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1967/06/21 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号
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1967/06/21 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号

#1
第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第5号
昭和四十二年六月二十一日(水曜日)
   午後一時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二十一日
    辞任         補欠選任
     渋谷 邦彦君     中尾 辰義君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                吉江 勝保君
                松本 賢一君
                多田 省吾君
    委 員
                青柳 秀夫君
                川野 三暁君
                木内 四郎君
                楠  正俊君
                小柳 牧衞君
                塩見 俊二君
                秋山 長造君
                鈴木  力君
                野上  元君
                松永 忠二君
                中尾 辰義君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○公職選挙法改正に関する調査
 (統一地方選挙における選挙違反事件に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、渋谷邦彦君が委員を辞任され、その補欠として中尾辰義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋文五郎君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○多田省吾君 この前二、三質問したいと思ったのですが、政治資金規正法の問題で時間がなくなりましたので、あらためて質問さしていただきます。
 この執行経費にからんで選管の機構拡充のことでお尋ねしたいのですが、いま選管の職員は、市町村については大体どの程度の定員がいるのですか。
#5
○政府委員(降矢敬義君) 交付税におきましては、先般もお答え申し上げましたとおり、標準団体で吏員二人と雇員一人の三人になっておりますが、今般吏員一人をふやしまして、四人ということにいたしたわけでございます。
#6
○多田省吾君 選管の職員は、市の人口によって定数は変わるのじゃないでしょうか。
#7
○政府委員(降矢敬義君) 交付税の積算におきましては、それぞれの市の、いわゆる市町村におきまして標準団体というものにつきまして、その職員を算定することにしてありまして、ただいま申し述べましたように、標準団体におきまして、従来よりも吏員一名をふやして、雇員と合わせて四人ということで計算いたしてみまして、あとはそれぞれの団体におきまして、条例で定数をきめる、こういうことに相なっております。
#8
○多田省吾君 この前一人ふえたそうですが、それでも人口十万くらいの市で選管の職員が、いまお話しのように三人くらいであって、非常に手が足りないという話があります。どうしても一人、二人とふやしたほうがいいんじゃないかということがありますけれども、どうでしょうか。
#9
○政府委員(降矢敬義君) 交付税におきます積算は、ただいま申し上げたとおりでございますが、それぞれの団体におきまして、定数を条例で定め、あるいは専任のほかに兼任ということで選管の仕事をやっておるわけでございますので、われわれの措置できますことは、今般一名増ということで措置いたしたわけでございます。実際の具体の問題になりますれば、それぞれの市町村で条例でこれをきめていくということになります。また兼任というようなことでその仕事をやっているということに相なるわけでございます。
#10
○多田省吾君 この前から新有権者の登録についてお伺いしましたけれども、今度は年四回に登録がなるという話でございます。それでも申し出制でございますから、非常に申し出の人が少ない。しかし新有権者に限って、東京の荒川区等においては往復はがきを出してやっている。で、普通は申し込みは一割くらいしかないのに、荒川区だけが、二千八百八十人の新有権者の中で二千三百人が往復はがきを用いた結果、申し出があったという姿があるわけです。この前も新しい補充登録はしないというお話でありましたけれども、せめてもう少し金を使って、新有権者に限って往復はがきを使用する等々、便法はかったらよろしいのじゃないかと、こう思いますけれども、いかがでございましょうか。
#11
○政府委員(降矢敬義君) 新有権者につきまして、先般来いろいろ問題がございまして、三月の登録の場合におきましては、それぞれの選管におきまして、ただいまの私も荒川区を視察いたしましたが、往復はがきで申し込みの便宜をはかる、あるいは横浜市のように、相当のビラ、ポスター等を配布いたしまして、それによって周知徹底をはかるというような、それぞれの具体の選管において相当手を尽くした模様でございまして、われわれも、ぜひそのようなことをお願いしてまいったわけでございます。
 いずれにいたしましても、名簿が新しい名簿制度になりましてから第二回目、事実上第二回目の登録が三月でございまして、なお周知方について相当徹底を期することを要しましたので、われわれといたしましても、御案内のとおりテレビ、ラジオを使いまして、この三月の登録期も相当PRをしたつもりでございます。いずれにいたしましても、この制度がしかし十分慣熟されないで第二回になりましたので、その点の周知方を考えておりますが、今後も周知方について徹底を期していかなければならぬと、こう思っている次第でございます。
#12
○多田省吾君 この法案に関連してもう一点だけお伺いしたいと思います。それは、公職選挙法施行令の第十八条の六に、同じ市町村の区域内の他の投票区の区域内に住所を移した場合には、登録の移しがえをしなければならないと規定してありますけれども、経費が少ないためか、非常にそれがおろそかにされておりまして、旧住所に通知がくる、入場券がくるという場合が非常に多いわけです。この十八条の六の規定を義務制にむしろ切りかえるような姿で、移しがえを強力にやっていかなければならないと思いますけれども、この点に関してどのようなお考え方ですか。
