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1949/04/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第9号
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1949/04/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第9号
昭和二十四年四月二十二日(金曜日)
   午後一時五十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方配付税法の特例に関する法律案
 (内閣提出衆議院送付)
○地方行政に関する調査の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。今日は前回に引続き地方配付税法の特例に関する法律案の質疑を続行いたします。
#3
○西郷吉之助君 木村國務大臣に質問いたします。たびたびいろいろの角度から本委員会並びに連合委員会において質疑応答を交されておりまするが、この法案が通りました場合に、六三制の問題とか、自治体警察とか、或いは又災害復旧の問題、又いろいろな面におきまして新たに國の委任事務が地方にむしろ増加されるように見られますが、そういうふうなものに對しまして、この五百七十七億の極めて小額な配付税におきまして、実際に大臣はどういうふうな対策をお持ちでございますか、その点につきましてお話し願いたいと思います。
#4
○國務大臣(木村小左衞門君) 大体從來申上げて置いたように記憶しておりますが、六三制の問題、公共事業費の関係などでこの上國の委任事務が昨年度よりも多くなるようには私は考えません。これを處理いたしますことはたびたび申上げたと思いますが、一方におきましてできるだけ地方経済の節約、圧縮をいたしまして、尚予算の余裕が生じました場合には、その予算の補正をして貰いまして、配付税の方へ増額をして貰う。これは極く最近までその見通しが余り付かなかつたのでありますが、今確実に見通しは付いたという確信を持つたわけではありませんけれども、一方においては國の方の予算面におけるところの歳出をできるだけ強力に節約して、又國有財産の処理、処分等によつて今年度内に、金額のところの予定は私においてはつきり見込みが付きませんが、或る程度の余裕を生じたその際には、優先ということまでの言質を取つておりませんが、家屋税あたりの免税点の引上げというようなものと併行しまして、この配付税の増額を行なつて貰うような考えを持つております。大体それとこの出先機関の整理がまだ発表はいたしておりませんが、相當大幅に整理せられまして、行政整理の大体の一環としまして余程地方財政に影響を受ける、輕くなろうと思うのでありますので、從つてその地方出先機関において節約せられましたるところの経費は、これは地方財政の方へ増額負担に廻して貰うというように考えております。何とかしてここを切抜けたい、こういうふうに考えております。
#5
○林屋亀次郎君 木村國務大臣にお尋ねをいたしまするが、六三制問題に対しまして、過日全國市長会議に特に六三制は財政上とてもできないのだから、六三制度にせなければならんというような決議をしておるように仄かに承わつておるのであります。この六三性問題に対しましての財源は何とか政府としては心配をして頂かなければならんのでありまするが、それについて具体案があるならば、一つお聽かせを願いたいと思うのであります。
#6
○國務大臣(木村小左衞門君) 六三制の問題につきましてはちよつと所管が……地方財政について非常に影響が多いから、その点では私の所管に属しまするけれども、その制度の問題なんかとしましては所管が違いまするし、殊に只今文部大臣が非常なもう心魂を傾けて今これに善処をしつつありまする場合でありますので、三年制は二年制にしてはどうかというようなことのお尋ねには、ちよつと私も御答弁いたしかねまするから、その点どうぞ御了解願いたいと思うのであります。
#7
○林屋亀次郎君 所管違いではありましようが、大体地方配付税によつて六三制か六二制ということが分れる途でありまするが、今後この六三制に対して政府はどういう意見を持つてお出でになりますのか。その財源に対しまして今一應お聽きをいたしたいと思います。
#8
