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1967/05/16 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 運輸委員会 第3号
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1967/05/16 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 運輸委員会 第3号

#1
第055回国会 運輸委員会 第3号
昭和四十二年五月十六日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                岡本  悟君
                小酒井義男君
    委 員
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                木村 睦男君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                大倉 精一君
                吉田忠三郎君
                田代富士男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  大橋 武夫君
   政府委員
       運輸省航空局長  澤  雄次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     成田  努君
       新東京国際空港
       公団副総裁    今井 榮文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (新東京国際空港等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。運輸事情等に関する調査のため、新東京国際空港公団総裁成田努君及び同公団副総裁今井榮文君を本日の委員会に参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(天坊裕彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(天坊裕彦君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、新東京国際空港等に関する件について調査を行ないます。
 質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#5
○小酒井義男君 最近、いろいろ新聞等で、現地の調査等について記事が載っておるようですけれども、いままでどういう状態に調査その他が進んできておるのか、一応概略の御説明を願いたいんですが。
#6
○参考人(成田努君) 昨年七月三十日に創立いたしまして、発足をいたしまして以来、役職員一同真剣に一日も早く空港完成のために努力しつつあるのでございます。しかし、用地買収等なかなか困難な問題がありまして、これをできるだけ早く解決いたしまして処理したいと思っておりますが、なかなか意のごとくまいりませんが、しかし、県当局も非常に協力してくださいまして、今日ではもうここ数日中に、また月中にはぜひとも立ち入り調査、測量を――用地の測量をいたすところまでまいっておりますので、私どもとしましては、測量後早急に用地の買収に取りかかりたいと存じております。なお、こまかいことにつきましては、副総裁も出席しておりますから、るる御説明を申し上げるつもりでございます。
#7
○参考人(今井榮文君) ただいまの総裁の御発言を補足して御報告申し上げたいと思いますが、現地の事情につきましては、いま総裁からもお話がございましたように、用地の買収の問題につきまして種々折衝をいたしておるわけでございますが、現在、用地内に土地を所有される方々につきましては、大体八割程度の方々は条件派と申しますか、条件いかんによっては用地を売り渡すことについては異存がないということで、目下県を中心といたしまして条件派の方々とその用地を売り渡すことにつきましての条件等についていま折衝をいたしておる段階でございます。で、いま総裁から立ち入り調査について今月中にもというお話がございましたが、この点少しくふえんして申し上げますと、公団としてはできるだけ早く用地の取得の基本になる空港の区域の測量だけはやりたいというつもりでおるわけでございますが、しかし、これも公団独自でいろいろやるというふうなことは必ずしも適当ではございません。私どもとしては十分政府とも連絡をとり、かつ最も私どもが協力をお願いしなければならない千葉県知事の御意向というふうなものも十分お伺いをした上で、今後どういうふうな方法で測量に入るかということをきめていきたい、こういう御趣旨でございます。私どもとしてはでき得る限り現地の方々と話し合いを円滑につけまして、その上で測量に入りたい、こういうのが趣旨でございますので、ふえんして申し上げます。
#8
○小酒井義男君 なかなか現地の反対は強いようですが、あれですか、測量にトラブルを起こさないでもはいれるというような見通しはありますか。
#9
○参考人(今井榮文君) その点については今後の問題ですので、私どももいかなる事態を予想するかということはきわめて困難でございますけれども、かねて千葉県知事とたびたび会合してお話をしているのでございますが、けさの新聞によりますと、千葉県知事も現地に出向いて反対派の方々と直接お話をするというふうな記事が載っておりましたが、先般知事に会いました際も、知事もできるだけ早い機会に反対派の方々ともお会いしたい、こういうことを言っておるようでございます。現在反対派の方々の主力は、私どもの観測によりますと、むしろ敷地内の方々よりは周辺に移ってきておる。御承知のように、飛行場でございますので、騒音問題が非常に大きな問題でございます。特に空港の南側になります芝山町、ここが騒音の被害だけを受けるということで、何ら町の発展に空港が寄与しないという意味から非常に反対が強うございますので、私どもとしては芝山町の今後の空港とともに栄える開発策というものをやはり政府にお願いし、あるいはまた県と協力して打ち立てて、非常に反対の強い芝山町の方々のお気持ちをもできるだけやわらげる、こういう趣旨で努力いたしたいと思っております。
#10
○委員長(天坊裕彦君) 速記をちょっとやめて。
  〔速記中止〕
#11
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけてください。
#12
○吉田忠三郎君 運輸大臣に二、三運輸交通について伺っておきたいのは、十一日の予算委員会で私は大臣に若干この関係質問しております。きわめて予算委員会の持ち時間が不足でございましたから、最後までその結論を得ずして終わっておりますから、運輸委員会の時間等もありますから運輸委員会に持ち帰ってきたわけであります。
 その第一の問題は、わが国の交通政策の問題、大臣は予算委員会において基本的な考え方としては、国際一社、国内二社の線でやります、こう答えられたわけであります。そこで、この国際一社、国内二社というものは、御承知のように、これは航空審議会の答申の結論なんです。ところがその後に、全日空の事故あるいはその他一連の航空会社の航空事故によりまして、その後急遽またどうもわが国の航空安全の問題が何とかというかっこうで、経団連の石坂さんとかいう人と、それから植村さんという方が何かその件についての何といいますか、暫定的といいますか、答申を出した模様なんです。それが結果的には閣議の了解事項になって、その閣議のきめ方というのはどういうことかというと、まことにそれはあいまいなものだというふうに言わなければならぬけれども、閣議了解事項というものは、去年の五月にどういうことを打ち出したかというと、航空業界の再編成の基本方針と、こういうことで出されておる。で、主たるものは、膨大な赤字をかかえております国内航空の再建に日本航空が協力をして、しかも一面においては国内航空も可能な限りの徹底した合理化をやって、四十六年の三月の時点で日本航空と合併しなさい、これが閣議了解の一つの点。第二は、日本航空が全日空と業務提携、あるいは技術提携をして、そうして技術的に、人的に協調して事故をなくしなさい、これがこの閣議了解事項ということで今日なされている私はやり方だと思うのですね。これを今度逆にいろいろ検討してみれば、当初の航空審議会で出したものとはおおよそ内容が変わってくるはずなんです。それからこの間予算委員会で大橋大臣が私に答えられたこととおおよそ変わってくると思う。なぜかといえば、四十六年をめどに国内航空というのは日本航空に合併しなさいとなっておるのですから。合併したらこれは国内二社ということにならないじゃないか、こういうことになりますね。しかも予算委員会では日本航空のあり方について私はあなたに質問したわけなんです。そのとき日本航空というのは、あなたはわが国の先べんとして国際線に重点を置いて、いわば国際一社の線に基づいて国際競争力の基盤強化をやらせるのだ、こういう答弁があったのですね。若干金の面でやりとりしたときに、あなたは若干金を間違えて二十五億といったが、これは二十六億の予算をもらっているというわけです。まあそういう話は別として、いずれにいたしましても方向は変わってきておるはずです。それで私はあなたに、わが国の政府としての基本的な航空政策というのはどこにあるかということを聞いたが、結論が出なかったので、私はあらためてここであなたの考え方というものを承っておきたいと思います。
#13
○国務大臣(大橋武夫君) お答えを申し上げます。
 昨年五月二十日付の閣議了解の線でただいま政府といたしましては航空事業の編成作業を進めたい、これはただいまの確固たる政府の基本方針でございます。
 その内容は、御指摘のとおり、まず第一には、日本航空と日本国内航空とを将来合併させるという方針でさしあたり両者の運営上の提携を強化するということ、また日本航空と全日本空輸とは現在両者間で業務全般にわたって提携について活発に協議中でございますが、これも運営上十分提携を実現さしていきたいと思っております。さらに東亜航空、長崎航空については全日本空輸との合併を早急に実現する、こういうことになるわけでございまして、したがって、国際線といたしましては、日本航空の一社、国内線といたしましては、日本航空及び全日本空輸の二社、こういう考えでおる次第でございます。
