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1967/05/09 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第4号
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1967/05/09 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第4号

#1
第055回国会 商工委員会 第4号
昭和四十二年五月九日(火曜日)
   午後一時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     山本茂一郎君     津島 文治君
     林田悠紀夫君     村上 春藏君
     岡本  悟君     松平 勇雄君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     横井 太郎君     館  哲二君
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     館  哲二君     横井 太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                柳田桃太郎君
                阿部 竹松君
    委 員
                津島 文治君
                宮崎 正雄君
                村上 春藏君
                横井 太郎君
                小柳  勇君
                近藤 信一君
                竹田 現照君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
   国務大臣
       通商産業大臣   菅野和太郎君
       国 務 大 臣  二階堂 進君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      小林 貞雄君
       科学技術庁振興
       局長       谷敷  寛君
       大蔵政務次官   米田 正文君
       国税庁長官    泉 美之松君
       通商産業政務次
       官        栗原 祐幸君
       通商産業省通商
       局長事務代理   原田  明君
       通商産業省重工
       業局長      高島 節男君
       中小企業庁長官  影山 衛司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空機工業振興法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○貿易大学校法案(内閣送付、予備審査)
○中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○理化学研究所法の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (地域経済対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島俊雄君) それでは、ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の変更について報告いたします。
 去る三月三十日、山本茂一郎君、林田悠紀夫君、岡本悟君が辞任され、その補欠として津島文治君、村上春藏君、松平勇雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、航空機工業振興法等の一部を改正する法律案、貿易大学校法案、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。菅野通商産業大臣。
#4
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま御提案がありました通商産業省の関係の三法律案を順次御説明申し上げたいと思います。
