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1967/07/04 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第20号
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1967/07/04 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 建設委員会 第20号

#1
第055回国会 建設委員会 第20号
昭和四十二年七月四日(火曜日)
   午前十一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月三十日
    辞任       補欠選任
     大森 久司君     温水 三郎君
 七月三日
    辞任       補欠選任
     温水 三郎君     大森 久司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤田  進君
    理 事
                稲浦 鹿藏君
                大森 久司君
                山内 一郎君
                大河原一次君
    委 員
                石井  桂君
                熊谷太三郎君
                小山邦太郎君
                中津井 真君
                瀬谷 英行君
                田中  一君
                松永 忠二君
                春日 正一君
                相澤 重明君
   国務大臣
       建 設 大 臣  西村 英一君
   政府委員
       建設省計画局長  志村 清一君
       建設省河川局長  古賀雷四郎君
   事務局側
       常任委員会専門  中島  博君
       員
   説明員
       林野庁指導部長  手束 羔一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○土地収用法の一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○土地収用法の一部を改正する法律施行法案(内
 閣送付、予備審査)
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (治山治水事業並びに和知ダムの水門決壊事故
 に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 理事の補欠互選についておはかりいたします。
 大森久司君が六月三十日委員を辞任され、昨三日再び委員に選任されましたが、この委員異動により理事に欠員を生じましたので、この際その補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(藤田進君) 御異議左いと認めます。
 それでは、理事に大森久司君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(藤田進君) 土地収用法の一部を改正する法律案及び土地収用法の一部を改正する法律施行法案を一括して議題といたします。
 両案につきましては、すでに説明を聴取いたしておりますが、その補足説明を聴取いたします。計画局長。
#5
○政府委員(志村清一君) ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的にその内容を御説明申し上げます。
 まず第八条の改正でありますが、これは今回新たに、土地等の仮登記権者、買い戻し特約登記権者、差し押え債権者及び仮差し押え債権者を関係人とし、これらの者を収用手続に取り込むこととしたものであります。
 次に第十条の二の新設は、起業者が取得した土地の管理については、現行法では規定がないので、これが適正管理等を内容とする規定を追加することとしたものであります。
 次の、第十五条の二及び第十五条の四の改正は、従来土地細目公告前の制度としてあった、あっせん制度を、事業認定の告示前の制度として規定したものであります。
 次の第十八条の改正は、今回土地所有者等に補償請求権を与えることとしましたので、起業地の範囲がよくわかるように事業認定の申請書等を整備することとしたものであります。
 第二十六条の改正及び第二十六条の二、第二十八条の二の新設も、起業地の範囲等を明確に周知させる趣旨のものであります。
 次に、第二十八条の三の新設は、従来土地細目公告の効果であった起業地の形質変更禁止を、事業認定の告示の効果として規定したものであります。
 次の事業認定の有効期間を定めた第二十九条の改正は、今回土地細目公告を廃止したこと、及び収用または使用の裁決を、権利取得裁決と明け渡し裁決とに分離したことに伴い、それぞれの裁決の申請または申し立ての期限を定め、それを経過したときは、事業認定が失効することとしたものであります。
 第三十条の改正及び第三十条の二の新設は、事業の廃止、変更により土地の収用等の必要がなくなったとき、及び土地の取得を完了したときに、告示や市町村長への通知を行なうこととしたものであります。
 次に、第三十一条から第三十四条の六までの改正または新設は、従来の土地細目公告に関する規定を廃止し、事業の認定後の収用等の手続を保留する制度について定めたものであります。
 すなわち、土地細目の公告制度は、収用しようとする土地を具体的に公告する手続でありますが、今回の改正で、原則として事業の認定のときの価格で補償額を算定することとするとともに、土地所有者等には、そのときから補償請求権を与えることとし、事業認定時にすでに起業地の範囲が明らかとなっておりますので、土地細目の公告制度を廃止して、手続を簡素化いたしました。
 しかし、事業認定は、一つの事業の全体について行なうため、その事業の規模あるいは性格、用地取得のための資金措置等、種々の関係で一挙に用地取得に取りかかれない場合も多いと考えられますので、すぐに用地取得に入る用意がない区域につきましては、起業者は、事業の認定の申請にあたり、一時収用手続を保留することを申し立てることができることとし、用地取得の用意が整ったときは収用手続開始の告示をして、収用の手続に入ることといたしました。また、この手続保留地につきましては、一部の規定を除き、手続開始の告示があったときを事業認定の告示があったときとみなして、この法律の規定を適用することといたしております。
 次に、第三十九条の改正は、土地細目公告の廃止に伴い、起業者は事業認定の告示の日から一年以内に、収用または使用の裁決申請をしなければならないことに改めるとともに、土地所有者等が、自己の権利にかかる土地について、起業者に対し裁決申請の請求ができることとしたものであります。
 次に、第四十条及び第四十一条の改正は、今回の改正案で土地に対する補償金の額を、事業認定の告示のときの価格に押え、土地所有者等に裁決申請請求権及び補償請求権を与えたのに伴い、従来ややもすれば形式に流れ、実効の薄かった法定協議の制度を廃止したものであります。
 次に、現行法第四十二条の改正は、これを第四十条に位置を移すとともに、裁決申請の手続を簡略化して手続の迅速化をはかることとしたものであります。
 次に第四十四条及び第四十五条は、土地所有者等から裁決申請を請求した場合の裁決申請の特例を定めた新設条文で、請求を受けた起業者は、二週間以内に裁決申請すべきこととし、これに応じて申請書の記載事項を簡略化する等を規定したものであります。
 次に第四十五条の二と第四十五条の三は、裁決手続開始の決定の制度を新設したもので、収用委員会がこれを告示し、嘱託登記した後は、その登記にかかる権利を承継した者は、相続人等を除き、その承継を起業者に対抗できないこととしております。なお、この登記前は、補償請求権は差し押えや譲渡等ができないこととし、登記後にもすでに土地について差し押え等がされている場合は同様としております。
 次に第四十六条の二から第四十六条の四までの規定は、補償金の支払い請求の制度を新設したもので、土地所有者等の利益の保護と周辺地の土地所有者等との均衡保持のために、土地所有者または土地に関して権利を有する関係人が、事業認定の告示後は、いつでもこれらの権利に対する補償金の支払いを請求することができることを規定したものであります。
