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1967/06/21 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 災害対策特別委員会 第4号
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1967/06/21 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 災害対策特別委員会 第4号

#1
第055回国会 災害対策特別委員会 第4号
昭和四十二年六月二十一日(水曜日)
   午後一時八時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十二日
    辞任         補欠選任
     小平 芳平君     矢追 秀彦君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     中沢伊登子君     高山 恒雄君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     山内 一郎君     近藤英一郎君
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     木島 義夫君     小山邦太郎君
     杉山善太郎君     林  虎雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊藤 顕道君
    理 事
                青田源太郎君
                稲浦 鹿藏君
                武内 五郎君
                矢追 秀彦君
    委 員
                小山邦太郎君
                近藤英一郎君
                土屋 義彦君
                中村喜四郎君
                山崎  斉君
                和田 鶴一君
                中村 波男君
                林  虎雄君
                藤田藤太郎君
   政府委員
       建設省河川局長  古賀雷四郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     森 宏太郎君
       内閣総理大臣官
       房参事官     上田 伯雄君
       農林大臣官房参
       事官       太田 康二君
       農林省農政局参
       事官       加賀山国雄君
       農林省農地局参
       事官       佐々木四郎君
       気象庁予報部長  今里  能君
       自治省財政局地
       方債課長     山本 成美君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○派遣委員の報告
○災害対策樹立に関する調査
 (五月以降の干ばつ及び降ひょうによる災害対
 策に関する件)
 (長野県における六月の集中豪雨による災害対
 策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 去る十二日、小平芳平君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任され、十三日に中沢伊登子君が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任され、昨二十日山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として近藤英一郎君が選任されました。また、本日、木島義夫君及び杉山善太郎君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君及び林虎雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(伊藤顕道君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。
 現在、委員の異動に伴い、理事が一名欠員となっております。この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(伊藤顕道君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に矢追秀彦君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(伊藤顕道君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、先般干ばつ及び降ひょうによる被害調査のため、埼玉県、千葉県、茨城県に派遣を行ないました際の報告をお願いいたします。第三班、中村喜四郎君。
#6
○中村喜四郎君 御報告いたします。
 第三班は、茨城県下の調査に参りました。
 派遣委員は、私と中沢委員であります。
 まず、気象状態でありますが、今年の異常な気象現象は、五月以降農家に干ばつをもたらしており、加うるに五月十四日には、県西の一部に降ひょうがあり、同月二十七日には、干ばつに対処するため県庁に干ばつ対策本部が設置されましたが、中二日おいた三十日には、県南の一部に降ひょうがありました。六月に入りましても干ばつの程度がひどくなる一方でありました。
 降ひょうによる被害は、県調査によりますと、五月十四日には、県西の結城市、下館市及び開城町にあり、果樹八千六百万円、麦類一千七百万円、野菜、たばこに五百万円、計一億一千万円の被害であります。同月三十日には、県南の美野里町、石岡市、出島町、八郷町、玉里村、江戸崎町、阿見町、美浦村及び牛久町の一市五町三村に、麦類四千三百万円、たばこ一億二千万円、スイカ一千八百万円、果樹二千八百万円、及び野菜、桑に一千六百万円、計二億二千六百万円の被害を与えております。
 これらの被害総計の三億三千四百万円は、この災害の特徴として、一線を画して災害をもたらしますので、地域として部分的でありましても、被災農家にはたいへん深刻な影響を与えております。
 この被災農作物等の中で、たばこ、麦類には災害による補償救済の道があります。しかし他の作物等にはなく、果樹は試験実施のための法案が今国会に提出されておりますが、畑作物に対する制度がないので、畑作物共済制度の早期実現を強く望んでおりました。
 次に、干ばつについて申し上げます。
 本県の水田面積は、約十万二千ヘクタールで、六月六日現在で、植えつけ済面積約九万三千ヘクタール中、枯死寸前、植えつけ後水不足面積約二万三千ヘクタール、植えつけ未済面積八千七百ヘクタール中、用水不足による植えつけ不能面積二千二百ヘクタールとなっており、県水田総面積の約四分の一が干ばつによる極度の被害を受けておるのであります。
 現地調査は、内原町下野、岩間町泉、市野谷、及び八郷町、白幡、瓦谷で行なったのであります。
 内原町は、水田七百十七ヘクタール中、水不足三百六十ヘクタール、植えつけ未済八〇ヘクタールで、被災水田は六〇%であります。
 岩間町は、水田六百三十ヘクタール中、用水不足三百九十二ヘクタール、枯死寸前等三十五ヘクタール、植えつけ未済百五ヘクタールで、被災水田が八四%に及んでおります。本町は、去る三十三年の大干ばつの際、約百五十基の井戸を掘さくし、現在は、既設井戸百四十四中百基が使用できますが、なお、この干ばつで六十九の井戸を掘さくしておりまして、この状態が続くと、まだ増加するであろうと言われております。
 八郷町は、水田二千百ヘクタール中枯死寸前九十五ヘクタール、用水不足四百二十三ヘクタール、用水不足で植えつけ未済百六ヘクタールで、被災水田は三八%でありますが、ここでも井戸の掘さくが六十四カ所に及んでおります。
 現地は、当日つゆ入りらしい小雨でありましたので、水田わきに最近掘さくした井戸より揚水し田植えを行なっておりました。
 この地方の地下は、三十メートルから四十メートルに岩盤があり、地下水脈を当てるのもむ、ずかしい上、一本の井戸を掘さくするのに、昼夜兼行で平均三日かかり、しかも、干ばつの声が聞かれると、労賃、資材等が高騰を続けております。
 一例を浅井戸にとって見ますと、井戸掘りが当初二万円だったものが三万円に、四、五馬力の小エンジンが五万円に、二インチパイプ二十メートルが四、五千円から七千円までの幅があり、ビニール・パイプ一メートル二十円のものが七十円に、二インチポンプが六千円ないし一万五千円のものが、二万五千円から三万円に、足元を見た高騰であります。農家としては、二十万円近い金を田植えに出すと、収穫が通常のときでも赤字であるが、たんぼを干すことはできない、いくら金がかかっても植えると言われておりました。したがって、被災農家の方々は、今回の干ばつ査定には、特に実費を見てほしい、また、どうしても個人で井戸を掘る以外方法がない場所があるが、この補助についても考慮されたい、との声も大きいのであります。
 県下の各被災地の要望を取りまとめました県庁からの要望事項の概要を申し上げますと、
1、干ばつ応急対策事業としてのさく井、用水路掘さく、揚水機購入等に対する国庫助成措置は、従来より高率に一日も早く決定されたい。
2、被害農家に対する再生産に必要な資材の助成掛買を講ぜられたい。
3、被災農家に対する自作農維持資金の融資ワクを、一般ワク外として追加拡大されたい。
4、地方税の減免、その他被害農家の救済に要する公費の負担について特別の交付を考慮されたい。
5、上流ダムの放水については、十分な配慮を望みたい。
6、基盤整備事業の早急な推進と早期完成を考慮されたい。
7、ひょう害による野菜類等についての共済制度を確立されたい。以上であります。
 最後に、土地基盤の整備について申しますと、本県は、干ばつについては、千葉県に次いで常に二位でありますが、土地改良事業の立ちおくれは、これまた有名であります。しかし、県南に霞ヶ浦、北浦を抱き膨大な水量をかかえております。この水の利水のため、石岡台地、北浦東部、行方台地、稲敷台地、霞ケ浦農水の水田約二万六千ヘクタール、畑約四万ヘクタールにかん水するための調査を実施中であります。このうち石岡台地では調査がほぼ完了いたしておりますので、岩間町、八郷町の現地では、昭和五十一年の完成を早めるとともに、少くも幹線水路のみでも早期の完成をと、強い要望でありました。
 以上調査の概要を申し上げて、報告を終わります。
#7
○委員長(伊藤顕道君) 第二班武内五郎君。
#8
○武内五郎君 第二班の報告を申し上げます。
 干害調査第二班として、私は木島義夫委員とともに六月十日、千葉県を視察いたしました。
 まず、千葉県庁におきまして、県知事をはじめ、県当局の対策関係者から概況の説明を受け、直ちに被害地域へと出発いたしました。
 五月上旬からの降雨量不足による今回の農林業等の被災につきまして、千葉県といたしましては、特に水稲の塩干害がおもなものであります。全県的に水不足による植えつけ遅延または植えつけ後の干害等が起こっておりましたが、特に利根川にその水源を求める千葉県の穀倉地帯に塩干害が著しく、その被害状況は六月五日現在で、植えつけ不能なもの九百五十六ヘクタール、植えつけ遅延のもの千十三ヘクタール、植えつけ後の用水不足による枯死またはその寸前にあるもの二千七百三十八ヘクタール、用水がないもの一万一千三百七十一ヘクタールとなっておりました。
 これに対し、県当局は対策本部を設置し、本部長に知事を、農林、土木、開発の各部局を中心として、その対策に当たっておりました。
 私どもは被害現地の調査に向かい、まず佐原市役所において、市を中心に香取郡下の状況を聞きました。佐原市におきましては、水田総面積三千七百八十六ヘクタールのうち、用水不足等による被害面積七十一ヘクタール、塩害によるもの九ヘクタール、うち苗しろにおける塩害は一ヘクタール等でありましたが、応急対策として井戸を掘さくし、ポンプを設置したる個所は二百三十七カ所、さらに二十カ所を掘さく中とのことでありました。ポンプ一台による救済面積は、わずかに約三十アール程度のことであり、とうてい、かわいた田を潤すことはできず、いまだ植えつけ不能面積は二ヘクタール残り、用水不足対策は限界にすでに達しているありさまでありました。
 次に、用水の揚水機場を視察いたしました。今回利根川水系の異常な水量の減少、水位の低下等により、利根川川口から上流約四十二キロメートルにある両総用水の揚水機場においては、海水の逆流により塩分濃度が異常に高まり、農業用水として使用することができない状態となり、六月四日から揚水中止をせざるを得なくなりました。かくのごとく唯一の水源が停止され、干害、塩害は一そう増加し、応急対策も焼け石に水の状態でありました。また、海上郡東庄町の笹原揚水場も同様でありまして、その位置は佐原市の両総用水の揚水機場よりも下流にあるため、笹川揚水場水系の農作地帯である干潟町、旭町、野栄町の塩干害は一段と大きいものがありました。私どもは、山武郡の東金市に入り、市当局から状況の説明を受け、千葉市へ戻り、夕刻視察の全日程を終了して帰京いたしました。
 私どもは六月十日に視察いたしてまいりましたが、それ以前六月二日に利根川水系河川管理について会議が開かれ、大潮時期に対処するため、六月二日から七日の期間、上流ダム群において毎秒五十トンの緊急放流を行なうことを決定され、その効果がようやくあがり始めておりました。しかしながら、各地の用水路にはほとんど水はなく、用水路の下流地域は植えつけも進まず、今後発生するであろう病虫害対策に、いまから頭を悩ましておりました。また、千葉県は地下水を深く汲み取ると塩分は強くなって、かんがい用に使うことはできず、せいぜい五ないし六メートルという浅い井戸であり、その水量もはなはだ少なく、農民の苦悩はさらに深まるありさまでありました。
 私どもは各地で聞きましたことは、国としてすみやかに利根川水系の総合的調整策を策定してもらいたいということでありました。
 以上をもって、今回の視察の概況を御報告申し上げます。
#9
○委員長(伊藤顕道君) 第一班土屋義彦君。
#10
○土屋義彦君 御報告申し上げます。
 第一班は、伊藤顕道委員長及び私が、埼玉県下の干ばつ及び降ひょうの被害について調査を行なってまいりましたので、以下御報告いたします。
 初めにお断わりしておきますが、降ひょうにつきましては、局地的に分散しているため、一日の行程では現場に行くことができず、県庁側の説明聴取だけにとどまりましたので、最後に要約して御報告いたします。
 私どもは予定どおり十日午前九時三十分に県庁に到着、直ちに栗原知事及び関係職員から、干ばつ及び降ひょうの被害説明を聴取した後、最も干ばつのひどかった地域でございます春日部の谷原新田に向かいました。さっそく植えつけ済みの水稲を見たのですが、水田は二センチから三センチひび割れが生じ、背たけの伸びのとまった水稲が延々と続いているという状態でありました。地元関係者の説明によりますと、春日部地方は労働力の低下に伴い、早期栽培が全体の約六〇%を占めるため、被害の最も多い地区であるとのことでありました。また、伸びのとまった水稲は、植えつけ水を飲んだのみにて現在に至っているため、最も重要な分けつを行なわない上にヒメトビウンカが発生し、農民の表情はまことに暗いものでありました。