#14
○吉田忠三郎君 いまの答えでも、本質的に変わってきている、当初から見ると。当初の航空審議会のあれ、それはあなたまだ大臣やる前ですが、この委員会でたびたびこうした問題が指摘されたり、あるいは政府の見解が表明された。私ここに当時の速記録持ってきていますが、これによりますれば、これは私の質問に対して当時の大臣が答えて、国際一社というのは日本航空だということを言っているのですよ。いいですか。国内二社というのは全日空――一面においては国内航空を諸般の手だてをして、それで一つの基盤強化をして、今日持っておる日本航空の国内の幹線を再配分をして国内二社というものを、つまり答申を踏まえて国内二社というものを将来やっていくんだ、こういうことを答えているのですよ。ところが、その直後に問題の事故が起きたわけだ。問題の事故が起きて安全航空の見地から今度は閣議の了解事項ということでこういうふうに変わってきたのです。ですから、その関係を一体あなた方はどう考えられているかということなんです。まず一つね。いまあなたの答えでは国内三社というのは日本航空と全日空だ、こう言っている。国際一社というのは日本航空だ、こう言っている。そうすると、当時の方針から見ると、まさに変わっているということを言わざるを得ない。そういうことでしょう。
 それからもう一つ。いまあなたが答えられた点で、私は非常に不合理な点、非現実的とでも言えるんじゃないかと思うが、日本航空というのは、私は言うまでもなく、すでに赤字になっている点は、百六十億の国の支出を得ているわけでしょう。今度の予算書を見ますと、二十六億です、支出が。財投が四十八億ぐらいでしょう。ですから純然たる政府の支出というのは今度の二十六億を入れますれば百五十六億になる、支出が。これもこの間明らかにしたところによれば、現在もすでに五八%国が持っていますから、今月の二十七日この予算が通過すれば六〇数%に国の玄出はなるわけでしょう。そうしますと、日本航空というのは純然たる国策会社なんです。そのことは私は否定するんじゃない。むしろ積極的にそうすべきものだと思っていますから、私はあえてそれをどうこう言っているんじゃないが、純然たる国策会社。ところが、全日空というものと国内航空というものは、これは純然たる今日までの運輸省の、政府の、つまり航空政策にのっとって関与されたり、指導されたりしてきた民間の会社なんですね。この民間会社と、いま言う、すでにもう七〇%近い国の支出をしている会社と昭和四十六年の五月をめどに合併しなさいということは、木に竹をつぐようなことになりませんか。私はここのところを非現実的だと、こう言っているのです。非合理的ですよ、これはだれが何と言ったって。その点はやはり明快に理解のできるような答弁を私はしてもらわなきゃならない、まずね。
 それからもう一つ、この際伺っておきますけれども、国内航空の今日公表されている借金というのは五十何億と言われています。しかし、これは表向きだ、裏から見た場合は五十何億なんというものじゃないと思う。その点は大臣じゃなくたって、航空局長把握しておると思いますから、ざっくばらんに昭和四十六年五月をめどにして再建しながら合併するということがあるなら明らかにすべきだと思うのですよ。私はその点を明らかにしてもらおうと思うのです。
 それから国内航空の株の内容、特に地方公共団体が持っている株の状態、これをひとつここで発表していただきたい。と同時に、新聞紙上で私どもが伺うところによれば、さらに減資を二分の一にしちゃって、さらに増資を二分の一にする、こういうことです。去年例の三分の一の減資をやりました結果、その当時の五百円の株がどうなるかということは、今度半分に減資するわけですから、それでさらに今度は逆に二分の一の増資ということになったら往復びんたを食うことになりますから、行き帰りになりますから、ですからいまの株の値打ちはどのくらいになっているのか、この点を私は明らかにしてもらいたい、以上四つほどいま伺ったわけですがね、明らかに答えていただきたい。
#15
○政府委員(澤雄次君) ただいまの吉田先生の御質問のうち、数字的なものをお答え申し上げます。
 国内航空につきましては、昨年度金融が非常に逼迫いたしまして、日本興業銀行を幹事銀行といたしまして、この銀行の金融を今後どうするか、それからこの再建策をどうするかということを、主として金融面から運輸省それから興業銀行、関係団体集まりまして、五月二十日の閣議了解の線に沿いまして、将来これは四十六年を目途として日本航空と合併するということと、それから日本航空から諸般の支援を国内航空に行なうということを前提といたしまして、約六十四億円にのぼる協調融資をすることにいたしたわけであります。これにつきましては国内航空の大手株主の債務保証ということをもちろん前提といたしております。それでそのときに関係銀行と洗いました国内航空の欠損は、四十一年度で累積欠損六十九億でございます。それから融資残は八十四億、これは市中銀行の協調融資にかかわりますものは六十四億でございます。それから国内航空の株主でございますが、御承知のように東急は約三七%、それから近鉄一二%、それから京阪神急行九・三%、サンケイ新聞七%、日本航空五・七%あとは商事会社、日本通運、それから北海道庁、札幌市等ございます。最初に申し上げました五大株主と申しますのは、協調融資の際に債務保証をいたしたわけでございます。それから北海道庁関係の出資でございますが、これは三十八年の十二月に北海道庁が三千五百万円の出資をいたしました。それから先ほど先生がおっしゃいましたように、三十九年の一月に三分の一減資をいたしてますので、これが千百万円になりました。それから三十九年の二月に四倍増資をいたしまして、北海道庁が四千六百六十六万七千円になっているわけでございます。
 それから札幌市は、三十八年十二月に三千万円の出資をいたしまして、三十九年の一月に三分の一減資をいたしましたので一千万円、それから三十九年の二月のときには増資に応じないで失権してそのまま一千万円、それから三十九年の十一月に千五百万円という事実になっています。
#16
○吉田忠三郎君 まだこまかな点触れていませんね。その後の協調融資六十四億はわかりましたが、現在幾ら負債を持っているわけですか。
#17
○政府委員(澤雄次君) 現在の融資残は、先ほど御説明しましたように八十四億でございます。
#18
○吉田忠三郎君 八十四億。そうしますれば、昨年この問題を取り上げたのは、私の記憶では九月ですね。ですから今日までわずかにあれですね、八ヵ月くらいの間にですね、まだ一年未満ですが、負債が約倍額に表向きなっていますね。当時四十七億の数字のようですが、いま八十四億。さらに負債があるということになれば、逆に、つまり徹底した合理化をあなた方が要請したけれども、結果的には負債はますます増大していっている、ふえている、こういう傾向があなた方のきょうの報告でもわかるわけです。そこで、なぜそうなったかということの問題を私はあとでお伺いしますけれども、その結果三分の一に減資をしたり、さらにそのものを今度は二分の一減資をやって二分の一の増資をやるというようなことは、それは会社の再建とあなた方は直接は関係ありませんと、こう言うかも知れぬが、直接、間接的に指導しています。そうせねばならぬ、責任上。そうですね。だからそれはそれでいいのですが、その国内航空というのは、もともと北日本航空ということで、北海道のつまりローカルの線を担当して、言ってみれば北海道の道策会社のようなかっこうで、北海道が道庁が中心になって、各市町村団体が全部金を持っている。だから毎回私は言いますけれども、普通の株式会社の、商法に基づく会社とこれは性格が変わっておった。ところが、この富士航空であるとか、あるいは日東ですかなど、いたるところに経営不振の会社ができてきて、これは勝手に合併したのじゃないのです。これはときの政府の方針で、積極的に当時の綾部運輸大臣がこれを取り上げて、歴代――松浦大臣、それから大橋さん、あなたの前の中村寅太大臣もこれを取り上げてきて、いやおうなしに合併したんですよ。ですから当時の速記録を読んでくださいよ。そうした負債をたくさんしょった。言ってみればこじき同士が結婚して満足にいくわけないじゃないですか。いくためには政府として徹底した、つまりこれを育成強化をしていくような手立てというものがなければいけない。それはローカル線では立ちいかないわけでありますから、したがって、幹線というもののシェアを再配分するとか、あるいはどうしても直接経費をまかなえない線については離島航路のような補助政策というものを立てるべきだと、こう言って、歴代の大臣並びに航空局の幹部の諸君は、そのことに積極的に前向きに努力をいたしますと、こう言ってきた。しかし、今度の予算委員会で私しさいに予算を検討してみると、何らそういう前向きとか、あなた方が今日までわれわれに答えられてきた姿勢というものはないのです。これに対して一体どうあなた方いま考えているかということが一つ。
 それからもう一つは、北海道の公共団体が持っていますものの一部をいま澤局長が言っただけに過ぎない。これは時間がかかりますからあまりあえて申し上げませんが、北海道の中では、道庁を初めとして旭川、網走、帯広、釧路、札幌、函館、稚内、当麻という小さな町ですよ。中標津町、それから東利尻、美幌、富良野、女満別、それから利尻町、乙部村なども入っておるのですが、それから中富良野町等々の市町村自治団体が、これは全部株を持っておるのですね。市町村団体が株を持っておるということは、その住民が株を持っておるということになるのですから、この人々がこうした状態の中で、三分の一の減資さらに二分の一の減資、二分の一の増資という形でやられて、結果的には持っておる株が二束三文になってしまったのですね。そうですね。これは算術計算をしてごらんなさい。これは全く二束三文になったんですよ。こうした損失を一体政府の側としてどうこれを補ってやるかという問題ですよ。当時は北日本航空を認可する場合に、これは勝手にできたんじゃないですからね。政府の航空局が認可をしたわけです。その認可して、いま読みあげたこうした市町村に呼びかけたものは何かというと、地域開発の一つの問題と、それからもう一つは、北日本航空というのは社会開発の一環としてこれは伸びいくものであるというつまり指導のもとにこうした出資をさせたわけですからね。ところが現在の状況というものはそうではない。そうすると、簡単なことばでいえば、当時の政府が住民を惑わす、うそを言ったということになる。詐欺とまでは私は言いませんが、ややそれに類する行為をしておるんだ。今日これは何ら手を打っていないのではないですか。これはどう考えますか。