#13
○政府委員(降矢敬義君) 同一市町村内の住所の移しかえに伴いまして、投票区の所属が異なってまいります。この点につきましては、われわれとしても、名簿の移しかえ後に、ずいぶんこの関係で徹底を期するようにし、また、結局その投票区が近いということが非常に大事なことでありまして、御指摘のように、多少最初の間はふなれの結果、あるいは住所移転とそれとの期間のズレがありまして、そのようなことがあったことも事実でございますけれども、その点は三月の登録期のときにも、十分各市町村に徹底をしたつもりでございます。今後とも住所移転と名簿の移しがえという点につきまして、選挙民の立場を考え、迅速にこれをやるようになお徹底してまいる考えでございます。
#14
○鈴木力君 この法案で一つだけ伺いたいんですが、個人演説会あるいは立会演説会、これに学校を使用する場合の費用が第九条ですか、公営の場合ありますけれども、この区と市と町村で、同じ規模の学校で単価が違うというのは、どういう根拠で違えておるんですか。
#15
○政府委員(降矢敬義君) ここに表に掲げてありますのは、その演説会に要する経費の積み上げの総額でございまして、中身といたしましては、人夫賃とかあるいは嘱託費とか、そういう違いが積み上げの結果、こういう市町村段階ごとに違ってくるわけでございます。それはその他の経費についてもそれぞれ分けてありますのは、そういう意味で積み上げてこういう結果になるので、それぞれ単価の相違が反映して違ってくる数字になるわけでございます。
#16
○鈴木力君 もう少し具体的に教えてくださいませんか。たとえば東京都のある区の学校の場合には、どこがどう違ってこれだけの違いになるかということを。
#17
○政府委員(降矢敬義君) 演説会公営費につきまして、たとえば人夫賃につきまして単価が、区の場合は今般の改正で七百五十円、市の場合は五百七十円、町村の場合は四百八十円、それから超過勤務手当も、区の場合は千九百円、市の場合は千七百十三円、町村の場合は千三百五十九円というふうに単価の相違がございます。そういうことで違ってくるわけでございます。
#18
○鈴木力君 それで単価の違いの基礎になる人夫賃が、区が七百五十円で町村が四百八十円、その違いをつけた根拠はどういうことです。ついでにまあ超過勤務――これは人夫賃のほうからくるでしょうから、一つだけ。
#19
○政府委員(降矢敬義君) 演説会の施設公営費につきましては、一つは施設の面積によって区分けしておりまして、坪数が四百九十五平方メートル以上、それから三百三十から四百九十五平方メートル、百六十五から三百三十平方メートル、百六十五平方メートル未満、こういう区別をいたしまして、それに従って、たとえば四百九十五平方メートル以上の一番広いところになりますと、区の場合、人夫賃が改定前は六百四十円、改定後は七百五十円ということになります。その次、先ほど申しました超過勤務、今般改定いたしましたが、超過勤務の場合も、区の場合が千四百九十四円、改定後は千九百円ということになりまして、それを積み上げましたものをこの法律の上に書いたわけでございます。
#20
○鈴木力君 くどいようで恐縮ですが、面積による差は、ここにもちゃんと総額が違っているからそれはわかりますよ。私が聞いているのは、同じ面積のところで、区と市と町村の違いだけで、その他の条件は同じです。そこで私はほかのこと聞きませんから、その基礎になる人夫賃を違えたのはなぜか、それに対して直接お答えいただければよろしい。
#21
○政府委員(降矢敬義君) 人夫賃におきましては、従来この法律がつくられましたときから、労働省の職種別賃金調査報告というものに基づきまして、人夫賃の区、市、町村別の単価を算出しておったわけでございますが、したがいまして、その市、区、町村の実態調査におきまして、そういう区別がございましたので、それを用いて単価に差をつけておったわけでございます。
#22
○鈴木力君 それちょっと何かくどくて恐縮なんですけれどもね、その労働省の調査はいつの調査なんですか。基礎になっている調査は何年の調査ですか。
#23
○政府委員(降矢敬義君) 労働省の職種別賃金調査の告示が三十六年まであったはずでございますが、それが廃止になりまして、したがって、この現行の単価の基礎は、その調査に求めたわけでございます。
#24
○鈴木力君 聞いてみれば聞いてみるほど奇怪なことを御答弁をいただくので、早く質問をやめようと思うけれども、これはなかなかやめられなくなってしまう。三十六年まであったというものを、さっきはそうおっしゃらないで、労働省の職種別賃金調査によりましたと、こういうお答えなのですけれども、ことし法律案を改正して、単価を改正する法律案をいま出しているのですから、それを三十六年の資料を基礎にしてつくりましたということは、どうもあまり進んでいる国の法律案の立法の根拠にはならないような気がするのです。もしそうだとすれば、私はこれをもう一ぺんやり直して、新しい資料によって、六年も前の資料を使いましたということでは、いま単価を変える法案を出しますという理由にはならない。新しい資料を使い直して、ここに訂正してやってもらわないと、どうも理屈の上で合わないような気がするのですが、いかがですか。
#25
○政府委員(降矢敬義君) 私の説明が不十分でございまして、失礼申し上げました。今回の単価改定におきましては、三十九年から四十一年までの軽作業人夫賃の伸び率一七・二%を現行の単価にかけまして、いま申し上げましたような区、市、町村ごとに七百五十円、五百七十円、四百八十円という計算をして単価を改定したわけでございまして、三十六年の資料に基づきましてこの単価改定をやったのではございませんので、伸び率はそういう伸び率を使いまして、現行単価にかけて改定したわけでございます。
#26
○鈴木力君 ますますおかしくなるのです。あなたもう少し私の言うことを聞いてくださいよ。それなら三十六年までの労働省の調査を使いましたという答えが、なぜさっき出てきたのですか、それを使わないのに。もしそれを使って、つまり――ちょっと聞いてください、局長さん。今日までの現行法は、労働省の調査を使ったというのでしょう、おそらく。そして今回の改正には、それに一七・二%をかけてスライドした、こうおっしゃるのでしょう。それならばお話の筋としてはわかるのです。わかるけれども、私のお伺いしたいのは、そうすると、現行法というのは何年前にできた基準かわからないけれども、おそらく、そのあと地方と中央との経済的な格差というのは、これは自治省から見たら、幾らかでも縮まっていると言わなければならない立場ではないですか、自治省は。そういうときに、基礎を同じにして、同じパーセンテージの伸び率を機械的にかけたら、自治省が考えておる地方の経済力というものに、生活というものに、逆行しているのではないですか。その辺はどういう御説明をなさればいいのですか。
