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1967/07/13 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 外務委員会 第18号
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1967/07/13 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 外務委員会 第18号

#1
第055回国会 外務委員会 第18号
昭和四十二年七月十三日(木曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         赤間 文三君
    理 事
                木内 四郎君
                長谷川 仁君
                増原 恵吉君
                森 元治郎君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                笹森 順造君
                山本 利壽君
                岡田 宗司君
                佐多 忠隆君
                羽生 三七君
                渋谷 邦彦君
   国務大臣
       外 務 大 臣  三木 武夫君
   政府委員
       外務政務次官   田中 榮一君
       外務大臣官房長  斎藤 鎮男君
       労働政務次官   海部 俊樹君
       労働大臣官房長  辻  英雄君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門  瓜生 復男君
       員
   説明員
       外務省経済局参
       事官       宮崎 弘道君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○同一価値の労働についての男女労働者に対する
 同一報酬に関する条約(第百号)の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正
 及び修正に関する千九百六十七年五月五日の締
 約国団の第三確認書の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(赤間文三君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)の締結について承認を求めるの件
 及び
 関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する千九百六十七年五月五日の締約国団の第三確認書の締結について承認を求めるの件
 便宜一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○羽生三七君 私の質問は、いま提案になっておるガットの第三確認書案件とは直接関係がないけれども、しかし、間接的には非常な関係があるのでこの際お伺いしておきますが、日本がケネディ・ラウンドにおける穀物協定であのときの合意書に調印した際、低開発国に対する援助義務の条項を留保したわけですね。したがって、いまのそのローマにおける交渉の結果この援助義務の条項が穀物協定で明文化される場合、あらためてこれに対しても留保を行なうことになるのかどうか。
#4
○国務大臣(三木武夫君) そういうふうに私は解釈しております。留保しまして、日本が一方的な宣言で、そして、こういう事項、こういうことを実行いたしますということで、その一方的な宣言がどういう形か事務当局から形式はお答えしたほうがいいと思いますが、それは穀物協定の中に盛り込まれることになる、日本がその意思をやっぱり表明するわけですから。
#5
○委員長(赤間文三君) 宮崎参事官。
#6
○羽生三七君 大臣が時間がないですからごく簡単に。要するに、協定本文か。別に何か他の方法か。
#7
○委員長(赤間文三君) 簡単に要点だけ。
#8
○説明員(宮崎弘道君) 協定本文の留保に関係のあります条項の中で必要なものについて留保いたしまして、それと別に、日本の独自の立場からいたします援助につきまして意思を別途表明するという予定で現在の会議に臨んでおります。
#9
○羽生三七君 その次。日本はいま述べた合意書、合意覚書ですね、覚書に調印した際、援助条項を留保するとともに、ガット事務局長あての書簡で、合意覚書に認められた数項目にわたる意思表明をしたわけですね。それで、穀物協定においてこの援助義務が明文化される場合は、これをいまお話しのように留保するとともに、ガット事務局長あての書簡におけるものとほぼ同様の内容の意思を表明するものと理解していいのかどうか。
#10
○説明員(宮崎弘道君) 合意覚書は、法律案にたとえますと、法律案要綱のようなものでございまして、内容がかなり抽象的になっております。これに対しまして、現在ローマで行なわれております会議の結果成立することを予想されております協定は、これは法律にたとえますと法律のような形になりまして、非常に詳細な規定が設けられることが予想されております。したがいまして、日本の留保の形態につきましても、その条約の内容の確定を待ちましてこれを留保するということになるわけでございまして、したがいまして、わが方の意思の表明に関します書簡の内容も、いま申し上げた条約自体の形式、それから留保を付しました条文との関連におきまして別途つくりましてこれを通報するということになる予定でございます。
#11
○羽生三七君 それであのときの日本が負う五%の分担というものですねこれは日本としてもそれを承諾するからには十分検討の上だと思いますが、どういう基準でこれは算定したのか。