 第四十六条の四は、補償金の支払い請求を受けた起業者は、請求を受けた日から二カ月以内、そのときにまだ裁決手続開始の登記がされていないときはその登記から一週間以内に、自己の見積もりによる補償金を支払わなければならないことを規定したものであります。
 次に第四十七条の二から第四十九条までは、収用または使用の裁決を、権利取得裁決と明け渡し裁決とに分離したものであります。すなわち、第四十七条の二においては、裁決を分離すること及び明け渡し裁決は、起業者または土地所有者等の申し立てを待って、権利取得裁決のあった後か、またはこれとあわせて行なうことを定めたものであり、第四十八条及び第四十九条は、それぞれの裁決における裁決事項を定めたものであります。
 次に、第五十条は、裁決を分離したことと関連しまして、和解についても、権利取得に関する事項と明け渡しに関する事項とについて、それぞれ成り立つものとしております。
 次に第六十七条の削除は、二以上の収用委員会の合同審理及び裁決の制度が従来全く活用されていないばかりでなく、手続が煩瑣で裁決の遅滞を招くことにかんがみ、これを廃止するものであります。
 次の第七十一条から第七十三条までの改正は、今回の改正案の最大の主眼点でありまして、現行法では、補償額を裁決時の近傍類地の取引価格等を考慮して算定しておりますのに対し、土地の対価に当たる補償額を、事業認定時の近傍類地の取引価格等を考慮して算定した額に、権利取得裁決時までの物価の変動に応じて政令で定める修正率を乗じて得た額とし、それ以外の地上物件の移転料や収用によって通常生ずる損失の補償は、現行法どおり明け渡し裁決のときの価格によって算定するものとしております。第七十一条が収用の場合、第七十二条が使用の場合の土地についての対価補償の原則であり、第七十三条がその他の補償の原則であります。
 次に、第九十条の二から第九十条の四までの新設は、補償請求者に対する裁決基準の特例を定めたものであります。すなわち、第九十条の二で、補償請求者については、物価の変動に応ずる修正は、裁決時ではなく補償金の支払い期限までの期間について行なうものとし、第九十条の三で、補償請求に応じて支払った額が少なかった場合、それが遅滞した場合は、全体の額に対する遅滞額の割合に応じて日歩五銭、三銭、一銭七厘の三段階の加算金を支払うべきものとしております。第九十条の四では、土地所有者等から裁決申請の請求を受けてから二週間以内にその申請をしない場合は、起業者に日歩五銭の過怠金を支払わしめることを定めております。
 また、第九十六条は、裁決手続開始の登記前に差し押え、仮差し押えがされている場合に、差し押え権者等の地位を保全するため、これについての補償金は、直接裁判所等に支払うべきこととした新設規定であります。
 次の第百条及び第百一条の改正は、裁決の分離に伴い、裁決の失効及び権利の取得、消滅等の規定を整理したもので、所有権の取得その他の権利の消滅を、権利取得裁決の効果とするとともに、従来明確でなかった差し押え、仮差し押え、仮処分の効力が収用によって消滅することを明文化する等を行なったものであります。
 次に、第百一条の二は、権利取得裁決後も、従来の土地所有者等は明け渡しの期限まで明け渡しを猶予することを規定し、その利益をはかろうとするものであります。
 次に、第百四条の二は、補償請求に応じて支払った見積もり補償金に過払い額があった場合の調整の規定であります。
 次に、第百六条の改正は、収用された土地の旧所有者の買い受け権の生ずる時期を、個々の収用の時期から起算するのは不公平であることにかんがみ、一律に事業認定の時から起算することとしたものであります。
 次に、第百八条から第百十五条までの収用委員会の調停の規定の削除は、この調停が同じく収用委員会による和解の制度と重複する面が多く、従来もほとんど活用されず、実効があがっていないことにかんがみ、今回これを廃止したものであります。
 次に、第百十六条から第百二十一条までの改正は、従来土地細目公告後一年内に限り認められていた協議の確認の制度を、事業認定後裁決申請までの間に広く認めて、その活用をはかるよう措置するものであります。
 次に、第百二十五条の改正は、事業認定の申請や裁決申請の手数料について、これらの事務に要する費用や今回の改正に伴う手数の増加に対応することができるようにするため、これらの手数料の限度額を引き上げることとしたものであります。
 次に、第百三十六条の改正は、今回の改正に伴い収用委員会の審理の促進が特に重要となることにかんがみ、不必要に多数の代理人が出席して審理が遅延することのないように措置したものであります。
 次に、第百四十条の二は、今回の改正に伴い、事業認定、手続開始、裁決の申し立て等の際に、都道府県知事、市町村長、収用委員会、起業者等の相互間の通知、その他の手続などについて必要な規定を置くために設けたものであります。
 以上のほか、これらの改正に伴う、手続の整備及び条文の整理を行なっております。
 最後に、附則は、本改正法の施行期日、経過措置、関連法律の改正等につきまして、別に施行法をもって定めることといたしたものであります。
 以上が、土地収用法の一部を改正する法律案の内容であります。何とぞ慎重御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました土地収用法の一部を改正する法律施行法案につきまして、逐条的にその内容を御説明申し上げます。
 まず、第一条は、土地収用法の一部を改正する法律の施行期日について、公布の日から起算して八月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する旨定めております。
 次に、第二条から第十条までは、土地収用法の一部改正に伴いまして必要となる経過措置を定めております。すなわち、改正法の施行前に事業の認定を受けている事業については、土地細目の公告を終わったものは現行法の手続によることとし、その他のものは改正法による手続保留の事業の認定を受けたものとみなして、改正後の新法を適用していくこととする等、必要な経過措置を定めたものであります。
 第十一条以下の各条は、今回の土地収用法の一部改正に伴い改正することが必要となった関連法律の改正及びその経過措置について定めております。
 第十一条及び第十二条は、不動産登記法の一部改正及びこれに伴う経過措置でありますが、今回収用の効果として差し押え、仮差し押え、仮処分が効力を失うことを明文化したのに伴い、これらの登記を抹消する規定を整備いたしました。
 第十三条及び第十四条は、都市計画法の一部改正及びこれに伴う経過措置であります。都市計画事業については、都市計画事業決定をもって事業認定とみまして土地収用法を適用することとされておりますが、事業の性質上、その執行年度が別に定められている関係から、都市計画事業を執行すべき最終年度を経過するまでの間は、事業認定も失効しないものとしております。
 また、改正後の土地収用法を適用するため必要になる都市計画事業の告示、関係書類の縦覧等に関する規定を整備することといたしました。なお、経過措置としては、土地収用法の場合と同様といたしました。
 第十五条及び第十六条は、測量法についてでありまして、測量法により土地等を収用または使用する場合は、土地収用法によって事業の認定以下の手続を受けなければならないものとしました。
 第十七条から第二十条までは、鉱業法と採石法についてでありまして、図面の縦覧手続、手続保留の制度等について、土地収用法の改正に伴い、関係規定を新設あるいは整備したものであります。
 第二十一条は、森林法の一部改正でありますが、これは土地収用法の改正にかかわらず、買い受け権について現行の森林法と同じ扱いをするため必要な改正であります。
 第二十二条及び第二十三条は、駐留軍の用に供する土地等の使用等に関する特別措置法につきまして、土地収用法の改正に対応する所要の改正を行なったものであります。
 第二十四条及び第二十五条は、土地区画整理法についてでありまして、土地区画整理事業のため土地を使用する場合には、土地収用法による事業認定を受けなければならないことといたしました。
 形質変更の禁止については、この法律に規定がありますので、土地収用法の保全義務を二重に課さないこと等を規定しております。