#27
○政府委員(降矢敬義君) この労働右の伸び率につきましては、一七・二%という伸び率は、大体各町村、市、区を通じまして同じでございまして、現行の単価は、三十八年に改定されまして現行法の単価になっているわけでございます。そこで三十九年から四十一年までの軽作業人夫賃の伸び率を出しまして、そしてそれを現行単価にかけて現行単価を算出したわけでございます。
#28
○鈴木力君 これは幾ら伺ってもわからぬですから、自治大臣に伺います。
 自治大臣は、三十八年と四十二年のいまを比べまして、地方の市町村、市町村というか、町村と言ったほうがいいかもしれない。町村の所得と、それから都会の所得との違いというのは、大きくなっていると見ますか、少なくなっていると見ているわけですか。
#29
○国務大臣(藤枝泉介君) 私も概括的に言えば、だんだん狭まってきたのじゃないかと思っておったのですが、いま事務のを見ますと、大体似たようなものだというので、私もちょっと……。
#30
○鈴木力君 似たようではないので、これだけ基礎が違っていると、同じパーセンテージをかけていったら広がっていく……。
#31
○国務大臣(藤枝泉介君) いや、区と市と町村との三十九年以降の伸び率が、私は町村のほうが概括して上にいっているのじゃないかと思っておったのですが、現実の調べは、大体区も市も町村も伸び率が似たようなものだということで、ちょっと意外な感じはいたしているわけでございます。
#32
○鈴木力君 まあこれ以上は申し上げませんけれども、どうも局長さんの先ほどからの御答弁を伺いましても、きちっとした意識でこれを計算なさった法案だと、どうも私はいまなかなかそう拝見できないわけですね。聞くたびごとに、皆さんは帳面をひっくり返して、さきの説明とあとの説明が違っているような、そういう説明をしなければならないようなことであるといたしますと、私はこれは重要な問題だと思うのです。
 まあこの九条はこれでもいけるかもしれないけれども、しかし、個々の公職選挙をほんとうに協力してやっていく労務者といいますか、そういう人たちが、そんなような簡単なといいますか、私に言わせれば軽率ということばを使いたいのですけれども、そういうようなことで単価をきめられていかれるということがすべてにありますと、これは協力の度合いがおかしくなるようなかっこうになっちゃぐあいが悪いと思います。こういう問題については、いま伺ってもしようがないと思いますけれども、やはりよく調査をなさいまして、もしそういう不合理な格差なり不合理な点があるといたしますと、何らかの方法でそれは是正をしてもらわなければならないと思いますが、そういう点を御要望申し上げて、私は質問を終わります。
#33
○秋山長造君 いまの鈴木委員の御質問は、演説会の経費についての御質問だったのですが、これはいまちょっと調べてみますと、演説会だけでなしに、投票所の経費にしても開票所の経費にしても、みな同じような区と市と町村によって差別がつけられているのですが、これはみな、さっき局長の御説明のような基準でこういう区別ができているのでしょうね。
#34
○政府委員(降矢敬義君) さようでございます。
#35
○秋山長造君 いまの鈴木委員の御質問は、何かこの法律の極端な例外的なケースについての御質問でなしに、これはもうこの法律のすべてに共通した、ごく常識的な御質問だと思うので、やはりこれでは何じゃないですか、この法案をここで審議する以上は、いまの点について少し時間をとって、当局のほうで十分きちっとした根拠をそろえて、私どもに端的によくのみ込みのいくような御答弁をやはり用意してもらったほうがいいのじゃないかと思うので、これはどうですか、委員長にもちょっと私お願いしたいのですね。これは特別のケースじゃないので、初めからずっとたくさんある表、全部共通している問題ですが、案外私らも実はうかつだったといえばうかつだったので、前からの惰性で、こういうように、区と市と町村とずっとランクをつけて書いてあるから、何となく、まあこれはそのまま聞いたり見たりしていたのですけれども、いまあらためて御答弁を聞いてみると、ちょっとなかなか、その考えが納得できません、その点は。だから何か次回にでも、きちっとした御答弁を聞いた上で、これを採決するなら採決するということにしてもらわぬと――採決したあとでもよろしいという性質のものじゃないと思うのですね。
#36
○委員長(高橋文五郎君) 速記をとめて。
 〔速記中止〕
#37
○委員長(高橋文五郎君) 速記を始めて。
 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#38
○委員長(高橋文五郎君) 続いて、公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#39
○多田省吾君 今度政治資金規正法が提出され、明日衆議院の本会議で趣旨説明並びに質疑があるようですから、参議院でも多分あると思いますので、そのときに大部分は譲りますけれども、ただちょっと気になる点を二、三点お伺いしたいと思います。というのは、わが党としては、非常に不満であるけれども、一歩前進として、なるべくこの法律を成立させたいという方向に向かっているわけですが、政府の態度、また自治省の態度というものが、非常に軟弱のように私たちは見受けられるわけです。どんなことがあっても、今度の国会において成立させたいというそういう覚悟を持っておられるのかどうか、まず、最初にお聞きしたいと思います。
#40
○国務大臣(藤枝泉介君) 国会の御審議にいろいろわれわれが口を出すことは差し控えますが、私たちといたしましては、提案者として、ぜひこの成立をはかっていただきたい、そう考えておる次第でございます。
#41
○多田省吾君 もう一点ですけれども、この前の委員会でも、最初の施行期日は何カ月以内と、期日を明記するということを相当強くここでお述べになったのですけれども、今度の法案では、全部政令にまかせると、非常に食い違っているわけですね。何かその点に関して、どういう理由ですか、お聞きしたいんですけれどもね。
#42
