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1967/06/07 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第7号
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1967/06/07 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第7号

#1
第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第7号
昭和四十二年六月七日(水曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松澤 兼人君
    理 事
                石井  桂君
                宮崎 正雄君
                大倉 精一君
                柳岡 秋夫君
    委 員
                奥村 悦造君
                木村 睦男君
                黒木 利克君
                塩見 俊二君
                中津井 真君
                中野 文門君
                戸田 菊雄君
                成瀬 幡治君
                原田  立君
                林   塩君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房陸上交通安全
       調査室長     宮崎 清文君
       警察庁交通局長  鈴木 光一君
       運輸省自動車局
       長        原山 亮三君
       建設政務次官   澁谷 直藏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部長      上林 英男君
       厚生省医務局総
       務課長      中村 一成君
       労働省労働基準
       局監督課長    藤繩 正勝君
       建設省道路局次
       長        吉兼 三郎君
       消防庁総務課長  山田  滋君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業公害及び交通対策樹立に関する調査
 (交通対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。
 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、前回に引き続き、交通対策に関する件について調査を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。原田君。
#3
○原田立君 最初にお伺いしたいことは、去る四月十九日に各新聞紙上で発表になっておりますが、横浜市の戸塚において下水溝の不備によりましてなくなった方に対する判決が四月十八日に出ております。非常に高額な金額になっておりますが、こういう問題について、なお当局としても具体的な対策を立てるべきではないかというようなことでお伺いしたいと思うのであります。
 事件の内容は、すでに御承知だろうと思いますが、市で管理している排水溝の不備がもとで御主人が交通事故を起こして死んだと、横浜市を相手として二百八十九万五千四百四十三円の損害賠償を提起、四月十八日に、二百八十三万余円を支払えと、こういう判決が出ました。戸塚署が調査したところ、市の管理になる排水溝の水がとまってあふれ、凍ったためスリップしたものだということでありますが、この件に関して御承知の点をひとつお話し願いたいと思います。
#4
○説明員(吉兼三郎君) ただいま御指摘の事案は、お話のとおり、三十六年の二月十三日の午前六時でございますか、発生いたしました事件でございまして、場所は、横浜市の戸塚区、国道一号線の、当時は横浜市の管理区間の道路上に起きました事件でございます。沿道の工場の排水が夜間において側溝が詰まったかなにかでオーバーフローいたしまして、たまたま冬季間でありましたために路面が凍結いたしまして、路面上を走行してまいりました関係者がスリップで転倒いたしまして死亡いたしました、その事故でございまして一審の判決が本年の四月十八日にあったことは御指摘のとおりでございます。
 事実関係は大体そういう状況でございまして、本件につきましては、横浜市長のほうにおいて、道路管理の瑕疵という、その責任の限界という点において、判決を受けるかどうかということで議論があったようでございますが、いろいろ市としての立場からいきましても、管理の限界という面におきましていろいろ問題もあるということで、たしか、横浜市のほうでは、控訴をして問題点を一応争ってみると、こういうふうにきめたように私どもは伺っております。
 以上であります。
#5
○原田立君 じゃ、まだ判決前であれば、当局としてこういうような問題についての態度の表明というのは差しつかえるんだろうと思いますけれども、言い得る範囲内で、こういう事件に対してはどういうふうに対処するか、お伺いしたい。
#6
○説明員(吉兼三郎君) 本件は、いま申し上げましたように、第一審の判決があったわけです。ありまして、横浜市長側が敗訴したわけです。その判決の理由に対しまして横浜市長が不服――まあ判決に対して目下控訴をいたしておると、こういう段階でございます。詳しいことは、私どもまだ突然のお話でございまして十分調査をいたしておりませんが、こういう事案は、私ども道路管理を全国的にやっております立場におきまして例の少ない事案に入ると思います。よくありますのは、落石、あるいは舗装がこわれておりまして、その穴ぼこに突っ込みまして転倒したり、事故を起こす、そういう道路管理の瑕疵はよくあるのでございますけれども、こういう側溝のオーバーフローに基づくところの凍結スリップ事故というのは、実は私どもあまり承知をいたしておりません。したがいまして、沿道の工場側の責任というものと、道路管理の責任というものとのお互いの限界といいますか、道路管理者としてはどの程度まで管理責任を持つべきかといった点につきましては、個々の具体々々の事案によっていろいろ事情も異なりますけれども、非常にこれは微妙なむずかしい問題でございます。最近、こういった事故が、車がふえてまいったことと関連いたしまして、全国的に増加している傾向がございます。で、こういう事案についての判決例もまだ十分ではございません。したがいまして、私どもは道路管理の徹底ということは十分期していかなければなりませんが、今日のわが国における道路の現状からいきまして、はたしてどの程度まで管理責任を守っていけるか、どの程度までいけばわれわれの責任は果たせるのかという問題につきましては、私ども部内において検討している段階でございます。直接は、国家賠償法の第二条の解釈による問題だろうと思いますが、そういうことで、この横浜事件につきましてはいま控訴中でございますので、その成り行きを一応見守っていきたい、かように考えておる次第でございます。
#7
○原田立君 この事件を私は一応例として出しているわけであります。で、この事件について知っているのか知らないのかではなしに、こういうふうな事故が事実あって、一人の貴重な人が死んでいるわけなんです。判決の場合も、市の当局の不備の点を指摘しているわけです。こういうのを、ただ事例がないからといって、ただいま内部で検討中などということでは承服しかねる。交通事故は、こういう判決が出る出ないにかかわらず毎日続出しているわけでありますから、道路管理の上からいっても、もっと基本的な、はっきりした考え方を示すべきであり、また現に四月の十八日に判決が出ておりますし、これについて、もっとこういう点各市町村注意しろとかなんとか、前向きの姿勢によっての指示がなされるべきだと思う。いまのお話ですと、静観中というふうな話でありますけれども、はなはだ不満足な感じを持つわけなんです。
 この種の事例は前例は少ないというお話でありますけれども、少ないというからには、多少ともあったのだろうと思うのですが、それはいかがだったですか。それから今後どうするのか、あるいは再発防止にどれだけの処置をするのか、全国的な掌握をどうするのか等々、あまり時間がありませんから、まとめてお願いします。
#8
○説明員(吉兼三郎君) 先刻私がお答えいたしましたのは、若干不備な点がございましたことはおわび申し上げますが、私どものほうは、御指摘のとおり、最近こういった道路管理の瑕疵に基づく事故が頻発してまいっておりますので、したがいまして、機会あるごとに、全国の道路管理者に対しまして道路管理の徹底ということを指示いたしております。本日も私どもは道路課長会議を開催いたしておりまして、議題としてこの問題を取り上げておる次第でございます。したがいまして、われわれの力において可能な限り万全を期してまいりたい、こういう実は覚悟でおります。
 それから、本件のような事案がどういう状況、全国的に見てどうなっているかというお尋ねかと思いますが、現在、道路の設置あるいは管理の瑕疵に基づくところの交通事件で訴訟になっておりますものは全国で二十件ございます。その二十件のうち、横浜の事件のようなものは、ちょっとほかにはないのじゃないかと私ども考えております。あとは、先刻申し上げましたような落石でありますとか、あるいは道路上に何か物件を放置しておったとか、あるいは舗装のこわれたもの、そういった事例が多いようでございます。
#9
○原田立君 警察のほうにお伺いしたいのですけれども、こういうような場合、路上のパトロールなんかをずっとおやりになっているのだろうと思うのですが、まあ、この事件の起きる前後に際して市のほうに注意を勧告したとかというふうなことはございますか。
#10
○政府委員(鈴木光一君) この具体的な事例につきまして市に注意を喚起したということの有無につきましては承知しておりませんけれども、一般的に申し上げまして、自動車によるパトロールのみならず、歩行によるパトロールの場合も、道路上にいろいろな問題がありますれば、それを関係方面に通報するということは警察としてやっていることでございます。
#11
○原田立君 その際ですね、こうやってなくなった例は他に例がないそうでありますけれども、やはり、たとい一人でもなくなったのでは、その御家族の方々にもたいへんお気の毒であります。もう少しはっきりと、パトロールしたときに見つけた場合には、市の当局に対しても通告する、はっきりと、そういうふうにしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
#12
○政府委員(鈴木光一君) 御指摘のように、今後、現在のような交通情勢下でありますし、また道路の状況によっては交通事故が起こるということもございますので、さらに積極的に徹底して、そういう道路上のいろいろな問題につきましては関係方面にいち早く通報するという措置をとってまいりたいと思います。
#13
○原田立君 じゃ、建設省のほうでお調べ願いたいと思うのですが、実は、新聞によりますと、「横浜市側の松尾代理人の話」として「雨が降って下水溝があふれたとはいえ、それが凍ったのは天候の問題で市の責任ではない。そんなことをいえば冬道が凍る所で起った事故は全部管理者の責任になってしまう。あくまで運転者の注意が必要なのではないか。市とまだ話合っていないが、私費でも控訴して最高裁ではっきり争ってみたい。」というようなことが新聞に出ているのですけれども、問題の性質からいけば、そういうふうなことを一方で言うのはうなずける点もあると思いますが、やはり人命にかかわる事故の問題なんですから、もっとすっきりした線というものが打ち出されるべきではないかと思うのですが、これはひとつお調べいただいて、次の委員会にでもお答え願いたいと思うのです。
 それから次に問題は、やはり新聞記事で申し上げるわけでありますが、道より狭い橋の事故によって死亡した方に対する責任、これは県に賠償責任があるということで三月の二十八日に判決が出て、八百四万円を被害者の両親に支払えという判決が出ておるのですが、この事件について御承知の点、お話し願いたいと思います。
#14
○説明員(吉兼三郎君) 御指摘の事件は、千栗県の千葉市内に起きました。発生の日時は昭和四十年七月二十五日午後十一時三十分ごろ、千葉市内の一般国道十六号線におきまして起きた事故だと承知しておりますが、状況は、前後の道路が幅員十七メーターに対しまして、橋梁部分が旧橋のままで六・五メーターというふうな状況で、道路より橋梁の幅が狭くなっている、こういう個所であったかと思います。したがいまして、道路から橋梁に取りつきます据えつけ部分につきまして十分な誘導施設を設けてなかったために、高欄に通行車が激突いたしまして、一名死亡し、三名負傷した、こういう事故であったかと思います。事件の概要はそういうことでございます。
#15
○原田立君 それで、結局、判決の面からいけば、完全な防護措置を講じなかった道路管理者にも責任がある、千葉県と運転者は連帯して八百四万円を被害者の両親に支払え、こういうふうな判決をしております。完全な防護措置を講じなかった道路管理者にも責任があるということでありますけれども、この点についてはいかがですか。
#16
○説明員(吉兼三郎君) 本件につきましては、千葉県知事管理区間の道路でございまして、最終的にどうするかという判断は千葉県知事がなさるわけでございます。むろん、道路管理行政一般の問題で私どものほうに事前に相談があったのでございます。一審判決に対して承服するかどうか、控訴するかどうかというふうなことになったのでございますが、非常にこれはデリケートな事案でもございますし、千葉県としましては、道路管理者の管理責任については十分承知をいたしておるわけでございますが、ただ、その相手方の運転者がかなりなスピード違反であったといったようなこととの関連において過失相殺とかいったような見地から一審の判決にこのまま承服いたしかねるのじゃないかというふうに千葉県当局は判断をされまして、県としては一応これは控訴してみるというふうになったものと私伺っております。
#17
○原田立君 事件のことはけっこうでありますが、完全な防護措置を講じなかった道路管理者の責任という点を指摘しているわけですよ。そのためにも、照明及びガードレール、道路標識の設置など不十分な状態であった、こういうふうに判決は指摘しているわけです。こういう事件は、はなはだ残念なことでありますし、いまも説明の中にあったように、道路は十七メーター、橋梁は六メーター、これは非常に極端な例だと思うのですが、一体そういうふうな個所は全国でどのくらいあるのか。第二、第三のこのような事件が起きることははっきりしているのじゃないか、こういうふうに私はおそれるのでありますけれども、どのくらい現況はあるのか、御承知の点をお話し願いたい。
#18
○説明員(吉兼三郎君) ちょっと数字的にいまお答えする資料を持ち合わせておりませんが、本件は橋梁と道路の関係で、全部の道路が拡幅されて橋梁の拡幅が残っておったというところであったかと思います。こういう個所は全国に例としてはないことはないと思います。道路整備のいろいろな段階におきまして、橋梁の整備があとになるという例はよくあることでございます。逆に、橋梁が先に整備になって、取りつけ道路がおくれるという例もないわけではないと思います。そういう場合におきましては、これは取りつけの部分、据えつけの部分については、ガードレール、道路標識なり、そういう誘導施設を設けるということを私どもは強く道路管理者に指示、指導いたしておるわけでございます。したがいまして、千葉県のようなこの事案については、非常に私ども遺憾に思っております。目下のところは、予算等その後の措置もとっておりますし、橋梁自体もいま拡幅の工事を都市計画とともに実施しておる状況でございます。いまここで、どのくらいあるかという実情につきましての資料は、ちょっと持ち合わせておりませんので、後刻調べまして、わかる範囲内におきまして提出いたしたいと思います。
#19
○原田立君 警察当局のほうとして、こういうふうなところはどのくらいあるのか、掌握なさっておられますか。
#20
○政府委員(鈴木光一君) まことに申しわけございませんが、現在そういう手持ちの資料は持ってございません。
#21
○原田立君 現に一人の人がなくなっているという事件であります。第二、第三が続くだろうということも考えられることです。こういう事件があった直後等において、やはり何らかの注意指導というものをなさなければならないはずだと思うのですが、警察の関係ではいかがですか。
#22
○政府委員(鈴木光一君) 道路と橋梁の関係で、ただいま御指摘のような不ぐあいの点がその他にも事例があろうかと思います。その場合に、道路管理者と十分連絡を取りまして、道路管理者の設置すべき道路標識あるいはガードレールといったようなものにつきましての相談、あるいは交通規制上の措置でやっていけるような問題につきましては警察でやるというようなことで措置してまいりたいと思います。
#23
○原田立君 それでは、この千葉のこのところについて、この事故があった後に、新たに照明とかガードレールとか道路標識の設置はなされましたか。
#24
○説明員(吉兼三郎君) たしか、取りつけ部分につきましてのガードレールは設置したように伺っております。
#25
○原田立君 照明とか道路標識は。
#26
○説明員(吉兼三郎君) その点は、いままだ確認いたしておりません。
#27
○原田立君 どうかひとつ、さような点を、ただ上部だけでわからないからというようなことでなしに、こういう現実に事故が起きているのですから、そのときにもう少し具体的に見てもらいたいと思うので。すもちろん、県のほうに責任はあるかもしれませんけれども、県にある、国にあるからといって、人一人なくなっているわけですから、また第二、第三と続くだろうこともわかるわけですから、ことばがたいへん汚いですけれども、そういうふうに、ただ一方だけやってあとは知らぬというふうなことのないようにしていただきたいと思います。次の委員会において、これはどうなったか、はっきりと御報告願いたい。
 それで、道路管理者の責任ということでありますが、たまたまこういう事件が起きて、警察当局として、こういうふうな事故が起こらないような予防措置、そういうふうな地域に対する予防措置、指導、これはおやりになりましたか。
#28
○政府委員(鈴木光一君) この事例につきましての具体的な措置については、まことに申しわけありませんが、承知いたしておりませんが、一般的に申し上げまして、先ほども申し上げたとおり、交通規制で、たとえばここは非常に橋梁の部分が狭くなっているのでスピードを落とさなければならぬということになりますれば、スピードの制限を明示してやるというような方法があろうかと思いますので、そういったことについて、さらに御指摘のこともございますので、全国的によく調査いたしまして、ひとつ警察でやり得る予防措置については万全を期していきたいと思います。
#29
○原田立君 せっかく御努力中だとは思いますけれども、なお一そうお願いしたいと思います。
 それから警察のほうにお伺いしたいと思うのですが、整備不良車の路上摘発というふうなことをおやりになる意思があるかどうか。
#30
○政府委員(鈴木光一君) 整備不良車につきましては、現在の道交法にも整備不良車に関する規定がございますので、その規定に従いまして指導、取り締まりを実施しておる次第であります。