 第二十六条は、核原料物質開発促進臨時措置法につきまして、森林法の場合と同様、買い受け権について所要の改正をいたしました。
 第二十七条及び第二十八条は、首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律についてでありまして、この法律で認めている買い取り請求は、手続保留地についてのみ認めることとして、補償請求の制度と調整をはかることとし、また工業団地造成事業を施行すべき土地の区域内における建築行為等の制限の規定との重複を避けるため、土地収用法の土地の保全義務の規定は、この区域内には適用しないことといたしました。
 第二十九条は、住宅地区改良法の一部改正ですが、改良地区内の土地についての建築行為等の制限の規定との重複を避け、土地収用法による土地の保全義務の規定を排除したものであります。
 第三十条及び第三十一条は、公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律についてでありまして、市街地改造事業によって造成され、建築される建築敷地及び建築物についての譲り受け希望の申し出と補償請求との関係を調整して、いずれか一方によるものとし、譲り受け希望者に対して譲り渡す建築施設の価額については、その建設コストと時価を基準として定めることとなっておりましたものを、収用価格が事業認定価額とされることに対応して、建設コストと都市計画事業決定の時の価格を基準として定めることといたしました。
 次の第三十二条及び第三十三条は、公共用地の取得に関する特別措置法の一部改正及び経過措置で、土地収用法の改正に対応する改正をしたほか、特別措置法の性格上、特定公共事業は緊急性を要件といたしておりますので、収用または使用の手続の保留は認めないとしたこと、又明け渡し裁決の申し立ての期限は、土地細目の公告を廃止したことに伴い事業認定の告示の日から一年六カ月としたこと、緊急裁決の申し立てがあったときは、権利取得裁決と明け渡し裁決とにかかる事項について、同時に緊急裁決すること等を定めたものであります。
 最後に第三十四条から第三十七条までは、それぞれ新住宅市街地開発法と近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律につきまして、これらの法律で認めている買い取り請求と土地収用法の補償請求との関係を調整し、また事業を施行する区域内の土地については、それぞれ建築行為等の制限の規定がありますので、土地収用法による土地の保全義務の規定を排除する等の規定を置いております。
 以上が、土地収用法の一部を改正する法律施行法案の内容であります。何とぞ慎重御審議のほどお願い申し上げます。
#6
○委員長(藤田進君) 両案についての質疑は、後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(藤田進君) 治山治水事業並びに和知ダムの水門決壊事故に関する件を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○田中一君 最初に伺いたいのは砂防予算のことなんですけれども、従来建設省が砂防予算を要求する場合には、規模によって、面積によって一定の単価を見出して要求している。しかし、農林省ではそういう行き方をとっておらぬというふうに聞いておるのですが、その点をひとつ詳細に説明してほしいと思う。
#9
○政府委員(古賀雷四郎君) 砂防予算の編成にあたりましては、治水上砂防の見地から、その地点におけるところの流出土砂量等を算定いたしまして、それを適切な方法で調整あるいは防止するための必要な個所ごとのダムの計画を立てまして、それに要する標準歩掛りあるいは労務単価等によりまして積算して、予算を計画いたしております。
#10
○田中一君 林野庁はどういう方針でおられますか。
#11
○説明員(手束羔一君) 林野庁といたしましては、荒廃山腹並びに荒廃するおそれのある山腹等の面積等を考えまして、それを復旧し、かつ予防するために必要であるところの山腹工事並びに工事計画等に関しまして予算を積算いたしております。
#12
○田中一君 どうもぼくははっきりわからないのだが、もう少し具体的に説明してもらわぬと。この建設省の場合、堰堤の規模というものは、これはおのずからわかります。しかしながら、砂防事業の施設区域内、要するにその広さを見た場合には、これはいま渓流砂防を行なう場合、その堰堤の広さ、堰堤の大きさ、規模というものから算定はできますが、いまの説明は、しかし、林野庁が行なう山腹砂防の場合には、そういう種類のものはないわけなんですから、やはり一定の区域というものをきめて予算請求の基準としているのだろうと思うのです。同じような種類の仕事――堰堤をやった場合に、たとえば林野庁が堰堤の工事を行なう場合に、同じように建設省が行なっているような堰堤の規模によって請求していないのです。全体の広さによってそれを請求して、堰堤をつくっているというようなことになっているように承知しておるのですけれども、その点はどうなんですか。
#13
○説明員(手束羔一君) 全体の広さに応じまして必要な経費を計上いたしております。
#14
○田中一君 林野庁は一ヘクタール百五十万円くらいの見当で予算請求は、要求はしているわけですね。それで、大体一ヘクタール百五十万円程度のものだと思うのですが、その点どうなんですか。
#15
○説明員(手束羔一君) 面積に応ずる経費と申しましても、通常の造林等と違いまして、その地域地域によりまして、付帯する床固め、あるいは山どめ等の工事が必要でございますので、面積当たり幾らと申しましても、それはその年の工事計画を積算いたしました場合に、結局面積を割ったら幾らになるかというようなことから工事費が出てまいるわけでございまして、事前に、面積当たり幾らということでもって要求するようにはなっておらないわけでございます。
#16
○田中一君 御承知のように、昭和三年の閣議決定、これは渓流のほうは、当時の内務省だ、建設省。それから山腹傾斜地等は、これは林野庁、こういうように事業の区分をきめているわけなんです。ところが林野庁が渓流砂防を行なっている。堰堤等をつくっております。その場合、最初の予算を要求する、いわゆる事業の規模をきめて要求する場合には、堰堤をどの河川のどの渓流に一堰堤をどういう規模のものをつくるというような形の予算はないわけなんですよ。これは、もしあるならば、私の間違いであればそれを明らかにしてほしいと思うのですが、一定の区域、それも一ヘクタール百五十万というような単価をきめて、その規模、広さに応じて予算要求をして決定をしている。ところが建設省のほうは、これは渓流砂防ですから、どこまでも渓流における堰堤の築造ということを中心にして、いま河川局長が言っているように、資材、労賃、事務費等を加えて、それを一本一本請求しているわけです。そういうわけなんでしょう。河川局長、それでいいですか。
#17
○政府委員(古賀雷四郎君) そのとおりでございます。
#18
○田中一君 そうすると、昭和三年、四年、重ねてどうも区域の競合があったために、こういう決定をして――昭和三年閣議決定というものをもう一ぺんここで読みますけれども、渓流工事及び山腹の傾斜急峻にして造林の見込みない場合における工事は建設省、それから森林造成を主とする工事は農林省の主管とし、なお渓流工事といえども、右工事と同時に施行する必要ある場合においては、農林省の主管とする。詳細は実施に先立ち、実地につき両省において具体的に協定すること。こういうようになって今日まで砂防工事は進められてきているのですが、この協定を無視して、おのおのがおのおのの持ち分を出て、そうして仕事が競合しているという形がたくさんあるわけなんです。これは何かというと、結局予算要求の際のこまかい、建設省の場合には、いま河川局長が言っているように、こまかく何々河川のどの地点においてどれだけの規模の堰堤をつくるのだ、こういう要求をしているのです。これは具体的になって、そのとおりやればいい。ところが、林野庁のほうはそうじゃないのです。いわゆる山腹の傾斜急峻にして云々という、その山腹の土砂の流出、流出というか、落下をとめるための工事を行なう。だからこれは区域になるわけです。平面的に区域になるわけですね。それで要求しておいて、どの河川でどういう渓流の堰堤をつくるかということは、これは全然予算の面にはあらわれてないわけなんです。それは林野庁、そういうふうにぼくは理解しているのですが、その点はどうですか。もし具体的にやっているものなら、具体的に四十二年度の工事は、どの河川のどこの地点に対して堰堤をつくるのだ、山腹の工事をするならするのだというような内容が示されているかどうか、ひとつ説明してください。
