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1967/06/28 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 決算委員会 第13号
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1967/06/28 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 決算委員会 第13号

#1
第055回国会 決算委員会 第13号
昭和四十二年六月二十八日(水曜日)
   午後二時五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀田 得治君
    理 事
                大竹平八郎君
                中村喜四郎君
                大橋 和孝君
                竹田 現照君
                黒柳  明君
    委 員
                川野 三暁君
                黒木 利克君
                佐藤 芳男君
                山本茂一郎君
                横井 太郎君
                小野  明君
                大森 創造君
                岡  三郎君
                達田 龍彦君
                二宮 文造君
                石本  茂君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       総理府総務副長
       官        上村千一郎君
       総理府人事局長  増子 正宏君
       警察庁長官官房
       長        浅沼清太郎君
       警察庁長官官房
       会計課長     土田 国保君
       北海道開発庁総
       務監理官     小熊  清君
       北海道開発庁主
       幹        窪田  譲君
       法務大臣官房経
       理部長      辻 辰三郎君
       外務政務次官   田中 榮一君
       外務大臣官房会
       計課長      鹿取 泰衛君
       大蔵政務次官   小沢 辰男君
       大蔵省主計局次
       長        岩尾  一君
       大蔵省主計局次
       長        相沢 英之君
       文部大臣官房長  岩間英太郎君
       文部大臣官房会
       計課長      井内慶次郎君
       農林大臣官房経
       理課長      稲垣 元宣君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       労働大臣官房長  辻  英雄君
       労働大臣官房会
       計課長      東村金之助君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局経理局長   岩野  徹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池田 修蔵君
   説明員
       日本学術会議事
       務局長      鵜飼肥佐男君
       大蔵省主計局主
       計官       原   徹君
       文部大臣官房人
       事課長      諸沢 正道君
       文部省大学学術
       局審議官     岡野  澄君
       会計検査院事務
       総局第一局長   斎藤  実君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その
 2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十年度特別会計予備費使用総調書(その
 2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく
 使用総調書(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づ
 く使用総調書(その2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の1)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十一年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の1)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく使用総調書(その1)(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 理事の辞任及び補欠互選について、おはかりいたします。
 二宮文造君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございましたので、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(亀田得治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に黒柳明君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(亀田得治君) 次に、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件、及び昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。
 まず、概要説明を聴収いたします。小沢大蔵政務次官。
#6
○政府委員(小沢辰男君) ただいま議題となりました昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件及び昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十年度一般会計予備費につきましては、その予算額は四百五十億円であり、このうち、財政法第三十五条、予備費の管理及び使用のほうでございますが、この規定により、昭和四十年四月六日から同年十二月二十一日までの間において使用を決定いたしました金額は三百六十七億五千三百万円余であり、これにつきましては、すでに第五十一回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十一年一月二十八日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は八十一億六千三百万円余であります。
 その内訳は、災害対策として、農業施設災害復旧事業等に必要な経費等の十九件、その他の経費として広島県選挙区選出の参議院議員の補欠選挙に必要な経費等の二十三件であります。
 次に、昭和四十年度各特別会計の予備費につきましては、その予算総額は二千七百二十億五千四百万円余であり、このうち、昭和四十年六月十五日から同年十二月十七日までの間において使用を決定いたしました金額は九百六十億七千二百万円余であり、これにつきましては、すでに第五十一回国会において、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十一年一月十四日から同年三月二十九日までの間において使用を決定いたしました金額は百九十一億七千六百万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費、労働者災害補償保険特別会計における保険金の不足を補うために必要な経費第十三特別会計の十九件であります。
 次に、昭和四十年度特別会計予算総則第十条、特別給与の支出の条文でございますが、及び第十一条、歳入歳出予算の弾力条項の規定によりまして、昭和四十年八月三十一日から同年十月十二日までの間において経費の使用を決定いたしました金額は百四十七億二千万円余であり、これにつきましては、すでに第五十一回国会において御承諾を得たところでありますが、その後昭和四十一年三月十五日から同年三月二十九日までの間において経費の使用を決定いたしました金額は百七十五億三千七百万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費四十億円、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費三十六億百万円余、仲裁裁定の実施に必要な経費六十一億三千九百万円余、郵便貯金特別会計における支払い利子の増加に伴い必要な経費三十七億九千七百万円余であります。
 次に、昭和四十一年度一般会計予備費につきましては、その予算額は四百八十億円であり、このうち、財政法第三十五条、予備費の管理及び使用の規定により、昭和四十一年四月十九日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百十九億五千四百万円余であります。
 その内訳は、災害対策として、農業施設災害復旧事業に必要な経費等四十三件、その他経費として、庸子内親王殿下に対して支出する一時金額による皇族費に必要な経費等三十三件であります。 次に、昭和四十一年度各特別会計の予備費につきましては、その予算総額は三千九十七億二千百万円余であり、このうち、昭和四十一年五月十七日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、六百九十七億八千二百万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費、国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における災害復旧事業に必要な経費、同特別会計治山勘定における緊急治山事業等に必要な経費、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要な経費等十二特別会計の二十六件であります。
 次に、昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条、歳入歳出予算の弾力条項の規定により、昭和四十一年五月十七日から同年十二月二十三日までの間において経費の使用を決定いたしました金額は二百六十四億三千二百万円余であります。
 その内訳は、国立学校特別会計における受託研究の増加に必要な経費三千三百万円余、食糧管理特別会計国内米管理勘定における返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費百十億四千万円余、同特別会計輸入食糧管理勘定における返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費二十四億一千九百万円余、同特別会計農産物等安定勘定における返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費九億三千万円余、同特別会計輸入飼料勘定における返還金等の調整勘定へ繰り入れに必要な経費十億八千八百万円余、同特別会計業務勘定における返還金の調整勘定へ繰り入れに必要な経費八千八百万円余、同特別会計調整勘定における国債整理基金特別会計へ繰り入れに必要な経費百八億三千万円余であります。
 以上が昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件及び昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。何とぞ、御審議の上すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
 ただいま議題となりました昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十一年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる金額は百億円でありまして、このうち、官庁施設災害復旧につきまして、昭和四十一年十二月十三日の閣議の決定を経て、総額三億一千七百七万七千円の範囲内で国が債務を負担する行為をすることといたしました。
 以上をもちまして、昭和四十一年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告といたします。
#7
○委員長(亀田得治君) これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#8
○大橋和孝君 ただいま説明になりました予備費の問題に対して、数点をお尋ねするとともに、私は、国立大学に対しての海外旅費に対して非常にこのごろ問題になっておりますところの、他のいろいろな団体からの補助を受けておる点についてもひとつただしておきたい。同時にまた、最高裁判所においても、ことにCIAの関連あるといわれておるところのアジア財団あたりからも補助を受けておるということがありますので、この三点についてこれからお尋ねをしたいと思っておる次第であります。
 まず、第一点の今度の予算の問題につきましても、非常に問題点が多くて、しかも、この予算の出し方に対しては、いままでからも何回も繰り返されてこの不当事項が指摘されておるわけであります。特にまた、この予備費からの支出というものは、その場において非常に緊急性があるべきはずであるにかかわらず、見ておりますと、災害復旧費が主体になっておるわけでありますが、その災害復旧費の査定に対しましても、あるいはまた、こういうような指摘事項が非常に多い観点から考えて、一体予備費を支出する場合に、その金額の査定、そういうことに対して、非常に注意はされておると思いますが、なおこれに対しての問題があるのではないか。一体どういうふうにして予備費の不当経費の防止ということに対しては歯どめをされるのかということが第一点。いろいろと中を見ますと、予備費の算出に対しては非常にずさんな経過において出される。たとえば、大臣の決定によってすぐ支出されるというわけであって、この中にこうした不当事項が多くなってくるのではないかというふうに、これは第一番に考えられるわけであります。で、予備費の支出に対して、将来こういうような指摘事項を少なくするためにはどういうふうな考え方を持っておられるか、その対策をひとつ聞きたいと思うわけであります。
 それから第二点は、ただいまの報告の中にありました、麦の生産対策に対する経費が出ておるわけでありますが、これに対しては、私は、国内的な農産物の生産対策というか、国内自給態勢というものに対してもっと真剣に考えられるべきだと思うわけでありますが、非常に輸入価格が低くて、そして国内生産がこれにマッチしないために、非常に農地として荒れたままでほうっておいて国内生産ができていない。そういうような内地の状態にありながら、しかも、何と申しますか、こういう予備費あたりから簡単に金を出して麦の輸入に役立てるというような農政のあり方というものも非常に私は問題が起こるのではなかろうかと思うわけでありますが、こういう点について、計画的な農政の問題、予備費の使い方の軽率といいますか、そういうことに対することによって国内にそういう問題がうまくいかないという一つの原因になっておるのではなかろうかと思いますから、その点についても、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
 それからもう一点は、いま生鮮食料品価格の緊急対策に必要な経費として出されておるわけでありますが、これにつきましても、非常に同じようなことが言えるわけでありまして、財政上の負担の過重が原因となったと言われておるわけでありますが、これなんかも、もう少し予備費から出さなくて、特別な経常費の中に入れてそしてやれることを、この予備費の中に繰り入れてこれを流用していっているというようなふうにも考えられるわけでありますが、そういうような点について、三点について、ひとつお答えを願っておきたいと思います。そして次の質問に移ります。
#9
