くにさくロゴ
1967/06/15 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第11号
姉妹サイト
 
1967/06/15 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第11号

#1
第055回国会 商工委員会 第11号
昭和四十二年六月十五日(木曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     亀田 得治君     竹田 現照君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     大矢  正君     亀田 得治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                柳田桃太郎君
                阿部 竹松君
                上原 正吉君
    委 員
                宮崎 正雄君
                亀田 得治君
                小柳  勇君
                近藤 信一君
                椿  繁夫君
                鈴木 一弘君
                向井 長年君
   国務大臣
       通商産業大臣   菅野和太郎君
       国 務 大 臣  二階堂 進君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      小林 貞雄君
       科学技術庁原子
       力局長      村田  浩君
       法務省民事局長  新谷 正夫君
       通商産業政務次
       官        栗原 祐幸君
       通商産業省企業
       局長       熊谷 典文君
       通商産業省繊維
       雑貨局長     乙竹 虔三君
       通商産業省鉱山
       局長       両角 良彦君
       中小企業庁長官  影山 衛司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       国税庁調査査察
       部長       田代 一正君
       農林省農林経済
       局参事官     内村 良英君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定繊維工業構造改善臨時措置法案(内閣送
 付、予備審査)
○石油開発公団法案(内閣送付、予備審査)
○中小企業振興事業団法案(内閣送付、予備審
 査)
○原子力基本法の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○動力炉・核燃料開発事業団法案(内閣送付、予
 備審査)
○商品取引所法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について御報告いたします。
 昨日、亀田得治君が辞任され、その補欠として竹田現照君が選任されました。また、本日、大矢正君が辞任され、その補欠として亀田得治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、特定繊維工業構造改善臨時措置法案、石油開発公団法案、中小企業振興事業団法案、以上三案を便宜一括して議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。菅野通商産業大臣。
#4
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま御提案になりました法案について御説明を申し上げます。
 まず、最初に特定繊維工業構造改善臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 わが国の繊維工業は、国民の衣料及び生産用資材を供給するとともに、多額の輸出を行なうことにより国民経済全体の発展に大きな役割りを果たしてきた重要産業であります。しかるに、最近わが国の繊維工業を取り巻く内外の経済的環境は、一段ときびしさを加えるに至っているのであります。すなわち、国内におきましては、若年労働者を中心とする労働力需給の逼迫と、これによる賃金の急上昇によって労働集約的産業である繊維工業の存立の基盤に重大な影響を与えかねない情勢になっており、また、複合繊維化の進展は、従来の繊維工業の供給構造に変革をもたらそうとしております。
 外国に眼を転じますと、発展途上国における繊維工業の目ざましい発達によって、従来、海外市場において圧倒的地位を誇っていたわが国の繊維製品が次第に後退を余儀なくされつつあります。この間にあって先進諸国によるその繊維工業の構造改善策が相当の効果をおさめつつあることは、一方では、わが国にとって楽観が許されないできごとでありますとともに、他方、わが国繊維工業の構造改善の早期実施に対する教訓を与えるものと申せましょう。
 ひるがえって、わが国の繊維工業は、過去十数年にわたって公的規制のもとに置かれてきたのでありますが、この間において、企業数の過多、企業規模の過小と設備過剰の事態は改善されず、依然として過当競争を繰り返し、このため収益力の低下により近代化投資の著しい遅延をもたらし、これが国際競争力を低下させるという悪循環におちいっています。
 繊維工業に見られるかような事態は、国民経済全体の立場から見て放置し得ないものであり、早急にその国際競争力の強化をはかるため、その構造改善対策を早急に樹立すべく、一昨年十二月に通商産業大臣の諮問機関である繊維工業審議会及び産業構造審議会に対し、「繊維工業の構造改善対策はいかにあるべきか」との諮問をし、その後両審議会において鋭意審議が行なわれた結果、昨年九月には、特に対策実施の必要性が大きく、業界のこれに対する熱意が旺盛であり、かつ、対策についての準備の整いつつある紡績業及び織布業についての答申を得ることができたのであります。その後、政府といたしましては、この答申の趣旨を尊重し、必要な施策の内容及びこれに対する助成措置について鋭意検討を加えました結果、昭和四十二年度を初年度として、ほぼ答申の趣旨を体した施策を実施するのに必要な予算等の措置を講ずることとなりました。これにあわせ、この施策を実施するのに必要な法律的裏づけを得るため、特定繊維工業構造改善臨時措置法案を作成し、提案することとなった次第でございます。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。第一は、その対象業種としては、繊維工業の中心的業種である特定紡績業、すなわち綿糸、スフ糸、合繊糸及び混紡糸を製造する紡績業と特定織布業、すなわち綿スフ織布業及び絹人繊織布業としていることであります。
 第二は、特定紡績業の構造改善について、通商産業大臣が設備の近代化、生産または経営の規模の適正化、過剰設備の計画的な処理、その他構造改善に関する事項について特定紡績業構造改善基本計画及び毎年の実施計画を定めるものとしているのであります。そして、政府はこの実施計画に定める設備の近代化等の事項に関し資金の確保につとめ、また基本計画に定める過剰設備の処理に関し課税の特例を認めることとし、一方その施策を講ずるにあたり関連労働者の職業の安定につき配慮するものといたしております。
 第三は、特定紡績業の構造改善に関する措置のうち、過剰設備の計画的な処理に関しましては、通商産業大臣が特定紡績事業者に対し、その特定精紡機の繊維工業構造改善事業協会への一括売り渡し等に関する共同行為を指示することとし、さらに、共同行為の指示の後、特に必要ある場合には、特定精紡機の処理に関する命令をすることができるものとしているのであります。
 第四は、特定織布業の構造改善について、特定織布業商工組合がその地区内の組合員の設備の近代化及びこれに伴う設備の処理、生産または経営の規模の適正化等の構造改善に関する事業の実施のため特定織布業構造改善事業計画を作成し、通商産業大臣の承認を受けることができるものとしているのであります。そして、政府は、承認を受けた計画に従って実施する事業について資金の確保につとめ、設備処理の事業につき繊維工業構造改善事業協会を通じて補助金を交付することができるものとし、また、特定織布業商工組合の構造改善準備金への積み立てに関し課税の特例を認めることとし、一方、その施策を講ずるに当たり関連労働者の職業の安定につき配慮するものといたしております。
 第五は、繊維工業構造改善事業協会についての規定であります。協会はこの法律に基づき、業界関係者、関係都道府県知事及び学識経験者が発起人となって定款を作成し、通商産業大臣の認可を受けて、一を限って設立されるものであり、協会の資本金は、設立の際等に政府が出資する金額をもって構成するものとしているのであります。
 次に、業務に関しましては、協会は特定紡績業における過剰設備の処理のための特定精紡機の買い取り及び廃棄、特定紡績業及び特定織布業の事業廃止者からの設備の買い取り及び廃棄、特定紡績業にかかる納付金の徴収、特定織布業構造改善事業に必要な資金調達をはかるための保証及び融資、その他構造改善に関する業務を行なうものとしているのであります。協会の業務のうち特定織布業構造改善事業に必要な債務保証及び融資の業務に関しましては、政府からの出資金及び特定織布業商工組合からの出指金によって構成される信用基金を設けることとしております。また、協会は特定紡績業における過剰設備の買い取り及び廃棄または特定紡績業の事業廃止者からの買い取り及び廃棄の費用に充てるため特定紡績事業者から納付金を徴収することができるものとし、その徴収につきましては、強制徴収ができるものとしているのであります。さらに協会の監督につきましては、その業務の公共的性格から通商産業大臣が監督するものとしているのであります。
 第六は、この法律の廃止につきましては、構造改善対策が五年間にわたって実施されることと関連して、昭和四十七年六月三十日までに廃止することとしているのであります。
 第七は、本法律の附則により繊維工業設備等臨時措置法の一部改正を行なおうとすることであります。繊維工業設備等臨時措置法は、繊維工業の合理化等をはかるため、過剰設備の廃棄の促進等に必要な措置を講ずることを目的として昭和三十九年に制定施行されたものでありますが、今回繊維工業の構造改善の円滑な実施を確保するため、昭和四十三年九月限りで失効する同法の期間を昭和四十五年六月まで延長すること、昭和四十二年九月限りで統合される精紡機の区分制を従来どおり維持することと、第四号の区分に登録された精紡機の一定比率の廃棄を条件としての第一号の区分への変更登録を認めること、過剰精紡機の格納の延長等の改正を加えることとしているのであります。
 以上御説明申し上げましたように、繊維工業の経済的諸条件の著しい変化にかんがみまして、特定繊維工業の構造改善をはかるため、特定繊維工業につきまして、設備の近代化及び生産または経営の規模の適正化の促進、過剰設備の計画的な処理等のための措置を講じようとすることが、本法律案をここに提出する理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げす。
    ―――――――――――――
 次に、石油開発公団法案について、その提案理由と法案の概要について御説明申し上げます。