#19
○説明員(手束羔一君) 砂防事業との事業協定につきましては、御説明のとおりでございます。その後、両省連携を密にいたしております。昭和三十五年にも、この閣議決定の細部につきましての両省事務連絡調整というようなこともいたしておりますし、人事交流等もはかっておりますし、計画上はきわめてスムーズな連絡がとれていると、私は確信いたしている次第でございます。
 予算要求の方法でございますが、先ほど申し上げましたように、山腹荒廃地何ヘクタール、これを腹旧するのに幾らかかる。これは、大まかに申しますればそういうことでございます。しかしながら、どうも先ほど申し上げましたように、普通の造林でございますと、一ヘクタール当たり幾ら、よって何ヘクタールだから幾らというようになるわけでございますけれども、治山事業につきましては、それに付帯する工事がございますから、その個所個所の工事によりまして、これは一ヘクタールと申しましても、単価はいろいろと違うわけでございます。それぞれ積み上げになるわけでございます。したがいまして、全体の予算が、今年はどこそこのどこそこに山腹工事を幾らやる。また谷どめ工事を幾らやるということを、ちゃんと計画があるわけでございまして、さような計画に対しまして予算要求いたしました結果きまった予算、その予算額を当初計画いたしました山腹で割れば、これは一ヘクタール当たり幾らというような形が出てまいるというだけでございまして、造林予算のように、一ヘクタールが幾らかかるから、荒廃地幾らについて幾らという機械的に作業したものではございません。内容といたしましては、建設省の砂防でやっていらっしゃることと規模は違います。規模は違いまするけれども、考え方としましては同じものでございます。
#20
○田中一君 わかりました。そうすると、具体的な工事個所というものをきめて、これには当初から山腹砂防工事に付随する、関連する渓流の堰堤をつくるのだということが積算されて、もし言えば、それが規模から言うと、一ヘクタール百五十万円という平均単価になるのだということなんですね。
#21
○説明員(手束羔一君) さようでございます。
#22
○田中一君 実は、建設大臣に伺いたいのですがね。ことしの四十二年度の砂防予算それからかっての治水五カ年計画の実施状況、こういうものから見合って、一体どういう形に現状なっておるのかということですね、五カ年計画の実施状況がですよ。一応四十二年度終わるわけですから、どうなっておりますか、現状というものは。進捗率といいましょうかね。
#23
○政府委員(古賀雷四郎君) 建設省の砂防事業につきましては、四十年から四十四年度までの五カ年計画におきまして千七百八十億を見込んであります。そこで四十年度二百六十八億二千五百万、四十一年度三百十六億三百万、四十二年度三百七十一億五千七百万を使う予定にいたしております。それで、ただいままでの進捗率は、全体で約九百五十五億をただいままで三カ年で事業費につぎ込んでおり、まして、千七百八十億に対して五四%程度の進捗率を示しております。
#24
○田中一君 大体私の調べたのと似ていますわね。大体その数字ですけれどもね、一体これで、建設大臣伺いますがね、来年四カ年目なんですが、来年また新五カ年計画を策定するつもりですか。ただね、こうして三カ年やって五四%しか完成する見込みでしかないわけなんです、進捗率としてはですね、これでは、できないですよ。相当四十三年度に大幅に、計画はありますけれども、実際の予算を計上しなければ、これは達成できないわけなんですよ。近ごろ、去年、ことし、ここ二、三年台風がなくて、部分的な災害はあるけれども、大災害がないために、どうも砂防事業に対するところの関心が弱まっているように思うのです。この調子でいけば、これは河川改修にいたしましても、砂防にいたしましても、これは完成できないですよ、この五カ年計画の総額というものは。八千五百億というこの総額が消化できないわけですよ。その点はどういう見込み立てていますか。
#25
○国務大臣(西村英一君) 千七百八十億、九百五十五億使って、残りが八百二十五億です。そうすると、ことしは三百七十一億ですからですね、これ予算はしり上がりですから、かりに四十三年四百、四十四年四百としても、もう達成できる。大体三カ年計画五〇数%でいけば、しり上がりですからね、大体五四、五%にいけば、大体五カ年で達成できるわけです、しり上がりになりますから。私はこれは千七百八十億は、いまの砂防の予防砂防に移るかどうかということは別でございまするが、少なくとも千七百八十億に対してはこれは十分まかなえる、あと二、三年でまかなえる、さように考えております。
#26
○田中一君 ほかの道路や何かと違ってですよ、災害がないと縮まってきているのがいままでの現状なんです。しかし、来年が四十三年、四十四年を一年、初年度とするところの新しい計画を現在立てようとしているかどうか、どうですか。
#27
○国務大臣(西村英一君) まだ正直なところ、いまそこまで詰めて考えていませんが、もう少しこの予算時期も接近しましたから、四十三年度の概算予算も接近いたしましたので、それを見まして考えたいと思います。まだ詰めておりません、そこまで。
#28
○田中一君 これはね、河川局長、あなたのところは去年もことしもあまり災害がないものだから、花形局にならないけれども、いまのうちにしなければならぬと思うのです、いまのうちに。それで林野庁のほうにも伺いたいのは、林野庁のほうの砂防事業は伸びはどんなぐあいになっていますか。
#29
○説明員(手束羔一君) 五カ年計画国。民有林合わせまして千六百七十億に対しまして、昭和四十二年度末は進度は五六。二%でございます。これは計画伸び率によりますと、毎年大体一一%程度のものでございますけれども、金額といたしましては、四十から四十一に対しまして一六%、四十一から四十二に対しまして一七%と、まあ大体当初計画いたしました率よりも伸びているわけでございますが、単価の上昇、災害の発生等がございまして、事業の関係から申しますると、必ずしも十分な進度とは申せない、かような状況でございます。
#30
○田中一君 建設省に聞きますがね、大体想定されている一河川、一支流といいますかね、一本の予防砂防、堰堤をつくろうというのが、この新五カ年計画発足のときに考えられたことなんです。大体一万本ぐらいやろうじゃないかというような想定をされておったと思うのです。進捗率はどうですか。これはもう大きな堰堤は別として、ダム等の上流の砂防施設ですね、これはどうなっていますか。たとえば先だって、つい二、三日前に、一昨日ゲートが決壊した、ゲートがこわれた和知ダムなんかは、その上流砂防はどういうぐあいになっていますか。
#31
○政府委員(古賀雷四郎君) 砂防事業につきましては、いろいろ種類がございまして、流路工それから堰堤その他ありますが、昨年は通常砂防事業としまして二千八百四十渓流について事業を実施いたしております。ダムの数等につきましては、これ四十年度、四十一年度それぞれございますので、後ほど資料を提出いたしたいと思いますが、ただいま御質問の和知ダムの上流につきましては、由良川の上流に大野ダムというダムがございまして、そのダムの下に和知ダムがございます。したがいまして、和知ダムそのものに対する渓流砂防的なことは、ただいま実施いたしておりません。
#32
○田中一君 じゃここでついでに伺っておきますが、和知ダムの調査済みましたか、和知ダムの現状わかっているなら、わかっておる範囲でひとつ御説明ください。
#33
○国務大臣(西村英一君) 実は非常に重大な事故を起こしまして、まことに申しわけないと思っておるわけでございます。
