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1967/03/22 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 決算委員会 第2号
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1967/03/22 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 決算委員会 第2号

#1
第055回国会 決算委員会 第2号
昭和四十二年三月二十二日(水曜日)
   午前十一時二十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     鬼木 勝利君     北條 雋八君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          鶴園 哲夫君
   理 事
                中村喜四郎君
                温水 三郎君
                大橋 和孝君
                二宮 文造君
   委 員
                木内 四郎君
                久保 勘一君
                黒木 利克君
                佐藤 芳男君
                柴田  栄君
                高橋文五郎君
                仲原 善一君
                小野  明君
                大森 創造君
                佐野 芳雄君
                柴谷  要君
                達田 龍彦君
                北條 雋八君
                石本  茂君
   政府委員
       警察庁刑事局長  内海  倫君
       法務省訟務局長  青木 義人君
       大蔵省国有財産
       局長       松永  勇君
       厚生政務次官   田川 誠一君
       厚生大臣官房長  梅本 純正君
       厚生大臣官房会
       計課長      高木  玄君
       厚生省医務局長  若松 栄一君
       厚生省社会局長  今村  譲君
       厚生省児童家庭
       局長       渥美 節夫君
       厚生省年金局長  伊部 英男君
       自治政務次官   伊東 隆治君
       自治省行政局長  長野 士郎君
        ─────
       会計検査官    白木 康進君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       厚生省医務局次
       長        戸沢 政方君
       通商産業省重工
       業局次長     赤澤 璋一君
       会計検査院事務
       総局第三局長   斉藤 信雄君
       会計検査院事務
       総局第五局長   佐藤 三郎君
   参考人
       医療金融公庫総
       裁        安田  巖君
       社会福祉事業振
       興会理事     甲賀 春一君
       社会福祉事業団
       理事       杉山 二郎君
       日本赤十字社衛
       生部長      北村  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和三十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和三
 十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十九年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十九
 年度政府関係機関決算書(第五十一回国会内閣
 提出)
○昭和三十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第五十一回国会内閣提出)
○昭和三十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第五十一回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 白木会計検査院検査官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。
#3
○検査官(白木康進君) 白木でございます。お許しを得まして一言ごあいさつを申し上げます。
 私、会計検査院の事務総長をしておりまして、昨年の九月に検査官に任命されまして、暮れの国会におきまして、御承認を賜わった者でございます。この御承認にこたえる意味におきましても、何とかこの重責を全うしたいと念願しておりますので、今後とも一そう御指導賜わりますようにお願い申し上げます。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(鶴園哲夫君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和三十九年度決算外二件(厚生省の部)の審査のため、本日の委員会に、年金福祉事業団及び社会福祉事業振興会の関係者の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(鶴園哲夫君) これより、昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、厚生省及び医療金融公庫の決算について審査を行ないます。
 まず、厚生省の決算について説明を聴取いたします。田川厚生政務次官。
#8
○政府委員(田川誠一君) 昭和三十九年度厚生省所管一般会計及び特別会計の決算の概要について御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳出決算額につきましては、当初予算額三千九百八十九億七千六百余万円でありましたが、その後、国民健康保険助成費、生活保護費、児童保護費等の不足に伴う補正予算額百三十二億三千二百余万円、総理府所管からの移しかえ増加額五億五千余万円、前年度繰り越し額二十三億三千四百余万円、予備費使用額二十四億四千五百余万円、計百八十五億六千三百余万円を増加し、予算現額は四千百七十五億三千九百余万円となりました。これに対しまして、支出済み歳出額は四千七十九億二千九百余万円、翌年度繰り越し額は三十三億九千百余万円、不用額は六十二億一千八百余万円で決算を結了いたしました。
 以上が一般会計決算の大要であります。
 次に、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。
 まず第一は、生活保護費関係に要した経費であります。生活保護法による保護の基準等につきましては、一般国民消費水準の向上に対応し、その内容改善をはかるため生活扶助基準について一三%の引き上げを行なったほか、教育扶助、出産扶助及び葬祭扶助の基準並びに基礎控除、新規就労控除等の勤労控除についても所要の改定を行なったものであります。このほか、保護施設職員の待遇改善を行ない、生活保護費としては、補正予算を加え、総額九百三十四億八千六百余万円を支出しております。
 第二は、社会福祉費関係に要した経費であります。
 まず、児童保護費でありますが、保育所及び収容施設職員の待遇改善をはかるとともに、職員の増加を行ない、あわせて飲食物費、日常諸費を増額し、新たに生活指導訓練費を支給することとし、重度の精神薄弱児、肢体不自由児については重度加算の制度を創設したのであります。
 また、新たに重症心身障害児施設整備費及び家庭児童相談室運営費並びに妊娠中毒症対策として医療費の補助を行なったのであります。
 以上児童保護費として、補正予算を加え二百十六億五千六百余万円の支出を行なっております。
 このほか、児童扶養手当の支給に要した経費として二十五億七万七百余万円の支出を行ない、また、重度精神薄弱児対策の一環として重度の精神薄弱児を養育する世帯に対し、新たに扶養手当を支給する制度を創設し、五千五百余万円の支出を行なっており、また、母子福祉対策の一環としては、母子福祉貸し付け金として五万五千余人に対し十九億七千四百余万円の貸し付けを行ないました。
 次に、保護施設、児童福祉施設等各種社会福祉施設の整備に対して二十四億百余万円の補助を行なったのであります。
 また、老人福祉費については、収容施設の飲食物費、日常諸費を増額したほか、収容施設職員の処遇改善をはかり、さらに老人健康診断の受診人員の増加をはかる等により、補正予算を加え、総額五十四億三百余万円の支出を行なっております。
 なお、このほか、身体障害者及び精神薄弱者の保護更生につきましても、前年度に引き続き増額を行ないましたほか、低所得階層対策の一環として、その自立更生につきましては、世帯更生資金として三万二千余人に対し、二十五億九千七百余万円の貸し付けを行ないました。
 第三は、社会保険費関係に要した経費であります。
 国民健康保険につきましては、新たに世帯員に対する給付率を昭和三十九年度を初年度とする四カ年計画により、七割に引き上げることとし、その引き上げた部分について所要の国庫補助を行なったほか、医療費の緊急是正により増加する保険料(税)相当額について全額国庫補助を行ない、給付内容の改善、被保険者負担の軽減をはかりました。
 また、僻地における被保険者の受診の機会を高めるため、往診料に特別の額を加算することとし、これについて所要の国庫補助を行ない、僻地被保険者に対する給付が円滑に行なわれるようにつとめました。
 以上、国民健康保険の助成に要した経費として、補正予算を加え、九百二十九億一千二百余万円の支出を行なっております。
 第四は、国民年金費関係に要した経費であります。
 まず、拠出制国民年金については、国庫負担金として百三十三億余万円を支出しており、また、福祉年金につきましては、新たに障害の範囲を結核性疾患及び精神障害にまで拡大し、公的年金併給の限度額を引き上げるとともに、扶養義務者の所得制限緩和の改善を行ない、福祉年金給付費として三百八十三億五千四百余万円を支出し、国民年金国庫負担金としては、総額五百八十五億一千余万円を国民年金特別会計に支出したところであります。
 第五は、保険衛生対策費関係に要した経費であります。
 結核及び精神衛生対策につきましては、命令入所及び措置入院についての対策を前年度に引き続き強力に実施いたしました。結核対策費として補正予算を加え二百六十七億四千九百余万円の支出を行ない、精神衛生対策費につきましても、補正予算を加え、百三十四億七千八百余万円の支出を行なっております。
 このほか、保健衛生諸費として六十六億八千百余万円、原爆障害対策費として十四億二千七百余万円、らい予防対策費として一億七千余万円の支出を行なっております。
 なお、日比WHO共同研究によるエルトールコレラ防疫対策費として、科学技術庁より一千三百余万円の移しかえを受け支出し、フィリピンにおけるエルトールコレラの調査研究を実施いたしました。
 第六は、恩給関係費のうちの遺族及び留守家族等援護費に要した経費であります。
 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護費のうち、遺族年金及び障害年金につきましては、新しい施策として旧軍人軍属に対する公務傷病範囲の拡大、再婚解消妻等に対する遺族範囲の拡大及び立証困難な者にかかる遺族一時金の支給等の改善を行ない、前年度からの繰り越し額及び予備費使用額を加え百一億二千二百余万円の支出を行なったのであります。
 次に、留守家族等援護費につきましては、留守家族手当、葬祭料等二千九百余万円、未帰還者特別措置費として五千三百余万円、戦傷病者特別援護費として療養費、補装具給付費等六億八千余万円などの支出を行ない、遺族及び留守家族等援護費として総額百八億八千四百余万円の支出を行なっております。
 第七は、公共事業費関係のうち、環境衛生対策費に要した経費であります。
 明るい生活環境を実現するため特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、昭和三十八年度を初年度とする緊急整備五カ年計画を樹立いたしまして、これに基づいて下水道終末処理施設百四カ所、し尿処理施設三百七十七カ所、ごみ処理施設三十三カ所、簡易水道施設五百三十七カ所をそれぞれ補助いたしました。
 これらの経費に環境衛生施設災害復旧費を加え、九十二億一千四百余万円の支出を行なっております。
 以上、厚生宅所管に属する昭和三十九年度一般会計の決算の概要を御説明申し上げましたが、次に特別会計の決算の大要について申し上げます。
 まず、第一は、厚生保険特別会計の決算であります。
 厚生保険特別会計につきましては、一般会計より百四十六億七千九百余万円を繰り入れました。
 まず、健康勘定の決算額について申し上げますと、収納済み歳入額一千九百九十八億七千九百余万円、支出済み歳出額二千百八億八百余万円でありまして、差し引き百九億二千九百余万円の不足を生じたので、これをこの会計の積み立て金から補足することとして、決算を結了いたしました。
 昭和四十年三月末の事業所数は五十一万一千余カ所、年度平均被保険者数は一千百三十二万余人に達しております。
 次に、日雇い健康勘定でありますが、その決算額は、収納済み歳入額二百二億八千七百余万円、支出済み歳出額二百二億六千九百余万円でありまして、差し引き一千八百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 なお、年度平均被保険者数は九十万六千余人であります。
 次に、年金勘定でありますが、その決算額は、収納済み歳入額二千二百八十七億七千五百余万円、支出済み歳出額百九十六億七千四百余万円でありまして、差し引き二千九十一億余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 最後は、業務勘定でありますが、その決算額は、収納済み歳入額百十六億四千二百余万円、支出済み歳出額百八億七万四百余万円、翌年度繰り越し額四億六千三百余万円でありまして、差し引き剰余額は三億四百余万円であります。
 第二は、国民年金特別会計の決算であります。
 国民年金特別会計につきましては、一般会計より五百八十五億一千余万円を繰り入れました。
 まず、国民年金勘定の決算額について申し上げますと、収納済み歳入額四百四十四億四千三百余万円、支出済み歳出額十三億三千二百余万円でありまして、差し引き四百三十一億一千余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 昭和四十年三月末までに適用届けのあった被保険者数は二千十八万余人で、そのうち、保険料の免除該当者は二百二十一万六千余人であります。
 次に、福祉年金勘定でありますが、その決算額は、収納済み歳入額四百五十九億一千余万円、支出済み歳出額四百四億二千六百余万円、翌年度繰り越し額二十九億四千二百余万円でありまして、差し引き剰余金は二十五億四千百余万円であります。
 昭和三十九年度において、延べ八百七十余万人に対し福祉年金給付費の支払いを行なっております。
 最後に、業務勘定でありますが、その決算額は、収納済み歳入額二百九十七億二千八百余万円、支出済み歳出額二百九十六億四千三百余万円でありまして、差し引き剰余金は八千四百余万円であります。
 第三は、船員保険特別会計の決算であります。
 船員保険特別会計につきましては、一般会計より七億八千九百余万円を繰り入れました。
 その決算額は、収納済み歳入額百六十九億二千七百余万円、支出済み歳出額百二十七億九千百余万円翌年度繰り越し額、一千二百余万円でありまして、差し引き四十一億二千三百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 本年度の事業概況を申し上げますと、年度平均の被保険者数は普通保険で二十四万六千余人、保険給付につきましては、疾病保険で九十四億二千余万円であります。
 第四は、国立病院特別会計の決算であります。
 国立病院特別会計につきましては、一般会計より三十一億五千四百余万円を繰り入れました。
 その決算額は、収納済み歳入額二百八十二億二一千七百余万円、支出済み歳出額二百七十一億二千五百余万円、翌年度繰り越し額九億三千七百余万円でありまして、差し引き一億六千四百余万円の剰余を生じ、これをこの会計の積み立て金に積み立て、決算を結了いたしました。
 本年度の事業概況を申し上げますと、入院患者数は一日平均二万五千余人、外来患者数は一日平均二万九千余人であります。
 第五は、あへん特別会計の決算であります。あへん特別会計の決算額は、収納済み歳入額六億三千四百余万円、支出済み歳出額二億九千百余万円でありまして、差し引き三億四千二百余万円の剰余を生じ、剰余金は、この会計の翌年度の歳入に繰り入れました。
 本年度における業務実績は、あへんの購入六十トン、売却五十六トンであります。
 以上が厚生省所管に属する昭和三十九年度一般会計及び特別会計の歳入歳出決算の概要であります。
 最後に、本決算につきまして、会計検査院から指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
 今回指摘を受けましたのは、一般会計におきましては、補助事業の建設計画が当を得ないため補助の目的を達していないもの一件、補助事業の工事の計画が適切を欠いたため不経済となっているもの一件、補助金等の経理当を得ないもの十三件、特別会計におきましては、健康保険、厚生年金保険及び船員保険の保険料の徴収不足の是正に関するもの並びに健康保険保険給付の適正を欠いたものであります。
 補助金関係のうち、工事計画が当を得ないもの及び工事の施行不良なもの並びに工事の出来高不足につきましては、補助の目的に沿うよう必要な措置を行ない、国庫補助金等を除外すべきものについては、すでに国庫補助金相当額の返還を命じその手続中でありますが、今後は、さらに一そう指導監督の徹底をはかり、経理の適正を期する所存であります。
 次に、保険料の徴収不足につきましては、かねてから、鋭意その解消に努力を重ねてきたところでありますが、前年度に引き続き指摘を受けましたことは、まことに遺憾とするところであります。
 今後は、さらに適用事業主及び船舶所有者に対し、指導、啓蒙を積極的に行なうとともに、調査の徹底をはかり、事務取り扱いについても、なお一そう慎重に検討を行ない、適正な保険料徴収に努力いたす所存であります。
 また、保険給付の適正を欠いたものにつきましては、今後特に適用事業主及び、船舶所有者の証明の適否の確認を強化するとともに、被保険者等に対して制度の趣旨はもちろん、関係法令についても十分な指導を行なうとともに極力実地調査を行ない、給付の適正を期する所存であります。
 以上をもちまして、厚生省所管に属する一般会計及び特別会計の決算の御説明を終わりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#9
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。斉藤第三局長。
#10
○説明員(斉藤信雄君) 昭和三十九年度決算、厚生省所管についての検査の概要を御説明申し上げます。
 昭和三十九年度決算検査報告に不当事項として掲記いたしましたものは、健康保険、厚生年金保険、船員保険の保険料の徴収及び保険給付の問題並びに地方公共団体等が事業主体となって施行いたしました補助事業などにかかる問題でございます。以下、これにつきまして順を追って説明いたします。
 一九一号は、健康保険及び厚生年金保険、一九二号は、船員保険の保険料の徴収に関するもので、いずれも保険料算定の基礎となる被保険者の報酬の把握が的確に行なわれなかったため、保険料の徴収が不足していたものでございます。
 一九三号は、健康保険事業における保険給付に関するものでございまして、事業所から報酬を受けている者に対して傷病手当金を給付していたものなどであります。
 一九四号から二〇六号まで十三件は、補助事業にかかるものでございますが、一九四号は、社会福祉法人日本ベル福祉協会で、ろうあ者の更生援護事業等を行なうために設置する日本ベル福祉会館に関するものでありまして、同会館の建設につきましては、三十八年度末に竣工したものとして国庫補助金が交付されているものでありますが、三十八年度末現在においては基礎工事が完了している程度に過ぎないばかりでなく、四十年八月に至ってもなお一部未完成であり、施設整備が著しくおくれ施設の効用を発揮することができず、補助の目的を達していないと認められたものでございます。
 次に、一九五号は、工事の計画が適切でなかったため不経済となっておると認められたものでありまして、し尿消化槽の災害復旧にあたりまして、被災消化槽を解体の上再建する工法をとっても何ら支障はなく、かつ経済的であるのに、特殊な防水剤を用いるなどして既設のものを被覆する工法をとったため不経済な結果を来たしておると認められたものでございます。
 また、一九六号から二〇六号までは、公共団体が国の補助を受けて施行いたしました簡易水道事業、国立公園等整備事業及び地方改善施設整備事業におきまして、工事の施行が不良なため補助の目的を達していないもの、事業の実施にあたって調査が十分でなかったため積算が過大となっておるものなどでございます。
 二〇七号及び二〇八号につきましては、児童福祉法に基づきまして、地方公共団体が要保護児童及び要保育児童を児童保護施設に入所させた場合、国がその費用の一部を負担することになっておりますが、算定誤りなどのため国庫負担金が超過交付となっておると認められたものでございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
#11
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、医療金融公庫の決算について説明を聴取いたします。安田医療金融公庫総裁。
#12
○参考人(安田巖君) 医療金融公庫の昭和三十九年度の業務概況について御説明申し上げます。
