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1967/06/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第10号
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1967/06/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第10号

#1
第055回国会 商工委員会 第10号
昭和四十二年六月十三日(火曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     白木義一郎君     鈴木 一弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                柳田桃太郎君
                阿部 竹松君
    委 員
                上原 正吉君
                重政 庸徳君
                津島 文治君
                横井 太郎君
                亀田 得治君
                小柳  勇君
                近藤 信一君
                椿  繁夫君
                鈴木 一弘君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
       通商産業大臣   菅野和太郎君
   政府委員
       農林政務次官   久保 勘一君
       農林大臣官房長  檜垣徳太郎君
       農林省農林経済
       局長       大和田啓気君
       農林省蚕糸局長  石田  朗君
       通商産業省企業
       局長       熊谷 典文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   参考人
       大阪砂糖取引所
       専務理事     沢田 徳蔵君
       明治物産株式会
       社専務取締役   二口喜兵衛君
       元慶応義塾大学
       教授       向井 鹿松君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案につきまして三人の参考人の方に御出席をいただいておりますので、これから順次御意見を伺いたいと存じますが、その前に参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多用のところ、当委員会のため御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員一同にかわりまして、厚くお礼を申し上げます。御出席の皆さま方から本改正法案につきまして、それぞれお立場において御意見を伺いまして、当委員会今後の審査に資したいと存じます。どうか御忌憚のない御意見をお願いをいたします。
 なお、議事の進行でございますが、最初にお一人十五分程度で御意見をお述べ願い、御意見開陳を終わった後、各委員から質疑を行なうことといたしたいと存じますので、御了承願います。
 それではまず沢田参考人にお願いをいたします。
#3
○参考人(沢田徳蔵君) 今度の商品取引所法の改正案については、もちろん原則的には賛成でございます。しかし、委託証拠金の件に関しまする九十七条第二項の変更、これは反対でございます。それから、まだもっとじょうずにやるやり方がある。あまりまたオーソドックスにこのまま進めたら、かえって逆効果を呈する。それからもう一つは、商品取引所業界の実情をくんでもらいたい。こういう点がございます。大体そういうふうに意見としましては四つあるわけでございます。それを順次述べさせていただきますが、その前にちょっとお断わりしておきたいととは、この改正問題の必要さ、あるいはその影響、これが商品により取引所によって違っているということであります。したがいまして、私の申し上げることは、全商品取引所の気にいる話を必ずしも申し上げることができないかもしれません。ある取引所は不満というような意見があるかもしれませんが、私自身は私の良心、良識に従って厳正公平に意見を述べるつもりでありますということを、あらかじめ御了承をお願いしておきたいと思います。
 参考意見の第一点でございますが、これは分離保管に関係したことで、清算会社の話でございます。この清算会社の話は、役所は相当進歩的な意見を持っておったと私は考えるのであります。というのは、商品取引所連合会における制度研究会に対して、役所側から二回、この問題を提出されております。ところが、それが取引所側の反対でその問題が取り上げられずに、否決ということばはどうかと思いまするが、取り上げられずに済んでおるのでございますが、しかし、この反対の理由は、補足いたしますると、有力な取引所の家庭の事情から出た反対理由がその原因であって、公平な見地から見ますると、それが実現した場合の便益というものが非常に大きいものだということを、かねてから私思っておるのでございますが、私は清算会社に対しては、七、八年前から、日本の現在の商品取引所業界ではあの法律をつくった当時に全然予想しなかった総合仲買い人ができた以上、どうしても清算会社をつくる、地区別にまとめた清算会社をつくるということが必要だという信念を持っておりますので、商品取引所の連合会では一応そういうふうに取り上げられておりませんけれども、あらためてここで陳述の機会を得たいと思うわけでございます。
 清算会社の業務といいますると、従来の取引所の預託業務、それから清算差金の受け払い、さらに従来の代行会社の金融業務、そこで今度できます新しい分離保管業務、これをあわせて行なうわけであります。そうしてしかも、これは阪神の地区でございましたら、阪神七つの取引所に共通の機関として一ヵ所へまとめて事務を扱おうということになります。ですから、これはもう取引所や取引所の仲買い人にも非常に便利な事務簡捷になる機関でございます。したがって経費も節減され、ある場合にはコンピューターも使えるというようなことになるだろうと思うのでございます。それから第二番目には、役所なり取引所が仲買い人の資産状態を監査するのに、清算会社へ行ってみれば一目でわかるということ。こういう便利が二番目の点としてあります。それから三番目の問題としては、いよいよ分離保管をやるということになりました場合に、分離保管というものは、取引所関係の預託事務を非常に複雑にし、かつ分量をふやすのでございます。しかしこれを一ヵ所に集めれば、取引所にも仲買い人にも非常に便利だということは申すまでもないことでございます。それから一つの地区に一つの清算会社というような有力な清算会社ができるということになりますれば、地方に支店もしくは代理店を設置することができます。そうなれば、現在の総合仲買い人として全国の各地に支店、出張所を持っておるその人たちが、お客から預かった委託証拠金を一々本店へ持って行って、そうしてあらためて本店から分離保管するというようなかっこうをとらなくとも、その土地々々の清算会社の支店なり代理店なりにこれを預けるということにすれば、それで分離保管の目的が達せられ、きわめて仲買い人にとっても取引所にとっても便利なことだと思うのでございます。
 それからもう一つ、分離保管ということをいよいよ実施いたしました場合に、われわれが一番心配しておるのは、やみ受託の発生でございまして、やみ受託と申しますと、お客から証拠金を頂かってもそれを正式に帳簿に記入もしない、取引所においてのバイカイも振らないというやみ受託でございますが、このやみ受託をどうして防ぐかといえば、これは私は清算会社の受け取りの副本を委託者に渡さなければならないという制度にする以外に防止の方法がないと考えております。現在の改正法案にはその点が触れておりませんですが、そういうことが清算会社をつくって初めてできる、こう思うのであります。
 それから第四番目の理由としましては、そういう有力な清算会社――一地区一清算会社ということになりますれば、金融力も非常に豊富になってまいります。現在の全国の各取引所に付属しておる代行会社は大体八十何億、百億足らずの金融力よりないのでございますが、そういう有力な清算機関ができますれば、金融機関ができますれば、三百億くらいの融資は十分可能だと、こう思われるのであります。そうすれば仲買い人の金融も楽になるのでございます。もっとも、これに対しては日本証券金融に与えておるような政府援助が必要だと思うのでございますが、この援助といいましても、実際に政府から金を出してもらう必要も何にもない、政府の口添えだけでけっこうであります。そうして口添えで金融機関から金を借りましても、共和製糖事件のような、金融機関に迷惑をかけるようなことは絶対にないということを考えております。こういう便利な制度なんでございますが、これが商取連合会で取り上げられなかっただけでなしに、今度の改正法では、この制度を利用することができないことになったのでございます。これは法律問題になるわけでございますが、今度の改正法では、委託者の優先権を保護する手段として、委託関係の債権は取引所に請求できるという規定を一条こしらえた。これまではそういう手続規定がございませんために、優先権は認められておりまするけれども、その具体的な行使の方法は書いてなかったのでございますが、今度それをはっきり書いた。しかもこれは何か法務省関係の法律問題だそうですが、取引所以外の民間機関にそういうことを許すことができない、取引所に許すのはほとんど最低の線だ、一番譲った線だということでそういうことになった。そうしてこれ以上清算会社のお話を持ち出しても、いまの法律の改正案ではちょっとできない形になっておるのでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、非常に便利ないい、そうして仲買い人の監査にも役に立つというようないい制度をつくるには法律がじゃまになってできないということは、実はわれわれ国民として納得がまいりませんでした。ここはひとつ、そのもとの法律をつくる国会でその点を御理解くだすって、清算会社制というものを採用するということが商品取引所の改善のために役に立つということを、附帯決議か何かで採用していただいて、勧告していただいたら、はなはだけっこうだと考えるのであります。
 それから第二番目に申し上げたいことは、現在社会問題にまで発展しておりまするアズキ、手亡の取引の問題でありますが、これは上品に言えば、投機取引の商品別適正配分とでもいうことばを使えると思うのでございますが、この問題、あるいはその底にあります、結果になる取引所の合併問題というような重要な問題、これは委託者保護と相並ぶ重大な問題だと思うのでございますが、この問題を解決せずに委託者保護の問題だけを推し進める、そして仲買い人の資産の向上ということをやかましく言いますと、言いいかえると、仲買い保証金を増額する、純資産額を増額するということを一挙にオーソドックスになし遂げようとすると、改正の趣旨と反対に、また世間の期待と反対に、逆にこれ以上投機取引がアズキ、手亡、生糸というような値の動くものに流れるおそれがあるのじゃないかということをわれわれは非常に心配しておるのであります。これはきわめて簡単な話で、資本効率の上からいって、相当の資本がいま一時に出るということになりますれば、仲買い人としては金のもうかるほうへ力をよけい入れるということはあたりまえの話でございます。結局そういこうとになるのだろうと思います。ところが、これを社会的に見ますと、生糸はいまのところ商いの倍率は十倍そこそこでございますから、これは社会的に問題にならぬかもしれませんが、倍率が百倍とか何とかいうことをいって問題になっておりまするアズキ、手亡の商いが今日以上に盛んになっていいのか、ふえていいのかということ、これは商品取引所問題として重要な問題だと考えるのであります。それから、これを裏を返して言いますると、同時に砂糖だとかゴムであるとかいうような、三年か五年に一ぺん大きな世界的な相場で動くけれども、その中間は非常に鎮静しておる。だからお客さんが集まらないというようなことで、そういう取引所がさびれてしまう。いざ鎌倉というときに役に立たないということになる。そういうことでいいかどうかという問題がございます。
 この第一の問題、第二の問題あわせて、おそらく社会の返事はノーという返事をするだろうと思うのでございます。そうすればこれはどうしたらいいかということでございますが、これは第一番に、今度の審議会では委託者の保護ということだけを取り上げて、そういった投機取引の商品別適正配分という問題、あるいは取引所の合併問題というようなこういう問題に全然触れておりませんので、そういったことを早く対策を立てるようにということを、これは国会から注文していただくことが一番有効じゃないか、そういうふうにお願いしたいと思うのです。
 それから第二は応急策でございますが、これは保証金なり純資産額を一挙に引き上げるということをせずに、今度商品取引責任準備金という制度ができております。現在万分の一ずつ積み立てることになっております。万分の一ずつ積み立てて、一年に約十億できるわけです。ですから、これを万分の三にすれば三倍にできる。一年半経過しておりますからいきなり三倍になりませんが、ことしの十月から万分の三にいたしましても、役所が政令、省令で考えておる仲買い証拠金の引き上げ、これは大体二十五億円でございますが、これは万分の三にいたしましたら簡単に達成できる数字でありまするから、こういうふうに自然に積み立てることをお願いしたい。これは政令、省令の問題でございますが、国会でこういうことをなるほどよろしいというふうに認めていただいたら、役所のほうでもやっていただきやすいと思いますので、この席でお願いするわけでございます。
 それからあと簡単に申しますが、第三番目は、仲買い人業務についてもう少しキャラクター、キャリアというものを重視してもらいたいということでございます。その第一として、新規に外務員になるのには、同一の店に三年ないし五年つとめておった人間でなければならない、それから従たる営業所の所長になる人間は、五年ないし七年同じ店の仕事を勤めておった人間でなければならないという条件をこれは行政措置でできるわけでございますから、取引所の定款に入れるように国会で役所に勧告していただきたいと思うのでございます。これが実行でさましたら、委託者の紛議も減りますし、また過当競争も確かに減ると思う。それから仲買い人のキャラクター、キャリアの問題ですが、十五年以上同一店主、同一社長のもとで営業をこれまで続けてきた仲買い人は、純資産が多少足らなくとも商品取引員として許可してやってほしいということでございます。これは私は戦前、戦後を通じまして約三十年の取引所の事務屋の生活をしておりますが、その経験によりますと、つぶれる店は五年以内につぶれております。十年たったら九分九厘だいじょうぶ、十五年たったら太鼓判を押してもいいというようなことになっておりますから、十五年たった仲買い人はそれだけの特権といいますか、プリベレジを与えていただきたいとこう思うわけでございます。ところが審議会にはこの話が全然出ておりません。したがって、改正案の附則にこのことが載っておりませんので、国会で附則で追加していただきたいと思います。
 最後に改正法案の反対点は、九十七条の二項、これまでは委託証拠金を主務大臣がきめることができる規定になっておったのでございますが、改正案はそれを主務大臣がきめるという強制規定に変わっておるのでございます。委託証拠金を役所がきめるということになりますと、事前に取引所の売買証拠金も役所がきめるということになってくるわけでございます。その点、多少のゆとりはあるとはいわれておりますが、結局結論としてそういうことになってくるのですが、大体取引所と当の仲買い人の間の売買証拠金というものは、市場取引の安全確保ということを目標として定められております。そうしてそのときどきの値動き、取引、商い高いろいろな条件を勘案しましてきめる、決して商いが盛んになるように証拠金をむやみに安くするというようなことはございません。そういうことでございますから、仲買い員自身として安全第一の証拠金をきめるわけなんです。そうしてそれの二倍を委託証拠金とするということになっておるのでございます。この慣習はおそらく徳川時代から続いておる慣習だと思います。私の三十年の経験でもこれにお上が関与したということはございません。戦前の厳重な監督主義の取引所行政の時代であってもそうでございました。それから現在の商取法の大臣ができるというその規定のもとでも、穀物以外のものには法律上大臣の権限を発動されることはございません。そういう点から考えてみますと、この点はわれわれとしてどうも納得がいかない。もっとも、これは全然欲得の心のない頭のいい公平な役所が考えられることでございますから、何か理由はあると思います。しかし、おそらくその理由は、ここまで統制規制の手を伸ばさずとも、何百年の自治にまかされておったその自治で十分解決のできる方法がほかにあると考えられますので、この一ヵ条だけは国会において否定していただきたい。ノーと言っていただきたいとこう思うわけでございます。
 これで私の参考意見を終わりたいと思います。
#4
○委員長(鹿島俊雄君) ありがとうございました。
 次に、二口参考人にお願いいたします。
#5
○参考人(二口喜兵衛君) 私は明治物産株式会社の二口でございます。
 さて、このような大事な席にお招きにあずかりまして、何を御説明申し上げればいいのか、よく私には若輩でわかりませんが、ただ、私はきょうここで持ち出しました昭和四十二年度の年頭に述べました、私のあずかります明治物産株式会社というものをどのような考え方で経営しているかということにつきまして、一言御説明申し上げたいと思います。
 お手元に、本年昭和四十二年年頭に、私が私のあずかる明治物産というものをこういうぐあいに考えて経営したいということにつきまして、差し出してありますので、これをこのまま読んでみます。
  さて、明けまして昭和四十二年年頭に、われ
 ら明治物産の従業員数百の生活と生命をあずか
 る管理職、スタッフが一堂に会し、ここに会議
 を興すことは、その意義を十分に意図されて、
 きょうあすにわたる会議を開催してよかったと
 いう会議にしなければならんのであります。
  つきましては、まず再三に及び御報告いたし
 てありますごとく、旧年は全社員一同の一致協
 力の結集において、まことに喜ばしい多大の成
 果をあげ得ましたことは、衷心より御礼申し上
 げます。が、しかしながら、これで終わったの
 ではないのでありまして、われわれの集合が、
 よかったね、おめでとうと言って、有ったも
 の、在るものを分けあって解散するわけにはま
 いらぬのであります。これから始まるのであり
 ます。何を目的とし、何を目標とし、どういう
 手段を用いて、だれが、いつまでに、言うなれ
 ば、毎度の申しようではありますが、よりよ
 く、より豊かに、より顧みて悔のない生活のた
 めに、経営とは営むことをはかるのであり、生
 きることを計算するのである。そこに経営の原
 則である利潤を追求し、収益を確保し、適正に
 分配をする。そしてわれわれ利潤を与えてくだ
 さるお客さまを大事にする。きょうの組織を出
 資くださいました株主に報いる。前者、われわ
 れ三者一体となって、顧みて悔のない生活をし
 なければならない。そうして汗と力の結晶であ
 る利益を社会へ還元、奉仕する。そこにこそ、
 物の見方、考え方、あり方があるのではなかろ
 うか。個々ばらばらにあった個人、個人の生活
 観念が、今日ここに集団、明治物産の経営と
 なって、その力と汗の結晶が社会へつながって
 いくのである。言うなれば、人類につながれて
 いくのである。
  そこで、きのうまではどうであったか、きょ
 うはどういうことになっておるのか、あすはど
 うなりたいのだ、それにはどういう計画をする
 のだ、しかして世の中はどういう傾向にあるの
 だろうと研究し、きょうの集まりをあすへ結