#31
○原田立君 路上摘発ということはありますか。
#32
○政府委員(鈴木光一君) これは実施しておりまして、先般来問題になりましたダンプカー等につきましては、御承知のように私どもも非常に力を入れまして、ブレーキの不ぐあいな車等につきましては、陸運局と一緒になりまして厳重に実施しておる次第でございます。
#33
○原田立君 たまたまそういう不良車があって事故を起こす例もありますので、これなどは強制修理の通告制度なども行なったりしたらいいのじゃないかと、かように考えておるわけです。
 それと、もう一つ、現在交通専任取り締まり要員の白バイとか、いろいろありますが、それが、まだそんなに車がなかった当時と現況とを比べてみて、白バイの現況及び交通専任取り締まり要員というのははたして充足しておるのかどうか、非常に足りないのかどうか、その点いかがですか。
#34
○政府委員(鈴木光一君) 交通警察官の数につきましては、現在の交通情勢下におきまして非常に不足しておることは事実だと思います。そこで昭和四十年に交通警察官の一万名の増員をいたしまして、現在それが第一線に出て交通指導、取り締まりにあたっておるわけでございますけれども、なお、これらのものも合理的な運用ということで、白バイ、パトカー等に極力それを乗せて行くということで、現在白バイ、パトカー等につきましても、本年度で一応終わりますけれども、年度計画で充足いたしまして、増員された警察官を極力街頭に出動させたいということでやっております。
#35
○原田立君 そうすると、現在は充足しておると、こう見ていいわけですね。
#36
○政府委員(鈴木光一君) 既定の計画につきましては充足しておりますけれども、率直に申し上げまして、私どもといたしましては、なお増員を要望しておるのでございますが、たまたまその一万名の交通警察官の増員後、四十一年、四十二年、四十三年と三カ年にわたりまして外勤警察官の一万八千名の増員を計画いたしまして、現在それが進行中でございます。したがって、その外勤警察官の増員とにらみ合わせまして、交通警察官の実質的な増員という方向に――内部の合理的な運用によりまして、そういう方向に持っていくということで現在計画しております。
#37
○原田立君 ダンプカーのほうの対策について、この委員会でもいろいろと議論されておりましたけれども、端的に言って、最近に至ってどういうふうな改善がなされたか。
#38
○政府委員(宮崎清文君) ダンプカーの交通事故原因につきましては、現象面といたしましては、御承知のように、ダンプカーが過積みをするとか、砂利の積み過ぎをするために非常にスピード違反をする、無理な追い越しをする、そういうような無謀運転、それからその運転手に無謀運転をせざるを得ないような状況に追い込んでおる労務管理の問題等が現象面の原因かと思われます。しかしながら、これも御承知のように、ダンプカーの事故のよって来たる原因は非常に深うございまして、さかのぼりますと、これは砂利の価格の問題にまで至るわけでございます。そこで、政府といたしましては、まず何よりも当面の事故防止という点におきまして、緊急の措置といたしましては、先ほど警察庁の交通局長も申しましたように、昨年末以来ダンプの事故の取り締まりの徹底をいたすとともに、労務管理の改善その他につきましても強力な指導を行なっております。なお、その根本的な問題の改善につきましては、現在総理府の交通対策本部にダンプカー事故防止専門部会というものを設けまして、関係省庁が集まりまして、目下鋭意検討中でございます。
#39
○原田立君 これは一つの営業でありますから、営業登録制度などはできているでありましょうけれども、この前も、ただ一人でやっている業者もあるということでありました。これは、すでに営業を登録しておるというのを何か表示等はさしておるのですか。
#40
○政府委員(宮崎清文君) ダンプカーの実態でございますが、これはいろいろな形態がございまして、的確に把握をいたしておりませんが、大体私たちの推定によりますと、現在五トン以上の大型ダンプカーが全国で約十四万台ございます。そのうちの一割は、一万一千台程度がいわゆる事業用車でございまして、緑色のナンバーをつけておる車でございます。それ以外の十二万七千台ぐらいは自家用車で、いわゆる白ナンバーをつけて走っております。この自家用車がまたいろいろございまして、建設事業者が直接使用しておるもの、砂利等の採取業者が使用しておるもの、砂利等の販売業者が使用しておるもの、俗にいいますもぐりの運送事業をしておるもの、いろいろございます。いずれにいたしましても、この自家用車の七割ぐらいが俗に申します代車業と申しまして、一匹オオカミ的な存在ではなかろうか、このように推定いたしております。したがいまして、主として問題は、一匹オオカミ的な車と申しますか、そういうダンプの運行の実態をどう把握し、これをどう処理していくかということになるわけでございまして、この点はなかなかむずかしい問題がございますが、現在のところ、いろいろな考え方がございますが、いま御指摘のような特殊のナンバーを与えるというようなところまでの結論にはまだ至っておりません。
#41
○原田立君 それは検討されているのですか、どうですか。
#42
○政府委員(宮崎清文君) ただいま申し上げましたように、ダンプカーの事故防止の抜本的な対策といたしましては、どうしてもその代車業をどう処理するかというところにいくわけでございまして、これにつきましてはいろいろな御意見がございます。たとえば、そういうものも含めて自家用のダンプを全部許可制にしたらどうか、あるいは特殊のプレートを与えて他から容易に識別できるようにしたらどうか、あるいはそういうものにつきましては、事後の取り締まりと申しますか、自動車の使用の停止をしたらどうかとか、いろいろな説がございます。それぞれ一長一短ございまして、なかなかむずかしい問題でございますので、目下関係省庁におきまして、どういう方法をとるのが一番いいかということを検討しておるところでございます。
#43
○原田立君 いつごろ結論が出るのですか。
#44
○政府委員(宮崎清文君) いろいろ、何と申しますか、関係する面も多うございますし、ふくそうしておりますので、私たちとしては、なるべく早く結論を出したいとは考えておりますが、きょうあすというわけにはちょっとまいらないかと存じます。
#45
○原田立君 もう少し真剣な態度で御答弁願いたいのです。何も私は、出委員会において一日や二日後に結論を出せだなんということを要望いたしません。現在ダンプカーの事故は多少とも減少したということが当委員会で発表されました。たいへん喜ばしいことだと思っているのです。だけれども、また累増しないとは、だれも断言できない。ダンプ対策については、もっと真剣な態度で取り組むべきではないか。一日や二日だなんて、そんなことは言っておりません。いかがですか。
#46
○政府委員(宮崎清文君) 先ほども申し上げましたように、私たちといたしましても、一日も早くこの結論を出したいと思っております。ただ、問題が非常に複雑でございますので、若干の日数がかかることをお許し願いたいと申し上げた、そういう意味でございます。
#47
○原田立君 そんなことはよく承知しているのです。いつも検討々々で長引いてはならないので、だから、さしあたりのめどはどのくらいかということを先ほどからお聞きしている。
#48
○政府委員(宮崎清文君) これは関係各省とも協議してやっておりますことで、私の一存で申し上げかねますが、私、つまり総合調整をいたしております総理府といたしましては、少なくとも今月の中ごろまでには何らかの結論を出したいと、このように考えております。
#49
○原田立君 不幸にしてダンプカーの事故が起きた場合に、ダンプカーの管理者に対する連帯責任、現在は罰金だけのようでありますけれども、もっと強化すべきではないか。あわせて、ダンプカーのみならず、ほかの大型車等についても管理者の連帯責任をもっともっと強化すべきではないかというふうな考えがあるのですが、その点はいかがですか。
#50
○政府委員(鈴木光一君) 管理者等の責任の問題につきましては、実は、私どものほうで今年度の重点事項の一つとして取り上げまして、現在の法制下におきましては、ダンプカー等の自動車につきまして無免許運転を容認したり下命したり、あるいは飲酒運転を容認したり下命したり、過労運転を容認したり下命したり、ということにつきましては、雇用者等につきましても処罰の規定がございます。そこで、ダンプカー等につきましては積載制限違反が相当ございまして、この積載制限違反につきましても、管理者等につきまして、これを下命したり容認したりということがございます。そこで、今度の国会にお願いしております道交法の改正の中で、その規定を新たに整備いたしまして、そういった面からも雇用者等の責任を追及していくという措置をとってまいりたいと考えておりますが、ただいまのところ、法制上は、その容認、下命行為につきましては罰金刑だけになっております。
 なお、懲役刑をそれに加えていくかどうかということにつきましては、さらに検討を加えたいと存じます。
#51
○原田立君 また話がちょっと別になるのでありますが、国及び公社、都道府県及び二百台以上の車を保有する大口運送業者に対する自動車責任保険の適用除外措置と、自賠責の適用除外でありますけれども、最近起きている事故、また、それにより裁判等によって出てくるところの判決等々からいくと、非常に損害賠償も多額になってきております。
 それからまた、話によれば、百五十万円の損害補償から三百万にというふうな意向の話も聞いております。それで、そういうようなふうに情勢がずっと変化すると、この大口運送業者等に対する適用除外措置はもう廃止すべきではないか、一部そういう意見がありますけれども、これについてはいかがですか。これは大蔵省ですか。わかりませんかな。
#52
○政府委員(宮崎清文君) 直接の担当ではございませんが、全般的に関与いたしておりまして、その点は確かに御指摘の問題があることは存じております。今後検討いたしたいと思います。
#53
○原田立君 これは、またあらためてお願いしたいと思うのです。
 大蔵省来ておりますか。――いまの問題とも若干関連してくるわけでありますが、損害補償等については百五十万を三百万円に引き上げるようすでに合意を見たというふうなことでありますが、また新聞発表によれば、七月一日を実施のめどにしてあるというふうなことも出ておりましたが、そのとおりですか。
#54
○説明員(上林英男君) ただいまの点につきましては、交通安全国民会議や交通閣僚の御決定としまして、ただいま御指摘のありますような事態にかんがみまして、自賠責の保険金額につきましても、契約者の負担を考慮しながら引き上げるという決定を見ているところでございます。したがいまして、できるだけこの法律に従いましてその保険金額を上げまするように努力をいたしておるわけでございまして、保険金額等につきましても、御指摘のような線に沿って努力をしたいと、こう考えております。
 なお、実施の時期につきましては、ただいま、この保険金の引き上げに伴いまして保険料率をどうするかという問題がございまして、自動車保険料率算定会でいろいろ算定をいたしておるわけでございます。そういうものをできるだけすみやかに算定を終えまして、また関係各省、運輸省その他とも御相談をし、決定をしてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#55
○原田立君 実施のめどはどうなんですか。
#56
○説明員(上林英男君) ただいま申し上げましたように、できるだけすみやかに実施をするように努力をいたしております。ただ、ただいまの段階におきましては、いつということを確定的に申し上げる段階でございませんので、お許しをいただきたいのでございまするが、御趣旨に沿いましてできるだけすみやかにそういうような措置を講ずるよう努力をしてまいりたいと思っております。
#57
○原田立君 新聞には、七月一日ころから実施というふうなことが情報でいわれておりますが、そういうめどはないのですか。
#58
○説明員(上林英男君) 七月一日と申しましても、それは私どもが、何と申しますか、確定的なめどとして考えているというわけではございませんので、いま申しましたように、実施の時期を確定的に申し上げる段階ではございません。できるだけすみやかにと、こういうことでございまして、それが、何と申しますか、率直に申し上げますと、ただいまの保険金額と申しまするのは、百五十万円に上げましたのは昨年の七月でございます。そういう意味からも、そういう一年くらいたちましたとき、あるいはできるだけそれに近い時期に焦点を合わせて努力をしていきたいと、そういう気持ちは持っておるわけでございまするけれども、ただいまのところ、いま申し上げましたように、確定的なめどというものはございませんので、できるだけすみやかにこれを実施するよう努力をいたしたい、こう考えております。
#59
○原田立君 総理府はどうですか。
#60
○政府委員(宮崎清文君) 金額の点につきましては、先ほど大蔵省の申しましたように、昨年来、交通対策本部あるいは交通関係閣僚協議会等で、一応の努力目標としてはそこら辺を押えるべきであろうということの話し合いが一応はできております。それから期日につきましては、できるだけすみやかにやるべきであるという基本方針はすでに示されております。
#61
○原田立君 どうも、はなはだ不満足な答弁でありますけれども、この問題実施の時期等については保留したいと思います。
 それから、一時金だけのようでございますけれども、ここに年金制度を取り入れるような考えはないのかどうか。重傷患者等で、なおった人たちの約一割くらい、約四万人くらいだそうですが、一年間に、ほんとうに不具廃疾になって、見るもむざんな生活をなさっておる方が多いのです。これを一時金ばかりの損害賠償じゃなしに、年金制度を取り入れて、将来ともそういう人たちのめんどうを国で見てやるというようなお考えはありませんか。
#62
○説明員(上林英男君) おっしゃいますとおり、この自賠責の保険の問題は、できるだけ被害者の救済に資するようにという趣旨でございますので、いろいろさらに手厚い保護ということを考えるのは当然でございますけれども、一方におきまして、この自賠責の保険制度と申しまするのは、不幸にして交通事故にあいました方々に対する最低限の保障と申しますか、そういうものを確保する、それなくしては自動車の運行もさせない、こういう趣旨で組み立てられているものでございます。したがいまして、強制保険でございます。これの保護を厚くすれば保険料率にはね返ってくる、こういう問題もあるわけであります。したがいまして、そういうような点を考えながら、この制度の内容の充実をはかっていくというふうに考えておるわけでございまして、ただいまのところ、いまおっしゃいましたようなところまで考えておらないような状態でございます。
#63
○原田立君 この問題について、総理府として検討してもらえるでしょうか、どうでしょうか。
#64
○政府委員(宮崎清文君) 自動車損害賠償保障法に基づきますいわゆる強制保険の問題を含めまして、一般に被害者の救済対策につきまして、わが国にはまだ立ちおくれている面が多々ございますので、政府といたしましては、被害者救済対策を今後強力に推進するということは方針として決定いたしております。したがいまして、その一環として、当面の措置といたしまして、先ほどから大蔵省が申しておりますように、死亡事故につきまして三百万を目標として引き上げをはかるべく努力をいたしておりますが、それ以上の問題につきましても、当然今後被害者の救済対策の強化というものの一環としまして検討を続けたいと思っております。
#65
○原田立君 すでに御承知と思うのですが、損害補償等については、フランスは三千六百万円、西独は九百万円、アメリカは七百二十万円、それに比して、日本は百五十万円、やっとこれが三百万円というふうな呼び声がかかっている現状です。むしろ、私たちは五百万までは引き上げるべきだというふうな強い主張を持っているわけですが、いろいろ財源措置等がおありになるのだろうと思いますけれども、さきざきの見通しですね、これは言えるでしょうか。三百万円の話がどうも言えないのだから、五百万円の話はなかなか言えないのだろうと思うのですが、少なくとも、他の先進諸国と比べてみて非常におくれていることは、これは事実なんです。まあ十分御承知だと思うのですが、将来とも損害賠償の保険金額の増加ということについて、どれほどのお考えを持って検討をなさるのか、お伺いしたい。
#66
○説明員(上林英男君) 直接のお答えにならないかもしれませんが、先生御存じと思いまするけれども、自動車に関します保険につきましては、ただいま議論になっております自賠責、これは強制保険でございます。少なくともこれをかけておりませんと、先ほどの適用除外者等を除きましては、自動車が運行できない最低限の制度でございます。もちろん、このほかに、各自動車を運転する方々は任意の上積みの保険をかけておられます。それが、ただいまでございますと、一人平均五百万円ぐらいになっておるんではなかろうかと思います。ただし、それをかけておる人は、自動車を持っている人の三割程度しかまだ達しておりません。そういうような状況でございますので、保険を利用いたしておりまするのは、自賠責だけでなく、この自賠責の強制保険と上積みの任意保険と相まって、保険の普及によりまして、万一事故が起こりました場合には、その被害者の保護に十分の措置が講ぜられまするように私どもは考えたい、こう思っておるわけでございます。
 なおまた、諸外国におきまする自賠責の強制保険をやっておりまする他の国とわが国との比較でございますけれども、これも一がいに申せない点もあるわけでございまして、おっしゃいますとおり、フランス、ドイツ等、相当高うございますが、これは、ある意味では、一人当たりと同時に一事故当たりの金額、一事故当たりの最高限度額でもありますが、日本の自賠責の場合には、一人当たりいま申しましたような限度がございますが、一事故で何人もの被害を受けたという場合には、一人当たりのほかは限度がないということでございますし、たとえばアメリカにおきましても、これは州によって違いますけれども、ニューヨーク州は、一事故二万ドルが限度でありましたのが三万ドル、あるいは一人当たり一万ドルでありましたものが一万五千ドルというふうに上がっておるようであります。マサチューセツ州におきましては、一事故当たり一万ドル、一人当たり五千ドル、百八十万円というふうな低い金額でございますけれども、現実には、アメリカは御存じのように任意の保険をかけてなければ、幾ら賠償をとられるかわからないということで、ほとんど青天井に近いような任意保険が普及しているというような状況でございまして、こういうような任意保険とも両々相まちながら被害者の保護に万全が期せられるように努力をしてまいりたい、こういうように考えております。
#67
○原田立君 救急医療について、ないし救急医療機関の整備充実等についてお伺いしたいと思うのですが、先般もこの委員会で指摘されているように、交通事故はたいてい九〇何%の者が頭部の外傷等によって死んだり、あるいは重傷を負っているわけでありますが、脳外科の専門医の問題もありますが、その前に、指定病院が、この前も改正するというふうなことでありますが、それではたして充足するのかどうか、その点はいかがですか。
#68