○国務大臣(藤枝泉介君) たびたびお答えしましたように、国民への周知徹底ができ次第、すみやかにという感じでございます。先般、九カ月と申し上げたらそれは長過ぎるのではないかというようなおしかりも受けております。といって、どうも半年で十分周知徹底できるという自信もございませんので、そういう意味で、この政令にゆだねたのでございまして、漫然政令を政府のかってにいつまでも出さないという気持ちではさらさらございません。準備のでき次第、と申しますのは、要するに国民に周知徹底し、並びに各選挙管理委員会が、この法律につきまして十分熟知する、その期間を見ておるのでございますから、まあ常識的に言えば、半年あればいいと思いますが、それに自信を持ってないという程度のことでございます。
#43
○多田省吾君 それは納得できないですね。まあそれは理由は幾らでも弁解できるでしょうけれども、これはもう国民のだれしも、この政令で定めるということにしたのは、結局もう一年でも二年でも延ばせるようにしたんではないかという気持ちのほうが強いわけです。それでなかったら、六カ月、九カ月、一年、その辺で、この前自治大臣がおっしゃったように、期日をきめられないわけじゃない。きめたいとおっしゃったのに、こういうふうになったということは非常に不満です、このように思います。まあお答え願っても、そういうことは言えないでしょうから、お答えはいただきませんけれども。
 もう一つ、ほんとうにこの前と違っているのが、公職の候補者等の寄付の禁止に関する事項、これも私はこの前この要綱のとおりいくのでしょうねと念を押したところが、答申の線にのっとって変えないというような強い態度でおっしゃったのですが、これもまた非常に骨抜きになっちゃった、これはどういうわけですか。
#44
○国務大臣(藤枝泉介君) 実は、すでに御承知だと思いますが、選挙制度審議会の審議の段階におきましては、絶対禁止でなくて、ある程度の社交的なもの等を除いて禁止をするという案がずっと審議をされておりましたが、最終段階においてすべて禁止、こういう形になったことは、経過は御承知のとおりだと思います。そういう点もあわせて考えますると、はたしてその絶対禁止ということが、必ず守られるかどうか、社交の程度のものまでも禁止してしまって、はたして現実に守られるかどうか、こういう点におきまして、いささかの危惧を持ったわけでございまして、別に選挙制度審議会の御審議の途中のことをお借りするわけではございませんけれども、そういう守られないことよりも、むしろ常識的にして、それを必ず守るということが本来の趣旨じゃないかと思うのでございまして、政治教育というような、そういう政治活動における実費弁償だけは、これは認めようじゃないかという感じを持ったわけでございます。
#45
○多田省吾君 期日の点はどうなんですか、禁止期間を一年も禁止しないで、九ヵ月だけ禁止するというふうに変わったわけですね。その点はどうして後退したんでしょうか。後援団体が行なう寄付の禁止期間を、任期満了前六カ月から当該選挙の期日後三カ月まで延長する、九カ月間禁止、三カ月を許したわけでしょう。前はこの期日の禁止はなかったわけでしょう。
#46
○国務大臣(藤枝泉介君) これまた先ほどお答えしましたと同様に、やはり一年中そういう後援団体の寄付を禁止することが、はたして守られるのかという私は心配――そういうことを申し上げるのは、はなはだ恐縮ではございますけれども、現実の問題としては、やはり選挙に近い時期、それがやはり弊害をもたらすのではないかということで、かようなことをやったわけでございます。
#47
○多田省吾君 この点に対しても、現行法から少し改善しただけで、この答申並びにこの前の要綱よりも相当後退しておる。このことを非常に遺憾に思うわけです。まあこのことに関してはまた次回に譲りまして、私は……。
#48
○松本賢一君 ちょっといまの質問、今度別な質問が始まるようですから、ちょっと関連してあれですが、もうあと会期は御承知のとおりわずかになってしまったんですがね。衆議院であしたから始まるというのですけれども、こっちへこの会期中に回ってくるかどうかもわからないような状態だと思うので、当然会期延長がなければ、この法案はだめになってしまうと思うのですが、そこで自治大臣は、それは会期がどうなるこうなるということは、自治大臣の考えることじゃないかもしれぬけれども、しかし、さっき言われるように、どうしても通したいということになると、会期を大幅延長してでも、どうでもこうでも通してもらいたいと、そういう意気込みでおられるのかどうか、ひとつお伺いしておきたい。
#49
○国務大臣(藤枝泉介君) 私がいろいろ国会の御審議のことを申し上げるのは恐縮でございますが、私としましては、先ほど多田さんにお答えいたしましたように、ぜひとも成立させていただきたいと思いますので、会期の延長等も御考慮をいただきたい一つであると考えております。
#50
○松本賢一君 まあ、あっちからもこっちからも修正の意向がいろいろ出てきておるようですが、そういう点も、自治大臣としては、原案をどこまでも通してもらいたいということなんですか、それとも、もっといい案があったら一緒に考えましょうというようなお気持ちもおありになるのですか、いかがですか。
#51
○国務大臣(藤枝泉介君) 御審議の経過において、よりよき案が発見される――発見と申しますか、御論議になれば、その修正に応ずるのにやぶさかでないという気持ちでございます。
#52
○多田省吾君 いま統一地方選挙でも非常に問題になっておりますのは、部落推薦という問題、これも自治省からこの前通達が出たそうでございますが、その間の経緯とか、あるいは部落推薦に関して、どのようにお考えになっておりますか。また、それに関連して、部落推薦ということになりますと、特に消防団とかが部落の出入り口を固めたり、あるいは親戚のうちにほかの用事で行った場合でも尾行されたり、また正当な選挙運動さえも非常に制限を受けたり、この前は四国では何ですか、傷害事件まで起こったというような事件もあった。そういったことに関連して、どのように考えておられるか。また、どういう通達をこれについて出されたか。
#53
○国務大臣(藤枝泉介君) 部落推薦そのものは、民主的に行なわれる限りにおいて、私は別に排斥すべきものではないと思いますが、ただいま御指摘のように、それをたてに取って強制をする、あるいは、それに従わなかった者を後にいわゆる村八分にするというようなことになることは、もう絶対に避けなければならない、あってはならないことだと思います。往々にしてそういうことが、特に地方選挙などに散見することは、非常に遺憾なことでございまして、要は選挙の常時啓発運動におきまして、国民の政治意識を高め、また選挙に対する、明るく正しい選挙の推進のために、国民全体が自覚していただくように、市町村の選挙管理委員会等を通じまして、常時啓発費をもちまして、そういうことの絶無を期してまいりたいと思います。
