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1967/07/12 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第7号
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1967/07/12 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第7号

#1
第055回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第7号
昭和四十二年七月十二日(水曜日)
   午後一時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                船田  譲君
                吉江 勝保君
                多田 省吾君
    委 員
                青柳 秀夫君
                木内 四郎君
                小柳 牧衞君
                秋山 長造君
                小酒井義男君
                鈴木  力君
                野上  元君
                松永 忠二君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○公職選挙法改正に関する調査(衆議院議員総選
 挙及び統一地方選挙の管理執行上の諸問題に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず政府から提案理由の説明を聴取いたします。藤枝自治大臣。
#3
○国務大臣(藤枝泉介君) 政治資金規正法及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の概略を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、政府は、選挙制度審議会に対し、選挙区制、その他選挙制度の根本的改善の方策について検討をお願いしてきたところでありますが、同審議会は、去る四月七日、最近の政治情勢にかんがみ当面緊急に措置することを要する事項として、政治資金の規正及び連座制の強化等を中心とした「政治資金の規正等の改善に関する件」について、政府に答申をいたしました。
 政府といたしましては、この答申に基づき、その趣旨を尊重して、政治資金規正法及び公職選挙法に所要の改正を行なうこととし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 まず、政治資金規正法の改正についてであります。
 第一に、政治資金の寄付の制限についてであります。
 まず、寄付の総額につきましては、個人のする寄付にあっては最高額を一千万円とし、会社その他の団体のする寄付にあっては最高額二千万円、最低額五十万円の範囲内において、それぞれ団体の規模に応じて制限を加えることといたしました。この場合、会社のする寄付につきましては、資本金のほか収益をも基準とし、労働組合等のする寄付につきましては、その組合員数に応じて十段階に区別して制限することとし、その他の団体のする寄付については、その規模等を表示する尺度を求めることがきわめて困難であるため、一律に前年の支出額の十分の三に相当する額を限度とすることとしたのであります。また、制限額の範囲内において寄付をする場合には、政党及び政治資金団体に対する寄付については制限を設けないこととし、それ以外の政治団体または個人に対する政治資金の寄付については、同一の者に対し、年間五十万円をこえてはならないことといたしました。
 次に、国または公共企業体と請負契約の関係にある者及び日本開発銀行等、四政府関係金融機関から融資を受けている中小企業以外の会社のする寄付につきましては、請負契約額、融資額の比重がきわめて低いものを除いて一般の場合の二分の一に制限することといたしました。また、国から補助金等の給付金の交付を受け、または資本金等の出資を受けているいわゆる特定会社、その他の特定の法人のする寄付につきましても、これを禁止することといたしましたが、これらの場合において、国と関係のない地方公共団体の議会の議員または長の候補者等に対してする寄付については適用を除外することといたしております。
 なお、地方公共団体と請負契約関係にある者、地方公共団体から補助金等の給付金を受けている会社、その他の法人等のする番付についても、国の場合に準じて、制限ないし禁止することといたしました。
 さらに、欠損を生じた会社のする寄付、匿名及び他人名義の寄付並びに外国人等のする寄付につきましても禁止するとともに、寄付のあっせんにつきましては、寄付者に威迫を加えたり、賃金、下請代金等から天引きして寄付を集めることのないよう措置することといたしました。
