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1967/05/16 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第7号
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1967/05/16 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第7号

#1
第055回国会 建設委員会 第7号
昭和四十二年五月十六日(火曜日)
   午前十時五十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任
     白木義一郎君     矢追 秀彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松永 忠二君
    理 事
                稲浦 鹿藏君
                大森 久司君
                山内 一郎君
                大河原一次君
    委 員
                青木 一男君
                石井  桂君
                内田 芳郎君
                奥村 悦造君
                中津井 真君
                平泉  渉君
                田中  一君
                藤田  進君
                矢追 秀彦君
                片山 武夫君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   政府委員
       建設省計画局長  志村 清一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松永忠二君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
 なを、政府側から西村建設大臣、志村計画局長が出席しております。
#3
○大河原一次君 前回田中委員のほうから大所の問題についていろいろと論議されたので、私のほうからは、ごくわずかに小さな問題について御質問申し上げようと思いますが、前回の田中委員の発言の中に、宅地建物に関係する業者が四万人おるということが言われておりますが、この四万人の方々は、全部登録されておる方でありますかどうか、それを一つ。
#4
○政府委員(志村清一君) 免許を受けた業者の数が四万三百五十七名でございます。
#5
○大河原一次君 その中で、ぼくらよく東京都内でちょっと足を入れて見ますが、あそこにもここにも小さないわゆる不動産業者があるわけですが、東京都内にはどのくらいあるんですか、都内だけで。
#6
○政府委員(志村清一君) 大体一万から九千の間くらいでございます。
#7
○大河原一次君 これは四万人の中に含まれるんですね。ほかに登録されていない、むしろ私はこういう方々がいろいろ虚偽なりあるいは誇大広告等によって問題をかもしだしておるんじゃないかと思われますが、いわゆるこの登録されていない方、何といいますか、アウトサイダー、そういった数は全国でどのくらいおりますか、大体見通しがありましたら……。
#8
○政府委員(志村清一君) 免許を受けずして営業することは法律上禁止されておりますので、無免許業者がおります場合には、直ちにこの宅建業法に基づいて所定の監督をいたしているわけでございますが、一体無免許の業者がどれくらいおるかということについては、過日田中先生からも御質問ございました。明確にその数字を把握いたしておりません。相当数おるというふうなことはよく言われておりますが、今後とも十分な取り締まりを続けてまいりたい、かように考えております。
#9
○大河原一次君 東京都内にはどれくらいおるかわかりませんか、アウトサイダーと称するものの東京都内における大体の数は。
#10
○政府委員(志村清一君) 東京都内にどのくらいいるかという点につきましても、相当数いることは間違いないと存じますが、これを絶滅する努力はいたしておりますが、数までつかんでおりません。ただいわゆるアウトサイダーということばの中に、業者団体に加盟してない方ということばで、免許は受けているけれども業者団体に加入してない方ということばで使う場合がございますが、そういう方々は大体一万くらいじゃないかと思っております。
#11
○大河原一次君 アウトサイダーは別といたしまして、この四万人と称する業者の方々は、当然各団体ありますね、所属する団体が。その団体数が、この前田中先生のほうから質問が出ておったかと思いますが、団体数はどのくらいありますか。資料を見ておりませんけれども、何々協会というのがあるでしょう。その協会というような団体、組織がどのくらいありますか、全国で。
#12
○政府委員(志村清一君) 本日お配りいたしました資料の三ページを御参照願いたいと思いますが、宅地造成関係でも、ここにございますように社団法人の全国宅地造成連合会やあるいは不動産協会、私鉄経営者協会、日本分譲住宅協会等がございます。そのほか一般的な組織といたしましては社団法人の日本不動産協会、それから全国宅地建物取引団体連合会、社団法人の全国宅地建物取引連合会というのがございます。この三団体につきましては前回の法改正を契機といたしまして、今後一本化しようという動きが非常に高まっておりまして、近い将来一本化が可能になるのではないかと考えております。
#13
○大河原一次君 今度の法改正によって実施の段階になれば、先ほど申し上げましたアウトサイダーの方々に対しては、当然法の規制を受けるわけですね。それでいいのですか。
#14
○政府委員(志村清一君) いわゆるアウトサイダーにつきましては、先ほど先生のおっしゃいました無免許業者につきましては、宅地建物取引業が全く行なえないのでございますので、宅地建物取引を行なった場合には、直ちに処罰されるということになるわけでございます。それから次の、免許は受けているが団体に加入してない方々でございますが、これについても、宅建業法の各種の規定は当然適用になるわけでございます。
#15