 参考までに六月七日現在の春日部農林事務所管内(南埼玉郡、北葛飾郡)の水稲植えつけ状況及び水不足状況を申し上げてみますと、植えつけ済み面積一万五千三百八十ヘクタール、水不足面積三千十六ヘクタール、水不足による植えつけ遅延面積三百九十五ヘクタール、水稲植えつけ予定面積二万一千六百四十ヘクタールということになりますが、植えつけ済みの水田はもとより、六月上旬が田植えの最盛期であるにもかかわらず、二万一千六百四十ヘクタールがいまだ水不足により手のつけようがないという現状は、何としても上流ダムの放水に待つほかないという感を抱かせました。
 次に、栗橋町にある川妻樋管の揚水機の状態を見たのでありますが、給水制限もあり、この樋管の流水経路である権現堂用水地域については、その下流までは行き渡らないとのことでありました。
 最後に古利根樋管に行き、その吸水状態を見ましたが、水門が八ゲートに分かれており、比較的大きな樋管であるにもかかわらず、土砂が堆積し、たった一つの水門しか使用できず、それも利根川の水位低下に伴い、流水の方向がようやく判別できる程度でありました。県側の説明によりますと、来たる十五日までには、いかにしても上流の八木沢ダム等から五十トン(毎秒)の放水を可能ならしめるべく建設省を交渉中であるとのことでした。
 なお、当古利根樋管の土砂は、利根川の砂利採取の原因だと地元からの声がありましたが、もしこれが事実とすれば、国及び県の行政指導を検討すべきであります。
 次に、降ひょうについてでありますが、当県下の降ひょうは、五月十四日児玉郡の四カ町村に、六月五日秩父郡の秩父市及び二カ町村に集中的な被害をもたらしたのでありますが、両郡の農作物被害の集計を簡単に申し上げます。
 被害面積七百八十八ヘクタール、被害金額一億二千六百七十六万九千円でありまして、その種類は、桑が三百七十一ヘクタールで最も多く、他は麦、疏採及び果樹等でございます。県当局も、五月及び六月の被害に対し、それぞれ一千万円の低利資金融資(借入金利三・五%)を決定し、また共済金の早期支払い等の措置を講じておりましたが、なお、国からの援助措置についての切なる要望がありました。
 最後に、県全体の干害状況トータルと、県からの陳情を申し上げて終わりたいと存じます。
 六月七日現在の干害状況につきましてですが、作付見込み面積七万八千二百ヘクタール、田植え完了面積三万一千四百五十一ヘクタール、田植え進捗率四〇・二%、植えつけ後の用水不足面積三千十六ヘクタール、植えつけ遅延面積六百九ヘクタールで、用水不足面積の総計は三千六百二十五ヘクタールということになります。
 次に、陳情書を朗読いたします。
 ただいまの陳情につきましては、われわれ派遣委員も同感でありますので、慎重審議の上これが実現をはかりたいと考えておりますので、何とぞ御協力のほどお願いいたします。御清聴感謝いたします。
#11
○委員長(伊藤顕道君) 御苦労さまでした。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(伊藤顕道君) それでは、ただいまの報告に引き続き、五月以降の干ばつ及び降ひょう対策に関する件及び長野県における六月の集中豪雨対策に関する件について、便宜一括して政府側から説明を聴取いたします。太田農林大臣官房参事官。
#13
○説明員(太田康二君) それでは最初にまず干ばつから申し上げたいと思います。
 お手元に「昭和四十二年干ばつ被害概況、省災害対策本部、六月十九日現在」という資料がお配りしてあると思いますが、御承知のとおり、五月以降の干ばつ被害は、関東を中心といたしておりまして実は全国に及んでおります。被害県は、お手元にございます資料でおわかりいただけますが、四十三県にわたっております。その被害面積は、一番右の欄に載っておりますが、六月十九日現在で約二十四万ヘクタールということでございます。御承知のとおり当初は東北が中心であったわけでございますが、西日本等の地域が、漸次田植期に入るに従いまして逐次それらの地域に被害が拡大をいたしておるのでございまして、十九日現在で特に被害面積の大きい県、一万ヘクタール以上というものを拾ってみますと、茨城、千葉、岐阜、三重、滋賀、兵庫、福岡、こういった県が、これは県報告でございますが、一万ヘクタールをこえておる、こういうことになっておるわけでございます。これを見ていただきましても御了解いただけるわけでございますが、当初被害が非常に大きかった東北地方におきましては、五月二十八日以降の降雨、それからいろいろな対策、こういったものの効果によりまして、現在被害は非常に少なくなってきております。
 そこで被害の内容でございますが、これも一番右の欄にそれぞれ「用水不足、枯死寸前、植付遅延」という形で載っておりますが、植つけはいたしましたが用水が不足しておるというものが約十四万六千ヘクタール、植つけ後用水が不足いたしまして枯死寸前というものが一万一千五百二十一ヘクタール、それから植つけの遅延というものが約八方二千五百七十一ヘクタールと、こういうことになっておるわけでございます。
 各県におきましては、応急対策工事といたしましてポンプの設置、これを約五万三千台動員をいたしております。このほか、先ほどの先生方の現地視察報告にもございましたように、水路の掘さくあるいは浅井戸の掘さく、河川の瀬がえ等の工事を実施中でございます。あるいはまた稲苗の老化防止、苗しろの再仕立て、予備苗の確保等の水稲の栽培方法についての指導も行なっておるのでございます。こういった対策によりまして、ここにも書いてあるわけでございますが、県内においてダムの放流をいたしましたとか、あるいは水路の掘さくでございますが、これが約百八万九千メートルいままでやっております。それから井戸の掘さくが約一万九千カ所、河川の瀬がえが約三千カ所、揚水機の設置は、地方農政局の持っておりますポンプの貸し出し二百十八台等を含めまして、先ほど申し上げましたように五万三千台、こういった対策によりまして救済したものがちょうどその表のまん中にあるわけでございますが、約二十四万九千ヘクタール、こういうことになっておるのでございます。なお、それ以外のものにつきましても、対策工事をさらに今後強化する、あるいは隣接地の苗を補給する、あるいは苗しろの再仕立てを行なう、こういうことによりまして、われわれは約十五万一千ヘクタール程度が、今後救済可能になるであろうというふうに見ておりまして、これに必要な対策を講ずることにいたしておるのでございます。以上が六月十九日現在における干ばつの被害概況でございます。
 それから二番目に降ひょうの関係でございますが、これも「昭和四十二年五月以降の降ひょうによる農作物被害額、四十二年六月二十日現在」という表をお手元にお配りしてございます。これは実は県報告による被害の集計でございます。
 まず最初に宮城、茨城、栃木、埼玉という分がございますが、これは五月十四日に降った分でございます。これが、関係県が四県で、県報告では六億七千九百万、こういうことに相なっておりますが、最近統計調査部の被害がまとまりまして、統計の数字でいいますと、五億四千五百万、こういうことに相なっております。
 それからその次に、一ページから二ページの中ほどよりもちょっと上のところまでまとめて被害総計が四十一億というのが載っております。これは延べ二十九県、五月下旬から六月の上旬までに降りました分でございます。そこで、これも最近統計調査部の、まだ最終的な数字ではございませんが、一応の集計がまとまりました。これによりますと、県報告では四十一億九千七百万、こういうことになっておりますが、二十二億四千万、したがいましていままで判明したところによりましてもすでに二十七億八千五百万ぐらいの被害がひょう害においてある、こういうことになるわけでございます。
 それから六月中旬に、そこに書いてございます四県にさらにひょうが降っております。特に目立ちまして大きく出ておりますのは、六月十八日に降りました長野県の分でございまして、県報告によると十八億八千四百万、六月中旬の四県の分が、県報告の合計額で二十二億で、これら全体を県報告を合わせますと七十億七千八百万という数字になるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、いままでの統計調査部の数字で約二十七億八千五百万程度の被害が六月上旬までの分として一応集計ができておる。なお、六月中旬の分につきましては、できる限り早く統計調査部を督励して数字の確定をいたしたいと、かように考えております。
 それから一番最後に、六月十六日に主として小諸市及び御代田町に降りました集中豪雨による被害でございます。これはお手元にお配りしてございますが、この表の一番下の欄に便宜まとめてございます。「ひょう害等による被害、農作物、施設」と書きまして十億一千六百万、これがいま申し上げました小諸市並びに御代田町の集中豪雨による被害でございます。これも、実は現在県報告による被害の把握しかできておりません。これによりますと、集中豪雨によりまして小諸市と御代田町が被害を受けたわけでございますが、被害は農作物はもちろんでございますが、さらに施設災害もあるわけでございます。その内訳を申し上げますと、農作物の被害が主として水稲それから蔬菜等を含めまして金額にいたしまして三億六千三百万、こういうことに相なっております。それから施設災害でございますが、施設災害で大きなものは農地が百九十四・二ヘクタール、それから農用施設が頭首工、水路、道路、橋梁等を含めまして約四億八千万というような被害が出ております。それ以外に共同利用施設あるいは個人施設、家畜等の被害もございまして、これらを合わせますと、先ほどの施設災害それから農作物被害を含めまして総計十億一千三百万、なおそれ以外に林道の被害が二百六十万ほどあるようでございまして、総計合わせまして先ほど申し上げましたように十億一千六百五十五万六千円、これが現在県報告としてわれわれが掌握いたしておるものでございます。以上でございます。
#14
○委員長(伊藤顕道君) 次に、今次災害によるダム放流並びに長野県の集中豪雨について、建設省から説明を聴取いたします。古賀河川局長。
#15
○政府委員(古賀雷四郎君) 今回の渇水に関連した対策及び小諸の災害につきまして御報告いたします。先ほど干ばつ等の被害につきましては、農林省から御説明がありましたとおりでございますが、それに呼応いたしまして、建設省としましては、河川の流量を適正に維持するために対策を講じました。
 まず関東地区の資料につきましては、お手元に「関東地区における渇水資料」というものがございますので、ごらんになっていただきたいと思いますが、第一ページに書いてありますとおりに、おもな渇水の対策としまして、放流関係を書いてあります。
 第一点は、利根川下流の千葉県関係分の塩分遡上防止対策としまして、六月二日二十二時から七日の二十二時まで、これは大潮の関係上そういうことになるわけでございますが、主として矢木沢ダムから二千六百万トンを放流いたしました。これによりまして下流の塩害を乗り切ることができました。
 それから第二としまして、利根川中流部、埼玉県の用水補給としまして、六月十二日から二十一日までを目途としましてダムより放流を行なっております。放流は主として矢木沢ダムの貯溜量約四千五巨万トンによりましてやるわけでございますが、さらに六月二十二日、下流部の茨城県ないし千葉県分が大潮に当たりますのでその塩害防止を兼ねることにいたしました。なお、六月二十一日以降は群馬県の植えつけ期になりますので、それに対しまして必要な措置をとることにいたしました。
 第三点は、鬼怒川流域につきましては、佐貫地点の流量を毎秒二十五トン確保を目途に六月二日より、五十里、川俣ダムより用水補給を行なってまいりましたが、その後降雨の状況によりまして状況が好転いたしましたので、六月十三日から佐貫地点の流量を二十トンとするようにダムから放流をいたしております。
 さらに、神奈川県の横浜、川崎地区に対しまして、水道用水が非常に緊迫しまして四〇%制限を行なうような状況でございますので、神奈川県の長沢浄水場から東京への送水につきまして、現在十一万五千トンだけを送水いたしておりますが、それを二十二日以降停止するということで、その減った分に対しまして、東京都に対しまして、江戸川、中川等の取水増量等によりまして措置することにしました。この対策は六月末までといたしまして、それ以降についてはその後の状況により検討することにいたしました。
 第三ページに表がございますが、一日から二十日までのおもな地点の流量並びに雨量を書いてございます。栗橋の流量でごらんになりますとおり、六月十一日は七十四トンまで減っておりまして最渇水を示しておりますが、さらに布川の流量、これは塩害の基準になる流量でございますが、六月三日は三十六トンまで下がっておりまして、その後放流の結果、逐次増強いたしております。そういうことで、大体の流量の関係がおわかりになると思いますので、御参考にしていただきたいと思います。
 その次の表は、利根川水系のダムの資料としまして、放流の状況を一日から二十日までの資料を書いてございます。その間で放流の関係が放流量と書いてあるところで、出ている流量がわかるわけでございまして、放流の状況がおわかりになると思いますので、御参考に見ていただきたいと思います。なお、二十一日現在の貯水量は矢木沢ダムで六千十八万トン、それから藤原ダムで千七百三十八万八千トン、相俣ダムで四百四十八万二千トン、薗原ダムで三百七十九万六千トンでございまして、合計利根川の上流における総貯水量は現在の段階で八千五百八十四万六千トンでございます。これを総貯水量から考えてみますと、約三九・三%の貯水しかございません。鬼怒川水系につきましては五十里、川俣でございますが、五十里が四十三万四千トン、それから川俣が百四十一万六千トンでございまして、合計百八十五万六千トンで、これは鬼怒川筋に当たるわけでございますが、総貯水量にいたしまして一・八%の貯水しかございません。
 なお、その次のページに相模川水系のダムにつきまして一応資料を掲げてあります。これは六月一日から二十日までの資料でございまして、一番最後の表にありますとおり、六月二十日の現水量は相模ダムで八百十七万六千トン、城山ダムで四百六十五万五千トンという貯水になっております。
 なお、一番最後のページに関東地区の水系図として各ダムの位置が掲げてありますが、御参考にしていただきたいと思います。
 なお、木曽川水系あるいは紀ノ川水系につきまして、干ばつに対処いたしまして揖斐川横山ダムあるいは猿谷ダム等につきまして用水補給を行なっております。放流の状況はさようなことでございます。
 次に、六月十六日の長野県の集中豪雨による被害状況でございますが、お手元に一枚刷りの表がいっていると思います。
 気象の概況につきましては、小諸市に百十ミリという雨が三時間で降っております。十六日の十八時三十分から二十一時三十分まででございまして、最大時間雨量は八十二ミリを記録しております。