 また、例におあげになりました愛媛県の松前町の町長選挙にからんでの殺傷、殺人事件などは、これはまさにたいへんなことでございまして、当時この町長選挙が非常に先鋭化しておりますので、警察といたしましても警戒を強めておったのでございますが、未然に防止できなかったことは、たいへん遺憾に思います。要はやはり同じように、この選挙に対する国民の正しい政治意識の高揚ということにかかろうと思います。今後ともその方面につとめてまいりたいと思います。
#54
○多田省吾君 で、この前もある週刊誌に、その自治省のそういった通達に対して、ある選管の席にある人が、そういう通達があったにしても、実際は部落推薦とめるわけにいかないし、強制になるのもある程度やむを得ないというような発言をした、不謹慎だということで出ておりましたけれども、まあ、ここにはっきりその本を持ってきて読むようなことはしませんけれども、そういった点もありますので、どうかひとつ部落推薦で強制的になって、選挙の自由を束縛するようなことのないように、また、傷害事件等のないように、ひとつより一そう監督を厳重にお願いしたいと思います。
 その点に関しても、刑事局長さんにきょうお願いしているのですけれども、この前も私、千葉県市原市の選挙があったものですから行ってみた。そうしたら、消防団がだいぶ制服を着て、消防自動車等を使って連れ出しをやったり、あるいは相当示威行動をやっている。まあ示威行動は選挙法でも禁止されていると思いますけれども、そういった点で、県警にもずいぶん強硬に申し入れたのですけれども、なかなか取り締まりができないような状態でございました。そういう面は、何も市原市の選挙だけじゃなしに、この前の統一地方選挙において、東京はあまりありませんけれども、関東地域においては非常に行なわれたわけです。それが統一地方選挙だけじゃなく、衆議院戦や参議院地方区なんかの場合も非常に数多く見られます。この点に関してどうでしょうか、御意見を承りたいと思います。
#55
○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。
 ただいまおあげになりました千葉県の市原市の問題でございますけれども、この点につきまして、千葉県警察本部のほうに、どういう状態であったのかということを私どものほうも聞いてみたわけですが、これは御存じのように、市原市の地方選挙で、市長及び市の議員の選挙のことであったようでありますが、まあ事実につきましては、地元の県会議員の方等からも、こういうふうなことがあるというふうなことで、抗議といいますか、あるいは通報といいますか、そういうふうなことがあったようでございますが、これについて警察のほうでも、すぐ当該警察署に命じて、実情を見させたようでございますが、これはそのときの状態でございますから、あるいはそれ以前に、あるいは何かあったのかもしれませんが、そのすぐ見させた状況あるいは調べさした状況からは、たまたまそのときに火災が発生しておって、地元の消防団が消火のために出動しておったというふうな事実があり、また、その翌日及び翌々日には、火災現場の取り片づけというふうなことで、消防団の団員がはっぴ姿でそういう仕事に従事しているのが見られたと、まあ、しかし警察のほうの直ちに調べた状態では、特定候補者の選挙運動にわたるような行為、あるいはこの積極的な、といいますのは、選挙運動にまぎらわしいような棄権防止の選挙啓蒙活動というふうなことは認められなかったというふうなことで、抗議のありました向きにも、その理由をよく話をしたようであります。
 なお、その後、警察のほうで聞いてみますと、市の選管では、従来から消防団には棄権防止のための活動ということを指示して行なわせているということでございました。さらに、その後にも、六月二日にも抗議の電話、あるいは六月三日にも抗議の電話が、市原市の事柄について県警の捜査二課のほうにもきておったようでありますが、これらもすぐ当該警察署に命じて調べさせました。特に選挙法に違反する行為ということで、取り締まらなければならないというふうな事態はなかったようでありますが、たまたま、このはっぴを着用して、二、三カ所で二、三人の消防団員がたむろしているのを認めたので、これらにつきましては、いずれにしても、公職選挙法に触れるようなおそれがあってはいけないということで注意をしたと、こういうふうなことを申しております。
 まあ、以上のようなのが私どものほうが承知いたしております市原市の問題でございますが、それはそれとしまして、いわゆるこの見張り、その他棄権防止というふうなことで、それ自身法に触れない限りにおきましては、警察としては、とやかくすべきものではないと思いますが、そういうことが公職選挙法の条項に該当する、あるいは選挙の自由妨害になるというふうなこと、あるいは気勢を張るような行為になるということになるのであれば、これは警察としては、いかなる場合においても法に違反する行為として処置する、こういう態度で在来も臨んでいるところでございます。
#56
○野上元君 ちょっと関連して質問したいのですがね、いまあなたの発言を聞いていると、重大な問題が含まれていると思うのですが、それは市当局といいますか、あるいは市の選管が、消防団に棄権防止運動をやらしているということを、いま報告を聞いたのですがね。これは重大な問題じゃないでしょうか。たとえば、消防団というのは、一つの団体として、必ず推薦候補を決定しているのですよ、どこの消防団でもたいてい。これに棄権防止の活動を選管が委任するとか、市が委任するとか、これは重大な問題じゃないでしょうか。そういうことをやるからこういう問題が起きるのじゃないでしょうか。私は、それができるならば、たとえば労働組合なら労働組合に委任してもいいわけですね、棄権の防止を。そういうことを警察が認められているということは、私は重大な問題だと思うのですがね。そういうことをどういうふうに自治大臣、お考えになりますかね。
#57
○国務大臣(藤枝泉介君) 確かにお説のような点があろうかと思います。おそらく、どういうことでございますか、その消防団に、団として、市民一般に棄権防止を呼びかけさせるというようなことは、あまりいいことじゃないので、消防団の団員に、団として棄権防止の思想を徹底させるというような方法ならばよろしいですが、そういう特定の団体に棄権防止――市民一般に対する棄権防止の呼びかけというようなものは好ましくないと私も思いますので、もしそういうことがありますならば、是正させるようにいたしたいと思います。
#58
○野上元君 いまの問題ははっきりさしてもらって、これは消防団が、団長がかってに消防団員に、われわれが推薦しておる候補についてもひとつ、何といいますか、棄権防止の運動やろうじゃないかということは、これは自由だと思う。しかし、かりそめにも、選挙管理委員会だとか市当局がこれに委任したとすると、これは自由に赤い自動車使えるわけですから、これがいま多田さんの言われた問題の根本になってると思いますから、よくもう一ぺん調査してもらって、この次の機会に明らかにしてもらって、もしも事実そういうことがあるとするならば、自治大臣として、ひとつ通達発してもらいたいと思います。