○國務大臣(木村小左衞門君) 只今のところ六三制の經費が予算の表に現われておりません。おりませんが、これではどうしても今年度の實施に非常に地方財政に困難を來しまするので、大体の要求が、今年は公共事業費の方で四十二億願そこそこあるようであります。この四十二億円を全部獲得することは不可能である。先ずそれを二ケ年か、三ケ年程度に分けて、今年度は少くとも十五億円は公共事業費の中でいろいろな方面から捻出をして貰つて、それを充当しようということに文部大臣は考えておられるようであります。それについて最近も非常に、今努力中であるように私共は見かけております。それが何とかなりますれば、又地方財政の方でもこれによつて考え方もあると思いまするが、まあ予算は成立いたしましたけれども、まだここ二、三日のところで……。どうせ捻出しますのは公共事業費でありますから、全体から、いろいろな方面から切り盛りして捻出しなければなりませんので、盛んに文部大臣はやつておるのでありますが、その成行きを今暫く私共手ておりますので、昨日もこういう質問があるので、どういうふうに答えたらいいかということを、個人的に控室で話しましたときに、何とかしてこれはどうしてもこの目的は達しなければならない、確信を以てまあ努力いたしておるからという文部大臣の話であります。まあそういうような成行きであります。六三制に対することはさよう御承知願いたいと思います。
#9
○委員長(岡本愛祐君) 林屋君に申上げますが、只今大藏大臣出席の御要求がございましたけれども、今日は所用があつて出られないそうです。で河野主計局長が見えましたので……他に御質疑ございませんか。
#10
○西郷吉之助君 本委員会はこの法案に対しましては、連合委員会を初め可なり回数を重ねまして、各位の御質問も大方出盡したように思われますので、皆様の御賛同を得るならばこの辺で質疑を打切つて頂きます。
#11
○林屋亀次郎君 私皆様の御推薦によりまして財政の委員になつておるのでありまするが是非とも大藏大臣の御出席を願いまして、財政の委員として大藏省の意向をお聽きしたいと思うのでありますが、今月採決はお待ちを願いまして、大藏大臣の御出席を得て、地方財政に関する御意見を十分にお聽きした上で採決をいたしたいと思つております。
#12
○西郷吉之助君 大藏大臣はどういうわけで御意席ないのですか。
#13
○委員長(岡本愛祐君) 衆議院の大藏委員会に出て、手が放せないそうですから。
#14
○西郷吉之助君 できるならば、院内におられるならば、今林屋委員の方ららああいうような申出がありましたから、まだ時間の差繰りも付くのじやないかと思いますが、もう一度大藏大臣と交渉されたら如何ですか。
#15
○委員長(岡本愛祐君) それではちよつて休憩いたします。
   午後二時三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十八分開会
#16
○委員長(岡本愛祐君) それでは休憩前に引続き会議を再開いたします。大藏大臣は司令部に参られたそうでございます。
#17
○林屋亀次郎君 大藏大臣の御出席がなくて甚だ遺憾に存じます。主計局長にお尋ねいたしたいと思います。私今回財政委員会に出席して見ますと、大藏省は國家財政第一主義を取り他方財政についてはややもすればこれを輕視する感が非常に深いのであります。現在の制度の下では政府部内において、他方財政について責任を負うものは大藏省でなくて地方財政委員会であるにも拘わりませず、財政に關する重要な政策が、これらの機関と十分連絡協調なくして推進されることは甚だ遺憾に存ずるのであります。これはひとり私のみでなく、木村國務大臣も御同感と私は存じます。政府は將來部内の連絡を密にし、事苟くも地方財政に關する重要な政策については、地方財政委員会の意向を中心として立案せしむるよう努力すべきであると存ずるのでありますが、主計局長の御所見を伺いたいと存じます。
#18
○政府委員(河野一之君) お答を申上げます。林屋委員の仰せられます通りでありまして、國家財政と言い、地方財政と言い、これは大きな國の財政の中の分け分だけの問題でありまして、財源の分配とそれに伴なつての事務の分配とあるのでありまして、國と地方と一体となつて國の財政全体が運營されて行くわけでありまして、從いまして國家財政の立場だけで他を願みないというようなことは、決していたさないつもりでございます。この点につきましては、この方面を担当しております地方財政委員会と十分に連絡いたしまして、從來及び今後ともその運營の全きを期している次第であります。