○説明員(中村一成君) お尋ねの救急病院等の救急医療機関の現状でございますが、現在、全国で三千五百三十二の医療機関が救急医療機関として告示をされておるわけでありまして、これで十分であるかどうかということにつきまして、私どもは全国的な配置の問題から見て検討を重ねておりますが、大体これを五千ぐらいの数に早急にふやしたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、先生の御指摘がございました、特に交通外傷に対しますところの高度の救急医療機関、まあ私どもこれを救急センターと呼んでおりますが、これにつきましては、全国的に百十一カ所の医療機関につきまして、これを早急に整備するということで、目下地方庁と折衝を重ねておるところでございます。
#69
○原田立君 予算面で、四十一年は千二百万円、四十二年度は二億九千百八十八万円と、こういうふうになったというふうにお伺いしておりますけれども、あまりにもこういう自動車事故に対する処置が日本の場合にはおくれておる。もっと加速度的に充実していかなければならないのじゃないか。いまも、三千五百で五千にしたいと。それでも、あと千五百カ所ばかりふやさなければならない。現実に二億九千万円ぐらいのところの予算措置等で、はたして激増している交通事故、事故死傷者等に対して追っつくのかどうか。ちょっと、はなはだ疑問に思うのですが、今後ももっとふやしていくというような、そういうお考え、どうでございますか、予算等の措置について……。
#70
○説明員(中村一成君) 確かに、先生御指摘のとおり、国の厚生省関係の経費といたしまして、直接の経費は二億九千万でございますけれども、昭和四十二年度におきます医療機関関係の整備に使いますところの金と申しますのは四百八十一億円でございます。その他、国が直接持っておりますところの病院を整備するところの費用でございますとか、あるいは公共法人というものを入れますというと、大体七百十億ぐらいの金が医療機関の金に投ぜられるわけであります。したがいまして、要は、そういうような医療機関関係に関しますところの金を救急医療関係に持っていく、重点的にそれに持っていくと、こういうような施策を私どもは考えておりまして、私どもといたしましては、特にその頭部外傷関係の医療施設につきましては、これは急を要しますので、できますならば今年あるいは明年あたりまでの間に、これの整備を終えたい、こういうふうに考えております。
#71
○原田立君 サプライセンター関係の予算は、以前九千九百万円ぐらい要望しておるということであったそうでありますが、今回五千万円になっておるということを聞きましたが、いかがですか。
#72
○説明員(中村一成君) サプライセンターという構想につきましては、実例といたしまして、九州の福岡市の消防局の御協力によりまして、それから地元の救急病院の方々との間におきまして、サプライセンターといったような構想のものが現在動いておりまして、私どももこの構想は非常にいいアイデアだと思いまして、本年は全国的に幾らかモデル的にそういうようなものをつくって、それが非常によければ、今後全国的に主として中小都市を中心にそういうものをやっていきたいと考えておりますが、現在のところ、金額といたしましては、先生御指摘のとおり、まだ十分でございませんけれども、目下まだ試験的な段階でございますので、今後その成果によりまして考えたいと、こう考えております。
#73
○原田立君 予算はどうですか。
#74
○説明員(中村一成君) サプライセンターの関係といたしましては、サプライセンターとして、具体的に幾らということではございませんで、医療機関の整備の補助金の一億五千万というワク内におきましてこれを考える、こういうことになっておりますので、いまのところ、幾らそれに回すかということは、まだきまっていないわけでございます。
#75
○原田立君 厚生省では、このサプライセンター等について、運営費等に対して補助等はなさるんですか。
#76
○説明員(中村一成君) 現在、ほかの場合もそうでございますが、国の補助といたしましては、運営費に対する補助は実は国費としては出ておりませんので、これにつきましては、はなはだ困難ではなかろうかと考えております。
#77
○原田立君 設備費には三分の一の補助が出ているというふうに聞いておりますが、地元等の意見では運営費もぜひ多少見てくれないかというふうに強い要望があるように聞いておりますが、いまのように、ただ見れないということではなしに、将来とも検討に値するのかどうか、その点いかがですか。
#78
○説明員(中村一成君) 先生御指摘のとおり、救急医療関係の医療機関につきましては、経営的に、はなはだ困難である場合が多いわけでございまして、私どもといたしましても、そういう救急医療を行なうことによって生じますところの赤字等につきましては、あるいは社会保険の診療報酬の点におきまして、あるいは先生御指摘のように国の何らかの援助の力をそれに注ぐというようなことが必要ではなかろうかと考えまして、検討を進めているところでございます。
#79
○原田立君 最後に、総理府にお伺いしたいんですが、無料の交通事故相談所を都道府県別に七月設置が本ぎまりであるというふうな構想が五月の三十日に発表になっておりますが、これについては、職員等についてどういうふうになさるんですか。
#80
○政府委員(宮崎清文君) 国が、御指摘のように、大体七月を目途といたしまして、全国都道府県に、公立の、公の機関としての交通事故相談所を設置する予定にいたしておりますが、これに対しまして国が一定の補助をいたすわけでございます。その補助金の内容につきましては、設備費に対する補助と、あとは交通相談員と申しますか、実際に交通事故相談に当たる人の謝金及び顧問弁護士の顧問料を補助いたす予定にいたしております。
#81
○原田立君 この相談内容は、市場、死亡事故による損害賠償問題の解決を主とする、ないしは後遺症で悩む人々に生計の指針を示したり、治療更生の面はもちろん、単純な交通事故問題にも親切に応ずる、たいへんけっこうなことでありますが、これに当たる人物ですけれども、ただ単に普通の職員、平職員等であっては何にもならないんじゃないか。もっとしかるべき相当権威ある人をその衝に当てるべきではないか、こう思うんですが、いまどういうふうに職員を充てるようにお考えなのか。また将来どうなさるのか。
#82
○政府委員(宮崎清文君) その相談員につきましては、具体的には、それぞれの都道府県で選任いたすことになろうかと思われますが、私たちといたしましては、一応の基準といたしまして、非常に抽象的ではございますが、そういう交通事故相談に応ぜられる能力識見を持った人で、まあ年齢的にもそういう相談にふさわしい人を選ぶようにという指示はいたしております。
#83
○原田立君 具体的になると、どういうふうになるんですか。もちろん、厳正公平な人物を選ぶのも当然なことでありますし、そこの指導は非常に権威あるものであるということにするためにも、たとえばの話でありますが、議会の承認とか、知事の任命とかいうふうなことですね。あるいはそれに近いような権威を持たせるような人物をそこに配していかなければ、悪質な事故相談等が絶滅されていかないんじゃないか、また魅力あるものにならないんじゃないか、こういうふうに思うんですが、どうですか。
#84
○政府委員(宮崎清文君) もちろん、理想論から申しますと、いまおっしゃったような人物が望ましいと思いますが、一方におきまして、現実に充てる人はどういう人がいいかという現実論になりますと、必ずしも理想論どおりにいかない場合もございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、たいへん抽象的で申しわけございませんが、相当の一定の年齢に達していて、たとえば法律問題等についてもある程度の知識を持っている、それから交通事故の処理についてもある程度の知識を持っている、こういう人を充てることになろうかと思います。
#85
○原田立君 警察署でも交通事故の相談を受けるというふうな新聞発表を見たことがありますが、それとこれとの連係は十分持つんですか。
#86
○政府委員(宮崎清文君) 現在の時点におきましては、ただいま御指摘がございましたように、警察署におきましても一部やっております。また、都道府県に交通安全協会という民間の団体がございまして、ここでも一部やっております。また府県、市町村自体がやっておるものもございます。したがいまして、今後都道府県にできます交通事故相談所は、いわばそれらと有機的な連係を保ったセンター的な機能を同時に営みたいと、このように考えております。
#87
○大倉精一君 時間がないようですから、原田君の質問の中で、一点だけ関連して、この際、質問というよりもむしろ提案をして検討願いたいと思うのです。
 ダンプカーの問題ですが、これは非常に苦労なすっておるようでありますけれども、非常にむつかしい問題だと思うのです。がしかし、考えてみれば、これは過労と暴走を防ぐ、この二点になると思うのですね。この過労のほうは、これは一応きょうは保留をしまして、暴走をどうして防ぐか。この原因はたくさんありますけれども、この原因についてもきょうは触れませんけれども、とりあえず、四車線以上の車道においては、ダンプカー、あるいはタンクローリー、あるいは生コン車というふうな特殊車に対する速度制限を一般の車と区分をしたらどうか。四十キロであれば制限速度三十五キロとか、こういうふうに速度区分をする。そうすればこの車は追い越しができない、しないということになると思うのです。むろん、その場合でも追い越しをする者があるかもしれませんけれども、当面の問題として、ダンプカーも乗用車もトラックも、みな同じスピード制限、こういうところに問題があろうかと思うのですが、こういう点について、ひとつ、警察庁並びに皆さんのほうからの所見と、それからせっかくこういう対策本部もあるようでありますから、そういう場所において十分検討願って、善処されたらどうかと思うのです。要するに、暴走を防ぐ、こういう点で、四車線以上の道路にはそういう措置をとる。狭いところでは交通混雑になりまするから、これはできませんけれども、四車線以上であればこれは可能であると思います。この意見は私の意見でもありますけれども、実はタクシーの運転手あるいはトラックのプロ・ドライバー、こういう人々の意見の中に、こういう傾聴すべき意見があるわけですね。ですから、そういう、ほんとうに毎日ハンドルを持って道路を走っておるそういう人の意見というものには、これは非常に貴重なものがあると思うのですね。そういう人がこういう意見を言っておりまして、私もなるほどと思ってまいりましたので、この際でありまするから、ひとつ提案をして、そういて御検討願いたいと、こう思うのです。いかがでしょうか、御所見を願います。
#88
○政府委員(鈴木光一君) ただいまの問題に関連いたしまして、ダンプカーの法定の最高スピードは、御承知のように五十キロということになっておるわけでございますが、御指摘のように、四車線以上あるような道路につきましては、車の種別によってスピードを変えたらどうだろうかという御意見だろうと思いますが、このほかに、公安委員会が現在キープレフトの原則を守っておりますけれども、通行帯を設けることができるという規定がございまして、通行帯を設けまして、車の種別に応じて通行を区分して通させるという方法をとってございます。その場合に、現在のところは車の種別によってスピードの区別を設けておりませんけれども、この問題に関連いたしましては、やはり種別ごとの交通量という問題もございますので、今後公安委員会が指定する通行区分帯との関連におきまして、御意見のところは検討してまいりたいと思います。
#89
○政府委員(宮崎清文君) 交通規制の問題でございますので、直接的には警察の所管でございますが、御意見も、まことにダンプ事故の防止の一つの考え方だと拝聴いたしましたので、技術的な問題がいろいろあろうかと存じますが、警察庁とよく検討いたしたいと思います。
#90
○委員長(松澤兼人君) 林君。
#91
○林塩君 私は、救急医療、それから輸血の問題、それからもう一つつけ加えまして、自動車運転免許の問題について伺いたいと思います。
 最初に、救急医療の根本でございますところの第一救護――第一救護と申しますとファースト・エイドと申しますが、現場でそういうものが起こったときにどう処置がなされているかということでございます。もちろん、激増してきますところの交通事故によりまして、傷者も死者も非常にふえております。私どもの身辺にも、交通事故によって非常に身体不自由者ができてきておりますし、それからまた、そんなことは他人のことだと考えておりますと、案外自分たちにも起こってくるかもしれません、というような意味から、非常に最初のお手当てが大事だと思うわけでございます。で、最近よく言われておりますが。交通事故によりまして、事故現場の処置が悪かったために、非常にデリケートな脳の状態が、ちょっとした出血によりましてあとで脳に障害が起こってきているというようなことも言われておりますので、そのようなことに対してどんな対策が講じられておるかということで伺ってみたいと思うのでございます。
 なくなった人がどうでもいいというわけではございません。しかし、できるだけ交通事故にあいましたときに命が助かることが大事だと思います。それからその次には、負傷いたしましても完全な形でなおるようにしたいと、こういうふうに考えますときに、この問題はきめこまかく、そして一人一人、人命並びに福祉の問題に関係いたしますので、相当重要に考えられなければならないのじゃないかと思うわけでございます。自動車事故だけではございませんで、やはり鉄道の事故もございますし、大量な傷者が出ておりますのと、それからまた、町で一つの自動車が衝突したために起こってきます一人二人の傷者あるいはその他のそういった死者が直ちに出るとかいう大きい問題から小さい問題にかけまして、これは人命に関すると同時に、人の福祉に関することでございますので、交通対策と同時に重要に考えられていい問題であろうと思うのですが、この間うちも話がございました救急車の問題、救急車が足りないということはよくないと思います。しかし、その救急車に運ばれる人がどんなふうな手当てを受けていくかということが大事な問題ではないかと思うのです。運びさえすればいい問題ではございませんで、やはり救急病院に搬送されます間の距離、それからその他いろいろな関係によって、運んでしまったときにはもうすでにおそかったというような場合さえあるわけで、その第一救護といいますか、救急の途中並びにその間にどのような処置をしたかということが非常に大事な問題になっておりますが、この救急業務を担当されておりますところの消防庁御当局のこれに対する対策はどんなようになっておりますか、伺いたいと思います。
#92
○説明員(山田滋君) ただいま御指摘の点は、私どもほんとうにそのとおりだと存じております。御承知のように、現在救急の件数が飛躍的に増大いたしておりまして、特に昨年一年で、前年に比べまして約十万件も件数がふえております。これにつきましては、過般来御説明申し上げておるわけでございますが、制度的にこの救急の体制を全国的な救急綱を整備いたしたい。早急にそれをいたしたい。特に、その救急件数の中で、従来急病と交通事故が一番多いわけでありまして、しかも昨年ふえました中でも、最近の傾向といたしまして交通事故による件数が非常にふえております。そういうことから、現在各救急業務を市町村に対して義務づけておるわけでございますが、その基準を引き下げまして救急を行なう主体をふやしていきたい。現在義務づけております以上に、実際にはもう義務づけられなくても行なっておるわけでございまして、全国に約四百六十の市町が救急業務を行なっております。それをさらに制度的にも拡充をいたしてまいるということでやっておりますし、さらに、まあ今回消防法の一部改正の御提案を申し上げておりますが、都道府県自体が最後に後見的な立場で救急業務に乗り出すということも実は考えておるわけでございます。そういった制度的な問題について拡充強化の必要があることは当然でございますが、いま御指摘がございましたように、やはりただ運べばいいというわけではなくて、内容的に救急業務の実があがるようにいたさなければならないわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、現場の処理の問題につきましては、やはり厚生省と十分連絡をとりまして、でき得れば医者を常時市町村においてはこの救急のために配置をしていきたい、あるいはまた看護婦さんを配置していきたい。それから、まあできればその救急車に搭乗していただいて、そして救急の実をあげるようにいたしたい。こういうふうな基準をつくりまして各市町村には指示をいたしておりますが、しかし、御承知のように、なかなかそういったことは理想的な話でございまして、一々車にお医者さんに乗っていただくということは、これは現在では不可能でございます。そこで、私どもといたしましては、現在、救急隊は救急車一台に隊員三名以上ということにいたしておりますけれども、この人数も問題でございますけれども、その質がやはり問題になってまいります。そこで、大量の需要に応ずるために、現在消防庁長官あるいは都道府県知事または市町村長が講習をいたしまして、大体基準といたしましては百三十五時間程度の救急業務の講習の課程を終了した者を救急隊員に任命いたしております。それからそのほか、現在医師であるとかあるいは保健婦さんであるとか医学士であるとか、そういった特殊な資格を持った方々に救急隊に入っていただけばなおよろしゅうございますが、そういった点の指導をいたしておるのでございます。現在、そういった方々の現場の機宜に適した措置、それに期待をいたしまして救急業務を行なっておる、かような実情でございます。
#93
○林塩君 それは理想なんですけれども、実際にはどんなふうな状態なのかということを伺いたいわけです。それで、医師は数が足りません。それからいわゆるそういったことにはたんのうな人の数が非常に足りないばかりか、ほとんどないのじゃないかと考えられます。したがいまして、消防庁では特別に講習会をしていただいていると伺っていますが、それはどんな単位になっているわけですか。
#94
○説明員(山田滋君) たいへんこれは申しわけないとも思いますけれども、現実の姿は、いま申し上げたような基準によってやっておりますのは、主として六大都市等の大きな都会地でございます。そこにおきましては、大体基準に従って、行なわれておると思っておりますが、やはり中小都市以下になりますと、そうまでまいりません。したがいまして、最小限度の講習を受ける、そういうかっこうで救急業務をやっております。また、救急隊員と申しましても、専任のものと、それから常時は消火活動に従事するけれども、消防署において救急事故が発生した場合に兼務でやる、こういうかっこうで救急を行なっておるのが相当ございます。現在約八千人近い救急隊員がおりますけれども、そのうち、専任は三分の一くらい、三分の二くらいは現在まだ正式の専任の救急隊員ではない、こういうことが、たいへん私は残念だと思いますけれども、現実の姿でございます。
 それから講習の内容でございますが、これは実は、さっき申し上げましたように、大体主として都道府県の消防学校等で日赤等の御協力を得まして講習をいたしております。その内容は、医学一般の予備知識というのはもちろんでございますが、救急に必要な診断学、内科、外科、産科、看護関係、傷病者輸送の関係、それから法規関係、こういったものを合わせまして百三十五時間くらいでございますから、大体一カ月程度の講習でやっておるのが実情でございます。
#95
