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1949/05/09 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第14号
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1949/05/09 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第14号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第14号
昭和二十四年五月九日(月曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月七日(土曜日)委員鈴木直人君及
び岡田喜久治君辞任につき、その補欠
として鎌田逸郎君及び森田豊壽君を議
長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方財政法等の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○助産婦に対する特別所得税率改正の
 請願(第百四十六号)
○地方税法中理容業に関する部分改正
 の請願(第百六十一号)
○果実引取税設定反対に関する請願
 (第二百三号)
○法定外独立税中行爲税としての養蜂
 税廃止に関する請願(第二百三十四
 号)
○漁業者事業税撤廃に関する請願(第
 四百二十六号)
○演劇入場税軽減に関する請願(第四
 百五十二号)
○地方財政制度改正に関する陳情(第
 十五号)
○地方税財政制度の根本的改革に関す
 る陳情(第四十九号)
○入場税全額市町村移讓に関する請願
 (第六百二十五号)
○入場税全額市町村移讓等に關する陳
 情(第七十一号)
○事業税廃止及び所得税附加税創設に
 関する陳情(第八十一号)
○事業税の課税方法改正に関する請願
 (第六百六号)
○事業税賦課率軽減に関する請願(第
 七百五十二号)
○水利地益税廃止に関する請願(第七
 百六十七号)
○鉱区税増率反対に関する請願(第七
 百九十九号)
○地方税法適用の特別措置に関する陳
 情(第六十二号)
○バス事業に対する自動車税等軽減の
 陳情(第二百三十二号)
○文藝家の事業税等免除徹底化に関す
 る請願(第六百三十七号)
○電氣事業の地方税引上げ中止に関す
 る請願(第六百九十六号)
○都市計画土地区画整理による公共既
 使用地の地租減免の請願(第六百四
 号)
○横濱市債認可に関する請願(第五百
 六十四号)
○地方財政の義務負担に関する請願
 (第五百九十八号)
○府縣に対する國庫支出金等の算定適
 正に関する陳情(第二百九十号)
○五大都市に当せん金附証票発賣権附
 與の陳情(第百六十一号)
○中央出先機関の地方移讓に伴う地方
 財政の健全化の陳情(第百二号)
○戸籍、寄留事務に関し地方財政法第
 十一條第二項中一部改正の陳情(第
 九十一号)
○國税徴收に関し町村負担事務経費全
 額國庫補助の陳情(第六十号)
○國庫負担金、補助金の交付に関する
 陳情(第六十一号)
○保健所経費國庫補助増額に関する陳
 情(第百六号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。今日の議題は先ず地方財政法の一部を改正する等の法律案の予備審査を行います。木村國務大臣から御説明をお願いいたします。
#3
○國務大臣(木村小左衞門君) 只今提案されました地方財政法の一部を改正する等の法律案について、その概票を御説明申上げます。
 御承知の通り、地方財政法は、昨年七月制定施行されましたが、本法によつて地方財政運営の基本方針並びに國と地方公共団体との財政関係に基本原則が明確にされ、地方財政の合理化を著しく促進し得ることとなつたのであります。併しながら、尚、地方財政法中に若干附加したい点がありますのと、河川法その他地方財政に関係ある十八に上る法律について経費の國費、地方費負担区分に関する規定を明確にする必要がありますために、この法律案を提案することと致した次第であります。
 先づ、地方財政法に関しましては、國の直轄工事に対する地方公共団体の負担金について、從來國の決定通知が著しく遅延し、ために地方財政の計画的運営を非常に阻害して参つた経緯に鑑みまして、國は、工事着手前に予め、當該地方公共団体にその工事に関する負担金の予定金額を通知すべきこととし、尚、通知せられた予定金額に不服のある地方公共團体は、内閣に対し意見を申しでることができることとして、直轄工事に伴う負担金の支出についてその團体の財政計画に、齟齬を來したりすることのないような措置を講ずることと致しました。
 その他、義務教育職員費に関する國庫負担金を一般の國庫負担地方職員費の例によらないで文部省所管の歳出予算に計上すること、並びに地方公共團体の負担を伴う予備費使用調書についても、地方財政委員会の意見を求めることを要するものとすることについて、所要の改正を加えることと致しました。
 河川法以上の各法律の改正規定は、國家公務員共済組合法及び藥事法の改正を除きまして、すべて國費と地方費との負担区分を明確にするために経費に関する規定を合理化せんとするものであります。從來法律規定の上におきましては、河川、道路、砂防、都市計画等の重要土木事業費や結核、癩等の傳染病予防費又は生活保護費、民生委員費等の厚生費は、すべて地方公共團体が負担し、國がその一部を補助するという建前が採られていたのでありますが、地方財政法第十條は、これらの経費については、國と地方公共團体とが共に分担し合う旨を明かに規定しておりますので、地方財政法の規定の趣旨に即應するように関係法律の経費規定を改めることと致しました。尚、負担の割合についても、從來「何分の一以内」或いは「何分の一乃至何分の一」等とされておりましたのを、適正なる率において明かにすることに努めました。もとより、今日の経済状勢の下においては、この割合を合理化することには、非常な困難を伴うのでありますが、國庫予算及び地方財政計画の兩者を勘案して適當と認められる割合を法律上明確にすることと致した次第であります。