 まず最初に、航空機工業振興法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 航空機工業振興法は、航空機の国産化を促進することにより、わが国航空機工業の振興をはかることを目的として、昭和三十三年に制定された法律であります。この法律に基づきまして、昭和三十四年六月、日本航空機製造株式会社が設立され、今日まで中型輸送機YS11設計試作等の試作事業及び製造、販売等の量産事業が進められてまいりました。このうち、試作事業は昭和三十九年度をもって完了し、昭和四十年三月以降、量産機の販売を開始いたしております。その後今日までに合計二十九機の引き渡しを行ない、国内の主要ローカル路線に就航するほか、フィリピン及びハワイにも輸出され、好評を得ております。また、最近においては、YS11の短距離離着陸性能、経済性、搭載容量等について国際的にも高く評価されつつある現状にあります。
 かくして、わが国最初の国産輸送機YS11は国際競争場裏に進出することとなったのでありますが、輸送用航空機の輸出をめぐる国際間の競争はきわめて激しく、この競争の中にあって、YS11の輸出を確立するためには、なお一そうの輸出努力と助成が要望されるのであります。このため、日本航空機製造株式会社をはじめとして、関係業界の一致協力により積極かつ適確な販売活動を展開させる必要があることはいうまでもありませんが、これと並行して諸外国と対等に競争し得る基盤を整備する必要があります。諸外国は、航空機工業に関しては先進国の地位にありますが、航空機工業の育成を重要な国策の一つとし、手厚い助成措置を講じております。今後国際競争はますます激化するものと予想されますが、このような事情を勘案いたしますと、この際YS11の量産事業に関し、いま一段の助成の強化が望まれるのであります。
 以上に申し述べました理由から、航空機工業審議会の答申にも即して、政府は昭和四十二年度において日本航空機製造株式会社に対し十二億円の出資を行なう等の助成措置を講ずることとし、ただいま国会の御審議をいただいているところであります。しかるに、航空機工業振興法の一部を改正する法律によりまして試作事業終了後の政府出資が制限されており、これらを改正する必要が生じましたので、ここに本法律案を提出いたしました次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明いたします。その第一は、YS11の設計、試作等の完了後においても政府は日本航空機製造株式会社に対して出資することができるものとすることであります。その第二は、政府の出資の限度を四十二億円とすることであります。
 以上が本法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞよろしく御審議の上、すみやかに御賛同くださるようお願いいたします。
    ―――――――――――――
 次に、貿易大学校法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 わが国の貿易は近年順調に拡大しており、輸出もいよいよ百億ドルに達せんとしております。貿易はまさにわが国経済発展の屋台骨をなしてきたと言えましょう。しかしながら今後のわが国の輸出の前途は決して平坦な道ではありません。世界の経済競争、輸出競争はいよいよきびしさを増しており、しかも、わが国の輸出構造が高度化してくるに伴い、欧米先進諸国の輸出市場とまっこうから競合するようになっているからであります。
 今後の貿易は、安くてよい物をつくれば売れるという単純なものではなく、売り込み相手側の中に深く入り込み、積極的なセールスを展開する必要があり、しかも延べ払い、海外投資、技術協力などの諸種の要素と密接な関連のもとにおいて行なわれることとなるのであります。さらに、今後開放体制の一そうの進展に伴い、わが国にも多くの外国企業が進出してくるでありましょうし、また、わが国の企業の海外進出もいよいよ活発化することが予想されます。このように好むと好まざるとにかかわらず、わが国の企業にとって外国企業あるいは外国人との接触、すなわち、インタナショナル・ビジネスの側面は今後増加の一途をたどるでありましょう。このような新しい世界の貿易体制、国際企業体制のもとにおいてわが国の貿易を伸ばし、わが国の企業を発展させていくためには、何といっても企業をになう人の問題がキーポイントとなるのであります。すなわち国際的な識見と相手先国の社会経済の実情についての深い知識を有し、また外国の人々と完全に理解し合えるに足る語学力を持った人々の養成が不可欠なのであります。
 この法案は、以上のような要請にこたえるため、貿易を主とする国際的な経済活動に従事する者等に対し、その資質の向上に必要な研修を実施する機関として、貿易大学校を設立しようとするものであります。
 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。まず第一に、貿易大学校の設立につきましては、貿易を主とする国際的な経済活動につき専門的な知識を有する者十五人以上が発起人となって、通商産業大臣に設立の認可申請を行なうこととし、通商産業大臣は、その申請の内容を審査いたしまして、その業務が健全に行なわれ、わが国と外国との経済の交流の促進に資することが確実であると認めるときは、設立を認可することとなっております。ただし、研修の高度性、効率性を確保するため貿易大学校の設立は一を限って認可することといたしております。