○林塩君 私はなぜそういうことを伺うかと申しますと、運びさえすればいいという考えがあるようでございます。百三十五時間の内容につきましては、一応あとで参考にいただきたいと思いますけれども、そういうことによって運ばれて来ているという現状があるものですから。私はスイスで交通事故にあいまして足を折りましたときに、実際に自分で体験したのでございますけれども、その人たち、医師はいたかどうかわかりませんが、起こりますとすぐに救急員がかけつけて来まして、実に至れり尽くせりで、そうしてどこにも傷がなく、頭を打ったかどうかわかりませんのですけれども、絶対安静だということで運ばれました。それから意識ははっきりしていても、意識が不明なような取り扱いをしました。
 私は骨折でございましたが、運ばれるまでのその救急員の取り扱いが至れり尽くせりでありましたために、何の障害も起こりませんで、直ちに足はつながりまして、いまこのようにどこも何ともございません。そういうことで考えてみますと、第一に運ぶときの人の養成だろうと思うのです。医師、看護婦、保健婦――心得のあるものがおりますれば、それにこしたことはないのですけれども、ないからといって、そのままでいいだろうかという問題がございますので伺ってみたわけでございます。それで、いつでも理想はございましても、理想は理想だとしょっちゅうおっしゃいましても、現実は理想と非常に違っている。毎日毎日起こってきております人一人のからだの問題が、何かこまかく対策としてなっていかないような気持ちがいたしますことは、これは、当局だけでございませんで、国民もみんな考えていかなければならぬのじゃないかということで、手が足りなければだれでもがそういうことを取り扱うことができるように、ただ救急医を置いておきさえすればいいというのではなくて、全体として考えなければならない問題じゃないかと思いますので、特に申し上げたわけでございます。このことはどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それから、救急医療施設と搬送との間の距離とか、あるいはそれの結びつきとかというものについて、大切な問題だと思うわけでございますが、それはどういうふうになっておりますか、伺いたいと思います。
#96
○説明員(山田滋君) 医療機関の指定は、現在厚生省令で基準を定めて、先ほど御答弁がございましたが、約三千五百程度あるということでございます。大体私どもといたしましても、一応の目安といたしましては、十分以内には運び込めるような、そういう位置に病院を配置していただきたい、かように思っております。そこで約二十キロ以内といいますか、その程度だと見ております。
#97
○林塩君 これも、そう思っていらっしゃいますでなくて、現在はどういうふうになっておりますか。
#98
○説明員(山田滋君) ちょっと私のほうに、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、もしあれでございましたら、あとでまた…。
#99
○林塩君 あとでぜひお願いいたします。
 救急医療機関とそれから搬送との間の連絡でございますが、それがうまくいっておりませんために、例がよくあるのですが、消防署の関係では消防署指定の特に指定病院がございますね。そういうところにすぐ連絡がとれるようになっておるのでございますが、しかし、それと関係のないところで起こったものについては、救急病院に行ったところがベッドがないといって断わられた。それからまた、そういう重症者を持って来られても困る――たとえば、頭部損傷の場合には、医師がいないからどこかに行ってくれというようなことで、みすみす、それがあちこち行っている間に不幸な転帰をとったということをよく聞きますが、事実そういうことがあっているのかどうかということでございますが、そういう点は多いのでございましょうか、それとも、一つ二つが新聞に取り上げられていることであろうか、実情はどうなんですか、伺いたい。
#100
○説明員(山田滋君) ただいま御指摘の点は、現実に聞いたことがございます。ただ、全体として多いということもあまり聞いておりませんけれども、間々、やはり救急隊と病院との連絡が不十分であるということのために、何べんも運んで、着いたらば目的を達しなかったということがあるようでございます。そこで、私どもは、特に大都会等におきましては、ただいま東京消防庁等にございますような救急指令センターを整えまして、これによって常時病院の空床状態等も救急の本部で把握をいたしまして、それによってワンタッチで病院のほうに連絡をする、こういうかっこうをとりたいというので、その関係の施策を今後強力に進める予定でおります。大阪等においても最近できましたし、徐々にそういったものができてまいっておりますが、なかなか全国津々浦々にということは容易じゃございませんが、大きなところからそういうかっこうで進めてまいりたい、そのように存じます。
#101
○林塩君 私が調べましたところによりますと、東京ではそういうふうに自然発生的にいろいろなものが出ておりますために、それぞれのところで大体救急網というのができております。しかしそれも、マンモス都市でございますから、必ずしもそううまくはいっていないけれども、しかし、これからできる都市につきましては、できるだけ中央にセンターがありまして、そうして無電がありましたり、いろいろなそういう通信のことはできるのでございますから、そういう一つの対策というものを立てられまして、人口五万に対してどうするとかいうふうな救急対策というものを重点的に考えられていかれるというほうがいいとかいう、これにも出ておりますけれども、そういうときにそれができない理由は、どういう理由でできないわけでございますか。あとになって、人が何人か死んで、負傷者が何人かできて、そういう問題が起こってからいつでもそういうことであわてるようでございますが、それについては、当局はどういう指導をしていかれようとするか。
 それからまた、こういう非常に問題の大きいときでございますから、それに対してこうだと、社会に訴えると同時に、政治としましても、それが大事だというものを振りかざしまして、そして予算その他のことについても強力に取り得るように考えることが、事故防止も大事でございますが、同時に、それによって起こる不幸な人たちを救うことになると思うのですが、それについては構想が何かおありでございますか。
#102
○説明員(山田滋君) ただいま御指摘の方向に向かって今後強力に進みたいと思っております。また、先ほど申し上げましたように、東京、大阪その他大都市におきましては相当程度うまくいっておると思いますけれども、やはりいわゆる救急の密度といいますか、救急事故の発生の度合いというものが相当高いところでは、そういう必要性を痛感いたしまして、市当局におきましてもそういう気持ちになりつつあるわけでございますけれども、それ以下のところにおきましては、なかなかそこまでは至らない。しかし、私どもの進め方といたしましては、全国全体の立場からそういう方向に努力をいたしたい。それにはやはり、いま御指摘のように、予算の問題でございまして、何とか救急センター等も設置されるような方向へ国としても助成措置を講じてまいりたいと思いますし、市当局に対しても強くそういう必要性を私どもも説いて回るつもりでございます。
#103
○林塩君 この間も、総合体制が必要だということでいろいろお話がありましたので、将来はそのように向かっていくと思いますけれども、各省が別個別個にものをやっているということでございますが、その一例としまして、たとえば市なら市でそういう対策を講じましても、市と市の間に起こった問題というようなことになってきますと、なかなかそれがうまくいかないというようなことでございますが、人命を救うために、国民の福祉のため、そういう予防のためには、総合的な対策といいますか、話し合いとかいうような、各省でそれを総合してされるということが、ぜひぜひこういった救急医療についても必要だと思うんでございますが、厚生省と消防庁とのお話し合いなんということは、ほんとうにできるようでございますかどうか、伺いたいと思います。
#104
○説明員(山田滋君) これは、実は医学に関する専門的な問題につきましては、当然厚生省にお願いいたさなきゃなりませんし、従来とも、この基準をつくって、三十九年にこの救急の制度もはっきりいたしましたですが、その際も厚生省の御意見を十分拝聴しまして、指示をいたしておりますし、またその後も、たとえば災害対策基本法に基づきまして、救急医療部会というものを各都道府県の防災会議に設けさせることにいたしておりますが、そういう問題にいたしましても、常時厚生省と連絡をとりまして、よく話し合いをいたしております。まあ、少し行政の部面というものが違いますから、そのそれぞれの責任を持ちながら、しかも不即不離の体制をとっていきたいと、かように思っております。
#105
○林塩君 今度は救急病院のことについて少し伺いたいと思うのでございますが、厚生省令によりまして救急病院の設置基準が出ております。これはこのようにみんな整っているようでございますかどうか。もちろん、認可をされますときにはこれに合っていなければいけないのでございますが、実情はどういうことになりますか。
#106
○説明員(中村一成君) 実情につきましては、この基準のとおり全部いっているという自信は、正直に申しまして、ないわけでございます。この制度が始まりましたのは、ただいま消防庁からお話がございましたように、昭和三十九年からでございます。何といいましても、全国の医療機関が救急医療業務に協力していただくという体制をつくる必要がございますので、私どもといたしましては、現在すでに整っておるということでいきますというと、非常に基準からいきましても困難でございますので、早急にその線に整備するということでお約束いただきまして、できるだけ多くの医療機関に協力していただくという意味におきましてお願いをいたしておる立場でございますので、救急指定にあります三千五百すべてがこの基準に完全に合致するかという点につきましては、無理な点があるいはあろうかと考えております。
#107
○林塩君 この基準を見ましても、ぜひこれだけは必要だと思うわけでございます。そうでなければ、とても救急のようなむずかしい業務はできないと思いますが、もちろん、重症もございませば、簡単で済む場合もございますし、それぞれ、事故によるところのものは、救急といいましてもピンからキリまでありますので、それに全部備えておかなくてもいい場合もあると思います。実情としてはそのとおりだと思いますが、重症の場合にはぜひこれだけのものがなければ受け入れられないのじゃないか。ことに脳外科の問題もございまして、脳に非常にたんのうな医師を確保するということは非常に困難だと思いますけれども、それがなくては目的は達せられないとしませば、これだけのものはぜひそろえなければいけないと思います。その点については努力をしていただいているのでございましょうね。どうでしょう。
#108
○説明員(中村一成君) 先生から御指摘いただきましたように、一番の問題は、医師、看護婦等の医療関係者の充足の問題でございまして、物的な整備といいますものにつきましては、これはある程度早急な整備ができるかと思うのでございますけれども、そういうような、特に専門医の充足等につきましては、三千五百の医療施設につきまして完全な形をとるということは、なかなか早急にはできないと思っております。そこで、私どもといたしましては、やはり特に最近におきますところの交通災害によるところの犠牲者の方々を重点におきまして、この中の幾つかの病院というものを、特にそういう意味におきまして人的な整備をはかる、そのためには、結局は大学あるいは大きな病院の御協力をいただく、医科大学等の協力をいただかなくちゃいけませんので、ただ数をふやすということよりも、現在といたしましては、質的に、むしろ数をしぼりまして、重点的にそういうふうに育成したい、こういうふうに考えております。一方、文部省に対しましては、そういうような大学におきますところの講座あるいは研究施設の拡充につきまして御協力をお願いするようにお願いいたしまして、ことしにおきましても、文部省といたしましてもそういう講座の増設を三大学においてやっていただいておりますけれども、これからそういうような専門医の養成と、そういう養成された医師の病院への配置ということにつきまして努力をしてまいりたいと考えております。
#109
○林塩君 もう一つ伺いたいと思いますのは、前にはこういう救急病院は指定になっておりました。指定になっておりましたのですが、三十九年でございますか、これが変わりまして、認可を受けるというふうになっておりますが、これは勘ぐりますと、指定をした場合には、指定だからというので相当の補助金その他を出さなくちゃならないが、認可であれば自発的にやるのだからそんなことは要らないのじゃないかというようなことで、それを、どうぞ認可をしていただきたいというふうに、こういう救急病院自体からそれを出させるようにしたというふうにも取れないこともないのですが、それに対するお考えはどういうお考えでございますか。これは少し問題があるようでございますが、厚生省としてのお考えはどういうところにあったのでございましょうか、伺いたいと思います。
#110
○説明員(中村一成君) その昭和三十九年当時、この制度になりました当時におきましては、いろいろと関係者におきまして議論を重ねたわけでございますが、このような制度をとりました考え方と申しますのは、救急医療機関というのを国が指定するというような行き方よりも、やはり救急医療機関というのはなかなかたいへんな仕事でございますので、実際やりたいという、やる能力もあり、かつ、やりたいという、医療機関のほうから、自分のところでやるのだということを申し出ていただいて、そしてそれによりまして、適格であるものについては、知事が、認可でございませんで、告示をする。一般にこの病院は救急をおやりになるということを告示をするという形をとったほうが、スムーズにいくのではないだろうかということでああいうふうになったわけでございまして、
   〔委員長退席、理事大倉精一君着席〕
経費の問題ではございません。やはり、医療機関にこのたいへんな仕事を引き受けていただくには、そのほうがよろしいという総合的な判断に立ったというふうなことでございます。私ども行政当局の立場から言いますと、特に公的な医療機関等につきましては、指定するという形式も、あるいはそのほうが便利じゃないかとも考えるのでございますけれども、現在は、公私病院いずれにつきましても、病院のほうから申し出ていただくというような形式になっていますのは、そういうような、何と申しますか、医療機関側からの協力態勢に従ってやはりやらないとこの仕事は無理ではないかという判断でやったわけでございます。
#111
○林塩君 それで、内容的に見てみまして、全部見たわけではもちろんございませんけれども、この救急病院が非常につらい問題に立ち至った。それでもなお人道的な仕事であるからという意味から、病院当局並びに従事者、みなそういう気持ちでやっておりましても、経済上の問題で困る場合が多いということでございますが、そういうことに対しては、国並びに都道府県、それぞれのところに何らかの措置ができているものかどうかということを伺いたいわけです。
 で、一つ言いますと、こういう問題が多いということでございますが、御存じだろうと思いますけれども、たとえば救急の場合は時間外が非常に多いというわけです。時間外のために、人員を確保しておかなくてはならない。そうすると、経常費として非常に困った問題になるというようなことでございます。調べてみますと、あるところの病院には、一応補助金と申しますか、助成金が出ているようでございますけれども、しかし、全国のこういう病院についてはそういう経済的な援助的なものは何もないものかどうか。また、そういう法的な根拠はできているのか、あるいはないのか、というようなことをまとめてお話しいただきたいと思います。
   〔理事大倉精一君退席、委員長着席〕
#112
○説明員(中村一成君) 根本的な考え方といたしまして、救急医療を引き受けたために病院に赤字が出たということにつきましては、これはまことに申しわけないことでございまして、そのことにつきましては、そういう赤字が出ないようにするという施策を当然国としてはやらなくちゃいかぬ、こういうふうに考えております。そこで、先生からいまお話のございましたように、そういう赤字の場合に、それを補てんするという方法をとっているやり方をやっているものもございます。たとえば、神奈川県の横浜にございますところの神奈川県立の救急医療センターの場合におきましては、横浜にございますところの済生会病院に県がそういう業務を委託する。これは完全に、救急医療の部分だけが切り離されておりますので、計算いたしまして、どれだけの経費がかかる、どれだけの収入があったという、いわゆる原価計算がきわめて明確にできるわけです。そこで、赤字が出た場合には神奈川県の県費でそれを補てんする、こういう形をとっておられます。そういうように、一般の病院の業務の中から救急医療の部分だけを切り離して見ているのは、完全にやっておられますのは、全国でほかにもう一つ、京都の第二日赤の分院がそういう形でやっておりますけれども、きわめて少ない例でございます。したがいまして、私どもといたしまして、いまここで、救急医療によってどれだけの赤が出るのが通常であるかというようなことにつきましては、まだまだ経験的にも浅いわけでございますので、まだそれを明確に計算することはできない段階でございますので、救急医療必ず赤になるのだということを言い切ってしまうのはいかがかと思うのでございますけれども、しかし、先生からお話しございましたように、夜間におきますところの当直を充実する、あるいはあきベッドを置くというようなこと、あるいはいわゆる未収金という問題もございまして、これがなかなか経営的に困難であろうということは十分推察できるわけであります。
 それで、しからばどういう形においてそういう赤をカバーするかということにつきましては、これは私どもといたしましては、そういうような救急医療と申しましても、これはやはり医療の一部でございますので、一つの考え方としましては、現在ございますところの健康保険制度等によるところの報酬の面いおいてそういう点が十分カバーされるような、そういう診療報酬の体系にするということができれば、これが一番望ましい形でございます。あるいはそのほかに、そういうような赤字につきまして、別に、国あるいは地方におきますところのそういうような財政的な援助をするというようなことも一つの方法であろうかと思います。一つの方法といたしまして、現在自治省の所管でございますが、地方公営企業法の政令によりまして、地方公営企業が行ないますところの救急医療について赤字が出ました場合には、その赤字を一般会計で補てんするということが規定をされているわけでございます。そういうような、都道府県、市町村におきますところの公営企業の医療機関については、そういうようなふうにして赤字が補てんされるというようなことが制度上できているわけでございまして、この点は私どもとしてもまことに喜んでいる次第でございます。しからば、その他の医療機関についてはどうかという問題が直ちにあるわけでございます。そういうような経費の赤字負担の問題は非常に重要な問題でございますので、私どもとしましては、その対策を目下検討しているというところであります。
#113
○林塩君 公的の医療機関はそういうふうになっているようでございますけれども、一般の病院につきましては、それを引き受けた場合、いろいろな経済上の問題で悩みがあるようでございます。こまかい点につきましては資料を持ちませんけれども、厚生省当局におかれましては、国の交通災害対策として起こってくる救急医療の問題でございますので、国としてそれに対してどう対処していったらいいかというような研究もしておられますかどうか。将来ますますこの問題が大きい問題になってきますとすれば、それらのこともよくお調べになって、そうして何らかの形で対処するというふうなことを考えておられますかどうか、伺いたいわけです。
