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1967/04/25 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 外務委員会 第3号
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1967/04/25 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 外務委員会 第3号

#1
第055回国会 外務委員会 第3号
昭和四十二年四月二十五日(火曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     渋谷 邦彦君     和泉  覚君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     和泉  覚君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤間 文三君
    理 事
                木内 四郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                森 元治郎君
    委 員
                笹森 順造君
                杉原 荒太君
                高橋  衛君
                山本 利壽君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
   政府委員
       外務政務次官   田中 榮一君
       電気通信監理官  畠山 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
   説明員
       外務省条約局参
       事官       高島 益郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○第三次国際すず協定中の誤植の訂正に関する件
○国際電気通信条約及び関係議定書の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
○日本国における経済協力開発機構の特権及び免
 除に関する日本国政府と経済協力開発機構との
 間の協定の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とブラジル合衆国との間の条約の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とニュー・ジーラン
 ドとの間の条約を改正する議定書の締結につい
 て承認を求めるの件(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 まず、御報告をいたします。御承知のとおりに、昨年の第五十一回国会におきまして第三次国際すず協定の締結につき承認をいたしたのでございます。その後、同協定第九条6の規定中に誤植が発見をせられましたために、同協定の寄託国でありまするグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府外務大臣は、昨年の九月の十九日に関係国の政府すべての了承のもとに誤植が訂正された旨の宣言をいたしたのでございます。この宣言を受けまして、本月十八日内閣官房長官から本院事務総長あてに誤植の訂正について了承を求めてまいったのでございます。
 この際に、外務政務次官から誤植の経緯につきまして説明を求めます。政務次官。
#3
○政府委員(田中榮一君) 昨年の第五十一国会で締結について御承認を求めるために提出いたしました第三次国際すず協定のテキストは、同協定の寄託国である英国政府が送付してまいりました認証謄本によって作成したものでありますが、その後、その認証謄本の第九条6項で引用している「第十四条4項」という語は「第十四条9項」の誤植であることが判明したため、協定に署名した諸国の了承のもとに、そのように訂正する旨、英国政府から通報がありました。
 この協定は本年三月二十一日に所定の発効条件を満たして発効することになりましたので、至急公布する必要があり、この際、さきに提出いたしました協定のテキストを認証謄本の正誤に従って訂正することにつき、御了承を得る次第であります。
 以上であります。
#4
○森元治郎君 誤植というのは日本語だけれども、これはちょっと説明してもらおうかな、原文がないので、これは。
#5
○説明員(高島益郎君) ただいま森先生から御質問のございました誤植というのは、イギリス政府からの通報によりますと、エラーということばを使ってございます。この誤植につきましては、イギリス政府から通報のございましたのは昨年の九月十九日でございますけれども、従来の慣行といたしまして、条約は発効と同時に公布するというたてまえになっております。この条約が発効いたしましたのは三月二十一日でございまして、イギリス政府から発効の通知がございましたのは四月の三日でございます。で、これに応じまして、さっそくこの誤植を訂正する手続をとった次第でございますが、たいへんおくれまして申しわけございません。