#19
○国務大臣(大橋武夫君) ただいまの国内航空の問題につきましておしかりをいただきました次第でございますが、国内航空の成績が従来残念ながら予期どおりまいらなかったことはまことに遺憾千万に存ずる次第でございます。しかし、国内航空の持っておりまする使命というものは国にとりまして非常に大切な問題でございまするので、国内航空の強化ということについて政府が努力すべきだという御趣旨はまことにごもっともに存ずる次第でございまして、私どももその趣旨に従ってつとめなければならぬと存じます。そこで、ただいま国内航空の再建策と申しますか、強化策と申しますか、これについて政府の考えておりますことは、次のとおりでございます。
 第一は、企業経営の合理化という点でございますが、これにつきましては、第一に、不採算路線をできるだけ休止していくということでございます。
 第二は、ローカル線用の機材をできるだけYS11型機材に統一をしていこう。
 第三には、人員の削減、第四には、幹線の運営を日本航空に委託してもらうということ、第五には、整備基地を東京に集中するということでございます。これらの五点について、当局といたしましてもできるだけ企業の合理化を指導してまいりたいと思っております。
 第二は、日本国内航空の資本構成の改善でございまして、これにつきましては御指摘のとおり四十二年度において二分の一に減資をし、さらに重ねて倍額増資をする、これによって資本構成を改善いたしたいと思っております。
 それから第三には、将来日本航空との合併という点でございます。
 以上、二つの合理化政策の推進によりまして、四十三年度において利益を計上するようにいたし、将来は累積欠損を償還いたしました上で、適正な条件で日本航空と合併をいたしたい。日本航空の国内部門として、将来国内二社の有力なる一翼をになわせていきたい、これが政府の考えでございまして、この線に沿うて今後一そう努力をいたしたいと存じます。
#20
○吉田忠三郎君 大臣の一そうの努力は、それはまあそのままでやっていただかなければならぬことですからたいへんけっこうなことだと思うんですよ。ただそう言ってみても大臣ね、五十二億の会社がもうすでに八十四億借金しょっているということは、これはどういうことなんですか、これ。倒産もいいところでしょう。もし大臣あなたが銀行屋だったら、これ金貸しますか。
#21
○国務大臣(大橋武夫君) これは資本構成と申しますか、財務の構成上企業の経営に問題があるということだと思うのでございまして、いまの日本の企業界におきましては、自己資本の総資本に対する比率が二割、三割というようなものは相当あると思います。できるだけ経営上は自己資本の比率を向上さしていくというのが一般の指導だと存じます。負債が多いというだけではどうということはないと思うんでございまして、ただ問題は欠損額が従来非常に多かった。この欠損をなくし、また将来は帳簿上に残っておる欠損額を回収していくということのために、先ほど来の企業改善の努力を続ける必要があると存じます。
#22
○吉田忠三郎君 大臣ね、あなたどう答えられてもそんなものは社会的な通念として通用しませんよ、これは。確かに再建のために協調融資とかなんとかということで金借りてきますから、帳簿上の負債ということでは確かにいま言ったように、金額は多くなっていって企業そのものは採算のベースに乗るか乗らないかということによってこれは問題が解決するんだ、そのとおりですよ。だけれども国内航空のいまの実態、あなた方そういうことで決算、いまあなたの言ったような状態になっていますかね。特に航空事故のあとというのは決定的な――客がなくなって、よりあなた赤字を累積しているのが企業の内容ですよ。特に北海道の客の一人もない女満別、いま言った中標津であるとか紋別であるとか、あるいは佐渡とか新潟とか長野とか、松本だって飛行機飛んでないでしょう大臣、飛行場あるけれども。そういうところにのみこの会社は飛行機飛ばせということになっているんですよ、客のないところに飛行機を。あなたのいまの再建策の、つまり国内のローカルの機材をYSに統一いたしますからなどと言ってみたって、YSだろうとセスナだろうと、客がないから飛んで行ったって赤字ですよ。そんなとぼけた答弁したってこの委員会は通用しませんよ。ですから私はいまの状態はそういう状態じゃないというのですよ、ないと思う。だからこれをつまり昭和四十六年の五月をめどに日本航空に合併しなさいという閣議了解があるわけですから、すなおにそれを私は理解した上でやるならやるように、まだまだやり方があるのじゃないかと思う。やり方があるのじゃないかということなんですよ。
 それからもう一つは、基本的に日本航空と合併しようといっても、いまの状態のままを今度は逆に日本航空がかかえることになりますよ。昭和四十六年の五月でね。その場合に本来の日本航空の使命というのは一体何かと、私は予算委員会であなたに聞いたら、わが国の先兵としては国際の空を飛躍して国際競争力基盤を強化するのが唯一の使命だと、こう言っている、こう答えている、あなたが予算委員会で。だとすればどうですか、日本航空のやることは太平洋一周だけじゃない、世界一周ではないはずなんですね。まだまだ航空業の問題としては洋々たる問題あるじゃないですか。東南アジアその他等々は、全く他の国際の諸外国にいまやられっぱなしですよ、こういう問題、一体日本航空に使命がないのが。あるんですよ。それなのに昭和四十六年の五月めどに、こういう言ってみれば道楽息子のようなものを吸収合併をさしていくということは、はたして日本航空の私は使命任務に合致するかということになると、必ずしもそうはならない。本質的にしかも大半が国の出資会社、国策会社ですよ。日本航空というのは日航法によって。一面今度は国内航空とともに全日空というものが、たびたび申し上げますけれども、純然たる政府の行政指導監督、慣例による民間企業なんですね。民間企業なんですよ。だから全く竹に木ついだようなかっこうになりませんかと言うのです。基本の国際一社、国内二社というものが、あなたがそれを堅持します、変えませんという答えであれば、全日空というものはやはり、先般の事故はあったけれども、戦後ようやく十数年にして歩ける会社になってきているわけでしょう。問題になるのはこの国内航空だけです。だとすれば、国内二社ということであれば、あなたがいま答えられたように、日本航空の本来の使命があるわけですから、国内の幹線というものを全日空とこの国内航空に再配分して、そうして政府がきめている国内二社というものでやり方があるじゃないかと言うのです、ぼくは。これはどうなんですか。これは佐藤総理大臣も、私の本会議の質問に対してそういうことを答えているのですよ。ぼくがいまかってにこういうことを言っているのじゃないんですね。これは大橋運輸大臣、どうですかな。
#23
○国務大臣(大橋武夫君) 政府の航空に対する政策といたしましては、先ほど来申し上げましたるごとく、国際一社、国内二社。そして国内二社といううちには、一つは全日空、一つは国内航空も将来含めて日本航空の国内線、こういうものを考えておるわけでございまして、そしてそれを実現いたしますために、国内航空の現状ではただいま仰せられましたように、日本航空に対しまして大きな荷物をしょわせることになることは必至でございまするから、さような不安な事態を避けますために最善の努力をいたしまして、国内航空の再建、強化をはかっておる、これが現在の状況でございます。
#24
○吉田忠三郎君 そうしますと、大臣ね、簡単に私はあなたに伺ってみますが、国際線はもとよりもう一社ということは、日本航空、これはもうはっきりしていますね。日航がこれである。国内の関係は全日空というものと国内を四十六年の五月に合併するということですね。これは内容がどうあろうとも、合併するわけですね。したがって、合併したあとで、日本航空のうち国内の幹線と、それから日本国内航空が持っているローカルとつまり一緒にして国内線一社ということに見るわけですね。で、その場合、日本航空として、つまりこのローカルを含めた国内一社、こういう見方でいいんですかな。
#25
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま仰せられましたごとく、全日空が国内一社の一つ、それからもう一社は、国内航空の現在保有しておりまするローカル線をも含めて日本航空が現在持っておりまする幹線をも含めて合併したものが日本航空の国内線として一社、こういう意味だと思います。
#26
○吉田忠三郎君 それで、大臣は答えられましたから、いまの政府の方針はわかりました。そこで、私は冒頭に伺ったように、審議会の答申と、その事故後における閣議了解の一項というのは、したがって、変わってきたわけですよ。変わってきたわけですね。特に私は日本航空が国内の幹線そのままやるといういまの方針ですから、したがって、それはそれなりにやるとするならば、国内二社という基本をくずさないとすれば、筋論議として、日本航空と国内航空というものは合併していって、なおいま大臣が答えられたような諸般の諸問題がございますね。その問題は、日本航空に合併しようと、全日空に合併しようと、政府がやろうと思えばできることなんです。できることですから、やろうとしておるのでしょう。ですから、私はこの合併の筋論議というのは、純然たる民間企業として成り立っているのですから、民間企業として合併させていくのがほんとうだと思う。日本航空には、いま言ったように、やがて来年度になったら七〇%以上こえるでしょう、国の出資というものが。そういうことになりますね。ですから質的に違うわけですね。異質のものを合併しようというところに私は無理がないか。合併論議は国内二社なら二社でけっこうですよ。けっこうだが、合併しようとするならば、全日空は純然たる民間の企業である。国内もそうですね。ですから、そういうものと合併して出てくる派生的な問題については、日本航空が合併しようと、どこに合併しようと同じなんです、問題は。その問題に対して解決策というものは、政府が積極的に、あなたが答えられたようなかっこうでやるんだということであれば、どこの会社に合併しようと政府としてやれるはずなんですね。ですから、合併の筋論議というのは、私は国策会社でない民間同士で合併さして、政府が考えられている国際一社、国内二社ということに分類することが正しいのじゃないかというふうに、そういう見解を私持っておるのですがね。どうですかね。