 エネルギー革命の進展と経済の著しい発展に伴い、石油の重要性が近年とみに高まりつつあることにつきましては、御高承のとおりでございます。すなわち、石油は現在すでに全エネルギー供給の大宗を占めるに至っておりますが、さきの総合エネルギー調査会での検討によれば、昭和六十年度には、その比重は、七五%程度まで高まることが推定されております。したがいまして、今後この重要な石油の供給をいかに確保していくかは、わが国エネルギー政策の最も重要な課題の一つであると申しても過言ではないと存ずる次第であります。
 ひるがえって、わが国の石油供給の現状を見ますと、資源的な制約などもあって、自主的な供給源がきわめて乏しく、その必要量のほとんどを外国に依存している状況にあります。このため、供給源が中近東に相当に偏在する等種々の問題を内包しており、低廉かつ安定的な石油供給の確保の見地から、あるいは自主的なエネルギー政策遂行の上から、きわめて大きな問題があると申さざるを得ません。
 かかる現状にかんがみますと、長期的な観点から事態の好転をはかるため、わが国自身の手による石油開発を強力に推進し、自主性のある石油供給源を確保することが喫緊の要務であります。加えて、特に海外石油開発の推進は、将来の膨大な石油輸入に伴う外貨の節約にも資し、かつ、発展途上国の経済協力にも寄与するところ大なるものがあると考えます。
 政府といたしましては、このような見地から、これまで、国策会社石油資源開発株式会社に対し探鉱資金を供給する等、石油開発の推進につとめ、民間の努力と相まって、相当の成果を上げてまいっております。しかしながら近年におけるわが国の石油需要の急激な増大と、最近における産油地域での諸外国の活動の活発化を考えますと、この際、わが国として計画的かつ一元的な石油開発体制を確立し、国の総力をあげて従来にも増して強力に石油開発を推進することがきわめて必要であると痛感されます。このためには、いわば石油開発の推進母体ともいうべき機関を設置し、総合的な視野のもとに、石油開発企業に対する投融資等の業務を行なわせることが最も適切な方策であろうと存じます。
 かかる趣旨にかんがみ、この法律案は、石油の探鉱に必要な資金の供給その他石油資源の開発に必要な資金の融通を円滑にする等のために必要な業務を行なう石油開発公団を設立し、これに対し国が出資を行なう等所要の措置を講ずるとともに、必要な監督を行なおうとするものであります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。第一に、石油開発公団は、前述いたしました観点に立ち、石油資源開発株式会社の機構、機能を大幅に改組して発足するものであり、計画的かつ総合的に海外石油探鉱事業に対する出資及び資金の貸し付け、海外石油開発事業にかかる資金についての債務保証、石油探鉱機械の貸与、石油、天然ガスに関する基礎的な調査等の業務を行なうことといたしております。
 第二に、昭和四十二年度におきましては、これらの業務に対しまして、産業投資特別会計から四十億円の出資を行なうことを予定いたしております。
 第三に、役職員など公団の組織に関すること、予算、決算その他の財務及び会計に関すること、公団の業務についての通商産業大臣の監督等について規定しております。
 第四に、石油資源開発株式会社の石油開発公団への移行に伴い、その移行の円滑化等につきまして必要な規定を設けております。
 以上、この法律案の提出の理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 最後に、中小企業振興事業団法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
 申し上げるまでもなく、中小企業は、わが国経済においてきわめて重要な役割りを果たしておりますが、最近の中小企業をめぐる経済環境は一段ときびしさを増しており、外にあっては資本取引自由化の要請、発展途上国の進出等による国際競争の激化、内にあっては労働需給の逼迫や産業再編成の影響等、激動する内外の経済情勢に対処するため、わが国の中小企業は画期的な構造改善を迫られております。
 政府といたしましては、中小企業の構造改善を促進するため、従来から各種の施策を実施してまいりましたが、このような最近の経済情勢の変化.に対処して、わが国の中小企業をより一そう振興するためには、中小企業の構造改善を推進するための指導と助成を有機的かつ総合的に実施する専門的な機関が必要であると考えられます。中小企業振興事業団は、このような要請にこたえるため、現行の中小企業高度化資金融通特別会計と特殊法人日本中小企業指導センターを発展的に解消し、両者を統合して一つの総合的な機関とするものであります。
 次に、本法案が規定する中小企業振興事業団の概要を御説明申し上げます。まず事業団の資本金としましては、一般会計からの出資金約百四億円のほか、中小企業高度化資金融通特別会計の貸し付け金債権等約百四十億円と、日本中小企業指導センターへの出資金約六億円を引き継いで、合計で約二百五十億円を予定しており、役員は理事長以下七名を予定しております。
 次に、事業団の業務といたしましては、中小企業の構造改善を促進するために必要な事業を総合的に行なうこととしておりますが、これを法案に即して御説明いたしますと、まず第一は、指導事業であります。中小企業の構造改善を促進するためには、大企業の場合と異なり、何よりも親身になって相談に応じ、適切な助言を行なうことが大切であります。事業団は、都道府県と協力して中小企業者の依頼に応じて必要な指導を行なうこととしております。
 第二は、資金の貸し付けあるいは施設の譲渡事業であります。事業団は、都道府県の助成を前提に、都道府県と協力して中小企業者の事業の共同化、協業化を中心とする構造改善事業あるいは織布業が産地組合を中核として行なう設備の近代化、企業の集約化等の構造改革事業に対して長期、低利の資金の貸し付けを行なうとともに、さらに中小企業者の依頼に応じてこれらの事業に必要な施設の分割譲渡を行なうこととしております。
 第三の事業は研修事業であります。企業の発展をささえるものは、何よりも人でありまして、本事業団は、中小企業の経営管理の合理化や技術の向上をはかるため都道府県の指導担当者を養成するとともに、中小企業者またはその従業員に対する研修にも力を注ぐこととしております。事業団は、以上の業務のほか、これらの各業務を行なうための基礎となる中小企業に関する情報の収集や調査研究を行ない、その成果を広く中小企業者に普及する事業も行なうこととしております。
 本法案は、さらに事業団の借り入れ金や債券の発行等の会計に関する規定を置くとともに、附則におきまして、中小企業近代化資金等助成法、中小企業指導法、その他の関連法律につきまして所要の改正を行なうこととしております。
 なお、最後に、本事業団の監督は、通商産業大臣が責任を持って当たることとしております。
 これが、この法案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、原子力基本法の一部を改正する法律案、動力炉・核燃料開発事業団法案、以上両案を便宜一括して議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。二階堂科学技術庁長官。
#6
○国務大臣(二階堂進君) 原子力基本法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 原子力基本法の制定以来十年余を経た今日、わが国の原子力の研究開発はようやくその基盤が整備され、原子力発電もその緒につく等、実用化の段階を迎えようとしております。ここに、わが国における原子力発電の一そうの進展をはかり、エネルギーの安定的かつ低廉な供給を確保するとともに、わが国全般の技術的水準の向上及び産業基盤の強化をはかるため、新しい動力炉の自主的な開発が目下の急務となってまいりました。このような観点から、この新しい動力炉の開発を国のプロジェクトとして強力に推進するため、関係方面の総力を結集して総合的、計画的にこれを進める中核機関として、別途御審議をお願いすることとしている動力炉・核燃料開発事業団を設立することにいたしました。
 なお、従来原子燃料公社が行なってきた核燃料関係の業務が動力炉開発と有機的に関連するものであることをも考慮し、これを新事業団に承継させることとし、原子燃料公社は解散することにいたしました。このような趣旨から、開発機関等に関し原子力基本法を改正することが必要となったのであります。
 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。まず、改正点の第一点は、原子力の開発機関として、新たに設立される動力炉・核燃料開発事業団に関する規定を置き、原子力基本法上その設立の根拠を明定するとともに、従来の原子燃料公社に関する規定を廃止することであります。
 改正点の第二は、特許法の改正に伴いまして、特許法の引用条文を改めるなど規定の整備を行なうことであります。
 以上、本法案の提案の理由及びその要旨を御説明申し上げました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
    ―――――――――――――
 次に、動力炉・核燃料開発事業団法案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 原子力発電は、経済性向上の見通し、外貨負担の有利性及び供給の安定性等の面から、今後わが国経済の成長をささえる大量のエネルギー供給の有力なにない手となるものとして、その開発の促進が強く要請されています。
 わが国における原子力発電は、ここ当分の間は、現在すでに経済的、技術的に実証されている軽水炉がその主流を占めるものと考えられますが、資源の乏しいわが国といたしましては、今後予想される核燃料所要量の増大傾向にもかんがみ、核燃料の安定供給と有効利用をはかるため、より効率的な動力炉を自主的に開発することが、エネルギー政策上の重要課題となっているのであります。また、この新しい動力炉を自主的に開発することは、産業基盤の強化及び科学技術水準の向上にも多大の貢献をすることが期待されているものであります。このような観点から新しい動力炉として高速増殖炉及び新型転換炉の開発を国のプロジェクトとして、強力に推進することとしているのであります。しかも、この開発は、わが国にとりまして、かつて経験したことのない新しい分野における大規模な事業であり、これを成功させるためには、政府はもちろん、学界、産業界等をはじめとする国の総力を結集してこれを推進することが必要であります。このため関係各方面の総力を結集する中核機関として新たに動力炉・核燃料開発事業団を設立し、これを積極的に推進しようとするものであります。
 さらに、この新しい事業団の設立に伴いまして、原子燃料公社の業務の主体をなしております核燃料開発関係の事業は、この新しい動力炉の研究開発と密接な関連を有するものであり、一つの事業主体が総合的に実施することが、研究開発の効率的な遂行を確保するゆえんであると考えましたので、ここに原子燃料公社を解散することとし、その業務を全面的に新しい事業団が承継して行なうことといたしました。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。まず第一に、この事業団は、すでに申し上げましたように高速増殖炉及び新型転換炉という新しい動力炉の開発並びに核原料物質及び核燃料物質の探鉱、生産、再処理等を計画的かつ効率的に行ない、もって原子力の開発及び利用の促進をはかることを目的として設立されるものであります。
 第二に、事業団の資本金でありますが、設立に際しまして、政府が出資する二億円と従来政府から原子燃料公社に対し出資されておりました金額及び民間からの出資との合計額を資本金として、この事業図は発足するものであります。このほか、将来必要に応じまして資本金を増加することができるようにいたしております。