 以上の政治資金の寄付の制限と関連して、その違反者に対する所要の罰則規定を設けることといたしております。
 第二に、政治団体の届け出並びに収支報告及びその公表等についてであります。
 すなわち、政治団体の届け出があったときは、その内容を公表して、これを国民に周知することとするほか、会計帳簿及び収支報告書に記載すべき内容等について改善、合理化を加え、政治資金公開の趣旨を徹底することといたしました。
 第三に、政党等の定義についてであります。
 今回の改正によりまして、政治資金の寄付に関しましては一定の制限が加えられることとなり、かつ、政党本位の政治活動の推進をはかるため、政党に対する寄付と政党以外の政治団体に対する寄付を区別して制限することとなりますので、政党と政党以外の政治団体との区別を明確に規定することといたしました。
 また、政党中心の資金調達を容易にするため、各政党について一の団体を限って政治資金団体を設けることを認め、これに対する政治資金の寄付については、政党と同様の取り扱いをすることといたしました。
 このほか、党費、会費及び政治活動に関する寄付等についても、その内容を明確にして、規制の合理化をはかることといたしております。
 以上申し上げましたほか、これらの改正に伴いまして、個人または法人が寄付を政党または政治資金団体に対してした場合には、その寄付金について課税上の優遇措置を講ずるとともに、その他必要な関係規定の整備を行なうことといたしております。
 次に、公職選挙法の改正について申し上げます。
 第一は、公職の候補者等の寄付の規制についてであります。すなわち、公職の候補者等が選挙区内にある者に対してする寄付は、政党その他の政治団体または親族に対してする場合及び公職の候補者等がもっぱら政治上の主義または施策を普及するために行なう講習会等において、必要やむを得ない実費の補償としてする場合を除き、全面的に禁止することとしたほか、公職の候補者等がその役職員または構成員である会社、その他の団体がこれらの者の氏名を表示し、またはこれらの者の氏名が類推されるような方法でする寄付についても、政党その他の政治団体に対してする場合を除き、一切禁止することといたしました。また、後援団体のする寄付等の禁止期間を延長するとともに、後援団体以外の団体で特定の公職の候補者等を推薦し、または支持するものについても、後援団体に関する制限に準じて制限を設けることといたしました。
 第三は、連座制等についてであります。いわゆる連座制につきましては、選挙運動の実態にかんがみ、数個に分けられた選挙区の地域における選挙運動、または多数の選挙人が属する職域、または組織を通じて行なう選挙連動を主宰した者をも連座対象者の範囲に含めるとともに、公職の候補者または総括主宰者等と意思を通じて選挙運動をした公職の候補者の父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と同居の有無にかかわらず、連座対象者の範囲に含めることとし、同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹については、公職の候補者と意思を通じているものと推定することといたしました。
 また、選挙犯罪を犯し罰金の刑に処せられた者については、当該選挙犯罪がきわめて軽微なものである場合を除き、裁判所が情状により公民権を停止しない旨を宣告することができる制度を廃止することといたしました。
 その他、昨年実施された永久選挙人名簿制度の運用の実態にかんがみ、選挙人名簿の登録回数を増加する等、その合理化をはかることといたしました。
 以上がこの法律案の要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(高橋文五郎君) 本案に対する質疑は、これを後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高橋文五郎君) 次に、公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。
 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#6
○多田省吾君 先日、本委員会におきまして、千葉県市原市選管が、消防団に対して棄権防止のいわゆる選挙活動を依頼したという点につきましてお伺いいたしましたところ、自治大臣は後刻調査して検討するというお話でございましたので、その件について若干お伺いしたいのですが、刑事局長は、この前県からお聞きになって、ぼやのために出動したというようなことをおっしゃいました。そうして、確かに市選管が消防団に棄権防止を依頼したということを述べられたわけでございます。また、この前の千葉県の県議会においても、確かに市選管が選挙の棄権防止を依頼しております、そういう返答があったわけでございます。ぼやの件につきましては、さらに調べましたところ、ぼやと全然関係ない、また全然関知しないところにおいてさえ、消防団がところどころに制服を着て、そうして路地に入っておりまして、結局棄権防止と称してかり出し、あるいはいろいろ、選挙民からすれば精神的な弾圧を受けたと、このように言っているわけです。非常にこれは私どもは、選挙の公正を阻害する、特に部落推薦の候補が多数立っておりますから、その部落の中における消防団が路地路地に立っていれば、当然精神的な弾圧感を感ずるのは当然でございます。その件に関しまして、まず自治大臣に、調査の結果どうであられたか、そうしてそのことに対してどう思われているか、お尋ねしたいと思います。