#27
○国務大臣(大橋武夫君) 純粋に理論的に考えまするならば、先生の仰せられるように、国内航空を政府の指導によって民間会社として育成していけば、全日空に合併しようと、あるいはまた日本航空に合併しようと、そのときの都合でどちらでもいいではないか。したがって、民間会社同士の合併ということも考えられる点でございまするが、従来いろいろな経緯がございまして、日本航空が国内航空を合併するという線でただいまは進んでおるような状況でございます。
 そこで、日本航空に合併するということになると、日本航空は今後毎年の政府の相次ぐ出資によりまして政府の出資割合がますます大きくなっていくのじゃないかというふうな御質問がございまましたが、この日本航空の増資の基本的な考え方といたしましては、今年度には二十六億を政府が増資して出資いたしまするが、同時に、その反面におきまして民間にも増資を求めるということに相なっておるわけでございまするから、政府の年々の増資によって政府の持ち株の割合がふえるというようなことはないのでございまして、今後いかに増資がございましても政府の方針といたしましては持ち株の割合は現在の割合を変えないようにしてまいりたい。官民の資本の割合を変えないようにしてまいりたい。こういうことに相なるわけでございます。ただその場合において、国内航空を合併することになりますと、国内航空は多少日本航空の持ち株はございまするが、大多数は民間の、ないし公共団体、政府以外の持ち株になっておりまするから、その分だけは、若干現在の五八%が政府の持ち株比率として薄められるというようなことはあるいはあり得るかもしれないと存じます。
#28
○吉田忠三郎君 日本航空の株の件について政府出資の問題がだいぶ説明されまして、将来のこれは見通しでしょうけれども、民間の増資の場合は持ち株の割合を変えないようにしていきたい、こういうことですね。ですから出資率はそう大差はない、変わらない、こういう見方ですね。これはまあ推定でしょうけれども、しかし、あの事故当時に私が本会議場で佐藤総理大臣にこの問題伺ったことがあるのですよ。あなた、たしかそのとき労働大臣かな。そのときに佐藤総理大臣に私伺ったのは、航空事業のあり方の問題について、国際的に見れば日本航空の占める、ただいま置かれている立場というものは中途はんぱであるから、少なくともフランスとかあるいは英国、西ドイツとか、イタリアもそうですね、等々のような国は積極的に出資を増大をしていって、私の考えでは、つまりこうした企業というものは国営にすべきものだと思うけれども、佐藤さんの立場は違うのでそうまいらぬと思うから、せめて公団か公社の性格にしてやるべきものではないかということを私聞いたことがあるのです。総理大臣は、つまり国営論は別として、その方向というのは当然でございます。公団にするか、あるいは公社にするかは検討してみましょう、こういう答えになっていますね、この答えは。この答えを今度われわれはすなおに解釈すると、いまあなたが答えられたような方向ではないと思う。ですから私の見方というのは、年々歳々性格はどうあろうとも政府の出資率というものを増大をしていって、本来の日本航空の使命である今日の国際競争力の基盤を確立をして、名実ともに日本を代表する航空事業であるという形にしていくものでなければならないんじゃないかと思うし、そうなっていくんじゃないかと、こう見ているんですがね。ですから、そういう見方であれば、当然やがて入る政府の出資というものはなおかつ続けられていく、こう私ども理解しておったのですが、いまの大臣の答えではそういうことじゃないということになるんですが、この辺はどうですかね。
#29
○国務大臣(大橋武夫君) 私、就任前の総理大臣のお答えにつきまして、まことに不勉強でいままでよく承知しておらなかったのでございますが、実情を申し上げまするというと、日本航空の増資に対しましては、非常に民間の出資意欲が旺盛でございまして、政府の出資がなくとも民間の出資をできるだけ認めるように、すなわち、むしろ政府の出資比率を減らしてでも民間の出資を受け入れてもらいたい、こういうようないまの一般の空気でございます。そこで、政府といたしましても国費多端の折りから、特に大いに政府の出資比率をこの際ふやして全額に近いものに持っていこうというような考えは実際問題として現在考えておらないわけでございます。
#30
○吉田忠三郎君 投資意欲の関係を申されましたけれども、確かに日本航空というのは、ニューヨークの乗り入れをしたり、今度世界一周の飛行をやったり、あるいはソビエトの相互関係の乗り入れをやったりして、国際的にはかなり高い評価をされていることは事実です。ですからニューヨーク乗り入れをしたときにはアメリカなどの投資家も、かなり投資意欲を高めたということは新聞紙上でも出ていますからわれわれもよく知っていますし、それからアメリカの民間人でも日本航空の株を持っていることを私も承知して、ここに記録を持っていますよね。いますけれども、大臣の言っているようなそういう投資意欲が外国とか国内に、あえて言いませんけれども、出てきたからといって、そこだけに目を向けていっていいかどうかということを日本航空については私は思うんですよ。それはなぜかというと、そのことは別に、日本航空には使命があるはずです。任務があるわけですね。ですから、私はいまあなたに再三、あるいは総理大臣を含めてその動向方向というものをずっと確かめてきたところなんですよ。しかも、大臣、民間で日本航空の投資意欲が出てきたとか、あるいはアメリカでも出てきた、こういっておりますけれども、日本航空のいま経理はどういう内容でやっているか、大臣、知っていますか。澤君でけっこうですけれども、日本航空の経理内容を明らかにしてください。
#31
○政府委員(澤雄次君) 日本航空の経理内容で、四十一年度の決算案がいま株主総会のために通達されておりますが、四十一年度の決算案によりますと、営業損益、これは経常利益で五十四億七千三百万円、これは一年決算でございますが、それから海外取引割り増し償却というのがございますけれども、それから四十八億の割り増し償却を実施いたしまして、税引前の当期利益でいうと六億六千五百万という四十一年度の決算でございます。
#32
○吉田忠三郎君 その場合に、航空局長ね、日本航空の国内幹線の決算状況をちょっと言ってください。日本航空の国内線、幹線輸送に関係する決算。
#33
○政府委員(澤雄次君) ただいま五十四億の利益と申し上げましたが、そのうち国際線が四十七億で国内線の経常利益は六億九千九百万円でございます。
#34
○吉田忠三郎君 この国内の六億というのは純利益ですか。
#35
○政府委員(澤雄次君) 経常利益でございます。
#36
○吉田忠三郎君 大ざっぱな経理の内容は明らかになったのですが、そうしますと、大臣、機材の償却をどうするのですか。これは大臣、そうこまかなことはおそらくわからぬと私は思いますよ。思いますが、機材の償却を十年償却でやっておるのです。これは六年とか七年というのは税法でそうなっておるけれども、実際の償却は十年でやっています。ですからこれはもう明らかに税法違反ですよ。なぜこういうことをやっておるかというと、これは金利政策としてやっておるのです。そのくらい表面は、つまり経常的な黒字が出たようになっていますが、そういう社内での経理上の、金利政策上の操作をやっておるのです。これは純然たる意味でいけば税法違反です。これは間違いない。だれが否定しようと間違いない事実なんです。私はそれを追及しようと思っておるのじゃないですよ。そういう、つまり社内での金利政策上のやりくりをやらなければこういうものは出てこない。ですから必ずしも大臣がおっしゃるような楽観的なものではないですよ。だからこそ、より積極的に政府の出資というものを高めていって基盤の強化をさして、名実ともに日本の代表として、先兵ということばを使っておりますよ、政府の答え方には。先兵として国際競争力に対応する企業に育成をしなけれならぬ、こう言っておるのじゃないかと私は思うのです。これは僕が言ったことばじゃないのです。歴代大臣が言ったことばを引用しておるのです。そこに私は日本航空というものの使命と日本航空を育成強化していくという意義があるのじゃないかということで、私は好意的に理解しておるのですがね。こういう点はどうですか。税法違反であるということは私はあえてここで指摘をして追及するという気じゃないのです。こういう操作をしておるということなんです。
#37
○政府委員(澤雄次君) 償却の問題についてお答え申し上げます。
 日本航空は、従来、ただいま吉田先生の御指摘のように、十年定額償却をやっておりまして、これはIATAの運賃決定の償却の基礎といたしまして、IATAで十年というものを使っておりますし、それから世界の航空会社がほとんど十年以上、十年が一番多いのでございます。十年以上の償却年数を使っております。パン・アメリカンだけは八年で、ほかは全部十年以上をやっております。これは航空界の決算の一つの従来の伝統だと思います。しかし、四十一年の決算につきましては、新大臣お見えになりまして、これは従来のような十年定額償却というのは世界の大勢かもしれませんけれども、先ほど吉田先生おっしゃいましたように、今後の起債の手当て、その他膨大な資金の手当てを要しますし、日本航空の会社の経営の基礎は、現在はよろしいのでございますが、将来にわたって膨大な投資をしなければいけないというようなことから、償却は商法上の決算とそれから税法上の決算となるべく合わすほうが好ましい、商法における相当な償却を実施すべしということは、税法上の償却をすれば一応相当な償却というふうに解されておりますので、四十一年度からは国内線七年、国際線六年、税法上の償却年限に合わせまして決算を指導いたしまして、四十一年度からは六年、七年の償却を実施いたしております。
#38