 第二に、貿易大学校の役員として、会長、理事長、理事及び監事を置くことといたし、会長、理事長及び監事は定款の定めるところに従って選任し、通商産業大臣が認可することといたしております。また、貿易大学校の運営を適正ならしめるために貿易大学校に評議員会を置くことにいたしております。
 第三に、貿易大学校の行なう業務でありますが、貿易大学校設立の目的に従いまして、貿易を主とする国際的な経済活動にかかる業務に従事する者等に対して専門的かつ効率的な研修を施すわけでありますが、あわせてその研修に必要な調査研究等の業務をも行なわせることといたしております。
 第四に、貿易大学校は通商産業大臣の監督を受け、貿易大学校の定款及び業務方法書の変更並びに毎事業年度の事業計画及び収支予算につきましては、通商産業大臣の認可または承認を要することといたし、また通商産業大臣に貿易大学校に対する報告徴収及び立ち入り検査の権限を認めるとともに、その結果に基づいて必要な措置をとり得るようにいたしまして、貿易大学校の公共的な機関としての運営の適正を期することといたしております。
 最後に貿易大学校についての各種税法の一部改正を行ないまして、貿易大学校の業務の運営上に遺憾なきを期した次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 最後に中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、中小企業近代化促進法は、中小企業が事業活動の相当部分を占める重要な業種を指定し、当該指定業種に属する中小企業の実態を調査して、その実態に即した中小企業近代化計画を策定し、その円滑な実施をはかるための措置を講ずること等により、中小企業の近代化を促進し、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的として昭和三十八年に制定された法律であります。制定後今日までにすでに八十余の業種が指定され、それぞれの業種ごとに実態調査、近代化計画の策定、その推進等がはかられ、わが国中小企業の近代化に大きな役割りを果たしております。
 中小企業近代化計画の推進をはかるための措置としては、中小企業近代化促進法上二つの課税の特例措置が設けられております。第一は、企業規模の適正化等をはかるための合併、共同出資等の場合の課税の特例であり、第二は、中小企業の自己資本充実のための割り増し償却の制度であります。
 今回の改正によりまして、従来合併、共同出資等の場合の課税の特例の適用が受けられる中小企業者は、企業組合について、出資の総額が五千万円以下またはその事業に従事する組合員の数が三百人以下のものに、割り増し償却の適用が受けられる中小企業者は、前述の範囲の企業組合と資本の額または出資の総額が五千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人に、それぞれ限定されておりましたのを、これらの限定を削除しようとする、ものであります。以上の結果、中小企業近代化促進法上の課税の特例措置は、本法上の中小企業者すべてに適用されることになり、中小企業の近代化は一そう強力に推進されることになるものと考えております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、理化学研究所法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。二階堂科学技術庁長官。
#6
○国務大臣(二階堂進君) ただいま議題となりました理化学研究所法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 改正の第一は、理化学研究所の主たる事務所の所在地に関する規定を改正することであります。現在、理化学研究所は主たる事務所を東京都に置くことになっておりますが、従来の研究所施設は狭隘に過ぎ、また老朽化してまいりましたので、埼玉県大和町に新たに研究所施設の建設を進めてまいりました。このたび研究所施設の過半が完成し、管理運営部門が移転するのに伴って右の改正を行なうものであります。
 第二は、監事の権限、役員の欠格事由及び兼職禁止に関する諸規定につきまして、最近設立される特殊法人関係の法律の例にならい、改正を行なうことであります。なお、これと関連して、兼職禁止の解除に関する承認権限を、内閣総理大臣から科学技術庁長官へ委任することができるよう改正を行なうこととしております。
 以上、本法案の提案理由につきまして、御説明申し上げました。科学技術振興の重要性に対する皆さまの深い御理解によりまして、慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いする次第であります。
