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1949/04/01 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第5号
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1949/04/01 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第5号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第5号
昭和二十四年四月一日(金曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日(木曜日)委員黒川武雄
君辞任につき、その補欠として三木治
郎君を議長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
  ―――――――――――――
   午前十時五十八分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより委員会を開会いたします。本日地方財政法の一部を改正する法律案が本委員会に付議いたされました。つきましては急ぎまするものでございますから、この委員会で緊急上程いたすことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岡本愛祐君) それでは地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。木村國務大臣は依然病氣でございますから、御欠席でございますから、政務次官から御説明を願います。
#4
○政府委員(堀末治君) 只今議題となりました地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申上げます。
 本法律案は地方財政法の規定により整備することを必要とされておりまする國費、地方費の負担区分に関する法令の規定を整備する期限を、本年六月三十日まで三ケ月間延長しようとするものでございます。先に第二國会におきまして、御審議を願いました地方財政法は、いわゆる國費、地方費の負担の区分につきまして、原則的規定を設け、地方財政の安固を期したのでありまして、同法第十條によりますならば、國と地方公共團体とが相互に負担する経費について、その種目、算定基準及び國と地方公共團体とが負担すべき割合につきましては、法律又は政令でこれを規定すべきことと定めているのでありますが、その規定の円滑な運営と法令の規定を整備するためには、技術的に相当の時日を要することに鑑み、同法附則第三十七條において、從來規実に國と地方公共團体が相互にその経費を負担し合つて來たもので、負担割合その他が法律又は政令に規定されていないものにつきましては、暫定的に本年三月三十一日までは從來通りとし、同日までそれぞれ関係法令を整備すべきこととされているのであります。政府は地方財政法の成立と同時に、鋭意これが義務を果すべく努力をいたして参つたのではありますが、諸般の事情により、予算編成事務に、意外の日時を費やさざるを得ざるに立至つたこと等の事情に鑑み、取敢ずその期限を本年六月三十日まで延期して、万遺憾なきを期することといたした次第であります。何とぞその間の事情を御諒察の上、十分の審議を画され速かに御賛同あらんことをお願いする次第であります。
#5
○委員長(岡本愛祐君) 御質問お願いいたします。――ちよつとお尋ねいたしますが、この予算編成事務等に忙殺されて、まだ関係法令を整理するに至らなかつたというふうに承つたのでありますが、そう了解していいんでありますか。予算編成とこの関係法令の整備とが直接に関係があるのかないのか、御説明願いたいと思います。
#6
○政府委員(荻田保君) これは國庫と地方との負担の割合でございますので、國庫はどれだけ出すかということは、勿論この法律によつてもお決め願わなければなりませんが、それと同時に予算におきましても、その決定いたしました額は、予算に計上しなければならない、逆に申しますれば予算に書いてないことは法律で規定しても仕方がないというような関係で、國庫予算の関係と不可分の関係にございますので、國庫予算の方がまだ最終的決定に至つておりませんので、この法律を根本的に改正できないような次第であります。
#7
○委員長(岡本愛祐君) 尚伺いますが、関係法令が整備されれば、法律で命令してあるんですから、当然政府の方もその負担割合を予算に組むと、こういうふうになるべきでありまして、予算の方が決つてから関係法令を整備するということは逆だろうと私は思います。関係法令をこの三月三十一日までの間に整備をして、そして從つて予算にも組んでいるように、この地方財政法の現在の規定は命令されてあつたのである、今の御説明だと予算編成が決まらないから関係法令も決まらないというようなのは逆じやないかと、こういうふうに思うのです。その点どうです。
#8
○政府委員(荻田保君) 理論から申しますと、法律で書いてある通り、予算化すればよいのでありますが、法律の方が先行するのでございます。併しその法律を作ります場合には、その全体の財政計画を樹てませんと、予算で計上し得ないようなことを法律で規定しても、実行できないというような結果になつて來ますので、やはりこれはどちらが先と申しますれば、理論的には法律の方が先でございまするが、実際問題としましては、並行的に考えておりますので、遅れておりますような次第であります。
#9
○委員長(岡本愛祐君) そうしますと毎年関係法令が改正されるというような結果になりはしないか、予算の編成は毎年行われるものであつて、そのときの財政上の都合、國家財政と地方財政との状況なんかによつて、予算の編成方針が年ごとに違つて來る傾向にあるのですが、そうするとそれと並行的と言いますと、その法令はその度に改正しなければならん。こういうことになるように今の御説明じや承われるのですがその点はどうですか。
#10
○政府委員(荻田保君) その点は一度法律で決まりましたならば、特別の事情の変化がない限りは、今後の予算編成はそれに從つて実行するということになると思います。ただ一番初めに決めます場合には、將來の財政も見透して定めなければならんので、國庫の予算の編成と並行するということになるのだと思つております。
#11
○鈴木直人君 第十條の二項に経費のことが書いてあるのですが、この一号から十四号まで、すべて法律又は法令で予めはつきり決つておつたのですね。負担区分とか或いは算定基準というものは、はつきり法律で決つておつて、そうして政府が予算を組む場合に、その法律によつて決まらなければならない。さようなことはきちつと決つておるというようなものはどういうものですか。例えば第一号の場合……。
#12
○政府委員(荻田保君) 一番顯著な例は義務教育に從事する職員に要する経費一号、それから六号の災害應急事業、災害復旧事業及び災害救助事業、それから十四号の生活保護に要する経費、この三つの三号につきましては、比較的はつきりと現在でも決つておるわけであります。
#13
○鈴木直人君 一号、六号、十四号、これは十四号のごときははつきり地方財政法の中に決つていたと思いますが、現在編成されつつある予算は、その法律によつて政府が当然予算を組まなければならんことになるわけでありますが、そのときの財政状態の如何に拘わらず本年度の予算のごときは、その法律に基いて予算を組んでおりますかどうか、その点をお伺いしたいのです。
