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1967/05/12 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 沖縄問題等に関する特別委員会 第4号
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1967/05/12 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 沖縄問題等に関する特別委員会 第4号

#1
第055回国会 沖縄問題等に関する特別委員会 第4号
昭和四十二年五月十二日(金曜日)
   午前十時二十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 利壽君
    理 事
                内田 芳郎君
                小柳 牧衞君
                岡田 宗司君
                黒柳  明君
    委 員
                植木 光教君
                大谷 贇雄君
                源田  実君
                谷口 慶吉君
                林田悠紀夫君
                増原 恵吉君
                安井  謙君
                伊藤 顕道君
                加藤シヅエ君
                川村 清一君
                森 元治郎君
                向井 長年君
   国務大臣
       国 務 大 臣  塚原 俊郎君
   政府委員
       総理府特別地域
       連絡局長     山野 幸吉君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
   説明員
       郵政省電波監理
       局放送部長    左藤  恵君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン
 放送に必要な設備の譲与に関する法律案(内閣
 提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山本利壽君) ただいまから沖縄問題等に関する特別委員会を開会いたします。
 宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましてはすでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
 なお、政府側より塚原総理府総務長官、山野特別地域連絡局長、竹下郵政官房長、舘野郵政参事官、左藤電波監理局放送部長が出席いたしております。御発言のあります方はどうぞ。
#3
○森元治郎君 議題に入る前に一つ長官に伺っておきたいのは、けさの新聞にも出ておる例の沖縄漁船南琉丸百トンがインドネシア海軍に拿捕されたという記事が載っておりましたが、これは新聞によれば、国籍の表示が不明であったのか、そんなような理由ではなかろうか。これについて琉球政府は、アメリカ民政府に対し、及び本土の外務省に対して釈放方の努力をしてくれるように要請したと出ておりますが、もし情報が入っておれば御披露願いたいと思います。
#4
○国務大臣(塚原俊郎君) ただいま森委員の御質問の件は、私も新聞で知った程度でございまして、けさ閣議がございましたけれども、役所に連絡をとり、公報公電が入っておるかどうか伺いましたが、いまのところ、まだ私のところには詳細な公電は参っておりません。まことにああいった事態ができたことは遺憾なことでありまして、原因がどこにあったのかはわからぬが、新聞に出ておったように、また森委員の御指摘されたような、もし標識というものによってそういう事態が起きたとするならば、われわれの心配しておったことがまたここに出てしまったわけなのであります。さきの日米協議委員会において、沖縄というのと日章旗をつけた新しい旗を制定いたし、すみやかにこれが使用について外務省を通しアメリカに折衝しておるのでございまするが、その実現がおくれておるためにそういったことであったものならば、なお、まことに遺憾にたえない次第であります。それだけに、外務省とさらに連携をとりつつこういった問題の絶滅を期さなければならないと考えております。詳報が入っておりませんので、この点についてのお答えができないことは残念でございます。
#5
○森元治郎君 大臣の答弁にもありますように、原因はやはり表示のしかた、すなわち船舶に掲げる旗の問題が原因のように大臣は言われております。たぶんそうだと思うのですが、臼井前総務長官が、この間日米協議委員会できまったあのデザインの旗を七月一日から新しい沖縄の船舶に掲げるという民政府の布令が出るのだということを衆議院の特別委員会で報告したように承っておりますが、けさの新聞で見ると、現地の沖縄のほうでは、さような七月一日というようなことは聞いていないような話が出ております。公の席上で特別委員長が申したことが否定されているようなことになっておりますが、その話し合いは向こうとどういうふうになっておりますか。
#6
○国務大臣(塚原俊郎君) その前に、誤解があるといけませんから、ことばの足りなかった面があるといけませんから付言いたしたいと存じますが、今回の拿捕事件が標識によるものであると私は断定したわけではございません。そのほかの理由があったのかもしれないが、かりにそれによって拿捕されたとするならば、われわれの心配しておったことが出てしまったという意味でございまするから、その点ひとつ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。詳報が入り次第、これは御報告できると思います。
 なお、臼井特別委員長が衆議院の委員会で発言されたことは、私は当時出席はいたしておりませんでしたが、それは私も耳にいたしました。外務省の伝えるところによれば、外務省からの話によればということでああいう発言があったものと考えております。外電等によってアメリカが七月一日をきめていないというような新聞記事も私は拝見いたしましたが、私たちが伺っているところでは、はっきり七月一日とは聞いておりませんが、七月一日にはこの旗が掲げられるというふうに私の耳にも非公式には入っております。はっきりした日にちが、アメリカと民政府がきめたというようなことではございませんが、一応七月一日という日はそういった形でわれわれの耳にも入っているという程度でございます。
#7
○森元治郎君 せっかく長官も出席した協議委員会でこの新しいデザインがきまったとするならば、大臣のことば、表現をかりれば、心配している事態がまた起きたというのですから、いつからこれを実施するのか、その連絡は当然向こうからあってもよろしいし、なければこちらから問いただすという措置があってしかるべきだが、外務省、総理府総務長官、どっちがやるのか知りませんが、少し怠慢ではなかろうかと思うのですが。
#8
○国務大臣(塚原俊郎君) 御案内のように、この標識、この旗をあげることの日米協議委員会の取りきめは三月の一日だったと、私、考えておりまするが、そのときに、これがきまった以上、非常に強い願望であるから、きまったからには、諸般の手続、つまり布令の改正あるいは諸外国に対する通達、周知徹底というような手段があることは、これはわれわれも存じておりまするし、そういったことをすみやかにやっていただいて、一日も早く掲揚するようわれわれも強くあの席で要望いたしておったのであります。
 大体の期限はどれくらいかということについて、三カ月ぐらいあったらというふうに、これは非公式でありまするが、私は聞いておりまして、もうその日が目の前に来ておる。しかも、七月一日となればさらにおくれてしまうわけでありまするから、これは、私自身が外国にアプローチしておるわけでありません。外務省が外交的なアプローチをやるのでありまして、なお、外務省という一つの、ワン・クッションを通すことになるかもしれませんが、それに関係する役所の責任者として執拗に外務省に、アメリカ側と連絡し、一日も早い掲揚をお願いしておるということが現状でございます。
#9
○森元治郎君 もうそういうものはさっさと事務的にやれることなんですからやってもらいたい。
 それから、この新しいデザインの旗が、上に琉球の三角の流れ旗、下に日本の国旗、この新しいデザインを通告する場合、アメリカ政府が、各国にやるのでしょうが、その通告する案文といいますか、そんなようなものが出たときにはすみやかに教えてもらいたい。何と説明するのか、なかなかややっこしい問題があると思うのです。
 そこで、まだ通告していないから、その問題、触れても少し早過ぎるから――。大臣のことばをとらえて、早くこれがきまらないから心配だと、旗を掲げれば問題がなくなるような、あるいは少なくなるような表現であったように聞きましたが、船舶につける旗というのは何のためにつけるのですか、これは。そうして、いかなるものをつけるのですか。
#10
○国務大臣(塚原俊郎君) 旗を表示いたしますのは、船舶法に基づくものと、「公海に関する条約」に基づくものと、この両面から掲揚しなければならないのでありまして、詳しい点はひとつ特連局長から説明させます。
#11
○政府委員(山野幸吉君) ただいま長官から御答弁になりましたような法律に基づきまして、たとえば外国の港に出入国するような場合に、所管の官庁から掲揚を求められました場合にはその国旗を掲揚せにゃいかんとか、いろいろこまかい規定があるわけでございます。
#12
○森元治郎君 少なくも旗を掲げる場合は、その船の所属する国の旗を掲げるということでしょうね。
#13
○政府委員(山野幸吉君) その船の属する国の旗を掲揚するのが原則でございます。
#14
○森元治郎君 そうすると、今度できたデザインは、日本側では、この併揚するという表現が、松岡主席が、アメリカででもそうだし、国会におけるお話でも併揚となっていますが、アメリカ側の説明などを聞いてみると、合わせて一つと――われわれは二つ、従来の琉球の旗と、こっちの国旗と二つあがるのだ、こういうふうに理解しておったのだが、一つだと、こういうことです、向こうの説明は。一体、三角の旗と国旗くっつければどこの国になるのですか、どこの国の国旗に。
#15
○国務大臣(塚原俊郎君) いまのその旗が、ワン・フラッグであるかどうであるかという、これはだいぶ日米協議委員会においても議論いたしたのでありまして、この前の前でありまするから、選挙中に開かれた日米協議委員会においては、いわゆるワン・フラッグと、全然セパレートしていない、くっついたものが出たわけであります。そういったものについてはわれわれとしては承服することができない。いかに沖縄の方々が日章旗をあげたい、日の丸をあげたいという強い願望があって、ワン・フラッグというアメリカの考え方に対してはわれわれは承服できないということで再考を促したのでありますが、今度の旗もこれはワン・フラッグではなく、もちろんセパレートと申しますか、三角旗の下に少し間を置いて日の丸を掲げておる。これは一体どこの国の旗であるかという御質問でございますけれども、施政権かアメリカにある関係でなかなかむずかしい問題があることは森委員もよく御承知のとおりであろうと思うのでありますが、一日も早く日章旗をあげたいという沖縄の方々の願望にこたえて、一応批判はあるといたしましても、できるものからそういうものをきめていきたいという気持ちからああいう旗をつくったような次第であります。
#16
○森元治郎君 いずれにしても、国旗というのは日の丸のほう、これが国旗、白地に赤い、それと日本字で琉球と書いた三角の流れ旗、これはそこらの漁船の大漁の旗と同じようなもので、二つくっつけた場合は日本だけなんですね。したがって、外国は、これを見て、かりにインドネシアが見て、琉球なんという国家はないんですから、これは日本のほうに話を持ってくるだろうと思うんです、すべて。ですから、これは妥協でできたというけれども、実に法律論と政治論をごちゃごちゃにした苦心の作ではあるが、船舶に表示するのはその船の属する国の旗を立てるというたてまえ上、やはり日本の国旗があがるべきである。逆に、国旗の下に琉球と、日本の中の琉球というほうが明快だと思うんです。また、アメリカがもう少し土性骨があるなら、責任ある施政権をほんとうに実行し島民の福祉を考えておるというならば、船に対する管轄権がアメリカにあるとすれば、アメリカの国旗を掲げて琉球というならばまだわかると思うんですよ。アメリカの国旗も掲げない。日本の国旗は下のほうにくっつける。どうも行くえ不明の政治だと思うんですね。これは将来問題が起こります。たとえば人の保護権は日本政府だが、船は向こうだとかこまかいことを言っておるが、これはあなた方の協議委員会の交渉があまりに事務的に過ぎて、むしろ日本の旗を上に立てて、上と下を取りかえたほうが見ばえがいいですね。上に、二等辺三角形の底辺の長さは日本の国旗の縦の長さの半分だというこまかいことを言う必要はないんです。ところが、この申し入れば政府のほうが申し入れたんですよ。日本の外務大臣が船に対する管轄権の現状からでは日本国旗を掲げることは法律的にいろいろ問題があるので、ひとつ日本の国旗と琉球の旗をくっつけることはどうですかという提案をこっちからしておる。ここに間違いがあるのです。日本の国旗、琉球のしるし、いまの様子を見れば、どんなしろうとでも琉球の中に日本があるように見えるんですね。あれは日本の中の琉球なんですね、これは。ですから、旗の立て方の順序も違うし、日本の国旗もセパレートして、その船尾に日本の国旗、マストに流れ旗、これはあそこに専門家がいるけれども、そういうことで十分に表示ができて、国際的な問題も起きないと思う。あまりにアメリカの施政権にこだわり過ぎ、日本もまた頼まれもしないのに、言われもしないのに、管轄権がないから旗は困難だという変な注釈をつけて外交交渉するのは卑屈ですよ。私は非常に不満なんです。日本の中の沖縄ということで、日本の国旗が上にあがるべきだ。こういうことに対する大臣の御感想を伺いたいことが一つ。
 それから、あくまでもアメリカのほうが法律論にこだわって、日米協議委員会の発表のあった文書の中で、日本の国旗とその上にと書かないで、日本の国旗と同一の旗、というのは一体何ですか、これもひとつ伺います。日本の旗とアイデンティカル・デザイン・ウイズザ・ジャパニーズ・ナショナル・フラグ――日本の旗と同一の旗ということを言っているんですね、協議委員会の発表に。同一の旗というのは日本の国旗とどう違うんですか。何か別にあるように見えるんですね。ただ、ジャパニーズ・ナショナル・フラッグでいいと思うんですよ。あれだけでいいと思うんですよ。なんでデザイン・ウイズということを特にくっつけてやるのか。この二点を伺いたい。あとのほうは専門家でいいです。
#17
○国務大臣(塚原俊郎君) 気持ちは、私も森委員と同じ日本人としてもっとはっきりした日章旗を掲げてもらいたいという気持ちは人一倍強く持っておるのでありますけれども、施政権がアメリカのほうにある以上、決して卑屈なかってな解釈という意味ではなく、ああいう処置しかとり得なかったと、しかも、沖縄の方のああいう処置をすみやかにとってもらいたいという強い願望にこたえて当面ああいう処置をとったわけでありまして、これが今後どういうふうな影響をもたらすか、あるいは森委員の言われるごとく、あれを掲げて走っておる間にまた妙なフリクションが起きたというようなことがあれば、これはまた十分考えなければならない問題であります。
 それからまた、御質問の第一にあった、日章旗を上にして、下に三角旗というふうに変えることができないかということでありますが、やはり一回きめましたものを直ちにまた朝令暮改で変えるのもどうかと思いますので、一応これでやってみまして、問題がありましたら日米協議委員会においてさらにこちらの強い要望を伝えて御相談するというような場面も必ず出てくるのではなかろうかと考えております。
 第二の御質問の、何か森委員は非常に英語がお上手で、巧みな発音でやられましたが、意味は若干私もわかるような気がいたしますけれども、これも森委員すでに御承知のような事情から、純粋なる日章旗という表現ができなかったわけであろうと私は考えておりまするが、そういったものはひとつ専門家の外務省のほうにお聞き取りを願ったらいいんじゃなかろうかと思います。
#18
○森元治郎君 私は大臣に申し上げますが、私は偏狭なナショナリズムから国旗にしろと言うのではなくて、船舶には所属する国の旗を立てろというから、あの三角流れ旗というのはちんどん屋の旗と同じようなものなんだから、白地に赤で書こうと黒で書こうとたいしたことはない。何らの権威はない。だから所属する国をやれというのなら、国旗しかないんですよ。国旗を堂々と掲げないで、なぜ合わせて一本にしたようなことを言うのか。三角形のものを上につけた一つの旗でしょう。専門家どうですか。一つの旗なんということはないですよ。日本の旗を何かにくっつけて構成できませんよ。
#19
○政府委員(山野幸吉君) ちょっとああいう結論になった考え方を補足的に御説明しておきたいんですが、御案内のように「公海に関する条約」におきまして、公海を航行する船はいずれかの国の国旗をあげなければならない、こういうことになっております。それから、沖縄は、御案内のように独立国家ではない、特殊な法的地位を持ったところでございまして、国旗はいずれの国の国旗を掲げるわけにもいきません。したがいまして、沖縄の船がいままで掲げてきましたのは変形デルタ旗でございますが、これは単に琉球の、沖縄の船籍を示す旗でございます。で、それを掲げなければいかぬというのは「公海に関する条約」を準用した考えから、そういう変形デルタ旗を使って船籍を示して航行しておるわけでございます。ところが、沖縄の人は日本人だし、沖縄の人も、本土の人も、沖縄の船に何とか日本国旗を掲げたいという切なる民族的な要望があるから、何とかしてくれというのが私どもの要望の一つ。そうして何らかの形で日の丸が掲揚されておったら、その銃撃を受けたり、拿捕されたりするような危険もなくなるのじゃあるまいか、こういう二つの要請から、外交上の問題としてこれを取り上げたわけでございます。そのときに、米国が施政権を持っておりますから、それは極端に申しましたら、デルタ旗に米国旗をあげてもあげられないことはないと思います。それからまた、デルタ旗に日本国旗をくっつけることも可能でございましょう。それから、いまのような変形の三角旗に日本国旗をあげることも方法でございましょう。その他いろいろな方法がたくさんあるわけでございますが、一番民族感情的に見て、一番認識しやすい、民族感情としても納得できるような掲げ方、それは日の丸の旗をあの形であげることじゃないか。もちろん、どちらが上にあるか下にあるかという問題もあると思います。しかし、それはやはり施政権を持った米国の主張と私どもの主張との調和されたところで一つの結論が出るわけでございまして、そこでああいう形の旗になりました。
 それで第二点は、それでは日本国旗そのものじゃないじゃないかと、アイデンティカルなものと言っているのはなぜか。私どものほうは総務長官も、外務大臣も、日の丸の旗をその下に掲げると協議委員会でもおっしゃっておられます。しかし、施政権を持った米国の立場から見れば、これはアイデンティカルなものだと、こういう表現をしたいという気持ちも私どもとしてはわかるわけでございます。そうして、二つの旗を一つの旗とみなすと申しますのは、これは「公海に関する条約」で一つの旗をあげることにきまっておりますので、したがって、その三角旗と、それに離れて日本国旗を一組みの旗と、これは拡大的に解釈をいたしまして、これが一つの沖縄の船籍を示す旗だと、こういうぐあいにきめられたわけでございます。御承知のことと思いますが、御参考に経緯を申し上げた次第でございます。
#20
○森元治郎君 それならば、三角と四角の国旗をくっつけた旗をまとめて一つと解釈するのはこっちのかってだ。そうすると、アメリカ政府は各国に回して通告しますね。何という表現を使いますか、的確に一語で言えば。
#21
○政府委員(山野幸吉君) この二つのワンセットの旗が沖縄の船籍を示す旗であると、こういうことになろうかと思います。
#22
○森元治郎君 それはアメリカが考えているのですか、日米で相談してやるのですか。
#23
○政府委員(山野幸吉君) これは施政権者である米国政府が各国に通告いたすわけでございます。
#24
○森元治郎君 受け取った人はたまげるだろうと思う。塚原君は茨城県で私と同じだけれども、茨城県の旗と国旗をくっつけて同等のようなことを言っているのはおかしいですね、民族感情から。法的に沖縄はどこだといえば、これは日本なんですよ。ただ、人間が行なっている政治、それを大きく分ければ、立法、司法、行政の三権は人間社会を動かしている三つの大きな権力の行使の権利、これをアメリカが持っているだけで、沖縄はどこだといえば、日本なんですよ。だから、民族感情から、漁民のために掲げるのじゃなくて、当然にこれは掲げるべきだというのが第一です。
 それからワンセットなんというしらばくれた話はないので、大漁節みたいな旗はマストの向こうに掲げておけばいい、船籍は艦尾で、出入港のときにあらためてホイストすればいいんですよ。そこらがなぜがんばれないのですか。
#25
○政府委員(山野幸吉君) これは先生御承知のことでございますが、結局、旗をあげた場合、その属する国の船舶行政権の及ぶということを前提にしてその旗をあげるわけでございますから、したがいまして、現在沖縄は米国民政府が施政権を持っておる。船舶行政権は米国民政府にあるわけでございます。したがいまして、わが国の国旗だけをストレートにあげるわけにいかないという、それが沖縄の非常に複雑な法的地位のために、やむを得ずそういうことに相なるわけでございます。
#26
○森元治郎君 やはり必要は何とかの母ということばがあるが、施政権を返せ返せとこっちは言う、向こうは取られるのじゃないかと思ってびくびくしている。そういうことに触れないで、船が魚をとりやすく、どこへ行ってもつかまらないように、琉球なんてどこのやろうだ、ちょっと来いと言われても説明しなくて済むように、そういうところから施政権返還ということも事実上できないのだからアメリカは一々漁船の世話までは、それはこっちにまかせてもらう、施政権へこんだわけでもないじゃないかというくらいの大きく政治をやってもらいたい。できもしない、機能別に教育権の返還とか、ああいう大きなことを言わないで、現実日本政府でもやれるべき、アメリカが手の及ばないこと、これはこっちにやらせて当然だと思うのです。それだけを御注意申し上げて終わります。
#27
○岡田宗司君 いまの漁船拿捕の問題に関してお伺いしたいのですが、本来なら外務省からお伺いするのが筋だと思うが、過去にこういうことがあったので、おそらく総理府のほうでも御承知だと思うので聞くのですが、今度拿捕されたあれの釈放、それから船の引き渡し、それは一体どこが交渉するのですか。
#28
○国務大臣(塚原俊郎君) 外交保護権はアメリカにありますので、この前のときの取り扱いとしては、第一次的にはアメリカ側がその任に当たり、補充的任務として日本の大使館に連絡があり、共同作業という形でこれをやったというふうに私は聞いております。
#29
○岡田宗司君 この間、私、予算委員会で質問したのですが、とにかく沖縄の人は日本の国籍があるということなんです。その日本の国籍のある人が外国でつかまった、それは日本の国籍があるけれども、沖縄の人であるという場合に、その沖縄におけるアメリカの施政権というものはその人にくっついて外国にまで及ぶものなんですか。
#30
○国務大臣(塚原俊郎君) この間の岡田委員の予算委員会における御質問を、私、一部始終伺っておりましたが、いまの御質問の、外国における沖縄の方の外交保護権は第一次的に日本政府が持っている、私はこのように解釈しております。
#31
○岡田宗司君 そういたしますと、つかまった場合に、日本政府は直ちにその釈放を日本政府として要求できるわけでしょう。それは、今度の場合どういうことになりますか。外務省はすぐやるだろう、あなたのほうでは外務省に対して、すぐに日本政府として釈放方を要求しますか。
#32
○国務大臣(塚原俊郎君) この前の例という御質問だったものですから、前にとった処置を、私の考えを申し上げたのでありまして、船というものが主体になったために、第一次的にアメリカ側が保護権を行使した、こういうなことですが、ただいまのように、沖縄の方個人という、沖縄の方、人間ということになりますと、これは当然日本政府が第一次的に強く要請することができると私は考えております。なお、船と人間との関係等においても大いに検討を要すべき問題がありまするし、この間も衆議院で私答弁申し上げたんですが、日米協議委員会でもこういった予盾――矛盾と申しますか、批判のある問題については今後とも――今後ともというより、むしろ、そういった問題があることを予想して真剣に討議し、われわれの考えを徹底させるような努力はしなければならないと強く考えております。
#33
○岡田宗司君 人間がつかまって、日本政府がこれに釈放を……。船のほうは、これは人でない。それで沖縄の船籍があるので、アメリカの施政権が及んでおるから、日本側としてはこれを戻してくれという交渉はできない。で、琉球政府からアメリカの民政府に話をして、アメリカの民政府がこれを本国の国防省に話をして、それから国防省から国務省に話が行って、それから出先機関に話が行って、それで交渉を始めると、こういうことになるんですね。一体こういうことで、つかまった連中の釈放に対する緊急措置ということができるものですかね。
#34
○国務大臣(塚原俊郎君) その問題非常に大事な問題であると思いまするし、ことに、今度そういった旗を近く掲揚して漁船が出漁するということにもなると思いまするので、あの旗ができるまでの経緯から考えましても、いま岡田委員御指摘のような問題を予想いたしまして、私としましては、前の例は外務省が一次的にやってこちらが第二次的というような、共同作業というようなことばを申し上げたのでありまするが、いまのようなことで手おくれになったのでは何の意味もなさないのでありまするから、今度は、人に対する外交保護権は日本にあるという考え方から、それから船と人との関係というものももちろん含めまして、よくアメリカと連絡をとる。――連絡をとるといっても、私に与えられた公式の交渉の場所は日米協議委員会でありますけれども、そういった場を利用いたしまして、そういった場で強くわが方の主張をいたし、立ちおくれないようにすみやかなる釈放ができるような措置を日米共同でとる。どちらがイニシアをとるということじゃなしに、いわゆる日本に一番関心のあることならば、気分の上では日本がイニシアをとりながらもこの解決に当たる努力はしなければならないと考えております。
#35
○岡田宗司君 そこで施政権の及ぶ範囲という問題ですけれども、私は、平和条約の第三条、それからその他いろいろの取りきめだとかなんとかというものを見ますと、どうも施政権というのは、沖縄の領土それからその領水ですか、それ以外に及ばないように思うんですけれども、物の場合にはそれはくっついてどこまででも広がっていくんですか。そこらの一体範囲はどういうふうに話し合いがついてるんですか。これはあなたに聞く話じゃないんですけれども、それに基づいてアメリカでもやってるし、あなたのほうでも関係があるんで、いろいろと問題が起こったときにぶつかるんだろうと思って聞くんですが、それはどういうことですか。
#36
○政府委員(山野幸吉君) 非常にむずかしい問題だと思いますけれども、たとえば船の場合は、これは船舶の行政権がアメリカ側にありますから、外国の公海その他で拿捕された場合には当然アメリカの施政権がくっついていくわけでございます。それから、日本人が海外にある場合の外交保護権は、日本国としては当然行使いたしますから、したがいまして、日本人たる沖縄の人が外国に行って外交保護を受けるような事態が生じた場合には、当然わが国の外交保護権が行使される、こういうぐあいに私どもは解釈しておるわけでございます。
#37
○森元治郎君 関連して。あの二つがワンセットとかなんとか表現のことばが見つからなかったようだが、ワンセット何ですか、ワンセット琉球、日本、アメリカ旗か、一音で言ってくださいね、ワンセットの旗を何と言うんだ。独立してない二つであらわすというのだから、それを一語で何と言うかということが一つ。
 第二点は、あの旗をかりに公海上あるいは沿岸から見れば、上の白地に黒字の字なんか見えませんよ。やはり日の丸のほうが見えやすい。抗議なりあるいは交渉が日本政府に来るだろう、アメリカ国民と書いてないから。法律解釈上の三百代言みたいなことをだれも問題にしませんよ。そのときには、抗議なり交渉、連絡を受けたならば、何も言わないでアメリカ側に移牒するのですか。旗を見て領海侵犯、あるいは何かかっぱらったとか、あるいはいろいろな領海の云々の問題もあるでしょう。公海上でも、旗を見て、日本国旗だ。こっちはワンセットだと。見ておる人がワンセットと見るか見ないか。日本にけしからんと言って来た場合の返事はすぐしないで、そのままそっくり日本大使館を通ずるかどうかしてアメリカさんに移牒してしまうのか。その点二つを伺いたい。
#38
○政府委員(山野幸吉君) 第一点でございますが、これは国旗ではございませんから、したがいまして、沖縄の船籍を示すワンセットの旗、こういうことだろうと思います、しいて申しますれば。
 それから第二点のほうは、いま総務長官から御答弁ございましたように、やはり従来からも、インドネシア等で拿捕された場合に、米国政府が釈放その他の外交折衝をやりますと同時に、わが国のほうとしても駐在の日本大使館を通じて折衝をいたしてきておるのでございますが、特にこの旗の問題等もございますし、今後その協力方については、日米協議委員会あるいはその他外交ルート等を通じまして日米協力してその間の措置に遺憾のないようにいたしていかなければならぬ問題だと、かように考えております。
#39
○森元治郎君 前の点ですが、そうすると、今後はあのワンセットの沖縄船舶旗、そうすると、それは船が所属する国の旗はたてないということですね、いつも。
#40
○政府委員(山野幸吉君) 船に関しましては、これはあくまで船舶の行政権を持っておる国の旗を立てるという「公海に関する条約」のたてまえがございますから、したがいまして、日本国旗とか特定の一国の国旗を揚げるわけにいかない。あくまで船籍を示す船籍旗としての旗を揚げていく、こういうことになるわけでございます。
#41
○森元治郎君 アメリカの旗も立てないと……。
#42
○政府委員(山野幸吉君) そうです。
#43
○岡田宗司君 今度の拿捕の問題で日本政府としては、すぐにジャカルタの日本大使館に照会をして、そうして日本大使館を通じて釈放方の要求の手続をとっておりますか。それはあなたのほうに連絡がありましたか。
#44
○国務大臣(塚原俊郎君) 現在の時限ではまだそういうことは聞いておりませんし、先ほど森委員の御質問にお答えしましたように、詳報が入り次第、私としては外務大臣と連絡をとって釈放その他についての処置をとっていただくよう交渉をいたす考えでございますが、現在のところ、まだ詳報が入っておりませんので、そういう処置はとっておりません。
#45
○岡田宗司君 その際に、日本側としては人の釈放と同時に船の引き渡しも要求しますか。それはもう全然しないで、人間だけの釈放を要求するということになりますか。
#46
○国務大臣(塚原俊郎君) もちろん、人間だけじゃなくて全部含めて強い交渉をしてもらうように私はお願いする考えております。
#47
○岡田宗司君 そういたしますと、これはアメリカの行政権に食い込むことになるのじゃないですか。どうなんですか。
#48
○国務大臣(塚原俊郎君) 法律上の疑義があると言われるかもしれませんが、事実上の問題として、われわれは強い要請をしたいと考えております。
#49
○岡田宗司君 それはぜひひとつやってもらいたいと思うのです。それで、もしアメリカ側がいちゃもんをつけてくるようだったら、これはやはり私は沖縄の人々の人権に対する侵害だと思うのですがね。とにかく緊急のことであるし、それからまあ、そういう場合には当然人と船を両方釈放されることを要求するべきものである。その際に、アメリカがいま言ったように、法律的なことで文句をつけてきたら、これこそ私はやはり強い態度をもって外交交渉に臨んでもらいたい、こういうふうに思いますがね。その点どうですか。
#50
○国務大臣(塚原俊郎君) 岡田委員の御趣旨は私もよくわかりますし、事実上の問題としてというのがどこまでいくかどうかは別として、私は岡田委員と同じような気持ちで強い交渉をするよう要請をいたす考えでございます。
#51
○岡田宗司君 次に、これもどうもまた本題と離れる質問なのですけれども、まあ沖縄のほうでは、琉球政府の予算はこの七月一日から施行されることになっている。それで、いま琉球政府の予算ですけれども、琉球立法院で審議が開始されておる。日本側のほうでは、七月一日からの予算に間に合うようにすでに四十二年度の本予算に組み込まれておりますし、それからまあ通過することはわかっておる。したがって、問題はない。ところが、アメリカ側のほうの援助の問題ですが、これはプライス法に基づく財政援助の増額を要請しているのですね。ところが、あれは一体どうなったのですか。まだきまっていないようにも見えるし、増額要請が、大体において、いままでの例から見るというと、削られることになりそうなのですがね。これらの点についてどういう情報を得ておられるか。
#52
○国務大臣(塚原俊郎君) プライス法の改正につきましては、過般行なわれた日米協議委員会の席上においても、私としては強い要請をいたしておきました。その後プライベートではありますが、アメリカ大使館関係の方なんかにお会いするときにも、日本の沖縄援助の問題と関連いたしまして、プライス法の改正を強く要請いたしておるわけであります。まだこれは議決に至っておりませんが、この間松岡主席がアメリカに参りましてジョンソン大統領以下皆さんにお会いしてきたそうですが、そのときのおもなる目的はプライス法の改正であったという報告を受けております。これがどういうふうな審議状況が続いているのか、詳しいことはまだ私には入っておりません。
#53
○岡田宗司君 これは琉球政府の予算については両国から援助をするという形になっておって、しかも、もう七月一日から始まるという場合に、こちら側としてもそれぐらいな情報は常に把握してなければならない問題だと思うのです。ただ、要請はしたけれども、しかし、あとのことは知らないのだというのでは、どうも少し熱心さが足りないように思うのです。ということは、もちろん、それはアメリカの議会がどういう態度をとるかということはこれからのことでしょうけれども、しかし、日米協議委員会においては、日本側からの財政援助の件については、初めのうちは向こう側からはっきり金額を示してこれだけ出せという、そういうような形で日本側のほうははっきりしておる。アメリカ側のほらの予算がいよいよ始まるというそのころになって、その審議が始まっているのに、まだわからないというようなことですが、これでは私はしょうがないと思うのですよ。こういうことも、もし現実の問題として両国の援助という形が行なわれるならば、ひとつそういう点も常に明らかにしてもらうようにすることが、やはり総理の言ういわゆる日米対等での話し合いの一つの形にもなるのじゃないですか。おれのほうが幾らやるのかおれのほうでかってにきめるのだ、おまえのほうだけはこれだけ出せ、これだけはっきりいつまでにさせろと言うのでは、これは少し片手落ちじゃないですか。
#54
○国務大臣(塚原俊郎君) 岡田委員におことばを返すようですが、決してプライス法の改正について熱意がないわけではございません。日本も今度再三億というものをきめたのですから、アメリカも最大限の援助をしてもらうという強い要請はいたし、また十分な関心を持っているわけでございます。向こうの議会での審議状況というものについてはわれわれつまびらかにいたしませんということを先ほど申したのですが、決して熱意において欠けておるわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
 なお、日米委員会あるいは日米琉技術委員会等においてのこの沖縄の援助について、ひとつ特連局長から補足説明いたさせたいと存じます。
#55
○政府委員(山野幸吉君) 現在米国の下院の審議状況でございますが、下院におきましては、二月六日にプライス議員がプライス法改正案を提案されまして軍事委員会に付託になっております。軍事委員会の第三分科会が四月の十三日に開かれまして、聴聞会が開催されまして、ホルト陸軍次官補とかアンガー高等弁務官がそれぞれ書面で説明をいたしまして、全会一致で改正案を承認して、軍事委員会の全体会議に送付されております。それから上院におきましては、昭和四十二年、ことしの四月四日にフォング議員がプライス法の改正案を提案しまして、軍事委員会に付託されて審議中でございます。
 なお、ただいま総務長官がおっしゃいましたように、日米協議委員会におきましても、数回にわたって外務大臣、総務長官から強い要請が行なわれ、それから本年一月下旬に堀副長官が沖縄を訪問されましたときにも、アンガー局等弁務官に対しまして、プライス法の改正についての強い要請を行なっている次第でございます。
#56
○岡田宗司君 まあ、見通しを聞いてもこれは無理な話だと思うのですけれども、一体、こちら側から要求したような額が議会を通る見込みがあるのですか。
#57
○国務大臣(塚原俊郎君) 向こうの米議会のことでありますので、つまびらかにいたしませんが、通ることを私は強く期待いたしております。
#58
○岡田宗司君 まあ、期待は期待だけれども、いままでの例から見ると、どうも通らないような見込みが多いのじゃないですか。それはそれでいいですよ、先のことだから。どっちになるか、それからの話ですがね。私もよく知らないのですけれども、いま沖縄の立法院で予算の審議が始まりまして、その予算案には、日本の本年度の予算に組み込まれて、そのうちから本年の七月一日から施行される琉球政府の予算への金は、はっきりしているわけですね。だから、おそらくちゃんと組み込まれていると思うのですけれども、一体、アメリカ側のほうの、通るか通らないかまだわからない金は、当初予算には組み込まれてないのですか。あるいはその期待額を見込んでおいて、削られた場合にどういうことになるのですか。そこいらのところはいままでの例からどうなっておるのか、説明をしていただきたい。
#59
○政府委員(山野幸吉君) 琉球政府の予算におきましては、一九六七会計年度におきましては、米国の援助費を千七百三十万ドル計上しております。一九六八会計年度――明年度、日本で申しますと四十二年度でございますが、一九六八会計年度では、千九百五十万ドルを一応見込んで計上いたしておるわけでございます。
#60
○岡田宗司君 一応見込んで計上されておると。これはまあ予算のことですから、たとえば租税収入を計上する場合にだって、経済状況によって計上した額よりも減ることもあるし、余分のこともあるのですけれども、沖縄の場合には、これがもしはっきりときまった額ならばちゃんと計上できるのですけれども、減額された場合に一体どういうことになるのですか。そういう場合の補正予算は、減額の補正予算を組むのですか。
#61
○政府委員(山野幸吉君) 実は、琉球政府としましても、千二百万ドルで据え置かれた場合のことを想定いたしまして、いろいろ事務的には減額更正その他のことも考えておるようでございますが、しかし、もう年度末でございますし、琉球政府自体も、この前、企画局長が参りまして、私どもとしては今回のプライス法改正ができるものということであくまで進んでいきたいと、こういうことを言っておりました。
#62
○岡田宗司君 まあ、そんな当てにならないようなものを予算に組み込んでやっている、そして、それがアメリカ側の都合でもって減ずられたということになると、これは予算の施行、そして琉球政府の仕事というものは非常に阻害されるのですね。この琉球政府の仕事が阻害されるということは、結局アメリカ側の責任になると思うのですよね、そういう場合には。一体その際に、日本政府としては、佐藤・ジョンソン会談の際のコミュニケにもあるように、沖縄の住民の福祉安寧を増進するということとそれはどういう関係になりますか。
#63
○国務大臣(塚原俊郎君) 将来これが減額されるかどうか、これはまだ将来のことですからわかりませんが、何回も繰り返すようですが、プライス法の改正が実現いたしまして所期の援助が決定されることを私はまあ強く期待しておる、こういうことを申し上げる以外に方法がないわけなんです。
#64
○岡田宗司君 これはまあいまの段階ではそうでしょうけれども、もし減額されたときに、私は、これはやはり将来問題があると思うのですよね。自治権の拡大とか、経済の確立だとか発展だとかというようなことをアメリカ側でうたっておいて、そういうような手続上の問題でもなおかつ琉球政府に対して非常に何か困らせるようなやり方というものは、これは私はやはり日本政府としても考えてもらわなければならぬ。私は、いま沖縄の問題について、施政権が全部向こうにあるからだ、あるから日本側としては何にも口をはさめないんだということではいけないと思うのです。おそらく佐藤・ジョンソン会談のあとのコミュニケにも、日本は何もアメリカの言うとおりにおまかせしますとも言っていないと思う。この間、私が潜在主権の問題について三木外務大臣にお伺いしたときに三木外務大臣は、たしか、沖縄の問題については日米で協議しながらやっていくと、これは潜在主権の説明についてのお答えのうちにあったのですよ。日本側として、こういう問題でもっていつまでも施政権はアメリカさんにあるのだから何も言えないのだという態度であってはいけないのじゃないかと思う。その点どうでしょう。
#65
○国務大臣(塚原俊郎君) 従来からも、かなり主体性を持った発言はいたしておると私は考えておりまするが、岡田委員御指摘のごとく、今日の沖縄に対する、沖縄が置かれている立場、また沖縄に対する関心、そういった面からもさらに自主性を持って、強い姿勢ですべての問題に対処していくことが絶対必要であろう、私はこのように考えております。また、そうあらねばならないと考えております。
#66
○委員長(山本利壽君) ちょっと速記とめて。
〔速記中止〕
#67
○委員長(山本利壽君) 速記を始めて。
#68
○岡田宗司君 今度の宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与ですね。これはもちろん郵政省のほうでもって建設をするわけですが、この設備の譲与先との話し合いはどうなっているのですか。法律的にはどこと契約して譲与するのですか。
#69
○政府委員(山野幸吉君) 琉球政府に譲与するということになろうかと思います。
#70
○岡田宗司君 そうすると、これは琉球政府の財産になるわけですか。
#71
○政府委員(山野幸吉君) そのとおりでございます。
#72
○岡田宗司君 いま琉球政府は、それ自身放送事業をやっておらんでしょう。そうすると、琉球政府は、これをもって今後どういうふうにするのですか。
#73
○政府委員(山野幸吉君) 琉球政府は現在、御指摘のように、放送事業をやっておりませんが、今度の立法院に、大体本土の放送法に準じた放送法を立法勧告をしておりまして、近く審議に入るように聞いておるわけでございます。そうしますと、本土で申しますと、NHKに準じたような公共放送を、公社をつくりまして、いま直ちにではございませんが、将来は、琉球放送公社が公共放送を始めたいということに私どもは聞いておるわけでございます。
#74
○岡田宗司君 いま郵政省でつくるものができるまでにそういうものができれば、あるいはそれがすぐに琉球放送公社として仕事を始めるわけだけれども、もしそれに何らかの理由で間に合わないときには、一体これはどういうことになるのですか。
#75
○政府委員(山野幸吉君) 私は琉球政府から聞いておることに基づいて御答弁申し上げておるわけでございますが、琉球政府といたしましては、ぜひ今度の立法院で放送法を通過さして、そうして放送公社を発足さしたいと、その放送公社には、全額琉球政府から出資をして、その出資の準備金等も用意をいたしておると承知しておるわけでございます。
#76
○岡田宗司君 いま沖縄本島に民間放送が二つありますね。これは一体どういうことになるんですか。
#77
○政府委員(山野幸吉君) 民間放送の問題につきましては、今度日本政府で先島のテレビ置局をするという話が出まして以来、地元で審議会をつくりまして、将来の沖縄の放送をどうするかということをいろいろ御審議になったようでございます。で、その過程におきましては、民放を――二社ある琉球放送と沖縄テレビ、この両社を合併するとか、それからまた合併して、そうして一方では公社をつくるというような考え方もあったようでございます。しかし、まあ、いろいろそういう民放のことは民放のお立場もありましょうから、必ずしもそういう方向で進むものとは、私どもはそういうぐあいにきまったとは考えておりません。それは沖縄のほうで自主的に民放のあり方をおきめになるものと考えております。いずれにいたしましても、その琉球政府の意図しておる新しい公社をつくるという方向で進んでおることは間違いございません。
#78
○岡田宗司君 まあ、先島のほうはいままでテレビ放送がない。したがって、琉球放送公社というものができた場合にこれは別に問題はない。これは一体この琉球放送公社は沖縄本島のほうで仕事をするのですか。どういうことになるのですか。
#79
○政府委員(山野幸吉君) 将来の計画としては、本島を含めたものを考えておるようでございます。
#80
○岡田宗司君 私はこういうことを聞くのは、一体今度こういうものを日本がつくる、受けるほうの態勢がどうもはっきりしていない。一体どういうことになるのか、それをお伺いしたい。その受けるほうのつまり準備というもの、その組織というものが、琉球放送公社をつくるにしてもいいけれども、それが一体どういうものだかということをはっきりして、そのはっきりしたものに渡すということでなければならぬと思うのですがね。そこらをどうお考えになるのですか。
#81
○政府委員(山野幸吉君) 私どもも、まあ先生のお考えのようになれば一番よろしいと考えておるわけでございます。しかし、さしあたり琉球政府にこれを譲渡する。で、琉球政府のほうで、ただいまのところ、琉球政府の責任者の方といろいろ話し合ってみますと、十一月一ぱいまでには放送公社を出発させて、必ず受け入れには心配のないようにいたしますということを申しておるものでございますから、したがいまして、私どもはそれを信頼しておるわけでございます。
#82
○岡田宗司君 琉球放送公社ができて、先島だけでもって、沖縄本島がその範囲に含まれないとすると、一体その琉球放送公社なるものは成り立つでしょうか。また、沖縄の人口の分布を見て、そうしてその沖縄本島と先島の人口分布は一体どれくらいの割合になっていますか。
#83
○政府委員(山野幸吉君) 人口で申しますと、先島は約十二万でございます。したがいまして、その経営の問題を、先島だけに限りまして経営の問題を議論いたしますと、いろいろ問題があろうかと思うわけでございます。ただその場合も、どういう規模でどういう方向で運営するか。たとえば演奏場を直接使って、そうしてあわせてビデオその他のフィルムを使っていくのか。あるいはもう先島だけの場合には演奏場は全くやめてビデオだけでいく場合とは、相当経費も変わるわけでございますが、いずれにいたしましても、相当きついことは事実だろうと思います。しかし、ただいま申しましたように、現在立法院で放送法を現在審議中でございまして、したがいまして、公社が出発いたしましても、必ず本年は先島からやるのだ、本島は全くやらないのだというぐあいにはっきりきまったわけでもございません。したがいまして、いましばらく模様を見まして、先島だけの場合については、いろいろ琉球政府自体としても、相当それに対する対策はお考えになるだろうと考えておる次第であります。
#84
○岡田宗司君 いよいよふしぎなんですね。とにかくこちらが譲渡いたしましょう。その譲渡をされる側がこれからできるのだ。これもいいでしょう。しかし、もう少しはっきりした方針を持って、そうして具体的に計画を持っておるものに譲渡すべきが当然じゃないですか。とにかく相当な施設をもらうのですから、やはりもらう側にしてみれば、それをどう使うか、それから将来それなどういうふうに発展させていくかということについての一応のプランを日本側に示すべきである。いまあなたの話を聞いておると、法律案はできておるけれども、計画についてはあまり具体的でないように思うのですが、その点どうですか。
#85
○政府委員(山野幸吉君) 放送法の審議が、実は御案内のとおり、立法院が相当審議を中止しておりました関係で、放送法の審議が二カ月ばかりおくれておるわけでございます。したがいまして、私どものほうも、至急ひとつこの放送法の審議をしていただいて受け入れ態勢を早急につくってもらいたいという御要望を申し上げているわけでございます。で、ただ琉球政府のほうとしましては、ぜひこの立法院で放送法を成立させて、十一月までには必ず、最悪の場合には先島だけの放送であっても、必ず受け入れて放送できるように持っていくということをはっきりおっしゃっておられますから、私どもはそれを信頼しておるわけでございます。
#86