 昭和三十九年度の貸し付け計画額は、当初貸し付け契約額を百四十五億円、貸し付け資金交付額を百三十五億円(うち十億円は前年度貸し付け契約し、交付未済となったもの)を予定し、その原資として、政府出資金二十九億円、資金運用部借り入れ金八十五億円及び貸し付け回収金等二十一億円、計百三十五億円を充てることといたしました。なお、貸し付け契約額百四十五億円と当該年度中に貸し付け契約をし、資金交付することとして予定した額百二十五億円との差額二十億円は貸し付け受け入れ金として受け入れるものであります。
 この計画額に対する実績は、貸し付け契約額で百四十五億三百万円、貸し付け資金交付額で百三十五億円でありまして、これを前年度と比較いたしますと、貸し付け契約額で二〇・八%、貸し付け資金交付額で二二・七%の増となりました。貸し付け契約額の内訳は、設備資金百四十二億百万円、長期運転資金三億二百万円であり、また貸し付け資金交付額の内訳は、設備資金百三十一億九千八百万円、長期運転資金三億二百万円であります。
 貸し付け残高は、前年度末二百七十九億四千二百万円でありましたが、三十九年度中に百四十五億三百万円の貸し付けを行ない、三十億四千五百万円を回収いたしましたので、当期末においては、三百九十四億円となっております。
 次に、決算状況について申し上げます。
 昭和三十九年度の損益計算上の総収益は二十三億一千二百二十七万四千円、総損失は二十億三千五百三十一万五千円でございまして、差し引き二億七千七百五万九千円の償却前利益を生じましたが、大蔵大臣の定めるところにより、固定資産減価償却引き当て金へ二百二十四万円を、滞貨償却引き当て金へ二億七千四百八十一万九千円を操り入れましたので、結局、国庫に納付すべき利益金は生じなかったのでございます。
 以上で昭和三十九年度の業務の概況につきましての御説明を終わります。
#13
○委員長(鶴園哲夫君) 次に、会計検査院当局から検査報告を聴取いたします。佐藤第五局長。
#14
○説明員(佐藤三郎君) 医療金融公庫の昭和三十九年度の決算検査につきましては、書面検査を行ないますとともに、四十年の六月から七月にかけまして、会計実地検査を施行いたしました。その結果、特に検査報告に不当事項として掲げる事項はございませんでした。
#15
○委員長(鶴園哲夫君) 午前中の審査はこの程度にとどめます。午後一時半まで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十二分開会
#16
○委員長(鶴園哲夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、鬼木勝利君が委員を辞任され、その補欠として北條雋八君が選任されました。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(鶴園哲夫君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和三十九年度決算外二件(厚生省の部)の審査のため、日本赤十字社の関係者の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選等は、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(鶴園哲夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#20
○委員長(鶴園哲夫君) 休憩前に引き続き、昭和三十九年度決算外二件を議題といたし、厚生省及び医療金融公庫の決算について審査を行ないます。
 これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#21
○達田龍彦君 私は、この問題を決算委員会で取り上げることについてたいへん残念に思いますけれども、しかし、問題が日本赤十字社に関する非常に国際的な問題でもあり、しかも、日赤という崇高な国民のイメージを汚してはならないという意味でもたいへん重要な、しかも意義のある問題であろうと考えますので、この際ここで問題を指摘をいたしまして、そうしておのおのの立場から問題を解明をしていきたいと考えておるわけでありまして、関係の方々の、この際明確な見解なり態度を明らかにしていただきたいと考えておるのであります。
 それで、すでに皆さんもこの問題については御承知だと思うんでありますが、新聞あるいはラジオ、報道機関等で一部取り上げられているのでありまして、事件の内容というのは、長崎県の日赤五島病院の解散に伴って起こった問題であるのであります。三十九年の九月三十日に日赤五島病院が公立五島病院に合併する際に、解散を行なっておるのでありますけれども、その際、約五千五百万円の余剰金が出てまいりました。その配分について、今回、長崎県議会をはじめ各方面で問題が提起をされまして、表面に出てまいったのであります。問題なのは、この五千五百万円の剰余金を五島公立病院に日赤が譲渡いたしておるのでありますけれども、その際――御承知のとおり、いま日赤の県支部長というのは、大体、県知事ないしは副知事その他県庁のお役人の方々がやっておられるのでありまして、長崎県の場合につきましても長崎県知事が支部長でございまして、この五千五百万円の剰余金の中から、約六百万円の金について、知事以下副知事あるいは衛生部長、民生労働部長あるいは病院の事務長等が、慰労金という意味合いでもってこれを分配したという措置が出てまいったのであります。したがいまして、その問題が今回長崎県の県議会あるいは地方の市議会においても、たいへん大きな問題として取り上げられまして、今日では支部長以下の役職員の辞任を迫る状況が各地区に出てまいっている状況にございまして、しかも、地区長やあるいは評議員あるいは日赤の社員の中からも、社員を辞任をするというような状態が今日出てまいっているのであります。また、新聞の伝えているところによりますと、長崎の血液センターの所長も、この十日に知事あてに、辞任をするという申し出が出ている状況にありまして、決議機関でありますところの評議員会等でも、たいへん問題が提起をされて、将来の日赤運営についてどうしていくかということが、大きな問題として今日提起をされている状況にあるのであります。
 御承知のとおり、日赤はちょうどことしが九十周年に当たるそうでありまして、長崎県でも、あるいは全国的にも、五月一日から月末までにかけて、社員増強運動というものを実施中でありますし、日赤が今日新たな事業として取り上げておりますところの売血から献血へという献血運動についても、たいへんな影響が今日出てまいりまして、現状の維持あるいは将来に対する日赤の崇高なイメージに対する暗影というものが投げかけられておりまして、全国から、私に対しましても、この問題については、日赤の将来の発展のためと、日赤のあるべき姿として、この際全国的な問題として、あるいは国際的な立場として、明確にすべきだという御意見もたくさん私のほうに寄せられている状況にありまして、こういう背景の中で、金額は小さいのでありますけれども、その内容の本質というものはきわめて大きな内容を含んでいるがゆえに、私はあえてこの問題を取り上げ、日本の、特に日赤という特殊法人の医療行政のあり方、あるいは余剰金の将来のあり方等について、この際政府並びに関係者の立場と御意見を明確にしていきたい、こう考えているのであります。
 そこで、まず私が厚生省にお尋ねを申し上げたいのは、この三十九年の十月の余剰金の配分問題について、厚生省は一体この問題を承知しておったのかどうか。承知したとするならば、いつそれを知ったか。しかも、内容について具体的に御説明を願いたいと思うのであります。もし厚生省でわからなければ、日赤のほうから関係者がお見えのようでありますから、あわせてお尋ねをしてみたいと思っております。
#22
○政府委員(田川誠一君) ただいま御指摘の配分について、厚生省で事前に知っておったかどうかということでございますが、これについて、厚生省は事前に承知をしておりませんでした。具体的なことにつきましては、局長から答弁させます。
#23
○政府委員(今村譲君) ただいま政務次官からお話がありましたように、全然知りませんで、たしか四、五日前だったと思いますけれども、県のほうの話、それから国会でもいろいろ取り上げられるというようなことがあって、さあたいへんということで日赤にいろいろ問い合わせをし、県の民生部長、衛生部長に問い合わせをして初めて全貌がわかったという、こういうふうな状況でございます。
#24
○達田龍彦君 日赤来ておりませんか。
#25
○委員長(鶴園哲夫君) 日赤、北村さん、見えておりますか、日本赤十字社北村衛生部長。
#26
○参考人(北村勇君) この問題は、実は財産を引き渡す時点においては、経費として、未払い金として決算いたしまして引き渡してございます。
#27
○達田龍彦君 そこでこの経費として、未払い金として処理されたというのでありますけれども、解散時には、日赤の本社、それから県支部、それから地区というのですか、地区長が入りまして三者協議をして、公立五島病院に財産を譲渡するという協議がなされておるのであります。そこで、その協議のときの、支部から本社に対して、公立病院に、正確な数字が必要でございますけれども、余剰財産の譲渡を幾らということで報告をされたのか、それは、事前に報告をされたのか、それとも事後に報告をされたのか、その点。
 それからさらに、日赤としてはその事実の上に立って承認をしたのかどうか、お尋ねをしておきたいと思います。
#28
○参考人(北村勇君) 合併時における資産は、正味財産でございますが、五千五百九十一万三千三百七円ということになっておるわけであります。
#29
○達田龍彦君 質問は三点になっておるのだが、きちんと質問に答えてもらいたい。
#30
○参考人(北村勇君) おそれ入りますが、もう一ぺんひとつ御質問の要点をお願いいたします。
#31
○達田龍彦君 正確にひとつお答えをいただきたいのですが、この数字はこれでわかりました。それで、これは県支部とそれから地区と日赤で協議をしてきめられておるのでありますが、この五千五百九十一万円に対して、いつの時点で、何月何日にこれを承認したのか。これは事前承認か、事後承認か、その点をお伺いをいたしたい、支部からの報告に基づいて。
#32
○参考人(北村勇君) 三十九年の九月三十一日の状態で清算の上引き渡したのであります。
#33
○達田龍彦君 それではこれは正味財産ですから、このうちにいま問題になっております約六百万、これはとらえようによって七百万という人もあれば三百万という人もあるわけですけれども、職員の退職慰労金等も含めて約六百五万という金が、支部長の権限でもって、知事が二十五万円、副知事二十万円という形で配分をされておるわけでありますけれども、この配分については、本社としては承認をしておったのかどうか。事前か事後か。しかも、それは承認されたのかどうか、この点についてお伺いをいたしたい。
#34
○参考人(北村勇君) ただいまの質問にお答え申し上げます。その財産を引き継いだ時点のことは承認してございますが、その分けたということは、こちらの本社のほうでは全然承知しておりません。
#35
○達田龍彦君 そこでもう一点さらにお聞きをいたしておきますけれども、まあ日赤の会計というのは、一般会計と特別会計に分かれておるようでありまして、企業会計が特別会計になっておるようでありまして、その場合に財産の処分、それから予算の執行あるいは金銭の移動あるいは法律行為、こういうものに対するどの範囲の支部長に対する権限を認めておるのか。たとえば、三百万円以上の不動産の処分については、本社の事前の承認を得るとか、あるいは予算の百万円以上の支出についてはどうだとか、それ以外については支部長の権限という、こういう財産処分上あるいは予算執行上の権限が明確に機関別に委譲されておると思うんでありますけれども、具体的におのおのの問題をとらえて御説明いただきたいと思います。
#36
○参考人(北村勇君) ただいまの御質問にお答えいたします。特別会計の予算は支部限りでございます。不動産は全部理事会または常任理事会の承認を経ることになってございます。
#37
○達田龍彦君 だから支部限りですから、幾らであっても特別会計の分については支部長の権限で処分できる、あるいは執行できる、こういうふうに理解していいんですか。
#38
○参考人(北村勇君) 御質問にお答えいたします。全部支部長限りでかってにやっていいということではございません。予算に盛っておる内容によって、予算に盛られておることによってそれが統制されるわけでございます。
#39
○達田龍彦君 では具体的に聞きますが、今回約六百万円の金が支部長の権限でもって処分をされておるということは知らなかったと、しかも承認をされてないということであれば、処分したことについて、支部長としての権限でできるのかできないのか、その点についてお答え願います。
#40
○参考人(北村勇君) 支部長限りでできます。
#41
○達田龍彦君 そこで支部長限りでできる範囲というのは、金額の幅あるいは財産の多い少ないではなくて、特別会計全体の処理は支部長でできると理解していいのかどうか。
#42
○参考人(北村勇君) 全体のことというとどういうことでございますでしょうか。
#43
○達田龍彦君 特別会計に所属する問題については、一般会計の場合については、これは社員の募金あるいはその他によってまかなわれているわけでありますから、いうなれば日赤の基金と考えられる金であります。これはまあ厚生省その他が監査、監督をしていると思うのでありますけれども、その医療機関から出てくる特別会計のこういう収支について、一切支部長の権限で処分できるのかどうか、あるいは一つのワクがあって、その範囲内なら許されておるのかどうか。そのワクがあるとすれば、どういう具体的に基準があるのか、御説明いただきたい。
#44
○参考人(北村勇君) この金は経常収支として、医療外支出とか、人件費とか雑費とか、そういうものに分れておりますが、これは経常収支として処理し得るものでございます。
#45
○達田龍彦君 聞いてることにまともに答えていただかないと長引くだけでありまして、非常に時間の浪費であります。私が聞いているのは、特別会計に関する支出あるいは法律行為について、一体支部長にまかしてあるというなら基準があるのかないのか、あるとすればどういう基準の規制があるのか、具体的に説明をいただきたいというのであります。
#46
○参考人(北村勇君) はなはだおそれ入りますが、事務的にこまかい点でございますので、私のほうの医務課長の黒坂という者にお答えさしていただきたいと思います。
#47
○達田龍彦君 こまかいことじゃなくて、予算執行上の本社の立場として一つの方針がなきゃならぬのですよ。そういう意味ではこまかな問題じゃありません。じゃずばりそのものを聞きますけれども、今回の剰余金のうちの六百万円の支出は、支部長独自で、支部長の権限範囲でできるのかどうか、本社としては全然関係がないのかどうか、その点についてお答えいただきたい。
#48
○参考人(北村勇君) 支部限りでできるのでございます。
#49
○達田龍彦君 そうしますと、正味財産の五千五百九十一万円についても、支部長の判断によって処置ができると理解していいのかどうか。
#50
○参考人(北村勇君) 五千五百幾らという中には、土地建物の不動産が入っております。これは全部社長の承認のもとに、理事会、常任理事会の承認を要するということになります。
#51
○達田龍彦君 であるから、財産の処分の中における不動産だとか、あるいは金銭の場合、あるいは法律行為の場合における一つのそういう理事会にかけるとか、あるいは本社の承認を必要とする基準があるはずだと言ってるんであります。だからそういう点について、もう少し具体的に説明をいただきたいというのであります。
#52
○参考人(北村勇君) たいへんどうもおそれ入ります。営繕関係、たとえば建物を建てるというようなもの、それは二百五十万以上の場合には、全部本社の承認を要することになっております。それから重要な契約についても、社長の承認を要することになっております。
#53
○達田龍彦君 では、今回の、まあ総額については承認を必要とするけれども、六百万円の範囲における配分処置については、支部長の専決でできると、こういうふうに理解をしていいわけですね。――わかりました。
 そこで基本的な問題に……、これは厚生省にも、あるいは日赤本社にも明確にしていただきたいと思っておるのでありますけれども、私は本来日赤の基本的な精神は、御承知のとおり博愛あるいは奉仕、こういう精神で一貫して貫かれておるのでありまして、しかもその運営というものは、篤志家の協力の上に、しかも理解の上に成り立っておるのである。募金運動もその一つの例でありますし、あるいは社員を求めるというのもその例であるのであります。しかも、日赤連動は、御承知のとおり、大きな事業を三つ行なっておりますけれども、救済事業というのが本来大きな役割りであるのでありまして、その意味においても、医療機関の中であげたそういう収益について、これを私は、本来のあり方としては、これは日赤の基金の中に入れて、そうして日赤本来の奉仕の精神あるいは救済の精神にのっとった活動、役割りというものを果たしていってこそ、本来の姿ではないかと思うのであります。そういう意味で、今日の医療機関における剰余金の問題を、各支部長にある意味ではまかしてこれを処分するという結果、こういう問題が、不祥事ができておるのでありますけれども、本来のものの考え方として、これは剰余金を基金に入れる、あるいは日赤活動をより発展をさせるために、より充実させるために使っていくというのが、本来のあり方であると思うけれども、一体日赤本社はどう考えるのか、あるいは厚生省はそういう考え方を持っておるのかどうか、お伺いをしたいのであります。
#54
○参考人(北村勇君) 今回の件の経緯を簡単に御説明申し上げます。
 五島赤十字病院の合併時における職員に対する退職慰労金並びに関係者に対する記念品並びに記念品料の支出について御批判を受けておることは、非常に残念なことでございまして、各方面に御迷惑をかけたことをまことに申しわけなく思っておる次第でございます。その経緯を申し上げますと、本院は、開設当時非常に財政難でございまして、職員の処遇も十分とは言えない、ベースアップがあるたびに取り残されておるというような病院でございましたが、職員並びに関係者の非常な努力によりまして、合併時には相当の黒字を生むに至ったのでございます。そこで、合併に関しては職員間に相当な反対がありましたけれども、大局的見地に立って、離島振興に寄与するという意味もございまして、日赤病院を廃止して合併したのでございますが、それで、そのときに、職員に対する慰労金支給のほか、関係者に対しても社会的常識上容認される程度の方法によって謝意を表するということは、不適当な措置ではないと一応考えるのでございます。
#55
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。
 いま先生おっしゃいましたように、日赤そのものは、病院経営ばかりではございませんで、災害救助法の問題とか、医療の問題、血液問題、非常に公共的なことをやっております。したがいまして、先生おっしゃいますように、各病院が相当の黒字があって、それはやはり全部を中央に集めて、全国的な計画をする資金源にするということにつきましては、本来ならばそうあるべきだろうというふうに私どもも考えております。ただ問題は、現在八十ぐらいの病院を持っておりますが、実態的には非常にやりくりが苦しい、楽なところも若干あるようでありますけれども。そういう意味におきまして、いろいろの事情から、全部中央に資金プールをして他に使うというような余裕はほとんどないという事情でございまして、現在は各病院の特別会計、独立採算というかっこうになっておりますので、これは仰せられる筋はそのとおりだと思いますけれども、いますぐにそういう方向に持っていけるかどうかということは、日赤のいろいろな判断が要るのじゃないかと、こう思って、本省としては現状やむを得ない、こういうふうに思っておる次第でございます。
#56
○達田龍彦君 では、日赤本社にお尋ねをいたしますが、今回の余剰金の配分については、日赤本社としては県支部のとった措置は妥当である、適当であるとお考えになっているわけですね、どうですか。
#57
○参考人(北村勇君) その点はまあ御批判のあるところでございますが、その程度、方法においてはやはり相当考えるべき点があると思います。
#58
○達田龍彦君 適当かどうか。
#59
○参考人(北村勇君) ですから、支出の方法、それから程度、それに対してはいろいろ御議論がおありになると思いますが、関係職員に謝意を表するという意味において出したという趣意においては、あり得ることだというふうに考えております。
#60
○達田龍彦君 いまそういう本社の考え方であるならば、長崎県の中に、たとえば福江の市長が地区長でございますけれども、この措置はまことにもってけしからぬというので、評議員会で、知事以下幹部をやむべきであるという態度決定を行なっておるわけであります。あるいは長崎市の場合もそうでありますけれども、そういうふうに社員の大方の方々がそういう気持ちで受け取る、日赤本社はある意味では妥当だと、こうおっしゃる。一体日赤運動が、御承知のとおり、理解と協力の上に成り立っている限り、こういう社員あるいは県民の気持ちを無視して運営ができると考えるのかどうか、そういう立場で判断をすべきが妥当であると考えるけれども、この点の考え方についてお伺いをいたしておきたい。
#61
○参考人(北村勇君) 御質問にお答えいたします。
 赤十字はあくまでも県民皆さんのバックアップによっていろいろ事業を行なっておるのでございますからして、県民の御意思を無視して何もできるわけではございません。ただ支部長さんである知事さんが支部長をやめるとかやめないとか、そういうことは、現在長崎県の日赤の評議員会の中に特別委員会というものを設置されまして、それでいろいろ検討をされておるようでございますので、その結果を待って本社としては善処いたしたいというつもりで現在おります。
#62
○達田龍彦君 厚生省にお尋ねをいたしておきますけれども、県支部でこういうような問題が起こってまいっておるわけであります。そこで、いま県支部の事務局長やあるいは知事が言っていることは、これは共同募金の金やあるいは血液センターの金とは全然関係がないんだ、したがって企業会計の中で出てきた余剰金であるから、慰労金としてこの程度のものを支出することは、社会通念上妥当だと、こういうことを言っておるのであります。これは日赤本社もある意味では是認をいたしておるようでありますけれども、現実は、いま申し上げたように、社員がどんどん辞退をする、あるいは評議員がやめる、評議員会もまとまらないで、知事の責任を追及するという立場が出ておる。血液センターの所長すら辞表を出しておる、あるいは市議会の議長、あるいは市長が先頭に立って、将来の日赤運動を懸念するがゆえに、知事の辞職を迫っておる。こういう実情にありながら、これを妥当だと認めるやり方は、一体日赤が特殊法人であるがゆえに、公共性が強いだけに私は大きな社会問題だと考えるのでありますけれども、こういう考え方を厚生省としては是認をしていくつもりなのかどうか、厚生省の立場で明確にお答えをいただきたいと思うのであります。
