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1967/05/11 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第6号
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1967/05/11 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第6号

#1
第055回国会 建設委員会 第6号
昭和四十二年五月十一日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松永 忠二君
    理 事
                稲浦 鹿藏君
                大森 久司君
                山内 一郎君
                大河原一次君
    委 員
                青木 一男君
                石井  桂君
                内田 芳郎君
                奥村 悦造君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                中津井 真君
                瀬谷 英行君
                田中  一君
                片山 武夫君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   政府委員
       建設政務次官   澁谷 直藏君
       建設省計画局長  志村 清一君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
       建設省住宅局長  三橋 信一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       建設省計画局宅
       地部長      井上 義光君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○住宅融資保険法の一部を改正する法律案(内閣
 送付、予備審査)
○下水道法の一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松永忠二君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 本委員会に予備付託されております法律案三件について、提案理由の説明を聴取いたします。
 まず、道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案の説明を願います。西村建設大臣。
#3
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案につきまして提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、現行の道路整備緊急措置法に基づきまして、昭和三十九年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定し、これにより道路整備事業を推進し、今日まで相当の成果をあげてまいりましたことは、御承知のとおりであります。
 しかしながら、交通需要は現行計画策定当時の予想をはるかに上回って増大してきており、その増大する需要に対処し、あわせて国土の総合的な開発と効率的な利用をはかるためには、道路投資の画期的拡大をはかり、道路整備事業をさらに推進することが必要となってまいりました。
 このような観点から、政府といたしましては、現行の道路整備五カ年計画を改定して、昭和四十二年度を初年度とする道路整備五カ年計画を樹立することとするため、ここに道路整備緊急措置法等の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一に、現在実施中の道路整備五カ年計画を改定して、新たに昭和四十二年度を初年度とする道路整備五カ年計画を策定することといたしました。
 第二、積雪寒冷特別地域の道路交通確保に関する計画につきまして、道路整備五カ年計画の改定に伴い、昭和四十二年度以降の毎五カ年を各一期とする積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画を策定することといたしました。
 第三に、奥地等産業開発道路整備臨時措置法につきまして、その有効期限を昭和四十七年三月三十一日まで延長することといたしました。
 その他、これに関連いたしまして道路整備特別会計法の関係規定の整備を行なっております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議のうえ、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(松永忠二君) 次に、住宅融資保険法の一部を改正する法律案の説明を願います。西村建設大臣。
#5
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました住宅融資保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 住宅融資保険制度は、住宅の建設及びこれに必要な土地の取得造成等に必要な資金の融通が、民間の金融機関から円滑に行なわれるよう、その貸し付けについて住宅金融公庫が保険することを目的とするものでありまして、この制度の活用により民間における住宅建設の促進をはかってまいったのであります。
 住宅建設五カ年計画で予定しております民間自力による住宅の建設をはかりますためには、この制度を一そう強化拡充する必要がありますので、この法律案においては、住宅融資保険制度を利用できる金融機関の範囲を拡張し、資金量の増大と利用層の拡大をはかりますとともに、保険事故が発生した場合の保険金のてん補率等の引き上げ及び保険金の支払いを請求できない期間の短縮とについて所要の改正を行ない、関係金融機関がこの制度をより一そう利用できるようにし、もって住宅の建設の促進をはかろうとするものであります。
 次に、その要旨を申し上げますと、第一は住宅融資保険制度を利用できる金融機関が現在、銀行、保険会社、無尽会社、信用金庫、労働金庫及び信用協同組合に限られておりますが、住宅融資の実績を勘案し、新たに農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用金庫連合会並びに信用事業を行なう農業協同組合、農業協同組合連合会、漁業協同組合及び漁業協同組合連合会を加えることとするものであります。
 第二は、保険料算定の基礎となる保険金額の保険価額に対する割合及び保険事故が発生した場合のてん補率をそれぞれ現行百分の八十から百分の九十に引き上げることとするものであります。
