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1967/07/06 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第15号
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1967/07/06 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 商工委員会 第15号

#1
第055回国会 商工委員会 第15号
昭和四十二年七月六日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鹿島 俊雄君
    理 事
                井川 伊平君
                近藤英一郎君
                柳田桃太郎君
                阿部 竹松君
    委 員
                上原 正吉君
                重政 庸徳君
                村上 春藏君
                横井 太郎君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                竹田 現照君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
   国務大臣
       通商産業大臣   菅野和太郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        栗原 祐幸君
       通商産業省重工
       業局長      高島 節男君
       中小企業庁長官  影山 衛司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
   説明員
       通商産業省重工
       業局航空機武器
       課長       加藤 博男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○航空機工業振興法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○中小企業振興事業団法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鹿島俊雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、衆議院送付の航空機工業振興法等の一部を改正する法律案を議題とし、引き続き質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言願います。
#3
○大矢正君 いままでもずいぶんYS11にからんでの法律改正が何回となくこの委員会で行なわれてまいりましたが、特に、この際考えてみて重要だと思われることは、航空機のいわゆる製造に関しての試作の段階までは国家的な見地に立って出資その他によりYS11が国際的にも優秀な航空機として海外にその価値を高めるようにすべきであるという考え方できたと私は思うのです。ところが、今度は考え方を変えて、従来までの試作に要するその資金というものではなしに、量産をして国内はもとよりのこと、特に海外に販売をするについての資金的な面の措置というか、そういうものにまでこの法律の出資ないしは助成措置というものを伸ばしていこう、こういう解釈になるのではないかと私は感ずるのでありますが、まずその点からお答えいただきたい。
#4
○政府委員(高島節男君) 大矢先生御指摘のとおり量産段階に対しましても政府の援助をいたしてまいるという方向で今回の改正を企図いたしたわけでございます。
#5
○大矢正君 そこで、根本的な法律のたてまえなり基礎なり、この日本航空機製造工業というものに対しての考え方が、私はここで大きく転換をすることになるのではないかという感じがするのですね。いま私が申し上げたようなことで、従来までは試作をし、その試作が実際に国際的な信用の上に立って、他国にこれを売り渡すような状態になるまでという限界において私はこの法律が生まれてきたと思うのです、基本的な概念として。ところが、今度は量産段階に入って、それを実際に今度売る面にまで、この法律の効果を、政策的には別といたしましても、出資その他の面では及ぼそうということになると、従来の法律のたてまえとはかなり大きな違いがここに出るのではないかと思うので、その理由は何かということを承っているのです。
#6
○政府委員(高島節男君) 御指摘のとおり、製作段階に入ります前までの研究開発を中心にいたしまして、政府が出資して、そうして量産に入りましたら、これは政府保証債、主として国内に売れることを考えておりますが、政府保証債を中心にして金繰りをしていくという思想でこの法律が出発しました。そのために、この法律の附則に、出資は開発段階までである、それから先はやらないということをつけて今日までまいったわけでございます。したがって、御指摘のとおりここでこの法律の性格というものを、量産段階に入りました機会に見直しまして、事実上の製作が、今後量産についても政府が援助をして、YS11、大体前回説明いたしましたように、百二十機というところが最低売れるということを基礎に置いて、それでもなお金利高あるいは償却維持負担高等の要因を、何とかここで調整していくということも一つのねらいとして、量産段階に突っかい棒をして完了をいたそう、こういう気持ちでまいりましたので、したがって先生御指摘のとおり、法律が企図しておりました政府の補助の姿勢というものは、単なる試作段階における出資というだけでなく、量産段階における資金調達あるいは採算の援助という性格を持つものに変貌をいたしてまいるということにせざるを得なかったわけでございます。で、当初、前回にも御質問がございまして、法律を出しましたときは何機売れるかということについての非常に正確な見通しというものもございませんでした。一応の見通しは百五十いけば採算がとれる、こういう気持ちでやっておったわけでございます。今日いろいろな紆余曲折を経て、国内の売れぐあい、海外の輸出の需要等もいろいろ検討してまいりますと、国内があまり思わしくない、予想よりは非常に低い、しかし輸出には案外南米あるいは北米に期待が持てるという、そういう事情の変化がございましたが、それを総計しまして百二十は売れるという予想のもとにおいて、あと百二十を完了するのに必要な援助は何であろうか、こういう探り方から問題の決着を求めてみますと、ここで政府出資をし、若干の開発といいますか、対米輸出のための改造のための所要の補助というものをそれに付加いたしまして、今回の予算措置をとりました次第でございます。