 び、きょうあるという現実を、思う、ありたい
 という理想の彼岸へ到達させたい。
  かようにして、きょうよりあすへ、願うこ
 と、思うことなどを総括して希望という。その
 希望を三つに分解し、単に願う、思うという、
 むなしいことではなくして、理想というもの
 に、現実に立脚した、きのうよりよいきょう、
 あすはきょうよりよくと、前二者にあってはい
 かに望み、かつ願おうとも、きのうきょうの現
 実の上にはとうてい成り立たないような夢を描
 くことであり、結果はなはだむなしさを感じ、
 失望を新たにして、かつはかなむのである。そ
 うして常にあすへあすへと、単なる希望をつな
 ぐだけである。ゆえに、ある、あったという現
 実を、思う、願うという理想にその基盤を置い
 て作用をさせよう、行為をしよう、勤労をしよ
 う。言うなれば、その職分において、あるいは
 その置かれた位置また環境のさまざまを総括し
 て、ないよりはよい人になろう、次になくては
 ならぬ人になろう、やらないよりよいことをや
 ろう、やらなくてはならぬ仕事を見つけよう、
 ないよりはいい支店、出張所であろう、なくて
 はならぬ支店、出張所になろう、また課、部で
 あらねばならない。そしてつくられなかったよ
 り、よい会社からなくてはならぬ会社へといこ
 うではないかと。
  そこで、その理想である、やらねばならぬ、
 達しなければならぬ本年の方針は、資本の充
 実、すなわち、財務の健全。配当性向の確立、
 すなわち経営の安定。人材の育成、すなわち次
 に経営をゆだねるべき人、歴史と伝統の継承者
 を育てるということ。
  そこで第一の資本の充実、財務の健全という
 ことにつきましては、昭和四十二年九月仮決算
 において、現行九千六百万円の払い込み資本金
 を一億五千万円の払い込み資本金としたい、な
 ぜならば、いかに労し、汗流すといえども、はな
 はだ過大な、やや適正を欠くのでありますが、
 げんこつでは決して利潤の発生を期することは
 できません。よしんば利益を見たとしても、そ
 れが完全な収益につながるとは申せないのであ
 ります。まあこのことはあと回しにするとし
 て、きょうのわれわれ明治物産のまかないをす
 るときのその規模はどれだけの資本を必要とす
 るのか、いろいろの要素を配合し、算定された
 のであります。言うなれば、お客さまに来てい
 ただいてあきないをしていただく、その利益、
 手数料で経営をするのだ。しかしその経営をす
 る必要利益は幾ら売り上げねばならぬのか、そ
 の売り上げをするには、その源泉である証拠金
 はどのくらい預託量があるであろうか、あるい
 は常に準備しておかねばならぬ。問題は、そし
 てお客さまのお預りは、その保管状況について
 は、わずかな資本で多額なお客さまの財産を預
 るわけにはもちろん成り立たない。よそさまの
 ものはよそさまのものであり、自分の世帯は自
 分のものでするという観念の上に立脚すること
 こそ何をおいても大切である。ゆえに、利益を
 他へ流出させざる意味においても、お客さまの
 お預りを保護する上においても、だれにも遠慮
 気がねの要らない自分の資金、いわゆる自己資
 本金の充実である。しかしながら必然これに
 及んで要求されてくることは、配当性向の確
 立、いわゆる経営の安定、向後もし社会経済環
 境がいかなる展開をしようとも、最悪の場合で
 も一〇%、一割配当の持続態勢は確立しなくて
 はならない。なぜならば、多額な出資を株主か
 ら預り、利益の上がらぬということでは、はな
 はだ申しわけのないことである。従業員の生活
 は保証されてあるも、その集合体である会社
 が、株主が、赤字であれば申しわけないでは済
 まされないことであります。また、われら従業
 員も旧年の業績大を賞せられて、多大にしてか
 つ貴重な株式の引き受け権をも与えられ、今日
 従業員かつ株主として経営に参加させていただ
 けたことにおいても、配当はわれらの手でかち
 とる、そして適正に分配するの決意を新たにさ
 れたいのであります。
 まあここまででありますが、私は明治物産をあずかりまして、きょうこの席にお招きいただいたことにつきまして、こういうことだけはいたしてもらいたいという理想を申し上げますと、われわれがより豊に生活していけるその源泉は、われわれに利益を与えてくだされるお客さまがあるなればこそと。なれば、私自身は、私の預かっております約延べ七百の人たちの生命と生活を保護していくと同時に、お客さまにも十二分な絶対な責任を持って行動しなければならない。この観念のもとに私自身の経営を預かっておるという理念を、きょうは申し上げてこれで終わります。
#6
○委員長(鹿島俊雄君) ありがとうございました。
 次に向井参考人にお願いいたします。
#7
○参考人(向井鹿松君) 詳細な事柄はそれぞれの適当な参考人がお述べになりました。私はきわめて皆さまにとっては迂遠な話になるかと思いますが、取引所政策のねらいというのはどこにあるのだろうか。と申しますのは、そのねらいがわかっておれば、今度の取引所法のねらいがその的を射ているかどうかということを判断する資料にもなるかと存じますので、最初にその点を一言言わしていただきたいと思います。長く言うと時間がたちますので、きわめて要領よく簡単なところだけ申し上げます。
 私は、取引所政策あるいは行政の基調に二つ考えられるのではないか。一つは公正な価格をつくるということだ。われわれ自由主義の国においてはあらゆる経済が値段を基調にして行なわれておる。公正な価格をつくるということが非常な最高の使命じゃないか。ところが、いま従来の制度では、この公正な価格をつくるのにはスペキュレーションが要るのだということなんであります。この二つを組み合わされて取引所政策ができる。そこで、はなはだ野卑なことを言うのでお許しを願いたいと思うのでありますが、私は従来よくこれは人間の性交、何といいますか、セクシュアルインターコース、性交という問題を考えてみるとよくわかるのではないか、性交という問題は、個人が公の目の前で口にすることだにはばかる問題であります、個人的には。しかしながらこれを社会的に見れば、まことに人類の種の保存というか、最高の使命を持っているものだと考えるのであります。そういう意味合いで、価格をつくるということは自由経済の最高の使命であるが、そのためにも投機が必要だ。ところが投機というものは、スペキュレーションというものは、これは当たりさわりがあるかもしれませんが、本質的には賭博の一種である。ちょうど性交の場合に申しましたように、個人的にはこれははなはだおもしろくない行為だろうと思うのであります。しかし、個人的におもしろくない行為も、社会的に必要な価格をつくるのだという上に必要であるとするならば、個人的にはいけないことも、社会の最高の使命を達成する必要な限度においては認められるべきものである。したがって、よそではいけないが、公正価格をつくる取引所内においてはこれは認めるのだ、認めざるを得ないのじゃないか、こういう考え方の二つの問題が交り合っているのではないか、こういうように考えます。一種の賭博類似行為も価格形成のためには、その限度において認められる。ところが、限度において認められる、取引所内では認められる、こう言っても、これにも限度がある。私はそれに二つあるのだと思います。
 一つは、警戒しなければならぬのは、しろうと投機、ほんとうに値段はこうなるのだということの知識経験のあるものが価格に参与するなれば、公正な価格に寄与するけれども、全然価格については何にもないようなものが、ただ金もうけだけ一方に片寄っていくことは、害あって利益はないのじゃないか。それから過度の投機、度を過ぎている投機、これは今日詳しくは申しませんが、近ごろマーケット・ソシアリズムという新しいことばを見たことがありますが、価格という、うやむやのものがわあわあいっている知らないうちにできた値段はまことに公正なんだけれども、大きいやつがやって、自分の思うような値段をつくり出す、言いかえれば独占資本家といいますか、大きなものがやってその値段をおれのいいようにやるのだ、こういう値段は困るのであります。過度投機、これは許されるべき取引所内においてもいけない。しろうと投機ということとこれをわれわれは考えなければならないのじゃないか、こういうふうに考えております。これで総論を終わったのであります。
 ただ、この立場から考えてみまするというと、これはそのとおりであるが、しかし時代は違っていくのだ、同じような取引所なりスペキュレーションのやり方が個々について継続的に永久に行なわれるものでないということと、いま一つは、国によって非常な違いがある。日本ではわれわれが考えもしなかったような何といいますか、パチンコ、あんなものがはやる。すたるだろうと思っていたやつが、いまでもけっこうやっている。こういうような現象が国によってこれからあとで出てまいりますが、行なわれる。言いかえれば、以上述べた原則論も時代によって、国によって違いがある。まず、時代によって違うということ、値段をつくるのだから、国が値段をつくるようになれば取引所は要らない。要らないじゃない、存在のしょうがないじゃないか。あれだけ盛んであった米相場が今日なくなったのは当然だと思います。ところが、今日農業政策といいますか、農産物の統制策と申しますか、農民の保護と申しますか、これが文明国において至るところ徹底的に行なわれておることは私より皆さんのほうが御承知のとおりであります。支持価格をつくるとか、あるいは資金を貸し付けるとか、供給量や買い上げ量、いろいろな工作をしております、農作物を保護するために。それが価格に影響を及ぼすということは、価格の動く幅が少なくなってまいります、価格変動の幅が。ということは、そういうものにつきましては、それだけ投機のうまみがなくなる。言いかえれば投機取引は取引所においても必要が漸次少なくなってくるという傾向があるということが、単に理屈ではなしに文明国至るところにこの現象が見られておるということなんであります。これを米国のおもしろい例について申します。この統計は私二、三年前にあちらへまいりましたときに役所からもらってきた資料によるので、多少四、五年おくれておりますが、二、三申し上げておきたいと思います。
 第二次大戦前には小麦、麦、綿花がアメリカでは先物取引の三分の二を占めておりましたが、いまでは三分の一しか占めておりません。ところが妙なことには、一九二二年当時にはほとんどなかった、あるいはきわめて取引の少なかったものが、この穀物その他統制の盛んであったものにかわって取引が非常にふえてきておる。たとえば羊毛、卵、じゃが芋、大豆、こういう式のいろいろなものの先物取引が盛んに行なわれておるのであります。これが現在約二分の一を占めておる。割合は従来のものが非常に減って、従来でないものの先物取引が、つまりうまみのできたものに取引がふえてきたわけなんでありますが、では従来の全体の先物取引から申しますと、アメリカの例でありますが、五年前に比較しますと、先物取引は二割三分ふえている。第二次大戦前に比較すると倍になっております。パーセンテージのこの違いは非常にありますけれども、先物取引の全体の量というものがふえておるということはアメリカについては言えるのであります。ところが問題は、ヨーロッパへ移りますというと、ヨーロッパの先物取引は、私の研究が足らないかもしれませんが、ほとんど昔の第二次大戦前の面影がなくなっている。私はロンドンのバルティック・エクスチェンジには三回ばかり行ったことがあるのでありますが、非常に盛んに行なわれておったが、今度二、三年前に行ってみますると、ほとんど火の消えたように穀物の取引は行なわれておらない。いまはもうほんとうに船腹――ふなばらの先物取引というとおかしいが、それが行なわれて、穀物についてはこれはもうセクレタリーと申しますか、専務理事級の人のことばをもってすれば、ほとんど言うに足りないものである。ほんとうの投機のあるところはないのかという私の質問に対して、彼いわく、英国人が――それはどうかわかりませんが、外国系の人、特にフランス系の人がやってきて、ときに大きな相場をやるけれども、イギリスにはないのだ、ほとんど興味がないのだ。それじゃあなた、つなぎはどうするのですかということを申しましたところが、それはもう今日の文明の中で、もうロンドンは前場なんだ、シカゴが後場なんだ。だからもうシカゴヘは五秒あれば、ニューヨークを経て五秒あれば電話なりテレタイプでつながるのだ、シカゴでやるのだ、ほとんどここでは行なわれないのだというような話でありました。ドイツでも先物取引所はあるのでありますが、先物取引をやる取引所は三つしか――というか二つですか、ハンブルクの砂糖とコーヒー、ブレーメンに綿花があります。先物取引は商品としては三つしかないのであります。これは非常な陳情をしてやっと政府に許してもらったのであります。取引所は十八あるのであります。先物取引所はいま言ったように取引所として二つ、先物取引三つしか認められないのでありますが、今日まあ行なわれておらないというのがドイツの実情であります。なお詳しいことは省きますが、それで日本との比較からみて、先ほど申しましたようにドイツの商品取引所は十八あります。先物取引所は、許されているのは商品について三つ。英国では先物取引が三つあります。米国では十九レジスタードされた取引所があるのでありますが、米国のこれは役所の統計でないので責任もって言えませんが、ザ・シカゴ・ボード・オブ・トレードの書いたのでは、世界の穀物取引の先物取引の九割はシカゴで行なわれるのだと、ナインティ・パーセントというのは少し誇張じゃないかと思いますが、役所の書類ではありませんが、出ております。そういう状態が今日の大勢ではないかと思います。
 日本との比較ですが、これは役所のほうがよく御存じだろうと思いますが、先ほど言ったように米国では十九であります。日本では二十ある。ほかは三つか四つということであります。
 それから仲買い店の数ですが、米国ではフロアー・ブローカーが七百、仲買い人の店が本店、営業所を入れて二千五百、人じゃありません、営業所です。それから日本では私の持っている資料では五千であります。
 それから取引高の比較、これも私はどうも自信がないのですが、ちょっと年代が違いますから、比較が無理かもしれませんが、一九六〇年の十六の登録取引所の米国の取引高は二百六十五億ドル、約九兆五千億円ではないかと思います。日本のものは十三兆になっております。これも私の計算で、違うかもしれませんが、非常に日本の取引所というのは盛んに行なわれておる。日本の外務員の数は、これも先ほど長くなりますから言われませんでしたが、二万人の多数の人がおります。これが町のすみずみまで入り込んでやっておるのであります。
 もう一言ちょっと述べさしてもらいたいと思いますが、外務員ですね、これはアメリカではセールスマンということばを使っております。セールスマンというのは、今日の社会ではいわゆるマーケッティングの最も重要な方法の一つで、広告とセールスマン、これによって品物を売っているので、正々堂々とやるべきことなんでありますが、いま申しましたように、取引所――投機に関する限りは正々堂々と今日いろいろの取引においてやられている。この事柄が、投機取引において個々、裏長屋にまで入り込んで勧誘するような方法をとりますということはどんなものだろうかということを、私はこれもまた痛切に感じさせられるのであります。そうして、勧誘がこれは日本ばかりではありませんが、相当あくどいと申しますか、勧誘が行なわれておる。それで私は法律家から聞いたのでありますが、仲買い店のやること、仲買い店の外務員がやることと露天商人のやることは、詐欺でもちょっと法律的には詐欺にならないのだそうです。まああれはあたりまえだ、あれは普通言うことだ。これは私は日本の大学の先生が書いた本のページ数を写してきておりますから、これは私の出まかせじゃありません。明らかに大学で教科書に使っている大学の先生の本に、露天商人と比較して、そうしてうそをついても、それは詐欺という法律にはひっかからないのだ、取引慣習はそんなものなんだ、こういうふうになっているのがおそらく実際じゃないかと思います。どうもちょっと困ったことじゃないかなという感じが私いたします。よく取引所は信義則が大事だと、ちょうどわれわれがお医者にかかる、弁護士にかかる、もうこれは万事あなたに、先生に頼みます、よろしくやってください。それから医師や弁護士も、ほんとうに頼まれた患者、訴訟者のことを思って仕事をしている。だから、これはアメリカではシングセオリーということを言っておりますが、仲買いというものは、ほんとうにお客さまが自分の財産をお前に頼むぞと言ってきたのを、医者や弁護士と同じ気持でやらなきゃいかぬ。これがいわゆる信義則、そのやり方が日本――アメリカでもかなり問題になりますが、この問題が非常に今日問題とされるところではないかと、こういうふうに考えております。
 あと二、三分お許しを願いますと、私は今後の取引所法の改正が、私が取引所政策の中心問題として二つあげ、そのうち一つが、しろうと取引だ、その点におもなるねらいをつけておられることは、今後の法案のねらいが、まことに当然ねらわなければならぬところをねらっておられるのは、まことに敬意を払っていいのじゃないか。この点において私は深く感動し、感心しておるのであります。そうして、じゃそのねらいをやる上においてどういう方法をもってするかというその方法も、これはあるいはアメリカ以上にいっているのじゃないかと思いますが、いいねらいをつけて、その方法を講じておる点において、これまた私は満幅の敬意を表したいと思います。ただ私が思いますのは、非常に書いてあることはねらいもいい、方法もいいが、事柄は文章で書いただけで、あれだけ何万何千という人がおるその人々に、どこまで彼らを納得せしめていけるだろうか、ただ法律が出ただけでは、言っただけではなかなかすみずみまでは、台所のすみずみまでいかないであろう。先ほど沢田先生からも言われましたが、外交員の資格のことをお話になりましたが、非常にサジェスティブなお話でございました。私はこういう点で日本の御当局の何といいますか、この法律をほんとうに運営していこうというそのスタッフ、これが何人おられるか私はよく存じませんが、はたして足りるだろうか、従来のやり方で、あれだけの人であれだけの大きな、アメリカよりも大量取引、アメリカ以上のたくさんの人がおるのを、いまのやり方でもってはたしてりっぱな目標と方法が実現されるのだろうかということに対して懸念がないじゃないのであります。アメリカのコモディティ・イクスチェンジ・オーソリティ、これは百二十人従業員がおります。そうしてこれがニューヨーク、シカゴその他五ヵ所に実際の支所と申しますかを持って、そこに役所がおる。そして先ほど私は大ぜいの人がおるということよりも、むしろそのうちの大きなのが大きく相場を動かすやり方のほうがむしろこわいのだ、ですから役所のほうでは、個々の大きな取引所をねらい撃ちして報告書を徴収する、それが数字出ておりますけれども、長くなりますから、毎日徴収する報告書の数はばく大もない数なんであります。これだけやって初めてほんとうの取引所の政策が内部に渡っていくのであって、こういう意味において、私はことに国会の皆さん方の御苦慮をわずらわして、もしそんなに日本で取引が行なわれるならば、こういう方面に役所の人数をふやすかどうか私知りませんが、適当な方法でこのやり方を実際に行なわしめ、そして仲買い人みずからがその気持ちになってくれると、先ほど言った医師、弁護士のような気持ちになる、こういう方向でやってくださるならば、私は新しい取引所が、新しい品物が投機取引が行なわれても、いい値段がつくられる限りいいのではないか。こういうような大きい業者が自分の思いどおりに相場を持っていくようなやり方は考えてもらいたい。こういうことで取引所法の今度の改正するものにつきましては、私は満幅の賛意を表しまして私の話を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(鹿島俊雄君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
 それでは参考人の方々に対しまして、質疑のおありの方は順次御発言願います。
#9
○亀田得治君 時間の都合もありますので、お三人の方に若干ずつ一度に質問を申し上げたいと思います。
