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1967/05/31 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
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1967/05/31 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号

#1
第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
昭和四十二年五月三十一日(水曜日)
   午後一時四十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     北条  浩君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                吉江 勝保君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
    委 員
                大竹平八郎君
                木内 四郎君
                楠  正俊君
                小柳 牧衞君
                塩見 俊二君
                秋山 長造君
                鈴木  力君
                渋谷 邦彦君
                中村 正雄君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○公職選挙法改正に関する調査
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、北条浩君が辞任され、その補欠として渋谷邦彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋文五郎君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
#4
○国務大臣(藤枝泉介君) 議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を説明申し上げます。
 この改正法案は、国会議員の選挙等の執行について、国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの現行の基準が、実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員の給与の改定、賃金の変動、旅客運賃、郵便料金の改正及び選挙事務執行の実情等にかんがみまして、執行経費の基準を改正し、もって国会議員の選挙等の執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。
 次に、この法律案による改正の内容についてその概要を説明申し上げます。
 第一は、最近における公務員の給与の改定等に伴い超過勤務手当の積算単価を実情に即するよう引き上げ、投票所経費、開票所経費等の基準額を改定しようとするものであります。
 第二には、最近における賃金の変動に伴い、人夫賃、嘱託手当等の単価を実情に即するよう引き上げ、投票所経費、開票所経費等の基準額を改定しようとするものであります。
 第三には、投票管理者、開票管理者投票立会人、開票立会人等の費用弁償額を実情に即するよう引き上げようとするものであります。
 第四には、旅客運賃、郵便料金等の改正に伴い、旅費、通信費及び燃料費の積算単価を実情に即するよう引き上げ、関係基準額を改定しようとするものである。
 第五には、開票事務執行の実情にかんがみまして、経費積算の基礎となる開票時間を延長し、関係基準額を改定しようとするものであります。
 以上が、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(高橋文五郎君) 御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
#6
○多田省吾君 次の機会もございますので、私は本日は、簡単に二、三本法案について質問さしていただきます。
 第一番目の超過勤務手当内容を見ておりますと、大都市のある都道府県では、百五十九円三十九銭を改正法案では百九十九円六十七銭、また、市区町村では、百三十九円二銭を百七十二円十六銭、このように改正して値上げをしておりますけれども、その前に、問題として選管の連合会等から、前から言われておりますことは、参議院選挙では選挙のための日数は三十九日、衆議院選挙では三十六日設けられておりますけれども、非常に期間が少ない。それを十日ずつふやしたらどうか、こういう問題があるわけでございます。段階的にでもけっこうですから、そういった要望にこたえられたほうがよろしいんじゃないか、そう思いますけれども、いかがでございましょう。
#7
○国務大臣(藤枝泉介君) 超過勤務手当の時間につきまして、これでは少な過ぎるのではないか、実態に合わしたらどうだというお尋ねでございます。なるほど平均ではこのように今回なっております。しかし、この一日二時間あるいは選挙の前後それぞれ五日というのはあくまで基準でございまして、実際の執行に当たりましては、総体の額の中でいろいろ運営をいたしておるわけでございます。しかし、まだ十分でないと存じますので、実態調査等をさらに進めまして実情にさらに合わせるように今後研究いたしたいと存じます。
#8
○多田省吾君 いま平日は二時間であるという話がありましたが、土曜日五時間、日曜日が七時間まで認められておるということですが、土曜、日曜もふやしていただいて、やはり送管の連合会等からは、平日は四時間、土曜日八時間、日曜日十時間までふやしてほしいというような要望があるわけです。いまお答え願いましたけれども、やはり送管の事務というものは、目に見えないところで、非常に苦労している面があるわけでございます。この前の改正になりました公営のポスター掲示場の問題にしましても、やはり場所を見つけるのに非常に苦労する。自分の自腹を切ってお礼をしたり、また、朝晩見張りをしたり、そういう苦労までしているということも聞いております。ですから、当然超過勤務手当等はこのように時間をふやしていただいてもいいのじゃないかと、このように思うわけです。もう一回くどいようですが、お伺いしておきます。
#9