#7
○大矢正君 私は、この種の問題は、少なくとも長い間の年月をかけて、国際的な信用を高めて、その航空機が他国に売れるようになる、あるいは売り渡す、あるいは買い手がつくような段階になるまで政府としてはできる限りの、もちろん民間の金もこの中に入っていますからなおでございますが、政府は援助する、しかしその段階を越えてどんどん量産段階に入り、現実問題として採算がとり得る状態になってきたとするならば、試作の段階そのための経費、そのためのコストというものは、もちろんこれから将来にわたって入ってくると思うのですけれども、その後の問題については、新たな立場からやはり別途行なうべきであって、量産段階にすでに入っているのに、出資をあえて国がこれからもするということは、私はどうも考え方の上において、従来の考え方と本質的に異なるのではないかということを先ほどからしばしば主張しているわけです。そこで、裏を返して言うと、本年度十二億円の出資というものは、具体的にはその出資がどういう意味を持つものか、それをお答え願います。今度は反対側から、裏側のほうから質問していきます。
#8
○政府委員(高島節男君) 本年度十二億円の出資の目的でございますが、これは従来の出資のように、開発段階における開発研究費に充てていくというものと異なりまして、所要資金の一部になり、かつ、それは出資でございますから無利子になります。民間もこれに応じまして出資いたしてまいりまして、合わせて二十二億円ほどの無利子の金がこの会社に投入されるということになります。そういたしますと、この会社が現在金利負担、これが政府保証債でございましても、七分八厘、あるいは一般市中借り入れにも依存いたしておりますが、これですと九分六厘といった非常に高率な金利負担にあえいでいるわけでございますが、諸外国に比べて金利が高い日本の現状から考えまして、政府の援助の方法として、出資を、確かに御指摘のとおり違った性格の出資でございますが、これをあえていたしました、そして全体のコストダウンに資していこう、こういう観点からやることにいたした次第でございます。
#9
○大矢正君 私は、実は補助的にこの問題について質問さしてもらおうと思って、本番は竹田委員が質問することになっておりますから、ところが、竹田委員がおくれてきたために、私がピンチヒッターで質問しているわけです。本人が参りましたから、一たんここでかわって、竹田委員の関連質問や、あるいは終わったあと補助的に質問さしてもらいたいと思うのでありますが、ただ、これは竹田委員の質問の中で当然御答弁をいただきたいと思うのでありますが、従来、局長、あなたが日本航空機製造に関連をしてきたわけではないけれども、過去における速記録等によってあるいは御承知おきのことと思いますけれども、今日あなたが言われることと、以前からの説明というものは、かなり違っているものがあるのですよ、これはおそらく竹田委員が具体的に質問されると思いますが、私もそういう意味があって、いま冒頭申し上げたとおりでありますが、申し上げたとおりの事情ですから、私はとりあえずの質問はこれでやめて、すぐ竹田委員に質問してもらいたいと思います。
#10
○竹田現照君 いま質問がありまして、お答えがありましたが、その点に関連して言いますと、この会社が量産段階に入れば、相当収益があがって会社自体ペイをする、そういう形になるから、それ以上政府の出資はしないと、三十四年この会社ができたときの国会における御答弁だったと思います。それが、いま附則を削除して、そういうことになっているのですけれども、そのときには、この会社がそういう状態になった場合には、民間出資を増し、あるいは開発銀行からの融資という面を考えて、とにかくも政府は新しい出資はしないのだと、そういう当時の政府委員の答弁だったのです。それをどうしても変えなければならない理由というのはどこにあるのですか。
#11
○政府委員(高島節男君) 御指摘のありましたとおり、会社を設立いたしました際には、研究開発段階までは政府が出資をして、あと量産に入りましたら、政府保証債、あるいは政府保証借り入れ金、あるいは民間からの資金調達も若干加えまして、それで大体百五十機の売れがあれば、おおむね採算がとれるのではないかと、当時の方々はお考えになっておったようでございます。前回の委員会でも、阿部委員から御指摘がございましたように、その当時、年産二十五機程度のところまで早く入ってという希望をもってやっておりましたわけでございますが、若干全体の体制がずれましたことと、需要の見通しにおきまして、現在相当具体的につかめるようになってまいりました。当時は、だれがやりましても、なかなかこの輸出の需要等も見当がついていなかった、それから国内の需要のほうも三〇%程度、国内のローカルラインから伸びるもの、乗客の伸びと、そういう気持ちをもっておりました。それが現状から判断いたしますと、おおむね一割程度の伸びが手がたいところであろうかと見られます。その辺を総合勘案いたしますと、現在まず確実に売れ得る機数というのは、輸出のほうに多くなり、国内では減りますが、百二十機ではないかというところを考えたわけでございます。百五十と言っておった時代とずれて、機数においても手がたく押えれば百二十機というところではないか。そうすると、輸出需要の状況あるいは国内需要の状況から判断して、この程度の機数が売れるところで一応対策を総ざらいして考え直してみなければならない。それには開発段階において出資してやったあとは借金をしてやっていきなさいということでは、百二十機ベースではその採算はとれないのではないかというところが、おおむね具体的に出てまいったわけであります。さらに、最初いろいろ検討しておりましたところを正直に申し上げますと、輸出なんかはもっと悪いのじゃないかしらという、一時は非常につらい気持ちになっておった時代もございましたが、輸出は幸いにデモンストレーション・フライトを実行いたしましたそのあとで、また有望な引き合いが南米あるいは北米等から非常に参っておる段階でございますが、輸出が比較的よくなったという感触がつかめました。