#7
○委員長(鹿島俊雄君) 以上で四案の提案理由の説明は終了いたしました。以上の四案の事後の審査は、これを後日に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、地域経済対策に関する件について調査を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言願います。
#9
○阿部竹松君 お尋ねする前に、委員長にお願いしておきました大蔵省関係の政府委員はどなたが御出席になっておりますか。
#10
○委員長(鹿島俊雄君) 本日は、米田大蔵政務次官並びに泉国税庁長官、宮川国税庁総務課長、三名出席しております。
#11
○阿部竹松君 私がこれからお尋ねすることは、産炭地域に直接関係あるわけですが、問題は税ともきわめて関係が深いわけで、事務的な問題ですから、米田次官もおいでになっているようですが、さしあたり事務担当をされておる国税庁長官にお尋ねします。
 税関係の業界新聞か、ニュースか、あるいはその雑誌か、はっきり記憶しておりませんけれども、今度国税庁で担当しておられる全国の中で五カ所ないし六カ所の税務署を廃止なさって、そうして整理をなさるという記事を見たんですが、それが事実であるかどうか、お伺いしたい。
#12
○政府委員(泉美之松君) この点につきましては、税務行政の全般からお話をしなければいけないのでございますが、ごく簡単に申し上げますと、御承知のとおり昭和三十年代のわが国の高度成長に伴いまして、課税対象が非常にふえてまいっております。ところが、その課税対象は全国一様にふえているんではなくて、東京都とか大阪とか名古屋とかという大都市に集中する傾向が強いのであります。そこで、私ども税務行政を執行する立場に置かれている者といたしましては、そのように課税対象のふえました地域におきましては税務職員を増加する。その際に、税務職員がふえまして一税務署が二百五十名をこえるような定員になりますと、一税務署長の管轄下で処理するのは適当でございません。これを分割いたしまして税務署をふやすという措置をとっておるのであります。しかしながら、全体の税務職員は昭和三十年当時からほとんどふえておりません。そこで、そういうふうに課税対象のふえたところで税務職員を増加し、税務署を分割するというかわりに、地方の税務署で課税対象がふえない、むしろ課税対象が減少していくというような税務署におきましては、定員を減らすとともに、それから地域によりまして、納税者の便利を考慮しつつ、あまり不便でない地域におきましては税務署を廃止すると、こういう措置をとってまいったのでございます。すでに現在まで昭和三十八年から申し上げましても、三十八年に一署を分割して一署を統合する、三十九年に五署を分割いたしまして三署を統合する、それから昭和四十年には三署を分割して二署を統合する、昭和四十一年度におきましては、二署を分割して七税務署を統合すると、こういう措置をずっととってまいっておったのでありまして、今年度におきましても、こうした方針に基づきまして別途三署を分割することにつきまして、地方自治法の規定に基づきましてこの承認を求める案件を国会に提出いたしておりますが、同時に六税務署を統合する、こういう考え方をとっておるのでございます。したがいまして、いまお話しのようなことは事実でございます。
#13
○阿部竹松君 長官のお話を承っておると、私は理屈なしに、東海道線はお客さんがたくさん乗るから、幾らいい汽車をつくってたくさん本数ふやしてもよろしいと、しかし北陸線は――例ですが、北陸線はお客さんが少ないから、汽車の本数を減らしてもよろしいと、国税庁ではそういうもうけ主義なんですかな。税金が京阪神でふえました、中京でふえました、あるいは京浜地区でふえましたから、そっちへ税務署の機能を拡大して、税金の取れぬところは人数を減らします、すべてが営利主義でやるというんなら私はあなたと議論しませんが、ただし国税庁は、国の機関というものはそういうものではなかろうと私は判断している。税金がふえるところはどんどんふやす、それはいいが、しかし、だめなところは国民が不便であっても、しかたがないからそこは没にするのだ、営利主義、資本主義国家ならこれはやむを得ないでしょう。しかし、それはいいけれども、あなたの趣旨を聞くとそう聞える、あなたどうです。速記録を読んでみなさい、明鏡止水だ。それはいいと思いますが、その六署というのはどことどこなんですか。
#14