 最初に向井先生にひとつお伺いしますが、最後に触れられた役所の体制ですね、これは私もまあ実は問題にしている点なんでありまして、今度の法律改正によりますと、いままで以上に権限が強化されることになる。実際にその強化された権限を正しく使うということになると、役所自体においても相当改革すべき点があるのではないか、たとえばこの二省三局四課と、こういうふうに分かれておりまして、そして全部の人数を聞いてみますと、三十名程度になります。これじゃ私はなかなかたいへんだと思います。だからせめてこういうものは一ヵ所に集めて、そして商品取引の監督行政について取り組んでもらう。いや業種別のその専門知識がないといけないので、やはり各省に置いとかなければいかぬというような反対論もあるわけですが、それはもうやろうと思えば、各省の専門家を出向させる形をとってもいいわけだし、やる気になれば私はやる方法は幾らでもあると思うのです。何か役所側の体制を、私としては一つの案を持っておるのですが、先生のほうでもう少し突っ込んだ御意見がありましたら、御参考に聞かしてもらいたい、これが第一。
 それから第二は、公正価格という点について、当然これはスペキュレーションが加わってくるものだと、これはわれわれももちろん認めております。しかし、しろうとがあまりたくさん参加するとか、また過度の取引とか、これはやはり有害だというふうに先生もおっしゃったわけですが、そういう立場から見て、特に日本ではアズキ、手亡、この二つが御存じのとおり非常な問題になっておるわけですね。今度の法改正の動機も、やはりそういうところから出ておるわけでして、現状のアズキ、手亡の取引条件は、原則から見て逸脱しておるというふうに先生自身がお考えになっておるんだろうと、先ほどの話からも推測はできるのですが、その辺をもう少しはっきりお聞かせを願いたい。
 それからもう一つは、取引所の状態は、時と場所によって違う、まさにそのとおりだと思います。日本におきましても、上場商品の変更ということがやはり一つの研究課題になっておると思います。そういう点について、もしこういう商品については新しく上場を考えるべきじゃないかとか、あるいは既存のものであっても、こういうものは引き下げるように検討するのが取引所本来の立場ではないかとかいったような御意見等ございましたら、ひとつ御参考までにこれも聞かしてほしいと思います。
 それからもう一つ、これはついでに聞いておきますが、商品取引所の構成ですね、仕組み、これは私はもう少し公的なものであっていいのではないか、かねがねこれは考えているわけです。関係者、当事者が集まってつくるというだけでは、公正価格という立場から見て、どうももう一つ疑問がある。もちろん統制経済のように、役所がそれをつくってやっていくと、そういうことには私はならぬと思うのですね。その辺の考え方ですね。特に、現在の取引所は、定額会費と定率会費と両方で運営しておりますね。この定率会費というものが入ってくると、どうしても本来の使命を忘れて、ともかく商い高が、さやが上がればいいんだというふうな運用上の誤りをやっぱりおかす場合もあり得るんじゃないか。取引所というものは、もう少しそういうことなどにとらわれないで、公正な行動ができるような仕組みに仕組み自体がなっていなければならないように思うわけです。まあ以上四点、めったに向井先生にもお会いできませんので、この際ひとつお聞きしておきたいと思います。
 それから沢田参考人に三つばかり一緒にお聞きしておきたいと思います。
 一つは、例の分離保管の方法として清算会社案を役所のほうでも一応提案はしたが、むしろ商品取引所連合会のほうでこれを否定したわけなんですね。清算会社の利点については、先ほど参考人の方からるる説明がありましたが、取引所側がこの清算会社案を否定したほんとうの腹のうちですね、理由、それはどこにあるのかという点を、まあ沢田参考人は取引所側の人なんですが、したがって、よく内情等もわかっておるのじゃないかと思いますので、ざっくばらんなところをひとつお聞かせ願いたいと思うのです。そうして、その反対理由というものが、筋の通ったものかどうか、理由に対するあなたの見解もひとつ明らかにしてほしいと思うのです。
 それから第二は、先ほど来投機取引の商品別の配分、これを適正にしなければならぬというふうに沢田参考人はおっしゃっておるわけですが、ことばをかえて言えば、アズキ、手亡、そちらのほうに投機資金が動くのをもっとほかのほうに動くようにしなきゃならぬという意味だろうと思いますが、その具体案ですね、具体策、どういうふうなことをやればそういうふうになっていくのか、そういう点についての考え方。
 それからもう一点は、糖価安定法等、砂糖取引所法との関係ですね。先ほど向井さんからもお話があったように、いろんな価格統制法、価格に関する各種の法律ができると、取引所自体の機能というものが変わっていく。これは私は当然だと思うのですが、糖価安定法ができて、あなたが専務理事をやっておる砂糖取引所、ここの商いに実際にどういう変化が起きておるのか。またその見通しですね、今後の。そういう点を御参考までに、この際ひとつお聞きしたいと思う。
 それから二口さんには、一点お聞きしたいのは、分離保管の問題が出てまいりましたのは、仲買い人の皆さんがお客から預かった証拠金、これを完全に分離保管をしておらない。極端に言えば、自己資金でやるべきことですね。たとえば仲買い人の会社のビルをつくるとか、そういったようなことに金を回す、そういう状態の場合に、たとえばそれが破産するというふうな場合に金がない、たいへんな問題を起こすわけですね。そういう点が実情どうなっておるのか。まず第一に明治物産、あなたのほうはその点がどうなっておるのか、これが一つお聞きしたい。
 それからほかの店のことは、同業者のよしみでなかなか言えないことだと思いますが、一体どういう傾向になっているのか、これは数字は役所から若干もらっております。もらっておりますが、この数字だけではなかなか実情のわからぬ点がありますので、あなた自身がそういう点で、この仲買い人の関係でもう少しこういう点はきちんとすべきじゃないかとか、あるいはこういう店に行くと、非常にこれは現状でも完全にできているとか、したがって、今度の法改正があったからといって、別に大した支障もないとか、いろいろ千差万別だと思いますが、その辺のところを、ここで言える範囲でけっこうですから、説明をしてほしいと思います。
#10
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまの質疑に順次お答え願います。向井参考人。
#11
○参考人(向井鹿松君) まことに適切な、私自身がお聞きしたいような御質問にあずかりましたが、私はいま亀田先生からお話がありました点をざっくばらんに言えば、私みずから答えないほうがいいんじゃないかと思いますが、私は何かこういう考え方をして研究すべきじゃないかという考え方なんですが、この取引所というものは、投機取引、あまり専門的なことばを使っていいのかどうか。たとえば現物業者の取引、これはだれの取引でもない、実際は、実際の業者が取引所をつくっているので、その取引の一部が投機取引になる。だからヨーロッパの各国にあるように問屋さんがあって、その取引所の近所に店があって、そこへ来て話をする、時間がくると手を振っている、こういう日本の会員組織も最初はそういうつもりで発足したのですが、ほんとうの流通機構の中にはめ込まれた一つの市場としてある取引所、いや現物の売り買い、それは全然別なんだ、おれなどはからを売った買った、まあからということはよくないかもしれませんが、先物を売ったり買ったりしているのだ。純投機取引だというのとでは、この一の問題も二の問題も、四の御質問も、そう割り切って考えると比較的楽なんじゃないか。たとえばこれはまことに私ども適切と思いましたが、同じ人員でも農林省と商工省はあるにしても、ほんとうのあれだけ大きな改革を実際にやれるのかという人手の問題なんです。それに対する反論として、いや種類が違うのだという反論があるという話をされたのですが、いや取引所は投機だというならば、あまり、ものそれ自体の知識、流通ということは大きな問題にならないで、一つになるんじゃないかという考え方もできるんじゃないかと思いますが、もしそうでなくして、いや日本の取引所はやはり現物商人がそれに参加しなくちゃいけないんだということになれば、くっつけるということはどうかという結論にもなるかと思いますが、それは現状が実際どうなっているか、現物商人が、あるいは現物というものの取引がどこまでこの取引と取引所組織にくっついているかという問題によって考え方が違ってくるんじゃないか。どうもお答えになりませんが、考え方だけを申し上げました。
 それから――質問の内容は忘れてしまったんですが、最後に構造の問題、これも私は先ほど言ったように、現物商人がやっているんだ、こう言えばやはりいまのように商人が、現物をしておる方々が、おれたちがあらゆるそういう基礎取引みたいなものをつくるんだという会員組織は十分理解できるんです。ところが投機取引専門になるというと、むしろ政府としては監督――これをチェックするほうの行政が中心にならなきゃいかぬ、これはいまの組織ではどうかという考え方が生まれてくるだろうと思う。これも実情がどうかということが私にわかれば、私はそういう判断をいたされるかと思いますが、その点の実情を十分承知しておりません。
 それから、上場物件について、アズキの話が出ました。よく話に出るんです。これも時間が長くなって済みませんが、この間、日本にこういう話がありました。生産高が幾らだ、生産量がその何倍かが投機取引所だと、こういう考え方によって投機価格を考えられる方法があるという説をお聞きしたのであります。私は、この品物に対して投機取引がどのくらい行なわれているかという資料にはなるけれども、この品物の取引高が多いからこれは弊害がある投機取引だとは言い切れないものがあるのじゃないか。
  〔委員長退席、理事井川伊平君着席〕
先ほど申しましたように、ほんとうの指標という公正な価格をつくるのは少数じゃいけないんだ、大ぜいの人がわっしょわっしょ言っているときに個人的の意思によらないで、日本でこういう形でやったって、あるいは申し出した数字によってはじき出しても、需要と供給の一致する点で定まるというのは人為的ではなくして、自然にここだという点がきまってくるんで、人力ではいかんともすることのできない点があるわけなんです。それには大ぜいの人が、少数ずつ一人の売り注文買い注文ですぐ動かないのだ、大ぜいの人がやるんだというならば、私はこれは量は多くても、取引高は多くても、他の意味の弊害は起こっても、その数量関係からくる弊害は比較的ないんじゃないかというような気がいたします。だから少数の人がいつでもわっしょわっしょ言って、だれが上げたんだ、下げたんだ、そういうようなことから判断したほうがいいんじゃないか。したがって、私はアズキがどうかということは実情を存じませんので、お答えできないのが残念でございます。
 もう一つは何ですか、忘れましたですけれども、……
#12
○理事(井川伊平君) 沢田参考人、お願いいたします。
#13
○参考人(沢田徳蔵君) 役所から二回提案されたにかかわらず商取連合会で清算会社の話が取り上げられなかった理由でございますが、これは表立った理由を読んでみますると、清算会社をつくっても黒字経営ができないという問題が一つ反対論として出ております。しかしこれは、私から考えますと、現在の代行会社は日本の二十の取引所にほとんど一つずつついておりますが、それが全部で八十億くらいの金融をして、そして楽に一割配当をやって、そして相当、二人なり三人なりの人を生活さしておるという点から考えてみますと、それよりはるかに――そいつを六つなり七つなり集めて金融力も大きくなる、信用もふえるという清算会社ができて、それがいまの代行会社よりもっと悪い経営状態にあるというので、これはどうしても予想ができないのであります。どうもしいてくっつけた反対論のように考えられます。
 それからもう一つの反対論の中には、ここへ清算会社をつくりますと、現在でも取引所と代行会社と二つ機関があるのだ、そこへ清算会社をつくると三重投資になって仲買い人としては経費倒れになってしまうからいかぬという反対論があるのでございますが、現在の代行会社、これもいま申しましたように、取引所がもし金融業務を営むことができるという法律があれば、代行会社はおそらく取引所に吸収されておるだろうと思うのです。しかし、まあ取引所というものは公的機関ですからして、営利を目的とした金融なんかしないほうがいいと、これはもう明らかなことで、そこで必要において代行会社ができてきたわけですが、私の申します清算会社は、その代行会社を吸収してしまうという案でございますから、三重投資になるわけないのでございます。現在取引所と代行会社と二つあって、喜んで仲買い人がそれを利用しておるというかっこうなんですから、それを三重投資になって経費がふえるということ、これもあり得ないことで、どうもしいてくっつけた反対論の理由のように思われるのです。
 もう一つの反対論の理由としては、アメリカと事情が違うと、アメリカは日本のような競売買でない、相対売買であるからというようなことで、そしてアメリカの清算会社は一つ一つの取引所についてある共通の取引所じゃなくて、清算会社というようなものではないのだということで、アメリカにないから日本でもだめだという議論が出ておるのでございますが、しかし、これもどうも無理にくっつけた理由のようで、別にアメリカになかったところで、日本でやってみてよかったらやって差しつかえないと、しかも先ほどから申しましたように、十分やったら便利な機関だということはわかっておるわけですから、この反対論も反対論にならないと思うのであります。これは表立った反対論です。
 裏の反対論、これは二つあるように思われるのです。これは私の推測でございますので、ときによるとこういうことを言うて非常にあいつ不届きなことを言うやつだと思われる場合があるかもしれぬと思いますが、国会の参考人として良心に基づいて申し上げますが、先ほど申し上げました清算会社の場合のエフェクト、効果としては、取引所なり役所が仲買い人を監査する場合に非常に便利であると、代行会社に行けば、たとえば阪神地区共通の清算会社ができて、そこへ行って調べたら、もうその仲買い人のいい、悪いの状態が七つの取引所で調べなくても、清算会社一つ見たらぴたっとわかってしまう。いまみたいに七つに分かれておりますと、ある程度のごまかしがきくのです。清算会社にまとめてしまったらごまかしも何もきかない。至って監督が楽になるという点を効果として申し上げたのですが、これが裏を返して反対理由の一つになっておるようであります。ということは、清算会社ができるとあまりよくない、芳しくない店は一ぺんにその内情がわかってしまう。いまみたいになっておればある程度のごまかしがきく、ごまかしがきかなくなると困るということがどうもその一つの理由のようでございます。
 それからもう一つの理由は、これは現在各取引所が持っております違約損失補償準備金というのがございます。これが多い取引所になると三億、小さい取引所は三千万円しかないというようなことになっておりますが、そういう多い違約損失補償準備金を持っておる取引所の代行会社は金融力も大きい、また有利な条件で仲買い人も貸してやれる、こういうことになるわけです。小さいところの取引所の代行会社は貸し付け金額も少ないし、貸し付ける条件も不利だということになる。この有利さと不利さ、その有利さを捨てるのがいやだという気持ちが、そういった違約損失補償準備金をたくさん持っております、まず言いますれば有力な取引所にそういう潜在観念がある。
  〔理事井川伊平君退席、委員会着席〕
その潜在観念が、それを一緒にしてしまって、何といいますか、低いところへも土を盛るかっこうになるのはいやだ、おれのところの土を減らされるのはいやだというそういう潜在意識が働いているのではないかと思うのであります、これは私の想像でございますが。しかし、これは先ほども言いましたように、今度できる清算会社、これは別に清算会社でなくてもようございます。ほかの機関でもいいのですが、それに対して政府から証券金融資金の援助を与える、この援助というのは実際に資金出してもらう必要ないのですが、そういう援助が与えられて、いま百億足らずの金融力が三百億になるというようなことになったら、この自分だけが有利さを持とうとしておるその有利さを依然として持たせながら、今度小さいところも同じ有利さを持つということになれば自然に解消するのではないかと思っております。これが先ほど御質問の、全商連で代行会社問題が取り上げられなかった表立った理由並びに裏の理由だと私は想像いたしております。
 その次に、商品別の適正配分ということは、具体的に言うたらアズキと手亡の商いにブレーキをかけろということらしいが、その実行の方法はどうしたらいいのかというお話でございます。これは実行の方法はいろいろあると思います。しかし、第一に、根本的に私が必要だと思うことは、政治家が、皆さんが投機取引の商品別の適正配分ということをどうしてもやらなければならないのだという旗じるし、Z旗を掲げていただいたら、そうしたらいま対象になっておると思われる穀物取引所のほうにおいて、これも自分の死活問題なんですから、自分が生きられるような、そして同時に世間から非難されないような方法を自分で考えるだろうと、まず一番先に必要なことは旗じるしを掲げることだと私は思っております。この商品別の適正配分ということについて私が感心しておりますのは、関門の取引所でございますが、関門取引所は現在砂糖と穀物と両方やっております。これが取引所当局並びに仲買い人の努力によりまして穀物の商い、手数料収入商いよりも砂糖のほうが多いぐらいになっております。これはおととしもそうでしたし、去年は逆になりましたが、ことしまた最近は砂糖の商いのほうが多いようになっております。こういう点から考えて、商品取引所の合併問題ということは、あるいは経費の節減であるとか経営の合理化というような点からも考えられなければなりませんが、同時に投機取引の商品別適正配分というような点からもその辺を考えなきゃならないんだ、こういうふうに思っております。
 それからまた、失業問題、いわゆるそういうふうに一方にブレーキをかけることによって失業問題というようなことが起きるかもしれませんが、そういうことも準備工作としては、清算会社をつくって現在の取引所の職員をそっちのほうに収容するというような手もございます。そういう準備工作もあるわけでございますが、とにかく一番大事なことはまず旗を出してもらう、そうすれば業者のほうでもそれを考えていくだろう、こう思うのです。その具体的な方法といいますと、受け渡し範囲の拡張をするとか、ストックの制度をもう少しゆるめにするとか、あるいは在庫高基準の商いにするとかというようないろいろなことが考えられると思いますが、そういうことは当事者にまかしておいていいんじゃないか。その一つの例としまして、今度の分離保管でございますが、これは一昨年来もみにもんだのです。とうとう役所のいわゆる政治が掲げた分離保管という方向に向かって不承不承かもしれませんが業界全部がついてきております。
 それから、穀物取引の問題でも、一昨昨年あたりは全二十商品取引所の商いの六割六分からの穀物の商いが出ておりますが、それが四割九分に去年は減っております。なぜ減ったかと、いいますると、これはやはり世間の空気として、穀物取引というものは何とかしなければいけないんじゃないかという社会的なムードが働いてそういうふうに自然自粛におもむいたんだと思います。ですから、一番大事なことは、政治家が適切な旗を掲げていただくということ、これは皆さんの前でこういうことを申し上げるのははなはだ僭越であり、無礼かもしれませんが、私はそう思っておりますので、具体策としては私自身考えていることもございますけれども、一番大事なことはまず旗を出すと、投機取引の商品別適正配分ということをこれから考えるぞという旗を掲げていただくということが一番大事だと、こう考えます。