百二十機はまず手がたいが、正確な機数としては、ここに売れ行きの見通しを置いていくべきではないか。そういたしますと、やはり現在の日本航空機製造の資金構造からいいまして、売れ行きが百二十機として押えました場合には、出資あるいは対米関係等において改造等を行ないますための必要な補助等の措置をとってまいりまして、これを応援していくということがどうしても必要ではないかということを感じたわけでございます。したがって、現行法を基礎にいたしました従来の経緯からいいますと、政府の補助の姿勢は、ここで御指摘のように量産段階に踏み込むということを決心した。ただ、踏み込むには、さてここでやはり百二十機完結すれば、一応心配されたYS問題が一つの完結がつくという見通しを得ましたから、したがって、今度の予算の際にこの法律も議論されましたが、法律に、出資についての限度を置きまして、「四十二億円を限り」と――最近はこういったスタイルのは非常に少なくなってまいりまして、予算の範囲内において、という形になっておりますが、一応この際はめどをつけましたので、「四十二億円を限り」ということにしまして、今回の十二億の政府出資をつけたということでございます。
#12
○竹田現照君 それで、この八年前と同じようなことで出資もそれ以上増資しないという説明があった。もう四十二億でこれに限ると、こうなった。また三年ぐらいたつと、見通しが狂ったからまた増資ということになりかねないのだけれども、あれですか、YSの、ちょっとこまかいことを聞きますけれども、当時国内需要が百機という見通しを持っておられたのですね。そうしてそれまでにいろいろとあらゆるところを計数的に調査をして、財政当局ともいろいろな検討を加えて、その見通しが立った。これは三十八年に試験段階を完了して四十四年までに百五十機といったですか、そのうち国内が百機と、こういうことなんですが、ところがいまのこの計画でいくと、国内ローカル線は三十機ですね、これから……。いま百五十が百二十に変更したとしても。そうすると、まるっきりこの会社をつくるときの計画から見れば、国内に関する限り、めちゃくちゃに変わっちゃった。それは一体どうなんですか。それはやっぱり国際的に航空機のジェット化とかなんとかいうことで、どうにもならなくなってきたというような原因なんですか。百が三十になるのですから、それが百五十のときからこういうふうに減って、また三十ですから、まるっきりないにひとしい、これはどうなんですか。
#13
○政府委員(高島節男君) 当初すべり出しましたときは、御指摘のように、国内百機、輸出五十機。もちろん国内は官庁需要等も含めまして百機。しかし、その中心には民間のエア・ラインの需要を見込んでおったわけでございます。今日私が百二十機ということを頭に描いております内訳を御参考に申し上げますと、国内は百二十機売り切ったところで五十五機、それに対して輸出のほうが六十五機、こういう計数を一応立てておったわけでございます。御指摘のとおり、いま国内と輸出との関係は逆転をした形に相なってきております。そういう実態になったと思います。それで、その中のおもなものでございます国内航空がなぜ伸びなかったかということでございますが、これは二つほど大きく言って原因になる点があるように感じられます。一つは、当時は国内のローカルライン、これも航空機を新しく線を引きまして、旅客にわりあいに人気のあったときであったかと思います。年率三〇%くらいは伸び得るのではないかという見通しを持っておったようでございます。ところがだんだんある一定の期間を経ますと、これの伸び率が具体化してまいりまして、なかなかそう簡単にはいかない。一定のところまでいくと伸び率が年率一割くらいのところに成長率がおさまってきているというように、最近の状況を見ますとなってまいっております。したがって、ローカルライン自身の旅客の需要の伸びを運輸省側で調べられまして、落ちてきているということが一つ。
 いま一つは、YS11を極力国内で使うという点については協力して進めてまいっておりますが、YS11のでき上がります時期が、ちょっと詳しい年月を忘れましたが一年ほどずれたわけでございます。ちょうどいろいろと試験等をやっておりまして、その結果翼をいま少し上げぎみにしたほうがよいというようなことが指摘された結果、約一年ほど出回りといいますか、がおくれたということがございましたために、その間に国内航空のほうの需要はそれを待ち切れない面もございまして、輸入をその時期にやったという二つの事情が大きな原因であろうかと思います。それにからみまして、現在の国内航空はYSを主として使っていくという態勢の姿勢は、ローカルラインに関する限りこれはしておりません。しかし、旅客の伸びが思うようにいかないので、今後あまり大きな期待をすることは無理ではないだろうか。そういたしますと、大体現在申し上げました国内の需要は、民需、官需も引っくるめまして五十五機程度に押えておくことが確実ではないだろうかというように、こういうような情勢に変わってきているわけでございます。
#14
○竹田現照君 それはいまのお答えですけれども、当時は日本航空、全日空などの使用しておりましたDC3、DC4、こういうような航空機の増加数、取りかえなければならない数、代替しなければならない数などを具体的に算定をして計算をして、そうして輸出の面も考慮した結果、増産、販売の見通しが立った、こういうお答えなんですけれども、そうすると、いまのお答えでは、旅客の伸び率云々ばかりおっしゃっておりますけれども、三十四年当時、日本の民間航空が使っていた飛行機の取りかえだとか代替あるいは増加、こういうことがジェット化の競争のあおりを食らって、そのことがまるっきり見込み違いを来たしたといったほうがむしろ当たっているのではないかと思いますが、どうなんですか。
#15