#19
○林屋亀次郎君 今一言伺いたいのでありまするが、政府は配付税の大幅減額の理由を、主として國家財政の都合からのみ説明されているのでありまして、先日の大藏大臣の本委員会における答弁によりますと、足りないところは節約でやつて貰うより仕方なしという放言をされているのであります。その放言が、地方の実情は整理節約しても五百六十億程度の不足する見込でありまするが、政府が若し地方に対し節約を要求するならば、その節約の目標額を他方自治体に示すべき責任があると存じまするが、これに対し所見を伺いたいのであります。
#20
○政府委員(河野一之君) 配付税の減額というようなことは、通常の事態においては余りよいことではないと存じます先程申上げました通り、國全体の財源を事務の分配と併せてどういうふうに分けるかという問題でありまするから、地方の事務がそのままになつております限り、これを國家財政の都合だけで減額するというのも如何かと思うのでありますが、ただ國の方におきまして、國家全體として非常な特別の歳出があると言つたような場合におきましては、全体的の見地におきまして配付税が減額になる、まあ割合的に見まして減額になるということも万止むを得ざる事態もあるかと思うのであります。然らばこの配付税が減らされた場合に、地方財政としてどういうふうにやつて行くべきか、殊に國の法律を以て配付税を減退した場合、どうするのがいいかという問題でありますが、これにつきましては、これは先程申上げました事務の分配というような問題につきましても相当考えて行かねばなりませんし、又現に地方において考慮せられておりまする行政整理の問題、國費、地方費の負担区分の調整の問題、こういつた問題を併せて総合的に勘案いたしまして、地方財政の運營を全うして行くというふうに考えまして、目下私共事務的にも研究もいたしておりますし、この点につきましても地方財政委員会当局といろいろ御協力申上げまして、努力して参りたいと考えている次第であります。
#21
○林屋亀次郎君 過日來吉田総理並びに大藏大臣は、しばしばいずれの委員会或いは本会議におきましても、この五・六月頃、ショープ博士の來朝を機会に何らか善処する、又この危機を脱するというようなことを仰せられているのでありまするが、然らば地方と中央とのバランスの取れた立案材料等はすでに用意ができているのでありまするか、一應承わりたいのであります。
#22
○政府委員(河野一之君) ショープ博士の一行のうち一部の方はすでにお見えになつております。ショープ博士は來月の十日頃までにお出でになる予定でありまして、係りの方でいろいろと基礎的な資料をお集めになつておるようでありますので、私共関与いたしまして、いろいろなこれに関して参考になるような資料を取纏めて、一部はすでに提出してある次第であります。
#23
○林屋亀次郎君 いろいろ御答弁を下さいまして諒といたしまするが、どうか今後も私財政委員としてお願いをするのでありますが、地方財政の当局と今一應の緊密な連絡をお取り下さいまして善処されんことを希望いたしまして、私の質問を打切ります。
#24
○鈴木直人君 今回の予算並びにこの地方配付税法の特例に関する法律案は、私は止むを得ず賛成をいたしたいと考えておるのでありますが、ただ只今林屋さんがお話になり、局長が御答弁されましたように、五月上旬にショープ博士が來られて、國及び地方の税制或いは財政について根本的な檢討を加えて、新らしい財政が打立てられる際に、この他方配付税について大藏省のみに任せないで、責任は木村國務大臣にあると思いまするから、少くとも地方財政については木村國務大臣において十分と資料を整え、準備を整えて、大藏省に任せずに、地方財政の確立のために御努力をお願いしたいと思うのでありますが、その資料その他についてどんなふうになつておりまするか木村國務大臣にお尋ねいたしたいと思います。
#25
○國務大臣(木村小左衞門君) 鈴木委員のお尋ねの通り、もとよりそういう考えでおります。只今でも調査書は大部分集めておるつもりでございます。尚又これをやりまするには、今度新たに設けられました税制審議会に掛かりますので、税制審議会で意見を立てまして、材料を具備したものを以て十分に開陳して見たいとこう考えております。
#26
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑はございませんか……別に御発言もないようでありますから質疑は終了もないのと認め、直ちに討論に入ります。原案に対して御意見のある方は賛否を明らかにして御発言を願います。