 尚、地方財政法第十條に列挙せられている経費であつて、從來法律の規定を欠くものについては、地方財政法に基く政令で負担の割合、種目等を規定すべく目下その準備を進めております。
 國家公務員共済組合法の改正は、義務教育職員の共済組合に要する経費に対する國庫補助の根據規定を同法中に新たに設けようとするものであり、藥事法の一部改正は、同法中の手数料の額に関する規定を削除して、地方自治法に基く地方公共團体手数料令に統合せんとする趣旨に出づるものであります。
 以上のような理由に基き、本法律案を提出した次第でありますが、何とぞ愼重御審議の上速かに可決あらんことを御願い申上げます。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(岡本愛祐君) お諮りいたします。質疑は後程に願いまして、次に地方税法の一部を改正する法律案の予備審査をお願いすることといたしまして、木村國務大臣の御説明を承りたいと思いますが、御異議ございませんか……。それではさように取計らいます。
#5
○國務大臣(木村小左衞門君) 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由及び内容の概略を簡單に御説明申上げます。
 御承知の如く昨年七月実施致しました地方税財政制度の全般に亘る改正によりまして、地方財源は相当強化せられたのでありますが、その後における給与ベースの改訂、物件費の昂騰及び委任事務費の増加等の諸事由によりまして再び地方團体の財源は窮迫を告げて参り、地方團体の七割までが敢て標準賦課率を超えて増税を行い、或いは幾多の法定外独立税を創設してその必要財源の確保に努めておるのでありますが、尚相当數の地方團体においては、昭和二十三年度の決算において收支の均衡を保持し難い情勢にあるのであります。このような情勢に対処し、可及的に税收入の増加を図りますと共に経済九原則の線にそい徴税確保の措置を講ずる等のため現行地方税制度に必要な改正を加えることといたしたのであります。
 本改正法律案の内容は二点から成つております。即ちその第一は、住民税、地租、家屋税等現行税目の若干に対しまして、賦課率の引上げ等所要の変更を加えたことであり、第二は、税收入の確保及び租税徴收権の強化を図るため、所要の改正を加えたことであります。以下順次それらの内容を御説明申上げたいと存じます。
 改正の第一点は、既存税目に対して加えました変更でありますが、その
第一は、住民税の一人当り平均賦課額の引上けであります。住民税は、地方財政收入を確保すると共に、自治の基本である負担分任の精神を税制の上に顯現することをその本來の性格とするものでありますが、以上述べました地方財政の現況、物價騰貴に伴う住民所得の変動等の事情に鑑み、その納税義務者一人当りの平均賦課額を府縣民税及び市町村民税を合せ、現行の九百円から千四百五十円に増加することといたしたのであります。本増税に伴う増收見込額は約七十五億円でありますが、よつて生ずる住民負担の増加を考慮し、納期につきましては、從來の規定を改め、原則としてこれを二期とすることと致したのであります。
第二、は地租及び家屋税の標準賦課率の引上げであります、昨年の税制改正によりまして、地租は百分の二百、家屋税は百分の二百五十と決定せられたのでありますが、窮乏せる地方財政の現状に鑑み、且つは又不動産價値の昂騰等の事情を勘案いたしまして、今回これらを共に百分の五百に引上げ、約八十億円の増收を図ることと致したのであります。而して、地代家賃が据置かれていることによる所有者負担の過重を防止し、不動産價値の増大による眞の受益者をして負担せしめるため、地代家賃の統制額に対し本措置と同時に必要な改正を加えることといたしております。
第三は、電氣供給業特定の事業に対する事業税につきましては所得に代え收入金額を標準として課税することといたしたことであります。電氣供給業、ガス供給業、運送業等におきましては、料金統制が行われている等の関係がありまして現行純益主義の課税によりますときは、所要の税收入を確保することができないのであります。そこで、國の物價政策と地方財政の現状との相互調整を図りますために、統制料金の決定に際しては、地方税相当額が十分織り込まれることを期待しつつ、純益に代え收入金額を標準として事業税を課することとし、その標準賦課率を本税附加税を合せ收入金額の百分の二と法定することといたしたのであります。この規定は、料金の改訂せられたときから適用することといたしております。
第四は、入場税の規定を整備したことであります。入場税は昨年國税からの移讓をうけまして以來、各地方團体の努力により、着々増收の実を擧げておるのでありますが、
 (1) 美術館、博物館等への入場に対してまでも一律に現行の税率を適用することはやや酷にすぎる感がありますことと、
 (2) 現行の入場税に関する規定が著しく不備であることとにより、入場税の課税対象を四種類に分別し、新たに遊覽船や遊覽自動車の利用に対しても入場税を賦課し得るものとし、博物館、美術館等への入場及び遊覽船や遊覽自動車の利用に対する入場税の賦課率を百分の六十とすると共に無料入場に対する規定を整備致したのであります。尚、入場税收入が若干偏在いたしますため、一般には地方財源が窮乏しておるに拘わらず、一、二の特殊の市町村においては、入場税附加税の收入がその團体の規模からみて必要と思われる程度以上に多額に上りますので、これらの市町村については道府縣において、その賦課率を制限しうるものとし、その制限した率だけは道府県税たる入場税の賦課率に加えることとし、不当に偏在する市町村の税收入を道府縣の手によつて、他の市町村に再配分するの措置をとらしめることといたしたのであります。
第五は、鉱区税及び狩猟者税の賦課率の引上げであります。物価漸騰の事実に伴い、その税率を合理化する必要がありますので、特権税たるこれらの税目につきましてもそれぞれその賦課定額を五割程度引上げると共に、狩猟者税につきましては狩猟関係者の要望に從い税率を簡素化し、從來の三段階制を廃止して一律に規定することといたしたのであります。
第六は、從來の法定税目である電話加入権税の名称を電話税と改め、電話の使用又はその加入に対して課することといたしたことであります。即ち過般の電話の使用に関する政令の施行に伴い、以後電話加入権は消滅いたすこととなりましたので、その名称を実体に即応せしめるため、從來の電話加入権税という名称を廃止して電話税とし、これに相応するよう從來の規定を整備いたしたのであります。