 第三に、事業団の業務といたしましては、高速増殖炉及び新型転換炉に関する開発及びこれに必要な研究を行なうとともに、これに関する核燃料物質の開発及びこれに必要な研究、核燃料物質の生産、保有及び再処理、核原料物質の探鉱、採鉱及び選鉱を行なうこととしております。なお、事業団は、その業務を行なうにあたりましては、政府関係機関及び民間と密接に協力し、それらを活用していくことが必要でありますので、内閣総理大臣の認可を受けて定める基準に従いまして、その業務の一部をこれらの者に委託することができることとしております。
 第四に、事業団の機構につきましては、役員として、理事長一人、副理事長二人、理事八人以内及び監事二人以内を置くとともに、非常勤理事及び顧問の制度を設けまして、関係各界との円滑な協力関係を保って国の総力を結集することとしております。
 なお、事業団の業務の運営につきましては、特に動力炉開発の業務は長期にわたる大規模な事業でありますので、内閣総理大臣が定める基本方針及び基本計画に従って計画的にその業務を行なうこととしてあります。
 第五に、動力炉開発関係の業務と再処理関係の業務に関しましては、その性格の特異性にかんがみ、それぞれその他の業務と区分して経理を行なうこととしております。
 第六に、事業団の監督は、内閣総理大臣がこれを行なうこととなっておりますが、この法律に基づいて認可または承認等をする場合におきまして関係ある場合には大蔵大臣に、動力炉開発業務等につきましては通商産業大臣にあらかじめ協議することとなっております。
 第七に、この事業団の設立と同時に現在の原子燃料公社は解散し、その一切の権利義務は、事業団が承継するものといたしまして、所要の経過措置を講ずることといたしました。
 その他、出資証券、財務及び会計等につきましては、他の特殊法人とほぼ同様の規定を設けております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(鹿島俊雄君) ただいま説明を聴取いたしました五法案の自後の審査は、これを後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、商品取引所法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#9
○亀田得治君 前回客が預けた保証金で取引所に取引員から預けられておるもの、それにつきまして、たとえば仲買い、まあ新法では取引員、これが店の状態が悪くなるといったような場合に、当然客のほうは取引所にある金に対して請求権を発動しておる、こういう問題に関しまして若干質疑がありましたが、どうもその答えが納得できないという点がありまして、法務省当局からも本日は来てもらったわけですが、つまり問題は、そういう状態になった場合に、先に取引所に来て請求権を行使した者が勝ちだ、早い者勝ちだというふうな意味の御答弁があるわけなんですが、それでは非常に不公平ではないか。しかも、現実に現在まで取引所等で行なわれておる実際の慣行ですね、そういうことにも反するし、むしろ逆行になるではないかという点が実は問題になったわけです。私はこの今度の新法のものにおいても、そういう同じ立場にある請求権者、これをできるだけ公平に扱うという余地はくふうすればあるものだと、できぬことはないというふうな考えを持っておるわけなんですが、その点に関するひとつ法務当局の見解を明らかにしてほしいと思うのです。
#10
○政府委員(新谷正夫君) 亀田委員の御指摘の点、確かに一つの問題点として検討に値いする事柄であろうと考えます。通常の状態でございますれば、取引員の預託いたしました保証金が法定の額を下回るという場合にもその不足額を預託してまいりますので、多数の債権者はその法定額の保証金に対してかかっていけるわけでございますので、特段の問題は生じないと思いますけれども、ただいまのお話のように、取引員が一たん破綻に瀕しました場合に、その保証金だけが債権者にとっての唯一の担保というふうな形にでもなっております場合には、その限度がおのずから画されるわけでございますので、先に弁済を受けた者は救われるが、後手に回った者は助からないというふうな問題も確かに起きようかと思っております。しかし、これは亀田委員もすでに御承知のように、実は現行法の法制のもとにおいても、形は違いますけれども、類似の形で実は出てまいる問題でございます。現行法におきましては、仲買い人の保証金を取引所に預託いたしますが、仲買い人の債権者がこの保証金によって自己の債権の満足を受けるといたします場合に、仲買い人の取引所に対する保証金の返還請求の上にこの先取り特権の行使として仲買い人の債権者が自己の債権の満足を受ける、こういうことになるわけであります。このためには、めんどうなことではございますけれども、債権者が仲買い人の有する保証金の返還請求の差し押えをやり、さらに他の債権者はそれに対して配当要求の手続をする、こういう仕組みになっておりますので、実際はなかなかこの実効は期待しがたいというのが現状でございます。多くの債権者がおります場合に、その配当要求に乗りおくれてしまいますと、これはやはり救済の道がその限りではないということになりますので、今度の改正案の場合とは趣旨は達いますけれども、やはり御指摘のように不均衡が生ずるという場合もこれはあったわけでございます。しかし、今回の改正案によりますと、そのようなめんどうな手続を廃して、取引所に預託した保証金に対して取引員の債権者が直接権利を行使できるようにしてございますので、現行法よりははるかに債権者にとっては便利になるわけでございます。とは申しましても、先ほど御指摘のごとく、結果的に不均衡が生ずるということであれば、これはどうしてもできるだけの配慮をいたさなければならないと思うのであります。そこでこの法律の規定は、一応先ほど申し上げましたように、債権者が取引所に対する直接の請求権という形で規定してございますから、この債権者が競合いたしました場合、多数の債権者が取引所に対してその債権の支払いを求めるという事態になりました場合に、その債権者間の公平を期する必要があるということは、確かにごもっともな御意見であろうと思います。そのような措置をとれるかという御質問と理解いたしますが、いずれこの商品取引所法の一部を改正する法律案が成立いたしますれば、通産省からも、法務省に対しましてその施行令等の立案についての協議がまいることと思います。その段階におきまして、さらに十分に、多数の債権者の競合した場合の公平な措置を期し得るように十分検討する余地があると思いますし、私どももその必要があろうと考えておるわけでございます。いずれその時期になりましたら、十分御趣旨の点も頭に置きまして、善処してみたいというふうに考えます。
#11
○亀田得治君 通産省のほうでは施行令等でいま問題点になっている点、解決をする考え方でありますか。
#12
○政府委員(熊谷典文君) 先般御指摘になりましたように、通産省としては、実態的に見ますと、できるだけ公平を期していきたいという気持ちは持っております。それが法制的にどこまでできるかというのが一つの問題点であろうと思います。この問題につきましては、九十七条の六で、預託それから請求とか取り戻しに関しましては、必要な事項は主務省令で定めるということになっております。したがいまして、私どもとしては、その公平に分けるという趣旨にできるだけ近づくように、法務省とも十分連絡をとりながら善処をしていきたい、かように思っております。
#13
○亀田得治君 それから農林省のほうにちょっとお尋ねしますが、この法案がいま国会にかかりまして、特にアズキ、手亡の投機取引、これが特に論議の対象になっているわけなんですが、けさ私、日本経済のある記者の方から聞いたわけなんですが、東京穀物で現在大手亡の買い占めが行なわれているということを聞いたわけなんですが、実際そういう状態があるのかどうか、どういう現状なのか、そういう点についてのひとつ説明をこの際求めておきたいと思います。
#14
○説明員(内村良英君) ただいまの大手亡の問題につきましては、農林省といたしましても取引所のほうから連絡を受けております。そこで最近臨時割り増し保証金を取りまして、それ以来相場がやや落ち着いてきております。
#15
○亀田得治君 その買い占めの規模などはどういう状況なんですか。値段はあまり違っておらぬようですが、相当大規模にやられておるように聞いておりますが、どういうことなんですか。もう少し詳しく説明してくれませんか。
#16
○説明員(内村良英君) 詳細はただいまのところわかりませんが、さして大きくはなかったというふうに聞いております。
#17
○小柳勇君 この前の質問のあと、若干質問いたしますが、一つは、今度の法律改正の一つの大きな問題として、大衆が参加する、それをなるべくいわゆる業者と大衆との間の紛争を少なくする、これも一つのたてまえのようでありますが、現在まで仲買い人と委託した国民大衆、参加者の間に紛争が起こって、それを苦情処理としていろいろ処理していると思いますが、苦情処理委員会の活動、具体的な例、そういうものについて説明を願います。
#18
○政府委員(熊谷典文君) 御承知のように、各取引所におきましては紛争調停委員会というのを設けております。学識経験者あるいは取引所の役員、会員等から委員を出しまして、十人以内でそういうものを構成いたしておるわけでございます。現在までどうなっておるかということでございますが、この紛争調停委員会で調停いたしました件数は、全取引所を通じまして、年間十数件でございます。これは先般も問題になりましたように、最近起こりました紛議の件数から見ますと、非常に少ない件数でございますが、実はこの調停委員会にかけます前に、取引所の事務当局あるいは理事等が、当事者間に紛争が起こりました場合は、間に入りまして事実上の調停をいたしておるわけでございます。そういうことで問題を解決しておるわけで、そういうことで取引所にあがりました紛議の件数は、昭和四十一年度を申し上げますと、五百件以上になりますが、そのうちの約七割程度はそういう事務ベースといいますか、正式な調停委員会における調停ということでなくて、実質的に解決しておると、こういうのが実情であります。残りの件数につきましては、当事者がわかって取り下げたとか、あるいは多少裁判問題になったということもございますが、そういう意味で実質ベースの解決と調停委員会の活動ということで相当紛議は解決されておる、こういうふうにわれわれは考えておるわけであります。
#19
○小柳勇君 亀田委員がさっき質問しておられた倒産などのあとの債権の問題などの紛争は、もちろん紛争でありましょうが、売買の途中で、しろうとである委託者がくろうとである仲買い人に対して十分仕事がわかっていないために紛争が起こるものもあるのじゃないかと思うわけですね。おもな紛争の例を一、二御説明願いたいと思います。
#20
○説明員(内村良英君) 先回の委員会で御説明しましたように、四十一年におきましては、アズキについて三百八十二件の紛議があったわけでございますが、その紛議の内容を見てみますと、一任売買に基づく紛議が三十三件、それから、無断売買と申しますか、委託者に許可を得ずにかってに売り買いしてしまったというのが七十二件ございます。それから追い証拠金を納めないということに基づきまして、委託者と仲買い人あるいは外務員との間に紛議が起こっているのが八件、それから、仲買い人の役職員の不正に基づくものが四件ございます。それから委託者と仲買い人の間で連絡が十分つかない、その間にかってに仲買い人が委託を受けた玉を処分してしまったというようなケースが二十八件、それからその他これはいろいろ原因があるわけでございますが、それが二百三十七件となっております。その他の中には、倒産にからむものも含まれております。
#21
