くにさくロゴ
1967/05/12 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第2号
姉妹サイト
 
1967/05/12 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第2号

#1
第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第2号
昭和四十二年五月十二日(金曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     相澤 重明君     大和 与一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 幡治君
    理 事
                石井  桂君
                宮崎 正雄君
                大倉 精一君
                柳岡 秋夫君
    委 員
                植木 光教君
                奥村 悦造君
                木村 睦男君
                黒木 利克君
                中津井 真君
                中野 文門君
                丸茂 重貞君
                横山 フク君
                原田  立君
                瓜生  清君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  坊  秀男君
       運 輸 大 臣  大橋 武夫君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房陸上交通安全
       調査室長     宮崎 清文君
       警察庁交通局長  鈴木 光一君
       経済企画庁総合
       開発局長     加納 治郎君
       経済企画庁水資
       源局長      松本  茂君
       厚生省環境衛生
       局長       舘林 宣夫君
       水産庁次長    山中 義一君
       通商産業政務次
       官        栗原 祐幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     仲矢  鍛君
       通商産業省企業
       局産業立地部長  馬場 一也君
       運輸大臣官房開
       発課長      原田昇左右君
       建設省都市局都
       市総務課長    野崎 清敏君
       自治大臣官房参
       事官       岡田 純夫君
   参考人
       公害防止事業団
       理事長      原 文兵衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○産業公害及び交通対策樹立に関する調査
 (昭和四十二年度産業公害及び交通対策の基本
 施策並びに予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十二日、相澤重明君が委員を辞任されその補欠として大和与一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(成瀬幡治君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事長原文兵衛君の出席を求め、その意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(成瀬幡治君) 御異議ないと認めさよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(成瀬幡治君) それでは、産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十二年度産業公害及び交通対策の基本施策並びに予算に関する件について調査を行ないます。
 まず、厚生大臣から所信を聴取いたします。厚生大臣。
#6
○国務大臣(坊秀男君) 第五十五回国会における産業公害及び交通対策特別委員会の御審議に先立ち公害防止対策に関し、所信の一端を申し述べたいと思います。
 最近の急速な都市化、工業化に対応して国民の健康と生活環境を守るためには、公害対策は厚生行政の重大な課題であると考えまして積極的に取り組んでまいりました。今日において、公害対策は、ひとり厚生省のみならず、政府全体といたしましても関連する重要政策の一つとして強力に推進する必要があります。公害対策を進めるにあたりましては、当面何よりもまず、これに対処する基本的姿勢と方向を明らかにすることが必要でありまして、この点から、さきに当委員会において公害対策基本法の制定を急ぐべき旨の御意見をちょうだいいたしていたところであります。
 政府におきましても、この際すみやかに公害対策基本法の制定をはかり、それを基礎として、これに関連する所要の法体系の整備をはかって、公害対策を具体的に推進してまいることが必要であると考えまして、総理府の主掌のもとに、数次にわたる公害対策推進連絡会議が開かれ、関係各省の意見の調整が行なわれました結果、すでに発表されましたとおり、公害対策基本法試案が取りまとめられた次第であります。ただいま同試案要綱の線に沿い、その法文化を急いでいるところでありまして、政府としての成案を得次第、公害対策基本法案を国会に提出し、御審議願う予定であります。
 基本法の制定に次いで、個別の規制法の改正、未規制公害の規制のための新規立法等について検討する予定であり、また、基本法案の中に示される予定の費用負担、救済制度等の関連諸法令の制定の準備を積極的に進める所存であります。
 さらに、法体制の整備と平行して、行政体制の強化をはかることが重要でありますので、環境衛生局に公害部を設置し、公害対策のより強力な推進に当たりたい所存であります。
 厚生省といたしまして本年度公害対策の具体的施策の重点といたしておりますのは、第一に地方における監視測定等の体制の強化であり、第二に公害行政に不可欠な調査研究の推進、第三に試験検査や監視指導の衝に当たる有能な技術者の養成ということであります。監視体制の強化の第一歩として、テレメーター方式による、高度に自動化され、集中管理を行なうための大気汚染の常時監視施設を、必要な地域の地方公共団体に設置するため、本年度からこれに国庫補助を行なうことといたしております。
 次に、公害防止に関する調査研究は、公害防止対策の重要な課題でありますので、まず地方において中核的な役割りを果たす研究体制の整備を強力に助成するとともに、環境汚染の実態の把握、人体影響の究明、汚染の予測等に関する調査研究を、広く全国の研究調査関係機関の協力のもとに、一そうの充実促進をはかってまいる所存であります。
 公害防止技術者の養成訓練につきましては、その質的向上をはかるため、本年度新たに国立公衆一衛生院に公害衛生学部を設置し、技術者の養成訓練のための長期の課程を創設し、監視の質的強化と研究の推進に資する所存であります。
 本年度におけるその他の公害対策といたしましては、環境基準の設定や、地域汚染の態様を全国的視野において把握することを目的とする国の大気汚染測定網の整備を進め、これに関連して、大気汚染分析センターの運営を本格的な軌道に乗せるほか、新産業都市、工業整備特別地域、過密地域等の地域開発にあたって公害の発生を未然に防止するため、開発整備地域の事前調査の強化をはかるとともに、はい煙規制法の強化のための地域指定に必要な調査等の実施を予定いたしております。
 次に、近年特に全国的な関心を呼んでいる四日市の公害対策につきましては、去る昭和三十八年、通産省と共同で行なった黒川調査団の勧告に基づき、ばい煙規制法に基づく地域指定をはじめ、各種の調査や、それに基づく対策を、関係各方面とも密接に連絡をとって進めてまいりました。昨年末、通産省と協力し、第二次の調査団を派遣して防止対策の結果を検討いたしました。磯津における大気汚染は大幅に改造されておりますが、悪臭問題や都市改造等、今後なお抜本的な施策を必要とする問題もあり、さらに、関係各省と連係を深めて、その対策を進める所存であります。現在四日市市が実施している公害に起因する患者に対する援護の対策といたしましては、本年度新たに、患者の医療費の自己負担分につき、企業及び県市の一部負担を条件に国庫補助を行なうことといたした次第であります。
 最後に、公害防止対策の推進には、発生源である企業の公害防止措置に対し助成措置を購ずることが、その実行を促進する上に必要でありますが、一昨年十月発足を見ました公害防止事業団は、発足以来、関係者の努力によりまして事業もようやく軌道に乗り、一部の事業につきましては近く完成を予定いたしております。本年度は、工務部を設置し、技術面を強化して、事業のより一そうの円滑なる推進をはかるほか、個別融資につきまして、ばい煙規制法の指定地域の全域に拡大して、事業団が専任に担当することといたした次第であります。
 私は、以上の諸問題の解決のため、誠意を持って十分努力する所存でございますので、ここにあらためて、各位におかれましてもなお一そうの御協力と御支援を賜わりますよう、お願い申し上げる次第でございます。
#7
○委員長(成瀬幡治君) 次に、通産大臣から聴取いたします。栗原政務次官。
#8
○政府委員(栗原祐幸君) 第五十五回特別国会における産業公害及び交通対策特別委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業大臣として、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 公害問題は、現在緊急な解決を必要とする国民的課題であります。公害を解決するためには、企業も、国も、地方公共団体も、そして住民も一体となって対処することが必要でありますが、この国の基本的姿勢を明らかにするため、現在、政府は、公害対策基本法案の準備を進めているところであります。
 通商産業省といたしましては、従来から、・住民の健康及び生活環境保全への配慮なしには、産業の健全な発展はあり得ないという認識のもとに、積極的に産業公害防止施策を推進してまいりましたが、今後も、この基本法を軸として、産業及び生産技術の実態に即した実効ある公害防止対策を積極的に推進する所存であります。
 次に、本年度の産業公害対策の重点について申し上げます。
 公害防止対策は、すでに都市化、工業化が進展した既成地域と、これから都市化、工業化の進む地域とでは、おのずから、異なってまいりますが、通商産業省といたしましては、これから都市化、工業化の進む地域の公害防止対策としては、公害を未然に防止するための総合事前調査を科学的、組織的に行ない、その成果に基づいて、適切な公害防止措置を企業及び地方公共団体に指導してきております。昭和四十二年度には、さらにこの調査地点を拡充して、公害対策を強力に指導することといたしております。これとともに、この対策をさらに一歩進め、無秩序な工場の立地が公害問題激化の重要な一因となっていることにかんがみ、必要な地域について計画的な工業立地を確保するため、工業の立地の規制、誘導等所要の措置を講ずることとし、このため現在、工業立地適正化法を準備中であります。
 以上の措置とともに、既成工業地域の企業に対しては、公害防止のための規制措置を強化する必要があります。
 このためには、第一は、ばい煙規制法、工場排水法等に基づき、極力規制措置の強化をはかるとともに、企業に対する技術指導、啓蒙普及を行ない、きめこまかい指導をも進めることであります。
 第二は、これら規制の強化を可能ならしめるため、公害防止技術の立ちおくれを克服することであります。この点につきましては、これまでも重点を置いてまいりましたが、本年度は、さらに公害防止技術開発費を倍増して、官民の技術陣を動員し、亜硫酸ガス対策としての脱硫技術及び自動車排気ガスの防止技術等、抜本的な防止技術の開発及び実用化を一そう促進することといたしております。
 また、ばい煙、汚水等の発生源である工場等は、公害を防止するため努力を傾注すべきことは当然でありますし、近年、企業も公害問題に対する社会的責任について積極的な姿勢を示しておりますが、公害防止施設は、生産設備ではなく、特に中小企業にあっては、経営上の問題もあって処理施設の設置は容易ではありません。
 このため、従来から、公害防止事業団、日本開発銀行、中小企業金融公庫等の低利融資等によって公害防止施設の設置の促進をはかっておりますが、本年度は、中小企業が主となって共同排水処理施設の設置を行なう場合には、特に、中小企業振興事業団から無利子融資を行なうことといたしております。このほか、公害防止事業団の事業規模を拡大し、また、税制上の優遇措置を拡大することといたしております。
 なお、通商産業省におきましても、公害防止施策をさらに強力的に推進するため、産業公害課を二課に拡大するとともに、行政の実態にあわせて、産業立地部を立地公害部に改めることとしております。また、公害防止技術開発のために、工業技術院傘下の資源技術試験所産業公害防止技術部を二部制とし、さらに新たに機械試験所に自動車安全公害部を設け、機構の拡充をはかる所存であります。
 以上申し上げました施策を通じて、今後とも、産業公害対策の推進をはかる所存でありますが、委員各位におかれましても、一そうの御協力と御支援を賜わりますようお願いする次第であります。
#9
○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こして。