#59
○国務大臣(藤枝泉介君) さっそく事実を調査いたしまして、さらに次の機会に御報告申し上げます。
#60
○多田省吾君 消防団に関して、もう一つ事実を述べたいと思う。
 これはこの前の衆議院選におきまして、まあ市原には佐藤総理も来まして、何ですか、ある候補に対して、今度大臣にするんだとか、奥さんの病気に免じて票を入れてもらいたいというような利益誘導のようなことをおっしゃって、大デモ行進をやったわけですけれども、そのあと非常に消防団が勢いづきまして、選挙の前日でございますか、夜投票所の前に消防団員が何十人とたむろしまして、かがり火をたきまして、そしてその前に大きな模造紙に名前をつらねて、よその地域から出た候補に入れて一体何になるんだ、そういうことを大書して気勢をあげてる。それに対してこちらが県警に対して、また選管に対して、そういうのは選挙違反である、やめてもらいたいと、強く申し入れても、何の手も打たないです。そういったことがひんぴんと、特に千葉県においては行なわれておる。この前の野田市長の選挙のときなんかは、むしろ現役の市長さんが社会党さんです。何とか自民党さんが巻き返そうとしたのか、まさに無警察状態のような選挙、買収が、選挙が行なわれたとも聞いておりますし、まあ事実を述べよといえば幾らでも述べられますけれどもね。そういったことがひんぴんとしてあるわけですね。その前も、たとえばにせ証紙事件、また県知事選挙にからんで、にせ証紙事件がある、その取り調べの仕方だって、私たちには非常な不満がある。何ですか、上から何か圧力がかかったような、そういうふうにも受け取られるような姿でありました。特に千葉県に限らず、そういった特に関東地方あたりは消防団の横暴な姿、ほんとうにわれわれは、もう当然選挙違反になる、そういった姿が公然と行なわれて、警察当局あるいは選管等に幾ら言っても通じない。そういうことが事実行なわれておる。
 それから、そういった部落推薦の問題、いまお話しがありましたように、部落から推薦されて――自治大臣は、それは強制になるようなことがあってはいけない。事実強制になっておりますし、そして、いま話がありましたように、消防団に選挙の啓蒙を依頼したとか、金が出ているかどうか、これは問題だと思うのです。金なんか出てりゃたいへんな問題だと思うのですがね。で、じゃ、ただでやる、だれがただでそういうことをやるもんですか。大体利益があるから市選管の要望にも応ずるわけでしょう。そしてそれが必らずいま話がありましたように、同じ部落から出る、消防団はその部落推薦の人を応援しておりますよ、ほとんど例外なく。その人が、結局選挙蒙啓に当たるとしたならば、もう他の候補に自由に投票しようという人でさえも、精神的な威圧、また肉体的な暴力さえ加えられておるケースがだいぶあるのです。それで、町のはずれでかがり火なんかをたかれて、そうして通行さえも一々あらためられる。面通しですから顔まで一々――私なんか車をとめられて、顔をのぞき込まれてだれだと確かめられましたよ。そういう事実が行なわれておるのです。そういったことに対して、また強く次回まで特に市原市については調査をお願いしたいと思います。その衆議院議員選挙の、消防団がかがり火をたいて、そういう模造紙に威圧的なことばを書いて運動していた実態なんかも、私たちは写真をとっております。この点に関して、ひとつ刑事局長からもう一回お願いしたいと思うのです。
#61
○松永忠二君 関連して。いまのについて、いわゆる選挙違反のおそれがあるのか、選挙違反なのか、そこをはっきり見解をお聞かせください。こういう事実はよそにもあることです。現実にいまそういうふうなものを書いて消防団がたむろしていたという、そういう事実は選挙違反のおそれがあるのか、選挙違反なのか、そこの辺の見解をひとつはっきりしてもらいたい。刑事局長、選管の関係ですから、あれの選挙の局長がいるでしょう。それひとつ。
#62
○政府委員(内海倫君) その前に、ただいま多田委員のおっしゃいました件に関しまして、私どももいまあらためて言われておりますような事柄が事実あったかどうかということについては、もう一度よく調査いたすつもりでおります。いたすつもりでおりますが、私どもは、いずれの場合における選挙におきましても、公然行なわれておる公職選挙に違反するような行為につきましては、厳重な取り締まりを実施してきたつもりでおります。しかしながら、先刻御存じのように、一見選挙法に違反するような行為に見えましても、私どもとしては、それを厳密に法令に違反しておるものかどうかということを見ていかなければいけませんので、たとえば、見張りの人がおるというふうな場合でありましても、その見張りの行為が、直ちに公職選挙法に違反するものではなく、やはりそれが公職選挙法の二百二十五条ですかに定められておる各号に該当するかどうかということを、十分見きわめた上で処置をしなければならない、こういうことでございますので、警察としましても、率直に申しまして、選挙違反の取り締まりというものは非常に苦労の多いものなのでございます。それにしましても、私どもは、選挙が公正に行われるということを、取り締まりにおいて実現していかなければならないわけでありますので、ただいま事例としてあげられましたようなことがあったかどうか、さらに、こういうことが具体的に法令に違反するものであるかどうかということは、現地につきまして十分調べて対処いたしたいと、かように考えております。
#63
○松永忠二君 ちょっと、きつきの選挙局長のほうの意見を聞きたいのですがね。
 刑事局長、私はあなたのおっしゃる、おそれがあるかどうかというようなことについては、十分調べなければ言えないというのは事実だけれども、そういう事実があったらば、おそれがあるかないかということを調べた事実があるのかどうか。
 私は現に、われわれの県あたりでもそういうことを盛んにやるわけです。特に市町村の選挙のときには、必ず辻にかがり火をたいてやっておるわけです。そうして、いま言っているとおり面通しをやる、そういうようなことは御承知のとおりだと思うのです。そういう際に、たとえば警察にそういう通知がいった場合には、直ちにそれが選挙違反であるかどうかということについては検討を要するとしても、選挙違反のおそれがあるかないかということを調べに行けば、もうすでにそれで効果をあげる事実はあるわけですよ。ところが、いまのお話しのように、通知をしても出かけるじゃない。そういうことは選管にお話しをしてくださいというようなお話をされて、事実を調べるという行為もなされないということになると、あとになってからそういう話をされても、私はそれじゃ効果があがらないと思うのです。事実そういうことをやっていることについて、私は警察の関係の方がその調査をして歩けば、歩いただけでもうすでにそのおそれのある行為もなくなってくるという状況があって、効果をおさめるだろうと思うんですよね。ところが、そういうことについても、なかなか事実具体的にやられていないというところに、現実にそういう問題が各地に起こっていると思うんですよ。