○小柳勇君 アズキだけで三百八十二件でありますから、ほかの取引所関係の商品についてもいろいろあると思いますが、この無断売買などの七十二件という件数からも推察して、また先般の参考人の意見でも、店は営業成績を上げなけりゃならぬという大きな一つの使命があるんですから、したがって、外務員などが、まあだますという気持ちはないでしょうが、相手がしろうとなものですから、非常にもうかるように話しながら無理に勧誘するという例、そういうものが紛争の件数にもあがってまいるのではないかと思うわけですがね。したがって、この外務員の教育など、そういう制度なり、監督なり、あるいは試験なり、そういうものを考えておるのかどうか。
#22
○政府委員(熊谷典文君) お説のように、紛議が多いという問題は、仲買い人の資力の問題に非常に関係する問題もございますが、やはりポイントは、外務員の活動のあり方の問題が大事だろうと思います。そういう意味で、外務員のほうについてはいろいろ法律的な規制も考えておるわけでございますが、それと同時に、根本的には外務員の質の向上をはかるということが私は一番大事だと思います。そういう意味で、従来からやっております講習会というようなものも可能な限り私は強化してまいりたいと、かように考えております。それと同時に、やはりそういう知識だけでなしに、経験を積むということが私は必要かと思います。したがいまして、外務員の講習を受けましても、すぐそれが外に出て働くという形じゃなしに、仲買い人の監督のもとで店でやはり一年ぐらいは働いていただいて、それからいろいろのことをほんとうに覚えて、そこで実際の訓練を受けて外へ出ていくという形をできるだけとってまいりたい。そういう意味では、仲買人協会にもお願いいたしまして、そういう形なり、そのいわゆる一年間の実習なりを十分やっていただきたい、こういうことを考えておるわけでございます。それと同時に、この仲買い人がそういうことを往々にしてやりますゆえんのものは、やはり給与制度の問題もあろうかと思います。固定給でなくて歩合制度というような形を放任してまいりますと、いやでもおうでもそういうものに走るというのが人情でございます。したがいまして、この給与制度のあり方等につきましても、これまた仲買人協会等に今後十分研究していただくということを申し上げまして、仲買人協会のほうも前向きに研究しようということになっておる、こういう実情でございます。
#23
○小柳勇君 前のほうの答弁は、経験一年というようなことが大きな要件のようでありますが、資格試験などはやるのかやらぬのか。それから専門的な知識を、まあ一年経験すれば大体わかるという判定のようでありますけれども、そういう点をどのように考えるか。で、資格要件をもう少し具体的に説明願いたい。これがまず前の答弁に対する質問。
 それから給与の問題ですけれども、現在はどうなんでしょうね、歩合と定額の比率は。
#24
○政府委員(熊谷典文君) 前段の試験の問題でございまするが、これは国家試験的な試験では、もちろん取引所がやっておりますのでございませんが、今後の登録要件といたしましては、講習といいますか、そういうものをうんとやりまして、それである程度の試験をいたしたいと思います。それで、その試験に合格した者でなければ登録要件にはまらない、こういう形をとりたいと思います。そういう意味合いにおきまして、まあこれは国家試験とは民間がやりますので違いますが、われわれとしては、それに準ずるものである、こういうように考えております。なお、この経験として一年がいいかどうかという問題はございますが、これは私一年でいいとここで申し上げる自信もございません。これは仲買人協会と、実情に合わせて今後――まあ一年というのは原則として申し上げましたのでありますが、ものによって相当違うと思います。したがいまして、そういう点は今後詰めさしていただきたいと思います。
 それから第二の固定給と歩合との関係でございますが、われわれ、大手の、特に総合仲買い人の四十社を調べました結果でございますが、固定給を採用しておるものが二〇%、それから歩合だけを採用いたしておりますものが三五%、それから固定給と歩合を併用いたしておりますものが四五%、こういうことになっております。この結果でもわかりますように、現在のところ、併用とかあるいは歩合給のみというのがまだ多い現状でございますので、これを是正してまいりたい、こういうふうに考えております。
#25
○小柳勇君 外務員の勤続年数は大体どういうところでしょうか、平均。
#26
○政府委員(熊谷典文君) たいへん申しわけございませんが、いまその平均年数を算出しておりません。後ほど御報告申し上げたいと思います。
#27
○小柳勇君 次にもう一回質問の日があるそうですから、現在の外務員の平均給与額ですね、歩合と固定とそれから歩合・固定の割合はわかりましたけれども、大体給与額はどのくらいであるのか。それから平均勤続年数が大体どのくらいあるのか。入ってすぐやめる傾向にありはしないかという心配もありますから、あとでひとつ資料として出していただきます。
 それから次は、受託業務の適正化ですが、今回の改正で、不当な勧誘や不安全な仲買い人まかせのいわゆる一任売買が禁止されることになっておりますが、取引ルールを知らない委託者が非常に多いから結局は仲買い人まかせになってしまう。この点について、仲買い人をどういうふうに指導されるか、政府としては自信があるのかないのか、見解を聞いておきます。
#28
○政府委員(熊谷典文君) 法律で規制いたしましても、あとそれが実行されないということになっては意味がないわけでございます。それがためには、もちろん政府の検査とか、あるいは取引所の監査とかいうようなものも大事だと思いますので、そういう面も強化してまいりたいと思いますが、それと同時に、仲買い人がほんとうにその気持ちになっていただかなきゃならぬと思います。特に外務員についてそれをやはり徹底さしていかなければならぬと思います。したがいまして、そういう面では、そういうことが改正後も依然として行なわれますと、私は取引所自体のやはり存廃の問題に関連すると思いますが、そういう意味で、仲買い人あるいは外務員も十分理解していただけると思います。したがいまして、そういう面は、仲買い人、取引人と一緒になって、役所もできるだけのPRもやり、いろんな措置をとってまいりたいと思います。それと同時に、やはりこういう悪い慣行が行なわれますことを防止いたしますためには、委託者においても相当やはりそういうことをやらないように注意していただくということが必要だろうと思います。現在のところ委託準則によりまして、契約書を仲買い人がつくりまして、それを見せて、それでできるだけ理解して取引していただくということは指導でやっておりますが、どうも委託準則というものがむずかしくて普通の人にはわからぬというような点もございます。したがいまして一つの試みでございますが、もう少しわかりやすい契約書にするとか、あるいはこういうことはいかぬですよというのを必ずわかりやすく書いてそれを一緒に見せるというようなことを指導してまいりたい。これは取引所の協力がなければできませんが、そういうことも考えております。
 それから同時に委託者につきまして、今後アンケート調査をいたしまして、どういう取引の形で委託されましたかとか、あるいはどういう問題がございましたかとかというようなことを委託者側から報告をとってみたい、それによりまして問題のある仲買い人等につきましては重点的に注意をし指導をしてまいりたい、両面からひとつ相当の措置をとると同時にPRも十分やってまいりたいと、かように考えております。
#29
○小柳勇君 先般の参考人の意見の中で、この委託者がもうかるものよりも損するものが多いという話がありましたけれども、損したような人は、またこのあとでもうけようという努力もいたしているのでありましょうが、そういう人が傾向としてどういう傾向に流れているか。一応委託者となって仲買い人から勧誘をされてこの業界に入るといいましょうか、この投機的な環境に入った人が、一回損したらそれでさっとやめていってしまうのか、また出直してくるのか、そういうこれは非常に傾向的な分析になりますけれども、どうなんですか、どういうふうにとらえておりますか。
#30
○政府委員(熊谷典文君) 非常にむずかしい御質問で、実は私も的確にお答えができないと思いますが、まあ従来の経験によりますと、やはり損をすれば取り返したいというのが人情じゃないかと思います。そういう意味でやはりむちゃに参加すると、さらに損が多くなるという場合もあるわけでございますので、取引所の仕組みといいますか、そういうものをやはり一般大衆に、そういうものに関心のある人に十分理解させるということが私は大事じゃなかろうかと考えております。まあ御質問もございましたので、そういう問題について、もしわれわれも分析できれば今後ひとつ分析をしてみたいと、かように考えております。
#31
○小柳勇君 競輪とか競馬とかああいう投機的な、これは遊戯が主体ですけれども、それでも名目はやはり自転車振興会とか、馬匹改良なんですね、競馬は。投機的にいった人は、負けると、なお借金をしても負けまして、犯罪が起こってまいるわけでありますけれども、そういうことを聞きたかったわけですけれども、これはしたがってそういう人の教育ですね、さっきおっしゃいましたように取引外務員の教育ももちろんでありましょうけれども、これに参加する国民大衆をやさしく教育をして、そうして負けても後悔せぬような、もちろん勝てば喜ぶのはこれはあたりまえですけれども、そういうことをいたしませんと、これはもう奥さん方はそういうことから家庭的に逆境を招くこともありますから、そういうものを聞きたかったわけですが、これは後日に譲ります。
 次は、仲買い人が許可制になりますと、既存業者はこれでいいけれども、新しい新規業者ができぬために業界の刷新、業界の合理化なりが立ちおくれてしまって、旧態依然とした商品取引所になるのではないかという心配もあります。許可基準をきびしくすればするだけいいことですけれども、既存の業者を大事にして新規業者は閉め出すという結果になりますから、この点の取引業界の刷新なり合理化というものがおくれてしまうということも考えるのですが、この点の配慮はいかがですか。
#32
○政府委員(熊谷典文君) 御指摘のとおり、いたずらにいまの状態で仲買い人を温存するという形では、今後の問題として非常にまずい、こういうように考えております。そういう意味で許可制をしいたわけでございます。おそらく先生の御質問は、それを三年間経過措置でなにするではないかという点にもあろうかと思いますが、われわれが三年間猶予期間を設けましたのは、従来登録を受けた者はすぐ許可を受けなくてもいい、登録のままでいけるというだけの問題でございまして、純資産額とか、それから受託業務保証金というのは三年間全然いまのままで動かさないという意味ではございません。三年間の間に受託保証金で申し上げますと、十ずつ、初め二十でスタートいたしまして、あと三十にし、四十にし、五十にするというように、毎年度引き上げていくつもりでございます。それで、現在そういうことをやっていきますと、特に純資産と受託保証金の関係から見まして、苦しいところは中くらいの仲買い人が、あるいは中小の仲買い人というのが相当私はそういう経過措置を設けましても苦しいと思います。したがって、こういう方々にはやはり委託者の保護、あるいは取引を正しくしていく意味において、苦しくても相当勉強していただかなければならぬ、こういうふうに考えております。勉強していただきません場合には自然に登録を取り消されてしまう、こういう形になるかと思います。したがいまして、私どもとしてはそういう実情を見てこういう制度にしたわけでございまして、いたずらに既存の仲買い人をいまのままの状態で放置するという感じはございません。
#33