○政府委員(高島節男君) 当時の需要見通しの詳細について、ちょっと十分私も知識がございませんが、やはりローカルラインを中心に問題を考えていたのではないかと思います。現在日本のジェット化いたしておりますのは、御承知のように札幌−東京間とかあるいは東京から大阪、福岡といった大通り、メインラインがジェット化されておりまして、いわば日本航空を中心にしましたところの大きな大通りは、これはジェット機に席を譲って、この分にはYSが割り込んでいくということはちょっとむずかしいのではないだろうかという情勢に相なっておることは事実でございます。その辺に若干当時期待を持ったのか持たなかったのか、その辺はちょっと私正確ではございませんが、大筋は、やはり支線になるローカルライン、各中都市との間の結びつきを中心にしたところにこの飛行機が、比較的ストール性と申しまして、六十人程度のお客を運びながら、安定した、しかも千二百メートルくらいの滑走路で間に合う。そしてわりあいに輸送力が大きいというところの特色がとらえられて伸びてまいったように感じられる次第でございます。したがって、そのローカルラインの伸び率が予想よりも低かったということが一つの大きな原因ではなかろうかと思います。おっしゃいますようにジェット化等の行なわれる幹線に対しての期待も若干持っていた点もあったかと思いますけれども、それがおもな要因ではないのではないかというふうに推測をいたす次第でございます。
#16
○竹田現照君 これはいまのこの法律を通したあとでも同じようなことが将来起きかねませんから、はっきり通産当局の考え方を聞いておかなければいけませんけれども、いま私が聞いたように、八年前の算定をしたその計算というものは一体どうだったのですか。飛行機を変えたり何とかするというものの算定の基礎というものは、その当時どうだったのですか。国会でお答えしておるわけですから、皆さんがね。それがどういうふうに変わったのですか。
#17
○政府委員(高島節男君) 航空機課長から当時の様子を……。
#18
○説明員(加藤博男君) 先生の御指摘に関して、期待のお答えにならない点があろうかと存じますが、当時の航空の旅客の伸び率は、実は一五〇%をこえたりしておったわけでございます。これは当時としてはまだまだ新路線が開発中でございますので、いずれ鈍化はするであろう、そういう要素は入れましたけれども、それでも一三〇%台は維持できるのではないか。それから先生のお話の代替機などもその間に組みまして、それで約九十機という見通しを立てたわけでございますが、その鈍化の率が当時より予想外に大きく一〇%台に落ちてきたことが一つの原因であろうと思います。当時先生の御指摘のように、一応積算――乗客の伸び率をとらえ、それから代替を考えまして、それで計算したような次第でございます。ちょっと正確な積算そのものを持っておりませんのですが、そのように考えております。
#19
○竹田現照君 それは日本航空あるいは全日空ですね。三十四年からいまの、現在ですね、飛行機の機種、これはどういうふうに変化しているのですか。これは国産機を入れないで、ほとんどジェット化しているから、外国のものがほとんどですね、特に日本航空なんていうのは。そういう点はいまあれですか、掌握されていないのですか。
#20
○政府委員(高島節男君) ここに現在の各社の保有機数、YS11と大体同じような性能を持っておりますいわゆる中距離、中型の輸送機の保有機数がございますので申し上げてみますと、全日空では現在のところYS11は六機ほど購入いたしております。それから日本国内航空では九機ほど購入いたしております。それから東亜航空が四機ほど購入いたしております。合計十九機が購入されておる、こういう状態になっております。全日空以下、各社においてこれと比較的肩を並べるといいますか、同じようなファンクションを営む飛行機、すなわち大型のジェット機とかそういうものを別といたしまして、幹線用でなくローカルライン用と見られるものを見てみますと、全日空でF27、これが二十五機、それから日本国内航空でコンベア240、これは四十人程度乗れるものであったと思います。むしろYS11よりは人数が少ないものでございますが、これが六機、それから東亜航空では同じくコンベア240あたりを五機持っていると、こういう現在保有関係に立っております。
#21
○竹田現照君 それはいまのはわかりますが、一応の見込みを立てたときの民間航空の保有の飛行機とプラス現在の保有の飛行機の変遷の現状ですね、これはどういうふうに掌握されていますか。
#22
○政府委員(高島節男君) ちょっと現在時点の資料だけしか持っていなくて、はなはだ恐縮でございますが、おそらくはYS11が三十九年の末から四十年にかけてこれは入ってまいっております。それに応じまして伸び率が一割見当のところが最近であろうかと思いますので、その伸び率をまかなう残りの分は結局過去のF27等の一部の代替という形で動いてきているのではないかと推定できますが、ちょっとその変遷の経緯を調べた資料が手元にございませんので、まことに恐縮でございますが……。
#23
○竹田現照君 あれですか、そういうことを通産省でつかんでおらないで、これから百二十を売るという計算の基礎というのは、たとえば国内を三十にするとか、五十五と言っていましたけれども、これは官需が二十五入っておりますから、その計算の基礎はどこに置いてはじき出したのですか。
#24
○政府委員(高島節男君) これから先の需要の計算の基礎につきまして若干御説明いたしますと、まず国内の需要のほうは五十五機程度と比較的低く見ましたのは、これは、現在の国内航空のエア・ラインの需要というものが先ほどから御説明いたしておりますように、大体伸び率は一割というところに乗客の増加を見るのがいいのではないか、従来のように三割見ると五割伸びた実績のときですから、三割見たのが、弁解がましいのでございますが、無理もない気持ちもわかるのでございますが、それは一応今日の状況では事実がそうでないことを物語っております。運輸省当局も一割とまず見るべきであると、こういう計算を基礎といたしまして、あと若干の官需について個別に当たりのつくものは当たりまして五十五機というように押えた次第でございます。
 さらに輸出でございますが、輸出はこれは昔は非常に見当がつかなかった要素であろうかと思います。ところが、最近の情勢は、この輸出につきまして、あるめどが商談を背景として目下立ちつつあるという状況にございます。商談中でございますから、こまかく申し上げますと、目下日本航空機製造の宮本専務以下現地に乗り込んでアメリカなどでやっておる最中でございますので、それへの影響も考えまして大ざっぱに様子を見てみますと、大体六十五機というものはつかめるのではないかと、そういうことになってまいりましたゆえんは、先般アメリカに向けまして一年ほど前にデモンストレーション・フライトを実行いたしました。続いて南米に対してもこれを実行いたしたわけでございます。世界の航空機需要の中で、あと東南アジアとなりますと、これはなかなか外貨事情などもございまして、当初は相当の期待をかけていたようでございますが、これはなかなかそう簡単にはいかないという感じでございまして、したがって、北米及び南米、特に南米で現在ブラジルについてはすでに商談が具体的に進行をしており、ペルーのランサ航空というものにはすでに引き渡しを開始しておるという状況と、そのあたりから考えてみますと、六十五機これからの輸出を見ることは非常に自信が持てるといいますか、明るい感じを持ってきたと、さらに輸出の商談いかんでは、これはプラス・アルファになる可能性もあるかと期待をいたしておるわけでございますが、会社の経営の基礎になる見通しとしてはまず六十五機に押えて、国内五十五、海外六十五という形で百二十をベースにして今後の政策を考える段階ではなかろうか、こういう把握のしかたをいたしておる次第でございます。