#114
○説明員(中村一成君) 先生の御指摘のように、非常に重要な問題であり、国として当然これは考えなければならぬ問題でございますので、私どもとしましては、先生の御指摘のような線に沿いまして、ただいま検討いたしておるところでございます。
#115
○林塩君 ほかにもいろいろこまかい点でございますけれども、時間もございませんようですから、この問題はそれで打ち切りまして、委員会といたしましても、この問題はよく御検討いただきたいわけでございます。委員長さんにお願いをいたします。
 それから次に血液の問題について、これはやはり交通事故によりますところの救急の問題と多少関係もございますので伺いたいと思います。
 救急医療には、やはり何といたしましても血液を必要といたしますことは当然でございますのですが、特に交通事故の場合は外傷という形で急に血液を失いますので、こういうことをやはり考えておかなければいけないのじゃないかと思います。もちろん、いろいろなことで、そううまくはいかないと思いますけれども、厚生省としましては、この問題を交通事故の外傷に対して考えられておりますか。それとあわせて考えられておりますか。ちょっと伺いたいと思います。
#116
○説明員(中村一成君) 血液一般の問題につきましては、私どものほうの薬務局というところで所管をいたしておりますので、私がお答えするのはいかがかと思うのでございますけれども、救急病院等におきますところの血液の確保の問題につきましては、私どもといたしましては、地方の衛生部等と連絡をとりまして、特にその血液の確保については遺憾のないようにお願いをいたしておりますが、このことにつきましては、すでに医療機関御当局におきまして、特に救急医療を担当されるところの医療機関につきましては、しかるべき措置をされているようでございます。また、地方によりましては、特に救急の場合におきましては、そういうような救急用であるということを示した、何と申しますか、証明書みたいなものを発行いたしまして、そうして優先して、かつ割り引きをして確保できるというやり方をくふうをしておられる地方もございますが、一般的に申しまして、優先をした取り扱いをされているというふうに伺っております。
#117
○林塩君 この前にライシャワーさんが負傷しましたときに売血を使いまして、それが血清肝炎を起こしたというようなことから、この血液問題というのは大きな問題になってきたわけでございますが、そういうわけで、やはり救急の場合でございますので、売血自体が全部悪いというわけではないと思いますけれども、特に救急の場合、交通事故の対策といたしましての場合に、売血によらなくてもやはり清潔な血液ができるだけ早くに確保できるようにしておくこともまた大切なことだと思うのでございますが、いま、それではほんとうに必要とする血液が十分に足りているかどうか、充足されているかどうかという問題につきましては、これはもちろん薬務局のことでございますが、救急対策と一緒に、厚生省としてどんなふうにお考えになるか、伺っておきたいと思います。無理かと思いますが、一応御答弁をいただきたいと思います。
#118
○説明員(中村一成君) 血液の全国的な確保全般の問題につきましては、あるいは次回にでも業務局かう御答弁をさしていただきたいと思いますが、先ほども申しましたように、現在救急関係の病院等におきましては、日赤の血液銀行系統の献血によりますところの新鮮なる血液というものを何とか確保していると、こういうふうに私どもは伺っているところでございます。
#119
○林塩君 その問題につきましては、いずれまた伺う機会があるかと思いますので、この辺にしまして、次に、運転免許の問題でございます。これにつきましては、この間も御質問がありましたのですが、私はそれをもう一度伺っておきたいと思うわけでございます。
 道路交通法が改正になりまして、そして交通事故対策の一環としまして、運転免許に、精神病でないということの医師の診断書を必要とするということになったわけでございます。この間もいろいろ御当局の御答弁を聞いたのでございますけれども、私は、精神病対策とも関係をいたしますのでもう一度伺っておきたいわけでございます。
 精神病者であるということを診断いたしますことは非常にむずかしいということでございます。これは専門の精神科の先生方のお話でございます。少なくとも三週間はかかる。で、どこでもおそらく精神病者であるという診断は出さないであろうということでございます。そういたしますと、これは医師が入りましても、おそらく何もないと出るのでないか。事実また、いまそうなっていると思いますが、ここで伺いたいのは、精神病者が精神病者であったために事故を起こしたというような、何かそういうデータでもあったのでございますかどうか。この省令できめられますときに、そういう何か確とした根拠があって、精神病者でないということの診断書が必要であるというふうな前提に立ってこういうふうに改正になったのかどうか、それについて伺いたいわけです。
#120
○政府委員(鈴木光一君) 御質問の中で、精神病者等による交通事故の事例があったかどうかという点につきましては、もちろん、従来交通事故を起こして、その原因を追及する過程におきまして、精神病者等であることが原因で事故を起こしたというふうに私どもが認定した事故の件数は非常にたくさんございます。現在特異な事例だけでも、ここに十二ばかりの例を持っておりますけれども、そういう事例を踏まえた上での措置でございます。
#121
○林塩君 それで、どのくらいな件数がありますか。何人のうちどれくらいというのがございますか。そういうのがありましたら、ちょっと伺いたい。たくさんあると言いましても、何件ぐらいですか。
#122
○政府委員(鈴木光一君) 私どもの手元にありますのは、昭和四十年以降の事例のうち、特異な交通事故の事例だけでございますが、なお、現在、この特異な事故以外につきましても客都道府県に命じて綿密な調査をしておりますけれども、手元に持っておりますのは、四十年以降の事例で、特異な交通事故の事例としては十二件ばかり持っております。
#123
○林塩君 十二件といいますと、何件の中で十二件……。交通事故が起こりました中で、何件の中に十二件あったか。比例の問題だと思います。
#124
○政府委員(鈴木光一君) 御承知のように、交通事故は、年間、事故の件数といたしましては約四十五万件ぐらい起きているわけでございます。これはいろいろな原因で起きていると思いますけれども、そのうち、明確にわれわれが精神病者等――これは精神病者だけではございません。御承知のように、私どもが今度ねらっておりますのは、精神病者、精神薄弱者、てんかん、アルコール中毒者、麻薬中毒者それから覚せい剤の中毒者といったようなものについての――医師の診断を仰ぐという制度になっておりますが、そういうものも含めた、精神病者も含めた、そういう身体的な欠格の事例が明確な、それが原因で事故を起こしたというふうに私どもが認定している特異な事例として十二件ということでございます。なお、詳細に、特異まではいかなくても、交通事故には対象となるいろいろな事例がございますので、死亡事故を起こしたとか、重傷事故を起こしたというような、多数の者に起こしたというのも特異事例と私どもは称しておりますが、それに至らないような事例にまで調査の手を伸ばせば、まだ件数はふえます。
#125
○林塩君 一応、精神病者が運転をするということは、非常に、何といいますか、危険なことでございます。もちろん、それをできるだけ排除するということは大事なことであります。しかし、先ほど申し上げましたように、精神病者の精神障害の診断ということは非常にむずかしいことで、それで専門の医師でもこれは三週間はかかるということでございます。事実また、免許をもらいたいと思う人が精神病であるというものを持っていたんでは、もらえないということはわかりますので、もちろん、こういう法律はできましても、おそらくそのままになって、ただ形式的に精神病でないという診断を書いてもらって、そしていくという通り一ぺんのことになるということでございますが、それについては、いまいろいろおっしゃいましたように、四十五万件のうち、これは確かにおかしいという人が十二件ということになりまして、まだもっと精密に調べれば出るであろうとということでございますが、これは精密に調べる方法があるものであろうかということでございます。それはいかがでございましょうか。それは、つけ加えますが、非常にむずかしい問題なんでございます。そういう点についてはどんなふうにお考えになっているかということでございます。
#126
○政府委員(鈴木光一君) この診断書添付制度につきましては、確かにいろいろ御批判がある制度であると思います。それで、御指摘のように、精神病、この身体的欠格、先ほどあげました欠格事由の中で、特に精神病につきましては、なかなかその認定をすることが専門医の中でもむずかしいという御意見は確かにあると思います。私どものほうは、この問題につきましては、道交法の八十八条でございますが、精神病者を含めました特定の身体的な欠格を持っておる、身体的な病症を持っておる者は免許を与えてはならないという制度もございまして、先ほど申しましたような事例がたくさんございますので、できればこのようなものを未然に防ぎたいと、その未然の防止のためには、やはり免許を与えるときにそういうものを発見することが最も有効であることは間違いないと思うのであります。でその際に、そういう病気につきまして、医師でない者によって発見するということは、これはきわめて困難である。実は、四十一年度中に、警察官が、これはおかしいと思ったのが千二百三十四件ございまして、そのうち、おかしいと思いましたので医師の診断を求めましたところが精神病者であるというのが判明いたしましたのが、そういう診断を受けましたのが三百三十数名ございました。そういうことからいたしまして、警察官でもおかしいということが発見できるのでありますから、お医者さんのほうでは、なおやはり、そういう専門的な知識を持っておられるので発見できるのではないかという考え方でございます。で、その際に、専門の医師によって診断していただくことが最も理想であろうと思います。しかしながら、御承知のように、専門の医師というのは現在日本では三千数百名しかおらないということで、専門医によるそういう診断の態勢というものがきわめて不十分であるわけでございます。そこで、一般の医師にもこの際御協力を願わなければならないということになるわけでございますが、御承知のように、一般の医師といえども、現在の日本の医師法に基づく試験制度におきましては、やはり精神病につきましても基礎的な知識を持っておられるということになっておるわけでございますから、警察官よりは、もちろん一般の医師といえども高度な知識を持っておられるということを前提にいたしまして、医師の御協力をお願いする、しかも良心的な御協力をお願いするということで発足したわけでございます。確かにいろいろな問題があろうかと思います。がしかし、私どもがこういう制度に踏み切りましたのは、御承知のように、このほかにも、理容師法とか調理師法とか、医師法ですらそうでありますけれども、薬剤師法等を含めました十九種類の法律によりまして、やはりこういう精神病者等につきましては免許を与えない制度になっておる。その際に医師の診断書を添付して免許の申請をするという制度がすでに十九種類の法律によってなされておるということを前提にいたしまして、確かに問題はございますけれども、次善の策として、できるだけ多くのチャンスをとらえて、未然に事故の原因になるような精神病者等の身体的欠格事山を発見していくということからとった制度でございます。したがって、先ほどお話のありましたような特異な事例は十二種類を手元に持っておりまして、なおそれに至らないようなものについても現在調査を進めているということを申し上げましたが、このことにつきましては、先般、実は日本精神神経学会のほうといろいろこの点についてお話をしまして、とにかく次善の策であることは間違いないので、今後両者協力して、よりよいものにしていこうじゃないかということから、もう少し詳細なデータをほしいということで、そういう御要望もございましたので、現在さらに掘り下げた調査を進めておる次第でございます。
#127
○林塩君 私は問題が二つあると思うのです。精神障害者というのがたいへんむずかしい問題だということ、どの程度までを精神病とし、どの程度までを普通とするかということはなかなかむずかしい問題でございますので、判断がむずかしいということ、それから精神科の専門の医師が非常に少ないということ、それからまた数多い免許でございますので、この免許を与えますに際しまして診断書がなければということになりますと、これはもうほんとうに、何といいますか、実質を伴わないような形で診断書が出されていくというようなこととかみ合わせまして、いろいろな問題が出てくると思うのでございます。それでまあ、ちまたの声としまして、とにかくこれをいいことにして、交通事故が起こったら、みんな運転手の、何といいますか、責任にしてしまう。更新をしますときにも診断書が要る。診断書料というのが相当かかるというのです。調べてみましたら、やはり場所によって違うようでございます。保健所に行って書いてもらうというようなことが一番いいといたしまして、そういう事務はなかなか取り扱われなくて、そのところで機械的にそれがやられて、五百円、高いところは八百円というものがとられているということでございます。それで弱い者いじめだというような声も出ておりますようなことでございます。それからもう一つは、交通事故対策としてしっかりとしたことをしないで、全部運転手のそれにしてしまうという、当局のいろんな、まあ交通事故対策に対するところの不徹底といいますか、そういうものがあらわれてくるのではないかというふうな感じもいたします。そういうのがちまたの声でございます。
 それで、もちろん、精神病患者がそういう逆転をするということは危険なことは当然でございます。しかし、一時精神病的な態度、様相を呈するのは、お酒を飲んだときにもそうなるでしょうが、真の精神病というものはたいへんむずかしい問題でありますために、おざなりになってしまって、一般の医師にしましても、そういう専門知識を欠きますために、まあいいやというようなことで出しているというようなことが、めぐりめぐって、何かしら、ちまたで、当局に対して、交通事故になったときに運転手ばかりがいじめられるのだというふうな声もございます。それからもう一つは、更新をしますときに、九百万の免許証がある。三年ごとにこれを更新しますと、そのお金はどこにいくのだというような声も出ておりますおりからでもございますので、こういうことにつきましては、出してしまったらそれでいい、精神病の、何といいますか、診断書がついているからそれを出した、それでいいじゃないか、ということだけでなくて、もう少し深く対策を考えられるようにというお願いなんです。
 それから、一応そういう意味におきまして、頻発者、頻発をしている人たちには、本人を守りますためにも、人々を守りますためにも、徹底的な精神科の医師の診断を必要とするというような何か対策はないものかと思いますが、それについてはどんなふうにお考えになりますか。
#128
○政府委員(鈴木光一君) ただいま御指摘のようないろいろな御批判は確かにあろうかと思いますが、私どもは、重ねて申し上げますけれども、一般精神病の専門医も含めまして、一般医師の良心的な御協力という観点から発足した制度でございまして、免許申請時に診断書をとって事足れりとしているわけではございません。これはあくまで広く浅くという考え方でやっておりまして、御指摘のように、事故頻発者ということにつきましても、こういうことになりますれば疑いが非常に濃厚になってくるということでございますから、さらに、こういう事故頻発者につきましては、そう数もございませんから、専門医の診断を求めるという制度もつくろうということで、あわせて検討していこうということにしております。このことにつきましても、先ほど申し上げましたように、日本精神神経学会のほうとも相談いたしまして、今後そういう事前の制度とあわせて、事後におきまして徹底した診断、それによって、まあ事故後ではあるけれども、そういうものを排除していくという施策をあわせて進めていこうじゃないかということで、私どものほうでもそういう方面に向けて努力をいたしたい。これはまあ法制上の問題もございます。それから現在の法体系の中では臨時適性検査というものがございますが、それの運用の問題ともあわせて考えまして検討してまいりたいというふうに存じます。
#129
○林塩君 一応質問を終わりますが、こういう問題は非常に大事な問題でございます。診断書さえそこで取っておけばそれでいいというふうな、たいへんにお役所的な考え方でなく処理をいたしていただきませんと困るというふうに思いますので、頻発者につきましては、精神病者を守る意味からいきましても、ぜひそういう法的措置がとられるように御努力をいただきたいと思うわけでございます。そして、またもう一度つけ加えておきますが、かつての結核患者と同じように、社会的に精神病者に対する偏見がございますので、そういう意味で、精神病と言われることにつきまして、社会も本人も家族も、何といいますか、たいへんにそれについては苦しい問題もございます。精神病者であるということになれば、それに対して守らなきゃならないんですが、精神病者だと言いっぱなしでは、これはまた本人を非常に傷つけるということでございますので、精神病という診断はむずかしい。いま、いろんな意味でむずかしいものでございますので、ついおざなりになってしまうということでございますので、この際ひとつそれも含めて、交通事故の防止のためにも、いろんな意味で御検討がいただきたいし、運転者も守られなければならないのでございますから、そういう意味でよろしくお願いしたいと希望いたしまして質問を終わります。
#130
○大倉精一君 関連して。
 この問題は、この前も私いろいろお尋ねしましたが、その後非常に憂慮すべき事態が出ております。たとえば、精神病であるという診断書を出すことを拒否をしておる県がありますね。拒否をしている県が。ないですか。それから聞きましょう。あるかないか。
#131
○政府委員(鈴木光一君) 新聞等に、拒否という形で報道されておりますけれども、実は、各県に保健所がございますが、保健所におきましては、まあ公的機関でございますから診断料が安うございます。安いために非常に殺到するということで、あまり殺到されると、ほかの医療業務に差しつかえるというようなことから、拒否ということではございませんけれども、困ったものだという声は確かにあると思います。そこで、いま私どものほうも、厚生省ともお打ち合わせしまして、各県の衛生部を通じて御指導をお願いしたいと思っておりますが、拒否ということになりますると、これはやはり問題だと思います。医師法のたてまえからいっても、正当な理由がなくして診断の拒否をするということは問題だと思います。そういう意味で拒否ということばは使っておりませんけれども、やはり困ったという感じだと思います。そこで、東京あたりでは、特定の日を指定しまして、その日だけ免許に添付する診断を行なうということで、連日殺到するようなことを避けるという事例もございまして、そういう手だてもあるのではなかろうかということで、その点は各県の警察本部が各県の衛生部とよく連絡をとって、拒否ということでなく、そういう事態を踏まえてもう少し最良の策があるのではなかろうかということで、さらに御協力をお願いしたいということで指導しようと思っております。
#132
