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1949/05/14 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第16号
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1949/05/14 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 地方行政委員会 第16号

#1
第005回国会 地方行政委員会 第16号
昭和二十四年五月十四日(土曜日)
   午後一時四十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
○シャウプ博士との会見に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 今日の議題は、地方税法の一部を改正する法律案、これを先ず予備審査をいたします。木村國務大臣は迫つて見えますが、山村政府委員から見えておりますから御質疑をお願いいたします。
#3
○西郷吉之助君 大臣がお見えになる前に地方税法の改正につきましていろいろお伺いいたしたいと思いますが、第一点として伺いたいと思いますが、百三十四條の二という今度新たに追加される入場税のところでありますが、そのところに「市町村民税の標準賦課総額の見込額に政令で定める率を乘じた額をこえる市町村」というその点なんでありますが、実はその改正案の趣旨は、例えば兵庫縣の宝塚というふうなああいうふうな特殊な市町村において入場税賦課税の收入が必要な程度以上に非常な多額に上りまして、宝塚の存在するあの村におきましては、年額千四万円というが、これらの市町村に対しまして、道府縣がその賦課率を制限しようとするものでありまするけれども、この百三十四條の二の新らしい改正案によれば、これらの適用を受けますところの市町村は、只今申上げました二の前文の「市町村民税の標準賦課総額の見込額に政令で定める率を乘じた額をこえる市町村」となつておりまして、どういうふうな市町村がこれに該当するかというふうなことが、この條文でははつきりしておりませんし、そうしてこの新らしい改正案に、政令で定めるとなつておりまして、全く政令に一方的に一任されておるというようなふうになつております。併しながら、かような市町村の自治に対しまして制限するようなことは、これは重大な問題であるのみならず、一方的に禁止的制限でありますから、こういうようなものは、單にこの條文に政令で決めるというようなことでなく、これは立法事項でありますから、この改正案にその政令の定めるところの倍率をこの條文中に明確に規定することが適当ではないかと考えるのであります。よつて百三十四條の二、その政令の問題でありますが。こういうような倍率はどういうようなことになるのか、又只今私が申しました、こういうような政令に一方的に一任して、市町村の自治権に非常に重大な制限を加えるようなものは、ここにこの倍率だけをこの條文のあとに明確に載せて置くことが妥当でありはしないかと思うのでありますが、その点につきまして、御意見を伺いたいと思います。
#4
○政府委員(山村章君) お答えいたします。百三十四條のこの、今回の立法趣旨はさような御質問の通りの意味でありまして、非常に入場税が高く、收入が多くて、個々の市町村としては、入場税の收入で殆んど財政收支が賄われて、外の税收は減税してもいいというような極端な制限をする趣旨で設けたものでございます。ただその限度をどうするかということは、この入場税が地方に委譲された本來の性質は、地方自治体警察、これの財源を中心として委讓した次第でございます。この率は政令で、地方自治体警察の経費になるというものが、普通税收入の何割程度となるかということを公共團体で調べまして、その限度において制限したらいいだろうと、こう考えております。それからこれを法律に規定せずして、政令で規定するのは、入場税がこんな重大なものであるのに、政令で規定するのはおかしいではないかと、こういうことでございますが、これは入場税を制限したものは、これは府縣が取るのじやないのでございまして、再び返済するのでございます。市町村間の不均衡を調整いたしますために、縣で一應集めて、その他の市町村に合理的に配分するのでございますから、当該市町村の收入は減りますが、その縣内の外の市村村で、その入場税で自治体警察を賄われておらんような所に配分されるのであります。こういう性質からこれを政令に讓つたわけであります。
#5
○西郷吉之助君 只今の御答弁も趣旨は分るのでありまするが、実は私は今申上げましたような趣旨で、こういうふうに政令によりまして法律に明記しないで、そうして実は地方の自治権に重大な禁止、又は制限を加えるのでありますから、こういうふうに実際に今言われたように都道府県で取るのではなく、取つたものを各市町村の財政の援助に充てるというような、その結果については分るのでありますが、そういうようなことをするについても、國家は地方公共團体の自治の向上ということに苦心されておる際でありまするから、例えば宝塚とか、西宮の球場とか、そういうような小さい村が何千万円かの收入を得るということもありますが、それは結構なことであつて、できるならば各市町村ともそういうように裕かな財政になつて欲しいというのが我々の理想でありまするが、又政府もそういうように考えられると思うのでありまするが、たまたまそういうようなことがあつても、こういうようなことは都道府縣が取るのではないけれども、実際はそういうふうなことをする上からは、実際の上からはその收入を得ておる所では重大なことであつて、そういうようなことが又昔に逆戻りするようなことであつては、地方公共團体の自治ということの発展が極めて覚束ないものになると思います。例えばそういうような特殊な所において非常に財政收入がいいと、あり余つておるということは非常にいいことでありまして、そういうようなふうに外の市町村もならなければならんと思うのでありますが、現実にはそれはなかなかむつかしいことでありますが、そういうふうな特殊の場合に、これを結局取上げるのでありますから、そういうふうなことは一方的政令によつて禁止することなく、こういうようなことはただ單なる手続ではないのでありますから、こういうふうな改正案の中にはつきりと明確にその倍率を規定してここに載せて置くというふうなことがベターではないか、さように私は考えまするが、その点について今一度政府の所信を質して置きたいと思います。
#6
○政府委員(荻田保君) これは市町村の重要な財源に関することでありますから、成るべく法律に書きたいのでありますけれども、ただこれもこの個々の市町村につきましてはともかくといたしまして、市町村対府縣の問題といたしましては、先程山村次長から申上げましたように、府縣がこれを取切つてしまうのではなくて、どうしても市町村に返さなければならんのであります。從いまして何も府縣が制限いたしましても、自分の利益になるのではないのでありますから、そう無理なことはいたさないと思います。それでまあ政令に讓つたわけでありますが、その外に政令に讓らなければならん理由は、このような入場税の收入が幾らあるかということは常時動いておる問題でありますし、又これが多いか少ないかを比較いたしまするその歳出の問題、殊に警察費の問題等も、最近のように物價の変動等がたびたびあると、給與ベースも時々変るというような場合においては、法律を以て固定いたしますと、非常に不合理なことが起る、又一面始めての制度でありまするので、相当研究しながらこれを決定して行かなければなりませんので、そういう関係も考慮いたしまして、政令に讓つた次第であります。
#7