○政府委員(泉美之松君) 申し上げるまでもなく国税庁は国の機関でございますから、別に営利を目的としてやっているわけではございません。したがって、もうけ主義とおっしゃるのは当たらないと思います。ただ、国税庁といたしましては、そういうふうに課税対象が非常にふえてまいったときに、全国的に課税水準を同じようにやっていきますためには、どうしても課税対象がふえたところに人員を集中せざるを得ない。これが全体の定員をふやしていただけるのなら、そのふえた定員を課税対象のふえたところへ持っていきさえすればいいのでございます。それは楽なのでございますが、なかなか全体の税務職員の定員はふやしていただけないものでございますので、やむを得ずそういうふうにいたしまして事務をだんだんと簡素化いたしまして、全国の課税水準ができるだけ同じになるように持っていこうという努力を非常に苦心をいたしてやっておるのでございます。したがいまして、そういう地方の税務署を廃止することによって納税者の方に御不便をおかけすることになることにつきましては、非常に心苦しく実は思っておるのでございます。しかしながら、全体の要請からいたしますと、やむを得ずこのような措置をとらざるを得ない。私どもといたしましても、税務署を一つやめますということは、少なくとも税務署長一人、課長三人のポストを失うわけでございまして、職員の昇進のためにも非常に苦しい立場に追い込まれるわけでありますが、やむを得ずそのような措置をとっておる次第でございます。決してもうけ主義とか何とかいうことでやっておるのではございませんことを御了承いただきたいのでございます。
#15
○阿部竹松君 長官、誤解してもらっちゃ困るよ。そういうあなたがおっしゃるような大方針については隣に政務次官もおられるし、これは大臣と話すべきであって、あなたは課長とか何とかの任命権はないのでしょう。それは大臣とか米田政務次官に……。あなたはどことどことがなくなるのですかという質問に事務的にお答えいただけばいい。
#16
○政府委員(泉美之松君) 税務署で廃止予定をいたしておりますのは、北海道札幌国税局管内で夕張税務署、仙台国税局管内で赤湯税務署、名古屋国税局管内で熊野税務署、大阪国税局管内で香住税務署、高松国税局管内で卯之町税務署、熊本国税局管内で玖珠税務署、この六署でございます。
#17
○阿部竹松君 そこで六つの税務署の抹消されるところはわかりましたが、これは何を基準としてやっておられるわけですか。これは税収が少なくなったとか、人口が少なくなったとか、利用度が少なくなったとか、こういう御答弁をなさるかもしれませんけれども、しかし、やはり地域住民の利用度とか――しからばその税務署がなくなることによって、私は六カ所全部わかっておりませんけれども、夕張の例をとると、たとえば夕張がなくなることによって今度は岩見沢に行くか札幌に行くか、これは一日がかりですよね。そういう人口が減ったとか金額が少なくなったとかいう理屈もありましょうけれども、そういうところは考慮に入っておるのですかどうですか。
#18
○政府委員(泉美之松君) お話のとおり、税務署を廃止するにつきましては、基本的には納税者が以前に比べて減ってきたということ、あるいは税額が少なくなってきて、したがって現在税務職員の定員が非常に減ってきておるというところを基本にいたしまして、これに対しまして住民の方の便宜ということも考えなくちゃなりませんので、人員が非常に少ない地域でも、たとえば島のようなところでございますと、壱岐、対馬から本土までということになりますとたいへんになりますので、そういう住民の便宜を考慮いたしまして、できるだけ住民の方の不便をあまり起こさないようにという方針でやっておるのでございます。ただ、従来税務署がありましたのを統合いたしますと、大体その隣の税務署にくっつけるということになりますが、どうしても従来よりは税務署に出かけていくために時間がかかるということはこれはまあ避け得ないことでございます。しかし、最近は交通機関もだんだん発達いたしてまいりましたので、そういうことによる不便もだいぶ少なくなっておるというような地域を選ぶことにいたしておるのでございます。
#19
○阿部竹松君 通産大臣が途中で御退席なさるそうですから、一、二点お尋ねしておきますが、私この六カ所全部は知りませんけれども、大阪にもあり四国にもあるわけですが、たとえば夕張の例をとってみると、これは産炭地域なんですね。したがって、閣議でも御決定願っておりますし、国会でもきまっておるように、民間資本はもちろんのこと、国の機関でもあらゆるできる限りのものを・炭地発展のために、産炭地振興の一環としてそういうところに機関を持っていかなければならないということは御承知の閣議決定なんです。ところが夕張市は、いまも国税庁長官に対する質問の中でお話しましたとおり、夕張を廃止して今度は岩見沢に行くのか札幌に行くのかわかりませんけれども、これは行ってくると、とにかく一日ですね。そんな三十分や一時間で行ける場所じゃないのです。何でそんな産炭地から持っていかなければならないか。ほかの炭鉱地帯のように、町が村になり、市が町になるというところであればこれは話はわかりますよ。