#14
○政府委員(荻田保君) このうち一号及び十四号の費用につきましては、これは大体地方で支出する額は、このまま國が法定の負担額を出すということになつております。ただ六号の費用等については國で負担の対象といたしまする事業分量は、やはり國の予算の方で先に決める。從つて地方で例えば災害復旧事業費を相当かけなければならないということを実際上考えましても、國の予算の方に縛られて、それより國庫負担金は支出されないというような結果になつております。
#15
○鈴木直人君 第六号につきましては、國の負担すべきものと地方公共團体の負担すべきもののパーセンテージが決つておつて、少くともそのパーセンテージを直すということはないじやないかと思うのですがその点はどうですか。
#16
○政府委員(荻田保君) その國が負担の対象として取上げまする事業分量についての負担割合というものは、これは法律の規定しております通り、例えば災害復旧事業につきましては、三分の二というものをはつきり出しております。この点については間違いはないのでありまするが唯どれだけの事業分量を、果してこれを今年取上げるかということにつきましては、結局國の方の予算の方が先行するという結果になります。從つて地方で国の國庫支出金の交付を待ち切れないで、先に仕事をして行きますると、結局その事業分量全体に対しては、法定の負担率の國庫補助負担金が支出されないという結果になります。
#17
○鈴木直人君 第一号、第十四号、第六号の点につきましては、私も了承しているわけなんですが、それ以外のものについて、予め算定基準とか、國と地方公共團体とが負担する割合を、法律又は政令で定めなければならないということになつているんですから、それははつきりして置いて、そうしてその法令で以て定めてあることを基準として予算を編成することが当然だと思うのですけれども、先程岡本委員長の質問と政府の御答弁とがそのときの予算の状態によつて、この法律が変更されるというようなことはですね、この法律の立法の趣旨と違うのでありまして、この法律の立法の趣旨は、地方公共團体の財政を確立させる目的の下に、國はどれだけのものを負担し、地方公共團体は何分の一を負担するということを法律で予めはつきり決めて置く必要がある。そうしてその法律に基いて政府が予算を編成すべき義務がある……。いわゆる予算が法律を左右するのではなくて、法律が予算を編成する、政府を縛るのであると、そういうことによつてはじめて地方公共團体の財政の確立ができるのでありますから、その点をやはり強く実施する必要があると思うのでございますが、先程の御説明によりますと、この立法の趣旨と反するように私は感ずるのですが、この点については政務次官如何でしようか、これが非常に大切なことなんです。
#18
○政府委員(堀末治君) 只今の御意見は私も誠に御尤もだと思うのであります。どうも今度のこの問題ばかりでなく、配付税の問題などについても、どうも政府の都合で決めて行くというような傾向が非常にございますので、私としてはその点については、あなた樣の御意見に同感であると同時に、今まで政府がそういう考え方をして來ている点については非常に遺憾に思つております。從つて今後は成るべく今の御意見のような趣旨で、一遍取決めたものは、動かさないというような確乎としたいわゆる取決めをして行かなければならないのじやないか、かように考えております。ただ併し財政当局の説明を聞いて見ますと、インフレなんかによつて、非常に経済界が動いており、殊に又、從つて財政の收入も見透しの通りに行かないというようなところから、或る程度は予算と並行して考えさせて貰わなければならない、まあこういう説明をしているんですが、この説明にも亦やはり首肯せられるところもございますので、私はこういうような不安定の状況におきましては、或る程度その考え方も容認して行かなければならないのじやなかろうか、実はかように思つております。いずれにいたしましても今の御説は御尤もなのでありまするし、私もさように考えまするので、將來ともこの地方財政の方の問題に対してはできるだけそういう線に副うて政府の方針も固く決めてやつて貰いたい、実はかように存じておるのであります。
#19
○委員長(岡本愛祐君) もう一点伺つて置きますが、この地方財政法の第三十七條に言つておる「この法律施行後」というのは、この地方財政法が施行後「制定される法律又は政令をもつて別段の定をなすものを除く外、」とありますが、今までに地方財政法が行施されましてから、このために制定された法律又は政令がありますか。
#20
○政府委員(荻田保君) 今憶えておりますのは、厚生省関係で予防接種法という法律があります。あれなどはこの趣旨によつてはつきり書いてあります。
#21
○委員長(岡本愛祐君) 外にありませんか。
#22
○政府委員(荻田保君) 性病予防法……。
#23
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑はございませんか……。別に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認め、直ちに討論に入ります。原案に対し御意見のある方は賛否を明らかにして御発言を願います……。御発言はございませんか。御発言がなければ討論は終結したものと認めまして直ちに採決いたします。内閣提出の地方財政法の一部を改正する法律案、これは参議院が先議であります。これを議題といたします。右原案通り可決することに御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#24
○委員長(岡本愛祐君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容につきましては本院規則第百四條によりまして予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議はありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないと認めます。尚本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出いたします報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とする方は順次御署名をお願いいたしたいと存じます。
 多数意見者署名
   林屋亀次郎   鈴木 順一
   吉川末次郎   三木 治朗
   鈴木 直人  深川榮左エ門
   寺尾  豊
#26
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか……。なしと認めます。それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午前十一時十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           鈴木 順一君
   委員
           三木 治朗君
           寺尾  豊君
           林屋亀次郎君
          深川榮左エ門君
           鈴木 直人君
  政府委員
   地方財政政務次
   官       堀  末治君
   総理廰事務官
   (地方財政委員
   会事務局長)  荻田  保君
ソース: 国立国会図書館
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