○西郷吉之助君 只今の点は、私もその地方自治の発達ということにおいて非常に重大なことであると思うので、重ねてしつこいようでありますが、伺つておきたいのであります。誠に地方財政当局の御答弁も私には実によく分るのでありまするが、こういうふうな、例えばこの間の配付税の問題につきましても、あの場合においては、ちやんと法律で規定してあるものを、大藏当局が勝手に自分の都合のいいように解釈して、國家と地方の財政の調和を破り、その時の國家財政を糊塗せんがために、その負担を一方的に地方に掛けるというような事実も先般起つたんでありまするが、そういうように法律に明記してあつても、そういうふうなことをやるものもあるのでありますから、こういうふうに政令の運用の際に、そういうように、非常に地方公共團体のために、非常を愛情を以て当局が運用されれば非常に結構であると思うのでありますが、例えば配付税の場合には法律で明記してあつても、それをその年度々々、勝手に自由に上下するというようなことができるということを事実やつたのでありますから、ああいうふうなことを見まして、私も大藏大臣にその点を大いに質問したのでありまするが、そういうことはできるというようなことの御見解であつたので、私は誠に遺憾に思つたので、法律に明記してあつてもそういうことがあつたのであります。政令で定めるということは必ずしもいかんということではありませんが、そういうふうなことは非常に自治体の発達の上にも、又そういうふうな運営もよろしきを得なければ非常な弊害も起るのでありますから、できることならば、こういうふうな改正案の際に、その政令の倍率を明記して置くということが、例えばはその倍率を一定に規定しなくても、それが勘案できるような余裕を持つた倍率をここに載せて置くことがむしろいいんじやないかというふうにすれば、はつきり分るのでありますから、そうして明確に、こういうふうなことはあり得るということを明確に示して置くというようなことが、單に政令で一方的にやるよりはいいと思いますが、これ以上私はこの点について追求もいたしません、又財政当局の御衷情もよく分ります。ただ重ねてそれではその政令、財政当局がお考えになつておりますところの政令の内容でありますが、その倍率について大体どういうふうな恰好になるかということをちよつと伺いたいと思います。
#8
○政府委員(荻田保君) 只今西郷委員のおつしやいましたこと、誠に御尤もだと思いますが、先程も申しましたように卒直に申しまして始めての制度でありまするので、まだ研究も十分積んでおりませんので、運用しつついろいろと改正をしたいと考えておりますので、差当りは政令に讓りたい、而もその政令は只今おつしやつておりますように、配付税の額の問題のように日本國家全体の大問題でもございません、地方團体内部の問題でもありまするから、これはまあ政令でございますが、地方財政委員会、或いは新たにできまする地方自治廳において決めることができるわけです。その際においては地方團体の代表者を以て組織されまする財政委員会なり地方自治委員会会議というものにおいて審議されますので、そう國の勝手にとやかくするということは起らないと思います。併しおつしやいましたことは誠に御尤もであると思いますので、運用しておる間におのずからはつきりした革新的なものができますれば、そういう際には或いは法律に掲げても不安のない場合が出るだろうと思います。それはそのときのことにいたした方がいいのではないかと考えております。それから現在研究の結果大体考えております政令の改正案といたしましては、大体市を、人口五十万以上の市、つまり六大都市と、それから人口十万以上の市、中都市と、それからその他の市、小都市と、それから町村を警察のある町村と、ない町村、こう五つの段階に区別いたしまして、それぞれ上より五倍、四倍、三倍、二倍、一倍、これくらいの率を以て決めたいと考えております。
#9
○西郷吉之助君 今地方税法の質疑中でありまするが、丁度國務大臣がお見えになりましたので、この地方税法の質疑を中途に打切つて頂きまして発言したいと思いますが、よろしうございますか。
#10
○委員長(岡本愛祐君) 西郷君から、國務大臣が出席されておる機会に、重要なことについて質問をいたしたいというので、一時この地方税法の一部を改正する法律案の審議を中止して頂きたいという動議が出ましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(岡本愛祐君) それでは一時中止することにいたしまして、西郷君の発言を許します。
#12
○西郷吉之助君 この前二十四年度予算並びに地方配付税の法案が提出されました際から非常に懸案となつておりましたところのシヤウプ博士が先般來朝されましたので、その際聞くところによれば木村國務大臣の大藏大臣並びに安本長官と同道されまして、親しくシヤウプ博士と御懇談相成つてように存じますので、殊にその御会見の内容の中地方財政に関しまする分につきまして、特にその点につきましては、本委員会の我々といたしましても非常に関心を持つておる問題でありまするが、できるだけざつくばらんに内容をお話願いたいと思います。
#13
○國務大臣(木村小左衞門君) 西郷委員の御質問は誠に時宜に即應いたしましたる重大なる御質問であると考えまして、私共誠意を以てお答えを申上げようと思つております。シヤウプ博士が來朝いたしましたその翌朝通達がありまして、一昨日でございます。大藏大臣、安本長官、官房長官並びに私に面会がいたしたい、但し今日の面会はこれから度々折衝を重ねなければならんところの、諸君がポストであるから、ほんの顔を見知り合うところの、日本でいえば、言わば顔緊ぎだけのことである、三十分間を以て終了するようにお出でを願いたい、こういうことでありました。從いまして私共も相当この会見につきましては準備いたしております陳情の内容もありましたけれども、そういう証拠書類というか、その材料を携帶いたしませんで、ただ挨拶のために行くことにいたしまして、シヤウプ博士並びにその從員五名であつたと思いますが、まだあとから三名未着の人があつたそうであります。これに一堂に会しまして面会をいたしました。最初そういう心組で面会いたしましたけれども、会つて見ますると非常によいチヤンスでありまして、世間話をして暇を告げるだけでは誠に無駄であると思いまして、私はこういう機会を取上げて、先ず第一印象に地方財政のことを深く最初にいうて置かなければなりませんと思いましたから、概畧只今申上げるようなことを許を得ましてシヤウプ博士に話して置きました。
 その大体の要点は、「私の担当する地方財政の問題は民主的改革、経済再建にも最も深い関係を持つものであります。その解決にいろいろ努力して來たのでありますが、甚だ遺憾であるが十分なる只今まで成果を得られないことは誠にお恥かしい次第であります。今回貴使節團の御來朝を機会に、こういうふうな私の力に及ばないところの問題を解決できるものであると私は期待いたしまして誠に衷心から喜んでおるような次第であります。地方財政の現状につきまして、地方財政の問題は、一面において國庫財政と共に経済に関する重要問題でありますし、他面においては地方問題の基礎を解決するところの、いわゆる國是の基本をなすべきところの問題でもあります。從來明治以來の日本のやり方というのは、御承知のように國民すべての指導精神というものは、富國強兵というような指導精神において引摺られて参りました。從つて富國強兵を昂進させて行く上においては、中央のいわゆる專制的な中央集権で行われて來た、その中央集権の來たるところは政治経済すべてがこれに包含されておりまする関係から、只今のごとき誠に冷嚴なる敗戰の日本が憂き目を見て地上に呻吟しておりまするのも、この中央集権の結果に外ならんのであります。この中央集権の結果そのために地方財政に及ぼすところの深甚なるところの影響は、その惰性が今でも滲透しておりまして、昨年來完全なる地方公共團体の独立を図つて地方自治の完璧を期待したつもりでありまするけれども、ただ法文の上においてこれが作成せられた作文のみでありまして、又一方では地方財政、地方税法というようなものも愼重な審議の上でこういう法律を確立しておりまするけれども、先刻申しました通りこの運営に至りましてはまだ中央集権というような形が抜けない、國と地方というものが、まるで地方が國に隷属しておるというように形になつておるということを、最初においてシャウプ博士の頭の中に深く入れておいて頂きたい、國の地方というものは、これは個々のものではない、二者不可分の関係にあるところの國家経済である、從つて地方財政も国の財政も均分的なものである、両々相俟つて始めて完璧を來たすものであるということは、これは論を俟たない次第でありまするが、この点は長い間の惰性によつてまだ國民の頭にも十分理解されておらないが、列席の閣僚諸公に向つて口はばつたいことであるが、まだ中央政府においても十分にこれが滲透しておらんように私は考えます。よつて、今日はこういうことを申上げるつもりではなかつた、ただ御挨拶に伺うということの御趣旨でもあるし、そういう機会ではないと思いまするが、私の誠意の隘るるところをこのチャンスを捉えてフアスト・インプレッションに、使節一行にこのことを頭に入れておいて頂くために敢て申上げる次第であります。詳細は、いずれ私共の方で準備いたしておりまする詳細な資料を提出いたすつもりでありますから、その提出によつて御審議をお願いいたしたいと思います。尚お手許にもいろいろと材料をお持ちのことと思いまするから、総合して我々の期待に副うように、勝手でありまするが、どうぞ十分なる御檢討をお願いいたしたいということを切望して止まんところであります。」