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいまお答え申し上げましたように、今回の改正でも、これで十分だとは私も考えておりません。ただいま御指摘のありましたような、いろいろな選管の職員が苦労をいたしておることは、私どもも承知をいたしておるわけでございます。先ほども申しましたように、一日二時間あるいは選挙の前後五日というようなものは、あくまで基準でございますので、選挙費の全体のワクの中で、できるだけ実情に合うようには配分をいたしておりますが、今後さらに検討を重ねまして、より実情に合うように努力をしてまいりたいと思います。
#10
○多田省吾君 もう一問でこの問題に関しては終わりたいと思いますが、この前、永久選挙人名簿の一斉調査等においては、国勢調査の四分の一ないし五分の一の規模でやったわけでありますが、それでも非常にミスが多かった。今度も住民台帳をつくる上におきましても、この選挙人名簿と非常に関係のある問題でございます。そういった問題においてもやはり費用をミスのないまでにかけていただきたい。
 それからもう一つは、やはり投票券の発送等におきましても、必要以上に金がかかっているような傾向が、各地方選管に見られるわけでございます。ですから、この法案の中に盛られた費用のみではなしに、選挙費用全般については、やはり国民の一番大事な権利を行使する大事な選挙でございます。どうか、そういった面において、地方選管が苦労したり、あるいは費用が少ないために大きなミスが起こったりすることのないように、重ねて要望いたしまして、本法案についての本日の質問を終わりたいと思います。
#11
○国務大臣(藤枝泉介君) 選挙人名簿が正確でなければならないことは当然のことでございまして、永久選挙人名簿に切りかえた今回、ある程度のミスが出ましたことははなはだ残念でございました。その後十分精査するような指導もいたしておりますが、また、費用の面におきましても、財政需要額に見込むとか、その他の処置をいたしまして、そうして十分費用を使って正確を期するように今後も努力をしてまいりたいと存じます。
#12
○委員長(高橋文五郎君) それじゃ本案に対する本日の審査はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(高橋文五郎君) 次に、公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次、御発言を願います。
#14
○松本賢一君 ちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
 例の政治資金規制のほうの問題が、いろいろ大臣御苦心なさっているのをよく新聞等で拝見するのですが、けさの新聞に政府案というものがだいぶん詳しく載っておったようですが、私もずっと斜めに目を通した程度でございますが、大体ああいうものが出るわけですか。
#15
○国務大臣(藤枝泉介君) 今朝の読売新聞に政府案などというような見出しで出ておりましたが、実は私のところで、もちろん担当の者はいつでも要綱が書けるような準備はいたしておりますが、まとまった改正要綱であるとか、あるいは改正法案だとかというものをまとめて書いておるわけではございません。ただ、おそらく敏腕な新聞記者諸君のことでございますから、いままでいろいろ問題になったり、あるいは自治省の考えを聞いたりいたしておりますから、単なる作文でなくて、相当事実に近いものをつかんでおると思いますが、読売新聞に出ましたふうな形、あるいはそれの前である要綱というようなものを自治省でいま書いて持っておるというわけではございません。
#16
○松本賢一君 そうすると、あれは新聞記者が書いたものなんですか。
#17
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま申したように、敏腕な新聞記者諸君でございますから、その問題点等については、自治省の考え方なんかを聞いて、十分頭に入っております。したがいまして、ああいうふうにつくり上げたのだと思いますが、ああいう形、あるいは要綱というような形で、自治省が書いておるわけではございません。
#18
○松本賢一君 それは大臣そうおっしゃるのですから、そうでしょうけれども、そうすると、これも新聞記者がだれかに聞いたのだろうけれども、六日の閣議にかけられて、やがて正式に国会に提出になる、私はこういうふうなことを聞いておるのですが、六日の閣議にかけられるというところまでいっておるわけですか。
#19
○国務大臣(藤枝泉介君) 私としましては、実はお約束が少しおくれているので、申しわけないと思っているわけでございます。したがって、私自身としては、できるだけ早い機会に提出をいたしまして、国会で十分御審議をいただきたい、会期もあることでございますから、そういう考え方を持っております。いま、やはり政党内閣でございますので、与党の理解と納得を得なければならぬと思いまして、極力努力をいたしております。ただ、現在この場で六日の閣議にかけますというお答えをするのは少し――といって、じんぜん日を延ばす意味ではございませんけれども、その日を切ってその日にかけますとお答えするのは、まだちょっと軽卒ではないかと考えております。
#20
○松本賢一君 そうすると、その可能性はあるわけですね。そうですね。――そうすると、国会に提出されるのは、いつごろになりますか。大体の見通しは。
#21
○国務大臣(藤枝泉介君) 私自身としては、閣議には法律案の形で閣議の決定を得たいと思っておりますから、それならば、閣議が終わりますれば、早々に提出できると思います。
#22
○松本賢一君 そうすると、これはせっかくああやって審議会の答申が出て、国民も待ち望んでいる法案だと思うわけなんで、万々一今国会で流れてしまうとか、あるいは、継続審議に持ち込まれるとかというようなことで、いつになったらでき上がるのかという印象を国民に与えるようなことになったら、これはどうも私ども政界の者全体の責任とメンツにかかわると、私ども思うわけなんであります。そういう点、いろいろと内容的にも問題があるというふうに新聞等もいつも書いておるし、また、話も聞いておるわけだし、自治大臣の苦労にもかかわらずなかなかものごとが進まないというようなことも聞いておるわけなんで、もし、これが、今国会で成立しないようなことがあったらたいへんだと思うのです。その辺のところの、自治大臣としてのお見通しと御覚悟とを一応伺いたいと思うのであります。
#23