 それから第三番目が、糖価安定法と取引所の関係でございますが、これはまことにごもっともな質問でございまして、先ほど向井先生からもお話がありましたように、農産物に対しては世界的に価格安定ということが一つの風潮になっております。日本でも砂糖価格安定法ができまして、万一この砂糖価格の安定法がほんとうに安定の役に立つものであれば、私は砂糖取引所というものは要らないものだろうと思っております。しかし、現実をながめますと、糖価安定法ができましてから、数字をあげますと、約二ヵ年足らずでございますが、その間にニューヨークでキロ十五円動いております。ところが日本では二十二円動いております。これは構造改善の問題がまだ実施されないからということもございますけれども、しかし、糖価安定ということに安定法が取引所を不必要とするほどに働いておらないということは、これは確実に言えるだろうと思いますし、また安定法の出発の趣意書を読みましても、最低と最高をきめる、その間の価格をどれくらいがいいかということをきめてくれるのは、これを取引所の役目なんだといって、安定法自体が取引所の役目を肯定しておるのでございます。また、いまの百二十円を基準価格といっておりますが、百二十円以上になれば全然安定法というものは働かないという組織でございます。そういう点から考えまして、砂糖取引所は安定法があっても依然として当分のうちは必要なものだと、こう考えております。
 それからなお、二十二円動いたということ、これは非常に大きな動きなのでございます。ということは、いま大体砂糖の値段、卸といいますか、メーカーの出し値は百円でございますが、そのうち七十円は税金なんです。これは皆さんも御承知かと思いますが、酒、たばこ、これよりも砂糖の税金のほうが高い。百円のうちから普通の税金が六十円、それから糖価安定法による課徴金が平均して十円になっております。計七十円です。百円から七十円引きますと三十円になります。三十円のところを二十二円動いておるのです。税金のほうは変わりません。それからいいましても砂糖取引所というものはヘッジ機関として必要だということが言えると思います。これが先ほどから私が心配しますように商いができなくなる。そして結局ヘッジしようと思っても商いできないためにヘッジができない、日本の取引所では。しかたがないから外国でヘッジをしなければならぬということで、万一そこに貴重な外貨を使うということになったら、これは日本としても損だ。そうしてみると、やはり投機取引の商品別適正配分ということが考えられて、砂糖の取引所もある程度生きていって、そうして百六十万トンの輸入の砂糖のヘッジの役目を果たすようにもっていくのが取引所政策としてあるべき姿ではないかと、こう考えております。
#14
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、二口参考人。
#15
○参考人(二口喜兵衛君) 先ほどからおっしゃいましたとおり、お客さまのものはお客さまのものとして、自己の経営のものではないということはあたりまえのことなんであります。ただ私ここで一年、明治物産株式会社をおあずかりしまして、よくよく自己の内蔵する経営の分析をやってみることによって、何かこれは解決するといいますか、いわゆる株式会社というのは独自の性格をもって、どういうものであるか、ここに私がいわゆる当店のスタッフと話し合いました、いわゆる偶発的な経営をなすわけじゃなく、管理経営をやらなければならぬ。これは収益から課税を引いて、費用を使ってみたら利益が残る、あるいは損が出た。こういう考え方ではなくて、とにかくわれわれが投下した資本から幾ら利益を残さなければならないかということで、そのためにどれだけかせがなければならぬか、そのためにどれだけの費用でどれだけ押えていくかというものの考え方で会社は始まるべきではなかろうか。ここではそれから上がってくる目標利益というものの配分が株式会社はこういう方向しかないのだ、いわゆる税金が半分、配当、社内留保、役員賞与、これ以外の配分が株式会社ではないのだ。ついては投下した資本、あるいはわれわれが現実にここでよりよく生活をしていくための経費というものを算定していくには、それからどれだけ売り上げ口銭を上げなければならぬか、そしてその費用というものをどれだけに押えていくかということを分析し、管理することによって当然答えが出るわけであります。ただ先ほど御質問がありましたとおり、お前の会社はどういうぐあいになっているのだと、確かに私の会社では現に総資本金約十億、自己資本金が御承知のとおり約一億五千万ですが、その中で現在は約五千万という現金があれば、直ちに分離保管ができるような状態にまでなっております。ただ、やっかいなことは、仲買い人というのは非常に金利負担が発生しやすい、いわゆるこれは証拠金の面にもいろいろとかかってきますけれども、そういうことをいろいろ加味してものごとを考えれば、経営者はそれぞれの内蔵する問題をよくよく分析することによって、それが可能な問題であるかと思います。大体私の考えでございます。
#16
○委員長(鹿島俊雄君) ちょっと小柳委員にお願いします、井川さんから御発言がありますから。
#17
○井川伊平君 沢田参考人に一点だけお伺いいたしますが、先ほどのお話によりますと、この法改正は大体において賛成だと、ただ九十七条の第二項の改正は反対だ。こういうことを申されたその理由が私どもにはっきりのみ込めないから、あらためて承るわけでありますが、現行法によりますと、九十七条の二項は、しまいのほうだけをみますと、「主務省令で前項の委託手数料又は委託証拠金の料率を定めることができる。」となっております。だから定めない場合もあるわけであるけれども、はっきりいって、定めることのできる場合も必要に応じてあるわけですね、この規定には。新しい改正法には全然取り入れられてない。これは全然認めていない、改正法の規定でありますが。それをあなたは認めておるように――ちょっとお待ちください。聞こえましたが、認めていない。改正法で認めておるのは、しまいのほうだけを見ますと、主務大臣が定める料率を下ってはならないのでありますから、最後の線を引くぞと、これから下ってはならぬが、これから上は自由であるということでございましょう。現行法のほうでも、自由にいかないで、きめた料率に従わなければならぬというのでありますから、全然別なことでございましょうね、それで反対というのは、現行法のこの二項の規定を存在する必要があるということで反対なのかどうかという点と、それから、改正法の、新しい法におきましては、最後のその最低の線を引くということは反対だというのか。この二点を明白にしていただきたい。
#18
○参考人(沢田徳蔵君) 最低の線を引くということに反対なのであります。最低の線を引くということは、やはりお上がこれをきめるということなんです。最低をきめるということなんですが、事実問題として先ほど言いましたように、最近の機動的な考え方で、証拠金というものは、売買証拠金のほうがまずきまるのだ。そうして、その二倍が委託証拠金である。売買証拠金をきめるのに、きわめて機動的にきめなくてはならないのだ。それを、最低料率をきめると、これは政令、省令の範囲内ですが、きめるということになって、万一それが実情に合わないような情勢になった場合に、政令、省令できめられておると、たとい法令でなくても、なかなか変更してもらうことができない。その意味からいうて、最低、ミンマムの線を法定するということ、法定する権限を役所が持つということについて、われわれとしては反対だ。それからもう一つは、従来は、そいつを大臣が、言いかえたら、政令、省令で大臣がきめることができるとなっておった。そのできるという規定で、必要があれば行政指導で十分いける。これまでに、行政指導で、役所の力で十分いっておるのですから、それは穀物の場合ですが、穀物以外の場合には、できる規定も発動されておるところがほとんどないと思っております。だから、そういう点からいうて、何百年続いてきた、そうして、お上の手をわずらわさなかった取引所の自治を、いまさら最低線を引くということで、何といいますか、その線を侵さなくてもいいのじゃないか。それで間違いなしにいけるのじゃないか。なるべくならば法律というものでいろんなことを縛るという形のことはやってもらいたくない。ことに会員組織の取引所であれば、自分自身、首をくくるようなことは絶対にしないのですから、最低料率を役所がきめていただかなくても、会員自身が自分の首をしめないようにきめていくのだから、それは従来どおり自治にまかしておいてもらいたいと、こういうことでございます。
#19
○井川伊平君 ちょっと確かめるだけでございますが、そうすると、現行法の「料率を定めることができる。」という規定はそのままにしておいてほしいと、こう言うのですね。
#20
○参考人(沢田徳蔵君) そうです。
#21
○井川伊平君 よくわかりました。
#22
○小柳勇君 私は一問ずつ。
 まず沢田参考人に、このあとのほうの、仲買い人業務のキャリヤーの問題はわかりますが、「同一店主下で十五年間無事故の仲買店は取引員を許可すること」とあります。新しい法律改正は許可制になりますが、その際監督官庁が条件を審査して許可するのですが、おたくのほうは全部許可せいとおっしゃるのかどうか、数なんか、頭の中に総計がありまして、取引所の許可した場合の全体的な数を総計した上でそうおっしゃるのか、あるいは官庁の許可する場合の条件として出されたのか、これが一点。
 それから、二口さんのほうは、一生懸命業務成績上げられる熱意はたいへんだと思うのですが、おたくのほうでは、おたく自身の金で売買されるものと、それから、大衆参加の、大衆のお金でやられる場合もありますけれども、そういうふうな比率と、それから、大衆が、これは投機に参加した場合、損するものが多いのか、もうけるものが多いのか、非常にしろうとの意見でありますけれども。
 それから、向井先生には、ドイツのほうではもう第二次大戦後非常に取引所の数減りまして、直接シカゴのほうへ、やるものは直接シカゴでやるのだというような話でありますが、私どもも価格の安定に一つの役割りを果たすことはわかりますけれども、大衆が参加するのは、やはり投機的な投機参加が大部分じゃないかと思うわけです。したがって、欧州、ドイツなどが減りましたのはそういう投機心が減りまして、大衆がそういう投機に参加する気持ちが減って少なくなったのではないかと思うのですが、日本ではこれからますます盛んになるような形勢にありますけれども、そういうものをどういうふうにとらえておられるのであろうか、この一点ずつ質問いたします。
#23
○参考人(沢田徳蔵君) もう一度私に対する質問をおっしゃってください。
#24
○小柳勇君 この仲買い人の取引員などのキャリアーを重視せよという条件がありますね。いま「同一店主下で十五年間無事故の仲買店は取引員を許可すること」とありますね。これは取引員に許可いたしますと、数が十五年以上がずらっとわかりますね、そういう者を頭に入れながら、それは取引員にしても大体いいんだというような頭であるのか、あるいは官庁が許可される場合、その条件にしてくださいとおっしゃるのか、どちらかということです。
#25
○参考人(沢田徳蔵君) いいえ、条件というほどのきついんじゃございませんが、今度新法が施行されるにつきましては、われわれから見て一番無事な仲買いですね、経営規模はあまり大きくないけれども、一番無事な仲買い、これまで委託者紛争なんか一ぺんも起こしたことがないというような仲買いも規定の純資産の額に達しなかったら取引員になれないということになっておるのです、それを十五年間も無事にきた者は、一方の条件の、今度の許可条件のほうに人格、識見、経営能力というふうにキャリアー、キャラクターの問題も入っておりますから、それをくむという意味において、この際この新法が施行されるのは再来年ですか、期限ですが、それまでに十五年に達した仲買い人は取引員にしてやってほしい、こういう意味でございます。
#26
○小柳勇君 そうしますと、その数が、十五年といいますと、大体きまりますね、それを全部……。
#27
○参考人(沢田徳蔵君) 大体それでいきますと、私どもの取引所なんか、正直なところ大部分が当業者仲買いでございます。そうしていわゆる総合仲買い人というのはあまり数がございません。しかし、総合仲買い人というのは、しかし中に二、三人過去に一度も事故を起こしたことがない、そうして自分の店の手張りというものは一枚もないというような優良な店、それが純資産の単純合算制をやっていきますと、どうも足らない。そうしてどっちかというと、蚕繭筋とか、繊維筋とかというようなものでない仲買いさんで、いまでも十二分の資格を持っておられるところがある、十二分の資格を持っておられるところはけっこうだが、しかし、そこまでいってなくても、世間から模範生と認められるような仲買いは、この際十五年という一つの条件にして認めてやってもらいたい、こういうことです。
#28
○小柳勇君 その資格はいいけれども、その数が取引高と取引員の数というものによってほとんどの取引員がきまりますね。したがって、その数の適正の数がございましょう、そういうものも頭の中にあるのですか。
#29
○参考人(沢田徳蔵君) 適正の数というのは定員の数ですか。
#30
○小柳勇君 はい。
#31
○参考人(沢田徳蔵君) 定員以上にはもちろん考えておりません。定員の範囲内で……。
#32
○小柳勇君 いまの取引員が現在十五年以上ということ、無事故だということも、これで数字とあれでいきますと大体きまりますわね。したがって、許可する場合に、あとのほうの、純資産がなくてもこの人は許可してくださいということでしょう。そうしますと、取引高によっておたくだけでなくて全部の取引所に適用しますから、取引員の数と取引高というもの、そういうものを一応頭にありながら、こういう参考意見を述べておられるのですか。
#33
○参考人(沢田徳蔵君) ちょっと実はそこへ差し上げましたプリントでございますが、そのプリントの人的条件の最後の問題は、これはさっき説明を略しました。というのは、そのときにはまだプリントがお手元に届いておらんと思ったものですから説明を省略したのですが、その十五年たった、これまでの十五年無事故できた仲買い人は、この際、多少純資産額が不足であっても、これは取引人にしてやってほしい。それからもう一つ、つぶれる店は五年以内でつぶれる、十年たったら九分九厘だいじょうぶ、十五年たったら太鼓判押してもいいというわれわれの経験なんです。その経験から、九分九厘だいじょうぶなら十五年のキャリヤーの仲買いのようにいきなり許可するということにしなくても、純資産額の計算にあたってしにせ料というようなものを認めてやってもらいたい、しかし、これはあるいは非常にむずかしいことじゃないかと思いますので、でき得べくんばという注釈をつけたわけです。
#34
○小柳勇君 わかりました。
#35
○参考人(二口喜兵衛君) 私の経営の内容は自己玉で利益対象を得るということは毛頭考えておりません。したがって、ほとんど自己玉というものの比率は少ないと思います。たとえばこういうことです。百枚売りの五十枚買いであるような場合に、片玉となって五十枚というものの約五分の一ぐらいのところまでは自己負担ということによって行なうことができる、過大であっても三分の一をこしてはならぬというのが、私の経営法でございます。
 それからお客さまの損益の問題につきましては、残念ながら利益のある客よりも、損のある客のほうが非常に多いわけでございます。
#36
○参考人(向井鹿松君) 小柳さんの御質問がありましたが、ドイツでは外国でヘッジするのかというようなことじゃなかったかと思います。ドイツでも御承知のように十八取引所があっても、先物取引が許されている取引所は二つ、一つの取引のために二つあってやっていると思っております。上場している品物でいえば三つということになっております。おもしろいのは、ドイツでも何とかして先物取引を許してもらいたいという陳情の中にあることばなんですが、コーヒーの話で、外国でヘッジすればいいじゃないかという議論に対して、アメリカのコーヒーの取引所はあまりにも取引単位が大きいために、ドイツの業者の取引単位じゃヘッジしようにもできないから、国内でひとつコーヒーの先物取引許してくれぬかという話がありましたが、そういうものに関する限りはすぐにヘッジということはむずかしいのじゃないかと思います。もう一つはコーヒーの話になりますが、ドイツ人の飲むコーヒーは、ちょっと忘れましたが産地が違うのです、フランスとは違う。そこでやはりドイツの特有の市場が要るから許してやってくれという、陳情書の中にはそういう文句があったと思うのでありますが、できればやはりやるのでしょうが、どうも取引所はほとんど先物取引はあまり行なわれておらぬのです。
 もう一つは、私がお聞きしたいのですが、イギリスはなぜ少ないのかというお話なんですが、これは小柳さんより私のほうからお聞きしたいのですが、日本の場合はおそらく株がああいうことになりましたために商品にいったのが多いのじゃないか、これは私の憶測ですが、憶測は言わぬことにしているのですけれども、イギリスの場合には、これも私は自信のないことを言ってはいけないのでありますが、御承知のように、ロンドン取引所は昔から仲買人が広告してお客さまとっちゃいかんという規定があります。あまり客の取り合いはやらない。先ほどセクレタリーの話が出ましたが、そのときに、そういうことを言っても、セールスマンを使わないで、お客さまを取らないで商売が成り立つのかと言ったところが、君、ある店があるお客さまを自分のお客さまにしたら、ほかの自分の仲間が困るじゃないかという答えをしておりました。これはまことにイギリス人らしい答えで、まあこれを見ても、あまり客をあさるというようなことはやらないんじゃないか。これから先は私の憶測なんですが、私は、イギリスという国は、国民全体がもうそういう相場で金をもうけようというような機運は、少なくとも――私、間違ったらお許し願いたい――イギリスの現在の経済情勢、生活環境を見、いまの資産の構成などを考えますと、そういうところに興味は、先ほどパチンコの話をしましたが、そういう考え方はイギリス人はあまりないんじゃないかというふうに考えております。
#37
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、参考人の方々に対する質疑はこの程度にいたします。
 この際、参考人の方々に一言お礼を申し上げます。
 本日はきわめてお忙しいところ御出席をいただきまして、長時間にわたり貴重な御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。重ねて、委員一同にかわって厚くお礼を申し上げます。
 それでは、午後一時二十分に再開することといたし、これにて休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十六分開会
#38
○委員長(鹿島俊雄君) これより商工委員会を再開いたします。
 先刻委員の変更がございました。
 白木義一郎君が辞任され、その補欠として鈴木一弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#39
○委員長(鹿島俊雄君) これより政府に対し質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#40
○亀田得治君 前回、農林当局の皆さんと相当こまかい質疑をいたしまして、最終的に、農林大臣の、次に申し上げる点についての根本的な考え方、これをやはり明らかにしてほしいと、こういうことになったので来ていただいたわけですが、時間があまりないようでありますが、問題はアズキ、手亡、この二つの商品についての投機取引、これが多過ぎる、もっとその面を少なくすべきであるということがいろいろな角度から論議されております。これは決して感情的に言っているわけじゃないわけでして、たとえば委託者との紛争、その件数等を見ても、圧倒的に多いわけですね。九割までがその面で占められておる。これは無理があるからでしょう。それから、取引の中身を見ましても、いわゆる商品取引所の原則であるヘッジ部分ですね、これが全商い高の中に占める比率非常に少ないわけでね、非常に少ない。これは前回の論議で明らかになっている。あるいは全流通高に対する倍率――倍率だけでいうのじゃないわけです。したがって、いろいろな要素を分析して、総合的にそういうふうに大きな疑問が投げかけられておるわけです。
 そこで大臣として、現在のアズキ、手亡というものの取引の状況について、当初申し上げたように、もっと投機的要素を少なくすべきだ、少なくする方法は、これはまたいろいろ具体的には考えられると思いますが、基本的にそういう考えをもっているのかどうか。いや、もう現状でいいのだというふうな考えであるのか、そこの態度を表明していただきたいわけです。