しかし、夕張市は御承知のとおり通商産業省でも力を入れて、そうして振興開発までやって、将来日本でただ一つか二つになるかしりませんけれども、発展を期して国も最大の力を入れておる市なんですね。そこからいま国税庁長官のお話は大臣お聞きになったでしょうけれども、持っていくというのは、まあ一メートルのものさしは九州へ行っても北海道へ行っても一メートルかもしれませんけれども、これはあまりにも機械的な公式論で、こういうことでは政治というものはないのではないか、こういう私は気がするんです。税の関係ですから大蔵省関係で、これは通商産業大臣に直接関係ございません。しかしながら、産炭地振興ということに全力をあげておられる通商産業大臣、これはどう御処置なさるんですか。水田さんの言うことオーケーということになるんですか。それともいま国税庁長官がおっしゃったこと、それは話はわかるが、それはいかぬというようなことになるのか、そのあたりの御心境を承っておきたいと思います。
#20
○国務大臣(菅野和太郎君) 夕張の税務署が廃止されるということはきょう初めて承ったことであるし、またその理由もいま初めて承ったことで、おそらくその税務署廃止については国税庁から通商産業省のほうへ御相談なかったのではないかと、こう思っておりますが、そこでいまの国税庁長官のお話によると、納税者も減るし納税額も減った、こういう御説明であったように思いますが、私自身は夕張といろ町も知りませんし、お話のとおり産炭地振興ということについて通商産業省としては非常に苦心をいたしておりますので、将来ここはもう少し発展する余地のあるように、またしなければならぬと思っておりますから、現に減っておるから税務署を減らすということよりも、将来発展する可能性があるかどうかということをよく考えて、そして考慮してもらいたい、こう思うのであります。いずれこの問題は私のほうから大蔵省のほうへもよく事情を聞いて善処をしたいと思っております。
#21
○阿部竹松君 通産大臣、考慮してもらいたいということは、ぼくのほうを向かぬで米田さん、大蔵省のほうへ……。私どもは行政簡素化ということを主張しておりますし、大蔵省あるいは国税庁の言わんとするところは理解できる面は理解できるわけです。しかしながら、ああいう山間僻地の炭鉱町で、一つの基準によって全部九州から北海道まで一メートルは一メートルであるというようなことでなしに、それは係長か課長さんくらいはそういうお話でよかろうと思いますけれども、国税庁長官、次官、大臣クラスになると、やはりこの地域の発展はどうかというような政治的判断と配慮が必要でしょうと私は判断する。特に人数が減っても税金は減らぬわけです。大同団結すればそれは数は減るわけです。たとえばトヨタと日産が合併すれば会社は一つになるが税金は減らぬわけです。国税庁はどう判断しているかわかりません。世の中でしぼり取るのが非常に上手な国税庁のことだが、そういう政治的判断は別として、そういうことを考慮する余地はあるんですか、ないんですか。
#22
○政府委員(米田正文君) いま阿部委員がおっしゃる御趣旨は十分私ども理解できます。私も、もともと産炭地で筑豊炭田ですが、ここの学芸大学を統合することによって分校があったのを廃止したことがあります。そのときに私もあなたのような議論をしたことがあります。産炭地振興という面について強く主張したこともあります。しかし、また学芸大学統合という一面の教育行政の面からの問題があり、その辺のかね合いが問題でございました。ちょうど今回のこの夕張税務署廃止の問題も私は同じようなものだと、先ほどのあなたの御議論を聞いておって、そういうことを痛感をいたしております。産炭地の問題は、これも一つの重要な国策ですから、私はこの問題をなおざりにするとかいうようなことは、ごうもそういう意図はございません。できるだけその方針に従って振興をいたしていきたい、こういう考え方については皆さんにも劣らぬ気持ちを持っております。しかし、この具体的ないまの税務署の問題になりますと、五万人という税務署の職員を全国に配置をして、そうしてそれを課税対象になる人に対して公平に徴税をしなければならぬという一つの問題がございますので、それについてはいまも国税庁長官からお話がありましたが、人口移動が非常に急速に行なわれておって、都市のほうの税務署は人が足りないで非常に困っておる。こんなことでは税の公平が期せられないという非常に危機にさらされておるということがあるんです。そこで、それを解決するにはどうしても定員はふやしてくれないし、全体の中からさいて、どこかから都合しなければならないという非常な事態に迫られておるものですから、やむを得ず仕事の閑散なところから繁忙なところに人を移すということは最近ずっと大蔵省としてやっておる実情でございます。御趣旨は非常によくわかりますが、徴税という面から公平を期し、かつ適正な配置をしていくという一つの行政面の問題ですから、その辺も御了解をいただいて、大蔵省の方針について御了承いただければたいへんありがたいと思います。