#27
○西郷吉之助君 私は地方配付税法の特例に関する法律案につきまして賛成の意見を述べるものであります。本法案につきましては、本委員会並びに大藏との連合委員会におきまして、総理、大藏大臣を初めいろいろ質疑應答を重ねたのでありまするが、この配付税の減額に関する点につきましては、総理並びに大藏大臣の御説明におきましては、私は十分納得ができないのであります。併しながらすでに予算も通過させた等のことから考えまして、積極的にこの法案を否決することもどうかと考えますので、止むを得ず次の希望條件を付しまして本法案に賛成するものであります。
 希望條件の第一といたしましては、地方配付税法第二條は、平年度における地方配付税の特別会計への繰入額の税率を保証したものであつて、特別の事情のない限り濫りにこれを變更すべきものでない。明年度以降平年度である以上は右第二條の現行繰入率を嚴守すること。第二点といたしましては、地方財政の窮迫の現状に鑑み、政府は國、地方を通ずる眞の均衡財政の確立に努力し、最近の機会に本年度配付税額の増額補正をなすこと。第三点といたしましては、本年度において税制改革等のため、万一所得税、法人税の徴收実收額に減少を來した場合と雖も、政府は最低五百七十七億円の配付税額は保証すること。第四点といたしましては、地方財政の基礎を確立するため、政府は將來地方税として所得税附加税制度を復活することとし、配付税は地方財政調整上必要の範圍に止めるよう措置すること。以上の四点を希望條件といたしまして本法案に賛成するものであります。
#28
○吉川末次郎君 私は本法案に對して日本社会党を代表いたしまして、反対の意思表示をいたすものであります。反対の理由といたしましては、私は最初の本委員会の会合におきまして、本法案に対して反對の意思を包藏しつつ主務大臣でありまする木村國務大臣に對して數項目に亘り質問をいたしたのでありますが、その全項目に亘つて殆んど全部私の反對的な意色を覆えすに足るところの御答弁を得ることができなかつたのであります。でありまするから私の反對の理由とするところはその質問に十分に表明されておりまするから、繰返して多く言うことをこの機会に避けたいと思いますが、そのうち二、三の特に重要だと思いまする理由につきまして、更に再説いたしたいと存ずるのであります。
 第一は、即ち地方財政に関しまするところの中樞的機関でありまする地方財政委員会の意見というものをば、殆んど無視してこの案が提出されているということでありまして、即ち地方財政委員会を構成いたしておりまするところの全國知事会の代表者、或いは市長会の代表者、町村会の代表者等の一万二千の全國地方自治團体の代表者が全くこれに反對の意を表しているにも拘わらず、一方的に國家の意色においてこれを強行するというようなことは、甚だ地方財政確立の趣旨に反するところのものであるということが第一点であります。第二点は、質問のときにも申しましたように、地方財政に関する基本的の法律でありまするところの、我々が制定いたしましたかの地方財政法に悖るところのものである。明らかに言うならば、これは法律違反の法案であるということも私は断言し得られるかと思うのであります。それ節私が引用いたしましたごとく、地方財政法の第二條の第二項におきまして規定いたしておりまする國の地方公共團体との財政の相関関係において、國の一方的な利益のために地方公共團体に國の負担を轉嫁してはいけない。或いは地方財政の自律性を破つてはいけないということが規定されておりますが、全くこの第二條の第二項に該当するところの法律違反的なことを規定しているところの法案であると思いますることが、私の反対いたします理由の一つであります。それから第三番目には、これ又その節申上げたことでありまするが、木村國務大臣の提案理由の説明によりまするというと、経済九原則に則つて予算の均衡を得るということのために、こうした法案が提出される必要があるのであるということが言われておるのでありまするが、言うまでもなく予算の均衡ということは、地方の予算と國の予算とが相俟つて初めて一國の予算の均弁が得られるのでありまして、地方の予算の赤字の犠牲において國だけの予算の均衡を得る、表面上に均弁を得ということをいたしましたところで、これは経済九原則が慫慂しているところの一國の総合的な予算の均弁を結果するところのものとは断じて言うことができないものであると思いますることが、私達が反対いたしまするところの重要なる理由の一つであります。