 ただいまの厚生大臣並びに通産大臣の所信表明について御質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○柳岡秋夫君 私は、まず、いまの両大臣の所信表明を聞いて、過去本委員会でいろいろ論議をされてきた経過から考えまして、たいへん遺憾に存ずる点があるのでございます。それは、佐藤内閣の公害防止施策というのは、私は一つであるべきだと思うのです。したがって、この特別委員会におきましても、公害防止に関する責任のある機関というものをはっきり一つに統合してきめて、そしてそこが責任を持って公害防止の一切の施策をやっていく、それは、もちろんそれぞれの省にまたがる問題がありますから、それぞれの省にまたがる問題についてはその責任ある機関がそれぞれ指示をしてやっていく、こういうことに私はなろうかと思うのであります。ところが、いま、厚生大臣、さらには通産大臣、さらにはまた塚原総務長官まで来てやるだろうし、あるいは農林大臣なり、あるいはまた自治大臣なり、まあ運輸大臣はこれは別でございますけれども、経済企画庁長官、こういうようなそれぞれの大臣も、おそらく、いまのようなことになりますれば、所信表明をやってもらわなくちゃならないことになるのではないかと私は思うのですね。そうしますと、われわれがいままで、先ほど申し上げましたような観点に立って、政府の公害防止の責任ある機関というものをとにかくつくれ、こういうことを言ってきたのを、どのように政府は取り上げられて検討してこられたのかということを、まず一つ、私は疑問に思うわけでございます。このことを、まず一つ聞きたいのでございますけれども、これは、ほんとうならば、総理府総務長官が来られれば長官に聞くのが一番いいのですけれども、厚生大臣の先ほどの所信表明によりますと、公害対策推進連絡会議ですか、こういうところで数次にわたって検討を重ねてきたというようなことも言っておられますので、一体いまのような私どもの意見がどういうふうに検討されてきたのか、まずお伺いしたいのです。
#12
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘のように、公害対策の基本方針を進めていくということは、これは政府が統合的に一体となってやっていくべきものだと私も思います。そこで、審議会から答申を受けまして、被害者の立場として普遍的な立場にある厚生省が、この答申に基づきまして、一応試案、試みの案というものをつくったわけでございますが、いずれにいたしましても、公害関係の関係各省が十省余り、十数省にも及ぶというようなことでございますので、そこでこれを総理府へ持ってまいりまして、総理府で各省の調整をはかるという意味におきまして、総理府が、御案内のとおりの公害対策基本法の要綱試案といったようなものを、一応各省調整のものとにつくったのでございますが、その各省によって調整せられました要綱に基づきまして、閣議の了解によって、厚生省が、庶務と申しまするか、そういったようなことをやっていくというので、その法律をつくるということについてはひとつ厚生省がやってもらいたい、こういうことで、厚生省におきましてこの試案要綱に基づいて今日鋭意法案の作成を取り急いでおるような段階でございます。
 そこで、いかにしてこれを統一的に実施していくかということにつきましては、これは、総理大臣を会長といたしまする公害対策会議というものをつくりまして、ここで統一的に諸般の基本の方針をきめていくということに、その法律の中ではっきりとうたいまして、そうして政府一体としてこれを進めていく、この方針を打ち立てていく、こういうことに相なっておる次第でございます。
#13
○柳岡秋夫君 私は、きょうは、基本法の内容とか、そういうものについての質問でなくて、いまの大臣のそれぞれの所信表明を聞きますと、厚生大臣も、政府におきましてはこの際すみやかに公害対策基本法の制定をはかると、こう言っておる。通産大臣も、政府は公害対策基本法の準備を進めているところでありますと、佐藤内閣のもとにある大臣が同じようなことを言っておるわけですが、これでは、われわれがいままで――公害防止というものは佐藤内閣では一つしかないわけですから、したがって、そこで一つの責任ある機関が、公害防止の委員会におきましても中心となって進めていく、こういうことでなければいかぬのではないかということが、われわれのいままでの議論だったわけです。そういう問題が基本法の中では今後明らかにされてくるかと思いますけれども、過去、特別委員会が開かれ、そして四十一年六月二十四日には、この委員会で全会一致で決議もされているわけです、そういう内容が。したがって、当然、この新しい五十五回国会における冒頭の所信表明というものは、総務長官なら総務長官が一人、公害防止に対してはこういう所信を佐藤内閣は持っているんですよと、こういうものだけでいいんじゃないか。あとは、それぞれの関係の問題については、質問なり、あれでもって明らかにされていけばいいのであって、何か、それぞれの大臣が所信表明をするというのは、どうも私としては納得ができないわけであります。したがって、いまの大臣の説明では不足でございます。
 それはまたあとで議論することにして、もう一つ、公害基本法をそれぞれ準備を進めているということでございますが、けさの新聞にもちょっと報道されておりました、一体どうしてこういうふうに国会への提出がおくれているのかということですね。衆議院選挙の中でも佐藤総理は公約として出していることですし、したがって、もっと早期にこの法案は国会に出されてしかるべきではなかったかと、こういうふうに思います。いまだ国会に提出をされておらないのでございますけれども、その辺の経緯をひとつお伺いしたいわけです。
#14
○国務大臣(坊秀男君) 先ほども申し上げましたとおりです。この公害の防止ということにつきましては、表現がまずいかもしれませんが、公害を発生するような、つまり、加害者というと、これはたいへんことばの表現は悪うございますが、その事業に基づいて公害を発生するというような立場の役所と、それからその発生をした公害を、被害者の立場において、これをできるだけ防止し、かつまた未然にさようなことのないように予防していくという立場との役所がございまして、それで、いやしくも法案、法律として制定していく以上は、やはり事前に、法律作成までの段階におきましてそれぞれの問に相当の調整をしてまいらなければならない、こういうようなこともございまして、その事前における調整ということがそう簡単にまいらないというようなことで、今日までおくれましたことはまことに遺憾でございます。そういったような地ならしと申しますか、そういうようなことで、まずこの法律が手っとり早くなかなかいかなかった。で、できて御審議を願う法律の内容につきましては、慎重にひとつ国会において御審議を願うということでございますが、なぜおくれたかと、こういう御質問にお答えするためには、そういったような――ほかにもあるといたしましても、さようなことが一つの大きな原因であったということを御理解いただきたいと思います。
#15
○柳岡秋夫君 いつ国会に提出する予定ですか。
#16
○国務大臣(坊秀男君) きわめて近い機会に提出いたしまして御審議を願う、こういうことになっております。
#17
○柳岡秋夫君 聞くところによると、十二日、本日ですか、の閣議で、本国会に提出する法案はすべて打ち上げると、まあこういうようなことを私どもは内々聞いておるのですけれども、なぜ――これは、なぜというのも、まああれですけれども、おくれるというのは非常に責任の問題もあるのじゃないですか。どういうことですか。
#18
○国務大臣(坊秀男君) まあ、これは政府が提出する法律案でございまするので、政府におきましては、一応この十二日ということを提出期限というふうに考えておったわけでございますが、若干まだこの締め切りに間に合わないものがございますが、その若干のものの中に、この公害基本法も入っておるわけでございますが、これはほんとうにきわめて近いうちに提出の運びということになると思っております。
#19
○柳岡秋夫君 こういう重要な法案が、会期が六月一ぱいというこの国会で、未だに提出をされないということは、私は非常に遺憾だと思うのですね。やはり、国民が非常に関心を持っている問題ですから、一日も早く提出をしていただいて、十分国会で論議のできる、そういう余裕を持ってひとつ提出をしていただきたい。そうでなければ、われわれとしてもこれは責任を持てない、こういうふうに思います。
 それと、もう一つは、基本法というのはあくまでも基本法であって、具体的にやはり、先ほどあった個別的な法の改正なり、未規制の問題に対する法の制定、諸法令の制定が必要だと思うのですね。
 そういう、基本法の今度出されるものに関連をして、諸法令の改正案なり、あるいは新しい制定法をこの国会に提出をするものが、あるのでございましょうか。
#20
○国務大臣(坊秀男君) おっしゃるとおり、これは基本法でございまして、その基本法に伴って具体的な各般の措置というものがとられなければならないものでございます。そういう意味におきまして、この法律案に伴う法律は、一般的に申しまして、いろいろとこれは御審議を願うことになろうと思いますが、各省関係のさような具体的な法律案につきましては今日私はつまびらかにいたしておりませんので、これははっきりと、どういう法律どういう法律、ということを申し上げるだけの用意は私にはございませんけれども、おっしゃるとおり、この基本法に基づいて、具体的の法律案が実施されるべきものであり、また、されなければならないものだと、かように考えます。
#21
○柳岡秋夫君 たとえば、厚生省で言えば公害対策課、公害部とかという、そういう組織の改編、こういうものを私指して言っているわけではないので、水資二法にしても、あるいは大気汚染の、ばい煙の規制法にしても、いわゆる「ざる法」だと言われているわけですよね。したがって、当然、基本法の、これは政府なりの考え方が出れば、政府なりに、やはり、そうしたそれぞれの規制法の手直しをしていかなければ私はならないと思うのですよ。明年度――今年度は調査をする段階で、次の段階でそういう法律の改正なり、あるいはあれをしていくのだということであれば、これは非常に手おくれになっていくのじゃないですか。いますでに、もう大気汚染は非常に深刻な問題になっておるし、騒音の問題もそうですし、汚水の問題もそうです。したがって、当然、基本法ができれば、その基本法に基づいて、この国会で政府はそういうものに対しての手直しをやっていく、そういう段取りというものは必要じゃないかと私思うのですが、その辺はどうですか。
#22
○国務大臣(坊秀男君) いや、御意見のとおりだと私は思います。その各省のことにつきましては、ここで具体的に申し上げるだけの用意は私にはございませんが、しかし、おっしゃるとおりだと思っております。
#23
○柳岡秋夫君 厚生省。厚生大臣は厚生省のことは知っているでしょう。
#24
○国務大臣(坊秀男君) 厚生省としては、今日いろいろなものは研究はいたしておりますけれども、本国会へお出しをいたしまして御審議を願う段取りにまでいっておるものは、目下のところ、ないようでございます。
#25
○委員長(成瀬幡治君) 他にございませんですか。
 ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#26
○委員長(成瀬幡治君) 速記を始めて。
 次に、関係各省から順次説明を聴取いたします。
 それでは、最初に、内閣総理大臣房参事官の仲矢君からお願いをいたします。資料ございますか。
#27
○説明鼻(仲矢鍛君) 総理府は資料ございません。
 総理府といたしましては、先ほど厚生大臣のお話の中にございましたとおり、公害関係の各省の連絡調整をはかりますために、総理府総務長官を議長といたします公害対策推進連絡会議というものを設けておりまして、その幹事役といたしまして各省の連絡をはかっておるわけであります。そういうわけで、先ほど厚生大臣からお話がございましたとおり、公害対策基本法の試案要綱などを取りまとめる作業をいたしてまいった次第でございます。基本法ができますと、ただいまございます推進連絡会議がどういう形になりますか、おそらく、公害対策会議の下の幹事会というような形で、同じような仕事を続けていくことになるかと存じますが、今後とも、そういう連絡調整の仕事をしてまいりたいと考えております。総理府といたしましては、直接公害行政と申しますか、直接的な実務は持っておりませんで、連絡調整の仕事をしておるわけでございます。
 以上でございます。
#28
○委員長(成瀬幡治君) 次に、経済企画庁の総合開発局長。資料ございますか。
#29
○政府委員(加納治郎君) お手元に差し上げてございます資料に、「地盤沈下対策ならびに水質保全の現況、対策および予算について」、 四ページのものがございます。その一ページの、地盤沈下対策の現況及び将来の対策について御説明申し上げます。
 現在、地盤沈下対策審議会におきまして、東京、埼玉(南部)、神奈川(横浜・川崎)、千葉(浦安・市川・船橋)、名古屋、四日市、大阪(大阪市及びその周辺)、兵庫(尼崎・西宮・伊丹)、新潟周辺地区等における地盤沈下の検討を進めております。
 これらの地区の地盤沈下の原因について国及び県が調査を進めました結果、過度の地下水くみ上げがその主要な原因であると認められましたので、これに対処するため、昭和三十一年に通産省関係で工業用水法が制定されまして、工業用水としての地下水くみ上げの規制を行なうことになりました。同三十七年には、工業用水法の一部改正を行ない、規制を強化することといたしました。
 工業用水の規制を行なっている地区は、おもに京浜地区、阪神地区及び四日市地区等でございますけれども、最近、大阪東部等を追加指定いたしております。さらに、東京、大阪については、ビル用水のくみ上げについてもくみ上げを規制する必要を認め、昭和三十七年に、これは建設省でございますが、建築物用地下水の採取の規制に関する法律を制定いたしまして、地下水のくみ上げ規制を行なっております。工業用水の規制につきましては、代替用水の供給を条件といたしておりまして、表流水により工業用水を供給するため、工業用水道の建設を急いでおります。また、上水道の水源も、従来地下水によるものが多かったのでございますが、これら地盤沈下地域につきましては、表流水に水源を転換するように調査検討を進め、大阪、東京、埼玉等ではすでに上水道の建設が進んでおります。
 また、新潟地区につきましては、他の地区と異なって、水溶性ガスを採取するために地下水をくみ上げることが地盤沈下の主要な原因と認められることになりましたので、ガスの採取について昭和三十四年二月自粛規制、その後、大臣勧告に上る規制を行なっております。また、新潟市内のビル用水その他都市用水の地下水くみ上げ量についても調査を進められております。