○近藤信一君 ちょっと関連。いま局長から答弁がございました経過措置の中でだんだんと確立していく、ところが、今度の受託保証金というものが本店につきましては六十万円から九百万円と、こう大きな幅があるのですよ。それはいまあなたが言われました大中小とこうある、こういうことにもなろうかと思いますので、そこでいま仲買い人は一定の数というものがきめられているのですね、現在の取引所に対して。そうすると新しくやろうとしたらなかなかこれはできない。そこでどうしても権利金を出して権利を買う。仲買い人に私の知っている人があるのです。事実権利を買うにはその権利金が二百万や三百万じゃない、何千万という権利金が必要なんですよ。せっかく何千万も権利金を出して仲買い人の商売を初めてやる、ところが、実際受託保証金が今度は多くなっていく、いま言われましたように。それに対する資金力というものはなくなっていく。これはいずれ整理されなければならぬ段階にくるのではないかと私は思うのです。そうすると、やはり大きいのだけが残って、小の仲買い人というのはいずれば整理される段階にくるのじゃないかと思うのです。そういう心配が一つあるわけなんです。その多額の金額を出して権利を買ってやっている仲買い人の身分というものですね、それはどうなるか。この経過措置の中でどうしていくか、政府はそれに対して何かの保証をするとか何とか、そういうものは全然ないわけなんでしょう。これは自然に整理されていかなければならぬ、こういうのが出てくるのじゃないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。
#34
○政府委員(熊谷典文君) まず営業権といいますか、そういうものを買った人がその場合に、それがどうなるかという御質問でございますが、私どもといたしましては、そういうものを金を出して買ったということになりますと、純資産額の計算におきましてはそれを考えていきたい、かように考えております。
 それからもう一つの小さなものが脱落していくじゃないかという御質問でございますが、私ども専業仲買い人的なもの百三十社につきまして実態調査をいたした結果を申し上げますと、受託保証金を当初われわれは二〇%五〇のうちの二〇%程度を積ましたいと思いますが、それがやはりいまの状態でいきますと、できないものが約二割ございます。百三十社のうちに二割、それからだんだんそれを上げてきまして、いま一気に五〇までやりますと、百三十社のうちの半数以上が資格がない、こういう形になるわけでございます。そういう意味でわれわれも段階説を、段階的な措置をとったわけでございます。そういうようにとりましても、いま申し上げましたように二〇%にしましても二割程度はやはり足らないという問題が出てきます。しかしわれわれとしては、それをいたずらに切ってしまうという考え方は持っておりません。よく御相談申し上げて、たとえば遊休資産があればそれを整理するとか、あるいは未回収金を回収するとか、あるいは増資について配慮していただくとかというようなことで、まじめにやっていただいております仲買い人につきましては、役所側としてもできるだけのやはり相談に応じ、まためんどうも見ていきたい、かように考えておる次第でございます。したがいまして、一つの努力目標を示したわけでございまして、仲買い人がその努力をしていただくならば、われわれも十分それに応じた配慮はやってまいりたい、かように考えております。
#35
○小柳勇君 この前の参考人の意見にありましたが、純資産額のきめ方なんですけれども、この間質問して十分でなかったのですが、勤続年数――その店に五年以上なり十年以上なりまじめにつとめた、したがって、いわゆる現金的な資産はないにしても、それを資産に認めて許可してくれないかという、こういうようなお願いが、これは亀田委員からも希望が出ておりましたが、政府としてその後お話し合いがあったかどうか、もう一ぺん聞いておきたい。
#36
○政府委員(熊谷典文君) われわれとしましては、非常にごもっともな点がまじめな業者につきましてはあるわけでございます。したがいまして、純資産額を今後きめてまいります場合ば、法律上もそうなっておりますが、やはり商品の実情によって十分考えてまいりたい。一律にきめるというようなことはしない。商品の実情、取引の実情によって純資産額の額はきめてまいりたい。これが一点でございます。
 それと同時に、そういうように配慮いたしましても、なお純資産額に足らない。しかも非常にまじめに事故もなくやっていただいているというような面につきましては、われわれとしては結局増資していただくより手がないと思います。そういう増資につきまして関係業者等に役所としては話しまして、純資産額に達するまでの増資をお願いするというような協力もいたしてまいりたい、かように考えております。したがいまして、先般問題になりましたが、われわれとしてはそういうことでやはり仲買い人というものがいい方向で育っていただくということについてば、十分なやはり御協力を申し上げたい、かように考えております。
#37
○小柳勇君 取引所を中心に取引業務をやっておられるたくさんの人たちの姿を見ておって、昔からの伝統もありましょうが、徒弟制度的なものをわれわれも感ずるわけですね。ずっと若く店員から入りまして、仕事を覚えて仲買い人になる、そういうものを感ずるわけですね。しかもその仕事が有機的に勘で、所長の、店のおやじさんの意向をそのまま出先機関で売り買いをやっているものですから、非常に有機的なものを感ずるものですから、今度理事長選任の理事がふえるわけですね、そういたしますと、その業界そのものがますます徒弟化して封建的な色彩を強くしやせぬか。新しい制度の外務員とか、店員と店主との関係、仲買い店と従業員との関係がますますその取引所の理事長と理事との関係と同時に、ずっとこの世界、業界というものが古い形のほうに逆行しやせぬかという心配を、いつだったか、私見学しながらちらっと感じたのですが、理事長選任の理事を多くすることの意義は何でしょうかね。
#38
○政府委員(熊谷典文君) 取引所の理事を一定数は理事長が選任できる、理事会にかけて選任できるということにしましたゆえんのものは、これは人の問題に関連するわけでございますが、やはり取引所というものはできるだけ公正な価格形成の場になるように、こういうことを考えたわけでございます。理事長が機動的にいろいろな価格形成についての指揮権といいますか、理事長自体の指導がその理事の補佐によってできるということをねらっておるわけでございます。したがいまして問題は私は人であろうかと思います。その理事長が選任される人がよろしきを得ませんと、御指摘のようにますます変な封建的なものになるという可能性もありましょうし、またその理事に非常によろしき人を得れば、取引所も近代化され、仲買い人も近代化されるということになろうかと思います。要は人の問題だろうかと思いますが、そういう点はわれわれとしても十分取引所に申し上げて、そういうことのないようにつとめてまいりたい、かように考えております。
#39
○小柳勇君 業界全体が近代的に脱皮していく、合理化もされるように、合理化といいますのはわれわれ人減らしというものでなくて、仕事全体が合理化されるような方向で指導監督されることを希望します。
 次は分離保管の問題ですが、これも前にもちょっと聞いたのですが、今度二分の一程度の一部保管方式でありますが、先般の参考人の意見では、清算会社方式ではどうかという話もございました。この二分の一程度の一部保管方式で委託者保護というものは十分と考えておられるのかどうか。将来また完全に委託者保護をするという立場から、分離保管の方法について検討されるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#40
○政府委員(熊谷典文君) この委託者保護は分離保管だけでは私はないと思いますが、一つの大きな柱であるということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもとしてはこれが下から預った金でございますので、分離保管の額が多いほど望ましいとは思いますが、やはり業界の実態もございますので上分の一にしたわけでございます。問題は、こういうものが無理なく納め得るというやはり仲買い人の体質強化といいますか、そういうものが必要であろうと思います。したがいまして、私どもとしてはやはり仲買い人の体質を強化する、これは金融とか、いろいろな問題が、代行会社の活用とかいろいろあろうと思いますが、そういう面に力を注ぎつつ、できるだけ委託者保護の関係から見まして、この二分の一がさらに六割程度はできるとかいうような事態を目ざして進みたいと、かように考えておる次第であります。
#41
○小柳勇君 清算会社方式というものはいまのところ問題にならぬということですか。
#42
○政府委員(熊谷典文君) この点は先般の国会でも議論が出まして、われわれとしても十分検討いたしたわけでございますが、御承知のようにアメリカではそういう清算会社をつくりまして、この分離保管だけの機能ではなくて、金融機能あるいはその他の機能をアメリカの会社はやっておりますが、とにかくそこでは一〇〇%分離保管ができるという組織にはなっております。ところが、その反面日本と違いましてそれは流用できる、保管はするが今度は逆に流用できるという形になっております。日本のほうは今後やりますのは五〇%ではございますが、その流用は制限するという形になっております。したがって、そこはどちらがいいかという問題はあろうかと思います。アメリカでも一〇〇%分離保管しても流用さすのじゃ意味がないじゃないか、そこら辺のかね合いを考えなければならぬのじゃないかというのが議論になっておるようでございます。そういう意味で清算会社、一〇〇%分離保管方式をとったほうがいいか、まだ研究しなければならぬ点であろうと思います。それと同時にやはり清算会社をつくります場合は、この分離保管の問題だけじゃなしに、現行の代行会社をどうするとか、あるいは取引所のあり方をどうするとかいう全般問題になりますので、われわれ決してこういうものを研究しないというわけじゃありません。今後大いに研究したいと思いますが、少し時間を、正直のところかしていただきたい、かように考えておる次第であります。
#43
○小柳勇君 次は、資本自由化によりまして外国資本が国内に入ってくるのですが、取引所の中に、あるいは会員なり、あるいは取引員の権利移譲とか、いろいろ方法はありましょうが、外国資本が入ってくる可能性があるのかどうか、またこれを禁止するとすればどういう法律の根拠によるか。
#44
○政府委員(熊谷典文君) 外国人の投資につきましては、外資法という法律がございまして、御承知のように、いろいろな既存会社の株を持つとか、あるいは新しく会社をつくるというときには規制をいたしておりますが、外人が個人で参りまして、その金で取引所の仲買い人に委託するとか、あるいは取引員に金を持ってそのまま、外国から見ますとそう大きな金ではございませんで、なるということは、現在のところ規制の方法はないと思います。入るときは押えられますが、入りました外人がいろいろな活動をするというのは、現在のところ押える法律はございませんで、この取引所についても会員になったりあるいは取引を委託するということはできる、それを押える方法はない、こういうふうに考えております。
#45
○小柳勇君 委託者になるのは、これは委託しますからわかりますが、取引員になることも、それから会員になることもできるのですか。
#46
○政府委員(熊谷典文君) これは非常に国家の保安とか、そういう面につきまして外人が入ってはいかぬというものにつきましては、個別立法によりまして、重役になったりあるいは株主になったりすることを禁止する法律がございます。たとえば電波法とかそういうものがあろうと思いますが、普通のベースでまいりますと、日本人と外人とを区別するということは、私は現在のところできない、そういう法律をつくるということは非常にむずかしい。したがいまして、現在は会員になれるということでございます。