#23
○竹田現照君 いまの国税庁の方針ですね、いま阿部さんのおっしゃったように、夕張というのは岩見沢の隣ですね、税務署の関係からいうと。それで赤湯は山形県ですね。それと熊野は和歌山ですね。こういうようなところと対比しても、なお八万数千からの人口がある夕張とあとの五カ所が同じような条件にあるとは必ずしも言えないと思う。そうすると、先ほどからお話があったように、税務署の徴税はいいんでしょうけれども、住民は一日がかりで岩見沢に行かなければならない、本州の府県とは実際実情が違うんですね。その点の配慮というのはどういうふうにされておるのか。それと先ほどの将来の政治的な展望、開発の展望というようなことを考えても、この夕張というのは北海道の主要幹線になろうとしておりますね。夕張の紅葉山を中心にして北海道の中心を走っているところを、もう少しはずれのほうに持っていくという持っていき方は私は必ずしも当を得ていないとこう思うんですが、そういうような点についてはどういうふうにお考えですか。
#24
○政府委員(泉美之松君) おことばではございますが、夕張の税務署は定員からいたしますと十九名でございまして、全国一小さい税務署になっておるのでございます。それから税額からいたしますと、御承知のように産炭地振興という努力がされておりますので、従前に比べますと税額は多少減っておりますけれども、しかし税額からいたしますと、全国一少ないというわけではございません。全国の一番少ないところから数えまして一割程度の――全国で五百二税務署がございますが、その五百二の税務署のうち最後のほうの一割に近いところにあるのでございます。それからいまお話のように、産炭地振興で非常に力を入れている地域であるということは私も承知いたしております。また、最近夕張を国道が貫通するようになる、そういうこともお聞きいたしておるのでございます。ただ、税務署はやはり先ほど申し上げましたように、全国的な見地からみてその配置を考えていかなければなりません。税務署があるから産炭地振興ができるというわけのものでもない、助長行政をやるわけでもございませんから。そういったようなことも考えますし、ただ納税者にあまり不便にならないようにこれは十分考えなければならないというようなことで、従来から夕張につきましてはいろいろ検討を重ねておったのでございます。何ぶんにも全国一小さい税務署であり、その徴税費のコストも全国平均に比べまして三倍ぐらい高くなっておるというようなことがございまして、まあ岩見沢へ行くのには何か非常に不便な話もございます。私どものほうで調べておるのによりますと、バスで一時間二十分程度で、一白十数回の往復があるというふうにお聞きをいたしております。もし申告納税の時期でございますと、これは税務署のほうから夕張のほうへ参りまして、そこで申告書を受け付けることによりまして、納税者の方には御不便をおかけしないという措置もとることも考えております。そういうことによりまして、申告時期以外には税務署のほうへお越しいただかなければならぬこともあろうかと思いますが、なるだけ納税者の方に御不便をおかけしないで、しかも全国的な平均を統一するための組織づくりをしたい、このように考えておるわけでございます。
#25
○阿部竹松君 米田大蔵政務次官に私おことばを返す意味ではございませんが、確かに九州の場合、たとえば田川にいたしましても、川崎とか、あるいは山田とか、幾多の市町村がありますが、そういうところは炭鉱がなくなり、山がなくなると、ほかの産業でも招致すれば別問題ですけれども、そこは人口がふえない、新しい企業がなかなかできないわけです。しかし夕張市はこれから発展しようとするところです。だから九州の炭鉱の例をとって北海道の炭鉱を見る見方をされることはいけないと思う。九州の例をとって北海道もそうであろうと、そういう話をされると、ぼくは政務次官にものを言いたくなるんですね。ただ、そこで国税庁長官に申し上げたいことは、あなた一時間二十分で岩見沢に行けると言われたが、ハイヤーで飛んでも一時間二十分ではいけませんよ。国税庁長官はどういうデータをとって、だれがやったかぼくは聞きたいんですがね、この点はこの次の委員会までにあなた明確にひとつ調べていただきたい。