第七は、道府縣法定外独立税については、道府縣は特別の事情がある場合においては條例を以てこれに対する市町村附加税の賦課を禁止し、又は賦課率に制限を加えることができることといたしたことであります。從來道府縣の法定外独立税につきましては、市町村は当然に附加税を課し、特別の事情がない限り、これを賦課徴收する義務があつたのでありますが、このような制度は市町村が特に財源を必要としないのにも拘わらず、住民の負担を増加して不必要な財源を附与する結果を招くことになるのみならず、当然に市町村附加税が賦課されるため、税率その他についていらざる考慮を拂わなければならないこととなり、当該道府縣が当該法定外独立税によつて得た收入を特定の目的に使用することを制限する結果となりますので、かかる場合におきましては、道府縣が條例を以てその附加税の賦課を禁止し又は賦課率に対し、必要な制限を加えることができることとし、その結果附加税の賦課を禁止され、又は賦課率を制限せられた市町村については必要に応じ、その財政需要を充たすために別途法定外独立税を起すことができることとし、住民負担と財政需要との相互の間における合理化を図つたのであります。
第八は、目的税に関する規定の整備であります。
 (1) 都市計画税たる目的税は、主要種目である地租割、家屋税割、事業税割及び特別所得税割の四種に限定し、種目が多岐に亘るため國民に与えている要らざる圧迫感を幾分でも排除することとし、
 (2) 水利地益税を拡張して、山林
  等の事業に要する経費についてもこれを課し得るものとし、
 (3) 共同施設税についての規定を整備して汚物処理施設等に対しても共同施設税を課し得ることを明文を以て規定することといたしたのであります。
 改正の第二点は、経済九原則に則り、地方税の徴收手続を合理化し、地方團体の租税徴收権能の強化を図るため所要の改正を加えたことであります。その
第一は、新たに地方税に関する滯納処分の規定を設けたことであります、地方税に関する滯納処分手続については、從來國税の例によることとされていたのでありますが、このような規定の仕方では手続にも明確を欠く点がありますのみならず、住民の財産に強制権を発動する重要な規定が地方税法中に欠けていることは面白くありませんので、新に地方税法中に國税法規からは独立して滯納処分の手続を規定することといたしたのであります。
第二は、道府縣の徴税吏員に対し通告処分その他國税犯則取締法によると同樣の権限を与えることと致したことであります。昭和二十二年の改正以來地方税におきましても、漸次重要な消費税が加えられてきたのでありますが、これらの税種はその脱税が容易であるため、現行の制度の下においては、必ずしも充分な捕捉が出來ませんので、今回これらの税種につきましては地方團体の徴税吏員に対しても國税犯則取締法に基くと同樣の権限を与え、その権限を強化し、脱税犯等に対しては、司法手続に加え行政手続を以て迅速且つ強力に罰金相当額の納入その他所要の処分をなし得るものとし、以て租税收入の確保を期したのであります。
第三は、入場税の徴收方法については特別徴收義務者をして道府縣が発行する証紙をもつて徴收せしめることと致したことであります。入場税の徴收に当りましては、その額の多寡をめぐつて地方團体と関係業者との間に屡々脱税等の疑いにより爭いをひき起すのでありますが、徴收税額の多寡につき、このような爭いを起すことのない方法として地方團体及び特別徴收義務者に対し入場税は道府縣の発行する証紙によつて徴收すベきことを強制することといたしたのであります。この証紙は適宜入場券にも代用されることと考えております。
第四は罰則の強化であります。昨年の改正によりまして、地方税の犯則に対しましても刑罰を科するものとしたのでありますが、実施後約一年間におきまする状況及び最近における反税運動等の実情に鑑み、
 (1) あらたに不納せん動に関する罪及び滯納処分に関する罪を法定すると共に、
 (2) 輕易なる犯則即ち申告又は報告すベき事項について申告又は報告を怠つた納税義務者に対しては過料を課し得る規定を復活することと致したのであります。
 以上申述ベたところが本法案の提案の理由及び内容の大要であります。何とぞ、愼重、御審議の上速やかに御賛同あらんことをお願い申上げます。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(岡本愛祐君) 只今の説明に対しまして御質疑がございましたらお願いいたします。御質疑は御研究願いました後にしまして、これの地方財政法等の一部を改正する法律案、地方税法の一部を改正する法律案につきまして陳情請願が沢山出ております。公報に上つてある通りでございますが、この御審議は今申上げました二法案の審議に関係がありますから、一応專門員の上から御説明を申上げたいと思います。
#7
○專門員(上原六郎君) 今日の日程に上つております請願陳情は、地方税法に関係する分と、地方財政法に関係する分と全部上げてあるのであります。
 請願第百四十六号は、助産婦に対する特別所得税率改正の請願でありまして、これは現在助産婦に対しては、営利業者と同率にいわゆる事業所得税が課せられておるが、その職務の特異性に比して助産婦の生活面は惠まれていない実情であるから、是非とも特別所得税の控除額の引上げ、又は改正されると共に助産婦の再教育費の國庫補助を計られたいという趣旨でございます。
 それから請願の第百六十一号、これは理容業に関する改正の請願であります。理容業は地方税法第六十三條に含まれておるが、同條は製造販賣等の商取引が業務内容であり、直接施行が業務内容である。七十一條の特別所得税に属すベきものである、又地方税法と事業税種目と特別所得税種目に分類した立法精神とその根拠は、業務の性格と業種対業種の負担均衡が中心であるから、地方税法中の現在の理容業の課税方法は改正さるベきである。こういう請願陳情であります。この趣旨は大体において今回の改正案中に織り込まれてございます。
 それから次は果実引取税設定反対に対する請願であります。これは今期國会の開会当初に多数提出せられたのであります。これは設定が取止めになつたのであります。
