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1967/07/19 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 石炭対策特別委員会 第11号
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1967/07/19 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 石炭対策特別委員会 第11号

#1
第055回国会 石炭対策特別委員会 第11号
昭和四十二年七月十九日(水曜日)
   午後一時三十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  壽君
    理 事
                西田 信一君
                二木 謙吾君
                小野  明君
                鬼木 勝利君
    委 員
                井川 伊平君
                石原幹市郎君
                小林  章君
                高橋雄之助君
                柳田桃太郎君
                吉武 恵市君
                阿部 竹松君
                大河原一次君
                大矢  正君
                宮崎 正義君
                片山 武夫君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  坊  秀男君
   政府委員
       文部省初等中等
       教育局長     斎藤  正君
       厚生政務次官   田川 誠一君
       厚生省年金局長  伊部 英男君
       通商産業省石炭
       局長       井上  亮君
       通商産業省鉱山
       保安局長     中川理一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       厚生省年金局数
       理課長      淵脇  学君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱業年金基金法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○当面の石炭対策樹立に関する調査
 (産炭地教育の振興に関する件)
○石炭政策に関する請願(第五八四号)(第五八
 五号)(第五八六号)(第五八七号)(第五八
 八号)(第五八九号)(第五九〇号)(第五九
 一号)(第五九二号)(第五九三号)(第五九
 四号)(第五九五号)(第六〇八号)(第六〇
 九号)(第六一〇号)(第六一一号)(第六一
 二号)(第六一三号)(第六一四号)(第六一
 五号)(第六一六号)(第六一七号)(第六一
 八号)(第六一九号)(第六二〇号)(第六二
 一号)(第六二二号)(第六二三号)(第六四
 六号)(第六四七号)(第六四八号)(第六四
 九号)(第六五〇号)(第六五一号)(第六五
 二号)(第六五三号)(第六五四号)(第六五
 五号)(第六五六号)(第六五七号)(第六五
 八号)(第六五九号)(第六六〇号)(第六六
 一号)(第六六二号)(第六六三号)(第六六
 四号)(第六六五号)(第六六六号)(第六六
 七号)(第六六八号)(第六六九号)(第六七
 〇号)(第六七一号)(第六七二号)(第六七
 三号)(第六七四号)(第七三三号)(第七三
 四号)(第七三五号)(第七三六号)(第七三
 七号)(第七三八号)(第七三九号)(第七四
 〇号)(第七四一号)(第七四二号)(第七四
 三号)(第七四四号)(第七四五号)(第七四
 六号)(第九七七号)(第九七八号)
○石炭対策予算の拡大等に関する請願(第八二七
 号)(第八二八号)(第八二九号)(第八三〇
 号)(第八三一号)(第八三二号)(第八三三
 号)(第八三四号)(第八三五号)(第八三六
 号)(第八三七号)(第八三八号)(第八三九
 号)(第八四〇号)(第九四九号)(第九五〇
 号)(第九五一号)(第九五二号)(第九五三
 号)(第九五四号)(第九五五号)(第九五六
 号)(第九五七号)(第九五八号)(第九五九
 号)(第九六〇号)(第九六一号)(第九六二
 号)(第九六三号)(第九六四号)(第九六五
 号)(第九六六号)(第九六七号)(第九六八
 号)(第九六九号)(第九七〇号)(第九七一
 号)(第九七二号)(第九七三号)(第九七四
 号)(第九七五号)(第九七六号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木壽君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 石炭鉱業年金基金法案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を求めます。厚生大臣。
#3
○国務大臣(坊秀男君) ただいま議題となりました石炭鉱業年金基金法案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 石炭鉱業の現状にかんがみ、政府としましては、その抜本的安定をはかるための諸施策を講ずることとしておりますが、石炭鉱業が今後長期にわたり安定していくためには、労働力を安定的に確保する必要があり、このため抜本的安定対策の一環として、石炭鉱業の坑内員の老後の生活に特別の配慮を加えるために石炭鉱業の事業主が共同して行なう老齢年金制度の実施をはかることとしたのであります。
 その実施の方法といたしましては、石炭産業の坑内員も厚生年金保険法の適用を受けているのでありますから、まず厚生年金基金の活用が考えられるのでありますが、厚生年金において坑内員は特別の取り扱いがなされているため、坑内員について厚生年金基金をつくることは、その仕組みから見て財政的にきわめて困難なのであります。こうした理由から石炭鉱業の全事業主が共同して老齢年金給付を行なう組織として、石炭鉱業年金基金をつくる道を講じようとする次第であります。
 以下、法案のおもな内容につきまして、逐次御説明申し上げます。
 第一に、石炭鉱業の坑内労働者の老齢について必要な給付を行なうため、石炭鉱業の事業主が共同して特別法人である石炭鉱業年金基金を組織することとしております。
 第二に、石炭鉱業年金基金の事業は、坑内員の老齢につき年金たる給付を行なうほか、坑外員を使用する事業主が希望したときは、坑外員の老齢につき年金たる給付を支給することができることとしておとます。
 第三に、石炭鉱業年金基金は、事業に要する費用に充てるため事業主から掛け金を徴収することとし、掛け金の滞納があった場合には、国税滞納処分の例により処分することができることとしております。
 第四に、厚生大臣は、石炭鉱業年金基金に対して、報告の徴収、立ち入り検査その他必要な監督権限を有することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由でありますが、何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(鈴木壽君) 本法案に対する質疑は、後刻に譲りたいと思います。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鈴木壽君) この際、当面の石炭対策樹立に関する調査の一環として、産炭地教育の振興に関する件を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○小野明君 きょうまあ大臣の御出席をお願いしたのでありますけれども、衆議院で委員会が開かれておるということで、出席ができないようでありますが、この石炭の抜本安定策ということでこの審議会から答申が出されましたことは、初中局長も御存じのとおりであります。その答申に基づいてですね、この国会、いわゆる抜本策ということで五本の法律案が上程されまして、この際でありますから、答申の中にあります教育の問題について若干やはりお尋ねをしておいたほうがよかろうという観点から、きょうおいでを願ったのであります。
 で、第三次の答申が出まして、それを受けての閣議、昨年の八月二十六日であったと思いますが、この中に産炭地域の振興のために長期計画を早急に策定する一方、文教対策の充実等を積極的に行なう、こうあるわけであります。で、産炭地域の振興については、先般の委員会でも五カ年計画をもってこれが策定を急がれておるということで、やはりこの教育の面におけるこの閣議決定をどう生かしていくのかということが私のお尋ねをしたい第一点であります。この答申なり閣議決定を受けまして、文部省といたしましてはどういった措置をとってこられたのか、これをお尋ねをしたいと思います。
#7
○政府委員(斎藤正君) 昭和四十一年の石炭鉱業審議会の御答申、これにつきましては、文教対策の充実等による産炭地域社会の環境の整備を積極的に推進する旨がございまするし、またこれによりまして、この関係府県も同様の趣旨の対策を四十一年の八月二十六日にいたしております。従来産炭地につきましては、教育上あるいは文教施設についてのこの財政関係、市町村に対する財政の状況に応ずるそのかさ上げの措置と、あるいは就学援助の経費につきましてかさ上げの措置をとる、あるいは育英奨学金の配分にあたりまして特に考慮をするとか等々、いろいろのことをやってまいりましたが、四十二年度におきましてはこれらの問題に加えまして二、三新しい点を施策として加えたのであります。
 すなわち、第一点は、これは前回の国会におきましていろいろ御論議のございました、学校におけるその準要保護あるいは要保護児童等が多いために、学校に現実にそれらの事務に関する仕事がふえておるということがございまして、これは現行定数法の範囲内ではございまするけれども、特にこの点については大蔵省の協力を求めまして、一定規模の就学準要保護児童の多いようなところに対しましては、事務職員を加算する措置を講じたのであります。
 それからもう一つは、一般的に経済的に困っておられる方々の就学援助、ことしは、従来学用品等幾つかのものがございましたが、通学用品費の経費を加えることによりまして、学用品と通学用品費と合わして、そして入学時における通学用品費の購入もまた援助の対象にし、それにつきましても関係市町村の財政に応じて、原則が二分の一であるのを補助率のかさ上げをするという措置を講じました。また、文教施設につきましては、従来義務教育の諸学校等の施設でございましたが、社会体育面にも広げまして、この社会体育として用いられるプールでありますとか運動場につきましてもかさ上げの措置を講じました。また、該当地におきます青少年指導というものにつきましてなお充実する必要があるし、その実態をよく見きわめる必要がある。これは先生も前国会におきまして、文教委員会におきまして、生徒指導について関係者の共同研究の場を設けられたらどうかという要望等もございましたので、今回、産炭関係の生徒指導の担当者を別ワクといたしまして、生徒指導の研究集会を催す等の措置を講じました。
 以上が四十一年度になかったものとして、四十二年度の予算あるいは定数につきましては政令の措置で改善をした事柄でございます。
#8
○小野明君 かなり四十二年度の予算面としては事務職員の増あるいは準要保護児童に対する入学援助等、見るべきものがあったと思うのであります。その中でかなり効果的であったと思いますのは、やはり学校の事務量が非常に膨大になっておる。生活保護あるいは準要保護の事務を生活保護法によって校長がやるということになって、校長から教員が受けとるということになりまして、非常に事務量が膨大になっておる。それを処理するのに全国で百九十一名でありますか、この事務職員を配置されたというのはまあ適切な措置であったと思うのでありますが、なおその数は足りないわけです。それでは、たとえば北海道で十七でありますか、福岡で十六でありますか、まあ一名程度違うかもしれませんが、その程度の配当になっておりまして、産炭地、福岡でもほぼ三百近くの学校がありますが、その中で十六名というのはきわめて少ないわけですね。でありますから、これをさらに増大していく、ふやしていくという措置をとっていただきたいと思うのでありますが、これはいかがでありますか。
#9
○政府委員(斎藤正君) 事務職員の問題は、定数問題の一つの課題でありますので、私どもも今後検討をしてまいりたいと、かように考えております。
#10
○小野明君 今後検討してまいりたいという答弁ではどうもおもしろくないわけです。あなたの答弁は文教委員会でも非常に渋いんだけれども、やっぱりここでも非常に渋い答弁で、ここへ参りますと少しは前向きの答弁がいただけるかと思いまして来ていただいたのでありますけれども。実際に事務量が膨大になっておりまして、これをふやしていってもらいたいというお願いをいたしておるのでありますが、この点について、ひとつ再度御答弁を願います。
#11
○政府委員(斎藤正君) まあ率直に申しまして定員問題というのは非常にこれはむずかしい問題でございますから、私どもも実際にやってみないとこれはあんまり簡単に答弁してはかえって失礼になるということもございまして、昨年も事務職員問題については、ある程度の見込みが私にできるまでは、はっきり御答弁を申し上げなかったので、これは他の予算と違いまして、定数問題というものは非常に予算折衝その他の困難な問題があるという事情は、先生もおわかりになっていただけると思いますし、また、この定数法自体が、いま五カ年計画の進行の、明年度は完成の時期でございますので、その完成に全力を注がなければならぬという事情もございますので、私は先生のお気持は十分わかりますので、よく検討をさしていただきたい、こういうことで御了承願いたいと存じます。
#12
○小野明君 それでは不満でありますけれども次の質問に移りますが、この第二次の有澤調査団の報告を受けまして、四十八国会、ちょうど愛知文部大臣のころでありますけれども、この国会がやはり大きな一つの、産炭地の教育にとっては画期的な国会ではなかったかと思われるわけであります。その中で、いろいろ愛知文部大臣が約束をされておりますけれども、今日、実現を見ていない点が二、三ある。その点を一つ一つお尋ねをしていきたいと思います。
 産炭地の学校教育というのは、やはり児童生徒の激減、生活保護者の急増ということから、非常に非行が目立ってくる。あるいは無為、無気力な児童生徒がふえてくるということで、特異な状況にあるわけでありまして、この点を愛知文部大臣もやはり全国画一の方式をもって当てはめるべきではないと、こう言われておる。答申を完全実施せよ。こういうことを言われておるのであります。ところが、今日やはり全国画一の施策しかやらていないように私は受け取っておるのであります。この点についていかがお考えでありますか、お尋ねをしたいとお思ます。
#13
○政府委員(斎藤正君) 愛知大臣が、そういう急減の地区に対して、具体的な配慮をしなければならぬと御答弁申し上げました。その後、ある事由によっての急減ということだけの措置はいたしませんでしたけれども、四十一年度、中村大臣のときに、急減緩和というような、これは一般的なルールではございますけれども、その産炭地等の関係の府県の多い事情に着目いたしまして、御承知のとおり昨年度は急減緩和の措置を、中学校についてパーセントを上げることによって、全体の府県の配置に弾力的に運用できるというようにいたしたのでありまして、そのことは四十二年度も引き続き措置をいたしておりまして、この効果は、やはり例を福岡にあげてみますならば、通常の原則ではじきます教員定数よりは、教員につきましては相当の余裕を生じ、そうしてそれを県内の全体の考え方として、産炭地に対して、あるいは中学校における補導の意味を含めて教員の厚みを増す、あるいは小学校についても教員の厚みを他の地区より増すという措置をとっておるわけであります。それに今回は先ほど申し上げました事務職員の措置、これは現行定数法の上で率直なところを申しまして、かなり折衝に困難を来たしたのでございますけれども、一つの課題でありましたので、私どもとしては、十分に努力をして、不十分ではございますけれども、とにかくいままでになかった考え方を出した次第であります。要しますに、そういう急減緩和地区が各府県に及ぼす影響、実態に着目いたしまして、急減緩和の措置ということで措置をしてきた次第であります。