○大倉精一君 これは、私も実は実態を調べてみようと思っておりましたが、きょうまでに間に合いませんでしたが、たまたま林さんのほうからこういう問題が出ましたからお尋ねするのですが、新聞を見ますと、確かに混雑するからいけないということも書いてありますが、しかし、医師としての良識上、あるいは良心上、これは責任をもってそういうものを書けないからお断わりするというのが本旨だと思うのです。これがだんだん医師会のほうにそういうのがはっきりしてまいりまして、ある一定地域において医師がこれはお断わりする、こうなった場合には、その地域では運転免許はもらえない、こうなりますね。そういう事態を私は憂慮するのですよ。おそらくそういう事態に発展するのじゃないか。いま林さんの言われましたように、運転免許を出す近所では、にわかにそういう店開きをやって、そうして医師らしい――あるいはお医者さんかもしれませんが、そういう人がおって、名前さえ言えば、だれであっても診断書を出す、こういう事例が出ておるのです。いい商売になるのですよ、これは。でありますから、良識ある医者は診断書を書かない、これは当然なんですよ、当然です。ですから、いまあなたがおっしゃったように、拒否じゃないとおっしゃいましたけれども、もう一ぺん調べてみますけれども、ある県なり自治団体なりによってお断わりする、こういった場合には、その地方は運転免許が受けられない、こういうことになるのですね。そこに行った場合には。
#133
○政府委員(鈴木光一君) このことに関連いたしまして、この制度を取り入れる前に日本医師会のほうと十分連給をとって実施したわけでございまして、日本医師会のほうでも、従来からも、先ほど私が申し上げましたように十九種類に及ぶ法律によって事前の診断書添付制度というのがございますが、その従来からとってまいりました事前の診断書も、一般医師による診断というのはやはり問診という方法による診断がある、問診によりましてある程度の疑いがあるかどうかという程度の診断はできるはずだということで、実は発足したわけでございまして、確かに、私は先ほど保健所の事例をあげましたが、中には、個人の一般開業医で、そういうことで三週間ぐらい入院すればいけるとか、病院の場合は三週間ぐらい入れば精密な検査ができる、それから個人の場合には、私どものほうではどうも良心的にやるとなるとなかなかできないということで断わっているようなことを耳にしておりますけれども、私どものほうが期待しておりますのは、やはり問診程度でその精神病等であるかどうかということを診断していただくということを前提にして発足した制度でございますので、その辺のところが十分……。日本医師会のほうでは、通牒と申しますか、そういう趣旨の手紙を出されたように聞いておりますけれども、日本医師会のほうではその程度を考えておられるということで、またわれわれもその程度でやむを得ないではないかというふうに考えて発足した制度でございます。
#134
○大倉精一君 これは、私も調査をしまして、その結果、またお尋ねするとしますが、大体いまの道交法では、不可能な条項がたくさんありますよ。これも条文にあるけれども、実際は不可能。あるいはどうよけをつくるか徐行をするかして、どろをはねちゃいけない、はねたら罰金だとあるが、これも不可能。ですから、この精神病問題は、いま林さんがおっしゃったように、個人の非常に重大な問題も含んでおるので、この医師会等の、さっき申しました事実についても、もう一ぺん調べまして、あらためてこの問題についてお尋ねしようと思っておりますから、きょうはこの程度で保留します。
#135
○委員長(松澤兼人君) 戸田君。
#136
○戸田菊雄君 私が予定する質問の内容については、原田委員や、あるいは林委員もだいぶ触れている点もありますから、内容をしぼって、できるだけ時間を節約して質問をしてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 まず、質問の要点の一つは、貨物トラック、なかんずくダンプカーの対策等について第一番に質問してまいりたいと思います。
 警察庁のほうに資料をお願いしておったのでありますが、こまかい資料は省略をしてまいりましたのですが、最近の交通事故発生の全体、総件数でございますね、それから見た場合の貨物トラックの事故発生件数、割合でけっこうでございますが、その点をひとつ教えていただきたい。それからダンプカーによる事故発生の割合がわかれば、それも含めてひとつ教えていただきたい。
 それからもう一つは、これは室長なり政務次官も参りましたから……。政府は、いま交通対策本部を設置して、具体的にこの防止策に乗り出しているわけです。国会等においても、こういった論議を通じて具体的にその方策というものが出ている、あるいは国民世論においても、何とか交通災害というものは防止をしてくれ、こういうものがほうはいとして出ておる、にもかかわらず、この交通災害件数というのは一向に減ってない。ですから、形はつくっていろいろやっておるのだけれども、仏をつくって魂入らずと同じで、何か、この方向、方針に一つ誤りはないのか、それから、もっと何か具体的な諸施策、実施計画、こういう問題について、どこかやはり抜けるところがあるのじゃないかという気がするのですね。あるいは近代性をうたいながら非常に非科学的なそういうマンネリ化した安全施設を強制されているにとどまっている、こういうふうに一つ考えるのですけれども、どこか、交通対策本部として、そういう事故激減なりその防止策という観点についての方向なり、そういう点について運営上どうもしっくりいかないとか、あるいは何か方針上誤りがあるとか、そういう問題について何か感じておる点がないか、あわせてこれは政務次官なり室長からひとつ答えてもらいたい。
#137
○政府委員(鈴木光一君) 御質問の、最近の交通事故におきます貨物自動車の事故件数でございますが、四十一年度の統計で申し上げますと、御承知のように、四十一年度は死傷事故が史上最高ということで私ども憂慮したわけでございますが、死亡事故が一万三千九百四件でございまして、そのうち、トラックによる死亡事故が、これは営業用も自家用も含めまして六千五十七件でございます。したがって、全死亡件数の中の四六・二%ということになります。負傷件数につきましては、昨年度は五十一万数千人ございましたが、そのうちのトラックによる負傷件数でございますが、十七万二千七百四件でございます。これは件数でございまして、先ほど申し上げました五十一万というのは、件数に面しますともう少し減ると思いますが、そのうちの四二%でございます。で、そのうちダンプカーがどのくらいあるかというお尋ねがあったと思いますが、ダンプカーによる死亡事故は、このうち二百四十人でございます。一応統計的な数字を申し上げた次第です。
#138
○戸田菊雄君 割合でどのくらいでしょう。
#139
○政府委員(鈴木光一君) パーセンテージは、貨物自動車、トラックによるやつが六千五十七件でございまして、そのうちダンプカーの事故が二百四十人ということですから、何%になりましょうか、二、三%程度になると思いますが……。
#140
○政府委員(宮崎清文君) 御質問の後段の点は、全般的な事故でございますから総理府から御答弁申し上げます。
 交通安全対策の基本については、かねてからこの委員会におきまして総務長官なり私が御説明申し上げておりますように、現在四本の柱を中心といたしましてこれを進めております。十分御存じと思いますが、第一が交通安全施設の整備を中心といたしました道路交通環境の整備、第二が交通安全運動推進、この中には、学校におきます安全教育、地域社会におきます交通安全教育、それから過日先生が御指摘なさいましたような労務管理、運行管理、安全運転管理等の適正化、こういうことを当然含んでおります。第三が交通秩序の確立でございまして、これは主として交通取り締まり、特に交通暴力の徹底的な排除ということを内容といたしております。第四が、本日いろいろ議題になりました被害者救済対策の強化がございます。私たちといたしましては、この四本の柱のバランスをとりながら進めていくという基本方針については格別誤りがあるというようなことは考えておりません。ただ、率直に申しまして、私たちの努力にまだ不十分な点がございまして、現実にまだ事故がふえておりますことはたいへん申しわけないと思っております。
 この事故のふえます原因でございますが、絶対数のふえます原因の一つと考えられますことは、何と申しましても、最近わが国におきます自動車の保有台数が非常にふえたことだろうと思っております。ただ、それにいたしましても、保有台数の伸びと同じように事故がふえているわけではございませんで、これもこの委員会の当初に資料として御提出申し上げておりますが、たとえば自動車千台当たりの交通事故による死者数をとりますと、三十一年三・九人、これが逐次減少いたしまして、昭和四十年には一・六人、それから史上最高と言われました昨年におきましても一・五人と、その率はだんだん下回っております。ただ、この場合に、別に資料として提出しておりますが、西欧の交通に関します先進諸国と比べました場合、たとえばアメリカ合衆国におきましては千台当たりの死者数が〇・五人、フランス、イギリス、西ドイツの平均値が一・一人である。こういう点から比較いたしますと、道路交通環境のいろいろな差はございますが、わが国としては、まだまだそういう面の事故防止の対策が十分でないじゃないか、こういう点が考えられるわけでございます。したがいまして、政府といたしましては、今後は大きく分けて三つの基本的な考え方を持っておりますが、第一は、何と申しましても、御指摘のように、交通安全行政と申しますのは関係各省が非常に多うございます。したがいまして、これを総合的にかつ長期的な視野に立った、何と申しますか、事故防止対策をつくっていかなければならないのじゃないかというのが第一点でございます。第二点は、何と申しましても、交通安全対策の半分ぐらいは金を使えばできることであって、特に施設面につきましては非常にその点が強いわけでございまして、政府といたしましても、昭和四十二年度は交通安全に対します予算を予算の重点項目の一つに取り上げておりまして、昨年に比べてはだいぶふやしているわけでございます。今後も、この交通安全に関します予算の重点的投入というものを引き続き進めてまいりたい、かように考えております。それから第三点は、これらの交通安全対策につきましては、政府も一生懸命やらなければならないのでございますが、同時に、国民各位の御協力がぜひとも必要でございますので、国民の皆さんにほんとうに協力していただけるような体制をやっぱり確立していかなければならぬのじゃないか。今後は、この三点を中心にいたしまして、交通安全対策をさらに強力に推進してまいりたい、かように考えております。
#141
○政府委員(鈴木光一君) 先ほど御説明申し上げました中で、数字が間違いがございましたので、訂正しておきたいと思います。
 ダンプカーのやつを二百四十人と申し上げましたが、この二百四十人は、ことしになってからの人数でございまして、昨年度におきましては、件数でございますが、五百九十一件ございまして、したがって、先ほどのトラックによる死亡事故との比率になりますと、八%程度になります。訂正しておきます。
#142
○戸田菊雄君 それで、具体的に質問してまいりますけれども、三十六年の四月二十日ですけれども、交通対策本部決定ということで通達を出しておられる。いま警察庁で発表されましたように、事故総体から見まして貨物トラックなかんずくダンプカーによる事故発生というものが非常に多い。そういう意味合いから、特に最近ダンプカー、砂利トラックによる重大事故が増加しておる。速度違反、あるいは積載超過、踏み切り一時停止違反など交通規則違反も顕著である、こういう意味合いから一定の通達を出しておるわけです。この内容を総括的に見ますると、第一は、取り締まりの強化ということが一つだと思う。それからもう一つは、やはり砂利トラック運送業者などというものは大体零細企業が非常に多い、したがって経営がきわめて不安定、そういう立場からすれば、国家的に何らかの補助体制をとらなければいかぬ、こういう、いわばきわめていい一つの対策というものが打ち出された。もう一つは、何と言っても労働者の労働条件というものを一体どうするか。過酷なる労働条件とそれから低賃金ということになると思いますが、要約をすると、この通達内容というものは、おおむねこの三つの大綱で流されておると私は見ているのでありますが、そういうことでありますれば、いま警察庁がおっしゃられましたように、依然としてダンプカーの事故発生というものは減少しておらぬ、こういう状態、これからますます激増をたどるだろう、こういうかっこうになっておるのですが、具体的にこれら通達に盛られておる、取り締まり強化は除いてもけっこうですが、零細企業者に対する国家としてのそういう補助体制というものは、一体具体的にどういうことをやられておるか。これは私は、少なくとも三十三年通達があって、さらに対策本部が発足して、こういう通達をあらためてまた出した、こういうふうに認識をしておるのでありますが、その間、これは三十三年以降でありますが、そういう一貫した方針で政府は臨んできておるのでありますが、この零細企業、そういった経営者に対して具体的にどういう処置をやられたか。あるいは労働者に対する労働条件、低賃金、過酷な長時間労働、こういうものに対する監督指導ですね。ダンプカー関係、貨物トラック関係の従業者に対して具体的施策としてどういうことをやられたか。その辺があれば、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
#143
○説明員(藤繩正勝君) ただいまお尋ねがございましたダンプカーその他の自動車運転者の労働条件に対する監督の問題でございますが、御指摘のとおり、かねてから、交通事故に関連いたしまして、自動車運転者の労働条件が非常に他の産業に比べまして低い状態にある、それがひいては交通事故に影響を及ぼすのではないかという御批判がございまして、私どもも従来から重点的にその監督をやってまいったわけでございます。たとえば、その数字を申し上げますと、四十一年度におきましては、自動車業の適用事業場が三万四千ばかりございますが、これに対しまして約九千百の監督をいたしまして二七%の監督実施率になっておるわけでございます。これは、全産業に比較いたしまして、全産業が九・八%の監督実施率でございまして、それに比べてかなり高率な監督をやっておるつもりでございますが、それ以外に、自動車運送業ではございません主として建材業等に属しますただいま御指摘のダンプにつきまして、昨年は特に全国で六千件の監督をいたしておるというような次第でございます。この春の交通安全週間におきましても、また全国で一万件をこえるダンプを含みます事業場につきまして監督実施いたした次第でございます。なお、ダンプにつきましては、昨年の暮れに集中的に私ども監督いたしましたが、これは労働条件が悪うございまして、大半が、約半数が何らかの基準法違反を犯しているというような状態でございます。特に悪質なものにつきまして、そのうち三百件ばかりを検察庁に事件送致の手続をとった次第でございます。
 なお、私ども監督をいたしまして痛感いたしましたのは、御指摘のように、非常に零細な規模のものが多うございます。しかも、中には全然雇用労働者を雇っていないいわゆる一人一社というものがたいへん見つかりました。一例を申し上げますと、例の事件が起こりました愛知県につきましては私ども全力をあげて監督いたしましたが、六百の事業場を監督いたしました。ところが、そのほかに約二百の一人一社の問題があるということで現地から報告がございまして、総理府で主宰しておられますところの交通対策本部の幹事会でも、したがってこの問題非常に重要だということを私どもからも指摘をして、対策をまとめているような次第でございます。
#144
○政府委員(宮崎清文君) 実は、当時の決定につきましては、たいへん申しわけございませんが、私あまり詳しいことは存じておりませんが、その後、最近この問題に私関与いたしましてから見ておりますと、すでに御承知と思いますが、いま問題になっておりますダンプの事業者と申しますのは、大部分が自家用でございまして、要するに、運送事業としての事業を、つまり表向きは営んでおらないのが大部分でございます。もちろん、正規の運送事業の免許を受けております者につきましては、今後の問題といたしまして、中小企業近代化促進法等によります措置を考えることも可能でございますが、それ以外のいわゆる砂利作業につきましては、これをどうとらえるかということがそもそも問題でございまして、したがいまして、現在までのところは、これに対する助成措置とか、そういうものが講ぜられていないのが実情ではないかと考えております。
#145
○戸田菊雄君 労働省からあまり具体的な回答はもらえなかったのですが、たまたま愛知の育児園の事故の問題がいま出ましたが、その内容を私も検討して見ましたら、非常に過酷な労働条件を運転手がやられておる。こういう結果が私の調査によってもわかったわけであります。と申しますのは、これは昨年の十二月十五日ですけれども、これに乗っておった運転手は、事故が発生した現場の五百メートル手前から眠けがさして、たまたま眠っちまった。それで横断しようという園児たちにぶつかった。一人は死亡し、二十一名重軽傷という大きなむごい事故であります。これまたいわゆる労働条件というやつが過酷なんです。こういう内容についての指導監督というものが適切にやられておるかどうかということなんです。たとえば、確かにいまおっしゃられたように、建材業というのは名ばかりでもって、まさしく一人一社でもって下請会社の役割りをやっておったわけでありますけれども、この人の当日の勤務条件を見てみますと、当日運転する前に、前日は二十一時まで働いています。そうして二十二時に就寝をしまして、翌日五時に起床して就業、そして瀬戸市まで運転した。そしてさらに七時三十分に帰ってきて朝食をとって、そして直ちに豊田市に、約三十四キロの道のりでありますが、ここを運転をした、こういう状況なんです。ですから、二十二時――まあすぐ就寝できぬ人もあるでしょうし、とにかく五時には起きておる。そしてこういう過酷な条件でやっておる結果が、五百メートル前でたまたま眠けがさした、こういう状態です。ですから、いわばこういう労働条件というものは基本的に解決をされなければならない。おまけに零細企業でありますから、きわめて低賃金であります。そしてまた歩合給である。当時、このトラックは何か五トン積みが五〇%過積みをされておる、こういうことであります。そうしなければ本人の生活が成り立っていかない。おまけに、こういう人たちについては、手当てもなければ、あるいは年金保障も何もない。こういう状況の中で働いていて、これで事故を起こすなと言ったって無理じゃないか。そういういわば具体的な問題について一体労働省はどう考えておるか。その辺の問題についてひとつお伺いを願いたいと思います。
 それから先ほどのお話では、二七%という、全産業の割合からいって相当上回った指導監督をやっておるというのでありますが、具体的にやった個所において、そういう具体的な実例というものを、あなたのほうで掌握をしているなら、一つでいいから示してもらいたい。運送業、トラック業に従事している事業所ならどこでもけっこうです。一体どういうかっこうで働いておるか。この点、おわかりなら、ひとつ説明をしていただきたい。
#146
○説明員(藤繩正勝君) ただいま御指摘のありました、昨年の暮の猿投町の事件の場合も、御指摘のように労働条件は劣悪でございます。連日の勤務も、いまお話のような状態でございます。私どもとしては、事故直前一ケ月に、休日労働が三六協定なしに二日ございました。割り増し賃金も全く払われていないというような状態でございましたので、それが事件を惹起したような次第でございますが、何せここの事業所も、保有台数二台、労働者も二名というような零細な事業所でございます。