#41
○国務大臣(倉石忠雄君) 御承知のように、商品取引所における、いま御指摘のアズキ、大手亡等、これはいろいろな理由があるでございましょうが、とにかく投機的なものが非常に多いことは事実であります。実際実物取引のそれが何倍になっているか、数十倍にもなっているでありましょう。元来私どもは、生糸でも、それからこういうような商品取引関係というものは、たまたま需要供給のバランスの調整をやる機能を取引所というものはうまく運営していくのが本来の取引所を設置した目的であろうと思うのでありますが、最近は御承知のように、株式投資が若干の興味を失ってきておる傾向等もございまして、どうもスペキュレーション的な立場で商品取引所を使っておるという傾向は見のがすことができませんし、こういうことは私ども商品取引所の本来の姿からいえば喜ぶべき傾向ではないと思いますが、やはり商品取引所本来の姿というものは、できるだけ、から取引を少なくして、そして現実のいま申し上げましたような調整の機能を発揮できるような運営が望ましい、基本的にはそういうように思っております。
#42
○亀田得治君 まあ大体そういうお答えでいいと思いますが、そこで今度改正案が通りますと、いま大臣がおっしゃったようなことも含めて、相当役所の権限が強くなるわけです。で、ぜひここでいまお答えになったような立場でこの法の運営、これにあたる決意があるかどうか、考えだけじゃだめなんで、実行面ですね、そこをひとつはっきりここでおっしゃっていただきたい。
#43
○国務大臣(倉石忠雄君) 個人的なことを申しましてまことに恐縮でございますが、私はこういう商品取引関係の家に生まれておりますので、そういう取引関係を子供のころから見ておりまして、先ほどちょっと生糸のことも口ばしりましたけれども、亀田さんよく御存じだと思いますけれども、さっき申しましたように、元来日本という国が商品取引所を設置いたした趣旨は、先ほどあなたも御指摘になったし、私も申し上げたとおりです。ところが、これがまた調整機能を何倍か上回って非常に大きなスペキュレーションが行なわれているゆえんのものは、やはり何と申しますか、人々の間に投機的な関心を持つ人が多い。で、それがやはりこういうところに出てくるわけでありますが、その結果どういうことになるかと申しますというと、善良な家庭の主婦たちまでそういうところにまじめに手を出して、そして取引のコミッションをとって生活しておられる人々の中に入る。よほどこれは警戒いたし、政府もまたきびしくいたしませんというと、多くの弊害が出てくるわけでございますので、私どもは今回の法改正のようなときに、ぜひ本来の姿に戻っていくように、やはり取引員というようなものについては、大衆の信頼を裏切ることのないように、安心して取引所を一般大衆が活用のできるような制度にしむけていかなければいかぬ。私どもといたしましても、これからさらにそういうことに十分な警戒を払い、そして取引所の機能が円滑に運営できるような努力をしていかなければならないと、こう思っております。
#44
○亀田得治君 じゃ、農林大臣については、これでいいです。
#45
○鈴木一弘君 大臣に一つだけ伺っておきたいのですが、非常にいまもアズキ、手亡のことで紛争が多いということなんですが、実際取引高と現物との間の差が非常に大きいわけですね。そこで、そのような過少の品物であるゆえにともかく投機が多いということが考えられるわけでありますが、品物の数が少ないということからそれで過当投機ということになるんだろうと思いますが、その点でアズキをはずしていくというような考え方はお持ちになれないかどうかということですね。特に穀物の場合でいえば、商品取引では米が抜けたということは致命的な欠陥があるわけです。それがなければ本来の大きな、量の多い品物というものはなくなってくるわけですから、そこでこれはあとずっと残って、米を抜いたあとの形骸みたいなかっこうですが、非常に弊害が大きい、こういうことが考えられる。そうなると、その弊害を除いていくとなれば、いわゆる穀物の中ではアズキ、手亡というような品物は商品としてはずしたらいいんではないかというふうに考えられるんですが、そのような方向といいますか、その点のお考えはどういうものか、これは大臣から承っておきたいと思います。一つだけでよろしいです。
#46
○国務大臣(倉石忠雄君) 現実を鈴木さんよく御存じだと思いますが、やはり現在の商品取引所では、アズキは何といいますか、一番脚光を浴びておる品物でありまして、これをいま取引品目からはずすということについてはなかなかいろいろな問題があると思います。そこで、私どももそうでありますが、取引所は、これが過度のスペキュレーションにならないように、委託金の引き上げをいたすとかそれぞれの措置を講じて、先ほど亀田さんにも申し上げ、亀田さんも御指摘になりましたように、せっかく調整機能というものが目的である取引所を、いわばうまく悪用して、そうして投機にのみ走るような傾向は、取引所においてもいろいろな手段で対処していこうといたしておりますし、先ほどお答えいたしましたように、私どももこういうことにつきましては、なお十分にひとつその弊害が出ないように慎重に対処いたしてまいりたいと思っております。
#47
○亀田得治君 ちょっといまのやつで聞きますが、これは前回も私ちょっと聞いたところなんですが、結局はアズキの上場問題については、現状としてははずすつもりはない、その運営において弊害が出ないようにやっていくと、こういう意味ですね。ところが幾らやってもそうならないと、弊害がやはり続くという場合にはやはり検討しますが、仮定の先のことだがちょっと聞いておきましょう。
#48
○国務大臣(倉石忠雄君) これはもう大阪にも取引所がございますから、亀田さんよく実情は御存じだと思いますけれども、まあ私どももいま代議士でありますからあまり参加いたしておりませんけれども、こういう取引所を活用するという人たちから見ますと、やはり先ほどの話のように、昔は米穀がございましたけれども、ああいう事情で米穀ははずれておりますが、私はやっぱり取引所の機能が円満に運営されるような制度になりますならば、品目は、いま弊害があるからアズキということにみんな目を向けておられますけれども、やはりアズキに限らず人々の関心を持つ、標的になり得る品物というものにどうしてもみんなが関心を集中しますから、それの取引について弊害のないようにするということが、私は、取引所の本来の目的であり、またそれを担当しておる人たちの責任だと思うのでございまして、したがって、いまアズキのような流通性のわりあいに多い品物を、むしろそれからはずすというよりも、大衆の期待に沿い得るような取引状況をつくり上げるということに努力するほうが経済効果もあがるのではないかと、まあ一応こう見ておりますけれども、情勢の変化によりましてまた部内においてもよく相談をいたしまして、先ほど申し上げましたような取引所本来の目的が逸脱されることのないようにわれわれは努力をすべきではないか、こう思っております。
#49
○委員長(鹿島俊雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#50
○委員長(鹿島俊雄君) それでは速記を起こして。
#51
○亀田得治君 前回、客から預かった保証金の問題について若干お尋ねをしたのですが、もう少し付加してこの点についてお尋ねしておきたいのであります。それは今回の改正によりまして、いわゆる分離保管それを取引所にやらす、そのための法改正が改正案の中に盛られておるわけですが、たとえば取引員の店がつぶれるといったような場合に、委託者が当然自分の委託金についての取り返しということのための努力が出てくるわけですね。取引所に対してその点の優先権を認める、こうなっておるのですが、どうもこの改正される条文でいきますと、その請求が取引所にまいりますとそれをあたためておくことができない、出てきたものから順次払っていく、こういうかっこうになるようですね。従来の慣例ですと、そういう場合に取引所が同じような立場にある債権者の請求が出そろうのを待って合理的に配分をするというふうなことがやられておるわけですが、今回の改正からいきますとどうもそういうことができない。先に来た者に全部払ってしまう。同じ立場にあるんだが、あとから来た者はしかたがない、そういうことになるような気がするのですが、この点はどういうふうに解釈したらいいのか、この際ちょっと明らかにしてほしいと思います。
#52
○政府委員(熊谷典文君) ただいま御指摘の点につきましては、御指摘のように、取引所にじかに請求ができますので、早く請求した人はすべて全額受けられる。問題が起こってあとから行った人はそれだけ請求が受けられない。といいますのは、分離保管をした限度というものがございますので、それに縛られましてそういう結果になるということでございます。どうしてこういう形になったか、それでは不公平ではないかという問題があろうと思います。この点はわれわれも十分検討はいたしたわけでございますが、公平に配分するといいますか、金額を渡すという形にいたしますためには、分離保管をいたしましたものにつきまして通常の状況の場合に五〇%分離保管するという形になりますと五〇%、ほかには請求があっても返さない、平常事態からそういう体制をしいておかなければならない、こういう問題が一つあるわけであります。そのほうがいいか、取引所に請求があった場合には委託者の関係を考えて全額返さしたほうがいいか、これは判断の問題であろうと思いますが、そういう問題が一つあります。それと同時に、法律的に申し上げますと、公平に配分するという感じになりますと破産手続、どういう場合にそういう状態になるかというきめ手が一つ要るわけでございます。これを取引所に供託いたします、分離保管いたします場合には、取引所自体で判定するという形はいまの制度ではできないと思います。裁判所で判定する、こういう形になろうかと思います。取引所に分離保管をしてそういう事態が出たらばもう一回裁判所にその権限を返す、こういう法制になるわけでございます。なお、そういう形をとります場合にいろいろな手続面で非常に日数等もかかると思います。したがいまして、考え方としては確かに早いもの勝ちといいますか、ことばは悪いかと思いますが、そういう形になるのを防ぐために公平に分配するということも考えられるわけでございますが、取引所に分離保管という制度をとりますと非常にむずかしいという法制的な問題がございますので、こういう形を現在のところ改正案でとったわけでございます。
#53
○亀田得治君 法制的にむずかしいということがちょっとわからないんですが、ちゃんと取引所というのは監督官庁もあってかってなことはできないわけです、いま私が申し上げたような問題が起きたときには。だからやはり裁判所でなければいわゆる公平配分というようなことはさせられぬ、そういう考え方がおかしいのでして、取引所にやらしてちっとも差しつかえないし、現にこれまでやっておるわけですし、どうせ被害を受けるなら同じように受けるということで一応納得しているものをわざわざこわすというのはどうも納得がいかない。法律はやはり実体に即したことをやってもらいませんと、何も既成の法律概念がこうだから取引所にそういう機能を認めるわけにいかぬというふうなことはあまりにも形式論過ぎると思うんですね。何か法務省のほうでそういうふうな理屈を言うものだからできなかったやに聞くわけなんですが、法務省側の意見というのはもう少し詳しく言いますとどういうことなんですか。取引所は信用できない、こういうことなのか。取引所信用できないというたら、そういう事態になれば農林省も通産省もこれはみんなタッチしてくる問題ですわね、異常事態が起きているんですから。そうすると、通産省や農林省もこれは信用できないというふうな意味にもこれはなっていくわけですね。私はそんなものじゃなかろうと思うんですがね。だから、その点では、なるほど分離保管についてこの改正案のような前進をされたということは、これは評価するんですけれども、どうもこの点については、かえって現状よりも不公平であり、悪いじゃないかという気がするんですよ。なぜ法務省はそういうことで意見を曲げないというのですか。もう少しその辺、はっきり説明してください。都合でこれは法務省を呼んでもらったほうがいいかな。
#54
○政府委員(熊谷典文君) 結局、この問題は、もちろん取引所を法務省関係で信用しないということではございませんが、平等に分けるという形になりますと、破産手続に私は入るだろうと、こういうふうに考えております。そうなりますと、どういう段階で破産手続に入るのか、あるいは、どういう配当計画をつくるかというのは、現在の取引所というのは私法人でございます。それを信用しないという意味ではございませんが、私は、それは非常に無理である。そうしますと、そういうことはやはり裁判所ベースにならざるを得ない、こういうふうに考えられるわけでございます。したがって、いまの取引所ベースでは非常に法制的に無理である、こういうことでございます。
#55
○亀田得治君 いや、それが私、納得いかぬわけです。破産手続に進めば、公平にやるために、全部の債権者の要求をそろえて、その上で考えると、これが公平なんですわね。その公平なことを前の段階で慣習としてやっているわけなんですね、現在。それをやれないようにするということは私は必要ないじゃないかと。法律というものは、現状うまくやっているところを、そんな理屈にとらわれて破壊するものであってはならぬと思うのですね。だから、どうもこの点は法律技術的にむずかしいという意味のことを聞くのですが、その点が理解できない。これを一ぺん法務大臣に来てもらって、ひとつはっきり説明させてください。これ以上あなたに言うてもわかりませんから。問題点のあることだけははっきりしました。
 そこで、それでは法律解釈としては、そういうおっしゃったようなことになるが、しかし、それはどうも公平を欠くおそれがある。そういう立場から、何か政令なり運用関係で考えておられることがあるのでしょうか。
#56
○政府委員(熊谷典文君) 私のことばが足りなかったかと思いますが、制度的には、先生御指摘のような問題があるわけでございます。しかし、実態的に申し上げますと、これはそう率がいいかどうかという問題はあるわけでございますが、委託証拠金の半分程度を分離保管したい、それで、今度の制度によりましても、早く請求した人は、これは五〇%でなくて一〇〇%、場合によったら請求できるという形になるわけでございますが、おくれた人につきましても、五〇%までは確保しているわけでございます。と申し上げますのは、一〇〇%請求してそれが払ってもらったと、これはおそらく常時の事態だろうと思いますが、そういう場合は不足額が生じてきます、全体としましては。その場合は、取引所としてはそれをすぐ取引員から徴収する、補ってもらう、こういう制度になっております。したがいまして、おくれました方も五〇%までは確保できる、こういうことでございます。前の人が一〇〇%もらったがために、あとの人が三〇%になるという問題は起こさないように措置するつもりでございます。そういう意味合いにおきまして、そういう法律問題もございますので、こういうことでやむを得ない、こういうことにいたしたのであります。
 それから、そういうことが法律上できないから、定款か、あるいは規則等で何らかの措置をとるかというお話でございますが、これは法律でできませんので、規則でそういうことは私はできない、かように考えます。
#57
○亀田得治君 そうであると思いますね。法律的にできぬことは政令なり規則ではやれない。だから、何かそういうことを考えておられるなら、いっそのこと、法律自身を変えるようにしたらどうかというふうに申し上げたいと思っていたのですが、結局、政令なり規則等ではそういうことはできないということですから、これはこの点が非常にやはり問題になるわけです。足らぬようになった部分を追加させるといま局長が言われるのですがね、そういうあなた、つぶれそうだというときに、そんな追加金なんか私は取れるものじゃないと思うのです、事実上。だから、まあそういうわけですから、この点は非常に私、ふに落ちないわけです。だから、ぜひこれは法改正をやって、そういう不公平なことにならぬようにしてもらわぬと、せっかく他の面で前進しているところがあるのを、大きな禍根を残すのじゃないかと心配するわけです。参考人からも、保管の点について現行法のほうがいいと、改正案のほうがかえっていかぬというふうな御指摘もありましたが、私はこの部分については、何とかもっと法律上はっきりさせる、そういうふうにひとつ考えてほしい。法務省が反対しようと、それは単なる既成概念ですからね、ここでみんながそれはいいということになれば、法文にそう書いてあればしまいなんですよ。こんなものは書いてしまえば、法律学者がそれに対して、応じたような合理的なまた説明しますよ、それはね。その気になってこう改正案をつくってもらわなければいかぬと思っているのです。まあ法案通るまでに、まだ若干日があるだろうと思うから、ぜひこれは研究してもらいたいと要求しておきます。
 それから次に、取引員の問題について若干お聞きしておきます。
 きょうも参考人の皆さんからも、相当この点についての御意見等がありまして、まず第一に、当局は、現在の取引員の数ですね、私はまあ多過ぎると、こう考えているのです。これはどういうふうに考えておられますか。
#58
○政府委員(熊谷典文君) 取引員の数は、御承知のように、この二、三年減ってまいっております。現在数は三百二十二名、こういうことになっております。この三百二十二名が多いか少ないかということでございますが、今後の取引高にも関係いたしてくるわけでございますが、決して私は少ない数ではない、この程度のもので今後の推移から見て大体十分ではなかろうかという考え方を持っております。後ほど問題になろうかと思いますが、仲買い人の許可制をしくわけでございます。純資産額の増額もいたすわけでございます。そういう過程で、どうしてもその許可要件にはまらないという方は、それぞれそれなりに考えていく、こういう身の振り方を考える、こういう問題も出てこようかと思います。そういう意味合いにおきまして、これをさらにふやすという気持ちはございませんが、また、それだからといって、極端にこれをいま少なくするという気持ちもございません。現状の改正によりましてこれが内容がよくなるように心がけてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#59
○亀田得治君 全取引員の四分の一が穀物関係に集中しておるわけですが、農林省のほうは、その点どういうふうに考えているのですか。
#60
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、現在の仲買い人あるいは取引員の数が非常に多過ぎるというふうには考えておりませんけれども、中には、資力等において多少問題のあるようなものもあるのでありますから、それらのものが、新法のもとにおいて、あるいは資力のたくわえなり、あるいは新しい基準にそぐわないで取引所から抜けていくなりする形で、ここしばらくは、おおむね妥当なところに落ちつくのではないかというふうに判断しておるわけであります。
#61