 それから請願の第二百三十四号、養蜂税が法定外独立税中の行爲税として一群当り三百円前後課税せられております。空間農業発達のために速かに廃止せられたいという養蜂協会の会長からの陳情でございます。
 それから次は請願第四百二十六号、漁業者事業税撤廃に関する請願、これは農家に対しては事業税が免除されておるにも拘わらず、漁業者には何ら免除されていない、現在沿岸漁業者は配給生産資材さえ買えない状態であるので、速かに撤廃せられたい、これは広島縣の西日本水産振興会からの陳情でございます。
 次は請願第四百五十二号演劇入場税軽減に関する請願、これに類するものは三件ございますが、大体においてその趣旨は大衆娯楽たる演劇、映画の入場税が十五割であるが、これは國民文化の退歩を來たすものであるから速かに課税率の軽減を図られたいとの陳情であります。尚國民教育映画については入場税を免除せられたいという趣旨であります。
 次は陳情の十五号、これは地方民の経済状態に対処して、納税者負担の軽減を図るために、事業税の基礎控除及び免除の範囲を拡張せられたいという陳情であります。
 それから陳情の第四十九号、これは大阪府知事の提出でありまして、所得税附加税、煙草消費税、土地及び家屋利用税、果実引取税、ガソリン税、特別行爲税等の新設入場税の徴收方法の改善及び國費、地方費の負担区分の改正等に亘る地方税財政制度の根本的改革をせられたいという趣旨であります。
 次は請願六百二十五号陳情の七十一号ですが、これは市町村の財政を健全化するために入場税を全額市町村が取るような改正して貰いたいという陳情であります。
 それから陳情の八十一号は事業税は國民の一部特定の事業者のみに多額なる税を賦課するものであるから、これを廃止し、國民全階層の所得に応じて、公平なる所得税附加税を創設せられたいという陳情であります。
 次は請願の六百六号と、七百五十二号ですが、これは事業税の課税標準は地方税法第六十三條の規定に基き税務署決定の所得税による地方が多いが、これが非常に高率のため中、小商工業者は負担に堪えかねているから、業者の負担軽減のために第六十七條に定める個人の第一種事業に対する賦課百分の七・五を第二種事業と同樣百分の五に引下げられたいという請願であります。
 それから請願七百六十七号これは広島縣、山口縣においては水利地益税を民有林に賦課しておるが、かかる長期の事業に対して町当り三十円の高額の課税は造林意欲を低下し、全國的に波及する虞れがあるから速かに廃止せられたいという請願であります。
 それから請願の七百九十九号は、鉱区税の増率の反対の請願であります。鉱区税の五割増徴が今度の地方税の改正案にあるが、現在大部分は休んでおる休眠鉱区であつて、これを地方財政の財源とすることは不合理である、一方操業中のものは、すでに地方税として鉱産税を負担しておるのであるから、國内資源開発のために、鉱区税の増率には反対であるという請願であります。
 それから陳情六十二号は木材取引税附加税の賦課税率引上げ、第二種事業税の賦課に関する特別措置等適切な救済方法を講ぜられたいという趣旨であります。
 陳情二百三十二号はバス事業に対する自動車税等軽減に関する陳情であります。これはバス事業に対する自動車税を始め、自動車取得税、道路損傷負担金、道路加修協力費等を適正妥当に調整軽減せられたいという日本交通協会の陳情であります。
 次は請願の六百三十七号文藝家の事業税等免除徹底化に関する件、文藝家に対する事業税及び特別所得税等が免除されたのは文化國家を標ぼうするわが國にとつて喜ぶべきことであるが、今尚同税を徴收されている者のあるのは遺憾であるから、免税の実施を各官廳の未端まで徹底されるように取計らわれたいという、日本文藝家協会理事長舟橋望一氏提出のものであります。
 それから請願六百九十六号は、電氣事業の地方税引上げ中止の件であります。電氣事業を対象とする地方税の増徴及び現行説率の引上げ等が目立つており、中央においても地方税法の改正を、企画しているとのことであるが、電氣事業は全國的規模による経営であるため、一地方における増徴は直ちに全國的に甚大なる影響を及ぼすばかりでなく、電氣料金の現行料率は諸物價に比し著しく低いため、事業の健全なる経営が極めて困難であるかい、料金原價に予想されない地方税の増課は中止せられたいという電氣事業経営者会議の大西氏の請願であります。
 請願六百四号は土地計画土地区画整理による公共既使用地の地租減免の件であります。都市区画整理による公共使用地(主として街路)となりながら手続の関係から依然個人名義となつている土地があるが、これらの土地に地租が課せられているから速かに地租減免の措置を講ぜられたいというのがその趣旨であります。
 その外に地方財政関係のものを申上げますと、地方財政制度の拡充強化の件、地方配付税の制限、公共事業予算の圧縮等は地方財政をますます窮乏化に追込んでおるから、公共事業費の増額によつて地方財政を確立するよう措置せられたいというのであります。
 それから横浜の市債認可の件、横浜市の二十四年度予算は緊急止むを得ない最少限度の計上額であつて、諸般の情勢より各種の事業の財源は、何れも起債によらなければならない現状である。若しその大部分が不許可となるがごとき場合は、本市の行政上の諸施策は執行不能となり、地方自治上重大なる危機を招來するものであるから、本市所期の事業が円滑に完遂し得るよう、起債を許可せられたいという横浜市会議長の提出であります。
 それから地方配付税額減額及び起債停止反対、これは沢山出ております。それから地方財政の義務負担の件、岐阜の市会議長の提出であります。地方財政法が確立せられ、負担区分が明確にされたのであるから、國の出先機関の維持に要する経費等につきましては、國の負担とせられたい、更に國の委任事務については全額國庫が負担せられたいという趣旨であります。
 それから府縣に対する國庫の支出金の算定適当に関する陳情、宮崎縣会議長の提出であります。府縣に対する國庫支出金等の算定基準が不明確で、單に府縣内の市町村数のみを單位として配分されることがあるから、縣の特殊事情等を勘案して基準の適正を図られたいとの陳情であります。
 次に京都市会議長内藤清次郎君外九名提出に掛かる五大都市に当せん金附証票発賣権付与に関する陳情であります。地方財政法第三十二條により都道府縣が当せん金附証票の発賣権を附与せられておるが、五大都市のようなところにもこの発賣権を附与するようにして貰いたいという趣旨であります。