○大河原一次君 わかりました。そこで先般も建設大臣が言われましたように、この業者はほんとうに大きなところはこれは何ですか、三井ですか、四十数億の資本金を持っているものもあれば、同時にまた電話一本、わずかに机一つというような立場でいる業者もあるわけですが、こういう種々雑多な業界が、それ自体が何か一つの混乱なりいろんな問題を起こしているのではないかというふうにも考えられるわけでありまするが、今後の問題として、私は法制定の経過はよくわかりませんからお聞きするのですが、今後の問題といたしましては、たとえば資本別、あるいは経営規模別等に整理統合するというようなそういう考えはおありにならないのですか、どうですか、その点をお聞きします。
#16
○政府委員(志村清一君) 宅地建物取引業が千差万別である、それらにつきまして、業態あるいは規模別に免許制度を考えたらどうかという御意見かと拝察いたしますが、さような問題につきましても種々検討いたしたのでございますが、規模別の規制ということにつきましては、取引限度額の制限に関する実効ある規制方法といったようなこと等につきましても、なお取引の実情と見合わせまして十分検討する必要があると考えられるわけでございます。当面ただいま、さような規模別云々ということにつきましては、なお今後の検討課題として検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#17
○大河原一次君 もちろん私は、そういう将来にわたって経営規模別、資本別等によって整理統合するという中には、いろいろ営業権の侵害という問題も派生するかもしれませんが、そういう問題については十分に考慮して慎重を期すべきだというふうに考えますが、しかしいずれにいたしましても、将来やはりそういう方向に向かうことも、一つはこの問題を是正することにもなるのではないか、かように考えておるので御質問申し上げたわけですが、そこで現在のところ、法によればいわゆる免許制ということになっておるが、しかし十万円という保証金を出すことによってこれはどなたにも自由に免許が与えられるということで、いわば免許制であって同時に登録制だというふうにも考えられるわけですが、この点についてはどういうふうになっておられますか、この点一つお聞きしたいと思います。
#18
○政府委員(志村清一君) 宅建業者は、免許営業する場合の保証金として、主たる事務所につき十万円の保証金を出さねばならぬことになっておりますが、そのほかに、免許にあたりましては、免許の基準がございまして、たとえて申しますれば、事務所について取引主任者これは試験を受けて合格した者だけがなれる、取引主任者を置かねばならぬとかあるいは免許の申請にあたりまして、過去に不正または著しく不当な行為をしない者というふうな各種の制限がございます。かような制限を通りました者が免許になる、かようなことになっております。
#19
○大河原一次君 そこで結局十万円という問題、これは実際経過はよくわかりませんが、議員提案だということを先ほど田中先生のほうからお聞きしたのですが、十万円の保証金をきめたあれはいつですか。
#20
○政府委員(志村清一君) 三十二年の法改正の際でございます。
#21
○大河原一次君 そうすると相当経過を経ているわけですけれども、これはしろうと考えですけれども、現状において十万円という保証金が、これはもちろん千差万別であり、とにかく資本金が四十数億もあれば、電話一本のところもあるというぐあいですから、それを一律一体に十万円で、今後現状の十万円でやっていくということにしても、何か見通しとかお考えがありましたら、ひとつお伺いしておきたいと思います。現状において十万円というのが妥当であるかどうか。
#22
○政府委員(志村清一君) 営業保証金は、先生のおっしゃられたとおり、依頼者の損害を担保するために一定の限度の営業保証金を供託する制度でございまして、御承知のとおり、場合によっては少額過ぎるのではないかという御議論もあろうかと思います。他の営業保証金の例、たとえば前払い割賦販売業とか割賦購入あっせん業、旅行あっせん業いろいろの事業について営業保証金がございます。それにつきましても、大体宅建業法で述べられている保証金の額と類似した額を保証金として積み立てるということになっております。しかし、今後これらの保証金についてもう少しいろいろ考えたらどうかという御議論も、宅地審議会等においてあったわけでありますが、これらにつきましては、将来の問題といたしまして、たとえば保証金基金のようなもの、あるいは損害保険等のようなものについて十分検討した後にいろいろきめてまいりたい、かような議論になっている状況でございます。
#23
○大河原一次君 そこで、先ほどもお聞きしたのですけれども、やはり将来統合、整理をやるという場合に、これを資本別、経営規模別にたとえばAクラス、Bクラス、Cクラスくらいの三段階程度に――これは私の私見にすぎないが――分けて、この中でAクラスに対して保証金が幾ら幾ら、Bクラスに対しては幾ら幾ら、Cクラスに対しては幾ら幾らというような保証金の取り方をおきめになったらどうかというふうにも考えますが、この点についてはどういうふうに考えますか。
#24
○政府委員(志村清一君) 宅建業者の営業の実態というのが具体の事例に応じまして、適当な取引態様によって処理しているのが実態でございまして、業種について明確な区分をするというのは、なかなかむずかしい現況でございます。それらのこともございますので、将来におきましては、さような検討も十分進めてまいりたいと、かように考えております。
#25
○大河原一次君 そこで問題になっております法案の条文にあります虚偽または誇大な広告をしてはならないという問題でございますが、虚偽の問題は、事実と全く相違した問題であるから、これは問題ないのですが、誇大広告ということなんです。誇大広告というのは一体何かという問題だと思いますが、旧法においては著しく事実と相違した場合は云々という問題もあったと思いますが、今回は誇大な広告をしてはならないという条文がちょっとあったと思いますが、一体誇大な広告というのは、どのような考え方に立てばいいのか。具体的に言うならば、たとえば駅からそこまで行くのには普通の足で三十分かかるものを、これを駅から十分程度歩けばそこまで行けるのだというようなことは、やはり誇大広告になるのかならないのか。具体的に言えばそういう問題ですか、誇大広告に対する解釈はむずかしいと思いますが、論議のあるところじゃないかと思います。この前は、著しく事実に相違した場合は、ということがあったのですが、なぜ誇大な広告をしてはならないというふうに変更せざるを得なかったのか、そういう点もあわせてひとつ御意見を賜わりたいと思います。