 そこで、ただいま、そういったような例がほかにもたくさんあるのじゃないかというお話でございますが、昨年の十二月に、この事件を契機にいたしまして、ダンプにつきまして、先ほどお答え申し上げましたように、約六千の事業所を監督いたしたのでございますが、その中では、零細なものも多いという関係もございまして、相当極端なものが出てまいります。たとえば、一番ひどい例を申し上げますと、過去百十一日間、一度も休みを取っていないというものがございます。これは出かせぎ労働者でございます。それでダンプを運転しているというような状態のものが見つかる。もちろん、これは一番極端なものでございます。しかしながら、九十何日、あるいは八十何日というのが相当出てくるというような状態でございましたので、先ほど御報告いたしましたように、いままでに例のない大量の事件送致を法的にやったというようなわけでございます。そこで、ダンプカーもむろんのことでございますが、御指摘のように、自動車運転者の労働条件が交通事故との関連において非常に重要であるということでございまして、私どもは、この二月九日に労働基準局長通達をもちまして、労働時間、あるいは時間外労働、あるいは休日労働、それから割り増し賃金の支払い等々につきまして改善基準というものを示しまして、これによってハイ・タク、トラック、あるいはいまのダンプカーまで含めまして、この基準でやっていただきたいということを強く関係業界に働きかけ、また、この基準に合致するような監督指導も、先ほど申し上げたように、ことしに入りましても相当大規模にやっているような次第でございます。この改善基準の一番のねらいは、たとえば労働時間にいたしましても、休日労働にいたしましても、御承知のように、労働基準法には八時間・四十八時間・週休制という原則はございますけれども、三六協定を結ぶことによりましてこの限界がなくなるというような制度になっておりますために、零細なものは三六協定も結ばないというような悪質なものもございますが、まあ結んで持ってくるというようなことになりますと、ここで規制のしようがない。そこで何らかの強い指導基準が私どもは必要ではないかということを痛感いたしまして、関係業界、労使とも十分話をいたしまして、こういった改善基準をつくることによって強力な指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#147
○戸田菊雄君 私は、労働省は労働者保護政策が第一義だと思いますから、そういう点は交通対策本部の中で十分に発言をして実行をさせなければいけないと思います。少なくとも、いまおっしゃられたように、また極端な例じゃないですよ、それがあたりまえなんです、百何日間休まずに働いておるというようなことは。そういうのが常態なんです。少なくとも私が実際調査をした内容によりますと、東海道の路線のトラックの場合、これはもう大体比較的いいんですよ。そういうところでも、こういう作業を始終組まなければならない。具体的に申し上げますと、第一日、朝九時出社としまして、直ちに集荷に出かける。そうして出発準備、夕方五時ないし六時に出発、そうして第二日目は早朝名古屋に着く。大阪に昼前に着いて配達をして、また集荷をして、そうして大阪を夕方また出発をしている。そうして三日目は午前中に東京に着く。全くトンボ返り。三日間かかって二日間寝ない。ですから、一日の実働が十時間ないし十二時間になっていることは間違いない。拘束時間は十七時間も拘束されている。そうしてその人が帰るのが、東京に着いて配達をして午後の五時に退社をする、こういういわば運行管理計画なんです。だから、こういうものに触れていかなければ、いまの運転する人たちのいわば安全、健康保全、こういう問題についてとても守り切れないのじゃないか。だから、この点は、大体この三十六年通達にもありますように、零細企業で金がないという会社がいっぱいあるのですよ。一人一社というものもあるのです。だから、そういうものを含めて、両方相待って初めてこれは実現可能だと思う。事業経営も――大蔵省はきょう呼ばなかったからあとでやりますけれども、融資形態についても、危険負担行為は政府でもってやるとか、そして何とか事業が成り立って、そうして、何といいますか、人間並みに働く一つの態様というものをつくり上げてやらなければ、幾らここでいまおっしゃられましたような基準案というものをつくって善導、指導強化していく、こういっても、この実態を解決しない限り、ほんとうの意味での事故防止ということにはなっていかない。確かに通達にもりっぱなことがいっぱいあるのですよ。労働条件改善についてこういうことを流されておる、通達には。「労働基準法の施行を確保すべき重点的事業として監督し、あわせて労働条件の実態の把握に努める。」ということは、こういうことをやって具体的に改善していくということだと思うのです。それから「一日八時間労働及び週休制の指導に努めるとともに、時間外労働、休日労働に対しては、協定の締結、割増賃金支払……」と非常にいいことが書いてあるが、これが全然実行されておらない。こういうことでは、幾ら通達を流し、対策本部を設け、方向を与えたって、この根底になるものを解決しない限り、事故防止なんというものはナンセンスだと思う。そういう意味において、ほんとうに交通対策本部を置いてやっていくならば、まず運転する人の待遇なり労働条件なり、これをほんとうに守るということだと思うのです。
 そこで私は厚生省にちょっとお伺いしたいのですけれども、いま大体三日でもって一作業になっている。この東海道路線のトラックは大体これでいっていると思うのですけれども、これで八作業が組まれている。ですから八作業ですと二十四日です。稼働日数の二十四日はいいんだけれども、実際の稼動している、そういう拘束時間なり実働態様から見るならば、これはもっと休みをやらなくちゃいけないのですね、少なくとも基準法のたてまえというものは。こういう乗務員に対しては、第八条のいわゆる適用外になっているのでしょうけれども、しかし、それだからといって、やはり運行して実際実働した分だけは休ませるというのが基準法のたてまえなんです。それすら全然守られていないのですから、労働省が幾ら口をすっぱくして指導を強化するといっても、この実態はなかなか解消できないと思うのです。それで問題は、この一作業三日間かかってやる中で、休養時間というものは、内容はわからぬのですけれども、小休止というのが一つある。どんなものかと思って調査したら、道路のわきに最近非常にいろいろな食堂とかなんとか、そういうものができまして、そういう茶店で小休止をさせる。ところが、この時間たるや、一体何時間休ませるか。もう一つはキロ制限で、二百二十キロ、これで交代しろ、しかし二人乗務員で、休養の場所が自動車の中なんです。一体こういうものが許されていいのかどうか。もう一つは、健康保全上これで一体完ぺきなのか。完ぺきとは言わなくても、一体休めるのかどうか。その疲労度のぐあいはどうなのか。こういうものに対して、厚生省あたりは、トラックやダンプの従業員の疲労度調査といったものをほんとうに具体的に一体やってみたことがあるのか。これは、警察庁関係もあるいはちょっとそういう問題について関係があるかもしれませんけれども、そういう問題について、この小休止の範囲、何時間ぐらい――二百二十キロでもって大体大阪までいくには二交代になると思うのでありますが、一体、自動車で休む、そういう休養態様というものでは、ほんとうに安眠できるような状態ではないのじゃないか。それで東京−大阪間トンボがえりするのに十分な休養をとれるのかどうか。これでいいというのか。そういう問題について、ひとつ見解を示していただきたい。
#148
○説明員(中村一成君) ただいま先生から御指摘いただきました件につきましては、やはり所管の労働省のほうにおかれましてお答えいただくのが妥当じゃないかと思います。
#149
○戸田菊雄君 その健康保全上、厚生省関係としてはどう見るかということです。そういう労働条件をですよ、健康保全ですよ、厚生省として。
#150
○説明員(中村一成君) 厚生省は、もちろん国民の健康全般の問題につきまして責任があるわけでございますが、特に労働者の労働衛生、安全という問題につきましては、やはりそれを専門的に所管しておられまする労働省においてお答えいただかれたほうが適当じゃないかと思います。
#151
○説明員(藤繩正勝君) 御指摘のように、長距離路線トラック、あるいは大手の路線トラックは、まだ悪い中ではいいほうだと私どもは思っております。区域トラックということで非常に長距離を走っておるもの、それから先ほど来問題になっておるダンプの運転手というようなものについては、確かに他の産業に比べまして非常に長い労働時間、休日労働等がございまして、決して満足すべき状態にはないということは、これは遺憾ながら事実であろうと思うわけでございます。
 そこで、先ほども御説明いたしましたように、この二月九日に出しました一連の改善基準というものは1労働基準法が一週間あるいは四週間の幅で労働時間を規制しておりまして、一日については八時間となっておりますが、先生御承知のとおり、労働基準法第三十二条二項の変型制あるいは先ほどの三六協定ということで、実際は労働時間が非常に長くなってしまう。そこで、一日の労働時間について十一時間というようなこと、あるいは時間外労働も二時間を限度にする、あるいは休日労働も、もちろん原則として好ましくないけれども、三六協定をした場合にも四週間には少なくとも二回を限度としてほしいというような基準を設けまして、そうしてこれで強力にやっておるわけでございまして、たいへんタッチがおそいものですから、おしかりをちょうだいするわけでございますが、この春一万も事業場を臨検しておりますし、それから業界もこれを受けて、いまいろいろな路線のダイヤ等の組みかえについて真剣に検討いたしておるような次第でございますので、おそまきながら漸次改善をされていく、また私どもそうさせなければならない、こういう決意でやっておる次第でございます。
#152
○戸田菊雄君 それは、トラックばかりではないのですね。たとえば都内のタクシー業者にも当たってみたんですが、これまたひどいやり方をしておるんですよ。どういうのかというと、たとえば三百六十キロまでが制限キロですね。そうしますと、朝八時に出社をして、午前の二時までに帰庫する。そこで休養ということになるわけです。そうしますと、いまの東京都内というものは、ラッシュアワーには、大体時速二十八キロか、そんな程度でしか走れないという状態です。どうしても二百二十キロぐらいしか走れない。それで帰庫して会社に帰る。そうしますと、運行管理者がえらい八つ当たりをする。結局は無理に働かせる。そればかりじゃないのです。結局、水揚げを上げないと、歩合制ですからふところぐあいに響いてくるので、ラッシュアワーにはそういうことで走れないので、特定の時間には神風運転ということになるわけです。ですから、こういうところに、私は何としても事故が発生をしてくるという要因があると思うのです。だから、そういう問題について、たとえば長距離トラック等について二百二十キロという制限があり、タクシーには三百六十キロとあるけれども、実際その条件によっては、東京都内はそこに追いつかない。また、管理者は一つの設けられた基準にどんどん運転手を追いやる、結局無理をする、水揚げをしなければならない、こういうかっこうになるから、そこに悪循環を来たしまして事故の発生を見る、こういうことになってくると思うのです。
 ですから、そういう問題について、これは何といっても、国策の立場からいっても、われわれの考えからいけば社会保障を充実して、そういうものに対して一定の固定給というものは保障しなければいけないということになりますが、ひとつ政府としては、このトラック業界、ダンプあるいはタクシー、こういうものについて一つのモデルケースをつくって――いませっかくつくった基準案というものがあるとすれば、こういうもので国家がモデルケースをつくってそういう体制をつくり上げて、それで一回こういうふうにやりなさい、こういう善導的、具体的指導というものがない限り、幾ら違反を摘発しても、そんな実態にないのですから、そういう問題について一体どう考えておられるか。これは室長にもひとつお伺いしたい。
#153
○政府委員(宮崎清文君) 自動車運転者の中で、特に雇われております運転者の起こす事故の一つの原因といたしまして、御指摘のような労働管理なり運行管理ということがあることは御指摘のとおりでございます。この点は、従来からも交通対策本部におきまして一つの大きな問題として取り上げておるのでございますが、特にダンプ事故の防止につきましてはこの点が非常に大きな問題でございまして、先ほど労働省からもお話がありましたように、この点を何とか強力に改善をしていかなければならないということは、すでに方針としては昨年末以来決定いたしております。主としてこの問題は労働省の所管になろうかと思いますが、それ以外に、運送事業につきましては運輸省所管の運行管理の問題もございますし、また一般の自家用トラックを使用しております企業につきましては警察庁所管の安全運転管理の問題もございますので、今後も関係各省庁とよく協議いたしまして、御指摘のように、実効性のあがる対策をすみやかに立ててまいりたいと思っております。目下、ダンプ事故につきましては、先ほど来しばしば御答弁申し上げておりますように、専門部会におきまして検討中でございます。
#154
○説明員(藤繩正勝君) タクシーの運転者につきましてはトラックと同じような問題がございまして、先ほど来御説明いたしております二月九日の改善基準の中でも、タクシーにつきましては一定の拘束時間の限度を設けておるわけでございます。ただ、現状から言いまして、ある程度、つまり昼夜というような形の運行は現行体制の上ではやむを得ないと思いますが、それが連勤の形で、明けてからまた運転者がいないということで連勤をするというようなことになりますと、非常に極端な長さになりますので、それは厳に禁止をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。と同時に、ただいまも御指摘ありましたように、労働時間の面だけで幾ら押えようといたしましても、なかなかむずかしいのでございまして、原因は実はかなり給与体系にあるわけでございます。そこで、私どもとしましても、この通達の中で、最低保障給、これを六割以上に持っていってもらいたいということと、それからもう一つは、累進歩合というようなやり方をやめまして、一定率の歩合制にできるだけ早い機会に持っていってほしいという、二つの点を強調いたしておるのでございます。で、構外労働でございますので、事の性格上、歩合給を全然なくすということは、これはやはり労務管理の点から見てもいささか酷ではないかと私ども考えますが、しかしながら、現行のタクシーに見られますような極端な累進歩合というものは非常に走行を刺激するということは、これは言うまでもないわけでございます。そこで、できるだけ早く、かりに歩合給をとるにしても、累進でないモデレートな歩合にとどめるように、それからいま申し上げましたような六割以上の最低保障給というものを設定するようにということで、これは別に基準法に法的な根拠はございませんけれども、強く業界に要請をいたしておるというような次第でございます。
#155
○戸田菊雄君 私は、基本的には全額固定給、その上に立ってノルマ、そういうものを積み重ねるという方式、それを希望するのでありますが、いまの回答ですと、最低保障給・一律歩合制、その割合が六・四、こういうことでありまするから、できればその程度までは当面やっていただきたい。ことにダンプなり貨物トラック等に働いているそういうみじめな労働条件の人たちについては、ぜひ私は実効が伴うように……。大体労働省としてはいつごろまでと考えられておるのか。また、いつごろまでに実現可能だと見ているのか。その辺をひとつ聞かしてもらいたい。
 それからもう一つは、これは警察庁のほうに質問をしたいのでありますが、現在ダンプカーの野放し状態が非常にあるわけですね。大体私の調査でいきますと、これは間違っていればあとで指摘してもらってけっこうでありますが、全国で七万五千三百五十台、このぐらいダンプがあると見ているのであります。そのうち、運送業として運輸省に認可をされているのはわずか九分の一、七千九百九十三台しかない。これは四十一年六月三十日の運輸省調査であります。そういう、いわば運輸省の許可のないものがどのくらいあって、野放し状態が何ぼあるということが、ちゃんと調査でもってあらわされるわけですね。あらわされるのだけれども、これらに対する、道路運送法なり、そういうもので規制する措置というものは全然ありません。いま言ったように、一人一車の砂利輸送、その他の下請会社というかっこうで、いわば自家用営業みたいな形でどんどんやっている。それが、おっしゃられたような非常に悪条件下で労働者は運転しなければいけない、こういう状態になっておる。タクシーの場合は、少なくとも白タクというやつは道路運送法で明確に規制をしておる。そういうものについては一定の措置をとっているのでありますが、このダンプに対しては、なぜ一体そういうものがとれないのか。また、とるとすれば今後どういう方向でこれらに規制措置を加えていくか。また、そういうものは検討されているのかどうか。これらの所管は一体どこでやるのか。この辺の問題について明確にひとつお答え願いたいと思います。
 それからもう一つは、この道路運送法の二十五条の二の運行管理者の問題であります。この運行管理者の第三項でいきますと、前に指摘したように、違反事項があった場合にはそれらに対して適切な処罰を加えるということになっておるが、そういうケースというものはあるのか。あったとしたら、一体そういう実例はどういうことによって処罰されておるのか。この辺について、もし実際の問題があればお聞かせを願いたい。
#156
○政府委員(宮崎清文君) ただいま御指摘になりましたとおり、現在一般に運行されておりますダンプカーの大部分は、いわゆる白ナンバーの自家用車ということに相なっております。自家用車が道路運送事業をもぐりでかってにやるといたしますと、これは道路運送法の四条の規定違反でありまして、これは取り締まりの対象となるわけでありますが、このダンプカーの白ナンバーにつきましては、大部分が、俗に第三業者と言われておりまして、一応形式的には砂利採取業とか、あるいは砂利販売業の看板を出しまして、それが砂利を運んでいる、こういうケースが非常に多うございます。したがいまして、これが直ちに道路運送法違反になるかどうかということはなかなか微妙な点がございまして、もちろん、それが非常にはっきりしておりますものは現在でも取り締まりをやっておるわけでありますが、そこら辺の境目がはっきりいたしませんものですから、これが一つ大きな問題になっておるわけでございます。これをどうするかという点につきましては、先ほど来しばしば御答弁申し上げておりますように、いま専門部会でいろいろ検討いたしております。考え方がいろいろございまして、たとえば一つの考え方でございますが、およそ自家用でダンプを使用するものは許可制にしたらどうかとか、あるいは特殊なナンバーを与えたらどうかとか、いろいろの問題がございます。これらはそれぞれ一長一短がありまして、今後政府としてとるべき政策としてはどれが一番いいかというようなことにつきましては、たいへん申しわけありませんが、まだ最終的な結論が出ておりません。できるだけ早い機会に、何らかの方法で、いわゆる第三業者的なものの合理的な処置というものを考えたいと思っております。
#157