 去る二日の十一時ごろ、由良川水系で和知という関西電力の発電所がございます。これは多目的ではございませんで、関西電力が発電をするためダムをつくったのでございます。で、工事が完成しましたので、それぞれ会社から竣工検査の通知を受けまして、こちらは和歌山の土木所長を監査官に命じまして、同時にまた、電気事業の主官庁である通産省も監査官を命じまして、建設省と通産省もともに六月の二十六日に監査にかかったわけでございます、その途中のできごとでございます。実は現場ではまあ監査もやや終了いたしましたので、検終――まあかりによかろうという、これは現場でもやるのでありますが、本終了書は出していないのでありますが、そのときに二日の日に三号ゲートを少し一尺ほどあけておった。ところがだんだん流木、ごみが流れてくるので、水門が四つありますが、第三ゲートを一尺ほどあけて水を流しておる。しかし第四ゲートでごみを流す設備があるわけですから、まず第三ゲートをとめて第四ゲートのじんかいゲートを――ごみを流すゲートをあけようとした瞬間に、第三ゲートがもろに流れたのでございます。しかし第三ゲートと第四ゲートの関係は雇いのでございまして、ときたまたまちょうどそういう操作のときに流れたということでございます。不幸なことに、すぐ発電所現場といたしましては、それで下流に警告を発するために、自動車も相当数出しまして警告を発したのでございますが、やはり一人の方が犠牲になったのでございます。ただいまこの調査にかかろうとしておりますが、ゲートは百メーターほど下流にとまっておりまして、これを早く引き揚げなければほんとうのあれはできないのでございます。しかし警察のほうで現場、過失致死罪の刑法上の問題もありますので、しばらくの間現場を維持してもらいたいということでございまして、その現場維持をなるべく早くひとつといていただく、いま交渉中でございます、警察と。といてもらいまして、ゲートを引き揚げることができましたならば、どういうことが原因であるかということを詳細に調べたいと思っておるわけでございまして、ダムの工事は大阪所在の株式会社森本組、ゲートの製作者及び取りつけこれは日立造船株式会社がやったんで、しかし契約上どういうふうなことでどういうふうな取りつけをやろうということになっているのか、両者の関係があるのか、森本組と日立造船の間に。そういうことまだ詳細にわかっておりません。私の最も心配いたしますのは、それでなくても非常にダムのことについてはいろいろ問題もあるさなかに、こういうことで一つ人身の死傷者ができたということについて、非常に憂慮をいたしておる次第でございます。したがいまして、関西電力の幹部の方々も私のところに見えましたが、それとは別に、この事故原因につきましては徹底的に調査をしたい、かように考えておるんですが、さらに詳しいことは河川局長おりますから答弁をさせたい、以上でございます。
#34
○政府委員(古賀雷四郎君) ただいま大臣から事故の概略の報告がありましたので、私補足して簡単に申し上げます。
 和知ダムは高さが二十五メートル二十、長さ百四十四メートル、コンクリートの体積が二万四千二百立米のダムでございます。ゲートは高さ十二メートル、幅九メートルのものが三門、これは一号から三号までのゲートです。一号、二号、三号、四号と申しますのは、由良川の本川を下を向きまして、左から一号、二号、三号、四号になります。四号ゲートがいわゆる流芥ゲートと称しまして、先ほど大臣から申されたように、ごみを捨てるような穴がゲートの上部についておりまして、ごみを流すようになっております。そこで流芥ゲートは、高さ二メートル、幅四メートルの流芥ゲートづきゲートでございまして、それも合わせまし三局さ十二メートル幅九メートルの同じものでございます。それが一門ございます。それから有効貯水量は百二十八万六千トンでございまして、総貯水量は五百十二万トンでございます。その時点の計画洪水量は二千六百四十トンでございまして、毎秒二千六百四十トンで、下流の無害流量は約三百トン程度でございます。先ほど申されたように、事故が起こると同時に、直ちに関西電力は自動車を、警報車を派遣しまして相当数を退避せしめました。話に聞きますと、約五十名ほど退避したということになっておりますが、二名ほどが流されました、そのうち一名は助かった、一名は行方不明になってきのう死体があがったというようなお話でございます。
 河川法の処分の関係も簡単に申し上げます。昭和三十六年三月一日に関西電力より当時の河川管理者、これは二級河川でございます。当時の河川管理者京都府知事あてに、発電水利使用に関する流水占用及び工作物設置の許可申請が提出されております。そこで、京都府知事から大臣にあて認可申請がございまして、大臣が四十年の十二月十三日に大臣認可をいたしております。そのとおり認可をして四十年十二月十七日に京都府知事が関西電力あて、先ほどの申請の許可をいたしております。四十一年四月一日に一級河川となりましたので、河川管理者は建設大臣となっております。それから、なおその間におきまして、四十二年四月一日に河川管理事務の専決規程におきまして、ダムの竣工検査等につきましては地方建設局長に専決させることにしてあります。それから四十二年五月三十日に、関西電力が近畿地建局長あてダム竣工検査申請がございまして、先ほど大臣が申されましたように、六月二十六日に竣工検査を行なっておりまして、大臣のお話のとおりに、検査の結果、完成検査終了書というものを現場で交付しておりますが、合格書は地建局長が当然交付すべきものでございまして、合格書はまだ未交付でございます。同日に電気事業法に基づく現地検査を完了いたしております。これは大阪通産局の神吉検査官でございます。
 それから先ほどお話にありましたように、和知ダムの本体工事は、株式会社森本組と関西電力で契約をしておりまして、工期が四十一年二月十九日から四十二年九月三十日までになっております。それからゲート製作につきましては、四十一年八月九日にゲート製作、据えつけ工事を株式会社日立造船所と関西電力が契約をしております。工期は四十一年八月九日から四十二年の七月三十一日までになっております。なおゲートにつきましては、四十一年の十二月にゲート締着部の工場検査は完了されております。それから四十一年の二月から四月に扇体――あるいはテンターゲートと称しまして、広がっておりまして、この先に水門を、水圧を受ける部分がある、そういう扇体部分の戸あたりの仮組工場検査を完了いたしております。それから四十二年四月に扇体、捲揚機の現場据付検査完了を関西電力がやっております。それから六月二十五日に、現場で無荷重試験完了、荷重のない、水圧のかからないゲートの検査を完了しております。これは関西電力と日立造船の間で行なわれております。六月二十六日に、先ほど申し上げました近畿地建と大阪通産局の検査を完了しております。それから六月三十日に、ゲートの有荷重試験を続行中でございまして、ダム本体につきましては請負契約上の完成検査は未了になっております。それからダム本体及びゲートにつきましては、関西電力は請負業者より契約上の引き渡しを現在の段階では受けていないという状況でございます。
 以上簡単でございますが、補足して説明をいたしました。
#35
○田中一君 私は寡聞にして、ゲートがふっ飛んだということは初めて聞いたんですが、かつて矢別ダムがゲートが上がらぬためにその上部が決壊したことはあります。十何年前にあったけれども、そんなことがあるんでしょうかね。非常に今度の問題は小さいような問題だけれども、まあ溶接等が、そういうものはあり得るだろうと思うけれども、しかしそういうことはいままでないし、またみんな下流の人たちも、流域住民も安心しています。大体どのくらいの流量が、一つのあのゲートが飛んだために流れたんですか。
#36
○政府委員(古賀雷四郎君) ゲートは四門で、先ほど計画洪水量二千六百四十トンを流すようになっております。したがいまして洪水時は六百六十トンを一門で担当するということになっております。あの際に水位の関係から、瞬間流量としては約五百トンが想定されております。しかし、河道に入りますと河道は幅が広がったり狭くなっておりますので、その流量の貯流等が行なわれまして、河道は低減いたしておりまして、福知山におきまして実測いたしましたところ、大体二百トン程度の流量になっている。無害流量程度になっております。
#37
○田中一君 そうすると、何時間でその水はすっかりきれいになりましたか、何時間後に。ちょうどあの事件のときに、ぼくは嵐山にいまして、非常にたいへんな水が来たのです、雨の最中に、桂川で……。びっくりしたのですよ、何だろうと思ったのですよ。しかし、そんな大きな水が流れてきたわけじゃないからね、桂川では。何時間ぐらいかかったのですか、それがきれいになるには。
#38
○政府委員(古賀雷四郎君) 大体一時間半程度でなっております。精細につきましては、ちょっと間違いがあるかもしれませんので、後ほど御報告いたしたいと思います。
#39
○田中一君 そのほかの被害は……。まあ一人の方が犠牲になったという以外の被害はどうですか。
#40
○政府委員(古賀雷四郎君) ただいまのところ、現地から河川の被害その他の被害につきましては、たとえば堤外民地の冠水とか、そういった問題につきましては、報告を受けておりません。
#41
○田中一君 建設省の検査官ですね、これに対する行政上の責任というものは若干あるのですか。
#42
○国務大臣(西村英一君) まだそこまで実は原因がはっきりしません。検査官に対する責任問題はどうだとかいうことまで、まだちょっと考えられませんが、しかし、事柄が非常に重要ですから、いろいろ調べてみたい、かように思っておる次第でございます。
#43
○田中一君 この問題、ひとつ、ある時期に一応新聞にも出るでしょうけれども、正確に当委員会に報告をしてほしいと思うのです。不可抗力か、あるいはそうした人為的な欠陥があったのかですね。われわれ国民が考えるよりも、あなた方自身が非常に神経質になって、この問題の原因の究明は徹底的におやりになると思うのです。それをえてして、どうもあいまいな結論を出されたのじゃ困ると思うのです。そういうことのないようにひとつ十分に、これはいろいろ主面から検討しなきゃなりませんから時間がかかると思いますが、報告していただきたいと思います。
#44
○国務大臣(西村英一君) 十分調べましたら御報告申し上げるつもりでございます。
#45
○松永忠二君 関連。こういうことが新聞等に出ていたのですが、近畿地建の局長の話で、検査は設計どおりにできているかどうかということを見る程度であって、検査方法は考え直す必要があるかもしれぬということが出ている。で、河川法の施行規則の第九条というのに検査のことが出ておりますね。これを見ると、私たちしろうとでも別に構造とか、そういうものについて検査するわけじゃない。で、河川管理という立場から検査をするので、要するに設計そのものについても最後の検査のときのことについても、それほど構造的な面については明確になっていないわけですが、きょうの新聞あたりによると、河川局長の言の中にも、少しそうしたものについて方法の再検討が必要ではないかというような点に触れられて出ているので、この点についてちょっと局長の意見を聞きたいわけです。
#46
○政府委員(古賀雷四郎君) ダムの今回の事故は、主としてゲートに関する部分が多いわけでございます。ゲートにつきましては、まあ鋼材の安全率等につきましては四程度見ておりまして、かなりの安全度を持っております。それから設計の基準等につきましては、水門鉄管協会の水門鉄管技術基準によってやっておられまして、材料の安全率も四程度になっておるということになっております。それからダムについては、もちろんダムの設計基準がございまして、それでやるようになっておりますが、今回の事故にかんがみまして、契約者と施工者の間の検査関係をもう少し明らかにすべきじゃないか、たとえば材質の検査をどういうぐあいにやったとかいうようなこと、そういった問題の資料を見てゲートを検査すると、資料を提供さしてゲートを検査するというようなことが、その間になされておりませんので、業者と関西電力との契約の検査の関係と、完成検査におけるそういった資料の内容等につきまして、この完成検査を完全にするためには、どうしてもそういった資料の提出を願うということにしていかなければならないのじゃないかというふうに考えておりまして、これらの問題をなお精細にひとつ検討してまいりたいというふうに考えております。
#47
○松永忠二君 通産省の検査も行なわれるわけですが、通産省検査というのは、どういうふうな限度で行なわれるのですか。
#48
○国務大臣(西村英一君) これは電気事業法によって、通産省もやはりその発電所のみならず、ダムにつきましても、その全部についての一応の検査があるわけです。その上にさらに建設省としましては、やはりダムによっていま言ったとおり、そのような事故で一時に大きい水が流れると、やはり被害を起こすわけですから、ダムに関する限り二つ検査がかぶっておると私は思うのであります。通産省は、ダムは私は関係がないとこういうわけではなくて、ダムを含んでの発電所その他電気設備についての検査、建設省はさらにダムは発電用ではなくてやはり災害防除の点からと、ダムについては二つの官庁が検査をする、こういうふうなものであろうと、私は推察をいたしておるのでございます。
#49
○松永忠二君 こういうことも書かれてあるのですね、「完工してからでは、設計許可通りの材料が使われているかどうか、などはわからず、とかく形式的におわりがちだ」というふうにいま反省があるのですね。この完成のときに検査をする項目の中にも、具体的にそういうものは全然出ておらぬわけですからね。だからそういう点については、やはり完成の検査規則というふうなものについても、相当最後の段階において、その竣工検査にあたってなお充実する部面があるというふうに考えておられるのですか。
#50
○政府委員(古賀雷四郎君) 完成検査の内容の問題でございますけれども、これにつきましては、今回の事故にかんがみまして、検査の内容あるいは検査の内容をどういう形で具現するかは別としまして、たとえば業者と契約者の間で行なわれた検査のときに資料を提出してもらう、資料を作成してもらって、完成検査時に、そういう重要な部分に関する精細な報告を受ける、そういうものが必要じゃないかと思っております。したがいまして、完成検査の規則に、いわゆるダムが今後河川管理上非常に致命的に在るような点につきましては、具体的な資料の提出を願って、検査をしていきたいというふうに考えております。
#51
○松永忠二君 その点については、やはりなお検討してほしいという気持ちがするわけです。確かに河川法の立場から言えば、河川管理者という立場から、その操作の問題であるとか、あるいはこれが河川維持のためにどういうふうな影響があるとか、そういう面についての資料を提供しなければいかぬことは、項目をあげて書いてあるわけですね。したがって、こういう点について特に建設省が関心を持つということは、当然なことだと思うわけだけれども、しかし届け出の際、認可を与える際も、建設の関係の単なる設計の図を出させて、それによって認可をされているのが実情のようです。したがって、いまお話しのように、一体そのつくられたものが、構造的にどういうふう主力を持っているものなのか、またそういう検査を、実際さっきお話しのようにやられているようだけれども、その資料が具体的に提示をされて、その上に立って検査をされるというようなことは必要のように、私たちも思うのです。この点については、所管も何か通産省と建設省にまたがる両方の検査が必要だというようなことであります。こういう点についてもとかくあることですから、いずれがこういう問題についての責任を持つのか、こういう点についての点が明確になっていないような感じがするわけです。なお検討を要する問題だと思うのですが、この構造の問題についての管理の所在というのは、一体どこにあるのがほんとうなんですか。
#52
○政府委員(古賀雷四郎君) 当然電気事業者にあるべきだと思います。
#53
○松永忠二君 私が言っているのではなくて、そういうことを検査するという、そういう最終の場所というのはどこにあってしかるべきものなんですか。
#54
○政府委員(古賀雷四郎君) この河川管理者としての検査は、河川法に定められておりまして、それから電気事業法に基づく検査も、電気事業法で検査するようになっておるわけです。したがいまして、若干そのダムの検査についてオーバーラップした部分があります。しかしそれぞれの、このダムは電気事業が主として行なわれる専用のダムでございますので、そういった点で、両方から検査官を出して具体的に問題を検査していくというようなことになるかと思います。
#55
○松永忠二君 構造という問題についての監督といいますか、責任というのは、どこにあるのですか。
#56
○政府委員(古賀雷四郎君) 構造等につきましては、発注者から申請のときに、水門鉄管協会の水門鉄管技術基準でやられるのだが、ダムはダムの設計基準でやられるというようなことで申請が出てきておりますので、発注者が当然責任を負うべきものと考えます。
#57
○松永忠二君 そうしたものを検査をするところがあっていいわけですね。やはりそういう点についての管理の検査というものは、建設省の所管事項だというふうに私たちは思うのですが、しろうとなりに。こういう点はどうなんですか。
#58
○政府委員(古賀雷四郎君) 発注者としましては、先ほど申し上げましたように設計基準に基づいて物が完全にできたかどうかということを確認して、初めて物を受け取るわけでございまして、発注者もそのゲートが完全にできているということが前提になるわけです。そういう検査は、発注者として当然やられなくちゃならぬ、そういう段階を経ましてダムが全体的に完了したということで、完了の検査を建設省なり通産省が行なっておるわけでございます。