 そこで私は、いまのお話しのように、よく事実を調べたいというお話はわかるので、そういうことについて、警察が現実を調べたのかどうか、調べに行ったのかどうかという問題ですね。これをひとつあわせて調べられるようにお願いすると一緒に、やはりそういうことが通知があった場合には、当然警察としては、一回りその事実を調べて歩くのがあたりまえだと思うけれども、それもまた選挙の違反を防ぐために非常に効果があると思うけれども、こういう点について刑事局長の見解を聞かしてもらいたい。そうしてまた、こういうことについては、やはりなお今後注意をする必要があると考えておられるのかどうか、この二つの点を聞かしてもらいたいこととあわせて、いま言ったことはもう盛んに行なわれているので、一応見解だけをひとつ自治省の側のほうから聞かしてください。
#64
○政府委員(内海倫君) ただいまの御意見、私もごもっともと拝聴するところでございます。警察といたしましても、選挙違反の取り締まりにつきましては、非常に神経を使いながら行なっておるところでありまして、選挙違反が行なわれてしまったのでは、これはやはり取り締まりのほんとうの意味の効果はないわけでありますから、やはり選挙違反が行なわれようとしている前にこれを警告して、自発的にそういうことのないようにしていくと、これがまあ一番警察としましてはいいことだろうと私どもは考えておりますが、反面また、そういうことが今度は、よほどよく見きわめてやりませんと、選挙の自由を警察側が逆に干渉する、妨害するというふうなことにもなりかねない。そういうところで、やはりこれは犯罪につながるおそれがあるという見きわめをした上で措置をしなければならないということでございまして、松永先生の御意見は、私どもにいただく非常にありがたい御意見として承り、今後も取り締まりについても十分勉強いたしたいと思っておりますが、もう一度申し上げますと、警察当局としては、いろいろな角度から検討しながら、慎重にこれを行なっておるつもりでおります。
 で、なお千葉県のいまのような件については、そういう事実にどう対処したか、まずそういう事実があったのかどうか、警察はそういうものに対してどうしたのかということは、もう一度私ども調べてみますが、いま私ども手元へ千葉県警察本部から来ております報告では、市原警察署の管内の問題で報告のありました点、ちょっと拾いながら申し上げてみますと、市原市内の八幡、四東、三和、番場というふうな地区で、消防団員がはっぴを着て立っておるので取り締まってもらいたいというふうな通報行為がございまして、で、警察本部では、先ほども言いましたように、即時市原警察署長に指示しまして、特に投票日の前夜でもありますので、警察署のパトロールを出動させて、市内全域にわたり厳重な取り締まりを実施させております。その間に二、三カ所の地点で、はっぴを着用した消防団員が二、三人たむろしておりますのを現認いたしておりますので、これについては職務質問を行なって、どういうふうなことなのかと目的を糾明しておりましたが、いずれも選挙には関係ないということを申し述べておる。また、先ほども申しましたように、二百二十五条に該当するような違反行為というものも、そのときにおいては認めがたかったわけでありますが、その場合に、特に消防目的で必要があるというのであればともかく、そうでなければ、また違反になるおそれ全くなしとしませんので、帰宅を促した。そうして、そういうところから立ち去らせたというふうなことを報告で聞いております。まあ、もしその他にもございますかどうか、もう一度念を押して調査いたしたいと思います。
#65
○政府委員(降矢敬義君) ただいま松永先生のお話しの点でありますが、法律違反の問題があるかどうかということにつきましては、刑事局長がお答えしたようなことで、あるいは二百二十五条の選挙自由の妨害というようなものに当たるかどうかという問題になろうかと思いますが、われわれといたしましては、この選挙違反になる前に、常に警察当局と連絡をいたしまして、おそれのあるようなものについては、事前に選管から照会あるいはその他の方法にこたえまして、やめていただくような指導をずっとやってきておるわけでございます。
 市原の問題につきましては、先ほど御指摘のような消防団員に対する運動、防止の問題等とも関連いたしまして、なお私たちといたしましても、選管を通じまして調査させていただきたい、こう思っております。
#66
○松永忠二君 そうすると、まあいまの答弁で、この千葉の問題だけに限っての話じゃありませんけれども、千葉の場合には、一応とにかく回って歩いて事実注意もしたと、またその局長のほうの話では、そういうおそれがあることについて注意はするようにしたというふうなお話があるわけですね。私は、そこで、やはりこういうようなおそれがあるときには注意をすると、一応巡視するなり、することが必要だということについては、両方とも意見が統一されていると思うのですが、この点は、やはりそういうときには調査をする必要があるということについては統一した御意見だと思って差しつかえないわけですか。
#67
○政府委員(内海倫君) 先ほども申しましたように、警察がまあ動くということは、やはり犯罪の容疑というものを前提としてでございますから、まあそれと同時に、犯罪の予防ということでございますから、まあものによりましては――ものによりましてはとは、その具体的な事態によりましては、警察が警告をするということがより適切な措置である場合もあろうと思いますし、しかし、また、具体的な事案によりましては、選挙管理委員会がいろいろ措置をするということのほうがいい場合もあろうと思います。しかし、いずれにしましても、警察も、また選挙管理委員会も、公職選挙法に違反するような行為が起こらないようにいろいろ措置をしていくということが必要なことである、かように考えております。
#68
○多田省吾君 まあ刑事局長おっしゃるように、公平に、そうして犯罪を取り締まるという方針で、厳重にやってくださればいいんですけれども、やはり戦前は選挙干渉というふうなものがありまして、警察当局が与党の味方をして、野党を極端に妨害をしたというようなことが事実あったのですが、この戦後の民主主義の時代に、そういうことがあっては非常に情けない次第だと思うので、そういうことが起こらないように私たちは希望しておるわけです。しかし、奄美大島のこの前の県会選挙の様子なんか聞きますと、部落選挙の問題で強硬に警察当局に取り締まりをお願いしても、あれはしょうがないのだと、それよりもあなたのほうで気をつけてくれというような、地域社会とあまりにも密接になり過ぎたような警察の姿も見受けられたというようなことも出ております。それはいま調査中でございますけれども、あまりにもそういった事例が多過ぎるわけでございます。ですから、問題はもう警察の姿勢といいますか、取り締まり以前の問題のように私たちには見受けられるわけでございます。で、特に消防団の選挙運動につきましては、厳重に監督願いたいと思います。
 それに関連しましてもう一つ、今度は都会では町内会組織というものがありまして、中には町内会に補助金が出ておるところさえあるそうでございます。これは本来自治体としてあり得べからざることだと思います。その点と、その町内会が補助金をもらっていろいろ周知徹底のようなことを下請としてやっているのでしょうけれども、それがそのまま今度は選挙運動の母体と化しているというようなことも間々見受けられます。この町内会組織については、自治大臣としてどうようにお考えなんですか。
#69
○国務大臣(藤枝泉介君) 現実にはほとんどの市等に町内会が存在いたしますが、これはあくまでその地域住民の自発的な意思によるものでなければならないし、したがいまして、自治省といたしましては、この町内会というようなものをつくるようにというような勧奨はいたさないでおるわけでございます。現実に東京都などでもそうであろうかと思いますが、都の広報の補助員というような形で都から金が出ておる、都費が出ておるということも承っております。実態を見なければわかりませんから、それがはたして妥当なものかどうか、おそらく現在におきましては、そういう広報的な役割りを末端でやってもらう、それに対する一種の報酬ではなかろうかと考えております。ただ、これは部落推薦と同様でございまして、町内会推薦というようなものが民主的に行なわれればよろしゅうございますが、それが強制になったり、選挙運動の母体になったりするということは好ましいことではございませんで、こういう点は十分今後も注意をしてまいりたいと思います。
#70
○多田省吾君 時間もなくなりますので、次に、六月の十二日に、東京都選挙管理委員会から公職選挙法改正意見というものが出まして、そして、選挙運動の自由化をはじめ、立候補制度に関する改善、あるいはテレビ立ち会い演説会に関する方法、戸別訪問の自由化、あるいは第三者が主催する立ち会い、個人演説会などの自由化、連呼の制限緩和、選挙用の文書図画配布の自由化、選挙中の政党などの選挙運動制限の緩和、不在者投票のワクの拡大、こういった項目で、相当前向きの意見書を都選管で出しているわけでございますが、自治大臣として、この意見書に対してどういうお考えでございますか。
#71
○国務大臣(藤枝泉介君) 基本的には、選挙運動というものが自由化されていく方向であろうと思います。したがいまして、東京都の選管から出された意見等には、十分傾聴しなければならないものがたくさんございます。しかし、また一面におきまして、その自由化をやる場合に、一体どういう選挙方法にするのがいいのか、あるいは制度としても、どういう制度がとられなければならぬか、いろいろ関連するところがあろうと思います。したがいまして、現在選挙制度審議会におきまして、鋭意この点について御検討中でございますので、その御結論を待って善処してまいりたいと考えております。
#72
○多田省吾君 もう一点は、いま参議院の制度改正の問題を審議会で審議されていると思いますけれども、参議院地方区の定数にしましても、非常にアンバランスな面が見受けられます。そういった点に関する一体審議会における答申を、来年の参議院選のスケジュールに間に合わせるようなお考えで答申を求めておられるのかどうか、お伺いしておきます。
#73
○国務大臣(藤枝泉介君) 参議院の制度につきまして御審議中であることは、お話しのとおりでございます。ただ、それの内容につきましては、まだ審議が開始されて日が浅いわけでございまして、どういう方向になられるか、われわれもまだ予断を許さないところでございまして、したがって、その内容によっては、来たるべき通常選挙に間に合うものもございましょうし、なかなか来年の通常選挙には間に合わない内容も出てくるかと存じます。いずれにしましても、選挙制度新議会の答申を待ちまして、その内容によって検討をいたしてまいりたいと思います。
#74
○多田省吾君 三月三十日に全国的に永久選挙人名簿の登録が完成しまして、その人数もおわかりのことと思いますけれども、まだ公式発表はございません。一体どの程度の人数になったのか、まだきまらないのか、その辺のことをお伺いしたいのです。
#75
○国務大臣(藤枝泉介君) 三月三十日の登録によりまして、男が三千百六万三千三百九十四人、女が三千三百五十三万六千三百九十六人、合計六千四百五十九万九千七百九十人でございまして、四十一年十一月一日の登録に比べまして、九十四万七千二百六十二人増加しております。
#76
○多田省吾君 もう一点。これは政治資金規正法とも少しからみますけれども、前からお聞きしていることでございますし、法案も出たことでございますから、お聞きしたいのですが、自治省あるいは選管に調査権あるいは監査権をもう少し拡充する権能を与えるような方向にいきませんと、罰則等も円滑に適用できないのではないか、このように思うわけでございますが、この前から自治大臣は、もう少し研究したいというようなこともおっしゃっておられるわけでございますけれども、現時点においてはどのようにお考えでしょうか。
#77
○国務大臣(藤枝泉介君) 立ち入り検査を含むような調査、監査というようなことは、この政治資金規制のたてまえからして、すなわち、届け出者が正しい届け出をするということをたてまえにしてやらなければ、非常に繁雑な、しかも役所がいろいろな政党や、あるいは会社や個人のところに行って調査をするというような、まあ徴税のような特殊なものは別でございますが、そういうことまでしなければならないというふうに考えないわけでございますので、明らかに誤りである等のことがはっきりしているものについて是正の措置をする程度に、今回御提案をいたしました政治資金規正法の法案ではやっておるわけでございます。
#78
○委員長(高橋文五郎君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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