 第三は、保険事故発生後三カ月間は金融機関が保険金の支払いを請求することができないこととなっておりましたものを一カ月短縮し、二カ月を経過すれば、その請求をすることができることとするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申上げます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(松永忠二君) 次に、下水道法の一部を改正する法律案の説明を願います。西村建設大臣。
#7
○国務大臣(西村英一君) ただいま議題となりました下水道法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近における人口及び産業の急激な都市集中に伴う市街地の拡大及び都市環境の悪化に対処するためには、立ちおくれているわが国の下水道の強力な整備をはかることが現下の急務であると考えられます。
 下水道行政につきましては従来、公共下水道の管渠と終末処理場の建設が建設省と厚生省の所管に分かれておりましたが、下水道事業の進展に伴い、これを一本化し、その強力な推進をはかる必要が生ずるに至っております。
 このような観点から終末処理場の維持管理に関する事項以外は、すべて建設省の所管に改めることとし、なお、終末処理場の維持管理の適否が、公衆衛生に重大な影響を及ぼすことにかんがみ、終末処理場の維持管理に関しさらにその適正を期するための措置を講ずることといたしました。
 以上が、この法律案の提案の理由でありますが、以下この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、終末処理場の維持管理を除き、公共下水道に関する事項の所管大臣を建設大臣とすることといたしました。
 第二に、建設大臣が公共下水道の事業計画の認可をしようとするときは、政令で定める場合を除き、あらかじめ、保健衛生上の観点からする厚生大臣の意見を聞かなければならないものといたしました。
 第三に、厚生大臣は、終末処理場の維持管理に関し、その適正が期せられるよう公共下水道管理者に対し、所要の勧告を行なうことができるようにいたしました。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
#8
○委員長(松永忠二君) ただいま提案理由の説明を聴取いたしました法律案三件についての質疑は、後日に譲ります。
#9
○田中一君 きょう配付された資料のほかに三月二十四日に大蔵省、厚生省、建設省で了解事項として決定した「下水道整備五箇年計画について」の「昭和四十二年度から昭和四十六年度にいたる五箇年間における下水道(終末処理場を含む。)の投資規模を次のとおりとし、新下水道整備五箇年計画を強力に推進するものとする。」という、この申し合わせ書をこっちへ資料として出しておいてください。
#10
○委員長(松永忠二君) それでは資料をひとつ提出を願います。
#11
○国務大臣(西村英一君) 承知しました。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(松永忠二君) 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに説明を聴取いたしておりますが、その補足説明を聴取いたします。志村計画局長。
#13
○政府委員(志村清一君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的にその内容を御説明申し上げます。
 まず、第十四条は、新たに誇大広告等の禁止を定めたものであります。宅地建物取引業者は、その業務に関して広告をするときは、宅地または建物の所在、形質、環境、交通の利便等について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良もしくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないことを規定したものであります。
 次の第十四条の二は、宅地建物取引業者と注文者との間の法律関係が不明確なために紛争の生ずる事例が見られますので、宅地建物取引業者が注文者に対し取引態様を明示することを義務づける規定を設けたものであります。すなわち、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買、貸借等に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、自己がその相手方となって当該売買等を成立させるか、代理人として当該売買等を成立させるか、または媒介して当該売買等を成立させるかの別を明らかにしなければならないことといたしたのであります。
 次に、第十四条の三は、宅地建物の内容、取引条件等について契約成立後に紛争が生じ、また需要者が不測の損害をこうむらないようにするため、宅地建物取引業者に対し、重要事項についての事前説明義務を定めたものでありまして、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買等の相手方または依頼者に対し、契約の成立前に、当該宅地または建物に関し、抵当権等登記された権利の内容、都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限、飲用水等の供給施設の整備状況、手付、権利金等の額及び性格、違約金に関すること等当該契約にかかる重要な事項を説明しなければならない旨の規定を設けたものであります。なお、事前説明事項のうち、特に必要な事項については、書面を交付することといたしております。
 次に、第十四条の四は、宅地建物取引業者の取引にかかわる契約事項の内容を明確にするため、契約成立後における宅地建物取引業者の書面交付義務を、新たに定めたものでありまして、宅地建物取引業者は、宅地または建物の売買、貸借等の契約が成立したときは、遅滞なく、当該宅地または建物の表示、代金、借賃等の額及び支払方法、登記及び引き渡しの時期並びに手付、契約の解除、違約金等に関する事項を記載した書面を、その相手方または依頼者に交付しなければならないことを規定いたしております。
 次に、第十八条の改正は、宅地建物取引業者が手付を相手方または依頼者に貸し付けて売買等の契約の締結を誘引し、このため解約の際に貸し付け金に関して紛争が生じた事例が相当発生していることにかんがみ、宅地建物取引業者の業務に関する禁止事項として、手付について貸し付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為を加えることとしたものであります。
 次に、第二十条及び第二十条の二の改正は、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で業務を行なう宅地建物取引業者に対しては、その免許を受けた宅地建物取引業者でなくても、業務の停止を命じ、または必要な指示をすることができることを規定したものであります。なお、これらの処分をした都道府県知事は、その旨を当該免許権者に報告しまたは通知することといたしております。