#6
○羽生三七君 それは間違いあるのなら直すのはけっこうですが、日本ではそれに気がつかなかったのですか。
#7
○説明員(高島益郎君) 実は、この誤植につきましては日本が気がつきましてイギリス政府に通知したものであります。ただ、イギリス政府といたしましては、この事務国でございます関係上、全加盟国の了承を得なければ通報を確認することができなかったため、いままで時間がかかった次第でございます。
#8
○羽生三七君 それで向こうの英文とこっちの日本文と照合するときに気がつかなかったわけですか、日本の外務省では。
#9
○説明員(高島益郎君) 照合いたしまして、翻訳する際に気がついた次第でございます。
#10
○羽生三七君 翻訳する際に気がついたのならば、国会に提出するときに……。おかしいよな。まあいいでしょう。
#11
○森元治郎君 どこがどう違ったのかわからないから、もっと説明してくれよ。条約を持っているからいいけれども、どこがどう違っているのか。
#12
○説明員(高島益郎君) 第三次国際すず協定の第九条に特別寄託という条文がございます。そこの第6項に、「統制期間として宣言されなかった四半期においては、特別寄託は、第十四条4の規定に従うことのみを条件として、その寄託を行なった国が自由に処分することができる。」という規定がございます。この規定は、生産国のすずを特別に寄託することに関しての規定でございまして、この前の第二次国際すず協定でも同様の規定がございまして、全く同趣旨の規定でございまして、それとの関連上十四条4ではどうしてもおかしいということに気がつきまして、さっそく日本政府のほうからイギリス政府に通報した次第でございます。ただ、従来の慣行といたしまして九十日間各国から異議がなかったらこの訂正を了承するというたてまえになっておりまして、日本の通報から九十日間たった九月十九日に各加盟国に対しましてその旨の通報があった次第でございます。もちろん、外務省は国会に提出いたします際に、この点につきましては十分承知していたわけでございますけれども、何ぶん、イギリス政府からの了承なしに、かってにこの点につきまして誤りであるということを確認することができなかったため、その旨特に連絡しなかったわけでございます。
#13
○森元治郎君 それから宣言というのはどういう効果があるのですか。この条約の中の間違いを直すのは宣言によるのでしょう。
#14
○説明員(高島益郎君) 宣言と申しますのは、この条約の寄託国でございますイギリス政府から全加盟国に対しましてこの誤植を訂正する旨を宣言されます。その形式が宣言の形になっております。
#15
○森元治郎君 誤植というのは誤り……誤植なんですか。日本語で言う誤植という字が適当なんですか。何かごまかしみたいな感じがするのだけれども。
#16
○説明員(高島益郎君) これは私どもの解釈といたしましては、全く事務的な誤り、実質的な誤りでなく、事務的な誤りによる誤植というふうに解釈いたしましてそういう訳をつけたわけでございます。
#17
○森元治郎君 われわれが常識的にみんながふだん使っている場合には、何か活字がさかさになったり、木へんが手へんになったりすることを誤植というのだが。これは事務的といいながら内容の誤りなんだな。間違いと言ったほうがいいかもしれない。誤植と言うと、非常に問題を小さくして、カンマがなかったとかピリオドが抜けたとかということを言っているようだが、何かおかしいな、これは。
#18
○説明員(高島益郎君) 私どもこのエラーというのを誤植というふうに考えました理由は、前身であります第二次国際すず協定が引用しております同じ条文につきまして今回特に違ったために、これは全くタイピストのミスタイプ以外に考えようがないというふうに考えた次第でございます。
#19
○森元治郎君 こういうものは少し早く渡しておいてくれないかと思うのだが。渡したのかな。この誤植問題、けさ来て拝見したのですが、大事な問題を事務的にやられると、よほど明敏な頭でも追いつけないのです。だから、残念ながら、作戦のようだが、押えておったか……いやだよ、あとでどうだこうだと言われたときに、お前ら何を審議したかと言われると困るからね。
#20
○羽生三七君 普通ならそれはこの審議するときに、日本としてはこういうことに気がついておるがということを言っておいてくれればよかった。
#21