#12
○説明員(宮崎弘道君) この五%の基準につきましては、当時、たとえば国連の分担金でありますとかあるいは穀物貿易におきます各国の地位であるとかいろいろな要素が考慮に入れられたわけでございますが、結局、どの基準でということではございませんで、各国納得ずくでそれぞれの分担率を合意したということでございます。
#13
○羽生三七君 それでケネディ・ラウンドの際、大筋で妥結する場合に、日本が、いまここで論議したような義務を留保するだけでなしに、援助内容も、小麦等穀物によらなくて、これは援助受け入れ国の希望に応ずるということであるわけですけれども、農機具、肥料、農薬、そういうものにすることになっておったはずですね。ところが、その後の交渉では、交渉三カ国が納得しなかったということで、六月三十日の調印の際にガット事務局長あて書簡で述べられているように、わが国の援助内容は米を含む穀物または受け入れ国の希望により農業物資とするが、日本政府はその相当な部分を食用穀物の形で供与する、こういうことになって、さらに、穀物以外の形態で援助を行なう場合は、受け入れ国がこれによって余裕の生じた外貨で食用穀物を購入することを確保するようできるだけ努力する、こういうことになっておるわけです。そうすると、わが国は農機具、肥料等、日本の国にふさわしい援助物資を供与するというような方針から大きく転じて食用穀物重点主義に後退して、たてまえとしては留保したけれども、実際にはそれはくずれておる。だから、分担率はとにかくとして、援助内容では実質上合意覚書を受け入れたものと同じことになるんじゃないか、そういう感じがするわけです。それからまた、この食用穀物には小麦が含まれないとするのが日本のいままでの解釈のように伝えられておるわけですが、この点ははっきりしておるのかどうか。そうでないと、わが国がせっかく努力して小麦を避けようとした意図が失われるのではないかと思われるわけです。ですから、穀物という一般的な表現を使っておるけれども、その小麦との関係はどうなっておるのか、その辺お話しいただきたい。
#14
○説明員(宮崎弘道君) この協定の義務をそのまま受諾いたしますと、これは若干の他の穀物もございますが、小麦かあるいは現金かで一定の負担分を援助しなければいけないという義務がもろに生じてくるわけでございます。この点に対しまして、日本はその条項につきましては留保いたしまして、で、別の日本政府の意思の宣言におきまして、受け入れ国の希望も勘案の上、農業物資、場合によっては食用穀物で援助するということになっておりますので、この義務を受諾した場合とは非常に質的に差異があるかと思われます。それからまた、食用穀物で後進国に対しまして日本が援助を与えます場合に、日本の援助の主要受け入れ国が東南アジア諸国であることが予想されますので、そういう国におきましては、小麦よりも、小麦はあまり消費しておりませんので、米等を希望することが多いわけでございます。また、日本のこれは協定上の義務ということではございませんで、運用といたしまして、日本としてはこの食用穀物を選択する自由がございます。で、その自由とそれから受け入れ後進国側との要望等を勘案いたしますと、日本といたしましては、食用穀物を援助する場合には、米とか、あるいは場合によりましてはその他の雑穀――これは東南アジアでもつくっておりますが、ある東南アジアの国の雑穀を買って別の東南アジアの国を援助するというようなこともあるかと思いますが、運用の面で小麦が入ることはあまりないのではないか、かように考えております。
#15
○羽生三七君 それはあまりないということで、絶対排除するということではないのですね、入ることもあり得ると。
 それからもう一つ。米で援助する場合には、それをどこかの国から日本が買い付けをしてそれを他の国の援助に回す、こういう形をとるわけですか。
#16
○説明員(宮崎弘道君) 規定の書き方によりますと、日本の意思表示におきましては、米やその他の食用穀物となっておりますから、明文上、小麦は入るという可能性を全く排除してはおりません。しかし、運用上あるいは実際上は入らないことになるのではないかというふうに考えております。それから米の場合は、現在予想しておりますことは、たとえば東南アジア一カ国あるいは二カ国で米をたくさん生産しあるいは輸出するという場合が多いわけでありますが、そういうものを買い付けまして、米を必要としております他の東南アジアの国等を援助するということを予想いたしております。
#17
○羽生三七君 そうすると、それは米を買って現物で送るのか、それに相当する金ということになるのか、買い付けてその現物を向うに回してやるのか、その辺はどうなんですか。
#18
○説明員(宮崎弘道君) これは協定の条文やあるいは日本の行ないます意思の表明上は、そこまで詳しくは規定しない予定でございます。ただ実際問題といたしましては、これは主として受け入れ国ないしは米を日本が買います国、これらの国とも十分協議をいたしまして、そのときの状況に応じて、場合によっては日本が米を買い付けまして、たとえばビルマとかタイとかいうような国から買い付けまして、その買い付けました米を、たとえば他の米を必要とする国に日本が持っていくということも考えられますし、あるいはビルマやタイの米の買い付けということを引き当てにそういうことをやるように援助国に金をもってやることも理論的に考えられます。これはいずれにしましても運用の問題がございますので、その際に実情に応じたようにやることを考えております。
#19
○羽生三七君 もう一点だけ。いまの小麦協定は本年七月末で失効するわけですか。それ以後は小麦理事会等の機構のみを扱った協定が存続することになるわけですが、本年八月以降、明年穀物協定が発効するまで、それまでの間は最高とか最低価格等は何によってこれは律せられることになるのか。そこらで穀物協定発効前は暫定的に適用されることになるのかどうか、その辺はどうでありますか。
#20