 それから、もう一つ言いたいことは、ほんとうは国税庁や税務署なんかもう必要ないんです。ないほうがいい。なければ税金なんか払わなくてもいい。しかしそういうわけにはいきません。やはり国民には兵役の義務はなくなったが、納税の義務はある。産炭地振興でせめて残った山だけでも盛り上げようというときに、たった一つある十九名ぐらいいる税務署の出先は、そこから固定資産税を取れなくても、また市民税を取っても微々たるものです。夕張市には影響しない。しかし市の発展ということについては、これから引き揚げられるのと残ったのとでは、産炭地振興というのにぼくは無形な力があると思う。国はそれを考えてくれないのかとぼくは思うんです。別にそれはこう言ったから、東京まで税金を納めにくる――陳情に始終東京まで来るんですからね。しかしそれでは国税庁長官、あまりむごいじゃないですか。でたらめなデータをもってただ右ならいさせようとする、そういうことではぼくは政治というものはいかぬと思う。いまようやく北海道でたった一つか二つ残って、そこを竹田委員からも発言があったように、釧路へ夕張市を通って最短距離三時間短縮していくというようなときに、引き揚げるというようなことであっては、ぼくはいかぬと思う。しかしあなたに理屈を言ったって始まりませんが、それくらいのことはやはり大臣、次官がどう言っても、あなたがそういう趣旨をひとつ大臣なり次官なりに訴えてくれぬかというぼくは気持ちがあるわけですよ。それはひどいじゃないですか、あなた。それくらいのことはやはり考えていただかなければならぬわけです。別に十九名、二十名の税務署が残る残らぬということは問題になりません。しかし、これから盛り上がろうとする産炭地振興の一環として市はびくびくしているわけです。これが引き揚げられると、また炭鉱がだめになる、裁判所もなくなるだろう、あれもなくなるだろう、これもなくなるだろうというようなことで、炭鉱地帯というのは常にこの四、五年おびえているわけです。それを残してやって、しっかりやれというようなことを言わぬと、閣議で佐藤さんが幾らきめても何ともならぬわけです。現実の問題ですから、国税長官、あなたここでは答弁できぬでしょう。米田さんは九州と北海道を一緒に考えても、国税庁はよろしいですと言えぬと思うが、それくらいの配慮があっていいと思うんだけれども、どうですかね。
#26
○政府委員(泉美之松君) 御趣旨はまことにごもっともに存ずるのでありますが、先ほども申し上げましたのを繰り返すようで悪いのでございますけれども、夕張市の地域そのものはあまり大きな地域ではございません。それから人口も数年前に比べまして二万人ほど減って、現在八万五千人というふうになっておるのでございます。それから何といいましても十九名の職員というのは全国で一番小さい税務署になっておりますので、統合をするということになりますと、そういう地域の狭い定員の非常に小さい税務署を統合するのがまず先ではないかというふうに考えて、税務署を統合したいというふうに考えたのでございます。産炭地振興という点から税務署があること自身は、別に産炭地振興には関係ないのでございますけれども、産炭地振興ということから、国の機関がその地域からなくなるということに対する住民の感情、これは私も十分考えなくちゃならんとは思っております。ただ税務署へやはり御用事があるのは、何と申しましても申告時期のことでございまして、そのときには先ほど申し上げましたように、御不便をおかけしないように夕張市のほうと相談申し上げまして、適当な場所に税務署員が参りまして、そこで申告者の受け付けをして、そうして住民の方には御不便をおかけしないようにするということは十分考えていきたい、このように思っているのであります。
#27
○阿部竹松君 これ以上は、次官並びに国税庁長官にお尋ねしたり、御意見あるいは要請しようと思いませんが、最後にお願いしたいことは、日本一小さい小さいと何回もおっしゃるけれども、壱岐、対馬は夕張市より小さいですよ。そのデータ見なくたってわかっている。しかし便宜をはかってやらなければならんとおっしゃっているわけだから、小さいからやめるとか、あるいは大きいからやめるではなくて、住民のために、税金を払うのはだれもきらいだけれども、国民の義務として払わなければならぬ。そうしたら払いやすいように、税務署の皆さん方も税金とるのはいやでしょう。自分が一銭にもならぬことをやはり国の公僕としてやらなければならぬ。ですから、やはり納めやすいように、いただきやすいように、それが政治というものだと思うんですよ。ですから、これ以上お願いしませんが、とくと帰って、まだ省議で出ておらんわけでしょう、新聞記者に発表しているかしれませんが。ですから、そういうところに格段の御配慮を、大臣並びに次官とも相談してお願いしたいということを申し上げます。
 それから通産大臣に、さいぜん申し上げますとおり、あなた責任を持って、産炭地振興の一環として将来発展するわけですから、米田次官のおっしゃった九州のように、これからなくなるとかということは絶対言えません。これから発展するところからさっさと引き揚げるということは理不尽であるということで、経済閣僚の有力メンバーでもあるし、大阪の万国博に熱心になるのもけっこうだが、これもひとつよろしくお願いして、私の質問を終わります。
#28
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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