#59
○松永忠二君 そういう水圧に対する構造的主面を証明されたものとか、そういうふうなものについてのものを一応調査の段階で確認をして、そうしてなおかつその他の管理的な面についても異状がないか検査をして、それが検査の完了になると私たちは思うのですがね。したがって、やはり従来そういうことについていろいろな方法がとられたということについては、別にどうこうということを言っているのではないけれども、なおその完全を期するためには、やはりその検査の事項について、もう少し検査の事項を加えていくということについての所管の場所は、やはり建設省であるというふうに私たち考えるんですが、この点どうなんですか。
#60
○政府委員(古賀雷四郎君) 今回の事故にかんがみまして、われわれとしましては検査すべき事項を検討しまして、たとえばピンのところにおける材質のレントゲン写真とか、そういった問題を具体的に発注者に提出させる、そういったことも検査項目、それは一例でございます。まだほかにもあるかもしれませんが、そういったことも具体的に考えていったらどうかというふうに考えております。特に重要な部分についてだけそういった方法をとるような考えをいたしていきたいというふうに考えております。
#61
○田中一君 四十二年度の予算の中にある急傾斜地崩壊対策事業、これは補助事業ですけれども、これと砂防事業との関連はどういう見解を持っているのか。
#62
○政府委員(古賀雷四郎君) 急傾斜地と申しますのは、一般に河川の流域とは、もちろん大きくは関係ございますが、河川の流域からはずれてがけがございます。そのがけがくずれることによって、四号台風等による死傷者が非常に多かったわけでございます。それの対策のために、がけくずれの防止をはかりたいということで、急傾斜地を予算要求しまして、四十二年度に二億の事業費をもって行なう予定にしております。ただ、これにつきましては、全国的にたくさんございまして、これは宅地造成等規制法に基づくものは別といたしまして、従来からありました家屋、そういったものは非常に危険な状態にある。そういったことでこれらの対策を行なう予算でございます。
#63
○田中一君 林野庁に聞きますが、この急傾斜地崩壊対策事業、これはあなたのほうのやっている山腹砂防等にも、その地点が同じところにあるものがあるんじゃないかと思うんですが、その点はどうですか。
#64
○説明員(手束羔一君) 山腹等に関連いたしましても、当然危険なような集落、家屋等の存在はございますが、ただ建設省でお考えになっておりますのは、主として何と申しますか、比較的連続した山岳地帯というようなことじゃなくて、がけのようなもの、住宅等には、宅地規制法等には関連はないが、しかしやはり家屋ががけ等であぶないとかいうようなところについて、主として御注目なさっておられるように承っておるわけでございます。しかし、その境目等につきましては、やや所管等につきましていろいろ行政の上で一致するものもあろうかと思いますが、その点は十分研究して実施いたしたいと思っております。
#65
○田中一君 西村さん、どうも林野庁と建設省は砂防関係のものは競合するような印象を、私たち受けるのですよ。事実、山腹等山の中でもって相当こうした現象が起きている。ただ人畜に死傷がないもんだから、これは直接問題になりませんけれども、奥地のこうした崩壊地区というのは、相当あるのです。私なんかが知っている範囲でも、山へ行ってみますと、山が変わっている。おかしいな、ここに道があったのにないということがあるのです。だから、林野庁の主として砂防とか地すべりとか、そういうものに関連する仕事として、あっちがとるからこっちも予算とるんだといって、同じよらな仕事やっているという形は、これはやはり避けなきゃならぬと思うんです。建設省は、えてしてそういうことやるのです。たとえば厚生省は一つの例でもって厚生住宅というものを六十億程度とると、とんでもない、すぐにこっちでもって立法化して産業住宅をとるとか、同じような仕事を、事実林野庁でやっているんですよ。それだから、そういう面は林野庁でやってもらったらいいのですよ。何か競合するように仕事をやる。砂防にしても、よく私が悪口を言う伊勢のあれなんか、まるで百メーターか五十メーターぐらいそばに農林砂防と建設砂防がくっついているのです。同じ地点に同じものをつくる。これは昭和三年の閣議了解にあるように、もっと緊密に話し合いをすればいいと思う、行政という仕事の面については。現に地すべり対策事業というものがあるわけですね。これは崩壊と同じようなものですよ。もっともよってくる原因は違うかもしれませんけれども、現象は同じですよ。何か事があると、それにくる。ことに建設大臣は同じ富士山の大くずれ、あれを何百億でもいいから仕事をやってみようじゃないかという勇ましい非常に日本的な、良心的なというか何というか、ぼくはあまり賛成しませんが、発言をなさるけれども、あれ一体だれの所管ですか、地すべり対策――大くずれと言ったかな、富士山のあれはだれが担当しなければならぬ性質のものですか。
#66
○国務大臣(西村英一君) 政府が担当しなければならぬ仕事であります。
#67
○田中一君 御名答です。あの土地が、富士山がだれの所有です、そうすると。
#68
○国務大臣(西村英一君) まだ所管がはっきりわかっていません。いろいろ争いがあるところでございます。したがって、総体的に政府が責任を持つというわけであります。
#69
○田中一君 人畜に関係ない地点ですよ。これは国民感情としては、あいつをとめたらいいじゃないかということなんですけれども、直接人畜に関係がない。それよりももっと、そんな二百億も三百億もあるなら、もっと国民の苦しんでいる、国民のしあわせを考えて使ったほうがましだという気持ちもするわけです。これも国民感情の一つです。それで富士山には林野庁が担当する面がありますか。
#70
○説明員(手束羔一君) 現在中腹の国有林につきましては、実施いたしております。
#71
○田中一君 あの崩壊でもって国有林に相当の被害ありましたか。
#72
○説明員(手束羔一君) 国有林自体といたしましては、下部のほうにおきまして多少林縁が削られたという程度の被害はございまするけれども、たいしたものではございません。
#73
○田中一君 将来あれはどんどん崩壊が進むとすれば、相当の被害を感じますか。
#74
○説明員(手束羔一君) 被害と申しますのは、御質問の意味は、国有林が被害をこうむるかどうかという御質問でございますれば、林縁等が削られたり、それから上方からの土砂崩壊によりましてそれが林内にあふれますれば、これは森林が荒廃をする、こういうことになろうかと思いまするけれども、この際の被害と申しまするのは、やはりそういうことが下流に及んで、そして都市なり農村在りというところにどう被害を及ぼすかという観点とあわせて考えてまいるべきものであろうと、かように考えております。
#75
○田中一君 あの崩壊でもって国有林が少しぐらいくずれてもしようがありません――しょうがありませんと言っちゃ、ことばが過ぎるかもしれないけれども、まあそのくらいの気持ちのものです。大臣はあれに対して非常に情熱を傾けて対策を立てようと言っているけれども、一体どのくらいかかるというか、どのくらいかかって、どういう対策を立てようとしているのですか。
#76