○吉田忠三郎君 ですからいま航空局長も認めたように、その償却は四十一年度から税法、商法上の指導をやっていますが、たいへん私はけっこうな指導だと思うのです。だからそのことを、私はそれ以前のものを法律違反だということで追及することが、いまの私の考え方ではないわけですから、その点は再三言うけれども、誤解のないようにしていただいて、現に、より経営が困難であったといわれる全日空は七年でやってきたわけでしょう。やってきたわけですから……、だけれども、十年というものをやってこなければならなかった意味は何かというと、これは大臣、金利政策上やっておったのですよ。金利政策上、それくらい日本の利子というものは高いのです。高いですから、だから当然そういう面だって、まだまだ基盤を強化して、強めていくということになれば、一つの手段として、政策として、政府が考えなければならない問題が残っております。存在しております。これはきょう聞こうとする問題ではありませんから、それ以上言いませんが、そういう問題だって残っておりますよ。
 それからもう一つは、先ほど大臣は、合併の方法について政府の見解、私がその見解を述べたら、そういう方法もあるであろうということなんで、そのことをこれ以上私は申し上げませんけれども、とにかく少ないながらも年々歳々今日で百三十億、これだけの予算が、二十七日通過すれば二十六億ふやされますので百五十六億、これはすべて国民の税金ですよ。これが法律に基づく日本航空であるからといって出ているわけですけれども、より私は出資を強めるという主張をしているものですから、そのことをあえて言いませんけれども、もっと経営について私は監督指導をする必要があると思うのですよ。なぜこういうことを私は申し上げるかというと、予算委員会でちょっと触れたわけですね、時間がありませんでしたから、触れたけれども、これははっきりしていませんけれども、非常に日本航空は、何らの関係もないと思われるところに、つまり再投資をしているのですね、これは私は予算委員会で、トンネル融資じゃないかということで大臣に言ったのですがね、大臣はトンネルじゃない、こう言うけれども、トンネルにひとしいようなものがあるのですよ。しかも大臣は、そのことは日本航空の国際競争力を強める手段であるという答えをしているのですがね。どういう関係があるか、ちょっと伺いますが、一体、この大阪空港で自動車会社やっていますね、自動車会社。これは大阪に自動車会社ないのかもしれませんが、本来こういう自動車会社は、これは金にすれば一千万ということですがね。これは投資していますがね。これは一体国際競争力基盤を強めるものとどういう関係があるか。これは一つの例ですよ。それから商事会社やっていますね。これは三千六百万。これは株持っています。筆頭株です。いずれも私がいま申し上げるのは全部筆頭株ですから。それから食品会社持っていますね。これは四千五百万。それからホテルは三億二千百万やっていますね。このホテルの関係は多少そういう私は意味があると思いますよ。これは世界各国の航空会社というのはホテル持っておって、自分の飛行機で運んできたお客をストレートに、一つのサービスとしてホテル持っているから、これはある程度意味があると思いますが、こういうものがありますね。それから問題の国内航空に去年三億投資していますね、三億。これはいまとなってみれば四十六年の五月に日本航空に合併するのだということですから、ある程度それは基盤強化の一つの策だと、こういうふうに言われるかもわかりませんよ。しかし、去年のそのころには、四十六年の五月ころに合併しなさいということはないのですから、まあこういう関係。全日空に対して三億五千二百万、先ほどあなた言われた六・五%全日空の株を持っていますね。それからガラス会社に九千万ですね。それから日本航空のビルディングに一億二千七百万、それから国際興業、これは六千六百万、などなどを合わせますと、日本航空の関連会社に対して五億ちょっとこえております。それからその他ただいま申し上げたような他の航空会社含めて十数億。合計私の調査によれば約二十億に近いものが再投資の形で出ているのですね。この状況をみると、今年かりた二十六億政府が日本航空の基盤強化、あるいは機材購入費、あるいは設備の改善、安全航空を堅持するための諸般の経費ということで、これは予算書には出てきていますよ。この金は。二十六億やって、今度一ぺんに、あるいはこれは二十億再投資するわけではないけれども、かなりの数の再投資をしているわけですね。全部が全部私はこれは日本航空の国際競争力基盤につながるものだという理解には立てないので、大臣は、あなたはその一翼だと、この間はそう答えているのだけれども、私はこの内容はどう検討してみても全部が全部そうだとは言い切れないので、この点はどうですか。少なくとも他の政府機関あるいは公共事業体においてもこうした関連のものはむしろ淘汰をして、あるいはこの同種産業、あるいは民間にこういったものはゆだねていくという方向が合理化の一翼としてとられているのですがね。この日本航空に関する限りはそうではなくて、そういうものはどんどんどんどん逆な方向でやられていっているような傾向がこういう資料に顕著に出ておりますがね。これは一体どうお考えになりますかね、大臣。
#39
○国務大臣(大橋武夫君) この点は仰せの点がごもっともだと考えられる面もございます。先般予算委員会におきましては概括論として、日航の業務遂行の必要上という表現をもちましてこれらの持ち株を説明いたしたのでございますが、さらにこまかく申し上げますると、御承知のように、日航が関連事業を今日まで合併してまいっておりまするので、その合併の過程におきまして、被合併会社が投資しておりました持ち株をそのまま日航が引き継いだというものもあるわけでございまして、そういう点で多少問題になるようなものもあるかもしれませんが、詳細につきましては政府委員から申し上げます。
#40
○政府委員(澤雄次君) 大臣からもお話ございましたように、日航の持ち株につきましては、経緯的にいろいろな違った趣旨から出ているものがございまして、まず第一には、政府が指導して持たしたものもございます。それから政府の航空政策の一環として指導して持たしたものもございます。
 それから第二番目には、日本航空が自分自身で仕事をすればいいわけでございますが、それを子会社をつくってさしたほうが経営の合理化になり、あるいはその子会社がほかの航空会社の作業も請け負うというようなものがございます。
 それから第三といたしましては、いわゆる日本航空の航空事業を育成しますために、いろいろ持っていたほうがベターである――先ほど吉田先生の申された、たとえばホテルの株、そういうものがございます。また大臣が先ほど言われましたように、関係会社を合併いたしましたときに、たとえば日本航空整備という会社がございまして、これを合併した場合に、日本航空整備が持っておりまして、そしてこれを日航がそのまま引き継いだ、それで日本航空となりますと、直接的な関係が少なくて、むしろ整理をしていったほうがいいという株もございます。そのうち、先生の御指摘になりましたおもなもののうち、若干をあれいたしますと、まず航空会社でございますが、日本国内航空の株、これは日本航空整備が北日本の修理を担当いたしておりまして、それでその修理費がたまりまして、それでこの北日本航空会社の建て直しのために日本航空整備として北日本航空の株を当初三十七年に一億五千万持ったわけでございます。これが先ほどのように減資し、増資して、そしてこの日本航空整備と日航が合併いたしまして、そのまま日航に移ってきたわけでございます。これが現在三億になっております。
 それから日本ヘリコプターが設立のときに株を持ったわけでございます。その後、伊豆の下田沖で事故がございましたときに、政府のほうで日本航空と全日空の技術提携、資本提携を進めるということで、政府全体といたしまして勧奨いたしまして、全日空の株を三十四年に持たしたものでございます。これがその後増資でふえ、あるいは売却いたしまして、現在三億五千二百万という株になっておるわけでございます。
 それから先ほど御指摘のありました、商事会社と言われます日航商事は作業衣の洗濯であるとか、日本航空技術指導の印刷あるいはマニュアルの印刷、日航の社屋のクリーニングであるとか、このような作業をやっております。これは日航自身で実施してもいいのでございますが、別会社にしたほうが経営が合理化されるということでこの株を持っているわけでございます。
 それから食品会社とおっしゃいましたのは、これはいわゆるフライトキッチンと申します機内食をやる会社でございます。これも日航自身でやってもいいのでございますが、それを別会社にいたしましたために、他の航空――外国の航空会社のサービスも受け持っているというような事情でございます。それから大阪空港のバスをやっておりますが、これは大阪空港と大阪、京都、神戸との間の連絡バスをやっておるわけでございます。これも日航自身で出資してやったほうが航空機のスケジュールとの完全なマッチがみられるということで、こういうふうにやっておるわけでございます。これはもちろんいろいろやり方ございまして、バス会社に委託しているものもございますが、日航の場合は自分で出資してやっておるという状態でございます。それからホテル関係は、これは世界的にどの航空会社もホテルの株を持っておりますし、あるいはみずからホテルを経営しておる状態でございます。ただ、日本航空整備会社が持っていました東洋端子株であるとか、いろいろ日航として現在関係がない株がございます。これらは整理を指導いたしております。ただ、こういう株は上場株が非常に少のうございますし、一どきに売ることができませんし、縁故を求めて、いま整理を指導いたしております。日航自身といたしましても、こういう関係のない株の整理には全力を尽くしております。
#41