○亀田得治君 どうも人数を減らすというようなことについては、これはあまり気持ちのいいものじゃないものですから、あまり人に憎まれないような答弁をされておりますが、私は、前回からも問題になっているように、非常に投機部分が多いわけですね、日本の場合は。これはヨーロッパやアメリカに比較してでも、とにかく日本の場合は特に多い。いろいろな要素を考えますと、これは多過ぎるんですよ、端的にいうと。そこに過当競争がどうしても出てくる。過当競争が出ると、外務員などを盛んに使って、そうして必要以上の勧誘もやらせる。やはり根本はそういうところからも考えてみぬといかぬ。過当競争をやらさなければならぬような状態にしておいて、そうして出先の外務員が、行為が行き過ぎだとか、そういうことばかり言っておったって、それは最近の交通事故みたいなものですよ。道路なり歩道橋なり、いろいろなものをきちんとするのがおくれていて、そうして取り締まりだけ言うておっても、それはなかなかいかぬ、一緒ですよ。だから、私は首切りとか、人を減らす、ふやす場合はだれでも率先して発言されるけれども、ここに無理があるわけです。あるべき商品取引の姿に比較したら、そんなものはちゃんと適正になっておるのだから、何も商品取引法の一部改正なんていう問題、こういうものは起きてきませんよ。だから、これはやはり皆さんのほうで、ある程度考えているのだと思いますが、もっとはっきり言うてもらわぬといかぬですよ。現状のままでいいということになれば、その人物、取引をになう主体という面から、われわれもこんな一体改正案が必要なのかどうか、そういうことにも疑問を持つわけです。ことに許可制でしょう、あなたのほうは許可制でしょう、今度は。許可制にする必要はないのじゃないですか。行儀の悪いのを取り締まる程度であれば、取引所自体を皆さんが行政指導してもできる程度ですよ。許可制にまでしているということは、やっぱりそこに根本問題がある。許可制ですから、一々あなたのほうは許すわけでしょう。いや、条件のあるものはみんな許すのだ、こんなことじゃないと思う。私は。それはやはり一定のめどというものはちゃんと腹の中になきゃ、どの程度許可していいかわからぬでしょう。権限の正しい行使ということは、当然そこまで考えてもらわぬといかぬ、どうなんですか。
#62
○政府委員(熊谷典文君) 根本的には、先生の御指摘の過当な投機等を規制するためには、根本的にやはり外務員の数、そういうものから考えていかなければ無理だ、そのお考えには私も全く同感でございます。ただ、今回の改正におきまして、三百二十二名という登録仲買い人がおるわけでございますが、許可制に移行する段階におきましては、私どもは、それをすぐ整理するという形をとることは、既存の権利もございますので無理である、そういう意味合いにおきまして、三ヵ年間は猶予期間を設けて、もちろん、資格の要件は、許可制と同じように順次強化してまいるわけでございます。そして、その要件に足りない、どうしても勉強してできないというものには、合併とか、あるいは、いろんな方法もあろうかと思いますが、そういうそれぞれの道を考えていただかなければいかぬ、こういう形をとっておるわけでございます。
 なお、将来の問題として、御指摘の点、私十分わかるわけでございます。そういう意味で、今後取引所単位に仲買い人の数、あるいは会員の数の最高限をきめていただく、許可の運営はそれに合わせてやる、これはやはり仲買い人が多いと過当競争の原因になる、こういうところから出発いたしておるわけです。そういうように、われわれとしても、漸次今後の取引高の推移を見、過当競争がこの面から起こらないように、質の向上をはかりながら、いい方向へ持っていきたい、こういう考え方であります。
 なお、この過当競争の問題で、もう一つやはり私は、根本問題は、むしろ、仲買い人の数もでございますが、外務員の問題だろうと思います。あるいは営業所の数の問題、そういう問題だろうと思います。むしろ、そういう問題を根本的に考えてみたらどうか、かような考え方を持っておる次第でございます。
#63
○政府委員(大和田啓気君) 私が申し上げましたこと、多少補足さしていただきますと、農産物関係の仲買い人の数は、三十七年が大体ピークでございまして、当時二百三十四人おったわけでございます。四十一年にそれが二百十一人、約一割減っております。傾向として少しずつ減っておるわけでございまして、各取引所ごとに仲買い人の定数をきめておりますけれども、廃業した者がありましても、それを必ずしも取引所としても、また、私のほうの方針としても、埋めてはおりません。したがって、傾向としては、だんだん少しずつ減って、私は健全化していく方向にあろうかと思います。ただ、私が先ほど申し上げましたことは、今回の許可制度に移りまして、いろいろ資格等が厳重になりますことに関連して、整理するといいましても、こじんまりとまじめにやって、別に問題を全然起こしておらない、そういう仲買い人も相当おるわけでございます。そういう人たちに対して整理というふうには私どもいたさないということを申し上げたかったわけでございます。方向としては、仲買い人の経営の健全化、あるいは大衆が迷惑を受けないような形で仲買い人が少しずつ整理されていく、その経営が健全化されることが、私どもの方針としてきわめて妥当であり、また、けっこうだと思います。
#64
○亀田得治君 現在でも、取引所別に定数をみんなきめておるわけですね。それはその取引所における取引状況なり、いろんなことを勘案してこれはやっているわけですね、自主的に。だから、いわんや、今度は国のほうが一括して許可制、こういうあなた態度を出す以上は、おおよそのやはり腹がまえというものがなければいかぬわけです。それは、そうなれば、欠格者が非常に多いけれども、これは遠慮してもらわなければならぬという場合も出てくるかもしれぬし、あるいは、そうならぬかもしれぬです、その数字のはじきぐあいによっては。その数字すらはじいてみないなんというのは、これはあなた、あとになってどうも数字がはみ出たり足らなかったりすると処理に困ると思って言わないのかもしれぬが、現在ですら取引所がやっておることでしょう、それは。農林省、通産省、監督官庁が許可権をとりながら、いまのような不明確なことでは私はいかぬと思う。大体のめどは考えているのでしょう。どんなんですか。ほんとうにないのであれば、これは至急やはり研究してもらわぬといかぬですよ。
#65
○政府委員(熊谷典文君) 現在のところ、どの程度の数がいいかという考え方は残念ながらまとめておりません。ただ、考え方といたしましては、だんだん仲買い人は減ってきておりますが、それで現在三百二十二名ございます。これ以上に極端に私はふやす考え方は持っておりません。ただ、反面、この三百二十二名という数字が安易にそれでいいんだから安心だと、こういう感じでは非常に困るわけであります。むしろ、許可基準が強化されるわけでありますから、それなりにやはり仲買い人も勉強していただかなければいけない、こういうことになろうと思います。それで、その中で勉強していただいて、許可条件に三年間の間になっていただいた方が残っていく、こういう形に私はなろうと思います。したがいまして、これ以外に新規のものをどんどん認めていくという運用はとらない方針であります。ただ、それを何ぼにしてやるか、二百八十名がいいかというような点につきましては、残念ながら、いま数字は持っておりません。今後、必要に応じては取引所ベースで共同で研究をしてまいりたい。そういうものがないと、将来のやはり考え方がないと、なかなかうまい運用ができないじゃないかという点は、私も同感でございますので、今後十分勉強さしていただきたい、かように考えます。
#66
○亀田得治君 それはやはりひとつよく研究を要望しておきます。
 それから仲買い人の資格要件について今度の法律でわざわざいろいろきめられているわけですが、大きく言って、財産的な要件と、それと人柄、人的な要件といいますか、この二つだと思いますね。どうも法文の書き方などを見ていると、財産的な要件に重点が置かれ過ぎておるやに感ずるのですがね。人的な関係も書いてはありますよ。ありますが、どうもつけ足し的な感じがする。この点はきょうは沢田参考人から非常な強い発言等もありました。私もその点は非常に同感なんですよ。財産的には小さくても、人柄が非常にりっぱだ。人柄の評価にしたって、それは主観的にやっちゃいけません。過去の実績等をいろいろ検討すれば、これははっきりするわけでして、ところが、反面、なるほど財産的な要件は法律できめておる基準よりも二倍も三倍もある、ところが、その中身を調べたら、過去においていろいろ不当なことをやってもうけた金で大きくなっている、こんなものは、財産的な要件だけからいったら、えらいあり余るほどあるわけですよ。しかし、はたして、そういうものを認めていくことが取引業界全体のためになるかどうか、非常に問題だと思う。私はいま法文の中の一々のことばづかいを言っているのじゃない。根本的な考え方を、その点をどういうふうに見ているのか。先ほど両局長とも、その点を考えておられるように言われましたけれども、法文がどうもそうなっていない。沢田参考人等から強い発言があって、刺激されて多少そっちも考えなきゃいかぬなというふうな程度にしか考えておらないように思うのですが、どうでしょう。
#67
○政府委員(熊谷典文君) 今回仲買い人を許可制にいたしましたのも、いま御指摘の点を非常に重要視したからでございます。ただ、残念ながら、法文の書き方になりますと、なかなか知識経験とか、あるいは社会的信用という問題は、非常に書き方がむずかしいので、具体的ではございませんが、われわれは非常に重要視をいたしておるわけであります。特に、私どもの感じといたしましては、今後商品取引所というもの、あるいは、さらに仲買い人を含めまして、これが一つの大きな流通機構の一環をになっていくという問題に、将来、流通機構のあり方と関連してだんだんなっていく、かように考えます。そういう場合に、一番大事なのは、やはり知識経験、こういうことも考えられるわけであります。したがって、そういう面につきましても、運用の場合には十分配慮して、できますならば、何か内規約な運用基準というものができればなおいいと思いますが、そういう面については、十分注意して運用してまいりたい、かように考えております。
#68
○亀田得治君 許可要件について法律にいろいろ書いてありますが、これはどういう意味なんでしょうか。この要件が全部なければいかぬ。一つでも欠けたらいかぬという意味で書かれておるのか、あるいは一つぐらいは若干足らぬでも、一方のこういう面が非常にりっぱだというふうな場合にはよろしいという意味になるのでしょうか。どういうことなんですか。
#69
○政府委員(熊谷典文君) 法律構成はこの本文にございますように、「次の各号に適合している」という要件になっております。したがって、いずれの要件も具備していないと許可にならない、こういう形であります。
#70
○亀田得治君 そういたしますと、たとえば、第二号ですか、財産的な条件が書いてありますね、四十四条第一項の第二号ですか、こういう点で若干足りないけれども、第三号のほうですか、そういう面では非常にすぐれておるというような場合には、どうなんでしょうか。この第二号の運用規定が適正につくられれば、そういう場合でも第二号に該当するのだというふうになると思いますが、その財産的基準というようなものは一律にきまるわけでしょうか。
#71
○政府委員(熊谷典文君) もちろん、この運用といたしましては、仲買い人は御承知のように、取引所別、商品別でございますので、そういう点は十分商品別、取引所別に考えてまいりたいと思います。それから「財産的基礎を有し、」という中には、いろいろな要素があるわけであります。たとえて申し上げますと、ほかの、法文にございます純資産額とか、あるいは、その他の問題といたしましては、負債比率の問題、いろいろな要素が入っております。その中で、この純資産額の問題は、法律上主務大臣がはっきり最低限をきめる、こういう形になっております。そういう意味から、これには私は、商品別にはきめますが、弾力性はない。もちろん、その財産的基礎というものは総合判定でございますので、その他の面につきましては、負債比率は悪いが十分これはやっていけるというような点は、多少ある程度のアローアンスはとれる、かように考えておりますが、純資産の問題につきましては、アローアンスはとれない、かように考えております。
#72
○亀田得治君 だから、そういう点も私はきめ方の問題だと思うのですね、大臣がきめるわけですから。純資産の面は一律だと言われますけれども、それはそのほうが簡単でいいですよ。ただ、午前中も御指摘があったように、非常に信用のある店、金がないけれども絶対人に迷惑をかけない、これは一つの財産権と見てもいいわけですね。しにせとかなんとか、何かそういうような考え方も私は入れてやりませんと、まじめだけれども金が若干足らない、それで落ちるということになるわけでして、その純資産額をきめる際に弾力性のあるきめ方というものを私は研究する余地があるのじゃないか、こう思うのです。一律にきめるものだと――何もきまってやせぬのですが、形式的には一律にきまるようなかっこうをとろうと思えばとれぬこともないわけですね。信用というものを一つの評価をしていけば、それを加算すれば、ちゃんと形式としては一律になるかもしれぬので、だから、そういう研究もしてほしいと私は思っているのです。そのほうが実態に即するのじゃないか。どうですか、研究の余地ないですか。
#73
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のように、この純資産額の要件とこの許可の場合の財産的基礎は違うのは事実でございます。法文も違います。ただ、この純資産額の点は、許可をいたしましてもそれに達しておらなければ許可はできないというかぶりがございますので、私は非常にむずかしい問題だと思います。純資産額のこの問題は、きめ方の問題だろうと思います。純資産額を絶対額できめずに、別の面から押える方法がありますれば、純資産額というのも全体の財産的基礎の一つのあらわれとしてきめられる、こういうことになりますが、いままでのように、純資産額を絶対額できめますと、ちょっと動かせない、こういう問題になろうかと思います。したがって、この問題は、純資産額をどういう形で絶対額をきめるのか、あるいは総合的な財産か何かの比率できめられるのか、そういった問題の研究になろうかと思います。なかなかむずかしい問題ではございますが、確かに、その財産と知識経験というものをかみ合わせなければならない、また、それが将来のいい方向であるという点も、われわれはわからないわけではないわけでございます。そういう意味におきまして、一応研究はさしていただきたい、かように考えておりますが、なかなかむずかしい問題であるということは御承知願いたいと思います。
#74
○小柳勇君 いまの問題ですね、あとまだありますが、いまの問題、速記を見たら非常にあいまいだと思うから、もう少しはっきりしておかないと、せっかくきょう参考人の意見もあったのだから、研究はするけれども非常にむずかしい、ということはどういうことか、もう少し具体的に政府委員よりお答え願いたいと思います。
#75
○政府委員(熊谷典文君) 御承知のように、現行法におきまして、純資産額は絶対額でいたしております。取引所ごと、商品ごとに絶対額でいたしております。私が申し上げましたのは、そういう形でなしに、何かのものに基礎を置いてそれを比率で出すというようなことがあれば、全体的な純資産は少ないが負債比率は非常にいいとか、いろいろ総合的に判断が実態的にできるのではなかろうかということを申し上げたのでありますが、なかなか純資産額を絶対額以外の方法で出すということは、非常に技術約に私はむずかしいような感じぶいたしておるわけでございます。したがいまして、一応本日の参考人の御意見もございますので、そういう技術的な方法があるかどうかということは一応研究さしていただきたいと思いますが、結論としては、非常に技術的にむずかしい、そういう意味で御了承をお願いしたということを申し上げたのでございます。
#76
○小柳勇君 いまの問題は少し検討してまいります。いまの答弁だけでは、さっきの亀田委員がとった意味と少し違いますから、検討してまいります。亀田委員は取引所の運営で現在の矛盾の点を修正するという方向で深い専門的の議論をいたしました。私はその前に、この法律改正にあたっての基本的な商品取引所法自体について質問をしてみたいと思います。系統的に質問をいたしまして、あと条文の中の問題点はまた別途質問いたしたいと思います。
 第一は、商品取引所の必要性の問題――非常にしろうとくさい問題でありますが、商品取引所の機能などについては説明を受けました。ところが、実際はその機能を果たすというより、むしろ投機的な動きが大きい。投機的なもの、投機的な場、そういうものが大きい。けさの参考人の意見で私が質問したように、そういうものを感じます。したがって、そういう弊害がクローズアップされ、したがって、この商品取引所の投機的な弊害について、どういうような措置といいましょうか、これについて十分政府が考えておられるかどうか、こういう問題について説明を願います。
#77
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘の投機が過度にわたると弊害があるという点は、御指摘のとおりでございます。したがいまして、今回の法改正におきましても、一番問題になりました委託者保護という点は、分離保管その他いろいろな面で考えておりますが、それと同時に、やはりこの取引所の運営として一番根本問題でございます適正な価格形成という問題についても、答申の線に沿って十分配慮をいたしたつもりでございます。
 ただ、この問題につきましては、根本的に考えますと、取引所自体のあり方と、あるいは上場商品で非常に根本的な問題がございます。したがいまして、そういうような根本的な問題は時間の関係上あとに延ばさざるを得なかったわけでございますが、現在のところ毎能な範囲で、たとえて申し上げますと、過当勧誘の禁止とか受託場所の制限とか、あるいは外務員の資格要件の強化等、いろいろ過度に大衆が参加する、あるいはまたそれを誘引する等の行為につきましては、できる限りの措置をとったつもりでございます。
#78
○小柳勇君 ここに政府から出ている資料を見ましても、欧米における過当投機の規制措置というものもございます。それからけさの参考人の意見の中にも、欧州では第二次大戦以前と比べて商品の数も少なくなっておるというような話でありましたが、投機的なものが強くなりますと、その弊害のほうがクローズアップされて取引所無用論が出てまいります。したがって、ここにせっかく法改正をして正常な商品取引関係を樹立しようとしておる。特に商品の公正な値段の決定を重点に考えているものが、油断をしますというと逆な方向にいく。それによって大衆が、主婦などを中心にして一般国民が非常に被害を受ける。したがって、商品取引所は盛んにしていかなければならない。それによって公正な価格はきめなければならないけれども、その弊害は最小にしていかなければならない。この点についての政府の配慮も十分にありませんと、取引所だけを監督しましても、この問題は解決しないのではないかと思うが、国民に対するPRなりその他どういうふうな措置をしておられるか、もう一度見解を聞いておきたい。
#79
○政府委員(熊谷典文君) 私どもも、御指摘の点はそのとおりだと思います。したがいまして、この大衆参加の欧米でやっております資格というか、ドイツがやっておりますように、一定の資格を持っていないと参加できないとか、あるいはアメリカがやっておりますような数量自体を制限するというような、まだ今後勉強しなければならない問題は残っておりますが、轟るいはまた先ほど申し上げましたように、取引所のあむ方の問題統合の問題、いろいろの問題が残っておりますが、その地の問題につきましては、御質問のような趣旨でわれわれとしてはやれる範囲のことは、相当今回やるという改正案を出したつもりでございます。もちろん、法律だけをつくりましても運用がうまくいきませんと、けさほどの御議論のように何にもなりませんので、この改正の趣旨に沿って、その点はやはり今後の一つの取引所の一番ポイントとして重点的に運用をはかっていきたい、かように考えております。
#80
○小柳勇君 現在の取引所法がきめられました昭和二十五年のときに比べまして、現在産業構造も変わっておりますし、流通機構も相当変わってまいっておる。したがって、いうなれば、この商品取引所法というものができたときの日本のそういう場と現状ではずいぶん変わっていなければならない。したがって、基本的に大衆参加の方向に改正されようとして、大衆が参加しても損しないように、損といいましょうか、あまり被害をこうむらない方向にこの法律が改正されようとしておるが、国民大衆と取引所との間の紛争も相当起こっているように聞いているわけです。したがって、この際にそういう国民大衆が取引に参加して、取引所との間に紛争が起こってはならぬ、だから二十五年に取引所法ができましたときの産業構造の実態と現状との違いの中でこの法律改正をしようとしているが、そういう面でどのような配慮をしておるか。
#81