○説明員(原徹君) ただいまの予備費の問題でございますが、これは予備費であろうと一般の支出であろうと、不当になるようなことにならないように、これが基本の原則であります。予備費は、財政法の規定によりまして、予見しがたい予算の不足に充てるということでございますので、まず、その緊急性ということが一番大事な問題と考えております。したがって大蔵省といたしましては、予備費の使用の要求がございますと、その緊急性をよく判断して、やむを得ないものに対して支出する、そういう態度でございまして、いろいろ御指摘がございますが、今後とも、そういう予備費であろうと普通の一般の費用であろうと、およそ不当にわたるような支出にならないように、今後ともできるだけ注意していきたいと考えております。
#10
○大橋和孝君 まだこの予備費の問題については、主計官だけしかいなくては話にならない。
#11
○委員長(亀田得治君) 政務次官おらぬとだめですね。あちらにちょっとぜひとも用事があると言って行っておるが、ちょっと呼んできてください。政務次官来ないとだめです。
#12
○大橋和孝君 それじゃ文部関係にちょっと。予算にも関係がありますから、主計官も出てください。
 それじゃちょっとお伺いをしますが、大学以上の外国人の留学生の受け入れ状況はどういうふうになっているか。それからまた今年度において国費の留学生の数はどのくらいおって、これを国別にしたらどういうふうになっておるか。それからまた留学生の受け入れ態勢は、一体どういうふうにして、いわゆるどこでそういうふうな留学生を入れるか。特に私は、民間から入ってくるところの大学の留学生は一体どのくらいおるのであろうか。そういう国別はどれくらいになっておるか。あるいはまた国立大学には、どのくらいの数が大学にずっとばらまかれておるか。また、そういう受け入れ態勢はどこで受け入れるか。大学がかってにやっているという例もあろうが、一体それはどこで文部省としては受けとめてやっておられるか。この点についてひとつ。
#13
○説明員(岡野澄君) 実は御質問の要旨を逆に承っておりまして、国立大学の教官が外国に行くお尋ねのように伺っておりましたが、受け入れのほうはちょっと資料を持っておりませんので恐縮でございますが、すぐお答えいたすことができると思いますが、留学生の受け入れば、外国の留学生につきましては、国費留学生というのがございまして、それは政府の予算に計上いたしまして、主として東南アジアの学生あるいは研究生を受け入れているわけでございます。それにつきましては、選考を在外公館に依頼し、現地で選考をしてそれを受け入れるということになっておりまして、特に日本語の問題がございますので、千葉大学と東京外語大学で日本語の研修施設を設けておりまして、そこで終わった者を各大学に配当するという措置を講じておる次第でございます。
 それから民間の研究者の受け入れでございますが、これは制度といたしまして、民間の技術者あるいは研究者で、さらに国立大学において勉強したいという方がおるわけでございます。それにつきましては、大学院レベルの研究者を受け入れる組織をつくっておりまして、これも歳入に予算を計上し、歳出で各大学に配当するということでございまして、これは民間の方がどこの大学でどういう勉強をしたいという御希望によりまして、当該大学で研究、あるいは当該大学の研究、教育に支障がないという判断をして受け入れておるということでございます。
#14
○大橋和孝君 それでは、いま私の質問しました国費で留学している人の数、それからまた国籍、それからまた、そういう老に対しての予算、それから民間からわが大学へ来ているところの数、それからまた国籍、あるいはまた会社なんかで来ている者もあるだろうから、そういう者、それからそういう者を受け入れるところ、そういうようなものをみんな資料として出していただきたい。それらのまた民間から来ている留学生は、一体費用をどういうふうにして持ってきているのかということも、一ぺん資料として出していただきたい。 それからもう一つお伺いしたいのは、留学生を受け入れる場合に、もしその欠格条件があるとするならば、その欠格条件はどういうものがあるか。それからまたそういう審査をする基準があるのかどうか、これをひとつ聞かしていただきたい。
#15
○説明員(岡野澄君) いま御要求になりました資料はさっそくつくりまして提出いたしたいと思います。
#16
○大橋和孝君 いま質問しましたその答えをしていただきたいです。
#17
○説明員(岡野澄君) 欠格条項として、通常のたとえば身体上の障害とか、あるいは試験の成績が悪いというようなこと以外にはないと記憶しております。
#18
○大橋和孝君 けさの朝日新聞だったと思うのですが、アメリカの会社から留学生が東大へ来た。そうしてそれは学生のほうが抗議をして、そして問題になって来た。しかも、その留学生は、軍事目的であって、これを受け入れしては悪いのではないかということでこれをとめたというような新聞記事が出ていたわけでありますが、このようなことを、じゃ、いまのお話では、審査も何もしない、試験の云々と健康状態だけだとすれば、これはやめたことになったのですが、これは一体だれが……、もし学生がそういうことを言わなかったならば、そのままその人を受け入れることになるのですが、文部省はそのあたりはどういうことなんですか。
#19
○説明員(岡野澄君) 個々の学生を受け入れるか受け入れないかの判断は、全部大学にゆだねておるわけでございます。大学の自主的な判断にまっておるわけでございます。
#20
○大橋和孝君 文部省はそういうことがあってもかまわないというわけでありますか。たとえばそういうふうな軍事目的を持ってですね、きょうの新聞を見ていますと、結局、米国のロッキード・ミサイル・スペース会社の社員が、社員として、研究生としてそこに在籍しようとした。しかも、軍事関係の受注が大半を占めるロッキードの会社であって、そこで研究をしておった。しかし、学生がそれを非常に問題にしたために、いろいろ理学部の教授あるいはまたいろいろな教授のほうでこれを検討されて、問題のロッキード社におったところの研究生が今度は入ってくる、しかもその発表した論文を見ましても、ロッキード会社で研究員として軍事的な問題を非常に多く取り扱ってきておった学生で、しかも、その人が今度は非常に研究費もたくさん持って、いろいろな機械を持ってこちらに留学してくるというようなことで、非常に問題になってこれを取りやめたというわけでありますが、それは学校が自主的にやったからそれでいいというのですが、もし、こういうことは学生が騒がなかったら、そのまま通って、そうした目的のものをどんどんと入れていくということになるのですが、そういうことであって別にかまわないのか。しかもこれは国立大学協会の総会で、協会の会長であるところの大河内先生が見解を出して、これをとめたということになっているわけでありますが、こういうような関係について、文部省側はどういうふうに考えておられるのですか。
#21
○説明員(岡野澄君) いまの事柄につきましては、私どもまだ十分な報告を受けておりませんので、実情はどうかお答えいたしかねるわけでございますが、原則的には、そういう判断は大学におまかせしておるということでございます。
#22
○大橋和孝君 結局、十分おわかりでないから自主的にまかせるということでありましょうけれども、私は、これは非常に問題でありまして、少なくとも留学生交換ということは野放しで行なわれるわけじゃなくて、やはりこれは平和のために、あるいはまた学問の交流のために、そしてそれはやはり平和と友好と親善というものがその大きな目的であろうと思うわけでありますが、そうしたことに対していろいろこれからは交流がますますふえてまいると思うのですがね、そういうようなときに、どういうことがあろうが大学まかせであるというのでは、私は文部省の姿勢としては非常に問題があると思うわけなんです。特に私は、先ほどから民間の留学生に対して、あるいはまた民間の会社からこちらへ留学してくる方に対してのそういう基準は、一体あるかどうかということをさっきからお尋ねしたわけでありますが、そういうことがなければ、どういうことが国内で行なわれておっても、あるいはまた平和の目的にも達しないし、あるいは場合によっては、この間、問題になっているようなスパイ行為ということにも出ているわけでありますが、また逆にこちらのほうに対してそういうことになって、国としての責任も追及される場合もないことはないと考えられるわけでありますが、少なくとも学生を交換して留学をさすという考え方からいって、私は、その文部省のいまのような、それは大学にまかすのでありますということでは相ならぬと思うのでありますが、その点はどうお考えになっておりますか。特に私は今後どういうふうにするのだということは大問題だと思うわけです。ですから今後、それならはどういうふうにそれをしようとされるのか、問題もそういうような問題で、特にこうした問題はゆるがせにはならぬと思うわけです。これが一体、大学にまかしておいてすべてのことがいくとあなたのほうは考えるとしたならば、そこに非常に大きな、私は不測の問題が起こってくるのじゃないかと思いますが、見解を述べていただきたい。
#23
○説明員(岡野澄君) 文部省といたしましては、個々のそういうケースの御判断は、大学の良識と自主的判断にまつという態度で今後も処するということになろうかと思います。大学に対するその御判断を信頼するという態度以外には現在考えておらぬわけでありますが、なお、一般的に軍事あるいは軍事に関するような問題につきましては、大学側の慎重な判断ということが望ましいと考えておりますけれども、あくまでも最終決定は大学の、やはりこれも一種の自治でございます。そういう個々のケースについては、大学の御判断を尊重するという考えております。
#24
○竹田現照君 関連。関連してお伺いしますが、いまの文部省もそうですが、やはりけさの新聞を見ると、最高裁、司法研修所あるいは東京家裁、こういうところが、アジア財団から援助を受けておるということですが、これは予算の取り扱いとしてどういう受け方をするのですか、歳入は。検査院も来ておりますから、検査院も、いままで出ておるということが事実だということが明らかになったのですが、いままで検査の結果でこういうようなことが発見できなかったのか、あわせて答弁してください。
#25
○最高裁判所長官代理者(岩野徹君) 会計検査院関係に主眼がございますのですか、それとも裁判所のほうに主眼がございますのですか。どちらかで順序によってお答えしたいと思いますが……。
#26
○委員長(亀田得治君) 最高裁の立場で答えてください。
#27
○最高裁判所長官代理者(岩野徹君) 最高裁判所で、アジア財団から裁判所として物品の寄贈を受けた場合がございますし、その他最高裁判所職員、これは全国での職員でございますが、司法研修者も含めまして、アジア財団から個人的に援助を受けましたケースはございます。それで、その経理上の問題としましては、物品の寄贈を受けました場合には、国が物品の寄贈を受けましたときには、国の物品の寄贈を受けた手続によって処理いたします。個人が受けました、あるいは国以外の別個の組織が受けた場合には、これは国の歳入歳出と関係ございませんので、決算上の問題にもなっておりませんし、会計検査院の目にもとまっていないと考えます。
#28
○説明員(斎藤実君) そういった全般的な問題につきましては、私は第一局長でございまして、それぞれの所管の局長のところに関連のある問題でございますが、私の関係いたしております大蔵省、外務省、官内庁については、例はいままでなかったかと思います。
#29
○大橋和孝君 先ほどの、やはり大蔵省と関連があるのでしょうから大蔵省から来てもらうことにして私のほうは続けて質問したいと思いますが、いま国立大学協会ですか、これが反対をして、結局大学の自治にまかすと言っておられますが、結局国立大学協会で、これはいけないということになってとめられたわけですが、国立大学協会というのは、これは総理府のほうに関係があるのかもしれませんが、学術会議の中にこれはできているのか、一体国立大学協会というのは、性格はどんなものであって、そしてこれがいつごろからできて、どういうふうに運用されておって、ここではどういうふうな権能を持ってやられているのか、ちょっと聞かしてもらいたい。
#30
○説明員(岡野澄君) 国立大学協会と申しますのは、国立大学を会員として組織した団体でございます。これはしたがいまして独立した団体でございまして、学術会議の中にあるというようなものではございません。その協会は、国立大学相互の緊密な連絡と協力をはかることにより、その振興に寄与することを目的とするという目的が掲げてございまして、協会は、その目的を達成するために次のような事業を行なう。
 第一は、国立大学の振興につき必要な調査研究、第二は、研究及び教育における大学相互の協力援助に関し必要な事業、第三は、前二号に掲げるもののほか、協会の目的を達成するために必要な事業ということになっておりまして、その会員は、国立大学を代表するものをもって組織しておるわけでございますので、学長を会員として組織しております、したがいまして、現在国立の大学の数七十四ございますが、その学長をもって構成して、国立大学の振興、相互の連絡、そういうものをはかる団体でございまして、この協会の総会が一昨日と昨日開かれたということでございます。
#31
○大橋和孝君 非常にこうしたまだ良識的な協会があって、こういう問題でこれが歯どめをされたわけでいいわけでありますが、いまの文部省の見解からいえば、私は、いま言ったこの各国立大学の長をもって組織されておる非常な学識を持った方々がこういう結論を出されて、受け入れてはならないというような留学生があった、これをしかし大学まかせにしてあるのだから、それは自治だといってこういうふうなだれが見ても、ことにそういうふうなりっぱな協会で大学の総長が、面々が並んでおるところの協会でこういうふうな結論が出るようなものを――これがもし学校の学生が、自治会がそういうことを指摘しなかったならば、案外そのまま通ってしまったかもしれないというようなこういう状態を見て、私はやはり、国民としてはいま大学の中でいろいろ行なわれていることに対して非常に不信感を持つのではなかろうか。こんなことは、文部省の行政としてもっと今後改めて、少なくともこの留学生を受け入れるためにも、今後非常にしばしばこれが増加して、そして私はこうした交流が行なわれて、それが平和のために、あるいはまた親善のために、また学問知識の発展のために尽くす留学生の交流ということは非常にいいことだと思うのでありますが、そういうものにまじってこういう悪いものがあった場合には、どういう歯どめをするかということに文部省はもっと真剣にならざるを得ないのではないか、そういうことに対して私は文部省の所見を伺いたいと思って文部大臣の出席を求めておりましたけれども、出席がないということは非常に遺憾に思うわけでありますが、そういう点についても、後ほどまた御意見を聞かせていただきたいと思いますが、いまあなたのほうとしても、一体そのままでほうっていくつもりか、いま私は今後の対策についてあなたの気持ちをただしておきたいと思いますが、その見解を明確にしておいていただきたいと思います。
#32
○説明員(岡野澄君) すべてに新聞に出ておりますとおり、国立大学協会、すなわち、各国立大学の学長のお集まりにおきまして相互に議論を戦わし、御審議の結果、いろいろな相互の取りきめと申しますか、心がまえというものができ上がるわけでございまして、そういう自己規制をなさるわけでございますから、われわれとしては、それを尊重するという態度で進むということになるわけでございます。
#33
○委員長(亀田得治君) 委員長から注意しますがね、同じ質問が繰り返されておるわけですが、各大学の自主性を尊重するという点はわかるのですが、その自主性の前に、国としての歯どめになるような考え方というものがあるんじゃないか。もっと端的に言えば、軍事につながるような研究のために学生が外国から来ることは、日本の平和憲法の立場からはいかぬのだ、こういうことは文部省としてもはっきりしておらなければいかぬと思うのです。それは、軍事につながるかつながらぬかということの認定は、各大学の専門の教授がやることでしょう、そういう意味では自主性を尊重したらいいでしょう。けれども、根本の方針というものはあるはずだと、ここを聞いているわけですね。それすらないということなのか、いやそれはもうもちろん前提としてあるのだということなのか、そこを簡単に答えてください。
#34
○説明員(岡野澄君) もちろん日本の憲法下にある大学でございますから、政府も憲法を尊重するというのは当然でございます。それは第一の前提は由すまでもないと思いますが、個々のケースの判断は、大学の自主的判断にまつと言っているのであります。
#35
○委員長(亀田得治君) だから、憲法とか何かじゃなしに、私が指摘したのは、軍事につながる研究のためには来てもらっては困る、こういうはっきりした考え方を文部省が持っておるのか、ここが問題なんです。あなたで答えられなければ、大臣に聞きます。次に、はっきりおっしゃってもらわないと、憲法とかなんとか、そういうことで一般化、抽象化してはだめです、答弁は。せんだって、いろいろな補助金を受けた――後ほどまた御質問があるのかもしれないが、それが軍事につながる研究であるかないか、そこが問題になったわけですね。いまでも大学の中で問題にしているのはそこです。これは留学生を受け入れる場合も同じことでしょう。それははっきり言ってもらわなければ、同じ質問を何べんでも抽象的に繰り返すことになる。どうなんですか。
#36
○説明員(岡野澄君) 大臣からお答え願ったほうが適当かと思いますが……。
#37
○委員長(亀田得治君) じゃ、留保してください。
#38
○大橋和孝君 この問題は重大でありますので、先ほど答弁できないという話でありますから、特に大臣のほうから明確な答弁をしてもらうように、そちらとしてもはかっていただきたい。
 それから、私は最後に、あなた自身の見解を聞くわけですが、何べんも抽象的な返事を聞くので困るのですが、実際、将来あなたとしては、何か受け入れ基準、それからまた、そういう資格を、ことに民間の留学生の場合にそれをするような、歯どめをするところをどこに置くか、文部省ではそれは知らない、大学にまかすという御意見か、あるいはまた文部省でやるかということに対して、あなた自身はどう考えているか。
#39
○説明員(岡野澄君) 私は軍事研究か軍事研究でないかという判断は非常にむずかしいケースがたくさんあると思います。これはやはり大学なら大学の教授会というところで真剣に御討議になって、それが軍事研究に密着したものであるということで、これは大学としてやるべきでないという判断を下すのが適当ではないかと考えるわけであります。
#40
○大橋和孝君 では、いまの問題では外務省来ていますか。
#41
○委員長(亀田得治君) 政務次官が……。
#42
○大橋和孝君 政務次官にお尋ねいたします。そういう場合に、外務省としては、留学生が入ってきたり出たりするときに、あるいはビザなんかの関係もありましょう、そこで一たんお知りになると思うのでありますが、そういうところではこういう問題に対しては、たとえばいまの問題を取り上げてみるのには、国立大学協会あたりで大学の教授あたりが、これはいけないと言っている例があるわけですね。こういう問題に対して、やはり外務省としてはもう少し何か前向きに考える。ここでまず民間の留学生に対しての何か基準、そういうものをお考えかどうか、そういうことに対しては、お考えどうですか。
#43
○政府委員(田中榮一君) それは文部省の所管でございますから、われわれ外務省から、横合いから口を出すのはいかがかと思いますが、やはり研究でございますから、それが直ちに軍事的目的に使用されるかどうかということは非常にむずかしい問題じゃないかと思っています。したがって、こうした問題をかれこれ、これが軍事目的に使用されるものであるかどうか、したがって、これを研究したほうが正しいか、悪いかということは、やはりその研究に従事する学校の教授の方々が主体となって御判断を願って決定をされるのが至当ではないかと思っております。
 それからまた、いまの御質問につきましては、今後いろいろトラブルを起こさぬように何かそうしたものを、スタンダードをつくっておくことも非常に私は参考になるんじゃないかと考えております。
#44
○大橋和孝君 あとのほうは、一ぺん大臣が来られてから話をすることにして保留さしていただきます。
 次に、第二の点に移りたいと思います。それは、このごろ国立大学の教授が海外に渡航される場合に、その費用が非常に少ない。特に大学のほうでは、その海外渡航をされる人も十分しぼって申請する。それをまた今度はチェックをされて、許可される数が非常に少ない。ところが、東京大学を見ても、四百何十人ですが、六百何十人ですか、一年間に海外にその学術交流のために出られる。その中でわずか一六%が国費でまかなわれて、あとの八四%という大量のものは、他団体からみなそれが受けられておるという状況があるわけであります。一体文部省のほうでは、これらの問題について、どういうように実際の現在の実情を受けとめておられるのか、すぐはできないかもしれませんが、もしできなければ、資料としてでもいただきたいと思うのでありますが、大学から留学される人の数、それからまた、それの費用、そういうようなものをひとつ別にずっと出していただきたい。それから行く先、年限、費用というものはどういうように出しているかということ、それからまた、海外に交流といいますか、海外出張のために膨大な人が行かれると思うのですが、そういうものについても、少なくとも文部省でやっておられる関係で、ひとつそれに対するデータをあとから出していただきたいと思います。なかなかすぐできぬと思いますが、それをお願いすると同時に、私は、こうした国際会議あるいはまた学術会議に出られるのは、いま文部省では、まあたとえて言うならば、これはことばが少し過ぎるかもしれませんが、ほんとうに学術会議で、学術のために行かれる人ばかりだと私は解釈しているわけでありますが、ほんとうに私のいま言いたいことは、どうしてもそのために行かなければならない人ならば当然国費でやるべきだと思うのです。ところが、ちょっと教授にひまがあるから外国を見てこようと、あそこにも学会があるから寄ろうかと、しかし、その学会には論文を発表したり、あるいは討議したりすることはないけれど、寄っていけばそれはプラスになるだろうというような、何と申しますか、第二義的なものでもあればまた別だと思うのですが、私は、そういうようなことを文部省のほうでは一体どういうふうに把握しておられるか、そういう実情についてひとつお伺いしたい。
#45
○説明員(岡野澄君) 大学の先生が外国に行くケースはいろいろなケースがございます。それでまず第一に御説明申し上げたいのは、大学の先生が、一年とかあるいは三カ月とか研究に行くケースがございます。これは文部省の在外研究員の予算というので計上しているわけでございます。それから個々の国際会議――学術に関する国際会議に研究者を派遣するというのは、実は文部省でございませんので、総理府所管の日本学術会議の予算に計上するという打ち合わせをいたしまして、そういう仕組みになっておるわけでございます。したがいまして、どこの国際会議にどういう方を派遣したらいいかというのは、実は学術会議のほうで予算を計上して執行されておるということでございます。文部省関係だけについて申し上げますと、現在国立大学の教官につきまして在外研究員の制度というものをとっております。この予算は、本年度四億五千万円ほどでございます。これは全体の教官の数からいいますと、私ども、せめて一%ぐらい計上したいのですが、現状ではそれまで至っておりませんで、大体〇・七%程度でございます。決して十分な予算とは申せませんが、これにつきましては、各大学から申請を出していただきまして、大学では順位を付してお出しいただくことになっておりまして、この予算は、全国の大学の教官の数、大学の規模に応じて案分いたしまして、大学の順位に従って教官を派遣するという仕組みでございます。
#46
○説明員(鵜飼肥佐男君) ただいま岡野審議官から、外国で開催されます国際会議の派遣の旅費の問題でお話がありましたが、学術会議におきましては、学術会議で重要で意義あると認めた会議につきまして派遣をいたすわけであります。これは本年度の予算は五千五百五十五万三千円ついております。
#47
○大橋和孝君 いまお答えの中にもありましたように、何と申しますか、海外に出るための費用というのは非常に少ないと私は思うわけでありますね。私は、文部省はほんとうに先ほどからるる申しているように、学術交流のために非常に将来こうした海外に出て行かれる方も多くなろうと思うし、また多くなることが日本の学術の上においても、あるいはまた平和を進める上においても、あるいはまたそういった将来の発展のためにも非常に大事なことであるし、将来ますますそうなってもらわなければならないと思うわけでありますが、そうしたものをなぜひとつ文部省としては十分な予算を出さないのか。現実においてわずか一六%ぐらいしか費用が出てない。これは東京の東大の教官だけを言っても、そういうことが言われているわけでありますね。そんな状態であることがもう文部省としてもわからないわけでもなかろうと思うわけです。それが非常にいろいろな方面から出ておりまして、それを見てみましても、学術振興会議あたりから出ている分はまだいいとしても、そこの中には米国の政府から、あるいはまた米国の陸軍から、あるいはまた陸軍の飛行機を利用してというようなふうなものが出ておりましたが、私はこれは非常に問題ではないかというふうに考えるわけであります。御存じだろうと思うのでありますけれども、このユネスコのほうからいっておりましても、国際学術連合会議というものがユネスコに属したところの国際機関としてあるわけですね。これあたりでは、もう決定をして、そしてICSUといっているわけですが、これらの諸団体はみんな決議をして、いかなる国の軍隊からも資金を受け取ってはならないというようなことも決議しているわけであります。このような国際感覚としては、やはり陸軍あたりから、あるいはまた軍隊から援助を受けてこういう会議が運営されてはならないということを国際的に言っているわけでありまして、また日本のほうでも、いま申したような国立大学協会でもそういう決議を出して、そういう危険のある留学生は断わったということになっておるし、今後もこうした問題に対しても同じような意見がなされていくわけでありますが、こういう観点からいって、私は海外の旅費が必要なものならば、いまの予備費を見ましても、急激に何かの状態が起こって海外出張しなきゃならぬ場合は、私は予備費から出すほうが正しいんじゃないか。そしておかしな米国の空軍から受けた旅費も出ているわけでありますが、そういうところからの金を受け取って、そして海外へ出ていくということにならなければならないような状態に国立大学のほうに実態があるということは、やはり文部省としてはゆるがせにできないことだと思うし、学術会議のほうとしては、私はそういうことに対しては相当の考え方を持ってもらわなきゃならぬと思うのですが、むしろ私は、そういう考えからいえば、予算の要求に対しても、文部省そのものがそういうものに対してふまじめである、要るものならばなぜそれを要求しないか、そしてその予算のワクの中で行けるようになぜしないか。行けないような状態においておくからしでいろんなことが起こってくる。私は、もし行かなきゃならぬ、学術会議に出席できる教官、少なくとも文部省配下の大学の先生たちが行かれようとするならば、それが行けるような状態におくべきではないか、私はそういうことをまじめに予算要求しないところに非常な大きな間違いがあるのではないかと思うのでありますが、学術会議の事務局長のほうからも、また文部省の立場からも、どう考えておられるか、その点を明白にしていただきたい。
#48
○説明員(岡野澄君) 先ほど申し上げましたとおり、政府として、国際会議に参列する予算は、これは国立大学の先生が行く場合もありますし、民間の研究者が行かれる場合もございますが、それは文部省の予算でなくて学術会議の予算に組むという御了解で実はいたしているわけでございます。したがって、いまの問題で、われわれも政府の一員としまして、学術会議のそうした予算をさらに拡大するように、まず努力をしなきゃいかぬと私は考えるのでございます。ただ、御指摘のように、いかにもその予算が少のうございまして、現実の問題としまして、国立大学の優秀な先生に、ぜひ自分のほうの国際会議に出てこういうテーマで研究発表してくれというようなケースがずいぶんあるわけでございます。そういうケースが非常に多うございますので、実は非常に苦慮いたしまして、そして実は学術会議のほうとも御相談をいたしまして、国立大学の特別会計、いま四億五千万円と在外研究員の予算を申し上げましたが、そのうち四十年度に一千万円だけ、これは国際学術会議というものでなくて、セミナーやシンポジウムに国立大学の教官が行くために、実は四十年度から一千万円だけ別ワクで計上しておるということでございます。なお、文化交流というような見地で申しますと、たとえば、そのほかに日本の学者をソ連に派遣する費用といたしまして、二カ月行く方を五人、十カ月行く方を六人、こういう別途の予算もそのほか計上しておりますが、御指摘の国際学術会議に参加する旅費につきましては、学術会議の予算をさらに画期的に増額する必要があると私は考えるものであります。
#49
○説明員(鵜飼肥佐男君) 学術会議の海外派遣旅費につきましては、ただいま文部省の岡野審議官からお答えをいたしましたとおり、われわれもちろんこれで十分だとは思っておりません。昨年は四千七百万ついておりまして、本年は五千五百万ついているわけでございまして、今後なお海外で開催いたされますところの会議等もだんだんふえてくる、活発化することと思いますので、できるだけ整備するように努力したいと思っております。
#50
○委員長(亀田得治君) 岩尾主計局次長、大蔵省の立場で答えてください。
#51
○政府委員(岩尾一君) ただいま海外旅費につきまして、文部省あるいは学術会議等につきます旅費の計上をなるべくたくさんにしろ、こういうお話でございますが、われわれも従来からそういうつもりで毎年毎年の予算につきましては、できるだけ御趣旨に沿うように計上してまいっておるつもりでございます。したがいまして、今回起きましたような、米軍から旅費をもらって行っておるとかいうことは全く気がつきませんので、さような事態に相なったということ、それほど実際上必要な旅費が少ないのかどうかということは、私は非常に疑問に思っております。
 先ほどそういうものがあれば予備費で出せばいいじゃないか、こういうお話もございましたけれども、予備費というのも、先ほど来御説明ありましたように、予算編成の際に予見できなかった支出が起きたときに初めて出し得るものでございますから、そういうような出張の目的というものが、はたしてそういう事実であったかどうかということでないとなかなか出しにくいと思います。したがって、最初の予算の査定の際に、どの程度そういった必要性を考えるかということでございますので、まあ今回のようなことが起きましたから、来年度からはできるだけその辺をよく検討いたしまして、必要なものであれば十分計上するというたてまえで進んでまいりたい、かように考えております。
#52
○委員長(亀田得治君) ちょっと聞きますが、予算編成後、国際会議など緊急にきまる、こういうことはよくあります。研究生として長期に行くというならじっくり準備するでしょう。国際会議等がある、そういう場合には予備費の支出というものは可能なんでしょうか。もちろんその会議なり行く人にもよると思いますが、会議の性格が筋が通り、また行く人もきちんとした人と、こういうことになれば、委員長の見解としては、こういうことこそ予備費の対象になると思うのですが、それはどうです。
#53
○政府委員(岩尾一君) いま申されました、実際上そういった会議に出席するということが、ほんとうに予見すべからざる事項であり、かつ、必要ありというような要件であるかという判断だと思います。したがいまして、私らのいままでの経験によりますと、そういった学術会議等で予算編成のときに全然想定できなかった、しかも、突如としてそういう会議が起きて、そこに派遣をしたいと、あるいは派遣してくれという要請があり、日本としてはそこに派遣したほうがいいという状態になるというようなことは非常にまれではないかというふうに私は考えております。
#54
○委員長(亀田得治君) まれでも、あれば予備費の対象になるわけでしょう。
#55
○政府委員(岩尾一君) 先ほど申しましたように、いまの条件に該当いたしますれば、当然予備費は出すと思います。
#56
○大橋和孝君 私ちょっと先ほど触れて答弁を受けていないのですが、主計局次長にお伺いしますが、いまのように国際的には――もう御存じだろうと思うのですが、去年、おととしそういう決議をしているのですね、ミュンヘンで開いて。そしてそういうような軍事的なものからは金はもらわないでいくのだというのは、国際的にされているわけですね。それなのに、一方こちらではこうしたことがどんどん起こっておる。それはあなたは必要性を認めるとか認めないとか言っているのですが、実際からして、いま私が繰り返して申したように、もう海外交流をして、そして学術研究というものは、シンポジウムであるとか、そんなところに出て行くことは、日本の経済情勢から考えて、あるいはまた経済的にも第三位と言われているような経済の発展をしている中で、勉強の上にしてもかなり日本では文化的な水準が高いと言われている国が、外に出ていくことは必要性があるわけです。ところが、そういうものに対して金が出ていないのだ、実際問題として。それでしかもいろいろなことを調査をして聞いてみますと、大学、国立大学そのもの、東大ですよ。大学の中では何といいますか、予算面に対しては、やりやすいんじゃないか。また、そのほかの各大学になるほど、ぼくは予算獲得もむずかしい状態になっていると思うんですね。その代表的な東大であって、しかもそれが海外へ出すやつを、もう非常に学術研究の立場から行きたいという希望者をうんとしぼって予算を出す。ところが、その大蔵省に出した予算をまたずばっと削られてきておるんだと。その結果が一六%ということにあらわれてきている。こういう状態をもってきているからして、万やむを得ずして、国際的にきまっているような、軍隊から支援を受けてはならないとなっておる、日本の各大学の学長が集まっているところの協会でもそういうことを出しておるわけですね。そういう段階でも、こういうことが起こってくるということこそ、私は、予算の組み方に対して非常に冷酷であり、そしてまた何かそこらに間違いがある。もっと私は正しく、必要なものならば、なぜこれを予算で見ないか。また、予算で見れなかったら、先ほど委員長から言われましたが、突発的なことが起こったら、予備費を使ったらいいじゃないですか。一方ではベトナムに予備費を出してみたり、予備費の使い方から見てみましたならば、予備費の使い方にたくさん問題がある。私が言わなくても、指摘事項の中でも一ぱい出てきているじゃありませんか。こういう状態を見ながら、主計局では、大蔵省のほうでは、それが実際のものはどれだけかわからぬとか、いままでにそういう例がございませんとか、考えが違いますとか、えらい木で鼻をくくったようなことを言っておって、あなたは大蔵省の立場に立って、あんたはそれでいいのか。私はいまの日本の状態からいって、あまりにもマッチしない態度じゃないか。だから、私はあと大蔵大臣なり、あるいはその方面にもただそうと思うんですが、あなた自身の考え方は、それ自身ではいけないと私は思うんですが、それについて、あなた自身の所見を一ぺん話してください。
#57
○政府委員(岩尾一君) 別に木で鼻をくくったようなことを申し上げたつもりはないのですが、まず第一の問題でございますが、実は海外においでになります旅費というのは、文部省に計上されております大学の旅費と、それから学術会議の旅費だけではございません。これはたとえば各省でやはりいろんな会議がございます。その省に関連のある必要な会議である場合に、それに必要な旅費というものを計上いたしておりますし、それから外務省のほうにもかなりの旅費が計上されておりまして、実際に必要なもので行かなくちゃならない場合には、そういった旅費を使って国立大学の先生がおいでになる場合があるわけでございます。したがって、全体の旅費というものは、先ほど申したような文部省、学術会議だけではないのでございまして、毎年毎年、文部省なり学術会議のほうから御要求になります額、われわれは予算の査定官庁でございますから、調整官庁でございますから、やはり必要なものという限定をできるだけ精密にしなくてはなりませんので、そういう要求の態度をよく見まして、その要求の中で、先生のおっしゃるように、これは必要だけれども、どうも従来はついてなかったというような判断ができますならば、それは当然計上いたしますけれども、この辺が調整官庁として、実際の要求を見まして、それほど切実といいますか、緊急といいますか、必要といいますか、そういう点においてあまり必要性がないんじゃないか、従来どおりのベースで考えていいんじゃないかというようなものであれば、特に計上する必要はないということに相なるかと思います。その辺は、全体の振り合いを見てよく考えたいと思います。決して計上しないというのじゃございません。先ほど申し上げたように、必要なものは計上するということでございます。また、予備費等につきましても、そういう予備費の条件に該当するものであれば、これは当然出してもいいというふうに私は思っております。
#58
○大橋和孝君 いまのちょっと大蔵省のお話を聞いておりますと、いま言っているのは、いまの査定くらいでいいのだということになれば、この八四%に当たる人は、行かなくていいのに行っているということになるのですね。遊びに行っているということになる。これは大問題だと思うのですよ、八四%が行っているのですからね。じゃ、いま御説明のように、ほかのほうの各省で行っておるのはそれはいいのですよ。私がいま議論をしているのは、大学で行っているわけです。大学の中で、またそれは行ける機会もあるかもしれませんけれども、現実においては八四%がほかの団体から金をもらって行っているわけですね。私は、学術会議の事務局長にもお話聞きたいし、文部省からも答弁をいただきたいのでありますが、すると、一体いまのようなふうな考え方であなた方はどういうふうに考えておられるか。八四%の人は遊びに行っているのか。物見遊山に行ったと解釈していいのかどうか。そうでなかったとしたら、あなた方はこの予算に対してなぜもっと請求しないか。
 それからもう一つ、私は重ねて事務局長に伺いたい。文部省にも伺いたいのは、予備費を請求したことは一回もなかったのか。ぼくはそういう例があると思うのですよ。学会があとから出てきて、そこにシンポジウムがあって出なくちゃならぬという例が、それは前年度からわかっておればいいけれども、わかっていない場合もあり得るかと思うのですね。そういう場合には、予備費を請求したことはないのか。学術会議としては、やさしいから、他団体から金をもらっているほうがいいから、いつも金をもらっているのかどうか。私はその点ちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#59
○説明員(鵜飼肥佐男君) お答え申し上げますが、学術会議で派遣をいたします場合には、私のほうの学術会議の内部部会というのがございますが、そういう機関で慎重に会議の一つ一つ、ケース・バイ・ケースで当たりまして決定をいたしまして、それから派遣するわけでございます。派遣いたします場合には、その会議に出席していただくための旅費だけ出しておりまするので、決して物見遊山とか、そういうことはないと思います。 それからもう一点でございますが、学術会議から予備費を要求したことがあるかどうか、こういうお話でございますが、これは現在まではございません。と申しますのは、学術会議の――あれは国際学術会議と申しますと、ほかの国際会議とちょっとニュアンスが違っておりまして、相当前から準備をいたしまして、そしてそれに発表します論文等の検討もいたしますし、そういうことが大部分でございますので、あるいは定期的に、何年に一ぺんというようなことがございますので、現在のところ予備費でどうこうということでお願いをしたことはございません。
#60
○大橋和孝君 文部省のほう……。
#61
○説明員(岡野澄君) 文部省でも、在外研究員の予算につきまして、予備費の要求はしたことはございません。やはりこれは恒常的にやる性質でございまして、大学の順位に従って、長期に、あるいは三ヵ月以上派遣をすることでございますので、これは予備費の性格にはなじまぬ予算でございます。ただ、予算絶対額が少ないということについては、御指摘のとおりで、今後とも努力していきたいと思います。
#62
○政府委員(岩尾一君) 先ほど先生の御指摘で、八〇%は物見遊山じゃないかというお話でございますが、まあ外国旅費というのは多々ますます弁ずる性質のものでございますから、全部が物見遊山というふうには私は申しませんけれども、われわれの考えております必要な旅費という面と、それから大学の先生方なり、あるいはほかの方のお考えになるこれは絶対に国として必要だという旅費との間には、どうしても差があるということは、これは御了承いただきたいと思います。
#63
○大橋和孝君 そこで私はもう一つ、いまちょうどそこに大蔵関係も、大学関係も、文部省関係もそろっておられますから、私はそこでひとつ提起しておきたいと思いますが、この大蔵省ではそうは考えません――まあいいだろうと思うのですけれども、そこに差が、大学の考え方と大蔵省の考え方、査定する側とは違います。それはまあもっともだろうと思います。私は、このいまの段階、先ほどからも申したように、この非常に進展していく学問の進歩の段階、あるいはまた日本の経済の段階から考えて、もう少しそういうようなものに対して、ある程度の基準を示して、これくらいまでの基準のものは必要である、これから以上のものは、もう娯楽なら娯楽というほうに入れるというような形のものにして、どの程度までは国で見るということで、もっと大幅に上げない限り、いまのように大蔵省はかってに自分の見解でずばずば切っていくと、どうしても勉強のたてまえで――大学の教授が物見遊山に行こうというようなことを考えられる人はないと思うのです。やはり勉強のために行こう、それがまた国のために、大きな進歩のためにもなるんだという観点から行かれるわけですから、そういう観点をもう少し大きく評価しなければ、いまの日本の産業水準から、あるいは日本のいまのいろいろな状態からいって、全然問題にならない、そういう矛盾をはらんでいるからして、こういう問題が起こってくるのじゃないか。
 それからもう一つ、重ねて皆さん方に考えておいてもらいたいのだが、国際的に、こういうことをやっちゃいけないということを言って、一方、軍事のほうから援助をもらっているでしょう。これは一体、だれが責任を持つのですか。こういう問題に対しては、やはりもう少しきびしく考えるべきだと思うのですよ。こういうことがありました、と言うだけじゃなくて、予備費の問題もあって、不用額の問題もあるわけだ。まだまだ、たくさん手があるはずなのに、それを大蔵省は見解が違います、くらいでほうっておいて、一方では、国際的にいって、そういうことはしてはいけないという会議が、二年も前に行なわれているでしょう。これに対して日本も、ちゃんと出て分担金を払っているのです、この会議には。これはどこの省がどこでやられたか知らぬけれども、これは少なくとも日本で、大蔵省におる、また文部省におって、これを指導するところの役目にいる人が、これを知らぬとはいわれないわけですね。こういうものがあるのに、一方ではこういうことが行なわれておって、じゃ、だれがその責任を持ちますか。私は、そういうところから考えたら、大蔵省あたりが、今後の予備費の支出に対しても、あるいはまた予算の計上に対しても、その予算を執行する面に対しても、もっとこういうような代表の教授が海外に出られるという問題に対しては、真剣に考えるべきじゃないかと思うのです。そういうことで、査定する側だから切り捨てごめんだということでは、こういう問題はあとからまた、これからも問題を起こす危険性もあるだろうし、そういうような矛盾が拡大していくのじゃなかろうか、こういうふうに思いますから、そういう見解を明確にしてください。
#64
○政府委員(岩尾一君) 本件の責任というふうにおっしゃいましたが、もちろん、われわれもある程度責任はあるかと思いますが、しかし、やはりそういった意味で軍事的な、あるいは陸軍等から旅費をもらわれるというのは、むしろ、そのもらわれた先生方のやはりお気持ちが一番問題じゃないかと私は思います。現在のようなたてまえでは、そういうふうに追い込んだのは、実は大蔵省が予算を組まなかったからじゃないか、こういうことにもなろうかと思いますけれども、その辺は今後よく十分注意をいたしてまいりたいと思いますが、執行の面におきましては、予備費の支出だけが予算の増加ではございませんで、いろいろ流用等の措置もございますし、実際に必要な会議であれば、それに出れるような、できるだけの手配はいたしたいというとかうに考えます。
#65
○大橋和孝君 どうも、これ以上の議論は大臣がおらぬとあかぬので、これは次に大臣に来てもらって、一ぺんゆっくり議論したいと思います。
 続いて私はもう一つ、最後に、先ほど申しました最高裁の問題です。
 最高裁が、このアジア財団から援助資金を受けている。これは御存じのように、米国の中央情報局との関連もあるのだといわれているアジア財団、こういうところから援助を受けられたということに対して、この一番神聖で法律を正しく判断するところの最高裁の府においてこういうことが行なわれるということに対して、私は国民に対して非常に大きな疑惑を与えることになると思うのです。私は非常にこの問題は、あるいは見ようによってはささいかもしれません。これは調べて聞いてみましたところ、この受けた金は、去年でしたか、日本で開催されたときに、やはりどこの国へ行かれても、開催国が、そこへ来られた方々の滞在期間のいろいろなものをみるのだ。それに対しては予算もあった。だから予算内でやるならばそれでいいわけだが、予算内ではおさまらないような予算の状態だからして、そういうところからもらったのだということで、そのおも立ったものがそれであるようです。しかし、いろいろ調べてみますと、そのほか、いろいろ研究費とか、海外に行かれる場合の補助とかに使われているやに報道されているわけでありますが、こういうことを考えてみますと、私は非常に大きな問題だと思うのです、国民に対する不信を及ぼす上においては。だから、そういう点について、実際の様子をひとつ御説明願いたい。
#66
○最高裁判所長官代理者(岩野徹君) アジア財団がいま御指摘のような関係にあるかどうかということは、最高裁判所といたしましては、一切存知しないことでございます。事実がどうであるかどうかについて、いままでそういう点について疑念を持ったこともございません。アジア財団は、その日本支部の年次報告によって見ますと、カリフォルニア州の法律のもとに設立されました一民間団体でありまして、営利を目的とせず、また政治にも宗教にも一切の関係のない財団であるということを、過去から引き続きそういうふうに理解していた財団でございます。したがいまして、そういったいま御指摘の点があるかないかもつまびらかにいたしませんが、そういうことを意識していままで最高裁判所が行動をとったことは、かってないわけでございます、それからこのアジア財団の活動の内容を見ますと、大学、報道機関その他各方面の研究あるいは会議開催、研究等についての援助、こういうものが行なわれているようでございます。これはこの年次報告書をごらんになれば、どういうことが行なわれているかは、おわかりになるはずでございます。したがいまして、裁判所としても、その活動状況に照らしましても、少しも政治的な意図あるいは宗教的な意図があるものと、そういうふうには何らの疑念も持っていなくてまいった状況でございます。
 そこで、具体的にどういうような援助を受けたかということでございますので、それを二、三申し上げますが、国としての最高裁判所といたしましては一度ございます。これはシェルダン・グリュックあらわすところの「少年非行の問題」という、少年関係の文献としてはきわめて著名な著作でございますが、これをアジア財団から、昭和三十五年の四月十五日に四十九冊――家庭裁判所が四十九ございます。その四十九冊を寄贈を受けまして、同年最高裁判所から各家庭裁判所に保管転換をいたしましたのが、国に対する寄贈でございます。これは「少年非行の問題」という書籍でございまして、たまたま前年度の年度末に、この書籍が重要な価値ある書籍であるということを指摘して、その購入配付方を部内から希望がございましたが、たまたま年度末に近づいておりましたので、その際、それは直ちに購入することが困難である旨を部内的に答えておったところが、これがどなたかのむしろ連絡があったそうで、アジア財団のほうから、そういうものを希望しているなら、自分のほうで購入して寄贈してもよろしいということがあって、新年度早々にそういうお話があったので、これは受け取ったという例でございます。
 それから二回のアジア司法会議というこの会議の際に、賓客の接遇の経費として約千ドルの寄贈を受けました。これは最高裁判所としてではなくて、いわゆるアジア司法会議事務局に対する援助でございます。アジア司法会議は、第一回がフィリピンで行なわれまして、第二回が日本、第三回が今度タイで開かれる予定でございます。その関係で、たまたま接遇費に関する経費の中で、国の予算の範囲より以上の接遇をしたいということから、それに必要な経費をアジア財団に仰がれたということで、これはアジア司法会議の事務局の受贈になっておる。先ほど御質問のありました、歳入歳出の関係では、これは国が寄贈を受けたものでございませんので、国の歳入の手続をとっていないわけであります。したがいまして、会計検査院の目にとまらなかったのは当然かと思います。 それからもう一つは、最高裁判所の名が出てまいりましたケースは、最高裁判所の調査官で外国旅行に参る際に、研究等の資料が十分でなかったことから、その個人に対して、約千ドルの書籍等の購入費がその者に交付されたという例がございます。したがいまして、最高裁判所自体としましては、書籍の寄贈を受けたものであって、調査官の場合は、個人に対する援助、アジア司法会議の場合は、これはその事務局に対する援助であるということでございます。
 それからもう一つ御指摘を受けております司法研修所の場合がございますが、これは司法研修所出身の判事補、検察官あるいは弁護士等で外国、特にアメリカ関係の制度を勉強したい方々のために、便宜ある制度がアメリカにあったことから、これに皆さんがそれぞれ手続を踏んだ受験をされて、パスされた方がそれぞれアメリカの大学で勉強されました。これはアメリカのほうのそれぞれ大学あるいはその他の財団等でその滞在費、旅費等が支給されるものでございます。で、それについて、アジア財団から援助を受けているケースがございますが、これはその当該国で出ます滞在費あるいは往復の旅費は、その地域にとどまった以外の行動の経費は入っておりません。せっかくアメリカに行った場合に、州の裁判所等を見学してくるということのために、三百ドルないし五百ドルの補助が当該研究員に贈られているという例はございます。しかし、これが司法研修所という名前になっているのは、司法研修所等でそういった人たちの受験等の手続については十分めんどうを見ておりまするので、アジア財団の年次報告の中に、司法研修所という名前があがっているというのも当然かと考えられる次第でございます。
 で、具体的に、それでは裁判所の職員でアメリカに出かけました、そのアジア財団の援助を受けて行った人たちの人数を御参考までに申し上げます。
 昭和三十三年は、裁判所は、サウズアンメソジスト大学、ハーバード大学にそれぞれ一名、判事補でございます。弁護士がハーバード大学に一名で三名。この弁護士関係の分も、司法研修所に支給した形に報告になっているわけであります。三十四年が、裁判所でハーバード大学に一名。それから三十五年が、弁護士、サウズアンメソジスト大学一名。三十六年が、裁判所、サウズアンメソジスト大学一名。弁護士、ハーバード大学一名。合計二名。三十七年が、裁判所はサウズアンメソジスト大学、ハーバード大学各一名。弁護士、ハーハード大学一名。合計三名。三十八年が、裁判所、これは判事補ですが、ハーハード大学、サウズアンメソジスト大学各一名。検事、サウズアンメンジスト大学一名。弁護士、サウズアンメソジスト大学一名。合計四名。三十九年、ハーバード大学一名、裁判所で。それから弁護士でサウズアンメソジスト大学、ハーバード大学各一名。合計三名。四十年、裁判所、サウズアンメソジスト大学一名。検事、ハーバード大学一名。弁護士、ハーバード大学一名。合計三名。四十一年が、ワシントン大学、裁判所一名。サウズアンメソジスト大学一名、検事。サウズアンメソジスト大学一名、弁護士。合計三名。四十二年が、サウズアンメソジスト大学、ハーバード大学、各一名、これが裁判所。弁護士が、ハーバード大学とワシントン大学各一名、合計四名。こういう人たちが出かけますについて、それぞれの個人に対して、三百ドルないし五百ドルの補助があったというようなケースを聞いております。
 それから、あるいは場合によっては、書籍で研修所に対して寄贈のあった例もございます。そういう意味で、これはもちろん書籍にいたしましても、旅費にいたしましても、先ほど大蔵からも意見がございましたけれども、多々ますます弁ずるものでございます。もちろん国の費用で裁判所といたしましても、在外研究の費用は十分とは申せませんけれども、毎年要求し、ある程度の予算は認められております。しかし、それ以上に各個人としてなお勉強したいという方々が――そういった自己の費用を払わなくても済むような制度を利用して外国で勉強したいという方々のためには、その人の執務なり何なりの便宜を計らった上で本人の勉強されることを援助いたしておるわけでございますが、実質的には国のほうとしても、一面ではございますが、ある程度の援助をしてその方々の勉学を助けているわけでございます。
 御承知のように、いま申し上げましたところはアメリカでございますが、戦後、制度の改変によりまして、特に刑事訴訟法手続関係は、英米法系の手続を相当程度取り入れた制度に変わっております。独仏系の大陸法系の問題は、これは旧制のもとにおよそあらゆる資料をわれわれは持ち続けてきたわけでございますが、戦後ももちろん続けておりますし、その研究等も怠っていないつもりでございますが、やはり一番欠けておりますのは英米法系の裁判手続、裁判の考え方、こういったものが現在のわれわれのいわゆる法律知識の中では相当欠けておるということから、こういった留学生がアメリカのほうを指向して行かれるということもまた必然的な要望かとも考えられます。ヨーロッパ大陸等でも、もちろんみずから勉強される、これは自費で行かれる方もあるわけであります。自費で行かれる方も、やはり職務上の不便というものを忍んでも当該裁判官がよりよきすぐれた裁判官になられることであれば、結局においては国のためになるからという考え方で、私どもは、そういう人たちの在外留学について便宜を計らっておるわけです。そのようにこのアジア財団から援助を受けましたことについて、裁判所として何ら、いま言った政治的あるいは宗教的、こういった関係の意図のもとにある団体として理解してその援助を求めたものでございません。もしそういったことが、御指摘の点があるとしましたら、実際にその活動状況を十分検討いたしまして、それがもし国民の疑惑を招くものであり、あるいはそれが国として好ましからざるものであるという結果が出たといたしますならば、もちろんそれに従って行動するのにやぶさかでございませんけれども、この在外研究の実質的なすべての費用をアジア財団に仰いだわけではございませんので、そのごく一部の援助が個人的に、あるいはものによっては国に対して寄贈されたという結果でございますので、この年次報告そのものがああいう形で出ておるからといって、裁判所のいままでやってきましたことに私どもは何らやましいことはないと考えております。
#67
○大橋和孝君 いまるる説明を聞きまして、私もそのように考えたい、よくわかるわけでありますが、私はここで続いて、むしろこれは外務省に聞いたほうがいいかと思われますが、一体このアジア財団というものは、最高裁のほうでは全然知らないでやっておられる、私もそうだろうと思います。私自身もあまりよく知らないのでありますが、一体このアジア財団というものはどういう団体であるか。それから一応言われておるのはやはりCIAと関係があると言われておるが、その辺のところはどうなっておりますか。それからまた、このアジア財団というものはいつごろ設立されて、そしてどういう定款で、また、日本にはその支部があるかどうか。あったならばどういう構成になっておるか、財団の構成、また活動の状況、こういう問題に対して、いろいろとひとつ御説明を願いたい。もしなんであれば、資料として一ぺん詳しく出していただきたい。ことにいま問題になるのは、このCIAと関係があるのかないのか。これはわれわれにもよくわからないのですが、これは外務省は一体どうとっておられるか。それからまた、一体このアジア財団と日本の財界とのつながりはどうなっておるか。こういうようなこともひとつ同時に御説明を願えれば願って、あと詳しいものは資料としていただきたいと思います。
#68
○委員長(亀田得治君) アジア財団のほうは、外務省関係ちょっと帰しましたので、次回にその点答えてもらうようにしたいと思います。
#69
○大橋和孝君 それではお帰りになったそうですから、それはちょっとまたあとから次の機会に聞くことにいたします。
 それで、私はいま説明を聞いたのでありますが、ことに私は大蔵省にもちょっと話、見解を聞かしていただきたい。先ほど私が申したことと似ているわけでありますが、いま私は、最高裁がいまやっておられることも、ほんとうに良識でやっておられると思う、実際から言えば。私もちょっと調査をしてみたのですが、これから裁判官になろうという人、判事になろうという人、あるいはまたその研修生の人、あるいはまた裁判官の方でも、外国にそうして勉強に行こうというのに、予算を見てみますと、おそらく私は、向こうへ行って勉強だけして、旅行して見ることもできぬような予算だろうと思うのですよね。だからして、やはりそこへ行って勉強するのには、本もほしいだろうし、またどこかの裁判所も見学してくる必要もあるだろう。私はそういうものに対する予算が組まれていないと思う。何かよくしてやろうということでこうしたことが配慮されているわけです。私はこれを見てみますと、予備費にしても予算にしても、予算のきめ方においても、私は政府の姿勢というものが、もう少しここでもう一回大蔵省に対してはきびしく一ぺん反省をしてもらいたいと思う。こういうのはまじめにやっていこうというところに、こういうような疑惑をまじえるような――性格は別ですよ、あとから聞きますからわかりませんが、こういう疑惑を起こさせるような状態に持っていくということは、あまりにも予算がきびし過ぎるわけです。まじめな、そういうこれはほかにも通じまして、私も医者をやっておって、生活保護あるいは働く者に対しての生活条件、これには生活保護法があるからそれでいいといっているけれども、これらの人が、ほんとうにいまの経済情勢から考えてみて、文化的な生活ができるか、こういうものに対しての大蔵省の配慮というものが、私は、厚生省からかなりいろいろな予算が出てきても、弱いところに対してはびしびしと削る、私は、査定役だからというような考え方で、切り捨てごめんというような考え方があちらこちらに影響してくると思う。少なくとも私は、最高裁のいままでやっておられてこういうような問題が出てきたことに対しては、ほんのわずかなことであって、実に良識的な立場でやられていることだと私は了解したいと思っていますし、そう考えております。そういうふうなところまで、こういうことからして、少しでもあたたかくしてやろうかという気持ちを払わなければならぬような状態に置いておくということは、私は予算を組む上においても、予算を執行する上においても、ことに予備費なんかを使うときには、予備費はありません、というようなことではなくして、まだまだ予備費の実際の使い方の中には、こういうようなものについては予備費から出すということには問題があるかもしれませんが、もっと予備費の中から、大学のほうからも請求したことはないと言っておられるが、請求しているのにやれぬということになるかもしれませんけれども、もっともっとそういうことに対して、そういうことができるような配慮を払わなければ、あとを断たない。同時にまた、日本のいまの現状から見て、私はもっと大蔵省というものの考え方を、生産ができるような、あるいはまた経済の伸びていく上においてはどんどんと持っていくけれども、一方まじめにやっている者あるいはまた弱い者に対しては、きびしくやっていくというふうにとられるような予算の査定も、あるいはまた決算の執行も、あるいはまたこの予備費の問題にしても、いろいろな配慮をもっとやられるような指導なり、あるいはまた考え方なりを全体として起こす必要があるというのには、私は一番、何と申しても査定がきびしいとか、当然必要なものに対してそういうような態度が示されぬことが、こういうことになってくる根本原因であろうと私は考えるので、そういうことに対して、一体あなた自身はどう考えられるか。この問題については、もっとも大蔵大臣に対しても問題は後に譲ろうと思いますけれども、いまここに立ち会っておってもらうところの主計局の人はどう考えておられるか、ひとつ伺いたい。
#70
○政府委員(岩尾一君) 大蔵省、特に主計局の立場が、弱い者に対して強く、必要なものもつけないというふうに御発言になりましたけれども、私らはそういうふうには考えておりません。必要なものに対しましては、できるだけ予算を計上いたしたいと思いますし、また気の毒な方に対しても、できるだけ手厚くしたいというふうに私は考えております。
 実際上の問題といたしまして、先ほど私は言い直しましたけれども、われわれは査定官庁というふうには実は考えておらないのでございまして、調整官庁というふうに考えております。予算というものは、各省から要求をされましたものを、われわれと各省の方と話し合って、そしてどういう予算が一番よいのかということを調整してでき上がっていく、これが予算だというふうに考えています。したがって、これは要らぬからぽかっと切ってしまうというようなことは、実際上もやっておりませんし、理屈の上からもそういう考え方で仕事をしておるわけではございません。先ほど例にあげられました最高裁の問題につきましても、最高裁のほうで御答弁になりましたように、経費の性質から、まあ多々ますます弁ずるようなものでございますから、したがって、最高裁といたしましても、こういう旅費をぜひ出してほしい、あるいはこういう経費をぜひ組んでほしいと――最近の法律の状況からいいまして、なるべく英米法を勉強したい、ついては、英米の大学に行く場合のこういう配慮をしてほしいという御要求が非常に強くございまして、御説明があれば、われわれのほうとしても、もちろんそれに対して検討をすることに相なりますけれども、最高裁自体、あるいは先ほど例にあげられました厚生省が生活保護について、これでいいと、やっていけるというように御判断になれば、調整官庁である大蔵省としてもそこで話を進める、こういうことになるわけでありまして、決して先生のおっしゃるような無慈悲な考え方で仕事をしておるわけではございませんということを申し上げておきます。
#71
○大橋和孝君 最後にもう一つお伺いしますが、外務省も帰られたので、この予備費の中のベトナムに対して援助費を出していることについて、もう少し私はきょうは話したいと思っているのですが、これは次の五日の日にしようと思うのですが、そこで、もう一点大蔵省にお願いしておきたいと思っているのですが、予備費の中で、あなたもいま御存じのように、ベトナム救済なんかやられているわけです。ああいうことを考えてみて、私は、私がいま言うたのは、強い方面にというか、正しい方面というか、弱い方面にせずに、そういうことに対して案外むぞうさに使われているということ、そういうことを指摘しているわけです。それは被災者に対して援助してやろう、これはやっぱりアジアの先進国として非常にいいことで、私はいい配慮のもとにやられただろうと解釈するわけですけれども、しかしそれと、一方においては、こういうようなことが無慈悲に行なわれて、しかも国際的に認められてこれでやっちゃいけないということまでやらざるを得ぬような状態に追い込みながら、こっちでそういうことが行なわれているということは、アンバランスでいけないということを指摘しているわけです。だからして、ベトナムに対しての援助の重要性と、いまそういうことに対しての予算をつけることの重要性とを考えたら、おのずからわかると思うのです。そういう観点からして、大蔵省に関しては、あなたは当然だということでいまおっしゃいましたけれども、それはおたくの立場ではそうもいかないということもよくわかる。けれども、私は、そういう点を踏んまえて、もっと考えてもらいたい。大臣にも言わなければ終局の結論は得られないと思うけれども、実際動かしているあなた方主計官がそういうことを考慮してやらなければ、大臣というのは上にいるおもりです。だからして、あなた方がそういう気持ちでやってもらわなければ国政はよくならないわけである。それで私はしつつこく言うわけですが、ベトナムに予備費を簡単に使っておるということに対して、これは外務省に対してもこの次、別の角度からいろいろと質問したいと思うけれども、いまのような予備費を使うという観点からだけいえば、私はもっと慎重に考え、同時にまた、大蔵省においても根本的な考え方をしてもらわなければならぬ。大学の先生たちの海外の出張の問題、あるいはまたその受け入れの問題、あるいはまたいまの最高裁の問題なんか見てみますと、ほんとうにこれはいまの現段階の日本の状態で非常に憂うべき方向にいっておると私は断ぜざるを得ぬわけでありまして、そういう観点から、大蔵省に対しては、全体に一ぺん考え直してもらいたい、こういうことを要望して私の質問を終わります。
#72
○竹田現照君 それでは、きょうは審査の対象になっております、この予算総則、予備費の使用総調書に基づいて質問をいたしてまいりたいと思います。これは毎回感じるんでありますが、この予備費の中に、公務員の退官退職手当の不足を補うための必要経費、この支出が相当額にのぼっております。今回も、総理府をはじめ五省に及んで承認を求められているわけでありますが、いまこの総調書に載っておる省庁別に、その理由について簡潔にひとつ御説明をいただきたいと思います。なお、時間が五時で終わる予定でありますから、私も要領よく質問をしていきますから、お答えのほうも簡潔に明瞭にひとつお願いをいたします。この総調書に載っている順番でいいですから、一番最初警察庁ですね、その順番でお答え願います。
#73
○政府委員(浅沼清太郎君) 警察庁関係の退官退職手当の予備費につきまして御説明を申し上げます。
 四十年度は、当初退官退職手当の予算を四億九十六万六千円を計上いたしております。百九十六人分の予算でございます。しかしながら、その後これを支給をいたしまして、百二十七人分が不足をいたしましたので、予算の移用によりまして、三千九百万円の承認を受け、さらに不足する分につきまして、調書にございまするように二億八百六十五万円の予備費を認めていただいたわけでございます。合計しまして六億四千九百万ということでございます。私ども、もちろんできまする限り当初予算の範囲内でこの退官退職手当の経理をいたさなければならぬということでつとめておりまするけれども、この経費がなかなか、あらかじめその所要額の予定をいたしまするのがなかなかむずかしいという事情があるわけでございます。ちょっとその事情を申し上げますると、実は警察庁の関係としましては、警察庁本庁と、それから大学とか研究所といいますような付属機関、管区警察局というような警察庁本来の職員のほかに、都道府県警察の警視正以上のいわゆる地方警務官といいまするものが、これが国家公務員として人件費を国が持つようになっております。したがいまして、この地方警務官といいまするのは、その県で警務本部の部長でありまするとか、あるいは大きな署の署長でありまするとかというようなことで、勤続年数も長い、したがって給与も高い、したがいまして退官退職手当も非常に額がかさむわけでございます。四十年度について申し上げますると、三百二十三人退職者がございまするが、そのうち、いま申し上げました地方警務官が八十八人ございます。人数としては二七%でございます。ところが、この地方警務官に払いました退官退職手当は、総額六億四千九百万のうち、三億四千八百万ということで五四%の金額を占めております。このようなことで、一人当たりの金額が高いということが、警察庁といたしましては多少他省と違うところではなかろうか、このように考えております。
#74
○委員長(亀田得治君) 北海道開発庁関係として、総務監理官小熊清君。
#75
○政府委員(小熊清君) 北海道開発庁におきましても、退官退職手当の不足を補うために、相当の予備費の使用をお願いいたしたわけでございます。開発庁の退官退職手当は、行政部費の関係、それから工業事務費の関係、両方に分かれておりますが、予備費をお願いしたのは行政部費の系統でございます。当初の予算額は、合計で一億四千三百九十六万七千円ということでございました。その後退職者の数が当初見込みましたよりもふえてまいりまして、当初の予算では不足を生じるということで、予備費を実は二回にわたってお願いしたわけでございます。予備費をお願いいたしましたのが、二回の合計で七千五百八十一万九千円ということでございまして、その結果、支出済みの歳出額は二億一千六百三十九万九千円、これは工事事務費も入っております。そういうことになったわけでございます。特に四十年度で予備費をお願いいたしましたのは、予算の積算は、大体過去の実績等をもとにして計上を願っておるわけでありますが、四十年度において、過去の実績をこえて退職する職員の数が多かったということに尽きるわけでございます。
#76
○委員長(亀田得治君) 法務省は経理部長。
#77
○政府委員(辻辰三郎君) 法務省関係の退官退職手当でございますが、昭和四十年度におきます退官退職手当予算の支出実績を見てみますと、退職者の総数が千七百二十六名でございまして、その支出額は二十億五千四百万円ばかりとなっております。これに対しまして、当初の予算額は十五億八千九百万円余りでございまして、これに比べますと、結局四億六千五百万円ばかりが不足をしたということになるわけでございます。そこで、この不足分につきまして、人件費から四億七百万円ばかりと、予備費から五千七百二十万円の支出をしていただいたわけでございます。かような予備費の支出を必要といたしました理由は、第一に、この年は退官退職手当法の五条の適用を受けますいわゆる特別退職者が五百十六名という数字になりまして、この金額が十四億九千二百万円ばかりになったわけでございまして、当初の予算額十二億五百万円と比べまして、二億八千七百万円ばかりの不足となったわけでございます。
 第二の理由といたしましては、退職手当法三条、四条の適用を受けますいわゆる一般退職者の使用分につきまして、公務員の給与改定に伴い増額分が足らなくなってまいった、かような理由があるわけでございます。で、御承知のようにその年度に何名退官いたしますかといいますことは、非常に年度当初予測がむずかしいわけでございますが、特に、当省の場合の特殊事情といたしまして、比較的職員の高齢者が多いわけでございます。五十才以上の者が二割弱になっているという人員構成でございまして、この四十年度におきましては、高齢者につきまして後進に道を譲るというような観点で、人事の刷新をはかるということで、この退官を勧奨いたしましたところ、当初の予定よりもたいへん多い五百十六名の退官希望者が出たということになったわけでございまして、かような予備費のめんどうを見ていただくという事情になっておるわけでございます。
#78
○政府委員(井内慶次郎君) 文部省関係の退官退職手当に関しまする予備費の使用状況でございますが、まず、文部本省関係の退官退職手当関係につきまして、当初一億一千七百八万円の予算計上がございました。年度いろいろ進行してまいりまして、予備費におきまして五千百万円、流用等によりまして三千五百八十三万三千円、最終百三十二人に対しまして、二億三百七十一万六千五百六十八円の支出ということに相なりました。その百三十二人の内訳は、一般分の退職手当が八十七人、法五条関係の特別分が四十五人という内訳に相なっております。
 もう一つ、文部省で国立学校特別会計を所管いたしておりまするが、国立学校の教職員の退職手当につきましては、当初三十四億六千九百五十三万六千円の予算計上がございました。これに対しまして予備費におきまして当初一億の予備費がございまして、その一億の予備費で災害関係を支出いたしまして、残で予備費によりまする退官退職手当をまかなおうといたしましたが、二億のさらに特別会計への繰り入れの必要を生じましたので、国立学校特別会計のほうに二億ほど繰り入れをいたしまして、そしてもとございました予備費の金額と合わせまして、二億三千百三万三千円を予備費として支出し、さらに流用によりまして二億一千四百三十六万二千円。支出済みといたしまして三十九億一千四百八十万一千百三円という支出に相なりました。この退官退職手当額によりまして、一般分といたしましては四千百二十八人、法五条関係等の特別分といたしまして一千二十二人、五千百五十人に対しまして退官退職手当をまかなった次第でございます。
#79
○政府委員(稲垣元宣君) 農林省関係の退官退職手当は、当初予算におきまして約十億七千万計上されておったわけでございますが、その後ベースアップ関係もあり、また退職人員の増加もございまして、合計約三億六千万の不足を生じたわけでございます。このうち約二億円につきましては移用あるいは流用でまかなえたわけでございますが、残り約一億六千万につきましては予備費の使用をお願いしたわけでございます。増加しました理由は、ほかのところと大体同様でございますが、当初予算積算上予定しておりました法五条適用の退職者が四百十四人から四十八人ふえまして四百六十二人になりましたこと。それから、一応一人当たりの単価として、特別退職の場合でございますが、当初二百十万ほど予定しておりましたそれが、約五十万ふえまして、平均して二百六十万になり、この結果約三億六千万の不足を生じたわけでございまして、この中の一億六千万近くをお願いしたわけでございます。
#80
○政府委員(竹下一記君) 郵政省関係を申し上げます。
 退官退職手当予算額は九千二百八十九万二千円でございました。ところが実際の退職者は予想を若干上回りました関係で、一億七十一万円の所要額となったわけでございまして、差し引き不足七百八十一万八千円、こういうことに相なりました次第でございます。これに対しては移流用でもって三百六十三万九千円、予備費の解除をお願いいたしまして四百十八万円でもってこれを補った次第であります。
#81
○政府委員(辻英雄君) 労働省関係の退官退職手当でございますが、当初一般会計、特例会計合わせまして五億七千五百九十万四千円を計上したわけでございますが、決算におきましては八億三千三万四千円、差額のうち一億七千七百八十一万四千円は移流用で、また七千六百三十二万六千円は予備費をもって処理をさせていただいた次第でございます。その理由といたしますところは、おおむね各官庁でも申し上げましたのと同様でございますが、当初予想しましたよりもふえまして、全職員の二・八%、七百七十八人が退職をいたしまして、さらに、やや比較的高齢者が退職をした、こういう事情が中心であったと存じております。
#82
○竹田現照君 最後の労働省、数字がこれに出ているのと違うのですが……。
#83
○政府委員(辻英雄君) 退職人員の関係で、一般会計と特別会計合わせて申し上げましたが、一般会計だけで申し上げてみますと、当初予定いたしましたものが三億七千五百九十六万五千円でございます。決算におきまして五億九千五百八十五万九千八百九十二円でございます。
#84
○竹田現照君 郵政省といまの労働省、これの五条適用の対象者は幾らですか。それと予備費を必要とするに至った理由ですね、これについてはいかがですか。
#85
○政府委員(辻英雄君) 昭和四十年度におきます五条適用の退職者が二百七十六名でございます。予備費の使用を必要といたしました理由につきましては、先ほど申し上げましたように、予想いたしましたよりも退職者の数が多かったことと、比較的高年齢者が多かった、こういうふうに考えております。
#86
○政府委員(竹下一記君) 五条適用者は十五名でございます。
#87
○竹田現照君 そこで、これからひとつ本論になりますが、退職希望者が予想以上に多かったという御説明を全部おっしゃっておるわけですけれども、これは特に五現業なんというのは、下級公務員の退職希望者等については、予算の関係でかなり制約をしている実情があったわけでありますが、これは大蔵省は、いま公務員に定年がありませんから、ほとんどが勧奨退職、いわゆる五条適用になるわけですけれども、いま御説明がありましたように、相当数この五条適用に伴う予算の不足を来たしているわけです。これは安易に予備費の支出ということを慣行的に認めているんですか。予算は予算として、その中でその範囲の中において勧奨するのか、勧奨に応ずる者は予備費を幾らでも出してやめさせていくのか。これはどうなんですか。
#88
○政府委員(相沢英之君) 退職手当の予算の計上につきまして、現在どういうふうなやり方をしているかということをあらかじめ申し上げておいたほうが適当かと存じますので、それについて申し上げますと、もちろん、退職手当は性格的には義務的な経費でございますから、大蔵省としましては、その支出の所要額を適正に見積もって毎年度の予算に計上するというやり方をしているわけであります。そこで、その各所管、各会計ごとにどの程度の退官退職手当が必要となるかということになりますと、これはある程度予見し得るところもございます。たとえば定年制をとっておりますところにおきましては、大体来年度何人ぐらい、またその金額もどのくらいということは、あらかじめ予想がつくわけでございますが、そういう特殊なところを除きましては、大体におきまして過去の退職率等を勘案して推定をするというやり方をしているわけであります。で、退職には、御案内のとおり、普通退職と特別退職、つまり五条適用の退職とがございますが、普通退職につきましては、過去三カ年間の大体平均の実績をとりまして、それにベース改定等もございますれば、それのアップ率を乗じていく。それから特別退職につきましても、大体前年度の、これは当初予算でございますが、前年度予算の特別退職手当の額を基準にいたしまして、それに給与改定による増加額を加えたものを全所管の退職手当の額として、それを各所管別にそれぞれウェートを置きまして、配分をする。そのウェートの出し方がちょっとややこしくなっておりますが、そういうようなやり方でもってその所要の見込み額を出しております。で、各所管で毎年度相当額の予備費の支出があるので、その退職手当の計上のしかたが不十分ではないかという御意見があろうかと存じますが、現在予備費で出しております金額は、たとえば四十年度について申しますと、総体の退職手当の当初予算額に対しまして四%、それから四十一年度につきましても、大体同様のパーセンテージになっておりますので、まあ四%程度のものは、ことにこういう性質のものでございますから、お許しをいただけるのではないかと思っております。なお、五現業関係の退職手当の計上につきましては、直接私担当でございませんけれども、やはり所要額を見込むというやり方は、これは同様な方法でやっているものと存じております。
#89
○竹田現照君 私のお聞きしているのは、これは年度――一年間に人為的にやめさせるわけですから、ですから予算の中で、予算の範囲内において勧奨退職をさせているのかどうか。やめるというものは無差別に勧奨しているのか。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
その結果、応ずる者が多くなっちゃったから予備費だ、こういうのでは、毎年毎年それを繰り返しているのじゃ、ちょっと話にならぬと思うのです。ですから、この一般会計のほうはこういう支出で出てきますけれども、この五現業等の特例会計の場合は、ちょっと余っているほうが多いんじゃないですか、決算書を見ますと。ですから、予算編成にあたって、公務員の退職に対してどういう扱いをしているのか。とりわけ勧奨退職について、自発的にやめるというのはこれはしょうがないが、勧奨退職をさせて、退職手当法五条を適用するというのは、これは省庁の方針でやるわけですか。おのずから予算の制約というものがあるわけですが、それを無視してやらせているのか、予算の編成上……。
#90
○政府委員(相沢英之君) 五現業の退職手当、特に五条適用の退職手当につきましては、毎年度各関係省庁からの要求に基づきまして所要額を計上するというやり方をとっております。
#91
○竹田現照君 私の言っているのは、五現業のほうはわかっておりますから、調べて。予算の編成として五億なら五億きまっている。その範囲の中で、自然退職者はこれはしかたがないのです、やめるなと言ったってやめるのですからね。勧奨退職といって五条適用の優遇措置をとってやめさせるのは、これは人為的なんですから、これは勧奨で応ずる者には無制限に予備費の支出を認めるのか、そういう形をやっているのかという……。
#92
○政府委員(相沢英之君) 五現業の特別退職手当の額につきましては、先ほど申し上げましたとおり、当初予算を編成いたします際に、関係省庁の要求のとおり大体計上いたしておりますので、その後におきましても予備費の使用はないというふうに存じております。
#93
○竹田現照君 私の質問はそれじゃないんだ。どうもわからぬな。あなたのほうは、ここにも書いてありますとおり、退職者の増加に伴って予備費を出す必要な経費として大蔵大臣がそれぞれ決定しているわけですね、三千万でも何億でも。これには理由があるわけです。理由があって大蔵大臣が認めているわけですから、支出を。ですから、五現業のほうは各省庁の要求に基づいて退職手当、諸手当として計算になっているのですから増減がない、余る場合が多いわけですが、一般職の場合は、やはり各省庁の要求に対して、大蔵省は予算査定をしている。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
それが一般退職で相当予備費を必要とするというのなら私はわかるのです。しかし、先ほど御説明ありましたように、法務省のごときは五百十六名からの五条適用に伴って十二億それが必要であった。そうなると予算があってなきがごとし。その範囲の中で勧奨退職だとかなんとかさせるという方針なのかどうかというのです。簡単なんだ、質問は。これは法務省でなく大蔵省が答えてくれればいいです。
#94
○政府委員(相沢英之君) 一般会計の特別退職手当の額につきましても、要求がございますれば、予備費の流用、使用等で追加してあります。
#95
○竹田現照君 質問がかみ合わない。私は、予算は予算だ。しかしそれにおかまいなしに勧奨退職をさして、五条適用の退職者を各省庁がかってにやって、その結果必要であれば予備費は大蔵大臣が認めるのか、こういうことなんです。予算の範囲の中で各省庁がやってもらわなければ困るというのか。どっちかだ。
#96
○政府委員(相沢英之君) 各省庁の勧奨退職の結果、退職手当の予算額に不足を生じますれば、先ほど申しましたとおりに予算の流用補正、予備費の使用等で追加を認めております。
#97
○竹田現照君 それじゃ幾らでも勧奨退職に応ずる者がいれば予備費は応ずる。それじゃ予備費の支出の精神にはちょっと沿わないのじゃないかと私は思うんです。これに緊急不可欠とかなんとかということなんです、予備費を出すものは、ところが緊急不可欠じゃないでしょう。たとえば郵政省なら郵政省が、君はやめないかやめないかと言って、たとえば人事の都合でいろいろとやめさせる、金が足りなければ予備費だ。こういうんじゃ、私は本予算の中に退官退職手当としての予算を組んだのは何のために組んでいるのかわからない。各省庁というのはあるんですよ、たとえば省によっては、管理職は五十八でやめてもらう不文律のようなものがある。そうすると、ことしはこの省ではそれに該当する者はどれくらいあるか。何百人いる。そうするとそれに基づいて大体予算要求というものは各省庁はやっていると思う。そのほかに、先ほど私が言っているように、自発的にやめる者は想定がつきませんからわかりませんけれども、これにあまり金額的にはそれほど影響がないと思う。ですからそういう緊急不可欠に出すべき予備費の性格と、各省庁がそういうことを恒常的にやっているのとでは、予備費の支出の性格上、野放図にそれを認めているということは、これは私は当を得ていないと思う。それはどうなんですか。慣行的にずっと行なっているのだからやむを得ないというのですか。
#98
○政府委員(相沢英之君) 先ほどちょっと申し上げましたが、一般会計の勧奨によるところの退職手当の額は、これは先ほどの五現業等と違いまして、一般会計の場合は、主計局がおおむね全所管の所要額を見積もりまして、それを過去における特別退職者の数でありますとか、あるいは退職手当の支給額でありますとか、そういうものを基準にしましてパーセンテージを出して、それを各省にばらまいて計上する。言いますれば、その点では主計局の責任において計上するというような形になっております。したがいまして、実際の各省の退職の見込み数とは必ずしも一致しないところがある。お話のとおり勧奨退職であるから、その予算額の範囲内において勧奨すればいいのじゃないかという御意見はあろうかと存じます。しかしながら、過去の取り扱いはそういうふうに予算額におきまして、これはまあ一種の予定でございますから、事務的な査定方針で計上いたしております額の範囲内で各省の行政が拘束されるというような形ではなく、各省の行政の方針に基づいて勧奨退職をする、それに伴って必要となった予算額は、これはあとでまあいわばしりをふくという形で予算措置をするというやり方で、ここ来ておるわけでございます。その方針でまあ現在もやっておるわけであります。
#99
○竹田現照君 それは言ってみれば予算があってなきがごとしなんです、退職だけは。私は、やっぱりその点だけは一考を要していただきたいと思います、予備費の性格からいって……。
 時間がありませんから先に進みますが、そこで、退職手当法の五条適用の問題についてお聞きします。特に高級公務員の扱いについてお伺いいたします。私が承知をしている限り、各省庁は慣行的に高級公務員、いわゆる次官あるいは局長級、こういう方の退職にはこの五条を適用していると理解をしている。そこで具体的にその適用のあり方、仕方ですね。たとえば国会議員等に立候補するために退官をされる次官、あるいは公社公団等に横すべりをしていくそういう人、あるいは三公社等の社員から理事、監事等に昇格する場合、ここういうのにこの退職手当法の五条を適用しているということは、私は当を得ていないのじゃないかと思う。いわゆる勧奨退職だということは。私に対する説明によりますと、政令第四条の「二十五年以上勤続し、その者の非違によることなく勧しょうを受けて退職した者」、これを適用して出していく、こういうのです。しかし、いま私が言ったように、たとえば来年の参議院選挙に立候補するためにいまやめる。これは勧奨も何もない、目的があってやめていく。こういう者に五条を適用するというようなことは、退職手当法の精神を全く拡大解釈して悪用していると私は思うのです。これは副長官お見えですから、いかがなものですか。
#100
○政府委員(上村千一郎君) いまの点について、自分が国会議員に立候補するためにやめるということになると、自己の都合だと思います。けれども、勧奨退職になった結果、国会議員になるかもわからぬといういきさつ……、で、御案内のように、現行退職手当制度は、長期勤続者の優遇のたてまえから次官、局長また一般職員の区別なく、勤続期間二十五年以上の者については自己の都合退職の場合は退職手当法第四条の場合の退職手当を、また定年またはその者のいわゆる非違によることなく勧奨を受けて退職した場合には、手当法の第五条の退職手当が支給されておる、こういうことでまあその方針にいっているわけです。実際上、まあいまお話のように、すぐ国会議員になっていったじゃないか、立候補していく準備が明らかになっているじゃないか、これはどういうことか。あるいは高級公務員が他の公団公社のほうへ横すべりしているじゃないか、これはおかしいじゃないか。こういうふうないろいろな問題があるかと思いまするが、方針としましては、要するに勧奨退職の場合に五条で出しているのでございます。
#101
○竹田現照君 このやりとりは三百代言のようなことになっちゃ、ちょっとまずいのですよ。これは過去の例からいっても、各省の次官級がとりわけ参議院の全国区等に立候補をされる場合には、在官中は立候補声明はされないんですよ、これは問題になるから……。しかし、明らかにもう私が知っているのだって、来年参議院に立候補することが明らかな次官がたくさんいますよ。そのために、おそらくこの国会が終わればやめられる次官が出てくるでしょう。しかし、形はそのことが明らかだけれども、在官中に来年の参議院に立候補するということの声明をされないだけで、お前どうだ、やめるかと、これは勧奨退職だ、これは私はちょっと理屈にならぬと思うのです。ことしだって明らかでしょう。ある省の次官は参議院補選に立候補するためにやめられた方がおるはずですよ。具体的に聞きますけれども、五条を適用されておられるのですか。これは大蔵省だったか……。五条適用されましたか。――まだ三十分ほどありますから、ちょっと調べて返事してください。これはそういうことが歴然としているのですね、この五条適用をするというのは。私はいま副長官が言われることは、来年のこともありますから、とりわけこの辺で明らかにして、きちっと問題のけじめをつけておかなくちゃいけないと思うから私は聞いているのですが、そのことが明らかであるものというのは、それは先ほど言ったような内容で、在官中だから立候補を表立って言っていないということだけですよ。しかしそういうようなものに五条を適用することが妥当かどうかということをまずお聞きしたい。
#102
○政府委員(上村千一郎君) 御質問の点、よくわかるわけです。で、総理府といたしまして、私の立場でお答え申し上げるのは、人事局を所管いたし、しかもこの退職手当法を所管をいたしておるものとしましてお答えするわけでございますが、先ほど申し上げましたような結果になるわけであって、その各省庁におきまして現実に勧奨をしてやった退職であるか、そうであるといいますれば第五条にいきますし、歴然とその他の自己の都合によって退職をいたすということになれば、これは第五条の適用にはならない、こういうふうに思うわけであります。ただ、そこは各省庁におきまして御認定をしておられる、また、それが従来の慣例にもなっておる、こういうわけであります。
#103
○竹田現照君 じゃ、これは大蔵省、主計局だから、人事を担当している人でないから、ほかの省に具体的に聞いたほうがいいな。――文部省、いらっしゃいますね。私が、いま具体的に三つ、選挙に立つ場合、公社公団に横すべりする場合、あるいは公社の職員から理事、監事等に昇格をする場合、こういうようなことでやめられる場合に、この両三年の間に一般退職として取り扱われた例があるかないか。これは簡単にあるかないかでお答えいただきたいと思うのです。これは郵政省でもいいですし、労働省でもいいですし、農林省でもけっこうであります。
#104
○委員長(亀田得治君) 労働省どうですか。
#105
○政府委員(辻英雄君) 私どものほうの、昨年、四十年度の五条の数の内訳を申し上げますと、二百七十六名のうち、四名が本省課長以上、それから地方の基準局長が五名、その他が二百六十七名、こんな内訳になっております。最近退職されました方で退職金を支払いましたのは、本省局長以上では三十九年度以降一人でございまして、その人につきましては、これは現在職についておられませんが、五条の適用をいたしております。
#106
○竹田現照君 そのほかは全部四条ですね。
#107
○政府委員(辻英雄君) ここ両三年間で該当者がおらないということで、本省局長以上では、退職されまして退職金の通算をされる部分に乗せられた方はございますけれども、現に退職金を支給されました例は一人であります。
#108
○竹田現照君 じゃ、三十九年から聞きますが、三十九年は、四十年に参議院選挙がありましたが、各省の次官は目白押しに立候補されて当選されてきておりますが、三十九年から文部省でも次官が立っておられるわけですから、そういう扱いをされたかどうか、お伺いします。
#109
○説明員(諸沢正道君) 三十九年度に文部省は事務次官が退任いたしましたが五条適用をいたしました。
#110
○竹田現照君 具体的な例が出たわけですけれども、副長官、はっきりとこれは参議院全国区に立候補されるためにやめられたわけですけれども、 こういうような場合は、これは具体的に出ておるが、そのほかたくさんありますが、ほとんど五条適用になっておると思うのです。こういうのは妥当かどうかということです。
#111
○政府委員(上村千一郎君) 先ほど申し上げますように、竹田委員の御質問の点はよくわかるわけでございますが、総理府のほうといたしましては、その各省庁におきまして認定をされておるわけであります。ですから、いま文部事務次官がやめられて参議院の全国区に立候補された、こういうことはあると思います。これは確かにあるかと思います。ありますが、それが自己の都合でいったのか、あるいは勧奨退職かという問題につきましては、それは文部省のほうのいろいろな御見解、それを尊重いたしていくということに相なると思います。
#112
○竹田現照君 だから私は三百代言のやりとりをやりたくないと言っているのです。それじゃ公社公団はどうなんですか。これは各省庁の次官は副総裁に置くということか、あるいは局長は理事だとか……。そのためにやめさせるわけですね。人事の行き詰まりだとか、人事行政がどうだとかこうだとか、人事行政のあり方は別として、それは本人はいやいやじゃないのです。お前は何々公団の理事だ、理事のあとがまにするから、ひとつ今度ここをやめてくれぬか、こういうことになって、やめてすぐ横すべりしていくわけでしょう。そうして給料は二十万だ、三十万だ。この間から議運委員会で問題になったのはこれなんです。三年つとめれば退職金が一千万円。そうすると、これは議運委員会で問題になった渡り鳥なんというものでなくて、飛び立つときが問題です。飛び立つときから各省庁が優遇措置をとっていくものだから、わずか十年間の間にたいへんな退職金が出る。そういうようなかっこうが明らかであるにもかかわらず、五条を適用するということは間違っておると私は思うのです。どうなんですか。極端なことを言えば、大臣だって退職金出るでしょう。大臣なんというものは、できればだれだって何年もやっていたいでしょう。でも大体数年で首になってしまう。これはいやいや首になる。そうすると、これは五条の一番最後のほうの、大体、「第二条第一項第二号の云々」ということに適用しようと思えば適用できるのですよ。それはおそらく大臣にはそんなことはしていないでしょう。しかし事務次官以外には、そういう明らかにいろいろの面で優遇をされておるということがあって、そうしてそういうポストに横すべりになるということが明らかなんです。なおかつそういう措置をとらなければならぬということは、これはどうしても理解できない。現にいま公社公団についてきびしい目が注がれていますから、この辺で内閣としても、いま私が質問しておるようなことは初めて出てきたのでしょうけれども、姿勢を正す意味にして、ぴしりとけじめをつけてもらいたい、そう思うのですが、そういうお考えはありませんか。
#113
○政府委員(上村千一郎君) はなはだおしかりを賜わるわけでございますが、公社公団の場合におきましても、公社公団に行くということで結局勧奨しておるという意味でなくて、内部の人事管理上のいろいろな問題人事の問題、そういうような問題から勧奨をいたしておるだろうと思うので、そうしてそこが最近ももちろん世論の批判を受けております。ですから十分各省庁も考えなければいけないと思います、いろいろな点につきまして。と思いますが、とにかく勧奨の結果退職した、その結果、公社公団に勤務している、その間、多少勧奨の際橋渡しをいたしている事実はあるかもしれませんが、とにかく勧奨退職としてやってくる場合におきましては、おのおのの各省庁の良識のもとに処理をいたしておられるわけであります。ですから、それを大体認めてやっていく、こういうわけであります。が、最近のように非常な世論も強くございますので、各省庁としましても、もちろんその点は十分良心的に処理をされるものだと確信をいたしているわけであります。
#114
○竹田現照君 いや、副長官、確信をされると言うけれども、これはやはりこれから公社公団の人事も官房長官のところでいろいろやられるということは言明をされているのですから、各省庁がいまの世論にこたえて十分配慮をするだろうということは、確信をすると言われる前に、内閣として、はっきりその点意思統一したらいかがですか。そうして各省庁に、そういうことはまかりならぬ、そういうことを通達したほうが一番手っとり早いのではないですか。
#115
○政府委員(上村千一郎君) それが非常にあいまいな点の答弁になって申しわけございませんが、他の公社公団へ行くために退職したというふうなのか、それとも内部の人事管理その他いろいろな問題で勧奨して退職して、その結果、公社公団へ行くかという、それが結果としましては、きわめてつながっているように見えますけれども、内部のいろいろな事情もあるわけだと思います。ですからこれは統一的にいうならば、結局、私が先ほど御答弁申し上げているように、退職手当法第五条の規定によっての勧奨退職であるというような場合におきましては、これを信頼していくということに相なると、こういうわけでございまして、その間、事情は異なってくるかと思うのです、結果は似ておりますけれども、事情は異なっている、その判断というものにつきましては、各省庁におきましてきちっとその点は良心的にやるべきものだというふうに思っている、こういうことに相なるわけでございます。
#116
○竹田現照君 これは副長官、しろうとに答弁するようなことを言ったってだめなんです。これはぼくは下級公務員だったけれども、大体あれですね、各省庁のえらい人のやめるときには、今度どこへ行くのだということは常識になっているのです、その省では。たとえば労働省であれば、地方の労働基準局長であれば厚生年金病院の事務局長になるとか、大体きまっているわけですから、そうして三年、四年いればやめて、またすぐ行く、そういうように不文律があるのですよ、これは天下まぎれもない事実じゃないですか。これはコンニャク問答になってもあれですから、いずれ総理府でまとめていただいて、三十九年度から全省庁にわたって、いわゆる局長級以上、次官を含めて、やめられた時と、それから、ルンペンをしていれば別ですけれども、公社公団に移られた日にちと、これを具体的に資料として出してください、よろしいですね。出してもらって、それで明らかになりますが、なお私は、いま副長官が、良識に待つと、こう言っておりますけれども、これはなかなか鉄面皮ですから、お役人というのは、そんな良識なんて吹っ飛んでしまいますよ。だからほんとうにやめられてゆうゆう閑居する人は別ですよ、いまはそうじゃないのだから、各省の次官、局長というのは、そういう者はほんとうに珍しいのですよ、文化財的ですよ、そんなのは。あとはみんなそういうところへ行くのですから、百幾つになります、そのほか、百幾つ以外のところもありますよ。あとで人院事に聞きますけれども、そういうところに横すべりが明らかである、在官中よりも以上に待遇がよくなる、しかも、三年か四年、一期か二期つとめますと、退職のときに倍する退職金が明らかに保障されていくところに、行くときに、私は、飛び立つときから何も優遇措置をして、この五条を拡大解釈をしてせんべつまがいな、百万も二百万も多くやる必要はない、こう思うのです、いかがですか。これぐらいはっきりしていることはないじゃないですか。