 大要そういうようなことを申述べておきました。シヤウプ博士も、「よく分りました、我々が参りますまでも、考慮しないではありません」というようなことでありまして、尚「地方財政については、これからも机の上だけの調査はいたしません。これから各公共團体もずつと廻つて、各地方を廻つて見て、十分な調査をするつもりであります」と、こういう回答を得ました。それで私共地財委におきまして、提出します材料を今作つておりますが、これは実は閣議にも掛けませんような案であります。というのは、閣議に掛けますというと、又いろいろ時間が掛かります。甲論乙駁し、これはどうも地方財政のことを言うと、從つて國の財政の方に大分関係が多いものでありますから、なかなか閣議に掛けて決まつたものを持ち出すというようなことは、地財委の方でも言いかねますし、又大藏省の方でも安本の方でもそういう態度をとりませんから、私も地財委の委員長としての國務大臣木村小左衞門の意見としましてこれを提出するつもりでおります。只今飜訳をいたしておりまするが、大体の大網につきまして一應御説明いたします。一昨晩も地財委の委員は九時過ぎまで掛かりまして、いろいろ推敲に推敲を重ねまして、数十回の会合をいたして成案を得ましたのであります。これは実は衆議院では内意を得ておることでありましたけれども、まだ成案になつておりませんので、昨日千葉委員から詳細に質問の要求がありましたが申上げませんでありましたが、ここで一應御報告いたしますことがよかろうと思います。ここにプリントがありますから、これを政府委員から一つ内容だけずつと御説明申上げます。
#14
○政府委員(荻田保君) 先ず地方財政の現状につきましての報告でありまするが、第一に、地方財政は一つは財政問題として経済問題の重要問題である。第二には、この地方自治の基礎をなすものであつて、政治行政の組織に関する大きな問題である、そこで先ず後の方の地方自治の現状について申上げますと、先程大臣のおちしやいましたと同じように、明治以來の中央集権的な考えが、未だに拂拭されていないのであります。地方自治の現状が、民主主義國家にふさわしいとは言い難い、こういう状態にあるということを先ず述べて、次に地方財政の現状といたしましては、今地方自治そのものに対する十分な尊重の念がないということと、もう一つには経済九原則により財政を健全化しようという精神が、いろいろな方面において現われようとしておるけれども、何といつても國の財政自身を健全化するという点に重点がおかれて、地方財政の点まで未だ及んでいないことが遺憾である。その状態を簡單にいえば、與えられたる税源が不足しておるので、地方の予算経理が非常にむずかしい、從つてこれを賄うについて、地方税の課率を急激に引上げをしたり、或いは零細な税種を漁つておる、又地方債を相当に発行しなければならないようになつておる、又地方自体の財源が不足しているから、何か仕事をしようとすれば、國庫補助金に頼る他に仕方がない、更にそれでも財源が不足しておるので、好ましい方法ではないけれども、地方團体が負担すべき経費を他の團体に転嫁したり、或いは住民から直接労役の提供を受けて処理したり、或いは強制的な寄附金を募集したり、甚だしきは翌年度の歳入を繰上げて使つたりしておる、從つて地方財政には自立性がなく、國に依存する度合が少くない、如何に行政制度に対する改革を行なつても、地方自治の強化は挙つていない、そこで地方財政改革のためにいろいろな処置を講じなければならないけれども、差当りここには税制以外のことは省畧する。そこで本論に入りまして、地方税の現状について述べておりまするが、先ず地方税の総額が不足しておる、次に地方税に強力な財源が欠けておる、それから地方税の中には負担過重と思われる税が多い、そういう点が現在の地方税制の欠陷である、それでこれを改革するのにはどうしたらよいか、具体案はございませんけれども、方向につきまして述べております。それは第一に地方税の総額を増額しなければいけない、配付税を平年度の法定率によつて計算しても、現行制度では二千五百億円の地方税收入が入るが、併しこの額では今まで述べたような事由により、地方財政を円滑に運用するには不足しておる、從つてこれを増額しなければならん、況んや本年度は一千百余億入るべき配付税を、國の都合により半減しておる、その結果地方財政税源が不足しておる、從つて差当り本年度中においては、少くともこの額では、何らかの措置を講じて増額しなければいけない、元へ戻さなければいけない、次に地方税を拡張するとすればどうなる、國民負担がむしろ極限以上に達しておる現状に鑑み、國民負担をこれ以上増すという方法において地方税を殖やすことはできない、從つて國と地方の配合を改める方向へ持つて行かなければならない、そこでどういう税において、そのような方法を講じたらよいか、租税を所得税、收益税、消費税、流通税の四つに分類することが通説になつておりますが、その中收益税はもうすでに現代においては價値の少ないものになつておる、流通税につきましてはむしろ新らしい種目でありまするけれども、我が國においては取引高税を創設して見たけれどもよい結果を得ていない、從つてどうしても所得税と消費税において拡張を考えなければいけない、併しその中所得税については國税として、所得税及び法人税の二つができておる、これは形は國税であるけれども、その三分の一程度は配付税として地方の財源となつておる、又地方財源中にも、住民税という所得税とも目すべきものがあるのでありまするから、この両者を合せれば先づ所得税についての國と地方の分配はこの程度で満足すべきであろう、欠けておるのは消費税の分け方が不均衡である点である、殊に消費税中最も多額を占めまする酒及び煙草に対するものが、殆んど國の独占されておるところに、地方税の欠陷があるから、どうしても地方に酒、煙草の消費税を作る、或いは現在あります酒の消費税を増額しなければならない、それから現在の税負担の中に不均衡に高いものがあるから、これは下げなければならない。ただそれには代りの財源を要するから、他に増税し得るものがあればそれでもよいけれども、そうでなければ経済に回復を待つて、自然増收の多額に期待される時まで待たなければならない。その税は例示的に事業税以下の税が考えられる、尚その他に法定税目から除外しても然るべきものがある、最後に地方の徴税機構を整備して徴税事務の能率化を図らなければならない、こういうことが先程大臣の申されました地方財政委員会の委員長としての御意見として、向うに報告される予定になつておまりす。
#15
○委員長(岡本愛祐君) 只今の御説明に対して、御質問がありましたらお願いいたします。
#16
○島村軍次君 地方税法改正に関して、木村大臣のこの前の配付税における際の御答弁から推測いたしまして、一部の改正案の関する今回の措置に対する根本的な考え方を承りたいと思つておつたのでありますが、只今その大要を御説明になつて大体の地方財政当局としてのお考えは了解することができたのでありますが、手つ取り早く簡明に二、三点についてお伺いいたしたいと思います。中央集権的な財政措置であるということに対して、この是正をするために消費税の不均衡を是正するということに対するお考えは、一應説明を承つたのでありますが、現在徴收されておる各税の中独立税として創設をするか、又は國が取つておる收益税等の中、地方へ委讓すべき問題に対する税目についてのお考えがあるかないか、その点を一つ伺つた置きたいと思います。