 これらの対策によりまして、各地区とも地盤沈下の速度は緩和してまいっております。一例を見ると、三十四年ごろには年間二十センチ沈下しておりました東京墨田区では、最近は二分の一以下、十センチ以下になっておりますし、逐次緩和してきておりますけれども、なお沈下は続いております。そこで、今後の対策としては、沈下状況の調査を進めながら、沈下地帯における水需要の増大を抑制すること、それから水源転換をさらに積極的に実施すること、また、広域的に水需給の均衡をはかるための広域利水対策調査及び地下水を資源として有効に利用するための地下水利用適正化調査というものをさらに強力に進めまして、同時に、新しく起こりました問題として、沈下地帯における今後の土地利用について基本的な計画を策定するというふうな段階に進むように検討を進めてまいりたいという考えでおります。
 地盤沈下につきましては、以上で説明を終わらしていただきます。
#30
○委員長(成瀬幡治君) 続いて水資源局長の松本君。
#31
○政府委員(松本茂君) 水質保全の現況と対策、それから予算等につきまして、この資料によりまして御説明申し上げます。
 ずま第一に現況、それから対策の大要でございます。
 水質保全法は昭和三十四年から適用になっておるわけでございまして、三十六年に至りまして、計画的にこういう事業を進めていこう、こういうことで百二十一水域を調査対象といたしまして十カ年計画をつくったわけでございます。がしかし、その後、もっと早くもっとたくさんの水域を調査していく必要があるという必要が非常に緊要になってまいりましたので、昭和四十一年度にそれを改訂をいたしまして、緊急五カ年計画というものを考えまして、この新しい緊急五カ年計画によりますと、十カ年計画ではまだ調査をいたしておりませんでした未調査水域七十水域、それに新しく六十水域を加えまして、合計百三十水域をこの五カ年間に調査対象として調査をどんどん進めていこう、こういう考え方になっておるわけでございます。
 昭和四十二年三月現在で調査に着手済みの水域は八十四水域になっておりますが、そのうち、土十三水域につきましてはその処理を済ましておるわけでございます。十九水域は水質基準を設定いたしまして、残りの四水域は水質審議会の議を経ましてその処置を決定しておるわけでございます。本年度におきましては、加古川でございますとか、あるいは近畿圏の諸河川につきまして、できるだけ早く水質基準を設定するということで、いま作業を取り急いでおるところでございます。
 また、その他の河川につきましても、今後できるだけ早く調査解析を進めて、基準設定の促進をはかっていきたいと思っております。
 昭和四十二年度におきましては、上記の緊急五カ年計画の線に沿いまして、水質基準調査を五水域について行ないます。これは、前年度は五水域でございました。水域指定調査は、これは概況調査でございますが、二十二水域をやる予定でございます。前年度は十六水域でございます。特殊問題調査七水域――本年度は染色、石油、この二つを特殊問題といたしまして七水域について調査する予定でございます。前年度は十二水域でございます。それから、すでに水質基準を設定いたしました川につきましては、その事後調査を行ないまして、はたしてその水質が守られておるかどうか、そういったことの監視をはかっていく考えでございますが、本年度は二十水域を予定いたしております。前年度は十水域でございました。
 次に、昭和四十二年度の予算要求の紙でございます。
 前年度は三千七百七十六万円でございましたが、四十二年度は四千九十七万四千円となっておりまして、前年度に比べまして八・五%の増、こういうことになっております。その中心をなしますものは水質調査費でございます。その内訳は先ほど申し上げたようなことになっておるわけでございます。
 以上でございます。
#32
○委員長(成瀬幡治君) 次に、厚生省の環境衛生局長、舘林君。
#33
○政府委員(舘林宣夫君) お手元にお配り申し上げてございます「公害対策の現状と課題」という百ページほどございます書類によりまして御説明をいたしたいと思います。
#34
○委員長(成瀬幡治君) 何ページですか。
#35
○政府委員(舘林宣夫君) このパンフレットの一ページから……。まん中ごろに青い紙が入っておりまして、青い紙から以下は資料でございますので、資料も参照しながら御説明申し上げます
 法制定の問題は、これは厚生省のみの問題ではございませんが、基本法が制定されまして、それに引き続きまして、各法が関係各省の間で制定される運びとなるわけでございまして、これは基本法にも、法律で定めるというような条文があらわれてくることと思いますが、たとえば費用負担の問題とか、あるいは今後の検討材料ではございますが、救済制度の問題、あるいは未規制の公害の法律といたしまして騒音防止に関する法律、既存の法律といたしましては、ばい煙規制法やあるいは公共用水域の水質の保全に関する法律というような既存の法律の手直しというものが今後必要になろうかと思うのであります。
 次に、現状でございますが、大気汚染の防止の現状でございます。
 これは、ばい煙規制法、通産省と共管で実施いたしておりますが、青い紙の次に、一ページをごらんいただきますと、いままで、ここに書いてございますような年次別に指定をしてまいっております指定の数も非常にふえてまいりまして、二ページの一番右に第五次の指定、昭和四十二年度の予定といたしまして、今後は静岡県の富士地区、京都府の京都地区、和歌山県和歌山地区、広島県呉地区、宮崎県の延岡地区等を、調査の上で必要があれば指定するということになるわけでございます。
 次に、ばい煙規制法に基づく特定有害物質の指定でございます。これは、このあとの資料の三ページにございます。これも、この表のように、漸次指定をしてまいりまして、昭和四十二年度は、ここに書いてございますように、セレン化水素、ニッケルカーボニール、トリクロルエチレン、硫酸、臭素というようなものを調査いたしまして、調査の上必要があれば特定有害物質として指定をしてまいりたい、かように考えております。
 次に、またもとへ戻りまして、二ページの上から五行目、(3)ですが、京浜、阪神地区におきます亜硫酸ガスによる汚染、これはだんだん進んでまいりまして、概括的に申しますと、(イ)に書いてございますが、東京、川崎横浜、大阪等の亜硫酸ガスの汚染は、現在、年間平均で言いますと、ニューヨークの約二分の一、ロンドンの約八〇%、最高濃度で比較いたしますと、これらの一流都市の三分の一前後である。しかし浮遊粉じん――ほこりであります。ほこりが、これらの都市の一・五倍、日本が非常に悪い、こういう状況でございます。
 それから京浜葉、中京、三重、阪神、北九州、大牟田等は指定をしまして、指定をした既存の施設は二年間の猶予期間が法律にございますが、子の猶予期間が切れましたので、もうそれぞれ、ばい煙防止の措置をしなければならない、こういう状況でございますが、その結果、降下ばいじん、先ほど申し上げました、ちりは少し減りましたけれども、亜硫酸ガスは増加の傾向にあるというのが、青い紙のあとの八ページをごらんいただきますと、ございます。まず、青い紙の八ページに、ほこり、降下ばいじんの減り方を書いてございます。わずかながら降下ばいじんは各地区ともに減っております。ところが、九ページから十ページにかけまして、亜硫酸ガスのふえた模様を書いてございますが、最初が東京都で、一応御参考に、都庁の前を例にいたしますと、これは左のほうの三十九年十二月と四十年十二月で、平均〇・〇七が〇・一一になっております。神奈川県の県庁で言いますと、〇・一一が〇・一二、大阪府の衛生研究所、〇・〇七が〇・〇九になり、こういうふうにふえてきております。そこで、右のページの、一日の濃度が〇・一PPM以上になりまして非常に濃くなってくる。回数はどのくらいかと申しますと、一番上の都庁では、測定日数三十一日調べて五回ふえた、すなわち一六%、〇・一PPM以上であったのが、右のほうの四十年では、三十一日調べると十八回、五八%になっておる。こういうふうにふえております。次の神奈川県は、県庁で見ますと、六四%が〇・一PPMをこしておったものが、七五%である。大阪府では、大阪府衛生研究所で言いますと、一六%が四五%である。ことに西淀川地区は、八〇%もあったものが、さらに一〇〇%になっておる。こういうふうに亜硫酸ガスはふえてくる傾向でございます。
 もとへ戻りまして、監視の強化でございます。このように公害状況がふえたりいたしておる状況を常時監視するために、これは人間が自動車に乗ったりなどいたしまして、はかるということでは、その時間だけしかわからないということで、常時測定するために一定の場所に自動記録計を備えておいて、県庁のような中央へ自動的にそれが電気で集まってくるというようなテレメーター方式を、本年度から補助して主要な地区にいたしたいということで、うしろの資料の一一ページにございますが、たとえば東京都は十五自動ステーションを置きまして都庁へ集めてくる。川崎が四ステーション、横浜六ステーションというふうにして、四十二年度は三十六ステーション、四十三年度は三十六ステーション、四十四年度は三十ステーションという目標で、国が助成をいたしましてこういう自動記録計の監視網を張りめぐらしたいという計画を立てております。このための予算を一億一千百七十万円、本年度計上いたそうといたしております。
 次に、各地方の独自の調査をするための――それぞれ調査をいたしておりますが、その調査の国の補助費を三千六百万円計上いたしております。この各地方の公共団体の独自の測定点は、一二ページ並びに一三ページに書いてございます。各地方とも非常に熱心に、このごろ独自で測定を始めております。公害に対する監視網が漸次充実してまいっております。
 次が、前に戻りまして三ページの(5)でございますが、国としても自動記録計の国のステーションをつくるということで、本年度四千八十九万円を計上いたしております。これは、うしろの一五ページに書いてございまして、四十年度以来漸次計画的に国の自動ステーションをつくるように進めてまいっております。
 次に、前に戻りまして四ページ、公害の最もひどい地区の一つの四日市の現状でございますが、最近、四日市はかなり企業側の対策が進みまして、最もひどい地区でございました磯津とかいう地域は大幅に改善されて、うしろの一七ページにございますが、約三分の一ほどに亜硫酸ガスが減っております。それでもなお、市内の塩浜とか、あるいはその後のそういう地域の動向はまだわかりませんが、公害病患者が二百名前後、市の手でいま治療を受けております。これに対しまして、国としても本年度から助成をいたしたいということで、百万円ほど計上いたしてございます。
 それから前へ戻りまして、四ページのばい煙の影響、ばい煙が人体にどのような影響があるかということで、うしろのページの二三ページをごらんいただきますと、これは、いまの四日市の公害病患者の実情でございますが、二一ページに公害病患者がございますが、二三ページから影響調査のことが書いてございまして、二四ページは図表になっております。大阪と四日市を調べまして、斜線のところが汚染校、白い棒が汚染されてない校ということで、やはり汚染校のほうがいろいろな症状が多いというように出ております。その差異が四日市のほうがひどい。四日市のほうが汚染校の差がひどい。この理由は、明確ではございませんが、四日市のほうが急激に今日のような状況になったということが理由の一つではなかろうか。大阪のほうがじわじわ来ておるから、わりあい、住民がなれておるという点があるかもしれない、かように思っております。
 それから次に、自動車につきましては、次の二五ページに書いてございまして、自動車の影響、これは、この二五ページのまん中ほどに、結果といたしまして、一酸化炭素及び炭化水素による汚染のレベルはアメリカの大都市とほぼ同じである。浮遊粉じんは著しく高く、諸外国の都市の三ないし四倍である。警察官や学生は午後になると一酸化炭素ヘモグロビンがかなり増加する。汚染地区の住民には目の刺激を訴える人が多い。汚染物の拡散の状態は、地形、気象に大きく影響されるが、一般的には交差点の汚染濃度を最高とし、周辺に至るほど低くなっている。交差点から七十メートル入ったところでも、一酸化炭素濃度は交差点の濃度の三分の一ぐらいしか下がらない。自動車の増加傾向を考慮に入れて、できるだけ早く排気ガスの法規制とともに、居住地域、幹線道路の立地の面での対策を実現すべきである。
 かようなことで、次に、二七、二八ページにその実情を図表にしてございます。最初の二七ページの左の上が亜硫酸ガスでございまして、亜硫酸ガスは、それほど自動車の影響がない。年次の三十九年と四十年との比較でございますが、あまり変化がない。ところが、その下の一酸化炭素は多くの地域でふえております。霞ケ関は少し減っておりますけれども。一酸化窒素と申しますのは、これもかなり有毒なガスでございまして、自動車の排気ガスの中へ空気中の窒素が酸化いたしましてこういうものが生ずるといわれておりますが、これもふえております。
 次の二九ページの浮遊粉じん、ほこりの状況が書いてございます。ほこりは減る傾向にある。
 それから次に、前に戻りまして、六ページ。新しい産業開発地域で、産業開発に先立ちまして、予防的によく事前調査をいたしまして、その調査の結果産業を導入するということをする行政措置を指導いたしておりまして、その現状がどうなっておるかということは厚生省が分担し、新しい産業が入ってきてどういう変化が起こり、どういう影響があるかということは通産省がおやりになって、共同して、指導、事前対策をやっております。その状況はあとのページの三〇ページにございます。いままで、この図表にございますように、いろいろ調査をして指導をいたしてきております。
 また前に戻りまして、六ページから七ページ、八ページにかけて、その指導の現状を書いてございます。
 前に戻って、水質汚濁は、すでに経済企画庁から御説明いたしましたので、特段に私から申し上げることはございませんが、九ページに、へい獣処理場、屠畜場等の汚水処理、あるいは阿賀野川流域におけるメチル水銀中毒に軽く触れております。
 次に、一〇ページでございますが、まず、騒音の問題でございます。
 あとの図表の三五ページ、三六ページをごらんいただきますと、東京都の騒音がどの程度のものであるかということを、ここでお示ししてございます。住宅地域は平均五一ホンである。交通の要衝は七七ホンである。空港の周辺、これは、横円基地の滑走路から〇・九キロ地点を調べてございますが、九三ホンであるということでございます。この騒音が、実は公害の苦情で最も多いものでございまして、次の三六ページの一番左上をごらんいただきますと、公害の苦情が一万件あるうちで三千九百九十九件が騒音・振動の苦情である。すなわち、公害の苦情の中の三八%が騒音の苦情である。次いでは大気汚染が二五%、悪臭が一八%というようになっております。