○政府委員(田中榮一君) こういうことはいまだかつてない手違いでございまして、いろいろ憶測いたしますれば、何かこうそこに意味があるようにも考えられるのでございますが、私どもの考えとしましては、これを、いま高島君から説明がございましたように、あるいはタイピストのミスプリンティングじゃないかというふうに考えておりまして、外務省としては一応向こうから送られましたこの謄本を真剣に研究いたしました結果、どうもこれは誤りではないかということで向こうへ照会をしました結果、結局、これはミスプリンティングであるということが判明したわけでありまして、したがいまして、これを訂正するためにはどうしても英国政府部内の事務局におきまして三カ月間の余裕を置いて、各国にこれを右のように、たとえミスプリントでありましても、一字を訂正するにいたしましても、これを次のように訂正することに異議がないかということを了承を求めるためには、一応三カ月間の時間的な余裕が必要でございます。そしてその三カ月の間に異議の申し立てがないときにはじめてこれがミスプリントであることが確認されまして、それを各国政府にミスプリントであったからということを通知をするわけであります。これによってわがほうとしましては謄本がミスプリントであるということが確認ができたわけでございます。わがほうとしましては、ミスプリントであるということは一応これは事前にはわかっておりますけれども、やはり本部としての確認行為がございませんと、こちらといたしましても、日本だけでこれをミスプリントであるということを断定するわけにまいりませんものでありますから、国際間の行為でありますので、さようなことで国会に対する手続におきましても若干おくれました点につきましてまことに申しわけないと思っております。以上、さような事情でございますので、何ら他意もなく、また、今後再びこうしたことは絶対に起こるまいと考えておりますから、今後は十分ひとつ注意をいたしたいと考えておりますので、何とぞ御了承を願いたいと思います。
#22
○羽生三七君 了承はいいですが、国際すず協定に加盟している国はたくさんあるのですが、イギリス政府とそういう話し合いをしたということは、ただ理事会の所在地がロンドンにあるということからですか、特にイギリス政府ということを言っているのは。
#23
○説明員(高島益郎君) イギリス政府はこの条約の規定によりまして、条約の寄託国政府……。
#24
○木内四郎君 この前の質問で羽生先生が言われた、他意がなかったしということ、よくわかるのだけれども、そういうこと気がついておったならば、非公式でもいいから、この委員会に話しておいてもらったほうがよかったのではないかという点について、やはり外務省として一応釈明しておかれたらいいんじゃないか。
#25
○委員長(赤間文三君) 前にわかっておったら公式でなくても……。
#26
○政府委員(田中榮一君) 今後こういうことがございましたら十分ひとつ皆さんに事前におはかりいたしまして、今後の処置その他につきまして事前にひとつ御了解を求めるように取り計らうようにいたしたいと考えておりますので、御了承願いたいと思います。
#27
○森元治郎君 そうすると、こういう間違いをしたのはだれがしたのだか、男、女のタイピスト、条約局、それは大臣からおしかりでもしたのですか、いや失敬で済んだのですか。
#28
○説明員(高島益郎君) これは事務局内部の問題でございまして、私どものほうではどういう人がどういう間違いを起こしたかということにつきまして事情をつまびらかにいたしません。
#29
○委員長(赤間文三君) それでは、第三次国際すず協定中の誤植の訂正については、これを了承することに御異議ございませんか。
#30
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#31
○委員長(赤間文三君) 次に、国際電気通信条約及び関係議定書の締結について承認を求めるの件、日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 以上四案件を便宜一括して議題に供します。
 まず政府から提案理由の説明を聴取いたします。田中政務次官。
#32
○政府委員(田中榮一君) ただいま議題となりました国際電気通信条約及び関係議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国が連合員となっている国際電気通信連合の基本文書である国際電気通信条約は、通常五、六年ごとに開催される全権委員会議において改正されることになっておりますが、一昨年モントルーで開催された全権委員会議においては昭和三十四年の全権委員会議で作成された条約にかわる新条約が作成されました。新条約は、連合の機構、国際電気通信業務の運用等に関する事項について従来の条約実施の経験にかんがみ、かつ、国際電気通信業務の実情に即応して所要の改善を加えたものであります。また、モントルーの全権委員会議においては、連合員間の紛争の解決を円滑にするため、関係議定書として、紛争の義務的解決に関する選択追加議定書が作成されました。
 わが国は古くより国際電気通信連合の主要な連合員として活躍してまいりましたが、この条約及び関係議定書の当事国となることにより、国際電気通信の分野における国際協力に積極的に寄与することができますとともに、わが国の電気通信業務の伸長発展を期待することができると考えられます。
 次に、日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国は、昭和三十九年四月二十八日に経済協力開発機構に加入いたしましたが、同機構条約は、機構、機構の職員及び機構における加盟国の代表者がわが国において享有すべき特権及び免除についてわが国と同機構との間で協定を結ぶべきことを規定しておりますので、同機構と交渉を行なった結果、本年三月十四日にパリにおいてこの協定の署名及び同協定の規定の適用範囲に関する書簡の交換を行なった次第であります。
 この協定は、機構、機構の職員及び機構における加盟国の代表者が、わが国において、旧欧州経済協力機構条約に付属する第一補足議定書第一条から第十九条までに規定する特権及び免除を享有することを定めているものであり、また、交換公文は、機構の所得に対する課税の免除をわが国の同機構への加入時にさかのぼって認めること並びに自国民に支払われる給与及び手当に対してはわが国の課税権を留保することを規定しております。
 この協定の締結により、わが国と経済協力開発機構との関係が一そう緊密になることが期待される次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とブラジル合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、ブラジルとの間の所得に対する租税に関する二重課税の回避のための条約締結について昭和四十一年八月以来ブラジル政府との間で交渉を行ないました結果最終的合意に達し、昭和四十二年一月二十四日に東京において三木外務大臣とブラジル合衆国マガリヤンエス外務大臣との間でこの条約に署名を行なった次第であります。
 この条約は、本文二十八カ条から成っております。その内容は、わが国が締結しているこの種の租税条約とほぼ同様でありまして、案文について、近年締結しております租税条約と同様にOECDのモデル条約案の規定をできるだけ採用しております。条約の内容のおもなるものは、次のとおりであります。すなわち、相手国内にある支店等の恒久的施設を通じて事業を行なう場合の利得に対する相手国の課税につきましては、これをその恒久的施設に帰属する部分に限るという方式によることとし、船舶、航空機の運用から生ずる所得につきましては、相手国において全額免除としております。また、投資所得に対する源泉地国課税の税率につきましては、親子会社間の配当、公社債等の利子及び使用料はそれぞれ一〇パーセントをこえないものとしております。さらに、政府職員、百八十三日以内の短期滞在者、二年以内の短期滞在の教授及び教員並びに学生及び事業修習者の受け取る報酬や手当等につきましては、滞在地国において課税されないこととしております。また、二重課税の回避は、それぞれの国の税法の規定に基づき、日本国及びブラジル双方において外国税額控除方式により行なうこととしております。
 現在両国間の経済関係は、貿易、技術輸出、企業進出等の諸分野において緊密な問題を保っており、また、文化交流も盛んでありますが、この条約の締結によりまして、両国間の二重課税防止の制度を通じ、経済、技術及び文化の面における交流が一そう促進されるものと期待されます。
 最後に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国とニュー・ジーランドとの間で昭和三十八年一月三十日に署名された所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約は、昭和三十八年一月三十日に署名され、同年四月十九日に発効いたしておりますが、政府は、これを改正する議定書の締結につき昭和四十一年六月以来ニュー・ジーランド政府との間で交渉を行ないました結果最終的合意に達し、昭和四十二年三月二十二日にウエリントンにおいて野見山臨時代理大使とホリオーク外務大臣との間でこの議定書に署名を行なった次第であります。
 この議定書は、条約第五条を改正して、これまで航空機の国際運輸における運用から生ずる所得に対しては相手国において全額免税とすること、また、船舶については所得に対する租税を五〇パーセント軽減することを規定しておりましたところを、航空機のみならず船舶についてもそれらの国際運輸における運用から生ずる所得に対して相手国において全額免税とし、また、航空機、船舶を国際運輸に運用するニュー・ジーランドの企業に対し日本国の住民税及び事業税を免除することを定めております。
 現在、両国間の貿易は年々増加の一途をたどっておりますが、この議定書の締結により両国間の海運関係は、一そう活発化するものと期待されます。よって、ここに条約、協定及び議定書四件の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#33
○委員長(赤間文三君) 次に、補足説明を聴取いたします。畠山電気通信監理官。
#34
○政府委員(畠山一郎君) 国際電気通信条約及び関係議定書の締結について補足説明を申し上げます。
 国際電気通信条約は、国際電気通信連合の機構、運営及び国際電気通信業務の基本的事項を定めた条約でございます。この条約は、従前から慣例によりまして全権委員会議ごとに新しい条約を締結するという形をとってまいりましたが、今回御審議を願っております一昨年のモントルー全権委員会議において締結されました新条約も、昭和三十四年のジュネーブにおいて開催されました全権委員会議においてできました条約の改正ということでございますが、実質的に内容的に改正されましたのは約その一割程度でございます。以下、そのおもな改正点につきまして御説明を申し上げます。
 第一は、主管庁会議に関する改正でございます。主管庁会議は国際電信電話の業務の運用に関すること、あるいは電波の周波数の国際的な割り当てに関すること等を決定するための組織でございますが、従前は、通常主管庁会議、臨時主管庁会議、特別主管庁会議、またその特別主管庁会議の中も業務別、地域別にいろいろ分かれておりまして、相当複雑になっておりましたので、このたび世界主管庁会議及び地域主管庁会議の二種類に整理、簡素化いたしました。
 第二は、管理理事会に関する改正でございます。管理理事会の理事国の数は従前二十五でございましたが、前回のジュネーブの全権委員会議以後、主としてアフリカを中心といたしまして独立国がふえ、国際電気通信連合の加盟国がふえましたので、それに応じまして二十九に理事国の数を増加いたしました。
 次に、国際周波数登録委員会の改正でございます。この国際周波数登録委員会と申しますのは、電波の周波数の国際的な割り当ての承認を確保するための組織でございますが、従前は委員の数が十一人でございましたが、最近の事務の状況から考えまして、五人に減らしてもいいということで、五人に減少することにいたしました。なお、この全権委員会議で日本が推薦いたしました元郵政省電波監理局長の西崎氏がこの委員に当選いたしました。
 次は、プラン委員会の新設でございます。プラン委員会と申しますのは、国際電気通信網に関する一般的な計画を策定するための組織でございますが、このプラン委員会が新しく設置されることとなりました。
 条約の主要な改正点は以上でございます。
 次に、紛争の義務的解決に関する選択追加議定書について申し上げます。仲裁に関する規定は従前からございましたが、仲裁人は両当事国によって選ばれることになっておりまして、一方の当事国が仲裁人を選びませんと仲裁手続が進行しないような状況でございましたので、新しく議定書をつくりまして、いずれか一方の紛争当事国の請求がありました場合には、連合の事務総局長が仲裁人を選ぶこととしまして仲裁手続が円滑に進行するような手続を設けた次第でございます。
 これが紛争の義務的解決に関する追加選択議定書を設置した趣旨でございます。
 以上をもちまして補足説明を終わらせていただきます。
#35
○委員長(赤間文三君) 次に、高島外務参事官。
#36
○説明員(高島益郎君) 最初に、経済協力開発機構の特権及び免除に関します協定につきまして補足説明申し上げます。
 昭和三十九年四月、わが国がいわゆるOECDに加入いたします際に、OECDの特権及び免除につきましては別途協定をもって定める趣旨の約束をしております。今回、この約束に従いましてここに協定を締結することになった次第であります。OECDのほうから、その案といたしまして、最初、国連の特権及び免除に関する協定の案と、もう一つはOECDの前身でございますいわゆるOEECと申しておりますが、これの特権及び免除に関する協定、このいずれをとるか日本にまかせるという趣旨の提案がございまして、わがほうでいろいろ検討いたしました結果、国連の特権、免除はあまりにも広範に過ぎますので、わが国におきますOECDの活動というのはそれほど盛んでもございませんし、実際に特権及び免除を供与するという機会もあまり多くございませんので、後者のOEECの特権及び免除に関する定めに従った次第でございます。したがいまして、特権及び免除の内容は、現在日本が協定によりまして国際連合ないしは専門機関に与えております特権及び免除の内容に比べまして非常に軽減されたものになっております。一例を申し上げますと、たとえば国際連合の場合ですと、暗号とか伝書使とか、あるいは封印袋の使用権というふうなものが認められておりますけれども、これはこのOECDに対しましてはそういう特権は認めてございません。また、加盟国の代表者につきまして、国連の場合ですと、日本ではいかなる項につきましてもいわゆる訴訟手続が免除されておりまして、これが代表者でなくなった後におきましても引き続きその特権を与えることになっております。これを
○ECDでは、そのような特権は、代表者でなくなった後におきましては訴訟手続を認めておらないということでございます。そういうふうに、一般的に国連の特権というものに比べまして軽減された種類の内容の特権の免除を与えている次第でございます。
 この特権の免除の協定に付属いたしまして、別途交換公文を署名しております。この交換公文は二つの内容を定めております。
 一つは、OECDが日本の実は社債を買っておりまして、これを日本人職員――パリで働いております日本人職員が退職した後の資金に充てることになっております。これに対します利子に対しまして、従来わが国で課税の源泉徴収をしてきたわけでございますけれども、これをわが国のOECD加入時にさかのぼりまして、三十九年四月二十八日以降、その税金を還付するということにいたしました。これは本来、日本が加入と同時にこのような種類の協定を締結すべきものであったものが、諸種の事情でおくれた関係上、さかのぼって課税の免除をOECDに対して与えるという趣旨のものでございます。
 第二点は、現在直接関係はございませんけれども、日本人職員に対する課税の免除を留保する。つまり、課税は免除しないという趣旨の規定でございます。現在パリで働いております関係上、この規定は生きてまいりませんが、将来、もしかりに日本にOECDのオフィスができた場合に、そこに働く日本人職員に対しましては日本の国税当局は課税するという権限を留保しておるのでございます。