○政府委員(熊谷典文君) 産業構造が変わり、特に流通構造が変わることによって、おのずから上場商品なり、あるいは取引所の使命が変わってくるというのは、これは当然だろうと思います。あるいは諸外国で上場商品の数がだんだん少なくなったという意味も、私は流通機構の改善がだんだん行なわれてきたという面も相当手伝っているのじゃないか、かように考えます。したがいまして、今後流通機構の改善という面とあわせて、この取引所自体のあり方も考えていかなければならぬ。ところが、残念ながら日本のいまの流通機構の面につきましては、非常に改善策がおくれているのは、これは率直に認めざるを得ない。物価の面から考えても、資本取引の自由化から考えても、一つの盲点になっていると考えております。したがって、通産省といたしましては、今後流通機構の改善には五ヵ年計画で相当前向きの改善策を考えていきたい、こう考えております。そういう過程におきましての取引所のあり方はどうあるべきかという問題は当然起きてこようと思います。そういうことでありますが、現在のところはその取引所といいますか、流通機構の改善の問題はまだ進んでおりませんので、残念ながらそこまで根本的に考えることができなかった。今後そういう面については継続して考えさせていただきたい、かように考えております。
 それからなお御質問の中に、委託者保護を今度した、そういうことによって、かえって大衆参加を誘発するのじゃないか、そういう傾向が出てこないだろうかという御懸念があったようでございますが、われわれはそういうことは毛頭考えていないのでありまして、過当勧誘の禁止とか、あるいは委託証拠金の引き上げということを考えておりますのは、過度の大衆参加は慎んでもらいたい。もし事故が起こった場合には、仲買い人としてもこれを完全に保護していくという形でやったわけであります。将来の目標は決してはずしてない、かように御了解願いたい、かように考えます。
#82
○小柳勇君 それから上場商品ですが、さっきもアズキをはずさないかという話がありましたが、化学製品などもいま商品としては出回っているが、そういう天然食品だけしか扱わないのはどうしてか、化学製品などは、たとえば合成繊維、合成樹脂、合成ゴムなどの製品が将来商品取引所の中の取り扱い商品として取り扱い得るのか、考えたことがあるのか、そういう点について伺います。
#83
○政府委員(熊谷典文君) 大ざっぱに言いまして、上場商品の中には、やはり天然の関係で需給が不安定といいますか、価格が変動するとか、それをある程度安定させるという必要性のある物資と、それからもう一つ工業製品的なものと二つでございます。工業製品の中でも、海外に原料を依存いたしましてやっていくものの面の問題もございます。それで現在の上場商品の適格性としては耐久性があるとか、大量に取引され品質が均一であるとかいろいろな要件がございます。したがって、御指摘のようにその要件にはまるものは相当物資としてございますが、取引所の機能というものは、価格形成と同時にやはりヘッジ機能というのがございます。したがいまして、そういうヘッジの役目をする必要のある商品かどうかというのも、今後上場するときには考えざるを得ないと思います。私どもの基本的な考え方は、現在いろいろ上場商品には、問題が取引所のあり方と関連してございます。したがいまして、今後こういう取引所の改善策をやりまして、ほんとに世の中に理解していただくような取引所ができました場合は、さらに上場商品ということも考えてみたいと思いますが、その間は上場商品をそうふやすべきではない。むしろふやさずに、流通機構の改善等によって価格の安定はできないだろうかということをまず研究すべきである、かような考え方を持っているわけでございます。したがいまして、現在ほかの商品をふやすということは、結論的に言いますと、気持ちはございません。
#84
○小柳勇君 公正な価格決定に重点を置けば、商品というものはたとえばアズキに限らないで、もちろん米は国が米価を決定いたしますが、公正な値段の決定を中心にしていくならば、いま申し上げましたような品物も、当然取引の対象になるのではないかとわれわれは考えるわけですが、にもかかわらず、アズキとかごく少数の天然産物に限って取引している。したがってそういう問題が出てくるわけでありますが、いま申されたような一応聞いておきますが、近い将来に当然もうこれは問題になるべきじゃないかと思うんですよ。いまのこの商品取引所というものをさらに発展して、公正な値段はそこから決定するんだということをたてまえとするならば、そういう議論が出てこなければならぬので、これは水かけ論になりましょうが、いまのところではそういうことがない、しかし近い将来にはこれはよく検討すると、そういうことでしょうか。もう一回見解を……。
#85
○政府委員(熊谷典文君) 非常に端的に申し上げますとすべての商品につきまして適正な価格形成が行なわれるということは望ましいことでございます。そういう面ではその可能性がございますれば、ひとつの適格商品になるわけでありますが、それと同時に、この取引所は先物取引の取引所でございますので、ヘッジ機能というのがございまして、私どもは適正な価格形成が行なわれ、しかもヘッジをする必要があるかどうかという商品を取引所には選びたい、かように考えております。そういうように考えてまいりますと、現在のところそういう品物というのはない。したがって、将来そういうものができました場合は考えますが、現在のところはない、こういうように考えておる次第でございます。
#86
○小柳勇君 もう一回。この前の話に戻るんですが、大衆が参加して一つの相場ができる。で、私どもは取引所を見学をいたしまして感ずるのは、非常にすぐれた技術やですね、すぐれた商売感覚で取引がなされておるわけです。そこにしろうとが一任するわけですね。自分が買う買わないということを一任するわけです。したがって、その店の信頼というものが、委託する人たちの心をとらえて、多数の人がその店に委託することによって相場が変わってきはせぬか。たとえば農産物の価格については、しろうとの国民がですよ、一つの店を信頼することによって、そこにたくさんの金を委託する。そうしますと、そのレートが高くなりまして、相場がその店の信頼によって変わっていく。これはその品物自体の相場とは直接の関係がないではないか。公正な価格決定と言いますけれども、ここにひとつの取引所がある、その人の信頼が非常に大きいからそこにたくさんの金が集まる。その人が買いあるいは売る。そうしますと、その品物がアズキの実際の価格というものは、その店の信頼によって支配されてまいるか、そういうものはアズキの価格と直接に関係があるのかどうか。
#87
○政府委員(大和田啓気君) まあ農産物あるいはアズキ等について申し上げますと、まあ一人の仲買い人の信用が非常にある場合、そこにお客がたくさん集まりましても、それ自体としては相場の強弱感といいますか、売りと買いとにうまく分かれる。私は一つの店にたくさんの客が集まるということだけで、不当な価格形成が行なわれるというふうには思いません。ただ、強弱が平分しないで非常に一方に相場観が偏する場合には、それは相当な価格形成について影響があることは事実でございますが、一軒の店に集中するからどうこうということでは私はなかろうというふうに考えております。
#88
○小柳勇君 まあ、たくさんの店がありますからね。それは平等の力をもって平等に売り買いをやりますと、そのアズキの相場というものは、ある時期、流通機構やあるいは必要性や、そういうものによって主として支配されると思うけれども、ここに一人の店にその金がうんと集まりますと、その売り買いの力というものが他の店を圧しまして、実際のそのアズキの値段というものとかけ離れたいわゆる相場というものができはせんか。そういうものが公正な価格の形成に非常に悪影響を与えはせんかと思いますがどうでしょうか。
#89
○政府委員(大和田啓気君) 私どものいままでの実際の経験を申し上げますと、仕手が買いに来て相場を非常に上げるということはございます。その場合にはいろいろ取引所としてもまた行政庁としても、いろいろな措置を講じて相場を冷やしたりいたしておりますけれども、御指摘のように一軒の店に相当大衆が集まるということだけで相場が非常に乱調子になるということは、普通では、ないのではないかというふうに考えております。
#90
○小柳勇君 そういたしますと、大衆をその取引に参加させるという意味はどういうことでしょうか。
#91
○政府委員(大和田啓気君) 抽象的に申し上げて恐縮ですけれども、価格が公正に形成されるためには、需給の量が多ければ多いほど、私はいいというふうに申し上げられるだろうと思いますが、問題は、いままでの経験で申し上げますと、仲買い人あるいは外務員が非常に無理な買い入れをいたしまして、絶対にアズキの相場で損をさせないというふうに申したり、あるいは一人買売を取りつけたりして、大衆の売りと買いのいわば強弱の見方を非常に片寄らせるという事実は、私はある場合にはあったと思います。しかし、仲買い人あるいは外務員について適当な規制が行なわれた場合に、一人の優秀な店に相当なお客さんが集まるということだけで、私はまずい結果にはならないというふうに思っております。
#92
○小柳勇君 いまの国民大衆というものは、公正なる価格の決定に参加するということよりも、むしろ投機的な興味をもってこの取引所に参加しておるものと考えるわけですね。そういたしますと、まあその意義ももちろんありましょう。投機的なスリルもありますから、あるいは損する者もまたスリルがありましょうから、まあそういうもので、その勧誘が非常にうまい店があることによって片寄ることによって、相場に影響しないかという私は心配をするわけです。数学的には若干問題もありますけれども、と思うわけです。したがってそれはそれとして、相場に全然無知な主婦や国民が取引所の顧客となって、まあ午前中の説明によりますと、その店を繁栄させるためには、外務員が相当努力しなければならんわけですね。その努力して、いろいろな方法で努力されるわけですが、それがどういうふうな結果になるか、そうして国民をうまいぐあいに外務員が店にたくさん動員する結果がいいのか悪いのか。損するときもたくさん集まっておりますと、損の被害が多いわけですね。したがってそういうふうな大衆を参加させる意義というものをどんなものか、農林省は農林省としてお考えでしょうけれども、もう一回御説明願います。
#93
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、商品取引所に大衆が参加すること自体が、絶対悪いというふうには実は考えておらないわけで、ただ御指摘のように、全然商品取引所がどういうものであるか、あるいは商品の相場がどういうものかということを知らない人たちにまで、無理に不当な勧誘をして「絶対、相場で損をさせません」とか、あるいは「損をした場合には私の店で埋めます」とかいうことで勧誘して引き込んでいる事例があるために、年々相当な紛議件数がございますけれども、その紛議の中では、いま申し上げましたようなことで、たいへんな騒ぎになったことも間々あることでございます。で、私どもは、大衆が商品取引所に参加すること自体は悪いとは思いませんけれども、そろいう形で、いわば、やみくもに広告をし、あるいは宣伝をして、全然相場について知らない人を無理に巻き込むということだけはやめてもらいたい。そのために今回法律を改正して、取引員の資質を高めたり、あるいは外務員について相当の注文をつけたり、あるいは外務員の行動についても相当の規制をする次第であります。
#94
○小柳勇君 いまおっしゃった取引員の改善命令など、今度の法律に出ておりますけれども、これは亀田委員も質問しておりましたけれども、取引所を十分に監視するためには、皆さん通産省なり農林省の監督というものはたいへんではないかと思うんです。監督するだけの人員なり、あるいは時間なり、そういうものが現在の体制で十分であるかどうか、亀田さんもずいぶん心配しておりましたけれども、その点。それから改善命令の発動というものはどういう条件のもとで出るのか、改善命令を発動する場合、どういう具体的な条件があった場合に出るのか、御説明を願います。
#95
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、穀物商品取引所その他の監督をいたしておりますが、正直申し上げまして、取引所の監督に十分の人がそろっているというふうには申し上げられない状態でございます。しかし、年々少しずつ人をふやして、また、検査の技術と申しますか、技量と申しますか、知識をふやしまして、年々検査の成績をあげておる。ことしも来年毛係員の数をふやすようにいたしたいと考えております。
 なお、改善命令につきましては、検査の結果、純資産額が基準を割るというおそれのあるような事態で改善命令を出すことは当然でございます。
#96
○小柳勇君 一般論としては大体そういうところでありますので、きょうはあと次の委員に譲りまして、具体的な逐条の問題はあさっての質問に譲ることにいたします。
#97
○鈴木一弘君 最初に、穀物取引所の関係で伺っておきたいのですが、委託人と仲買い人との紛争が昭和二十六年ごろから非常に多くなって、それで、昨年あたりでは年間三百八十二件というような紛争が起きてきたのです。これが法改正の一つの要点になっていると思いますけれども、その根本的な原因は何にあったとお考えでしょうか。
#98
○政府委員(大和田啓気君) 紛議の件数が、穀物取引所関係で年々相当な数でございまして、三十九年のごときは五百件を多少こえる状態でございましたが、その後、私どもも、また取引所も、改善につとめまして、四十一年度におきましては、二割以上が滅っておるという状態で、少しずつは私ども改善に向かっておると思います。それで、なぜこのように穀物、特にアズキ関係で紛議があったかと申しますれば、昭和二十五年に取引所法を制定いたしましたときは、実は大衆参加がこのような形で行なわれるというふうには予測をしておらなかったわけでございます。したがいまして、当時の一般的な立法の傾向もございましたけれども、仲買い人の登録制でございますとか、その他、それほど行政庁あるいは取引所の監督が十分行なわれ得ないような状態であったわけでございます。その後、法律の若干の改正によりまして、多少の改善は行なわれましたけれども、この大衆が相当多くの数で参加するという新しい事態に応ずるような法律のたてまえにはなっておらなかったということが一つあろうかと思います。さらに、実態といたしまして、そういう法律のもとで、仲買い人の中で、資力、あるいは性格と申しますか、商売のしかたにおいて相当無理をする人たちがおったということも事実でございますし、残念ながら、一般に参加する一般大衆と申し上げますか、全然無知な人が、いわば商品取引所でアズキを売買すれば必ずもうかるというふうな――これは御当人さえしっかりしていれば、仲買い人やあるいは外務員からそそのかされても、そう大事な金を簡単に差し出すということもないわけでございますけれども、遺憾ながら、そういう人たちの口車に乗るという例があった。そういう法律のたてまえ、あるいは仲買い人の実態、一般大衆の責任というふうに私あえて申し上げるつもりはございませんけれども、そういう取引所で商売をすればもうかるという誤った考え、そういうものがいろいろ相集まってこういう紛議の実態をなしたというふうに考えております。
#99
○鈴木一弘君 先ほど小柳委員からも、商品の流通量に比べて売買ができ過ぎるというか、多過ぎるということで、公正な価格形成というものができない。これはいまの商品取引所法の一番最初に公正なるところの価格形成ということをうたっておられます。前にありました前橋の乾繭取引所のように、地元の人たちが平穏無事にやっていたところへ、急に大衆といいますか、ある仲買い人が入ったために、とうとう取引を停止しなければならぬ、また、生糸についても、横浜の生糸の取引所で、膨大な金額にまではね上がって取引停止処分ということになったという例がございます。そういうようなことがあったということから考えると、たとえ仕手の介入というものは除くことができるとしても、いまのように膨大なものがあるということになると、価格形成が十二分に期待できないのじゃないか。その点については、どういうようにお考えですか。
#100
○政府委員(大和田啓気君) なかなかむずかしい問題でございます。先ほど先生がお話しになりましたように、アズキを上場品目からはずしたらどうかとか、あるいはアズキについて供給量と取引土における売買の量とをある程度まで、二十倍とか三十倍とか、いろいろ御意見があるようでございますけれども、数量的に規制したらどうかという御意見があって、私どもも、実は、それらの御意見についてまじめに検討いたしておるわけでございますけれども、アズキのそもそも取引所へ上場いたしました経過を申し上げますと、いわば仲間取引が現実にございまして、もしもアズキを取引所の上場品目からはずすということになりましても、仲間相場というものが必ずできるわけでございます。その仲間相場に対していろいろな人たちがまた参加をして、政府として行政的に何もできないような状態において、やはりアズキについてのいわば一見取引所的な商いがあることは私は必至であろうと思います。したがいまして、役所の立場からいえば、上場品目からおろしますと、ある程度行政庁の責任がないかのごときことでありますけれども、実際問題として、私はそれによってアズキの問題は解決しないというふうに考えております。したがいまして、また何十倍というふうにかりに規制をいたすといたしましても、かりに二十倍あるいは三十倍というように規制をいたしますといたしても、実は年間を通じてアズキについての取引が問題になるのではございませんで、ある特定の時期に突如として問題になるわけであります。一定の時期に突如として問題になるときに、年間を通じて何十倍というような規制をすることが、実はそれほど意味を持たないというふうにも私思います。したがいまして、現在のところ、先ほど大臣からもお答えがございましたが、取引所の上場品目からはずすとか、あるいは倍率で取引量を規制することではなくて、そのときどきに、いわば相場が過熱して大衆が迷惑をこうむらないように、委託証拠金を引き上げるとか、場合によりましては資力の制限を相当厳重にするとかいう形で、私は具体的な措置として相場を冷やすことがいいのではないかという考え方を持っております。
#101
○鈴木一弘君 生糸の場合には、あれは安定法か何かで上限がきめられていると思いましたが、そういうことは考えられないかどうか。私はアズキだけを聞いているわけじゃないですけれども、いまのところはいいと思いますけれども、また供給量が少なくなる、またそこへ介入してくるということになると、生糸等は猛烈に輸出等にも影響してくると思います。その点についてはどうですか。
#102
○政府委員(大和田啓気君) 申しわけありませんけれども、蚕糸局長、きょう見えておりませんので、私からお答えいたさないほうがいいと思います。
#103
○鈴木一弘君 商品取引所法であるといえば、乾繭も生糸も入っておるわけですから、ちゃんと呼んでおいていただかぬと困る。
 これは先ほどの小柳さんの御質問の中にございましたけれども、いろいろ商品をさらにふやしたらと、それに対して、保存が困難であるとかいろいろ答弁があったのですが、私ども考えるのに、価格の形成ということになると、鉄鋼等は建て値制をとっておるわけです。大量の商品がある場合にはやったほうがいいというような意見であれば、当然あのような建て値制をとっているものは、私は商品取引に入れてもいいのではないか、鉄鋼が無理ならば、銑鉄であるとか、あるいは、そういうような原材料でもいいんじゃないかと思うが、国際的にも、すずの相場もあるのでありますが、その点の考え方を大臣お持ちではございませんか。
#104
○国務大臣(菅野和太郎君) 鉄鋼は直売が多いので、小口の取引が少ないから取引所の必要はどうかと思います。
#105
○鈴木一弘君 次に、最近倒産した仲買い人があるのですけれども、その件数、それから倒産の経過、委託者に対する補償について、また被害金額、そのほかいろいろあると思いますけれども、四十年あるいは三十九年等に倒産してだいぶ被害が出ておるわけですが、その点について詳しく言っていただけないでしょうか。
#106