○国務大臣(藤枝泉介君) せっかくこうした答申があったわけでございまして、それを尊重して法文化して国会に提出した以上、国会の御審議を云々するわけにはいきませんけれども、私としましては、ぜひ今国会で成立させていただきたいということを念願しておるわけであります。また、それでありますから、会期との関係もありまして、急いで国会に提出できるように懸命に努力をいたしておるような次第でございます。
#24
○松本賢一君 御努力しておられることはよくわかるのですけれども、どうも私ども不安にたえない面があるわけなんで、そういう点ひとつ自治大臣としては、よほどの覚悟をきめて、ふんどしをしめてかかられないといけないのじゃないかという気がするのでございますがね。それで、そういう点についてひとつ、まあざっくばらんに言えば、もし今国会でこれがつぶれるようなことがあったら、おれはけつをまくるぞ、というような御覚悟まで持ってもらいたいと思うのですけれども、その辺のところはどうですか。
#25
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま申し上げましたように、私といたしましては、ぜひ今国会で成立させていただきたいということでございまして、いろいろ報道はされておりますけれども、私は与党である自由民主党の理解と納得もほどほどに――ほどほどと申しますとあれですが、早急に得られるという考え方を持っておるわけでございまして、出した以上、これは国会の御審議を云々するわけにはいきませんけれども、皆さま方の御努力によりまして、今国会でぜひ成立させていただきたいと、強く念願しておる次第でございます。
#26
○松本賢一君 そうおっしゃっているのですから、これ以上言ってもしようがないと思いますので申し上げませんが、ひとつ断固たる覚悟で――自治大臣、これに関する限りは、またほかのものと違って、ほかのことなら、ことしできなければ来年やるということもありますけれども、これだけは、どうしてもこの国会でやってもらわないと、国民はたいへんな怒りを感じるのじゃないかと思うわけなんで、よろしくお願いしたいと思います。
 うわさされた法案の内容等につきましては、国会に提出されてから、私どもはじっくり拝見し、研究させていただきたいと思うので、きょうは何もそれには触れないでおきますけれども、ひとつぜひ国民の要望にこたえるのだということだけは、ひとつよろしく御覚悟をお願いしたいと思います。
#27
○多田省吾君 私はまず最初に、この前から一、二回お話を申し上げているのですけれども、今度新しい登録を二回から四回にふやす、三月、六月、九月、十二月の四回になるというお話でございます。それはこの前の衆議院選挙で新有権者が四十数万人、選挙権がありながら、成人に達しておりながら、特に一月十五日に成人式に臨みながら、衆議院選挙をできなかったという不満がありまして、告訴問題まで起こったんです。非常に純真な希望に燃えた青年の気持ちを粉砕するような結果になった。今度は四回にふやせば、多少緩和されるでしょうけれども、たとえば、来年の参議院選挙にしましても、六月ないし七月と言われております。そうしますと、六月登録には間に合わない。三月登録した人だけが参議院選挙に参加できるというようなことが、もしあれば、もう四十数万人が二十数万人に減るだけで、やはり新有権者として選挙権を行使できないという結果が出る。それで、参議院選挙だけじゃありません。そのほかの選挙、やはり日にちが都合によって変われば、やはり三カ月間は最大限度として、成人に達していながら、選挙できないおそれが出てくるわけです。そういうわけで、ひとつ新有権者に限って、満二十才に達した人に限って補充登録制度を設ける。それも二年後に住民基本台帳制度ができれば、それが問題なくなるといいますけれども、その二年間の間だけでも、そういう制度を設けたらどうかと思いますけれども、どうでしょうか。
#28
○国務大臣(藤枝泉介君) お話のように、今回の公職選挙法の改正によりまして、登録の回数を四回にふやすつもりでございます。当面、来年の参議院選挙におきましては、六月に登録いたしますれば、その人たちは投票ができるわけでございます。もっともその六月以降参議院選挙の行なわれる間に成人になられた方は、そういうことからはずれるわけでございます。御指摘にありましたように、三カ月ごとでございますから、最大の場合には、三カ月間の間に成人になられた人たちは投票ができないというような事態が起こることで、これは必ずしも万全でないと思います。ただ、従来の選挙人名簿制度を永久選挙人名簿制度に切りかえましたのは、その正確を期し、二重登録、脱漏等による選挙の公正を害することを是正しようとして御審議をいただき、成立させていただいたわけでございますので、従来ありましたような補充人名簿制度というものはとりたくない、この永久選挙人名簿制度としては、とるべきではないというふうに考えております。それならば、回数をふやしたらということでございますが、現在の市町村の選挙管理委員会の陣容をもってしては、四回が最大限度でございまして、これ以上の負担をかけることは非常に無理だということで、このようなことに落ちついたわけです。必ずしも万全ではございませんけれども、とりあえずと申しますか、この程度でごかんべんをいただきたい。いまお話がありましたように、住民基本台帳制度が完成をいたしますならば、これはもうこういう問題は解消するわけでございまして、その二年間を待てないというおことばもございましたけれども、その二年間は、この制度でひとつ済ましていただきたいと考えておる次第でございます。
#29
○多田省吾君 重ねてお伺いしますが、来年の参議院選挙はほんとうに四回登録制度になれば、六月までに生まれた人は投票できますか。六月何日まで生まれた人が投票できるようになりますか。
#30
○国務大臣(藤枝泉介君) 今回改正案が成立いたしますと、六月一日が登録日でございますから、六月一日までに成年に達した方は、六月以降に行なわれる参議院の選挙には間に合うということでございます。
#31
○多田省吾君 次は、政治資金規正法についてお伺いしますが、いま松本委員からも御質問がありましたけれども、私も大事な問題ですか重複するようでありますが、重ねてお伺いしたいと思います。