 次に、第二十一条の改正は、建設大臣または都道府県知事がその免許を受けた宅地建物取引業者に対してのみ必要な指導等を行なうことができた現行の規定を改めて、建設大臣はすべての宅地建物取引業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営むすべての宅地建物取引業者に対して、必要な指導、助言及び勧告をすることができることを規定したものであります。
 次に、第二十四条から第二十七条までの改正は、今回の改正により設けられた禁止規定または業務規定に関連して必要な罰則を規定したものであります。
 以上のほか、これらの改正に伴う条文の整理を行なっております。
 最後に、附則は、この法律の施行期日及び必要な経過措置について規定いたしております。
 以上が、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の内容であります。何とぞ慎重御審議のほどお願い申し上げます。
#14
○委員長(松永忠二君) これより質疑を行ないます。本案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。なお、政府側から西村建設大臣、渋谷建設政務次官、志村計画局長が出席しております。
#15
○田中一君 最初に建設大臣に伺います。宅地建物取引業法を改正しなければならなくなったという、このいま五項目等の改正を必要とするということの起きた直接の原因というものは何にあるか、意図というものは。これらの問題はことごとく昨年の国会でしたか、業法の抜本的な改正の際に、再三再四当委員会では発言し注文をつけている問題なんです。これは志村君は御存じないか知らぬが、この問題はもう議事録を見ればわかるとおり、再三にわたってこれらの疑点についての問題についての要求をしておるんですけれども、今回この改正に踏み切ったというのは、直接の原因はどこにあるのか。そしてまた今日の宅建業界というものが、その現状はどういうものであるかということを、ひとつ説明を願いたいと思います。
#16
○国務大臣(西村英一君) 最近地価対策の問題につきまして、やはりその地価対策の解決の一環として、宅地をやはり大量に供給する。やはりどうも宅地が足らないという需要供給の関係、したがいまして土地も値上がりするのだというようなことでありまするが、したがいまして、政府の公的機関によって宅地を提供するということもこれは重要でありまするけれども、どうも公的機関だけではやっぱり十分でないのでございまして、やはり民間業者の宅地業者の育成を十分にし、善良な宅地業者の育成をし、良好な宅地を提供しなければならぬ、こう思われるのでございます。しかしながら従来の宅地に対する民間業者は、どうもやはりその中にはあまり芳しからざる業者もおりまして、良好な宅地を提供する者ばかりではないように見受けられるのでございます。したがいまして今回のこの改正は、業者の育成を十分やっていこうということと、それからもしその悪質なといいますか、あまり好ましからざる業者に対しては、十分な監督を強化していきたいということが、今回の改正したいという――従来の法では十分な目的を達せられないと思いまして、提案をいたしたような次第でございまして、田中先生の前に言われます、この委員会のいろいろな議論は、私は詳細には承っておりませんが、私はこの法案を提案するに踏み切った大体の考え方は、以上申し述べたとおりでございます。
#17
○田中一君 宅地審議会にこれは諮問したんでしたね、この問題は。宅地審議会の議事録を資料として出していただきたい。
#18
○政府委員(志村清一君) 承知いたしました。ただ、詳細は、速記はとっておりませんので概要を、摘要がございますので、それを提供させていただきます。
#19
○田中一君 では悪質な業者というのは、どういう犯罪というかを行なったかということが、データが出ていると思うから、それも資料で出していただきたい。
#20
○政府委員(志村清一君) 監督処分をした者についての調査がございますので、提出させていただきます。
#21
○田中一君 登録している業者、全国的な業者、各府県の業者、その中で主として宅地造成を行なっている業者、これも建設大臣が認可した社団法人で日本宅地造成協会というものがある。それはおおむねあっせん業よりも宅地造成業を行なっているものです。したがって、この会員の内容も詳しく知らしていただきたいと思う。それからそれらの方々がどういう状態でどういう仕事をやっているかも知らしていただきたいと思う。建設大臣が社団法人として認可しているのだから、ごく内容については詳しいと思う。それも資料として出してもらいたい。
 それから宅地事業を行なっている業者は、大体推定されると登録しているものが約四万程度あるのじゃなかろうか。四万程度の登録業者のうち、法律違反並びに悪質な犯罪行為があったというものの比率はどの程度になっておりますか。四万人のうち一割なら四千人というか、四千業者なんです。そのぐらいあるか、あるいは五%の二千業者はいるのか。また、事例として一業者が反復して五へんも六ぺんもそういうことをやっているのかどうか。それらの点も、ひとついま説明できれば口頭で答弁してほしいと思います。
#22
○政府委員(志村清一君) 先生御指摘のとおり、宅建業者の登録を受けておりますものは、法人で一万、個人で三万、四万強ございます。そのうち、大臣免許業者は二百十六、あとの大部分がすべて知事免許でございます。これらの業者のうちで悪質な不動産業者がおる、一体その比率はどのくらいかという御質問でございますが、私どもの業法に基づく監督処分をいたしました事例を申し上げますと、昭和四十年度では千五百七十六件につきまして免許、あるいは登録の取り消し、あるいは業務停止、指示指導等の監督処分を行なっております。さような意味におきますと、四万業者のうちはっきりと監督処分の対象になったのが千五、六百件、かような状況でございます。
#23
○田中一君 その判例というか何というか、どういう行為があったのですか。
#24
○政府委員(志村清一君) いろいろございますが、たとえば該当条項といたしましては履行の遅延とか、それから報酬額に関する問題、あるいはまた重要な事項について故意に事実を告げず、または不実な行為を行なうといったような業務禁止事項に反したとかいったことが、その大部分でございます。
#25
○田中一君 業者的な行為を反複して行なっている未登録業者は、どのくらいと推定しているのですか。
#26
○政府委員(志村清一君) 宅地建物取引業を継続して反複して行なう者は、すべて業者でなきゃならぬわけでございまして、さような業者である限りは登録、免許を受けなきゃならぬということになっております。いわゆる未登録業者というものについての御質問かと思いますが、未登録免許業者というものにつきましては、私ども厳に取り締まりをいたしたいということで、関係方面とも連絡をとっておりますが、この実態なかなか把握できませんので、相当数あるのじゃないかというふうな推定もできますが、なるべくこれを絶滅してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#27
○田中一君 だから推定はどのくらいあるかと聞いているのです。それは全然わからないというのですか。
#28