#25
○竹田現照君 国外のほうはあとでお聞きすることにして、国内の五十五のうち、官需を二十五にしてある。現在七ですから、これは十八。そうするとかなりの率を防衛庁、航空局、海上保安庁、気象庁、航空大学、内閣、郵政省等でしょわなければならぬということになると、YS11のいわゆる国産化というものは、当初の見込みよりは、何というか、政府資金がほとんどかなりの部分をしょわなければ当初の計画というものは消化できない、そういう状態に追い込まれてきているんでないかと思うのですけれども、その点はどうなんですか。さらにローカル線が三十、いま十九ですから、あと十一くらいです。これは四十五年度までですね。あと三年で十一くらい売れるだろうと思うけれども、今度外国の問題を考えると、勢い、官需によってそれを消化をしなければ、いまこの法律の改正で四十二億の増資に伴ういろいろな計画というものもまた狂って、そのときになってまた出資増というようなことをやらなければ片づかない結果を招くのでないかと、そう思うのですが、どうですか。
#26
○大矢正君 ちょっと関連して。いまの竹田委員の最終的なものは、これから見込まれる販売の機数、こういうものとの関連においてコストがどうなり、資金面においてどのような変化が生ずるか、よって将来は再び出資等の問題が起こりはせぬか、こういう点における問題点の指摘なんです。
 そこで、私は同じねらいで質問するわけですが、私の場合に言わしてもらうと、十二億円四十二年度は政府が出資をする、民間は十億円ですか、ことしは。そうすると合わせて合計二十二億円出資増ということになるわけですね。二十二億円の出資というものと、それから先ほどあなたも答弁されておるが、これから四十五年度までにこの二十二億に対する金利をたとえば一番安い財投の六分五厘の計算にしてみても、かなりの金額になるわけです。それを、いままでは少なくとも航空機の試験研究、そうして一号機、二号機というものは、これはもう試験研究の段階だったが、実際は三号機から販売をするということになったわけですね、現実的には。そうすると、それ以降の実際に航空機をつくってみたところの段階においてコスト計算をした場合に、当初国会で私どもに説明をしたものと大幅に狂いがコストの上で出てきたんではないかという感じがするわけですね。と、なりますと、これは日本航空機製造株式会社それ自身の問題でもあると同時に、政府が大きな誤りをおかしたことになるわけです。やむを得ず、結局本来は融資、それから債券その他で埋め合わせをして、金繰りの限度において問題を解決しよう、あるいは海外に輸出をする場合には、輸出入銀行の金を使うとか、あるいは経済協力基金もあることだし、いろいろ経済協力に関係のある飛行機があるかどうかはわかりませんけれども、しかし強いていえばないとは言えないので、そういう問題だけで当然解決しないだろうけれども、実際にコスト高になってしまって、結局のところ出資をしなければおさまりがつかぬという結果になったんではないか。しかも、それはあなたが出資は四十二億円を限度にすると、こう言われるから、本来はこれでとまるべきものであるけれども、これをまた五十二億とか、六十億とか変えればいいことなんで、簡単なことです。それよりむしろ重大なものは、試作の段階で、そうして量産の段階までは政府は出資その他はするけれども、それ以後は自前でやりなさいということのほうが問題なんです。だから私はこれで先ほど来質問をしているわけで、一緒にひとつ同じようなねらいの質問なんで、御答弁をしていただきたい、こう思うのです。
#27
○政府委員(高島節男君) 従来からのねらいと、それから最近の現実との間には、需要の予測その他において非常にやはり食い違いが起こっていることは事実であると思います。現在考えておりますまず需要の中身のほうの御質問からお答えいたしてまいりますと、官需の関係では、三次防において十機程度の一応の輸送機の見通しもございまして、それも計算に入れ、あと運輸省、航空大学あるいは中南米等の需要を見てまいりますと、まずこの程度のところは確実にいき得るところではなかろうかという推定ができていくわけでございます。それから輸出の関係は、いま申し上げました六十五機かたいところでいける、こういたしまして、まず百二十機というものを基礎に置いて考えざるを得ないことになってきたわけです。従来は、御指摘のとおり百五十はいくんだと、そして開発研究費を政府の出資で見てもらう、補助をしてもらうというのでなくて、出資で、資本として入れてもらう、すなわちそれの償却はコストに入ってまいりますが、そういう形にしておって百五十機売ってしまったらまず採算はとれる、こう見ておったのが本来でありまして、それがおととしぐらいまでの政府側の姿勢であったと思います。ただ正直に申しまして、その間にほんとうに売れるだろうか、特に輸出面等についていろいろと危惧をしておった段階もございますので、どうもそのあたりが基本的に掘り下げねばいかぬということで、航空機工業審議会に小委員会を設けまして、むしろ輸出あたりもまだ相当暗いという見通しのままに、一体この対策をどうしたらいいだろうかという勉強、相談を本格的に始めたわけでございます。したがって問題は、正直に申しまして、一通り見直してみたという姿勢になったわけでございます。