#17
○政府委員(荻田保君) 只今お述べになりましたのは、收益税で地方に移すものがあるかということですね。
#18
○島村軍次君 そうです。
#19
○政府委員(荻田保君) 現在國税におきまして收益税というものは全然ないのでございます。
#20
○島村軍次君 所得税、收益的な所得税のごとき意味で……
#21
○政府委員(荻田保君) 所得税につきましては、先程読み上げました中にもございますように、恰好は所得税及整法人税として國税で取つておりますけれども、その中に三三・一四%というものは地方配付税であるのであります。これは元來地方の税である、ただこれが今年は都合により削減されましたことは、極めて遺憾でありますが、本質的には地方の税であります。從つて少くとも所得税、法人税に関する限りは三分の一は地方税であります。尚地方に住民がございます。これは先ず所得税と見ますれば、大体総体として所得税は半々ぐらいに分けられておる、從つてこの程度で十分ではないか、從つて所得税、收益税系統のものにおきましては、地方に分けるというようなものはないのじやないかと、こう考えます。
#22
○島村軍次君 そこで地方の独立税として、創設するものについての何らか具体的な案をお持ちかどうか、この点を伺つておきたいと思います。
#23
○政府委員(荻田保君) 現在國税に残つております課目は、本当に十年後でありまして、殆んどこれを地方に移すというようなものはないと思いますが、ただ先程申上げましたように消費税といたしましては、國と地方の分け方が不均衡であるから、この一部を地方に委讓されたい、つまり形は酒消費税の増率及整新たに煙草消費税の創設、こういうような問題におきまして、この点を解決したいというように考えるのであります。
#24
○島村軍次君 國務大臣の説明に対する質問は、これで一應打切られまして、地方税法一部改正に関する全体についての問題に移つて頂いて、質疑を続行いたしたいと思います。
  ―――――――――――――
#25
○委員長(岡本愛祐君) シヤウプ博士との会見につきましての國務大臣の御説明に対して、他に御質疑ございませんか。御質疑ございませんでしたら、以前に帰りまして地方税法の一部を改正する法律案についての審議に戻ります。
#26
○西郷吉之助君 では先程に引続いて、もう一点入場税について質問したいと思います。第七十五條のところでありますが、今回の政府の改正案によりまして、この入場税の課税対象が細かく第一種より第四種に詳細に区分せられておるのでありまして、その内第一種、第三種につきましては百分の百五十、第二種、第四種については百分の六十と本税、附加税合せてそういうふうなことになつておりまするが、その内で私は第二種に属しまする課税対象となつておりますものについて質疑したいと思うのであります。改正前のこの條文におきましてはこの第二種に挙げられました対象物は展覽会場、遊園地その他これに類する場所と相成つておつたのを、第二種の中にこういうふうに博物館とか、動物園を細かく課税対象を挙げられましたそれに百分の六十という課税標準を決められたのでありますが、かように細かく分けられまして、そうしてできるだけ取れるものは入場料を取つて枯渇しておるところの地方財政に資したいという、その当局の御努力に対しましては、私も十分敬意を表するのでありますが、この第二種の一、二の対象物でありまするが、例えばそのうちの第一にある博物館であるとか、二番目の動物園等、これらのものにつきましては、從來は先程申上げました通り明記してなかつたので、これらのものにつきましては特に我が國が目下文化國家といたしまして、再建の途上にあり、学生生徒、そういうふうなものが博物館とか動物園等に参りまして実際に見学の上教育の資料を得、青少年が文化國家に貢献するように、そういうふうな希望を持つてそういうふうなところに多数参つておるような現状でありますが、今回の改正によりまして、この第二種の明記せられておる結果、その課税対象がはつきりし、そうして課税率もここに明記せられるように結果、行く者が只今のような学生生徒でありまして、百分の六十という入場税を拂うということが小さい者にとりましてはなかなかの負担となるのでありまして、又その結果、或いは行けた者も行けなくなるというふうなことがあつては文化國家の再建というような意味から考えますと、地方税の財源ということも重要ではありますが、一方に教育の資料を得るためにそういうふうに見学に行く者にとりましては非常な過重となり、又文化國家の再建というものに障害を來たすような結果に相成りはせんかということを虞れる者でありまして、これが今日そういうふうに動物園とか博物館等に課税されるということが段々分つて参りまして或いは陳情となり非常な関心を持つてこの審議の経過を見ておるようでありますが、この点につきまして、できることならばこういうふうな材源を得てそうして地方の財源を豊富にする点は誠に必要ではありますが、只今申上げましたような誠に忍び得ざる文化の上、又教育の上につきましては非常に必要なものでもありますので、それらの入場者に対しまして、かような百分の六十という入場税を取るということは誠に忍び得ざるものがあると思う、これらの点につきましては、何んとか政府におかれましてはこの運用について緩急よろしきを得るような方法をとられたら非常によいのではないかと思うのでありますが、この点につきまして卒直に一つ御意見を承りたいと思います。
#27
○委員長(岡本愛祐君) 尚各委員に申上げますが、木村國務大臣は只今衆議院の地方行政委員会が開会いたしておりまして、その方に三時においでになりますから、國務大臣の答弁を要求せられる御質疑につきましては三時までにお願いいたしたいと思います。
#28
○國務大臣(木村小左衞門君) 西郷委員の御質問は大変この頃やかましい問題になつておるのであります。文部委員会でもこれが問題になりまして、衆議院の地方財政委員会でもそういう文部委員会の意見が述べられております。私は見ませんが、今ここへ参りましてから聞きますると今日の読賣新聞の論説にも論じてあるらしいのです。これは誠に御尤もなことでありまするが、これは立案いたしましたのは、この精神は、そういう税を取るということで立案したのではありませんで、非常に善意に便宜を與えるという意味でこれは立案したのであります、と申しまするのは、現行法では細かい額を一一指定して、入場税にどれどれを以てどれどれの税額を課するというような細目についての仕上げの規定がない、ただ入場税は十五割取るということだけでありまして、若し地方財政が窮地に立ちまして、俗の言葉で申しますれば、どうもこうもならん、さつちもならんという時には博物館でも、動物園でも、そういうような公共施設の、いわゆる文化施設、学術研究のようなものにおいてやはり入場には違いないから十五割取られると大変だ、この法文に規定して置かんと、取られるのだ、それではいけないから、今度は細目に分けて取らないということはどうも作文の税法の上で、どうしても特例を設けるより外はないのだから、最高限度六割しか取れない、こういうふうに規定した、非常な善意に発案をいたしました法文でありまして、お説のごとき言葉がありまするので、当該関係の團体に向つてこちらからも指令を出しておるのであります。成るべくこの條文の最初にありますように、成るべく公共のものについて課税を免除することができるようになります。その法文を適用して、これまでも十五割というふうになつておるものを取らない、東京でも大阪でも名古屋でもあつたようであります。その六割は大体最高限度を示したもので、公共、公益設備、これは最も第一義的なものとしてこれを取らないように一つ指令をいたしますつもりでございまするから御安心を願いたいのであります。大体そういうわけであります。
#29
○委員長(岡本愛祐君) 只今西郷君の御質問の趣旨の陳情書が当委員会に提出されております。財團法人、日本博物館協会、日本動物園水族館協会、財團法人東京動物園協会、財團法人科学博物館後援会、日本植物園協会から一通、もう一つ全國教育研究所連盟連絡協議会からも陳情が出ております。
#30
○西郷吉之助君 只今の木村國務大臣の御説明は御説明といたしました誠に了承するのでありまするが、只今申上げましたように、小國民が非常にそういうふうな課税をされるというようなことを小さい者までも非常に今日は心配しておるような現状でありまするから、國務大臣におかれましては、そういうふうなものに対しまして十分愛情を披瀝されまして、何かの機会にそういうふうなものではないのだというふうなことを一つ談話の形式なりでお示し願うと、小さいものが非常に喜ぶのではないかと私は考えますので、御参考のためにそういうふうな希望條件を申上げて置きます。
#31
○國務大臣(木村小左衞門君) 十分に了承いたしました。早速やるつもりでございますから、法律案が通りますれば直ぐ声明書を出します。
#32
○深川榮左エ門君 甚だ相済まないのですが、先つきのシヤウプ博士に対する地財の意向に纏まりました点につきまして、ちよつと御質問申上げてみたいと思います。――それではお許しを得まして、大臣にちよつとお伺いいたしたいと思いますが、先般地方配付税の問題につきまして、この委員会の御答弁の時に、地方としてはどうしても將來いい政治を確立しなければいけないというので、所得税或いは営業税の附加税を地方に創設したらどうだろうかというような御意見が大村大臣の御意向として言われたと思つておりますが、只今の地財のお言葉によりますと、所得税はもう殆んどこれは地方と中央と半々くらいに相成つておるので、消費税において地方と中央との配分の均等を得たいというような意見が今度地財からのシヤウプ博士に申出られるように考えるのでありますが、先般申されましたが、所得税及び営業税の附加税を創設して地方の自治体の税制確立をもう少し強固にしたいというようなお考えはあられるかどうかというような意味を一つ大臣から御返答をお願いいたします。
#33
○國務大臣(木村小左衞門君) 深川委員の御質問その通りでありまして、その当時には地財委員会のあれは私だけの私見で申上げたのではありませんで、地方財政委員会の意向がそういう意向で、地方財政を独立させるにはどうしても所得税と法人税の附加税を元へ戻して全面的に附加税だけでやるということは普遍的に厚薄がある、その一部を配付税に掛けて、一部を又附加税に戻そうというような案を持つておりました。その通り申上げたことは事実であります。その後いろいろ愼重に愼重を重ねまして、今度は何としても本当の確固たるところの動かすべからざる不動のものをシヤウプ博士の來朝を機会に作つて置かなければならんという信念の下に、非常に愼重に檢討、研究いたしました結果が次のようなことに只今までのところ……、又変更せざるを得んかも知れませんが、只今のところの構想は次のように考えております。これは一つ政府委員から詳細に御報告いたします。
#34
○政府委員(荻田保君) 先程も申上げましたように、いわゆる廣い意味の所得税を國と地方とで均分に分けなければいけない、現状を見ますと、先程申上げましたように、大体量の問題としては均分に分れておるのでございます。これで満足すべきであろう、然らば形の問題はどうするか、これはいろいろな形があると思います。國税として取つてしまつて、それを配付税として一部地方に還元するということ、もう一つは所得税附加税で取る場合、第三には地方に独立的な所得税を作る、その中には今の住民税をそのままに行くという方法と、新らしく地方の所得税というようなものを作るというような方法があります。いろいろ研究いたしましたが、所得税附加税の形にいたしますことは、賦課の手続等において非常に煩瑣でありましてむずかしい、又住民税をこれ以上殖やすことも好ましくない、新たに所得税を作ることにもいろいろな疑問があるというような観点からいたしまして、差当り現状のままのような一部配付税、それから地方に独立税たる住民税を存置する、こういうような方法で先ずこの際は行くべきじやないか、こういう結論に相成つた次第であります。
#35
○深川榮左エ門君 そうしますと、手つ取早く言いますと、政府としては只今のところ所得税及び営業税の地方附加税を取るということは考えておられないわけですね、前のお言葉とは……、まあ大臣のこの間までのお考えとは違つて來た、政府としても取る意思は、そういう制度を設ける意思はない、こうおつしやるのですね。
#36
○政府委員(荻田保君) 只今のところそのように相成つております。
#37
○委員長(岡本愛祐君) 只今の御質問は非常に重大なんですが、この間配付税法につきまして審議しましたときに、木村國務大臣並びに大藏大臣から、將來は地方財政の基礎を確立するために所得税並びに法人税の附加税制度というものに戻るようにすべきだと現在は考えておる、そういう研究をするというお話であつたが、それで総理大臣に対しましても出席を要求しまして、そういう御意思があるのかどうかということを確めたのでありますが、この委員会においてそういうふうに考えておるというふうな御答弁があつたのであります。その方針がぐらつと引つくり返つて変つたかどうか、そういう研究をこれからどんどんせられて、研究の結果やはりその方がいいということになれば、やはり附加税制度にお返りになる、こういうことになるのでありますか。その点重大でありますからはつきりと御答弁願います。
#38
○國務大臣(木村小左衞門君) 御尤もな御質問でございますが、只今御説明申上げましたのはシヤウプ博士に対しまして資料を提出するその資料の中に地財の意見を述べたものでありまして、これは政府の意見でありません。大藏大臣は、これは分りませんけれども、その後閣議にも諮らず、又個人としても会見しておりませんが、大藏大臣はやはり附加税に戻すような案をシヤウブ博士に提出するかも知れません、内容は私は分りません、これは政府として閣議で決まつたものではありませんが、地財といたしましては、どうも取れることは取れましようけれども、これがあると非常に地方財政が圧迫を受けて、むしろ非常に一口に申上げますると損なんであります。特に所得税なんかは、一担所得税の決定が終らないと、幾ら附加税を取らうとしてもなかなか附加税が取れません。附加税を取ることになりますと、最近貨幣の妙な動搖がありまして、一遍税を取られますと、そこに貨幣の均分的な流通に穴が開く、その穴の開いた後で地方税を取ろうとしてもなかなか地方税が不能になりまして、これは最近の例は御承知のことと思いますが、取れないような、非常に不能の向が起つて來るというようなこともありますし、これは主たる原因ではございませんけれども、いろいろそういつたことから総合研究しまして、尚もつとこの利害につきまして政府委員の荻田君の方が非常に玄人でございますから、もつと詳しく説明いたしますが、大体の印象といたしまして非常に不利なものでありますから、配付税となつて來ると今年のような法律の改正で率でも変更するというようなことがあると大変ではありまするけれども、大体配付税法が確立して來るということになつておると、あの方が一番均霑してうまく行き渡ることになります関係からああいうふうになつておりますが、あの法文を動かされないということで法文をもう一つ作るということになりますれば、そうするとやはり配付税の方がよろしいんじやないかということが地財の意見であります。地財がシヤウブ博士に出しますものでありまして、これは先程申しますように、閣議決定でもございませんので、政府自体の意見でありません。岡本委員が仰せられまするように、又これが政府の意見ということになれば、檢討の結果或いは変えなければならん場合も起つて來るかも知れませんけれども、只今のところ地財といたしましての意見としては先程荻田君が述ベたような意見でシヤウブ博士に資料を提出するというところなんでございます。
#39
○政府委員(荻田保君) 大臣もお断りになりましたですが、全く地財としての意見なのでございまして、これを政府案として皆さんに御審議願うという意味じやございませんので、内部の意見としてお聞きを願いたいと思います。所得税附加税を取ることについていろいろ利害損失があると思います。配付税と比ベまして、自主性が確保されるという点はこれは長所だろうと思います。併しその分量をどれだけにするか、現在三分の一はすでに配付税となつておりまするから、これを総額所得税附加税にするということも考えられまするけれども、それでは地方財政調整の目的が達せられませんので、どうしても一部は配付税として残さなければならない、三分の一を更に二分して配付税と附加税にするということになつて來ますと、いずれも小さな額になつて來る、そういう点が第一であります。第二に、徴税手続の問題といたしまして、附加税として課税いたしまするといろいろな問題が起つて來ます。例えば所得税中の半分くらいは源泉徴收になつております。從つてその徴收をするのをどう取るか、やはり徴收義務者にこれを徴收させるか、そうなつて來ますると、その賦課率等におきまして、團体によつて差等を設けるようなことができるかどうか、それから又徴税團体をいずれにするか、具体的に申しますれば、埼玉縣から東京に通つて東京の会社で奉給を貰つている人は、所得税附加税を埼玉縣が取るか、東京都が取るか、こういう問題がございます。又そういうことからいたしまして、所得税附加税の賦課率につきまして、地方團体毎の伸縮性を持たせる、それから尚配当利子所得等につきましては、これこそどの地で課税したらいいか、これらにつきましては、本当に賦課率の問題等が重要になるのじやないかと思います。それから附加課税の額につきましても、今のように國税の徴取が遅れておりまするので、この決定を待つてから地方が更に附加税を課税するとなりますると、相当税金が遅れるのじやないか、一緒に取る場合には、いわゆる申告納税の問題になりまするので、納税者が非常に不便を感じやしないか、いろいろこういう問題がございまして、差当り三六・一四%程度の配付税なら調整財源として足りない額じやない、むしろ十分過ぎるくらいであるけれども、先ず現在の地方財政状態の凹凸から見れば、この程度あつても止むを得ないのじやないか、こういうような点で、所得税附加税は罷めて配付税を法定率通りに還元する、こういう方針がいいのじやないか、このような結論に達したわけでございます。
#40
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
#41
○島村軍次君 今回の改正案には直接関係のないようなことでもありますが、一、二伺つて見たいと思います。住民税の千四百五十円と、地租の百分の五百との均衡という問題ですね、これの算出の根拠というものは一体どこに置かれたわけでございますか。
#42
○政府委員(荻田保君) 地租につきましては、これまでの当初の……、当初と申しますのは、昭和十五年改正当時の地租、家屋税と営業税との比率、つまり同じ收益税内部における比率とこういう問題と、当時の收益、つまり地租について申しますと米價の問題、こういうものがその当時と現在とどれくらい違いがあるかというような点からこれを決めております。それから住民税につきましては、昨年の給與べース、或いは國民所得、或いは物價べース、こういうものを睨み合せまして、大体六割程度の値上げは止むを得ないのじやないか、こういう点からこの増税の率を決めた次第であります。
#43
○島村軍次君 そこで地租につきましては只今御説明がありましたが、併し御承知の通り、農地は賣買價格もストツプになつておるのです。從つて小作料もストツプになつておる、現在農林大臣は小作料については増額するというようなお話もありまするけれども、併し税の建前から申しますると、地租は非常に賃貸價格と申しますか、小作料等の関係から行きますと、收益の関係は非常に少いと思うのです。從つてまず第一に從前の比率だけを基準にしてお上げになつたことは不合理があるのじやないか、米價の問題は直接課税の問題と小作料との関係から言いましてもつと安くすベきものじやないすと思うのでありまするが、それに対する御所見を一つ承りたいと思います。
#44
○政府委員(荻田保君) 先程申上げましたように、事業税等の釣合にから上げたわけでございまするが、もう少し数字的に申しますると、事業税、当時の営業税の課率は純益の百分の六であつた、それが現在百分の十五に上つておる、從つて二倍半になつております。地租の方は当時百分の八であつたものが百分の五百まで上つたわけでありまするが、当時の賃貸價格の基礎になりました米價は二十三円程度であります。現在は二千円近く、こういう数字から見ますると、この数字だけでありますと、これは又遥かに五百よりも更に上げなければならないのでありますが、お述ベになりましたように、地租と申しましても田畑等がございまするが、地租につきましては非常に小作料等におきまして強い統制が加わつて來る、殊にその基本をなしまする米價そのものにつきましても、他の物價に比ベましてむしろ割安に決められておる、勿論地價も安く決められておる、こういうような関係もございますので、先ずこの程度、昨年の純益の倍にはなつておりますが、元から見ますれば、そのような割合からしますれば、むしろ内輪の数字で決めておるわけであります。ただそういうことになりますとこの税を收益で考えますと所有者の收益ということになりますが、お述べになりましたように、地代家賃なんか非常に強く統制されておりますので、所有者の收益という面から申しますると、それ程上つておらないわけであります。從いまして收益税と言いまするか、むしろ使用税的な色彩が強くなつておる、そのようなわけで一時我我といたしましても、地租家屋税の引上げでなく、新らしく土地使用税、家屋使用税を作つたらどうかという考えを持つたのでありますが、やはり新税を創設することにつきましてはいろいろの議論がございまするので、差当り地租家屋税の引上げに求めまして、その代り地代家賃につきましては、その額だけ引上げる、宅地及び家賃につきましてはこの法案成立次第引上げる準備をしております。それから田畑の地代、小作料につきましては農林大臣もおつしやつたそうでありまするが、大体その秋の小作料を納める時期までには或る程度の是正を考えておるというような状態になつております。
#45
○島村軍次君 多少意見を異にしまするが、この問題はそれにて打切りますが、ただもう一つ重大な問題は、田畑とそれから宅地との関係です。今回の宅地租の改訂に賃貸價格の改訂を行うジその政府の説明によりますと、ただ総額について改訂するのではなくして、多少の凹凸の修正に止どめる、こういうようなことであつて我々は、根本的に田畑と宅地との價格の不均衡、賃貸價格の不均衡の是正が当然行われるものと、かように考えておつたが、これが本年は行われておらない、そこで從つて一律に先きの論法で標準率を二百から五百に上げられるということに対しては、これはその間の不均衡を是正されることなくして、一層その関係が強くなるという嫌いがあると思うのであります。そこで、この宅地租と田畑との課率を変えるということが適当ではないかと思います。その点に対して政府の御所見を伺いたいと思います。
#46
○政府委員(荻田保君) その賃貸價格の不均衡は、お述べになりましたように、例えば一部の宅地の間における凹凸という問題に止どまりませず、宅地と田畑との間におきましても、或いは大きな差があるのかも知れないのですが、ところが賃貸價格は御承知のように課税の標準になりますが、その賃貸價格は地代、家賃を基礎といたしておりますので、これにつきまして、外の物價統制に比べて更にひどい統制が加えられておりまして、決して外の物價と釣合つていないのでありまして、ここにこの不動産課税の問題の困難さがあると考えるのであります。從いましてその物價政策を改めない限り、なかなかこの純経済的な見地からいたします、負担の均衡というようなことはむつかしいのじやないかと思います。それで現状を以てしても、田畑と宅地の間に差等があるのではないかという御説もありましたが、推測いたしますと、むしろ、田畑の方を軽くしろというような、こういうような御議論のように結論においてあつたようでありますが、我々のちよつと考えたところでは、むしろ逆に、田畑の方はむしろ生産が主であり、少くとも米價が上つておるから、むしろこつちも方を上げるべきで、殊にこれは殆んど農地解放をされまして、小作というものが殆んどなくなりましたので、地主の所得、つまり地代というような問題が余り影響しなくなつた、然るに宅地の方はこれは生活の問題でありまして、殊に家賃等、それに加えまして、自家用の家賃を持つていない人の負担、つまり都市の俸給生活者、都市の一般庶民に影響するところは大きいというようなことから関連いたしまして、殊に家屋税との重複も考えますと、むしろこちらの方は少し下げてもよいのじやないか、こういうような考えを持つておつたのでありますが、この際は一應一律に百分の五百まで引上げたような次第であります。
#47
○島村軍次君 御説明は分りましたが、こういう問題について疑義があると思うのであります。自作農になつたということに対する收益関係からいいますとお説の通りだと思いますが、併し小作料は、御承知の通りに、まだ一部分に小作として残つておるようなところがある。そこで小作地の小作料は全く他の地代、家賃と比較しては問題にならない安い額であると思います。多少の修正を行われましても、その間の不均衡が当然起り得るのじやないかと思います。それが一つ、それからもう一つは大藏省の課税方法は、收益課税に対しては闇物價まで見ておるわけです。現在東京都等におきましては、強力な統制が行われておると雖も、尚相当な、他の名義によつて相当の地代が收益を挙げておるのはこれは事実であります。從つてその議論は家屋税についても同樣だと思います。今日賃貸價格というものから算出した額は極めて少くありましても、事実は相当の收益を挙げておるのが実情であると思います。これから見まして、府縣の地方において、この賦課率を五百の枠に決められたということが実情に合わないという結果が相当出るのではないかと予想されるのでありますが、その場合に賦課率を宅地と、それから田畑については小作地と自作地というように分けることに対しての御見解は如何ですか。
#48
○政府委員(荻田保君) 御指摘になりましたように、その宅地につきましては、いわゆる公定地代の外に、権利金であるとか、闇の地代等を取りまして、相当の收益を挙げておるというようなことはこれは事実だと思います。從いまして我々もできるだけそのようなところを追つ駈けて課税いたしたいのでありますが、何分に個々にこれが闇であるか、これが正当なものであるかというようなことを算定して課税することは、所得税におきましてはともかくといたしまして、このような物件税におきましては非常に困難でありますので、又そうかと申しまして、逆に宅地については相当の闇があるということを前提にいたしまして、宅地全体の課率を決めるというようなこともこれは又無理なことでありますので、止むを得ず公定された地代というものを基準にして掛けざるを得なかつたのであります。併しこれは後にお述べになりましたように、地方の実状によりまして、宅地と田畑、或いは宅地の内部においても地方によるとか或いは田畑の内部においても地域によるとか、田と畑によるというようなことで、課率につきまして差等を設けるということが合理的にできますれば結構であると考えまして、実は昨年度からこちらの方針といたしましては、負担の実情に合うような場合があれば、これはむしろ不均等な課率を以て課程をして欲しいということは、昨年からすでに指導しておりますが、併しなかなかむつかしいと見えまして、まだそのようなことを実行しておるところはないようであります。
#49
○島村軍次君 一應その問題はその程度で打切ります。
 次に地方税法の百四十八條の、個人の営む農業に対する事業税については当分の間は米穀云々のことが規定されております。最近になりまして、レートの決定に関連をいたして、この養蚕業者の事業税に対してですね、つまり理窟は、外國へ繭なり生糸を輸出して、その外貨によつて食物を輸入した方がよいのじやないか、質問中ですからよく聞いて頂きたい、要点を申上げますと、養蚕等に関する事業税については、減税か、若しくは第百四十八條の規定のうちに養蚕等を加えて貰いたいという希望も出ておると思います。それに対する政府の御見解を一つと、それからもう一つ、最近煙草の事業税について相当強い意見が出ております。これは理論的に考えますと、いろいろ論議の余地があると思うのでございますが、ただ事業税というものは、やはり所得の捕捉によつて掛けられるものであると思うのでありまして、その煙草の場合におきましては、政府の專賣であつて、他のものと違つて、米や或いは主要食糧と同じように取扱うべきものである、從つてこの事業税は主要食糧と同じように取扱うべきものだという議論が出ておると思いますが、それに対する政府の御所見を承りたいと思います。
#50
○政府委員(荻田保君) お述べになりました点につきましては、昨年度この農業に対しまする事業税を設けました当時からありました問題でございます。率直に私の見解を申述べさして頂きまするならば、恐らくこのような、農業のような事業に対しまして、事業税というような形の收益を作ることは、むしろ適当じやない、やはり昔からの地租という恰好による收益税の方が適当であるのではないか、こう考えるのでありますが、当時いろいろな事情からしましてこれは先程不動産課税の問題につきましても申上げましたような事情からいたしまして、地租をそれ程引上げることはできない、そのような結果から事業税という形において農業に対する課税ができなかつたわけでございます。そういう意味からいたしますれば、むしろこのような主食に関する部分を除くというような除外規定を設けずに一律に取つた方が適当でないかと考えられるのでありますが、このむしろ租税理論的なことを離れまして、とにかく主食の確保ということが、日本経済再建の何を措いても先決問題である、この点につきましては、いろいろ議論もありましようし、それ以上に重要なものであるというような御意見もあると思いまするが、一應主食の問題を第一の要件と考えまして、從つてこれに対しましては、今申上げましたように租税理論を離れて政策的にこれを免税すると、こういうようになつたわけでございます。從いまして、その除外例の範囲は極めて限定するという、こういうような意味からいたしまして、当時養蚕、或いは煙草、或いは水産業等につきましても、いろいろ議論があつたのでありまするが、そのままにしてあるのであります。今回爲替レート決定等に伴いまして、養蚕が非常にむずかしくなるということからいたしまして、そのような陳情がしばしば参つておるのでありまするが、現在としてはまだその点につきまして、これを入れた方がいいというような結論には達しておらないような次第であります。
#51
○島村軍次君 そこで簡明に承りますが、府縣でその課率の引下げ等を行うことに対しては自由だと思いますが、そう解釈してよろしいでしようか、養蚕、煙草事業税を……
#52
○政府委員(荻田保君) これは府縣によりまして、いわゆる公益免除の規定によりまして、免除することは法律的には可能だと思いまするが、ただ恐らく府縣によりまして、事情はそう違つた点はないのであつて、掛けないか、掛けるかということを、ここに判断する、勿論それは人によつて見方が違うという程度でありまして、客観的事情としては同じであろうと思われます。從いまして一縣だけでこれを自由に免除するということは好ましくないと考えております。
#53
○島村軍次君 課率の引下げはどうですか。
#54
○政府委員(荻田保君) 事業税につきましては、やはり標準賦課率というものが決めてありまして、今度この改正案の一部先にも出ておりますが、標準賦課率で課税しなければならないというような規定に改めております関係上、特殊の事情がない限りはこの標準賦課率で課税して行つて貰いたいと考えております。
#55