 以上の大体三つの理由、それ以外にもありまするが、主要なるものといたしまして、それを挙げて私達の反対の理由といたしたいのでありますが、尚、附加えて只今賛成者の側でありまするところの西郷委員が申されました諸種の附帶條件のごときものは、私共は以上述べましたような基本的な立場においてこの法律に反對いたしておるのでありまするから、今その附帶條件の可否につきまして考慮するところの必要がないという立場に立つておるものであります。殊に私達が西郷委員が申されることにつきまして甚だ許し難きと申しますか、甚だ失禮なようでありますが一つの嚴肅なることとして考えなければならんと思いまするところは、手続の問題でありますが、すでに予算も本会議において通過したのであるから云々というようなお話がありましたが、これは漠めて私は國会の議事の上において重要なことではないかと思うのであります。しばしばこの財政に関する法律が改正され或いは制定されたりしておらないにも拘わらず、先にその既成事実を作るために予算を無理やりに成立通過せしめて、そうしてこの既成事実ができ上つたからと言うて、あとからこの法律を改正したり或いは制定したりするようにして行くというようなことは、いわゆる法治主義に悖るものである、即ち立憲主義に悖るものでありまして、私は議会政治を擁護するという建前からして、かくのごとき考え方は國会議員として断乎排撃すべきところの重大なる一つの誤まれる見解であるということをこの機会に表明いたしまして、併せて西郷委員の申されましたところの一切の賛成意見に對して反対の意思表示をいたすものであります。
#29
○岡田喜久治君 私は民主自由党を代表いたしまして意見を申述べます。大体において只今西郷委員から申述べられましたような附帶條件、希望條項を絶対のものとして、これについて政府の考慮を促すことにおきまして、この政府の原案にはこれに賛成いたしたいと思います。多くは申しませんが、誠に今回のこの地方配付税に関する政府の措置につきましては、私共も実は甚だ遺憾とするところが多いのであります。或いは折角前年確立制定されましたところの地方財政制度確立に関する本義を、これによつて見出しておることも明らかなことであります。從つてかくのごとくんば、現在及び將來に亘つて地方財政の運營については深甚なる我々は憂慮をいたさざるを得ないのであります。誠にこの点におきましては遺憾極まつたものであるということは爭い難いのであります。去りながら、併し何分にも今日の日本の置かれておりますところの経済現況、即ちこの多難、多急なるところの経済情勢に相應して、いわゆる健全財政、均衡予算というものを確立せねばならんというようなときの必要もあり、かたがた延いて及んでこの地方配付税法の特例案に対する、この法案のごとき處置に出られたのでありましようからして、この点においては、又時の財政事情、客觀情勢を深く推理しなければならん点もありまして、若し今日これに向つて全くこれを阻止するようなことがあつても、これは財政運用上如何がなものであろうかと思います。かたがた私共は歸するところとにかくこの案に對しましては是非ともこれを成立せしめ、併せて又この西郷委員の申されたような四つの希望條項につきましては、強く政府の御考慮、反省を促しまして、どうかして、地方財政の規任及び將來に對しまして、万一の行詰りのないように絶対に御支持あらんことを希望いたします。從つて將來の又考慮事項については、是非それが実現を図るべく深甚なるところの御努力を要望いたす次第であります。
#30
○太田敏兄君 私は無所属懇談会の総員の意思を代表いたしまして、本法案に反対するものであります。若しもこの法案が可決されるならば、本年の地方配付金は忽ち半減しますし、一方又二十四年度予算の成立に伴う公共事業費の大幅削減と相俟ちまして、現在ただでさえ全く行詰つておる地方財政の破綻に更に強い拍車を掛ける結果となりまして、地方自治体の財政は全く破綻する外はないと思うのであります。今の状態では六三制の維持も、災害の復旧も全部放棄せざるを得ない羽目に陷ることのあることは明らかでありまするが、只今木村國務大臣は行政費の節約による剩余金、或いは國有財産の処分によつて得たる金額、或いは又助成機関の整理によつて得たる金を地方財政に廻すように努力するというお話がございましたが、併し若しそういうことであれば、そうした措置を先決にしまして、こういう金を廻すから配付税がこれだけ減額するというのであれば話は分るのでありますが、そうでなくして、先ず配付税を減額しておいて、そうして、後からこういうふうにしようと思うということであれば、これは全く前後の順を誤まつておるものであると思うのであります。