○政府委員(志村清一君) 私どものほうで警察とも連絡をとりまして、宅地建物取引業法違反による検挙なども、警察側において行なってもらっておりますが、実例で申し上げますと、無免許あるいは無登録で検挙されましたのは、昭和四十年度では百四十八件でございます。
#29
○田中一君 だから、これは検挙されたものであって、推定される業者はどのくらいあると考えておられますか。
#30
○政府委員(志村清一君) ちょっと推定は私どもつきかねておりますが、相当数あるのではないか、何とかこれを絶滅いたしたい、かように考えておる次第であります。
#31
○田中一君 だから申し上げるのですがね、この法律は制定されてもう十五年になるのです。そうしてちょうど一昨年の、今度の改正でもって五へん目の改正だと思うのです。そうなっていながら、未登録業者というものはつかまらない、捕捉できないということ自体がおかしな問題なんです。そうしてかつまた四万人のうち、千五百七十六件、免許取り消しあるいは行政指導等が行なわれたと、こう言っている。未登録業者は四十年度に百四十八件検挙した、こういう説明なんですが、そうすると登録業者のほうがそうした違反事実、犯罪件数が多いということになると思うのですが、私はおそらく類似の行為をしているものが四万人程度いるのではなかろうかと思うのです。それくらいいるのじゃないかと思うのです。そうして常に申し上げているけれども、こういう業者の登録というものは、常に――常にですよ、常に業者の自主規制というような形で行なうということをしておりますけれども、この宅建業者だけはこれ別な扱いなんです。というのは、これは建設大臣よく聞いてくださいよ、業務を行なうには十万円の保証金が必要なんです。一つの支店を持つと五万円必要なんです。たしか三つだか四つだかの支店だけでよいことになっておりますけれども、幾つだったかな……。
#32
○政府委員(志村清一君) 制限がなくなりましたです。
#33
○田中一君 そのように、相当高額の保証金を出しております。たとえば登録業者たくさんあります。また免許でなくても、一応行政庁の許可を受けてやっているという業者もたくさんあります。その中で保証金を出してやっている業者というのは少ないのです。保証金を出して営業の免許というか、許可を受けているという業者はどのくらいあるか、ひとつ志村君説明してほしい。宅建業者以外に保証金を納めて、納付して営業を行なっている業種はどのくらいあるか、どういうものがあるか。
#34
○政府委員(志村清一君) ただいま私ども手元にさような資料を持ち合わせませんので、ちょっとわかりかねます。
#35
○田中一君 私が知っている範囲で、ないと思うのですよ。証券業者などはいわゆる証券の団体に幾らかの、取引所なら取引所に保証金を納めておるのか知らぬけれども、政府に保証金的な金を預託して営業を営んでおるという業種は少ないと思うのです。そうしてそういう業種でありながら、今回提案された改正案をこれからやろうなんということになると、これはもう建設大臣はこれらの業者を何と考えておるのか、どういう考え方を持っておるのか、建設業者に対する考え方と、宅建業者に対する考え方と建設大臣はどういうぐあいに考えておられるのか、もし抽象的で答弁しにくかったら、どう言ったらいいだろうな、政府として国民のよい生活を守るための制度なんですから、その意味で社会的にこの二つの業種はどういう立場に、またどういうぐあいに政府が育成なりあるいは保護なり、あるいはよい業者を育てるという方法をとっておったかという点についての建設大臣の見解を聞いておきたいのです。
#36
○国務大臣(西村英一君) まあ従来は、私もつまびらかじゃございませんが、この業がやはり登録制でもって、届け出たらだれでもどんどんやらせるというような、行政としてはきわめて何と申しますか、従来の行き方はやはりなまぬるい方法であった、そのためにいろいろな弊害があったから、しかもこの宅建業法というのは、時代とともに非常に重要なものになったから、許可制度にしないと、どうも取り締まりの、あるいは行政の十分な指導監督はできないということで、本年の四月からようやく許可制になったと思うのでございます。したがいまして今後許可制になれば、これを機会にやはり許可を与える、許認可を与えるときに、大臣許認可の業者にしても、知事業者にしても、十分みな注意をいたしていくと思うのでございます。したがいまして、今後はこの業者に対して、従来よりはもっと行政面上はっきりしたことは出てきようと思うのです。ただいま田中さんのお尋ねにありましたように、もうこの未登録の業者が幾らあるかといっても、ばく然としてわからないように非常に実態をつかみ得なかった、行政力が非常に弱かった、それはやはりいろいろな登録のせい、法律のせいであったと思うのでございます。したがいまして今後は十分取り締まりができると思うのでございます。
 もう一つ、私、しろうとでございますが、考えることには、一体宅建業といいましてもピンからキリまであるのでございまして、貸間業をしている町のたくさんの業者がありますが、ああいうものもやはり宅建業である、もう一つこの宅地を提供する大きい規模のものも宅建業でありますし、その辺の区別は、一体同じ法律で一緒くたにしてやることがいいか悪いかというようなことも、私としてはしろうとながら考えておるのでございます。しかしながらいずれにいたしましても、この業を十分に育てたい、今回の改正によっては、これは万全とは言えませんが、非常な進歩、これを機会にして非常にこの業に対する実情の把握は十分にできるのではないだろうかと、こう私は考えておる次第でございますが、もし誤っておれば幾らでも御訂正はいたしたいと、かように考える次第でございます。
#37
○田中一君 いまあなたは貸間の周旋をする人と、三井、三菱等、不動産会社とを別にしたらどうかという考えもあると言いますけれども、貸間をあっせんする人も依頼をされれば何十億という取引をやっておるのです。だからその業態によって区別することはできないと思う。と同時にまた、三井、三菱等の不動産会社も十万円の保証金で営業ができるのです。貸し間等のあっせんをしている業者も十万円の保証金を納めているのです。そこで、十万円の保証金を供託しておるのですから、金利はもらっておるはずだけれども、この金は一体どこにしまい込んであるのか。約四万人とすると四十億なんです。この四十億の金がどういうぐあいに使われて、どこにしまってあって、だれが管理しているのか、ひとつ詳細に報告してほしい。これは間違っては困るのですよ。
#38
○政府委員(志村清一君) 供託されておるわけでございますから、通常の供託金と同じように供託所に保管されておるわけでございます。
#39
○田中一君 この四十億の金が法律による、何というか、危険負担等に使った例ありますか。
#40
○政府委員(志村清一君) その例はございます。
#41
○田中一君 その詳細をひとつ資料でお出し願いたい。事件、年月日、その事件の内容、名前、金額、所在地、全部詳細に出していただきたい。この四十億の供託金、いま大臣が指摘しているように、裏町でアパート、貸し間等のあっせんをしている業者も十万円の供託をしているという現状から見て、そのぐらいまで国民生活に密着し、国民生活の禍福に非常な関係の深い業種であるということを見るならば、この四十億の保証金を死蔵して、そして監督だ監督だ、違反を見つけたらそれを追って充当するのだというような考え方でなくして、もっと積極的にこの四十億の金を利用するという考え方には立ち得ませんか。私は四万人の業者の中から年間千五百七十六件程度の事故があったということは少な過ぎるのですよ。したがって、この業者はりっぱな仕事をしているということです。建設業として登録している業者、この中の違反事実あるいは不正事実というものは、枚挙にいとまがないのです問題が表立ってこないために泣き寝入りしている人もたくさんいるわけなんです。この統計ひとつ出していただきたい。建設業者の登録数並びに事故、これを出していただきたい。
#42
○国務大臣(西村英一君) 業者の数はわかりますが、いまお尋ねの事故というのは、あるいは倒産というようなことであるか、事故というのがどういうことであるか、その辺ちょっともう一回お聞きしたい。
#43
○田中一君 これは建設業者というのは、かりに前金もらって仕事を始める。そして本来ならば五百万かかるものを三百五十万で受けて、途中でずらかって倒産すればおしまいなんですよ。倒産してしまえば、個人にくるのじゃないのです。会社がつぶれれば依頼した人間が損するのです。いわゆる詐欺破産的な業者も相当多いのですよ。主として、これは登録された何十万のうちの千人ぐらいはそういうことはありませんけれども、以下の、ことに住宅等の建て売り等をやっている人たちは、会社つぶせば支払い義務はなくなっちゃうのですよ、会社にしまして。したがいまして、私が申し上げているのは詐欺破産的なそういう倒産も含めて事故というのですよ。依頼者が非常な迷惑、損するのですから、それをひとつ出していただきたい。
#44
○政府委員(志村清一君) 建設業の登録業者の数でございますが、昭和四十一年におきましては、ほぼ十一万四千業者でございます。建設業の登録を得たもので業法に基づく監督処分を受けた事例でございますが、昭和四十一年につきましては、十一月末の計算がまとまっておる程度でございますが、百六十一件でございます。
#45
○田中一君 これは倒産も含めてですか。
#46
○政府委員(志村清一君) 倒産はこれに含まれておりません。
#47
○田中一君 倒産は何件ぐらい。
#48
○政府委員(志村清一君) 建設業者の倒産でございますが、東京興信所調査によりますと、昭和四十年度におきましては千九十一件でございます。
#49
○田中一君 この建設業者の倒産というのは、赤字だから倒産なんです。借金がふえたから倒産なんです。単なる商行為といっても、信用でもって商売やっているのだからやむを得ないじゃないかということになると、これまた問題なんです。主として倒産しておるのは、建設省の仕事を請負ってやっておるというようなものじゃなくて、零細な中小業者が多いわけなんですね。そして小さなもう営々として金を貯めて、うちをつくるとかなんとかという人たちがその被害者となるんです。またそこに材料を納入したり、あるいは労働者が入って、労働者の賃金の不払いで倒産するという例が多いんです。そのほうが悪質なんです、実際言うと。詐欺破産的なものもたくさんあります。これは商行為だからつかまえきれないのだということになると、これはまた別の問題になりますけれども、そういう面が多いのです。そういう面から見た場合には、取り消しも宅建業者の場合には千五百七十六件のうちにどのくらいあって、行政指導したのがどれくらいあるか、ちょっとその内容を知りたいのです。私はまだ少ないと見ているのです。こっちの物を取って逃げるわけでも何でもございません。買い主からあっせんを依頼されたもの、双方からの金をふところにねじ込んで逃亡したというものじゃない、内容はこれは刑法上の問題なんです、はっきりした。取引上の問題も、行政指導なんというものはどういう性質のものか、それも私ども局長からぜひ聞きたいのですが、どういう程度のものか。取り消しをしたのが何件くらいあって、それから行政指導したのが何件ぐらいあって、文書のほうの手続上の違反がどのくらいあるかということです。それをちょっと聞かしてほしい。
#50
○政府委員(志村清一君) 先ほど御説明しました昭和四十年における監督処分状況について申し上げますと、免許あるいは登録の取り消しをいたしました件数が四十三件、それから業務の停止を行ないました件数が十四件、それから指示指導を行ないましたものが千五百九件、告発を行ないましたのが十件でございます。
#51
○田中一君 こんなふうに非常に少ないのです。建設業から比べると非常に少ないわけです。それらのこれはもう宅建業を相手にして、大臣が言っているように、間貸しのあっせんとかあるいは自分の持っている宅地の売買とかいう限られた、ほんとうに一般個人の取引等に参画をしたものには往々そういう間違いがある。私はもっと悪質なのは、いわゆる宅地造成という形で誇大な広告の規定をつくったのもその意味です。これはもう最近はだいぶ減ってきましたけれども、一年くらい前までは、日曜日の朝になると十枚か十五枚くらい入ってきましたよ、誇大広告というやつが。上手に逃げていますね。逃げてかかっている。今度それも押えられるということにしたのは、非常にけっこうだと思うのです。ただ問題は、そこまで、自分の企業、正しい自分のなりわいというものをやっていながら、十万円の保証金を取られ、そして何らいままで直接な育成もしていないという政府の態度。政府の態度がそういう態度だから、地方公共団体もそれに右へならえですよ。そうして、一応二年に一ぺんですか、更改登録をするでしょう。これも非常に高かったものだから、二十九年ごろに一ぺん法律改正をして値下げさせました。政府はあまり快くなかったかもしれないけれども、議員提案として更改登録料というやつをとりました。まあ、これも手数料というのは全部地方公共団体に入るわけですから。それでもなおかつ宅建業者育成のための予算の計上はしておらないのです。これはもう再三再四、年間五十万か百万円でもいいから、そういうものを計上しろ、そうすれば地方公共団体もそれが呼び水となって、この業法の指導育成ができるはずなんでありますが、それすらしないでなおかつ十万円の保証金をとっているという現状になると、これは踏んだりけったりなんですよ。こういう点は西村さんもひとつじっくり考えてほしい。そうして、私のいま最後にこの問題の結論づけるのは、四十億の金を還元融資しなさいということです。最近は、目的税じゃないけれども、いろいろな形に、池田総理の時代から目的税的な税金を取るようになった。それから最近はまた、交通事犯の罰金を地方公共団体に還元しようという動きも出ております。これはおそらくこの国会でもって、政府か、あるいは議員提案で与党の諸君が提案すると思います。あるいは各党提案で出るかもわかりませんが、そういうような気がまえになっております。これは政治の貧困によるところの証拠だと思う。ですから私は、この業法の改正というものは、ことに今度の法律の改正というものは、すべて監督権の強化ということと、むろんこれは、その含めるものは罰則の適用を多くしたということです。最高十万円の罰金から、あるいは体刑まで加えて、それをやっていこうということになっている。しかし、かけ声、一片の法律だけでは動かないのが現状なんです。この四十億の金を何らかの形で還元融資をして、そうして業態というものを自主規制、自由的に、たとえば保険制度にいたしましても業者自身が行なっていくということです、というような方法をとるべきであろうと思うのです。こういう点はひとつ大臣、志村さんのさっきの答弁くらいでは、まだあなた御存じないと思うから、いまここで的確な答弁を求めませんけれども、その方向に考慮するということを答弁してほしいと思うのです。
#52
○国務大臣(西村英一君) 私も、大体の考え方は田中さんと同じような考え方なんです。そこで、この法律、もともとこれは議員立法でございまして、建設省があえて手をつけないという意味も、非常に業態が複雑であるから、おそらくそういう法律でもっていろいろ規制しようということです。それではということで議員立法で、これは政治家が考えたことでございます。しかしながら、だんだんやってみますというと、現在のままでは、せっかく責任を負っている建設省が、やはり不良の業者を取り締まれぬということでは、責任の所在がはっきりせんじゃないかというふうに私は考えて、やはり今回のような改正になったのだが、その反面、それでは育成する金があるのかというと、実は御指摘のように、ないのであります。取り締まるほうの金は業務費で若干ありますけれども、業者を育成する費用というものはないわけであります。したがいまして、いまのような供託金を、これが有効にその業者育成のために、共通の利益のためにこれを還元するというのも一つの方法だろうと思います。それがどういう法的手段でできるか、これは別に研究をいたします。それともう一つ、この業者の、部分的にいろいろ協会があると思うのですが、こういう協会に対しましても、やはり自主的に業者は業者としての共通の利益を守っていくように、これも私は育成をしたいということを考えているのでございますから、御意見をひとつ十分尊重しまして、将来に対処したいと、かように考えている次第でございます。
#53
○田中一君 ぜひそういう方向で向かってほしいと思うのです。
 そこで、いま団体のお話がありましたけれども、団体もようやくこの六月ごろまでには全国団体ができると思いますし、東京なども十八日だかに結成するそうです、社団法人として。地方団体は都知事、それから全国団体は建設大臣が認可をするわけですから、できると思います。したがって、これらの団体の強化が一番大事でありますから、強化するには、やはり裏づけの資金というものが、何らかの形でこれをとるということが一つと、それからもう一つは、悪質業者を滅ぼすには、この団体に対して全員が加入するというような方法を考慮することが必要なんです。これは、直接に国民生活に非常な利害が加わっているものでありますから――これは志村君の耳打ちは、いまその段階ではございませんからなんて言ったに違いないと思うのですがね。(笑声)ただ、こういうものがあるのです。土地家屋調査士法という法律がありまして、土地家屋調査士という、さむらいの業種があるわけです。これは登記法でこれらの業者が調査した宅地図あるいは建物というものは、そのまま土地台帳、建物台帳に登録される。それがすなわち台帳であるということです。そういう業種なんです。これも四、五年前に法律改正しまして、そういうことにしたのです。これには、はっきりと業者は団体に入らなければならんというぐあいに規定してあるのです。業者は団体に入らなければならん。業を営む者は、その団体に入らなければならんということになっているのです。これはそこまで、いままでるる育成強化、監督強化ということを申し上げている反面、そういうことが行なわれれば、これは全くきれいに、そういう悪質業者はそこで規制されると思うのです。同時に、法律施行十五年たっても、類似の業を営んでいる者の推定すらできないという建設省の局長あたりの、何というかな、足りなさというものも、これは補えると思う。ある時期には、そこまでもう飛び越してもいいのじゃないかと思うのですが、建設大臣の見解、どうですか。
#54
○国務大臣(西村英一君) 気持ちはわかりますが、これは強制加入ということになると、やはり何と申しますか、法的手段をもってせぬと、これはちょっとできないと思います。中には法的手段をもってしておるものもありましょうが、これをやはり社団法人の形の団体において強制加入させるということは、やはり誘導だけでは、行政上の誘導だけではなかなか困難であろうと思いまするが、法的手段をとってまでそれを強制加入させるかどうかということはひとつ検討を要するのじゃなかろうか、かように考えております。
#55
○田中一君 せんだっての審議会の答申でも時期尚早なんということになったらしいのでありますが、私は、強制加入とは言わないのです。強制加入とは言わない。たとえば宅建業者になるには一人の取引員の資格がある者――いや取引資格試験を通った、合格した者でなければこの商売できないはずでありますから、これは自分でなくてもかまわない、そういう主任者を置けばいいのですから。だから、土地家屋調査士も、業を営む場合にはこの会に入れというような、強制加入という読み方をする者もいるけれども、読み方をしないでもできるわけです。強制加入というとごつごつしちゃって、憲法の職業選択の自由にひっかかってくるから、なかなか踏み切れないものがあるでしょう。しかし、現実に土地家屋調査士会にはこれがあるのです。条文読みましょうか。――これは志村君よく知っているとおりだ。現にあるのです。そのために非常にうまくいっています。それこそ、密着しています、ぴりっと登記所が。法務局はもう常に育成している。最近はあんまりかわいがり過ぎちゃって、国の予算がないものだから、図表などは、地図などは全部土地家屋調査士会にただで補修さしています。かわいがり過ぎるとああなっちゃう。ああなると困っちゃうけれども、これはなるほど明治初年からあるところの土地台帳等の書類は、全部あなたもう腐っていますよ、ばらばらですよ、閲覧ができるのですから。それは全部、土地家屋調査士会が自分の費用で補修して使っています。国の重要な証拠書類というものを、民間の業者がそれを補修してやっている現状なんです。これはひとつその方向に、もう次回の法律改正する場合には、それに対して真剣に考慮していただきたいと思う。私は今度の法律の提案が政府提案であることにすらぼくは不満なんです、ほんとうを言うと。これは建設大臣が昨年、宅建業者をもう腹に据えかねて摘発をした。その業者が何件か東京都で摘発されている。それは、世論に訴えられて、新聞等も書く、公正取引委員会も見るに見かねて勧告をする、刑事事件にもなる。そこでようやく建設省は腰を上げて、審議会にもこれを答申を求めた。経緯としてははなはだ不満です。私などは立案者の一人としてはなはだ不満です。十何年か前、二十七年ころだと思う。非常に不満です。しかしながら、国民大衆の利益のためには、これはもうだれが提案してもよろしい、こういうことでもって認めているのですが、次の段階、これは政府提案、政府提案としてそれに対する研究を、審議会の答申のいかんにかかわらず、考えてみるという建設大臣の意向だとぼくは判断して理解しておきますが、もう一ぺん明確にひとつ答弁してください、そのことにつきまして。
#56
○国務大臣(西村英一君) ちょっといや断言することはできませんが、十分研究に値する問題だと思っております。したがいまして、せっかくの御意見もありまするから、十分検討いたしたい、かように考えております。
#57
○田中一君 法律ででき上がっておりますところの住宅金融公庫、住宅公団、また供給公社、あるいは地方公共団体が自主的に住宅金融公庫の資金を原資として、国家資金を原資として行なっている住宅供給、宅地供給の事業体がたくさんございます。この人たちは、おおむねこの宅建業者の力を借りて、条件がよくて安くてそしてちょうどそれらの事業体の考え方に当てはまるような努力をして骨を折っているのが現状なんです。たとえば東京都あたりもそうなんです。自分から進んで土地を求めて歩くわけではない。何かのときには必ず宅建業者に相談する。これには御承知のように、この法律によってきめられている条例によって手数料等の率はきめておるわけなんです。ところが、そうした公共団体では出さないのです。手数料払っておらないのです。もう広大な農地、筆数の多い農地の買収などはたいへんな苦労をしている。その場合の報酬は片道通行で、売却人のほうからは手数料もらいますが、買い取り人のほうからは、持ち込んだ品物だからまあ買ってあげましょうという態度なんです。ほんとうはそうじゃないのです。一生懸命骨を折ってくれてやっているのですな。これもちょっと不合理なところがある。法律できまっているのかな、その辺はどうですか。何とかしなければいかぬと思う。これは監督だけでなくて、育成という面から見た場合には、当然の報酬なわけなんです。報酬は受けることはきまっているのです。その額は条例で各地方公共団体がきめているわけなんです。しかしいま言った事業体はそれを払うことができない、報酬が。これは一体建設大臣どう考えますか。
#58
○国務大臣(西村英一君) そういうことを私も聞いております。聞いておりまするが、それに対するしっかりしたまああまりいま名案がないのです。けれどもですね、やはりこういう業者を育成するためには、まあこれは宅地の供給その他ですから、いま言いましたよううに、公的機関――公共団体等がやる場合もあります。それからまた地方公共団体がやるような場合もいろいろありますが、いずれにいたしましても、こういう民間会社を使っておるのだろうと思うのですよ。それがいまあなたがおっしゃいましたような片道のあれだというようなことで、一方は公的な機関であるから当然出さないというようなことを私は聞いております。聞いておりますが、これに対してこうすればいいのだというようないまあれはないのですが、これを十分私は検討してみたいと思います。
 それからもう一つ、民間業者に言わせますと、やはりわれわれを十分使ってくださいと、こういうことを、私が会いました業者は常に言います。われわれこそ、ほんとうにこの宅地の問題については詳しいのであるから、これをなるべくわれわれを有効に使ってもらえば、たとえ公的機関がやる場合にしても、われわれが大いに協力してやれば安くなるのだからということを言っても、どうしても聞き入れないある町村、公共団体がありましたので、それに対して非常に不服で、もう直接その陳情を私が伺ったことがあるのであります。したがいまして、そのときは私は特にその市長に対しまして、ひとつ業者をうまく使ったらどうだということを申し上げたことはありますが、いま申しましたような公的機関が公には出せないということについては、もう少し私も、何でしたらひとついろいろな方法があれば御教示願いたい、かように考えているものでございます。
#59
○田中一君 志村君、君答弁してくれよ、いまの問題について。
#60
○政府委員(志村清一君) 大臣のおっしゃられたとおりでございます。
#61
○田中一君 それではいまの問題については前向きで――いまのどこかの市長が協力しなかったといって建設大臣はそれに対して勧告したということも聞きましたけれども、これは業者は何もただでいいから骨折りましょうと言っているんではないですから、そのために片道でもいいから骨折りましょうということになるのです。これは法律で除外されておるけれども、これは当然役所が車買ったって、問屋の分も製造元の分も全部利益が入っていなければならないですね。やはり問屋なりブローカーの手数料も入って買っているわけですね。けれども宅建業者が扱わせる件だけはないということは、これはちょっと片手落ちになるわけです。そして十万円の保証金を取っている。私何べんも言いますよ、十万円の保証金を取っているということは、そんな業態ではないのです。手数料も払わない、十万円の保証金も取っている。零細な裏長屋の間借りをあっせんするおばあさんも十万円の保証金を取られているのですよ。三菱、三井の不動産会社も十万円で済んでいるのです。支店、出張所を持っているところは三十万円をこしてはならぬというから、そういうところは三十万円供託しているんでしょうが、ほんとうにこの業態というものをよくし、業界というものをよくし、また自主的な規制もさせ国民に愛される、国民に信頼される業態は、当然業者自身がその姿勢と研さんを積まなければならぬということは当然であります。巷間われわれ日本の人間社会にあらわれている一つの商行為に対する報酬すら払わぬということになると、これは方法はたくさんございます。これはどうも政府の考え方がどこにあるのかということに対する疑問を持たざるを得ない。これはひとつこの次の法律の改正には、前段申し上げたものとあわせてひとつ検討していただきたいと思うのです。
#62
○委員長(松永忠二君) 速記をとめて。
#63
○委員長(松永忠二君) 速記をつけて。
#64
○田中一君 先ほど申し上げているように、この法律は罰則、いわゆる処分ということがもう非常にどれもこれも非常に処分に関連のある問題ばかりなんだ。その処分の刑が大きいと思うか足りないと思うか、その点は、おそらく審議会ではその罰則の問題まで答申があったのかどうか、その軽重の問題について、その点ひとつ聞かせてください。
#65
○政府委員(志村清一君) 宅地審議会の審議におきましては、罰則の問題については御答申はございません。
#66
○田中一君 従来ともどの審議会でもこうした問題を扱う場合には、罰則の問題に対しては全然関係なしに一方的に政府の行政権でワクをきめるということになっているの、慣例は。
#67
○政府委員(志村清一君) 宅地審議会におきましては、従来罰則の点まで立ち入った御論議はございませんでしたし、また罰則の問題はあまり大きな課題ではございませんでした。
#68
○田中一君 それでは建設大臣、現行法にあるところの罰則の処分の何で、処分が重いか軽いか、これはどういう見解を持っておりますか。
#69
○国務大臣(西村英一君) 私はまあ適当と思いますが、それは全部の法律をひっくるめて見たわけではございませんが、法制局を通しまして、法制局の意見を聞いてやっておるわけでございますから……。
#70
○田中一君 これは法制局のほうに、この罰則でこういうことに適用していいかということをやっぱり相談しているのですか。
#71
○政府委員(志村清一君) 法案の作成にあたりましては、当然法制局を経由いたしますが、同時に法務省の刑事局とも十分相談いたした結果でございます。
#72
○田中一君 新しく適用しようという場合に、いままでのその事犯の実害というものがどこにあるかということを考えた場合に、ただいままでの条文にこれは何条の何項を当てはめようということだけでは困るのです。私は法制局にしても法務省にしても、実態というものは知らないのじゃないかと思う。それから非常に巧妙なカムフラージュで擬装を事業体にかぶせてやっているのが多い。たとえば地主何々と書いて宅地の売買をやっている、地主というのだから、これは商売じゃない、自分の持っている土地を売りたいということなんです、これは幾ら売ってもこれに関係しないのです。ただ、それが一括して売れば一ぺんで済むけれども、それが小さく三千坪を百坪ずつ売った場合には、これは業とみなすぞとこういうこと。しかし、善意な場合だったらどうするかというのです、ほんとうに善意な場合どうするかということです。地主がほんとうに地域社会のためにこれを開放しようというので、しかし宅建業者に頼んだのじゃどうもやはり金がかかって、結局、買う人たちが負担が重くなるから、これはひとつ自分が直に売ってあげましょう、こういって善意でやった場合には、それはやはり業とみなさざるを得ないのです、今度の法律の改正によっては。三千坪を百坪ずつ、百五十坪ずつ分けて売ろうとすると、反復して売ったということになりますね。その点の善意というものを、われわれのしゃくし定木でものをきめちゃうということにまた問題があるのですよ。やはり善意を尊重しなければならないということですね。法も裁判でも善意と悪意では刑も軽重があるわけです、執行猶予の恩典もあるわけです。善意というものはどこまでも伸ばすような方法、行き方が政治の姿だと思います。この点についてどういう考えを持っておるか、建設大臣。
#73
○国務大臣(西村英一君) 善意であった場合はどうするかという非常にむずかしいあれですが、善意であるかないかというようなことを判断するあれだと思います。やっぱり一定の、それは反復してやるというようなことで、そういうような場合にも、それはやはり代理者に頼むというような方法をとりますから、善意でやれば、それじゃそれは業者と見なさんでどんどんやれるかという、その解釈の点につきましては、これはどういうものですか、私もどうも判断がつきかねるんですけれども。まあ言う意味はわかりますけれども、ちょっと判断が私はつきかねるんですが……。
#74
○田中一君 善意々々ということを強く強調するのも、西村建設大臣が善意の人だからなんですよ。だからこういう質問をするんですよ。志村君などには聞かないですよ。聞いたってしようがないんですから、これはやむを得ないと言うに違いないから。私はこういう業者が、ことに十万円の供託金を出しているという業者、その人たちを守るためにも、そういうものは地主が売らないで、私のほうで手数料はまけましょう、だから買ってあげましょうということが、やはり業者の善意なんですよということで解決つくのじゃないかと思うんですよ。私はそう思うのです。したがって、地主がたとえ善意であろうともこれはだめですよ。あなたは登録とらないといかぬですよ。私はいまから取引員の資格をとるのはたいへんだからいやですと言った場合には困るんです。あるんですよ、これは、そういう例が。現にわれわれが関係しておる生活協同組合なんかも全くの善意ですよ。皆の集めた、何も手数料取らないで動いています。そういう場合一体どうするのかということになると、これは非常に問題が多いんですよ。だからそれらのそういうものは東京宅地建物取引業協会にまかせれば、非常に安い費用でたいした負担なしに事務費程度のものでこれができるのじゃないかというような勧奨をだれかがするということが必要だと思うんですよ。何でもかんでも罰則でもって取り締まるという考え方だけでは、これは法の適正な運用じゃないんです。われわれがこれをつくったときには保護法としてつくっている、育成法としてつくっている。悪貨はどっちみち駆逐しなければならぬ。それはやっぱり業者の自主的な規制でもってやらせようじゃないかという考えを持っておったんですが、どうも最近の傾向としては、自衛隊法にしても、何にしてもかんにしても、皆そういう中央強権でものを押し切ろうということにだいぶ変わってきたので、この思想がやはりいまの政府には自民党内閣にはあるということなんです。しかし、それだけじゃ困るということを言いたい。たとえば土地収用法の改正にいたしましても、われわれがつくった場合には、ほんとうに私達を守るためにつくった土地収用法が、数次の改正でそれこそ強い強制力、これは民主主義のどうとかこうとかという思想的な問題じゃないですよ。いま、これからこれじゃ建設大臣もだいぶ苦労すると思いますけれども、土地収用法の改正の審議にあたっては。その傾向が強いのです。これなんか、そういうところまで考えられてやっているか。いわゆる悪い業者だから、何でもかんでもこれを正しくすればいいのだという、悪い業者はいいとして、そうでなく善意の地主等が自分の邸宅を開放しようなんというときに、自分が取引員の資格を勉強してとってからするなんということはできない。結局、買う人に安く提供しようと思ったやつが高いものになってしまうということですね。こういう点は、ひとつ建設大臣が今度連合会というものに対する法人格を認める――もう認めたのか、まだか――あれも早く認めて、そうしてそれらのものの機関を使えというような行政指導をするということが必要だと思うのですよ。
 それから次に、この育成の面では地方公共団体に対する予算上の助成的な――予算もないと思うのですが、せんだってだれに聞いたか、地方交付金でもって若干宅建業というものに対する率が加わっておるとか聞いたけれども、それはどのくらい加わっているのですか。
#75
○説明員(井上義光君) 現在宅地建物取引業関係につきましては、宅地造成事業法、宅地造成規制法及び宅地建物取引業法の運営を含めまして土木建築関係の監督関係で、昭和四十一年度は標準団体、一都道府県につき六百五十万円、昭和四十二年度は千四百万円というのが積算のうちに入っております。
#76
○田中一君 これは交付金ですか。
#77
○説明員(井上義光君) さようでございます。
#78
○田中一君 いまの三つ四つの項目になっているけれども、これは的確に宅建関係に使える予算としては金額がどのくらいになっているか。あるいはそれに対する配分率、これはどうなっているのか。
#79
○説明員(井上義光君) ただいまの金額は、地方交付税法上の基準財政需要に算入する額でございますので、宅地建物取引業関係として明確ではございませんが、おおむね三分の一強は含まれているというふうに考えております。
#80
○田中一君 あと私は逐条的にひとつ聞きたいと思うのですが、この罰則なんかの事犯によってもっとこれを表にして出してくれるかな、資料、この次までに表にして。それでたとえば行政処分の場合と、それから刑法上の問題が、刑事事件としての問題が起きてくるでしょう。行政処分の問題にしても、やはり事犯の内容が、見解が明らかになると、これまた裁判所に行っても、ここの委員会で審議されたものが優先する判決となることが多いわけなんですね。だから、そういうところを明確に求めておるわけなんです。ひとつよく研究して出していただきたいと思います。
#81
○委員長(松永忠二君) 速記をとめて。
#82
○委員長(松永忠二君) 速記をつけて。
 本案についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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