○島村軍次君 これは余談になりまするが、税の獲得の上から、確保の上から言えば、標準率によつて掛けなければならんということは尤もだと思うのでありますが、併しドツジ氏のこの間の來航の時分に、日本では枠が多過ぎる、これはこれに適用されるわけでもございませんが、余りに標準率というものを政府で統制されるということに対して果してどういうふうなものか、むしろ標準賦課率以内でという前の規定の方が適当じやないかと思うのであります。勿論これは財源が不足の今日でありますから、それには相当のやはり議論もあろうと思いますが、そこで同じ養蚕にいたしましても煙草にしても、これは相当おのずから收益の計算によつて分れることでありましようが、併しその事業そのものによつては公益的な意味のものと、又奬励的な意味のもの等もおのずから分れて來ることが考えられると思うのでありまして、そういう場合には課率の差等を設けるということは当然されていいと思うのでありますが、これはまあただこちらの希望意見を私共の方の意見として申上げる程度に、大分長くなりますからいたして置きます。それからもう一つ承りたいと思いますのは、今度の遊興税の徴收でありますが、これに対しては現在の府縣の徴税関係の吏員だけでは到底この確保が期せられないと思うのであります。丁度私先般の財政委員会であつたと思いますが、大藏大臣にも質問したのでありますが、そのお答えは頗る要領を得なかつたのでありますが、そういう問題に対しては、地方財政委員会としてはどうお考えになつておりますか、又実際に確保をする方法として何か適当な案をお考えになつておりますかどうか、その点を一つ承つて置きたいと思います。
#56
○政府委員(荻田保君) 地方職員の行政整理につきましては、都道府縣では一般職員三割、公営事業関係二割とかいうような大体の方針が決まつておりまして、その細目は國の方の行政整理の案が確定するのて並行して決めたいと思いまして、結論を得ておりませんが、いずれ結論を得ますればそのような方針を地方に流して地方に行政整理の方針を示したいと思つております。その際に今お述べになりました税務職員につきましても國でもやはり税務職員につきましては、特例を設けております。殊に今お述べになりました遊興飲食税につきましては、特に手数を要します。殊に目標額が非常に高くなつておりますので、これを徴收するのには新税を作ると同じような苦労がいると思いますので、この点につきましては何らか行政整理の除外例的なことを通牒中に置きまして、この面におきまする徴税機構の強化を図りたいと考えております。
#57
○島村軍次君 一應質問を打切ります。
#58
○西郷吉之助君 私は第五十條の親府縣民税並びに百七條の市町村民税の件について一應伺つてみたいのであります。この両條におきまして、今回前者は四百五十円を七百円、後者は四百五十円を七百五十円に改正してあるのでありますが、そういたしますと、基準がそうなりますと、ところによりましては可なり高額のものを取られるというふうなことに相成る、これが地方財源の補給という点からいうならば、止むを得ないと言えば止むを得ないのでありまするが、果してこういうふうなものをどんどん住民税につきましては、第一回から何回も出て参りまして、今回はこういうふうになつたのでありますが、只今ちよつと政務次官がおられますから、政務次官に伺いたいのであります。地方財政委員会においては都道府縣並びに市町村の代表委員が出ておるのでありますが、果して今回のような、かような地方財政の非常に困窮している、從つて國民の懐も非常に窮屈でありまするが、住民税は廣く一般的に取られる税でありますが、かような引上げによりまして、果してそういうような地方公共團体の責任者は、こういうようなものを確保する自信がおありかどうかということが、可なり議論されておるところであつたのでありますが、そういうようなところを一つざつくばらんにお述べ願います。
#59
○政府委員(堀末治君) その点は、西郷さんが私より前に政務次官をされておつて、よく御承知のことだと思いますが、こういう問題についてはあなたのお話の通りいろいろ議論もございます。併しどうも今のところ何としても取り易い税なものですから、この程度のことは仕方があるまいというふうに、皆んなの結論は落着いたのであります。特にざつくばらんに申上げる程の余り大したいきさつもございませんで、この程度でいたし方ないというふうに落着いておる次第であります。
#60
○西郷吉之助君 そうしますと、標準率の今回の引上げによりまして、この前新聞等でもちよつと見たかと存じまするが、非常に高額な分は大体どの位の額になりますか、伺いたいと思います。
#61
○政府委員(堀末治君) 総額ですか。
#62
○西郷吉之助君 一人当りのです。特殊のところは非常に高額だと思うのですが、大体その推定は一人当り多い場合は、どの位の額になりますか。
#63
○政府委員(荻田保君) 昨年、二十三年度の例を申しますと、これは額が四百五十円でありますが、そのとき都道府縣において、一番高いところは標準率の五割増、市町村におきましては極端なところでは七倍位、十倍を取つたものはなかつたと思いますが、七倍位のところが数ケ町村あつた、二倍、三倍位は相当ありました。七倍取りましたところでは一般的な経常的財源に当てたというのではなくして、六・三制などの学校の建築費に当てるために、他の町村ですと寄附金を集めることによつてやつております。國庫補助金や起債で賄えない部分を寄附金を割当てて、住民税を基準としまして、半ば強制的に割当てるという場合が、相当これは好ましくないのでありますが、あつたのであります。我々としましては、かようなことをするならば、住民税を標準として何倍やつてもよろしいということを申したので、そういうように多額になつたわけであります。税が高いことは好ましくないが、幸いにして税が全住民に掛かる税であります。從いまして、この税率を決める場合においては、各町村におきましては総て町村会の議決を経るわけであります。全住民に関係することで、町村会の議決を経るものでありますから、そこに本当の民主的判断がありまして、その歳出等につきましても、相当嚴重な管理があると思いますから、恐らくこれを無駄な経費に当ててしまつたものはないと思います。どうしてもぎりぎり一杯高い負担率で、どうしてもやらなければならんものに当てるということは、必ず行われておると思いますので、高い場合も我々としては安心しておるわけで、他の特殊の税ですと一部の者の負担ですから、あれから取つてやろうということで、町村会も皆同意するということがあり得ると思いますが、この税は全住民全部に掛かるものですから、よく判断すると思いますから、これは知事の能力というものを信頼して、我々としましては標準超過税について、余りやかましいことを言わない方針を採つております。
#64
○西郷吉之助君 只今の御説明でよく分りましたが、配付税が今回半額に切拾てられたことで止むを得ない事情もあるかと考えますが、この住民税等につきましては、只今の政府委員の御説明通り國民一般に廣く掛かるものでありまして、又地方自治体の責任の下に手続がとられまするが、大体この住民税も何回も税率が変つて、今回の金額になりましたが、大体これが最高限度まで來たのか、或いはまだこれ以上取る余地があるというふうに考えておられるか、この点について伺つて置きたいと思います。
#65
○政府委員(荻田保君) 非常にむずかしい問題だと思いまするが、全國標準といたしましては、先ずこの程度で現状としては最高だと思います。特殊な貧弱な團体では、止むに止まれない課税なども起ると思いますが、全國標準率を定めるとすれば、先ずこの程度と思います。
#66
○委員長(岡本愛祐君) まだ御質疑もあると思いますが、次会にお願いしまして、今日はこれで敢会いたしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(岡本愛祐君) それでは散会いたします。
   午後三時二十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           鈴木 順一君
           三木 治朗君
          深川榮左エ門君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           太田 敏兄君
           小川 久義君
  國務大臣
  國 務 大 臣 木村小左衞門君
  政府委員
   地方財政政務次
   官       堀  末治君
   総理廰事務官
   (地方財政委員
   会事務局長)  荻田  保君
   総理廰事務官
   (地方財政委員
   会事務局次長) 山村  章君
ソース: 国立国会図書館
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