又吉田首相も將來所得税附加税等の復活、その他の方法によつて地方財政の確立を図る意思あることを言明してはおりますが、併しこの吉田首相の考え方も、先の木村國務大臣の弁明と同じ性質のものでありまして、いずれもこれは明日の問題であつて、今日の問題ではないのであります。そこで私は今日現実の問題としまして、かかる現内閣の無謀な措置につきましては、断じて賛成し得ないのであります。然らば地方財政の行詰りを破綻寸前においてこれを救うために延いては又國家財政のやがて來るであろう最惡の危機を避けるために、本法案に對して反対をいたすものであります。
#31
○林屋亀次郎君 民主党といたしまして、この案に対して賛成をいたすものであります。併しながら私は先程來大村國務大臣並びに主計局長が、今後において絶対善処するということでありまするので、これによつて賛成をいたすのであります。
#32
○委員長(岡本愛祐君) 外に御発言はございませんか……御発言もないようでございますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決をいたします。地方配付税法の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方は御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#33
○委員長(岡本愛祐君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告は、委員長において、本法案の内容、委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○吉川末次郎君 ちよつと……報告書については、勿論委員長を信頼いたしておりますが、ちよつと目を通さして頂きたいような感じがいたします。
#35
○委員長(岡本愛祐君) 承知いたしました。それでは吉川委員に御要求によりまして、吉川委員に御覧に入れることにいたしますが、外の方は御異議はないものと認めます。次に、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    柏木 庫治  鈴木 直人
    林屋亀次郎  岡田喜久治
    西郷吉之助
#36
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはございませんか……なしと認めます。
  ―――――――――――――
#37
○委員長(岡本愛祐君) 次に、日程に掲げてございますように、選挙法改正に関する件について御審議を願いたいと思います。この前、鈴木委員から選挙法の改正問題につきまして、議員の兼職と立候補につきまして、衆議院議員の場合と、参議院議員の場合と違つておる。その違いを分り易く説明して欲しいという御要求がありました。調査ができましたのでそれを説明いたします。福永專門員。
#38
○專門員(福永與一郎君) 今委員長からお話の説明は、刷り物に刷りまして皆樣のお手許に差上げる準備を進めておりましたところ、どうしても只今までに間に合いませんので、一應口頭で御説明申上げまして、直ぐ追つつけて刷り物にいたしまして御覧に入れたいと存じます。
 先ず、憲法第四十八條は「何人も、同時に兩議院の議員たることはできない。」と規定しております。又國会法第三十九條に、議員は、内閣総理大臣その他の國務大臣、その他は、「別に法律で定めた場合を除いては、その任期中國又は地方公共團体の公務員と兼ねることができない。但し、國会の議決に基き、その任期中内閣行政各部における各種の委員、顧問、参與その他これに準ずる職務に就く場合は、この限りでない。」と規定しております、國会法第三十九條の、別に法律で定めたもの、即ち國会議員との兼職を認められておる場合といたしましては、皇室経済会議議員とい、彈劾裁判所裁判員、訴追委員、それ他を挙げることができるのであります。只今申上げました規定の中で、憲法第四十八條の規定は二院制度の建前上当然であります。國会法第三十九條の規定も三権分立の精神と、議員本來の活動を保障するという意味におきましてその妥当性が認められるのであります。而してこの兼職禁止の規定は参衆兩院議員に共通平等に適用されるのでありまして、その間に取扱上の差別はないのであります。即ちもう一度繰返しますと、議員の兼職禁止の規定につきましては、衆参兩院議員の間に差別がないということに相成つております。然るに議員の立候補に対する制限規定におきましては、衆参兩院議員の間に差別があつて異なつた規定が設けられておるのであります。以下これを区別して御説明申上げます。