 自治大臣は衆参の予算委員会あるいは各委員会等におきまして、何回も五月の中旬を目途として法案を国会に提出する見通しであるということを申されております。また、次の機会には、五月の下旬に入り込むだろうというお答えもございます。それからまた、次の機会には五月一ぱいにはなんとかというお話、現在は六月上旬のようなお答えでございますけれども、非常におくれておるわけです。そのおくれた理由として労働組合等の問題、あるいは課税等の問題もあげられておりますけれども、これは前から予想された問題であって、あまりにも政府与党、特に与党の突き上げに屈しているような姿ではないかと思われるわけでございます。国氏はみんなこの政治資金規正法の改正案につきましては、総理も絶対もう答申を尊重して――こういうことを再三おっしゃっておられますし、自治大臣もこのような決意を述べておられますので、期待をしておりますけれども、こうおくれちゃやはり国民は疑惑をもって見るようになると思うのです。そういう国民全体の期待にこたえる上におきましても、やはり法案を早く国会に提出するということは、非常に大事だと思うのです。で、そういう意味におきましても、新聞等におきましては、六月六日の閣議決定で国会に提出されるであろう、こういう見通しを期待をもって報道していることもございます。そういう意味において、やはり六月六日を目途として、今度こそ国会に断じて提出したいとか、そういう御決意を聞きたいわけでございます。ほんとうに何回もでおそれいりますけれども、大事な問題でございますので、大体六月の何日ごろ国会に提出になる見込みであるか、重ねてお伺いしたい。
#32
○国務大臣(藤枝泉介君) 国会の会期もございますし、御審議の期間も相当重要な問題であることでございますから、そういうことを考慮に入れ、しかも、今国会で成立させていただくという念願を持っておるわけでございまして、その意味で、当初の見込みがおくれましたことは、まことに申しわけないのでございますが、先ほど松本さんにもお答え申し上げましたように、非常に近い機会に国会に提出申し上げたいと考えておるわけでございます。ただ、先ほどもお答え申し上げましたように、六日の閣議に必ずかけますと、この段階で言明をいたしますのはやや軽卒であると考えております。
 もちろん私といたしましては、心がまえとしてそういう決意で、いま与党との調整を急いでおりますが、この瞬間において、六日に必ずかけますと申し上げるのは、いささか軽卒かと思いますので、それだけはお許しいただきたいと思いますが、私の気持ちはお察しいただけるものと考えるのでございます。
#33
○多田省吾君 与党内には車の両輪論ですか、それも自転車と大八車の違いがあるとか、四輪車論まであらわれまして、何とか区制と抱き合わせて、この政治資金規正法の改正案を葬り去ろうというような動きも伝えられております。また、どうも自民党には数十億の借金もあるので、なかなかこの政治資金規正法を通すわけにいかないのじゃないかというような声も流れておるのです。そういった疑惑を粉砕する上においても、また、継続審議にかけて流してしまうのじゃないかというような懸念もだいぶうわさされております。天下の第一党、公党として、そういった懸念を粉粋する意味においても、やはり自治大臣がここでがんばっていただいて、そして国民の期待にこたえられて、絶対、継続審議や廃案にはしないという御決意を持ってやっていただきたいと、心から思う次第でございます。それにつけましても、やはり、くどいようでありますけれども、なるべく早い、きわめて早い機会にということでございますけれども、たとえば、六月の上旬、六日とはいわなくても、下旬一ぱいにはという、大体そういった見通しはあるものと思うのであります。このときにきて、まだ六月上旬か、中旬か、下旬かも、提出の見分けがつかないというのでは、提出の問題だけでも、これは大きな問題だと思うのです。そういう意味におきましても、六月上旬とか、そういう見通しについて、もう一回ひとつきわめて明快にお願いしたいと思います。
#34
○国務大臣(藤枝泉介君) 私自身、また党との調整の現段階におきましても、ただいまのお答え申し上げたような期時に提出申し上げることができるというふうに考えております。
#35
○多田省吾君 じゅあ、大体六月上旬と考えてよろしゅうございますか。――うなずかれましたからそのように……。
 で、もう一つ問題になっておりますのは、区制とかみ合わせて提出しようという動きが一部にあるということです。この政治資金規正法の提出だけではへんぱである、選挙区制の改正もひっくるめて一緒に出したほうがいいというようなことをいう方がいるようであります。私はこれは大きな間違いだと思います。一つは、なぜ第五次選挙制度審議会が政治資金規正法だけを選んで答申を出したか、なぜ小委員会を設けて審議をしたかという点にもあります。し、また、政治資金正法だけを早く提出していくべきだということは、国民の世論でございます。それは、総理大臣がこたえられて審議会に命ぜられたと思います。もう一点は、金がかかる選挙ということで、小選挙区制にしたいというような動きもあるようであります。しかし、私は選挙区制と、金がかかる、かからないというものはあまり関係がない、むしろ小選挙区制になれば、かえって金がかかる、昔の、戦前の内務省の調査によっても、戦前の調査は、明治二十三年以来の小選挙区制と、その後の長く続いた大選挙区制のときの金のかかりぐあいを調べて、そしてその時期における調整もとって、そしてその結果、大選挙区制よりも小選挙区制のほうが金が一・五一倍かかるというはっきりした結果も内務省から発表されております。そういった面から考えましても、いまの中選挙区制を小選挙区制に、あるいは小選挙区比例代表制に区制を変えることは、金がかかる、かからないということは妄想であり、これは絶対反対である。百歩を譲っても、選挙区制と、選挙にお金がかかる、かからないは関係がないと、このようにいえると思います。自治大臣の御所見を承りたいと思います。
#36
○国務大臣(藤枝泉介君) 区制とこの政治資金規制の問題とをからませるというような意見がないわけではないと思います。私も直接聞いたわけでごもざいませんが、報道等で承知をいたしております。しかし、私はこの今回の答申を忠実に実行するということは、この答申の前文にも「諸般の政治事情にかんがみるときは、これを選挙制度全般の改善が実現されるまで現状のまま放置することを許さないものがある。」として、この政治資金規制の答申を出したのであります。この趣旨は十分尊重されなければならないものと考えております。
 それから、選挙区制の問題でございますが、私は、お話のように、区制が直ちに、区制によって選挙に金がかかる、かからないという問題ではないと思います。むしろ、政党本位の選挙が行なわれることによって、いままでの弊害を除去することができるものだとは考えておりますが、いずれにしましても、この問題は現在第五次選挙制度審議会において御検討をいただいておることでございまして、その区制いかんによって、直ちに金の出方が違うのだというようなことでないことはお説のとおりだと私も考えます。