 それから前に戻りまして、一一ページで、公害の調査あるいは研究というもののために、各種国立機関あるいは大学等に委託研究をいたして広範な対策を進めておりますが、そのために本年度は一億円を計上いたしております。その研究内容は、昭和四十年度からの研究内容は、うしろの三九ページ以降にいろいろ詳細に書いてございます。
 そのほかに、公害は新しい科学でございますので、技術者の養成訓練が必要であるということで、国立公衆衛生院で、この前のページの一二ページにございますが、本年度から新たに特別な訓練をするということにいたしております。
 次に、一三ページに、公害防止事業団のことがございます。これは、事業団の資金が、四十年度二十億、四十一年度四十五億に対しまして、本年度は五十億、契約ワク七十五億といたしまして、公害防止施設の助成をはかることにいたしておりまして、その内容は、うしろの四四ページにございます。
 最後に、地方自治体でございますが、地方自治体は、うしろのページの四七ページ以降に書いてございまして、四七ページをごらんいただきますと、各地方がそれぞれ条例を制定いたしまして公害対策を独自でやっておるという状況が、ここにお示ししてございます。各地方ですでに騒音防止条例を設けておるところが、ここに掲げてあるように、すでにたくさんございます。
 そのほか、四九ページに、公害のための特別部局を設けておる、あるいは公害を特に重点的にやっております部局はどこでやっておるということを一覧表でここにお示ししてございます。
 以上が、予算を含みます厚生省関係の御説明を申し上げた次第でございます。
#36
○委員長(成瀬幡治君) 次に、運輸大臣から所信を聴取いたします。大橋運輸大臣。
#37
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま運輸省が所管いたしております行政は、鉄道、自動車、船舶、航空等、陸海空の各分野にわたっておりますが、いずれの分野におきましても、交通の安全を確保いたしますことは、運輸行政の最も基本的な使命であると考えております。
 このため、運輸省としては、わが国の経済規模の拡大や輸送構造の変化に対応いたしまして、長期的かつ総合的観点から、輸送力の増強及び保安施設の整備をはかりますとともに、交通安全確保のための関係法令の整備及び交通関係事業者に対する指導監督の強化等諸般の安全施策を推進することといたしております。
 ひるがえって、最近における交通事故の発生状況を概観いたしますと、まず、鉄道におきましては、国鉄、私鉄とも、保安施設の整備の進捗等により 事故は逐年減少の傾向を見せつつありますが、なお踏切道事故はあとを絶たず、一方、自動車による事故は依然増加の傾向を示し、また、船舶の海難も件数では横ばいの傾向を示しながら、大型タンカーの増加に伴い、危険度の高い事故の多発が憂慮されており、さらに航空につきましては、特に昨年におきまして重大事故が相次ぎ、多大の犠牲者を出しましたことは皆さまの記憶になお新しいところでございます。
 このような情勢に対処いたしまして、今後さらに交通関係事故の絶滅を期してまいりまするため、関係施策のあらゆる面において格段の努力を行ない、もって一日も早く国民各層の期待に沿い得るよう最善を尽くす決意であります。
 なお、具体的対策につきまして若干申し述べたいと存じます。
 まず第一に、自動車関係におきましては、
 第一、船舶技術研究所に交通安全部を設け、研究機構の拡充を行なうことといたしております。 第二、ダンプカー等大型トラックに対しましては、街頭検査の強化並びに自動車運送事業者に対する特別保安監査の実施等を強力に推進することといたしております。
 第二に、鉄道関係につきましては、踏切道の立体交差化、その他踏切道の改良指導を強く推進する所存であります。
 第三に、船舶関係につきましては、海難救助体制を更に強化いたし、特に海上保安庁の巡視船艇、航空機、化学消防力等の増強整備と船舶の安全性の向上、並びに航路、港湾の整備等によりまして船舶航行の安全に特段の努力をいたす所存であります。
 最後に、航空の安全につきましては、航空全般について長期的視野に立った安全対策を実施中でありますが、特に空港整備五カ年計画に基づき、空港保安施設等の整備を強化推進する所存であります。
 次に、公害対策について私の所信を申し述べたいと存じます。
 運輸公害の中で主要なものといたしまして、船舶による海水の油濁、自動車による排気ガス、並びに航空機による騒音の三つが特に指摘されるのでありますが、私といたしましては、これら問題を極力防止いたしますため、関係施策の推進に最善の努力を尽くしたいと存じます。
 この機会に、これら問題の具体的対策について若干申し述べたいと存じます。
 先ず第一に、船舶による海水油濁につきましては、一定の総トン数以上の船舶に対し、油の廃棄を規制いたしますとともに、船舶の廃油処理施設の整備を促進する等のため、今国会に、「船舶の油による海水汚濁の防止に関する法律案」と関係条約を提出し、また、これらの施策に関し、所要の財政融資あるいは補助金支出等につき、予算措置を講ずることといたしております。
 第二に、排気ガス対策は新しい技術分野に属するものでありますので、当省としては、四十二年度に船舶技術研究所に交通公害部を新設し、技術研究体制の充実強化をはかる等の措置を講じ、自動車による公害防止を積極的に推進する所存であります。
 第三に、航空機騒音対策についてであります。この問題につきましては、従来から、東京、大阪両空港における夜間のジェット機の離着陸禁止措置等を講じてまいっておりまするが、これにとどまらず、学校、病院等の防音工事に対する助成、生活環境施設整備に対する助成、空港周辺の一定区域にある建物等の移転補償などを積極的に講じていく所存であり、これらの施策を円滑に遂行するため所要の立法措置を講ずるよう、すでに準備を終わりまして、提案の運びに立ち至っておるところでございます。
 以上、交通の安全と公害に関する当面の重点施策の一端を申し述べまして、私の所信表明を終わりといたします。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#38
○委員長(成瀬幡治君) 次に、水産庁の山中次長。
#39
○政府委員(山中義一君) それでは、水産庁の公害関係の被害と対策につきまして簡略に申し上げたいと思います。
 お手元にございます横に長い白い刷りものをごらんいただきます。右上に農林省と書いてございます。
 この水産関係――漁業はもっぱら被害をこうむる側でございますが、特にはっきりしておりますのは、工場、事業場等によります被害でございまして、第一ページの発生原因たる工場、事業場の数は全体で二千二百七十九。被害の推定額は七十四億五千三百万円に達しております。
 第二番目には、ただいま運輸大臣からもお話しございましたように、船舶の油濁によります被害でございますが、これは特に油の汚濁によりまして漁場の価値が下がる、あるいは魚に油のにおいがついてしまって非常に価値が下がってしまう、値段が下がってしまうというような点も含めますと、推算いたしまして四十八億三千四百万円というような多額に達しております。
 なお、この害に対します対策といたしましては、第三ページをごらんいただきますと、水質汚濁関係の水産資源保護対策事業費等といたしまして、水質汚濁の調査の委託をいたしております。
 これは、水質保全法に基づきます調査対象水域の調査の実施にあたりまして、経済企画庁が水質基準の設定の調査対象水域を選んでおいでになりますが、そこの部分につきまして、特に水産庁といたしましては生物関係の調査をしなければならないという点で、生物関係調査を都道府県の試験研究機関に委託いたしまして調査をいたしております。
 それから資源保護水域水質汚濁調査委託費といたしまして、特に水産資源の上では水質汚濁に敏感なアユでありますとか、サケ、マスというような川をさかのぼる魚類の保護水域につきまして汚濁源を調査して、この対策をはかりたいというために、特に百七十万円はかりの予算を計上しております。
 それから一方、水質汚濁の源を常時監視いたしまして、被害の防止をいち早くはかるというために、都道府県に対しまして、重要な河川と、本年から新たに沿岸地帯の二十カ所を予定いたしまして、水質の巡回の監視事業というものをいたしたいというので、それに対しまして二分の一の補助を行なうという予定でおります。第四ページにございます。
 それから水産資源保護法に基づきまして農林大臣が指定いたします保護水面の管理に必要な経費といたしまして、これも海及び河川にわたりまして千四百六十万円近い経費を計上いたしております。
 それから水産資源の保護に関するいろいろの活動を活発にいたしまして、国民一般に対します普及教育的な事柄を行なうというために、日本水産資源保護協会という団体に対しまして、その行なう資源保護の諸活動の事業に対しまして二千万円余りの助成金を出しております。
 なお、一般の水質汚濁防止の指導監督、これは、都道府県その他と協議会あるいは指導に対する旅費であります。
 水産関係につきましては、大体以上でございます。
#40
○委員長(成瀬幡治君) 次に、通産省企業局の産業立地部長の馬場君。
#41
○説明員(馬場一也君) 昭和四十二年度の通産省関係の産業公害対策について御説明申し上げます。
 お配りいたしました資料のうちで、「昭和四十二年度の産業公害対策  通商産業省企業局産業立地部産業公害課」と書いた縦書きの資料がございます。これに基づきまして御説明申し上げます。
 通産省関係の本年度の産業公害対策、その予算、財政投融資等でございますが、その予算関係につきましては、この資料の一番最後に横書きの数字の表がございまして、ここにまあ明細が書いてございますので、これを御参照いただきながらお聞き取りいただきたいと思います。
 先ほども通産大臣の所信表明で申し上げましたように、通産省は産業行政の立場から、この産業を健全に発展させるためには国民の健康なる生活環境の保全を十分配慮しながらやっていくという立場から、積極的に推進をしておるのでございますが、われわれの担当しております対策を大ざっぱに四つに分けまして御説明を申し上げます。
 第一点は、一ページにございますように、公害の未然防止対策ということでございます。先ほど大臣の所信表明でも申し上げましたとおり、すでに汚染が進んでおりますような地域に下す対策というのと並行いたしまして、これからほうっておけは汚染がふえるであろうと思われるような新しい工業地域に対しましては、汚染がきてからの対策ということではなくて、未然防止対策というのを講じていくという考え方でございまして、そういう面の対策が後ほど一つあるわけでございます。
 それから第二点は、これはすでに起きております公害に対しまして、ばい煙規制あるいは汚水の規制等、具体的に起きておる工場に対して規制の措置をとっていくという種類の対策でございます。
 それから第三点は、その規制を進めます上に、あるいは規制をもっとレベルの高いものにするという点でたいへん大事なことは、いろいろこういう公害防止技術開発を促進していくという点が第三点でございます。
 それから第四点は、このように規制を進めてまいりますにつきまして、これも先ほど所信表明で申し上げましたように、いろんな企業が防止施設をする義務があるわけでございますが、企業がその施設をする際、これに対しまして、特に中小企業関係等資力の弱い向きに対しましては、そういう防止施設の設置等に対していろいろ国から助成をする。その融資面、金融面あるいは税制面等でいろいろ助成をするという対策が第四点でございます。
 このような四項目にわたって対策を推進しておるわけでございますが、これらを総合計いたしますと、大体後ほどの表にございますように、通産省全般では一般会計といたしまして約十五億七千万円、前年度に比べますと大体二倍という予算額になっております。
 それから二ページにまいりまして、予算のほかに、いろいろ融資関係の財政投融資公害防止事業団、あるいは日本開発銀行、中小企業金融公庫等から、そういう企業の施設の設置に対して助成をするというための財投関係でございますが、これも前年度と同様、七十五億ということになっております。
 それから以上のような公害対策を通産省で推進してまいりますにつきまして、現在産業立地部の中の産業公害課というところで直接に担当いたしておりますが、産業立地部にはそのほかに、二ページから三ページにかけて書いてございますように、いろいろ工業立地、あるいは工業用水というような課がございまして、そこでそれぞれ本来の立地対策あるいは工業用水政策を行なっておるのでありますが、たとえば工業用水課におきましては、先ほど来お話に出ております地下水等のくみ上げによる地盤沈下というような公害に関連いたしまして、これを規制する半面、工業用水道の大体をつくっていくというようなことも、工業用水課の一つの業務になっております。それから未然防止を進めますにつきましては、後ほど御説明申し上げますように、工場の立地を一定の地域において規制をするというような措置も必要になってまいりました。このように、いわゆる産業公害課の所掌事務のほかに、他の立地政策課なりあるいは工業用水課の事務中の公害問題の面にウェートが非常にふえてきております。
 そこで、そういう事態にかんがみまして、まず産業立地部の実態は、非常に公害行政のウェートがふえてきておりますので、二ページにございますように、本年度におきましては設置法を改正いたしまして、名称を立地公害部というふうに、実態をあらわす名前にいたしたいというふうに考えております。それから、直接に産業公害を担当しております産業公害課を二課に分けまして、第一課では主として産業公害の全般問題、さらに第二課におきましては、ばい煙なり汚水なり、騒音なりという、個々の具体的な公害に対する対策というものを分掌するということにいたしたい、かように存じております。さらに技術開発が非常に重要でございますが、この技術開発をいろいろ通産省の工業技術院傘下の各試験所で担当しておるのであります。そのうち特に、大気汚染関係、あるいは自動車の排気ガス関係が最も重要なウェートを持っておりますのは傘下の資源技術試験所、機械試験所でございますが、個々の産業公害あるいは自動車の安全公害関係のセクションを、三ページの中ごろ以下にございますように、それぞれ拡充強化をいたしたいというのが、この対策を推進していくについての機構のかまえでございます。