で、その答申を得ますまでの過程でいろいろ議論がありましたところを申し上げますと、日本の航空機工業は、戦争中は相当機数だけはたくさんつくっておったわけで、その技術の残りもございますけれども、しかし、戦後新しく特にこういう輸送機を中心とした分野に進出してまいるということには非常なむずかしさを感じまして、ある意味で非常な後進性を持ったところにとどまっておるということが現実でありますが、しかし、YSといういわば中型の旅客機で小都市間の輸送といいますか、そういうものに主として使われるところの需要というものは、輸出面において特にこれが利用される価値は相当あるんではないかということは、当時商談が、具体的に引き合いが幾ぶん出てまいりましたことがきっかけになりまして、掘り下げてみますと、これは相当にそれなりに伸び得る分野が世界的にあり得るんではないかということに着目がされた次第でございます。で、その結果、全体の需要想定等いろいろやってみましたが、契約がまとまらぬと輸出が、これははっきり申せませんが、まず百二十というところに計算の基礎を置いたこの需要というものは、完結のところまでいく、四十四年一ぱいぐらいのところで完結のところにいく見通しが得られるのではないか、こういう点が把握されてまいったわけでございます。さらにいろいろと計算等も勉強をいたしてまいりますと、コストの中でやはり金利の負担、これは日本が非常に世界的に国際的に高い結果としまして、現状のような、資本金は五十五億でこれは開発費でみんな使っちゃっている。運転資金には全然なりません、みんな使ってしまった金で、一文もコスト計算上は響いてこないという形で過去の五十五億は寝てしまっている、そういう状態でございますと、あとは借金、すなわち政府保証債、民間借金ということでいって金利負担が大きいのではないかということが一つ……
#28
○大矢正君 それはおかしい、金利負担はあたりまえでしょう、物をつくっているのだから。
#29
○政府委員(高島節男君) というのが日本の航空機のコスト、YSを突き上げておるコスト要因として大きいではないかということと、さらに過去の開発費というものが資本金として残しておるわけでございますが、諸外国の例等を見ますと、これはむしろ成功払い的なものにして、金を流してやって、うまくいったら返しなさいというような制度をとっているところもだいぶございます。その辺からいうと、日本の航空機工業に対する助成というものは、今後輸出を中心に百二十機の完結をしていくためには、やはりもう一歩量産段階に踏み込んで助成をせざるを得ぬのではなかろうかと、こういう感触になってまいったわけでございます。確かに、金利が高いとか、あるいはいろいろのコスト上の要因があるとか、売れ行きがどうだろうかということは、その過程においてわかっていた、わかっていたといいますか、わかっていた事実でもあり、また推測をされる事実でもございましたが、一応需要の予測を百五十機に置いて相当スタートにおいて楽観をしておったといいますか、そこに若干の踏み切りがあった、踏み切りを基礎にした楽観であったと思いますが、スタートをしたときとは違った事情になってきておる。ただ、この事業が途中で倒れまして、開発費に五十五億をやってみたけれどもどうにもいかぬのでやめだ、という形で行くことにはならないが、最後のてこ入れをすれば、百二十機を売って、これを目標に進んでいけば、何とかこのYSの事業というものは日本として成り立つ、終点に到着する、そうすれば、それに伴って出てきましたいろいろな技術開発上あるいは航空機の輸出による外貨取得上等々の効果もあるので、これは最後のてこ入れをこの段階においてすべきである、こういう感じを持つに至った次第でございます。
#30
○委員長(鹿島俊雄君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#31
○委員長(鹿島俊雄君) 速記を起こして。
 会議の進行の都合によりまして、本案の質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#32
○委員長(鹿島俊雄君) 次に、衆議院送付の中小企業振興事業団法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#33
○大矢正君 通産大臣に一、二お尋ねをして私の質問を終わりたいと思いますが、一つは、中小企業基本法にのっとって中小企業に対する具体的な諸施策が政府の手を通して行なわれておりますことは私も十分存じておりますけれども、しかし池田内閣以来の高度経済成長政策のもとにありましては、中小企業庁長官が具体的に月刊雑誌の中で指摘をしているとおりに、ますます独占的なと言おうか、大企業との間における格差があらゆる面で広がってきていることはこれは現実であります。したがって、中小企業政策というものにつきましては、もっと真剣に、しかももっと積極的に政府が取り組んでもらいたいと思いますし、そういう意味でこの中小企業振興事業団というものが設立をされて一そうその面における障害というものを取り除いて、中小企業が一本立ちでき、そうして日本の経済の中で活躍をされることを私は心から期待をするわけでありますが、ただ、この法律の内容をながめてみますると、結局のところは、一つは従来の高度化資金特別会計に基づくこの融資というものを助成策と称してこの事業団の業務にするということと、いま一つは、中小企業指導センターを通して中小企業の指導をすると、こうおっしゃるのでありますが、しかしそれはあくまで、指導センターの場合を考えてみても、東京の段階で頭の中で実際に行なうだけであって、手足となって動くものはこれは国家機関に所属をするものではない、地方公共団体もしくは商工団体等の職員が当たるということであって、あくまでも中小企業振興事業団それ自身の業務というものは、まあ言ってみれば計画立案といいましょうか、全国的な視野においての中小企業を指導するに当たっての方針検討とか教育であるとかいう限度にとどまるわけです。したがって、この中小企業振興事業団それ自身は個々の企業家を相手にして、個々の組合を相手にして実際の指導を行なうものではないという面において、若干欠くるものがあるのではないか。実際的な業務の内容というものはあくまでも地方がやるという、こういう原則がある限りですね。それから、なるほど高度化資金特別会計の中で、今日まで共同化、協業化に助成をしてきた金額と申しますか、そういうものよりは非常に大きな伸びを示していることは間違いがありませんけれども、しかしこの中小企業対策というのは単に共同化あるいは協業化だけが中小企業対策ではないんじゃないかと、こう思うのであります。たとえば中小企業金融公庫がある。中小企業金融公庫というのは、本来あくまでも独立した一つの企業がさらに発展をするために政府が金融面から助成をするという立場でありまして、この中小企業振興事業団がねらっておるところの協業化あるいは共同化とは性格を異にするものなんですね。