○吉田忠三郎君 多少何かわかったようなわからないようなところですがね。ぼくが言っていることは――どうもぼくは釈然としないのは、二十億円使える――二十億といったらたいへんな金ですよ、民間会社にそういうものを。日本航空本来の目的事業というのは一体何であるかということ一体何であるかということなんですね。航空事業でしょう。ところがいまちょっとこう読み上げたやつでも二十数件、約三十件に近いですよ。全部時間がありませんから読み上げていませんけれども、何の関係あるんですか、これは。たとえば自動車の関係なんというものは路面輸送でしょう。それだったらそのようにそういう企業というのはあなた方の認可事業でしょう。現にたとえば日通などというのは路面輸送をやっていますね。そういうところにやらせればいいんじゃないですか、こういうものは。ホテルにしたってそうじゃないですか、ホテル業法によってホテルがあるわけですね。日本航空が何もホテルを持たなくたって差しつかえないんだ。これはたとえばニューオータニでもニュージャパンでも東京プリンスでもどこでもいいわ、そこにチェーンしておけばいい、そういうことでしょう。それをこうしたところにやっぱり投資しているわけですね。だから余力があって投資するなら、航空業本来のものに投資すべきだし、そのことによってなお利潤が上がるとすれば、公共事業の使命に帰って料金を下げる、より利用者、つまり日本の国内であれば国民にサービスをしていくということが本筋じゃないですか。これは私はいまの航空料金を下げろなどということをただ言う気はありません――ないですがね。どうもこの内容をしさいに検討してみると、本来の日本航空がやるべき仕事でないじゃないか、こういう仕事は。そういうところにかなり膨大な再投資をしている。それが普通の民間企業なら、それぞれの企業の努力、企業の能力によってやっているというなら別ですよ。ところが年々歳々国の財政投融資あるいは国の支出ということで、いま言ったようにもうすでに二百億近い国民の税金をちょうだいしておきながら、あまり関係のないところに二十億近いものを投資していくというのは、これはなかなか国民はいま澤局長が言ったようなことは、はい、そうですかという理解を私はしにくいと思うのですね。私は、ですからこうしたものの投資についても、これは勝手にやったんじゃないと思うのですよ。これはもう政府、航空局の了解あるいは御相談の上でやったんだと思うのですね。こういうものはやはり整理統合していって、つまり大臣が言う国際競争力基盤を助けるもののみに私は限ってやるべきじゃないかと、こう思うのですが、どうですかね。大臣、これは。
#42
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま吉田委員のお述べになりましたことはまことに道理しごくと存じます。したがいまして、政府といたしましても、今後日航のこの方面の投資につきましては厳重に監督いたしますとともに、現在保有いたしております株式につきましても十分に調査をいたしまして、御趣旨に従ってすみやかに善処させるようにいたしたいと存じますので、御了承を賜わりたいと存じます。
#43
○吉田忠三郎君 大臣からその趣旨に沿うてというお答えがありましたから私はそれで了とします。私一人だけがきょう質問者でありませんからこの関係についてはもう終わりにしたいと思います。
 時間を節約する意味から資料を求めたいと思いますが、先ほど来申し上げておった関連事業、それから他に再投資している飛行機会社、全日空、日本航空、この関係は歴然としておりますから必要ありませんけれども、その他のところに筆頭株として出資していますから、そうした会社の今日の決算状況、四十一年度でけっこうです。
#44
○国務大臣(大橋武夫君) 関係各会社の決算状況……。
#45
○吉田忠三郎君 決算状況を資料として私は求めたいと思います。委員長。
#46
○委員長(天坊裕彦君) よろしいですか。
#47
○政府委員(澤雄次君) よろしゅうございます。
#48
○委員長(天坊裕彦君) 提出願います。
#49
○吉田忠三郎君 そこで、最後にもう一つ伺っておきますが、大体政府の航空事業のあり方の大綱は大臣がお答えになって明確になったと思うのですね。したがって、そうした中でも日本のローカルにつきましては、これは実際需要がそんなに、漸次伸びてはおりますけれども、急激にペイになるような状態にこれは伸びていくものではないのです。これはもうおわかりのとおり。したがって、しばらくはこれはローカル線につきましては、直接経費を償い得ないような経営状態というものは、かりに日本航空がやろうと、国内航空がやろうと、全日空がやろうと、これは出てくると思うのです。したがって、これに対するやはり政府は、飛行場を全国いたるところにつくり上げたのですから、空港をつくったわけですから、飛行場をつくったということは飛行機を飛ばすということでしょう。飛ばさなければつくる必要はない。そういうことですね、大臣。これは政府、航空局のほうは、これはみんな地域住民がつくれつくれと言ったからつくったのだと、こういう言い方もあるようですが、幾ら住民がつくれと言ったって、必要がなければ政府はつくるわけがない。ないですね。ささいな資金ででき上がるものじゃないですから。ですから、結局飛行場をつくったということは飛行機を飛ばすということです。飛ばないから問題がある。しかもローカル空港をつくったたてまえというのは、政府の大方針の高度成長政策、あるいはいま佐藤さんは中期経済計画、その中にも社会開発計画、社会発展計画などというすばらしい論文をつくってやって、地域格差をなくするということと、いわゆるこの地方の開発をそこを拠点としてやるのだというような政策から飛行場というものができたのですね。だからそこには飛行機を飛ばしてもらいたいという国民要請というものがありますよね、依然として。しかし、会社というものは企業ですから、需要と供給のバランスがとれなかったらこれは飛べないのですよ。現実に飛んでいない飛行場、北から南から数え上げたらたくさんあるでしょう。何かおもちゃの飛行機が飛んでみたり、グライダーが飛んでみたり、遊覧飛行なんというものが飛んだりなんかしておりますけれども、定期の航空機が飛んでいない飛行場がたくさんあるのですが、あえて申し上げませんが、あるのですよ。そこでやがてそういうものを含めてやはり定期のものを飛ばさなければならないということになりませんか。なると私は思う。その場合に必ずこれは赤字線になる。直接経費を償っていくという経営状態にならないと思うのです、どなたさんがやっても。その場合に政府としてどういう措置をとるか。これはいままでこの委員会でたびたび議論されてきたのですが、やはりそういうものについては、国の全体の財政のプール計算の中から助成の措置をとってやらなければ、当初の地域開発あるいは地方の開発などということにはならないと思うのですがね。これは大臣どうですか。これはことしの予算には入っておりませんよ。航空局が努力して大体百億ぐらいだと思うのですよ。航空局などは大蔵省に要求する金は大体そのくらいじゃないかと思う。大蔵省におそらくはカットされたから今度の予算書に出ていないと思うのですがね。この関係、事務当局も含めて答えてください。
#50
○政府委員(澤雄次君) これは運輸省といたしましては、ただいま先生のおっしゃったように、いかにしても直接経費をまかない得ない航路でありまして、しかも地域開発上絶対に必要だという航路につきましては、補助金を出したいという考えもあったわけでございます。これは政府の全体の財政事情で、四十二年度の予算には実現いたしておらない次第でございます。
#51
○吉田忠三郎君 そこで将来はどうしますか。いまぼくは将来展望に立ってそういうことはあり得るし、やらなければならないと思うのですよ。ですからそういう場合にそうしたものについてどうしますか。直接の経費、つまり人件費、物件費を償い得ないそういうものについてはどうしますか。
#52
○国務大臣(大橋武夫君) 従来の実績から申し上げますと、まことにお恥ずかしいような次第でございます。運輸省は毎年要求しておったが、今日までだめだったわけでございます。しかし、今後航空機による交通というものの社会的な重要性が一そう大きくなるということを考えまするというと、われわれはもう一段と努力を重ねたいと存じます。
#53
○吉田忠三郎君 そこで、大臣から答えられましたが、現状はそうだろうと思うのですがね。ですけれどもちょっと試算してみても、主として全日空と国内航空がローカルを担当しますね。直接経費を償えないということは日本航空にはないのです。これは幹線よりやっていないのですから。むしろ日本航空の場合は国内の幹線で黒を出して、そして外国のお客さまのほうにサービスをしておる。まことに矛盾ですね。日本の国民に乗っていただいて利益を上げて外国のお客さまにサービスをしておるのですからね。これは日本航空というものはそういうものです。現実に決算面から見ればそうなんですから、これはここでは申し上げませんがね。したがって、たとえば佐渡、北海道でいえば中標別とか紋別とか、こういうところを含めまして、それから松本もそうですね。そういうものも含めて将来かりに一日一便を定期便としてやったとして、これは推定ですよ、ぼくのいままでの経験で試算してみると、せいぜい政府が助成の策としてそういう関係に対して五、六十億の補助金というようなかっこうでやったら、私はかなりこれは前段で申したひとつの地域開発なり、あるいは地方の開発というものに貢献する効果というものが出てくるような気がするんですけれども、ここらあたり事務当局としては大蔵省に、いろいろそういうものを考えなきゃならぬということになっていますから、この委員会ではだからその前提に立っておそらく試算してみたと思われるが、どうですか、どのくらい一体そういうものに助成の措置をとったならば本来の目的が遂行されるかという、そのくらいのことは航空局としては勉強したと思うんですよ。この辺はどうですか。
#54
○政府委員(澤雄次君) あまりに事務的でおしかりを受けるかもしれませんが、実は四十二年度の予算の要求いたしましたものは、今度は北海道の道内でそういう路線、それから九州の離島につきましてだけ試算いたしまして、約一億二千万円の補助金を要求したわけでございます。
#55
○吉田忠三郎君 ちょっと待ってください。九州の離島関係一億二千万円……。
#56
○政府委員(澤雄次君) いや、九州の離島と北海道の道内の、先生のおっしゃったような航路につきまして、北海道につきましては年間六カ月以上就航するというところだけを選びまして要求したわけでございます。それで全体で一億二千万でございます。
#57
○吉田忠三郎君 まあ、それがカットされたわけですから、いまゼロですからね。だからそのことについて議論しようなどと思いませんよ。思いませんが、一億二千万では当初政府がローカル空港を建設をしていくとか、それから整備をしていくとか、そういう大方針、その方針はどこから出てきたかというと、もうとりもなおさず地方の開発、地域格差の是正、こういうところから出てきたわけだね。だから私はその一企業の航空事業主のほうだけ見ろという意味で言っているんじゃないんで、そういう目的を遂行するのにちょっと一億二千万では微々たるものだと思うんですよ。ですから、せっかく大臣も、今度、先ほども国内二社、国際一社というものを航空政策の大方針といいますか、バックボーンを申されたんですから、そこらあたりに乗っかって、少なくともことしの八月以降には今年のような変則的なものじゃないですから、通常に戻るわけでしょうから、予算編成時期に抜本的にやっぱり私はいまの大目的が遂行されるような形で予算要求していただきたいという気がするんですが、これはぼくのみならず、運輸委員会の皆さんは何人ともそれは否定しないし、むしろ積極的に政府側を鞭撻あるいは激励するんじゃないかと思うんですが、どうですか大臣。
#58
○国務大臣(大橋武夫君) お述べになりました趣旨は私どもよく理解がいきまするので、今後とも機会のあるごとに努力をいたしたいと思います。
#59
○吉田忠三郎君 で、最後に、これは大臣にこうしたことを聞くのはどうかと思うんですが、最近運輸省ばかりじゃないんだけれども、あらゆる関係の団体とか、そうしたものに、これは政府の指導監督という面から見ればそうかもしれませんが、やや干渉し過ぎるきらいがあるんじゃないかというような傾向が出ていますね。きょうはまあ予算委員会じゃありませんから、追って私は予算委員会で、この間の行管の問題、問題にしたのですが、あれと関連してやるつもりでおりますからここでは言いませんけれども、直接関係するものは、われわれも意外に思うのだけれども、でかでかと、これは毎日新聞でございますが、「全日空社長、交代を」「首相」というのはこれは佐藤榮作さんだと思うのですがね、「石坂氏に仲介たのむ」と、こう書いてある、でかでかと。最後のほうは、岡崎社長の追い落としなどということになっているんですがね。これは明らかに私企業に対する人事介入だと、これはまあ私が言うまでもなく、これはいま読み上げますがね、ここに解説ができておりましてね、解説が。野球の解説じゃありませんよ、これは。解説ができておりましてね。この解説を見ますると、やっぱりただいままで大臣と私がこういろいろ質疑応答しておったような、航空業界の再編成に複雑な背後事情がある――まあ逐一ここで読みませんけれどもね。読みませんけれども、そのちょっと関係したところを読んでみますと、「国内航空の累積赤字は、公表よりはるかに大きく、百億円近いと聞いている。日航は四十六年三月末までに国内航空を吸収合併する方針だが、ジャンボ機(超巨人機)やSST(超音速旅客機)の導入など、これからの国際競争負担は膨大だ。とても国内航空の赤字まで背負い込めまい。」だから、じゃまになるつまり全日空の社長のことですね、これは解説ですからね。じゃまになる岡崎さん、これは全日空の社長ですよ、前の。その人をやめさせて、全日空に引き受けさせようというのなら、ちょっと筋が違うのじゃないかという意味のことを書いて、それで「首相」とちゃんと書いていますが、首相というのは一人よりいませんから、これは佐藤榮作さんであるということははっきりうかがえますがね。首相がこんな形でそういった民間の私企業の人事に介入するんなら、岡崎さんはやめたくてもやめられませんと、こう言ったとか言わないとか、こういうふうに書いてある。書いてある。
  〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
さらに、こうずっと読んで見ますと、佐藤総理大臣は十九日の日に、石坂というこの航空審議会の会長ですね。これは経団連の会長のようでもございますが、この人に、岡崎をやめさして、あとの社長をどっか選ぶようにあなたやってくださいと言ったら石坂さんは、どっか世界博覧会かなんかに行くんでていよく断わった、これは。しかし、前日にそれがでかでかと新聞に出たわけですからね、これが契機になって、形の上では株主の何か総会かあるいは株主の代表が集まって、形式的にはそういうつまりかっこうの中で選手交代というような形になったけれども、事実問題としてやっぱりこれは一国の総理大臣がものを言ったことは間違いないが、こういうことは一体、これを大橋大臣に聞くのはちょっと、総理大臣が言ったのだからおれはそんなこと知らぬといえばそれまでのことですからどうかと思いますけれどもね。少なくとも全日空の安全航空輸送という問題と、それから国内再編成という問題は、去年、おととしの航空審議会からの問題なんですからね。そういう問題が存在をして一おって、その所管というのは運輸省ですから、運輸大臣大橋武夫の所管事項ですからね。大臣、これは全然知らなかったのじゃないのじゃないかと思うのですがね。たまたまあなたそのころ病気とかなんとかで、いたとかいないとかいうのを新聞でちょっと見ておりますが、この関係のいきさつは、これはどうなんですか。
  〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
#60
○国務大臣(大橋武夫君) 御承知のとおり、全日空が昨年事故を相次いで起こすという不幸な目にあいまして、これがために航空機の安全性に対する一般国民の信頼感を非常に失わせるように相なりまして、ひとり全日空の収入が激減いたしたばかりでなく、国内航空その他の小会社の経営がより一そう困難になったような向きがございます。これは安全性を確保しなければならないという航空行政の上からいって、遺憾であるばかりでなく、各関係会社の業務の経営をうまくやらせるという上から申しましても、非常に問題でございまするので、運輸省といたしましては、全日本空輸の調査に乗り出しまして、その結果改善事項を勧告するというようなことに相なったわけでございます。もちろんその勧告の内容におきましては、こうした問題について改善の実をあげるとともに、世間の一般の安全性に対する信用を回復するという意味においても、何らかの措置を考えてもらわなければならぬ、こういうふうな考えをいたしておったわけでございますが、しかし、その事故の責任を明らかにするというような方法、これによって一般国民の航空機に対する信頼性を回復する具体的な措置を当然会社自体が考えるべき事柄でございまして、私どもは具体的に人事について指示をするというようなことはいたしたくないわけでございます。その後、最近になりまして、総理大臣云々という新聞記事が出ておりましたが、もちろん航空局の所管事項でございまするので、事実そういったはっきりした行動がありましたならば、総理からも必ず所管大臣であります私に何らかの指示なり、あるいはお話なりがあるはずでございますが、その後新聞で読んだ事実について何ら総理大臣から伺っておりません。したがいまして、これはおそらく関係者間でいろいろ時事問題が出た際に話題に供せられたという点はあるかもしれませんが、総理大臣御自身が民間会社の人事について何らかの要求がましいことを言われたということは断じてあり得ないと思っております。
#61
○吉田忠三郎君 断じてあり得ない――まあ運輸大臣に対しては、そうしたお話はない。まあそういうことでしょう。ですけれども、これは新聞は全然そういうことのないものを、こういうでかい字で――これは毎日新聞というのはかなり大きい新聞でしょう。大新聞ですよ、これは。ですから、こんなに大きく書いて、それでしかも解説を書いていますね。大臣が答えられたことはそのとおりと理解します。だけれども、こうした新聞を見ている国民というのは一人や二人でないと思うのですがね。全くないものを新聞報道関係の人々が、これを自分の主観だけでものごとを書くというものでも私はないんじゃないかと思うのですがね。だから、これは答えは要りませんよ、ぼくは。要りませんが、こういうやはり新聞に大きく書かれるようなことのないように私は注意すべきものじゃないかと思うのですね。大臣のお話を聞けばそんなことはないのだ――ないものを全然書くわけがないと思う。手品だって種があるんですし、どこかにやはりあったんじゃないかね、これは。具体的に書いているんだから、こういうふうにここに。佐藤首相は短期決戦で岡崎辞任を迫る姿勢を示したわけであります。すでに後継社長候補には、広瀬真一元運輸次官や若狭得治前次官の名前もちらほらしている――ちらほらしておったんでしょう。しかし、いずれも運輸官僚であるので難点があるようだと、だから全然なかったということでは私はないので、大臣から先ほど言ったように、答え要りません――とにかくでかでかと、週刊誌にもきっと出ていると思う、ぼくは週刊誌見ておりませんが、新聞にこんな大きな記事が出ているから、これはなかなかおもしろい解説ですから週刊誌に書けば売れるわけで、だから出ているのじゃないかと思うのですが、私はこれを取材した新聞記者の人もやっぱり一国民の立場になっているから信頼していますよ、私は。また責任ある大臣の答えもいまされましたからそれをあえてここであなたそんなこと言ったってうそを言っているんじゃないかというだけの、私はここの中に入っておりませんから材料もありません、これ以上申し上げませんけれども、たいへんこういう問題は運輸省所管の、たとえばここにお歴々の、空港公団のほうもあるし、いろいろあるでしょう、船舶整備公団とか何とかいろいろありますし、人事のことになりますとえてしてこういうことになりかねないわけです。ほかのことはいいですよ。資金をどうするかとか、あるいは計画をどうするか何かこれはいいんですがね。しかも全日空は全くの私企業ですよ。あえてあるとすればあなた方の認可権くらいなものじゃないですか。したがって、行政指導、監督するということはあると思うのだが、人事についてはいやしくもこういうふうに書かれるようなことがあったとすれば、これはもう遺憾千万どころじゃなくて筋違いもいいところでしょう、これは。このような、あえて私は誤解というように表現したいのですが、誤解されることのないように万々注意をしていただきたいということを申し上げまして、もうそろそろお昼過ぎましたから、午前中の質疑はこれで終わりたいと思います。
#62
○国務大臣(大橋武夫君) ただいま吉田委員から御懇篤な御訓示を賜わりまして十分に拝承いたしました。人事の機微にも属する事柄でございまするので、あるいはこういう席で申し上げるべきことではないかもしれませんが、一応運輸省の態度を御理解いただきまする意味で御承知おき願いたい事柄がございます。
 それは、ただいま御指摘になりました記事の中にございましたが、若狭前次官その他の名前が出ておりましたが、これらは政府あるいは運輸当局において全日本空輸に何らか役員として押しつけようというような行動があったわけではございませんので、実は若狭君につきましては、岡崎社長からぜひ自分のあとがまとして会社を引き受けてもらえないだろうかというような御相談がむしろ先方からあった事実があるわけなんです。この点、御了承を賜りたいと存じます。なお、今後は運輸当局といたしまして民間事業の人事に介入するがごとき誤解を生ずることにつきましては厳に戒めてまいる所存でございます。