 次に、四ページにまいりまして、以上申し上げました四つの柱の一つ一つにつきまして概略御説明申し上げます。まず四ページの二に、産業公害の未然防止のための事前調査の実施、予算といたしましては七千三百万円、カッコの中は前年度の数字でございます。これは具体的に申し上げますと、先ほど申し上げましたように、新規の工業地帯を対象といたしまして、ここに事前に工場の立地計画はもうすでにきまっておる。しかしまだ具体的に工場の建設は始まっておらない、あるいは建設中であるというような段階におきまして、全体の立地計画がかりにそのとおり実行されたとすれば、その地域の大気汚染なりあるいは水質汚濁の状況は、全体としてどういうふうに変化するであろうかということを科学的に調査いたしまして、その結果、一つ一つの工場の立地計画を、工場の計画どおりそのまま進めさせたのでは、その地域全体の状況が悪化するというようなことが判明いたしました節は、一つ一つの工場の施設に対しまして、たとえば百メートルの煙突を立てる計画を百五十メートルにさせるとか、あるいは三本の低い煙突を一本の高い、中央の煙突に統合させるというような、立地計画の具体的な指導を行なうということのための調査でございます。四十年度からこの調査をそういう地域について始めておりまして、大気関係、海域関係、河川関係という三つに分けてやっておりますが、本年度におきましては大気関係を五地域、海域関係を三海域、河川関係を一河川、前年度に比べましてそれぞれこの点を拡充いたしまして、この仕事を進めてまいりたいと存じております。
 第三番目は公害防止対策の拡充でございます。 これは先ほど申し上げました分類で申しますと、実際に起きております公害に対しまして、これを規制するための費用、それからいろいろ工場等に対して指導書等を配りまして啓蒙をいたしますような費用、そのほか未規制の騒音等の公害に対しましてどのような規制が実行されるかということを検討いたしますための調査費というようなものが、その内容になっております。各項目につきましての予算の内訳は四ページにそれぞれ書いてあるとおりでございます。
 次に、五ページにまいりまして、共同公害防止施設設置に対する無利子融資制度の新設二億六千六百万円というのがございます。これは先ほど所信表明にも申し上げましたとおり、企業が公害防止施設をやりますときに、特に資力の弱い中小企業等におきましては、なかなか実際に諸施設を設置することが困難であるという場合がございます。特にそのうちで一番問題になりますのは、中小企業が集団でございますような地域におきまして、その集団の中小企業がいずれも汚水を流して川をよごす、しかもそこには、それを受け入れる下水道の整備がおくれておるというような地域がございます。このような場合には、一つ一つの企業が下水設備をいたしますとたいへんかさ高になりますので、これを共同で処理する設備をつくるというようなことが必要になってまいりますが、このようなケースにつきましては、本年度から中小企業振興事業団を通じまして、大体所要資金の八割、これは具体的には国が四割、それから当該府県が四割、合わせまして八割を振興事業団を通じまして無利子融資をいたしたい。この無利子融資を受けました企業の組合は、これを公害防止事業団に持ってまいりまして、そして公害防止事業団で残りの二割と合わせまして、その共同施設の建設を事業団として行ないまして、これを中小企業の組合に譲渡する。したがって、中小企業の組合はその場合に、特に建設にあたりまして過大な負担をせずして、共同公害施設を設置することができる。八割が無利子、あとの二割が公害防止事業団の六分五厘の金を使いますので、大体トータルいたしますと、全体としては約一分何厘というような、非常に低利の金利で、しかも頭金は企業として直接出さなくて、この施設の建設ができる、こういう制度でございます。これを本年度から大体三地域を予想しておりますけれども、これに対してこれが二億六千六百万円というのは、国の受け持つ分、したがって全体の四割に相当する金額でございます。
 次に、五番目にございます工業立地適正化法の制定ということでございます。これは先ほど大臣の所信表明で申し上げましたとおり、いろいろ事前調査等を行ない、この結果に基づきまして、企業に個々の施設の改善等につきまして行政指導をいたしておるのでございますが、これはあくまで行政指導でございます。いわゆるきめ手となるものではございません。このような段階をもう一歩進めまして、そういう問題のある地域、あるいはすでに非常に大気汚染その他の公害が進展をしておりまして、これ以上企業がふえましたのでは、公害がますますふえるというような地域におきましては、そういう地域を指定をいたしまして、一定の関係ある企業に対しまして、その立地を規制をする。そこに建てさせない場合もございますし、あるいは建てる場合にはこういう施設をして建てなさいという、条件つきで許可をするというようなことを、法律的なけじめをもって行ないたい。
 同時に、そういう規制をいたします反面、それでは工場をどこへ置けばよいか――どこに工場を置けばその全体の環境とマッチし、工場も能率が上がるか。あるいはそこで将来いろいろスプロールなり公害のおそれのない地区というものを各地に指定をいたしまして、そこへいく企業に対しましては、いろいろ税制面その他の優遇措置を行なって、そういうところに企業を誘導していくという、いわゆる誘導措置でございます。この二面をあわせました適正化法という法律を制定いたしたい。これは先ほど来問題となっております公害対策基本法でこういう施設の設置の規制をやることが必要であるという一項目がございますが、それの実施法にあたるものとわれわれのほうでは考えております。目下関係の各省と最終の調整中でございまして、今度の国会にはその調整が終わり次第提出をいたしたい、かように存じております。 次に、産業公害防止技術の開発。予算といたしましては十億四千四百万円、昨年度に比べますと相当大幅にふえております。そのうち特に大きい項目といたしましては、いわゆる大型プロジェクトとしてやっております脱硫関係の技術開発、排煙脱硫、それから本年度から始まります重油からの直接脱硫の開発、これは世界的に見ましてもまだ確立されていない、全く新しい分野でございますが、これを国が中心になりまして昨年以来進めておるのでございますが、そのテーマを本年度もさらに推し進めていくという開発費が五億五千五百万円。
 それから自動車の安全公害センターというものを、資源技術試験所、機械試験所の各セクションを合わせましてつくるのでございますが、その費用が七千五百万円、そのほか、いろいろな廃水その他、各試験所でやっております各種のテーマを合わせまして公害技術関係が十億四千四百万円、これはいずれも公害防止関係でございます。
 七番目に公害防止事業団の事業につきましては、先ほど来厚生省のほうから詳しい御説明がございましたので、内容を省略いたしますが、本年度は財投といたしまして五十五億、事業規模は大体七十五億ということで推進をいたすことになっております。
 それから八番目は、開銀、中小公庫等、いわゆる企業に対する融資の金でございますが、そのワクがそれぞれ公害ワクといたしまして、開銀は本年度十五億、中小公庫は十億。開銀が昨年度より減っておりますのは、だんだんこういう直接の防止施設に対する融資につきましては、公害防止事業団のほうに一元化をはかっていくという過程にございますので、その関係で公害防止事業団関係がふえ、開銀関係が減っておる、こういうことになっております。
 それから八ページへまいりまして、いろいろな施設をつくりますにつきましての税制面からの優遇措置でございますが、すでにばい煙の規制あるいは水質の規制に伴いまして、こういう施設を設置いたします場合には、それぞれ、国税関係におきましては耐用年数の短縮、それから地方税におきましては固定資産税の免税措置が講ぜられておりますが、本年度はさらにそれらに加えまして重油脱硫というものを企業が設置いたします場合に、この重油脱硫施設に対しましては、固資産税を三年間二分の一に軽減をするという措置、それから特別償却制度を、これは初年度四分の一の特別償却制度でございますが、これを追加するという優遇措置を考えたいということでございます。
 これは具体的には、それぞれ大蔵省の租特法あるいは地方税法の改正ということで、具体化をいたすことになっております。
 最後に、各省から述べられました公害対策基本法につきましては、通産省も積極的に協力をいたしまして、これを早急に制定をし、かつ、その中でそれぞれの持ち分に応じまして、通産省はその持ち分について、各種の対策を推進してまいりたい、こういうことでございます。
#42
○委員長(成瀬幡治君) 運輸大臣官房開発課長の原田君。
#43
○説明舞(原田昇左右君) 運輸省から提出しております資料の後半のほうにございます「公害対策関係」、その五の「船舶の油による海水汚濁防止関係」というのがございます。ページ数が打ってございませんので、はなはだ恐縮でございますが、これは近年船舶の数が非常にふえてまいりまして、日本近海において船舶から排棄された油によりまして港湾内、沿岸等の生活環境や美観がそこなわれるばかりでございませんで、先ほど農林省から説明がございましたように、漁場の被害、それから厚生省の関係では海水浴場等の被害が続出しておるわけでございます。特にノリ、カキ等をはじめ、水産物が受けた被害は最も大きくて、重大な社会問題となっておるわけでございます。 また一方、油による海水の汚濁は国際的な問題となっておりまして、昭和二十九年に「油による海水の汚濁の防止のための国際条約」が採択されております。わが国は署名だけしておったわけでございますが、まだ加盟するに至っておりません。これは条約上の義務を履行するための国内体制の整備について問題があったわけでございます。そういう情勢で今日に至っているわけでございますが、ここで今国会に「油による海水の汚濁の防止のための国際条約」の批准案と「船舶の油による海水汚濁の防止に関する法律案」を提出いたしまして、これによって船舶からの油の排出の規制、それから廃油処理施設の整備促進、廃油処理事業の適正な運営の確保等の措置を講じまして、油による海水汚濁の防止をはかりたい、こういうことでございます。
 この法律案は、四月二日に今国会に提出されておりますが、いまだ御審議をいただいておりませんので、ひとつよろしくお願いいたします。
 それから、自動車の排気ガスの防止関係でございますが、最近の自動車数の激増と都市交通の過密化によりまして、自動車の排気ガスの有毒成分の人体に及ぼす悪影響は、非常に大きな社会問題となっておりますことは、先ほど厚生省から御説明のあったとおりでございます。このために当省といたしましては、まず第一に、昨年九月以降、新型自動車につきましては、排気ガス中の一酸化炭素濃度が三%以下であること、そういう基準をつくりまして、これに適合しないものにつきましては、型式指定をしないということにしております。なお、この基準は今後漸次強化することといたしたいと考えております。
 次に、在来の型式のまま引き続き製造、販売されております自動車につきましては、本年の九月一日までに同様の基準に適合させることにいたしております。
 それから三番目に、使用過程にあります車の整備につきましては、整備上の技術基準を検討いたしておりまして、このため昨年の十二月から開始しました走行キロによる排気ガスの悪化状況の追跡調査を目下継続中でございます。
 それから上述にあわせまして、技術研究体制の充実をはかるために、四十二年度予算におきまして、船舶技術研究所に交通公害研究部を新設いたしまして、自動車による大気汚染防止の積極的な推進をはかることといたしました。なお、この研究所におきましては、同時に安全対策につきましても、別途研究いたすことになっております。
 それから次に、航空機騒音防止関係でございますが、航空機騒音につきましては、先ほど厚生省からも説明がありましたように、非常に苦情が多うございまして、東京、大阪の両国際空港の周辺におきますジェット機から発生する騒音に対します苦情が相当あるわけであります。これにつきまして、騒音の測定とか、騒音対策委員会を設置するとか、あるいは深夜におけるジェット機の発着禁止措置とか、騒音の軽減措置といたしまして、滑走路の隔離とか、あるいは滑走路の離着陸経路を海上方向にするように指導するとか、いろいろな措置を講じておるわけでございますが、特に先ほど大臣が所信表明でも申しましたとおり、本日の閣議におきまして「公共用飛行場周辺における航空機騒音による災害の防止等に関する法律案」というのが決定されまして、この法律によりまして民間空港におきます航空機騒音防止対策を推進いたしたい、こう考えております。本日閣議決定になりましたので、近日中に国会提案の運びになる予定でございます。
 その次に、地盤沈下対策関係でございますが、東京、川崎、大阪、尼崎西宮、新潟等の地盤沈下都市におきましては、地下水とか天然ガスのくみ上げの規制は行なわれておりますが、現在なお地盤の沈下が続いております。そこで当省といたしましては、これらの都市におきまして港湾内の堤防の沈下による保全能力の低下、地盤沈下による排水機能の低下、それから堤防等の累積したかさ上げによる耐震性の悪化、それから低地帯の増加等に対処するために、耐震性の改善を考慮した海岸保全施設の改良、排水施設の増強、それから地盤かさ上げ等の手段を講じまして防災水準の維持をはかってまいっております。四十二年度以降におきましてもこれらを継続いたしていきたいということになっております。
 それから工場排水規制関係でございますが、これは工場排水等の規制に関する法律に基づきまして、運輸省の所管いたしております鉄道車両製造業、造船業、船舶用機関製造業、自動車整備業等からの工場廃液の適切処理に対しまして指導、監督の業務を強化いたしておるわけでございます。
 それから最後に、気象庁におきます大気汚染対策といたしまして、三重県の四日市市におきまして、局地気象特性の観測調査を行ないまして、この成果と、気象研究所において現在研究いたしております、ばい煙による大気汚染が気象にどう影響するかという問題を検討いたしておりますが、こういった成果をもとにいたしまして、近い将来において大気汚染による災害の防止に寄与するためのより精度の高い気象予報が実施できるように検討いたしております。
 以上が、運輸省の関係いたします公害対策でございます。
#44
○委員長(成瀬幡治君) 次に、建設省都市局の野崎都市総務課長。
#45