○国務大臣(西村英一君) いまその大沢くずれによる被害につきまして、建設省は五カ年計画でずいぶん前からやってみたのですが、やはり農林省とも関係がありますのでうまくいかないので、昭和四十年に、五カ年でもってひとつ下流の被害を軽減しようじゃないかということで、現在建設省で五カ年に一億、農林省で六千万円、一億六千万円で農林省の部分、建設省の部分、それぞれ防災をやっているわけであります。しかし、やはりそれにもかかわらず下流のほうの被害もあまり改善されていない。かたがた大沢くずれそのものにつきましても、いままでそれぞれ研究はいたしておるけれども、あまり真剣に取り組んでいない。こういうわけで、はたしていまの五カ年計画の規模くらいで、この大沢くずれそのものでなしに、下流のほうの防災もできるのだろうかどうかということも、もう一ぺん再吟味したい。それには、まずやはりもとを正さなければならぬから、大沢くずれの防止いかん、人によってはそのことを火山の先生だとか地球物理の先生は、そんなのは地球が変わっていくような、宇宙が変わっていくようなものに手を出すというようなことは無謀だ、ほうっておけばいい、崩壊するのはそれもいいじゃないか、こう言う方々もあるのです。そういう方々は大体やはり千年とか一万年とかいうことを単位にして考える方々なんです。しかし、私たちは、大臣は一年しか寿命ありませんから、 (笑声)それに比べるとやはり五年や十年のことはやはり考えなければならぬから、大沢くずれも何とかして、これも全然防止するというわけにはいきませんけれども、何かひとつ方法は互いだろうかということで、私は実は建設省にそれぞれの気象関係、それから火山の関係の方々、地球物理の関係の方々、あるいは歴史の関係の方々、そういうような者を集めまして、上からひとつ大沢くずれそのものを攻めていって、方法がないならそれでよろしい。しかし、現実に農林省はやはり農林地帯の被害の防除をやろうとしている。その行為にいたしましてもいまのような規模ですと、六メーターや七メーターのダムをつくったって、下にどんどん石が流れていく。もう少し大規模にやれば、せっかくダムをやるのですから、それでもって上からの石を防ごう、それがなければ下までくるのですから、やはりいまやっている農林省の、あるいは建設省の砂防につきましても、もう少しやはり規模を大きくしてやったほうが、被害が少なくなるのじゃないか。このように考えまして始めたのでございますが、人によりましては、田中先生のようにそんなものはという方々もあります。また、富士山の形がよくなるのじゃないかと言う人もありますから、そういうことでとにかく取り組んでおりますが、どういうことになるかは、少し結果を見たい、また皆さん方の御指導も仰ぎたいと、かように考えております。
#77
○田中一君 最後に聞きたいのは、せんだってから大臣相当発言なさっているいわゆる貯水ダムですね。これはひとつこの本年度の四十二年度の予算でどこにどれだけの予算をもって幾つつくるかということを、ひとつ川の名前、地点の名前も入れて資料を出してください。わかっていれば説明を聞きますけれども。それから、それが今年度。それはこの五カ年計画に入っているものかどうか、またそれ以外のものでやるのか。その点の予算の立て方、それから範囲等もひとつ出してほしいと思うのです。もしわかっていて、数が少なければ、いまここで説明してくれてけっこうです。これは私は賛成なんですよ。その構想にはみんな賛成なんです。私は非常に賛成なんです。かねがねそういう政治家が、行政官が、大臣が生まれることを希望しておったのですが、あなたそれをやろうというので非常にいいことです。それで、今後五カ年計画に織り込んでやるのか、あるいは本年度試みにやってみようというのか、その点をひとつ規模を明らかにしてほしいと思います。
#78
○国務大臣(西村英一君) ことしは、まあ大蔵省と折衝をした結果ですが、十カ所ほどやろうと思っております。来年は相当な個所を、いまその個所は言えませんが、言いますと、大蔵省がまた先に……。私は個所も大体このくらいは要求したいということを持っておりますが、いまそれを言いますと、大蔵省が先に予算上で防戦しますからちょっと言いにくいのですが、とにかくやはり降った水をためておきたい。それがやはり治山でもあり治水でもあるという考え方に基づいてやりたいと思うのであります。したがいまして、来年の予算要求は、相当大規模にしたいと思っております。そのために、これも現在のまあ五カ年計画のワク内でということになりますが、この予算が大きくなれば、五カ年計画そのものもちょっと直していかなければならぬじゃないかという考えを待っております。いま一番考えておることは、いま言いましたような水をためておく設備をするということと。最近中小河川、ことに都内の中小河川が、にっちもさっちもいかない。これはばく大な金がかかるわけでございます。したがいまして、そういうものにどうして対処していこうかということが、河川として重要なことになっております。
 それからがけくずれの話が出ましたが、実はがけくずれは、これは非常に広範囲に考えると、果てしのないことになりますし、これをどういうふうな程度にとどめるか。現在のところ、これはやはり人家を、人命の尊重から人家を対象にしてきたのでございまして、たった一軒あるが、その上のがけを直してくれと言っても、なかなかそれは果てしのないことになります。しかし集団的にある部落がある、二、三十戸、四、五十戸ある。それでその上の山から一雨、集中豪雨がくると必ず流れる、必ず崩壊するというようなところを目あてにしたいと思っておりますが、これを果てしなく広げるということは、予算上もたいへんでございまするし、特定の方ばかりに、一軒の家がある、おれのところの裏山はどうも危険だからやってくれという、こういう場合に、そういう一軒、二軒というわけにはいかぬ。ある程度集団的なところについてのがけくずれは、十分直したいという気持ちでやっていくわけでございます。
#79
○田中一君 そうすると、十カ所はどこですか。それで予算は幾らですか。
#80
○政府委員(古賀雷四郎君) ダムの地点あるいは予算につきましては、後ほど資料で提出したいと思いますが、いま大臣が申されましたのは、中小河川の対策と利水の、渇水補給のダムでございまして、いわゆる治水ダムと称しておるやつでございまして、これは加治川等十カ所をただいま実施計画調査に着手しております。それから、そのほかに直轄の多目的ダムの建設工事等、あるいは補助ダムの建設工事等がございますので、これらにつきましては地点名それから予算、五カ年計画に入っているかどうかにつきまして、具体的に資料を提出さしていただきたいと思います。
#81
○田中一君 明年度三十カ所ぐらいという話ですけれども、何でしょう、もっとやったっていいでしょう。
#82
○国務大臣(西村英一君) 私の考えておるのは、そんな規模ではございません。もう少し大きいです。
#83
○田中一君 これは非常にいいことで、当然これは都市問題なんです、一つの。決してこれはただ単に山間僻地の、山の中の貯水じゃないのです。都市問題です。いま一番問題になっておる都市問題の一つなんです。非常にいいことをやると思って感心しているんですがね。これは大いに、これこそ大沢くずれよりも、こっちのほうに情熱を傾けてやってもらいたいと思います。
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#84
○相澤重明君 一つ資料要求したいと思うんですけれども、大臣が御出席だからひとつお調べになって、できたら資料を、これは河川の問題でありませんが、旧陸、海軍、いわゆる戦時中大都市においては強制疎開を行なったわけですね。その強制疎開を行なった中で建設省が持っておる道路予定地、これは建設省の所属もあると思うんです。しかし終戦直後、各省単独に処理できないものは、総理府でこれは所管をしておったのがあるんではないかと思う。いわゆる当時総理庁といいましたが、いまの総理府、そういうことで内閣直属がこの道路の用地を持っておるというのもあるのではないかと、これが全国でどのくらい現在残っておるのか。つまり建設省や総理府がそれぞれ持っておる道路予定地というのはどんなものであるか。それがおそらく、従来調べてみると、旧軍は買収をしても仮登記が多いわけですね。本登記になっていない。こういうもので、あとで土地収用法の問題もいろいろ市街地開発の問題に関係してくると思うのですが、その旧軍が強制疎開をさした道路敷地というものは、一体どのくらいあるのか。道路になっておれば、これはもう道路になっておるのですから、建設大臣か所管するなり都道府県知事が管理するなりされていく。そうでないこの道路予定地というものは、どのくらい国有財産があるのか、これをひとつお調べをいただきたい。私も具体的に二、三事例を持っておるわけです。これは、いずれあとでまた関係の法律のときに御質問したいと思いますが、一応お調べ願いたい。できれば資料を提出願いたい。
#85
○国務大臣(西村英一君) いまの御発言ですと、十分よくのみ込めませんが、いずれ土地の問題につきましての御質問材料がほしいわけでございましょうから、ひとつできるだけ調査をいたしまして提出したいと思います。
#86
○委員長(藤田進君) 本件についての質疑は、この程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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