#26
○政府委員(志村清一君) 先生のおっしゃられるように、現行の二十条の二項の五号で「宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。」という表現がございますが、これらにつきましては、広告までにこの条文の規定が及ぶかどうかということについては、解釈上は当然考えられますが、明文にはっきりいたしておりませんので、新たに十四条を設けまして、誇大広告等の禁止を規定したのですが、この十四条の中におきましても、一体誇大な広告とは何を言うかということは、著しく事実に相違した表示をしたり、あるいは実際のものよりも著しく優良である、もしくは有利であるというふうに人を誤認させるような表示をしてはならぬという規定をいたしておるわけでございます。さような意味におきまして、まあ広告というのは一般的にある程度まあ誇張もあるわけでございますが、通常の通念以上に、通念を越える程度のものはいかぬ、まあ広告に書いてあることと事実の相違を知っておれば、当然契約に誘い込まれるというようなことはないというようなことを限界として考えておりますが、先ほど御指摘になりましたように、駅から三十分以上はかかるのに、わずか五分であるとか、十分であるとかいう表示をすることは、これは著しく事実に相違する表示である、かように考えております。ただ、こういったこまかいことまで具体的に展開するためには、広告の基準について明白にする必要があろうかと存じます。これにつきましては、現実に誇大広告等の取り締まりをやっております公正取引委員会等とも十分協議をいたしまして、われわれの広告の基準というものを作成して、実質的に第一線で監督する知事等にも通達いたしたい、かように考えている次第でございます。
#27
○大河原一次君 これは建設省所管ではなくて、公正取引委員会のほうだと思うのですけれども、この前に私ちょっと調べたものがあるのですけれども、公正取引委員会による宅地建物取引の表示に関する公正競争規約という、その中にその基準というものが示されたものがあったわけですが、その中ではこの誇大なる広告云々という問題ではなくて、不当景品類及び不当表示防止法というものが出されておるのでありますが、この不当景品類あるいは不当表示というものに不当ということばがある、公正取引委員会のほうではかつて三十七年でしたか、宅地建物の取引にこのような公示がされておる、告示がされておるわけです。今回は不当な表示という問題が取り残されて、いわゆる誇大な広告云々ということで取り上げられておるのですが、その点の御見解はどうですか。
#28
○政府委員(志村清一君) 御指摘のとおり公正取引委員会におきましては、不当景品類及び不当表示防止法に基づきまして広告の取り締まりをいたしておるわけでございますが、その第四条に、不当な表示というのは何かということが具体的にうたわれておりますが、中身は「著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがある」というふうに書いてございます。したがいまして、内容的には宅建業法、今回改正の第十四条とほぼ同様かと存じます。
#29
○春日正一君 法案の内容について、いま詳しく質疑があったのですが、この法案の中身でなく、直接まあ関係することですが、この法案は、まあ宅建業者が不当あるいは不正な取引をして一般国民に迷惑をかけないようにという趣旨だと思うのですがね。ところで、もう一つこれと関連して、やはり国あるいは公共団体のやる事業における不当な取引、そういったようなものを防止するという措置ですね、こういうことは考えられておるのですか。
#30
○政府委員(志村清一君) 国あるいは地方公共団体等が、不動産宅地建物を分譲いたしたり、あるいは住宅を貸したりというようなことにつきましては、当然に公正な秩序をもって行なうのが当然かと思います。
#31
○春日正一君 私の言っておるのはそれじゃないんですわ。そこへいく前の、たとえば今度の国会でも問題になったし、これまで問題になってますけれども、光明池の団地の問題というようなことになりますと、そのほかいろいろ信濃川の問題とか、建設委員会でもずいぶん問題になりましたよ。こういうものを見ますと、非常に、国がここで何かの事業をやろうということを事前に察知して土地を安く買い占めて、それを五倍、十倍というような高い値段で国あるいは公団、地方自治体等に売りつけるというようなことがしばしばやられて、しかもこれが、まあここで問題になった光明池のような問題になれば、いろいろ政治的な問題になるけれども、法律上の問題からいけば、何倍に売ろうと自分のもうけだということに実際上なって通っているんです。そうすると、そういうこと自体が、一つはいま建設省が困らされておる宅地の価格暴騰の一つの有力な要因になっておる。何か国で仕事をしよう、何かやろうということになると、ある業者が入り込んで買占めて高く売りつけるということで、土地の値が上がって相場ができるから、まわりがずっと上がっていってしまう。それを防止するという方法ですね、そういうことを考えておられるのか。
#32
○政府委員(志村清一君) ただいま御質問のような事例がございます。これらにつきましては、ただいま国会にお願いいたしております土地収用法の改正等におきまして、事業認定をいたす、その事業認定時の価格を基準にして補償額をきめるというふうな方向で、いわゆる開発利益あるいは投機的利益を排除する方向で考えてまいりたいということが一点でございます。また、いわゆる面的な開発ということにつきまして、御指摘のございましたような例が比較的起こりやすいのではないかという意味におきまして、新住宅市街地開発等におきましては、事業決定がございますと、いわゆる先買い権を起業者が持つ、それに対して地主側からは買取り請求権があるというふうなことで、不当な第三者がよけいに介入できないような法制も考えておるわけでございます。と同時に、税制面におきましても、短期的に買ってすぐ売るというふうな投機的な要素の高いものについては、短期保有の譲渡所得税の特例がございまして、通常の場合には譲渡差益の二分の一が所得税に加算されるわけでございますが、保有期間一年以内でやる場合におきましては、まるまる所得税に加算されて税金がかけられるというようなこと等で、ただいま先生の御質問のようなことを排除すべく進めておるような状況でございます。
#33
○春日正一君 たとえば光明池の場合なんか見ますと、転売、転売、転売ということをやって、一年くらいの間に約十倍近くつり上げておる。そういう場合に、大体建設省として、あれですか、宅建業者の当然正当な利益といいますか、大体買ったりいろいろしたそういう諸経費の何%とかいう目安があると思うのですが、世間一般に。どのように見ておられるのですか。
#34
○政府委員(志村清一君) 宅地建物取引に関連いたしましては、直接どの程度が適正な利潤かという御質問に対しては、ちょっとお答えしにくい問題でございますが、一応手数料としてきめられておる分につきましては、報酬でもって双方から――金額によって違いますけれども、双方からまあ五%程度の手数料はとれるというたてまえになっております。合計いたしますと一割、最高で一割ということになろうかと思います。
#35
○春日正一君 つまり手教料でなくて、自分で買った、それを今度売った、おれのものだから十倍に売ろうと、二十倍に売ろうとあたりまえじゃないかというものも出てくると思うのですけれども、そこら辺の論はどういうことになっているのですか。
#36
○政府委員(志村清一君) ただいまのところでは、売り値について特に法律において規制するということはいたしておりません。
#37
○春日正一君 最後に一つお聞きしておきますが、光明池団地の買った土地ですね、あれはその後どういうふうになっていますか。
#38
○政府委員(志村清一君) 光明池の土地につきましては、あの土地を取得いたしまして宅地開発を進める予定でやっておりますけれども、御存じのとおり大阪府の泉北丘陵の大団地がすぐそばで連続して行なわれております。これらとの関連において事業計画を設定いたしまして進めるということにいたしておりますが、実はこのほかにもう一つ問題がございまして、同様の地区に信太山という住宅団地がございます。これも土地の取得はほぼ完了しておるのでございますが、この信太山のほうが光明池よりも先に用地の取得が終わりまして、先に造成工事にかからねばならぬという情勢になっております。ところが、信太山地区につきましても、宅地造成に関連する公益施設の建設をいかにするかということについて、地元である和泉市との話し合いが十分ついておりません。和泉市といたしましては、信太山の話をつけてから光明池の話をつけたいというようなことで、さような意味で多少おくれを見ておりますが、なるべくすみやかに地元とも十分話し合いを済ませて工事に着手いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#39
○田中一君 せんだってに引き続いて今度は条文に入ってまいりますが、最初の第十四条の二、この問題で質問いたします。この依頼者、受託者相互の行為というものが文書によらなければ成立しないという考え方を持っておりますか。これは精神規定的にこの条文としては文書で出せということになっておりますが、これは取引というそのものが、受託、依頼――委託という問題は、法律的な効果というものは文書で出さなければならないのだということにしようとしているけれども、どういう見解を持っていますか。
#40
○政府委員(志村清一君) ただいまの先生の御質問は、十四条の二の取引態様の明示に関してかと存じますが、十四条の二におきましては、書面によることを義務づけておりません。口頭による場合でも差しつかえないということにいたしております。
#41
○田中一君 そこでいわゆる具体的な問題ですがね。かつて所得税法による宅地建物あっせん業者の調書の提出の義務というものを課せられたことは、御承知のとおりでございます。これはまあそういう事例が証券取引業者にもあるのだということを聞いておりましたけれども、で取引業者というかあっせん業者ですね、これが廃案となった経緯について、ひとつ建設省の見解を説明してほしいと思います。
#42
○政府委員(志村清一君) あっせん調書の問題につきましては、いろいろ問題がございましたことは、先生御承知のとおりでございます。他に例も少のうございますし、業者側に与える負担も相当大きいようなこと等から、あっせん調書提出の問題につきましてはこれを廃止するということに御決定を願った次第でございます。
#43
○田中一君 なぜ廃止するのが妥当だとお考えになったわけですか。
#44
○政府委員(志村清一君) 取引関係につきましては業者が扱う分は大体三〇%程度でございまして、これらにつきまして業者にあまり大きな負担をかけるということ等については、問題があろうかということでございます。
#45
○田中一君 建設大臣、この問題、あなたまだ大臣にならない時代だったろうと思うけれども、お聞きになっていますね、建設大臣は。
#46
○国務大臣(西村英一君) ちょっとばかり聞いておりますが、詳しく調べておりませんから御返事がちょっとできません。
#47
○田中一君 この十四条の三、これはその実態の説明、同時にまた書類交付ということが原則になっているんですが、また十四条の四、これも書類で一切の問題を処理しろと、処理するように義務づけているわけなんですね。この取引の実態というものが書類によらないでも――書類でそれを義務づけようとする考え方とそれから口頭でいいよ、おれはおまえさんを信用しているんだ、また売り人も信用しているんだ、買い人も信用しているんだ、あなたに一切まかせますという形で、書類は要らないという意思表示が双方からあった場合には、これはどういうことになりますか。
#48
○政府委員(志村清一君) 十四条の三、重要事項の説明等について、すべての個条について書類を交付することを義務づけてはおりませんので、一号から四号まで通常契約書などにも書かれないような事例につきましては、あらかじめ書面で明白にしておくことが、業者側にとりましてもあるいは顧客側にとりましても、双方の紛争を防ぐ意味において適当ではないかと考えているわけでございます。いずれにいたしましても十四条の三、四、書面の交付ということがあるわけでございますが、いろいろな事情によりまして相手方等がこの書面の交付を希望しない場合もあるかと存じます。その場合におきましては、一応法律で定められておりますので、業者としては書面の交付をする義務はあるわけでございますが、相手方が受領をしないというような場合においては本条の違反にはならない、かように考えておる次第でございます。
    ―――――――――――――
#49
○委員長(松永忠二君) この際、委員の異動について報告いたします。
 本日、白木義一郎君が委員を辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#50
○田中一君 そうすると、売る者――売却を依頼した者もそれから買い取りを依頼した者も、そうした書類は要らないと言った場合には、その義務づけは要らないということじゃないでしょう。必ず書類を出さなければならないように義務づけているわけでしょう。その場合には違反になりますか、業者は。
#51
○政府委員(志村清一君) 書面は交付することが義務とされておりますので、書面は一応つくらねばならぬと思いますが、それを相手方あるいは依頼者が受け取らなくていい、これを拒んだ場合まで無理に押しつけるというところまで義務は及んでいない。したがって相手方が受け取らぬというような場合には、本条の違反にはならない、かように考えております。
#52
○田中一君 くどく言いますけれどもね、双方の依頼者が書類は要らないと言う場合に、それを指摘された業者は違反になりますかなりませんか。
#53
○政府委員(志村清一君) 双方が受け取らぬと言う場合には渡さなくても違反になりません。
#54
○田中一君 そうすると、双方が書類は要らないのだ、だからそうした書類をつくらないという場合は違反になりますか。
#55
○政府委員(志村清一君) 各両方の条文におきまして書面を交付することが義務づけられておりますので、書面は作成することが必要である、かように考えております。
#56
○田中一君 その書面がかりに事実と相違している内容の書類であった場合にはどうなりますか。
#57
○政府委員(志村清一君) 先生御承知のとおり、不動産の取引におきましてはいろいろな事情がございまして、相手方あるいは依頼者が書面に真実の記載をすることを希望しない場合もあろうかと存じます。かような相手方または依頼者の了解の上で真実と相違する記載をするということにつきましても、紛争を生ずるおそれがないとは言えないので、好ましくはないと存じますが、しかし、このような真実の記載をしなかったような場合に刑罰を科するというようなことは、本改正法においては考えておりません。
#58
○田中一君 これは、この点は非常に重要なんで、ちょっとくどく聞きますけれども、たいした手数料をもらうわけでもないのに、ここに例示されているようないろいろな問題を常識的に考えれば、書類は要らないような問題までも、たとえば都市計画法でどうとか、私道かどうとか、何がどうの、これがどうのということを一々正しく立証する証拠書類をつけて作成することが正しい書類になるわけなんです。そういうわけなんです。それで建物が一つの団地にある、百戸、二百戸というものがだんだん売るという性質のものもあれば、また点在している間借り、アパートの部屋等もそれぞれ売る場合もある、あっせんする場合もある。その場合に一々ここまでのきびしい、こんな問題を全部調査して、そうしてそうした書類を調製しなければならないということ、義務づけられることは、相当な事務量になるわけです。たとえば御承知のように、東京並びに東京周辺には地域指定が相当あります。そういうものとか、建蔽率とかいうものを一つ一つ、零細な業者の場合をぼくは指摘しているわけですが、それを調べてやるということになると、たいへんな事務量になってくるのです。そういうことはもう直感で大体わかっている。わかっているけれども、あっせんを受けたほうが今度因縁をつける場合には因縁つけてきますよ、そういう場合があるのです。その場合に、そういう書類が出てないからおまえは違反だというような指摘を受ける場合もあるのです。そういう場合、それを事務的に追っかけ回していくという事務量というものはたいへんなことなんです、実際をいうと。そういう問題は煩瑣な手続等を簡略化するという方法が、今度の改正の条文のどこかで見出されないのですか。
#59
○政府委員(志村清一君) 確かに先生のおっしゃるような問題がございます。ただ公法上の制限がどうとか、私法上のいろいろな第三者の権利の設定条件はどうであるということが、従来の宅地建物の取引におきましてしばしば問題になる事例でございます。優良な業者におきましては、大体かようなことについては、一応の取り調べをいたしまして、自信のある品物を提示するということによって、顧客の信用も確保しているようなわけでございますが、これらの点につきましては、書面の書き方、あるいは標準的な様式といったようなもの等を通じまして、できるだけお互いに煩瑣な手続に至らぬように努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#60
○田中一君 たとえば、十世帯が入るアパートがある、このアパートに世話になって入居した。これは五年契約なら五年契約、三年なら三年で契約を結ぶ。ところが、そのアパートはどっかに担保に入っておって係争になっておる、それが大体負けそうになってきた、そういう事態が陰には起こっておる、現実に。あるいは敗訴になった、これは人のものになってしまうのだという事態、それで、ものの入居して手数料を払って一カ月もたたぬうちに、立ちのきを新家主から命令されたというようなことまでも、依頼者の判益のためには調査をし、裁判所の経緯等を調べなければならないということになるのですか。
#61
○政府委員(志村清一君) 御設問の場合につきましては、そのアパートに抵当権が設定されておるという、そしてその抵当権が実行された。したがって間借り人でございますか、追い立てを食うという事例だと存じますが、抵当権が設定されているいないかということにつきましては、登記簿上明白になっているわけでございますので、抵当権が設定されておるということについて間借り人に知らせれば、ただいまのようなこともあり得るということを了知できるわけでございます。そのようなことを了解した上で借りるというようなことにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#62
○田中一君 そこまでの書類を出さなければならないという義務づけなんですか、これは。そこのところ明確に言ってほしいのですよ。
#63
○政府委員(志村清一君) 登記簿に明白に書かれた分につきましては、明らかにしてほしいという趣旨でございます。
#64
○田中一君 通例管理人に頼んでおくアパートならアパートは、管理人に一切の権利をまかしておる。家主なんというのは、たとえば東京の練馬のアパートの所有者は九州にいる、一切まかしておる、どういう事態が起きているか管理人にわからない。管理人のことばを信用して、そのような調書をとる、そのような管理人のことばをそのまま帳簿に記載して書類を出そうとか、かりに仮定する。ところが、それが管理人のことばと所有権者の実態とが異なっている場合、その場合にはどちらに責任があるのですか。
#65
○政府委員(志村清一君) ただいまの問題につきましては、そのアパートのある地域における登記所に、そのアパート自身が抵当権が設定されておるかどうかということの登記がなされるわけでございますので、管理人自身の発言が十分でないという場合におきましては、登記所の登記簿を調べるということも必要であろうかと考えるわけでございます。
#66
○田中一君 そうすると、一つ一つの物件については、かりに登記面だけの抵当権設定ということもあれば、書類が、売り渡し書類を与えて相手にやってしまう、債権者にやってしまって、登記簿上は無効になっている。ところが、売り渡し書類を全部渡して、いつでも売買契約をやって、金を借りる場合もあるのですよ。債権者としてそれまでも調べなければならないのですか。
#67
○政府委員(志村清一君) ただいまの事例は、これは善良なる宅建業者として相当の注意を払いましても知り得ない事例についてまで追及しているわけではございません。
#68
○田中一君 そうすると、一切の権限を持っている管理人が虚偽の申し出をして、そのあっせん業者にあっせんを依頼した場合、この場合には、その責任はあっせん業者にはないという解釈をしていいのですか。
#69
○政府委員(志村清一君) そのような問題につきましては、ただいま申し上げましたように、宅建業者が宅地建物の取引に関する限りは専門家でございます。したがいまして、専門家としての相当の注意を尽くして、その結果知ることができなかったような場合におきましては、それが誤りましてもやむを得ないものと考えるわけでございます。
#70
○田中一君 それはやむを得ないのですか。注意をしても誤りだということがわかった場合には、やむを得ないと言っていいのですか。
#71
○政府委員(志村清一君) 免責されると考えます。
#72
○田中一君 あなたのほうから資料で出してもらった審議会の審議経過の議事録を拝見しても、部会長をしておったところの幾代という人ですか、この人が、全体から見て一般大衆過保護の感じを受けるということを言っておるのです。相手はみなどろぼうなんだ、犯罪者なんだという考え方で法の制定をされることはどうかと私も考えるわけなんですよ。これは、社会通念として許される間違い、思い違い、それから文書によらないでも了解し得るもの、これは文書によらずしてお互いに了解しているものだったら、これはもし過誤があれば、五分五分の責任です。これは、取引というものはそういうものです。それがことさらに宅建業者だけにしわ寄せされるという考え方は、なるほど完璧な、それこそ――いいですか、図面から、間取りの図面から、から紙の破れから、畳のほつれから、全部説明しなければいけないんだという前提に立つならば、これは、確かに幾代部会長が言っているように、過保護です。保護に過ぎるのではないかということにならざるを得ないですね。お前さんは専門家だからといって、専門家だから人間の一般社会通念からくるところの常識的な判断というものが、書類になった場合に、非常に大きな問題になるのです。あっせん業者に、あなた、畳が破れてないと言ったが破れているじゃありませんかということを言えるし、これは、そうしたことは専門家だからということばで局長は説明していますけれども、専門家だから、専門家でないからという問題じゃないですよ。私はこうしてこういう質問をするのも、何も不正とかそれから間違いとかごまかしとかを認めよというのじゃない。善意な、常識的なそれらの一つの過誤を取り上げて監督官庁が追及するのは行き過ぎじゃないかと思うのです。ことにそれを書類で出すということになりますと、それは立証されるものが残るわけですから、逆にこれから出発する協会に入らない者とか、それから登録をしない者とかがはびこるようなことになり、逆効果を生ずるというおそれがあるのではないかと思うのです。それから先ほど申し上げたあっせん調書的な書類にこれが変貌するということの危険が多分にあるのではないか。税務署は税関係の立ち入り検査ができます。そういう書類を必ず持たなければならないということになれば、必ず、あるのだという前提のもとに税務署は臨みます。書類を引っ繰り返します。そうすると、そこにいろいろないわゆる正しい書類というか、が出てくる。これはむろん、正しいことは正しいことであって、これは持っていて悪いということじゃありません。しかし、それらの問題が結局、あっせん調書の役割りを果たすというようなことになるのではないか。これは建設大臣に伺っておきます。そういうことは一切ない、あるいはその書類は取引が終了したならば破ってもいいのかどうか。これは何年間保存するというただし書きはないようだけれども、その書類は、お互いに了解して、お互いに済んだならば、それはすぐ廃棄してしまってもいいのかどうか。取引台帳というのは本法にもありますけれども、これは台帳にあるのです。内容はそこまで書かない場合もありますね、いままでは。ところが、この際はそういうものは何年間か保存して、そういうものを税務署にも提示しなければならぬ義務があるのかどうか。建設大臣と大蔵大臣との間でそういう話し合いでもしてこういうことに踏み切ったのかどうか、その点を正直にひとつ大臣からも御説明してほしいと思うのです。
#73
○国務大臣(西村英一君) この法律のこういうようなことをした主眼は、やはり依頼者を保護するとともに、また業者の方々にもあまり不当に介入を省いてはいけないと思います。したがいまして、いま計画局長からお話した真意もそうでありますが、実はその書面を税法上の税務署関係にこれをどうしなければならぬとか、こうしなければならぬということは、大蔵省と打ち合わせはしておりません。税法上の問題は、これは全く別個の問題でございまして、やる問題でございます。ただ、私たちがこの法律で期待した意味は、非常に何もかもわからぬということでは、これは依頼者も困るというようなことで、両者の保護を十分にやって、正当な取引をさしたいということでございますから、あくまでこれはやはり、社会通念上必要なものだということに対して主眼を置いておるのでございまして、いま田中さんが言うように、この条文の一からあれを書き込むということなら、これは正確にやらなければならぬということなら、手数料の問題というようなことで、これは相当な、よけいとらなければ、とてもこれはそんなことに対応できないと思います。いわんや、ますます業者をいじめるということになれば、また業者の潜行ということも先ほど指摘がございましたが、そういうことでございます。あくまで、何と申しますか、妥当な線でこれはやるものだと思います。この文書をいつまで保管しなければならぬかというようなことは、この法律の中に書いてありませんから、それもやはり、良識によってやっていただけばいいんじゃないかと、私はさように思うわけでございます。
#74
○田中一君 もう一つ伺いたいんですがね。所有権のあるものは登記されています。しかし、いわゆる通例登記されない権利というものが存在しますね。これらを譲渡してどっかへ、その人が譲渡したから自分のうちからどっかへ行ってしまうという場合に、その人間が偽名を使う。どこへ引っ越したか、そのあっせん業者には言わない。それまで追及する権利はないはずなんです。どっかへ行くのに、あるいは本名か偽名かわからぬけれども、実際に自分は明け渡して、これを次の人に入れるんですから、どうぞお入りください、私は引っ越しますと言っていく、その相手はどこへ行ったかわからない。何も一々あっせん業者に向かって、私はどこそこへ行きます。引っ越しますと言う義務はないはずです。どんな商品でも同じですよ。これは商品です。その場合に、それはどこへ行ったかわからぬから、おまえはと言って、それを指摘される、処分されるというようなことはありませんか。これは確かに正しくない書類なんです、こいつは。権利を売った売り人がわからないということだと、これは正しいと見られなくなってくるのですよ。往々そういうものがある。また自分の氏名、住所というものを明記しないでくれいと、確かに自分が住んで、このとおり家主もわかってるんだから、家主も承知しておるからこれをあなたに譲りますからと言った場合、そういう場合も何かこれは犯罪というか、業法違反としての指摘を受けるんですか。
#75
○政府委員(志村清一君) 権利関係につきまして、未登記の権利等があるわけでございますが、それらまでも全部調べ上げて、そしてお客に明示しなきゃならぬということまで要請しているわけではございません。未登記の権利につきましては、できれば全部わかるということがきわめて望ましいのでございますが、事実上さようなことはできかねるわけでございます。登記のない権利は、しかも原則として第三者に対抗できませんし、そこまで要請しているわけではございません。
#76
○田中一君 大体よくわかりました。そこで、そうすると、私はそれによってそうした不十分な、常識から見てもおかしいんじゃないか、売り人もわからない書類をつくったらおかしいじゃないかといってそれが指摘されないという事態もありますし、またそういうことを奨励しようというつもりで言ってるんじゃないのです。私は大体、そうした正規な認可を受け、あっせん業を営んでいる者は正しいという前提からものを考えるのです。あいつらみんな悪いやつだという前提でものを考えないですから、こういうことをくどくど申し上げるわけなんです。したがって、行政指導の面については、相手は全部悪人だという考え方を持ったりするということは、私は間違いだと思うのです。その意味で言ってるんです。だから誤解しないでください。決して、何というか、法律をつくったけれども、書類上の抜け道をここで教えてる質問してるわけじゃないのですよ。その点はひとつよくわかってほしいと思うのです。
 それで次に、取引の金額というものは、現在取引台帳にはどういう程度のものを記載しているのですか。金額とか物件というものはどういう形でもって記載されておるのですか。
#77
○政府委員(志村清一君) 帳簿には、売買金額を記載するということが定められておりますが、取引された金額を原則として記入するということになっておると考えております。
#78
○田中一君 これは実際、実態論としてむずかしい問題なんですけれども、私かつてある労働組合の会館の敷地を買ってやったことがあるんですよ。宅建業者に頼んで買ってもらったんです。そうすると、売るほうも、帳簿価格といいますか、税金の、固定資産税の対象の価格というものは一応きまっておりますね。それから二割程度のものの価格ならば、所有土地価格として通例行なわれておるのだそうです。それに今度加えて、あと地上権的なもので評価すれば、これも事実認められておるものだが、いまはだいぶ変わってきていますけれども、昔はそれでもって税金が非常に相互に得をするのです。何もことさらに税金を、これもあった、あれもあったといって出す必要はない。免除されるべき性質のものは免除してもらうのが当然なんですよ。それが、私はいつも冗談に言うのですが、売り人も買い人も、あっせんする人たちも、相互に利益になるんだから、それで話をまとめましょうというのか常識なんですよ。私契約であり私の取引なんです、これ。で、そういうところに目をつけて、若干そうした地上権にも課税するんだということになっているんですが、また売買取引したところの価格について、国税庁、税務署あたりが、あなたあれ幾らで買いましたとか、こういう質問をする。あなたにそんなことをお知らせする必要はございませんと断われば断われるのです。税法上断われる。税法に書いてありますよ、拒否できるんだ、そんなことを報告する義務はありませんと言えば、それで済んじゃうんです。買ったほうはこれで買いましたと申告しますからね、どっちみち。というような問題が三者とも利益だという形で巷間行なわれておるのが、これは常識なんです。またそうして、売る人のためにも、買う人のためにも、ほんとうの利益を考えるのがあっせん業者の役目なわけですよ、これは税務署の片棒かついでいるわけじゃないんですから。そういう点は、一体、私は一つの良風だと思っているんですよ。税金はきびしいですよ。重箱のすみをつついてとろうというようなひとつの税法上の姿勢になっておりますので、そういう点の正しさを求めるというのは、どういうぐあいに行政指導しようとするのですか。
#79
○政府委員(志村清一君) 先生御指摘のとおり、不動産の取引に関しましてはいろいろな事情がございまして、売買代金につきましても、真実の価格というものについて、当事者双方あるいは業者ともにいろいろな考え方で処置したほうがよろしいというような場合もあろうかと存じます。そういうふうに三方了解した上でさようなことが行なわれますならば、紛争を生ずるおそれはないというふうに考えられますけれども、しかし、これは一般的に好ましいこととは言えない、かように考えております。ただし私どもといたしましては、十四条の四項の書面の交付義務におきまして、先ほど申し上げたような事例がございましても、好ましいことではございませんが、かような場合に刑罰を科するというようなことは考えないというふうに処置いたしておる次第でございます。
#80
○田中一君 この罰則の問題についてひとつ詳しく説明してください。
#81
○政府委員(志村清一君) 本日お手元にお配りいたしました関係資料の末尾(ク)を御参照願いたいと思います。宅建業法の罰則の新旧対照が出ておるわけでございますが、まず二十四条でございますが、三年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金またはこれの併科ということでございまして、現行法では不正の手段によって免許を受けた者あるいは無免許営業あるいは業務の停止命令違反、これらについて二十四条の規定の適用があるわけでございますが、改正法案におきまして、免許を与えた知事以外でもその知事の管轄範囲内で業務を行なう業者について業務停止命令ができるというふうに規定いたしたわけでございますので、その違反も同様に二十四条の規定の適用を受けることといたしております。
 二十五条は一年以下の懲役もしくは十万円以下の罰金またはこれの併科でございますが、これは十八条違反について規定をいたしておる次第でございます。
 第二十六条は五万円以下の罰金でございまして、現行法におきましては、取引主任者の設置義務に違反して置かなかった、あるいは無免許営業者が営業する事前の広告などをしたという場合、あるいは営業保証金を供託した旨の届け出後の営業開始義務違反、さらには不当なる履行の遅延あるいは報酬の額の告示がございますが、それをこえて報酬額を受領した場合等が二十六条の規定の適用を受けるわけでございますが、改正法案におきまして、誇大広告等の禁止あるいは手付貸与等による契約の締結の誘引を禁止いたしておりますが、この二項目につきましても二十六条の罰則を適用することといたしたいと存じております。
 次に二十七条二万円以下の罰金でございますが、これは変更の届け出義務違反、営業の届け出義務違反等々でございます。改正法案におきましては、書面の交付義務を課しておりますが、この書面を交付しないという場合におきましては、二十七条の規定の適用を受けさしたい、かように考えている次第でございます。
 なお二十九条は、一万円以下の過料でございまして、名称使用の制限違反に関して科せられるものでございます。
#82
○委員長(松永忠二君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#84
○田中一君 私は日本社会党を代表して、本一部改正案に対して賛成の意を表明するものであります。
 しかしながら、この法案は、大体において取引業法適用の業者に対して不正な行為を取り締まろうというところに主眼があるものでありまして、それが審議会においても指摘されたとおり多少酷な面もございます。その意味において、法律が改正されたからといってその実態が改良されるものとも限りません。なぜならば、かつての法改正によりまして、この四月一日から業協会という団体が、各地方長官の許可を受けた社団法人として、あるいはその連合会が建設大臣の許可を受けまして発足いたします。この協会に加入しない業者も相当残るのではないかという懸念を持つと同時に、反復して業者的な行為を行なっている未登録業者が相当あるんではないかという懸念をするわけであります。したがいまして、手続等につきます煩瑣な事務処理とかあるいは売買相互の間における実態の把握のための書類調製とか、売り人、買い人ともに繁雑な処理をしなければならぬということになりますと、未登録業者のほうにこれらの実態が移る懸念が多分にある。そこで今日まで土地、家屋等の売買はこの業法によって適用されるのは全国の年間取引の三〇%にすぎないわけであります。残余の七〇%の取引というものは一体だれが行なっておるのかということになりますと、これらの取引による犯罪は、業者以外のところにたくさんあるんではなかろうかと考えられるわけであります。したがって、今後この法の制定後は行政指導というものを強化する、またこの法適用以外の取引の実態に対して政府が責任をもって調査をする、そうしてその実態を明らかにする、この改正法案に織り込んだと同じような手続、資料、書類等を調製させなければならないというような指導をしなければなりません。そういう意味でこの法律の改正後におけるところの政府の責任は重大です。年間取引の三〇%を占める業者に対する行政指導、取り締まりはむろんのこと、それ以外の七〇%を占める取引に対して政府は責任をもって善処すべきものと考えます。
 これを意見として申し上げて本法案に賛成いたします。
#85
○春日正一君 共産党としては、本来、業者の自主規制でこういうことのいろいろ弊害が起こらぬように業者の信用を高めていくということが一番望ましい。できるだけ罰則規定その他で縛るということはやってもらいたくないというふうに考えております。しかし、現状の状態でやはりこういう罰則規定をつくっていくということもやむを得ないだろう、そういう立場で賛成します。
#86
○委員長(松永忠二君) 他に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これにより採決に入ります。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(松永忠二君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(松永忠二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後零時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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