○説明員(野崎清敏君) 建設省関係の公害対策について申し述べます。
 お手元に「建設省の公害対策」と題しました資料がございますので、これをごらんいただきたいと思います。公害といたしましては、いろいろ公害の種類があるわけでございますが、建設省といたしまして現在やっております事業のうち、おもなものについて御説明を申し上げたいと思います。
 そのまず第一は、大気汚染対策でございます。大気汚染対策のまず一つといたしまして、現在各都市におきまして都市計画を樹立いたしまして事業をいたしておるわけでございますが、この大気汚染対策の一環といたしまして、これらの著しい地域におきます都市計画というものを再編成いたすべくいろいろ作業を進めておる次第でございます。特に公害の発生が著しい、または発生するおそれのあるというような工場と、それから一般の住宅といったようなものをでき得る限り分離するという方向で都市計画を再編成をいたしております。昭和四十年度におきましては市原市について再建計画を終わりましたが、昭和四十二年度におきましては四日市市、横須賀、上野、知多等の各町村につきましても実施をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
 次に、公害発生工場に対する規制の強化でございますが、現在都市計画法におきまして特別工業地区といったような特別な制度がございます。こういったような制度を活用いたしまして、でき得る限り大気汚染の防止に役立たせたい、かように考えているのでございまして、昭和四十年度においては市原市につきまして特別工業地区というものを指定いたしまして規制をいたしているわけでございます。
 その次は、総合的土地利用計画の確立でございまして、無秩序な都市の発展と申しますか、そういったようなことで公害発生等が生活環境というものの悪化に非常な拍車をかけているという現状にかんがみまして、これらの都市地域における土地利用計画を確立いたしてまいりたい、かように考えているのでございます。そのために積極的に市街化すべき地域と、できるだけ市街化を抑制しなければならない地域を明確に設定いたしまして、これを実現いたしますために開発許可制度といったような制度を導入いたしまして、都市地域における土地利用の合理化をはかってまいりたい、かように考えておりまして、目下鋭意検討いたしておる次第でございます。
 次は、住宅の移転等でございます。汚染地区となっております既成市街地内で、非常に汚染が著しい、または著しくなるということが予想される住宅地区につきましては、でき得る限り先ほど申し上げました特別工業地区といったような制度を導入いたしますとともに、区画整理事業を行ないましたり、住宅地区改良事業というものを実施をいたしまして、住宅をできる限りそういった汚染地区外へ移転するというふうな措置を講じてまいりたい、かように考えております。現在、四日市市におきましては、塩浜地区におきます施行地区三十一ヘクタールについて国庫補助区画整理事業を実施いたしております。昭和四十一年度には四百五十万円で調査を行ないました。四十二年度におきましては事業費千二百万円を予定いたしております。市原市につきましても、やはり区画整理事業を二〇・四ヘクタールについて実施中でございまして、四十一年度においては四百五十万円で調査を終わりました。四十二年度におきましては二千四百万円の事業を予定いたしております。なお市原市におきましては国庫補助区画整理事業と別個に県単独事業といたしまして、特別工業地区内におきます六十八ヘクタールについて区画整理事業を実施中でありまして、昭和四十一年度には千二百七万円で調査を実施し、四十二年度におきましては四千五百万円の事業を予定いたしております。それからなお、四日市市におきましては平和町、富田一色に所在する老朽住宅地を改良いたしますために住宅地区改良事業を実施いたして、汚染地区外への住宅の移転を行なっております。
 次は、住宅団地の造成及び住宅建設でございますが、こういった住宅を汚染地区外に移転いたしますためには、当然地区外に受け入れるための住宅がなければならないわけでございます。そのために公営住宅でございますとか、公庫融資住宅等の建設を促進いたしておる次第でございます。ここに例として掲げておりますように、四日市市につきましても、それぞれ公営住宅、住宅公団によります宅地造成を行なっています。
 次は、防災緑地の整備でございますが、大気汚染の影響をできるだけ遮断いたしますためには、防災緑地の整備を促進する必要があるわけでございます。市原市におきましては特別工業地区画整理事業を通じまして防災緑地の整備をはかっております。また、そのほかに都市計画事業といたしまして、公害防止事業団に特許いたして防災緑地の整備をはかっておる次第でございます。公害防止事業団に特許いたしました内容は、それぞれその次に掲げてあるとおりでございます。
 次は、工揚用地の整備でございまして、先ほど申し上げましたように用途制をもちまして特別工業地区というものを設定いたしておるわけでございますが、この特別工業地区につきましては、住宅の建設を禁止するとか、または一定の工場の立地を禁止するというような措置を講じまして、でき得る限り純化をはかってまいるにいうふうな措置をとっておるわけでございます。その中につきましては、さらに適合いたします工場を積極的に立地させるというふうなことのために、工場用地として整備をいたすというふうなことをいたしておるわけでございまして、市原市につきましては昭和四十二年度に四千五百万円の事業を予定いたしておるわけでございます。以上が大気汚染関係でございます。
 次に、水質汚濁対策でございます。水質汚濁につきましては、現在建設省におきまして主要河川につきまして水質調査を実施いたしております。
 その調査結果は六ページに掲げてあるとおりでございます。で、今後この水質調査をさらに続行いたしまして、昭和四十二年度におきましては調査対象水系を約四十水系に増加させるということで準備を進めておる次第でございまして、増加いたします河川につきましては、その次に掲げてある河川名でございます。
 さらに、非常に水質が汚濁をいたしております河川につきましては、浄化用水を導入いたしまして水質を保持したいというふうに考えておるわけでございまして、隅田川、寝屋川等につきまして浄化用水を導入いたしまして浄化をいたしておる次第でございます。
 それからさらに、浄化用水を導入いたすばかりでなく、河底に沈でんをいたしております汚泥をしゅんせついたすという事業を実施いたしておりまして、その事業をいたしております個所が八ページに掲げてあるのでございまして、それぞれの予算額はその右側に掲げてある額でございます。 さらに、河川の水質を著しく汚濁させる、また河川管理上非常に困るというような事態を防止いたしますために、河川法第二十九条に基づきまして河川の流水等について河川管理上支障を及ぼすおそれのある行為につきまして規制をいたしたい、かように考えておりまして、現在これを政令で規制いたしますために目下準備中でございまして、関係各省と折衝を進めておる次第でございます。その政令のおもな内容は九ページ並びに一〇ページに掲げてあるところでございます。
 次は、この水質汚濁を防止いたしますためには、根本的には下水道を完備することが必要でございまして、下水道こそが水質汚濁のきめ手にもなるというふうに考えられるわけでございます。
 そのために、下水道の整備をでき得る限り推進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。現在下水道の普及率は市街地面積に対しましてわずかに二〇%にすぎない現況でございまして、これを市街地一〇〇%の普及率に持ち込みますためには、たいへんな努力を必要といたすわけでございます。しかも今後、ますます市街地面積が増大をいたしていくわけでございまして、それに追いつき、かつ一〇〇%にいたしますために、でき得る限り計画的にこれを実施いたしたい、かように考えておるわけでございまして、第一次五カ年計画を一年早めまして、本年度より第二次下水道整備五カ年計画を立てまして下水道を整備してまいりたい、かように考えておるわけでございます。なお下水道につきましては、水質の汚濁防止のみならず、地盤沈下その他の公害防止にも非常に効能を持っておるわけでございまして、そういう意味におきまして下水道の整備は極力推進してまいらなければならない、かように考えておるわけでございます。
 なお、このほか、地盤沈下対策といたしましては、ここに書いてございませんけれども、建築用の地下水の採取につきまして規制をいたしておるわけでございまして、これらの規制に伴いまして地盤沈下の防止に非常に役に立っておるというふうな現状でございます。
 非常に簡単でございますが、建設省関係の公害対策について御説明を申し上げました次第でございます。
 なお、ちょっと訂正を申し上げたいと思いますが、七ページに「四十水系」というふうに出てございますけれども、昭和四十二年度において四十水系に増加したのでございませんので、これは記載の誤りでございまして、四十一年度について四十水系について調査を実施いたしました。四十一年度につきましてはさらにこれを増加させるべく目下水系につきまして検討いたしておる次第でございます。
 以上、簡単でございますが、御説明申し上げました。
#46
○委員長(成瀬幡治君) 自治大臣官房参事官の岡田君。
#47
○説明員(岡田純夫君) 自治省から、資料としては「公害対策に関する資料」というのがお手元にまいっておりますので、それで御説明申し上げたいと思います。
 書いてございます内容は、最初の見出しにございますように、公害担当部局の調べでございますとか、公害防止条例等の制定状況調、あるいは公害対策審議会、さらに公害に関する苦情陳情の状況調といったようなものでございます。
 先ほど厚生省のほうから話がありましたところと重複しておるところもございますので、このほうは簡単に説明さしていただきまして、あと地方団体について財政措置等を行なっておる状況等を口頭で説明さしていただきたいと思います。
 第一ページをごらんいただきますと、各県のそれぞれ部局、室、あるいは係等の設置状況の一覧表でございます。自治省としても積極的に責任ある部課の設置等について指導いたしたいと考えておりますが、一番下の右の欄を見ていただきますと、県として公害部ないし課を持っておりますものが十二県ということになっておりまして、部課を設けるところまではいかないけれども、係を設けておるのが十三県ということになっております。下のほうの市は、これは五大市でございます。なお、これ以外に最近の調査では茨城県、広島県等が課を設け、滋賀県が係をさらに設けておるといったようなことを聞いております。
 第二枚目は、公害防止関係条例等の各県の制定状況一覧表でございまして、総合的な公害防止条例を設けておりますものは、一番下でごらんいただきますように十八県、それから騒音防止条例のみを設けておりますものが二県ございまして、そういったような公害対策の条例を制定しておるのは県では二十県。その他は対策要綱等でやっておるようでございますけれども、防止条例等を少なくとも制定するように指導をしてまいりたいというふうに考えます。
 それから少し飛びまして、五ページでございますが、五ページは公害対策について諮問機関として審議会あるいは協議会といったようなものを設けておる状況でございます。これはトータルが出ておりませんけれども、合計いたしますと、県では三十三県が審議会等を設けておるという状況でございまして、大体のところはこういうふうな諮問機関を設けてやっておるということでございます。この資料の最後の六ページでございますが、「公害に関する苦情・陳情の状況」というものがございます。各県多少件数はまちまちでございますけれども、右のほうの欄を見ていただきますと、受理件数のトータルといたしまして、いままでに一万八千四百六十九件、それに対しまして処理済みのものが約一万四千件、七五%というようなことになっております。その他、係争中のものも若干ございます。
 資料はそういうことでございますが、そういったようなことの組織あるいは条例等について自治省としては指導いたしますとともに、県としては公害問題について総合的に考えていくべきである。市町村にあっては原則として局地的な公害には市町村が取り組むべきであろうというふうな原則的な感覚を持っておりますが、そういったような県、市町村の役割り等について指導してまいりたい。それから先ほど建設省からもお話がございましたように、企業の誘致というようなことの場合に、公害というようなことの配慮というものがやはり前提になければならぬのでありまして、したがって、都市利用計画というようなことについて地方団体に指導してまいりたいというふうに考えております。こういったような指導調査等の関係につきまして、なおわずかでございますけれども、自治本省にも若干の予算をもらっておりますので、積極的に推進いたしたいと思っております。
 それから公害関係につきまして、地方団体がやっておりますところの諸対策についての財源措置の問題でございますけれども、四十一年度の地方団体予算を調べてみますというと、概数でございますけれども、十六億二千万円というものが集計されております。これは公害に直接関係しておるところの調査研究、あるいは事務費といったようなものの集計でございまして、これ以外に、当然のことながら、下水でありますとか、河川対策といったようなことが公害に関連してあるわけでございますけれども、それを除きましてのものでございます。その中で県自身が負担しておりますものが十三億八千万円、それから市町村で一億四千万円、まあ国庫補助等のあるものもございますので、それらを合わせまして約一億、大半は地方団体がいまのところは総かかえに近い姿でやっておるのでありまして、それに対して財源措置といたしましては、一つは地方交付税でございます。
 地方交付税の中で普通交付税、特別交付税ございますが、普通交付税については本年度から初めての考え方でございますけれども、府県の事務費あるいは機械器具等に着目いたしまして、道府県分をとりあえず本年度から基準財政需要額に算入いたしまして措置いたす予定を立てております。それから特別交付税のほうはいままでもケース・バイ・ケース、たとえば四日市でございますとかいうようなところについて、ケース・バイ・ケースで所要のめんどうを見てまいっておりますけれども、四十一年度、これはもう特別交付税でございますので、年度末にいたしますので――一番直近が四十一年度分でございますけれども、四十一年度からはばい煙の常時監視施設の数を基準といたしまして、特別交付税で新たにそういうものを算入することになっております。四十一年度に配分いたしましたのは約五億でございます。それから地方債でございますが、地方債もまた四十二年度から初めての措置でございますけれども、一般単独事業債の中で緑地の緩衝地帯――緩衝緑地帯を設けます、といったような関係の施設等に着目いたしまして、約五億円を用意いたしております。