#117
○政府委員(上村千一郎君) 御質問の御趣旨はよくわかるわけでありますが、なかなか、答弁を申し上げる際におきまして、実を言いますと、勧奨を受けたからといって必ずしもやめなくちゃならない義務があるわけではない、要はやめるかやめないかは相手方の自由であるということに相なるわけでございます。でございますし、先ほど申し上げましたように、そこの勧奨の結果やめて、そして公社公団へ行くのか、それとも公社公団へ行くためにやめたのかというこの判断というものにつきましては、これは先ほど、たいへん同じことを繰り返してまことに失礼とは存じておりまするけれども、各省庁の良識と私は現在の世論のきびしい、しかもきわめてその点につきましては謙虚な反省をもってやられる、それが必要がある、その点につきましては、私は良識ある判断をされるものだと、こういうふうに思っておる、こういう意味でございます。
#118
○竹田現照君 副長官がそこまでお答えになるということは、好ましくないということなのですよ、好ましくないから、いまの世の中が世の中だから、良識をもって判断をしたほうがいい、こういうことじゃないですか、いまのお答え……。
#119
○政府委員(上村千一郎君) 実は、端的に言いますれば、公社公団へかわるためにやめる、あるいは国会議員に立候補するためにやめるとかいうようなことが、これが勧奨退職のように取り扱われてくることは、これはいけない、けれども、実をいいますと、それが勧奨の結果によってそういう結果を及ぼしたのかどうかわからないのです、実は。だから、その点は勧奨退職の結果やめて、それから国会に立候補する、あるいは公社公団に行かれるというようなことのけじめというものにつきまして、これは私は良識に信頼を置いていくというより方法はなかろう、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#120
○竹田現照君 これは、勧奨の結果国会議員に立候補するなんということはあり得ないのです。やっぱり国会議員に立候補するためにやめるのですよ。おまえ国会議員に立候補するためにどうだ、やめないかと言ったって、選挙のきびしいときにやめる、ああそうか、やめて国会議員に立とうかというばかはいませんよ。それだけのちゃんとした準備があるから、それができるからやめるだけの話です。そういうわかり切ったことについて、わかり切ったような答弁をしてくれなくちゃ困るのですよ。あとで出していただく資料で明らかですけれども、たとえば郵政省をやめる、電電公社の理事に送る、監事に送る、そちらにあきがないから相談役か総裁室付だ、秘書役だというようなかっこうですぐ行くじゃないですか。あるいはまた住宅公団にすぐ行くじゃないですか。去年の建設省だって、住宅公団の理事に行くためにやめたじゃないですか。ちゃんと新聞にだって書いてある。そういうようなことがわかり切っているのだから、わかり切っているような者にそういうような扱い方をするということは、私は第五条の悪用で、公社公団についていまいろいろと言われています、給与が高い、あるいは退職金がべらぼうだと、こう言われているけれども、そもそも飛び立つ土台からまず直していく必要があるというのです。これははっきりしているのだから、副長官ひとつはっきりそこまで言ったのだから、やっぱり総理府で人事行政のあり方として国民に対する批判にこたえるためにも、やはり思わしくないから具体的に検討して、そういう趣旨に沿うような答弁をしなくちゃだめです。
#121
○政府委員(上村千一郎君) 御質問の趣旨、いろいろな点よくわかるわけでございます。わかりますが、現実に退職手当法の条文なりその趣旨なりというものには一応忠実にこの際御答弁を申し上げておくより方法はないかと存ずるわけでございますが、御趣旨はよくわかるわけです。
#122
○委員長(亀田得治君) ちょっと、同じ質疑がこう繰り返されておりますが、竹田君の気持ちも副長官としては了解はされているようだ、ずっと。それを総合すると、そういう脱法的なことがされないように第五条の規定というものをもう少しはっきり研究したらどうなんですか、脱法的なことを副長官も是認されておるわけではない、先ほどの答弁からも。そういう研究の余地はないですか。
#123
○政府委員(上村千一郎君) 委員長からのお話でございますので、よくその点は間違いのないように検討いたしたいと存じます。
#124
○竹田現照君 それは間違いのないように検討いたしますというけれども、いま定年制がないですから、みな事実勧奨退職ですよ。しかし、いま私が承知している次官は、後進に道を譲るためにやめたい、予算編成が終わったら退官をしたいと新聞に発表している次官もおりますよ。これは黙っていれば五条適用ですが、自発的退職ですから、これからの扱いを見ていたします。
 それから先ほど私は、たとえばの中で三つ目に出た、これは三公社を監督している官庁にお聞きしますけれども、やめるときに理事にしますね、理事と監事だけれども。そうすると、次官であったときに退職金が支払われ、理事になって二、三日でやめると、理事としての何か出るんだというように私は聞いているのですけれども、そんなばかなことはないだろうと思うのですが、どうも事実らしいですね、そんなことはあり得るのですか。
#125
○委員長(亀田得治君) お答えはどうなりますか、大蔵省どうですか、たとえば専売公社あるいは郵政省の電電はどうですか。
#126
○政府委員(竹下一記君) 電電公社の監督官庁でありますけれども、やめる直前に理事になるということは、退職金の算出の場合に最終の給与が若干高くなりましょうから、有利になるということは想像されます。しかし郵政省といたしましては、実は監督出目庁でありますから、そこまでタッチしておりませんので、詳細につきましてはわかりません。
#127
○竹田現照君 理事になったら退職手当法の適用は受けないんですよ。これは三公社は「(これらの法人の役員を除く。)」となっておりますから、この法律は。ですから算定の基準がどうとか、こうとかいうんじゃないのです。理事になったときに退職手当法に基づいて払わなくちゃいけない。
#128
○政府委員(竹下一記君) 私の記憶違いでございまして、やめるときに理事でなくて、いままでの身分によってくるところの退職金を受ける、こういうことでございます。それほど存じませんので、どうかよろしく。
#129
○政府委員(岩尾一君) 専売公社の関係は、実は専売の監理官室でないとよくわかりませんが、私の承知している限りでは職員から理事になります場合には、一たん職員として退職いたしまして退職金を受け取って、それから役員になる。役員の退職規程は、これはまた専売公社の規定で大蔵大臣の認可になっておると思いますが、ですから役員としての退職金はその規程に従ってもらえる、こういうことになっております。
#130
○竹田現照君 それも先ほど総理府に要求しました資料に基づいて出してください。これは社員から理事を選ぶなどということについては、私はやめろなどと言っておらない。いかにして退職金をよけい払ってやるかというための退職法だ。三公社の役員の退職金の支給の何があるのかわかりませんが、社則か何かあるでしょう、あるいは理事会の決議か何かあるのでしょうが、それを悪用するようなことがあるやに聞いておりますから、やはり三十九年以降そういうような事例があったら、あわせてひとつ資料として御提出いただきたい。
#131
○委員長(亀田得治君) 資料の提出は急いでやってください。できますね。専売それから電電、国鉄――国鉄はきょうは見えておりませんか、それから全般のことは上村副長官、先ほどの資料…。
#132
○竹田現照君 時間がまいりましたから、最後に人事院にお伺いいたします。
 毎年、営利企業への就職の承認に関する年次報告書というのが出ております。これはほとんどストレートで承認になっておるようなんですが、これは公務員法で国会に報告すべきことに該当する者は、ほとんど前に関係がなかったものと認めたと書いてあるのですが、私が承知しておる限り、建築屋さんは何々建築会社に行くとかなんとかというのは、これは現実問題として全部あるわけです。たまたま建築部なら建築の、直接それとは関係のないところにおったということだけで、こういう御説明が人事院はあると思いますが、しかし建築会社、建設会社が建設省あるいは各省の担当官をもらい受けるということについては、それなりの魂胆があるわけです。それで各省庁は人事のやりくりの関係から送り込んでいることももちろん事実である。そうすると人事院が承認するなんというのは、これじゃ全く形式的ではないかと思う。もう少し厳密に国家公務員法の承認事項というのは発動すべきではないかと思う。ずっと私は年次報告を見ましたが、だめだというのはほとんどないのです。そういうように、私の質問にどうお答えになりますか、それとあわせてこれは職員局長のほうでもなかなかむずかしいと思いますけれども、政府機関なるがゆえに公社公団は人事院の目をのがれておる、これは明らかにそれに関係する省の各機関への天下りであることは間違いない。そうすると、公務員法によるところの営利企業云々と全く大同小異です。これは人事院は法改正の何はありませんが、これは総理府等も、公務員法等の改正に含めて、何らかの措置を考える必要がある。そう思いますけれども、これは総理府の検討あるいは人事院の人事官としての検討事項にゆだねますが、前段のほうについてひとつお伺いいたします。
#133
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御質問、ごもっともな御質問かと思いますが、若干誤解に基づくものもあるように思いますので、その辺、全般的に私どもの承認しております基準といいますか、そういうものについて少し申し上げてみたいと思います。
 御承知のように、この規定はやめてから二年または過去五年間ついておった国の機関と密接な関係にある営利企業の地位についてはならない、こういう規定でございます。そこで、いまお尋ねのように国の機関と密接にあるそういう営利企業に役所の人がついてはいけないのではないか、したがって、たとえばいま御指摘のありましたように、建設省のある方が建設会社へいく、これはやはり建設省とその土建会社とは密接な関係にあるではないか、したがって、法律自体で禁止されているではないか、こういう御趣旨かと存じます。それは法律自体の文言からいたしますと、確かに御指摘のような意味にあるいは受け取られるかと存じまするが、公務員法の百三条の第三項に、そのような場合であっても人事院規則の定めるところによって、人事院の承認を得た場合にはこれを適用しないという規定がございまして、したがって、それに基づきまして人事院規則一四−四という規則が出ております。その規則の内容を見ますると、まず役員につく場合と役員でない場合と分けてございまして、役員につく場合はすべて人事院にその承認を求めなさい、それから役員でない場合については行政職二等級相当以上の場合だけが人事院の承認事項にかかわらしめておるわけでございまして、それ以下の職員については各省庁におまかせしている次第でございます。そこで、しからばどういう基準でもってそれを見ているのか、こういうことでございますが、まず全般を流れる思想といたしましては、法の精神に反しないかどうか、こういうことだと思いますが、しからばその法の精神とは何ぞや、こういうことになると思いますが、私ども考えますのに、そもそも営利企業への就職を制限する、これは本来憲法で認められております公共の福祉に反しない限りは職業選択の自由を有する、こういう規定がございますので、この職業選択の自由を制限する規定というのは、やはり相当の基本的人権の制限にかかわる規定かと存じます。しかしながら、その憲法にございますように、公共の福祉に反する場合は、あえて制限してもいいんだ、こういう趣旨でございますので、したがって、この一般の役所の職員が営利企業につく場合にはどうして制限されるのかというと、やはり役所の人はそれだけの権限を持っておりますので、在職中に自分の地位を利用して特定会社にコネをつけるといいますか、利便をはかることによってある会社にいくということになりますれば、行政の公正をそこなう、したがって、そういうことがあるかないかということを判断することが一つの大きな基準かと存じます。そういう法の精神に反するかどうかということが一つの承認基準でございますが、さらに役員につく場合には、もう少し縛りをきつくいたしまして、その他の基準といたしましては任用または離職について特別の事情が存しないかどうか、したがって、ただ自分の都合でやめるというのではなくて、やはり役所のほうから人事の刷新といいますか、そういう観点から、いわば勧奨退職を受けるというような場合がまさにここにいう特殊の事情かと存じます。それからさらに、公共の利益に反しないかどうかということが一つ基準として掲げられております。この内容は、やはりその本人の過去五年間についておった仕事の内容を見て、はたしてその会社に特別の関係がないかどうか、さらにまた、ある企業につくことによって業界における勢力のバランスがくずれやしないかどうかと、そういういろいろの要素がございまするので、そういう問題も審査いたしております。
 ところで、最初の問題に返るわけでございますが、国の機関と密接であればだめだ、こういうことになっておりますが、いま申したように、人事院の承認があった場合にいいのだという規則の点から見ますると、やはり一切がっさいそういう場合にもだめだというのは、必ずしも法の求めるところではなくて、やはり人事院のほうが裁量といいますか、人事院が見て、いま申しましたような基準に基づいて、その特定会社に就職してもあえて公共の利益に反することはないということであれば、これは承認してもいい、こういうことでやっているわけでございます。
 ところで、いま御質問の中にございましたように、毎年私ども三十八年からこの営利企業への就職については、国会及び内閣への報告事項となったわけでございます。ことしで四回国会に報告をいたしたわけでございますが、その報告書の内容は、いま御質問の中にありましたように、すべてこれは承認になっているじゃないかということは、つまり人事院の審査というものは、全くただめくら判じゃないかというような御趣旨のような御質問があったわけですが、それはそうではなくて、そこに国会に報告申し上げている内容は、人事院が審査した結果承認になった件数だけでございまして、実はそれ以外に、各省庁から事前に相当御相談を受けて、それでその段階でこれは承認なりませんというようなものが相当ございます。それから特に不承認になるというものもございます。したがって、決してその報告だけ見て、人事院ほすべて承認しているというのは、実は当たらないのではないかと、このように考えております。
#134
○竹田現照君 高級公務員の承認、不承認について、そのつど新聞なんかに出ますけれども、不承認の率が非常に少ないのです。ですからいまお答えがありましたが、それでは承認になったものと不承認になったものと率を見る関係もありますから、不承認したことをひとつ資料として提出してください。これは私は最後に申し上げますが、副長官、これは公社公団について、いろいろなところでいろいろな論議が国会で行なわれておりますが、これはやはり高級公務員の人事のあり方を根本的に立て直さなければ、幾らやったって、この問題、解決しませんよ。特に四十で局長、五十で次官、五十一、二になったら横すべり、こういうことが根本的に立て直されない限り、私はこの問題は解決しないと思いますから、先ほどから質問しているわけですから、根本的な問題としてやはり総理府として取り組んでいただきたい、こういことを最後に要望して私の質問を終わります。
#135
○委員長(亀田得治君) 他に御発言がなければ、本日の審査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後五時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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