 先ず衆議院議員の立候補に対する制限規定として、一、衆議院議員選挙法第六十七條第五項、法律の定むるところにより衆議院議員と相兼ぬることを得ざる國又は地方公共團体の公務員に係る衆議院議員の立候補の届出は、その者が公務員たることを辞したる後にあらざればこれをなすことを得ず。二、國家公務員法第百二條、第二項に、職員、と申しますのは一般職のことでありますが、「職員は、公選による公職の候補者となることができない。」という規定がございます。即ち衆議院議員の場合は内閣総理大臣、國務大臣など僅かの例外を除きまして、廣く國又は地方公共團体の公務員に対して、衆議院議員に立候補するためには先ず公務員たることを辞することが要求されておるのであります。その結果といたしまして地方議会の議員、知事、市長等の公選による公務員や、場合によりましては前に掲げました國会法第三十九條の但書によりまして、國会の議決があれば國会議員との兼職を特に認められております例えば学術会議会員のようなものが衆議院議員に立候補するためには、先ず公務員たることを辞さなければならないということに相成るのであります。尚、國家公務員中の一般職のものは前記國家公務員法第百二條第二項の規定によつて、衆議院を初め廣く公選による公職に立候補することができないという制限を受けておるのであります。最後に、参議院議員の立候補につきましては、前に申述べました公務員法第百二條第二項は、國家公務員中の一般職にある者は公選による公職の候補者となることができない旨を規定しておるのでありますから、この規定はもとより参議院議員の場合にも適用せられまして、一般職たる國家公務員は、その在職のまま参議院議員に立候補することはできないということに相成るのであります。参議院議員の立候補につきましては、今申上げました制限があるだけでありまして、前に申上げました衆議院議員選挙法第六十七條第五項のような制限規定はないのであります。從つて一般職たる國家公務員が、参議院議員に立候補するために予めその公職を辭すべきことが要求される以外には、参議院議員の立候補は、特別職たる國家公務員や地方公共團体の公務員に対して広く門戸が解放されておるのであります。即ち一、衆議院議員は在職のまま参議院議員に立候補することができるのであります。反対に衆議院議員選挙法六十七條第五項の規定によりまして、参議院議員は在職のまま衆議院議員に立候補することはできない、こういうことに相成ります。次に、國会議員との兼職を禁ぜられておる人事官とか、大使とか、國家公安委員会の委員、公正取引委員会の委員長及びその委員、その他ございます。そういう人々も在職のまま参議院議員に立候補することができるのであります。もう一つ公選による地方公共團体の公務員を初めといたしまして、広く地方の公務員は、在職のまま参議院議員に立候補することができるのであります。以上申述べましたことによつて明らかなように、衆参兩院の議員の間に立候補の制限についてその規定に著しい差違のある点が問題になるのでございまして、今回選挙法改正の問題を御研究に相成ります場合に当つて、これを題目の一つとして取上げておるゆえんもそこにあるかと存ずる次第であります。
#39
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか……尚刷り物によつて御覧を頂きまして御研究をして頂くことにいたします。本日はこの程度で散会いたします。
   午後三時十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
  國務大臣
  國 務 大 臣 木村小左衞門君
  政府委員
   地方財政政務次
   官       堀  末治君
   大藏事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   常任委員会專門
   員       福永與一郎君
ソース: 国立国会図書館
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