 以上二点が交換公文の内容でございまして、実はこの交換公文の内容そのものが今回協定を締結する主たる理由でございまして、一般的な特権、免除そのものは、日本でOECDが活動するという機会があまりございませんし、実際に発動する機会はないものと思います。
 次に、ブラジルとの租税条約につきまして補足説明を申し上げます。
 ブラジルとの租税条約は、南米諸国の中では最初に締結いたします租税条約でございまして、お手元に配付してございます「わが国とブラジル国との間の経済関係の現況」という二枚ほどの紙がございます。で、このペーパーで御承知のように、日本のブラジルにおきます経済活動は非常に盛んでございまして、たとえば資本取引におきましても、それから企業進出におきましても、船舶の往来におきましても、特にわが国だけがブラジルに対して進出しております。したがいまして、こういう企業活動あるいは資本活動につきまして、租税の徴収についての取りきめをするということは非常に急がれていたわけでございますけれども、ブラジルにとりましては、このような租税条約を結ぶことによって税収が減る結果になるような条約につきましてあまり乗り気でございませんで、わが国が尽した結果、やっと本年一月署名の運びになった次第でございます。
 おもな内容につきましては、先ほど提案理由説明の中にございましたとおりでございますけれども、特にこの条約で特色がございますのは、わが国の投資活動を非常に促進するという効果をねらった規定が若干ございます。これは、本来ですと、日本の投資活動、特にブラジルの会社の株式を買ったりあるいは公社債を買ったりした場合の配当ないしは利子、それから日本が提供いたしますいろいろな特許権その他のロイアルティの問題でございますけれども、これにつきましては、ブラジルでは、本来二七・五%の税率が課されます。しかし、この条約を結ぶことによりまして一〇%以下に軽減するという定めになっております。したがいまして、わが国の企業がブラジルに対しまして投資活動をした場合に払わなければならない税金が、二七・五%から一〇%以下に減少するという結果になるわけでございます。
 それからまた、二重課税の回避のための方法といたしまして、先ほど説明がございましたとおり、いわゆる外国税額の控除方式ということになっておりまして、日本の企業がブラジルで支払った税額は、日本で課税する場合に控除するたてまえでございます。その場合、たとえば、いま申しました投資所得の税率は一〇%以下でございますけれども、二七・五%払ったものとみなしてその分だけ控除する。つまり、日本の企業がそれだけ優遇されるわけでございます。それが、直接ではございませんが、間接効果といたしまして、日本の企業のブラジルへの進出あるいは日本の投資活動が促進されるという効果が期待されるわけでございます。
 なお、日本の企業の盛んに進出しております、あるいは日本との経済関係が密接でございますその他の南米諸国、たとえばアルゼンチン、チリー、ペルー等には、現在このような同じような種類の租税条約の締結につきまして交渉中でございます。
 最後にニュー・ジーランドとの租税条約の改正議定書につきまして補足説明を申し上げます。
 OECDのモデル条約によりますと、船舶及び航空機の所得に対する租税につきましては相互に免除するというのがたてまえでございます。ところが、ニュー・ジーランドの場合のように、外国貿易の大部分を外国船舶に依存しておる国につきましては、相互免除と申しましても、結果的に一方的な免除になりまして、非常に不利な取り扱いになります関係上、三十八年に現条約を批准する際に、ニュー・ジーランドの要求によりまして、わが国も五〇%だけの税率の軽減を認めたわけでございます。しかし、最近ニュー・ジーランドはイギリスと新しい租税条約を結びまして、イギリスとの間には船舶及び航空機の所得に対する課税につきましては、相互に免除する約束をしてしまった関係から、わが方に対しましても、この条約をイギリスと同様に改める用意があるという提案がございまして、わがほうはきん然これを受諾し、イギリスと同様に、船舶及び航空機に対する課税を相互に免除するという定めにしたわけでございます。それが改正の内容でございます。とは申しましても、実際にニュー・ジーランドからわが方に入ります航空機はもちろん船舶もございませんので、一方的にわが方の船舶会社がニュー・ジーランドに対して税金を払わなくても済むという結果になるわけであります。
 お手元に配ってございます「わが国とニュー・ジーランドとの間の経済関係の現況」の二枚の紙の一番最後にございますが、従来わが国の船舶関係の会社は六四年に四千万円、それから一昨年――六五年には四千九百万円、約五千万円をニュー・ジーランドへ納めておりますが、今後は、この議定書が発効いたしますと、この額はニュー・ジーランドに対して支払う必要がなくなる結果になる次第でございます。
 簡単でございますが……。
#37
○委員長(赤間文三君) 以上をもちまして説明は終了いたしました。
 これらの案件に対する自後の審査は後日に譲ることといたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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