#63
○政府委員(田川誠一君) ただいまの御質問につきましては、私も近々聞いたわけでございまして、これは別に法律に違反するとかいうようなことではございませんけれども、先ほど達田委員が言われましたように、あくまでこれはこういう剰余金が出た場合には、やはり公共的に使わなければならない性質のものでありますし、それがこういうような知事さんとか、公共の団体の長に属している方々に慰労金としてあげるということは、通念としては好ましくないことではないかと、私はそういうふうに思っております。
#64
○委員長(鶴園哲夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(鶴園哲夫君) 速記を始めて。
#66
○久保勘一君 関連で一つ。ただいま長崎の日赤の問題につきまして関連で一点だけお尋ねをいたします。
 先ほどから承っておりますと、日赤当局のこの問題に対する最終的な見解と考えられるような発言がありました。承っておりまして、私も非常にふに落ちない点がありますので、お尋ねをするわけであります。ただいま厚生政務次官からお話がございましたように、やはり問題は、道義上かなり問題があると思う。それにかかわらず、赤十字当局は、多少問題はあるようには考えているようだけれども、社会通念上この程度のことはやむを得ぬだろう、あるいはいろいろ議論はあっているけれども、やめるとか、やめないとかいう問題は地元が考えるべきことであって、そういうことに至るべき筋じゃないと考えているかのごとき発言であります。申し上げるまでもなく、先ほどから話があっておりますように、日赤運動というものは、やはり奉仕の精神に貫ぬかれなければならぬ。特に長い間苦労して病院を経営してきた、これが他の病院と合併するにあたって従来のを清算してみたところが、そこに多少余裕金があった、この余裕金を従来苦労してこの経営の衝に当たり、直接それに関与した方々にこれを配分するとか、慰労の意味で差し上げるというならば、多少これは解釈があろうと思うのでありますけれども、そもそも支部長とかその他のいわゆる役員というものは、それぞれの地位にある、他に収入の固定している方々であります。全く名誉職であり、これこそ奉仕の精神に貫かれなければならぬ。そういう方々が二十万とか、十五万という多額の配分を受けて、直接苦労して病院を赤字から黒字に経営をしてきた院長とか、看護婦さんとか、あるいはその他の労務者とかいう者に対しては、私の聞くところによりますと、三万とか、四万とか、まことに低額の慰労金を差し上げている。こういうことをわれわれが考えた場合に、いま赤十字当局の言っておられたような、議論はあろうけれども、社会通念上やむを得ぬ金額であるというようなことでいいのかどうか、私は非常に疑問を感ずる。それをぜひひとつ、おいでになっているあなたの見解であるのか、日赤が全国の支部に対して、特別会計であれば自由である、したがって、金が余れば分け取り自由である、極端な表現でありますが、そういうルーズな精神でおるのかどうか。厚生省は、やはりそういう剰余金があれば、あり得ればそれを中央に吸収して、そうして本来の使命の仕事に流すべきであるという見解を表明された。衝に当たる日赤のあなた方は、いま申し上げたような見解である。私は非常にふに落ちない。あらためてひとつほんとうのことを、ここでおっしゃっていただきたい。長崎の今回の問題は妥当でないと考えるが、あなた方は依然としてやむを得なかった、こういうことはあり得ることだ、今後もあっていいのだ、こういうふうに依然として考えているのであるかどうか、ひとつ明確にお答え願いたい。
#67
○参考人(北村勇君) 先生のおっしゃるとおり、私どもは非常に遺憾なことだと感じておるわけでございます。ただ、役員に対して多かったとか、あるいは病院の職員に対して少なかったとかという問題はございます、確かに。ただ役員に対しても、全然いままでいろいろ努力していただいたにもかかわらず、お礼というかそういうようなものは全然過去八年か九年にわたって出していなかったという経緯もありまして、支部としては一応その金額を計算いたしまして出したというふうに私どもは聞いておるわけでございます。ただ、その問題については私どもは非常に遺憾である、非常に残念であるというふうに感じておる次第でございます。
#68
○久保勘一君 たいへん思い直されたような御発言でございまして、それが適当であろうと私も思います。
 そこで、一体そういうことであるなら、赤十字本社として、長崎の支部に対してどういう指導なり介入なりなさろうとするつもりであるのか、またどういうことをいままでしたのか。この問題に関して、そういうことがわかっておれば、この機会にお話し願いたい。
#69
○参考人(北村勇君) お答えいたします。
 赤十字の各県に支部がございまして、そこに支部長さんというのがございますが、その支部長さんを正式には、御承知の方もおありになるかと思いますが、社員の中から評議員会が選出いたしまして、それを社長が委嘱するということになってございます。したがいまして、私どもとしてはこの問題が起こりまして、さっそく現地にいろいろ調査をいたしまして、いろいろ実態を把握することに努力しております。それから支部長さんとかそういう方の身分の問題については、私、一衛生部長でございますので、はっきり申し上げかねるのでございますが、私の聞いておるところでは、やはり評議員会を開いて、その評議員会にその身分をおまかせしてある、したがって評議員会でこれは重大なことだから、特別委員会というものを設けて、それではっきりした線を出そうということを聞いております。したがって、その線が出ますと、本社といたしましてはその結論に対して対処していきたいというふうに私、一衛生部長として聞いております。
#70
○達田龍彦君 日赤の部長さん、たいへん私はけしからぬといま思っているのであります。それは、私が質問をしたときには、社会通念上適当であるという態度を表明された。ところが、いま久保委員から同じようなことが発言をされますと残念である、非常に遺憾である、こう言っておいでになる。これは私は、同じ国会の議員が取り上げて同じことを目の前で言って、一つは自民党の与党の議員さんだから手心を加えて急にそういう態度を表明され、野党の議員だからこれには適当にやれということを裏づけているようで非常に不愉快でなりません。一体どちらが本心なのか、さらに明確に態度を表明していただきたいと思うのであります。
#71
○参考人(北村勇君) たいへん説明が不行き届きで、誤解を受けた点を深くおわびを申し上げます。久保先生のほうにお答えしたことはそのとおりでございます。ただ、社会通念上いいとかということばをちょっとはさんだのは、そういうことは社会通念上あるのだけれども、ただそういうことが赤十字としていいか悪いかということについては、相当問題があるということを私申し上げたつもりでございますので、社会通念上それが正しくりっぱに通るというふうに受け取られた点は私、説明が不十分でありましたので深くおわび申て上げます。
#72
○達田龍彦君 じゃあはっきりさせますが、社会通念上は今回の県支部のとった措置は適当でなかった、こういうふうに理解していいわけですね。
#73
○参考人(北村勇君) 赤十字を抜きにして一般社会通念上は……。
#74
○達田龍彦君 赤十字の立場を聞いておる。
#75
○参考人(北村勇君) 赤十字においては、やはりこういう組織になっておりますので、やはりこれははっきりとそういうものは先ほどおっしゃいました赤十字事業、そういうものに鋭意努力すべきものであるというふうに考えるものでございます。
#76
○達田龍彦君 非常にあいまいで、私は非常に遺憾に思いますけれども、それ以上のちょっと態度表明ができる立場の人でもないようでありますから、まあ、私もやむを得ないというふうに考えますけれども、国会での態度の表明というものは、先ほどのような態度では、非常に私は国会議員の発言に対してきわめて不親切であると考えますから、十分その点は留意をいただきたいと思うであります。
 そこで厚生省に再度お尋ねをいたしますけれども、これは単なる長崎県の問題じゃないのである。厚生行政、とりわけ特殊法人としての医療行政の問題に、根本は私はあると思っております。そこで、全国的な厚生省の医療行政の問題として、この問題は一つの例として提起された問題でありまするけれども、御承知のとおり日赤の五島病院の経営を見てまいりましても、三十一年にこれが発足して、三十九年の九月、約八年間でもって八千五百万以上の純益が上がっている。これが余剰金になっている。そこでこの余剰金をどういうふうにしていくかという問題については、私は明らかに特殊法人であり、医療行政の一環として何らかの基準なり方針を示して、私は日赤病院のあり方、あるいはこういう公立ないしはそれ以上の公共性のある病院の経営管理というものを、ある意味では厚生省がしていかなければならぬと思うのであります。そういうものが一体今日の医療行政の中で、どういう基準で具体的にどういう指導がされているのか。これを単にいま申し上げたように、日赤の独立採算だから、これによって運営を一切まかせるということになれば、公共性の問題もさることながら、日赤というものの本質的な問題として私は病院経営が問題にならなければならぬと思う。したがって、そういう意味で今後こういう問題はほかにも出てまいると思います。でありますから、そういう問題を中心にして、厚生省として、どういうふうに今後これらの問題を、従来どうされたか、将来どうしようとするのか、しかも、こういう問題の出てくる隘路はどこにあるのか、医療行政の一環として十分なる御説明をいただきたいと思っているのであります。
#77
○政府委員(今村譲君) いまお話のありました中で、日赤の八十幾ら病院を持っております、これの医療管理の問題、実はこれは医務局のほうで病院、療養所一貫した医療法に基づく指導なり助成なりということがございますので、社会局長としてはちょっと申し上げかねる問題でございますけれども、基本的に最初この五千六百万円近くのものは、日赤のお話のとおりに営々として皆さんが努力してここまできたのだから、それをただ公立に合併、全部のしをつけて差し上げるということではなしに、日本全体の日赤活動に貢献することも考えよ、こういうふうな御質問も含まれているかと思います。これはあとで日赤の副社長にいろいろ聞きましたところ、地元の県が離島のいわゆる医療保険構想というものがございまして、それから福江にあります公立の病院、一ぺん焼けたのがまた再建になるわけでありますけれども、これだけでもきわめて不十分であるというので、これは日赤がもうけた金であるから中央に引き上げるというのじゃなしに、やはり全部そっくりそれを県の医療保険構想に従って向こうにそれを差し上げる、そして日赤は完全に病院はなくするというのが筋じゃないかというふうに思い切ったのだ、こういうふうに言っておられました。これも一つの地元の医療に役立てるという意味では通ずるのじゃないか。それから今後の病院、療養所八十幾らありますけれども、これは医務局長のほうとも打ち合わせしまして、病院の経営管理に間違いないように、厚生省内部としてはいたしたいと思っております。
#78
○達田龍彦君 具体的には、考えてみれば八年間で五千五百万円という利益をあげているわけですよね。で、一般の私企業のいわゆる病院と何ら変わることがないような結果になっているんです。これは。何ら厚生省のきびしい規制もなければ、監督もない。ただ一般会計については、あなたのほうで指導したり、監督したり、あるいは監査をしているんですね。ところが特別会計については、全く日赤にまかせている。日赤本社とか県支部にまかせている。こういうわけですから、一般病院と何ら変わることがないような経営と運営がされておる。で、本来の性格から考えたときに、特殊法人であるし、奉仕ないしは博愛という精神にのっとる限り、やはりその精神が一貫して貫かれた医療行政が、日赤の医療機関の中ではあるべきではないかと思うのであります、精神として。その精神が貫かれるとするならば、行政のやり方としてはそれに何らかのそれを生かすような基準なり方針があって運営をまかせなければ私はならぬと思います。べらぼうにもうけるところと、ほとんど赤字で悩むところ、もしべらぼうにもうけるところなら、その地域の医療行政の病院の利益はあがるかもしれないけれども、たとえばその料金を下げる等の措置をするとか、あるいはその病院の質の充実をはかるとか、そういうことを考えなければ私はならぬし、そういう意味での監督庁としての基準なり何なりがなければならぬというのであります。そういう点について一体現状どうなのか。必要であると考えるならば将来どうなのか、そういう点をお聞きしたいんです。
 それから先ほどお話があった五島病院を公立に合併をしたということについては、これはまあ日赤のあるべき救済事業の一環として、五島公立病院に五千五百万円を日赤本社が英断をもって寄付をしたということについては、地元としては感謝をし、敬意を表しているわけでありますけれども、問題はそのあるべき基準が一体どうなのか、こういうふうな形が全国でばらばらに出てきたり、あるいは赤字になったり黒字になったりするもので一体どうなのか、そういう問題があるわけですから、そこらの問題をもう少し厚生省として医療行政のあり方として明確にしなければならぬと、こう思っているわけです。
#79
○政府委員(今村譲君) ただいまのお話、実は御満足いくようなかっこうではないと思いますが、日赤も特殊法人として、普通の医療法人と違って、いろんな任務を持っておるという意味から、たとえば看護婦の養成、これは日赤には強く言っておりますし、それからその地域々々における僻地診療の問題とか、あるいはその周辺のいろんな衛生教育の問題とかいうふうなものを引き受けてもらわなければならぬということは、医務局なり社会局のほうからも強く要請いたしておりますし、それからもう一つ診療報酬、これはほとんどもう昔のように施療とか何とかということではございませんで、保険点数になりましたが、やはり貧困階層を対象とするものについては、相当の自己負担部分の減免をやってもらわぬと、普通の医療法人と同じことじゃないかというふうなことで、少なくとも五%ぐらいはやってもらいたいとか、いろんな普通の病院経営以外に、日赤の公共性にかんがみて、医療面なり、あるいは看護婦の養成なり、あるいはそういう低所得階層に対する医療負担部分の減免とかというふうな条件、それからいざとなれば、災害救助の場合には医師を無条件で派遣するというふうな、いろいろな条件をつけておるわけであります。したがってたとえば五島の場合には、それがどこまで経営上の負担といいますか、になっておったかは、計数的には存じませんけれども、おそらく日赤のそういう基本方針に従って動いておったものというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つ先生おっしゃいました一番根本問題の、日赤の病院はいかにあるべきか普通の病院経営のようにただもうかればいいんだということではないはずだというので、現在日赤本社に今井一男さんを座長にした病院の経営の合理化、日赤らしい病院経営の合理化、あるいはどういう体系でいくかということの、まあ病院経営審議会という部分の中の、医療部分の特別部分というものをつくっていろいろ研究を進めておってもらっておると、こういうふうな段階でございます。
#80
○達田龍彦君 では、これは日赤の本社と厚生省で、こういういま言ったような問題点が出てきておるわけでありますから、十分今後検討をいただいて、特に特殊法人、あるいはこういう公共性の高い医療機関のあり方について十分話し合い、検討をされて、一つの行政指導の本筋というものか、筋道を立てた処置を私はこの機会にひとつ十分してもらいたいと、こういうふうに要望をいたしておきたいのであります。
 それから、自治省の政務次官に、時間がないようですから先に質問をいたしておきますけれども、これは私は自治省にもたいへん問題が出てきておると思うのであります。今回の問題は、御承知のとおり県知事が支部長ということで、全国で見てまいりますと、ほとんどが県知事が支部長をされておる。二、三の例を除けばそうである。今日御承知のとおり各県の首長というのは中正、公正といってみたって、まさに政党の代表者であります。政党政治がまさに今日の首長選挙の中では明らかに出てまいっておるのであります。で、そういう意味で考えてみたときに、幾ら知事がおれは中立だ、あるいは道義的立場に立って純粋に日赤を運営すると言ってみても、母体がすでに一つの政党に所属をし、そうしてそういう立場から政治を行なっておる限り、日赤の私は中立性と、あるいは純粋な意味での道義心というものはどうしてもゆがめられていくことになるのではないか。そういう意味では、一面では地方の首長が支部長になることによって、いい面もあるけれども弊害もたくさん出てきておる。たとえば知事が自民党であるがゆえに社会党の人々は社員にならぬということだってあり得るかもしれない。これはよろしくないことでありますけれども、それほど今日の首長選挙の様相というのは政党化されておるのであります。そうしてまいりますと、私は、今回の問題もそうでありますけれども、日赤の中立性、純粋性あるいは人道主義をほんとうに掲げて日赤の運動をするとするならば、知事を支部長にするというたてまえがよろしくないのではないか、むしろ弊害が多いんではないかと考えるのでありますけれども、自治省としてこれに対してどういうお考えを持っておられるのか。基本的な問題としてお尋ねをいたしておきたいのであります。
#81
○政府委員(伊東隆治君) いま四十六都道府県の中で知事が支部長を兼ねておるのは、四十一都道府県でございます。いま御説のとおり日赤の中立性ということはございますけれども、日赤のまた救済及び医療衛生の公衆性から見まして、社会奉仕をやっておる知事の立場から申しまして、やはり兼任することによって知事の職務がそれだけ阻害されることがあれば、それだけ考慮しなきゃなりませんが、現在のところ、それだけのまだ阻害されておる実面を見ておりませんので、いまのところ差しつかえないと存じておる次第でございます。
#82
○達田龍彦君 現状がそういう状態であるから、適当とお考えのようでありますけれども、日赤の元来のあるべき姿としてそういうことが望ましいのかどうか。それから現状はどうだと、現状の判断に立った解釈と元来本来の筋としてのあり方との問題は、区別してぼくは御回答いただきたいと思うのであります。私が言っておるのは、基本的に考えてそうあるべきではないかと、中立的な立場の人々が今日やるべきが、日赤の運動のためにいいんではないかと考えるのですがどうかと、こういうことであります。
#83
○政府委員(伊東隆治君) 確かに理屈からは日赤の中立性からかんがみれば、そのとおりだと存じます。
#84
○達田龍彦君 それで私はそういう方向で、将来私は特に今後政党化が進み、今日ではもう市議会あるいは町村議会に至るまで、だんだんそういう系列化が出てまいっておるわけでありますから、特に日赤の崇高なる人道愛に基づいたところのイメージをそういう意味でこわしていくことは非常によくないことだと思いますので、そういう基本的な立場で将来の知事の兼職等については、自治省も配意をした私は取り扱いをしなければならぬと考えておるのでありまして、そういう意味でいま言われた内容についても、十分将来の自治省のこの日赤の支部長の問題を中心にしてひとつ将来の指導を十分してもらいたいと考えておるのであります。
 そこでさらにお尋ねをいたしておきますけれども、弊害としては、まだ私もいろいろ全国の例を見てみますと、知事選に敗れて日赤の支部長だけはやめぬ、こういう人が二、三おるようです。これは何のためにそうするのか御判断いただけばわかるのでありますけれども、それも一つの私は日赤の支部長をある目的に使う意図があることは明確でありますから、そういう点も十分また考えてもらいたいと思うのであります。さらに、これは国家公務員法あるいは人事院規則の関係になると思いますけれども、知事、副知事、これは特別職ですね、しかし部長――民生労働部長とか衛生部長というのは、これは一般公務員であるわけであります。この方々が今回の配分にあたって十万円あるいは十五万円と、こうもらっている。知事が三十万円、副知事が二十五万円、知事は外遊にあたって、日赤とは全然関係がないのに、別に二十万円のせんべつを過去日赤の医療機関から出しているという事実もあるのであります。私はこれは衛生部長あるいは民生労働部長が一般公務員でありながら兼職兼務という問題、人事院規則ではさらには報酬を受けてはならぬという問題との関連においてきわめてこれは不適当であり、人事院規則の違反ではないかと思うのでありますが、特に自治省のほうでどういう御見解をおとりになっておるか。
 それから厚生省の場合にもう一点言っておきますけれども、元来知事や副知事が一つの立場に立ってこういう分配金をきめるにあたって、衛生部長が日赤の人道主義的立場をほんとうに貫いて、そういう知事や副知事に考え方があったにしても、それを排除する役割りが本来衛生部長等になければならぬのであります。ところがその人も一緒になって分配金を受けているということは、衛生部長としてきわめて不都合ではないかと私は逆に思うのでありますが、こういう点について、一体厚生省は衛生部長に対するそういう指導あるいは今度の処置をどう考えておるのか、これは厚生省から一点お伺いをいたしたいと思います。
#85
○政府委員(長野士郎君) 長崎の問題でございますが、お話のように知事や副知事は地方公務員法上は特別職であり、衛生部長あるいは民生労働部長は一般職の公務員であります。したがいまして一般職の公務員であります者につきましては、地方公務員法上制限がございます。たとえば営利事業に当然に従事するというようなことはできないというようになっておるわけであります。そういう意味で報酬というようなことを他から受けるようなことは、法律上のそういうたてまえにもとる、こういうことになると思われます。ただしかし、いまの日赤の関係の問題は、何といいますか、公立病院に引き継がれるに際して慰労金、先ほど来お話に出ておりましたように、慰労金と申しますか記念品代と申しますか、そういう多年の無償の行為として行なわれておって、いろいろ業績があがったものが、幕を閉じると申しますか、そういう際に記念品代というようなものを関係者に出すというような意味で、衛生部長とか民生労働部長がそれを受領したということになりますと、それはまあ単なる報酬ではないということになるのじゃないかと思うのでございます。問題は、そういう意味で、さいぜんからお話がございましたが、結局そういう意味の反対給付ではないということであれば、報酬とは認めがたいことでございますし、また常識から考えましても、だから営利事業に従事することの制限にひっかかるというようなことではないのじゃないか。問題は、そういう、話がございましたようなものの額が、一体記念品代というようなものに相当するようなものなのかどうなのかというようなところに問題があって、きわめてそういう意味では常識的な判断で考えてみるべきものじゃないんだろうかというふうに思うわけでございます。