そういう意味でこの方向の違うものが二つ存在をする、なるほど中小企業振興事業団というものは公庫のような金融機関ではもちろんないことは私も認めます。が、しかし、片一方では独立した企業をさらにいかにして力をつけ、高度化させ、近代化させて伸ばしていくかという方向をとり、片一方では結局のところ共同化、協業化だけにウエートを置いた中小企業振興をやり、いずれに重点を置いてやるにいたしましても、私はその政策を行なう上において、それを管理監督する立場にある通産大臣がコントロールするからいいと言いましても、おのおの志向するまた考え方の上において方向が異なるという事態が生じてきはしないだろうか、あるいは国民金融公庫とか小規模の事業に対する共済制度の問題にいたしましても、方向がおのずからそれぞれみな違ってくる。なるほど中小企業というものは千差万別でありますから方向がそれぞれ違うのはいたし方ないといたしましても、どのような形でこれを体系づけて中小企業対策とするのか。なるほど中小企業振興事業団の目的の中には、画期的な中小企業対策をこの中からこれを通して打ち出したいと、こうおっしゃっておられるけれども、実際にそういうことが可能なのかどうか。どうも組織的に系統的に考えてみても、内容的に考えてみても、私はそうではないような気がするので、まずその点をお伺いしておきたいと、こう思うのです。
#34
○国務大臣(菅野和太郎君) いま大矢委員のお尋ねの第一の件は、お話のとおりこの中小企業の振興についての指導方針と申しますかを事業団が樹立いたしまして、これを実際に第一線的に活用するのは府県なりあるいは商工会議所にやってもらうわけであります。でありますからして、全国に、この中小企業振興事業団の目的を達成するように各方面にひとつ働きかけるというものでなければ、いかに中央でこの振興事業団というものを設けましたところで実績があがらないのでありますからして、したがいまして、全国的に各方面でひとつ活躍してもらうように今後指導していきたいという考え方でおるのであります。したがいまして、研修などをして、それぞれ指導のエキスパートをつくって、そしてやっていきたいというような考えをいたしております。
 それから第二のお尋ねの件は、中小企業はお話のとおり千差万別でありますので、独立してやれる中小企業もあるし、また、大企業との競争場において協業あるいは共同化してやっていく中小企業もあるし、いろいろ私はあると思います。でありますからして、独立してやれる中小企業、それはそれで私はりっぱに伸ばしてあげるようにしなきゃならぬ、その点において資金の必要を感ずる場合には、それぞれの政府の金融公庫から金を借りるとかいうようなことで存立をはかっていきたいと、こう考えておりますが、しかし、中には、御承知のとおり、今日、生産設備の装置がだんだんと大規模になってきましたし、したがって、自力ではとうていそういう大規模の生産設備を備えることはできないというようなこと、あるいは労力の不足とかあるいは資本が少ないとかいうようなことで、どうしても個々別々ではやっていけないというような中小企業者に対しては、協業あるいは共同化をしてもらって、そして、それらの力によって大資本と対立していけるように指導していきたいというようなことに今回の事業団の目的があるわけでありまして、そういうことで、いままでに中小企業に対して、あるいは小規模についてはいろいろ共済制度がありまするし、いろいろの制度がありますが、この際は、各方面でひとつ全部に活躍してやってもらいたいが、しかし、いま申し上げましたとおり、やはりこの中小企業の振興事業団というものをひとつ本山にして、そして中小企業の振興を各方面において働きかけてやってもらって、全部がやはり動いて、日本の中小企業の育成と申しますか、振興をはかりたいという考えできておるわけであります。
#35
○大矢正君 長官にお尋ねしますけれども、先ほど申し上げたとおり、中小企業金融公庫というものと、この事業団が行なう助成措置は、助成措置といいましても、結局のところ、金を貸してやるということですね、その手続と過程が違うだけです。それから、中小企業金融公庫の場合には、直接または代理貸しということで金を貸す、したがって、代理貸しの場合には、みずから信用調査をしなくても、代理貸しをする金融機関が信用調査をするから、ある程度手数が省けるということがありますけれども、そういう若干の相違があるにしましても、われわれ世俗的に考えてみても、中小企業振興事業団も金貸しに相違はないんじゃないかという気がするわけです。そうすると、中小企業金融公庫というものがあり、そうしてまた、中小企業振興事業団というものがある。なぜこういう二つの重複するものが必要であるか、その意義が私にはわからない。中小企業金融公庫というものは、今日までかなりの歴史を持って、かなりの信用調査をする能力も持ち合わせて、それだけの規模を持って今日までやっているわけですね。したがって、ここに百七十八億円の資金を持ち、中小企業の共同化、協業化に対して助成をするというのであれば、中小企業金融公庫にそういう任務を与え、そういう業務内容を与えて仕事をさせたところで同じ結果になるのではないかという私は感じがするのでありますが、その点はどうお考えになるか。
#36
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘の点は、私どももこの振興事業団を創設いたしますにつきまして、立案の段階においていろいろ検討いたしたわけでございます。で、まず中小企業金融公庫は、できるだけ個別企業の育成をはかっていく、ただし、これは金融ベースというものを基礎にいたしております。ところが、振興事業団で対象にいたしますところの共同化、協業化と申しますのは、やはり零細企業をも含めまして共同化、協業化という大事業を行なう、団地で行なう大企業でありますので、ある程度リスキーな、危険性を負うものでございます。ここのところは持ち分を、おのおの分担いたしまして仕事をやっていくべきであるという結論に達しました。
 それからもう一つは、中小企業金融公庫は、審査とかいう能力はございますけれども、今度さらに共同化、協業化と申しますものは、やはり一国一城のあるじとしての考え方を持っておる人たちを指導しながら助成をしていかなければいけないという必要性もございますので、やはり指導面というものを大きくここに取り上げまして、指導と助成を総合的にやっていく機関をつくらなければいけない、これが第二点でございます。