 その他、先ほど通産省からもお話がありましたように、地方税法におきましては非採算ベースでありながら、法令上どうしても設けなければならないところの公害防止施設については、非課税措置が多々ございますが、それ以外にこれに準ずるような性質のものについて課税標準の特例措置を広げるべく検討中でございます。
 概要は以上のとおりでございます。今後の公害防止施設の財源措置につきましては重点を地方債と、それから特殊事情があります場合に、特別交付税にウエートを置きまして配慮いたしてまいりたいというふうに考えます。以上でございます。
#48
○委員長(成瀬幡治君) 公害防止事業団の原理事長。
#49
○参考人(原文兵衛君) 公害防止事業団の事業実施状況と事業計画について御説明申し上げます。資料はお手元の薄い横長のガリ版でございますが、「事業実施状況−昭和四十一年度」と、「昭和四十二年度事業計画書」がございます。
 御承知のように公害防止事業団は、一昨年の十月発足いたしまして、事業の内容は事業団法によりまして、公害防止施設等の造成譲渡の事業と、共同あるいは個別にこの公害防止施設をつくるものに対する融資の事業、両方含んでおります。造成譲渡等の事業は、一つが工場排水等の共同処理施設の造成譲渡、二番目が公害防止施設の完備した工場アパートの造成譲渡、それから三番目が町中等にある工場を埋め立て地とかあるいは郊外等に移転させるための工場移転用地の造成譲渡、四番目が工場地帯と住宅、商業地帯等を遮断するための遮断緑地といいますか、こういうようなものの造成譲渡というのが造成譲渡の事業でございます。
 そこで四十一年度の実施状況を申し上げますと、ただいまの資料に基づいて申し上げますが、共同公害の防止施設といたしまして四日市に共同排水処理施設をつくるべく、昨年来企業のほうといろいろと折衝をしてまいりまして、現在、ここには四十二年の四月が契約予定になっておりますが、実はその水質の試験等を発酵研究所に依頼して若干延びておりますが、近々にこれが契約ができまして、具体的に実施することになるという予定になっております。それから共同利用建物、いわゆる工場アパートでございますが、これは兵庫県の神戸長田区を中心とするゴム工場アパート、これは第一次がすでに完成いたしまして、第二次が現在進行中でございます。あと東京都の葛飾区のあの辺にメッキ工場がたくさんございますが、メッキ工場アパート、これが現在進行中でございます。工場移転用の用地といたしましては、大阪府の岸和田市の埋め立て地に大阪並びにその付近の都市の町中にあるいわゆる鍛造、プレスというような騒音を非常に発する鉄工場の移転用用地を造成いたしまして、これもすでに完成いたしました。大体三十五工場がここに移る予定になっております。それから共同福利施設、先ほど申し上げました工場地域と住宅、商業地域の遮断緑地でございますが、これは千葉県の市原地区にすでに契約ができまして、土地買収も大体終わりまして工事に着工しようといういま段取りになっております。また三重県の四日市地区、ここにもやはりこの遮断緑地、運動公園の施設が進行中でございます。さらに大阪府の堺地区にも同様に契約ができまして、これまた進行しております。これが四十一年度の造成事業の実施状況でございます。
 四十一年度の融資貸し付け事業につきましては、その次の三ページにございますが、アジア石油以下十三の公害防止施設につきまして、合計二十四億二千七百万円ほどの貸し付けをいたしております。以上が四十一年度の実施状況でございます。
 四十二年度の事業計画について申し上げますと、先ほど来厚生、通産両省のほうから御説明ございましたが、四十二年度の資金は、予算としては五十億でございますが、契約ベースでは七十五億のワクを承認されております。と申しますのは、これは契約ができましても一ぺんに金を払っちゃうわけではございませんので、金は翌年度に払うというようなものができますので、契約は予算よりも若干オーバーしてやっておりませんと、実際の予算の消費ができないというような状況でございます。そういうような意味合いをもって契約ベースでは七十五億のワクを承認されておりますが、その事業計画はその次の第二ページにございます。共同の公害処理施設としまして兵庫県の林田川地区の排水処理施設、岡山県の三石地区、兵庫県の西脇地区、これらはすべて排水処理施設でございます。先ほど通産省の立地部長から御説明がありました中小企業振興事業団を通じての無利子の貸付額に対応するこれが施設でございます。
 次に、工場アパートにつきましては、神戸のゴム工場地域に第三次アパートを計画しております。それから宮城県の塩釜の――これはかまぼこの産地でございますが、非常に海水汚濁がひどくなっております。そこで宮城県の塩釜の水産加工物の工場アパート、これを計画してございます。
 それから工場移転用地の造成といたしましては、岸和田の埋め立て地に第二次の鉄工団地用地の造成。それから兵庫県の、これは神戸市の垂水地区でございますが、神戸市内におきます鉄工団地を間引きして騒音公害の発生しない地区に移そうという神戸鉄工団地の用地造成。それから大阪府の中小化学工場の同様な用地造成、これは枚方市の付近でございます。それから東京の羽田の埋め立て地に東京の羽田鉄工団地の造成。それから八王子の繊維工場を郊外に移す繊維工場の用地造成。それから新潟県燕市、これは例の食器等をたくさんつくっておる地域でございますが、ここの鉄工団地用地造成。用地造成といたしましてはこの六カ所を計画してございます。
 それから最後に、いわゆる遮断緑地、運動公園につきまして、共同福利施設につきましては千葉県の市原地区の継続、三重県の四日市地区の継続、兵庫県の赤穂地区に新設をいたします。さらに大阪の堺地区の継続、こういうような事業でございまして、これらの造成譲渡の事業の事業計画で、大体まあ契約ベースで五十五億を予定しております。さらにそのほかに公害防止施設、共同または個別の公害防止施設に対する融資、貸し付け事業といたしまして二十億合計四十二年度といたしまして七十五億の事業計画でございます。
 きわめて簡単でございますが、ごく概要を御説明いたしました。
#50
○委員長(成瀬幡治君) 内閣総理大臣官房の陸上交通安全調査室長の宮崎君。
#51
○政府委員(宮崎清文君) 総理府でございますが、最近におきます陸上におきまする交通事故の概況とこれに対します政府の安全対策並びに昭和四十二年度におきます交通安全に関します予算につきまして一括御説明申し上げます。
 お手元に「陸上交通安全調査室」というスタンプを押しました小さな資料をお配りしていると思いますが、資料が四部ございまして、そのうちの資料の1、「最近における交通事故の概況と政府の交通安全対策の概要」、これによりまして、ごくかいつまんで御説明申し上げます。
 最初に交通安全行政に関します総合調整の組織がどうなっているかということでございますが、御承知のように交通安全行政は警察庁、建設省、運輸省その他関係各省と、きわめて多岐にわたっておりまして、やはり政府といたしましてはこれを総合して実施をする必要がございます。そこで現在、閣議決定に基づきまして交通関係閣僚協議会というものが設けられております。これは官房長官、総務長官を含めまして交通に関係ある十二名の閣僚からなる協議会でございまして、交通混雑緩和、交通事故防止に関します重要問題につきまして協議をする機関となっております。従来からも交通安全対策に関します重要問題はすべてこの交通関係閣僚協議会で決定をいたしております。
 次に、具体的な問題の総合調整機関といたしましては総理府に総理府総務長官を本部長といたしまして、これもまた交通安全に関係がございます関係各省庁の事務次官等からなります交通対策本部というものがございます。これは同じく昭和三十五年に閣議決定をもって設けられたものでございまして、これは一種の会議体でございますが、現在この交通対策本部が中心となりまして政府の交通安全施策全般にわたっていろいろの決定をいたしておるわけでございます。なお従来はこの交通対策本部の事務を扱う部局が総理府の審議室でございまして、この点若干事務が必ずしも円滑にいかなかったといううらみがございました。また御承知かと思いますが、昭和三十九年の三月に内閣総理大臣の諮問機関である交通基本問題調査会が内閣総理大臣に対しまして答申をいたしたのでございますが、その答申におきましても政府は総理府に交通安全の総合調整を専任的に行なう機関を設置すべきであるということを申しております。
 また同じく昭和四十年の通常国会におきまして道路交通法の一部が改正されました際、衆参両院におきます附帯決議におきましても同趣旨のことが指摘されております。このような経過から昭和四十年つまり一昨年の五月に総理府に現在私が所属しております陸上交通安全調査室を設けまして、自来私のおりますこの調査室が実質的な事務局となりまして、それなりの交通安全対策を総合的に推進しておる次第でございます。
 ところで交通事故は最近御承知のように年々増加いたしておりまして、昨年一年間におきます事故といたしましては、交通事故による負傷者が五十一万七千七百七十五名、同じく交通事故による犠牲者つまり死者でございますが一万三千九百四名となっております。これらはいずれもわが国におきまして史上最高という悲しむべき数字でございます。しからばなぜこのように交通事故が最近ふえておるかということでございますが、いろいろ原因はございますが、簡単に申しますと、ここ数年間わが国におきます自動車の保有台数が急激に増加しておりますのに対しまして遺憾ながら交通安全施策というものがいろいろ立ちおくれておるということに尽きるのではなかろうかと思っております。たとえば自動車の台数でございますが、昨年末におきましては全国で約九百四十万台に達しております。これは昭和二十二年のわが国の自動車保有台数に比べますと実に五十倍という非常な伸びでございます。また最近におきましては年間約百三十万台ないし百五十万台の自動車が増加いたしておりますので、このまま推移いたしますと四、五年中にはわが国の自動車は千五百万台を突破するのではなかろうかといわれております。またこれ以外に、いわゆるモーターバイクと称されます原動機付自転車、これがやはり昭和四十一年の三月末現在で約七百三十六万台程度ございます。したがいまして両者合わせますと現在でもすでに千七百万台に近いモーターのついた車が日本国じゅうを走っておるわけでございます。またこれに対応いたしまして運転免許人口も逐年増加してまいりまして、昨年末におきます推計でございますが約二千三百万人の運転免許人口があろうかと推定されております。しかしながら、このように自動車が非常にふえておりますが、自動車台数の伸びに比例いたしまして交通事故は必ずしもふえておりません。試みに自動車千台当りで一年間に交通事故による死者が何人出ておるかという統計をとってみますと――これはお手元にお配りした表にも出ております。たとえば昭和三十一年には自動車千台当たり三・九人という死者が出ておりました。これが年々減少いたしまして昭和四十年には一・六人まで減少いたしております。
 また非常に死者がふえたと申します昨年にいたしましても自動車千台当たりの死者数は一・五人でございまして、前年の丁六人をわずかではございますが下回っておるわけでございます。このことは政府、国民すべてを含めまして交通事故防止に努力いたしておりますことが必ずしも全く無意味ではないということを物語っておるのではないかと思われます。しかしながらこの千台当たりの死者数を西欧先進諸国と比較いたしました場合、まだまだ日本は不十分でございます。ちょっと古い統計でございますが、一九六三年の国連統計によりますと、この自動車千台当たりの交通事故による死者数は、アメリカが〇・五、イギリスが〇・八、西ドイツが一・七、フランスが一という数字が出ておりますが、この年におきます国連統計によりますと、日本の自動車千台当たりの交通事故による死者数は三・二でございまして、アメリカに比べまして約六倍、西欧三国の平均に比べましても三倍という数字になっております。このことは、道路交通環境が西欧諸国とわが国とはいろいろ違いますので、簡単な比較はできませんが、大ざっぱに申し上げますと、やはりわが国の交通安全対策が、まだまだこれらの国に比べまして非常に立ちおくれているということを物語るものと思われます。
 それからまた、これは特にアメリカ合衆国と比較した場合でございますが、わが国におきます交通事故の一つの特色は、交通事故による死者のうち歩行者の占める割合が非常に高いということでございます。ここ数年間、交通事故による死者のうちの約三分の一、三三%は道路を歩行中に自動車にはねられたり、ひかれたりいたしてなくなった方でございます。また、これに自転車に乗っている途中の事故で死亡した人を加えますと、大体四七、八%になります。つまりわが国におきます交通事故による死者のうちの約半分は歩行者か、あるいは自転車に乗っている人である、こういうことでございます。しかしながら、これもアメリカ合衆国におきましては、たとえば一九六五年の統計でございますが、歩行者の全交通事故による死者において占めます割合は約一八%、これに自転車乗車中のものを加えましても二〇%でございまして、わが国はアメリカ合衆国に比べますと倍以上で、いわば道路利用者のうちの弱者が犠牲になっている、こういうことでございます。この原因につきましては、いろいろございますが、何と申しましてもわが国におきます道路の交通安全施設の不備が大きな原因でございます。この点から今後、私たちもいろいろやっておりますが、交通事故防止対策の一つの大きな重点といたしましては、歩行者の保護を目標として交通安全施設の緊急な整備をはかるということが出てくるわけでございます。