○岡田宗司君 まあ、そう言っておるから信頼しておるのだと言うけれども、その放送法だって、いまの立法院の状況からいくと、通るか通らないか疑問じゃないですか。第一、六月三十日までが会期でしょう。で、ああいうような問題がありましたために、いま予算審議に限られているようです。予算審議が六月三十日に終わった後に延長されるかどうかは、教育二法案の関係で非常に微妙でしょう。通らなかったら一体どうなるのです。
#87
○政府委員(山野幸吉君) 私どもは琉球政府の主席なり責任者の言を信頼する以外にはございませんので、したがいまして、琉球政府は、必ず今立法院で通して受け入れ態勢には遺憾のないようにいたしますということを明言しておりますので、それ以上、そうでなかった場合は全く想定していないわけでございます。
#88
○岡田宗司君 必ず通しますと言うけれども、通します公社そのものが、一体どれくらいの規模で、そうしてそれがどういう組織を持っておって、そうしてそれがどういう運営をやるのか、そういうことをあなたのほうではっきりつかんでいないのですか。たとえば、郵政省でもはっきりつかんでいないのですか。
#89
○政府委員(竹下一記君) 郵政省といたしましては、非常に概括的な話を聞いておるにすぎないのでございまして、詳細につきましては直接聞いたこともございませんし、そういう実情でございます。
#90
○岡田宗司君 いま私のような疑問が出るのは、その向こう側の受け入れ態勢――私も先島のテレビが早く始まることを非常にいいことだと思っておるのです。早くこれを開始して、そうして先島の人たちに喜んでもらいたいと思うのですけれども――その受け入れ態勢のほうが、どうもあなたの言じゃはっきりしてないように思うのですね。何をやるんだか何だかさっぱりよくわからん。第一、琉球立法院に琉球政府が法律案を提出しているならば、その法律案――まあ何ですか、法令ですか、法令の案、草案というか――それが、ドラフトがあなたのほうにも来ているはずだろうし、それから、それに基づく計画書も来ているはずでしょう。だから、そういうものをやはりこの際審議をする場合にちゃんと出してもらうともっとはっきりするんじゃないですか。
#91
○政府委員(山野幸吉君) いま御指摘の点は、確かに沖縄の放送公社につきましての、放送法の中に規定されております沖縄放送公社というものの内容は、法案は持っております。それはいま申し上げましたように、沖縄全域について放送事業を行なうたてまえからつくられておりまして、大体その内容を見ますと、本土のNHKと同じような考え方で法案が作成されております。したがいまして、琉球政府としましては、いま立法院でただいまから審議をしていく法案でございまして、したがいまして、これをこのまま本土のほうの国会のほうで御審議いただくのもどうかと思うわけでございますが、したがいまして、何らかの形でその考え方の骨子を資料として御提出することは可能でございます。
 で、なおいわゆる民放と放送公社の関係等につきましては、いま立法院に提案されましたこの放送法の進捗と並行しつつ、政府のほうと民放、その他関係方面と協議しながら固めていかれるように私どもは聞いておるわけでございます。
#92
○岡田宗司君 何も立法院に出ている法令案とか何とかをこっちで審議しようというわけじゃない。参考にやはり出したらどうか。そうじゃないとはっきりしないからと、こういうことなんですよ。いまお伺いしても、放送公社と民放の関係がどうもはっきりしてないようです。それから、今後この一部分ができたとした場合に、沖縄の民間放送の二社と、今度新しくできたところですね、琉球公社の先島の部分との関係が一体どうか。これはたとえばビデオ・フィルムの提供問題があるでしょう。さらに内地のNHKからの供給との関係が一体どうか。その点はどうなのか。
#93
○政府委員(竹下一記君) 現在でもNHKの番組が沖縄の民間放送へ流れていっておるのでございますが、今度さらに先島地区で琉球放送公社といった運営形態で行なわれます場合におきましても、従来同様、NHKの番組がまず沖縄本島へ電送されまして、それからはビデオ・テープもしくはフィルムを飛行機もしくは船舶でもって先島の親局へ送りまして、そこから電波を発出するという形になると思われます。NHKの関係は、先島につきましてもいままでと同様の関係であろうかと思います。
#94
○岡田宗司君 NHKからいまある沖縄の民間放送二局へビデオ・フィルムが供給されておりますね。あれは相当な代価を取っているわけですか。
#95
○政府委員(竹下一記君) 対価をもらっておるわけでございますがやや詳細でございますので、直接の担当官をして返答いたさせます。
#96
○説明員(左藤恵君) お答え申し上げます。四十一年の四月から四十一年の十二月までにNHKが沖縄テレビ、琉球放送等に提供いたしました番組につきまして、NHKに対しまして支払いました対価でございますが、テレビ番組につきましては九百四万九千円、ラジオ番組については三十七万七千円NHKに支払っております。
#97
○岡田宗司君 今後琉球放送公社ができました場合に、それにもやはり料金を取って売るわけですね。そういうことになるのですか。
#98
○政府委員(竹下一記君) そのとおりだと思います。
#99
○岡田宗司君 NHKとしてですね、まあ売っておるのはそこだけですか。ほかにはないですか。
#100
○政府委員(竹下一記君) 日本の民間放送に、ごく一部でございますが、番組を提供しておる。それ以外にはなかろうかと思います。
#101
○岡田宗司君 まあ、沖縄に行ってみますと、NHKの放送を何かコマーシャルに使って、まことに奇異な感を抱くんですけれども、琉球放送公社ができました場合も、まあ琉球放送公社予算の問題もありましょうが、これはやはりいま言ったように、そのスポンサーをつけてやるのか、それとも、日本の場合と同じように、放送の聴視料ですか、聴視料を取って経営することになりますか。
#102
○政府委員(山野幸吉君) 聴視料を取るたてまえになっております。
#103
○岡田宗司君 そうすると、スポンサーをつけないですね。そうすると、まあNHKの番組が提供されて、その場合はスポンサーがつかない。そうすると、いまの民間放送のほうには、NHKから提供されたものにスポンサーがついておる、こういうことになるわけですね。まことに妙な話だけれども、そうなるんですか。
#104
○政府委員(竹下一記君) いまの沖縄の琉球の民間放送のほうで、NHKから流しました番組にコマーシャルがついておるということにつきましては、今後、先ほどの公社がやりまする放送にもNHKの番組を使うという問題と関連いたしまして、たいへんむずかしいことになろうかと思いますので、今後十分検討してまいりたいと思います。
#105
○委員長(山本利壽君) そのほかございませんですか。
 他に御発言がなければ、本法案に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じます。
 次回の委員会は、五月十九日金曜日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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