#37
○多田省吾君 私どもは、この第五次選挙制度審議会から出された政治資金規正法についての答申そのものは、個人の献金をまだ認める点において非常に骨抜きであるということを主張しております。しかしながら、一歩前進ですから、何とか進めていきたいという考えでございます。この選挙制度審議会の答申を、これからの成案において絶対に尊重していくというお気持ちに変わりございませんか。
#38
○国務大臣(藤枝泉介君) この答申を尊重するということは、私の責任であると考えておりまして、その意味で、答申尊重の成文化を急いでおる次第でございます。
#39
○多田省吾君 きょうの読売新聞の一面にも、読売時事川柳というものが出ておりまして、この中に「政治資金名乗っただけで返り討ち」というのが出ているのです。これは自治大臣をはじめ、政府与党の返り討ちにあうのではないかという懸念です。これが大きな国民の懸念だと思うのです。ですから、ひとつ私どもは、返り討ちにならないように、あくまでも答申を尊重して成案をつくっていただきたいと希望するものであります。その上から、前から申し上げておりますが、この「政治資金の規正に関する事項」という答申の中に、「おおむね五カ年を目途として個人献金と党費によりその運営を行うものとし」、と、そしてこのいろいろいまやられていることは、さしあたり次の措置を講ずべきだ、ですから本来は、五カ年を目途として個人献金と党費によりその運営を行なうものとするというのが答申の主眼であり、これは当然成案の中に盛り込まれなければ、答申の尊重と言えないと思うのです。これに私たちだけが言っていることではなくて、この前も、毎日新聞の五月二十九日号に、毎日新聞編集局顧問の新井達夫氏が、「政治の現実と理想」という題で、また「期待裏切る資金規制論議」という題で書いておられますけれども、これは政治には理想が大事で、その理想を絶対にやり抜いていかなければならないと、理想と現実が離れ離れではしょうがないという意味の論文と解しますけれども、その中の一部分を読んでみますと、「いま問題になっている政治資金規制の改正案をめぐる論議などは、そのいい例である。選挙制度審議会が出した答申の、いちばん肝心なところは「五年後を目途として、政治献金をするものは個人に限る」ということであった。つまり、それが答申の眼目であり、理想とするところであった。その理想をいますぐ実現させることは困難だとみたために、やむなく五年の猶予期間を置いたのであった。ところが現在、政党や政府の間で論争されていることは、この猶予期間中の、いわば暫定的改正点だけである。国民から五年後にかけられた期待は、全く無視されている。これは故意な問題のすりかえではないか。」またおしまいのほうに、「政治資金規制の問題について、答申が五年の期間をおいたのは、その五年間に、政界が全力をつくしてその目標の達成をはかることを求めたということである。つまり、審議会が一致してつくった改正案は、五年後の大改正を前提としてこそ認められるべき妥協であった。そのような「現実への妥協」は、まことにやむをえなかったかもしれないが、五年後のことはタナ上げにして、いま議題になっている小改正のままですべてが解決するものと政界が考えるとしたら、許されることではあるまい。」云々と、こういう論文を発表しているわけでございまして、やはり識者の間にも、また国民の世論としても、やはり五年後を目途として個人献金に限ると、そういう項目は当然入れなければ答申の尊重とは言えないという、こういうことは決定的だと思う。重ねてお伺いしますけれども、五年を目途としてという項目ですね、入れるおつもりあられるやいなやお伺いしたい。国務大臣(藤枝泉介君) このことはたびたび多田さん自身にもお答えを申し上げたと記憶をいたしておりますが、私はやはりこういう問題は、政党が努力をいたしてそうしていまお読み上げになりました論文にもありましたように、そういう理想に近づいていくということが妥当であって、法律でそれを強制するというようなものではないのじゃないかという観点からいたしまして、この五年という目標は法律案の中には盛り込まないつもりでございます。ただ、私自身としましても、政党に所属する一員として、その所属する政党がこうした答申の趣旨にのっとって近代化、組織化を急ぎ、そして政治資金規制などというものがなくても、りっぱな政治ができるような、そういう理想に邁進することが必要であることは痛感をいたしておる次第でございます。
#40
○多田省吾君 この答申は総理に提出された答申であり、また自治大臣も総理に対する答申として政府を代表して法政化をはかられているわけでございます。その総理に対する答申がおうむね五カ年を目途として個人献金と党員において、その運営を行なうべきものとする。そしてその次に暫定案を出しているわけで、やはりこの審議会の審議の状態を見まわしても、個人献金を許すか許さないかというこの問題が一番論議をされているのですね。そして妥協案となっているんです。島田案となっているんです。そして、島田案からこの答申が生まれたわけです。そういう観点から見ましても、当然五カ年を目途として、個人献金と党費において運営を行なうべきものとするという趣旨の成文化がなされなければ、答申尊重とは断じて言えないと、こう思うわけです。くどいようで申しわけありませんが、重ねてその何と言いますか、この前は、それについてまた再改正も考えているということをおっしゃいましたけれども、そういった点をもっと深く考えているやいなや、もう一度お尋ねしたい。
#41
○国務大臣(藤枝泉介君) 多田さんと御見解を異にして恐縮なんでございますが、答申には、もちろんこれは総理に対する答申ではございますが、政党はできるだけすみやかに近代化、組織をはかれ、当審議会は差しあたり次の措置を講ずるということでございまして、今回の改正に盛り込めば、答申を尊重しないということにはならないと私は考えておるのでございます。ただ、政治の情勢、経済の情勢あるいは社会の情勢というものは、常に変動するものでございますから、それらの変動を見きわめながら、やはり政治資金の面で規制すべきものは規制していく、あるいは手直しをしていく必要はあろうと思います。そういうことに、もし今回の改正案が御審議をいただき、成立をいたしましても、その後においても、常に政治情勢、社会情勢等をにらみ合わせて検討をいたし、手直しすべきものは手直しをするのが妥当であると考えております。
#42