 被害状況につきましては、公共土木施設被害といたしまして、補助災害六十四カ所、五億三千八百九万円という数字でございます。おもな被害河川は繰矢川、乙女川、北川、吉田川という河川でございまして、県道で馬瀬口‐小諸線というような道路は被災を受けております。
 住宅の被害としましては、全壊四棟、半壊五棟、床上浸水四十二棟、床下浸水二百五十六棟でございます。
 対策といたしましては、六月十七日被害状況の調査並びに応急復旧工法の指導に当たらせるため、災害査定官を現地に派遣いたしました。なお、現地の準備完了を待って、早急に査定をいたすつもりにしております。
 以上、簡単でございますが御報告いたします。
#16
○委員長(伊藤顕道君) ただいま説明のありました両件について質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#17
○武内五郎君 今回の異常な干ばつの状態に対処しますために、各地から非常に不安な状態が訴えられているようでありますが、これらに対する対策の最も基礎になる気象状態についてまずお伺いしたいと思いますが、気象庁に気象の現状、特に五月上旬から今日までに至るまでの気象の動向について伺いたいと思います。
 さらに第二番目は、これからの見通しをお伺いしたいと思います。ほかに質問者もあるようでありまするので、できるだけ私は要綱だけの発言でお願いを申し上げることにしますから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#18
○説明員(今里能君) 五月以降の干ばつについて簡単に御説明申し上げます。
 全国的に見まして、東北、北海道は五月二十八日の降雨で救われたのでございますが、関東以西におきましては、非常に雨が少なくなっておりまして、百ミリ以上の降雨を六月一日から現在まで見ましたところは、太平洋に面しましたところのほんの島嶼岬角の一部分だけでありまして、九州、四国、中国、近畿、それから東海、北陸方面は大体数十ミリ、それも日本海側に行きますとより少なくなっております。で、こういう状況は昭和八年の状況に――昭和八年は非常な干ばつの年でございましたが、似ておるところがございます。これはもちろん梅雨前線が日本をはずれまして太平洋のほうで、むだにと申しますか雨を降らしておるので非常に私どもも気に病んでおりますけれども、何ともいたしかたがございません。
 それで、今後の状況でございますが、六月下旬におきましては私ども二十四、五日、それから二十七、八日、このころに谷が通りまして全国的な降雨があるのじゃないかと予測しております。それで七月中旬まで大体梅雨らしい天候が続きまして、そういう見通しでありますが、平均してみますと、雨量は少ないと、こういう予測でございます。特に心配がございますのは、西日本、それから東日本でございます。
 梅雨が明けますのは、七月の中旬と予測しておりますが、その梅雨明け後に、一時七月の下旬に戻り梅雨と申しますか、そういう気象状況になると予測はされますけれども、その後において非常にきびしい夏がやってまいりまして、また夏の干ばつのおそれが十分あるのじゃないかと予測をしております。
 それから、ことしの梅雨期間、それから夏の期間を通じまして、特徴は、雷雨が多いだろうということでございます。それから、また、つゆは、これは、いままで再々申し上げておりますけれども、じめじめ、しとしとと降るようなそういうつゆでございませんで、男性的にざっと降ってあがるという陽性の梅雨、こういう予測でございます。
 それから、台風につきましては、やはりまあ、七、八、九の各月に一回ぐらいは日本に来るようなものが見込まれております。
 最近の干ばつを振り返ってみますと、昭和三十九年、それから三十六年、三十三年、三十年と、まあ特に関東地方において顕著でございましたが、こういう、三年の周期でもって日照りがございまして、多少の不規則性はございますけれども、大体昭和二十五年以来雨の少ないそういう時期に入っているようでございます。先ほども申し上げましたように、ことしは、まあそのうちの昭和八年の状況に酷似しておりまして、今後の雨の少なさが憂慮されるのでございます。
 以上が、きわめて簡単な経過と、それから今後の見通しでございます。
#19
○武内五郎君 気象状況につきまして大体わかりました。いまの御説明でもわかりますように、過去十年ないし十数年の間に、周期的に干害を受けているわけであります。特に、最近十年間においては、昭和三十三年、三十五年、三十六年、三十七年、一年八年を飛んで三十九年、四十年、四十一年、ことしの四十二年と、干ばつの害を受けてまいりました。こういうような、周期的にわが国では干害を受けている。しかも、最近断続的に、ほとんど連年のように干害を受けておるわけなんであります。私は、干害は、たとえば台風や、あるいは集中豪雨であるとか、あるいは地震であるとか大火であるとかいうような物理的な強い衝撃でやってくる害と違って、何かしら忍び寄るように、しかもなかなか救いがたい災害をもたらしてきておりますので、今日まで実は災害基本法やあるいはその他の災害対策の要綱等を見ましても、干害というものに対する明確な対策が見られない。私は、基本法――災害対策基本法や、特に私は農水関係でも農林省の防災業務要綱等を見ましても、干害という字句はないのであります。何々何々のほか何々というようなぐあいになっておりまして、干害というような字句はない。日本の災害の歴史の中でも、たとえば台風であるとかあるいは洪水の害を受けてきたとかいうようなものは、強くわれわれの心を打つわけなんであります。ところが、まだ明治にならない徳川時代のどの災害の歴史によっても、農民が飢饉に襲われた、飢饉の中で苦しんだというのは、ほとんどこれは干害です。私は干害に対する今日までの対策が明確にできていないところにいろいろな痛ましい事態が起きてまいることを考えざるを得ないのであります。これにつきまして、まず、私は今日まで少なくとも過去十年間に、昭和三十三年以降災害対策としてとられた国の態度、姿勢というものについて一応お伺いしておきたいと思います。
#20
○説明員(太田康二君) 先生お尋ねの昭和三十三年度以降干ばつ被害に対して、政府がどういう措置をとったかということでございますが、まず、一般的には御承知のとおり天災融資法による金融措置があるわけでございまして、干ばつがございまして、その被害額が相当な額になるという場合には、御承知のとおりそのつど政令で天災を指定いたしまして、天災融資法の次期作の経営資金というものの貸し付けを行なっておるのが第一点でございます。
 それから同じく金融措置でございますが、御承知のとおり、天災融資法の発動がございますと、農林漁業金融公庫から融通されます自作農の維持資金の災害額というワクを別途とってあるわけでございますが、天災融資法が発動されますと、それに応じてその災害を受けた県に対しまして融資ワクを増額いたしまして、自作農維持資金の融通をいたすということをいたしております。
 それからこれはまた従来とも災害の際には当然やっておるわけでございますが、各金融機関に対しまして、過去における債務の条件緩和、償還延期等を内容といたしました条件緩和に対しまして、金融機関に要請をする。これによりまして、ケース・バイ・ケースに処理をしていただくということをいたしておるのでございます。
 それから、以上が金融の措置でございまして、それ以外の助成の措置といたしましては、御承知のとおり先ほど来御説明申し上げました干害の応急対策事業等に対する助成があるわけでございます。これにつきましても、昭和三十三年の大干ばつに続きまして、三十五年、三十六年、三十七年、三十九年、四十年、四十一年とそれぞれ実施をいたしておるのでございまして、その内容といたしましては、用水確保のための工事、これが先ほど申し上げました水路の掘さくとか井戸掘り等の関係の経費でございます。それから用水確保のための機械購入あるいは借り入れ等に対する助成ということをいたしておるものでございまして、まあ大体原則として補助率等につきましては、団体営のかんがい排水事業にならいまして大体四割、特に三十九年におきましては、干ばつの被害というものが非常に全国的に激甚であったというために、特に被害の大きい県に対しましては、いま申し上げた補助率を五割に引き上げた、こういった助成の措置を講じておるのでございます。
 それからいまのが干害のいわゆる応急対策でございまして、それ以外に私のほうで所管上は農政局の所管になるのでございますが、昭和三十三年と三十五年に干害対策としてやはり補助事業をいたしておるのでございますが、昭和三十三年におきましては、仮植田の設置あるいは苗しろの再仕立て、さらに直播用の種子の購入費、稲苗の輸送費等に対する助成、三十五年には代作用の種子の購入の助成というようなこともいたしておるのでございます。
 大体過去におきまして、干ばつ対策としてのとりました措置は以上のとおりでございますが、先ほど先生お尋ねの恒久的な問題でございますが、非常にそういったことについて手抜かりがあったのではないかというおしかりもいただいたわけでございますが、何と申しましても、干ばつに対する恒久対策といたしましては、ため池の建設あるいはダムの建設、用水路の掘さく、治水設備の完備など、いわゆるかんがい施設の整備ということをはかることが基本であろうと思うものでございまして、こういった施設を整備することによりまして、安定的な用水の確保につとめてまいるというふうに考えておるわけでございます。まあ今回の干ばつの経験等に徴しまして、今後ともかんがい施設の整備というものを推進してまいりたいと考えておるわけでございまして、特に今回の災害等もちろん一部には例外もあるわけでございますが、非常にやはり天水田とあるいは谷地田等が非常に被害を受けておるというようなこともあるわけでございますので、できる限り用水確保のためのかんがい排水事業の推進につとめてまいりたい、かように考えております。
#21
○武内五郎君 大体、まず第一に応急的な対策として金融措置をとるようになっておるようでありまするが、しかし、いろんな現地で聞いてまいりますると、非常におそい。じりじりと太陽が照りつけて、たんぼががちがちに割れておるのに、なかなか金融のあたたかい雨が降ってこない。そういうようなことですが、この間私が茨城県でもまた千葉県におきましても、これは日本の農業の最も悪い形が出ていることは、天水依存度が非常に強い。このような天水にだけたよって農業をやっているというところに、私は大きな間違いがあるのだと思うのですが、まあそれはその次にひとつ私は申し上げたいと思うのですが、非常にとにかくそういうように天水がもうかわいてしまって、ため池がもう用をなさない。ところが、いろいろな助成を要請しても、なかなか回ってこない、注射が回ってこない。そういうような状態で、非常に現地の農民たちが困っておる。特に茨城の大野地区という土地改良区があります。ここは湧水地帯、非常に、もともとデルタ地帯である。排水施設が、ようやくその施設ができ上がったんだが、この干天で排水の必要がこれはない。必要になっているのは用水のほうだ。用水のほうでありましたが、御承知のとおりもう河川は、あすこは鬼怒川ですか、非常に床盤が低下して水が上がってこない、三段階にポンプを据えつけてやっている。ところが、これはひとつ農林省も建設省も、それから通産省も十分考えを一緒にして対策を立ててもらわなければならぬことには、せっかくモーターを入れてポンプを据えつけたが電気が入って来ない、要請してなかなか入って来ないというような話がありました。また河床が低くなっておるものだから、そののりが非常に高くなって、水の吸い上げが非常に悪いというようなことで、これは農林省、建設省、通産省三つが一緒になって対策を立ててもらわなければいけない、それがなかなか手が回って来ない。たいへんな状態を見て、もうデルタ地帯のたんぼは割れてしまって枯死寸前というのではなくて、稲が赤くなって死んでしまっている。苗しろの稲は四十センチ以上にも長くなって、もうそうなりますと苗が分けつして役に立たない、こういうようなことで早急にカンフルの注射を待っているんだが、なかなか回って来ないというところに大きな問題がある。こういうことに対して措置を早くやってもらわなければならない、そういうことに対する考え方が一つ。
 それからまた、私はいろいろ千葉県や茨城県やその他の地方を伺って参りました。何年には五〇%であるとか、何年には四〇%であるとか、いろいろな助成の手当てが、何か薄かったり厚かったりするようなことがあるように承るのですが、そういうことがあるのか。一体そういうふうなことで、その地方の人々は、さしあたってとにかく何ぼででもいいから、早く注射をうっていただくように願いたいという希望が強かったのでありますが、その措置がきわめておそいということに対するこれからの考え方。それからその措置が非常に濃かったり薄かったり、年度によって差ができたりするようなことがあってはおかしいじゃないか、正しい対策ができないじゃないかという地方の人たちの声を聞いて参りました。それらに対するお考えをひとつ伺っておきたい。
#22
○説明員(太田康二君) 先生御指摘の、特に金融等の措置が非常におそいではないかという御意見でございますが、確かに天災融資法の発動につきまして、干ばつ等の場合、被害の状況把握と申しますか、それによる農作物被害は幾らあったかということの把握が、実は非常に困難であるわけであります。したがいまして、統計調査部の一応数字を基礎にいたしまして、その被害額いかんによって天災融資法で規定いたしますところの国民経済に重大な影響を及ぼす災害であるかどうかというような判定をいたしますために、従来おくれているという御指摘は確かにあるのでございますが、まあ、われわれといたしまして、できる限り早く被害等を把握いたしまして、早く発動いたしたい、かように考えます。そこで、実は衆議院の災害対策特別委員会でも問題になったわけですが、われわれといたしましては、現在実は各県で天災融資法に準ずる措置を条例なり要綱でおきめになった県が二十二県あるそうでございます。したがいまして、できますれば、一応各県にこの制度を全部つくっていただきまして、まず第一次的には一応県で天災融資法に準ずる措置をとっていただきまして、まあそう言うと多少語弊があるわけでございますが、私のほうもできる限り早く被害の状況を把握いたしまして、天災融資法を発動する。したがいまして、発動いたした場合には、国の制度のほうに乗りかわるというような形で処理をいたしますが、いままでとかく問題になっておりましたひょう害等の小災害の問題、それからまた天災融資法の発動がおくれるために非常に農家の方に迷惑をかけるというような問題の解決にもなるのではないかということを、目下検討いたしておりまして、そういった方向で今後やってまいりたい、かように考えております。
 それから災害の助成が、年によって非常に異なることがあるのかどうかというお尋ねでございますが、先ほど過去十カ年間において講じた措置でも申し上げたわけでございますが、確かに三十九年におきまして、非常に干ばつの応急対策事業費というものも相当な額にのぼったわけでございます。したがいまして、これらにつきましては、農林省、大蔵省と相談をいたしまして、激甚の基準をきめまして、この基準に該当する県につきましての、先ほど申し上げました応急対策工事につきましては、通常四割の補助を五割にいたした、こういうことはあるのでございます。
#23
○武内五郎君 まず基準をきめて、それによって対策を立ててもらわなければならぬのですが、私はいまこの委員会に入る途中でこれを受け取って参りました。都道府県農業会議所の会長会議でですか、この中にこういうことがあります。「干害応急対策事業助成要綱の制定をすみやかに講ずる。」、これは私は特に干害についてはいまその基準をつくったというお話でありまするが、こういう、先ほど申し上げましたように、年度によって薄かったり、厚かったり、あたたかかったり冷たかったりするような手当てでは、いつまでたっても復旧なんというものはこれはとうていおぼつかない。ことにそういうような、年度によって対策が違ってくるというようなことがあっては、これは公正を欠く。そういうような事実があるから、私は本日この文書を受け取った中に出ておるのじゃないかと思うのです。干害応急対策事業助成要綱の制定をすみやかにしてもらいたい、こういうようなことが出ておるのですが、いま先ほど説明がありました基準というのと、それから助成要綱というものとが違うのか、ひとつそれを承って、なおこれに対してこれからどうしていくか伺いたい。
#24
○説明員(太田康二君) 確かにいま先生がお述べになりましたように、都道府県の農業会議所の会長会議でも、それから各県からもできる限り早く干害応急対策事業助成要綱の制定をしてくれという要望があるわけでございます。実は御承知のとおり、干害につきましては、いまはまさに田植え時の干害になっておるわけでございますが、その後におきましてもあるわけでございまして、昨年の例で申し上げますと、四月から九月までの間にやはり干害がございまして、それぞれ応急対策工事が、その期間において行なわれておるというようなこともございまして、実はこれらを取りまとめて、災害対策要綱というものをこしらえておる。したがいまして、地元の方々は例年どおり補助があるかどうかということにつきましての御心配も確かにあろうかと思うわけでございます。そこで衆議院等の審議の際にも御注意があったわけでございますが、われわれといたしましても財政当局と話しまして、六月五日付で農地局長名をもちまして、各地方農政局長あてに「昭和四十二年五月以降の干ばつ対策について」という通達を行ないまして、その中で「干害応急対策事業に要した経費の助成については、原則として過去の例に準じて措置する」ということをはっきりいたしたのでございます。まあこれによりまして、従来の例に準じまして、たとえば井戸を掘った、あるいはポンプを設置したというような場合には、原則として当然例年の例に準じて補助があるということは地元の方々に趣旨が徹底をいたしておるというふうにわれわれは思っておるのでございまして、確かに早く制定をいたしたいのはやまやまでございますが、以上申し上げたような事情で、多少おくれておるということも、御了解をいただけるのではないかというふうに考えるのでございます。
 それから激甚の基準というのは、三十九年に、先ほど申し上げましたように非常に大きな被害があったので、話し合いをいたしまして、一応激甚基準をつくりまして、それに該当する県に対しましては、その県の補助率を五割に引き上げる。その内容を簡単に申し上げますと、干ばつの応急対策事業費の査定額、これはだから昨年の例で申し上げれば、四月から九月までに行なわれた事業費でございますが、これを農林省が査定をいたすわけでございますが、この査定額の全国合計額がその年の全国農業所得推定額の〇・一五%をこえておる、三十九年の例で申し上げますと、これが約二十五億ということに相なったわけでございまして、一応四十二年度の推定でまいりますと、おおむねこの二十五億に匹敵するものが三十一億になるというふうに考えておりますが、要すればこの干ばつの応急対策事業費の査定額の全国合計額がいま三十一億をこえておる、なおかつその一県の事業費がおおむね一億円をこえる県、または一県の昭和四十二年度の農業所得推定額のおおむね〇・二%をこえる県のいずれかの県が十県以上あった場合、その当該県の補助率を五割に引き上げる、こういった激甚基準を、農林省と大蔵省との間で定めておるのでございまして、いずれ本年度の場合にも、すでに各県報告によりましても、相当額の事業費が使われておるということも、われわれ承知いたしております。なお、先ほど気象庁の予報部長のお話でも、七月の中旬以降、また干ばつのおそれもあるというようなことで、今後さらに事業費等は当然ふえてまいるというふうに思うのでございまして、まあ三十一億をこえるかどうかというようなことは、査定をいたした結果でなければわからぬわけでございますが、一応三十九年の例に準じて激甚災として指定をするという可能性が、非常に今回の干ばつの場合には強いのではないかというふうに、現在の段階では考えておる次第でございます。
#25
○武内五郎君 確かに私は三十九年の二十五億の査定額よりも、もう、ずっとオーバーしておるのではないかと思いますし、なお七月、八月に襲ってくるのじゃないかということも考えると、これはたいへんな額になってくると思います。できるだけひとつそういう点は。これはもうなるほど頭をなぐったり、傷つけられたりする災害ではない。その意味の直接の痛さは感じないように見えるけれども、真実はこれは深刻なものでありますからして、早急な対策を立てていただかなければならないと思います。そこで、いまの説明の中で、前例等をしんしゃくして、ということでありますが、これはまた悪い例を申し上げて、悪いことは直していかなければならぬと思うし、やはり直すためには言わなければならぬのですが、助成対象の事業に対する補助その他のものが参りますときに、個人または数人の個人の寄り合いで買ったポンプ、掘さくした井戸の費用、ポンプの借り入れ、モーターの借り入れ等に対する助成と、その他公共団体または農業団体等がやった場合に出す助成との率が違う、これはどういうわけか。何か聞くところによりますると、どうせ個人に出した金というものは、あれはもうかんがいが済んでしまって、水がたんぼにかかると、あのポンプを売ってしまうだろう、そういう不安定の個人に対しては、これはもう安くしてやってもいいのだ、助成を低くしてやってもいいのだ。地方団体に対しては、これはかんがいが済んでも、たぶん倉庫に入れて保有しておくだろうから、これはできるだけ上げてやってもいいのではないか、こういうような考えじゃないかと、私は推量を申し上げるのですが、どういうことなんですか。何か聞くと、足切りといって、ぱっと足を切っちゃうんじゃないかと、これはどういうことなんですか。
#26
○説明員(太田康二君) 先生そこまで御承知でございますので、もう一度内容を特に申し上げることはないかと思いますが、一応先ほど申し上げました応急工事につきましては、団体営の場合も公営、いわゆる土地改良区営、あるいは市町村営の場合も同じ補助でございまして、四割の補助をいたしております。それに対しまして、いま先生のお尋ねの揚水機の設置等に対しましては、確かに共同施行の場合と土地改良区がいたす場合とにつきまして、土地改良区等の場合は四割の補助、共同施行の場合は二五%補助というようなことで、確かに補助率に差等を設けておるのでございます。その点につきましては、実は土地改良区等の場合は、まさに先生の御指摘のとおりの事情もございますし、数人共同施行の場合は、そのポンプが他に転用されるというようなことも間々あるわけでございますので、やはりそこには補助率の差等を設けるというのがむしろいいのではないかということで、そういった補助率の差等を設けておるのでございます。
 それから、足切りと申しますのは、御承知のとおり、土地改良区等の場合には、水利費等の負担をふだんからいたしておるのでございまして、数人共同施行の場合には、そういった負担がないわけでございますので、事業費のうち、非常に少額のものにつきましては、下の部分を補助の対象から切るということをいたしておるのでございまして、これまたいまの補助率の差等を設けるのと同じような趣旨で、そういった差等を設けておる、こういったことでございます。
#27
○武内五郎君 どうもそれは少し残酷じゃないですか、まことに話そのものが合理性を欠いているし、やり方が私は残酷だと思う。こういうことはやはり直したほうがいいのじゃないかと思うのです。前例をしんしゃくして、なんていうことによっていかれては困る。災害農民が立つ瀬がないと思う。これはできるだけ直すようにしていただきたいと思います。これは現地で農民が言っているのです。それから、揚水または排水の場合、特に今度は干害ですから、揚水の場合に、機械を動かす、ポンプを運転するというような場合の電力料、それから燃料、こういうようなものにはほとんどなかったという話なんですが、どうなんですか。当然これは出すべきものなんですが、これは考えてやらなければならぬものじゃないかと思うんです。どうなんですか。私はかなりこれは多額のものになるのではないかと思うのですが。
#28
○説明員(太田康二君) 先ほど干ばつの応急対策、過去十カ年にさかのぼって申し上げたわけですが、確かに三十三年と三十五年の干ばつ応急対策事業では運転、いわゆる燃料費、電力費等の経費につきましては、補助対象といたしまして補助をいたしたのでございますが、ポンプの通常の運転費と干ばつ応急対策で使ったものとの区分というものが非常に困難であるというようなこともございますし、まあ昭和三十五年ぐらいまでは、いわゆる暫定的な応急工事を助成の対象にするということに考えを置いておったのでございますが、毎年干ばつが発生するというようなこともございまして、昭和三十六年以降におきましては、今後の干ばつに備えて使用できる恒久的な施設を助成の対象にするということで、一部考え方の切りかえを行なったのでございまして、これやあれやの理由で、現在のところは電力、燃料費等につきましては補助の対象にいたしていない、こういう実情でございます。
#29
○武内五郎君 たいてい干ばつというと水田のことだけ考えるのでありますが、畑地の干ばつというのはかなりこれもひどい。これは千葉県でありましたが、くわを入れてみたら十二、三センチのところでがちがちになっている、もう水がないのであります。だから落花生は芽を出さない、カンショは植えつけができない、こういうような地域がかなりあったのであります。果樹やなんかもほとんど葉がうなだれて、これこそ枯死寸前の状態です。やはり水田も畑地も対策は同じなんでしょうね。
#30
○説明員(太田康二君) 過去の例におきまして、果樹園等で全然水源のないところにポンプの設置の助成をいたしたというような例がございまして、実は財政当局からおしかりをいただいたというようなことも実はあったわけでございますが、従前の措置といたしましては、水源施設のあるものについては、やはりいま先生の御指摘のとおり水田と同様に助成の措置を講じてきておるのでございます。まあ、今回の畑の干ばつによります応急対策事業というものの実態につきまして、まだ実は十分この実態の把握というものができておらないのでございますが、実情を十分調査の上、従来も補助した例もあるわけでございますので、当然従来の例等も勘案いたしまして慎重に検討して処理してまいりたい、かように考えております。
#31
○武内五郎君 それを聞きたかった。この畑地に対してはほとんどない、水源を持たない畑地は助成がないという、そうだったら畑地は役に立たぬ状態になってくることは明らかなんです。こういうようなことでは、私はほんとうの干ばつ対策になっていないのではないかと思いまするので、この点は早急にやはり対策を立てていただかなければならぬ。千葉、茨城は落花生、カンショの主産地で、これで立っている。だから、これをやはり早く救済する道を立てる必要があるのではないか。畑地にさえかんがいやったら、かんがいが完成されたら、陸稲なんかだって水田と同じくらいできてしまう。これはあなた方よくわかる。だからいまからそれを心がけて計画の中に入れる必要があるのじゃないかと思う。
 次に、私はダムの管理についてお伺いしたいのでありますが、放水がありまして、一応、塩害や何かの防除もできましたし、そういう塩害等の災害を除くこともできた、かなり防ぐことができたのでありますが、たいへんこれはよかったと思います。ことに私ども入っていった当座は、ダムの放水でここはこれぐらい水が入ってまいりましたといって喜んでいるほど、非常にその効果が出ていることは事実だと思います。そこでいろいろ聞いてみますると、やはり矢木沢ダムを放流いたしますると、千葉の下流地帯に入るのに三日ぐらいかかるそうですね。そうすると、少なくともその間のブランクというものは、非常な災害を大きくさせているということになりまするので、何とかこれをダム操作についての何といいますか、直ちに即応できる態勢を常にこれはとることは当然だと思うし、そういう干害がやかましくなる前に、常にこれは考えておかなければならぬことであると思うが、ひとつそういう点についての善処をお願いしたい。これはお考えがあったら承っておきたいし、善処をひとつお願いしたいと思います。
#32
○政府委員(古賀雷四郎君) 千葉県の要請に基づきましてダムの放流をいたしました。私らは大体大潮が八日でございましたので、それをめがけて、その際塩分の遡上を防止するということで、その前日ぐらいに到達するということを前提に二日の夜おそくやったわけでございます。残念ながら途中の遊水等によって若干食われまして、予定した日がちょっとおくれたという傾向もございます。この点、今後ダム管理については、十分ひとつそういった今回のデータに基づきまして、ダムの操作を適正にやっていきたいというふうに考えております。この表で大体その辺の事情はおわかりになると思いますので、よく御参照を願いたいと思いますけれども、これはもう少し前の資料がありますと、よくこの間の量がわかりますが、布川の流量が三日に三十六トンに下がります。その前の二日は四十トンになっておりますが、その四十トンのときに五十トンを追加して矢木沢ダムから放流したわけです。それでそれが七日に百トンになっております。それでほぼ所期の目的を達したと思ったのですが、塩分の遡上の関係でもう二十時間か幾らか早ければ、もっと効果があったのじゃないかというふうに、塩分濃度の点から判定されますので、これは下流における塩分濃度を確実に把握しながらやっていくということが大事でございまして、それらの問題もあわせてダムの放流を検討していきたいと思っております。御注意
 ありがとうございました。
#33
○武内五郎君 大体、私は終わりますが、最後に日本では災害というと洪水とか、先ほど先し上げましたように洪水とかあるいは台風とかというような面が強く出ております。水害の日本と同時に私は干ばつの日本を――やはり先ほどの年度を繰ってみますると、干ばつの日本を忘れてはならないと思います。ことに私はそれが今日まで軽く見られてきておるのではないか、ことに私は農業の経営について、水というものはもう欠くことのできないものです。人間に食糧を与えると同じ。この水を考えないで農業の経営というものは成り立たない。まして農業の近代化なんていうものは、まず私は用水の近代化をはからなければならない。農地改革が土地の解放をやったけれども水の解放をやってなかった、私はそこに今日禍根をなお残しているのではないかと思うのであります。当面の応急的な対策は、最も大事であります。同時にそういう基本的な問題について、今後検討していただくようにお願い申し上げたい。
 大体、以上で私が干ばつ地方を見てまいりまして、いろいろ疑問になったことをお尋ねした次第であります。
#34
○土屋義彦君 すでに武内委員から詳細にわたって御質問がございましたので、以下数点につきましてお尋ねをさしていただきたいと思います。
 今年の異常な干ばつによりまして、全国的にいろいろな問題が起こっております。たとえば東京都と千葉県に隣接する埼玉県の三郷町におきましては、急激な人口増によって、ただでさえも飲料水が不足しておりますのに、水道から水を引っぱってたんぼに流すとか、あるいはまた川口市におきまして深夜に農民が消火栓をあけて、そしてそれを水田に放水するとかといったような事件が起きております。かんがいについて、またひょう害によりましても、過般東京都におきまして、農夫がひょう害を苦にいたしまして自殺をしたといったような悲しいニュースが伝わっております。また今朝の新聞によりますと、埼玉県の熊谷に水争いが起こりまして、農林省の事業で昨年完成いたしましたばかりのせきをこわすといったような、とんでもない事件が発生をいたしておるような次第でございます。これらの事実をどのように受けとめ、またどのような処置を講ずるお考えなのか。ちょっとひでりが続くと干ばつだ、また雨が続くと水害となる。これは単に天災では済まされない重要な問題で、治山治水とともに抜本的な長期対策を立てなければならないと思う次第であります。承るところによりますと、過般の閣議においてこれが取り上げられ、長期的な干ばつ対策を検討されたやに聞いておりますが、一体どのような対策を立てられたのか、その点につきまして承りたいと思います。
#35
○説明員(森宏太郎君) ただいま閣議におきましての干ばつ対策につきまして御質問がございました。私閣議の状況の詳細につきましてはこれを存じませんが、内閣及び総理におきまして干ばつ対策につきまして、いろいろいままで講じました措置というものにつきまして、簡単に御報告を申し上げたいと思います。
 最初に干ばつ対策につきまして、政府で総合的な施策を講ずべきことを取り上げられましたのは、御承知のように五月三十日の閣議でございまして、五月以来の異常渇水の状況に応じまして、すでに五月下旬におきましては、建設省の特に利根川水系につきまして、管理者会議を開催されまして、異常渇水に対処する措置を検討を始められておったわけでございますが、干ばつの状況が非常に激しくなってまいる見通しに応じまして、政府が、単に建設だけの問題でなく、農林あるいは厚生その他関係各省にまたがる共通問題を情報の相互の交換、あるいは対策の協議ということをする必要があるのじゃないかというような観点から、五月三十日の閣議で干ばつ対策を総合的に検討する体制をつくるということがきまりまして、六月の五日に、関係各省の局長クラスの担当者によります干ばつ対策関係各省庁連絡会議というものが開かれることになりました。これの構成メンバーは、内閣並びに総理府、それから農林、建設、厚生、経済企画庁、それから気象庁――運輸省の関係でございますが、それから自治省という八つの省庁で構成されているわけでございます。
 第一回の六月の五日におきましては、各省で現在までにとりました各種の対策の実施状況、それから諸般の情報の交換、あるいは今後とるべき対策の協議ということをいたしたわけでございます。そのおもな内容を申し上げますと、四つの項目にわたっておりまして、一つは、本日いろいろ御質問等のございました農業関係におきます被害と講じた対策、あるいは講じようとする対策ということが一点でございます。それから次に一般給水、水道関係でございまして、これは主として渇水状況の著しい神奈川県下におきます給水制限の問題、あるいは、東京へ送水しております神奈川県からの水をどうするかという問題でございます。それから三番目は、工業用水関係でございまして、これは主として京葉工業地帯並びに京浜工業地帯におきます工業用水の制限の措置をどうするかというようなことでございます。それから四番目には、河川関係でございまして、これにつきましては、本日河川局長からお話がございましたような、主として利根川水系におきます農業用水等に対するダムからの放水という問題が主たる問題でございます。これらにつきまして、関係各省はすでにいろいろな手を打たれておるわけでございましたが、なお、関係各省相互の連絡がなお不十分な点というような点も今後生ずるようなことも考えられまするので、その間の協力体制あるいは連絡の強化ということが議題になったわけでございます。
 それから翌日六月六日に、これは閣議後におきまして関係閣僚会議が、これは干ばつ対策だけにつきまして関係閣僚会議が開催されまして、各関係大臣からも報告とそれから御意見の交換があったわけでございます。詳細は先ほど申し上げたような内容についてでございます。
 それから、依然として干ばつ状況が続いておりますので、六月の十二日に第二回の関係各省庁連絡会議を開催をいたしまして、その後の情勢の変化とともに、さらに講じた施策等について協議が行なわれ、あるいは講ずべき施策が協議をされたわけでございます。特にこの第二回の関係各省庁連絡会議で問題になりましたのは神奈川県下におきます水の問題でございまして、神奈川県の制限をさらに強化するかどうか、あるいは東京への分水をどうするか、という問題が非常に重要な議題となったわけでございます。
 それから翌日の十三日の閣議におきましても、やはり神奈川県の水の問題を中心といたしまして関係大臣から報告と御意見の開陳があったというふうに聞いております。
 それから昨日の六月二十日におきましても、この閣議におきまして主として神奈川県の水の問題について、特にこれにつきましては、御承知のように、六月二十二日をもって東京への送水を取りやめるということが、厚生省のほうのイニシアチブによりまして、建設省、東京都庁、神奈川県の四者の間の話し合いで決定をいたしましたわけでございます。そのことについて、閣議におきまして厚生大臣のほうから報告があったということでございます。
 以上、いままでに内閣、総理府が主宰をいたしまして開催いたしました関係各省庁連絡会議並びに関係閣僚会議、あるいは閣議におきます干ばつ対策の概要につきまして、簡単に御報告を申し上げた次第でございます。
#36
○土屋義彦君 ただいまは、森参事官から詳細にわたって御答弁を賜わりまして、まことにありがとうございました。どうかひとつ関係各省を督励いたしまして、早急に抜本的な干害対策を樹立していただきますように心からお願いを申し上げる次第でございます。
 次にお尋ねをいたしますが、先ほど来、今回の干害に対しまして政府のとられました措置について、いろいろと御説明がございましたが、実際に私ども現地へ行って調査をいたしてみますと、農民にとりましては決して十分な措置がとられておるといえないような状況下にあったような次第でございます。また、過般関係当局の御配慮によりまして、矢木沢ダム等から毎秒五十トンずつ二回にわたって放流をしていただきましたが、この水が、残念ながらほんとうに困っておる農民の方々がこの恩恵に浴さなかったといったような事態が起こっておるような次第でございます。これは利根川からの取水口におきましては水位が上がっておりますけれども、これは上流でのポンプアップの個所が多くて下流には全然その水が達しないといったような状況であった次第でございます。また、放流されました水のうち、大部分の水は利根川を素通りしてしまうといったようなことも問題でございます。河川を管理しておる建設省としては、水害に備えて特に流水には気を使い、あるいは河床を下げるとか、あるいはじゃまになる土砂等は取り除いたりして、水の流れをよくするような措置をとっておられるようでありますが、ことしのように干ばつのために放水された貴重な水が本流の底を流れてしまうといったような結果が生じておるような次第でございます。これがために、農民のほうではどうしても水が来ないので自分で井戸を掘り、また地下水を利用してやっとのことで田植えをしたというような事態が起こっておるような次第でございます。これがために、ばく大な経費がかかっておるということもよくひとつお考えを賜わりたいと思う次第でございます。このような零細な農民のためにあたたかい援助の手を差し伸べていただきたい、このことを心からお願いを申し上げる次第でございます。
 そこで、これらの被害農家に対しましては、制度金融の償還延長や、あるいはまた再保険の概算払いの肩がわりを早急に実施していただけるような措置がとれないものかどうか、この点につきましてお伺いいたします。
#37
○説明員(太田康二君) 実は災害がございますと、そのつど、大きな災害につきましては、経済局長名をもって各金融機関に対しまして、被害農業者に対する金融措置について、ということで、資金の円滑なる貸し付け、あるいは既貸し付け金の償還猶予などの貸し付け条件の緩和措置についての御協力を依頼をいたしておるのでございます。今回一月、二月の豪雪による天災、それから五月、六月の降ひょうによる被害農業者に対する既貸し付け金の条件緩和等につきましての依頼はいたしたのでございますが、干ばつ等につきましても、漸次被害が相当広範囲に及んでいるような実情でございますので、われわれはこれらの措置と同様の措置を講じてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。これによりまして各金融機関といたしましては、それぞれケース・バイ・ケースに、被害の実情に応じまして償還の延期あるいは条件の緩和等の措置が講ぜられるものと期待をいたしておるのでございます。
#38
○土屋義彦君 ありがとうございました。
 さらに一点だけお伺いいたしますが、これらの被害農家に対しまして、干ばつ対策の長期的低利貸し付け制度ですか、こういうようなものを講じられないものかどうか、ひとつお伺いいたします。
#39
○説明員(太田康二君) 先ほど、従来とられました金融措置の対策といたしまして、天災融資法による六分五厘資金、あるいは三分資金の貸し付けの問題を申し上げたのでございますが、御承知のとおり、天災融資法が発動になりますと、自作農維持資金というものが増ワクで各県に貸し付けられるということになるわけでございまして、この資金は御承知のとおり据え置き期間、償還期間を含めまして二十年、しかも金利は五分というような長期、低利の資金でございまして、今回の干ばつにつきましては、まだ現在のところ天災融資法の発動は見ておらないわけでございますが、先ほど申し上げました県独自の制度としての融資制度等が確立されました際におきましては、そういったものに対しましてその際、従来の天災融資法が発動されたと同様に自作農資金の発動をするというようなことにつきまして、ほぼ財政当局との話し合いもつきましたので、そういった資金でも流れれば、いま先生お尋ねの低利、長期資金の融通ということに役立つだろうと思うのでございます。
 なお、それ以外に、御承知のとおり農業近代化資金の融通制度もございまして、ポンプの購入資金等の補助残の融資等につきましても、当然これらの資金が活用されてしかるべきであるというふうに考えておりまして、これらの措置を合わせることによりまして災害の回復にできる限りつとめていただきたい、かように考える次第でございます。
#40
○土屋義彦君 天災融資法の発動の時期ですね、これはいつごろの見通しか、お伺いいたします。
#41
○説明員(太田康二君) 現在の段階では、先ほども申し上げたわけでございますが、実は被害面積という形で被害の把握をいたしておるのでございまして、たとえば用水不足であるというような、あるいは作付が遅延をいたしておるというようなことを言っておるわけでございますが、たとえば雨が降るというようなことによりましてこういったものが大幅に解消されるというようなこともあるわけでございまして、実は干ばつの場合の天災融資法の発動というのは、干ばつ独自で発動した例というのはあまりないわけでございまして、たとえば長雨等と一緒にくるめまして、たとえば五月から九月までの天災として、その中に五月から八月までの干ばつを含めて発動するというような例が従来の例でございますので、いまここでいつ発動するかお尋ねになられても、ちょっとお答えがいたしかねるというような状況でございます。そこでわれわれといたしましては、大体これだけの被害でございますし相当な額に達するということで、従来の例等考えますれば、大体発動するのではないかというふうに考えるわけでございますが、いずれにしましても、統計調査部等の被害のの結果の集計を待たないとなかなか発動しにくい。そこで、先ほど申し上げたように、現在融資要綱なり条例で県が天災融資法に準ずる措置を講じておる例があるわけでございますから、これをできれば全国の県に実施していただけるように指導いたしまして、まず天災融資法が発動されるまでの間におきましては、これによって被害農林漁業者に対する金融の措置が講ぜられるように、今後各県にお話を申し上げてそういった制度を確立してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#42
○土屋義彦君 ありがとうございました。どうぞ統計調査部を督励されまして、早急にひとつ御配慮を賜わりたいと思います。
 時間もございませんのであと数点、簡単にひとつお尋ねをさしていただきたいと思います。
 関連いたしまして病害虫の問題につきましてお伺いさしていただきたいと思います。病害虫の防除につきまして現在どんなような措置がとられておりますか、簡単でけっこうでございますから、ひとつ御答弁願います。
#43
○説明員(加賀山国雄君) ただいまのお尋ねでございますが、病害虫防除は、御承知のように各県に病害虫防除所というのを設置いたしておりまして、それと同時に発生予察という仕事を相当やっております。どのような病気が出、虫がどのように出るかどいうことをあらかじめ予察いたしまして、それに対しまして必要な措置をとっておるわけでございます。末端は防除組織がだいぶ完備いたしておりまして、その組織が活動いたしまして必要な防除を行なう、そういうようなことでございます。
#44
○土屋義彦君 最近埼玉県でウンカが非常に猛威をふるいまして、農林省の農業技術研究所の奈須博士、ウンカの権威の方だそうでございますが、この方がわざわざおいでになって、たいへんびっくりされたというような話も承ったのでございますが、特にこの県では、ヒメトビウンカ異常発生緊急防除対策要綱を定め、防除費用の決定と防除経費の補助に乗り出し、被害を最小限度に食いとめることになったのでありますが、地方財政の困窮しておりますおりから、農薬費及びヘリコプターチャーター料を国庫で補助し、また高性能の緊急防除用器具の助成は、県に対しては助成されておりますが、これは市町村が実施した場合にも、補助対象としていただけるものかどうか、この点につきましてお伺いいたします。
#45