#7
○国務大臣(藤枝泉介君) 調査しましたところが、選挙当日、市の選挙管理委員会から消防団長に棄権防止に関する依頼をした事実はございます。先般も申し上げましたが、こうした単に消防団に限らず、特定の候補者を推薦または支持しているような団体に、棄権防止の運動を依頼するというようなことは好ましいことでございませんので、十分今後もこの棄権防止のやり方については注意をして、こうした特定の候補者等を推薦支持しておるような団体に棄権防止の働きかけをさせるというようなことのないように、今後十分注意してまいりたいと思います。
#8
○多田省吾君 ただいまの消防署に対する棄権防止を依頼した件につきましては、消防署から特定の人は候補は出しておりませんけれども、当然選挙の公正というものを阻害すると思いますけれども、好ましくないことだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#9
○国務大臣(藤枝泉介君) 消防団そのものに、全然特定の候補者等の関係のない消防団に棄権防止を頼むということ自体、全然悪いことだとも言えないと思いますけれども、しかし、いろいろ消防には消防の本来の使命もあるわけでございまして、もちろん消防団の団員に棄権防止を呼びかけるということは、これはけっこうでございますが、一般の選挙民に対して、消防団を使って棄権防止をするというのは、あまり適当ではないのではないかというふうに思われますので、そういう点を含めまして、この棄権防止のやり方について適切な方法を今後も指導してまいりたいと思います。
#10
○多田省吾君 刑事局長に、この点に関してはその後調査の結果どうであったか、お尋ねします。
#11
○政府委員(内海倫君) その後調査を千葉県に対していたしましたけれども、千葉県からの報告につきましては、この前ここで申し上げたことにさらにつけ加えるような新しい報告は得ておりません。
#12
○多田省吾君 この前は、ぼやということがあったので消防団が出動したという、理由の一半をそのように言われておりましたけれども、まあ、ぼやは非常に遠いいなかであって、町のまん中は全然消防団員もそのことは関知していないし、関係なかったと、そのように私どもの調査では聞いております。そのことは理由にはならないと思うのです。そのぼやに何も関係のない消防団員が路地路地に立って、選挙の公正を阻害するということは、これは選挙の公正を妨害することだと思いますけれども、どうでしょう。
#13
○政府委員(内海倫君) この前にも私たしかお答え申し上げたように思うのですけれども、消防団の制服を着た人が二、三立っておったので、これに対しては、もし選挙の自由妨害というふうなことになるといけないからというので事前に話をしたら、すぐいなくなった、こういうふうなことを私はたしか申し上げたと思います。
 それから消防団の棄権防止という問題ですが、これはいま大臣から御答弁のあったとおりであります。警察といたしましては、これはもう前々申し上げておりますように、公職選挙法の条項に該当するような自由妨害その他の行為がありました場合は、これについては措置をいたしますけれども、そういう条項に違反するというふうな行為がない場合には、もうそういうおそれがあるというふうな場合には警告する、あるいは注意を喚起するというふうな事前の措置をとることもあろうと思いますが、少なくとも警察としましては、公職選挙法に定められた規定に違反するというふうなことのある場合において取り締まりというものを行なうものである、こういうふうに考えております。
#14
○多田省吾君 この前もお願いしましたけれども、衆議院選のときに、投票所の前に投票日の前日の夜、大きな紙に、地元以外の人に入れて何になるかというふうなことを墨で大書して、そうしてかがり火をたいて気勢を上げる、そうして県警に相当依頼しても、全然取り締まらなかったということがあったそうです。それはこの前も申し上げたとおりでございますが、この点に関して調査はなされたでしょうか。
#15
○政府委員(内海倫君) この点につきましては調査はいたしました。本年の一月二十九日の衆議院議員の総選挙の際のものであると考えられると、地元の下葉県からは申しておりますが、この際、その投票日の前日、一月二十八日の夜の十時ごろに、投票所の付近の者だという、氏名は名のらなかったようですが、人から市原警察署に電話がございまして、投票所の入り口に文書を張った戸板が掲げられているということで、すぐに署員を当該現場に派遣して調べさせましたところ、御承知のように縦一・二メートル、横〇・八メートルぐらいの板に墨書した、紙八枚張ったものを確認しておりますが、文書の内容が直ちに公職選挙法に違反するものかどうか判断しがたいということで、同署員は、たまたま雨も降っており、暗かったので、これを現場撮影することができませんでしたので、翌朝早々日がのぼるとともに現場におもむきまして、写真撮影をしようと思いましたところ、すでにその物件が持ち去られて現場にはなくなっておった。警察といたしましては、そういうものを掲示し、またはそういうものを持ち去った者の発見につとめましたけれども、ついに割り出すことができなかった、こういうふうな報告を得ております。
#16
○多田省吾君 時間もありませんので、そのことはまたこちらで写真をとったものもございますから、後刻やりますけれども、少なくとも、そういった地元から候補が立っておると、地元以外の苦に入れて何になるかというようなことを書いて気勢を上げているということに対して、公職選挙法違反になるかどうかはわからないとか、あるいは雨が降っていたために写真がとれなかった。これはフラッシュをたけば幾らでもとれますから、非常にそういった処置のしかたは私は疑問なんです。そのことに関しては、時間の関係もありますから、この次に譲ります。
 次に、七月一日に神奈川県の清川村で村長選の件にからんで、選挙管理委員長並びに選挙管理委員が二人自殺をしているわけです。このことは結局再点検の結果、二候補が同点になったということでございます。痛ましい犠牲が出られたわけでございますが、現在そのことはどうなっておりますか、経過を簡単にお述べ願います。
#17
○政府委員(降矢敬義君) 地方選挙におきまして、村の選挙管理委員会に当選無効の申し出が出まして、再点検をした結果同点になりまして、それに対しまして、さらに七月四日、県の選管に対しまして、村の選管の決定に不服があるものとして審査請求をいたしまして、県の段階で審査中でございます。
#18
○多田省吾君 このことも結局は当選に関係するような再点検になったわけです。それから、これだけではございません。この前の栃木県の県議選におきましても、真岡市並びに芳賀郡におきましては、やはり最下位当選者と次点の方が、再点検の結果逆転しておる。そのほかにもたくさんこういった再点検の結果逆転になったもの、あるいは疑問票処理のことについて異議申し立て、あるいは当選無効に関する争訟が出ているものがかなりあると思います。こういった結果は、やはり選挙の開票そのものが、選挙管理委員会並びに立ち会い人による開票そのものが非常に不正確なものである。そして再点検の結果は、いまあげたような事例は全部逆転並びに当選に関係してくるような事態になっております。これは大きな問題だと思う。ほかにも一票、二票差というのはたくさんあるわけです。もし当選無効争訟が出たならば、逆転しているようなケースも多いのじゃないかと思います。
 また、清川村の村長選の結果なんかを見ますと、有効票の中にまるやバツをつけた他事記載が出てきて、公選法で無効とされているものでありますけれども、選管委は知らなかったというような調査結果も出ております。こういった不正確な事例が全国各地に多いわけでございますが、自治省として一体どういう指導をしていらっしゃいますか。
#19
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、首長選挙などは別としまして、大体選挙は主として記名式、記名式と申しますか、署名、自書することが多いわけでございますので、書いた字がなかなか判続しにくいようなものがたくさんあることは御推察いただけると思うのでございます。そういう点で、読み方その他についていろいろ疑義が生じ、再点検の結果、当落が逆転するというようなこともあるわけでございます。そのほか開票事務に携わる吏員などがふなれなために間違いを起こすというような事例もありまして、はなはだ残念でございます。
 われわれといたしましては、常に県の選挙管理委員会等を通じまして、開票事務の正確さ、迅速さについては、研修を行なわしたり、その他の指導をやっておるわけでございまして、今後もそうした面におきまして、十分これら開票事務に従事する者の研修等を重ねまして、こうした間違いのないようにつとめてまいりたいと考えます。
#20
○多田省吾君 立ち会い人の職名の問題でございますが、あるところでは全員署名をしなければ票を確認しないという問題もあります。ところが新潟県の、この前の第二区の岩船郡神林村の衆議院選挙におきましては、六名のうち三名開票録の署名というものを拒否したにもかかわらず、選管はこの事情を黙殺してそのまま通過させたという事例もあります。この立ち会い人署名は、全員署名すべきなのか、また半数署名すれば成り立つのか、簡単にお答え願います。
#21
○政府委員(降矢敬義君) 開票の判断は、開票管理者が、開票立ち会い人の意見を聞いて、最終的に開票管理者が自分の責任で決定をしなければならぬようになっておりまして、したがいまして、いま御指摘の開票録の署名におきまして、どうしても何人かの立ち会い人におきまして署名をいたさないといたしましても、最終的な決定は開票管理者においてこれを行ない、選挙長に開票録を送付して、選挙の結果を早く確定しなければならない、こういうことになっております。
#22
○多田省吾君 この開票事務につきましては、いま大臣もおっしゃったように、このように開票事務がスムーズに最初からいっていたならば、こういった、あたら選管の委員長や選管の委員が、二人も自殺するような事態は起こらなかっただろうと思うのです。これは小選挙区制にもひとしい村長選という、競争の激しい選挙でもあり、特殊事情もありましたけれども、少なくとも非常に開票の結果がまずいためにこういう犠牲が出た、過半の責任はここにあると思うのです。そういう点に関しては、強く当局から正確な開票をするように通達を出していただきたいということを再び要望いたします。
 それからもう一つは、資料の要求でございますが、衆議院並びに先日の統一地方選挙におきまして、当選無効争訟並びに疑問票の処理等において異議申し立てのあった事例に対して、ひとつ資料をお願いしたいと思います。
 それから、もう一つだけお尋ねいたしますが、これは公金の陣中見舞いのことでございます。私も失般内閣委員会におきまして法務大臣にこのことを尋ねましたところ、これは前もってこういう事態があるということを知っていたならば、当然政府として今度の公職選挙法の改正案におきまして、公金を陣中見舞に出してはいけないという旨の修正案を当然出したであろう、そのようにはっきり述べておられるわけです。先般松永委員の御質問に対して、本会議において自治大臣は、こういった修正案は書く必要はない、これは指導をしていけばよろしいのだというお答えがありました。私は当然こういったことは、公職選挙法を改正して、公金を陣中児舞いに出すべきではないと考えます。いかがでございましょうか。
#23
○国務大臣(藤枝泉介君) 先般松永さんの御質問に本会議でお答えをいたしたように、少なくとも公金を選挙に関しての陣中見舞い等に出すというようなことは、いわば法律以前の問題でございまして、あり得べからざることだというふうに考えております。そういう意味で、私はこれは地方公共団体の長等に対しまして、十分注意を喚起すれば、それで是正されるものと考えておる次第でございます。
#24
○多田省吾君 あり得べからざるものであるとおっしゃいましたが、長野県等に出ておりますが、この前の衆議院選ですか、無所属の中島巖が下条村から十万円政治献金を受け取っておる、これは確かに公金です。このことに関しては県選管からも、どう処置すべきか当局に伺いが立てられたと思いますけれども、はっきりこういった実態があるわけでございます。ただ指導あるいは道義的な観点で処理すべきであるといえば、こういった事態がこれから幾らでも起こると思うんです。当然私は公職選挙法を修正していくべきものと思いますけれども、またさらに、こういった長野県選管に対しては、どういうお答えをなさったのか、二つお尋ねします。
#25
○国務大臣(藤枝泉介君) おことば返すようでございますが、こういう国民の税金を特定の公職の候補者に献金をするというようなことは、いわば地方自治法その他の精神から考えて間違っておることでございまして、公職選挙法で禁止する以前の問題でありまして、なるほど現実にそういうことが行なわれましたが、こうしたことにかんがみまして、全国の地方公共団体にその点は注意を喚起いたしますれば、私はやまるものと確信をいたしておるわけでございます。
 なお、長野県の選管からは、その点については自治省のほうには具体的な照会はございません。
#26
○松永忠二君 関連。いまのお答えですが、一体この問題がはっきりしたのは、地方の選管が選挙資金の届け出を受けて、そうして発見したのか、あるいは自治省みずからこういう問題について、今度のたとえば政治資金の届け出で発見したのか、あるいはまた、どこがこの問題について調査をして発見したのか、その点は大臣はどうお考えになりますか。
#27
○国務大臣(藤枝泉介君) 御承知のように、選挙に関しての収支の届け出は県の選管に出ますので、私のほうへはまいらないことになっておりますので、県の段階で発見したのでございますが、県の選管がそれを指摘したのか、あるいはそれを公開した場合に選挙民のどなたかがこれを認めたのか、その点の事情はちょっとわかりかねるのでございます。
#28
○松永忠二君 それははっきりしているんじゃないですか。県の選管がそういうことを届け出で発見をしてああいう発表したんじゃなくて、こういうことがあるというような考えのもとに報道機関が調査をして発表しているわけでしょう。そうすると現実にあなたの言われるような法規以前の問題を、選管が明確に指摘ができないという事態もおかしいじゃないですか。これも欠陥があるとお考えにならなければうそでしょう。また、いまお話によると、法律以前の問題だというお話だけれども、このことについては相当あるということは前からうわさもされているし、一部では承知している事柄じゃないですか。たまたまああいうふうな問題が発表されて、それを突きつけられて初めてそういう御答弁が出てくる。だから私は、いままで現にそういうものを地方送管が発見をして、こういうあるまじきような事柄について、明確にそれをきちっとしなかったというところに、地方選管がこういう問題について不行き届きであったということをあなた認めることは当然だと思うんですが、その点どうですか。
#29
○国務大臣(藤枝泉介君) 地方選管でもちろん、たとえば公職の候補者から収支の届け出が出まして、それを見る場合に、たとえば地方公共団体の長が寄付をしているというようなことはわかりますが、あの問題が起こりまして以来、幾多の事例を調べましたところが、その相当部分はむしろその個人の金、公金でなく、個人の金ではあるけれども、肩書きがついていたというようなものもあるようでございます。しかし、いずれにしましても、したがってその選管が、はたしてそれが公金から出ているのかどうかという問題は、なかなか調べにくいと思いますが、まあしかし、たとえば肩書きがついているというようなものについては疑問を持って、さらにそれを調べるというようなことも、当然選管としてはやらなければならないことでございますので、まあそういう点につきましては、やはり今後十分注意を喚起していかなければならないと思いますが、私は、そういう国民の税金を特定の候補者に寄付をするというようなことは、もう地方自治の本旨にはずれていることなのでございますから、そういう点は、やはり全国の地方公共団体に注意を喚起すれば是正されると確信をいたしているわけでございます。
#30
○松永忠二君 もうちょっと。それじゃそういうことで注意を喚起したのでしょうか、現実に喚起をされたのですか。いつどういう通知を出して喚起をされたのですか。
#31
○国務大臣(藤枝泉介君) いま調査をしておりますから、それでそれらを含めまして、これから注意を喚起いたしたいと考えております。
#32
○松永忠二君 いま調査をされているというお話だし、お話によると、あなたは、これは名前だけがそうなっているのであって、現実に個人の金であるとかいうお話もありましたね。個人名であるとしても、交際費から出ている場合がたくさんあるということは予想できますね。個人名であって、事実上交際費から支出されている場合もあるし、いろんな点で出されている。調査をされた結果について、またちょっと資料を出していただきたいと思うのですが、いま多田さんから出ている規正の問題についても、別にあなたのおっしゃったのは正しいとぼくは思っちゃおりませんが、まあいまの関連した問題でありますので、まあとにかくそういうことが行なわれていることについては、選管にやはり注意を喚起すべき問題だ、また選管としても、こういうことについて調査をやはり積極的に、届け出処理に基づき発見をすればできる事柄だ、こういうふうなお話でありますので、そういう点でひとつ問題を的確にさしてもらう、こういうふうに思っているわけです。
#33
○多田省吾君 最後に一問でございますが、朝日新聞に出た二十五都道府県の公金の陣中見舞いという調査の結果では、自民党、社会党あるいは民社党、あるいは諸派、無所属等、各党にわたっているようでございますし、また、藤枝自治大臣自身の名前も出ているようなこともありまして、こういったことでは、やはり国民が非常に疑惑を持つのじゃないかということは当然でございます。
 で、最後に私は、いま自治大臣が、調査の結果、相当部分がたとえば公職の肩書きで陣中見舞いしてあっても、個人の金である場合が多いというお話でございますけれども、大部分は当然公金から出ているわけでございます。そういった公金から出ているのか、私費を出したのか、これはむずかしい問題だと思いますが、調果の結果を資料として出していただきたい。あわせて自治大臣は、もしも、まあ絶対これは公金なんかいただいてはいないと思いますけれども、それを念心のためにここで釈明していただきたい。また、もし私費であっても、そういった役職名を書いたような陣中見舞いは当然道義的に自治大臣として受け取るべきではないと思いますので、御注意をいただきたい、このように思います。
#34
○国務大臣(藤枝泉介君) 私に対しての陣中見舞いは個人名で、また届け出も個人名の寄付でございますから、当然個人名の届け出をいたしておるわけでございまして、あくまでもそれは個人の私費であったことは判然といたしております。ただ、新聞社が調べたときに、そういうそこの市長の個人名がありましたから、それはその市長がというふうに書かれたのだと思いますが、その点につきましては、あくまで個人でありましたことを申し上げておきます。
 なお、今後いろいろな問題、そうした公金が使われるというようなことにつきましては、十分に各地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。
#35
○多田省吾君 資料はどうですか。
#36
○国務大臣(藤枝泉介君) 判明したものについては提出できます。
#37
○委員長(高橋文五郎君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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