○戸田菊雄君 問題は、野放し状態ですから、端的に項目で申し上げますと、道路運送法の適用を免れますね。それからもう一つは、運行管理責任者を置かないと車両検査なんかやられない。それは、一般の定期検査はありますよ。ありますけれども、そういうことが結局事故誘発になってこういうことになってくるのですから、たとえばこういう面での事故防止の角度からいって、一つの方向というものをいま具体的にとるとすれば何かの方法がないものかどうか。その辺の考えはどうですか。将来全般的な問題でどうするか、この問題については、それはもうどのくらいかかるかわかりませんが、いま検討しておるというのですから、そう長くはかからぬと思うのですけれども、そういう問題についてはどうでしょうか。
#158
○政府委員(宮崎清文君) 現在検討いたしておりますのはまだ事務的な段階でございますが、正直に申し上げますと、非常にむずかしい問題でございまして、率直に申し上げますと、結論を得るのに非常に苦労しておるというのが実情でございます。先ほど申し上げましたように、いろいろな考え方がございますが、それぞれ長所があると同時に非常に欠陥もございますので、少なくともマイナスがなくてプラスになるような方策をとりませんと実効性がありませんものですから、その点を何とかしてしかるべき結論を見出したいと、いま懸命に努力中であります。
#159
○戸田菊雄君 希望するところは、これから検討するというけれども、一つは、やっぱり生活がかかっておりますから、こういった方の生活剥奪になるような方法で規制措置だけ加えていくということはやめて、この両面政策をうまく調整をして善後策をとってもらいたいということを考えるわけです。
 それから二十五条の三項の問題ではどうでしょうか。
#160
○政府委員(宮崎清文君) いま御指摘になりました点はまことにごもっともでございまして、私たちも数万の第三業者が現実にそれで生活をしておるわけでございますから、これがにわかに全部食えなくなるというような事態を招くということは、これは慎まなければならない。したがいまして、御指摘のとおり、一方におきましては、何かそれが正規の業者としてなり得るものはこれを育成していく、反面、どうもこうもならないものがあればこれを排除していくという、大筋におきましてはそういう方向で検討を進めておる次第でございます。
#161
○政府委員(原山亮三君) 道路管理の問題について……。
 ダンプカーの全体の中で、営業用車が約一四%、一万一千両でございますが、この営業用につきましては、道路運送法におきまして運行管理者の設置を義務づけておりまして、この運行管理者が非常に悪質な運行管理の指導をやった場合については、その運行管理者の解任を命ずるというふうな強行措置をもって、こういう営業用ダンプの事故防止対策については万全を期しておるような次第でございます。
#162
○戸田菊雄君 道路関係について若干政務次官にお伺いしたいのですけれども、道路三ヵ年計画によって、総体予算が五百六十億。四十一年には百四億ですか、四十二年に二百四十七億、最終四十三年に二百九億ですか、こういうことで今後実行に入っていくわけでありますけれども、この事故防止と言われる、主として歩道とか、あるいは歩道橋とか、あるいは標識、信号、ガードレール、車歩道の区別、そういうものに重点が置かれるんだろうと思うのですけれども、この予算態様で一体十分完ぺきな整備というものがやられるか、その見通し。
 さらにもう一つは、いま早期に、国道なりあるいは地方道、こういったものを総体的に含めて、一体どのくらいの予算があれば十分な事故防止と言われるものに応じられるような整備ができるのか、この辺の見通しについてひとつお聞かせ願いたい。
#163
○政府委員(澁谷直藏君) 非常にむずかしい御質問でございますが、現在の三カ年計画を策定するときには、大体この程度の予算で事業を完成するならば当面緊急な施設は一応これで手当てができるのではないかというような考えのもとに策定をされたのでございますけれども、その後の進捗状況を見ますると、先ほどからいろいろとお話がございましたように、自動車の保有台数というものが非常なスピードで伸びてきておる、道路の交通量がものすごくふえてきておるといったような状況の変化もございまして、この三カ年計画ではとうていやはり目的を達成するのには不十分である、このように現在考えておるわけでございます。したがって、全体のこの交通安全関係をどうしていくかという問題でございますが、現在新しく六兆六千億の五カ年計画の最終的な計画の策定を急いでおるわけでございますが、この新しい道路五カ年計画の一つの大きな柱として、この道路の交通安全関係を取り上げておるわけでございまして、その中でこの交通安全関係についてできるだけ周到な対策を講ずるように努力をしてまいりたい、かように考えるわけでございます。
#164
○戸田菊雄君 警察庁にちょっとお伺いしますけれども、いままでの取り締まりで、あるいは事故発生で、ここに一つ設備が、保安態勢というものがあれば非常にいい、こういうものは数多くあると思いますが、そのうち設備上不備で事故が起きている、こうお感じになっている点はどういうことでしょう。あればひとつお教え願いたい。
#165
○政府委員(鈴木光一君) 事故にもいろいろございますけれども、歩行者の事故が非常に多いのでございまして、死亡事故、昨年の一万三千九百四件のうち、三四%強は歩行者であるということで、歩行者の事故をわれわれは何とかして減らしたいということで、いろいろ建設省とも連携をいたしまして、いろいろな安全施設を整備したいということでやっておるわけでございますが、歩行者の中で、やはり道路を横断する際の事故ということがまた多数を占めているわけでございますから、この横断をいかにさせるかということが最も重要なことだと思います。で、その際に、やはり歩道橋をつけてやる場合と、それからいわゆるわれわれの所管であります横断歩道を整備する、これは両々相またなくちゃいかぬと思いますが、横断歩道の上に全部歩道橋をつけるということもなかなかむずかしかろうと思います。全国で横断歩道の数は、大ざっぱでございますけれども、約十万余でございますから、それに全部歩道橋をつけるということはなかなか至難だと思います。したがって、歩道橋をつける場合に、三カ年計画では、やはり事故の多発地点、それからもう一つの要素といたしましては、最近問題になりました学童――小学校、中学校、幼稚園等が近所にあるような所ということで歩道橋もつけ、また、それ以外の安全施設、われわれの所管の横断歩道も完全に整備していこうということで始まっておるわけでございます。歩道橋を、できるだけ建設省とタイアップして、事故を分析しながら、ここにはつけたほうがよかろうじゃないかということで、相談しながらやっております。それ以外の所につきましては、横断歩道は、現在、御承知のように、交差点以外の単路のところが一番問題でございますが、ペンキでゼブラの目立つような歩道の標示をいたしまして、しかも道路標識を明確にしようというので、従来、御承知のように、横断歩道の道路標識はわりあいに小さな背の低いものでございましたが、最近、東京都内でもお見受けと思いますけれども、灯火式のオーバーハングの大きなもので夜でも目立つように、ドライバーによく目立つようなものに漸次切りかえていく。もう一つは、やはり単路の場合には、通学通園路等については押しボタンの信号機をつけていこうじゃないか、歩道橋をつけない所には押しボタンの信号機をつけて、そして随時学童園児が渡れるように、しかも車両の交通を円滑にということを考えながら押しボタンの信号機をもう少し導入したらどうかということで、現在その方向で努力している次第でございます。
#166
○戸田菊雄君 歩行者の交通事故の割合ですけれども、いまおっしゃられたように、日本の場合はこれはおそらく一九六四年の統計じゃないかと思う、三四%は。いまの交通局長がおっしゃられたのは四十一年ですか。
#167
○政府委員(鈴木光一君) 四十一年でございます。
#168
○戸田菊雄君 各国比較でいきまして、イギリスの場合は三九・六%ぐらい、しかし、これは保有台数その他の条件は違いますが、イタリアが二五・八%、アメリカ一八・八%、フランス二三・二%、大体イギリスを除いては日本が相当高位にあることは間違いないですね。保有台数なり、そういう関係からいえば。ですから、どうしても、いま交通局長が指摘をされましたように、やはり歩道橋の設備が、当面――信号その他一切安全施設対策としては重要でありますけれども、その中でも歩道橋というものについてウエイトを置いてこれからの整備等をやっていかなければいけない。大体三カ年計画の中で、どのくらい一体この歩道橋の建設の割合というものは占められておるか、その辺ちょっとわかっておったらお示しを願いたい。
#169
○説明員(吉兼三郎君) 交通安全施設の三カ年計画、これはいろいろな工種の事業がありますので、事業の種類の集計は申し上げかねますが、金にいたしまして、私どもの関係は五百六十億の全体計画を持っております。その中で横断歩道橋の関係、横断歩道橋の分は幾らかということでありますが、個所にいたしまして約千六百カ所で、金にいたしまして百十三億、こういう程度のものを見込んでございます。事業費といたしまして五百六十億のうち百十三億でございます。
#170
○戸田菊雄君 大ざっぱでいいんですけれども、いまの交通事故発生状況を見ますと、東京都内に子供さんが多いとか、そういうことは若干ありますが、全国的に波及しておると思いますがね。おおむねブロック別に見まして、あるいは道路別に見たほうがいいかどうかわかりませんが、かりに九州、四国あるいは中国、関西、関東、東北、北海道、こういうことになると、おおむねその辺の分布はどうでございましょうか。それはわかるでしょう。
#171
○説明員(吉兼三郎君) お尋ねのブロック別の分布状況というのは、実はあるだろうと思うのでございますが、手元に持ち合わせておりません。と申しますのは、四十一年度はすでに三百橋ばかり実施いたしております。これの実施個所はわかるわけでございます。これをプロットいたしましたブロック別の分布状況というのはわかるのでございます。ことしの分は千橋これから着手するわけでございますが、手元にちょっと持ち合わせておりません。
#172
○戸田菊雄君 無理だと思いますが、あとでわかれば、もちろんそういうとらえ方がいいのかどうかはっきり自信はありませんが、わかりやすく、この歩道橋について、この三カ年計画の中でつくられる部分的なものをひとつ資料としてあとで教えていただきたいと思います。
 厚生省にひとつお伺いしたいと思うのですが、これはけさの朝日新聞なんですが、「千葉県の成田市で二つの坊やが車にはねられ大けがをし、市の交通災害救済制度から一万円の見舞金を受けた。しかし、坊やの家庭が父親の病気で生活保護を受けていたため臨時収入とみなされ、生活扶助費からその分が差し引かれた。「あまりにも無慈悲な生活保護の基準だ」という声が周囲で上がっている。」、こういうことなんです。五人家族で、おとうさんが目下リウマチで寝ている、働けないものだから、二万円ちょっとの生活保護を受けている。ところが、市にそういう交通災害が起きた場合の共済制度がありまして、生活保護対象者については市で一切負担をした。そういうものに一万円の見舞金を出した。おとうさんは病気だ、子どもさんは大重傷でもって病院に入院、おかあさんはつきっ切りで働けない。こういう家庭の実態の中で、これは厚生省から言わせれば、生活保護基準によってこういうきめがあるからだめですと、こういうことになるだろうと思うのです。かつて朝日訴訟問題でいろいろやってきたけれども、判決はああいう結果になった。しかし、こういう問題に対して、私は千葉の鈴木さんばかりじゃなくて、全国的にそういう人が多くあると思うのですね。こういう問題について、あまりにも官僚独善的な、法律がそうだからということで、あたたかみのない通り一片の保護にしてしまう。こういうことがいいのか。一方では、生活保護者に対しては市が負担して、せっかくいい制度をつくってやっているんですね。こういう問題について厚生省あたりで一体検討する必要がないかどうか。その見解というんですか、考え、これをひとつお聞かせ願いたい。
#173
○説明員(中村一成君) 御指摘いただきました点は、生活保護法の解釈の問題だろうと思いますので、まことに恐縮でございますが、次回の委員会まで保留をさせていただきます。担当の局の者のほうから正しくお答え申し上げます。
#174
○戸田菊雄君 これはあとで大臣の出席等を要求いたしましてやっていきたいと思うのでございますが、ただ、十分担当関係者等に伝えていただいて、いろいろ検討していただきたい。生活保護基準、いろいろな法律があります。ありますけれども、もう少しこういった問題について、政令とか、特例措置とか、それから全国に税金の扱いで免税特例等、いろいろやっているところがあるわけですから、原則はそれでいいと思うんです。ですから、そういう便法措置というものがとれないものかどうか、検討を含めて、伝えておいていただきたいと思うんです。
 もう二、三点で終わりますが、これは建設省になると思いますが、いまの日本の自動車の生産量を見ますと、大体アメリカに次いでドイツと匹敵する、こういう状況に自動車の生産量はいっていると思います。それに見合って、販売童、これも急角度で上がっていっているわけであります。こういう問題について売りさばくほうは政府はタッチしない。もちろん、裏には、それを強制するとかなんとかいうことになれば、操短とか、あるいは労働の関係に及んでくる、そういうことはあると思います。いろいろその弊害はあるから、一がいには言えないが、ただ問題は、交通災害という、そういう部面から見ていくなら、道路許容量とこの生産販売量、保有台数、こういうものをやはり科学的に検討して、それらの措置をとってもいいんじゃないかというふうに考えますけれども、この辺については、建設政務次官、どうですか。
#175
○政府委員(澁谷直藏君) 御指摘の点は、私も全く同感でございます。御承知のように、自動車の保有台数は急速に伸びている。当然これは道路を走るわけでございますから、その自動車の増加に見合った道路の整備というものが行なわれなければならぬというのは、基本的な方向としては当然のことであろうと思うのでございます。具体的に申し上げますると、昭和四十一年度で自動車の保有台数が八百一万六千台、生産の台数が二百三十二万台、そのうち国内販売の台数が百九十五万台、もちろんこれが全部ネットでふえるというわけじゃございません。しかし、相当な数で伸びていっているということは、この数字で明らかでございます。今後一体どうなるかと申しますと、昭和四十六年度に大体自動車の保有台数がどの程度に伸びるかということを試算をいたしてみますと、二輪車を除きまして約一千六百万台程度に伸びるのではないかと考えているわけであります。そういたしますと、年率の伸びの率が約一六%でございます。今回始まります六兆六千億の道路の予算でございますが、これが大体毎年平均約一六%の伸びになっているわけでございます。その面だけで見ますと、自動車の伸び率と道路の投資総額がちょうど見合っているという数字的なかっこうにはなっているわけでございます。しかし、これではたして自動車の伸びと道路の整備率が実質的に一体バランスがとれるのかどうかということについては、これはさらにさらに検討が必要でございます。いずれにいたしましても、先生御指摘のように、自動車の伸びと道路の実質的な整備というものがバランスがとれるように極力努力してまいりたいと考えております。
#176
○戸田菊雄君 東京都内の交通が非常に麻痺しているわけですけれども、都内を通過して、たとえば仙台から大阪へ、あるいは名古屋から青森へ行く、こういう場合ですね。やはり都内通過となるような場合、その専用道路を設置する計画なり、構想なり、またそういう考えがあるか、それをちょっとお聞かせ願いたい。
#177
○説明員(吉兼三郎君) 現在の幹線高速道路網の計画におきまして、私どものほうで確定いたしておりますのは、東京周辺におきましては、東北縦貫道、それから西のほうから東名高速道路、それから中央高速道路と、そういうのが東京都に向かって入っておるわけでございます。これを受けまして、適当に都心部に分散導入をはかり、かつまた、御指摘の東京を経由してといいますか、東京を通過いたしまして西のほうから北のほうにまいるという交通もございますので、それを処理いたしますために、外郭環状高速道路というものを目下計画いたしております。すでに路線につきましてはもう都市計画が決定を見ているわけでございまして、大体の位置は、東京都の二十三区の区部の外周部に沿いまして、環状の計画高速道路ということで計画決定を見ております。そういう状況で処理したいと思います。
#178
○戸田菊雄君 そうすると、別途につくるということであって、環状複線というかっこうで、専用線みたいなかっこうでもって考えておるんですね。
#179
○説明員(吉兼三郎君) 御指摘のとおり、高速道路と一体をなしてリングの一部をなすわけでございまして、専用の自動車道路でございます。
#180
○戸田菊雄君 時間も来ましたから、最後に、自動車の構造上人身障害が防げるものが、あえてそういうものが出てくるというようなこと、たとえば、かつてバスが前にエンジン部分があって、そういうときには非常に事故があったという統計上の問題があるのでありますが、その前のエンジンをうしろかなにかに移動して、自動車の構造上運転手が直接前に来ると非常に注意の度合いというものが旺盛になって、事故がそれだけ減少をするというようなことを聞くのであります。だから、ダンプカーにおいても、そういった自動車の構造上、一つは考えられる点がないかどうかですね。
 もう一つは、最近の自動車製造について非常にきゃしゃになってきたといいますか、そういう部分が非常にあるのじゃないか。たとえば、ボディなんかがかっては鉄板だったものが最近はアルミかなにかに変えてくる。あるいはスピード改善とか、そういういわば装飾部分を含めた非常にきゃしゃな自動車が出てくる。そのことによって、かりに正面衝突とか追突をした場合に、そういう点で、何といいますか、もう少しがっちりしたものをつくっていれば人身障害までいかなくても済むというようなことを最近考えられたことはないのかどうかですね。また、そういう自動車構造上事故防止ということがいろいろ検討されておるか。検討されておるとすれば、そういう部面についての一定の着想なり構想というものがあるのか。この辺についてひとつお伺いしたいと思うのです。これは警察庁ですか、自治省ですか。
#181
○政府委員(原山亮三君) 自動車の構造なり機能の上で、事故防止上、保安を確保する必要がございますので、その点につきましては道路運送車両法で詳細に規定しておりまして、道路運送車両法に基づきます保安基準で、各部分の性能について保安上支障はないかどうかということを十分検査しておるわけでございますが、最近でも大型貨物自動車の車両構造という問題がございますので、特に大型貨物自動車につきましては二重ブレーキをつけさすとか、あるいはまたうしろとか横に、まあ先生のおっしゃったようなバンパーを設けさして、大きな、高い大型トラックに下から乗用車が突っ込んで事故が起こるようなことがよくございますので、そういう点を防ぐとか、いろいろと各部門別にそういうふうな事故防止の機能を備えるような改造を加えるように法的な基準を追加しているというふうな実情でございます。
#182
○委員長(松澤兼人君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後二時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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