#14
○小野明君 ところが、やっぱり特別措置ではないわけです。そういう名はないわけです。実質的にはいまおっしゃるような点があるかもしれません。それは私も認めますけれども、やはり特別措置という名実ともに備わった措置ではないのであります。この点が非常に私は不満であります。先ほどの質問の、事務職員のいわば新設という新しい措置がされたのでありますけれども、先ほどの四十八国会の有澤調査団の報告書をお書きになった高橋参考人、この人の証言を見ますと、この報告書についていろいろ証言がされておりますが、その中にこういう項があります。実質的には養護教諭を置け、事務職員も置きなさい、こういう二つの項が上がっているわけです。今回は事務職員については生活保護、準要保護の数が膨大になっておりますから御考慮いただいたのでありますけれども、やはり家に帰りますと、産炭地の子供というのは、父親は非常に低賃金で食えないから、おかあさんはみんな内職に行っている、こういうことでだれもみてやる者がいない、衛生の面においても養護の面においても欠けるところが非常に大きいのであります。それでやはり養護の先生を事務職員と同じように配置すべきではないかということを考えているのであります。現実に有澤調査団の報告の中にもそのことが指摘されておるのでありますが、この点について局長のお考えをお聞きしたいと思います。
#15
○政府委員(斎藤正君) 養護教員につきましては、実は急減緩和措置というのが現実に例を福岡にあげますれば三十二名でございましたかございまして、先生のおっしゃるように、今回の事務職員のように特別措置ということは考えませんでしたけれども、その効果はあったものと思うのであります。もちろんこの養護教員問題は、今後義務教育の定数を考えます場合の、これは産炭地域その他僻地いろいろな特殊な地域における一つの課題でございまするので、私どもも今後検討してまいりたいと存じますが、定数法もまだ、いまの段階で改正をするというようなときになっておりませんので、問題点は十分認識して検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第であります。
#16
○小野明君 それから愛知大臣は、産炭地の教育自体が特殊学校化しているのだ、こういうことを言われておるのでありまして、特殊学級を相当多くつくることを進めておるのだ、こういう御答弁もあるのであります。それで産炭地の子供をみますと、特殊学級に入れなければならぬ子供が全児童の小学校で一五%、中学校で一七%ある。ところが実際に特殊学級に入っている子供というのは、小学校でそのうち二・五%、中学校で三・三%しか収容されていない。先ほどの、先般来問題になりました高校定数法の中でも、特殊学級の問題については、文部省としても抜本的に検討しておるということが剱木文部大臣によって答弁されておるのでありますが、産炭地域全体が学校が特殊学校化あるいは特殊学級化しておる現実から、特殊学級をふやしていただきたい、あるいは促進学級でもけっこうでありますけれども、それを増設していく、こういった配慮をいただきたいと思うのでありますが、その点について再度お答えをいただきたいと思います。
#17
○政府委員(斎藤正君) 特殊学級の問題につきましては、全体の予算を、特殊学級の施設設備に関する補助は数を全体として増しましたから、府県において設置いたします場合に、産炭地での御要望を十分聞いて配分するという考え方を持っております。
 それから、教員の問題につきましては、これはむしろ一応の数を千二百学級なら千二百学級全国で入れているんでございますが、これは実は精算負担でございますから、特殊学級を置けば、この予算のワクにかかわらず国庫負担金で見るという制度になっておりますから、設置することによって教員自体のワクというものには、これは一般的でございますけれども、不安はございません。
 ただ、一点だけ先生の御意見に対しまして若干所見を異にする点を申し上げておいたほうがいいと思います。と申しますのは、先生が後段におっしゃったように、一種の促進学級のようなものを、今後産炭地その他の事由による就学困難な学童のいる地区に将来施策を考えろということは、私どもも今後真剣に考えたいと思いますけれども、あまり現在の時点の学力不振というものを特殊学級という形でやりますことは、これはまた所在の子弟にとりましてもはたしていいことであるかどうか、真に特殊学級に必要な限度でやらないと、促進学級の問題と特殊学級の問題を混同することがはたしていいかどうかという問題を私は個人的に持っておりまして、実は一般的問題といたしましても、昨日から特殊教育に対する基本的な研究を始めましたけれども、一般の地区におきましても特殊教育、ボーダーラインの児童生徒の一時的な知能の低下、学力不振という問題をむしろ普通教育の中でもう少し考えるほうがいいんじゃないかという課題もあるわけでございまして、その点は私どもは区別していきたい。しかし、真に必要なものについては私は施設設備の配分にあたりましても、また教員につきましてはもちろん実績負担でございますから、運営に困難はないと思いますが、若干意見をつけ加えて、御答弁申し上げます。
#18
○小野明君 もちろんそうでありますが、この特殊学級に入れる必要のない者もこれに入れてどうするということではないわけであります。それでやはり私は全国的に見ましても特殊学級というものがまだ十分検討され、普及をしていない、スタートしたばかりだという答弁でありますけれども、そういった点でやはり入れるべき、ここに入れて教育したほうがいいという子供は産炭地においては優先的にこういった制度を生かしていただきたい、それを促進していただきたい、こういう意味であります。それから、非常に根気に乏しい、あるいは情緒不安定あるいは無気力、こういったのが産炭地の子供の特徴であります。勢い親も見るひまがないもんですから、四十年度の警察庁の白書によりますというと、全国最高の青少年非行、あるいは虞犯少年の数を数えておるのであります。やはりこれには積極的な産炭地域の教育振興ということをお考えいただきたいと思っているところであります。
 この非行に関係いたしますけれども、やはりカウンセラーであります。カウンセラーというのが非常にあいまいでありまして、問題でありますけれども、この点はこういう内容であります。答申に出ている趣旨というのは、カウンセラーなど必要な教職員を増員をし、必要と認められる学級については必ず配置する、あるいは学校に配置すると、こういう答申の趣旨になっておる。ところが、現在とられておる趣旨というのは、充て指導主事をやりまして地教委に配置になっておる、やはり補導教師という制度をひとつ新しくつくっていただく、そしてこれを学級に配置をする、これがやはりこの答申の趣旨を生かす道ではないかと、こう思うのであります。特にまた閉山が、今度の合理化計画を見ましても、約八百万トン、三万人の人員整理が行なわれる計画になっておるのであります。いま筑豊――福岡の例をとりますと、筑豊地帯でも十五万から二十万の人口減になっている、これになお合理化を行なうわけでありますから、一そうこの青少年非行の傾向というのはふえてまいると推定されるのであります。この補導教師、カウンセラーは、やはり学校配置と、この点をぜひ実現していただきたいと思うのであります。この点についてひとつ御見解をいただきたい。
#19
○政府委員(斎藤正君) この点につきましても、前々から先生に御指摘をいただいておりますが、現行のこの定数法上の措置並びにその限界の定めは、限度政令との関係におきましては、学校に教員を配置するという措置は、国庫負担にはね返ってまいりませんので、むしろその市町村の教育委員会に配置をして、そして生徒指導につきまして、公開等の指導を所在の学校の先生と協力をしてやるという機能に着目をいたしまして、充て指導主事を、この四十二年度までの累計といたしまして、産炭各県に産炭地域を対象として配った人数が五百三十八人に累積されております。これを活用していただきたいということを考えております。
 また、先ほど福岡県の例で申し上げましたように、この急減緩和措置によって、ことしで申しますならば、六百六十七人の教諭等の緩和措置をとり、それを利用いたしまして、県といたしましては、中学校につきまして五十何人でございましたか、この補導を担当させるものとして教職員の厚みを増したということもございますし、また小学校は、先生さっき御指摘になりましたような、一種の促進学級的な措置もとり得るというような観点で、五十五、普通の県内の配分の上に、産炭関係について考えろということでございますが、基本的には、この各学校に一般的な生徒指導というものの職を設けて配置すべきかどうかということにつきましては、全般の問題として非常に考究を要すべきことであります。特に中学校につきましては、前期中等教育につきまして観察指導をどうすべきかということが中教審の答申に盛られておりまして、これがさっそくその仕組みというものにつきまして、調査会を設けて近く発足することになっております。
 それともう一つは、われわれの課題といたしまして、一般問題と別に、いろんな事由によりまして産炭でありますとか、同和でありますとか、あるいはその他の都市のスラム街でありますとかいうようなところに、いわゆる教育困難地区に対しましてどういうことを考えるべきかということも、私ども次の機会の定数改正の際の一つの課題として研究を始めたところでございます。率直なところ、現在は充て指導主事、それから急減緩和措置というものの効果を利用して、県内でくふうしていただくということになっておるのであります。
#20
○鬼木勝利君 あなたの答弁は、私、横から聞いておって、小野委員の答弁に対してだいぶ筋が離れておるのです。カウンセラーを地教委に配属しておるのは実際的でないと、現実に産炭地の児童生徒の不良化ということは、これはもうひとしくわれわれが憂慮しているところでございますから、地教委にそれを配属されたんでは困ると、各学校に配属してもらいたい、各学校に配属すれば、それはあなた方からは、定員の問題だとか、定員増でどうだとかおっしゃると思うけれども、これ予算委員会において、私も愛知文部大臣に質問して、はっきり増員しますと、はっきり配置しますということを明言している。だから、現地の教職員の方々は、こんな地教委なんかに置いてもらったんでは実際的に間に合わない、火急な場合もあるし、学校から直接現地に飛んでいくとか、あるいは常時巡回するとか、こうした不良化防止ということに対しては、各学校に配置してもらわなければ困るというのが産炭地の教職員一同の悲痛な叫びであり、あなた方が、いわゆる机上で考えられることと、実際ということとだいぶかけ離れておる、そのことを小野委員は各学校に配置してくれる考えはないか、そういうふうにやってもらいたい、せっかくカウンセラーを配置してもらっても、地教委に配置したんでは、実績はあがらない、こういうことをいまあなたに話しておる。カウンセラーの働きぐあい、カウンセラーがどういうことをやっておるとか、そういうことはあなたから言われぬでも、われわれのほうがよくわかっている。その点をあなたに聞いておる。だから結論は簡単だ。回答は、その点局長、明確にお答えを願いたい。
#21
○政府委員(斎藤正君) 現在学校にいわゆるカウンセラー、補導を担当すべきものとしての配分の基準は定数法にございません。したがいまして、現在はいたしておりません。将来についてどうかということでございますから、その点についてもよく検討は続けてまいりたいと思います。
 第二点でお答えいたしましたのは、そういう名目ではないけれども、実際、全国的な基準に比べまして急減の様相を呈しておりますので、それに対する保障措置をとって県全体のプールとしてやっているので、その定員を活用して、府県においては必要に応じてこの中学校に、ただいま申しましたように、生徒指導ということに着目をして、配属をしておるというのが実態であるということを申し上げておるのであります。先生おっしゃるように、いま地教委では隔靴掻痒の感がある、現実にその教員に、それに専念させるのがいいという御趣旨はよくわかりましたけれども、現在直ちにそれを定数上の問題としてまだ解決し得ない状況であるということを申し上げて、間接的な効果でありますけれども、現在の定数法上許す範囲内におきまして本年度は措置をしたということを申しておるのでございます。
#22
○小野明君 局長も現場を御存じであるかもしれませんけれども、こういう実態になっておるわけです。充て指導主事でもいいではないか――確かに一つの前向きな措置であるかもしれません。しかし、ところによっては、これはもう充て主事は要らぬと、こういうことを言っておる現場も非常に多くあるわけであります。というのは、一つの地教委というのが五つないし六つの学校を持っておりましてこれを所管しておる。そうすると、その一つの学校で、遊んでおる先生は一人もおらぬわけですね。全部学級を持って授業をやっておる。ところが、その学級にきょうは非常に心配になるあの子が来ておらぬ。そんな子が何人かおる。さあそれならカウンセラーの先生にと、こう言いましても、さあ学校が五つもある。それを全部さがして回らなきゃならぬ。あるいは地教委にもう一回さがしてくれと、こういうことになってしまう。あるいは受け持ちの先生が行くということになると、警察にごやっかいになっておるからということで行くということになると、ほかの四十人の生徒が全部遊ばんならぬ。こういうふうに非常に不都合が多いわけですね。ですから、やはり一歩進めて、学校に一人の補導教師を制度化してもらっておっていただけば、常時職員室に帰ればおるわけでありますから、非常に補導に有益であるし、また便利であると、こういう観点でひとつ一歩を進めてもらいたい、こういう気持ちであります。で、愛知国務大臣の答弁にも、有澤答申が完全に実施できるように措置いたしますという答弁があっておるわけでありますから、そういう方向に一歩踏み出すわけにはまいらぬか、こういうお尋ねを再度いたしたいと思うのであります。
#23
○政府委員(斎藤正君) 定数の問題につきましては、四十三年度までは改正法実施の経過措置期間中でありますので、できるだけ関係の経過的な政令を活用しながら私どもとしては努力をしてまいったのでございます。で、私どもも、これが完結後におきましては、いろいろな教師の定数の問題がありますから、いま先生御指摘の問題も含めまして今後検討してまいりたいと、かように存ずるわけであります。
#24
○小野明君 ひとつ、養護教諭の問題、それから事務職員の問題、特殊学級の問題、それぞれ十分前向きに御検討をいただきたいと思うのでありますが、特にカウンセラーの問題は制度化されていない、そしてその方向がやっぱり違っておる、施策の方向がずれておるんではないかという点が強く感じられますので、ぜひその辺を是正していただくようにお願いをしたいと思うのであります。
 それから、最後の問題でありますけれども、石炭政策で、先ほども申し上げましたように、さらに合理化が進み、閉山が進むわけであります。この前の石炭局長の答弁によりますと、八百万トン、人員にして約三万、ことしはもう、四十二年度で一万四百人か、こういった整理計画になっておるのでありますが、さらに産炭地の実情というのは窮迫の度を加える。教育的に見ますと非常な危機の状態になってまいるわけであります。同時にまた、この問題は、児童生徒の数が減りますから、勢い先生の数も減らさなきゃならぬ、こういうかっこうに追い込められるのでありますが、全国で産炭地八県、福岡県はじめ、先ほどからいろいろ局長がお話しになっておる定員の急速な減少、定員急減という結果を招くことは必至なんでありまして、その点、現在の標準法でまいりますと、非常に大きな無理が福岡をはじめ産炭地各県に出るのではないか、こういう危惧をいたしておりますし、現実、福岡では、本則で適用いたしますと、八百五十数名という減が出てくるのであります。これをどのように措置をなさるおつもりであるか。先ほどからの御答弁で、産炭地にはそれ相当の急減に伴う措置をやっておると、こういうお答えをいただいておるのでありますけれども、現実の問題になってまいっておりますので、この点についてひとつ見解を承りたいと思うのであります。
#25
○政府委員(斎藤正君) 全国で、原則といたしまして、四十三年度で五カ年計画が完成いたしまして本則の適用と相なりまするけれども、この定数法につきましては二年のさらに経過的な処理をできる規定がございまして、いま御指摘のように、急減していく県でありますとか、その他いろいろな事由によりまして極端な変動が人事行政上問題になるというような府県がございますので、これはこれから私どもが明年度の予算を編成するにあたりましての一つの課題でございまして、逐次関係府県を呼びまして実情の調査を始めておる段階でございまして、私どもも人事行政上急激な不都合が起こらないような配慮を十分に法律の範囲内でいたすような努力をいたしたいと思いまして、現在せっかく検討中でございます。
#26
○小野明君 よくわかりましたが、産炭地というのは、かつての繁栄に比べまして、まあ山谷とかあるいは釜ケ崎とかいろんな問題がありますが、それと質を異にした教育の陥没地帯、こういうことが言えるのでありまして、この産炭地振興計画におきましても、新たに今年度から五カ年計画でこれをやると、こういうことになっておるのでありますが、いまの局長の御答弁を伺いまして、さらにこの産炭地域振興計画とあわせられて、二年の延長をとると同時に、先ほどいろんな問題を申し上げましたが、そういった問題を含めてひとつ抜本的な特別措置をしていただくように要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#27
○委員長(鈴木壽君) 本件につきましては、本日はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#28
○委員長(鈴木壽君) それでは、先ほど坊厚生大臣から提案理由の説明がありました石炭鉱業年金基金法案の質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#29
○小野明君 年金問題についていろいろ検討の結果、こういった案が出されてまいっておるのでありますが、この案全体から受ける印象といたしまして、非常に私は遺憾な点を一つ申し上げたいと思うのであります。というのは、事業主というのはなるほどお金を出す、したがって、事業主が主体になっておる。そこで、労働者は受益者であるから、そういうものがきめたものをお前たちはうんと受け取ればいいのだ、こういった全般的な感じを受けるわけであります。こういった案全体の中にあるいは定款にせよ政令にせよ省令にせよ、こういう改廃について、一体この主体であります炭鉱労働者、坑外、坑内含めて、この人たちの意見は一体どこに反映するのか、どこを通じて反映をしていけばいいのか、この点の配慮が全然なされておらぬように思うのであります。この点についてひとつ御答弁をいただきたい。
#30
○政府委員(伊部英男君) この法律案は、御指摘のように事業主が中心となって構成し、運営をされるものでございますが、労働者側の意見は運営審議会の運営過程を通じて反映をするという考え方をとっておるのでございます。で、この現在の案が煮詰まってくる過程におきまして有澤先生を長といたします年金問題小委員会が労使の意見を十分煮詰めまして「石炭年金制度の実施に関する考え方」という形で煮詰めた次第でございまして、これらの経緯を考えまして、今後ともさような考え方を実施の面において生かしてまいりたいということを考えておるのでございます。
 なお、特にこの労働者側の意見の反映につきましては、この有澤委員会の考え方におきましてもあと書きで、特にこの年金が新たなる労使の紛争になるようなことは避けるべきである、したがって「制度の将来にわたっての円滑な運営を期するため、学識経験者で構成する諮問的な機関をこの制度を実施する法人のなかに設け、業務の運営に関する重要事項について意見を徴すること」にせよということを特に有澤委員長の御注意により書かれておるのでございます。
 なお、この点は衆議院におきましても非常に大きな問題となった点でございまして、衆議院の附滞決議におきまして、「運営審議会の審議に当たっては、労使の意見を聴取し、円滑な運営を図ること。」「運営審議会の人選に当たっては、政府の承認を要するよう定款において定めること。」これらのことが附滞決議に明らかにされておる次第でございます。
#31
○小野明君 ちょうど次官お見えでありますからお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 この基金法案につきましては事業主が非常に意見を重く見られて、そのことについては私はとやかく言おうとは思っておらぬ。しかし、まあ事業主といえども一千億の肩がわりであるいはその他いろいろな政府施策によって国民の血税によって救われてきている。ですからやはり事業主ばかりの意見を聞く、こういうことではなくて、一体この基金に労働者の意思を反映させるにはどうすればいいのか、主体である労働者側の意思というものは、一体どこを通じて反映をすればいいのか、あるいはその辺をどうお考えになったのか、その点が大きく私は欠けておる点ではないか、こういう質問を申し上げておるのであります。ひとつ次官の御見解をいただきたいと思います。
#32
○政府委員(田川誠一君) いま御質問の点でございますけれども、運営審議会というものが設けられることになっておりまして、これにはまあ第三者的な公正な立場で学識経験のある方が加わる予定になっております。こういう、この審議会を通じて労働者側の意見が十分反映されるのではないかと思います。いまもお話があったと思いますけれども、衆議院におきましてもこのようなことを確認する意味で、「運営審議会の審議に当たっては、労使の意見を聴取し、円滑な運営を図ること。」というような附帯決議もされておるわけでございまして、私どもといたしましては、この運営審議会を通じて労働者の意見が十分反映されるものであるというふうに確信をしておるわけであります。
#33
○小野明君 まあ、衆議院の附帯決議は、「労使の意見を聴取し、」云々と、こう書いてある。労働者側の意見をお聞きになるとすれば運営審議会だと、こういうふうに言われるのでありますが、それでは、この運営審議会なるものに労使の代表者――使のほうは十分入っておりますけれども、労働者側の意見を聞く、それは委員を入れることが一番だと思うのでありますが、労働者側の委員を入れるようなお考えがあるかどうか、それをひとつお尋ねしたいと思います。
#34
○政府委員(田川誠一君) まあ、この運営審議会を公正にやっていくにはやはり第三者的な立場の方が公平な意味で当たっていただく、こういうことのほうがむしろ公正を期し得るものではないかと思うわけでありまして、そういう意味で労使間の意見の調整をはかっていくと、そういう意味で私ども期待をしておるわけであります。そういう意味からここに労働者側の代表とかあるいは使用者側の代表とかいうものを入れるということでなくて、先ほど来申し上げましたような第三者的な中立的な立場の方で構成をしていただくほうが効果が大きいというふうに思っておるわけでございます。
#35
○小野明君 この第九条を見ましても、「基金に、役員として理事及び監事を置く。」と、こういうことになっておる。これはおそらくいまのお考えを聞きますと、この九条にも、あるいはいまお話しになった十五条の運営審議会にも労働者側の代表を入れない、しかしまあ、労働者の意見は十分聞くのだと、こういうふうに言われるのでありますが、この九条には、「ただし、特別の事情があるときは、会員以外の者から選任することを妨げない。」こういう一項があるのでありますが、ほんとうに私は労働者側の意思を尊重するとしたならば、やはりこういった役員に、あるいは運営審議会のメンバーに、この労働者側の代表を入れるべきである、こういう見解を持っておるのであります。それで、ほんとうに労働者側の意見を尊重するのだ、こういう御意向があるならば、そういう措置に私はしていただきたいと思うのでありますが、再度この問題について御答弁をお願いいたします。
#36
○政府委員(田川誠一君) この基金の趣旨は、小野委員御承知のとおりでございまして、労働者側のためとかあるいはまた使用者側のためとかということでなくて、全般的に公平な立場で運営をしていくんだという趣旨でございまして、特にまあこの運営審議会というようなものが設けられるわけでございまして、労働者側の意見も十分反映していくように私どもも努力してまいるつもりでございまして、そういう趣旨でございますので、ひとつこの点は御理解をいただきたいと思います。
#37
○小野明君 そうしますと、労働者側の意思は十分聞くけれども、この九条の役員としてあるいはこの運営審議会には入れるつもりはないと、こういう御答弁ですか。
#38
○政府委員(田川誠一君) 特に労働者側の代表として役員に入れるあるいは運営審議会の委員に入れるというような考えはございません。しかし先ほど申し上げましたように、労働者側の意見を十分に聞き入れていくというような考え方で進んでまいるつもりでございます。
#39
○大河原一次君 関連して。この中でも次官ね、明確にこの労働者はこの際受益者になっているんですね。受益者という立場に立つ考え方に立つならば、やはり受益者の意見というものを十分に聞かなくちゃならぬと思うんです。意見を聞く機会を与えるとか与えないという問題ではなく、当然こういう委員会の中には、その他の委員会がありますね。御承知のようにたとえば米価審議会であるとかそれぞれの審議会の委員の中にもそれぞれこの生産者の代表であるとか消費者の代表が入っておるわけですよ。そこで初めて明確にその方々の受益者の意見というものが反映されるわけですから、別途の機関を設けるということになると、これは十分に労働者の意見の尊重にはならぬ。そういった意味では労働者は言うところの受益者である。そういう受益者の意見を直接に審議会の中で聞くというのが私はそのたてまえだろうと思う。そういう意味で次官からもう少し意のあるところを聞かせてもらいたいと思います。
#40
○政府委員(伊部英男君) 運営審議会の委員が労使双方に信頼されるような方々でなくてはならぬということは当然であろうと思うのでありますが、そういう方々が労使双方の意見を煮詰めて、それによって今後この石炭年金基金が運営されていく、またそのことが事業主側もこの運営審議会の意見を尊重することを明らかにしておられるのでございます。
 なお、根本的にはこの年金は広義の労働条件であると考えられますので、労使の交渉の対象にはなると考えられるのでありますが、それを背景としつつこの運営審議会が労使の意見を十分聴取をして煮詰めていくということが今後円滑なる運営をはかっていく上に最も妥当適切であるということに年金問題小委員会の結論もなったのでございます。
#41
○大河原一次君 もう一つ、これは審議委員は理事長がきめるんでしょう、委任するんでしょう。理事長はだれがきめるんですか。どういうところから理事長を選ぶ……。
#42
○政府委員(伊部英男君) 「役員は、政令の定めるところにより、会員のうちから選任する。」したがいまして、その理事のうち一人を理事長とし、理事において互選をするということでございますので、事業主が理事長になるわけでございます。
#43
○大河原一次君 理事長は政府のほうできめるわけですか、違うんでしょう。そうであればあるほどこの審議会の中にはやはり炭鉱労働者を入れるべきではないかという意見なんです。
#44
○政府委員(伊部英男君) 理事長がこの運営審議会の委員を任命するのでございますが、この委員といたしましては、今般この問題を労使双方の意見を煮詰める際に非常にお力をいただきました年金問題小委員会の委員の方を実は念頭に置いておるんでございます。それでこういう公正中立な方々を任命するという点は、実は事業主側におきましても、そのことは明らかにされておられるのでありますが、さらにその点を法制上の担保とするという意味におきまして、このことを政府がさような運営審議会の委員が公正な方々が任命されるような指導をしていく、それを法制上の担保としたいということから、衆議院の附帯決議にございますように、定款の中におきまして、政府の承認事項といたしまして、政府におきまして運営審議会が公正の運営されるよう責任を負うという仕組みにいたしたいと考えておるのでございます。
#45
○小野明君 時間がありませんので、次の具体的な問題に移りたいと思います。第十六条でありますが、この2に定款をもってきめる事項があがっておりますが、この年金額、受給資格期間、支給開始年齢、この三つについて腹案があればお聞かせをいただきたい。
#46
○政府委員(伊部英男君) この石炭鉱業年金基金の性格につきましては、先ほど大臣の提案理由にもございましたように、厚生年金保険によります厚生年金基金の石炭に関する一つの特例であると考えておるのでございますが、さような見地から年金額、受給資格期間等は定款にゆだねておるのでございます。しかしながらその中身につきまして、何にも実体的に固めなくて、この法案を提出するわけにはまいらない。そこで先ほど来申し上げましたように、石炭年金問題小委員会が相当長期間にわたりまして、労使との話し合いあるいは研究を尽くされまして「石炭年金制度の実施に関する考え方」というものでおまとめいただいたのでございます。これにつきましては事業主側におきましても、この線において実施をすることが関係各省等の調整によりましてまとまっておりますので、これによって実施をしていくということでございます。
 で、おおむねの内容を申し上げますと、過去勤務期間につきましては、最大限十五年は考慮する。また年金の給付水準は制度創設後の坑内員としての実働期間二十年以上の者に月額七千円、過去勤務期間十五年及び制度創設後の坑内員としての実働期間五年の者に月額二千五百円程度とする。
 この年金は右の資格期間を満たした者が五十歳に達したのちに五十五歳から終身支給する等の内容がこの中に明らかにされておる次第でございます。
#47
○小野明君 年金額は二十年で七千円ですか、それから十五年ですとどうなるんですか、これから受給資格ができるわけですか、これは幾らですか。
#48
○政府委員(伊部英男君) この年金は労働力の確保を目的とする年金制度でございますので、二十年間はいていただきたいという意味でございまして、二十年には満たない方につきましては、実は受給資格が発生いたさないのでございます。しかしながら、過去勤務期間を非常に大幅に満たしておりますし、今後の二十年間を満たすことは必ずしも困難ではないと考えておるのでございます。
#49
○小野明君 どうもわからぬですね。一々こっちが具体的に言わなければぴしゃっと答えが出ないというのは不満なんですけれども、受給資格は、たとえば過去勤務が十五年見るという人がおるとしますね、そうすると、この人がこれからあと五年つとめれば、これは七千円もらうわけですね、そうじゃないんですか。
#50
○政府委員(伊部英男君) 過去勤務期間十五年で、今後五年間、制度発足後五年間の坑内夫としての期間を持たれた方につきましては二千五百円でございます。
#51
○小野明君 そうすると、二十年で二千五百円ですか。過去勤務十五年で、これから五年つとめていけば二千五百円、将来にわたって二十年という人が七千円と、こういうわけですか。
#52
○政府委員(伊部英男君) そのとおりでございます。
#53
○小野明君 一々この辺をどうだどうだと聞いておるのはなんですが、年金額、受給資格期間――支払い開始年齢はもうわかった。受給資格期間、これが一番問題にしておるんですけれども、この辺でいろいろ検討されておることがあれば、ひとつ詳しくこの際説明をいただきたい。それとあわせて、たとえば二十年に一日足らぬでも二十年になり得ない場合がある、そういった場合は一体どうなるのか、その辺もひとつ御答弁願いたい。
#54
○大河原一次君 あわせて答弁願いたいと思うんですがね、これにはないんだけれども、途中脱退者についてはどういう措置を考えられておるか、全然考えていないのかどうか、あわせて答弁願いましょう。
#55
○政府委員(伊部英男君) この「考え方」に示されておりますのは、実働期間二十年以上の者が月額七千円、過去勤務期間十五年及び制度創設後の坑内夫としての実働期間五年の者は月額二千五百円ということでございますので、制度創設後の坑内員としての期間が長ければ長いほど、月額七千円に漸次接近をするわけでございまして、おおむね基金成立後の期間が十年で四千円、十五年で五千五百円程度の見込みでございます。なお二十年間が資格期間として必要でございますので、二十年に満たない場合におきましては、いわゆる中途脱退の場合でございますが、それは対象にならないということになるわけでございます。
#56
○阿部竹松君 一日欠けた場合どうかといって聞いている。一日欠けた場合、二十年に。
#57
○小野明君 一時間欠けてもです。
#58
○政府委員(伊部英男君) 一日欠けた場合におきましても該当はいたさないということになるわけでございます。しかしながら当初の案につきましては、坑内夫だけが対象でございましたので、坑内夫としてのいろいろ障害――業務災害等によりましてたとえば坑外夫になった場合にどうかといったような問題があったのでございますが、その後御承知のとおり坑外夫をも対象とするということになりましたので、石炭産業に勤務されている限り、坑内、坑外を問わず、二十年間を満たせばこの石炭鉱業年金の資格期間は満たすことができる、ただし坑内夫としての期間が二十年ない方につきましては、坑外夫としての年金になるわけでございますけれども、いずれにしても二十年間の期間を満たす可能性が、坑外夫も加えて考えていただくことができるということでございます。
#59
○小野明君 一日欠けてもやっぱりだめと、こういうことですか。
#60
○政府委員(伊部英男君) 二十年間を満たさない場合におきましては資格期間はつかないということでございます。
#61
○小野明君 たとえば本人の意思でない場合、労働災害あるいは病気――病気はまあ別として合理化閉山、このためにたとえば一日足りなかったと、こういう場合もやはりそれはだめということなんですか。
#62
○政府委員(伊部英男君) 業務災害等の場合におきましては、障害の程度にもよると思いますが、坑外員としての勤務をされることが少なくないと思いますが、そういうような場合におきましては、坑外員と坑内員と通じての資格期間を満たす可能性があるわけでありますが、障害の程度によりまして雇用を失ったといったような場合におきましては、この年金の対象にはならないのでございます。しかしながら厚生年金及び労災保険による障害年金が併給をされますので、そちらの問題として考えたいということでございます。
 なお、閉山等の場合におきましては、この基金は全石炭産業を一丸とした基金でございますので、他の山に勤務される限りにおきましては、それが通算されるわけでございますので、今後の離職者対策といたしましても、つとめて石炭産業の中での就職をあっせんするよう努力するように承っておりますので、この年金の趣旨からいたしましても、そういうこととかね合わせまして、つとめて年金の資格がつくように希望したいと考えているものでございます。
#63
○小野明君 これはあなたも御承知かと思いますが、四十二年から石炭合理化計画で五年間で約八百万トンが減るわけですね、最低。過去計算をして十五年プラス五年たたないと受給資格がないと、あるいは今後二十年働かないと受給資格がない、こういうことになると、これは全く絵にかたもちといいますか、実際にこれは――もちろん年金ですからそれぞれ金を取って何年か先にどうすると、こういう計算もやられているわけでしょうけれども、実際にこの受益資格のついてくる炭鉱労働者、この年金ができたことによって受益する労働者の数というものは、非常に私は少ないものだ、これは全くですね、この年金基金というのは、そういった現実の事態と合理化計画等とあわせてそうしてその炭鉱労働者を救済していく、こういう案でないように私は思われるのであります。この点はひとつ次官、どうですか。
#64
○政府委員(田川誠一君) ちょっと誤解があろうと思いますので、補足いたしますけれども、この石炭鉱業年金は、この年金だけでなく、まあ、厚生年金の上積みになっているわけでございまして、これは御承知のとおりだと思います。でありますから、そういうことを御認識していただいて、さらにプラスアルファを加えさしていただくんだ、その目的は提案理由にもございますように、雇用の安定、労働力の確保ということを目的としてつくられておるわけでございまして、過去勤務の十五年、それから今後五年の勤務の問題にいたしましても、特に考慮をして、過去勤務を含めてこうした処置をしようということでございますので、この点はひとつ十分御理解をいただきたいと思います。
#65
○小野明君 過去勤務十五年あってプラス五年で初めて二千五百円受けるというわけでしょう。この二千五百円を計算された根拠というものはおありになるんですか。――あるんですね。その根拠の中に、過去勤務十五年持ち、今後の勤務を五年していく、そうすると、その中に二千五百円の受給資格を持つ炭鉱労働者が何人おるか。それをひとつ言ってもらいたい。それと二千五百円の算出基礎、これを出してもらいたい。
#66
○政府委員(伊部英男君) 年金受給者は、この基金発足五年後におきまして約六百人、三十年後におきまして三万九千六百人の見込みでございます。なお厚生年金と石炭鉱業年金との……。
#67
○小野明君 いまのがわからなかったな、五年でどれくらい……。
#68
○政府委員(伊部英男君) 五年後で六百人、二十年後で二万八千七百人、三十年後で三万九千六百人でございます。
#69
○小野明君 二千五百円をたった六百人しか受けないわけですか。五年後には六百人、これはどうも六百人というのは間違いないでしょうな。
#70
○政府委員(伊部英男君) 四十一年九月三十日に石炭鉱業従業員特別調査を実施いたしておりますが、これを基礎としての計算でございます。
#71
○大矢正君 関連して。政務次官、いま具体的に説明があったことは私間違いないと思います。いままで過去勤務十五年、それから法律施行後五年で二十年、したがってそこに受給資格が出てくる。その五年後の時点を考えれば、六百人というのはおおむね想定ができると思われます。
 ただ、これはあなたのほうの所管ではないが、これからの日本の石炭産業の状況というものを十分勘案しないと、あまりに低目に低目に年金というものを押え過ぎて、結果としては年金にも非常に余裕金を生ずるような事態が起こらないとも限らないわけです。なぜかといえば、たとえば出炭量が五千万トンだ、五年後も五千万トン、十年後も五千万トンだということになったとしても、その間に合理化が進んでいくならば、人間は、過去の例に照らしても、相当数減っていくわけです。能率をあげなければペイしないでしょう、コストが高くなっていくわけだから。そのためには、むしろ人間を減らして合理化をするという方向が必ず、過去にも出てきたし、これからも出てくると思うのです。そうすれば、必然的に総体的な人員の把握の上においてあるいはまた実際に受給資格を受けるものが減少するのは明らかなんです。したがって、五年後の六百人で計算すれば、一年に百八十万円しか年金が払われぬということになる。これから五年間金を徴収していくわけです。結局百八十万円しか払わなくていいわけです。そういう計算からいけば、なるほど二十年後、三十年後ということになれば、そのままの状態が続けば、それは結果としてはどうなるかしらぬが、あまりにも受給資格というものを制限し過ぎるし、金額的にも、過去十五年勤務してこれから五年勤務して二十年たって二千五百円を五十五歳になってもらうというのはあまりに低きに失するのではないかというのがわれわれの考えなんです。数字はそう大幅に二千五百円が受給資格に合わぬものではないだろうけれども、どうも計算してみると、トン当り徴収している金額に比してあまりにもみじめな内容の年金にしかならないという感じがするものですから、私どもはあえてここで質問しているわけなんです。
#72
○政府委員(伊部英男君) ただいま申し上げました年金受給者の推計は、石炭鉱業従業員特別調査を基礎とし、予定利率等一定の数値を基礎としての計算であるわけでありますが、これらの点につきましては、今後長期的にいろいろな移動も生じ得る可能性があるわけでありまして、その意味におきましては五年ごとに財政の再検討が行なわれるのでございます。そこで、トン当り四十円という保険料が別個に基金の形で積み上げられているわけでございますので、再計算の機会に余裕があればその給付の改善に回るわけでございます。
 なお、厚生年金保険とこの石炭鉱業年金基金の関係でございますが、基本的には大臣の提案理由の御説明にもございましたように、石炭鉱業年金基金は厚生年金の上積みとしてのプラスアルファ、これを実施する機関であると考えているのでございます。そこで、厚生年金本体におきましては、坑内夫は受給開始年齢におきまして五年短い。したがいまして被保険者期間一カ月につき三分の四といたしておるのでございまして、これらの点を総合いたしますと、厚生年金の中自体におきましても、他産業におきますよりも約倍程度の優遇を受けているものと考えられるのでありますが、御承知のとおり、保険料につきましては、一般の第一種被保険者が千分の五十五、これに対しまして千分の六十七と、若干高い程度にとどまっているのでございまして、結局それらは他産業において多く負担をしているのでございます。
 そこで、他産業におきましてはどういう仕組みになっているかと申しますと、それらの厚生年金の給付の上積みとしてのプラスアルファ、これは厚生年金基金をつくって、その基金のワク内において、いわば労使が話し合ってプラスアルファをきめていく体制になっているのでありますが、この石炭鉱業につきましては、厚生年金の中で非常に優遇をされておりますので、他の産業のように厚生年金の報酬比例分をそのまま持ち出して厚生年金をつくることが困難である。そこでプラスアルファ分だけを持ち出して、しかもこれをそういう産業の置かれている現状から強制適用して、これが老齢年金給付を出すという考え方をとったわけでございます。本質的には、この給付は他産業におきます厚生年金基金のプラスアルファに見合うものでございまして、それを石炭年金問題小委員会が労使の意見を煮詰めて、この資料にございます考え方のように煮詰めたという形になっているわけでございます。
#73
○阿部竹松君 次官の御答弁をお聞きしても、局長の御答弁をお聞きしても、厚生年金になおかっ今度の年金がダブルプレーだ、こうおっしゃるんですね。それはわれわれそういうことを何度も聞かなくてもわかっております。いまの厚生年金では炭鉱労働者がかわいそうである、したがって、労働者の確保のために、将来の生活の安定のために、それのために積み重ねるということなんだから、どうもお話を聞いておると、あなた方は恩恵的に今度は炭鉱年金をつくったような印象を受ける。何か四回も五回も言っている。そんなことは百も承知です。したがって、そんなことはカットしていただきたい、この法文の内容についてお聞きしているわけですから。関連質問ですからこれでやめますが、坑外夫と坑内夫の比率はどうなっておりますか、そこを詳しく。
#74
○政府委員(伊部英男君) 区別でございますか。
#75
○阿部竹松君 そうです。
#76
○政府委員(伊部英男君) 坑内員は厚生年金における第三種被保険者を坑内員として考えております。それ以外の山元の従業員で政令で除かれるもの以外を坑外員と考えております。かような趣旨でございます。
#77
○阿部竹松君 金額はどうなりますか。
#78
○政府委員(伊部英男君) 坑外員につきましては、六十歳支給でおおむね年金額は坑内員の二分の一程度というものが考え方に示されております。
#79
○小野明君 トン当たり四十円取るわけですね。五千万トン続くわけです。年金の計算もあるでしょうけれども、ここでいま話が出ておりますように、わずか五年後には二千万円の金になる。そうしますと、スタートを二千五百円に押える、これが非常に私どもしろうとなんですけどれも、銭ばかり基金に集まって、実際受ける者はその何十分の一、何のため銭を集めるかわからぬ、こういう感じがしてならぬ。二千五百円は実際に六百人しか五年後に受けられないということであれば、スタートをもっと上げられないものかどうか。私どもは上げられるという感じがするのでありますが、この二千五百円の算出基礎を先ほどからお尋ねしているのだけれども、あなたのほうからお答えがない。これはどういう計算になっておりますか。
#80
○説明員(淵脇学君) ただいまの四十円のお話で、四十円が高過ぎるのじゃないかという……。(「高過ぎるというのじゃない。給付を高くしろということだ」。と呼ぶ者あり)給付が五年で二千五百円、それから十年で幾らというふうにして計算してあるわけでございますが、これは初めに給付のほうをきめまして、そして、給付のほうから逆算しましてトン当たり四十円とういのが出たわけでございまして、その計算の基礎をただいまから申し上げますので、少しお聞きいただきたいと思います。
 この石炭鉱業年金は積み立て方式を採用しております。完全積み立て方式でございます。なぜ完全積み立て方式を採用するかといいますと、責任準備金というものを年金保険では用意しなければならないわけでございまして、万一この基金が何かの都合によって解散しなければならなかったとしても、年金権だけの確保はしなければならないわけです。被保険者の保護ということが非常に重要でございますので、その年金権のついた者の積み立てというものは、その年金を受ける者が死に絶えるまで確保しなければならない、積み立て方式をとらざるを得ないわけでございます。それが企業年金並びにこういう基金年金の重要なポイントでございます。
 それで、そういう積み立て方式をとりまして、五年据え置くわけでございますが、それについて計算をするわけでございますが、それではどのくらいの平均余命があるか、平均余命分だけの年金を積み立てなければならないわけです。最初五年目のときには単に六百人ということでございませんで、六百人のその将来とも年金を確保しなければならないわけでございますので、六百人かける平均余命というふうに考えていただかなければなりません。
 ただいまからその条件を申し上げてみますが、加入期間二十年であって、五十歳以降に退職という条件で、支給開始年齢坑内員五十五歳、坑外員六十歳、年金額月額七千円、そのほかに設立後の経過規定が五年、十年、十五年といって、先ほどから二千五百円、四千円、五千五百円という金額が出ておりますが、その給付を五年あとから給付し始めるといたしまして、五年あとに六百人、十年あとに五千三百人、十五年あとは一万七千六百人、二十年あとは二万八千七百人、三十年あとに三万九千六百人という、ただいまの計算ではそういう年金受給者が出る見通しでございますが、これらの人々に全部平均余命がかかっただけの年金額を用意しなければならないわけでございます。
 なお、死亡一時金として老齢年金の支給要件を満たした者の死亡または受給者の死亡によって、年金の十年分の二分の一、またはすでに支払った年金と十年分の年金との差額の二分の一というようなことで、死亡一時金として設定されておりまして、先ほどの老齢年金の七千円というものと、経過措置を含めました二千五百円、四千円、五千五百円という年金額というものと、この二つの給付を基礎にいたしまして、脱退率は一応石炭鉱業従業員特別調査というものによりまして脱退率を計算いたしておりますが、これはほとんど厚生年金の坑内夫の脱退率と変わっておりません。年金受給者の死亡率は第十一回生命表を使用いたしております。平均余命は五十五歳ですと十九年生きる予定になっております。現在平均年齢は坑内夫三十九歳、坑外夫四十一歳、平均従事年数が坑内夫十四年、坑外夫十二年、財政方式としましては、クローズド・アグリゲート・コスト・メソッドと申しまして、閉鎖型総合保険料方式という方式を一般基金と同じように採用しております。以上の予定基礎率とそれに予定利率というもの、これをかみ合わせまして年金原価というものを算定いたしまして、それで収支相等の計算をいたして、老齢年金をこのような給付条件から逆算いたしまして、五千万トン、トン当たり四十円という計算が出たわけでございます。
 受給者の数を申し上げますと、年金受給者は、最初経過年数ゼロではゼロ、五年後に六百人、十年後に五千三百人、十五年後に一万七千六百人、二十年後に二万八千七百人、三十年後に三万九千六百人とずっと続くわけでございますが、給付額がそれに応じてついてくるわけでございまして、この積み立て金は二十年後をピークにいたしまして漸減していく形になっております。
 以上が年金計算の概要でございます。
#81
○小野明君 一向にわからぬのだが、問題は、スタートの二千五百円を上げられないか、あなたたちは計算の専門家だろうが、二千五百円をアップできないかと、こういう質問です。二十年後に、あるいは十年後に、あなたたち通産省と打ち合わせを十分しているだろうけれども、山がどれくらい残るか、石炭需要がどのぐらいあるかという見通しもあわせてしておかなければならないわけです。それはしているわけですか。
#82
○政府委員(伊部英男君) 年金のコスト計算の上におきましては、平均年齢が何歳であるかということが非常に大きな要素を占めるのでございます。そこで坑内夫三十九歳、坑外夫四十一歳というものは、他の年金制度に比して非常に高い年齢でございまして、したがいまして、相対的にコストが高く出てまいるのでございます。さらに、過去勤務期間十五年をみるということを申し上げたわけでございますが、平均従事年数が坑内夫十四年、坑外夫十二年でございますので、これも非常に過去勤務期間を大幅にみて、しかも、過去勤務期間を持っている者が平均年齢が高いので、当然でありましょうが、非常に多い、こういったことが財政の上において大きないわば負担になってまいるのでございます。
 そこで、この考え方が出てきます過程におきまして、われわれも年金問題小委員会のいわば事務局として、数字的計算のお手伝いをいたしたのでございますが、その結果がただいま申い上げたような次第でございますけれども、この年金問題小委員会の中におきましても、「この制度は、長期にわたるものであるので、健全な保険計算の上にたって運営されることが最も肝要である。とくに、この制度の対象となる被保険者集団の年齢構成がきわめて高く、また、被保険者数が減少傾向にあることを考慮した場合、保険財政の安全性を阻害するような無理な年金設計は絶対に避けるべきであろう。」という点を特に最初に申されておるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、非常に健全な財政方式がここにとられておるわけでございます。しかしながら、今後の石炭産業の推移によりまして、たとえば平均年齢が下がっていくといったような要素がありますれば、もちろんこれは年金財政にプラスの要素になるわけございます。そういう場合におきましては、当然それが給付にはね返ってくるわけでございまして、そもそもこの給付をどういう組み方をするかということと、それから事業主がどの程度まで負担し得るかという問題とは、いわばパラレルの問題であるわけでございますが、当初、事業主としては、この制度に反対の御意見も相当強かったのでございますけれども、その後いろいろな推移を経まして、反対はしない、しかしながら、トン当たり三十円で、それ以上の負担は困るということであったわけでございますが、最終的に坑外夫につきましての要望を入れたり、その他過去勤務期間を見るというようなことによりまして、トン当たり四十円とする、給付の形も、先ほどから申し上げておるような形におきまして、労使の意見が煮詰まったという状況にあるわけでございます。
#83
○小野明君 見解が煮詰まったというところだけはわかるんだがね。私が聞いておるのは、二千五百円を上げられぬかと、それを聞いておる。
#84
○政府委員(田川誠一君) いままで説明いたしましたのは、根拠を説明しているはずなんでございますが、十分な御理解を得られないと思いますが、トン当たり四十円というものから計算をいたしますと、結論から申しますと、いままで御説明申し上げました給付金額というものを上げることはできないのであります。これまでに至りましたことも、相当これは通産省と私どものほうで努力をいたしまして、トン当たり四十円を出していただくということにこぎつけて、こういうような給付額になったわけでございます。
 さらに、あとでまた御質問が出るといけませんが、給付資格の点でおそらくこの話も出ると思いますが、これは勤続期間二十年であり、そして満五十歳以上で退職した者でなければ受給資格は得られないわけでございます。たとえば満二十年つとめて四十九歳で退職したという方は受給の資格を得られません。そういう制限もございます。いずれにいたしましても、いま絶対金額からいいますと、七千円あるいは二千五百円――低いという見方もあるかもしれませんけれども、現状から見ますと、この給付額をこれ以上上げていただくということは、トン当たり四十円をもっと上げるということ以外に方法はないと思います。
#85
○大矢正君 関連。政務次官、この法律の中で具体的に、資格要件なり、幾ら払うかというものをきめるとすれば、なるほどこれは問題がある、ここできめなきゃいかぬことだから。しかし、そういう資格要件なり支給開始の時期なり、そういうものはすべてこの基金の中にできる定款にまかされているわけでしょう、いってみれば。ここにある総代会が総会を開けば、定款というものは幾らでも変えられるわけだ、法律の改正を必要としないわけだから。したがって、三年後にいま言っている話の内容を変えようとすれば変えられるわけだ。五年後に変えようとすれば簡単に変えられるわけだ。たとえば、法律に基づいて、法律に規定されたとおりに改正しなければならぬという事項はないわけだから、基金の中の総会において決定をすれば、すべてができるわけだ。だからわれわれが言うのは、現在の時点で判断し得る情勢の中では、二千五百円を最低として、最高が七千円と、こういう計算が出てくるかもしらぬけれども、しかし、もっとこれから石炭情勢なりその他を検討していけば、この水準を引き上げることは法律改正を要しないのだから、単に総会を開いて定款を改正すればできることなんだから、そういう面であなた方のほうは考えてみるお気持ちがないかどうか。二千五百円というのはあまりひどいじゃないか。
 それから、さっきも言ったとおり、かりにこれから五カ年間――実際に一年間五千万トンで二十億円ずつ、合わせて百億円支給開始の時点でたまるわけでしょう。その百億円に対して、かりにそれをよそに貸して利殖をかせぐとすれば、年間八億なり九億というものはかせげる。うまくいって一割にいけば、十億もかせげるでしょう。それだけ余裕金が出るなら、もっと具体的に突っ込んで、これからの石炭情勢というものとあわせて検討する必要性があるだろうということをわれわれは言っている。いまの時点ではそうだということを、あなた方に言われれば、われわれは数字的な根拠を持っているわけじゃないから何も言えないわけだ。言えないけれども、どう見てもこの法律の目的とするところに合致しない内容のものじゃないか。
 私は、これは二つの目的があると思う。一つは、いまの若い労働力が、これから炭鉱の坑内に入って、二十年間働いて、それで五十歳になって資格が出た、こういうことによって七千円もらえるという一つの若い者に対する魅力がある。同時に、もう一つ魅力を与えなければならぬというのは、いま、現に炭鉱の中で働いていて、おれはもうやめていこうかという人間を、いかにしてとどめるかという問題があるわけだ。それはそれなりに、いままで過去八年なり十年なり炭鉱に働いてきた人間に対して、これからもなお、炭鉱に定着させなければならぬという、二つの目的をこの年金は持っているわけだ。これを片方だけ生かすというようなことでは困るから、われわれはもっと検討してはどうかと、こう言っている。どうですか。
#86
○政府委員(伊部英男君) 現段階におきます給付の組み方及びこれに対応する保険料、これは先ほど来申し上げました計算方式により見合っておるわけでございますが、しかしながら、それはただいま先生御指摘のように、一つの仮定、たとえば平均年齢が三十九歳である、あるいは四十一歳である、そういった仮定に基づいておるわけでございます。あるいはまた、五分五厘の予定利率に基づいておるのでございまして、今後の経済情勢によりましてこれ以上の収入があり得ることは予想されるのでございまして、そういう場合におきましては、つとめてこれらの経過的な方々に対しての給付をより許す限り改善をするということは、もとより当然でございます。しかしながら、現時点におきましてはただいま政務次官からも申し上げましたように、現在の保険料のワク内において考慮いたしますとかような姿になるということでございますが、今後、基金が運営をされていくに従い、つとめて給付の改善を指導していくことは、もとより当然でございます。
#87
○小野明君 五年たつと百億できるわけですね。その金はどこに置いておくわけですか。
#88
○政府委員(伊部英男君) この積み立て金は、基金が運用をいたすわけでございますが、その運用の基準は、政令で定める予定でございます。
#89
○小野明君 資金運用部に持っていくのじゃないんですか。
#90
○政府委員(伊部英男君) この基金が自主運用をする予定でございます。しかしながら、自主運用と申しましても、全く自由という意味ではございませんで、たとえば不動産投資が何%、その他の規制は加える予定でございます。
#91
○大矢正君 わざわざ金利の安いところに持っていく必要はないだろう。もっと利殖のあるところに持っていったほうがいい。
#92
○小野明君 その辺を大矢委員が言うように、その基金というのは独自の運用だということになればやっぱり経済事情の変化等もあって、スタートの二千五百円なり七千円が上げられる条件が出てくるのではないか、また上げなければならぬような状況になるのではないかということを考えるわけです。でありますから、私はあまり時間を長くとるわけにはいきませんが、ぜひこのスタートなりあるいは七千円と予定されているものを再度御考慮願ってひとつ上げるような御努力をいただきたい。十年たったら、二十年たったらこの適用を受ける者は一人もおらぬようになったとか、あるいは五年たっても結果はわかるでしょうけれども、一応見通しが立つでしょうけれども、石炭対策でも五年の先を見通すということはきわめてむずかしいわけです。でありますから、金だけは残ったがやる人がおらぬ、金はスズメの涙みたいな金だったということで、あまり聞いておりますと聞く自信もなくなってくるわけですけれども、基金が設けられた趣旨が生かされて、労働者からも感謝されるような運用を全体的に考えていただきたいと思うんです。
 次に具体的な問題になりますが、死亡一時金というのはどういう額になりますか。
#93
○政府委員(伊部英男君) 死亡一時金につきましても年金問題小委員会の「石炭年金制度の実施に関する考え方」の線に沿うよう指導をしてまいりたいと考えておるのでございます。なお、「考え方」におきましては、十年に至らないで死亡した場合には、十年に達するまでの残存に対応する年金総額の半分程度を死亡一時金として支給すべきであるという趣旨であります。
#94
○小野明君 そうしますと、たとえば過去勤務十五年持っていてそれで二年たって十七年、ここで事故で死亡したという場合にはどうなんですか。
#95
○政府委員(伊部英男君) この死亡一時金は受給権者についてでございますので、二十年たった方についてでございます。二十年たった方が年金を受給されるようになった、しかしながら先ほど政務次官が申しましたように、平均余命十九年と申し上げたわけでございますが、もらい始めてから非常に短い期間になくなったという場合において、十年以内に死亡したような場合においては、残りの年金の半分程度を支給する、こういう趣旨でございます。
#96
○小野明君 聞き方が悪かったのですが、スタート二千五百円、七千円と仮定しまして、二十一年、過去勤務十五年、それから六年、これは受給資格がありますね。そこで事故で死亡したこの場合にはどうなりますか。
#97
○政府委員(伊部英男君) ただいまのケースは受給を全然受けていないと考えられますので、十年間に対応する年金総額の半分程度ということでございます。
#98
○小野明君 受給資格はある。二十一年で死亡した場合には、だから残りは十年になるのですか、九年になるのですか。
#99
○政府委員(伊部英男君) 二十一年で年金はまだ受けていないのでしょう。
#100
○委員長(鈴木壽君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#101
○委員長(鈴木壽君) 速記つけて。
#102
○小野明君 過去勤務十五年、それからあと六年勤務をした、ここで死亡した場合、この人の受ける金額は幾らになるのか。
#103
○委員長(鈴木壽君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#104
○委員長(鈴木壽君) 速記つけて。
#105
○政府委員(伊部英男君) 年金の受給を全然受けていない場合と考えられますので、十年分の二分の一ということでございます。
#106
○小野明君 次は十八条、これで事業主、会員の二分の一以上が賛成というか、希望しないと給付ができないようになっている、そうですね。これはおそらく出すことですから希望があまりないと思う。これはどういうことになりますか。ほとんどこのところで受ける者がおらぬようになる、希望しない場合ということが非常に強く考えられる。
#107
○政府委員(伊部英男君) 有澤答申及び閣議決定にもありますとおり、この年金制度は本来坑内員の確保を目的として創設されるものでございます。坑外員につきましては、坑内員の場合と異なりまして、厚生年金を受け得る可能性があるのでありますが、坑外員についてだけ厚生年金保険制度を活用するといった考え方をとります場合におきましては、種々の事務的な煩瑣を伴うことが予想されますので、一方、坑外員につきましてもこの際適用してもらいたいという要望が関係者からもございまして、かつ、これらの点を意見を総合いたしまして、石炭鉱業審議会年金問題小委員会におきましてもこの趣旨の御建議がありましたので、これら坑外員につきましても、十八条にございますように、二分の一以上の者が希望したときは坑外員につきましても年金たる給付の支給ができるという規定を入れたのでございますが、なお、この問題についても、これらの意見を煮詰める過程におきまして坑外員につきましては必ず適用するということになっておるのでございます。
#108
○委員長(鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(鈴木壽君) 速記をつけて。
#110
○小野明君 私の質問がわかりにくいかもしれませんが、あなたの答弁もまことに聞きにくい、理解がいかぬ。こっちも頭が悪いのかもしれぬが、この会員の二分の一以上の者が希望をしないと坑外員には適用しないというわけです。法文にある以上は希望する会員がいないのではないか。坑外員にも希望をすれば適用するという保証をあなたがするか、こういう質問です。
#111
○政府委員(伊部英男君) 政府といたしまして年金問題小委員会の考え方は実施に移す所存でございます。したがいまして、坑外員につきましても二分の一以上の希望があることを確信いたしております。
#112
○小野明君 確信ではどうにもならない。次官、どうですか、責任を持てますか。
#113
○政府委員(田川誠一君) いま局長が説明いたしましたように、石炭審議会の小委員会の審議の過程で、まあ坑外員も含めようという考え方でこれを立案したわけでございます。その方法として、二分の一の同意があった場合というふうに規定をしようということでございまして、「考え方」は坑外員も含めようという思想でできておりますので、この点は坑外員も適用されるというふうにお思いになってけっこうでございます。
#114
○小野明君 それではですね、坑内、坑外の問題ですけれども、先ほど阿部委員から質問がありましたが、よく聞き取りにくかったので再度お尋ねをするのですが、坑外の場合、付帯事業というのが非常に多いわけですね。山にはね。たとえば港を持っていてその業務に従事をする、あるいは貯炭場から鉄道がある、こういうものがある。それからまあ発電所を持っておるところもある。こういうものは適用されますか、どうですか。
#115
○政府委員(伊部英男君) ここで除かれると考えられますのは、多くの企業におきましてすでに直営から切り離しているような二次製品の加工施設その他付帯事業等における従事者等がこの対象になるものと考えられるのでございます。
#116
○小野明君 たとえばこういう意味です。炭鉱が鉄道も経営しておる。港もやっておる。そこに働く者は坑外員になるのですか。この適用を受けるのかどうか。
#117
○政府委員(伊部英男君) 石炭の採掘の業務と直接密接な関連がなく、切り離して別の企業として独立させるような性格の事業に従事しているような方々につきましては、この基金のすべて対象とすることは適当でないと考えられる次第でございます。
#118
○小野明君 私が言うような場合、その鉄道についてはだめとか、港についてはだめとか、そういうふうに答弁してもらわなければ困る。私は具体的に質問しているわけだから、あなたが一般論でごまかされては困るわけだ。
#119
○政府委員(伊部英男君) 鉄道の場合、港の場合、いずれもこの基金の対象外になるということでございます。
#120
○小野明君 炭鉱がその鉄道を持ち、港を持っている。そこに、たとえば三池炭鉱に働いている。そういう山に勤務して資格を持っているわけですよ。その場合に坑外員としての適用をやはり受けませんか。
#121
○政府委員(伊部英男君) 石炭の採掘の業務と直接の密接な関連があるかないかということで線が引かれることになると思います。
#122
○阿部竹松君 関連して。そういうことではないのでしょう、局長。密接な関係があるとかないとかというばく然たるものでなくして、一例をあげると、北海道に雄別炭鉱というのがある。そこの雄別炭鉱で鉄道をやっている、釧路駅まで。これはきわめて密接な関係があるのですね。美唄に行くと、昔三菱美唄と言ったのですが、いまは美唄炭鉱、これが鉄道をもっている。それをちゃんと通産省に登録したのは坑外員なんです。密接でも密接でなくても、そういうところで区分されるのではないですか。ただ単純に密接に関係があるないというような理屈ではなくて、もっと法的根拠が坑内夫と坑外夫にあるはずだというのですね。だから課長さんでもけっこうですから、そこらあたり明確にしておいてください。あとで問題起こりますからね。ただ炭鉱と関係が密接、密接でないというのだと、たとえば石炭ばかり運ぶ鉄道があり、お客さん半分乗せる鉄道もあるのですよ。七割は石炭運んで三割お客さんを運ぶのは密接で、七割お客さんで三割石炭運ぶのは密接でないという、これは常識論で片づけられてはたいへんですから、こういうものはだめです、こういうものはよろしゅうございますというように、明確にやはり規定していただいておかぬとこれは困るわけです。
#123
○政府委員(伊部英男君) 政令で除外をする基本的な考え方は先ほど来申し上げたとおりでございます。ここに除外をしていくものにつきましては、関係方面、関係者と十分意見を交換をして煮詰めてまいりたい、かように考えております。
#124
○阿部竹松君 もう一つ、それは局長、どういう人が該当するのだということで五年後には六百何名ですよという計算があなたのほうでできているわけですね。ですから、その該当する業種ですね、仕事、この範囲内は対象になるのだと、したがって、計算の結果五年後には六百数十名という答えが出ているのですから、式がないはずがないのですよ。これから検討するということではないはずなんですよ。これから検討して、君は該当者だ、君は該当者でないということであれば、六百何名云々という答えが出ないはずだ。そこらあたりがどうもちょっと理解できないのですね。
#125
○政府委員(伊部英男君) この坑外員としては石炭鉱業従業員特別調査にきめられましたものによって坑外員を調査し、それが積算の基礎になっておるわけでございますが、このどの範囲に坑外員をするかということは、われわれのほうとしてはむしろ非常に広目に考えたいと思っております。個々の問題をどうするかということは今後通産省もありますし、あるいは石炭協会もありますし、あるいは労働組合等もありますので、それらの関係者の意見を十分煮詰めて妥当な結論を出したいと、こういうことを申し上げたのでございまして、われわれの気持ちとしてはつとめて山元の方々はここに入れていきたいと、適用する以上そういう考え方でとっておりますが、個々の問題につきましては、いま言ったような考え方で、つとめてこの基金の対象にするような線で検討をしたいと考えております。
#126
○小野明君 どうも実際は鉄道に働く者が適用されるのか、鉄道の末端の港に働く者が適用されるのかどうか。初めに戻りたいと思うのですが、念を押すようですけれども、もう一回ひとつ。
#127
○政府委員(伊部英男君) 現段階におきましては、鉄道につとめる方あるいは港の関係者はこの対象から除かれるということになろうかと思います。
#128
○小野明君 そうすると、あなたが先ほど答弁した、なるべく広目に考えたい、広目に考えたいというその広目の中に入るのはどういう対象があるのですか。
#129
○政府委員(伊部英男君) 今後通産省をはじめ関係者とよく打ち合わせをして妥当な結論を出してまいりたいと考えておりますが、この場合の気持ちといたしまして、つとめて広目に解釈をするということを申し上げておるわけでございまして、たとえば炭鉱におきます病院の医師、看護婦をどう扱うかといったような問題があるわけでございまして、これらの点につきましては、なお関係者と打ち合わせをしたいと考えておる点でございます。
#130
○小野明君 当然病院を持っていますね、そのお医者さんも看護婦さんも考えるということですか。
#131
○政府委員(伊部英男君) 病院の医師、看護婦等につきましては、対象とすべきでないという意見も実は関係者においては相当強いのでございますけれども、なお今後そういった問題につきましても引き続き前向きの姿勢で検討したい、こういう趣旨でございます。
#132
○小野明君 どうも坑外の、あなたの広目に考えるというのはどうも少しも具体化されておらぬ。病院の医師、看護婦さんがと、こう言うからお医者さんも看護婦さんも入るのか、こう聞いたら、何ですね、入れるべきでないという考え方がありますけれども広目に考えたいというので、何も適用いたしますと、こう答えが出ないわけですね。一体、この広目に考えるという対象の範囲は病院だけですか。関連事業というのは、まだ託児所もあれば保育園もある、それからクラブにつとめる人、寮につとめる人、いろいろあるわけでしょう、どうですか。
#133
○委員長(鈴木壽君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#134
○委員長(鈴木壽君) 速記をつけて。
#135
○小野明君 坑外夫については政令で定めるものを除くと、こうありますが、この坑外夫についてどのようにお考えになっておるか、御見解を伺いたい。
#136
○政府委員(伊部英男君) この年金制度は、本来坑内夫に限って問題の検討が始まったのでございますが、その後関係者の御要望によりまして坑外夫まで広げてまいったのでございます。それは、坑内夫と坑外夫との関連が非常に密接であるというようなことから広げられたのでございますが、その施行にあたりましてこれをどうするかということはなお問題があるのでありますけれども、関係者と打ち合わせをいたしまして、よく検討さしていただきたい、かように考えております。
#137
○小野明君 それでは次の問題に移りますが、第二十一条、この「基金は、事業に要する費用に充てるため、掛金を徴収する。」と、こうありますが、この会員の掛け金負担額並びに納付する義務を負うと、このようにあるのでありますが、掛け金の徴収については自信がおありになるのかどうか、責任が持てるのかどうか、この点をお尋ねいたします。
#138
○政府委員(伊部英男君) 石炭鉱業におきます厚生年金保険の保険収納率は九六・九七%、昭和四十一年度の現年度分でございますが。石炭鉱業年金につきましても、これと同等以上の実績をあげるように業務指導に当たってまいりたいと考えております。
#139
○小野明君 掛け金の問題については、掛け金負担については責任が持てると、こういうふうに解してよろしゅうございますか。
#140
○政府委員(伊部英男君) 御指摘のとおりでございます。
#141
○小野明君 最後でありますが、附則であります。これについて、「この法律の施行の日から五月以内に、」設立委員が定款を作成して総会の議決を経なければならぬ、こうあるわけです。それで考えてみますと、きょう七月の末、これが「五月以内」ということになると十二月になってしまうわけですね。これはまあ中身を聞きますと大して期待の持てるものではありませんけれども、それについてもやはりなるべく早く発足をしてもらいまして、そして一日でも早いほうが期日の計算にとっても有利なわけですから、「五月」とは書いてあるけれども、なるべく早く発足をさしてもらいたいという気持ちを持っておるのであります。ですから、今年度の運営についてどのような御計画をお持ちであるか伺いたい。
#142
○政府委員(伊部英男君) 基金の発足は、御指摘のように「五月以内」に発足されればよろしいということになっておるのでございますが、御指摘のように、できるだけ早く発足することが望まいのでございまして、その趣旨でなるべくすみやかに行なうように指導に当たってまいりたいと考えております。できれば本年十月ごろには発足できるよう、これを目途として関係者の間で努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#143
○小野明君 それでけっこうだと思います。十月からでもけっこうでありますが、なるべく早くということにお願いをしたいのでありますが、その際の掛け金負担は半額になるわけですね。
#144
○政府委員(伊部英男君) 本年十月発足以後の負担になるわけでございます。したがって本年度は半分ということでございます。
#145
○小野明君 それではひとつその発足の点を十月ということでよろしいと思いますが、万般にわたって先ほどから御質問申し上げました点について非常に考えられますのは、やっぱり二千五百円の低いということ、それから七千円の低いという問題、これについて十分なひとつ御考慮をお願いいたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#146
○鬼木勝利君 時間もだいぶたちましたが、年金問題について小野委員から詳細御質問がありましたので、私重複する点があるやもしらぬと思いますが、二、三お尋ねいたしたいと思います。
 小野委員が申されましたごとく、労働者の、労務者の意見が十分浸透していないのじゃないか、これは一方的な法案ではないかと、こういう点が私もしきりにするのでありますが、先ほどからの御答弁によると、運営審議会というものがあるから、それで十分労務者の意見も加味されるんだ、こういうお話でございましたが、第十五条に、十人以内の審議会委員が設けられる、その審議会委員のむろんお名前なんかわからぬと思いますけれども、ただ単にここでは学識経験者となっておりますが、その内容はどういうふうになっておるか、その比率なんかを漏らしていただきたいと思います。
#147
○政府委員(伊部英男君) 運営審議会の人選に当たりましては、公益委員、学識経験者が任命されるわけでございます。
#148
○鬼木勝利君 それでは各界の代表者の比率をお尋ねしたい。十名とあるが、その十名の比率は学識経験者が何名と公益代表が何名と労働者が何名と、そういう点。
#149
○政府委員(伊部英男君) 委員は業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者から任命されるわけでございます。
#150
○鬼木勝利君 それでは先ほどからお話しておりますように、労働者の、労務者の意見というものはどこで入ってくるか。十分この審議会を通して意見が反映されるとあなたはおっしゃっておりますが、どこで反映されるのか、その点をひとつ。
#151
○政府委員(伊部英男君) この石炭鉱業年金基金法案が提出されます過程におきましても、年金問題小委員会が労使の意見を十分煮詰めて、この提案に立った次第でございますが、さような方向によりまして、運営審議会の審議に当たっては、労使の意見を聴取し、円滑な運営をはかって、その上で労使の意見を十分煮詰め、公正妥当な意見が出るように運営をしてまいりたいと考えておるのでございます。
#152
○鬼木勝利君 どうも私はその点納得ができないが――小委員会といいますのは、委員長有澤さん以下五名の方でしょう。それと審議会が話し合ってやるのだ、そして厚生省はこれを監督してやるのだ、これはいささかも民主的運営じゃないと私は思うが、その点はどう局長考えますか。
#153
○政府委員(伊部英男君) ただいま御指摘の年金問題小委員会におきましても、この年金が労使の紛争に巻き込むようなことは避けるべきであり、将来にわたっての円滑な運営を期するため、学識経験者で構成する諮問的な機関をその中に設けようということが明らかにされておるのでありまして、この委員会を中心といたしまして労使の意見を聴取し、十分これを煮詰めて基金の運営に万遺憾なきを期したい、そのように指導してまいりたい、こういう趣旨でございます。
#154
○鬼木勝利君 あなたのおっしゃることはそれは一応わかるのですけれども、しかし実際的にこれを、労働者の方から意見を聴取するとあるのですけれども、直接労働者の方が審議会に入ってそして審議されるというのと、その意見を徴するというのとは非常に私は意味が違っておると思う。その点局長はどう考えられますか。あなたが直接意見を述べるのと、ある機関を通じてあなたが意見を上申するというのは、その意味が非常に違うと私は思う。その徹底の度においても。その点、いかようにお考えになりますか。
#155
○政府委員(伊部英男君) この基金の運営に関して学識経験を有する公正妥当な方々が労使の意見を聴取し、これに基づいての公正妥当な結論を出すということが、労使の紛争を将来にわたって起こさず、円滑な運営を期する最も適正な方法であろうと考えておるのでございます。なおその際、運営審議会の人選が片寄ってはならないことは申すまでもないのでございまして、この点につきましては定款におきまして政府の承認を要するような定款を作るよう、指導をしたいと考えておるものでございます。
#156
○鬼木勝利君 どうしてもその点、私はあなたの説明では納得できない。決してこれで私承知しておるのじゃありませんが、時間の都合上、その次の問題に移ります。
 先ほどから掛け金の徴収はスムーズにいくのだというようなお話があっておりましたが、トン当たり四十円ときめられた根拠は、先ほど課長からお話がありましたが、現在各山元は依然として赤字状態を続けておる、そういうときにスムーズにはたして徴収ができるかどうか、今度の年金制度は完全に経営者負担ということになっております。そこで、何らかの間接補助でも政府が考えておるかどうか、そういう点がありましたらひとつ御答弁願いたい。