#47
○小柳勇君 じゃ質問終わります。
#48
○鈴木一弘君 最初に伺いたいのは、カネツ商事が、ことしの三月でございますか、脱税ということでだいぶ事件が大きく取り上げられて、新聞にも報道されたのですが、この取引所の仲買い人であるカネツ商事の脱税事件の経過について、最初に国税庁のほうにお伺いしておきたい。一体どのくらいの脱税金額であり、どんなふうな経過になっておるのか。
#49
○説明員(田代一正君) ただいまお話しございましたカネツ商事株式会社につきましては、本年の三月十六日、東京国税局の査察部におきまして査察に着手いたしております。本件につきましては、かねがね課税担当部がありました同じく東京国税局の調査部で調査を行なったというのでありますが、その調査の過程におきまして、とても調査部だけでは手に負えぬ、しかも相当巨額な脱税があるという連絡が査察のほうにまいりまして、それを根拠といたしまして着手した、こういう次第でございます。そういうわけで三月十六日に着手いたしたわけでございますが、目下着々査察調査を実行中でございます。
#50
○鈴木一弘君 大体新聞でも五億円近く四年間に脱税していたということが出ておりましたが、調査の途中ではわからないと思いますが、大体の概要はつかまれておるだろうと思います。その脱税のやり方ですね、それから脱税額はどのくらいであったのか、その点について。
#51
○説明員(田代一正君) ただいまカネツ商事につきましては調査を続行中でございますので、明確な点につきましては申し上げかねる問題があろうかと思いますが、私どもの現在まで聞いております点によりますと、脱税のやり方から申し上げますが、それは方法は二つございまして、一つの方法といたしましては、自社の建て玉であるにかかわらず、いかにもそれが委託者からの玉であるというぐあいに仮装いたしまして、その利益金を脱税をいたしておるという一つの形がございます。
 それからもう一つは、これは全く技巧的な問題になりますが、決算に際して、自社玉の損失というものを損益勘定に立てまして、見合いに同額の預り証拠金勘定を負債勘定に立てるという形がわれわれの聞いておる範囲では手口だというふうに聞いております。
 なお、金額その他につきましては、目下調査中でございますので、明確なことは申し上げかねると思います。
#52
○鈴木一弘君 自社の建て玉で売買をやって利益に全部なることがあるわけですが、それを客の名儀にしたということだと、架空の名前を使っているということになるわけですか、どうですか。そうすると、その客のほうの利益があった場合に収入になるわけでありますけれども、そちらのほうからはどうなっているのでしょう。その二つの点だけ……。
#53
○説明員(田代一正君) 自社の建て玉であるものをお得意さんのAならAというものの委託に基づくものだといたしますと、そういうことで会社はお客さんにお金を支払いをいたします。いたしました場合に、会社は普通どういうことをやるかと・いいますと、その利益金に相当する金額は別途に預金にキープするという形になるわけでございます。
#54
○鈴木一弘君 いずれにしても、そういうような架空の名前を使ってやったということになったわけですけれども――国税庁のほうはそれでよろしゅうございます。
 これに対して通産、農林の両省のほうでは、このカネツ商事に対してどういうような行政指導といいますか、処分といいますか、これから臨もうとしておるのか。その点をお伺いしたい。
#55
○政府委員(熊谷典文君) こういう脱税事件の容疑を持たれたということは、非常に私は残念なことだと思います。通産省といたしましては、書類がいまの脱税関係の問題で全部持っていかれておりますので、その推移を見守っておるわけでございますが、ある程度はっきりした段階、あるいは書類が返されていただける段階になりましたならば、私どものほうとしては、あらためてこの監査をし、検査をいたしまして、もし法律的な違反というようなものがございましたら、厳重な処分をいたしたいと、かように考えておる段階でございます。
#56
○鈴木一弘君 いまのそういうような厳重な処分で臨みたい。これはカネツ商事ともう一つ子会社の何とかカネツ貿易ですか、この二社で、いわゆる砂糖から、米から、綿糸から、アズキまでというようにほとんど扱っておられるわけです。そうなりますと、二つの名前でやっていれば、法人税の脱税の容疑ということでしょうけれども、この取引所法に触れるかどうかわかりませんけれども、厳重な処分ということはどういうような処分ということを考えていらっしゃるか。
#57
○政府委員(熊谷典文君) 内容をはっきりつかみませんとわかりませんが、私どものほうとしましては、三つございまして、一つは現行法に違反しておるかどうか。これは区分経理の問題もございます。これは非常に解釈上むずかしい点がございまして、今後法制局と打ち合わせなければいかぬと思いますが、そういう区分経理違反ということになりますれば、この法律に基づく措置をとります。それからなおこういう非常にまずいといいますか、世の中を騒がすような事件が出ます。しかもこれが国税法違反というようなことで、他の法律ではございますが、他の法律上の処分を受けるというようなことになりました場合は、この今後の許可要件の問題も出てこようかと思います。したがいまして、今後こういうものを許可するかどうか、こういう問題のあるときに、その点は十分考えて処置したい、こういう意味でございます。
#58
○鈴木一弘君 こういうようないわゆる不正行為があったわけでありますが、その根本的な原因といいますか、その点のところはそれをまあ芟除してしまわない限りには、とうてい解決はつかないわけでありますが、一つは、大衆参加ということもあったと思いますが、まあこの仲買い人の形態が膨大な形態をしておりますので、そういうところもあったんだろうと思いますが、その根本的な原因をどういま把握しておられるか、伺っておきたい。
#59
○政府委員(熊谷典文君) 今後の調査の結果を待ちませんと、はっきり断定的なことは申し上げられませんが、御承知のように、このカネツ商事は非常に有力な会社であろうと思います。この問題が起こりましてから、社長は仲買人協会の役職をおやめになったようでございます。相当有力な会社でございます。私どもは非常に資金に困ってとか何とかという問題ではないと思います。むしろ経理のやり方という問題が、先ほどもお話がございましたが、やはり近代化されてない。そういうものがなかなかチェックできない。そういうところに私は間違いのもとがあったんではなかろうかと思う。したがって今後は各仲買い人ともそういう経理のやり方についてもう少し近代的な方法をとるとか、あるいは経営の心がまえ、そういう私は問題について注意したわけでございます。そういう点が問題ではなかろうか、かように考えております。
#60
○鈴木一弘君 いま経営の心がまえということを言われたのですが、カネツの場合には、全国に二十ヵ所の商品取引所がありますが、そのほとんどに権利を持つ専業仲買い人である、そういうこと、これは二つ三つついでにお伺いしておきたいんですが、まずこの専業仲買い人の中で、十以上のところの取引所の仲買い人の権利を持っている、そういう専業仲買い人はどのくらいいるかということが一つ。それからこういうような仲買い人が全国に支店や支所を設けているということから結局大衆資金を集める、うわさされておりますが、私はこの点よくわからないので金額を伺いたいのですけれでも、カネツ商事の場合には二十億前後の委託証拠金を預かっているという話を聞いてるのですが、そういうようなことになると、こういうような脱税の問題が起きてくる、またこれがわずかのうちに見つかったらいいですけれども、さらに大きくなってきたときには、大衆に与える影響は膨大なものがあろうと思う。その点どういうふうに把握されておられるか。
#61
○政府委員(熊谷典文君) まず数字的なことを申し上げますが、十以上の商品に関係いたしております仲買い人が九社ございます。これは相当大きいところであります。それから第二の御質問の方々に手を広げておる、こういうことでございますが、確かに方々にいたずらに手を広げるということになりますと、御指摘のように過当投機といいますか、大衆の過当参加を誘引するという原因にもなろうかと思います。それと同時に、先ほど申し上げましたように、あまり手を広げることのみに専念されますと、内部組織が追っつかない、あるいは経理のやり方が追っつかないというような問題が出て、こういう事故が起きがちだろうと思います。そういう問題につきましては、私どもとしては、やはりそこがバランスがとれてやはり着実に発展できるというような形で自粛願わなきゃいかぬ、そういう指導を十分いたしてまいりたい、かように存じております。
#62
○鈴木一弘君 バンラスがとれて、着実に発展するということですがね、おいておけば、同じようにやはり全部の商品取引所に権利を持つというような専業仲買い人が次から次へ出てくるということは予想されることです、資力をつけてくれば。そうすると同じような問題がまた惹起されるという心配がある。大体制限はできないかもしれませんけれども、行政指導でもって十以上はいけないとか、あるいは十二以上の商品にわたってはならぬとか、そういうようなことを考えてはどうか。その着実にバランスをとってというのはどういうことなんですか。
#63
○政府委員(熊谷典文君) 率直に申し上げまして、十でなければいかぬとかという取り扱い商品の限定はいまのところ考えておりません。今回純資産額の単純合算制といいますか、そういう制度をとったのでございますが、これは従来の制度によりますと、ベースが一千万ですと、あと追加の場合は二百万でいいというような形だったのですが、今度は二つやる場合にはそれが二千万になる、十やる場合には一億になるというように単純合算制をとったわけでございます。そういうことによってできるだけバランスの合わない拡張というのは慎んでもらう、そういう措置をとったわけでございます。ただ、今後御指摘のような点がなおそれによって出るという可能性は私は絶対にないとは言い切れないと思います。しかし、今回そういう改正をいたしましたので、そういうことによって相当の自粛といいますか、バランスのとり方というのもできると思いますので、その模様によりまして、さらにこの数量まで制限するとか、取り扱い物資まで制限するとかは、今後の問題として情勢によっては研究させていただきたい、かように考えております。
#64
○鈴木一弘君 いずれにしても、そういうようないろんなそれぞれほかの法律にひっかかってくるというようなことが起きてくると、大衆にいよいよ不安を与えるわけです。そうすると、法の改正があったとしても、それだけでは満足できないものが与えられますので、十二分に注意してもらいたいと思います。
 その次に、アズキに移りたいのですが、まず穀物取引の関係ですけれども、アズキの上場が、過当投機が現在流通量に比べてあまりにも激しいということが言われているわけです。今度大きな問題を起こしましたけれども、まあ先日は私はこれは廃止せよと言った。しかし、上場の廃止ができないということになったら、一体どうすればいいのかということが大きな問題だろうと思う。それが今回ずいぶんと論議をされたわけです。一つ伺いたいのは、その具体的な対策です。先日の大臣の答弁を聞いておりますと、大衆の参加を一そう期待するような口ぶりがありました。私どもはそういうふうにとったのです。それが何だか私どもは非常な不安を感じました。その点についての考え。二番目は、これは穀物取引所について、アズキの上場もありますけれども、本来を言えば、米穀の取引がなければならない、それが商品取引所の始まりでありますから。それに比べて、現在は統制でありませんが、米の実際の統制を撤廃するかしないかという問題もありますので、自由米というものを幾分は考えてもいいんではないか。そういうときにその上場というものを検討する必要が私はあるんじゃないか。そうすれば、取引の上からこの程度の価格で安定をすべきであるということがはっきりしてくると思うんですが、そういう考え方がないのかどうか。この二つお聞きいたします。