#86
○達田龍彦君 非常にいまの発言は微妙で、しかも重大な問題が一面あると思うのです。それは私は当時六百余万円の慰労金が配分された内容を持っておりますけれども、この中にはたとえば日赤の本社の社長である当時の島津さんが五万円程度の記念品をもらっておる。あるいは副社長、これも五万円、衛生部長三万円、総務部長二万円、人事部長二万円という程度の、日赤の本社の役職員の方々が置時計をもらっておる。これはまさに私は記念品だと思う。ところが、県の関係者になると、支部長の知事が三十万円、副知事の副支部長が二十五万円、残余の衛生部長、民生労働部長が十五万円から十万円、あるいは事務長が二十五万円、こういうように一般記念品として、最高の本社の方々に五万円を贈りながら、知事ないしは副知事が三十万円から二十五万円をとっておる。民生労働部長に至っては十万円、衛生部長に至っては十五万円というものをとっておるということは、私は記念品としては一般常識からあまりにも高いのではないか。その証拠には、長崎の副知事は長崎税務署に対して十五万円の所得の申告を行なっているのであります。なぜならば十万円は記念品代、十五万円は違うだろうと思って、十五万円は申告したとこう言っているのであります。私は、常識的に考えてもこれは記念品ではなくて、一回に、いままでの苦労に対して毎月やるよりもこれを報酬として見返りにやったというにおいが非常に強いのであります。こういう面で一体内容的にやはり適当かどうか。県民の中では適当でないという意見が大多数でありますけれども、自治省としてはそういう面については厳格に私は判断をし、措置すべきだと思いますが、こういう点から考えていくと、あなたが言うようなことなのかどうか、十分判断をし、態度を表明されたいと思います。
#87
○政府委員(長野士郎君) いま申しましたように、私どもから考えまして、この慰労金といいますか報酬であるかといえば、報酬じゃないだろうと思います、これは。ただ、額が一体妥当な額であるかどうか、これは日赤の支部の問題かもしれませんが、要するに、そういう問題はないとは必ずしも申し上げられないと思います。しかしこれは、よその団体の話をとやかく申すようなことにもなっていかがかと思いますけれども、特殊法人等の外郭団体が地方公共団体にもあるわけでございますが、そういうものの慰労金を受け取る、受け取らない適否という問題いろいろな観点から考えなければならない。先ほどお話の、本社の社長が非常に少なくて、支部長が多いというお話もございましたが、これは見方によりますと、その支部の病院の経営に対するところの関係の遠いか近いか、あるいは設立その他、あるいは経営に当たった場合の関係におけるところの関係の遠さ近さというようなもの、あるいは事業に対する貢献度というようなことになるかもしれませんが、そういうようなものからいろいろとものさしがあるのではないかというような気がいたします。しかし、だからそれがよろしいというようなことを私ども申し上げるつもりはございませんが、常識的に見て、いまお話のありましたような金額が、幾ら慰労金か記念品代かしらぬけれども多過ぎるではないかという問題がかりにあるといたしますと、その点はやはりそういう意味で問題にさるべきものだろうと思います。しかし、従来支部の役職員というものは当然無償の――役職員もある意味で無償の奉仕をしておったと思うわけでございます。それに対しまして一定期間そういうことでやっておりました経営体が閉鎖をする、しかもその経営の努力によって黒字を生じているそのときに、最後のことでもあるからというので、そういう慰労の措置をとったということだけから見ますというと、それは必ずしもそれだけが不当だというわけにはまいらないと思います。ただ金額なり何なりがどうかということになれば、それはその面で考えなければならぬ点はあろうかと思います。
#88
○達田龍彦君 そこで、自治省に最後にもう一つ尋ねておきますけれども、地方自治体の知事、副知事あるいは各部長、これらになりますると非常に兼職が多いのですね。公社、公団、そういうものの兼職、とりわけ知事は、長崎県の場合などは三十ぐらい持っている。ただ一つの日赤の関係だけでもそういうものが出ているわけでありますから、その他の関係の中で出てくるものについても、慰労金あるいは記念品としてもらうことはかなり多いのであります。とりわけ知事、副知事というのは非常に多いのであります。さらにまた問題なのは、そういう兼職をしているがゆえに、知事、副知事あるいは部課長が海外に出張するときには、それらの関係している団体からせんべつと称して、一万、二万じゃないのであります、ほとんど十万、二十万、多いところは五十万という金をせんべつとしてやる。これはそれに関係なくても役職だという立場でそういうものをもらっておるし、長崎県の場合においては、それを強制したきらいがあることを県会の中で指摘をされておりますけれども、そういう状態というものが、今日海外出張をめぐって役職との関係において出てまいっておるのであります。これは私は全国的なケースだろうと思います。知事が出張する、副知事が出張する、部課長が出張するというと、公的な機関あるいは私企業を問わずせんべつが流れている。これは私は自治省として姿勢を正す上でも、あるいはそういう問題をきちんとしていくことが今日必要ではないかと思うのであります。これらの問題について、一体自治省はどういうお考えを持っておるのか。これはかなりあるのであります。皆さんも事実は知っておられると思うのでありまして、そういう問題を将来自治省として私は基本的な問題としてきちんとしていかないと、確かに地方自治とその他の関係というものがそういう形でくずれていく、地方自治の権威が守れないということになるのではないかと思いますが、そういう事実を十分知っておられるかどうか、知っておられるとするならば、今日どういう指導をされたのか、またそういうものについての基本的な立場をどうお考えなのか、お伺いをいたしておきたいと思うのであります。
#89
○政府委員(伊東隆治君) 実は、県からお金を出しておるとか補助しておる団体からもらうことはいけないという示達を、すでに昨年の六月には自治省から出しておりますが、その他の団体には特別の注意は自治省としていたしておりませんけれども、お説のとおりでございまして、それが度を越しますというと、お説のとおりの非常に乱に陥りますから、自治省としても非常に注意をもってこれを見ておる次第でございます。
#90
○達田龍彦君 では最後に政務次官にお尋ねしますが、今回の長崎県知事がとったこの余剰金の分配、とりわけ役職員が中心になって分配したこの行為ですね、この処置は一体自治省として適当とお考えになるのか。適当でないとするならば、この際、長崎県知事に対して、日赤運動の権威を高めるためにも、あるいは名誉を保つためにも、運動をさらに充実させるためにも、長崎県知事に対してこの際自治省としてやめることを勧告すべきであると考えるけれども、その立場、態度についてお答えをいただきたいと思います。
#91
○政府委員(伊東隆治君) ただいま申しましたように、昨年の六月の示達には反しておりませんので、特にこれを戒告するとか謹慎を命ずるとかいうような特別の措置をするようには、現在のところ考えておりません。
#92
○達田龍彦君 自治省けっこうです。
 そこで日赤にもう一つお尋ねをいたしておきますけれども、これは日赤の何か褒章規定によりますと、百万円以上の寄付をした場合については日赤は褒章を何かするようですね。そこで問題なのは、今回、まあ三年前の問題ですけれども、日赤の支部あるいは県会等で問題になってから四、五日しましてから、長崎県知事が日赤に対して、どういう意味か知りませんが、百万円の寄付をいたしております。この寄付金は百万円でございますから、褒章規定によれば、県支部から申請があったらこれは表彰しなければならぬ、こういうことになるようでありますけれども、一体、こういう場合について日赤本社は、長崎県支部からあがった場合にどういう処置をとられるのかお尋ねをしておきたいと思うのです。
#93
○参考人(北村勇君) 百万以上というのは国の褒章でございまして、赤十字は十万以上ということになっております。これはまあ別問題といたしますが、その件については、私所管部長でないので申し上げかねるので、どういうふうにするかということは申し上げかねるのでございます。
#94
○達田龍彦君 まあいいでしょう。
 そこで、警察庁の局長お見えでございますからお尋ねをいたしたいのであります。
 この問題に関しまして長崎県警がすでに捜査をいたしておるのであります。で、今回、県会の中でも、県警の総務局長でございますか、警察の捜査の内容について説明をいたしておりますけれども、一体、何が問題があり、何を対象として、どういう観点からそれはいつごろ行なわれたのかお尋ねをいたしたいのであります。
#95
○政府委員(内海倫君) 御質問の点にお答え申し上げますが、長崎県警察から報告を求めまして、この報告のございました範囲内でお答えを申し上げたいと思います。
 長崎県警察におきましては、昭和四十年の十二月に、五島日赤病院のあります、関係しております警察署員が、五島日赤病院の一部の幹部について不正があるというふうな聞き込みを得ましたので、その後、長崎県本部の捜査第二課員も応援いたしまして、いろいろ事情を聴取、あるいは関係の帳簿の提出を求めまして調査をいたしましたところ、先ほども問題になっておりますような特別慰労金、あるいは記念品、または記念品料というふうなものがかなり多額に支出されておるという事実を知りました。したがいまして、これが支出について背任の容疑をもちまして、自来捜査を継続いたしたのでございます。その捜査の中で、先ほども一日赤その他の関係省の方からの答弁もございましたように、それぞれ法的に一応合法的な形で支出されておることが明らかになりましたので、昭和四十一年の十二月をもって犯罪の容疑を認めないということで捜査を終了いたしたところであります。これを終了いたしました後に、長崎県議会でこのことが問題になり、本部長の代理といたしまして警務部長が質疑を受けて、これに答えをいたしたようでありますが、要するに、この問題につきましては、長崎県警察としては、こういうふうな金銭の支出について、一応権限のある者がその支出を認めておるかどうか、あるいはそういうふうな支出が法的な根拠に基づいて行なわれておるものであるかどうかという点が捜査の対象になったわけであります。その結果は、ただいまも申しましたように、権限のある者によってその支出が命ぜられ、また、その支出についての、合併に伴う日赤本社との関係におきましても、協定書並びに協定に伴う念書のところによって、一応合理的に処理されておる、こういうことが明らかになったのであります。この旨を同様県会におきまして御答弁をいたしたようでございます。
 以上が御質問に対するお答えでございます。
#96
○達田龍彦君 最後に、あと一、二点警察庁にお尋ねをいたしますけれども、私は、これは非常にいま県の中でもどうもすっきりしないと、こういう御意見が非常に強いのであります。それは、日赤の本社も元来これは支部長に権限がないものを、権限があるようにして支出をさせた。だから刑事事件にならなかったのだ。それに大体筋が合うように回答を日赤本社はしているわけです。元来ないものを、ないとすると、背任あるいはその他の刑事上の対象になるので、そう言わざるを得なかったのじゃないかということを県会の上野警務部長の説明の裏としていっている議員諸公がたくさんおるのであります。私もどうもそういうにおいがいたしますが、新聞でも非常にそういう意味での取り上げ方をいたしておりますので、国会のこの場で、この点についてある程度明確にしないと疑惑が晴れないという気持ちがあっておるのでありますけれども、そこで、問題は、私は県会の議事録を持っておりますけれども、その中に、上野警務部長はこう言っておるのであります。財産はすべて新らしい五島病院に引き継がれており、日赤が被害者でないので刑事事件の対象にはならず、捜査を打ち切ったと、こう言っておるのであります。これは日赤に被害ないからと、こう言っておるのであります。ところが、当時、事務局長の評議員会や、あるいはその他の場における態度の表明としては、当時の財産は、十月一日以降は公立五島病院の財産であり、十月一日以前は日赤病院の財産である。したがって、この問題は日赤病院の財産と思うと、こう言っておるのであります。そうすると、警務部長が言っているところの、すでに引き継がれているから、被害者ではないから、日赤病院は被害者でないから、刑事事件の対象にならないということと矛盾をいたすのであります。そうなってまいりますと、私は、ここに、確かに考えてまいりますと、十月四日に金は分配をされているのであります。すでに十月一日で五島病院に引き継がれている財産を日赤の県支部の幹部がこれを余剰金として受け取った、日にちの点から考えますと、こういう結果になっております。そうすると、それを日赤の支部長の権限として決裁をしたということも、筋論としてはおかしいのであります。ここら辺がどうも県会の中でも、あるいは県民の中でも、新聞の中でも不明確だといっているのであります。私もそうだと思うのでありますけれども、その点について、もしかりに三十日以前にそういう問題が処理されているとするならば、日赤が権限がないのを支部長がやったということになれば、背任でありましょうけれども、権限があるとするならば、それでよしとして、十月一日以降になりますと、これは公立五島病院の経営者が決裁をし、処分をすべきものだと思うけれども、そこら辺のいきさつをどうお調べになったのか、御説明をいただければけっこうだと思います。
#97
○政府委員(内海倫君) お話の、長崎県議会におきます本部長を代理しました警務部長の答弁につきましては、確かに幾分お聞きになる向きに聞き違いをさせるような内容があったように、私どもも報告の中で聞いておりますけれども、さらに詳しく捜査の過程を調べてみますと、大体次のようになっているわけであります。
 まず、合併に伴いまして支出されております金は、一つは、日赤病院の全職員八十九名に対して、病院合併に伴う特別慰労金ということで、三十九年の九月三十日に給与費の中から支出されているわけです。これは、まあぎりぎりの日付ではございますけれども、一応日赤五島病院の経理措置として行なわれているものと、こういうふうに認められますし、それから次に、記念品または記念品料の名義で三百余万円が合併後の十月六日から十一月三十日までの間に配分されているのでありますが、確かに、この配分は合併が行なわれたあとに行なわれているわけでありますけれども、さて、それをずっと調べてみますと、合併の前日である三十九年九月三十日に合併に関する協定書の、日赤の島津社長が調印をいたしておりますが、その際に作成されております財産目録において、合併後に支出された記念品料等は、その作成された財産目録の中の負債の部の未払い費用という項目の中に計上をされているのであります。したがって、未払い費用ということで、負債勘定として、日赤時代にすでに経理が行なわれている。そうして、そういう財産目録をつけて、この協定書というものがつくられているわけであります。しかも、その協定書の調印の際に、同時に念書を取りかわしまして、両者、すなわち、日赤病院と県立五島病院の合併に関する協定書のうちの財産処分は、近く開かれる日赤本社の理事会の議決によってその効力を発する、こういう念書を取りかわしておるのであります。したがって、以上申し上げました点から、配分は後刻、合併後に行なわれておりますが、その経理につきましては、いま申しましたように日赤の五島病院の経理内容として処理されて、しかもそれが念書に基づいた理事会の議決、これが四十年の一月二十一日に承認議決を受けておる、こういうことでございます。したがいまして、この記念品または記念品料の支出というものにつきましては、支出それ自体に違法性がなく、しかもこの支出によって違法な形で、いわゆる背任という形で被害になるものはないわけであります。もしかりに被害になるものがあるとするならば、それは日赤病院であるかもしれませんが、これは先ほど申しましたように、経理内容として処理をされ、その経理は日赤本社においても、合併に伴う処置として、事後承認も、念書による事後承認も受けておる。その承認によって財産処分の効力が発する、こういうことになっておるわけでありますので、この点については警務部長が県会において答弁をいたしました点は、確かに先ほどの御意見のように誤解を生ぜさせるおそれのある答弁ではありますが、私どもから言いますと、いま申し上げましたような厳正公平な捜査と比較してことばが足らなかった、たまたま本部長がやむを得ざる事情のために出席できなかったため、代理の者が出席したことによる、あるいは私はことば足らずではなかったのかと、かように考えておるのであります。
#98
○達田龍彦君 十分内容よくわかりました。でありますから、まあいま私がいろいろの観点から指摘をいたしましたように、今後日赤の経営、運営というものについて厚生省並びに日赤本社は、いま出ておる問題点を十分ひとつ御検討いただきまして、問題点の解明と今後の日赤運動の充実と発展をですね、はかる意味での前向きなひとつ十分なる措置をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#99
○二宮文造君 私は、会計検査院の三十九年度決算検査報告に指摘されております補助金の項の「日本ベル福祉会館の建設計画が当を得ないため補助の目的を達していないもの」、こういう項目で指摘を受けております日本ベル福祉協会の件についてお伺いをしたいわけであります。
 検査院が指摘をしておりますこの問題につきましては、すでに本委員会におきまして再三質問をいたしましたが、その項目は大体土地に関する問題でございまして、御承知のようにこの土地は国が社会福祉法人楽石社に用途指定をいたしまして払い下げをしたもので、それがその用途指定に反して転売されたということで、国は一昨年楽石社を相手取りまして、特別違約金の請求の訴訟を起こしたと聞いております。したがいまして、この際まずその訴訟の今日までの経過についてお伺いしておきたいと思います。
#100
○政府委員(青木義人君) お答えいたします。いま御指摘のように、楽石社を被告といたしまして、四十年五月三十日に違約金九千三十万余円の請求をいたしました。そして、それと同時に薬石社の所有している文京区の土地、三筆三百三十三坪、その他の建物、これについて仮差し押え申請をいたしました。その後裁判所から仮差し押えの決定を得ているわけでございます。
 訴訟のほうにつきましては、四十年十二月から今月まで、口頭弁論二回、準備手続八回開かれておりますが、両者いろいろと準備書面その他を交換し合って、目下裁判所がその主張の整理に当たっているわけであります。
#101
○二宮文造君 関係者の話を総合してみますと、この土地はもともと楽石社の姻戚関係の方が所有しておった土地である、たまたま相続人がないために国にその所有が帰属をした、そういう関係もあって楽石社がここで社会福祉法人としての事業を行ないたいというので、その主張が認められまして国から用途指定を受けて払い下げを受けた、こうなっております。そして楽石社は淑徳学園の校舎を払い下げを受けまして、約二千万円の工事費をかけて現地に施設をつくった。ところが非常にその金融が苦しくなりまして、国に対する土地代金の支払いにも窮した、たまたまベル協会からの申し入れがあって、その問題についてはベル協会のほうで適当に、また法に触れないように処置をする、したがって、共同でこの土地を使って、そうすればあなたのほうも国に対する支払いにも窮しないだろうし、また払い下げを受けた目的にも沿うだろうし、いいじゃないかというような話でベルの建設が始まった、こういうような経緯を楽石社側は言っております。しかもその間において厚生省でもそれらの経緯について、何がしかの示唆といいますか、話の内容をお聞きになって、ベル協会が戸山町から本郷町に住所を移転しますとき、その辺の経緯について厚生省も御了解があった、こういうふうな意見も聞くわけでございますけれども、厚生省はいかがでございますか。
#102
○政府委員(今村譲君) 私もだいぶいろいろ経過を勉強したつもりでおりますけれども、そういうふうに厚生省が中に入って、楽石社とベル内とで話し合いの上でという事情があったということは私存じておりません。
#103
○二宮文造君 法務省のほうにお伺いしますが、準備手続並びに口頭弁論の場所で、そういうふうな趣旨のことを楽石社側が主張いたしましたか。
#104
○政府委員(青木義人君) 正確には、いろいろ準備書面が出ているわけですが、正確にはおっしゃるようなことであるかどうか確実には申し上げかねるわけでございますけれども、いまここに資料を持っておりませんので。大体楽石社のほうで主張されていることは、やはり同じ社会福祉法人に使わせるんだから本来の用途指定の趣旨に反しない、こういうような御主張、さらにまた譲渡する際には、大蔵省その他の関係から黙示の承認を受けた、あるいはまた黙示の承認がなかったとしても、漫然そのまま放置しておって結果をみずから招いた、いまさら違約しておると、こういう主張はできない、まあ大体大筋はかような御主張なのでございます。
#105
○二宮文造君 楽石社の主張を、いま私が申しましたような主張を裏づけるものとして、楽石社はベル協会を相手にしまして建物の収去ですか、それから土地明け渡しの訴訟を提起して今日に及んでおります。この辺のことを踏んまえて問題に入ってまいりませんと、よくその事態が明らかになってこないんですが、楽石社側としては、これは社会福祉法人であるがゆえに低廉な価格で国から払い下げを受けたものであるという立場を終始守ってきた、こういうふうに言っております。ただ、その楽石社と、それからベルとの関係が、これは楽石社というのは、その先代の方が非常にアメリカのベルさんという人と懇意であった、そういうふうな関係及びこのベル福祉協会がベルという名前を使ったろうあ者の福祉事業に関するものだという親近感から、もしもベル福祉協会の理事長である山下さんがそういうふうに奔走していただくならば、現在の資金繰りが非常に苦しい中で、国の趣旨にも反しない程度にこの土地が利用できる、共同でやっていこうというふうな趣旨のもとにこの問題が解決を見た。そしてお互いの間にその譲渡が行なわれた。ですから、四千七百万円というその売り渡しの金額になっておりますけれども、いまさっき申しましたように、楽石社としては二千万何がしのすでにそこに施設の支払いをしておる。国に対してもまた千数百万円の土地代の支払いをしなければならない。また、伝え聞くところによりますと、四千七百万円という土地代金にはなっておりますけれども、そのうちの一千万円については楽石社はもらっていない、こういうふうな見解を漏らしまして、国からこういうふうな非難を受けることは本意でない、解せないという立場を主張しております。私もその話を聞いておりまして、事の次第が古いことですからよくわかりませんけれども、このベルの問題が今日このように錯綜してくる理由もそういうところにあるんじゃないか、こう思います。