 それから靜岡縣会議長外七名の提出、中央出先機関の地方移讓に伴う地方財政の健全化の陳情であります。中央出先機関を整理して地方分権の確立を図ることは緊要事であるが、行政整理の断行によつて当然出先機関は廃止され、その権限は地方に委讓されることと思うが、この受入れに要する経費の財源をも併せて地方に委讓せられたいということであります。
 それから戸籍寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部を改正して貰いたい、これは東京都知事安井誠一郎外八名その外非常に沢山出てをります。その趣旨は地方財政の困窮により地方財政法第十一條を改正して、「戸籍及び寄留に要する経費」の一号を追加して、この事務費を國庫負担にするという趣旨であります。
 尚全國町村会の提出で、國務徴收に関する町村負担事務経費全額國庫補助の件でありますが、國税徴收に関する事務費は相当の額に上るが、全額國庫負担として貰いたい。
 それから國庫負担金の補助金の交付に関する件、地方財政法第十九條の國の負担金及び補助金等の交付金は特別の事情ある場合は年度始めに一括して、然らざる場合は右法令に定められた時期に交付せられたいという趣旨であります。
 それから保健所経費國庫補助増額の件、これは靜岡縣会議長の提出であります。保健所の整備拡充については地方財政が窮迫しているから、整備拡充予算を多額に計上されて、國庫補助を十二分に交付せられたいとの趣旨であります。
 以上が地方財政法関係の請願陳情でございます。
#8
○委員長(岡本愛祐君) 今説明がありましたように、請願及び陳情は今日までに地方財政に関連して沢山参つております。これに関して政府もよく研究して置かれまして、次の委員会で明確な御答弁を願いたいと思います。尚博物館の課税、先程木村國務大臣から御説明がありました、博物館美術館に対して多分新たに入場税を取ることになるのだろうと思いますが、それに対して委員長宛に陳情が参つておりますから、上原專門員から説明をさせます。
#9
○專門員(上原六郎君) 全國博物館、動植物園及び水族館代表として徳川宗敬氏の提出に掛かるものであります。これは今日受取りました。陳情の趣旨は、「政府は、このたび地方税法を改正して、他の娯樂施設同樣、博物館、美術館、動物園、植物園及び水族館にも、入場料の六割を入場税として課税せんとする案を提出したと聞く、全國博物館並びに同種施設によつて組織された本協会は、左の理由により博物館、美術館、動物園及び水族館等の教育施設については、これが課税対象より除外されんことを切望するものである。」詳しく書いてありますが、これは省略いたします。
#10
○委員長(岡本愛祐君) 博物館の課税問題について……。
#11
○國務大臣(木村小左衞門君) これは私共が常識で考えましても、誠に御尤もな御陳情と思います。從來の入場税の現行法の建前の十五割というものの中へ、これらのものが入つておる、一々示してありませんが、入つておりますると、場合によると余程その町村事情が窮迫いたしました場合には、十五割まではこれは取られるという虞れがないこともございません。それから現行法におきましては、地方税法に多分明文は、はつきり覚えませんが、地方公共のために福利云々ということはあると思いますが、これは必ずしも規定してあつても、取らなくてもよろしいという何か條項があると思いますが、それによつて從來取らないであるようでありますが、併し余程窮迫した場合には、十五割取れるということに理論上なつて参りますので、これは最高の場合を勘考いたしまして、六割ということに下げまして、幾ら地方の事情が窮迫しても、六割よりも取れないというふうに制限をしよう、こういう趣旨で、この六割というものを出したわけでありまして、多分この美術品とか、或いは博物館、図書館というようなものは、そう沢山もありませんし、主に東京を初め六大都市がその中心となつておるようなことでありますので、これは当該地方税の責任者において、取らないで置くものでないか、多分取らないものであるが、こういうふうな考えで、十五割まで嚴重に取られると大変だから、先ずこれを六割まで下げて置こう、こういう趣旨で今度六割ということをちやんと種目を明記して、今度の税法に現わしておいたものであると、この精神、そういうふうに私は考えております。
#12
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
#13
○三木治朗君 只今の御説明で大体よく分つたのでありますけれども、今まで取つていなかつたのが、そういう六割まで取られるということになると、必ず取り得るという観念が各都市に起つて、皆んな取るようになるのではないかと思いますが。
#14
○國務大臣(木村小左衞門君) ちよつと説明員に説明させます。
#15
○説明員(奧野誠亮君) 現行法では、展覽会場その他これらに類する施設への入場には取らなければならんように書いてあります。展覽会場に類するものとしましては、博物館でありますとか、或いは博覽会場とかいうようなものがあるわけであります。この課率を適宜に減税できるようにいたしますというようなところにいろいろ問題があるわけでありますが、減税できるものだけははつきり明記しなければならんようになつたわけであります。從つて今度軽い率で取り種類のものは具体的に列挙してあるわけであります。高い率で取れるものは列挙した外に、これに類する施設まで上げてあります。それはやかましいものでありますから、減税するためにはどうしてもはつきり具体的に書かなければならんものであります。そうすると、自然博物館に入場税を課税する場合に、十五割というような高い率では困るので、今までは規定の上でははつきりしておりませんでしたけれども、減税するために、敢てはつきり書出したのです。
#16
○三木治朗君 そうすると、結果においては、大体六割の税金は取られるものと推定できるわけなんですか。
#17
○説明員(奧野誠亮君) そう法律の規定から解釈して頂きたいと思います。併し從來取つておりません。十五割としても取つておりませんから。
#18
○三木治朗君 それを六割としたために、六割は必らず取られるという結果が生れるのではないかと憂えるのであります。それから尚それに関連しまして、先程の中にもありましたけれども、教育映画、ニュース映画というようなものは、これはやはり文化的な非常に重要なものであつて、殆んど博物館その他に匹敵するものであると思いますが、それらはやはり六割になるわけですか。その点お答えを願いたい。
#19
○説明員(奧野誠亮君) 教育映画の入場税につきましては、多少問題があるわけですが、具体的に東京都の一例を挙げますと、先生が生徒を引率して行く場合であり、而もその入場料金が確か七円だと思いますが、七円以下である場合には入場税を課さんという方針を取つております。併しこれを税法に表わす場合には、例えば教育映画なら教育映画なるものに入場税を取らんということでは面白くないのでありまして、業者が教育映画であつて、それから通常の料金を取つておりますと、その料金を免税した結果がどうなるかというと、教育映画を見る人間が安く見られるわけでないので、教育映画を見せた業者が税金分だけを自分の懐に入れられるということになつてしまうわけであります。從つて実際行う場合には、東京都なりそれぞれの條例において設けておりますように、やはり併せて入場料金を低くして行かなければならんということになるわけであります。從つて法律上教育映画なるものに免税するということでは、ただに業者を利するだけでなく、必ずしも沢山の生徒に見せるわけにならないというので、そこで教育映画にも税金を取れることになつているわけであります。
#20
○三木治朗君 教育映画だけを見せるという或種の機関などで、その他営利が目的でない場合はどういうことになりますか、それは無料であれば無論税金は掛からないわけですね、それから七円以下なら掛からないと、こういうわけになりますか。
#21
○説明員(奧野誠亮君) 無料でありましても、入場税を課することができるというような書き方をしております。外の場合には課さなければならんわけでありますけれども、無料である場合には、課することができる、從つて課するか課さんかは、地方團体の具体的の認定によつて決めればいい、それから七円であるかどうかということも、免税点の決め方でありますから、その地方團体で、或いは東京都では自然高くてもいい、或いは東北なんかでは、免税点がもつと下つてもいいかと思います。具体的の問題は、地方團体によつて事情が違いますから、地方團体の決定に委ねて、大綱だけは規定して行き、事実の認定は地方團体に委ねるというような方向に持つて行かなければならんと思います。
#22
○三木治朗君 尚ついでに伺つておきたいのですが、地方のいわゆる古美術といいますか、桂の離宮とかのように観覽料みたいなものを取つておる所がありますが、ああいう所はやはり課税になるのですか。
#23
○説明員(奧野誠亮君) 地方税法には、「展覽会場、遊園地その他これらに類する場所への入場」、現行法ではそういうふうに書いてありますが、それに類する施設というふうに見るか見ないかということは、そこに具体的に列挙されておるわけでありますから、具体的に判断して、取る方に入れるか、取らない方に入れるかということは、その地方団体自身の判断によるということになつております。
#24
○小川久義君 その入場税の料金のことについて問題になるのでありますが、或る文化団体が舞台を借受けて、そして職場の藝能大会を開く、それが課税の対象になるという認定を受けて、無論無料ですが、税金は納めろ、こういうことを財務局出張所から言われて、入場料金を取つていないのに税金を課するのは怪しからんではないかということを言つたところが、入場料を取つていない場合には、舞台の借上料の何倍ということで課税するということになつておるからということですが、これは余りに地方団体に任されるというとそういう事実も出て來る、この点においても何か法を以て大綱を示すべきだと思いますが、この点について御意見を伺いたいと思います。
#25
○説明員(奧野誠亮君) お説のような点、具体的にできるだけ指導的な方法でやつて行きたいと思つておりますが、具体的な事実になりますと、いろいろの問題がありまして、今お話のような所もありますし、或いは脱税を目的として形式だけを無料というような恰好で取る所もありまして、この辺は非常にむずかしい問題でありまして、成るだけ地方自治の本旨に從つて、そういう認定の問題は地方団体に任した方がいい、併し個々具体的の問題が起きました場合には、成るだけ各府縣均衡を取るという立場から、指導的方法でやつて行きたいという考え方をしております。
#26
○委員長(岡本愛祐君) 果実引取税、これを止められて、その代りに住民税が千四百円のところを千四百五十円、こういうふうに決めたという経緯があるようですが、これについてどういうわけでそうなつたか、大臣の説明を承ることができればお願いします。
#27
○國務大臣(木村小左衞門君) その間の事情を率直にありのままを申上げたいと思います。当初地財の方では果実引取税を課しまして、十億円の税收を得る建前を以て閣議を提出いたしたのでありますが、殆んど全員の反対を受けまして、どうしても成立をいたす見込みがありません。然らばこれは地方財政の歳入としてこれだけのものが減額になれば、外に何かこれを補填するところの増税を行なつて行かなければ結局の辻褄が合わんことになりますので、それから閣議で全閣僚が寄合いまして、五十円だけ住民税を上げようじやないかということになりまして、私もそれに同意をしてこの成案ができ上つたようなわけであります。五十円を殖しますると大体七億ぐらいで、五十円増しましてもまだ三億ぐらい足りませんけれども、その辺は所得税等の増徴によつて補われるのではないかというような見込で五十円を上げますることにいたしまして提出いたしました次第であります。
#28
○委員長(岡本愛祐君) 酒の消費税を五分です取つておられたですね、これは税率を上げるのですか、そのままなんですか、その筋との交渉ができなかつたのですか、その点伺いたいと思います。
#29
○國務大臣(木村小左衞門君) そのままになつております。
#30
○小川久義君 これと直接関係がないようにも思われるのでありますが、この事業税に対して現在の法を改正される意思がないかという点でお尋ねいたしたいと思うのでありますが、農村へ行きますと、主食には税が掛かつておりませんが、鶏五羽以上は税が掛かる、自給菜園に税が実際上は掛かつておる、そういう点どうも矛盾しておる、鶏五羽以上には税が掛かる、自分が僅かの水田か畑を潰して自給菜園をやつても税が掛かる、これはなぜ掛かるかと申しますと、或る程度の金を逆算で行くわけです、君のところはこれだけ負担せい、君のところはこれだけ負担せい、こうなつて來るものですから、それで畑に掛けなければならんが、畑は賣るのか、自分で食ベるのか分らんものですから、自給菜園や鶏にも掛ける、これはそうなると都市においても自給菜園が多いのでして、都市の自給菜園にも課税しなければならんのですが、都市の自給菜園は課税されておらん、こういう不合理があるのであります。それの標準を明確にして、何か基準を高まるようなお考えがあるかどうか、伺つておきたいと思います。
#31
○國務大臣(木村小左衞門君) 説明員からよく分りますように御答弁いたします。
#32
○説明員(奧野誠亮君) 事業税につきましていろいろの問題の起きておることも予想せられるわけでありますが、主要食糧に関する部分を事業税の課税標準から除外しておりますのは、もとよういうまでもなく食糧増進の方針というものを他の政策によつて阻害するようなことがあつてはいけないという意味の大きな観点から出発しておるのであります。ところが現在の地方自治団体の財政の状態を考えますと非常に困つておる、そこに矛盾が起きることになろうと思います。國の政策から行きますると主要食糧に関して事業税を取つてはならない、併し地方自治団体の財政は手を拱いておるわけにも行かない状態なので、それで鶏を豚を税を掛けることになつて、國民生活を壓迫するような結果になつて参つておるわけであります。今お話になりました自給菜園にまで課税をするという問題、これは法律の上では事業に対して課税するという恰好になつております。業として掛ける、そういう認定の下に事業税を課しておる、理論上は業としてやつておりません以上は、例えば東京の家庭菜園においてはこれは事業税を課するということは法律上はあり得ない、併しどう認定するかという問題からいろいろ問題が起きるのだろうと思いますが、その辺の問題についてよく分るように趣旨を徹底して行きたいと思います。
#33
○小川久義君 自給菜園に対しては分りましたが、先程も申上げましたように鶏五羽以上には掛かるということ、これは事業とすれば事業ですね、生きものを囲うてそれから收益を得るのだから、何羽飼つても、事業は事業ですが、その辺明確に基準をお示しになつた方がいいのじやないかと思いますが、相当混乱しております。この点何か……。
#34
○説明員(奧野誠亮君) 若し鶏五羽を飼つているから事業税を取るといいますと、畜産業ということで取るのでありますから、ちよつとその辺分らんのであります。恐らく鶏五羽を飼つているから事業税を掛けるいうことでなしに、現在法定外独立税として養鶏税というふうな税金まで起しておる団体があります。これはもとより好ましくないのでありますが、併しながら現在地方自治というものを最大限度に尊重するという建前をとつておるものでありますから、國が政策上困る、或いは他の地方団体にそれがために非常な迷惑でも及ぼすことにでもなりません限りは、その団体が自分の住民から負担を求める以上は、それが他の振合いから非常に不均衡になつておる、特定の階級にのみ掛かるというふうなことにでもなりません限りは、能り限りその団体のやり方を尊重して行かなければならないという建前になつておるものですから、まあ好ましくない税制が布かれておるわけなんでありますけれども、地方財政全般の問題として絡み合せて考えまして、敢えてそれを取消すというような措置がとれないようになつております。ただ鶏五羽を飼つているから事業税とおつしやいましたが、それはやはり何か認定の問題がありましていろいろそういう理窟をこねられるのですけれども、單にそれだけで以て事業税を課すべきだと認定したとはちよつと考えられないのです、この辺尚内容のよく徹底するように努力して行きたいと思います。
#35
○小川久義君 先程養蜂一群に対して三百円の課税は多過ぎるから撤廃して呉れという陳情もあつたようですが、この養蜂が始終地方では問題になるのでありまして、所得額の見積においても過大である、一群と言いましても固定したものではありませんし、それからそれがフソウ病あたりに罹かつて死んだ場合でも皆んな課税せられるという実情もありまして、或いは移動養蜂、鹿兒島から北海道まで始終移動して蜜を集めておりまして、これはやはり何か全國一律に一群に三百円ということは高過ぎる、この見積方が、これは地方行政の委員会として、又御当局でも直接関係はないと思いますが、大体あの一升の蜂蜜は幾らであるということが問題になりまして、大体公定價額は六百円ぐらいでありますが、公定というのか、マル協ですか、ところが税務署の見方では一升で千五百円乃至二千円と見積つて、それに対して所得税が莫大に掛かつて養蜂家は殆んど倒れんとしている現状であります。そこであれは無から有を生む、この資源の足らないときに最も大事な事業とも考えられるので、あの養蜂に対しては全面的な御協力、國家の援助を却つてすべきだと思いますが、この点に対して十分施策をお願いしたいと思います。
#36
○國務大臣(木村小左衞門君) これは次に御答弁申上げます。
#37
○委員長(岡本愛祐君) もう一つお尋ねしたいのですが、家屋税が百分の五百、随分高くなつたのですが、不動産取得税ですね、これはまあ二割か取つておつて非常に高い、今でも高いのです。社会政策的の考え方から十五坪以上の新築については、十五坪を超える部分についてもつと高い不動産取得税をとつていいのじやないかという議論も大分出ておつたようでありますが、そういう研究はせられたのか、せられないのか、それを伺いたい。
#38
○政府委員(荻田保君) 不動産取得税が一般に二〇%になつておりますが、非常に高い税率でございまして、全体的にもう少し余裕ができましたときには、下げなければいけないと考えます。そこでそのただ二〇%に上りましたときも、今おつしやいました点とは逆にはなりますけれども、小さな小住宅の建設につきましては、これを軽減するように、半減するようにということを地方に指導しておるのであります。そこで更に大きな家屋につきまして、建築許可の点と関連いたしまして、自由に建てさせるけれども、税だけは負担を重くする、こういうこともありまして、この点建設省あたりと研究は進めておるのでありまするが、まだ結論的なことは考えておりません。
#39