○政府委員(熊谷典文君) まず統計的なことを申し上げますが、最近五ヵ年間におきまして、仲買い人の倒産件数は三十七件でございます。これは三十七年から四十一年までの五ヵ年間でございます。それから、それによりまして被害を受けました委託者の数は約二万人でございます。これは延べ数でございます。それから被害金額は約五十二億でございます。こういう金額に相なっております。
 それから倒産の原因でございますが、これは非常に経営規模を拡大しまして、非常に一般管理費等の経営費がかさんだというのが一つの原因でございます。それからもう一つは、過大な自己取引を行なって、それが思惑をはずれて損をした、こういうような、いわゆる能力以上に店の拡張をやったとか、あるいは放漫経営、こういうことが倒産の原因になっているようでございます。
#107
○鈴木一弘君 いま言われたような、いろいろの理由があるということはよくわかるのですが、過大な自己取引をやって、それをはっきりいえば、自己取引をやっていながら、自社の玉を売買しておきながら一自分のところのものでなくて、委託者から預かったものである、こういうようにやったものは、そのうちのどれくらいありますか。
#108
○政府委員(熊谷典文君) 私も全部過去の何ヵ年間について洗ったわけではございませんが、最近の例といたしましては、カネツ商事の事件がございます。
#109
○鈴木一弘君 カネツ商事のことについて、これは伺いたいのですが、国税庁が来ればもう少し聞きたかったのですが、これはあとに回しておきたいと思います。
 その例産の原因がいろいろあるのですが、なかなか監督指導というものは容易でないということが言われておるわけですけれども、その監督指導の困難というのは、どういう点にあるのか、特に自社の玉を売買しながら、委託者のものであると言って脱税なんかやっているということになると、これは国の損であるばかりでなく、委託者にも不安を与えるということになってまいりますし、そういうようなところで、相当しっかりした指導監督というものは必要であろうと思います。その、何が困難なのか、どういう点でむずかしいのか、伺いたいと思うのですが。
#110
○政府委員(熊谷典文君) 従来御承知のように、いろいろわれわれは重点的な検査をやっております。それで、大体自己取引が多いというような場合は、やはり経営が悪化するということになるわけでございまして、これをもう少し早期に発見することができれば一番いいわけでございますが、検査をいたしましても、仲買い人のほうで自己売買を、売買の損を差金勘定に入れてしまうというような、いわゆる経理のやり方をやられますと、なかなか発見できない。それからまた、経理が悪化しているのではないかということでいろいろ調査してみますと、まあそういう場合に、不良債権、回収できないような債権がございますが、それを回収可能とするというような問題もあるわけでございまして、なかなかいわゆる粉飾経理というものは、よほどの専門家でも発見できないのが実情でございます。したがいまして、今後われわれのほうといたしましては、そういう自己取引にからむいろいろの問題を究明いたしますためには、今度の改正でも、委託者からもいろいろの報告をとり、それと仲買い人の報告を照合できるようなひとつ措置をとったわけでございますが、それと同時に、やはり一番弊害がございます向かいバイカイというようなものを禁止したらどうか。これは全面禁止はできないと思いますが、できるだけそれを押える、そういうようなことで実効をあげていく方法をとったらどうかというようなことも考えております。それから非常に過大な自己売買が行なわれます場合は、何か今後、定款等によりまして、これを自主的に規制できるような方法はないものだろうかということで、これは取引所で今後研究していただく、こういうことを考えておるわけでございます。なかなか行なった後にそれを発見するということはむずかしいことでございますので、事前にそういうことがあまり過度にわたらぬように、事前指導なり事前の規制を考えてみたいと、このように考えておる次第であります。
#111
○鈴木一弘君 粉飾経理等があって、非常にむずかしいということですけれども、そうなると、今回の法改正だけでは、仲買い人の倒産防止ということは完全にはできない。そうすると、委託者に対して被害の及ぶことを防ぐことはとうていできない、相当不十分な改正であるということになるわけですな。
#112
○政府委員(熊谷典文君) 検査の結果、なかなか経理の問題でございますので、これを発見いたそうといたしますと、非常に手間ひまかかる、こういう問題は確かにございます。しかし、これは私どもとしては先ほど申し上げましたように委託者からも報告をとれることになりましたので、その点は発見しやすくなった、突っ込みやすくなった、こういうことは言えると思います。しかし、これには限度がございます。そういう意味で、先ほど来問題になっておりますように、根本的には仲買い人の許可制をしきまして、純資産額を引き上げる資格要件を厳重にする、こういうことを考えているわけでございます。それと同時に、先ほど申し上げましたような自己売買というものについてある程度規制を考えていく、こういう措置をあわせまして倒産防止に資してまいりたい、そういうことをやりますと、私は倒産防止というのは相当、これは少し時間はかかると思いますが防げる、かように考えておる次第でございます。
#113
○鈴木一弘君 現在の仲買い人の制度、これは登録ということになっておりますね、今度は変わってまいりますけれども。西ドイツ等では商業登記簿に登記されている商人組合に限るというようなことになっているわけです。現行法の当事者主義ということになっているということから考えると、これは当然不良の仲買い人を防止するとかなんとかということになりますと、いまの西ドイツのようなことを考えなければならないのではないかと思われるわけですが、その点はどうですか。
#114
○政府委員(熊谷典文君) 先ほど来問題になっておりますように、仲買い人なり会員の資格につきましては、財産的基礎はもちろんでございますが、やはりこういう面について知識経験がある方、そういう一つ要件をつけたわけでございます。したがいまして、そういう面におきましては、弱い強いの問題はあろうかと思いますが、ドイツで商人登録簿に記載された者でなければならぬ、そういう意味合いにおきましては、大体私は同じである。ただドイツと違います点は、ドイツにおきましてはさらに委託者、いわゆる一般大衆といいますか、そういう者も資格が要る、こういうことになっているわけでございまして、その点は、日本においては委託者の資格要件はございません。その点が違うわけでございまして、会員組織あるいは仲買い人組織という点においては、ドイツと程度の差はあろうかと思いますが、大体考え方は同じである、かように御了解願いたいと思います。
#115
○鈴木一弘君 一番根本的な問題は、私は前に予算委員会でもやったことがありますけれども、専業仲買い人の大衆勧誘ということが、根本の問題だったわけですね。結局、証拠金流用ということが最大の魅力である、それがいろんな問題になって今回の改正になって分離保管ということになって、それから二分の一ということにもなってきたわけでございますけれども、実際問題として、二分の一としても不正がなくなるというふうに考えられるかどうか、これが一つです。
 それから、現在の商法でもそうですが、この証拠金には、書面による同意を得なければ流用できない、こういうことになっておりますけれども、片方の委託者から見ると、ほんのちょこちょこっと書いたところへ一緒に判こを押したようなことになってしまって、何をやったかわからないけれども許可してしまったということになっているわけです。そういうことから見れば、書面で同意を得ても、本人が意思があったかどうかわからないということが多いわけです。それが私はそんなつもりではなかったということがかなりある。その点について、よほど気をつけていかなければならないと思うんですが、これの九十二条はそのままだと思いましたけれども、その流用というものをかなりきちんと防止できるようなというか、きちっと同意を得ているというような、そういうようなことをはっきりとこれからやらなければいかぬと思うんですが、その辺のところが、書面によるといっても、書面のその形式がどうこうというわけではございませんで、どうしても本人が知らないうちになるということが多いわけです。その点の防止策を伺っておきたい。この二点です。
#116
○政府委員(熊谷典文君) 第一点の御質問は、分離保管をするのだが、二分の一で十分であろうかという御質問であろうかと思います。前回もお答え申し上げたわけでございますが、一〇〇%分離保管ということも、考え方としては考えられるわけでございますが、仲買い人といたしましては、委託証拠金の中から売買証拠金を取引所に積み立てなければならぬ。これが大体二割程度でございます。それから、その委託証拠金の中から種々のやはり立てかえ払いをしなければならぬ、これが三割程度ございます。これはもちろん平均を申し上げるわけでございまして、仲買い人の実情によって相当の差がございますが、平均的に申し上げますと、そういう五割以上のものは、そういう面に金が要る。したがいまして、われわれとしては、いまの実態から見て、無理なく一つの目標としてやり得る分離保管の率は二分の一である、こういうように考えたわけでございます。もちろん、これもできない業者が相当私は現実問題としてはあろうかと思います。そういう意味で経過規定をつくりまして、三年間の間に二分の一までは持っていく、こういう措置をとったわけでございます。そこで残りの五割の問題につきまして、委託者の同意を得ずにかってにやらすのはおかしいじゃないか、こういう御質問だろうと思いますが、従来からも、この点は指導によりまして、消費者といいますか、委託者の完全なる同意を得るような指導をいたしております。今後もなおこれを徹底いたしますために、今後そういう同意を得るとか、あるいは契約自体をする場合に、単に書類をつくって判を押さすというようなことでなしに、十分やはり判を押すほうも理解して押していただくというところまで持っていきたい、それがための方法といたしましては、これはなかなかすべてにやるわけにはいきませんが、先ほど申し上げましたように、今度の改正は委託者からもその報告がとれる、正式にとれる、こういう形をとっております。そういうことによりまして委託者のほうで、私は知らずに押しましたというようなケースがございましたらば、その仲買い人に、そういうことでは困るではないかというようなことで業務改善命令を出すとか、いろいろな措置が付随してとれる、そういうようにいたしまして、おっしゃる点は可能な限り、これを励行さすということにつとめてまいりたい、かように考えておるわけであります。
#117
○鈴木一弘君 いまのそれでわかりましたが、委託者の報告がとれるといっても、実際問題として、投書や何かがあったり、苦情がなければとれないだろうと私は思います。政府側としても人数が少ないでしょうし、調べようがないですし、そういうところから考えても、これはよほど心してやってもらわなければたいへんなことになる。それからいま一つは、証拠金を流用して、その上、仲買い人が経営が行き詰まった、そういうことから考えても、私も、証拠金はいま全額やったほうがいいというふうな仲買い人もいるわけです。そうすると、全額分離保管すべきじゃないか、全額分離保管ということができなければ、全額分離保管をする場合も、午前中の参考人からも言われておりましたけれども、清算会社をつくるとか、信託会社をとか銀行を利用するとか、そういうようなことは考えられないかどうか。
#118
○政府委員(熊谷典文君) この分離保管の率が、仲買い人の資力の向上によりまして、できるだけたくさんにできるということは、私は望ましい方向であろうと思います。私どもとしても、そういうことを今後仲買い人の資産向上とあわせて、将来の目標としてはだんだん考えていきたい。それで仲買い人で五〇%といいますのは最低限のものでございますので、それ以上のものができるものについては、そういうようにしていただくように指導してまいりたい、かように考えております。
 それから、そういう問題に関連いたしまして、清算会社をつくったらどうかという御議論がけさほど来ございますが、この問題は、アメリカの清算会社といいますのは、いわゆる金融機能をやっております。それと同時に取引所における取引の保証機能、担保機能もやっております。したがいまして、日本でいいますといまの代行会社とそれから売買証拠金というもの、さらに分離保管を合わせた、こういう三つの機能をやっておるような機構でございます。将来の方向として、こういうものがある程度望ましいということは、われわれも理論的にはわかるわけでございますが、これをつくります場合は取引所の根本的なあり方の問題、あるいはいわゆる流用金融をどうしていくか、この代行会社を吸収するわけでございますから、それの金融をどうしていくかという非常に広範囲な問題にぶち当たるわけです。そういう問題につきましては、残念ながら時間がございませんでした。委託者の保護ということをまずやらなければいかぬ問題が起きたので、やらなければという差し迫った問題がございましたので、今回の改正はそういうものを中心に考えさしていただいたわけでございますが、将来の問題としては、方向としては私どもは十分に研究してまいりたい、かように考えております。
#119
○鈴木一弘君 いままでの法律の運用でも、結局言を左右にして証拠金を返さぬというのがあったわけです。それで再三やりましたところが、いわゆる外務員のミスであってわれわれは関知しないという仲買い人が多いわけですね。そういうのでやって、最終的には政府のほうの、これは農林省のほうの関係だったですけれども、戻ってきたことは戻ってきたけれども、十分の一しか戻ってこなかったという状態があったわけです。本人は全然知らなかったというようなことになっておる。そういうような事件が起きるということ、これは今度の法改正でそういうものが完全にストップになるというなら問題ないですけれども、まだまだそれが残っている心配がある。その点、ただそれが委託者からの訴えによる、あるいは報告によって、また調査によってのみ対処するというのでは、本来の目的というものは完全には達成できないのではないか。先ほどは穀物取引所の関係で紛争が二割減ったというけれども、二割減っても三百件以上、四百件近くあるわけです。そういうことから考えると、これは一日に一件以上起きているわけですから、この点潜在している紛争を考えたらもっとあるわけです、これは普通の処理だけでは私はいかないんじゃないかという感じがする。この法律だけの改正では、はたしてできるかどうか、そこのところは特にアズキ関係が多いと思いますので伺っておきたいのですが。
#120
○政府委員(大和田啓気君) 私ども、今度の法律によって、それだけで紛議が一ぺんに解決するというふうに簡単に考えておりません。これは従来も取引所を相当私のほうで指導もいたしましたし、取引所自体も相当努力して、ただ取引所は中立の関係にいてさばくということだけでなく、相当積極的に紛議の中に入って、ある場合には取引所から相当の金を出したりして、紛争の解決に当たっているわけでございます。私ども、今度の法律の改正によりまして、仲買い人あるいは仲買い人が取引委員となって資質の向上がはかられ、資産も充実し、また外務員の資質が向上することが一つと、もう一つは、やはり何といいましても、無理な広告宣伝をして、全然知らない人を商売に引き込むということを防ぐことが第一であろうと思います。また、私どもも監査を厳重にするばかりでなしに、取引所の監査権を認めまして、取引所自体の指導監督も今後十分やってまいるわけでございますから、私どもやり得る限り、いろいろな手段を講じて、紛議ができるだけ少なくなりますように、あるいはなしに済ますことができますように、今後とも努力をいたしたいと思います。
#121
○鈴木一弘君 アズキの問題はまだありますけれども、これは時間の問題もありますので、この次のときにさしていただきます。
 蚕糸局長来ておりますので伺いたいのですが、前橋の乾繭の相場がずっと高騰いたしたことがあります。通常の業者間の集まりではなくて大手の者が入ってきたというので、取引停止までなったことが前にあったと思うのです。また生糸についても、横浜生糸取引所でも同じような事件があった。それが輸出に対してすごい影響を与えたということは、御存じのとおりだと思いますけれども、先ほど質問しましたのは、商品の流通量に比べて売買が多過ぎるということに問題がある。そうなると真実の価格形成ができないんじゃないか。その点について、いわゆる生糸あるいは乾繭というような面についてはどうお考えになるのか。特にこれがいまのようにアズキのように騒がれていないだけにわかりませんけれども、そういう潜在している力はあると思うんですね。上限一ぱいの値段までいってしまうということもありますので、その点どうですか。
#122
○政府委員(石田朗君) ただいまお話がございました点でございますが、実は生糸の価格につきましては、特別会計及び事業団におきまして、一つの安定帯価格を設定しまして、できるだけその中におさめてまいりたい、こういうことを考えておるわけでございます。これは生糸の買い入れ、売り渡しという現物操作によりまして、できるだけここにおさめてまいるということをねらっておるわけでございます。一面におきまして、生糸及び乾繭の取引所につきましては、これは一つの自由流通の中におきまして、あるいは価格の適正な形成、あるいは平準、あるいはつなぎ保険の機能というような面から、一つの役割りを果たしておるわけであります。この場合に、これで過当投機に走りまして、それによって価格の混乱を起こす、こういうことは避けられなければならないことは、お説のとおりであります。これにつきましては、ただいまお話がございましたように、乾繭の問題は昭和三十四年の事件だと思います。それから生糸につきましては、若干問題がございましたのは、三十八年のことでございます。それ以後も、私ども取引所当局に対しましても十分な監督を行ない、十分に取引所との間にも連絡をとりまして、たとえば、昨年におきましても、かなり値が高値に推移し、いろいろ問題をあるいは起こしはしないかという問題がございました。たとえば生糸につきましては、九次にわたりましてこれに対する規制を強化いたしまして、過当投機に走りませんように、これは取引所当局の協力を得まして、そういう措置を実施してまいっております。今後ともこのような取引所機能の有効な利用をはかりつつ、しかもこれが過当投機に走り、あるいは仕手が介入して不都合なことが起こりませんように、十分なる監督をいたしてまいりたいと思います。ここ一年ばかりの間を顧みますと、かなり高値に推移いたしておりますけれども、取引所による過当投機が、これに対する混乱を起こすという事態はないように私ども考えております。
#123
○鈴木一弘君 その点よくわかりました。ただ、前にあった――これはもう一つ通産側に聞きたいんですが、毛糸の問題でございますけれども、毛糸のいまの種類は何種類でしたか忘れちゃいましたけれども、一つか二つだろうと思いました。これをさらにふやしたいという意向が前にあったわけでございますけれども、それはどういうふうになりましたか。
#124
○政府委員(熊谷典文君) いま標準品は四十八番手一種類でございますが、私どもの考え方としては、業界としてもし希望があるならば、種類をふやすということは検討してまいりたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#125
○委員長(鹿島俊雄君) この際、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 ただいま議題といたしております本案について、農林水産委員会からの連合審査会開会の申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日のところこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時四十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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