#157
○政府委員(伊部英男君) 先ほど御説明いたしましたように、厚生年金保険におきます坑内夫は、他の被保険者に比較いたしまして約倍程度の優遇を受けておるのでございますが、これに対する国庫負担も一般の労働者が二〇%であるのに対しまして、二五%の国庫補助を受けておるのでございます。これらの点を考えますと、かつ、この石炭鉱業年金基金が本質的には厚生年金の一つの変形であるというたてまえで考えますと、やはり事業主が負担をしていくということが本来の姿であると考えるのでございますけれども、しかしながら御指摘のように、石炭産業が現時点におきましていろいろ財政上非常に困難な局面に達しておることも事実でございますので、かような事態が続きます限りにおきまして、石炭鉱業年金基金の給付に要する費用を各事業主が負担できますような助成策が望ましい、この点につきましては、関係省ともよく相談をしてまいりたい、かように考えておるものでございます。
#158
○鬼木勝利君 何らかのそういう考えを具体化していただかないと、御承知かとも思いますけれども、石炭鉱業合理化事業団費、あるいは労働災害防止費、ああいうようなものも、四回も五回も督促しなければ徴収できないということも私は聞いておる。これは石炭局長もそこへお見えになっておるからわかると思いますが、簡単に徴収ができておらない状態だ。これは決して山元が私は怠慢だとは思いません。先ほど申しましたように、事実上赤字で、非常に経営難におちいっているから、万やむを得ずそういうことになっておる。そういうことになった場合には、提案理由にもありましたように、滞納の場合は国税滞納処分の例により処分をする、こういうふうなことがうたってあるようですが、私はこういうことが将来また一つの基因となって、労使間の争いの起こるようなことがないでもない、こういう点に対して、どういう見通しを持っておられるか。その点を、これは石炭局長にも関係があるが、年金局長にその点をお伺いしたい。
#159
○政府委員(伊部英男君) 石炭鉱業年金基金制度によりまして、労務者の労働力の確保も行なわれるわけでございますし、事業主としても、進んでこれらの掛け金の徴収に応ずるものと考えておるものでございますけれども、なお強制徴収等の規定もございますので、基金の財政に支障を来たさないよう、十分な徴収努力をするよう、適切な指導を行ないたいと考えておる次第でございます。
#160
○鬼木勝利君 その点については、私は先ほど申しましたように、今日各山元が赤字経営で困っている。だからこそ、石炭の抜本対策ということになったわけでございますが、そういうときに、また追い打ちをかけて、トン当たり四十円を出せと、しかも安定補給金はわずかに百二十円、坑道掘進費なんかもあるのだと、こういうことを言っておられるけれども、一方では山元を援護し、一方ではまた吸い上げる、しかもその運営に当たっては、一方的にやってしまう、こういうことが将来私はまた労使間の紛争の種になるのじゃないか、こういうことを危惧している。その点について年金局長から明確なお答えをいただきたい。石炭局長からもその点御答弁願いたい。
#161
○政府委員(伊部英男君) 石炭鉱業年金基金が発足をいたします使命にかんがみまして、今後労使の一そうの円滑化に役立つものと考えております。
#162
○政府委員(井上亮君) 石炭鉱業の現状につきまして、特に最近の状況は、石炭鉱業の経理状態が極端に悪化しているという実情につきましては、ただいま鬼木先生が御指摘になりましたとおりでございまして、私ども今後この年金制度を実施するに当たりまして、石炭鉱業は四十円の負担をするのでございますけれども、この四十円の負担は、今日の現状からしますと、相当な重荷になるであろうというふうに考えております。したがいまして、私どもとしましては、この制度を円滑に長く継続できますために、今後石炭政策の助成策の中において、この負担については十分な配慮を政府としてはやっていきたいというように考えております。
#163
○阿部竹松君 井上局長さんね、今後でなくて、大手はいいかもしれませんが、中小の場合、いま鬼木委員が出している百二十円の補給金ね。あなたの名前を使ってたいへん恐縮ですが、井上鉱業所に百二十円行くとして、それはやはりもとで取らなければ、中小炭鉱は払わぬのがたくさん出てきますよ。そのときあなたと何ぼここでけんかしてもどうにもならないので、それは厚生省と話し合って、百二十円は井上鉱業所にやるのだが、実際渡す金は八十円だ、四十円は基金のほうに自動的に入るというようなシステムをとっておかないと、安定性がないように思いますがどうですか、その方法はとれませんか。
#164
○政府委員(井上亮君) ごもっともな御意見でございますが、私ども年金制度を始めますに際しまして、大手炭鉱はもちろんでございますが、中小炭鉱の経営者の方々ともいままで何回か、今後のそういった問題についてお打ち合わせをしてまいっておるわけでございますが、今日のところでは、中小炭鉱の経営者の方々は、ほとんど大部分の方々がこの年金制度をぜひやってほしいというような、むしろ積極的な希望がありますので、まあ納付金の問題につきましては、そう問題はさしあたりないのではなかろうかというように考えております。
 ただしかし、大手も同様でございますが、中小炭鉱におきましても、これは将来にわたって毎年トン当たり四十円づつ強制徴収されるわけでございますので、そうなりますと、今日の時点では、とにかくこれは必要な制度であるから、ぜひこの制度をやっていただきたいと思うけれども、しかし負担力の点において、将来やはり問題があるので、この年金負担については、今後の石炭政策の助成策の中で、できればひもつきで助成を考えてほしいというのが、これは石炭業界の全体の意向でございます。しかし、政府部内でその問題を検討しておりますけれども、今日の段階では、まあ遺憾ながら、ひもつきで助成をするということについて、なかなかむずかしい意見もございますので、私といたしましては、その場合には、石炭政策の全体としての助政策の中で、間接助成のような形になりますが、この負担軽減につとめてまいりたい。ただし、まあこれは一、二年やりまして、どうしても阿部先生のおっしゃるような事態が起こりまして、何とかやはりイヤマークする方法がないと、実際問題として徴収が困難だというような事態が起こりますれば、私は阿部先生のおっしゃいましたような方策も考えなければならぬ時期があるかもしれぬ。しかし今日では中小炭鉱の経営者の皆さんが、やはりこの制度は必要だと言っていただいておりますので、そこまで行かないでも当面はやれるのじゃないかというふうに考えます。
#165
○鬼木勝利君 いまの石炭局長の説明、あなたの説明は一応は通る。しかし実際には通らない。安定補給金の問題で、私が、百二十円なんてばかなことを言うのじゃない、二百円と皆言っているじゃないか、悲痛な叫びをあげているじゃないか――ところが、通産大臣はのらりくらりとわけのわからぬような答弁をして、全く大臣の答弁としては不合格だ。そうして百二十円を二百円くださいというのを、どうしても百二十円で打ち切り、そしてその上からまた四十円をもぎられる、これでは全然山元を助けておるのか殺しておるのか、私にはどうもその点が理解できない。しかも監督だけは政府がやるのだ、厚生大臣の許可を得るとか――何のことやらさっぱりわからない。しかも私の最も不愉快に感ずるのは、先ほど小野委員からもお話がありましたが、坑外員の場合には事業主が希望したらこれをやるのだ、しかも年金局長の説明では、希望することは確信を持っておりますと、これではどうも全然話にならぬじゃないですか。確信があるのだったら、なぜこんな条文を入れるのですか。事業主から希望があったときにはと、希望があることはわかっている、確信しているなら、こういう条文は要らぬ条文です。何のためにこれを入れたのか。事業主から希望があったときにはこれを給付いたします、希望があることは確信しております、――だったらこの条文は何のために入れたのか。どういうわけでこういうことを入れたのか。あなたの、局長の答弁が、希望しないところもたくさんあると思いますからこういうことを書きましたというのだったら理屈はわかる。全部希望することを確信しております、と、そうしてこんなことを書くというのは、全然これは無能な方――者と言ってはいかぬから、無能なお方がなさったものとしかわれわれには考えられぬ。それどういうふうに考えますか。
#166
○政府委員(伊部英男君) 十八条がこんな形をとりました経緯につきましては、先ほども御説明申し上げた点でございますが、本来、有澤答申あるいは閣議決定といったような線で坑内員が出発点であった、これに坑外員を加えるという経緯が一つ背景にあるのでございます。もう一つは、坑外員につきましては坑内員と相違いたしまして厚生年金基金をつくることができるわけでございます。そこで、厚生年金基金をつくることができるのにかかわらず、この際むしろ石炭鉱業年金基金とあわせてやったほうがよろしいということで坑外員の問題を十八条によって解決しようということでございますので、法制的な措置といたしましても、山元会員つまり事業主のほうから、坑外員についてもその石炭鉱業年金基金を利用したいという意思表示が必要であるというぐあいに考えた次第でございます。
#167
○鬼木勝利君 坑内員を主としたということは、それはわかっております。坑内員の方が非常に危険な仕事をなさっておる、しかしそもそも山の経営というものは坑内、坑外ともに協力して経営をしていかなければ山の経営というものはできるものじゃない。ただ坑内で掘ってばかりというわけにはいかない。ですからおのずからそのお仕事をなさっている危険の度合いから坑内夫を主体としているのだ、これはよくわかります。だから給付も坑外夫は半額であります、これもわかります。わかりますが、坑外夫は希望があったときだけこれをやるんだ、あなたは坑外夫を全部希望があることは確信をしておる、その点の私は考え方にどうも納得がいかないからあなたに申し上げている。石炭局長もそうですよ。
#168
○政府委員(伊部英男君) ただいま鬼木先生から御指摘のような御要望が各方面からも強く出まして、石炭年金問題小委員会におきましても、坑外員についても適用するようくふうせよということが最終的にはまとまったのでございますが、その際、坑外夫につきましては本来職種といたしましては他産業と同一のものが少なくないのでございまして、かつ、年金の組み方といたしまして厚生年金保険法に基づきます厚生年金基金を各企業ごとにつくっていくという可能性があるわけでございます。そこで、坑外夫につきましてはさような厚生年金基金をつくらなくても、この際、石炭鉱業年金基金として同時に解決をするという意思表示が事業主のほう、つまり会員のほうから積極的に示される必要が法制的にもある、かような趣旨から二分の一以上の同意が必要であるというふうに十八条の規定が行なわれておるのでございまして、先ほど来申し上げましたように、石炭年金問題小委員会の考え方につきまして、これを基礎として石炭年金基金の発足を政府として考えておりますので、坑外夫につきましてもこの十八条の規定を満たすに足る希望が得られるということを先ほど石炭局長の答弁にもございましたような種々な話し合いの過程を通じて確信を持っておると、こういう趣旨で申し上げておるわけでございます。
#169
○政府委員(井上亮君) ただいまの鬼木先生の御質問は、私が答弁するのは筋違いで、むしろ年金を扱っておられる厚生省の見解が一番妥当だと思っておるわけですが、ただせっかくの御指名でございますから一言私が感じておりますことだけ申し上げます。
 正式な答弁はただいま年金局長が言われたとおりだと思いますが、それを私が私なりに平たく解釈しますと、いわゆる坑内夫の年金制度につきましては、いわばこの法律による法定年金、強制年金、強制的に全部適用する法定した年金という取り扱いになっておりますが、坑外夫の扱いにつきましては、そういう強制的な法定的な制度にしないで、やはり過半数の賛成といいますか同意があった場合に発動させるというように取り扱いを変えておるというところがこの趣旨であろう、その理由はおそらく先ほど年金局長がお話になったような、現在の年金体系との関係からこういう構想をおとりになったのだというふうに私は了解いたしております。
 なお、過半数の同意が得られるかということになりますと、これは率直に申しまして、大手十七社の中でも一、二の会社は反対する会社がございます。中小におきましても若干の企業は反対する企業があろうかと思います。しかし過半数ということになりますと、私も年金局長のお見通しどおり、過半数は賛成されるというふうに考えております。しかし過半数が賛成されました場合には、ただいま大手でも一社か二社反対があるかしらぬと申しましたが、過半数がこの法律に基づいて同意するときには当然それは全体の過半数の意思に従ってこの坑外夫についての年金制度をやりますと、こういうことになっておりますので、結果的には全体がこれに従われるのじゃないかというふうに考えております。
#170
○鬼木勝利君 年金問題は大体その程度で、小野先生が詳しく聞かれたから置くとしまして、次に石炭局長にお尋ねしたいが、去る六月二十九日に田川郡の本添田炭鉱が抜き打ち閉山をやった。月産一万三千トンぐらいで従業員が六百名程度だと私は思っておるが、私は直ちにこの現場に参りまして詳細に調査をしたのであるが、その間の事情について事前に籾井社長からお話があったか、なおまた、そのときの事情はどういう事情であるか、大体私わかっておるけれども、ちょっとお尋ねしたい。
#171
○政府委員(井上亮君) ただいまお尋ねの本添田炭鉱は、最近、先生ただいまおっしゃいましたとおり、六月二十七日に閉山の申し込みを合理化事業団にいたしております。この炭鉱は、私どもの従来の考え方でいたしますと、相当よくやっておった炭鉱でございまして、こんなに早く閉山するとは私どもも考えておりませんでした。ところが、不幸なことにこの本添田炭鉱は本年一月に自然発火をいたしまして、そのためにここはもう切り羽が一つだけで、一つの坑道の切り羽でございますので、この自然発火のために全山が生産麻痺の状態を起こした、ほかの切り羽で採炭ができるということになりません、全山が生産をストップということに相なったわけでございます。ところが、その後この炭鉱は、もちろん政府もこの再建のために保安融資だとか、合理化事業団保証による市中銀行からの融資等につきまして私どもはあっせんいたしまして再建に努力をされたわけでございます。ところが、ことしの六月に再び二回目の自然発火をいたしまして、ここで全面的に操業停止のやむなきに至ったわけでございます。炭量とか自然条件等からいたしまして、このわずか半年内に二回の自然発火によりまして完全に再起が不可能な状態になったと経営者は判断されまして、ことしの六月二十七日に閉山申し込みをされた、そういう経緯でございます。
#172
○鬼木勝利君 そこで、私が現地を調査いたしましたところ、六月分の賃金も未払いである。それから、山の方々は切符制度で、金券制度で生活をしておられるのに金券がとまった、失業保険も出ない、こういうことで、むろん失業保険は出ますけれども間に合わない、金券で生活をしておられるのに金券がとまった、六月分の下半期は未払いだ、さっそく生活に困っておられる。こういうことで、合理化事業団のほうにも私は話をするし、福岡の通産局のほうにも話をし、安定所のほうにも失業保険の問題についてある程度の手は打ってきました、皆さんが一時しのぎができるような手は打ってきましたけれども、そういう点について通産局、それから合理化事業団なんかはどういう手を打ったか。その後の、六百人の家族の方々、この救済方法は、どういう対策をとっておるか御存じであるか、また何か手を打たれたか、その点を一つ伺っておきたい。
#173