○多田省吾君 次は、罰則の問題でございますが、現在の政治資金規正法の罰則は「五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金」ですね、はっきりうたわれているわけでございます。ところがきのりの朝日新聞等を見ますと、自治大臣が禁錮刑にこだわらぬということもおっしゃっておるということが書いてあります。罰則について自治大臣は現在どのようなお考えか承りたいと思います。
#43
○国務大臣(藤枝泉介君) 私も法律の専門家でございませんので、十分なお答えになるかどうかわかりませんが、いずれにしても、罰則というものは、その法律がいかなるところをねらっており、条文がいかなるものをねらっておるのか、それに対して、適用する罰則はいかなるものであるかという観点から考慮さるべきものだと思います。それで、なるほど御指摘のように、現在の政治資金規正法においては、五年以下の禁錮あるいは三年以下の禁錮というような体刑もついております。それはそれなりに現在の政治資金規正法がねらっておる各条項について、それにふさわしい罰則がついたものと、私は考えるわけでございまして、今回、資金の規制について新たな観点から、たとえば、金額の制限等をいたすわけでございますから、その制限をいたす趣旨を達成するために、いかなる罰則が適当であるか、これはやはり十分法律の専門家等とも相談をいたさなければならないのでありまして、随時、法務省と相談をしながらやっておるわけでございまして、いま軽々に、どれがどの程度の罰則で妥当であるというような結論は、まだ出ておりませんので、目下急に法務省との見解と合わせておるところでございます。
#44
○多田省吾君 罰則が明確でなければ、これは大きなざる法と言われてもしようがない。で、守られざる法案を幾らつくっても、これはむだになります。また、いままでの政治資金規正法も、罰則がありながら、その罰則の適用ができなかったようなうらみがあるために、大きなざる法と言われ、かえって政治腐敗助長法だというような汚名もこうむったわけであります。ですから、現在の罰則の「五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金という項目も、やはり政治の浄化ということをうたう以上は、これももっときびしくするという姿でこそ、かえって適当だと思う。これから後退したら、これはざる法と言われてもやむを得ない。そういった観点から、もう一つの罰則について、ほんとうにきびしくしていかれるかどうか。現在の罰則よりも後退されるのかどうか、その点をお伺いしたい。
#45
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま申しましたように、その条項がいかなるものをねらっておるのか、そうしてそのねらいに対して、どれくらいの罰則が妥当であるか、こういう問題だと思うのでございます。したがいまして、今回新しい規制をいたす。それについて、いろいろな他の条項あるいは他の法律その他を彼此勘案いたしまして、そうして均衡のとれた罰則にしなければならないわけでございます。そういう意味で、法律専門家である法務省と十分な打ち合わせをいたしておるということでございます。
#46
○多田省吾君 しますと、たとえば、項目に応じて罰刑を違えていく。そうして、献金をする側は、罪があまり少ないと見て、禁錮刑をなくして、受ける側も禁錮刑をなくするとか、それから二千万円をこえるようなことを知っていながら、政治献金をする者等に対して、禁錮刑等の罰則を強化するとか、そういうことを考えていらっしゃるということですか。
#47
○国務大臣(藤枝泉介君) いろいろ一つ一つの場合に例があろうと思います。それについて、この政治資金規正法ばかりでなく、他の法律との均衡等も考えなければなりません。そういうものを均衡のある、しかも有効な罰則を考えていただくように、法務省と連絡をいたしておるところでございます。
#48
○多田省吾君 この罰則の問題も、やはりざる法でなくするためにも、また、この黒い霧を終わらせるための政治資金規正法の改正案だという国民の輿望をになった規正法であると思います。そういった観点から、やはり政治腐敗の根源を断つ規正法ですから、罰則をあらゆる場合に強化して、そうしてざる法でなくするように、私は希望したいわけでございます。このことについ答弁をお願いします。
#49
○国務大臣(藤枝泉介君) これは罰則が重いから守られる――犯罪の性格によろうかと思います。そういうことでございますから、要するに、他の刑罰等と均衡のある、その性格に従って均衡のある罰則がつくられることが妥当だと私は考えております。
#50
○多田省吾君 もう一点だけでございますが、一つは、この答申に、「公職の候補者等の寄付の禁止」ということがうたわれております。この答申の中で非常にいい項目であると、こう言われておりますが、これを絶対に骨抜きにしないというお約束できますか。
#51
○国務大臣(藤枝泉介君) 私どもさように考えております。ただ、たとえば、出身した大学の何かに寄付をするとかというような、いわば一種の公共的なもの、そういうものまで禁止していいのかどうか、その辺は現在検討をいたしておるところでございます。
#52
○多田省吾君 最後に、政治資金にかかわる課税につきまして、「個人の受けた寄付に対する課税」ということをうたわれております。また、「個人のした有付についての優遇措置」ということがうたわれておりますが、最初は、個人の受けた寄付に対する課税、これは当然強くやっていくべきだと思いますが、これも尊重してもらえますか。
#53
○国務大臣(藤枝泉介君) 個人の受けた寄付、政治献金に対する課税は、この政治資金規制の問題ではないと思うのでございまして、これはもっぱら徴税当局の問題だと思いますが、もちろん徴税当局は、そういう問題について、少なくともそれがいわば公的政治活動以外のものに使われたというような場合に、当然徴税の対象にいたすものと心得ております。
#54
○松本賢一君 さっき質問したときに、ちょっと最後にお願いしようと思って言い忘れたのですが、この政治資金規制に関する諸外国の例ですね、簡単なものでいいんですけれども、何か資料をつくって出していただけますか。
#55
○国務大臣(藤枝泉介君) 諸外国の例は調べてございますから、資料として御提出申し上げます。
#56
○松本賢一君 それじゃ、それを近いうちにお願いします。それだけです。
#57
○秋山長造君 資料要求が出ましたので、私あわせてこういう資料をお願いできるかどうか。選挙を終わりますと、出納責任者から収支報告を出しておりますね。自治省のほうで、こういうものをまとめておられるのですかどうですか、全国の。
#58
○国務大臣(藤枝泉介君) 個々の選挙の届け出は、都道府県の選管にまとめておりまして、自治省ではまとめておりません。