#65
○説明員(内村良英君) まず最初に、アズキが上場適格品であるかどうかという点につきましては、先日来大臣からも御答弁を申し上げているとおりでございます。ところが、アズキについては過当投機になっていて弊害が多いのじゃないかという御指摘がただいまあったわけでございますが、その点についても、遺憾ながら現実はそういう面が確かにあるということは否定できないと思います。そこで農林省といたしましては、ある程度の大衆資金の商品取引所への参加は必要だ、それがどの程度のものか、商品取引所の本来の機能、すなわち公正な価格の形成とヘッジ機能を果たすということについての適性化ということについてはいろいろ検討し、勉強してまいったわけなんでございますが、これは非常にむずかしい問題で、数量的にたとえば倍率は五倍がいいのか五十倍がいいのか、その辺につきまして、この倍率でなければならぬというようなことはなかなか言えない非常にむずかしい問題であることも事実でございます。そこで今後それではどうやってそうした面を押えていくかということでございますが、今回の改正によりまして、いろいろな規制が加えられていくわけでございます。こうした線でまずやってみて、それでなお大きな弊害が起こってくるというような場合については、さらにそれをどうするかということを検討しなければならないと考えております。とにかく今度の改正法案が法律になりましたならば、この線で、この改正案の示している線でできるだけのことをまずやってみたい、こう考えているわけでございます。
 それから第二に、自由米というものができた場合、戦前も商品取引所におきましては米穀というものは最大の商品であったわけでございまして、自由になったらこれを検討したらどうかということの御質問かと思いますが、御質問の趣旨は、現在一部に自由米というものがございますが、それを上場を検討しろという御質問か、あるいは統制撤廃後という……
#66
○鈴木一弘君 統制撤廃前。
#67
○説明員(内村良英君) 統制撤廃前でございますか。現在自由米と称せられるものについては二つございます。一つはいわゆるくず米を農家が食糧事務所の許可を得て加工業者に売るという一つの自由米、それから二番目の自由米は、いわゆる普通外米を内地米等を扱っている卸し小売りを通さずに、直接政府からたとえばデパートならデパートに売って、そこで消費者に売るというような二つの自由米がございます。まず前の自由米でございますが、これにつきましては価格は統制されております。すなわち農家がくず米をおせんべい屋さんに売る場合も、この値段でなければならぬということで価格がきめられております。それから第二にデパート等で売られているいわゆる普通外米でございますが、これにつきましても物価統制令で最高価格がきまっております。したがって、そうしたものの流通は一応自由というかっこうになっておりますが、価格については現在これは統制されているわけでございます。したがいまして公正なる価格の決定という機能は必要がないわけでございまして、その辺の統制がさらにはずれていった場合においては上場を検討すべきかと思いますが、いずれにいたしましても、現在いわゆるデパートで売られております普通外米の自由米の数量は五万トンでございますし、もっとこういった自由米の数量が大きくなってきたとき、さらに価格統制もはずれる、そうした場合に初めて米穀の上場というものを検討すべきかどうかという段階になるのではないかと思います。そういう意味でいまこれを検討するのはちょっと時期尚早という感じがいたすわけでございます。
#68
○鈴木一弘君 実際問題はやみ米として回っておるわけでありますから、農家保有米が出ているわけでしょう。そういう農家保有米がやみ米で出ている部分あたりは私は価格統制で云々というよりも、そこのところだけワクをはずしてやる、いま言われたくず米でもけっこうです、ワクをはずして、統制令をはずしてそうして商品取引所の商品にしていく。そうすれば一定の価格というものが、ある程度相場によって上下いたしますけれども、この程度はというものがきまってくるのじゃないか。そうしなければ食糧政策としても、今後いつも食管の赤字云々で騒いでいるよりも、何らかの新しいめどが出てくるという感じを受けるわけです。その点を聞いているわけです。あなたにはその点はむずかしいかもしれませんね、大臣ではないのでその点の責任ある答弁はできないかもしれませんが、いまは時期ではないというようなことではなく、こうなっているからこうでございますというようなことではなくて、そういうような一歩前進したものを考える必要があるのじゃないかということなんです。その点どうですか。
#69
○説明員(内村良英君) これは現在の食糧管理制度にまつわる非常にむずかしい問題だと思います。そこで基本的には統制と自由というものが併立するだろうかどうか、たとえば農家にある一定数量売ったあとは自由に売っていいということになりますと、そちらのほうの価格が有利であればどうしてもそちらのほうの量がふえていくということで、そこから統制がくずれていくという問題になるのじゃないかということで、この問題は現在の食糧管理制度のあり方とも関連して非常に微妙であり、かつ重大な問題だというふうに思います。
#70
○鈴木一弘君 いずれにしてもその点は今後大きな問題になると思いますので、申し上げておいたわけです。
 次に、商品取引所審議会が指摘されているように、過当投機を抑制するためには何らかの法的な措置をとる必要がどうしても出てくるわけです。今回の法改正というものが、いまの答弁では、改正案ができれば、できるだけのことをして過当投機を押さえていきたいという話だったんです。現実の問題として、今回のは委託者保護ということが重要な一つの観点になっている。そうすると、過当投機防止というようなことになってないわけですが、その法的措置をどうしてとらなかったかというのが一つと、われわれは、不当に過当な投機であれば別ですけれども、多少はやむを得ないと思うのです。その点の考え方を伺っておきたい。
#71
○政府委員(熊谷典文君) 今後過当投機といいますか、そういう問題をどうするかという問題は確かに御指摘のように問題として私は残っておると思います。残ってはおりますが、実は取引所審議会のほうにおかれましても、委託者保護は非常に急ぐという観点から私のほうもお願いしたわけでございますが、どちらかといいますと、そこに重点を置いて大急ぎで検討していただいたと、こういう事情がございます。したがいまして、私どもといたしましては、その中において、取引所審議会で答申のあった線は忠実に今度の改正で法文化したと思いますが、根本的に考えますと、それ以外の問題がある。これは私のほうも取引所審議会も承知しております。そういう根本的な問題については取引所審議会のほうでさらに検討していただく、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして第二段階、こういう感じでございます。
#72
○鈴木一弘君 おそらく第二段階というのは二、三年あとでなければ絶対こないだろうと私は思いますけれども、そこでその二、三年までの間に考えておかなければならないのは、アズキの場合を取り上げると、その取引に大衆を参加させたということが大きな過当投機を招いている、そういうことを考えると、当事者だけに売買を限定するということも一つの方法だ、そう思うわけですが、その点どうして大衆参加をさせなければならないのか。特にアズキについてだけでございますけれども、その理由を具体的に示してほしい。そうしなければ、大衆が参加しなければ公正な価格決定ができない、そういうのではわれわれとしてはどうも納得ができない。その点について、大衆が参加しなければ公正な価格構成ができないということがあれば、その証拠をあげてもらいたい。以上二つのことについて。
#73
○説明員(内村良英君) まず第一に、大衆参加がなければ公正な価格決定ができないのばおかしいじゃないか、当事者間に取引を区切ったらどうかという御質問かと思います。そこで、申すまでもなく取引所には公正な価格形成以外にヘッジという機能がございます。そこで第一の価格形成の問題でございますが、これは第一回のこの委員会のときに申し上げましたけれど、雑穀について、戦前小樽の取引所ができました前とそれから取引所ができてからあとというものの価格の動きを見てみました場合に、取引所のなかった時代のほうが価格変動が大きかったという歴史があるわけでございます。さらに戦後小樽の取引所ができましてからの価格の動きも、戦前全然取引所がなかった時代に比べて変動の幅が小さくなっているということがございます。そこでそういう条件から見ましても、さらに現実の問題といたしまして、雑穀の取引に関係しております集荷業者、あるいはそのアズキの加工を行なっている製菓業者、あるいは製あん業者というものがヘッジ機能で取引所を使っておるわけでございます。ところが現在の状況から見ますと、そうした当事者だけに限るということにいたしますと、たとえば買い占めが行なわれた場合においては価格が非常に上がる、こういうことが起こるのじゃないか。そのときに大衆資金が導入されておりまして、これに売っていくというようなことになりますと価格が安定する、こういう機能がございますので、過去のいろいろな資料及び現在までの経験から見て、やはり当事者だけにこれを限るのはちょっと問題があるのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#74
○鈴木一弘君 もうあと一、二問で終わりますが、いまのお話ですが、砂糖のほうの取引を見ていると、ほとんど当事者だけです。そこでは買い占めがあって砂糖が暴騰したとか暴落したということはない。いわゆる砂糖の取引等は特に仲買い人のほうを見ると、これは今回の法律改正でいわゆる純資産額などいろいろいわれても問題ないという状態です。ところが、それ以外のほうがこういうようなものが過当投機が起きているということが考えられるのですが、私はいまの答弁だけでは非常に満足できないような感じがするのです。ですが、その大衆投機を、大衆参加というものを当事者だけに限ってやめさせるということがアズキでできないということになれば、ヘッジのないところの注文については数量制限をする、そういうようなことは考えられないのかどうか。それによって品買い占めを防止する、そういう方法をとれば、結局売買の委託者一人当たりの注文が制限されてきますから、そうすると商品の流通量によってそれを小さくすることもできる、大きくすることもできる、そういう可能性があると思いますが、そうなりますと、特別の人によって相場が左右されて、わずかの幅のストップならストップでいいのですけれども、そうでなくて猛烈に上がっていってしまうというようなことですね、そういうようなことが防止されるのじゃないか、かえって価格形成にいいのじゃないかと思いますが、その点の考え方はいかがですか。
#75
○説明員(内村良英君) いわゆる投機的な大衆参加と実際に取引所を利用するヘッジと分けたらどうか、すなわち一般の大衆参加の場合には数量制限をやる、ヘッジのものについてはこれは自由に数量制限なしにやらせる、こういうことは非常に確かに大事なことだと私どもも思っております。そのほかのやり方として、たとえば委託証拠金をヘッジ力とそれからいわゆるヘッジでない投機力と分けるとか、いろいろなやり方があるわけであります。そこでわれわれとしてもいろいろとそうした面について検討は加えているわけでございますが、現実の問題として、それではヘッジ力といわゆる大衆参加力とをどうやって仕分けるのか、たとえば倉荷証券でやるとかいろいろな手があるわけでございますが、そういう点につきましてもいろいろ検討はしております。検討はしておりますが、この改正が通った場合、直ちにそういうようなことができるというところまで実は詰まっていないわけでございます。