 で、問題を次に進めまして、会計検査院がこの項目で指摘をしましたことはおおむね三項目に分かれると思うんです。その一つは、国が建設費の補助として補助金を支出しました三千万円について、施設が竣工してないのに竣工したものとして事業費の清算を終わったという点が一点。それから、補助金が普通は事業出来高に応じて分割交付すべきものであるにもかかわらず、これが三十八年度内に一括して支給されたということ。さらにその施設の整備、この施設は四十年の三月の六日に落成式をしたと聞いております。そのように施設の整備がはなはだおくれておるにもかかわらず、事前に支給されたために、要するに補助の目的が正しい意味で行なわれていないんじゃないか、こういう会計検査院の指摘であろうかと思うのですが、検査院としてそのほかにつけ加える点があれば補足してください。
#106
○説明員(斉藤信雄君) いま二宮委員のお話のとおりでございまして、私の所管といたしましては特につけ加えることはございません。
#107
○二宮文造君 そこで、厚生省として、このように会計検査院の指摘を受けるような補助金の交付のしかた、これにはいささか問題があると思いますが、このベル福祉協会について建設費を補助するに至った経緯について明らかにしていただきたい。
#108
○政府委員(今村譲君) この予算は、三千万は、三十六年度予算についたわけでありますが、その前、三十五年ごろ、あるいはもうちょっと前かと思いますけれども、たとえば現在の身体障害者福祉法におきましては、手がないとか、足がないとか、あるいは目が見えない、耳が聞こえないというふうな身体障害者を対象としたある程度の施設はできておりますが、ろうあ者については、まあ普通の人と、なかなか見た目でもそう変わらぬというので、県でも一生懸命やってくれない。手足がないとか、目が見えぬというのは一生懸命やってくれるということでありまして、実は非常に弱いんです。文部省のろうあ学校というのが若干あるというだけで、厚生省としても積極的になかなか手が打てないというふうなときに、全国のろうあ関係の人がたの強い御意見があって、少なくとも政府はろうあ行政、これは吃音も入ると思いますけれども、ろうあ行政を大きく打ち出してくれなければへんぱではないかと、肢体不自由、あるいは盲人というふうなものはいろいろできておる、こういうふうな強い要望もあり、当時しばしば決議や何かがなされまして、厚生省としましても、何かそういうふうなものがなければならぬと言っておりますところに、ちょうどいまのベル福祉協会の前身、前身といいますか、まだ固まってないうちで、ろうあ者団体が打って一丸となったものの要望として、東京に全国のろうあ者の会館をつくってくれと、こういうふうな要望が出てまいったと、それから予算が出発したというふうに聞いております。経緯としてはそれだけです。
#109
○二宮文造君 ベル福祉協会が社会福祉法人として都知事の認可を受けましたのが三十六年の九月十四日となっております。直ちに建設費の補助の申請書が出された。まあ直ちにといいますか、約四カ月ほどおくれておりますが。そこで私はふしぎなのは、ここの会計検査院の指摘にもありますように、まだ建物も建築請負契約もできていない。ただ、青写真を焼いた段階で、なぜ厚生省がその建築費の補助として第一回の支払いをなされておるか。またそれが三十八年の十二月の二十七日、第一回の支払いとして八百十万円、そうして三十九年の三月三十一日に第二回として千八百九十万円、さらに三十九年の四月三十日に三千万円、第三回最終分として三千万円、この段階においては工事は何にもしてないんですね。基礎工事がやられた段階だと、先ほど会計検査院からお話がありましたけれども、これは前に楽石社が施設をつくっております、まだ完成は見ておりませんが。その辺の基礎工事、そういうものを見て、もう基礎工事が始まっているからと会計検査院が錯覚を起こされたのじゃないかと思うんですが、請負契約もできてない、工事もしてないのに三千万円の補助金が全額支給されるゆえんはどこにあるんですか、お伺いしたい。
#110
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。実は三十六年度で予算がきまりまして、それで普通ならばその年度内にできるのがあたりまえでありますけれども、非常に支障がありましたのは、まず用地が、用地をどこに求めるかというので、いろいろ難点があって三転四転をしたということ、それからベル福祉協会において財界のほうからいろいろ寄付金を集めるというのが思うように集まらない、資金がむずかしいというということで、三十六年度予算は予算総則によりまして明許繰り越しということで三十七年に繰り越しになった。三十七年度中でもその問題が資金面あるいは用地面ということで非常に難航いたしまして、三十八年度に事故繰り越しということで事故繰りになったわけでございます。それでいま先生、三十八年度中には工事は何もしていないとおっしゃいましたが、実は三十九年の一月十日から実際の工事にかかっておる。それで実際の準備はまあその前年の暮れからいろいろやっておりまして、三十九年一月十日から工事にかかったということでございます。ただ、お話しになりましたように、本来ならば明許繰り越し、事故繰り越し、二年しか延びない、したがって、それができなければこの三千万という予算そのものは流れてしまうというふうな問題がこれは会計法上出ておりまして、しかも三十八年度といいますと三十九年三月三十一日ということで、そこまでに全部完了ということでなければ厳密に申し上げますと会計法上はこの予算は不執行に終わる、こういう一つの状態であったわけでございます。ところが三十九年の一月早々から工事に着手いたしまして実は三月三十一日までに一〇〇%竣工ということは非常にむずかしゅうございました。しかし、相当のスピードで突貫工事をやっておるというので、これは厚生省といたしましてもはなはだ申しわけない次第でございますが、何とかその積年のろうあ者会館というもののかっこうを日の目を見さしてやりたいというふうな気持ちがございましたのと、それからそのベル会館あるいはそれを請け負っております建築業者いろいろ呼びまして、少なくとも相当のスピードを上げれば夏一ぱいというくらいまでには全部完了ができる見通しがございます、こういうふうな話もありましたので、先ほどお話がありましたように、三十八年十二月二十七日は八百十万、これは三千万円の一〇%引いたものの三割ということ、それから三十九年の三月三十一日に千八百九十万、三十九年の四月三十日に三千万とおっしゃいましたが、これは一〇%の三百万、これを出した次第でございます。その点、実はうっかりいたしましてはなはだ申しわけございませんのは、厳密にやりますとこれは三千万円全部流してしまわざるを得ない。しかも聞くと、突貫工事で夏一ぱいまでには何とかこぎつけますというふうないわば一札まで入れてもいい、やります、こういうふうな情勢でございますので、建築の進行程度は、パーセンテージは低うございましたけれども、そういうことでやむを得ずに何かこう全国のろうあ者の希望にこたえるという意味におきましてこの補助金を全部無効にしてしまいたくないというふうな気持ちがありまして、二年延期の三十八年度の一番終わりにこれを執行する、こういうふうな状況になった次第でございます。この点はなはだ申しわけございませんが、事情をおくみ取りいただきたいと思います。
#111
○二宮文造君 それでは請負契約はいつできたのか。一月十日から工事を始めたとおっしゃいましたが、請負契約はいつできたのか。実は厚生省のほうから資料としていただいたのですが、その請負契約には日にちがないのです。こういう請負契約で、私、三億も四億もの工事ができるかどうかという、はなはだふしぎなんですがね。資料として提出をいただいております工事請負契約書は契約の日にちがないのです。それから引き渡しの時期の完成の日から何日以内というのもない。それから着手が契約の日云々とあって何日以内、そしてその次に昭和三十九年まであって月日がない。完成は着手の日があって何日以内の何日が抜けている。結論の四十年の四月の十五日、こういう工事請負書になっているわけです。そうしますと、いま局長さんが御答弁になった突貫工事でやれば夏じゅうにはできるじゃないか、こういうふうな感じでもって補助金を支給したとおっしゃっておりますけれども、工事請負契約書を見ますと四十年の四月十五日、しかもこれがいつ契約されたのか契約の年月日がない。いつ工事請負されたことになっておりますか。
#112
○政府委員(今村譲君) これはもう一回再調いたしますが、私の記憶では三十八年の十一月の末ごろであったのではないかというふうに思います。というのは三十八年の十二月二十七日に八百十万出しますときには確かに工事契約書というものがあってできたものと、当時私おりませんでしたけれども、そういうふうに考えております。たしか十一月の末にできたのではないか。もう一度よく確かめたいと思います。
 それからもう一つ、これは会館の上のほうにマンションをつくるという問題がありまして、これは丸紅飯田という会社があるわけですけれども、あそことの両方の資金といいますか持ち合いといいますか、そういうふうなかっこうで事実上は相当早くから契約なり設計計画なりが進められておったものというふうに思いますが、もう一ぺんよくその日付を確かめたいと思います。
#113
○二宮文造君 それでは厚生省のほうから出していただきましたこの工事請負契約書というのは、工事請負契約書は何通もあるのでしょうか。これにはちゃんと注文者の氏名と印もあります。それから請負者の氏名と印もあります。それから印紙も張っておるようです。契印もあるようです。そして十一月に請負契約をなすったのなら着手が三十九年とまで書いて月日をあかしたしたような契約書にはならないと思うのですが、もしこれで、この請負契約書で厚生省が補助金を交付したのなら私は大問題だと思う。この点一点疑点としてあげておきます。御調査願います。
 実はこの三千万円の補助金が今日のベル福祉会館の、ベル福祉協会の今日の複雑な経理を巻き起こしたといっても私過言でないと思う。時間がありませんから私のほうでわかりました範囲内の金銭的な問題をお伺いしておきたいわけですが、この工事請負契約は三億四千五百万円になっております。これはおっしゃいます福祉会館とそれから上のマンション部分と両方含めた請負契約の金額であろうと思います。そして中に、あとからでございますけれども聴能訓練所として施設設備また会館の施設設備、調度品なんかを含めて協会のほうから報告をいたしておりますのは四千七百十一万円の施設整備をしている。合計約四億。これがマンション部分です。それから土地代として四千七百万円かかった、こういうふうな計上になっております。要するに費用として、経費として要った金額は四億五千万円足らずです。これをよく頭に置いていただきたいと思います。さらにこのマンション部分が二十四室ありまして、先般もこの関係者に聞きますと全部売れてしまった、こういうことでございますが、その売却の代金は幾らになっておりますか。
#114
○政府委員(今村譲君) マンションの売却代金が全部で二十四室分で二億一千二百四十四万五千円。これは総額でありますが、すでに入っております部分が二億七百十四万五千円現金で入っておりまして、一部未収金、五百三十万円ほど未収金がありますが、これはすぐ入ってくるというかっこうになっております。合計しまして二億一千二百四十四万五千円、こうなっております。
#115
○二宮文造君 先ほども言いました四億五千万円をちょっと頭の中にざっと置いておいていただきたいと思います。
 そこでこれに関係する補助金、交付金あるいは助成金、寄付金、それから借り入れ金、それらを見てみますと、まず一番に国が、先ほど御答弁がありましたように、三十九年四月三十日までに三千万円の建築補助と、それからその前に競輪の利益配分として、三十七年の三月十七日に八百五十万円、五月の三十一日に八百五十万円、計千七百万円競輪のほうから収益の配分として受け取っております。さらに、今度は四十年の二月の三日に年金福祉事業団から二千万円、三月の四日に五百万円、合計二千五百万円の融資を受けております。また、四十年の九月の二日に自転車振興会から一千万円、さらに十一月の二十五日に一千六十二万円、また、社会福祉事業振興会から四十一年の八月二十九日――昨年です、八月二十九日に一千万円、八月三十一日に九百万円、合計一千九百万円の融資を受け、さらに助成金としては、公共団体から四十年、四十一年にかけて百五十万円、それから一般寄付金として、三十六年から四十一年までに二千八百七十二万九千八百十二円、それから、さらに東京都社会福祉協議会から、これはつまびらかでありませんが、四百万円ともいわれ、三百万円ともいわれる融資を受けておる、こういうふうな融資並びに助成、交付金を受けておるわけです。これらの件につきまして、年金福祉事業団、それから通産省の車両課、さらに社会福祉事業振興会、それぞれのお方に御出席をいただいておりますので、それらについて、申請の目的、それから先ほども私の申しました交付の年月日、金額に間違いがあるかどうか、さらに融資の部面につきましては、債権確保の上でどういう手段を講じていらっしゃるか、この点についてそれぞれの部門から御答弁をお伺いしたいと思います。
#116
○参考人(杉山二郎君) 年金福祉事業団の関係について御説明を申し上げます。
 結論は先生のお話しになったとおりでございます。昭和三十九年三月に大和銀行虎の門支店を取り扱い金融機関といたしまして、つまり代理貸しでございまして、ろうあ者更生援護事業のため、このベル福祉協会から福祉会館の新築資金の借り入れ申し込みがありました。内容はマンションを含めました地下一階、地上六階、総面積五千二百四十平米の建物のうちで、ろうあ者の補聴センターといいますか、補聴センターの授産施設の部分であります地下一階、地上二階、約二千四百六平米について五千万円の融資申し込みがございました。事業団といたしましては、福祉施設そのものが事業団融資の資格に適合しておりますし、取り扱い金融機関である大和銀行虎の門支店の貸し付けに僕する意見も適当と認めましたので、事業団融資の基準面積に照らしまして計算をいたしましたところ、対象面積は二千四百平米のうち九割近い一千九百十八平米、これにわれわれのほうの標準単価というものがございますのでそれを掛けまして、それに融資割合の九割を乗じて貸し付け額を算出いたしたところ、五千二百二十八万円という数字が出てまいりました。したがって、申し込み額が五千万円でありますので、われわれのほうで計算いたしました五千二百万円を下回っておりまして、それを三十九年十二月二十六日に貸し付けを決定いたし、お話しになりましたように二月に二千万、三月に五百万、計二千五百万前貸しとして資金を交付いたしました。あとの二千五百万円につきましては、その後、先ほどお話がありましたように土地その他について訴訟という問題が出てまいりました。われわれ前貸しの段階で、抵当物件に対してそういう争い――訴訟がありました場合には、資金交付を停止することができるということになっておりますので、その契約の条項によりまして二千五百万円の資金を交付することをとめました。その後、ベル協会から、二千五百万円でけっこうである、あとの二千五百万については辞退がありましたので、同時にいわゆる弁済契約をしてほしいということでありまして、二千五百万円について昭和四十一年八月十五日に公正証書で弁済契約を締結いたしました。ベル協会自身、必ずしも最初の計画どおりスムーズに進んでいるかということにつきましては、私どもの見たところ、ぼつぼつ経営も良好になっていくのではないかというふうに考えております。また、目下まだ回収の段階に入っておりません。同時にまた、抵当権設定契約もいたしておりますし、資金回収については、いまのところ訴訟の帰趨も考えてみなければいけませんけれども、われわれといたしましては心配ないのじゃないかというふうに考えております。
#117
○参考人(甲賀春一君) 社会福祉事業振興会の貸し付けの経過について御説明を申し上げます。
 ベル権祉協会からの借り入れ申し込みがございましたのは四十年の八月二十三日でございます。東京都の知事を経由しまして申し込みがありました。私どものほうで受け付けましたのは四十年の九月二十四日でございます。翌月の十月五日に第一回の審査をいたしまして、同時に主としてこれは留保になったわけでございます。その理由は、法人は認可されておりますけれども、施設の認可がまだおりておりませんのでそのまま留保いたしまして、年を越しまして施設の認可が翌年の一月三十一日にございましたので、二月の十六日、すなわち四十一年の二月の十六日に第二回目の審査をいたしました。その結果、大体貸し付けして差しつかえない、その理由としては、もう少し財務諸表を検討する、あるいは償還の確実性を確かめるとか担保物件を検討すると、こういったようなことを調べた上で貸し付けを決定しよう。こういうことでございます。その後、いろいろ調査をいたしまして決定いたしましたのが四十一年の七月十三日でございます。契約を七月十九日にいたしまして――先ほど先生からお話のありましたように、それぞれ二回に分けまして八月の二十九日に一千万、八月三十一日に九百万円交付をいたしました。なお、財務諸表等を刷るのに相当手間を食いまして、その内容を審査をいたしました。当初の借り入れ申し込みとは、だいぶ財産の移動がございまして、最終的に正味資産が五千六十九万八千円ということを確認いたしました。私どもの業務方法書からいきますと、正味資産の半分まで貸し得るということでございましたので、ここで決定をいたしたわけでございます。
 なお、担保につきましては、借り入れ申し込みの当時は関という法人の理事個人の財産を抵当にするように申し込みがございましたけれども、いろいろ調査の結果、ベル会館の建物、地下一階、地上二階、千八百九十平米のものを現に第二抵当でございますけれども、二番抵当でとったのでございます。価額は、その当時第一銀行に評価を依頼いたしまして、八千六百九十六万六千円ということてございまして、担保金工も十分ございますので万間違いない、かように決定をいたしたわけでございます。
 以上でございます。
#118
○説明員(赤澤璋一君) ただいまお尋ねの、日本自転車振興会並びにその以前におきます特別競輪の益金からの補助につきまして経緯を御説明申し上げます。
 まず、年を追って申しますると、ただいま先生からお話ございました会館の建設に関する補助でございまするが、これは現在とは制度が違っておりまして、当時は特別競輪からあがりますところの益金の一部を、団体といたしましては全国競輪施行者協議会、それから日本自転車振興会、全国競輪場施設協会、この三団体が中心となりまして、所要のところに寄付をしておったのであります。この益金の寄付に対しまして、ベル福祉協会から会館建設のために七千万円の助成の申請が三十六年十月四日付で行なわれております。これに対しまして、同じく同年の十月三十日に厚生大臣名をもってこれについての復申が出ております。この復申の要旨は、結論といたしまして、きわめて適切な規格と認められるという復申でございます。これに対しまして、三十七年の三月九日に開かれました特別競輪益金使途委員会におきまして、審議の上決定をいたしております。この委員会は、当時通産次官名をもって通牒でもってつくっておった委員会でございまして、学識経験者その他の多数の委員が集まって審議したわけであります。この決定に基づきまして、全国の競輪施行者協議会その他の団体から三十七年の三月十七日に八百五十万円、同じく五月三十一日に八百五十万円の寄付が行なわれておるわけでございまして、この点は御指摘のとおりでございます。
 もう一つの件につきましては、これは昭和三十七年に自転車競技法が改正をされまして、こういった公益福祉、体育その他の事業につきましては、法律に基づきまして日本自転車振興会が補助をするということに相なってまいったわけでございます、したがいまして、あとの件は、こういった法律の規定に基づきまして昭和三十九年の八月一日に、この協会が、ろうあ者のために使います各種の施設について補助をしてもらいたいということで、二千六十二万円の補助要望が行なわれたわけでございます。これに対しまして、翌年の四十年二月二十五日に振興会から通産大臣あての事業計画並びに収支予算の認可申請があり、その内容につきましては、法律の規定によりまして、三月九日に、いまは名前が違っておりまするが、当時の名前で申しますると、車両競技関係交付金運用審議会が開かれて、これに付議されております。ところが同じこの三月九日の日に新聞記事で、この協会のことが取り上げられておりましたために、この審議会では、こういった問題が完全にきれいになると申しますか、明らかになるまでは助成をしないということで、条件づきでこの案件を了承をいたしております。その後五月になりまして、通産省から厚生省に対しまして本件についての照会を行ない、かつ厚生省から回答をいただいております。また同じく六月に至りまして日本自転車振興会に対しまして本件についての調査を命じました結果が、同じく六月二十九日付をもって報告が出てまいっておりまして、いずれもこのベル福祉協会に対する自転車振興会からの助成は適当であるという回答になっておるわけでございます。その結果、先ほど御指摘ございましたように、四十年の九月並びに十一月、二回に分けまして補助金の交付をしておる、こういう状況でございます。
#119
○二宮文造君 それぞれ答弁いただいたわけですが、通産省の場合は厚生省の復申があって、そうして適当と認めるという、その復申が重大なポイントになってという御答弁でございました。年金福祉事業団のほうも、また振興会のほうも、同じく厚生省のほうから復申はとって貸し出しを決定されたのでしょうか。この点どうでしょう、二者にお伺いしたい。
#120
○参考人(杉山二郎君) いまの御質問、お聞きして恐縮なんでございますが、復申をとるってどういう……。
#121
○二宮文造君 厚生省のほうに、こういうふうな貸し出しの申請がある、意見はどうだという厚生大臣の意見といいますか、そういうことをおとりになったことありますかどうか。
#122
○参考人(杉山二郎君) 私の知っております範囲で、別にとったということは承知しておりません。ただ厚生省からも補助金出ておりますし、事業団の金融機関としてのベースに沿って慎重にやってもらいたいと、こういうことでございます。
#123
○参考人(甲賀春一君) 社会福祉事業振興会のほうは、意見としては東京都知事の意見をつけてまいりますので、厚生大臣の意見を聞くということはございませんですが、この事業が初めて行なわれる事業であったために、連絡はとりましたのでございます。
#124
○二宮文造君 それから、年金事業団のほうにお伺いしますが、先ほどの答弁で、経営もおいおいよくなってきた、ですから心配はない。こういうふうな御答弁でございますが、最近のベル福祉協会の経理状況は御承知でございましょうか。御承知かどうか、それだけでけっこうです。
#125
○参考人(杉山二郎君) お答えいたします。ごく最近のことについては実は承知しておりません。ただ、先ほどのことばでちょっと付け加えさしていただきたいのでございますけれども、われわれのほうで、二千五百万円ございまして、何とかなると思っておるのですが、もしこの元利金の支払いができない場合は受託銀行の大和銀行が二割支払うことになっております。最後には、連帯保証人のほうにいくという筋合いになっております。しかし、われわれといたしましては、何とかやっていけるのじゃないかというふうに見ておりますが、ごく最近の経理については承知しておりません。
#126
○二宮文造君 ことばじりをとらえるようでまことに恐縮なんですが、最近の状況を御承知でなくて、心配ないというふうなのは、ちょっと私いただけないので、この点は訂正しておいていただきたい。いかがですか。
#127
○参考人(杉山二郎君) ちょっと突っ込まれて弱りましたけれども、われわれとしては、担保力は十分あると考えておりますし、なお、収支状況につきましては、先生の御指摘もありますし、よく調査をしてやりたいと思っております。
#128
○二宮文造君 それで厚生省のほうにお伺いいたしますが、現在、ベル福祉協会が持っております債務についてお伺いいたしたい。といいますのは、いまの年金福祉事業団に二千五百万円はわかりました。それから社会福祉事業振興会の千九百万円もただいま明確になりました。さらに、その上にどういう債務があるか、お調べになった範囲内であかしていただきたい。
#129
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。
 現在、債務合計が、これは一番最新の資料だと思っておりますが、全部で二億五千四百十六万六千円という数字でございます。そこで借り入れ金といたしましては、年金事業団が二千五百万円、それから東京都社会福祉協会二百四十万、これはさっきお話がありましたように、三百万か四百万かわからないということですが、一部返したものがあるようで、元は三百万円、それから社会福祉振興会一千九百万円、ここまでは先ほどお話にありましたとおりであります。それから、たくさんいろいろありますが、大きいところでは大和銀行の虎の門支店、これが二千八百万円、それから富国建設という建設会社がございますが、これが千百万円、それから東京大証が二千三百四十六万円、その他こまかい項目がたくさんございますが、合計で一億一千七百二十七万一千円というのが借り入れ金として整理してございます。それから、その他支払い手形といたしましては、丸紅飯田が一億五百五十七万二千円、これは例のマンション部分あるいは全体の本建築部分というものに関する負債の元金及び利息を全部ひっくるめまして一億五百五十七万二千円、それから大庭フジさんという、これは個人でありますけれども、特定の人でありますが、千九百九十六万――約二千万円ぐらいということで、支払い手形は一億二千七百九十八万二千円、それから買い掛け代金、また、いろいろ物品の未払い部分が八百九十一万二千円ということでございまして、総計二億五千四百十六万六千円、こういう数字であります。
#130
○二宮文造君 立ち入って恐縮なんですが、大和銀行の利息は幾らですか。それから東京大証の利息は幾らですか。それから富国建設の利息は幾らになっておりますか。それからもう一つ、丸紅飯田に対して当初の請負金額は三億四千五百万円、そのうち幾ら払って、ただいま仰せになったように、一億何がしかの残金が残っておるのか、その辺の経緯を明らかにしてもらいたい。
#131
○政府委員(今村譲君) 銀行の金利は、これはこっちにありますけれども、あとからにして、先に丸紅のほうから申し上げます。丸紅は、最初に建設費といたしまして三億四千五百万円というのが、会館とマンション両方合わせましたもの、それに改修費その他雑工事が若干ありますので、それが約六百万ほどありますが、それで三億五千百二十四万円、これがもとのいわゆる債務であります。それから支払い額といたしまして協会からじかに払いましたのが六千五百万円、それからマンションの売り上げ代金、先ほど申し上げました二十四戸分で二億一千二百四十四万五千円、合計で二億七千七百四十四万五千円ということでございます。したがいまして、その三億五千百万円から二億七千七百万の返済済みの部分を除きますと、根っ子の金が七千三百七十九万五千円、それで、それに上乗せとなります金利がございます。金利は四十年度、四十一年度と合わせまして合計で三千百七十七万六千九百七十八円、こういうことでございます。これを合計しますと一億五百五十七万二千円、こういうふうに現在元金及び利子の債務というものが残ってございます。銀行金利は資料持ってきておりますが、いま見つけますから、時間いただきたいと思います。
#132
○二宮文造君 ついでに丸紅飯田のほうの利息と幾らの支払い契約かということ。これちょっとあまり大き過ぎます。三千百万もどうしてそう利息がかかるだろうか、どういう契約になっておるのか。
#133
○政府委員(今村譲君) 丸紅の分だけ申し上げますと日歩三銭、それから履行期限を経過いたしましたものにつきましては五銭、こういう契約になっております。
#134
○二宮文造君 六銭じゃないですか、さらに三銭上積みするんじゃないですか。
#135
○政府委員(今村譲君) 間違いました。六銭でございます。
#136
○二宮文造君 東京大証は幾らですか。
#137
○政府委員(今村譲君) 確かに持ってきておったと思いますが、ちょっと見当たりませんので、これは至急調べさしていただきまして提出をしたいと思います。ちょっと御猶予いただけませんか。
#138
○二宮文造君 そういたしますと、先ほど四億五千万というのは頭に置いていただきたいと、こう申し上げました。そして、いま借り入れ金として厚生省のほうで御答弁になった金額、並びに、先ほど各部門からお伺いいたしました助成金や補助金、それから一般寄付金、それらを合わしますと約四億三千万近くになる。最初の計画では、約四億五千万円あれば会館はスムーズに動く、入った金も確かに四億三千万円ほどある。にもかかわらず、現在――もちろん、この一億二千万円は別にします、年金福祉事業団や社会福祉事業振興会なんかの借り入れですから。そのほかに一億二千万の赤字が出ておる。一体どうしてこういう赤字が出たのか、この点は厚生省としてどうおつかみになっておるか。
#139
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。
 先ほど先生がおっしゃいましたように、建築というものを始めるまでの債務合計が四億四千七百万、それから、いままで入ってきておりますのが、収入としておりますのが、助成金が国庫補助三千万、自転車振興会三千七百六十二万、寄付金三千二十二万、合計九千七百八十五万、そのほかにマンション売り上げが二億一千二百万ということで三億一千万、――若干端数がございます。したがいまして、当初の出発当時の四億四千七百万から見ますと、すでに三億一千万の金を入れておりますから、残りますのは一億三千七百万くらいのものが債務になるのではないか。ところが、いまおっしゃいましたように、そのほかに一億二千万くらいの赤字がある、これは何かということでございますが、これはこういうことでございます。一億三千七百万という出発当初から現在まで金を払いました建築部分に関するもののほかに、三点ほどございます。というのは、運営経費が、これは三十六年から若干の事務職員で準備を始めて、三十六年、七年、八年ということで、実質的には四十年、四十一年と事業をやっておりますが、その部分の、累積の赤字部分の持ち出しというのが三千七百四十四万円、それが第一点でございます。それから支払い利息――先ほど申し上げました四億四千七百万、これは持ち金でございます。したがって、その後の遅延によります支払い利息が、全部ひっくるめまして五千九百四十七万三千円。それからもう一つ、これは東京大証で手形の関係、倒産の関係、いろいろございまして、二千万よけいに債務を負うというかっこうになっております。これは法人の事務的な非常に大きなミスだと思います。それを合わせますと、一億一千六百九十一万五千円。いま先生が御指摘になりました約一億二千万とおっしゃいましたのは、大体これの問題だと思います。
#140
○二宮文造君 重大な誤差がございます。東京大証は二千万しか掲上されておりません。したがって、二千万――手形を詐取された二千万については、この一億二千万の中に入っておりません。また、ベル協会の債務の金額の中に、東京大証は幾らになっておりました。先ほど二千三百万とおっしゃったんじゃありませんか。これに入っておりません。そういう表面を糊塗するような御答弁は私伺いたくない。したがって、いま仰せになったこの二千万ですね、これは二千万はのけていただきたい。それならいいのです。それから運営経費として三千七百四十四万円、三十六年から運営経費があったというお話ですが、三十六年から四十年までは、主としてこれは建築のための事業でありまして、かかる期間でありまして、この間にはほとんど人件費がどういうふうにお支払いになっているかわかりませんけれども、そう重大なスタッフはないわけです。したがいまして、重大なスタッフが、たとえば授産所に六名の職員を置いた。それからまた、聴能訓練のほうに十名の職員を置いた。また、ベル会館に専門の人が二、三名おりますが、その方を置いた。これは四十一年以後です。事業開始してからです。昭和四十一年以後からどれだけの人件費が払われたか。こうなってきますと、この三千七百四十四万円の運営経費というものは、はなはだこれは信憑性がない。ここでもまた相当部分が帳簿上には載っておりますけれども、その行くえを厳密に追及していきますと、非常にあいまいな金額が出てくる。また、支払い利息五千九百四十七万三千円というお話でございますけれども、四十一年の三月三十一日の締め、そのときの支払い利息は千三百万円しか出ておりません、収支計算書を見ますと。そうすると、わずか一年間に四千万円の支払い利息を生んだのですか。なぜそういう金額を生んだのかということは、厚生省はどう理解されておりますか。
#141
○政府委員(今村譲君) 第一点の事務人件費の問題でございますが、これは先生おっしゃいましたとおりに、協会の原簿を当たりました結果、三十六年度は事務費が全部で十五万円、それから三十七年度は人件事務費が合わせまして二十九万三千円、三十八年度、この辺から相当人をふやしまして百六十九万、年間でございます。月十万ちょっと。それから三十九年度が三百八十三万、四十年度が千八百万、四十一年度が千二百万、こういうふうな、これは正規事業部門収入を入れまして差っ引いてありますから、実際には千三百八十万くらいになりますが、四十年度、四十一年度千四、五百万というふうな数でございまして、三十六年から三十九年までは非常に小さな数でございます。
 それから金利計算といたしましては、先ほど支払い利息が五千九百四十七万三千円というふうに申し上げましたが、三十八年度が百三十七万、三十九年度が百二十八万、四十年が二千三百九十八万ということで、四十一年度は三千四百三十万ということでございますが、これは中身を申し上げますと、丸紅の千二百六十六万、あるいは大和銀行の百三十九万、年金事業団の百二十五万、こういうふうに積み上げ、その他たくさんいろいろ書いてございますのを積み上げまして、全部で三千四百万、こういうような数字でございます。
 もう一つ忘れまして、はなはだ申しわけなかったのですが、債務の二億五千万と申し上げたときに、東京大証をここには二千三百四十六万と申し上げましたが、ほんとうを言えば、これは四千三百万幾らというふうに二千万のやつを積み重ねるか、上積みすべきじゃないか。したがって、あとで申し上げた運営経費支払い利息のほかに二千万ございましたというのは、前のほうの表に入れ込んでおくべきではなかったか。これはどっちにすべきかと実は迷っておったが、結果においては、総額のやつは、二千万のその部分も入っておって二億五千幾らということになります。
#142
○二宮文造君 要するに、厚生省としては、いま数字を列挙されましたけれども、その数字の一つ一つについて信憑性を確認されますか。おそらく、私が指摘するまでは、そういうふうな金額の問題については全然タッチなさっておらない。ただベル協会のほうから報告を受け取って、ただそれを表の上で整理をされただけで、経理の内容に至ってまでおたくのほうでは、厚生省のほうではタッチされておらない。そういうことが私のほうで明らかになっておるのですが、局長さん、いかがですか。
#143
○政府委員(今村譲君) おっしゃいますように、ほんとうならば社会福祉法人であり、しかも、これだけの大きな事業をするということが飛び出したものですから、たとえば直接社会局がこれを管理するくらいの気持ちであってしかるべきじゃないかという気持ちは持っております。ただ、いろいろ身体障害者の関係の団体なり法人なり、いろいろ関係がございますので、一々なかなかやりにくい。しかし、法人のほうに対しましては、極力いろいろのいきさつもあり、決算委員会の御指摘も過去一、二回じゃないという事態でもありますので、早く言えば、口をすっぱくしていろいろ指導いたしている、こういうふうな状況でございます。
 ただ、一つ一つの問題について信憑性そのものといいますと、証憑書類から全部突き合わせなければならないということで、これはなかなかむずかしい問題ではありますけれども、ここで先生からのお話もあり、全部突き合わせろということで現在やっておりますけれども、きょうまでには実は間に合わなかった、今後ともそういうようなものにつきましては、十分協会の事務当局というものとがっちり内容を固めていってもらうというふうに指導したいというふうに思っております。
#144
○二宮文造君 この期に及んで厚生省からそういうふうなお話があっても、すでに手おくれじゃないでしょうか。たとえば授産所の問題、ろうあ者の授産所の問題一つ取り上げますと、私が参りましたときは、三十名の定員に対して十一名しか実在しておりませんでした。すでに四十一年の一月から仕事は開始しておりながら、一年数カ月たって定員が満たない。しかも、その管理につきましては、収入工賃には一切触れない。支払い工賃もわからない。それは単に、そこへ指導員として来ている人が直接に受け渡しをしておりますから、授産所所長としてはわからない、こういうふうな答弁です。また、ただわずかに十一名の――事の起こりは十一名しか入所していないのですが、その授産所が三千万円の補助金支給の原因になっているわけです。また、先ほど、本省として直接タッチすべきであったにもかかわらず、仕事が錯綜しておるので、なかなかタッチできませんでしたという答弁でしたけれども、ならば、なぜ最初の補助金の交付のときに、東京都を経由しないで、本省で直接お貸しになったか。この点については、東京都は非常に不審を持っております。こういうケースはない。ただ、国立光明寮みたいなものは、これは国立ですから、東京都をタッチしないで、あるいは地方団体をタッチしないで、どんどん進められていく。こういう民間の社会福祉法人に、東京都並びに地方公共団体、直接監督の立場にある公共団体を、トンネルではない、全然ボイコットして直接貸されたケースはない。したがって、東京都としては非常に監査が苦しい。今時点になってこの法人が二億数千万円の借財を持ち、しかも、訓練所に何人来ているか。四千数百万円の機械を設置したとはいいましても、その訓練所の利用状況というものは非常に悪い。また、授産所にしましても、私あ然としたのですが、和裁を始めて六年になる、もちろん、ろうあの方です。指導員の助手として、いわば訪問着を縫える人が、しかも、発注元が三越である、三越の発注にかかる訪問着をこなすだけの技量を持ったそのろうあ者が、しかも、指導員の助手をやっている人が、経験も六年もあるにもかかわらず、月額八千円ですよ。その八千円の中から日額百四十五円の食費を払うのです。これではたして授産の目的を果たしているかどうか。また、十一名しかその授産所に収容しておりませんが、その所長さんは給料は幾らか、職員は何名で、人件費は幾らか、措置費と、それから、そういう食費とあわせて、授産所の経営が妥当であったかどうかということについて、厚生省はどういう指導監督をされているか、この点をお伺いしたい。
#145
○政府委員(今村譲君) お答え申し上げます。
 三十名の者を大至急、早急にこれを埋めるようにということは、しばしば言っておりますが、昨年の一月に始めました当時は、最初は五、六名でございました。ほんとうは、ろうあ学校の卒業者というのは、大体三月卒業というと、一月、二月には全部もう行き先がきまってしまうということで手おくれでありましたが、極力努力するようにということで、現在まあ三十名の半分にも足りませんが、十数名入るようになった。それで、今度のことも全日本ろうあ連盟のほうにもよく話をし、学校にも話をして、三月三十一日の卒業生はそこに三十名ぴったり入るようにというふうに努力をしてもらいたいというふうな指示はしてございます。
 それから、その八千円という問題、これは授産所の工賃というのを直接行政権限でわあわあ言うわけにはいきませんので、三越とどういうふうな契約状況であり、月にどのくらいの作業量であったかということを再調査をいたしたいと思っておりますが、やはり普通頼めば三万円とるところを、授産所に来ると相当たたかれるという問題がありまして、これは施設としても、そういういい注文をとり得るようなかっこうに努力さしていきたい、こういうふうに考えております。御了承いただきたいと思います。
#146
○二宮文造君 社会局長、全然実情を御存じないのです。私が指摘しましたのは、授産所には全然工賃は通っていないのです。よろしいですか。三越から下請を受けた人が指導員に入っているのです。その指導員から授産所の収容者に直接払われるのです。授産所はその経理を全然知らないのです。こういうことがはたして授産所を運営する方法として正しいかどうか。これが厚生省のお肝いりでできたベル福祉会館の授産所に行なわれている事実なんです。こういう形で全国から来ておりますから、やっぱり先に収容されている人に意見を聞きます。そうすると、そういうことが吹聴されて、これは絶対に定員に満たない、永続しない、現在のような状況でやっているのでは。ですから、授産所そのものが的確でないわけです。それを厚生省は一つも指導されていない。また、聴能訓練にしても、競輪のほうから二千六十二万円もの助成金を取り、さらに、振興会のほうから千九百万円の融資を受けて設備をした。はたしてこの設備が、ほんとうに突き合わせをしていって、厚生省に報告されているだけの金額にマッチするかどうか、これも不明です。ですから、私は、この社会福祉法人ベル福祉協会が今日二億五千万円の借財を持つに至ったゆえんは、経理がずさんだからである。第一、土地代金にしても、四千七百万円のうち楽石社は一千万円を受け取っていない。にもかかわらず領収書はとられている、こういう事実です。それからまた、毎年の収支決算書や財務諸表にしても、これは完全につくられたものでありまして、現に私が参りましたときにも、十二月以降帳簿はついておりません。また、帳簿をごらんになりますとよくわかりますが、一定のときに同じ字で書いております。つくられた帳簿である。こういうことが社会福祉法人として適当であるかどうか。国から交付金あるいは助成金合わせて一億円です、それで運営されている、そういう実態です。
 さらに今度は、丸紅との請負契約の中にある金利三銭あるいは六銭、こういう金利を負担するということが理事会で承認されましたかどうか。これもない。そうしますと、定款できめられた理事会というものがあっても、このベル福祉協会は完全に一人の人の意思によって運営されてきた。それに対して国並びに公共団体あたりから一億の助成金が出された。しかも、その使途は明確でない。明確でない理由は、ただいま申し上げましたように、収支は一応は合ったはずなのに、支払い利息だとかなんだとかという計算で二億五千万円の借財を負っているというのが、明瞭でない証拠です。また、社会福祉事業法によりますと、評議員会がない場合は、監事は厚生大臣に経理のことについて報告をしなければならない、こういう法の規定がございますが、これもやられておりません。ですから、私はあえて背任とは申しませんけれども、社会福祉法人がこういう不明朗な経理で、しかも、数千万円にわたる行くえ不明の金額がある。それを再三土地の問題で私どもはこの委員会で問題にしました。にもかかわらず、厚生省としては、さらに具体的に指摘をするまで、なぜ実地において調査をされ、適正な指導をされなかったか。ここに私は厚生省の重大な責任があると思う。そのために、今日年金福祉事業団の債権確保について、また振興会にもこれから心配をかけます。おそらく償還期限が参りましても、別段の手を打たなければ、もう返済されないのは事実です。こういう時点をどうされるか、お伺いしたいと思います。
#147
○政府委員(今村譲君) 御指摘のように、私ども、その経理内容なり、あるいは、その毎日毎日のいわゆる経理事務の適正というもの、そこまで徹底的に指導しなかった、あるいは、できなかったということについては、はなはだ申しわけないと思っています。今後全力をあげて、いま御指摘のような問題について是正をさせるというふうな方向に努力したいというふうに思っています。
 それから今後の債権の問題でありますが、現在まだ確定的なことではございませんが、一番大きな金利を食っております丸紅の問題、これはマンションなり、初めから丸紅といろいろ協定の上でできたものでありますので、これは十年なり八年なり、基本的に債権債務というものをたな上げしてもらうというふうな折衝を、社会福祉事業であるからというふうなことで折衝が相当進んでおるというふうに聞いておりますので、それがもしできますならば、一番大口のむずかしいところは、ある程度かっこうがつくというふうになるのじゃないか。そうすれば、あとはできる限り、こまかいいわゆる借り入れ金とかなんとかというふうな問題についての解決に拍車をかける、こういうふうにして財政的な安定をはかってまいりたい、こういうふうに考えます。
#148
○二宮文造君 重大なポイントが答弁がないのですが、三十六年設立以降今日まで経理が明確でなかったという法人の代表者の責任、さらに、私がいま非常に金の支出先が不明朗である、こういう場合、これは私は、通常の場合は背任とかなんとかという問題が出てくるのじゃないかと思うのです。それはおそらく告発にまたなきゃならぬのだろうと思うのですが、その前にこの経理の内容を明らかにする御意思があるのかどうか。証票と突き合わせ、あるいは、そこに設置されております機械と全部突合されて、そうして、すっきりした形で実態というものをおつかみになる意思があるかどうか。同時に、現在までこういう社会福祉事業法、そういうものに違反した行為、その監事並びに代表者に対して、どういう措置をおとりになるのか。それからもう一つ大事な問題は、私は、ろうあ者に対する授産所ですから、これは生かしていただきたい。また、あそこに設備をされております聴能訓練の機械も非常に斬新なもののようです。したがって、これも未開の、これからの開拓の分野ですから、この施設も生かしてもらいたい。しかし、現在のような運営のしかたでは、とうていこれは解決する問題ではない。それをどう生かそうと努力されているのか。いまの社会局長さんの見解のように、ただ丸紅の債務をたな上げしただけで、これで私は、このベル福祉協会は運営されるものじゃない、責任をはっきりすべきだ、そうして現在の授産所の経営のやり方についても、これは私は適切でないと、したがって、責任をとっていただく、こういうふうな、まず厚生省みずからが指導の姿勢をはっきりさせた上で、この問題に取っ組んでいただかなければならぬと思うのですが、この点、御見解いかがですか。
#149
○政府委員(今村譲君) ろうあ者の授産、それから聴能訓練、これは大事な問題だからしっかりやるようにということばをいただいたわけでございます。実は授産も一番最初は百名定員というふうなものから出発しておったのですが、いろいろ聴能訓練とか集会室とか、いろいろな設計変更というようなことで、あそこまで小さくなったのでありますが、これにつきましては、おっしゃるように、責任者なり何なりかっちりと固めて、いわゆる授産所の低賃金搾取というふうなことをよく授産所で言われますが、そういうことの絶対ないようにという指導をしてまいりたいと思います。
 それから聴能訓練の問題、これは東大の切替教授という耳鼻系統のりっぱな先生がおられまして、これは、この人が全力をあげて機械の選定なり何なりというものを運営委員会をつくられてやっておりますので、おっしゃいますように、あそこに書き上げた四千七百万円のものにつきましては、つけ落ちといいますか、買ったことにして実はないというふうなものはないのだろうと実は私は思っておりますが、おっしゃいますように、証票から現品から全部突き詰めまして、それを当たって疑惑を晴らすことが一点。
 それから、それの運営につきましては、現在十一名ほどおりますけれども、そのより効率的な運営ということについても、切替先生を中心としていろいろ検討をしていただくというふうに方向を進めていきたいと思います。
 それから相当資金――ある程度のつくった報告というふうにおっしゃいましたが、その部分は、ある程度現実と違うことはあるかもしれませんが、根っ子からいろいろ創作したものというふうに、私は実は考えておらないわけでございますが、少しでもいわゆる報告書というふうなものが妙なかっこうになるということにつきましては、今後とも厳重に調べて、そういうような疑惑が生まれないように努力いたしたいと思います。ただ、現在までの運営につきましては、この理事者なり職員なり、日本で初めての聴能訓練の組織とか、いろいろなことで戸惑いをしているということで、不手ぎわは非常にたくさんあると思います。ただ、したがって、それは、全部この不手ぎわについて責任を行政的に追及するということについては、今後いろいろ考えさしていただいて、改善の余地があるならば改善していくというかっこうで生かしていただければ非常にありがたいというふうに思うわけです。
#150
○二宮文造君 それでは社会局長にさらにお伺いしますが、社会局長のいまの答弁を伺っておりますと、代表者なり職員なりには全然責任がない、だから、変えられるものなら改善させる、こういう御意見ですが、はたしてそれで理解できるでしょうか。たとえば援産所の経理についても、所長さんは全然御存じない。しかも、たしか――私、個人の給与について云々することはよろしくないのですが、月俸七万円だそうですね、十一名です、それに措置してくる金が月に一万二千円ぐらいだそうです。十一名です。そこには経理の事務の人もおります。指導員もおります。のっけから全然援産所として経営は成り立たない。それでも、じんぜん日を経て今日に来ている。またさらに、援産所の所長さんは、協会の理事も兼ねられている。そうして協会がよって来たった理由、どうしてこれほど多くの借財を持たなければならないかという説明を受けましても、全然御存じない。ならば、これを立て直していくという施策もなければ、反省もない。さらに、代表者の方は、おそらく金策に奔走されているのだろうと思いますが、したがって、そういう不安定な代表者並びに事務局長、そういう不安定なトップクラスの運営ですね、いま申しましたように、援産所の施設にいる人が、あるいは聴能訓練に携わる人が、安定した立場でこの問題に執務していけるかどうか、私、はなはだ疑問に思うわけです。要するに、的確でない、的確でない証拠は、今日までの経理の状況を見ればわかる。今日社会局長さんにお伺いしても、経理の面については、確信を持っての御答弁がない。おそらく掲上できない金が相当数ある。これは断定できませんけれども、掲上できない、説明できないお金があるとしますと、これは法人の代表者は刑事責任も問われなければならぬ。したがって、厚生省としては担当の省ですし、また、直接三千万円の補助をなすった、これさえなければ、今日こんな問題はない。しかも、その補助の出し方についても、会計検査院から指摘を受けなければならない。また、もっと私言いたいのは、昨年も一昨年もそれを問題にしているにもかかわらず、今日まで厚生省が指導されてない。こういう事実を列挙してまいりますと、私は、厚生行政の姿勢そのものが非常にあいまいになってくる。したがって、これは本日はこのまま終われません。あとの質問者もいらっしゃるようですから、私は疑問のまま提起しておきます。いつか後日、日にちをかけて、おたくのほうで調査をしていただく、また、法務関係のほうもそういう面において調査をしていただく、そうして適正な措置を早急にとっていただいて、この問題の解決をはかっていただきたいということと、もう一つ、現在、会館には、ろうあの方が非常に出入りしにくい状況になっております。もうすでにそれは山下会館であって、ろうあ会館ではない、こういうふんまんをろうあの方が漏らしております。会議室を使うにしましても、あるいは、そこで宿泊するにしましても、非常に差別があるといいますか、出入りできないような環境に置かれてしまった、非常に嘆いております。したがって、冒頭に社会局長さんが仰せになったように、ろうあの会館であるという面をもっと強調するような内容を持った指導をしていただきたい。
 以上数点あげましたけれども、それらについて政務次官に最終にお伺いをして、今後の姿勢というものを明らかにしていただきたい。
#151
○政府委員(田川誠一君) いままで、るる二宮委員から御指摘がございましたことについては、事実でありますとすれば非常に重大な問題でございます。ただ、この日本ベル福祉会館につきましては、ろうあ者も非常にこれを期待しておったわけであります。それを何らか存続させるという方針のもとに、これまでの経理の問題であるとか、あるいは人の面であるとかというようなことを今後十分に検討をいたしまして、疑念を払い、また、再建することについて、もっと努力をしなければならないということを申し上げる次第でございます。また、これまでの指導監督につきまして不十分な点があったことは、いま局長が申し上げましたとおりでございまして、今後、監督も厳重にいたしまして、この疑念の点を取り払っていくつもりでございます。
#152
○二宮文造君 これは当然のことと思うのですが、経理の問題につきましては、現時点だけを探求されたのではわかりません。したがって、あえて駄弁になるかもわかりませんが、つけ足しておきたいことは、土地代の四千七百万円のうち、一千万円は楽石社はもらってない、それからまた、楽石社としては他に転売する意図はなかった。共同でやるということの意味において、ただし、それだけの施設を二千万円もかけてやっておるから、それに見合うだけのものをお支払いする、こういうふうな話で始まったのであって、国から九千万円の特別違約金を請求されるということはざんきにたえない、そこにも、このベルの代表者に対する楽石社の不信があります。したがって、そういうところから調査を始めていただいて、三十六年、三十七年、三十八年、三十九年の収支計算書に基づく調査をしていただく、もしもそこに操作があるならば、これは社会福祉法人として適切でないし、法の上での処置をはかっていただかなければならぬ、こういうことをあえて申し上げておきますと同時に、その経過を資料でもって明らかにしていただきたい。また、その間に当然不正なといいますか、行き先不明な金額が出てまいりますと、これまた監督官庁として適切な措置を、法的な措置をおとりになる、これも必要があろうかと思います。そういうことを一切含めて今後御調査願いたいし、報告をしていただきたい、こういうことを申し添えておきます。よろしいでしょうか。
#153
○政府委員(今村譲君) さように取り計らいます。
#154
○石本茂君 たいへん時間もおくれておりますので、ごく短い時間でお尋ねいたします。
 ここに示してございますように、身体障害者、これは実は私、心身障害者という気持ちで出したのでございますが、掲げてあります三件についてお尋ねしたいと思います。
 まず一番初めに示してございます心身障害者、特に心身障害児につきましてお伺いしたいのですが、三十九年度の決算書を見ましても、また、現在の状況を加味いたしましても、この身体障害児の援護費、あるいは重症心身障害児の療育費とかいうものを吟味いたしますと、そこには医療費、そして指導費というようなものが相当額計上されております。そこで私がお伺いいたしたいと思いますのは、こういうふうな心身障害者をめぐりまして、特に心身障害の児童をめぐりまして、政府におかれましては、予算を計上し、執行されますにあたりまして、こういう人たちのために、いわゆる医療といいますか、療育といいますか、それを中心に置いておられますか、それとも、単に養育といいますか、養護といいますか、そういうものに重点を置いておられますか、まずこの辺からひとつお聞きしてみたいのでございますが、お願いいたします。
#155
○政府委員(田川誠一君) 担当の局長が参っておりませんので、詳しいことは御答弁できないかもしれませんけれども、ただいまの御質問につきましては、政府が予算を編成する場合に、障害児のことにつきまして、医療を重点としているのか、それとも療育を重点にしているのかと……
#156
○石本茂君 保護を中心に……。
#157
○政府委員(田川誠一君) そういう御質問だと思いますが、両方を含めて予算を考慮しているものと私は思っております。
#158
○石本茂君 そこでお尋ねいたしたいのは、もちろん両方加味されての予算であることはわかるのでございますけれども、厚生行政という真の意味から考えますときに、ただそこに入れて、寝て、食わせて、死ねばよいというものではないと私ども思うのでございます。特にこれは関連の局は違うかもしれませんが、母子保健法などもつくられまして、単に保護対策だけではない、指導という対策も含めているんだということを盛んに最近言われております。ただここで申し上げたいのは、両方もちろん加味されていると思いますが、真の行政の性格からいたしまして、療育というものをも重心の中に入れてお考えでございますならば、そこに入っている人たちに対しまして、病気をしたらその治療をするための費用が計上されておりますのか。そういうことになる経過におきまして、あるいは、その出生の時点において、あるいは、その後の疾病対策等におきまして、そういう原因、経過より究明いたしまして、そういうものが発生しないようにという予防対策にまで発展して考えていらっしゃいますのか、その辺をひとつお伺いしたいと思います。
#159
○政府委員(田川誠一君) ただいまのことでございますが、発生予防ということも十分に考えてやるように努力をしておるつもりでございます。
#160
○石本茂君 それでは非常に小さいことをちょっと申しますが、いま国立医療機関、特にかつての結核療養所などが重症心身障害児のためにずいぶん転用されてまいりました。そういうところに参りまして実際の現場を見ておりますと、ほんとうにそういう予防対策というものを加味した医療機関でありますのかどうか。といいますのは、非常に検査あるいは調査というようなことにつきましての設備、あるいは、それに要する予算背景がほとんどなされておりません。ただそこにそういう者がいるから、連れてきて入れて、まあ食わせて寝かしとけというぐあいに、非常に強く感じられますので、この近くにあります下志津の病院でございますが、そこに参りましても、一番嘆かれますのがその点なんです。建物が幾らありまして入れましても、原因を究明するところの検査設備がほとんどない、これで、はたしてほんとうのこういう福祉対策ができるのでしょうかということを言われたのがごく最近でございます。そういうところの予算は全然計上なさらないで、ただ場所さえつくってそこに人がいればいい。何か、アドバルーンだけを福祉対策のために上げて、そういう重症心身障害児を国が見るんだ見るんだというようなことをおっしゃって、ほんとにどこまでごらんになるおつもりなのか、私は非常に大きな疑問を持ちますので、お伺いしているわけでございます。
#161
○政府委員(田川誠一君) ただいま御指摘の点は、私どもといたしましても、十分留意してやっておるつもりでございますけれども、何ぶん、大蔵省との問題がありますので、御指摘のように十分にいかない点もあると思いますけれども、今後そういう方面につきましても、十分に考慮してやってまいりたいと思います。
#162
○石本茂君 このことにつきましては、いま申されておりますように、今後十分に意を尽くしてとおっしゃいますので、そのことを信頼さしていただきたいと思いますが、もう一つ、こういう国立機関じゃございませんで、私立の福祉あるいは医療法人が相当ございます。ごく最近、私は自分の故郷が石川でございますので、石川の整肢学園というところへ参りました。そうしますと、そこには重症心身障害児が相当入っておりますのにかかわりませず、三十名くらいまでなら見る――というのは、石川県にはそれ以上たくさんおるとは思われないというようなことで、実は人員三十名のところで例の補助といいますか、そういうものが打ち切られているわけでございます。一体どこまでを重症者とみなし、その三十名というような線が、石川県にはそんなにいないだろうという調査資料――入っている子供は、富山の子供もおれば、福井の子供もおります。そういうような当局の御見解、非常に私ども理解に苦しむわけでございます。これはどういうことでしょうか。あらかじめ何々県、何々市に対しましては、これだけの数字が出ているから、これだけでよろしいというような含みで予算の配分などなさっておりますのか、お伺いいたします。
#163
○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児の数がどういうふうになっているか、それによりまして、重症心身障害児施設の適正な配置を考えていかなくてはいけないというふうなことでございます。厚生省におきまして一昨年から昨年にかけまして調査いたしますと、おとなを合わせまして約一万九千名程度のこういった重症心身障害児あるいは重症心身障害者がいるというふうなことでございまして、したがいまして、各都道府県で割ってまいりますと、三百人から五百人くらいいることに相なるわけでございます。ところで、重症心身障害児に対しましては、施設収容というものが非常に大きなウエートを占めております。ただし、その施設自体もなかなかそう簡単にできないために、規在民間を合わせまして約十一の施設がございます。したがいまして、勢い、そういった当該地域におきまして、その地域におきまする施設収容の数も、まあ県におきましては、ある程度の割り当て数というふうなことで経営していかなければならないというのが実情でございます。こういった点につきまして、やはり施設を早急に拡充してまいりまして、その地域におきまする重症心身障害者あるいは重症心身障害児の適正なベッドを確保してやるという施策を推進しなければならないと思っております。たとえば石川県におきましても、いまお尋ねのように、施設がございますが、これはその付近におきましても施設のない県がございます。勢い、石川県からは何名、あるいは富山県からは何名というふうに割り当てをせざるを得ないのが現状でございますが、これは大至急重症心身障害児の施設をふやすという方向で解決しなければならない、かように考えております。
#164
○石本茂君 そこで関連でございますが、国立でも相当数さっき申しましたように転用されてまいりました。非常にうれしいのですが、入所規定が非常にきびしいのでございまして、心身両方の障害児でございませんと、そこで受け取ってくれませんために、民間施設のほうが、むしろ、両方にわたっておりませんでも、身体障害が非常にひどくて、全くこれは重症そのものであると思われるような者が相当入ってきておりますけれども、将来とも、国立機関におきましては、こういうきびしい線で今後とも行政措置をなさっていくのかどうか、ひとつ伺っておきたいのです。と申しますのは、民間のこういう機関では非常に不服を持っております。何らかの一つのことをおきめになるときに、きびしい規則をつくって、それ以外のものは民間でやれ、しかし、おまえらにはたいした補助政策はせぬぞというように受け取れるけれども――という、これは一つの批判でごさいますけれども、事実、行ってみますと、そういうようなこともほんとうなのじゃないかと思う疑惑を持ちますので、この点もあわせまして御意見を伺いたいと思います。
#165
○政府委員(渥美節夫君) 重症心身障害児に対する政策は、御承知のように、昭和三十八年から出発しております。昭和三十八年に民間におきましてやっていただいたのが出発でございますが、その際にも、やはり重症心身障害児に対しましての国の助成策というものがございまして、それによりますと、その施設に収容される子供たちの内容、症状は、重症――重度の身体障害、肢体不自由であり、かつ、重度の精神薄弱を持つというダブルハンディキャップの、しかも、重い方を入れていただくということで出発しているわけでございます。したがいまして、実は厚生省におきまして、重症心身障害児施設の性格なりを、現在は法祉施設というふうなことでやっておりますので、多少問題がございますので、これはやはり児童福す施設という観点で制度化したいというふうに考えておりますが、そういったさなかに、たまたま、国立の重症心身障害児施設が十一カ所ばかりできるわけでございまして、したがって、なおさら、その重症心身障害児施設の制度を明確にしなければならないということでいまの御質問があったと思うのでございますが、やはり昭和三十八年来出発しておりまする重症心身障害児施設に入れまする症状はそれを踏襲してまいりたいと思っております。したがいまして、重度の肢体不自由児であり、重度の精神薄弱を兼ね持っていらっしゃる子供さんなり、おとなを収容するということに相なるかと思いますが、いま御指摘の、どちらかが非常に軽いとかいうふうな問題もございましょうが、民間施設におきましても、重度の肢体不自由プラス重度の精神薄弱の子供をずっと入れてきて指導監督しておるわけでございますから、それはそのまま今度制度化されるといたしましても、子供をそれを追い出すとかそういうふうなことには当たらぬというふうに考えております。
#166
○石本茂君 国家予算の都合もありますので、何もかもすべてというわけにいかぬと思いますけれども、何かたとえば筋萎縮症の子供なんかを見ておりますと、知恵そのものは大しておくれておりませんが、肉体はもう全く役に立ちませんというようなかっこうでございますが、そういうふうな者にやはりこういう適用の範囲をうんと広げてくださいませんと、何かやはり国民の一人としましても疑惑を持つように思うわけです。もちろん国立施設の中には、いまの筋萎縮症等を入れた施設もできてきておりますけれども、先ほど申しました民間施設の中で身体障害が非常に大きな人で、しかも精神的な障害が非常に大きな人もないとは言えません。実際おります、見てまいりますと。その辺の特段の配慮を、将来のことになりますけれども、ひとつお願いしたいということを申し上げます。
 次の問題に移りますが、次は、母子保健を含めました問題でございますが、現在この保育所というものにつきまして相当に政府でもお考えになっていてくださいますけれども、実際この経営しております現場に参りますと、資格を持つ保母さんが非常に足りませんのでございます。これはもちろん、厚生省におかれましても保母養成所などに相当の助成をしていてくださいますので、いいと思うのですが、この辺につきましても、施設は幾らつくられましても、そこに従事する従業者の確保ということが非常に大きな問題になるように思うのですが、どのように一体考えていらっしゃいますのか。お伺いしたいのでございます。
#167
○政府委員(渥美節夫君) 保育所の確保ということは、今後のわが国の産業構造等の変化なり、あるいは国の繁栄に従いまして、ますますその必要を感じておるのでございます。御指摘のように保育所をつくりましても、保母が確保できなければ結局は運営ができなくなるということでございまして、したがいまして、厚生省におきましても、保育所の増設に関連いたしまして保母の養成機関をどんどんふやしていくというふうな、養成力の強化という点にまず力をいたしております。
 それから次に、養成所に入られました生徒につきまして、修学資金をふやしていく。現在千四百名程度につきまして修学資金を出しておりますけれども、これをさらに強化してまいりたい。こういうふうなこととともに、保母になる資格はこういった養成所を卒業するという方法と、もう一つ都道府県の行ないます試験を受けていただくという方法がございますが、都道府県の試験を受ける、そういった機会をより多く与えていかなくてはいけないというふうなことで、保母試験につきましては、昭和三十八年から都道府県において二回やるというふうなことにもいたしております。そういうふうないろいろな手を打ちまして、ただいま御質問のありましたように、最も大切な保母の獲得には力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#168
○石本茂君 これも関連になりますけれども、私どもの承知いたしております範囲内で、現在大学、短大等の学校の卒業者もかなりおられると思うのですが、聞くところによりますと、調べたところによりましても、保育所などに来ます保母さんというのは、先ほどおっしゃった検定試験を受けた人、それから保母養成所を出た人がほとんどでございまして、大学なり短大なりを出た人がほとんどそこには来たがらない。来ておりませんという実態につきまして、局長はどのようにお考えになっておりますか。私どもは保育所に対します政府当局、あるいは地方自治体自身のやはり思いやりが薄いのではないか、待遇がものすごく悪うございます。そういうことが、ものすごくこの獲得に影響していると思うのでございますが、局長の御意見を伺いとうございます。
#169
○政府委員(渥美節夫君) 御指摘のように、社会福祉施設なりあるいは児童福祉施設に直接働きに来ていただいている方々の実態を見ますると、要するに保母の養成施設、たとえば国でその運営費について補助しておりまするような養成施設を出られた方は、卒業生の八〇%、九〇%以上は児童福祉施設に来ていただいているわけでございます。ところが、短期大学なりそういうふうな学校法人といいますか、学校の性格を持っておられる保母養成施設が児童福祉施設にその卒業生を送るということは非常に歩どまりが悪い。三〇%、非常に少ないわけでございまして、そういった点につきましては、私のほうといたしましては、保母養成施設として指定をしている以上は、やはり児童福祉施設、あるいは社会福祉施設等にも働いていただけるようにいろいろの機会をとらえまして、いろいろお願いはしているわけでございますが、現実の問題といたしましては、そういう実情でございます。この点につきましては、やはり保育所なりあるいはその他の児童福祉施設におきまするいろいろな財政的なあるいは経営的な問題、したがいまして処遇の問題、あるいはまたその仕事の非常にむずかしさという問題も関連しておるとは思いますけれども、いずれにいたしましても、厚生省におきまして、こういった児童福祉施設の重要性なり、そういった点につきまして、特に都道府県なりあるいは関係の方々に対しましてPRを高めまして、こちらのほうに卒業生が回ってくるようにさらに努力を重ねてみるとともに、やはり施設職員の、保母さんの処遇の改善というものに対しまして十分向上をするように努力してまいらなくてはいけないのじゃないだろうか、かように考えております。
#170
○石本茂君 御意見はよくわかりましたが、どうか国家予算の中で、こういうところにつきましても職員の優遇配慮という面で助成、交付等の面でも特別の御配慮をしていただきませんと、どんなにPRしていただきましても、いまごろの若い人はそういう分の悪いところには行ってくれません。あの幼稚園に行けません子供をだれが一体見るかということを考えてくれませんと、ただ予算をばらばらと盛ってそれでいいということになれば、むしろ何にもなかったほうが、子供にとりましてはまだ何にもないほうがましたというふうにも思われますので、ひとつ特別な御配慮方を今後ともお願いしたいと思うわけであります。
 次に、やはり一つの関連だと思うのでございますが、母子保健法ができまして、その保健法の出先にありまして、一生懸命に指導行政に携わっておりますところの助産婦、保健婦につきましては、一年前でございましたが、もっと業務上の権限が与えられないものでしょうかと。というのは、たとえば母子の強化ということで、ミルクなども支給されておりますけれども、そういうものの認定などにつきましても、現行でございますと医師が下されることになりますが、実際指導に当たって実態を知っております保健婦、助産婦が、相手は病人ではございませんので、それができないものでしょうかと申しましたときに、そのことについては検討しますが、そういうことはいまだかつてしておりませんということを当時医務局長が述べられました。もう一年を経過しておりますので、一体それがどのように経過しておりますか。いまだにほったらかしてございますのか。やはり国民の健康を守るという立場で指導の拡充強化ということで、何らかの結論を出そうとしていられるのか、ここで確認しておきたいと思います。お願いいたします。
#171
○政府委員(渥美節夫君) 栄養強化のためのミルクの支給等につきましては、そういった子供あるいはおかあさんが栄養欠陥があるかどうかの診断をする必要があるというふうなことになっておりまして、やはりそういった診断自体につきましては、あくまでもこれは医師が判断をするというふうな行政的な取り扱いは変えるわけにはいかない、かように考えております。ただ御承知のように、母子健康手帳にいろいろとそういった栄養上、あるいは子供の身体上の問題点が記載されておるというふうな場合におきまして、当該保健所長が保健婦なりあるいは助産婦なりの意見を聞きまして、それによって判断が行なわれるというふうな取り扱いにはいたしておるわけでございます。したがいまして医師の最終的な判断が原則ではございますけれども、場合によりますと、保健所長がそういった保健婦なりあるいは助産婦さんなりの意見を聞きまして、取りきめてまいるというふうな行政上の取り扱いはやることにいたしております。
#172
○石本茂君 いまのおことばですと、非常にあいまいなんです。といいますのは、業務権限ということにつきまして、保健婦や助産婦の昔の人はともかくといたしましても、現在四年間もかかりまして勉強しております。しかも診断が必要だとおっしゃいましたけれども、現実には僻地などにおりますと、そこには医者がおりませんために、実際にそれを確認した保健婦等のことばを信頼して医師がそうだという認定をしているわけでございますが、こういう事実をあくまでもたてまえたてまえと言って、たてまえで押し通すことによって、ほんとうの母子保健というものの指導の確立ができるものでございましょうか。昨年そのことで非常に不審を抱きましたのは、現場の声があったわけです。現実に事実こういう状態ですと。これは決して都市中心ではございませんですから、僻地ほどそういう問題があるのですから。そのことで不審を抱きましたので、なぜ業務権限拡充ができないものかということでお伺いしたんですが、今日なおその当時と同じことを局長いまおっしゃっていらっしゃいますけれども、これは将来とも全然研究なさる余地はないんでございましょうか。そのことを重ねてお伺いいたしておきます。
#173
○政府委員(渥美節夫君) 先生御承知のように、新生児のいろいろな保健指導なりあるいは妊産婦の保健指導なり、こういったことは当然保健婦さんなりあるいは助産婦さんなりが行なえることになっておりますし、また医師のおらないところ、あるいは医師がおりました場合におきましても、妊産婦なり乳幼児に対する指導は行なっていただいておるわけでございます。現実問題といたしまして。したがいまして、そういった妊産婦なり新生先の保健指導につきましての、いろいろと配慮をさらにしていただくということには全く変わりはないと思うのでございますが、ただ私はここで申し上げたいのは、要するにミルクを支給される――栄養欠陥かあるかどうかというふうな診断において、診断自体の問題でございますので、保健婦なりあるいは助産婦なりの指導をこれから大いにさらにしていただくということと同時に、そういった診断自体については、やはり制度といたしまして医師が行なうと、ミルク支給についての栄養欠陥の診断は医師が行なうというふうなことの制度は、くずしてはちょっと問題があるんじゃないか、かように思っております。もちろん医師自体が診断いたしますときには、現実に指導をいただいておりまする助産婦さんなりあるいは保健婦さんなりの意見を十分にお伺いするということに相なることと思うわけでございます。
#174
○石本茂君 御意見の要旨はわかりましたけれども、このミルクにしましても、全国民、全対象者にというのじゃございませんで、生活の度合いによりましてきまることでございますので、そこまで固執なさることにつきまして疑問を持っておりますが、どうか今後ともそういう打ち切った感覚じゃなしに、もう少し母子保健というものの指導の確立という意味におきまして、私は拡大の解釈ができないものかということを言っているわけでございますから、どうかその点につきましてもさらに御検討ができる余地がありましたら、御検討いただきたいと思うわけでございます。
 このことにつきましてもう一つ、これはちょっと事のかね合いが違うかもわかりませんが、妊産婦とか乳幼児の保健指導ということで、現在指導料金というものが助産婦の指導料として設定されております。これもほんとうにおざなりでございまして、補助、交付でございますから、自治団体のそれに加味するものもあると思いますけれども、足代にも足りないような百円とか二百円もらいまして、半日かかって指導してこいといわれましても、これは行けるものではございません。しかしながら、私どもお伺いしますと、実績があまりないんだとおっしゃいますけれども、それは行けないから行ってないのでございまして、いままで特に助産婦など開業しておりました人は、日に日に病院等に産婦は流れてしまいまして、もういまどき仕事がない、こう言うのでございます。この人がたこそ年配的にも経験者でございますから、喜んで地域住民の中で保健指導したいというお気持ちは持っていらっしゃいますが、歩けば歩くほど自分の生活は詰まってしまう。これだけの報酬では私どもいまの生活はできませんということを、寄ればさわれば言っておるわけでございますが、四十二年度は少し増額されたようでございますけれども、三十九年度などにおきましてはほんとうにおざなりでございますね。こういうことにつきましても、一体どのように考えていらっしゃいますか。ほんとうに指導させるつもりでの予算配賦の計上でございますのか。ちょっと書いておかぬとぐあい悪いから、まあ書いておきましょうというのでございますのか。重ねてお伺いいたします。
#175
○政府委員(渥美節夫君) ただいまのお説のように、たいへんそういった保健指導、新生児に対する保健指導でありますとか、あるいは家族計画の指導等につきまして、助産婦さんに対して国といたしまして非常に少額の積算しか行なっていなかったというのも事実でございますけれども、毎年これらにつきましてもその増額をはかってまいってきておるところでございまして、ただいま国会におきまして御審議いただいておりまする予算のうちに、こういった新生児に対し、あるいはまた家族計画のための指導料といたしまして、一件あたり本年が百二十円でございましたのが百五十円に増額するということで、御審議をわずらわしているということでございますが、なおこの点につきましても、さらに今後こういった仕事の重要性にかんがみまして、今後そういった額の増額について努力してまいりたい、かように考えております。
#176
○石本茂君 非常に、以上私が申しましたのはけちな、小さい問題でございますけれども、じっくり考えていただきますと、このことに従事する者を軽く見るというのではなくて、この仕事をする者を通して、国民の真に希望し、期待しておられますところの目標の次元を達成するためのこれは使われ人でございますから、そういう意味におきましてもどうか、いままでのことは幾らここで言っておりましてもしかたがございませんけれども、特別の配慮方がなぜできないかということを、私はやはり疑問を持つものでございますので、そのことを加えまして、全体的な母子保健、あるいは心身障害者の母子対策と、その全体につきまして、もう一ぺん責任者のお答えをいただきたいと思います。
#177
○政府委員(田川誠一君) 母子保健並びに重症心身者のことでございますが、先ほど来御指摘のように、われわれももっとこれが真剣に取り組んでいかなければならない問題だと思っております。今後も積極的にこうした問題に取り組んで善処をしてまいりたいと思っております。
#178
○石本茂君 どうもおことばありがたく御信頼申し上げたいと存じます。
 それから最後にお伺いしておきたいと思いますのは、これも全体の関連でございますが、これは医務局長さん、医務局の関係になると思いますが、先ほど来申しておりました時点の中におきましても、現在の医療行政の中におきましても、この医療従事者、特に医師の確保が非常なむずかしい状態になってきております。国立の医療機関であります結核療養所なども地域の情勢を見ますと、その定数の半分くらいもお医者さまが満たされてないところがしばしばありますけれども、こういう事柄につきまして、そこに施設さえあればよろしいのだ、患者が入りたいものは入りなさい、医者はおらぬのですよというようなことで、一体今後どのようにこのことにつきまして対策されようとしているのか。年度ごとに計上されております予算がそういう実態のためにほとんど使用されていないという事態も出てきているということについて、私は国民の一人としまして、ほんとうにその御真意が伺いたいわけでございます。
#179
○説明員(戸沢政方君) 御指摘のとおり、医師の充足対策ということは非常に大きな問題になっておりまして、国立のみならずその他の病院におきましても、この医師の充足ということで非常に悩んでおるわけでございます。しかもまた、医師の養成ということは簡単に一、二年でできるわけでございませんで、現在の制度でも六年とさらに一年のインターンがかかるという非常に長期の計画をもって養成しませんといけないわけでございます。現在日本の医師の数は御承知のとおり大体人口九百人に一人、言いかえますと、十万人に対して百十くらいの数になっておりまして、これは欧米の先進国に比べましてそう少ないほうではありませんけれども、多いほうでもないというところになっております。これはやはり今後のわが国の患者の増、病床の増等から見ますと、やはりまあ十万対百二十くらいまでは少なくも持っていく必要があるのではなかろうかと思われます。それでこの医師の養成は、結局医科大学の増設あるいは増員するということしかないわけでございまして、結局文部省等において国立、公私立の医科大学の養成計画を増強してもらうという以外に方法はないわけであります。現在私立の大学等におきましては、若干定員以上に入れているところもあるようでございますけれども、しかし国立等におきましては、なかなか財政的な事情、指導陣の不足、そういったところから思うような増強ができないようでございます。しかし、これはどうしてもかなりの増員をやってもらわなければならないわけでございまして、文部省にはおりに触れてこの増強問題について要請もし相談もしておりますが、今後長期の計画にたって増員計画を実現していかなければならないと考えております。
#180
○石本茂君 私が申し上げておりますのは、その絶対数が足りないからという基本的な問題もあるでしょうけれども、お医者さまがそこにおられましても、そういう組織医療機関、ことに公的医療機関にはなぜ来てくださらないのか、それを一体行政当局におかれましてどうお考えになっておられますのか。
 もう一つ、民間の私立の医育機関を拡充したいというようなことをおっしゃいましたけれども、御承知だと思いますが、表口から入りましても、ことしなどは数百万円の寄付をしませんことには、試験は受かりましたけれどもその数百万円の寄付ができませんためにそこに入ることのできない子弟が一ぱいおります。私の近くにも何人かことしそういう者がおりました。当人はほんとうに泣くにも泣けない気持ちです。なぜ国家の――これは文部省関係になりますけれども、国家の教育機関でそれだけのものを満たすことができないのか、私立のそういうものにたよりなさること自身がいま言ったように、エリートと申しましても、非常に能力があるというエリートよりも財政的に恵まれた人だけが医者になれるという、大昔にあった事態がやはり生まれてきたということについて、一体医療行政の業務に当られますお立場からどうお考えになっておられますか。いま一つ、先ほど申し上げましたように、いまおります人がなぜ公的医療機関にきてくださらないのかということにつきましても、わかり切ったことを聞くわけでありますが、御意見を聞きたいと思います。
#181
○説明員(戸沢政方君) 第一点の問題につきましては、これは御指摘のとおり重要な問題でございまして、なぜ公的医療機関に医者がこないのかという原因はいろいろあろうと思いますけれども、そのお医者さん、医科大学卒業の学生の中には、ほんとうに医学を勉強したい、また卒業後も就職するにしても、指導陣とか設備等の完備したところで勉強したいという意欲を持っておる者は相当多数あると思います。そういう者がその意図に反して公的病院を忌避して開業してしまうということは、やはり国公立の医療機関の待遇の問題に非常に大きい問題があろうと思います。これに思い切った待遇改善をして魅力のある病院にすれば、優秀な医師がたくさん公的医療機関にきて長くつとめていくようになると思います。その点は今後の公的病院医師の待遇改善の問題として大いに努力していかなければならないと考えております。
 それからあとの問題でございますが、私先ほど私立の医育機関に重点を置いてこれを増強していきたいという趣旨のことを申し上げたわけではございませんで、お聞きとりにくかったかもしれませんが、私たちとしては、もちろん国立の医育学校、医科大学をもう重点的に整備増強していかなければならないと思います。何といっても医者の養成にはばく大な経費とか人的要素が要るわけでありまして、これを私立学校にしわ寄せしますと、結局そういう多額の寄付を求めなければならないというせっぱ詰まったことになるわけでありまして、医師の養成はやはり国立、公立を中心にして考えていくべきだろうと思います。
#182
○石本茂君 御意見ありがとうございました。
 最後にもう一つだけ。この医療従事者の問題でございますが、長い間足りない足りないといわれておりました看護婦でございますが、これもこの近年、特にことしあたりになりますと、その中の部分的になります准看護婦につきましては、ほとんど充足を満たすところにきてしまったわけでありまして、県によりましては、ことしの卒業生をどう当てはめようかというところまできたようでございます。ほんとうに足りませんのは国家試験を受ける看護婦でございます。これは年間四千人、一方は、中学を出まして二年の教育を受けた者が二万人、この人たちを国立でも養成しておりますが、地域の医師会もこの点に重点を置いて養成しておられます。そういうことを考えますときに、もうここまで准看護婦の充足を満たしてまいりましたが、今後とも国立医療機関におきましてもこの養成を続けなさるのかどうか、私は疑問を持っております。こういう事態がきますことは数年前からわかっていたことだと思います。それでございますのに、国家試験に臨む看護婦はいなくてもいい、准看護婦がいればいいということで今日まできましたのか。その辺につきましても疑問を持っております。ことに公的医療機関でございますが、お医者さんと看護婦との任務ははっきりしておりますが、お医者さんばかりおりましても仕事ができません。看護婦だけではなおできませんけれども、よい看護婦をここで獲得しませんことには、日本の医療は先ほど申しましたように医師が足りないのですから、足りない医師の部分をだれがしているのか、ほとんど看護婦がしている。この者の程度を低めていって何がそこに出てくるのか。私はその点にも疑問を持っておりますので、次長さんにお伺いいたします。
#183
○説明員(戸沢政方君) お話のとおり、准看の充足率と申しますか、養成が非常に伸びておることは事実でございまして、現在就業している看護婦約二十三万人近くのうちで、正看と准看とは大体半々くらいですが、正看のほうが二千人ほど多い状態でございますが、これはそのうちにおそらく逆転するような情勢になろうかと思います。ちなみにここ五年くらいの間の正看と准看の新しく就業するものの伸び方を見てみますと、三年コースの正看は、この五年間に一五%くらいしか伸びておりませんが、准看のほうは五年間に六〇%くらい伸びております。こんな状況で伸びれば、准看のほうがはるかに多くなろうかと思います。それで、この准看の養成を今後どういうふうに考えていくかという問題でございますが、これはわが国の看護婦の構成とか、量の問題、それから質の問題、これらを両方あわせて考えていかないとならない問題であろうと思います。で、どの程度の構成比率がいいかとかという問題もありますけれども、看護婦自体の仕事が、まだ昔の制度の切りかえ等がありまして、必ずしも十分そう良質のものでもありませんという状態でありますので、こういう状態におきましては、まだもうしばらくは看護婦も准看も量的にも両方推し進めて養成していく必要がある。同時にその教育の養成の質的な内容を向上さしていく必要があるのではなかろうかと思います。お話のとおり、准看の養成は非常に急速に進んでおりますので、今後国公立等の養成所につきましては、できるだけ看護婦のほうに切りかえまして、准看のほうはだんだんと控えていきたいというふうに考えております。
 それから准看の養成所につきましても、御承知のとおりだんだんと高校進学者がふえてまいりまして、看護婦高校等もだんだん生まれてきております。そういうものをさらに推し進めていくと同時に、准看の進学コース、そういったものの教育の内容につきましても十分充実をはかりまして、准看の養成所がいわゆる粗製乱造にならないように、ぜひ質的の向上をはかっていきたいと思っております。
#184
○石本茂君 以上で私質問を終わりますが、いまお伺いしましたのは、国民医療の健全化という意味での質問とおとりになったと思いますけれども、私お願いしたがったと思うのでありますが、どうかそれは医師の問題だけであるとか、看護婦の問題ではございませんで、もう国民の医療そのものが何と申しますか、日に日に公的医療機関ではいま申したように医師はおりません。それからまた、ちまたにあります医療機関に多くお世話になっていますときにも、ほんとうにちゃんとしたそこには看護婦さんがおりませんというようなアンバランスが多く出てきておりますので、どうか両方ともの健全性をはかっていただくために、私医療の質問を申し上げたわけでございます。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#185
○委員長(鶴園哲夫君) 他に御発言もなければ、本日の厚生省及び医療金融公庫についての審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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