#59
○秋山長造君 それを自治省で取りまとめる、やろうと思えばできると思うのですが、これは一度、早い機会にやっていただけませんかこの一月の総選挙ですね、冬選管へ届け出が行なわれておるわけですから、それを自治省は取り寄せれば全国の集計はできるわけですね。一月の衆議院選挙に要した費用の総額というものは出てくるわけでしょう。それと、それからもう一つは、それだけではほんとうのことはわかりませんから、それと同時に、法定選挙費があります、各区域に、選挙区によって多少違うでしょうけれども、法定選挙豊の総額ですね、これはそれぞれの法定選挙費というものへ候補者数をかけたものを積算すれば全国が出てくると思うのですがね、そういうものを出していただけるかどうか、いただければ出していただきたい。
#60
○国務大臣(藤枝泉介君) 個人個人の一つ一つでございますか、それともたとえば、何県で総額で幾らというようなことでございますか。
#61
○秋山長造君 個人個人ではない。そういう個人個人でどうこう言うのではない。全国の集計ですよ。だから、一つの数字になって出てきたらいい。要するに一回選挙をやったら、どのくらい金がかかっているかということを、やっぱり政治資金の規正法だとか、あるいは選挙の公営問題だとかいうことの参考資料の一つとして必要なんです。
#62
○国務大臣(藤枝泉介君) 総額でございましたら資料としてお出しできると思います。全国から集めますので、ちょっと時間はかかるかもしれませんが……。
 それからあとのほうの法定費用の総額がどれくらいになっているかということは、これは計算すればできますから提出できます。
#63
○秋山長造君 その資料をぜひごめんどうでもお願いしたいと思います。
 それからこれは、私のいまの自治大臣の御答弁を聞いての感じですけれども、やっぱり選挙の公営の問題だとか、あるいは選挙法をめぐるいろいろなことが問題になっているときですから、だから、選挙事務をやっておられる自治省の選挙局あたりでは、少なくとも必要があろうとなかろうと、大体今回の選挙で、一つの選挙をやったらどれくらい金がかかっているだろうということは、だれでも持つ疑問ですから、実際のことはわからぬけれども、しかし、大体の一つの判断の基準というものは、そういうものを集計して出してみればわかるはずなんです。前回のときはどのくらいで、今回がどのくらいと収支報告の総額だけでも比べてみますと、何回かの選挙を通じて、大体金の面からある程度選挙の傾向というものがわかるような気もするので、その程度のものは、これは言われぬでも、そのくらいの集計はぴちっとやって、いつでも手元に持っておいてくださいよ、これは私の希望ですけれどもね。
#64
○渋谷邦彦君 今回の第五次選挙制度審議会の答申として、政治資金規制の問題が現在俎上にのぼっているわけです。すでに今回まで衆院の場におきましても、また当院におきましても、論議が展開されてきております。ただし、ことで申し上げたいことは、審議会の空気というものは、今回のこの答申自体が必ずしも満足すべき答申ではない、まあないよりはいいだろう。一歩前進のための答申として今回提出をするという、これがこの政治資金をめぐる答申に関する委員会としての結論であります。しかしながら、ここ数日来、政府の考えというものがしばしば問題にされ、また追及されてきておりますことは、またもや総理の所信と反して、与党の自民党との間にどうも話し合いの調整がつかない、こういうことで、一歩前進の答申も何だか歪曲されたような方向へいくのではないだろうかということが、非常に懸念されております。答申としても、いま申し上げたような結論であることを考えれば、これすらもできないのかということになるわけでありまして、政府としては今回の答申をそのままそっくり答申どおり法制化するという方向に持っていかれることが、われわれとしては一番望ましい、そのように考えておるわけでありますが、ここで申し上げたいことは、政治資金の規制に関する事項の前文として、あくまでも個人本位の献金に限ると、寄付に限るということがたてまえでありまして、将来、その将来といいましても近い将来、この中では「おおむね五カ年を目途として」ということがいわれておりますけれども、これははたして政府としてそうした方向に進もうという方針を現在持っておられるかどうか、それは与党とのいろいろなからみ合いもありますので、その辺の実情をここでお述べいただきたいと、こう思います。
#65
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほど多田さんにもお答え申し上げましたが、今回の法文化にはこの五年ということを法文化の中に入れるつもりはいまのところ持っておりません。ただ先ほどもお答え申し上げましたように、政治情勢あるいは社会情勢が変化をいたしていくわけでございますから、しかも、政治資金については国民も非常な関心を持ち、その政治資金の規制についていろいろと意見を持っておられるし、成り行きを見守っておられるわけでございますから、そういう国民の期待あるいは政治情勢、社会情勢の変化、こういうものに応じて、常に検討を怠たらず、あるいは場合によって手直しをしていくというような気持ちを持っておるわけでございます。
#66
○渋谷邦彦君 その年限のことについては、政府としては答申尊重というたてまえから、おそらく近い将来において、そういう方向に持っていくための努力をするという前提に立つものであろうと、このように善意に解釈したいのでありますが、昨今伝えられるところによりますと、これは、あくまでも選挙区制の問題ともからみ合わなければ、これは実現が不可能であるというような問題がきわめて強く再燃してきているようでありますが、自治大臣としては、この区制との関係については、どのように考えていらっしゃいますか。
#67
○国務大臣(藤枝泉介君) 先ほどもお答え申しましたように、この今回の答申の前文にも、諸般の政治情勢をかんがみるときは、これを選挙制度全般の改善が実現されるまで放置することができないということでこの答申を出されたのでございますから、選挙制度全般と切り離して、この政治資金規正法の改正を成立させていただくようにお願いをしておるわけでございます。
#68
○渋谷邦彦君 そういたしますと、緊急事項ということになりますと、その他の、今日盲点あるいは欠陥とされておりますところの選挙運動全般についても、そのように理解してよろしゅうございますか。
#69
○国務大臣(藤枝泉介君) 選挙運動等につきましても、御承知のように、すでに第五次選挙制度審議会の算二委員会で御審議を始められておられます。これらの御審議を待ちまして、あとのことにいたしたいと考えておるわけであります。
#70
○渋谷邦彦君 念を押して申し上げますが、そうしますと、いまの大臣の御答弁のように、とにかく緊急やむを行ない措置として、今回の政治資金の問題、またさらには選挙運動全般を含めるいわゆる選挙の自由化ということが、審議会としての空気も非常に濃厚であります。その方向に持っていくことが、将来の日本の政治に対する新しい方向を打ち出すであろうというわけで、審議会としても、従来は区制の問題と関連を持って審議をやってきたわけです。しかし、今回の場合には、やはり第二委員会という存在がある限りは、何とかしてその結論を出すべきことがやはり審議会としての権威ではないかと、こういうことで切り離して考えて進めようと、一応そういうふうになったわけであります。先走ったことを申し上げて恐縮ではありますけれども、第二委員会として、いわゆる選挙運動全般について答申が出された場合に、区制と切り離して、これが緊急やむを得ない問題であると認められたものについては、それを実施に移される方針をお持ちになっておるかどうか。
#71
○国務大臣(藤枝泉介君) 選挙制度審議会がどのような処置をとられるか、いまから予測するのも軽率だと思います。しかし、とにかく選挙制度審議会として御答申をいただきまするならば、これはあの法律の中にもありまするように、これまた政府はそれを尊重して法文化する責任を持つわけでございまして、そのような処置をいたしたいと考えております。
#72
○渋谷邦彦君 審議会ができましてから今日まで、五カ年を経過しておるわけでありまするが、およそ第一次以来審議会の答申が尊重されなかったといううらみから、委員の中にも政府に対する非常に不信感を抱いておる向きがあります。どうせやったって政府がそれを尊重しないということになれば、むしろ現行制度を改善するほうの方向に立って進めたほうがいいんじゃないかというような議論もありますし、とにかく選挙制度審議にかかわらず、今日までの新議会の答申というものが、およそ守られたためしがないということが、もう定説になっているということでありますが、しかも、ああいう審議会の中でも、この選挙制度審議会は、もう申し上げるまでもなく、日本の政治の方向を決定するだけの重要な意義がございまするので、われわれとしては、再度再三にわたって今日まで政府に対する要求をやってまいったわけでありますけれども、今後政府の意に反するようなこと等があった場合でも、われわれとしてはできるだけその方向に向かって進めていただきたい。たとえば、この内容にありますところの「特定会社等の寄付の禁止」につきましても、先ほど読売新聞のことが問題になりましたが、国から補助金あるいは負担金、利子補給金その他の給付金を受け取る会社、団体等については、その寄付を受けてはならない、こういうことになっておりますが、日本開発銀行だとかあるいは輸出入銀行あるいは農林中央金庫、そういうような銀行にのみとどめて、ほかは自由というような印象を受けるわけでありますのが、しかし、先ほどの大臣の答弁でありますと、必ずしも政府の意向というものは、そのまま新聞に伝わっていないという印象を強くしておるわけでありますが、そのように今回のその一歩前進の審議内容を見ましても、相当遠慮深く、政府はこの程度ならば守ってくれるだろうという考えのもとにつくったわけでありますけれども、そうした部分的なこまかい点に入ってまいりますと、ちょっとした文字の修正によって、むしろ政府与党のためにする、そういう法制化の方向にならないかということを懸念するのでありますが、再度やはりこの点について、いま申し上げた若干のこまかい点まで触れてひとつ御答弁いだきたいと思います。
#73
○国務大臣(藤枝泉介君) この答申の中の具体的にあげられておるものは、それをそのまま法文化いたしたいと存じます。それから準ずるとか、あるいは「特定の」とか、こういうやや、われわれと申しますか、政府側におまかせいただいておるととれる問題につきましては、審議会がこういう表現をされた趣旨をお察し申し上げて、法文化をいたしたい。ただいまおあげになりましたが、補助金等は受けておるものは全面禁止を受けるわけでございます。したがいまして、ただそれは国から特別な援助を受けているという、そういう会社は寄付をすべきでないという御趣旨だと思います。したがいまして、ここにも例としてあげられておりますが、試験研究費であるとか、災害復旧費であるとか、それは補助という名前ではありますが、性格の違うものについては、その補助の性質によって考慮をいたさなければならないものと存じております。それからまた、政府関係金融機関から融資を受けているものにいたしましても、たとえば、国民金融公庫のような庶民金融というような、しかも、相手が非常に限られておるというようなものについてまで、これを適用するかどうか、その点は現在研究をいたしておる段階でございます。
#74
○渋谷邦彦君 今回のこの試みというのは、結局いままでもしばしばいわれてきたように、政治活動、選挙運動に金がかかり過ぎると、そういったところがら腐敗政治というものの温床になるということが懸念されてのことであり、しかも個人本位から政党本位に移行することが、理想的な、しかも明朗な選挙をやるであろう、行なうことができるであろう、こういう趣旨のもとであり、川島副総裁なんかも強くこの点を論議されたように思うのでありますが、ただし、これも現存論議の焦点になっておるのでありますが、はたして現在、現時点において、政党本位というような考え方が直ちに行なわれるかどうかということには、はなはだしい疑問を抱くわけであります。民衆のやはり世論ということも十分尊重しなければなりませんので、大臣としては、そういう加速度的な早さでもって個人本位から政党本位のそういう体制に切りかえられるかどうか、その可能性について、どのように判断をされているか。
#75
○国務大臣(藤枝泉介君) 政党本位の選挙が行なわれるということが望ましい方向ではあろうと思います。しかし現状の、この現時点におきまして、いま加速度的にという表現をお使いになりましたが、そういうほどに一体政党そのものが熟しているかどうかということは、私、私見ではございますが、多少疑問なきを行ないと思っております。
#76
○委員長(高橋文五郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にいよします。
 次回は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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