○説明員(宮崎弘道君) この小麦協定の価格の条項が失効しましたあとは、法律的には最高、最低価格を規定するものは実際上効力を失うわけであります。また、わが国といたしましては、その暫定適用の問題も考えていたわけでございますが、やはりこれは国会の御審議、国会の御承認を得られない限り、かりに暫定適用の問題が出てまいりましても、なかなか法律的に困難な点がございます。ただ、実際の価格の動きを見てまいりますと、今年は幸いにして凶作ということは世界的な規模では予想されておりません。かつまた、小麦の四大輸出国――米・加・豪・アルゼンチン、こういったような国は、近く発効を予定いたしております穀物協定とそれから従来の小麦協定ということを考えあわせまして、非常に高い値段で売るというようなことはいまのところ予想されていないわけでございます。したがいまして、さしあたり、法律的にはギャップが生じますけれども、実際の運用上は支障は生じないものと、かように予想いたしております。
#21
○羽生三七君 それで、新穀物協定の穀物の範囲というものは、まだ全然論議されていないわけですか。
#22
○説明員(宮崎弘道君) これは穀物協定の条文の中に明記される予定でございます。現在そのメモランダム、つまり合意覚書で予定されておりますものは、小麦のほかに大麦などの麦類、それからトウモロコシないしはグレンソルガム等のえさ類、こういうものが入ることが予定されておりまして、米は入っておりません。
#23
○羽生三七君 米は入っていないと言うが、新しい穀物協定で日本が援助するということはちょっとわからないな。そこのところはどうかな。米が入っていないで、日本が援助するというのが。
#24
○説明員(宮崎弘道君) 米は、穀物協定の援助物資の対象といたしましては入っていないわけでございます。ただ、小麦ないしは現金による援助義務につきましては留保いたしまして、日本に関する限り、米を援助の物資の対象とすることが認められるということが現在の状況でございます。
#25
○岡田宗司君 いまのお話の中で、例の日本の負担分の五%、これはどういう表現をとるのですか、日本は小麦でないわけですから。たとえば、五%に当たる金額という表現をとっていくのかどうか。また、それに当たる米その他の穀物あるいは向うの要求する云々ということになるのか。その表現はどうなるのですか。
#26
○説明員(宮崎弘道君) 穀物協定の援助の目標は一応四百五十万トンという小麦のトン数で出ているわけでございますが、それを一定の銘柄の小麦を一定の価格に換算いたしまして、金額にいたしまして、日本の場合はその金額に相当するだけの援助を農業物資ないしは米などで行なうわけでございます。
#27
○岡田宗司君 金額はもうすでにはっきりしているのですか。
#28
○説明員(宮崎弘道君) これは、先ほど来申し上げておりますように、メモランダムの条項でございまして、条文化いたしますときに、たとえばフレートの問題その他新たなる構想が加わってこないとも限りませんから、現在の暫定的な数字でございますが、五%と申しますのは千四百三十万ドルでございます。
#29
○岡田宗司君 大臣に一点お伺いいたします。先ほど大臣ちょっと雑談でお話しになっておったのですが、日本の山下汽船の鉱石船ですね、あれが釈放された。たいへん御努力の結果で喜ばしいことだと思うのですけれども、このあとの沖繩の船舶ですね、そのほうは一体その後どうなっておるのか。
#30
○国務大臣(三木武夫君) 御心配を願っておりました若幡丸、十二日六時に現地時間で釈放され、七時にアンボン港を無事出港した旨を同船から山下汽船に連絡があったわけであります。
 沖繩の問題はまだ解決しておりませんが、これもわれわれ外交機関を通じて促進をいたすことにいたしたいと思います。
#31
○委員長(赤間文三君) 他に御発言もなければ、二案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより二案件に対する討論に入ります。
 御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#33
○羽生三七君 ちょっと百号条約の批准がおそきに失しても、今日批准されることは異議なしに賛成ですが、百十一号等もありますし、この際、外務大臣に、日本全体の経済のいまの動向等にらみ合わせて、すみやかにこの種のものを早期に成立させるよう希望して、賛成をいたします。
#34
○委員長(赤間文三君) その他別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(第百号)の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#36
○委員長(赤間文三君) 全会一致と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定をいたしました。
 次に、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の訂正及び修正に関する千九百六十七年五月五日の締約国団の第三確認書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに御賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#37
○委員長(赤間文三君) 全会一致と認めます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、二案件に関し本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(赤間文三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午前十時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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