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1949/05/04 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第13号
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1949/05/04 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第13号
昭和二十四年五月四日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○飲食営業臨時規整法案(衆議院提
 出)
○古物営業取締法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十一時七分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。今日は前回に引続きまして、飲食営業臨時規整法案の質疑を続行いたします。
#3
○鈴木直人君 先般私が御質問したものの中に、第三條の規定するところの軽飲食店の中に露店業を含むのかどうかということを御質問いたしたのでありますが、その際に立案者並びに政府側においては、含むのであるということをはつきり御答弁があつたのであります。併しながら現実の状態を考えて見ますというと、露店に参りまして、焼鳥、その他のものを食べるような場合に、一々副食券を提示するということは、実際の問題として非常に困難なことが想像できるのであります。勿論やろうと思えばやれますし、又本当にやらなければならんという食糧事情でありまするならば、それもやらなければならんということでありまするが、現在の段階においては、やや繁雑過ぎはしないかということが、考えられるのであります。又第十條によりますというと、許可を受けたところの飲食営業者は、その副食券を一定の期間の間において届けまして、そうして、その副食券の数が非常に少ないというような場合においては、営業の停止とか或いは中止とかいうものが行われるようになつておるのでありまして、これを現在の露店業者のことから考えて見ますというと、恐らくこの第十條によつて副食券の闇が発生して、そうして露店業者等はその副食券の闇買いに狂奔しなければならんというような事態も起つたりしやしないかということを考えるのであります。又一方これを嚴格に取締るということになりますというと、取締りに当る警察当局においても相当、何と申しましようか、手加減その他において思わざるところの職務執行を行わなければならんというようなことになりはしないかということを想像するのであります。こういうようなことを考えますというと、実は許し得るならば、かくのごときものは軽飲食店の中に包含しないということが望ましいと思うのであります。併しながらこの法律は第一條にも謳つてあるように、主要食糧等の闇取引を防止してその有効な活用を促進するために立法されておるのでありまするから、この第一條の目的に反するというようなことがあつては、これ亦立法の趣旨と反するわけでありまして、この間我々立法者としましては、立法する我々の立場としては、露店業をこれに入れないということが國民大衆の日常の生活を明朗ならしめる上においても必要だと、こう考えておるものでありまするけれども、又食糧事情等の関係もありますから、これをいわゆる第三條の軽飲食店の中に包含せしめるか、せしめないかというようなことについては政府当局に任せる。そうして政府当局においてはなるたけ含ませないような方法を以つて関係方面等とも御折衝を願いまして、そうして今後そのような零細な業者であり、又大衆が國民生活にゆとりを持つという、生活を憂爵ならしめないような方法を考えるということを一つお願いしたいと考えるのであります。
#4
○政府委員(東畑四郎君) 只今の鈴木委員の御質問に対してお答えをいたします。露店は一般の軽飲食店等とその業態、消費者の性向等大分違うように考えます。從いまして露店は一般の軽飲食店の通り、この法律を運用し取締ることが現実においてなかなかむつかしい問題がありますることは、鈴木委員も言われました通りと考えます。從いまして軽飲食店の中へ露店を含めまして、副食券の適用をするかしないかにつきましては、政府といたしましてはこの法を運用するに際して鈴木委員の御発言の御趣旨を十分汲取りまして、更に関係方面とも十分これが善処方の努力をいたしたいと考えます。
#5
○林屋亀次郎君 一昨日、私共強く要望しておりました第五條、第八條削除の件につきまして、委員長、一昨日來の向うとの交渉に対しまして、今一應詳細に御報告を願いたいと思うのであります。先程私ちよつと遅れて出席いたしましたので、十分に聽取れなかつたのであります。
#6
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……外に御質疑がございませんようでございましたら討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(岡本愛祐君) それでは討論に移ります。討論に当りましては御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願います。尚修正意見がありましたら、討論中お述べを願います。
#9
○西郷吉之助君 私は本法案に対しまして修正案を提出いたします。修正案の内容につきましては、すでに各委員のお手許に配付されてある通り、第三條第一項、同條第二項並びに同條第三項並びに第四項、並びに第十一條第一項、同樣第二項、その他第十三條、第十四條、第十五條並びに附則第三項、第四項等につきまして、お手許に配付されておる次のような内容の修正案を提出するものであります。
  飲食営業臨時規整法案に対する修正案
 飲食営業臨時規整法案を次のように修正する。
   第三條第一項中「主務大臣の定めるところにより」を「主務大臣の定める手続により、」を改める。
   同條第二項中「前項の規定による都道府縣知事の許可は、」を「都道府縣知事は、」に、「してはならない。」を「前項の規定による許可をしてはならない。」に改める。
   同條第三項及び第四項を次のように改める。
 3 都部府縣知事は、同一の場合にあつては第一項の飲食営業の二種類以上を許可してはならない。但し特別の事情のある場合は、この限りでない。
 4 都部府縣知事は、第一項の規定による許可をしようとするときは、営業の設備及び場所、來客予想数等を調査し、食糧の合理的消費に妨げがあると認めるときは、その許可をしてはならない。
   第十一條第一項中「不正の事実があると認めたときは、命令の定めるところにより、」を「不正の事実があつた場合において著しく第一條の目的に反すると認めたときは、」に改める。
   同條第二項中「命令の定めるところにより、」を割る。
   同條に次の二項を加える。
 3 都道府縣知事は、前二項の処分をしようとするときは、当該営業者又はその代理人の出頭を求めて、公開による聽聞を行わなければならない。
 4 都道府縣知事は、第一項又は第二項の処分の原因と認められる違反行爲並びに聽聞の期日及び場所を、期日の一週間前までに当該営業者に通告し、且つ聽聞の期日及び場所を示しなければならない。
   第十三條中「一年以下の懲役又は」を削る。
   第十四條中「六箇月以下の懲役又は」を削る。
   第十五條中「前三條」を「第十二條」に改める。
   附則第三項中「昭和二十二年政令第百十八号(昭和二十二年七月一日)及び昭和二十三年政令第九十八号(昭和二十三年四月三十日)により飲食店営業につき、営業の許可を受けている者は、」を「昭和二十四年四月三十日現在において、飲食営業緊急措置令(昭和二十二年政令第百十八号)により飲食店営業につき、営業の許可を受けていた者は、」に改める。
   附則第四項中「(昭和二十二年政令第百十八号)」を削る。この修正案の内容は大体政府原案によりまして、その文字のどうも的確性を欠いておるような点につきまして、修正することによりましてその内容を明確にいたした程度のものでありまして、政府原案を根本的に改めるような点は別段ないのでありまするが、以上の修正案を提出いたしまして、更に政府原案につきましてより以上の内容を明確にした次第であります。只今政府原案と申しましたが、それは衆議院提出案の誤まりでありますから、訂正いたします。その他につきましては、他の点につきましては私は衆議院提出のものに賛成するものであります。
 この飲食店の問題につきましては、政令によりまして從來禁止されておつたのでありまするが、現状におきましてはすでに皆さんの御承知の通り、裏口営業という名前によりまして、実は堂々と行われておつたような次第であり、又それに伴いまして税金等も正規の営業通りに取られておつたような現状でありまして、これは極めて不明朗なものであつたのでありますが、今回衆議院議員の提出によりまして、今後とも更に主食を取締するにつきましてはこれを更に強化するけれども、その他のものにつきましては、制限附であるけれども、本法案によりまして裏口でなく堂々とやれるということは、一般の國民生活に多大の明朗性を加えるものと考えるのであります。御承知の通り九原則その他によりまして、今後とも主食の点につきましては海外からの輸入等もある現状に鑑みまして、これを強化せねばなりませんが、今回酒類の販賣等も自由であり國民生活の上に堂々と國民が軽い飲食をすることができるということは、目下の現状に鑑みて誠に望ましいものと考えますので、又その他につきましては各委員等からも從來の委員会において、この法律の長短につきましてはいろいろお述べになりましたから、ここに理由を説明いたしません。右のような修正案を提出いたし、私はその他の点につきましてはこの原案に賛成するものであります。
#10
○三木治朗君 私はこの原案並びに只今の西郷委員からの修正案、両方ともに対しまして反対の立場を取る者であります。この飲食営業臨時規整法は、まだ内外の情勢からしてすべての條件が再開するに達していないと思うのであります。從つてこの法案の内容にいろいろの無理が生じて來ておるのであります。副食券の問題を初め、第五條、第七條等がそれなのであります。次に、この法律は公けに料理店が営業ができるという建前になつておりまるが、いろいろの最前からの質疑の中にも現われましたように、いろいろなそれに附随して闇の行爲が、或いは不正な行爲が行なわれる余地が多分にあつて、必らずしも予期したような明朗な状態にはなり得ないと考えるのであります。次に、日本は法治國であつて、國民がすべて法を守つてこそ初めて平和な社会が、健全な社会があるのでありまするが、この立法の府で以て、この法律を出しても、尚且ついろいろの法の裏をくぐることが予期されておる法律を作るということは私共反対の重大な原因であると思うのであります。以上のような観点から、社会党は本案に反対の意思を表明するものであります。
#11
○林屋亀次郎君 私は只今の西郷委員の修正案に賛成するものであります。併しながら私の考えまするところによりますると、この取締法規が誠に煩瑣過ぎるのでありまして、果してこれが実行可能であるかということは実に疑問に存じておるのであります。尚、経済調査廳を以てその取締に任に当ると言つておるのでありまするが、当局において果してこれができるかどうかと存ずるのであります。私の申上げるまでもなく、國民の自覚というよりも、ドツジ公使の來朝によつて冷嚴な批評を加えて來た今日、國民は一属耐乏生活をしなければならんときに、國際影響を鑑みるならば、これらを総合いたしますると誠に賛成し難いのでありまするが、併し今日まで單なる政令一本で営業を停止しておることは不合理であり、一面裏口営業の苦々しい経驗に鑑みまして、以上指摘した諸点に対し、十分政府は警戒されんことを要望して、止むを得ず修正案に賛成するものであります。
#12
○委員長(岡本愛祐君) 外に御発言ございませんか。……外に御発言もないようでありまするから採決に入ります。
 先ず討論中にありました西郷君の修正案を問題に供します。西郷君提出の修正案に賛成の方の御起立を願います。
   〔起立者多数〕
#13
○委員長(岡本愛祐君) 多数と認めます。よつて西郷君提出の修正案は可決されました。
 次に、只今採規されました西郷君の修正にかかる部分を除いて星島君外六名提出にかかります飲食営業臨時規整法案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に御賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔起立者多数〕
#14
○委員長(岡本愛祐君) 多数と認めます。よつて飲食営業臨時規整法案は多数を以て修正可決されました。尚、本会議における委員長の口頭報告書は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ないものと認めます。
 次に、委員長が提出する報告書に多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    岡田喜久治  柏木 庫治
    鈴木 直人  林屋亀次郎
    寺尾  豊  藤井 新一
    西郷吉之助
#16
○委員長(岡本愛祐君) 御署名漏れはありませんか。……なしと認めます。
  ―――――――――――――
#17
○委員長(岡本愛祐君) 次に、古物営業取締法案の予備審査をいたします。古物営業取締法案につきまして、先ず國務大臣の説明を聽取いたします。樋貝國務大臣。
#18
○國務大臣(樋貝詮三君) 古物営業取締法の提案につきましての理由を御説明申上げます。
 現行古物商取締法は、明治二十八年に制定せられ、すでに五十年以上を経過しているのでありますが、憲法、警察法初め各種の法令が改められました現在、その形式、内容共に時代に副わない点が多いし、又戰後各種の犯罪が激増して、昨年は遂に百六十万件を突破し、そのうち約八割が盗犯で、而もそのぞう品の過半数が古物商殊にもぐり業者の手で捌かれている実情でありますが、現行法ではこれに対して盗犯を防止するに不十分な憾みがあります。そこで先ず古物商、市場主、露店、行商、せり賣をすべて公安委員会の許可を受けしめることとして監督の嚴正と統一を図ると共に、反面、古物商、市場主の許可には一定の基準を定め、又行政処分の場合を具体的に限定し、更に予め公開の聽聞を行うべきことを定める等、その権利の尊重に意を用い、その他法律の形式、内容を時代に適應せしめることとしました。又盗犯防止の対策として、古物の取扱を公正明朗にし、営業者の協力を得てぞう品の発見を容易にするために相手方の確認の方法を定め、帳簿の記載を的確にし、特に犯罪の温床となるもぐり業者に対する取締の徹底を期するため、これに対する刑罰を重くした外、各違反行爲に対する刑罰も他の法令との均衡を得せしめるようにしたいのであります。
 以上の主旨によりまして、現行古物商取締法を廃止して、新たに古物営業取締法を制定いたしたいと思うのであります。何とぞ愼重御審議あらんことをお願いいたします。
#19
○委員長(岡本愛祐君) 尚改正の要点につきまして政府委員の説明を求めます。
#20
○政府委員(溝淵増巳君) 只今提案されました古物営業取締法につきましては、只今大臣の提案理由の説明がございましたが、尚、改正の要点につきまして御説明申上げたいと思います。
 第一点は、現行の法令では古物商の営業は免許、市場は認可、行商、露店は鑑札、せり賣りは届出によつていましたが、これらはすべて公定委員会の許可を受けることに統一したのであります。第二点としましては古物商の許可は、その営業所ごとに独立に與え、且つ許可の基準を規定して営業の権利を尊重するようにいたしました。第三点は、許可証の有効期間を三年とし三年ごとに更新せしめ、又許可証に関する事務について手数料徴收の規定を設けました。第四点としましては、現行法では古物商が古物を買受け、又は交換するときは賣主、讓渡主にその品物の処分権があるかどうかを確認する義務を與えているのでありますが、これを更に励行せしめる方途を講ずることとし、米穀通帳、家庭用購入通帳、身分証明書、名刺等により、その住所、氏名、職業及び年齢を確め、將來何らか捜査上の手がかりを得るように改めました。第五点としましては、盗品又は遺失物を古物商から徴收し被害者又は遺失物に還付する権限を警察から除き、物の所有に関する問題は一般の訴訟手続によつて決定することといたしました。ただ被害者又は遺失主に無償回復請求権を認めました、第六点としましては、営業許可の取消又は営業停止には、現在は一般法令に違反し、必要があると認めれば足りたのですが、その條件を具体的に限定し、且つこれをするに当つては必ず公開の聽聞を行わなければならぬことにいたしました。第七点としましては、公安委員会の営業の不許可処分、許可の取消処分、営業の停止処分又は警察署長の差止処分等に関する違法な行政処分の救済を明示いたしたのであります。第八点としましては、罰則は他の法令との均衡を保持し時代に適應させることといたしたのであります。第九点としましては、法律施行に際して、從來古物商が持つている既得権を尊重して、本法に基く許可を受けたものとみなし、ただ施行後三月以内に新らしい許可証の交付を受けなければならんことにいたしたのであります。
 以上が本法案の改正の要点でございます。
#21
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか……。それでは質疑は次回にいたしまして、今日はこれで散会いたします。
   午前十一時三十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           寺尾  豊君
           藤井 新一君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
  國務大臣
   國 務 大 臣 樋貝 詮三君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   生活物資局長) 東畑 四郎君
   國家地方警察本
   部次長     溝淵 増巳君
  衆議院議員
           神田  博君
ソース: 国立国会図書館
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