 それから第三点といたしましては、この造成をいたしまして分割譲渡をするというような仕事もいたさなければなりません。中小企業金融公庫は金融機関と申しますか、そういう性質のものでございますので、これは中小企業金融公庫の仕事にはなじまないというようなことで、先生御指摘のような点も十分検討いたしましたのでございますが、分担をきめまして、しかしながら、先ほど先生が御指摘の点、おのおののものについての仕事のやり方の総合調整というのはどうするのか、ばらばらでいってはいけないのではないかということも大きな問題点であります。この点につきましては、先般御審議を願いましたところの中小企業近代化促進法という法律がございまして、やはりそこで業種別に、あるいは産地別に、業界のいくべき姿、それに対するところの助成のあり方、あるいは適正規模のあり方というような計画を立てまして、おのおのの持ち分に従って融資をするというような考え方で今後は進みたいと思うわけでございますが、ただ、先生御指摘の最後の点につきましては、まだまだ私どもも不十分だと思っておるわけでございますので、今後とも近代化促進法の業種別計画あるいは産地別の計画というものを中心にいたしまして、業種全体の見地からこの施策というものを総合的に活用していきたいと考えておるのであります。
#37
○大矢正君 もとよりこのそれぞれの目的なり、それから業務内容というものがあって、事業をされておるわけでありますからして、私はそれなりの意義がお互いにあろうと思いまするし、また、それなりの目的もあろうと思うのでありますが、ただ、中小企業対策と銘打ちましても、あまりにもその施策が分かれ過ぎているというきらいがありますから、やはり中小企業対策というからには、できる限り集約をして、横の連携もとれた上において中小企業に対する施策を行なっていくべきではないかという考え方がありますから、先ほど来申し上げているわけでありますが、そこで、もう一点、この間も若干出ましたが、この事業団が指定をする金融機関は商工中金、そして商工中金の出先ということになると思うのでありますが、御存じのとおり中小企業が、たとえそれが共同、協業でありましても、事業を起こすにあたりましては、ほとんどは協調融資が必要になってきますね。その際に商工中金だけが窓口であるという場合には、その共同、協業化する企業体にとりましては、やりづらい面が出てくるのではないか。たとえば他の銀行なり他の金庫なりというものとの関係がありますから、したがってやりづらい面がある。この面は商工中金に限って窓口としてこれから運営をするということには、若干私は業務の運営上無理がありはしないかという感じがするのでありますが、その点はどうですか。
#38
○政府委員(影山衛司君) 先生御指摘のとおりでございまして、地方銀行が協調融資を大部分やってくれるというような場合には、やはり地方銀行を窓口にいたすということも今後考えていかなければいけないと考えております。
#39
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#41
○小柳勇君 私は日本社会党を代表して、この法案に賛成するものであります。
 事業団をつくることについては、とかくの批判のある際でありますが、中小企業の現状にかんがみ、指導や構造改善の必要性という見地から、事業団の設立もやむを得ないと存じます。それだけに、事業団の業務については監督を十分厳重にして、効率的に遂行できるように注意し、役職員についても世論の動向にかんがみ民間有能な人材を登用するよう慎重に配慮して行なうべきものであります。
 なお、この際、各党共同で附帯決議を付したいという議がありまして、私は各党の御了承を得てここに決議案を提案いたします。まず案文を朗読いたします。
   中小企業振興事業団法案に対する附帯決議
  政府は本法の施行に当り、事業団の使命にかんがみ次の諸点につき格段の措置を講ずべきである。
 一、政府出資及び財政投融資資金を大幅に増額して、助成対象及び助成規模の拡大を図ること。
 二、中小企業の構造改善を実効あらしめるため、貸付基準等は、実情に即して弾力的に運用できるよう定めること。
 三、団地については、団地をめぐる関連公共施設を充実し、立地条件の整備を図ること。
 四、指導員の養成、資質向上を図るとともに、中小企業に対する診断指導制度の普及と指導体制の充実に努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
 本案の内容は、すでに各委員からの質疑の際に述べられたもので、別に御説明の要もないと思いますが、事業団が十分活動ができるための資金的配慮と業務の実効をあげるための貸し付けの弾力性、団地の立地条件の整備、診断指導体制の充実などに対して政府は大いに努力すべきであるという趣旨でございます。何とぞ御賛成くださいますようお願いいたします。
#42
○委員長(鹿島俊雄君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 中小企業振興事業団法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#44
○委員長(鹿島俊雄君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました各党共同提案にかかる小柳君提出の附帯決議案を議題といたします。
 小柳君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#45
○委員長(鹿島俊雄君) 全会一致と認めます。よって小柳君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、菅野通産大臣から発言を求められておりまするので、この際これを許します。
#46
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、各位の御希望に沿うように努力したいと存じます。
#47
○委員長(鹿島俊雄君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○要員長(鹿島俊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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