 それから、もう一つ、国内の一つの最近の特徴でございますが、これは交通事故が最近大府県から中小府県へ、また同一府県内においては都市部から周辺部へ移行する傾向がございます。いわゆる交通事故のドーナッツ化現象と申しておりますが、これが最近非常に顕著でございます。この原因はいろいろございますが、一つは、最近地方部におきます自動車の保有台数が急激に伸びてきたにもかかわらず、地方部の道路が交通安全施設という面で必ずしも整備されていない。また、地方における住民の方々の交通安全思想が必ずしも浸透していない、これらが原因と思います。こういう現象を呈しているわけでございますが、このことからは交通安全対策が、今後は地方の末端まで浸透するように、きめのこまかい対策を立てなければならない、こういう結論が出てくるわけでございます。
 ところで、交通事故の原因でございますが、これもまた非常に複雑でございます。ただ要約いたしますと、道路環境の不備に起因するもの、それから車両の構造の欠陥に起因するもの、運転者または歩行者等、人の行為に起因するもの、この三つに大別することが可能であろうと思われます。 したがいまして、これらの交通事故を防止するためには道路交通環境の欠陥、悪いところを改めるとか、車の構造が悪ければこれを改めること。それから運転者と歩行者に対しましては、教育をしたり、あるいは取り締まりをして、これを防止すると、こういうことが重点になるわけでございます。
 アメリカ合衆国等におきましては、もう二十年ほど前からよく言われておることでございますが、交通事故防止対策は三つのEが柱になるということが言われております。そのEは何のEかと申しますと、エンジニアリング、エデュケーション、エンフォースメントの三つの頭のEでございます。この点は日本においても大体同じでございまして、現在われわれといたしましては、エンジニアリングと申しますのは、俗に交通工学と訳しておりますが、内容といたしましては、先ほど申し上げましたように、道路の交通安全施設を整備するとか、踏切道を改善するとか、交通規制の合理化をはかるということが内容でございます。
 第二のエデュケーションは、これは文字どおり教育でございまして、交通安全教育、これは学校における交通安全教育、地域社会における交通安全教育、運転者に対する再教育、こういうようなことが内容となっております。エンフォースメント、これは文字どおり取り締まりでございまして、主としては警察によります交通の取り締まりでございます。
 ただ、現在におきましては、これ以外に直接の交通事故防止ではございませんが、不幸にして交通事故にあわれた被害者の方の救済が非常にまた立ちおくれている。これはたとえば交通事故によって死亡する方は、頭を打ってけがをする場合が非常に多うございますが、それに対する適切な外科手術ができる病院の数がまだまだ不足している。また脳神経外科の専門医の数も不足している。こういうような問題。それから、交通事故で被害を受けた以上は、結局金銭賠償でしかその被害は回復できないわけでございますが、この損害賠償につきましても強制保険の限度額がまだ低過ぎるとか、あるいは国民の一般の方も法律的知識が必ずしも十分でないために、みすみす悪質な示談屋にひっかかってとれるものもとれないというような点もございまして、現在わが国といたしましては、先ほど申し上げましたEプラス被害者の救済問題というものを大きな柱にいたしまして、四本の柱を基本的な考え方といたしておるわけでございます。
 そこで、政府が具体的にどういう対策をとっているかということは、いろいろここに書いてございますので、簡単に申し上げますが、先ほどちょっと申し上げましたように、昭和三十九年に内閣総理大臣の諮問機関でございます。交通基本問題調査会が答申を出しまして、その答申は大体いま申し上げた四つのことを基本にいたしております。
 これを受けまして、昭和四十年の一月に、先ほど申し上げました交通対策本部におきまして、「交通事故防止の徹底を図るための緊急対策について」というものを決定いたしております。これは別添の「資料3」の3に掲げてございます。項目だけを簡単に申し上げますと、項目が六つございまして、第一が「道路および交通環境の整備、拡充」、第二が「交通安全活動の推進」、第三が「交通秩序の確立」、第四が「被害者救済対策の確立」、第五が「交通事故防止に関する総合的研究の推進」、第六が「交通安全国民会議の開催」。かようになっておりますが、このうち第一から第四までがいま申し上げました四本柱をうたったわけでございまして、政府といたしましては、先ほど申し上げました交通事故防止対策、交通安全対策の四本の柱を明確な形で打ち出したのはこれが初めてでございます。したがいまして、この緊急対策と、その後におきます政府の交通安全施策が基本になっているわけでございます。
 昭和四十年には幸い交通事故による死者が、昭和三十九年を下回りまして、交通事故問題は一時小康を得たのでございますが、その後昭和四十一年になりますと、またこれが非常に急増してまいりました。そこで昭和四十一年、つまり昨年の春ごろでございますが、こういうことではたいへんなことになるというところから、これは同じく「資料3」の4に掲げてございますが、「交通事故防止に関する当面の重点施策について」というようなものを交通対策本部で決定いたしました。
 なお、昨年の十一月ごろになりますと、大体におきまして、昨年中の交通事故による死者が再び史上最高になるということが明確になってまいりましたので、さらにこれに加えまして、同じく「資料3」の5に掲げてございますが、「交通安全施策の強化に関する当面の方針」、こういうようなものを決定いたしております。なお、これは新聞等でも御承知と思いますが、昨年の後半期におきましては、大型貨物自動車――ダンプカー等の大型貨物自動車がいとけない学童、園児等を多数死傷させるという非常に痛ましい事故が何件か起こったわけでございます。こういうような事故は何としても緊急防止しなければならないというふうな点から、同じく昨年の年末には、「大型貨物自動車による事故防止等に関する特別措置について」というようなものを決定いたしたわけでございます。
 そこで、政府といたしましては、当面はこれらの対策、特に第五に掲げてございます「交通安全施策の強化に関する当面の方針」に基づきまして、昭和四十二年度におきまして予算化すべきものは早急に予算化する、立法化を要するものは、今特別国会に法律案を提出して御審議をお願いする。予算も法律も必要でないものは即刻これを行政措置で実施に移すということを定めまして、自来それらの施策を推進しておるわけでございます。 おもだったものを二、三御紹介申し上げますと、まず交通安全施設の整備でございますが、これは御承知のように昨年の通常国会におきまして交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法という法律を制定していただきまして、これに基づきまして、交通安全施設等整備事業三カ年計画、これを昨年の七月十五日に閣議決定いたしております。自来、これに基づきまして、主として既存の道路におきます交通安全施設、ことに横断歩道橋でございますとか、ガードレールでございますとか、街路照明灯、信号機、こういうようなものを三年間で早急に整備をする、こういうことでございます。事業量の総額としては約六百三億円見込んでおりまして、初年度には百十三億円すでに実施済みでございます。特にこの問題につきましては、昨年末非常に交通事故が非常事態に至りましたので、本来三年目、つまり四十三年に予定されておりました事業量のうちの約八十億程度を昭和四十二年度に繰り上げまして、総額約二百六十億の事業量をもちまして交通安全施設のうち特に歩行者保護関係の施設を、おおむね昭和四十二年度で完成させるということを目途といたしまして、現在着々実施中でございます。それから運転者の問題につきましては、これはやはり交通事故を起こします悪質な運転者、これを道路交通から排除する問題、あるいは運転者を指導する問題、いろいろございますが、たとえば警察庁におきましては、これも同じく三カ年計画をもちまして運転者管理センター、これは大きな電子計算機を警察庁に備えつけまして、全国の運転免許の台帳をすべて警察庁で集中管理する、これによりまして免許の不正取得その他の防止をいたしますとともに、これと並行いたしまして、これは俗にポイント・システムと称しておりますが、運転者がいろいろ違反いたしました場合にそれぞれの違反につきまして合理的な点数を与えまして、それぞれこれを電子計算機に記録させて、この点数が一定の点数に達しました場合には――たとえば右折禁止をやりました場合には一点、追い越し禁止をやりました場合には三点というようなことでございますが、これがたとえば十点になった場合に運転者を呼び出していろいろ指導する、十二点になったら運転免許を停止する、十八点になったら取り消す。簡単に申し上げますとこういう制度でございますが、これも同じく三年計画で現在実施中でございます。その他、当面の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように、大型トラックによります学童、幼児等の事故が非常にふえておりますので、大型免許の取得の資格を引き上げる。たとえば運転免許の年齢を十八才から二十一才にするとか、運転経験期間を二年を三年にする、あるいは非常に悪質な事故を起こした運転者に対しましては即刻免許を仮停止する。こういう制度を考えて、これらの点も現在警察庁で検討中でございまして、近く道路交通法の一部を改正する法律案の内容といたしまして国会で御審議をお願いする予定になっております。
 それから、その他、先ほどから申し上げておりますように、わが国におきまして非常に立ちおくれております救急医療の問題でございますが、これもいろいろ説がございますが、一応人口百万につき一カ所の割合で脳神経外科を含む救急医療センターというものが必要であるということが通説になっておりますので、これを目標といたしまして年次計画で全国で百カ所程度の救急医療センターを設置する。また被害者の交通事故相談につきましても、悪質な示談屋等が介入する余地がないように、これは総理府で補助金をとっておりますが、本年度から全国の都道府県に、都道府県による公の交通事故相談所を設置いたしまして、これによって交通事故により被害を受けて困っておられる方の親身の相談に応ずる、こういう体制を進めております。また自動車損害賠償保障法によります強制保険の限度額につきましては、現在御承知のように死亡事故につきましては百五十万、負傷事故につきましては五十万でございますが、この額が諸外国に比べて非常に低いということは御承知のとおりでございます。したがいまして、これを何とか段階的に引き上げたいというところから、現在関係省庁で検討中でございますが、近く、これはまだ確定はいたしておりませんが、大体死亡事故三百万円程度を目途としてこの引き上げを実施することを検討中でございます。
 こういった点が当面のいろいろな問題でございまして、これらにつきましては現在政府も、鋭意、先ほどから申し上げております諸般の施策声推進中でございます。
 また、本年に入りましてから、御承知のように、四月一日に南海電車におきます踏切事故が発生いたしました。これにつきましては、踏切事故の改善につきましていろいろまだ問題がございますので、これをすみやかに解決いたすために、踏切事故の防止に関します対策を四月六日に決定をいたしております。これも「資料3」の8に掲げてございます。また学童、園児の通学通園路における事故防止につきましても、政府は先ほど来申し上げておりますように、当面の緊急課題といたしまして、これを取り上げまして、本年の二月十三日にすべての市町村に学童の通学通園路の事故防止の協議会を設置させまして、これによって学校ごとに子供たちの通学する道路の交通安全施設を点検させまして、危険のあるものをすみやかに直していく。また先ほど来申し上げております交通安全施設の整備につきましても、当面はこの学童、園児の通学通園路におきます交通安全施設、たとえて申しますと、横断歩道橋でありますとか、信号機でありますとか、そういうものの整備を最重点的に取り上げる、このような方針を定めております。
 以上が政府の当面の交通安全対策の概要でございます。
 最後に、一言、昭和四十二年度の予算の概要を申し上げます。
 これはお手元にお配りいたしました「資料4」にまとめてございます。御承知のように、交通安全に関します事務は各省庁に分かれておりますので、その中から交通安全に関する予算を引き抜くことはいろいろ困難なのでございますが、一応総理府におきまして直接交通安全に関係ありという予算を拾い上げたのがこの表でございます。総額にいたしまして約二百六十九億。これは私たちといたしましても必ずしも満足すべき額とは思っておりませんが、この同じ範囲におきます昨年度の当初予算は百四十億円でございまして、百二十三億、つまり八四%増加いたしておるわけでございます。なおこれ以外に、国鉄関係の予算が約三百四十億ございますし、また先ほど申し上げました自動車損害賠償責任保険につきましては、自動車の分につきましては政府が六割の再保険をいたしておりまして、それに要します額が千二百五十億ございます。それらを一切合切合わせまして千八百五十億程度の額になるわけでございます。内訳は、大体ごらんになれば、おわかりと思いますが、先ほど四本柱としてごく簡単に申し上げました道路交通環境の整備につきましては、交通安全施設の整備を中心としておりまして、交通安全教育の推進につきましては、非常にわずかであります。交通取り締まり等を含めまして交通秩序の確立につきましては約三十八億。それから被害者の救済関係、これは救急医療センターの整備等につきまして約二億六千万。それから先ほどちょっと申し上げました交通事故相談所関係が五千万。法律扶助協会に対します補助が六千万。最後に交通安全に関しますいろいろ科学的な研究の推進といたしまして、通産省、運輸省におきますところの試験所に対する経費が約一億五千万。国立大学等におきます脳神経外科の講座、研究部門の増設に約一億四千五百万。締めて全部で二百六十九億、かように相なっております。
 以上、非常に簡単に申し上げましたが、各省庁にかわりまして、最近におきます交通事故の概況と政府の当面の施策、それから昭和四十二年度における予算の概要を御説明申し上げた次第でございます。
#52
○委員長(成瀬幡治君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#53
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こして。
 本日聴取いたしました説明に対する質疑は、次会以降に譲ることとし、本日は、これにて散会をいたします。
   午後一時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト