大な段階になっておりますが、これについてのお考えをまずお聞かせいただきたいと思います。
#103
○国務大臣(菅野和太郎君) いま石炭労務者の賃金の問題ですが、この点について、ほかの賃上げが相当いいもんですから、その七%でくぎづけにするということについては、これは大いに考慮の余地があると思うのです。しかしながら、この点についてはあくまで労使でこの問題はきめるべき問題でありますし、先般も委員長の方が見えたから、そこで、これは労使できめるべき問題であるから、私はあなた方がお見えになったことは経営者側へもお知らせして、経営者側へも、一考ができるかどうか、私どものほうもひとつ話しておきましょうということで、経営者側のほうにも通じたのであります。その後、先ほども官房長官と労働大臣と私と三人で話をしておりまして、まあストに入らぬように何とか早く手を打ってくれないかということでありましたから、ここの委員会が済めば、労働大臣と出会って、そしてひとつ協議したいと、こう考えておる次第でございます。
#104
○小野明君 お話のように、七%というのは、実際に試算をしてみますと、きわめて低い額であるということはそのとおりでありますから、多くは申し上げませんけれども、きわめて重要な段階になっておりますし、まあ経営者に話を通ずるということだけではなくて、十分な御努力をお願いいたしたいと思うんであります。よろしゅうございますか。
#105
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまお答え申し上げましたとおり、これから労働大臣と官房長官と出会いまして、三人でよく協議したいと思っております。
#106
○小野明君 それでは、この法案に関する問題でありますが、この答申を見ますと、六項目にわたって述べられておるわけです。まず、鉱害復旧の長期計画の策定というのが第一項目にあがっておるんでありますが、何をいたしましても、残存鉱害量というのがはっきりいたしませんと長期計画の策定という問題にも立ち至らないのではないかと思うわけであります。この辺で残存鉱害量についてお尋ねをいたしたいと思います。
#107
○政府委員(井上亮君) 昭和四十年に全国鉱害量調査をいたしたわけでございますが、その集計の結果、残存鉱害量は全国で未安定を含みますが六百七十億程度という集計に相なっております。そのうち計画的に復旧等をいたしますのは安定鉱害と目されます五百億程度を対象として考えてまいりたいというふうに考えております。
#108
○小野明君 未安定と申しましても、漸次逐年安定をしてまいるわけですから、大体六百七十億ということになろうかと思うのでありますが、これで地区別にわかりますかね、この残存鉱害量、特に福岡を一つあげて、他は地区別に、福岡、それから九州ですね、ずっとあげていただけませんか。
#109
○政府委員(井上亮君) 先ほど申しました昭和四十年度の鉱害量調査の結果、福岡地区は圧倒的に多くて六百三十二億ということに相なっております。そのほか宇部が十七億、それから平地区が十七億、ほかに亜炭の関係で仙台、名古屋等に若干ございますが、そういう内容でございます。
#110
○小野明君 本年度予算を見ますと六十一億ですかね、ほぼ六十億、それから仕事の量にして七十五、六億ですか、そういうことになっておるのでありますが、この石炭関係の立法措置というのはたいてい四十六年までになっているわけですね、そうしますと、ことしぐらいの予算ではほぼ大体十年かかる、こういうことになる。これでは計画にならぬのではないか、この辺をどう処理なさるお考えであるか伺いたいと思います。
#111
○政府委員(井上亮君) ただいま先生おっしゃいましたように、今年度の予算につきましては復旧費といたしまして六十一億程度でございます。これは国の支出いたします補助金でございますが、これで復旧の規模といたしましてはおおむね七十七億程度の復旧が可能になるというふうに考えております。したがいまして、今後長期に鉱害復旧を考えてまいりますに際しまして、私どもはこの残存鉱害、まあ五カ年で処理するといたしますれば平均的に見て百億程度の復旧規模が必要になるのではないか、復旧規模の点で。初年度といたしましては七十七億の規模でございますから、今後計画的に考えますときに、逐次工事量をふやしていくというような考え方で、安定鉱害につきましては復旧を完了するように計画を組みたいというふうに考えております。
#112