#76
○鈴木一弘君 だから大体そういった方向というものは考えているということですね。その点で私は了承しておきます。
 最後に、これは外務員の講習会テキストというのを見たのですが、この全国商品取引所連合会から出しているのを見ると、テキストがものすごくややこしいというか、ルビも振っていない、非常にむずかしいという点が多い。これで外務員の教育ができるかということです。現場からたたき上げている人も多かったわけですが、そういう点から見ると、今度は外務員ということになると、全然わからない人もいるわけです。その講習のテキストがこんなむずかしいものでいいのか、その点の行政指導は厳正にやっていただきたいと思うのですが、その点の考え方を伺って私は終わりたいと思います。
#77
○政府委員(熊谷典文君) どうもこの取引所関係の事務は非常に専門的になりまして、たとえば先ほど申し上げましたように、委託者に示します契約書にいたしましても非常にわかりにくい。またいま御指摘の外務員に対する講習のテキストも非常に専門的でわかりにくい。これはまあそういう高度な知識も必要でございますが、わからないものを幾ら講習いたしましても、これはわからないで終わるわけでございます。したがって講習期間をさらに延ばすとか、あるいはテキストの内容もだんだんわかりやすいものから積み上げていく、先ほども申し上げましたように、実際の訓練といいますか、勤務も加えていただくとか、もう少し実情に沿った講習会なりあるいは指導方針に切りかえていきたい、その辺は十分われわれも努力をしてみたい、かように考えております。
#78
○椿繁夫君 直接この法律には関係のないことでありますが、けさ新聞を見ておりましたら、最近雨が降らないので飲み水にも大体京葉地方一帯不足をするので、工業用水の地下水のくみあげをやらざるを得ないということについて大臣もこれに同意をしておられるような記事をけさ見ました。朝日新聞であります。で明日本院の本会議では公害基本法の審議が始まるわけであります。この地下水の過度のくみあげが臨海地区、特に工業をたくさん持っている臨海地区の地盤沈下に非常な影響を持っておるということは、これもいまや定説であります。昭和三十四、五年でありましたか、ちょうどいまの佐藤総理が通産大臣のときでありましたが、この地下水のくみあげを規制するために、工業用水法の一部改正、それから建物の地下水の採取を規制するための工業用水法というものを制定いたしまして、そしてこの地下水のくみあげを制限することによって地盤沈下を防止するという対策が講ぜられまして、私の大阪などのごときは年間を通じて、工業用水、建物の地下水のくみあげが一億トン程度くみあげていたのでありますが、それを制限をすることにより、一方では工業用水道を普及することによって、ほとんど地下水のくみあげ禁止に近い状態になっております。そのために年間場所によりましては十五センチも下がっていました、私どものところでは十二センチくらい下がっていたのですが、昭和三十九年以来ほとんど沈下が停止をしておる状態になっております。これはビルあるいは百貨店等が地下水のくみあげをやめ、それから工業用水道が普及いたしまして、この地下水のくみあげが強度に制限を受けましたためにこれはとまったものである、こういうふうに考えておるわけであります。ところが、このからつゆで雨が降らないものですから、どうも地下水のくみあげを許すとか緩和するとかいうようなことが通産省の御方針としてきまったように出ておりました。あるいはそうではなかったかもしれません。新聞に出ておるのであります、けさの新聞に。取引所法の一部改正で頭が一ぱいになっておる企業局長にこんなこと聞くのは、ちょっと気の毒なように思うのですけれども、明日から公害基本法の審議を始めようとしております際に、こういうことになっておるのでちょっと伺いたいのでありますが、この京葉地帯で、一日でも年間でもいいのですが、地下水のくみ上げを一体どの程度やっておるのか、それからそれに対して規制をする見地から、工業用水道の普及状況は一体どうなっておるのか、将来の計画はどうか、こういうことをちょっとお尋ねをいたします。
#79
○国務大臣(菅野和太郎君) 大阪の工業用水が不足しておるということは、実はきょう初めて承ったのであります。通産省のほうにもまだ報告は来ていないそうであります。従いまして、地下水のくみ上げというようなことは全然聞いておりません。局長も聞いておりません。けさの新聞は神奈川県下の記事であったかと、私もけさ拝見して、通産省云々ということが書いてあったので、実は私もそういう地下水のくみ上げというような指令を出したかどうかということについて企業局長に聞いたんでありますが、全然知らぬということであります。詳細なことは局長からお答えさせます。
#80
○政府委員(熊谷典文君) 私まことに申しわけございませんが、資料を持って参っておりませんので、京浜地区で地下水がどれだけ従来くみ上げられていたか、あるいは現在どのくらいくみ上げられておるか、またそれを押えるために工業用水をどれだけ普及したか、今後の見通しという資料は、後ほど早速届けさしていただきたいと思います。ただ考え方を申し上げますと、御指摘のように、いままで通産省が工業用水の普及ということに力を入れましたそもそもの出発点は、やはり地盤低下を防ぐというところにあったと思います。現在のところは地域開発というような面からみても、工業用水の確保も必要でございますが、出発当初はそこに力点があったわけでございます。最近御承知のように、工業用水の料金も、ある程度補助率も上げると同時に料金も上げて、工業用水事業の健全なる発達をはかるということにいたしたわけでございますが、この地下水、地盤低下地区につきましては、工業用水の料金も据え置いたという関係になっております。といいますのは、いかにこの地下水のくみ上げ、地盤低下をわれわれも重要視しているかということのあらわれだろうと思います。そういう意味合いにおきまして、現在御承知のように非常に水があらゆる面で不足しておるというのは事実でございます。聞きますと、工業用水についてもあぶなくなったということは、私報告は受けておりますが、その対策として、すぐやはり地下水までくみ上げなければならぬのかどうか、そういう事態であるかどうかということは、やはりよほど慎重に考えませんと、問題が起きようかと思います。それからまた地下水をくみ上げるのが一つの対策といいましても、そう簡単にできるものかどうか、その期間がどの程度にわたるのかどうかということも、相当やはり真剣に検討した上でなければ踏み切れないと思います。そういう意味合いにおきまして研究しておると思います。私聞いておりません。実際の政策をやります場合、十分慎重に配慮してまいるつもりでございます。
#81
○椿繁夫君 これは通産大臣にも局長にもちょっとお話しておかなきゃいかぬのですが、大体東京、それから横浜から千葉にかけまして、相当工業が最近特に集中してきておるわけですが、東京都など、ずっと本所、深川のほうはゼロメートル地帯になっておるにかかわらず、関西の京阪地区に比べまして、これまであまり水をかぶった歴史がないものだから、案外役所もこのことについてぴんと来ていないのです。大体工業というのは、ただの水――地下水が一番安い。水が不足したからこれから井戸を掘って使うというのではなくして、工業用水道ができますまでは、大体冷却用の水というものは、建物の雑用水なんというものはほとんど地下水なんです。地下水をくみ上げておった。そこで年々沈下していく状況を克明に調べ、そうしてこれだけ年々地盤が沈下しておるということで、この三十四、五年のころに二つの法律の制定、改正が実は行なわれたのでありますけれども、あんまり水をかぶった経験がないものだから、わりあい東京都だって通産省だって危機感がない。その節に私も申し上げたのですが、全部で私は六回床上浸水の経験を持っているものですから、特に当時申し上げて法律の制定に協力いただいたわけですが、大阪のほうは、いま臨海地区は地盤沈下がなくなった、工業用水が普及しましたから。この上町台地の――大阪城のございます上町台地をこえた山側の東大阪市でありますとか、あるいは大東でありますとか、豊中方面の新しい山に近い工業地帯のほうで地下水のくみ上げが行なわれておりますために、地盤沈下の地域が移動しているのであります。そういう経験にかんがみましても、私は東京なり千葉海岸地区の工業が、熊谷局長のお考えでは、何か水が不足したのでこれからくみ上げることを言ってきても許可しないで済むかのごとき考え方をしておられるようですが、本来工業というものは、地下水をくみ上げてやっておったが、それは工業用水道を布設してあげるからこういうものはやめなさいということにならなければいけないのであります。ですから私は、工業用水道の普及の状況、現に地下水を一体一日でもいい、年間でもいい、どのくらい程度のくみ上げをやっているかということを、これは真剣にひとつ考えてみなければならないと思います。これは熊谷さんや菅野さんは、これをよく御存じのはずでございますけれども、年間を通じまして、水をよけいに使う夏分には沈下がひどいのですが、冬分になりますと沈下が緩慢になる。しかも正月の元日、二日、三日という工業が停止いたしますときには、ほとんど地盤沈下に動きがないのであります。そういうふうに敏感に地下水のくみ上げということが地盤沈下に響いているデータがちゃんとできている。そういうものを東京都は少なくともこの七、八年前まではやっていなかった、名古屋でもやっていなかった、伊勢湾台風をかぶって、初めてこの名古屋なり四日市などでもこれを真剣に考え出した。そういう何から考えますと、けさおきめになったことはないというのですけれども、新聞を見て、私はどうも通産大臣には――地元ではちゃんとこれはてきめんに効果を発揮しているのに。書いてありますよ、その新聞に。熊谷さんも通産大臣も、こういうことではほんとうに――もしそうでなければいいのですけれども、こういう水の不足した場合には、地下水を全面的にくみ上げ禁止をするくらいの決意をもって、工業用水道の普及拡張、国としての援助ということについて真剣に私は取り組んでもらいたい。こういう気がしたものですから、きょうは特にあなたおつかれのところを気の毒ですけれども、お尋ねいたしておきます。
#82
○政府委員(熊谷典文君) 地下水のくみ上げ問題については、先ほど申し上げましたように、十分慎重に配慮してまいりたいと思います。なお、それをできるだけ少なくしていきますためには、おっしゃるとおり工業用水道の普及が大事であります。本年度の施策といたしましても、工業用水事業もなかなか水源地が遠くなっているというような関係もございまして、非常にむずかしくなってまいりましたので、遠い水源地につきましては補助率をアップするとか、その他の面につきましても一律に補助金をアップするというような措置によりまして、できるだけ必要な面の水は確保するという施策を、料金値上げと一緒にことしも前向きの姿勢をとっているわけでございます。したがいまして、まだ不十分な点はあろうかと思いますが、できるだけ御趣旨に沿って、われわれとしては努力していくつもりであります。
 なお、資料の点につきましては、後刻提出いたしたいと考えます。
#83
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日のところこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト