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1967/06/08 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第13号
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1967/06/08 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第13号

#1
第055回国会 建設委員会 第13号
昭和四十二年六月八日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田  進君
    理 事
                稲浦 鹿造君
                大森 久司君
                山内 一郎君
                大河原一次君
    委 員
                石井  桂君
                内田 芳郎君
                小山邦太郎君
                中津井 真君
                平泉  渉君
                瀬谷 英行君
                田中  一君
                松永 忠二君
                鈴木 一弘君
                片山 武夫君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   政府委員
       建設省都市局長  竹内 藤男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   法制局側
       法 制 局 長  今枝 常男君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局環境整備課長  田中正一郎君
       自治省財政局交
       付税課長     横手  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○下水道法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○下水道整備緊急措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 下水道法の一部を改正する法律案及び下水道整備緊急措置法案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○片山武夫君 今回の下水道法の改正にあたりましてようやく一元化の方向がとられたわけでありますが、これに対して、この事業の補助率の問題に関係して、地方債の一元化という問題についてどういう方法がとられようとしているのか、御所見をお伺いしたい。
#4
○説明員(横手正君) ただいまのお話の趣旨がちょっとはっきりいたしかねるところがあるわけでございますが、従来から下水道の財源措置といたしましては、一つには交付税上基準財政需要額へ一部経費を算入いたしますとともに、残余のものについては、一定割合をもって地方債を充当いたしておりますが、この際地方債をあれこれから持ってくるということでなしに、地方債計画上予定されたワク内で配分いたしておりますので、一元化という問題につきまして、どういう御趣旨でございますかお聞かせいただければと思います。
#5
○片山武夫君 建設委員会の調査室で出されている資料の中に、準公営企業債と特別地方債の二つに分かれておるらしい。それの一元化を要望されておったわけですけれども、それは一体どういうふうになっているのか、お伺いしたいわけです。
#6
○説明員(横手正君) 実はその問題になりますと、地方債課のほうで所管いたしておりますので、私の答弁あるいは正鵠を失する場合があろうかと存じます。実は、これは資金の内訳の問題でございまして、どこから資金を持ってくるかということだけでございまして、現実の地方団体の財源措置といたしましては、一本化された形で充当されておるように聞いておるわけでございます。
#7
○片山武夫君 そうすると、この建設委員会調査室で出した今後の要望みたいなものがあるのですが、この中で指摘されているのは、これは一体どういうことになるのですか。
#8
○説明員(横手正君) 地方債の資金といたしまして、実は政府債あるいは縁故債、あるいは厚生年金還元融資から資金を持ってこられます特別地方債、あるいは生保会社等から消防施設に対して資金が持ってこられるようなものもございます。しかし、これはいずれも地方債の資金の内訳でございまして、地方団体に対して充当いたしますときは、下水道の場合、一本化されて、運用されておるように聞いておるわけでございます。したがって、あるいは先生の御趣旨は、厚生年金還元融資からの特別地方債でなしに、政府債一本でという御趣旨であろうかとも存じますが、これは下水道の財源措置といたしましては、むしろ資金量を確保するという問題ではなかろうか。その資金が特別地方債である、あるいは政府債である、それによってそう支障を来たすおそれはないものというふうに考えておるわけでございます。
#9
○田中一君 関連。終末処理の予算のつけ方と、それから管路の予算のつけ方が違っているわけです。同一でもっていままでは厚生省、建設省と別々にとっている。今回の場合は出し方が、いま片山委員が言っておる一元化になっておらぬとか、それをやっぱり指摘しているわけでしょう。一元化されて建設省が全部一本になってそれをとっておらぬということになっているでしょう。何というか資金構成も違ってきているという点だと思うのだが。
#10
○政府委員(竹内藤男君) 先生おっしゃっておりますのは、おそらくいまのところ、従来建設省所管でありました管渠分は準公営企業債ということでありますが、終末処理場の分は特別地方債という形で出されておる。その問題が将来一元化した暁にどうなるのかという問題であろうかと思いますが、私どもの下水道事業をやってまいります立場から申しますと、現在の四十二年度におきまして起債の状況を見ますと、大体七三%くらいが六分五厘でございます。それ以外は七分三厘以上の金利の高い資金になっておりますから、われわれといたしましては、先日自治省のほうから答弁がございましたように、できる限り金利の安い資金を、できるだけ期限の長い資金を起債に充当していただきたい、そういうふうに考えております。
#11
○片山武夫君 いま金利の問題が出ましたけれども、その金利の問題、これは引き下げる方向に進むのだというお話なんですけれども、それはもうできるだけ早くやってもらいたい点だろうと思うのですけれども、その辺の見通しなんかはどうなっていますか。
#12
○説明員(横手正君) 金利の問題につきましても、下水道事業に限らず、その他上水道事業、そうした公営企業ないし準公営企業につきまして、長期低利の資金を確保するということが必要なわけでございまして、そのためには毎年努力を続けてきておるところでございます。最近水道管渠について一部そうした措置がとられたかに聞いております。私も詳細な資料を持ってきておりませんので、ちょっと十分なお答えができかねるのでございますが、全般的には地方債の資金としましても、資金構成の改善あるいは長期低利の資金の確保、こういった面について努力を続けるつもりでおります。
#13
○片山武夫君 今度の四十二年度から始まる五カ年計画ですね、その五カ年計画の中ではどういう取り扱いをしようとしておりますか、金利の問題ですね。
#14
○政府委員(竹内藤男君) 五カ年計画の中で、この前お答えしましたように、国費をどれだけ、地方費をどれだけにするか、この場合、地方費のどれだけ分を起債で充当して、どれだけ分を一般市費で充当するかというようないわゆる財源構成の問題につきましては、この前お答え申し上げましたように、公共下水道、都市下水道、特別都市下水道と補助率も違いますので、そういう事業を積み重ねていかないと、全体としてどうなるかということは、現在の段階でわかりませんので、五カ年計画が決定された暁において、そういうものがはっきりしてくると思いますが、われわれといたしましては、まあ自治省と同じ気持ちでございますけれども、金利につきましては、できる限り低利資金の分をふやしていく。つまり、資金運用部とか、簡易保険の積み立て金から借りられるもの、あるいは厚生年金から借りられるもの、これはただいま四十二年度七三%と申し上げましたが、逐年若干ずつではございますが、そういうものの割合がふえてきております。そういう政府資金の割合をふやしていくという方向に、自治省と一緒になりまして努力してみたい、こういうつもりでおります。
#15
○片山武夫君 そうしますと、この五カ年計画がはっきりきまらない限りははっきりした答えが出てこない、こういうことでございますね。
 次にいわゆる下水道の効率化の問題に関係があるんですが、結局、汚水処理、水洗便所の普及の問題が一つあったと思うのです。これはいわゆる助成措置と同時に、施行区域の指定といいますか、そういったようなところに関連をして、それら水洗便所の整備のための詳細な規定といいますか、そういうようなものだとか、それに対する助成措置ですね、そういったようなことについて、どういうお考えを持っておられるか。
#16
○政府委員(竹内藤男君) 下水道の終末処理場が整備されますと、処理区域の工事がなされます。その場合に、処理区域の中におきましては、建築基準法におきまして、新しく建てます建築物は、便所をくみ取り便所にしてはならないという規定が働いてまいります。新築区域はくみ取り便所をつくることができない。それからすでにございます建物については、これはもう清掃法のほうでくみ取り便所を改造しようとするものに対しても資金の融通の規定がございます。これは厚生省のほうからお答えするのがいいと思いますけれども、国民年金積み立金の特別融資というものでこれでやっております。その金額は年々飛躍的にふえてきているということでございます。
#17
○説明員(田中正一郎君) 下水道の処理区域になりました場合、つまり、管ができまして、そのあとに終末処理場がついた。もうそれが稼働しておるという場合には、その地域の便所は水洗便所に改造するようにつとめなきゃならぬという規定を、一昨年清掃法の改正をいたしまして設けたわけでございます。なお、このような改造をする場合には、資金の融資をいたしておりますけれども、昨年八億、ことしはこれを十五億に拡大をいたしまして、これらの水洗便所化をはかることにつとめておるわけでございますか。
#18
○片山武夫君 この貸し付けのワクだとか、金利あるいは期限なんかおわかりになりますか。
#19
○説明員(田中正一郎君) 貸し付けは、市町村がそういう資金を設定いたしました場合に国がこれに対して貸し付けるという形でいたしておりまして、一世帯当たり四万五千円、これは排水施設を含めまして四万五千円貸し付けいたしておるわけでございます。国が返していただくのは三年が期限でございますが、通常の市町村の場合には二年ないし三年、しかも利子は市町村負担といたしておるのが通常でございます。
#20
○片山武夫君 そうしますと、これは直接市町村負担ということに、結局改造するところへ金利その他かかってくるわけだと思うのですが、そうですが。
#21
○説明員(田中正一郎君) 市町村が国に金利を払っていただくのは六分五厘でございます。しかも三年ということでございますが、この金利の負担は、通常の場合は市町村のほうで負担をいたしまして、一般の融資を受けたそれぞれの世帯のほうは分割でこれを市町村のほうへ支払うという形になっておるわけでございます。たとえば二十カ月ということになりますと、四万五千円を二十分の一しまして毎月それだけ市町村に返していくという形でございます。
#22
○片山武夫君 この問題は、私は非常に大きな一般家庭の負担になると思うのですけれども、これに対する規制の、いわゆる整備と同時にそれに伴う助成の措置といいますか、そういうものについては十分考慮してもらわなければいけない問題ではないかと、これはせっかく下水通を整備してその効率化をはかるという上において、非常に重要な問題だと思うのですが、ひとつ、これは建設大臣でなく、むしろ厚生大臣のほうだと思うのですけれども、善処方を特に要望をいたしまして私の質問を終わります。
#23
○田中一君 昨年の七月か、「下水道財政のあり方について」という研究委員会の報告書、これは相当問題点を指摘して、的確なあすへの期待をこめたものが盛り込んでありますけれども、この意見書に盛り込んであるもので、今回の五カ年計画に盛り込まれないものはどんな点がありますか。
#24
○政府委員(竹内藤男君) まず国費と地方費の負担区分でございますが、その意見書では、国は建設費の補助率を上げるべきである、「その際二分の一程度の補助率が考えられる。」と、こういうふうに言っておりますけれども、それは先般御説明いたしております十分の四ということになっておるわけでございます。それから流域下水道につきまして、二分の一以上という表現をとっております。これも十分の四でございます。今度改定になりまして十分の四でございます。
 それから維持管理その他につきましていろいろな基本的な考え方が出ておりますが、これはむしろ今後こういうような線に沿って運用すべきだということでございまして、使用料に対する原則的な考え方というようなものは、この前御説明しましたように、実態はまだとてもここまでいっていないという状況になっております。
 それからその他、下水道について義務づけをしろとか、水洗便所の改造の義務づけをしろというようなことは、今回の改正ではまだ盛り込んでおらない、こういう状況でございます。
#25
○田中一君 工場排水に対する除害施設の設置という問題は、何か法律上これはあらわれておりますか、工場排水の浄化の問題ですね。
#26
○政府委員(竹内藤男君) 除害施設を設置させるということにつきましては、下水道法に規定がございますが、これを強化して長期低利資金の融資をしろということでございますか。――このほうは一般的な制度としては現在まだやっていないわけでございます。
#27
○田中一君 これは私は自治大臣並びに厚生大臣に来てもらわぬと、総合的な全体の質問は終了しないわけなんですよ。でありますから、厚生省並びに自治省に関する問題はきょうは質問しません。残しておきます。ただ、せんだっての自治省の課長が言った発言の中で訂正したいという申し出があったので、自治省のほうから釈明をひとつしていただきたい。
#28
○説明員(横手正君) 先日、広域下水道のことについての御質問だったかに伺っておるわけでございます。下水道の広域化につきましては、私どもも積極的に前向きで考えるべきだという考え方を持っております。したがって、先ほど先生のお話ございました下水道財政に関する研究委員会の結論、これの流域下水道関係の考え方、これに根本的には一致した形になっております。したがいまして、今後下水道の広域化にあたりましては、一般の公共下水道以上の国庫補助率の引き上げあるいは補助対象ワクの拡大、こういうこともあわせて検討さるべきではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
 なお、本日お手元にお配りいたしました下水道施設整備財源の見込み状況でございますが、今年度におきましては公共下水道、都市下水道合わせまして一千億をこえる事業費になります。これにつきましては、国費が二百五十七億、約四分の一でございます。残りは地方債と一般財源を充当すると、こういう考え方で地方交付税の算定した基準財政需要額に一部算入いたしますとともに、地方債の充当も十分考えて配分を行なう予定にいたしております。これで四十二年度に関する限り、下水道の施設整備については、まず地方団体にとってはさほど支障を来たすおそれはないものと、かように考えておる次第でございます。
#29
○田中一君 そうすると、こういうぐあいに結論づけていいわけですね。広域下水道は地元の受益者並びに関係市町村が事務組合的なものをつくってやるならば、お互いに相互の理解のもとにやるならば、もうこれ進めてよろしい。しかしながら、一部の流域内にあるところの一部の市町村がこれに対して反対した場合、これに対しては現在の自治法の立場からいえば強制することはできない、同意の上にはできるけれども、できないと。私の質問の趣旨は、不同意であっても全体の利益のためには、強権と言ってはことばが悪いけれども、上部行政機関と言っていいか、たとえば府知事なら府知事がそれらを代行して行なうということができるというような措置をとったらどうか。建設大臣は、この一部改正の法律の提案をされておるのだから、そういう修正をしてもいいではないか、こういう質問をしておいたのです。ところが、自治法に照らしてそれは困りますというような答弁があった、そういう意味の答弁があった、できないだろうと思うという……。そういう点はどうなんです。だから、それは、この意見書にあるように、それは自治省としても賛成なんだと、こういうように結論づけていいわけですね。
#30
○説明員(横手正君) ただいまのお話でございますが、やはりこれは具体的にいろいろの問題が出てまいりましたときには、それに即して解決をはかっていくべき必要があろうと思いますが、考え方の根本としては、住民の意思を尊重するというたてまえは、本来とられるべきまのではないかと、かように思います。ただ、ただいま先生のお話のありましたような事例のような場合、国からの積極的な助言、指導、こうしたものも必要になってまいろうかと思います。なお、流域下水道につきましては、この報告書にもございますように、原則としては都道府県で行なうというような考え方が出ておりますが、私どももそうした形で行なわれるほうが時代に合った行き方ではなかろうか、かように考えるわけでございます。
#31
○田中一君 建設省はね、だからそこまで全体の、同民が住んでおる地域社会のしあわせというものが前面に立っているのだから、建設大臣が今度は全部の行政を所管する以上、そこまでの強さを持ったっていいではないかと思うのです。。それこそ行政指導的にはいろいろなことを言って牽制もするけれども、財源等がなければ、その地域の財源等がなければ、財源は当然自治省は貸すんですから、下水がないほうがいいという都市はございません、下水はおくれていいんだという都市はございません。むろんこれは財源上の問題が多いと思うので、そういう際には、広域下水道の場合には大幅な国庫負担をして地元民を納得させるという方向がいいんではないかと。むろんいま自治省が言っているように、その地域の主体の行政区域で行なうのがたてまえですが、それではむだと損がある。また、財政規模の上からいってもできるところとできないところがあるわけですから、これに対して法律的にそれを強制するような道を開くと同時に、国庫負担というものを大幅に見、奨励するために少しごほうびを出してやるというような形の法律改正をしたっていいではないかと思うのです。そういう点については希望はないわけですか、建設省は。
#32
○政府委員(竹内藤男君) 私どもも先生のおっしゃるとおり、場合によりましては、市町村よりももっと広域団体である府県が、広域下水道、流域下水道につきましては責任を持ってやるほうがいい場合があるのではないか。ただいまの下水道法では、市町村施行が原則になっていまして、例外的に県がしていいとなっております。広域下水道におけるこういうたてまえを変えたほうがいいのではないかということで検討はしておるわけでございます。この前申し上げましたように、府県自体の財政の問題、あるいは処理能力等の問題がございまして、必ずしも府県のほうの意向が積極的でないというようなところもございますので、なお今後、この問題をそういう点も含めまして研究いたしまして、そういう方向にいきたいということに、われわれは基本的には考えておるわけでございます。
#33
○田中一君 私は公共下水道の建設というものを反対する地元はないと思うのです。ことに非常に急速に都市化されつつある現状から見て、当該市町村が、おれは反対なんだという地元民はないと思うのです。私はいまの質問に関連して次の質問をしたいと思うのですが、関連しているというのは、建設省に関連するのですよ。結局広域都市計画というものが完成しておらない。したがって、道路網と並行して建設さるべきものである。東京都内においても共同溝などをやっておりますが、これは共同溝として都市機能の一つの取りまとめでもってやっているでしょうが、これから発展しようとする非常に高度な市街地化しようとする都市に対して、建設省が指導するところの都市計画が、これまた市町村単位で行なれているわけですから、で、しかし、これは県が持っている審議会でこれはたしか決定するはずですね。だから、それを知事なりが干渉して、広域都市計画というものをすればいいわけなんですよ。その計画が並行しなければ、下水道の建設ができないわけなんですね。だから建設省は、そういうことを言いながら、自分のほうが指導する都市計画が、広域下水道の建設に熱意を持っておっても、全体の都市計画というものが確立しなければできないのだという前提から、検討するだの、賛成するならばというようなことばを使っているのじゃないかと思うのですよ。だから都市計画も、現に市街地化しているのですからね。その中で都市計画を行なっていない地域、また行なえといってすすめている地域等は、都市計画事業の実態というのはどうなっているか。これは竹内君そういってやっているけれども、都市計画そのものができないために、広域下水道が、主も従もないけれども、先行するのは都市計画ですよ。それができないから検討するなんていうことばを使っているのであって、広域下水道をうんと推進するならば、まずそこに広域都市計画というものの図面をつくらなければならぬわけですよ。その点はどうなんですか。そういう都市計画に基づく広域事業というものを、広い範囲の事業というものを考えておらぬのか。
#34
○政府委員(竹内藤男君) 広域、流域下水道が、必ずしもいわゆる広域都市計画の広域と合致しないのじゃないかと思うのです。といいますのは、流域下水道の場合には、いわば河川の流域という単位をとりますし、それから市町村が連檐しまして実質上の都市ができ上がっているという、いわゆる広域生活圏というようなものと必ずしも一致しない場合があるとは思いますけれども、われわれといたしましては、やはりいまのような市町村単位の都市計画というものでは処理し切れなくなってきている。したがいまして、できるだけ市町村が区域を越えて実質上の都市が広がっていく、そういうものに対処したような都市計画にしていきたいというような考え方を持っております。ただ流域下水道が建設省が進められないのは、そういうような広域都市計画についてのかまえがしつかりできていないからじゃないかという御指摘の点、一面は当たっているかもしれませんけれども、実際の問題といたしますと、この前から申し上げておりますように、府県の財政問題、ただいまは都市計画事業をやります場合に、都市計画税というものは市町村だけが入っております。一方におきまして都市河川が非常に大きな問題になっておるというようなことで、そういうような財政問題に対する、いやもちろん国の負担の問題もあると思います、そういう問題と一緒に解決しなければいかぬという問題だと思いますけれども、特に流域下水道につきましては、自治省あたりでも相当前向きに考えてくれておりますので、われわれといたしましては、一般的な制度と切り離して、この問題の促進を今後はかっていきたいというふうに考えております。
#35
○田中一君 どうも裏に含んでいるものがあるような感じがするけれども、結局公共下水道は、地元負担がたてまえだと、だけれども財源が不足だ。ところが、いま新しい広域都市計画を確立んるには、下水道中心に考えた場合には負担する対象がないわけですよ。道路だけできて負担する世帯がおらぬわけですよ、その管内には。そうすると、その財源はだれかが一応負担しなければいかぬ。むろんそこが市街化されれば、新しく開発されれば、その世帯から新しく負担金を取ればいいわけですよ。そういう意味の資金難というものがあるからできないということをはっきり言っているのか。また自治省のほうでは、そういう場合には、全体のためにそれら地元負担金に受益者負担金と同じ額の起債は認めましょう、だから促進してください、こういうことと、お互いに突っぱり合いっこして仕事を進めないという形も、この進まない理由にあるんじゃないかと思うのです。これはイタチごっこなんですよ。だからこれはやろうという姿勢の問題です。ことに東京周辺だけを申し上げるとなにですけれども、三多摩地区ですね。これはせんだっても住宅問題で質問しているように、東村山というようなところは混乱のまっただ中です。何にもできてやしませんよ。たんぼにかってに団地を八千戸もあっちこっちつくって、混乱の極ですよ。そういうものをやはり都市計画――あなたのほうの都市局はこの実態をよくにらんで、それに対して推進してもらわなければならぬですよ。特に公営下水道五カ年計画というものができている以上、そうしたものを解決するたてまえ、姿を見せなければならぬと思うのですよ。ところが、今度のいま提案されているところの緊急措置法にも、そうした意味の姿勢がないですよ。それでは五カ年計画をつくる意味ないですよ。いままでどおり市町村がそれぞれ自分の財政負担の範囲内においておやりなさい、それに対しては補助しましょうというだけではいかぬというのですよ。これは決して東京都周辺だけじゃございません、地方にもたくさんあるのです。解決しなければならないのです。だから、農村地区はさておいて、とりあえず高度の都市化する、市街地化するところの地域は先行投資として、そのくらいの姿勢をもってそのくらいの計画を立てて進めなければだめだというんです。周じことを繰り返すというんですよ、ということを、ぼくは強調しているわけなんです。それは法律改正したらいいじゃないか。そういう場合に自治省はさっき片山委員が聞いているように、低利の資金を優先的に貸す、同時に国費をもう少しそれらに大幅に投入する。結局先行投資をしなきゃだめなんです。そういうことはわかっておるんでしょう。わかっていながらなおできないというのは、その路線を決定する都市計画が確立されないからできないんだということじゃないんですか。まあその半分ぐらい当たっていると言っているけれども、それが全部じゃないの、建設大臣。一体その点はどうお考えになるんですかね。そうしなければ、ただ追っかけていくにすぎないんですよ。追っかけていっても、もう間に合わないんです。せんだっても申し上げたように、あの小さな東村山に八千戸も国の資金を投入している住宅群ができているんですよ。これはたいへんなものですよ。これなんか財政の余裕なんかないですよ。隣りの小平にしてもね。そういうものを――提案されている法律を修正するなんていうとちょっと頭にくるだろうけれども、けれどもそいつはいい方面に修正するならいいじゃないですか。それくらいまでの姿勢を示さなければいかぬと思うんですよ、やるならば。建設大臣どうですか。
#36
○国務大臣(西村英一君) 御趣旨は非常によくわかりました。しかしですね、今回法律案を提案いたしましたおもなる理由は、結局いままで一番下水道の普及に問題となっておりました管路ですね、終末処理が非常にぐあいが悪い、二元化してぐあいが悪い。とりあえずそれを一元化しようということと、それからもう一つは、いままでの五カ年計画は規模が非常に小さい。したがいまして経済社会開発計画の一環といたしましてさらに規模を量的に多くしょうという二つのことで、法律の案を御審議願っておるのであります。したがいまして、いま田中さんのおっしゃいますことにつきましても、十分都市の変貌を、こういうふうに変わってきたのですから、それに合わせるというようなことも十分わかりますが、実は広域的に流域下水道を考えるということは、まあごく最近の考え方でございます。いままで従来はその自治体自治体でこなしておったのだが、こういういまおっしゃいましたような広域的な流域下水道を考えたらどうかというので、いまだ一カ所も完成していないのでございますが、いま試験的にと申しますか、まず大阪において、あるいは東京において一部分これをやっていこうという段階に、実験上実施上きておるわけでございます。したがいましてそういうことになりますと、今後この流域水下道というものに対する補助率というような問題もありますし、また、それの事業主体を一体どこにするかということもあるわけでございます。聞くところによりますと、大阪あたり寝屋川は十六カ町村に関係いたしておるようでございますが、そういうような場合、組合をつくって組合が事業主体になるということもある。まあ事業主体になるということは、そでもって工費を出し、積極的に工事を進めるということでございますが、この辺にも何か無理があるような気がいたします。いろいろ事業主体をしからば府県にするか、これも府県にしたら私はよかろうと思うのですが、これにももう少し考慮をしなければならぬいろいろな問題があるのでございます。したがいまして、私は現在提出している法律で十分だとは申しません、申しませんが、今回はこれをすみやかに決定を願っておきまして、次の段階におきましては、おそらくこの流域下水道、広域的にもう少し考えていかなければいかぬということが起こってきまするから、十分検討いたしまして、それに対して対処するのがいいんじゃないか。しかも現在考えられておりまする流域下水道は、さいぜんも、この前の委員会でも申し上げましたように、寝屋川の北部と南部、荒川の左岸と猪名川、安威川、こういうようなところがいま考えられておるのでございますが、さらに東京、大阪、千葉、その他ほとんど都市が続いておりまするようなところについては、大々的にこれをやっぱり調査いたしまして、そうしてそれに対して、新しい観点からこの法的な処置ももう一ぺん検討して提案をいたしたいというふうに、いまは考えておるのでございまするから、まあ今回はこの程度でひとつがまんを願って――これも、なかなか一元化するということは、これがなかなか重大問題で、長い間もめたのでございますが、ようやくにしてここまでこぎつけた次第でございまするから、どうかそういう意味において、将来といいますか、近い将来を期して、再び御審議を願うというようなことがあり得ると私は思うわけでございます。現在の気持ちは、そういう気持ちで用意いたしておる次第でございます。
#37
○田中一君 それじゃ、都市計画事業というものが、やはり市町村でもって、現在、これ「認可」と言ったな。そういう方針でいっているのでしょうね。それから都市計画法を一体どういうぐあいに持っていくのか。いま、だいぶ検討中――この国会に出るか出ないかわからないけれども、草案をひとつこの委員会に出してください。現在あるところの草案だけ。
#38
○国務大臣(西村英一君) 都市計画法の改正の草案はお出ししてもよろしゅうございます。いずれ今国会に間に合えば――間に合えばというのはおかしいじゃないかと言われますが、非常にむずかしい法律でございます。あちらこちらの意見がございます。政府部内では、やはりある程度統一がとれてないと出しませんが、こういうことを考えておるのだということは、皆さま方にお出ししてもいいと思います。
#39
○田中一君 どうも、私はいま都市計画法の改正を考えられているその中に、そういうものを盛り込んでおるならば、よくその意図はわかるけれども、そうでなくって、いままでの都市計画法と根本的に異った視野からでなければならぬと思うんですよ、いまの近代都市というものを考えた場合には。それだけに、国が大幅な資金の投入をしたっていいと思うんですよ。ところが弱いほうに仕事をさせて、あとからちくちくと、補助金だ、補助率だ、何だかんだ、法律を改正するとかしないとかいうと、これは政治の悪ですよ。行政の悪とは言わぬですよ。政治の悪ですよ。すべきことは、出されてしまったら間に合いっこないです。それ出してもらって、その問題を伺います。
 そこで、これは厚生大臣と建設大臣に一緒に質問しなければならぬのですが、西村さんはかって厚生大臣をして、下水道の一元化に反対した立場に立っておるのだが、一人二役としてどういう使い分けをして答弁されるかわからぬけれども、伺っておきます。今度の窓口の一元化というのは、しょせんやっぱり実態というものは、二重行政だと言わなければならぬと思うんです。当参議院の建設委員会は過去十何年のうちに三回決議をしております。一元化しろとこの法案の審議にあたって決議を三回しております。ところが、なかなかそれができなかった。あなたがやめたら、できたということになる。あなた、おそらく厚生大臣のときに反対したわけなんです。今度はこうして一元化という形をとっているけれども、しょせん終末処理場の維持管理に関し、公共下水道管理者に対し所要の勧告を行なうことができる。ここで元厚生大臣の西村さんに、結局厚生大臣の勧告というものの権限、これは法的にどの程度のものなのですか、具体的に言うと。国務大臣(西村英一君) 厚生省のほうも来ておられるから、後ほど何かあるかと思いますが、私が厚生大臣のときに一元化に反対しておったじゃないかということでございますから、まあ私が一言ちょっと言わなければならぬと思う。反対はしておりません。ただそのときは非常に長い間のこれが懸案であったものだから、非常に慎重に取り扱わなければならぬということはあったのでございます。しかし、そのときには別に問題が起こってきたようなことがなかったのであります。しかし私はそれとは別に、正直に申しますと、例の医療問題の混乱のために大部分精力をそのほうにつぎ込んで、あまりこのほうを熱心に研究するいとまがありませんでした。第三者として、政治家として聞かれれば、終末処理のしまいのほうは厚生省、管路のほうは建設省と、実におかしなことをやっておるものだという感じはいたしました。しかし、それだからといって、私は終末処理を建設省に持っていけとは言いませんでしたが、話がありませんですから、反対はしたという記憶はありませんし、またそうい気う持ちはなかったのであります。弁解になりますが、一言言っておきます。
 で、今回はいろいろ非常に長い間の問題で、非常にいろいろなことで取りかわされたあれがあるのですが、内務省の時代から、あなた御存じのとおり。しかし、幸いにいたしまして大筋は、これは一元化することができたのでありまして、ただ厚生大臣の立場に立ってみれば、少なくとも厚生省は人間の衛生に関する限りは、やっぱり責任を持つ官庁でございます。したがいまして、あらゆる場合に人体に影響がある、衛生上の欠陥があるときは、むしろ建設大臣よりも厚生大臣がやっぱり責任を負わされるのが、現在の皆様方の考えでございます。したがいまして、いまでもこの同じし尿処理でもくみ取りその他は厚生省でやっておりますし、またこの終末処理場を建設省が受け持っておる。建設大臣はもちろん衛生上もそれは十分な注意を払う責任はありまするけれども、それと同時に、出てきたものに対する、汚濁であるとかあるいは衛生上の見地からは、やはりその衛生を受け持っておる厚生大臣は、それは責任の一端をこれは当然負わされると思うのであります。したがいまして、この一元化から見れば、いかにもなまぬるいようにありますが、やっぱりそれは意見を徴しても私はいいと思うのであります。自治大臣の問題につきましても、建設大臣は――ああいうようなことを書いてあると、あたかも何かやはりセクショナリズムでというようなことを真先に感ずるかもしれませんけれども、そこをぽっと割り切ってしまわなくても、やっぱり厚生大臣も意見を申し述べるというぐらいのことはあっても差しつかえないのじゃないかと、私はいま考えるのであります。これはもう建設大臣が全部それは――もちろんそういうことは問題であります。ありましても、そこに対してやっぱり厚生大臣としては衛生に関する限り責任を世間から負わされるだろうというようなやはり考え方がありますためにこういうふうになったのでございまして、どうかひとつ、この点はそういうふうに御了解を願いたいということでございまして、私は厚生大臣になっても、それくらいのことは私も言いたい。やっぱり厚生大臣は衛生上の責任問題だということは言いたいというような気持ちはいたしておるのでございまするから、どうかさように御了承を願いたいわけでございます。
#40
○田中一君 主務大臣が建設大臣で、なるほど衛生的な問題、水質の問題等は、現在の行政機構では厚生大臣の担任だから勧告をする、それはけっこうです。ただ、それが公共下水道管理者に対してということは、事業主体である市町村に対し勧告をするということになっておる。だから意見を述べるくらいいいじゃないか。けっこうです、それは。それなら建設大臣に述べりゃいいんですよ。建設大臣に述べるということは、事務的に都市局に対して意見を述べりゃいい。それは下水道管理者ということは、結局これは市町村長なんですよ。これに勧告、あなた意見を言っているから、意見だけならいいけれども、そうじゃなくて、やっぱり官僚というものは、そんな意見なんていう、軽い意見だって、その問題だけで解決しないでもって、わきのほうでもってかたきとられる場合もずいぶんあるのです。だからその建設大臣が主務官庁だから意見言やあいい、厚生大臣が注意したことを全部伝えりゃいいんだよ。また維持管理を一切してないんじゃない、してるんだから、建設大臣はするんですよ。ものによればそういう担当の者を、当然今度は終末処理等の問題もあるから、それだけのものを、設置法で人間どうなったか知らぬけれども、そういうような人たちをふやさなければおかしいと思うのですね。あるいは厚生省から担当の人間の何人かは来なけりゃおかしいと思う。設置法、私よく調べてないから知らぬけれども、設置法では、そういう担当、水質とか、あるいは維持管理に関する一つの課なり、部なりを都市局にふやして、この終末処理場の問題を担当することになるんですか。設置法上の今度の改正に出ておりますか、そういうものは。
#41
○政府委員(竹内藤男君) 下水道法の、いま御審議願っております下水道法の改正案も、附則で設置法の改正になっております。
#42
○田中一君 どのくらい、どういう規模になりますか、終末処理場の担当というものは。
#43
○政府委員(竹内藤男君) 四十二年度定員二名増加でございます。
#44
○田中一君 それは下水道課に配属されるわけですか。
#45
○政府委員(竹内藤男君) 下水道課に配属されます。
#46
○田中一君 それは事務官ですか、抜官ですか。
#47
○政府委員(竹内藤男君) 抜官でございまして、詳しく申し上げますと、建設専門官一、係長一。
#48
○田中一君 そうすると、厚生省に、それ担当してる科学者ですね、そういう者は来ないのですか。
#49
○政府委員(竹内藤男君) 厚生省のほうから来るんではなくて、私どものほうでそういう衛生関係の工学を修めた人を充当したい、こう思っております。
#50
○田中一君 いままで厚生省の終末処理場の担任は何課で、どのくらいな人間が指導に当たってましたか。
#51
○説明員(田中正一郎君) 終末処理場の担当は、私の環境整備課でございまして、五名の職員がこれに当たっております。
#52
○田中一君 内訳は。
#53
○説明員(田中正一郎君) 課長まで入れるということになりますか、どうですか。
#54
○田中一君 医者か事務官か。
#55
○説明員(田中正一郎君) 医師が一名に技官が二名、これは土木といいますか、衛生工学系統でございますが、その他は事務官でございます。
#56
○田中一君 建設省はいままで厚生省が行なっておったところの五名の定員の担当を非常に縮めて、技官二人ですか、になっているわけでありますがね。土木のほうは、これは要らない、専門だから。それならば何も厚生省から一々地元に向かって勧告をされないでも、建設大臣が行政指導を行なえば足りるわけです。竹内都市局長は、足りないから厚生省の応援を受けようと、こういう意図で現在の定員、二名定員増という、これを考えておるのか、あるいはどうも建設大臣からこれでやれと言われたからやったのか、あるいはまあだいぶ問題になったから、厚生省のほうの顔を立てて、政治的な含みを持ってやられておるのか、まあそういうことはないと思うんですが、間に合うつもりでおるのですか。二名で足りないから、厚生省にもう一ぺん終末処理場の施設はみんな見てもらうということなんですか、どっちなんですか。
#57
○政府委員(竹内藤男君) 今度の下水道法の一元化では、終末処理場の維持管理は厚生省の権限になっております。こういうふうになりましたのは、先ほど大臣から御説明がございましたような経緯になっておるわけであります。したがいまして、終末処理場の維持管理大臣として、厚生省が公共下水道管理者に対して特に必要があります場合には勧告をするというのは、厚生省の十分責任を果たすためにやむを得ないんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。なお、建設関係につきましては、建設大臣は必要があれば措置命令が出し得るということになっておりますので、維持管理につきましては勧告ということになっておりますけれども、これは建設と維持管理の性格の違いであるというふうに考えております。
#58
○田中一君 勧告の権限はどのくらいのもんなんです。
#59
○説明員(田中正一郎君) 権限は、どのくらいと申しますか、いわゆる地方自治法に定める勧告権でございます。
#60
○田中一君 勧告を受けても、しないでもいいんですね。
#61
○説明員(田中正一郎君) これはやはり命令ではございませんで、あくまでも勧告でございますので、勧告を受けてもどうしてもしないという場合に、強力な行政指導をするということにとどまるわけであります。
#62
○田中一君 その行政指導は、建設大臣が行なうんですか、厚生大臣が行なうんですか。
#63
○説明員(田中正一郎君) 法律案にございますように、厚生大臣が勧告権を持っておるわけでございます。新たにそれが定められたわけであります。
#64
○田中一君 勧告権の重さはどのくらいのもんに定義されているのですか。だれでもいい、だれかひとつ説明してくれないか。勧告権というものの比重というものね、それから法的権限というものね、どのくらいに見たらいいんですか。これは一番大事なことなんです。一元化しながら一元化の実をあげられないのじゃないかということが言いたいんです。
#65
○説明員(田中正一郎君) 単なる行政指導と、それから命令とございますが、その中間と考えていいかと思います。
#66
○田中一君 ちょっとこれ納得したいんで、法制局長でもちょっと来てもらってはっきりしたいんですよ。法制局呼んでください。
#67
○委員長(藤田進君) 法制局長至急に手配いたします。
#68
○田中一君 それで、それはまあ政治的にはよくわかるんです。あれほどまで大きい問題になって、長年の問題が一応こういう形で妥協したということは、これはこれで認めるわけです、私も。私たちはこれ賛否を明らかにすれば、いいんです。しかしながら、これが現実に末端の地方自治体に及ぼす何かがあるだろうということを、やはりはっきりさせなければ困るんです。これがどのくらいな力を持っているかということは、建設大臣は、簡単に、意見を言うぐらいいいじゃないかというものと、それからそうでなく、法律上重大な発言だということが立証されれば、やはり地方自治団体はこれに対して受け方を対処しなければならぬですからね、非常に大きな比重のかかっておるもんならば。建設大臣どうだっていいよ。終末処理に関しては厚生省へ行って厚生省の効果ある指導を受ける、こうならざるを得ないのですよ。ほかの、これは下水道の問題が、間々現在の政治の面、行政面で行なわれているように、あそこの市長はとんでもないやつだ、よしといって、江戸のかたきを長崎で討たれる場合も間々あるのです。こういうことではほんとうの一元化と言えないし、ことにまた同じような二重行政で、地方自治体が陳情請願をしなければならなくなってくるわけです。こういうことはやはり行政の簡素化といいますか、二重行政の排除といいますか、これはもう政府においても、われわれ野党においても相当強く主張しなければいかぬ。ところが実際は同じことだということになると、形だけの妥協案で、かつまた地方自治体が混乱するわけです。すっきりしないじゃないかということになる。建設大臣は意見言うくらいいいじゃないかと言うが、意見言うなら建設大臣におっしゃいと言いたいのです。意見を言うなら建設大臣に言えばいい。建設大臣は専門家の意見を体してこうしなければならぬぞということを強力に行政指導をし、また命令をすればいい。建設大臣は命令すればいいわけです。この法文にあらわれている二重行政的性格が払拭されないということは万やむを得ないという気持ち、あるのです、ぼくも。あるけれども、末端の地方自治体が同じことを繰り返すということになると、これでは実効がないわけなんですよ。だからここで議事録に厚生大臣の勧告という権限が、これはかくかくの比重を持っているのだ、ここまで及ぼすのだということを議事録に明らかにしておきたいと思って、私はこういうことを質問しているわけなんです。建設大臣言っているように、意見くらい言うのはいいじゃないかということにとれないのですね、私は。いまの田中課長の言い分でも、何だか少しすごみをきかざれたような気がするものだから、なおさらここでもってはっきりしたいという、こういうつもりで法制局長を呼んでいるのです。
#69
○国務大臣(西村英一君) 私の考えを卒直に申しますと、この従来の二元化、これ一番悪かったのは、計画それ自身がもうなっちゃおらないわけです。一方は管だけをやろう、一方は最後の終末処理をばらばらにやる。これは打ち合わせを緊密にするといったって、なかなかできるものじゃありません。したがいまして、それからまた地方団体といたしましては両者に同様なことを言う。これは合うはずはないのであります。したがいまして、私は今回のこの法律の改正によって二元化のもう九〇%、九五%はこれは達成されたと思うのです。そこで妥協の産物じゃないかと、こういうようなことでございますが、それはいま田中さんが言ったように割り切るという方法ももちろんあります。これはいかに建設省はコンストラクションだけをやって、あとは全然知識がないというようなものじゃございません。相当なやはりそのほうの専門家も集めなければならぬからおおよそ普通の場合におけることは、私は十分建設省でできると思うのであります。しかしながら、また行政には私はどういう行政でも継ぎめがあると思うのです、継ぎ目というものが。したがいまして、その継ぎ目というものが、いわゆる衛生を受け持っておる厚生省としては、やはりこの際はこのくらいのことまでは言っておきたいという継ぎ目であろうと思うのです。行政にはどうしても継ぎ目ができます。しかも、いま厚生省はこの下水道以外のし尿処理というものの大部分は、厚生省が現実にやっておるのであります。ときと場合によればやはり終末処理場を、し尿処理のかわりに使うような場合もありますし、やはり厚生省としても、終末処理場には多少の関心を寄せなければならぬというようなことが私は考えられると思うのであります。
 そこで、いま田中さんの、法律上にはどうなんだ、勧告ということはと、こういうことでございますが、これはひとつ法制局長にお願いをしてちゃんとしたほうがいいと思いますが、私はいわゆる軽い意味でございます、軽い意味で非常に厚生省は関心を持っていただいて、そうしてこれに対してさらにその保守管理者に対して忠告を与えてくれることは、まことにけっこうなことだ、こういうくらいな軽い気持ちを私はいたしておりますが、これが法制上どういう意味があるのかということは残しておきたいと言えば、法制局長にこれはひとつお願いしたい、かようなつもりでございます。
#70
○田中一君 どうも西村さん、あなたの言っていることはわかるのです。けれどもその場合なら建設大臣に言えばいいですよ、厚生大臣は。建設大臣に計画の当初からおそらく都市局では相談すると思うのです、いままでずっとやっているんですから。また、一応厚生省がいままで行なっているところの維持管理方式というもの、ものをつくるところの設計から計画からそれを全部データにしてこっちによこして、こっちはそれをマスターしてそのとおりやる。それに現場検証してみたら不十分だという場合には、なにも市町村に言わないでも建設大臣に言ってくればいい。そうすれば、そのとおりにやるというのじゃないのですから、同じ行政機関の一つ一つなんですからね。これが地方公共団体、事業主体に対してそれをどうこう言うということになると、これはもう二重行政の姿じゃないかというのです。だからこの問題は、厚生大臣と二人並べておいて聞きたかったんですが、きょうは社労をやっているというから……、はっきり聞いておきたいのです。
#71
○委員長(藤田進君) 田中委員に申し上げますが、いま参議院法制局長がこちらに出向いておりますから、他に質疑の点があれば継続していただいて……。
#72
○田中一君 工場排水の問題について、条文にはっきりこう出ておりますけれども、この点はいままで厚生省はどういう排水の分析をやって、これを悪水であるからこれはかくかくの処理をして放流しろというようなことを、一工場単位で全部やったんでしょうか、厚生省は。
#73
○説明員(田中正一郎君) まことに申しわけございませんが、工場排水の問題は公害課が所管でございまして、ちょっと所管が違いますので、申しわけございません。
#74
○田中一君 都市局ではこの首都圏整備法その他、建築基準法とかいろいろな問題で、悪水、汚水を流すものの規制は一応やっておるけれども、これはまあ自由経済の世の中だから、どんなものがくるかわかりません、許可される範囲のものですがね。この場合に、水質汚濁の見地からそういうものに対する積極的な指導といいますか、あるいはこの意見書にもあるように、これは建設省、事業執行者の立場じゃないだろうけれども、汚水を浄化するような施設を持つことを強要――強要というか原則として放流をさせるかという点になると、どのくらいな考え方を持っておるのですか。
#75
○政府委員(竹内藤男君) 工場排水につきましては、一応あの水質基準に基づきまして通産省が工場排水の規制をやっておるわけでございます。それと並びまして下水道法の十二条で、特に悪い水を出す場合には除害施設を設けなければならないというようなことを、公共下水道管理者が定めることができるということになっております。先ほどちょっと援助の問題が出ましたけれども、いま調べましたところでは、中小企業金融公庫とかあるいは開発銀行におきまして公害防止施設の一環として融資をいたしておるわけでございます。そういうような除害施設に対する融資とあわせまして、除害施設を設けるものにもちろん固定資産税の免除ということも昨年度からやり、そういうことによりまして除害施設を設置するように指導しておりますとともに、中小企業などの場合には、なかなか除害施設をつけろといってもっけられないというような事態がございますので、先生御承知の新河岸川でやっておりますように特別の中間処理施設をつくりまして、全部中小企業の悪水を流しているわけであります。中間処理施設で一ぺん処理いたしまして、さらに終末処理施設で処理いたしておる、そういうようなことをいたしておる状況でございます。
#76
○田中一君 まあ個人の営業権というか、これを守るために場合によれば終末処理場にもう一つ悪水の浄化施設を併設する。しかし、それにはそれぞれ一個当たりにするとずいぶん高いものだそうですから――王子製紙なんかあそこでもって何億かかった、負担をしていますね。さっき言ったように全部もう集水して管理するのですからね。そこで浄化して処理場に入れるというようなことを一カ所でしたらどうか、そんなことも考えられないかどうか。中小企業などは各自分のところでやったのではたいへんですからね。金かかってたいへんですし、それよりも終末処理場にくっついてそこにもう一つ浄化する浄化装置をつけて、二つの関門をくぐって河川に放流されるというような形のものを考えないか、こういう質問をしているわけなんですが、そういう方法はどうかということなんですがね。
#77
○政府委員(竹内藤男君) 先生のおっしゃるようなことを、現在新河岸川で現にやって四十一年度末に中間処理場を完成しております。そういうような方向で今後も進んでまいりたいと思います。
#78
○田中一君 これは非常にいいことで、これもやっぱり思想として……。だから大きなものをつくったほうがいい、個人個人ではたいへんですからね、こいつは。いま来ている厚生省の課長さんは何担当。
#79
○説明員(田中正一郎君) 環境整備課長でございます。し尿、ごみ、終末処理、蚊とハエを担当いたしております。
#80
○田中一君 三十七条に「厚生大臣の終末処理場の維持管理に関する勧告」という条文があるのですが、この内容は、実際の力というものはどの程度のものかということを聞きたいのですが、建設大臣は、これは厚生大臣が維持管理について意見を言うのだ、それくらいいじゃないかという軽い気持ちで考えているのだが、厚生省のほうではもう少し大きく考えているのじゃないかと思うのです。そこで、この法文にあらわれているこの内容、これから見て、これが地元事業管理者ですね、市町村長に向かって直接に発せられる勧告なんですが、これは法律上どのくらいの力を持っているのですか。それが一つ。それから聞かない場合には、その勧告を受けない場合には、受けないというのは拒否した場合、それはどうなるのですか。その勧告の法律上の価値というか力というか、それをひとつ聞きたい。
#81
○法制局長(今枝常男君) 勧告と申しますのは、命令と異なりまして、それに対して従わなければならない法律上の義務は発生しないものというように理解いたしております。したがいましてどの程度の効力が生ずるかというお尋ねに対しましてお答えすることが非常にむずかしいのでございますけれども、法律的に拘束は受けない。したがいまして勧告がありますれば、それを、権限者によって勧告を受けますれば、それに対しまして十分の考慮を払うということにはなりましょうが、それに違反しましたということによって特別の法的な制裁といいますか、そういったようなものは何も出てこないものだというように考えております。
#82
○田中一君 法制局長ね、これが直接に地方公共団体の管理者、これ大体市町村長ですわね、これに向かって発せられる勧告が、この実効がいま説明されたようなことならば、厚生大臣が建設大臣にこれを伝えて、建設大臣が自分でそれを判断して命令という形で出たものと、効果はどっちのほうが強いですか。
#83
○法制局長(今枝常男君) それが建設大臣を通じまして命令で出た場合、その命令そのものの直接の効果は、これは法律上の義務を伴いますので、その限りにおいては、そういう手続になった命令のほうが強くなるということは、これは申すまでもないことと存じます。
#84
○田中一君 法制局長の答弁ありがとうございました。
 これは西村さんね、いま法制局長がそういう見解を示したわけなんですが、もしほんとうに厚生大臣がその自分の考えを、意思を徹底させようとするならば、いま法制局長の話のように、建設大臣を通じて命令という形でいったほうが実効があるということなんですね。そうなると、なぜこういうような形で、直接に下水道の管理者に対してじかにやったほうがいいのだということになったのか、その点が理解に苦しむわけなんです。ただし、これが政治的妥協の産物だ、そう一言でいえばここで何にも質問しませんけれども、この点はひとつ建設大臣を通じて命令したほうが的確にそれが徹底するのだ、義務を生ずるだということになれば、そのほうがいいのじゃないかと思うのです。どうしてそういうことになったのか。これは西村さんのほうで、建設大臣のほうでその勧告を骨抜きにするためにこれで了承したということになっておるのか、その点はどうなんです。
#85
○国務大臣(西村英一君) いや私は全然骨を抜かれたつもりをしていないのです。そこで、いま言いましたようなやり方はもちろんあると思います。厚生大臣が建設大臣に言って、建設大臣はこれを命令するという。しかしその命令するというやり方は、私はあまりとりたくないので、むしろこの勧告は、そういうふうにやはり第一番には、勧告する前はやはり行政指導を厚生大臣はすると思います。勧告となると、結局言ってもあまり効果ないじゃないかというようなときに、おそらく勧告というものは書面をもってするだろうと思うのですね、あとにはっきり残るために。そうすると、それはもう少し重くなります。普通なら、もうどういう行政でも、いきなり勧告権がありましても勧告するということはないと思います。非常に大きいものでしたらありますけれどもね。たとえば行政管理庁の公団廃止なんというような問題なら、勧告と、こういうことはありましょうけれども、初めからそうするかもしれませんが、初めはやはり行政指導をして、それからさらにあまり効果があがらなかったら勧告する。勧告すれば、書面をもってするのだということになれば、なおさらまた注意するということであろうと思いますから、非常に骨抜きになったということではありませんが、しかし、いろいろこの一元化をめぐりまして、事実いろいろ論争があったことも確かでございます。したがいまして、そういう意味におきましては、差しつかえない限りにおきまして一元化を、支障のない限りにおきまして、そこに調整のといいますか、妥協のといいますか、そういうことによって折り合ったということであります。しかし、そのために一元化が骨抜きになったというふうには私は絶対考えませんし、またそうなっては法の目的を私は達成しないと思いますから、私はそういうふうに考えております。
#86
○田中一君 やはりまだ……。あなたそう言っておられるが、あなたが骨抜きしたのです、厚生省側を。あなたが骨抜きしたものです。しかし受ける地元民の立場から見ると二重行政という――あなたがいま行政指導ということばを使ったけれども、行政権がない人が指導するのを行政指導とは言わない。おどかしということになるが、俗なことばで言うと。だからそういう形が、いま法制局長の言っているように事実上大きな権限はない。しかしながら、かつての主務大臣としての厚生大臣が自分の意見として、勧告をやるのだというふうにとどまるならば、これはこれでけっこうです。それが他の行政の面を背負いながら圧力をかけるようなことがあったんでは、実際の各地方自治体はたまらぬ、こう言っているわけです。それでこれが明確になりましたからその点はいいのですが、よくここまで努力されたと思います。厚生大臣、建設大臣を両方とも歴任されたからこれができたかもしれませんが、実効あるようにしてほしいと思う。私は、二重行政でないというふうに私は判断いたします。
 厚生省のほうに上水道の問題をちょっと質問したいが、あなたは担当ではないのですか。
#87
○説明員(田中正一郎君) 担当でございません。
#88
○田中一君 私の質疑は、きょうはこの程度にして、まだ残っておるものがございますが。
#89
○委員長(藤田進君) 他に御発言がなければ、両案についての質疑は本日はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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