○政府委員(井上亮君) 先ほど申しましたように、第一回目の発火の際には、再建のために石炭鉱業合理化事業団から保安融資をいたしましたし、あるいは市中銀行の融資に際しまして事業団保証――事業団が保証して融資をやるというような措置をいたしたわけでございますが、不幸にして再起不能ということになったわけでございまして、そうなりますと、すでに合理化事業団に対しまして閉山の申し込みも六月二十七日になされたわけでございますので、事業団としましては、こういう中小炭鉱につきましては、何といいますか、ほとんで経営者に資力がございませんので、それからほかに土地その他の財産も十分持っているわけじゃございませんので、経営者がこの離職者に対して配慮すべきことにそう多くは望み得ないだろうというふうに考えまして、私どもとしましては事業団に対して、そういった事態の炭鉱の閉山については一日も早く閉山交付金を交付するようにということで、事業団の職員がこの閉山申し込みと同時に現地の山の調査に、これは閉山交付金を算定するための調査にかかっておるわけでございまして、できるだけ早い機会に閉山交付金の額をきめたいというふうに考えております。
#174
○鬼木勝利君 そういう抽象的な話じゃなくて、それでは具体的にお尋ねしますが、買い上げ価額、それから退職金、それから鉱害補償、そういう具体的な、あるいは一般債務支払い、特別債務支払い、そういうことについて大体どういうふうに見積っておられますか。
#175
○政府委員(井上亮君) 六月二十七日に閉山申し込みがありましてから、いま担当係員が、先生おっしゃいましたような点について現地調査をいたしておるわけでございまして、できるだけ八月に入りましてから早急に結論を出したいというふうに考えております。
#176
○鬼木勝利君 それでは、その点についてはまたあとであなたとゆっくりお話をしましょう。これはまた特別大事なことだから。
 次に、保安局長にちょっとお尋ねしておきたい。これは福岡県の田川郡の伊田町の伊田鉱のガス爆発事件でございますが、四十二年の六月二十五日、ごく最近のことです。これは六月二十五日で、私が参りましたのが七月三日か、四日だったと思う。ところが、六月二十五日過ぎに、また第二回の爆発を七月五日にやっている。ところが、保安局のほうにいろいろ調査をしましたところ、一人のけが人もないという回答であった、一人のけが人もないと。私が事実調査いたしましたところが、三人もけが人があった。ところが保安局のほうでは、三日以上仕事を休まなければこれは被害者と認めない。それはまあ法的にそうなっているのかもしれない。しかしながら事実において三人のけが人が出て、あるいは入院し、あるいは通院しておる。それを一人のけが人もないと、こう言う。何のために保安局があるのか。田川にも保安の支所があるはずです。支所長も私のところへ来ておりました。そうして、質実、三人の診断書を持って、ある医院の――名前もわかっておりますが、医院の診断書を持って私のところへやって来た。で、私が申し上げるのは、炭鉱を三日以上休んだならばそれを被害者と認める。なるほど、それは法的にはそうなっているかもしれないけれども、事実三人が一週間も十日も通院している、あるいは一日でも二日でも入院をしておる、そういう事実があるのです。さすれば保安局がそういうことを知らない。被害者でないとしても、一日程度のけが人はあった。通院程度のけが人があったというようなことは山元もむろん知っておらなければならぬはずです。ところが保安員もそれを知らない、これはあまりにも……、石炭が大事か人間が大事か、それはわかり切ったことです。人間尊重ということは当然のことです。だから、山元としましても何ぶんの慰謝あるいはお見舞というのは当然です。保安員もそれに対してどの程度のけがであったということは調査すべきである。私の調べた範囲において三人のけが人もあります。そういうことで保安の全が得られるか、明確なひとつ保安局長の答弁を要求します。
#177
○政府委員(中川理一郎君) 鬼木先生のいまおっしゃいました新田川のガス燃焼から坑内火災に及びました事故つきにまして、福岡の監督局及び田川の監督署が当初会社側からの報告で罹災者なしということで統計の整理をしておったことは御指摘のとおりでございます。ただ鬼木先生のお話もございまして、実際に鉱山側に問いただしましたところ、多少判断を迷うようなケースであったという同情すべきあるいは割引をしてやる気持ちのある要素がございますけれども、この種の問題、疑わしい場合には罹災者というふうに判断して間違いのない点を、たとえば本人がかねてから高血圧であったとか、数日前からかぜを引いておったというようなことから、その後の頭の痛みというものが高血圧ないし、かぜだというふうな判断で整理をしておったというのは多少同情すべき余地はございますけれども、先生御指摘のように中村外科病院の診断書もあることでございますし、これは私どもの調査不行き届きということでおわびを申し上げなければならぬわけでございますが、即刻訂正をいたしまして罹災者三名ということで整理をいたしておるわけでございます。このような本人の当座持っていた病気なのかあるいは罹災なのかということは、罹災現場におった人である限り若干疑わしい場合は罹災者側から判断をするというのが先生御指摘のとおり正しい処置だと考えております。即刻訂正をいたしましておわびを申し上げたいと思います。外傷その他でございますと非常にはっきりした形がございますので、こういうエラーの起きる余地はないのでございますけれども、この場合は多少まぎらわしいところがあって、こういう取り扱いになったと思います。今後そういう点つきにましては、出先の監督局、監督署全体に対しまして注意を与えまして間違いのないようにいたしたいと思います。
#178
○鬼木勝利君 あなたの答弁は半分はおわび、半分はおれのほうにもこういう理由があるのだと、そういうふうにしか聞こえない。明らかにぼくは三通の診断書をとっている。その診断書には、後頭部挫傷、上気道外傷性炎症、それから頭部外傷、右の拇指根部挫傷。医者の診断書をぼくは三通とっているのだ。それに、はたしてそれが直接の傷害であったかどうかというようなことはわかりませんと、今後は注意しますと、半分はおわび、半分はおれのほうはそんなこと関係ない。そういうことではぼくは承知できませんよ。いやしくも擦過傷であろうが何であろうが、爆発の結果そういうけがを受けて、しかも二日間通院をしておる。一人は入院、それから通院をしている。その診断書も来ている。そういうあなた方の責任転嫁みたいな、だから何のために保安局があるかと、田川に監督署があるのだ。そういうことじゃ私は承知しませんよ。もう一回あなたの答弁を、とにかくこれは保安要員のずさんですよ、全然調べていない。
#179
○政府委員(中川理一郎君) 多少弁解がましいようなことを申し上げて申しわけなかったと思います。私の申し上げようとした趣旨は、今後十分注意して、厳重に注意をして、かようなことのないようにいたしたいと思います。
#180
○鬼木勝利君 いや何もことばじりをとるのじゃありませんけれども、責任者のあなた方がそのように、非は非としてあらためて認めて、こういうことのないように努力しますとおっしゃれば、何もこっちは時間とってそんなことをやあやあ、そんなわからぬことを言う私じゃありません。その点においては淡々たるものがある。何も人を傷つけるというような考えは毛頭ない。保安の全きを期して、いまからやりますと、こうおっしゃっていただけばけっこうです。これで終わります。
#181
○大河原一次君 次官にちょっとお尋ねします。時間がないから簡単に申し上げます。
 すでに法案に対する全貌が明らかにされておる現状でありまするから、こまかいことは申し上げませんが、ただ一言お聞き申し上げたいのは、今度の基金法の、ねらいは、一つには抜本的安定をはかるための政策として、労働者の労働力の安定確保が必要であることがうたわれておる。一面には、これに関していわゆる坑内員の老後の生活に特別の配慮を加えるというような、こういう問題です。これは一貫した文書として流れているわけです。一体この基金の性格というものはどちらを向いておるのだということに対する判断にちょっと苦しむわけです。一面から考えると、炭鉱労働者の労働力の安定確保をはかるという面からいうと、これは確かに今日の炭鉱に魅力を持たせなきゃならぬという、いわゆる雇用対策の一環である、それから老後の安定保障をはかるということになると、一面には社会保障の一環としても考えられておるわけですね。したがって、両面のほうを向いておるような気がするのですが、一体いずれにウエートを置いてこの性格を考えておるか、あるいは社会保障と労務確保の問題と両面を含んでおるのだというお答えもあるかもしれないが、その点は一応明確にしておかなければならないのじゃないか、かように考えておりますので、次官の御答弁を願いたいと思います。
#182
○政府委員(田川誠一君) この制度はただいま御指摘のように、労働力の確保を目的とするものでありますけれども、厚生年金基金に準ずるようなものでありまして、老齢者の生活の安定と福祉の向上に寄与するものでありまして、そうした意味におきましては、広義の社会保障の一環というふうに考えられるのでございます。また、この広義の社会保障の一環を実施していくことによりまして、労働力の確保もはかれるというようなふうに考えておるわけであります。
#183
○大河原一次君 そういう御答弁もあろうかと考えておったんですがね、しかし、確かにそれは一連の関係はございますが、まず前段の私はこの労働力の確保なりあるいはまた労働力の再生産ということになるならば、本質的には、ここには労働省の方来ておりませんから、あるいは石炭局長でもいいかもしれませんが、ほんとうに労働力の確保をはかりあるいは労働の生産性を確保していくというたてまえに立つならば、こういう面も現状における炭鉱の状態を考えると、そういうような一貫した施策も必要であろうけれども、先決問題は、何とっても炭鉱労務者に対する賃金をはじめとする労働条件の確保という問題が先決であると思うのです。ですから、こういう場合に、こういう法案があるのであるからということで、今日の炭鉱の労働条件が現状においてくぎづけされるというような危険性があるのではないか。特に明治や貝島のようないわゆる管理炭鉱と称するものが三%程度の賃金に押えられたり、今回の賃金のように六%で押えられるという現状において、しかも一面には、先ほど言いましたように、炭鉱経営者が大手といわず、中小といわず、相当赤字をかかえておる苦しい経営の中で、トン当たり四十円の積み立てをしなければならぬという現状を考えると、事業者から言わせれば、これはいわば炭鉱労務者に対する恩恵的な施策だというような観念を持たせることによって、炭鉱労働者に対する低賃金なり、あるいは賃金のくぎづけというような方向が今後あり得るのではないか、そういう心配を私は持つがゆえにお聞きしているわけです。ですから、労働省の方がおりませんから、これは石炭局長のほうからこの点は十分御考慮願いたいし、おそらくこういうことも予想されますので、こういう事態に対してどういうふうに対処していくかということも一面聞いておきたいと思うのです。時間がありませんから、たくさん申し上げません。
#184
○政府委員(伊部英男君) 年金制度を実施したことに関連いたしまして、賃金問題は将来くぎづけになるようなことはないかというような御懸念でございますが、一言でお答えいたしますと、年金問題、賃金その他の労働条件の問題は、それはまたその問題ということで、この年金制度ができたから賃金は将来くぎづけのままであるということは必ずしもないというふうに考えております。ただ、年金制度が考えられました過程におきましては、賃金も本来もう少し改善してもいいのだけれども、なかなか経営者にその負担能力がない。したがって、労働力の定着政策というような意味もあって、やはり将来に希望を持たせ、定着性を増加していくというためには年金制度が必要であろうというような、やや今日の賃金情勢に関連した議論もあったことは事実でございます。事実でございますけれども、だからといって、年金制度ができたから今後炭鉱労働者の賃金はくぎづけであるというふうには私ども考えておりません。
#185
○阿部竹松君 局長さん、ちょっと事務的な問題ですが、坑内で十三年働いた、坑外で七年働いたという場合の計算方法はどういうことになりますか。
#186
○政府委員(伊部英男君) 坑内と坑外とが入りまじった場合ですね。それは二十年間の期間がございますので年金としての資格はつきます。ただし、坑外夫としての扱いになるわけであります。しかしながら、十三年の坑内夫の期間がございますので、その期間については若干の優遇措置を考えるということになろうかと思います。
#187
○阿部竹松君 たとえば十三年は坑内夫であるとすると、十三かける二千五百円、それからあとの七年坑外夫になった場合は、プラス千二百五十円かける七、こうなるものかどうか、そういう計算方法をとるかどうか。
#188
○政府委員(伊部英男君) 詳細につきにましては定款等において定めることになると思いますけれども、基本線としてはおおむね御指摘のとおりだと思います。しかしながら、その場合の年金はあくまで坑外夫としての年金でございますので、支給開始年齢等については坑内夫と相違するわけであります。
#189
○阿部竹松君 そうすると、坑内、坑外と両方混淆した場合には坑外夫とみなす……。
#190
○政府委員(伊部英男君) 坑内二十年の場合において坑内夫としての年金が支給されるということでございますので、坑内の期間が二十年に満たない場合におきまして、その他に坑外としての期間を加えて二十年になるという場合は、やはり坑外夫としての年金になる、こういう趣旨でございます。
#191
○委員長(鈴木壽君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#192
○委員長(鈴木壽君) 速記をつけてください。
 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 石炭鉱業年金基金法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#195
○委員長(鈴木壽君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#196
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#197
○委員長(鈴木壽君) 請願第五八四号外百十四件を一括議題といたします。
 先ほどの理事会において、便宜、あらかじめ検討いたしました。その結果、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと意見の一致を見ましたものは、お手元に配付いたしております請願一覧表の第五八四号石炭政策に関する請願外回趣旨の請願七十二件でございます。なお、第八二七号石炭対策予算の拡大等に関する請願外回趣旨の請願四十一件は、すでに処置済みのものと認め、これを留保すべきものと協議いたしました。以上御了承願いたいと存じます。
 この際おはかりいたします。
 ただいまの請願第五八四号外七十二件を採択することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、報告書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#200
○委員長(鈴木壽君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 当面の石炭対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#203
○委員長(鈴木壽君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 閉会中、当面の石炭対策樹立に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(鈴木壽君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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