○小川久義君 家屋の不動産取得税について富山の実態から申上げますと、不動産取得税は大きい小さいによらず、戸建具付であれば一坪一万五千円という標準を置いて課税して行く、そのために燒けた家をどうにか建てるには建てたが、その税金が二割三分も取られるもんだから、折角建てた家を賣つておる実例があるのです。これは委員長から言われた余剰家屋じやないのでありまして、戰災によつて燒かれた、それをどうにかして建てた、建てたが、只今申上げました通り、もう一律に戸建具付の家は坪一万五千円という標準を決めて、それが課税される、そうすると七万円か八万円しか掛かつておらん家が二十万円も二十五万円も出して建てた数字が出て來る、それに対して二割三分の課税をされる、そうすると、大変なことになる、自分の建てた家屋の金よりも税が実際には多くなつてしまう、そういう戰災地であつて、特に空襲あたりで家を燒かれた、それをどうにか親戚中出し合つて建ててやる、それが又税金のために手離さなければならんという現状に追い込まれておる実例もあるのですが、この点に対して何か戰災地に対しては特別のお取計いをお考えですかどうか、お伺いしたい。
#40
○政府委員(荻田保君) 富山の実例をあげてお話になりましたけれども、その実例を存じませんので、具体的にどうやつておるということはちよつと申上げかねますが、方針といたしましては、先程申上げましたように、小住宅の建築につきましては、一般的なものは二割でありますが、二割三分ということはないと思います。それを半減するように指導しております。その場合に何でもかんでも坪一万五千円に取得價格を見るというようなことは、これは、運用の問題でありまするが、併し如何になんでも、富山縣でやつておるかも知れませんが、事実安くできる粗末な家に対してそういうことはちよつとないと考えられますが、具体的な問題でございますから存じませんので、確かにないとは申上げるわけではありませんが、そういうことはあり得ない、それから……。
#41
○小川久義君 実はあなたの方でお分りないというのはどうも受取れんので、そういうことがあるかないか、いつも手に取るようにお知りになつて、無理なところがあればそれを是正させる、そういうふうに一つ御指導願わなければ、個々別々なことになる、二〇%とおつしやいましたが、本税で二〇%、それに対して市税の附加をしますから、二割三分という数字になるのですが、その点御当局の方でお分りにならんということもどうも腑に落ちんことでありまして、実際そういうことで自分の建てた家を又人手に渡した実例もはつきりあるのであります。この点一つ十分御指導願いたい、特に小住宅に対しては半分くらいという御指導のように受取れますが、同じ小住宅でありましても非戰災者が建てる場合と戰災者が建てる場合とある、戰災者の場合には特別な何かお取計いをおやりになるお考があるかないか、この点も併せてお伺いしたい。
#42
○政府委員(荻田保君) 課率の点は、繰返しますが、二割でございます。二割以上課けておつたら、これこそ違法でございます。
 それから個々の建物に対しまする査定を、幾らか査定したかということが手に取るように分るということはちよつとできないと思います。それ無理な方針を取らないようにということは、十分我々として考えて行きたいと思います。
 それから先きの養蜂税のことだと思います。法定税目ではございませんで、財政上止むを得ないというので、主として町村でございますが申請して來ました場合に、地方税審議会の審議で認められることになる、養蜂者の負担から見れば無理かとも思われますが、事柄の性質が事務所等を、事業所等を持たずに地方を廻つて歩くという関係がありますので、それに集つて來ます。財政の苦しい場合は設置するということがあるのであります。
#43
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか。
#44
○小川久義君 それだと戰災者の小住宅に対しては特別のお考えがあるかないか、戰災地の戰災に会つた者の罹災者の小住宅……。
#45
○政府委員(荻田保君) 事柄の性質としましては、戰災地であろうと何であろうと小さい家を建てるという、この住宅難のときに小さな家を漸く建てて住むというような人達に対しましては、税率を安くさせたい、こういう方針でございます。戰災地と非戰災地と区別するような意思はございませんが、ただその縣の事情によりまして、それの方が適当と考えるようなことがありますれば、それは縣が然るべくやつてちつとも差支えないと思います。
#46
○小川久義君 その点は速急に御答弁がむずかしいかと思いますが、戰災地は持つておつた家を燒かれてしまつた、これは誰のために燒かれたかというと、國のために燒かれた、個人がその家を火を出して燒いたのと違うんですから、國家の犠牲になつた、自分の持つておつた物を失つたものは失いつ放しである國家が面倒を見ない、然るに國家のために家を失うた者が漸く家を建てた場合と、次男なり、三男坊が分家する、自分が独立のために小さな家を建てた、これと一緒に考えることは、國家が無責任だと思う、失つたものは國家のために失つた、それを新たに今自分が独立するために小さい家を建てるというものと一緒に考えることが無茶である、それに対しては今施策をお考えないという話ですが、是非一つこの点は考慮して頂きたい、強く要望申上げます。
#47
○委員長(岡本愛祐君) それでは今日はこれで散会いたします。
   午後三時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
   委員
           三木 治朗君
           寺尾  豊君
           藤井 新一君
          深川榮左エ門君
           柏木 庫治君
           小川 久義君
  國務大臣
  國 務 大 臣 木村小左衞門君
  政府委員
   総理廳事務官
   (地方財政委員
   会事務局長)  荻田  保君
  説明員
   総理廳事務官
   (地方財政委員
   会事務局企画課
   長)      奧野 誠亮君
   常任委員会專門
   員       上原 六郎君
ソース: 国立国会図書館
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