○小野明君 この点は局長だけの答弁ではどうかと思うわけですね、これ、大臣、事業量で七十七としても、五倍してもほぼ四百になるわけです。処理できかねるわけですね。でありますから、この辺、局長としては大体百億ぐらいと、こういうふうにお話があったのでありますが、鉱害処理というものができないと、産炭振興も何もできないわけですね。でありますから、計画的にやれという答申もあるわけです。これについてひとつ大臣の御答弁をいただきたい。
#113
○国務大臣(菅野和太郎君) 本年度は先ほど局長が申し上げたとおりなんですが、来年度重油の輸入がふえるに従って関税収入がふえますからして、したがって特別会計も金額がふえていく結果になります。したがって、それでひとつ鉱害に対する対策費というものを増していきたい、こう存じております。
#114
○小野明君 特別会計がふえるというのでありますが、その中で総ワクが大体きまっておるわけでしょう。年にふえるのがどのくらいになりますか。五十億ぐらいになりますか。どのくらいふえるんですか。
#115
○政府委員(井上亮君) 関税収入は大体当初の見込みは五十億程度でございましたが、ごく最近の見通しではもう少しふえるんじゃないか。六十億近くになるんじゃないかというふうに考えます、年間で。
#116
○小野明君 それが全部鉱害に回るというわけにいかぬですね。それで、一つは特別会計というのが年々ふえていくことに間違いはないか。あるいはケネディ・ラウンドの問題もあるわけですから、全体的にこれがふえるといってもどうなるか見通しが私ははっきり立たぬような気がするわけです。その辺はいかがですか。
#117
○政府委員(井上亮君) 関税収入の見込みにつきましては、私はこれは相当かたい。と申しますのは、原重油の輸入の見通しになるわけでございますが、これはエネルギー調査会等においても相当精緻に検討をいたしておりますので、それをもとにしての収入試算でございますが、今後の経済見通し等からいいましても、原重油の輸入は相当ふえてくるというような見込みでございますから、当初予定しました年間に五十億ずつぐらいはふえていくんじゃないかという見通しも、今日の情勢ではそれがもうちょっとふえまして六十億近くずつ年々ふえるんじゃないかというような見通しになってきたようなことから見ましても、減ることはないというふうに考えております。
#118
○小野明君 減ることはないけれども、実際はその中から鉱害にどれだけ回すかと、こういう点になってくるわけですね。それでほかの立法は四十六年まであるわけですから、鉱害だけあと五年足が出た、半分しかできなかった、こういうことにひとつならぬように、局長の答弁のように、やはり百億をこす鉱害復旧費というものを計上していかないと計画にならぬと思うのですが、よろしゅうございますか、大臣。
#119
○国務大臣(菅野和太郎君) いま局長が答弁したとおり、ひとつその案でいきたいと、こう存じております。
#120
○小野明君 それから、答申の二項にあります鉱害復旧促進地域制度の拡充、こういうものがありますね、これをひとつ説明をしていただけませんか。どういうことでこれを設定しておるのか、どういうふうに拡充をしていくのか。
#121
○政府委員(井上亮君) 昨年の七月に石炭鉱業審議会から、一般的な抜本対策とあわせまして鉱害についての答申も出されておるのでございますが、その第二項目に鉱害復旧促進地域制度の拡充ということで、鉱害復旧の総合性を強化するために、さらにこの地域制度を拡充したいということが出ておるのですが、この意味は、従来は終閉山の無資力鉱害地域だけについて地域指定をやっておったわけでございますが、単に終閉山の無資力鉱害地域だけでなしに、終閉山いたしました有資力の鉱害地域のうち特に必要だという地域を加えて、やはり復旧計画に基づく復旧を立てる必要があるのではないかというような趣旨でございます。これは従来の実例をもう少し簡単に申しますと、現在の無資力鉱害地域というのは三十九年度から始まっておりますが、三十九年度には五地域を指定しております。四十年度にも五地域、四十一年度にさらに五地域、それからことしは、この答申にもありますように有資力の鉱害地域も追加したいということで、この地域指定をさらに増加させたいと考えております。
#122
○小野明君 それの資料を一つ出していただけませんか。あと私はこの次に譲りたいと思いますから、これで終わります。
#123
○委員長(大矢正君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト