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1967/03/28 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1967/03/28 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和四十二年三月二十八日(火曜日)
   午後一時十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                吉江 勝保君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
    委 員
                木内 四郎君
                楠  正俊君
                小柳 牧衛君
                鈴木  壽君
                松澤 兼人君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (衆議院議員総選挙の施行状況等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) それではただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法改正に関する調査として、先般行なわれました衆議院議員総選挙の施行状況等に関する件を議題といたします。
 まず、自治省から報告を願います。降矢選挙局長。
#3
○政府委員(降矢敬義君) お手元に「衆議院議員総選挙、最高裁判所裁判官国民審査結果の概要」を配付してございますが、先般の選挙は、十二月二十七日に解散になりまして、八日公示、二十九日行なわれたわけでございます。で、何ぶんにも正月及び冬期に行なわれた選挙でございまして、このような選挙は、昭和三十年以来十二年ぶりでございました。積雪地帯もあり、かたがた正月以来豪雪もありましたが、当日は全般としては天気もそう悪くなく、有権者総数は六千二百九十九万人ございましたが、このうち投票に参加した者は四千六百六十万人……、(吉江勝保君「説明のとき資料があるなら資料についてやってくれぬかな、どこの何ページだということがわからぬ」と述ぶ)はい。三ページ、投票結果というところをごらんになっていただきたいのです。投票当日有権者数は、男女とも合計いたしまして六千二百九十九万二千七百九十六人でございます。で、そのうち投票に参加いたしました者が四千六百六十万六千四十人でございます。投票率は七三・九九%ですが、それが次のページの――四ページであります、四ページに各県別の投票率が書いてございまして、合計、一番最後の欄で七三・九九%で、前回に比較いたしまして、一番右の欄の(A)マイナス(B)が二・八五%増加しております。これは、かなり報道機関を中心といたしまして管理委員会もあわせて啓発活動の推進ということがあずかって力があったと思いますが、何といいましても、国民全般の政治に対する関心の結果だと思っております。
 五ページに、投票率の上位県をずっと山梨県から静岡県までの十位を並べてございます。それから6に、特に今回の投票率の高まった一つの原因といたしまして、七大都市の投票率が非常に高くなったことでございます。たとえば、非常に高くなりました横浜市でございますが、今回は(A)の欄で六三・一五%、前回は五二・四九%で、差し引き一〇・六六%の上昇がございます。いずれにいたしましても、前回に比べまして今回の七大都市の投票率がいずれも六割台をこえておるということが今回の一つの特色でございます。
 それからもう一つ次のページにありますが、男女別の投票率を二十二回の選挙から今回まで十回のやつを見ましたが、この一番右の欄で、男女投票率の差というのがございます。それは今回が一・四八%で、ずっとだんだんとこの差が縮まってまいりまして、今回は戦後一番差の低い状況でございます。
 それからその次は、立候補者の状況でありますが、これが第一表に書いてございます。今回は、御案内のとおり、前回のあれと比べまして定数は四百八十六人で十九名ふえたわけでございます。で、立候補の状況は、その表に各党別に書いてございますが、競争率は、一番右の欄で、結局全部で今回九百十七名、前回も九百十七名でございまして、競争率は〇・一%落ちたかっこうになっております。党派別にはそれぞれ書いてございますので、省略させていただきます。
 それから次のページは二ページでありますが、この二十二回選挙、戦後二十一年の四月から今回までの十回における候補者数とその競争率を示してございますが、今回が一番少のうございます。
 それからその次の3に、党派別の候補者数の割合を書いてございまして、今回は下から二番目で、自民党以下候補数とその割合を示してございまして、あと前回との比較がそこに書いてあるわけでございます。
 それからその次は、少し飛びまして、当選者の状況でありますが、この表の七ページに、新、前、元、計というかっこうで各党別に書いてありまして、自民党が二百七十七、社会党百四十、民社党三十、公明党二十五、共産五、それから無所属九、カッコは婦人の当選数でございます。計七名でございます。
 それから次の八ページは、年齢別の当選者数でありますので省略させていただきまして、その次九ページであります。九ページは戦後の党派別当選人員の調べを二十二回選挙から今回まで出してございます。今回の分は自民党二百七十七は五七%、百四十人の社会党は二八・八%、以下ずっと書いてありまして、増減の数字が書いてございます。
 それから次のページの十ページは、新、前、元別当選者数の二十二回選挙からの状況をお示し申し上げました。今回は新人は百二人で、割合としては二一%、前回よりも相当高くなっております。前議員は七割でありまして、元議員は八%という結果になっております。
 それから十一ページの12は、戦後の党派別当選率についてであります。これは候補者に対して当選率をお示しいたしたわけでありますが、これは省略させていただきます。
 それからなお十三ページをごらんになっていただきますと、婦人の当選率につきまして二十二回選挙から今回までの全部集計いたしましてそこにお示ししてあります。今回は先ほど申し上げましたとおり、十五人で七人の婦人議員が当選されております。
 それから十四ページでございますが、十四ページはこまい数字で恐縮でございますが、これは都道府県別に見ました党派別の得票数でございます。それで全体の集計したものが実は次のページの十五ページでありますが、これを見ていただきたいと思うのであります。
 これは戦後の党派別得票数で、各党別にお示し申し上げたわけでありますが、今回は自民党が二千二百四十四万七千八百三十八・三三五ということで、四八・八%。以下そういう計を(B)欄に書きまして、前回の三十回選挙との得票数の増減を絶対数で比較欄にお示ししておいたわけでございます。
 それからその次は、この投票の有効、無効票の点を十六ページにお示しいたしたところであります。十六ページごらんになっていただきますと、投票率とその投票総数、有効票、無効票、その割合、今回は一・二九%で、前回の無効投票率よりもやや高くなっておるわけでございます。
 以上のようなのが大体の概数でございまして、なお、選挙の管理執行上若干問題になった点を御報告申し上げておきたいと思います。
 一つは、今回の選挙は何といいましても豪雪地帯、寒冷地帯において相当選挙管理執行上困難な事情がございました。特に正月を前にはさみ正月以降、特に一月八日並びに十五日から十八日ごろにかけまして、ちょうど選挙運動の一番ピークといいますか、盛り上がってきたときに、豪雪地帯においては相当の積雪量を見ましたことは御案内のとおりでございます。これは、管理する管理委員会といたしまして、公営施設特に選挙運動用ポスターの掲示場の維持管理に非常に困難を来たしたのでございます。それで、一日たてば雪に埋まってしまうというような状況で、また同時に雪のためにある程度機動力が阻害されまして、結局人手による管理というものをどうしてもやらざるを得なかったという点が、一番やはり現地としては困ったようでございます。私も新潟、秋田の豪雪地帯を視察させていただきましたが、まさにそういうことで、しまいには掲示板を二階の屋根に打ちつけざるを得なかった、現にそういう状況を私も拝見してまいりました。いずれにしても、この意味で、特に掲示場の管理について相当苦労と困難があったわけでございます。
 それから第二は、何といいましても、運動に機動力というものが絶対の要件でありますけれども、雪のためにいかに道路を除雪しようとも十分なる機動力を発揮できなかった点でございます。この点ば建設省とも協議をいたし、ところによっては防衛庁等とも話をして、できるだけの機械力を動員をして除雪につとめることにいたしました。私たちのほうも除雪経費については管理執行上十分にこれの手当てをいたしましてやりましたんでございますけれども、なお、現地によっては非常にその点が運動をする上に困難を伴ったことは否定できません。
 それから、もう一つ現地でやはり心配されましたのは、投票当日、雪にあった場合に投票箱をどうして輸送するかという問題であります。つまり、時間に限られた開票事務をどう促進していくかという点でございました。そのために、従来繰り上げ投票などをせずに済んだところも、やはり繰り上げ投票をしてこれに対処せざるを得ないというかっこうでありまして、たとえば、前回は三百四十二投票区において繰り上げ投票を行なったのでございますが、今回は五百二の繰り上げ投票を行なった投票区がありまして、百六十ふえております。前回の場合は、参議院の場合でございますが、これは主として、従来からも、もうどんなに夏場であろうとも、離島であるとか、山間僻地であるとかして、いずれにしても、もう客観的にやむを得ない投票区でございます。今回のこの増になりました百六十というものは、ほとんど積雪豪雪のために、そういう措置をやむを得ずとらざるを得なかったという点でございます。
 第二点は、例の新しく発足いたしました永久選挙人名簿に関連いたしまして、一つはいわゆる新有権者というものがかなりの数これに参加できないような事態に相なったという点でございます。で、これは登録の時期と選挙の時期との関連からいたしまして、選挙権はありましても、名簿に登録されないというような事情から参加できなかったという問題がございます。もう一つは、永久選挙人名簿というものが登録時期を固定いたしましたことによって、一度登録してから住所を新しい市町村に移した方につきましての投票というものを、その現地ではできませんので、いずれにしても不在者投票をやっていかなきゃならぬ、特にいわゆる最近の新しい団地に集団的に二千人、三千人という移動がある時期を画して行なわれますそういう事態に対処いたしまして、今回不在者投票制度につきまして、そのPRを十分にやるとともに、そういう団地における人々のための不在者投票に対する便宜供与措置というものを行政上指導いたしまして、この点は、ある意味では、そういう団地の人々とともに、つまり冬季における東北、北海道を含めました、北陸地方を含めました、いわゆる関西、関東に出ておる、出かせぎに出た方々に対しても、こういう方法による不在者投票制度を活用する道をPRいたしまして、やはり私は自分が視察したところでは、従来に倍する出かせぎの方々の不在者投票を行なうということを見たのでございまして、この意味におきまして、不在者投票制度というものについて、従来とやや違ったPR、従前不足しておったPRというものも行なった次第でございまして、従来よりも相当多数の人がこの不在者投票によって投票に参加することができた点がございます。
 それから、特にいわゆる選挙時における啓発の仕事でございますが、この点は国といたしまして、明るく正しい選挙、総選挙推進本部というものを設けまして、各種報道機関、関係機関、民間団体にお集まり願って、主として啓発関係の具体的の打ち合わせをやったわけでございますが、たとえば、いわゆる選挙公示前からのすべり込み文書と俗にいわれております文書の撤去の問題につきましても、この推進本部の協議におきまして、特に報道機関、民間団体側からの御意見により、特に報道機関の報道を通じてこの撤去の、自主的な候補者による、あるいは運動員による撤去を呼びかけまして、この点は相当全国的に見ましても効果をあげた点でございます。
 その他、一般中小企業の方々などに対する、中小企業に従事している方々の投票当日における投票に参加するための便宜の供与というような点につきましても、従来からもいろいろ各省にもお願いしてやっていただいておりますが、特にこの期間におきまして、そういう問題を積極的に取り上げ、これもやはり報道機関の方々にお願いをして報道としてかなり大きく取り扱っていただくよう呼びかけた点が一つの特色としてあげることができるのでございます。
 それから、都道府県におきましても、この推進本部に対応いたしまして、それぞれ段階において、現地の報道機関、民間団体、あるいは関係行政機関を中心にやはり推進本部を設けまして、できる限りの措置をしたつもりでございます。で、後ほど警察庁のほうから御説明がありますけれども、違反の点につきましても、前回の約二分の一程度のものになりましたことも、ひとつのあらわれではなかろうか、こういうふうに思っております。
 それから、なお経費の点でありますが、経費は最初の予備費経費といたしまして五十億程度でありまして、そのうち啓発費が四億、選挙プロパーの金が四十五億で、残りが大体最高裁判所の国民審査に要した経費でございます。そのうち、例の豪雪、積雪の問題がやはり非常に問題になりまして、現地を調査した結果、約一億八千万の予備費を計上することにいたしまして、今回すべて選挙経費の配賦を終わったわけでございますが、ほとんどこの経費で市町村の雪に対する管理上の負担というものは、ほとんど要望どおりおこたえすることができたと、私は思っておる次第でございます。
 以上、非常に簡単でございますが、選挙の状況について御説明を終わります。
 次に、選挙制度審議会の審議状況について御説明申し上げます。
 選挙制度審議会は第五次を昨年の十一月に発足いたしまして、当時のいわゆる政治資金をめぐるいろいろな問題がありまして、審議会としてはこうした問題を取り上げるべきであるという、三回の総会を経ました結果まとまりまして、そのために当面緊急を要すべき事項に関する委員会というものを設けまして、総選挙の間も、今回まで八回委員会を開いてきたわけでございます。
 この問題点は、一つは政治資金規正の問題、一つは罰則、特に連座制の問題、それからもう一つは高級公務員の立候補制限の問題でございます。今日まで委員会として審議をしてまいりまして、来たる三十日と三十一日の二日に委員会を開いて、そのところで委員会としてある程度の結論を出してはどうかというのが皆さまの、委員のお考えでございます。そのために二十九日と三十日の午前中に委員長島田さんを中心に、委員長のところである程度調整した案を、できればつくるということで、両日にわたって委員長の手元で少しそういう作業をやってみたい、こういうことに相なっております。
 いままでその審議会で出ました問題をかいつまんで御報告申し上げますと、一つは政治資金の規正に関する点でございます。で、政治資金のあり方について根本的にどう考えるかという議論といたしまして、政治資金はすべて献金する側を個人に限ったらいい、団体、労働組合、会社、法人というものの献金はこれを禁止すべきであるという考え方と、団体も、会社も社会的な活動をしておるという、実態に着目し、したがって、個人に限るということはいかがかと、こういう御意見がまずスタートとしてあるのでございます。個人に限るべきだという御意見の一つといたしまして、しかしそう言っても、いますぐ個人の献金に限るということを言うてみても、必ずしも現実的ではない。そこで、政党がある程度近代的なものに体制を整えることを期待して、個人に限るという点も五年間の猶予期間を置いてはどうか、五年後からそういう姿でいってはどうかというのが、この主張の一つでございます。この中間的な考え方として、中間的と言うと多少語弊がありますが、個人に限るというのは一つの筋である、しかし、それを貫くためには、なお政党が政治活動というものを行なうためには相当の金を要するはずだ、で、その政党が金のかかる部分において、特に選挙の際に政党が大いに活動するのは、これは当然である。そこで、政党が選挙のときに使う金について、ある程度国費でこれを見てやるべきではないか。それは、ある意味においては政党がやはり選挙をやっているのだという考え方をとって、ある程度やっぱり国費で政党の選挙活動を負担してやるべきではないか。それからもう一つは、政党が常時国政の調査活動というものをやる。特に立法を中心にした立法活動というものをやっている。そのためにその仕事はある意味ではやっぱり国の仕事を担当していると考えていいじゃないか。現在そういう意味合いかと思いますけれども、各党に立法調査事務費というものを出しているじゃないか。したがって、政党の常時活動の中でも、そういう立法活動、立法調査活動というものについて、やはり国費で相当の負担をしてやるべきではないか。そういうふうに国費で、ある程度政党の国家的な側面について国費を投入するならば、あるいは個人に限るということを貫いてもいいのではないか、こういう御意見が一つ述べられております。
 それからその次は、政党とそれから政治団体という二つの区別が現在規正法の中にございます。しかし、それは単に規正法の中では、政党とは本来政治上の主義、施策を推進することを本来の目的とするもの、それから政治団体とは、本来の目的ではなしに、そういうことを目的とする、つまり逆に言えば、ほかにある目的もあって、なおあわせて政治上の主義、施策を推進し、あるいは候補者を推薦し、あるいは反対することを目的とするものというような区別にしてありますけれども、実際上資金の扱いとしては別段の区別がございません。
 そこで、この委員会の考え方も大体皆さま方そのような考え方と私は拝聴いたしておりますが、政党が政治を担当するというのは、これはたてまえであるので、したがって、政党とその他の政治団体及び政治家個人というものを分けて規正法の中で考えるべきじゃないか。その分けてという意味は、政党にはある程度政治活動資金というものを集まるように考えてしかるべきではないか。その他の団体については、それはある程度制限をして政党が本来の政治活動に邁進できるようにしたらどうかという考え方がございます。
 それからもう一つは、現在規正法の中で外国人あるいは外国法人等からの寄付の禁止というものは規定されておりません。選挙の際には、そういう金を受けた場合はいかぬ、それは国庫に没収するというのは公職選挙法に書いてございますが、政治資金そのものについては、そういう規定がございませんので、そういう規定を考えてはどうかという意見。
 それからその次は、現在の政治資金の中で、政党というのは本来の政治活動をするわけでございますので、その収入面は全部届け出を出せ。細目につきましては、寄付については一件一件出す。その他の収入については一括して出しなさい。しかし、いずれにしても、政党の収入の全貌は報告をし公開することになっております。ところが政治団体につきましては、先ほど申し上げましたとおり、目的が本来別にあって、なお政治上の目的を有するものという考え方に立っておりますものですから、政治資金の収入面の問題につきましては、本来の収入を全部出すというたてまえでなしに、政治資金として受けた寄付だけを届け出るようにする。それを報告、公表をする、こういう仕組みになっております。ところが実際は最近の例を見ますと、必ずしも寄付か会費か必ずしも明らかでないような実態になっておるようでありまして、したがって、政治団体につきましても、全収入をやっぱり公開させるべきだということが一つと、それからもう一つは名目のいかんを問わず会費であっても寄付と同様に扱ってはどうか、こういう御意見がございます。それから会社につきまして、献金を認めるとかりに考えました場合におきましても、政党とそうでない政治団体を区別するという前提に立ちながらも、会社につきましては、やはり会社相応の寄付というものがあるのではなかろうか。したがって、応分の寄付というものをある程度考えてはどうか、こういう考え方が述べられております。
 それからその次は、政治資金と課税の関係でありますが、この政治資金と課税の関係につきましては、一つは寄付をする会社の場合でございます。御案内のように、現在会社がする政治資金の寄付につきましては、たとえば、慈善事業に対する寄付とか、その他一般のお祭りに対する寄付なんかと同じように、寄付総額としてある程度のものを会社の経理上損金に算入するという制度が法人税法にございます。ここの仕組みを多少考慮して、政治資金として明らかなものだけを何か別に取り扱う。あるいは損金の中で取り扱うときに、公表されたものとリンクするというような考え方をとれぬかという提案が一つなされております。
 それからその次は、番付をする個人の側でありますが、これにつきましては、個人献金を促進する、零細な個人献金というものができやすいようにするために、その献金した額について、税制上、たとえば、税額をある程度負けてやる、減額してやるというような優遇措置が講じられないかどうかという点でございます。
 それからもう一つは、もらう政治家個人の課税というような問題であります。この点につきましては、一人御提案がありまして、政治献金としてもらう金も、政治家にとってもそれは一種の所得に違いない。しかし、それに見合う経費というものをどう見るかということになると、非常にむずかしい問題があるのじゃないか。したがって、政治家につきましては、経費の個々の見方というよりも、ある程度いわば概算経費率というようなもので、御提案としては、たとえば、月に政治家一人二十万円程度の概算経費ということで引くことにして、何かそういう政治献金を受けた側の課税の合理化が考えられないかという、以上申し上げました三点の問題が、御意見として提示されておるところでございます。
 それからあと多少事務的なものとして、選挙管理委員の現地の御意見として、たとえば、現在報告書の提出という期限は、一月から六月までの上期の分は七月十日までということになっておりますけれども、実際は各党とも相当のボリュームでありまして、十日間ではなかなか率直に言って出たためしがございません。したがって、こういうような事務的な整理も、今回ある程度やるべきものを選挙管理委員側からは指摘されております。しかし、それはこまかい内容になりますので省略さしていただきます。
 それから政治資金の規正の問題に関連いたしまして、ある程度入ってくるルートというものを軌道に乗せるならば、出ていく側について現在の政治家の立場を、立場というか、ものを考えながら、特に御提案になっている点がございます。それは選挙区内の者に対する候補者あるいは現職にある先生方の寄付というものについて、現行法よりももっときびしいものにすべきではないか、同時に後援会、後援団体というもののする寄付についても、現行法よりももう少しきびしくしたらどうだ、たとえば、ある委員の提案では、選挙区内のものについては一切寄付をしてはならぬ。しかし、親族とか、あるいは政党、あるいは政党の支部というようなものに寄付する場合を除いては、もう寄付をみんな禁止してはどうかというきつい提案もございます。また、後援団体の寄付につきましても、現在は御案内のとおり、任期満了前九十日以内になりましたならば、寄付は一切いかぬというのがございますけれども、もう少し、その九十日以前ならばそれではいいのかというようなことになっても、やっぱりまずいのじゃないか、したがって、ある程度九十日を越えるような期限をもう少し延ばすとともに、いわゆる選挙法にありますような通常一般の社交の程度を越える寄付は、やっぱり後援団体その他についても認めないというようにしたらどうだろうかという御提案もなされておるところでございます。
 以上が大体政治資金をめぐるいま議論されている課題であります。
 それからその次は、連座に関する事項でありますが、連座につきましては三点ございまして、一つは連座の対象となるべき者の範囲をもう少し拡張してはどうかという観点からの御提案が二点ございます。
 その一つは、親族の問題であります。親族につきましては、現行法は候補者と同居をしていること並びに候補者と意思を通じた買収という二点が要件になっておりますけれども、同居している親族については意思を通ずることを要しないのじゃなかろうか、同居をしていない、全然別居している人については、これは何らかの関係を必要とするかもしれぬが、同居している人については少なくとも意思を通ずるということを要しないのじゃなかろうかという一つの考え方が提案されております。
 それからもう一つは、現行選挙法は三十七年の改正で選挙区を三つ以内の区域に分けている場合において、当該区域の一または二について選挙運動を主宰した者を連座の対象にしております。しかしながら、その選挙区の三つ以内のいわゆる方面本部、方面軍的な司令官が対象になっておりますけれども、必ずしもそうではないので、ある広い区域にわたる職域というようなものを横断的に選挙運動として方面軍的にとらえるところもあるのじゃないか、したがって、地域だけに限っているのは連座の対象としては狭過ぎるのではないか、こういう観点から提案がなされております。
 それからもう一つは、連座の訴訟の促進という点からでございます。現在、御案内のとおり、たとえば出納責任者が買収の刑を犯しまして、その買収に対する刑事判決が確定した後に、検察官があらためて当選人を被告とする当選無効訴訟というものを高等裁判所に提起することになっております。そこで、この連座訴訟を促進するという観点から、刑事裁判が進行するときに当選人がその裁判に参加をして、そして一緒に訴訟を遂行していったほうがもっと早くなりやせぬか、つまり、現在でいえば、当選無効訴訟というものと刑事訴訟というものと、二つの訴訟があって、刑事訴訟は三審、民事訴訟、当選無効訴訟は二審でございます。これを一本にして、形式的には三審制度の中で、これを解決する方法はないだろうかということで、これはまあ昔の専門家であります大竹先生という方が訴訟参加という、いわば訴訟参加的な、刑事裁判に当選人が参加するというような訴訟手続きというものを考えられぬかということで、一つの具体的な提案がなされております。
 それからあと高級公務員の立候補制限の問題につきましては、いま申し上げました大竹先生からは、差し当っては全国区制度についての選挙制度審議会の提案でありますので、全国区制度につきましては、参議院制度全般をいずれ委員会で検討することもあるし、というような御意見が述べられておるところでございます。
 いずれにいたしましても、いま申し上げたような問題点がなお委員長の段階で相当調整をして、そして三十日に一つの案がまとまれば提案してくれというのが、委員長にまかせられているところの課題になっておるところでございます。
 簡単でございますが、いままでの経過を御説明申し上げました。
#4
○委員長(高橋文五郎君) それでは次に内海刑事局長。
#5
○政府委員(内海倫君) 今回の衆議院議員総選挙に関しましての違反の検挙状況を御報告申し上げたいと思います。
 お手元に一枚刷りの資料を配付申し上げておきましたので、主としてこれについて御説明申し上げたいと思います。
 ここにあげてあります数字は、事前運動の分を除きましては、期日後三十日間のものでございまして、昭和四十二年の二月二十八日をもってこの数字を掲げております。したがいまして、その後にごくわずかでありますけれども、現在なお捜査中のものもございますので、そういうものが若干これよりもふえようかと思います。
 今度の総選挙におきます警察側で検挙いたしました違反の総件数はその数字に書いてありますように九千七百九十二件でございます。検挙いたしました人員は一万六千七百九十一名、カッコの中で逮捕をいたした数字を示しておりますが、二千二百九十四名でございます。
 これを違反の態様によりまして数字を申し上げてみますと、買収、供応事犯が件数で七千九十四件、人員で一万三千八百三十五人、逮捕者は千八百五十二名。それから自由妨害、これが六十二件、人員で六十八名、逮捕が二十三名でございますが、自由妨害の大半は、選挙運動用のポスターを棄却したというようなものが大半を占めております。戸別訪問は千百九十八件、人員で千二百四十六人、二百七名の逮捕でございます。文書違反が九百十件、人員で千百六十八人、逮捕いたしましたものが百七十名でございます。それから、その他と申しますのは、これら以外のいろいろなものでございますが、これが五百二十八件、人員で四百七十四名、逮捕になりましたものが四十二名でございますが、その他の中で詐偽投票等が九十件、事前運動にわたるものが百四十二件等を含んでおります。
 これを前回行なわれました昭和三十八年十一月の総選挙のときのものと比較いたしますと、このときの検挙件数は一万六千六百九十三件でございまして、人員も三万三千百九十六名、逮捕が三千三百八十一名になっておりまして、この総数と比較いたしますと、件数におきまして四一%の減、人員で四九%の減、逮捕いたしましたもので三二%の減、こういうことに相なっております。
 次に、違反行為に対します警告でございますが、特に今回は私どもは違反の実現する前に警告をして、違反そのものを防止しようという方針も持って臨みましたが、一月二十八日、すなわち選挙期日の前日でございますが、一万三百三十六件、前回が九千百九十六件でございますので、約一一%の増加に相なっております。なお、各違反種別の増減の問題でございますが、買収事犯につきましては、前回は一万三千四百七十件、したがって、約六千件ぐらいの減少、それから自由妨害はほとんど同数で六十三件、これは前回の数字でございます。それから戸別訪問は、前回は千百六十件でございますから、今回は三十八件ほど増加いたしております。それから文書違反は、前回が千五百六件、かなり減少をいたしております。その他のものにつきましでは四百九十四件、若干増加いたしております。
 以上のようなことが前回との比較で申し上げることができると思いますが、総体的に違反の傾向というふうな点で見てみました場合、全体的に警告を先ほど申しましたように、できるだけ適切に実施いたしましたこと、あるいは選挙前におきますいろいろな形の選挙の自粛運動というふうなものもあったと思いますが、あるいはさらに啓蒙運動も効果があったと思いますが、全体的に違反を検挙いたしました数が減少をいたしております。その中で買収事犯が前回に比較しますと、かなり減少をいたしておりますが、これもやはり客観的な諸条件の影響がかなり強かったのではなかろうか、こういうふうに私どもは見ておるところでございます。
 ごく概要でございますが、もっぱら数字を中心といたしまして検挙の状況を御報告申し上げました。
#6
○委員長(高橋文五郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(高橋文五郎君) 速記を起こして。
 本件に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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