○説明員(加賀山国雄君) ただいま御指摘のヒメトビウンカの発生でございますが、ヒメトビウンカは昨年異常発生いたしまして、これまであまり異常発生したことがないのでございますが、どういうことか昨年異常発生いたしました。それの関係がまだ残っておるというふうにも考えられるわけでございますが、ただいま御指摘のように、埼玉に若干そういう発生を見ておるような状況のようでございます。ヒメトビウンカ等は、早く発見いたしまして防除いたしますと、わりあい殺虫効果があがるわけでございますので、埼玉県がおとりになりました措置は非常に適切であるというふうにわれわれ感じております。また、そういうことに対するいろいろな助成措置、特に機械等でございますが、これにつきましては、県有の機械というものを緊急発生用にずっと補助してまいっておりまして、現在の段階では、市町村の段階まで考えてはおりませんが、県有の機械を十分活用いたしましてそれに対応していただきたい、さように考えております。
#46
○土屋義彦君 アメリカシロヒトリの防除対策について、どういうような措置をとっておられますか。
#47
○説明員(加賀山国雄君) アメリカシロヒトリは、干害ということとはあまり関係はないかと思うわけでございますが、御承知のように昭和二十三年でございましたが、当時は進駐軍の治下でございましたが、アメリカから入ってまいりました。当時非常にわずかな県に発生いたしまして、これはたいへんだということで特殊病害虫の緊急防除という対策をとりまして、昭和二十三年から昭和三十八年まで、国も必要な経費に対しまして助成をいたしまして撲滅をはかってまいりました。しかし御承知のように、アメリカシロヒトリはたいへん繁殖力も旺盛でございますし、その害も非常に大きいわけでございますが、幸いにして昭和三十八年ころにはたいへん勢力が衰えてまいりました。というのは、全国的に発生を見ましたところで、おのおの各機関あるいは市町村でございますとか、あるいは各家庭におきましても、いろいろと防除等に協力をいただきまして全国的に下火となったわけでございますが、たまたま昭和四十年にまたちょっと発生するような気配がございました。さっそく昭和四十年の十二月でございましたか、次官等の申し合わせでございますが、各省の事務次官クラスが集まりましていろいろと打ち合わせをいたしまして、各省各省で必要な処置をする、そういうような申し合わせをいたしたわけでございます。それに基づきまして、発生を見ました都道府県でございますが、それに対しまして徹底的な防除対策をとったわけでございます。これは末端では市町村ということになりますが、各市町村がいろいろ防除対策推進本部みたいなものを設けまして、各地区の住民の方と協力いたしまして、早期に発見防除する、御承知のように、アメリカシロヒトリは年に二回、ツーサイクルの発生をいたします。まず六月ごろに一回、それから秋に一回、二回ございますが、秋のほうが被害が大きいわけでございます。できるだけ六月、七月のころの第一回目の防除を完ぺきにいたしますと、第二回目の発生期に非常に少なくて済む、そういうようなアメリカシロヒトリは生態的な特徴がございます。そういうことで四十一年の実績というのが、延べ人数にいたしますと、全国で三十万人といわれておりますが、三十万人の方方がこの虫の防除のために御協力いただきまして、非常に成果をあげたわけでございます。さらに四十二年も引き続きましてそういう傾向がございますので、ことしの二月に、やはり事務次官会議の連絡会議を開きまして、さらに続けてそういうような処置をとろうということに相なっております。そういうことで、ことしは特に農林省のほうといたしましては、事務次官から各関係機関に通達をいたしまして、アメリカシロヒトリの一斉防除週間と申しますか、そういうように徹底的に地域住民の方と協力をして撲滅をはかる、そのような処置を現在とっております。この処置によりましてかなり効果をあげるものと、さように期待いたしておるわけであります。
#48
○土屋義彦君 先ほど御答弁の中で、政府からの補助をして対策の一助にされておるといったような御答弁があったのでありますが、今年度の東京都のアメリカシロヒトリ対策の予算を見ますと、約一億円を計上しております。その中で国からの補助金は、わずか事務費の半額の四十万円でございます。これでは私は少し少な過ぎるんじゃないかというような気がいたしますが、その点。
#49
○説明員(加賀山国雄君) 先ほど申し上げましたように、特殊病害虫緊急防除によりまして、この仕事は、諸外国から非常に新しい悪い病気あるいは虫が入った場合に早急に撲滅をする、そういうことを主にいたしてやっておる仕事でございます。そのために、昭和二十三年以降、そういうようなことで三十八年まで約十五年でございますか、そのくらいの期間というもの、そういうことで撲滅をはかってまいりました。大体私たちの判断では、もう皆さま方地域住民の方々の御協力を得まして防除をする、そういう体制に入ってきた、そのように判断をいたしております。そのために、本来ならば都道府県あるいは市町村自体の経費でやっていただくということになろうかと存ずるわけでございますが、やはり国といたしましても必要なPR、あるいは県の方々が市町村へ参りまして、いろいろ防除のための指導をするための経費、そういうふうなことで防除のための指導費、そういう性格で予算を計上配分いたしております。すでに昭和四十二年は配分終了済みでございますが、その額がただいま御指摘いただきましたようなものでございます。非常に少ないのではないかという御指摘でございますが、われわれといたしましては、そういうふうな考え方に基ずいてやっておりますので御了承いただきたいと思います。
#50
○林虎雄君 私は、去る六月の十六日に、浅間山ろくの小諸市を中心に襲われた集中豪雨と降ひょう被害、それから翌々日、また追い打ちをかけるように県下各市町村に降ひょうがあったわけであります。大きな被害があったわけであります。この点につきまして、その対策を関係各省にお伺いをいたしたいと思います。
 長野に雨が降ったということでそういう印象を与えているようですが、御承知のように、県下全体から見れば、ただいまいろいろ質問がありました干害ということが県下全体の深刻な状態でございます。先ほど来、本委員会で各地にそれぞれ調査におもむきまして干害の御報告を承ったわけでありますが、私のお尋ねしようとすることは、結局、農業関係でありますから、干害対策というものと同じに、それぞれ国の補助なり国の対策なりと関連を持っている問題が多いのでありますから、ただいままで質問のありました点は省略をいたしまして、他の点を端的に承りたいと存じます。
 最初に、太田参事官から武内君の質問にお答えになったと思いますが、今回の干害の状況、それから御報告がありました全国的なひょう害――長野県の最近のも含めてですが、ひょう害の状況等を見る場合に、非常に被害額が大きいし、多数の府県にわたっておりますので、したがって、激甚災害の法律ですね――激甚災害に対処するための特別の財政援助法が適用されるのではないか、そういう方向であるというふうなお答えを承ったように感じておりますが、そのとおり理解してよろしいか。同時に、天災融資法の発動等も、干害、ひょう害――ひょう害といいますか、今度の集中豪雨の問題、これらを含めて天災融資法の発動等を一応考慮されているか、また、この可能性があるかという点を、何か私の承った印象では双方ともお考えになっているように承りましたが、そのとおり理解してよろしいかどうか承りたい。
#51
○説明員(太田康二君) 私が先ほど武内先生の御質問に対してお答え申し上げましたのは、農地が干ばつを受けました場合の応急対策事業につきましては、昭和三十九年に農林省と大蔵省間で取りきめました激甚災害の指定の基準がございます。その基準を四十二年度に適用してみますと、いままでの状況から見まして、大体三十九年度に準じて激甚災害の指定ができるのではないか。これは、ただし応急対策工事だけの問題でございます。したがいまして、先生お尋ねの、たとえば農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基づきます農地農業用施設、共同利用施設等、これがはたして激甚災害の指定基準に該当するかどうかというような点につきましては、今回の長野県だけの被害ではちょっと該当にはならないのではないか。なお、これらにつきましては、いずれにいたしましても、事業費の査定見込み額というのがすべて基準になっておりますので、これらが確定いたしませんと、発動できるかどうかということはまだ申し上げられないというのが実情でございます。
 それから天災融資法につきましても、天災融資法にも基準があるわけでございまして、これも全国被害の見込み額というものがわかりませんと、最終的に激甚災害の適用があるかどうかということも申し上げかねるわけでございまして、これらの被害の状況につきましては、これまた御承知のとおり、一応統計調査部の数字というのが基礎になりますので、これらの集計を待ちまして検討いたしたい、かように考える次第でございます。
 それからなお、天災融資法のひょう害についての発動云々の問題でございますが、これは昨日も衆議院の災害対策特別委員会で申し上げたわけですが、各県からの報告数字というのも、先ほどお示しいたしましたように相当額にもうなっておるわけでございます。それから統計調査部の数字も、先ほど御説明申し上げましたように、五月の中旬の分が五億四千五百万、それから五月の下旬と六月の上旬の分で二十二億四千万、これらを合わせまして考えた場合に、過去におきます降ひょうに対しての天災融資法の適用等を考えますれば、当然天災融資法は発動になるのだということで御理解をいただいてもけっこうでございますと、こう昨日も申し上、げたわけですが、大体財政当局ともそういうことで、天災融資法は発動するという方向で検討をいたしておるのでございます。
#52
○林虎雄君 農林省にあとで承りたいのですが、次に気象庁のほうにお伺いいたしたいと思います。
 六月の十六日の夕方からわずか三時間の間に百十ミリという大きな雨量が小諸市に降ったわけでありますが、これをあらかじめ予測することは、いまの気象学といいますか、そういうものからできなかったものかどうか、その点を……。
#53
○説明員(今里能君) ただいまの御質問でございますが、六月十六日の小諸付近の雷雨、これはひょう等もありましたが、これに対しましては、残念でございますけれども、長野地方気象台から注意警報は出ておりませんでした。全般的に申しまして、この小諸の雷雨によりますところの集中豪雨は、非常に集中的には強いものでございましたが、範囲が非常に狭いものでございまして、現在のわれわれの施設、能力をもっていたしましては、これを的確に時間と場所を示して注意報を出すなり、警報を出すなりということは困難であると存じております。以上でございます。
#54
○林虎雄君 これは新聞で承知したわけですけれども、雷雨の雲といいますか、約一万メートルの大きな雲の群が浅間山の上空といいますか、あの付近に発生しておるということは、東京管区気象台から長野地方気象台へ報告があったそうであります。それはたぶん気象レーダーからキャッチしたものであろうと思いますが、長野地方気象台へ中央から通報があった時にはすでに雷雨の降る直前で、どこへ連絡するにも間に合わなかったということを聞いておるわけでありますが、この点は一応、中央管区気象台ですか、東京管区気象台から長野気象台のほうへ通報があったと承知してよろしいでございましょうか。
#55
○説明員(今里能君) ただいまのお尋ねでございますが、これは富士山レーダーによりまして観測したものでございますが、特に梅雨、台風の災害シーズンにおきましては、観測回数を増加いたしましてウオッチをしておるわけであります。それでただいま御指摘のような一万メートルをこえるような雷雲がありますと、即刻その地元の関係各官署に通報するようにしておりますが、この六月十六日の場合に、確実に通報が行ったかどうかということにつきましては、私いまちょっと承知しておりませんので、後刻調査いたしましてから御報告いたしたいと思います。
#56
○林虎雄君 これは長野地方気象台のほうでは、通報がもっと早くあるべきではないかというふうに考えられておるようであります。ということは、富士山のレーダーから東京管区を通じて長野へ通報されるわけでありますけれども、その間に時間的な余裕、時間的なズレがあるために、少なくとも二、三時間前くらいには、通報があれば、どこにどのくらいの量ということはわからないにしても、一万メートルからの雷雲があるとすれば、通報すれば、ある程度の予防措置も、対策も、心がまえもできたはずであるけれども、それが間に合わなったということであろうと思います。富士山のレーダーだけが長野県の状況を観測することができるようでありまして、長野県の周辺には新潟、名古屋ですか、福井等に気象レーダーが設置されておるようですが、御承知のように、長野県はああした山岳重畳としている地帯でありますだけに、いずれも死角に入ってしまって、富士だけがキャッチできるということのようであります。したがって、この長野県あたりの災害というものは、平地とまた様相を異にいたしまして、今度の小諸の災害等を見ますると、用水等も堤防が決壊して、それが鉄砲水という形になって急流でありますから急激に流れてきて、そのために人家を失い、人命二人までも失ったというような惨たんたる状況を来たしたのであります。また同時に、農業災害はきわめて大きいので、あの地方は高原野菜の出荷期であります。出荷を目前にいたしまして白菜なり、あるいはレタスなり、あるいはキャベツなり、また、たばこ等も全滅してしまったというような状況になっておるのでありますが、そういうことを考えますと、的確に気象状況をキャッチしても、これを避け得たとは考えられませんけれども、しかし人命など、あるいはそういうようなことを考えますと、早くキャッチすることができれば、ある程度の予防措置ができたのではないかというふうに思われるわけであります。
 そこで、このレーダーでありますけれども、全国に何カ所あるかしりませんが、長野県のような特殊地帯といいますか、山岳の中に盆地として、あるいは谷間としてありますだけに、やはり長野県の気象状況というものは、日本海へ流れる川、太平洋へ流れる大きな河川もありますだけに、災害も非常に起きた場合は深刻でありますだけに、気象レーダーの設置が必要だろうというふうに考えますが、この点は予算の関係もありますから、大臣等に承らなければいけませんが、気象庁としてのお考えを承りたい。すなわち、長野県に気象レーダーは、むしろあの地形から見てぜひ必要ではなかろうかというふうに私は思うわけでありますが、気象庁の立場からお答え願いたい。
 それからもう一つお聞きしたいのは、ロボット雨量計でありますが、今度の場合は雨量計があっても、あるいは間に合わなかったかと思いますが、雨量計をもっとたくさん設置することによりまして、それが即時に地方気象台へ通報があるわけでありますから、雨量の状況が山奥であった場合は、すぐにキャッチして対策が立てられるということでございます。長野県にも若干雨量計があるようでありますが、これをもっと増設することが必要ではないか、これは前の災害のときを契機といたしまして、農林省なりあるいは建設省でありますか、気象庁と協力をされまして、こうした雨量計の設置ができたと思いますが、きわめて数が少ないわけです。少ないために各所に起こる災害を適切にキャッチできないということになるわけでありますから、このロボット雨量計というものを、長野県のみならず、そういう広い地帯へもっと増設する必要があるようにしろうととして考えるわけでありますが、その二点を承りたいと思います。
#57
○説明員(今里能君) お答え申し上げます。
 気象レーダーにつきましては、全国で約十五、六カ所現在ございます。それでこれだけのレーダーをもっていたしましても、まだ日本全国をカバーすることができませんので、その残った陰になる部分をカバーするために、長期計画に基づきまして東北地方、それから山陽地方に設置することを考えております。しかし、そういう大きなスケールのネットワークを完了いたしました後に、ただいま先生御指摘のような、たとえば長野県のような山岳地帯の、局地的な小さなレーダーをつけるかどうかということは、慎重に検討して、長期計画に乗せるように私ども考えております。
 それからレーダーの点につきまして、ついででございますが、レーダーは、雷雲が発生いたしました状況は、雷雲から雨が降ってまいりませんとキャッチできませんので、御指摘のあったように若干の通報のおくれがあったかと思いますけれども、実際に雨つぶが落ちてきまして、初めてそれがわかるのでございます。それからまた雷雲の発達の速度というものは非常に早うございまして、大体一時間ぐらいで発達してしまうという、こういう状況でございますので、富士山のレーダーは非常に有力な武器ではございますけれども、それからまた書き漏れのないようにウオッチを十分気をつけてあるのでございますけれども、そういう通報がおくれるというような不手ぎわも、これは事の性質上予期されないことではないのでございます。
 それから第二点のお尋ねのロボット雨量計でございますが、これは私正確には記憶しておりませんけれども、気象庁のロボット雨量計は、全国で約三百カ所展開されておりまして、ネットワークとしてはわりあいに稠密であると思いますけれども、なお集中豪雨等の小さな擾乱に対しましては、その網の目から漏れるやつがございますので、御指摘の点は、上司並びに、このレーダーなりロボットなりを担当しております部局によく連絡をいたしまして、遺漏のないように、御指摘の線に沿いまして措置をいたしたいと存じます。
#58
○林虎雄君 お答えいただいてありがとうございました。レーダーなどは現在二億円ぐらいかかるそうでございますね。それからロボット雨量計は幾らもかからないようでありますから、長野県の場合などは、ああいうふうに天竜水系、木曽川水系、千曲川水系と、非常に大きな河川の源流があるわけでありますから、雨量計などは現在十三カ所あるようでございますが、とてもこんなことではしかたがないと思います。これは長野県だけの例を申して恐縮でありますが、似たような地域については、もっともっと気象庁はがんばっていただいて予算を獲得していただいて、そうして災害をできるだけ小範囲にとどめるような役割りをしていただきたい。そうなりますと農林災害なりあるいは土木災害なりも比較的軽易に、比較的救われる点もあるのではなかろうか。ですから私は、気象庁の予算獲得に対しまして、もっとがんばっていただくように上司のほうとお打ち合わせを願いまして、今後の対策を進めていただきたい、これを希望いたす次第でございます。
 農林省にお伺いいたしますが、かんがい対策でありますけれども、いろいろ先ほど来お話を承ったのでございますが、御承知のように、終戦直後の食糧増産ということで、全国民が食糧対策ということに力を集中いたしました。その一つのあらわれとして、全国にため池を、温水ため池等をたくさんつくったわけであります。これは非常に今日としては渇水対策にいたしましても、あるいは温水ため池でありますから水温の上昇等で米の増産に大きく寄与しておるだろうというふうに思われるのでございますが、当時は、何といいましても米を中心に増産ということに力を入れてまいったのでありますが、最近の社会的な食糧事情といいますか、が変わってまいりますとともに、畑作関係にかなりウエートがかかってきておるように日本の農業の傾向が考えられるわけであります。そういう場合に、畑作、畑地かんがいというものに対しては、口ではいろいろ言われておりますけれども、まだ具体的な対策というものは、日本としてはかなり立ちおくれておるのではないかというふうに考えますが、その畑地かんがい用にしても、あるいは米の食糧増産にしても同じでありますけれども、もっともっと当時と同じような考え方のもとに、農林省はため池の設置に力を入れていくべきではないか。ため池をつくるということになりますと全国、大きなため池は少ないでありましょうけれども、中小のため池などはたくさんできる。このため池ができれば今度のような干害対策といたしましても、畑地かんがいにいたしましても、あるいは災害を未然に防ぐ大きな役割りをいたすわけでありますから、現在のため池設置に対する農林省の方針というものは、戦争直後から比べますとかなり少なくなっていると思いますが、その状況と今後のお考えをひとつ承りたいと思います。
#59
○説明員(佐々木四郎君) 畑地に対します土地改良事業と申しますか、かんがい設備の弱いことは、御指摘のように日本ではいままで畑地に対しましてかんがい設備があまり行なわれていない。そのために今回も、先ほど御指摘のようにかなり干ばつ等も起こっておる。これは御指摘のため池というような手段でかんがいするということだけでなしに、その他の、たとえばポンプ、そういうものも使いまして、できる限り畑にかんがいをという線で最近非常に全国的にこの仕事が進んでまいってきております。これは一つには、現在畑として残されているところは、かつて水田ができないために畑になってしまったというような、そういう歴史的な経過もございまして、畑にかんがい設備をつくるということは、技術的にかなりむずかしいことが多い。いまでは百メートルあるいはそれ以上の高いところまでポンプで水を揚げまして、樹園地その他の蔬菜、そういう畑作に対しまして、あるいは砂丘地、こういうところにかんがい設備を行ないました結果、全国にこういう地帯の、いままでの非常に零細な貧しい畑作農家が百万以上の所得を持つような農家にまで発展している前例がたくさん出てきております。ため池はもちろんその中の重要なかんがい設備の一つでございますけれども、これはその畑の地形に応じまして、ある場合にはそういうため池、ある場合にはポンプというようなことで進めてきておりました。また最近におきましては、そういう水源設備だけでなしに、末端の水路、パイプ、そういう設備に対しましても補助をしていくという制度もつくられておりまして、畑作振興に対しまするかんがいの役割り、これを非常に重視いたしまして遂行している次第でございます。
#60
○林虎雄君 アメリカのカリフォルニア州でやっているような、畑にずっと大きな鉄管を持ってきてかんがいしているという、そういうことは理想でもありましょうが、日本ではとてもそこまでのことは、まだ大規模なものは考えられないでしょうが、その前提として、とにかく流れる水を貯水しておくことが必要ではなかろうか、でありますから、もっと水をたくわえることが、水田のかんがいにしてもあるいは畑地かんがいに役に立つ、あるいは防災になるという意味で、もっともっと前と同じような意欲を燃やして、ため池の設置について力を入れたらどうか、こういうことを申し上げたわけであります。
#61
○説明員(佐々木四郎君) 大体かんがい用の貯水池と申しますのは、いままでやってきておりますもの、あるいは今後もそうだと思いますけれども、なるべく大規模に地域をとりましてその地域全体の水田、畑を伺わず、かんがい設備をつくっていく、といいますのは、貯水池というものが、かんがい水源施設としては比較的建設費用のわりあいに高くかかる部類に属しますので、なるべく広範囲に地域をとりまして、大規模に計画をつくっていくというような趣旨で進めている。で、小規模な小さなため池は、従来昔から日本にもたくさんございますけれども、今後新たに進めていくのには、小さな団体営級の、数十町歩あるいはそれ以下の小さな規模のものにつきまして余分の水をためて、その水をかんがいに利用するということは、確かに効果的でございますから、もちろんそのことが可能な場合、そして経済性の成り立つ場合には、そういうことも当然やってきておりますけれども、先ほどから申しますように、こういうことは技術的に、その地形、地理条件、あるいはそこの農家の経営状況、そういうものを考えましてケース・バイ・ケースでやってきておりまして、全体的にはこういう仕事を強力に今後も進めていきたい、こういうふうに考えております。
#62
○林虎雄君 小諸の災害対策について、農林省と建設省にお伺いいたしたいと思います。先ほど他の方の質問でお答えになったわけでありますが、今度の災害に対して、十六日の夜発生したわけでありますが、十七日には建設省と農林省といち早く現地に係官を派遣していただきまして、このような調査報告をいただいたわけでありますが、このようにスピーディーに今後の復旧対策を進めていかなければならない。特に植えつけなどの関係は、国で急速に復旧対策を進めて査定等がもう急速に行なわれていけば、ことしの作付にも間に合うという個所が相当あるようであります。したがって、復旧事業につきまして至急に査定を進めてもらいたいと思いますが、その御方針について承りたい。
#63
○政府委員(古賀雷四郎君) 今回の小諸の集中豪雨による被害につきましては、河川、道路等被害がございましたが、特に河川で、繰矢川、あるいは繰矢川の支川の乙女川、北川、吉田川、ここが災害を受けております。これらの災害を早急に復旧することは、先生の御指摘のような点についても大事なことでございます。先ほどお話がありましたように、十七日に現地に派遣いたしまして、大体、これに対する査定の方針その他につきまして、現地と打ち合わせております。たとえば乙女川災害は、非常に多うございますが、一定計画に基づく災害復旧をやったらどうかというような査定の打ち合わせをやっております。そういうことで、現地でそれに基づく設計を立てておりますので、設計の終わり次第、われわれとしましては査定官を早急に派遣いたしまして、できるだけ先生の御趣旨に沿うような方向でやってまいりたいというふうに考えております。
#64
○説明員(佐々木四郎君) 農林省の関係でございますが、御承知のように、災害復旧の、緊急工事の、復急工事の着工につきましては、査定前の着工の必要のあるもの、これにつきましては、県や地方農政局の出先と協議いたしまして、そういうものをやっても差しつかえないということにいたしておりますので、今回の小諸の水害につきましては、六月二十七日から四日間、第一回の現地査定をいたしまして、その結果によりまして、至急手を打ちまして、植えつけに間に合うようにいたしたい。
 なお、ただいま、河川のほうのお話がございましたけれども、河川改修等々、特殊なものにつきましては、よく河川局とも御相談いたしまして、なるべく早急に、復旧できるように進めたいと思います。
#65
○林虎雄君 農林災害でも、土木災害でも同じでありますが、大体、復旧ということは、原形復旧ということを一応考えておられるようでありますけれども、原形そのものが今日ではかなり古いものになっているし、したがって、災害が起これば脆弱であるから、また再災害をこうむるというようなことになるおそれがありますが、いまの建設省なり農林省の方針で、原形復旧よりもむしろ、その場所により実情によりますけれども、できるだけ改良復旧というか、近代的な復旧にすることが好ましいと思いますが、いまの方針はどんな状況でありますか。
#66
○政府委員(古賀雷四郎君) 災害復旧をやります場合には、再度災害を受けないような形で考えてまいりたい。したがいまして、たとえば先ほど申し上げました乙女川等につきましては、災害額は一定計画に基づく改良復旧の場合の額には満たないのでございますが、大体八〇%程度でございますが、それを一定計画に基づく改良でやっていきたい。それからなお、繰矢川その他の河川につきましては、災害関連費用を入れまして、改良計画に基づく復旧をやっていくというように考えております。
#67
○説明員(佐々木四郎君) 農地、農業用施設等が災害を受けたときに、これを原形復旧するだけでございませんで、再災害を受けるおそれのある場合には、これに改良を加えて復旧する制度、復旧してもいいという考え方をとっておりまして、そういう場合には、関連工事等そういうものをあわせまして復旧工事をいたしていく。今回の場合も、先ほど申し上げましたように、現地査定の結果、それらの事情がはっきりいたしますれば、そのような措置をとりたいと思っております。
#68
○林虎雄君 農林省で自作農維持資金の貸しつけの特別ワクといいますか、そういう方針について承りたいとともに、先ほども土屋さんですか、ちょっと御質問がありましたが、農業災害補償に基づく共済金の概算払いといいますか、早期に払うという問題について、再保険の概算払いですね、これに対するお考え、早急にやるという方針であるわけですね。その点をはっきり承りたいと思います。
#69
○説明員(太田康二君) 自作農維持資金の、災害を受けました場合のワクの設定につきましては、先ほど来御説明申し上げましたように、一応、天災融資法の発動がございますから、これと並行してと申しますか、自作農の維持資金のワクを設定するということにいたしておるのでございまして、ひょう等の被害の場合、先ほど申し上げましたように、近い機会に天災融資法の発動を見ると思いますので、これについて当然、自作農維持資金のワクというものも増額されて、それぞれの被害県に割り当てられるというふうに御理解をいただいてけっこうかと思うのでございます。
 なお、貸し付け手続の迅速化につきましては、毎度御指摘がございますが、そうした内容の詳細について私も承知いたしておりませんが、確かに簡素化してできる限りスピーディーに貸せるというようなふうになっておると理解をいたしております。
 それからひょう害で共済金の早期支払いについての措置はどうなっておるかというようなお尋ねでございますが、この点につきまして農林省といたしましては、被害県及び共済団体と連絡をとりまして、必要に応じて共済金の仮渡しまたは再保険金の概算払い等の措置を講ずることといたしておるのでございまして、そういった準備はすでにできておるわけでございますから、要請がございますれば、それに応じて処置してまいりたい、かように考えております。
#70
○林虎雄君 小諸の災害ですけれども、特殊災害といいますか、そういうふうに考えられるのでありますが、肥料とか農薬の補助についてどうお考えになっておりますか。
#71
○説明員(太田康二君) お尋ねの肥料、農薬等に対する助成というのは、かつては確かにあったのでございまするが、御承知のとおり、いろいろな理屈がございまして、たとえば先ほどの電力料あるいは燃料費等と同じように、通常に使用したものと、災害のために特別に使用したものとの区分がなかなかできにくい。そのために、実は会計検査院等で非常に不正不当使用というようなことで指摘を受けたというようなこともございましたし、ものによっては非常に少額補助金であるというようなこともございましょうし、さらには、こう申し上げると多少問題はあるかと思いますが、御承知のとおり、現在の天災融資法というものは、そういった肥料とか農薬等の次期作の経営資金に対する融通というようなことでございまして、これで一応の措置はいたしておるというふうに考えますので、今日におきましては、いまお尋ねのような生産資材に対する助成というのは、国の段階では実は見てない、こういう実情でございます。
#72
○林虎雄君 自治省にお伺いいたしたいわけですが、長野県では現在県議会が開催されておりまして、たまたまこの大きな災害が出たので、とりあえず豪雨、ひょう害対策というので一億七千万円の予算の追加をしたようであります。県のみならず、関係市町村はいずれも応急対策に予算を計上しておると思いますが、地方財政は御承知のような窮迫した状態でありますだけにたいへんだと思います。これは特交等で当然配慮されるべきだと思いますが、現在 自治省に対しまして関係市町村から具体的な陳情、要請等はあるいはまだないかと思いますが、今後の考え方につきまして承っておきたいと思います。
#73
○説明員(山本成美君) ただいま御質問になりました災害の内容は、端的に申しまして二つあるわけでございまして、一つは、集中豪雨による被害、すなわち公共的な施設についての被害でございます。これに対する財源措置をどうする、それからもう一つは、経済的な被害と申しますか、降ひょうによります災害に対する財源措置をどうするという問題と、二つに分かれるかと思います。
 前者につきましては、国の補助を得ましてやります場合と、それから単独で地方公共団体がやります場合と、二つございます。中でも、公共土木施設等の場合と、それから農林用の施設についての場合と、これはまあ財源対策として若干違った見方をしておりますので、さような区別はよくないわけでございますが、いずれにいたしましても、そのような区別の特性に着目いたしまして、さしあたっては地方債で公共土木施設につきましては一〇〇%見てまいる、それから農林用の施設につきましては七〇%見てまいる、大体かような考え方で、基準によりまして地方債の措置をいたしたい、かように考えておる次第でございます。それからなお特別交付税によりまして若干の措置をやってまいる、これにつきましては、例年やっておりましたような財政対策のルールがございますので、これに基づきまして、特別交付税によりましてもただいま申し上げましたような措置をしてまいりたい、かように考えております。
 それからなお、後者のほうの降ひょうによる被害の問題でございますけれども、これにつきましては、特別交付税によりまして、市町村、府県、いずれに対しましても、十分とは必ずしも申せられないかもしれませんが、措置をいたすつもりでございます。以上でございます。
#74
○林虎雄君 それぞれお答えをいただきましたが、どこでも災害にあったところはそうでありますけれども、被災者はぼう然自失といいますか、どうすればよいかということで不安動揺をしておるわけであります。特に小諸の場合には、十六日には雷雨で最初ひょうが降って、あとが雨に、豪雨になり、それから一日おいて十八日には、再びその小諸を含めてひょう害があったというようなことで、たたきのめされたような深刻な気持ちでおるだろうと思います。したがいまして、地元の市町村はもちろん県なりが早急にこの立ち上がり対策を講じておると思いますが、何といいましても国の積極的な動きといいますか、積極的な対策が進められることで初めて被災者の安堵と、また立ち上がる意欲を持つわけでありますから、前にもお願いいたしましたように、特に農林、建設両省におかれては、現地の調査、査定をできるだけすみやかに進めていただきまして、地元の立ち上がる契機を早く与えていく、立ち上がる意欲を早くかり立たせていただくように努力を希望いたしまして終わりたいと思います。
#75
○小山邦太郎君 ことしは広範な地域にわたりまして、あるいは干ばつあるいは水害等がありましたが、先刻来その地方地方を視察されました武内君、土屋君によって現地の実情に即した質問があり、これに対してお答えもありました。共通した問題はこれを省きますが、ことに私は四阿山ろくの小諸地方を中心としての災害について、すでにこれは建設省はいち早く河川関係について、また引き続いて農林省のなにで、それぞれ調査が進められておるので、むしろお礼を申し上げる立場でありますが、先ほど来林委員によって御要望申し上げておることはことごとく私も同様の希望を持っているので、これに対してのお答えもありましたから、これは繰り返しません。ただ激甚災害法については、大体まあそれを適用できるであろうという程度のお話であって、まだ確実には言われておらない、そういうわけですか。
 それから融資については、天災融資法についてはこれはもうよろしいと言ってもよかろう、しかし、融資法の適用を一刻も早くしたいという、その方法としては、県に一つ同様の条例をつくらせて、そのあと始末をこっちでやると非常にこれは早いと、非常にいいお考えであると思いますが、これは長野県においてすでに行ない得るように指令をしてありますか。あるいはすでにそれを行ないつつあるのでございますか、これをお尋ねします。
 それから、先ほど河川関係について、もう時間がないから私はかいつまんで申しますが、これは災害復旧でなしに改良工事で進もうという方針でおられるものと承知してよろしいですな。それをまた希望します。
#76
○説明員(太田康二君) 私が申し上げましたのは、全国的に広がってまいりました干ばつの被害の問題でございまして、これにつきましては、昭和三十九年度に大蔵と農林との間で、激甚災害指定の基準を、これは激甚法とは関係なしに補助率四割を五割にするためにつくった基準があるわけでございます。最近各県でおやりになっておられます応急対策工事費の数字等を見てまいりますと、もうかなりの額にもなっておりますから、今後も気象等を考えますと、干ばつの事業もさらに、こう申しては非常に不幸なことでございますが、ふえてくる可能性もありますので、激甚災害の指定の可能性が非常に強いのではないかということを申し上げたのでございまして、今回の小諸等の水害につきまして激甚法が適用になるということはちょっと無理かというふうに思います。
 それから天災融資法が発動するまでの間の措置といたしまして、各県で天災融資法に準ずる措置を要綱なり条例でとっていただきたい。すでに二十二県についてそういう制度がありますと申し上げたわけですが、長野県についてはその制度があるわけでございますので、われわれのほうも、ひょうにつきましては、昨日も明らかにし、きょうもここで明らかにしたわけですが、財政当局とも大体話し合いがつきまして、天災融資法を発動するということになっておりますので、最終的には統計調査部の被害がまだわかっていない部分が一部ございますので、これらが明らかになって発動するということでございますが、長野県にはすでに制度があるそうでございますから、できればそれを直ちに発動していただいて、私のほうの制度が発動になりましたらそれに乗りかえていただくということが適当ではないか、かように考えております。
#77
○政府委員(古賀雷四郎君) 一定の計画に基づく改良計画のもとで復旧をやっていきたいというふうに考えております。
#78
○小山邦太郎君 これは話は違いますが、松代の震災対策について、総理府ではいち早くこれが対策本部を設けて、そしてそのやり方は、法規、慣例ばかりによらないで、大かたの金額を知事に責任を持たして適切な措置をとらしたことがある。それとこれとは違いますが、何としても早くやるということは人心安定の上から非常に大事である。それがためにも県のほうに、おれのほうで心配するからこれに準じたものを早くやれという指導方針は非常にけっこうだと思うのです。どうかそういうことで各方面ともおやりを願い、ことに災害救助に対する保険支払いですか、共済支払い金などは仮渡しをやる、これは非常によいやり方だと思うのですが、そういう方向で御指導になっておることをいち早く具現して、そうして、先ほど林君の言われたように、非常に人心が動揺しておるので、わずかなことでも災害を受けたときにあたたかい手が伸びたということになると精神的な安心が大きいのでございます。現に災害を受けた翌日にもうすでに自衛隊がやってきて、六百人、七百人の人が働いてくれる。その実績もさることでありますが、その気持ちというものを受けて非常に安心するわけでございますから、先ほど来おことばをちょうだいしましたが、おことばが直ちに具現のできるように御心配いただくことをお願い申し上げます。
 それから総理府に、あのときでもでしたが、中央防災会議というものがある。これは今度の各地における干ばつ、水害、ひょう害等に対して、一体どんなように会議が働いておるか。何回やり、どういうふうなこの会議によって新しい動きができたのか。今度のことでは、かつて松代の震災に対して新しい構想で臨んだような、われわれに聞かしてもらうような会議の新しい結果というものが出ておるのかおらぬのか、これをひとつお聞かせ願いたい。
#79
○説明員(森宏太郎君) 私、総理府と内閣を兼任しておりますが、中央防災会議の今回の災害に対する対応につきましては、中央防災会議の事務局の担当参事官が参っておりますので、担当参事官のほうからお答えをいただきたいと思っておりますけれども、干害対策につきましては、先ほど土屋先生の御質問に対してお答え申し上げましたような形で、中央防災会議とは別個に内閣におきまして干害対策の関係各省庁の連絡会議あるいは関係閣僚会議を開催いたしまして、総合的な対策を講ずるような体制を現在整えている段階でございます。中央防災会議につきましては、上田参事官のほうから。
#80
○説明員(上田伯雄君) 干ばつ対策につきましては、いま御説明をいたしましたとおりでありますが、小諸地方の今回の集中豪雨につきましては、政府として特に協議会のようなものを設けるというようなことはいまのところいたしておりません。
#81
○小山邦太郎君 先ほど来いろいろ伺いまして私が感ずることは、林君のそのため池問題についても、これはなかなか簡単にはいかないことだけれども、とにかく水を流しちゃったのじゃ、水が足りないのだから流さないでとめておいて初めて対策ができるので、海へやっちゃってから対策をしようといったって、そこからポンプで取るわけにいかない。さればといって、これは地域でよほど考えないと、粘土地帯とそれから火山灰地帯で相当これは金のかかる問題で、金がかかってそろばんとれるかとれないかということも考えなければいけないが、これはそろばんだけでもいけないですな。なかなかそろばんに走って、工事が不十分であるというと、干ばつ対策が今度水害の源をこしらえるというようなことにもならぬとも限らない。これは決壊して下のほうで非常な災害が起きたということがあるのですからね。これはひとついろいろ考えて、これは委員長、ひとつ問題として委員長に提起して、この委員会でひとつ各党派を超越して考えることじゃないか。というのは、ああいうような大事な質問があっても、予算の制限があるし、どうもそれはなかなか言ってもうまくいかない。小さいことをやったってどうもそろばんがとれないということはもっともだと思う。そこで、こう年々歳々災害が起きてくる。外敵を防ぐには防衛庁というものがあって、しかもそれでも自由国家群との間のつり合いやいろいろのこともあって、すぐ敵は攻めてきそうとは思えないけれども、年々これは増すべきものは増さなければならぬ。しかし、国内における災害は年々繰り返して、むしろ増額しても減ることはないではないか。その源は何にあるかというと、山と川にある。で、ことしの予算を見ましても、予算は膨張して、道路にしても住宅にしてもやっておるが、都市集中がまずいまずいと言いながら、ことごとく都市集中になってきておる。これはなぜかというと、これもやらないわけにいかない。切実に悩みをかかえているから、悩みを救わないで理想を訴えておったって、一方は青ざめちゃうのだから、それに対する対策を、注射でもどんどんやらなければいかぬけれども、それは理想がない。そこで災害が起きてから対策をあわてることも大事だけれども、対策を、防除防除と言っておるのですから、防除の根本策をわが参議院における特別対策でそういうことをひとつ取り上げて、一体、根本的にこの災害を減らすことにするにはどうしたらいいんだと、これは私は一つには、ことしの予算を見ても、河川などはもっとよけいやらぬといかぬと思うが、わりあい伸びてない。しかもその河川は、一級河川は、大きいところはだいぶよくなってまいりました。このごろの集中豪雨とかなんとかいう災害を見ると、大かたは中小河川である。そしてその中小河川に対しては、国の負担というものは少なくて、先ほどのお話でも、自治体が非常に貧弱になっている、手がつかぬ。これはむしろ国費をもっていってどんどん国土保全のために使わなければならない。それは私はできた災害に対して懇切丁寧にいろいろ心配してやることは当然のことだが、できる前にこれを防除するためにはどうしたらいいか。外敵を防ぐのに防衛庁があるように、国内の災害を防ぐためには私はもっとでかいひとつ構想のもとに、国土保全省のようなものをぶっ立てて、そうしてそれは何といっても山と川とが結びつかなければだめです。これはもう農林省だ、建設省だなんという、こういうことにこだわっていないで、そういうことが私はこの各党あたりが共通の立場に立って、そうしてひとつここらで研究して、共同提案でも何でもいいから、ひとつそういう根本的の対策を立てて国土を保全するということはもう非常に大事なことで、そしてそれは山のことは山の収入でやれなんと言っても、独立会計なんかはできはせぬ。いまの林野庁などで非常に骨を折っておられるけれども、もうそれまで手は伸びないで赤字なんです。今日の災害を当然救済するのでなければならないが、今後ますます多くなるであろうということを思いますれば、どうしても山に国費をもっと使わなければだめだ。しかも、代議士は何かというと、人口のないところは代議士は出ていないから、山なんか代議士は出ないから、山のことを心配する者はない。だからどうしても山と川のほうを結びつけて、国策として一年の国家収入の何%はこっちへ持っていって使うのだといえば山の奥のほうにまで手が入る。林野庁をどんなに鞭韃しましても、おまえのもうけでおまえのことを始末しろというようなことではだんだん悪くなります。しかも、それでは林野庁がかわいそうだ。いままで戦争で――そのとき林野庁独立しろといって私骨を折った一人であるがあのときは山からとった金は山へ返すということだったから独立したけれども、戦争のほうでどんどん取られてからになっちゃって、そうしていまさら制度だけでもって策はないという。これはひとつ委員長、お考えくださいまして、われわれは、災害を受けてこれを防ぐことばかりにきゅうきゅうとしていることも大事だが、それ以上に、先ほど武内君の話といい、土屋君の話といい、林君のお話と申しましても、質問に終わらせただけではもったいない。そうしてこの質問の答え、この答えだけでは実際の答えは出ないのです。どうか一つ、この残念な災害に見舞われているわれわれは、国土保全をして、ほんとうに民生を安定せしめる方途を講じたい。それがためには、ひとつそれを題材としてこの委員会で研究することができないものかどうか。これをひとつ委員長にお尋ねして、きょう別にしようとは思いませんが、御研究をわずらわします。以上です。
#82
○委員長(伊藤顕道君) ただいまの小山委員の発言については、私ども、かねがね全く同じ考えを持っているところでありますので、委員長としてもその心を体して十分検討したいと思います。
 本件に対する質疑は本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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