#63
○大倉精一君 だいぶん時間がたちましたから私はいま問題になっておる成田空港の問題に関連をいたしまして、運輸大臣並びにきょうお忙しいところを御出席願いました参考人の皆さんに若干お尋ねをしてみたい、こう思うわけであります。
 その前に、いまの吉田委員の質問に関連いたしまして、きょうは深い論議はいたしませんけれども、航空政策の一つの基本ではないかと思う点について御一考願いたい、こう思うわけなんですけれども、それは松山空港の事故のときにもいろいろ論議いたしました。きょう大臣の御答弁の中で、国内線は日航と全日空、二社の営業路線とする、こういうお話でありますけれども、私は、この狭い日本で一社を競争させるということの是非についてはやはり再検討する必要があるのではないかと思うのです。この前、松山空港の場合でもいろいろ詳細検討してみまするというと、自然にここに過当競争が出てまいりまして、そこに無理がある。こういう問題をあの当時私は指摘したわけなんですけれども、むろん経営については運輸省として十分なる監督をして独善にならぬようにしなければなりませんけれども、日本の国内線を二社競合させるということ、これは私はやはり検討する必要があるのではないか。たとえば727というような高い飛行機を全日空が買わなければならぬ。ことしもまた五機買ったらしいのですけれども、これは大体六〇%ないし七〇%くらいの客が乗ればペイするらしいのですけれども、だんだん減っていくという現状らしいのですね。しかも、なおかつ727を持たなければ競争ができないという、こういう航空行政というのは問題だと思います。そこで、運輸省が過当競争をしないように行政指導しておりますという答弁がありましたが、過当競争をしなければならぬような政策をやっておいて、そうして業界に過当競争をやってはいけないというのはどうも私はおかしいと思うのです。それから、いまの発言の中でも、事故の責任は会社が当然持ってくれなければならぬということでありますけれども、当然それは持たなければなりませんけれども、しかし、やはり航空行政に基因するものがあれば政府としてもこれは検討しなければならぬ、こういうことだと思うのです。これは私はきょうは論議はやりませんが、ぜひひとつ御検討願う大きな問題ではなかろうか、こう思いますので、冒頭あえて申し上げたわけであります。
 そこで成田空港の問題ですけれども、これは学者並びに経営経験者等によって構成されておりまする航空政策研究会というものがありまするが、これが先般中間報告をしまして、成田空港は適当でない、こういうような報告をしておりますけれども、この研究会の研究作業というものは国の航空行政に相当影響を及ぼしておると、こう思うのですが、この中間報告に対しまして、まず公団の総裁はどういう御見解を持っておいでになるか。これからまずお伺いしたいと思うわけです。
#64
○参考人(成田努君) 私もその研究会の御意見をよく読んでみますとまことにごもっともな点も多々あるのでございますが、何しろ現在の私の立場上、そう自分の意見を申し上げるわけにもいきませんので、その辺のところは御賢察のほどをお願い申し上げます。非常に適切な御意見などもあの書面以外にも拝聴しておりますが、ただいま申し上げるとおり、それを私が今日批判できない苦しい立場にあることを申し上げておきます。
#65
○大倉精一君 よくわかります。わかりますが、総裁が自信のない……国際空港の総裁としてこれからおやりになるのですけれども、これは相当重大な問題ですよ。ですからこれは国民にかわって総裁から政府に対して、これはこうだということを意見具申をし、意見を言う責任がおありになるのじゃないですか。現在、国鉄の総裁はずいぶん思い切ったことを言います。この前予算委員会でも、新聞を見ておりますというと、質問に対しまして、国鉄は現在の状況に追いまくられて将来のことは考えておりません、こういう横着な答弁をしておりますけれども、とにかく総裁になった以上は、こういう重大な中間報告に対しましてやはり見解というものをお持ちになって、それを運輸大臣なり何なりに意見具申して、これはこうしなければいけませんよ、こうならなければいかぬと思うのですが、いまのお話でありますというと、どうも東京国際空港公団の仕事に対しては責任をとれないようなふうに受け取れるのですが、どうでしょうか、これは。
#66
○参考人(成田努君) まことにごもっともなお話でございまするが、私今日の考えといたしましては、すべての点がもう一歩前進してから、なすべきことはなし、言いたいことは言いたい、こう考えております。いままだ一坪の土地も買収をしていない今日としては、私の意見を世間に申し上げるのは早過ぎるのじゃないかというような考えもありますし、どうぞその点御了承願いたいと思います。
#67
○大倉精一君 そうしますと、ことばじりをとっちゃいけませんけれども、一坪の土地も買っていない現在において意見を言うのは早いというのであれば、それじゃ成田空港はつくるものか、つくらぬものか、まだ海のものとも山のものともきまっていない、こういうことですかね、ことばじりをとりますというと。まあ端的にお伺いしまして、富里空港の場合の敷地はどれだけあったのですか。
#68
○政府委員(澤雄次君) 富里空港といわれますのは、最初の航空審議会のときの答申でございますか。
#69
○大倉精一君 そうです。
#70
○政府委員(澤雄次君) 七百万坪でございます。富里空港といわれましたのであれでございますが、航空審議会で答申のあった富里地区に新空港をつくるというときは七百万坪ということを航空審議会は答申してきたわけでございます。
#71
○大倉精一君 今度の空港の敷地は前に予定したところよりもだいぶ小さいらしいのですが、それで間に合うのですか。
#72
○政府委員(澤雄次君) 今度の空港は三百二十万坪でございます。間に合うかというお話でございますが、これは三百二十万坪に四千メートルの滑走路一本、それから二千五百メートルの滑走路一本、それから横風用として三千二百メートルの滑走路一木を置きます。そういたしますと、これらの滑走路によりまして年間約二十六万回の発着能力がございます。これは将来の計画といたしまして昭和四十六年に羽田にあります国際線をすべて新東京国際空港のほうに移しますと、四十六年から約十年間の能力があるわけでございます。この点につきましては、航空政策研究会でいわれておることと運輸省で申しておるのと別に違いはないわけでございまして、われわれも十年間のこの能力を満たしますし、それをいまからいいますと約十五年先になります、能力一ぱいになりますのは。その間に機種の変更、その他もございますので、その後どうするかということにつきましては、今後検討を進めていきたい、新しい国際空港をまた考えるかどうかというようなことを今後検討していきたい。それで東京から六十六キロにあります国際空港というものは得がたい国際空港でございまして、これが供用開始後十年でかりに一ぱいになりましても、それでだめになるということでなくして、これは非常に貴重な国際空港といたしまして、その後も非常な能力を発揮するわけでございます。それで私たちは、四十五年に羽田が満ぱいになりますので、ぜひ昭和四十六年から成田の国際空港を竣工してまいりたい、かように考えております。
#73
○大倉精一君 私は学識経験者でないのでわかりませんですけれども、すなおにとの研究会の中間報告を読ましてもらったわけです。そうしますというと、滑走路のいまのお話の問題も出ております。これは不十分だとなっておりますですね。それから敷地面積も、これもだめだと書いてある。それから道路も六十六キロもあって、世界で一番長い、これもだめだと書いてある。鉄道もあまりぱっとしない、こういうことが書かれておる。しかも敷地は半分でしょう、前の。どういうわけで半分になったのですか、それでそれもやめて、この研究の中間報告を運輸省としてはどう思っているか。
#74
○政府委員(澤雄次君) 運輸省といたしましては、先ほども申し上げましたように、この研究会の資料をしさいに拝見いたしまして、二十六万回の発着回数といろ点におきましては意見の相違がないわけでございます。われわれは新空港が供用開始後十年は国際線を収容できるという点につきまして、航空政策研究会のほうも別に異議はないわけでございます。
 それから東京から六十六キロは遠過ぎる、こういうお話でございます。これは近いほどけっこうだとは思います。現在のこの関東地区の状況におきまして、これ以上近い場所に、しかも先ほど先生おっしゃったように、広い空港を得るということは絶対不可能なことでございます。それにわれわれといたしましては、この成田の国際空港を、現在の事情におきましては東京に一番近い国際空港といたしまして、これをりっぱに完成し、またその国際空港に行きます道路、その他の鉄道の計画におきまして、その第一期計画におきましては、六十分ということに若干疑問があるかもしれませんが、将来にわたりまして、あるいは湾岸道路を考えるとかいうようなことで、この国際空港に到達する時間を少しでも短かくしていきたいということで、関係各省と協議いたしておる次第でございます。
#75
○大倉精一君 きょうは時間がありませんから、大臣にひとつこの答申をしさいに御検討願いたいと思います。あとのこの談話でも言っておりますけれども、国鉄の上野駅も初めの計画よりも三分の一に縮めたために現在たいへんな混乱を起こしていると、こう言っておる。この轍を踏みたくない、こういうように専門家が言っておるのですね。総裁はきょうは何も言えないとおっしゃるが、大臣は大責任を持ってこれをひとつしさいに検討していただいて、十年後になって、ああしまったということのないようにしてもらいたい。そこで、こういうまことに疑問の多い国際空港の争奪戦が始まっているわけですね。そこで新聞で状況を拝見しているのですけれども、条件派のほうが測量開始オーケーと言うならば、反対派の実力行使もあえて排除して、ひとつドラムかんにくいを打って、たいへんなことをやって、一戦争やろう、こういう腹らしいですが、どうですか。そういうことまでおやりになって疑問の多い国際空港というものをつくらなければならぬのですか。同じやるならもっと完全なものに計画して、そして地元民も納得し、そうした上に立っておやりにならなければならぬと思うのですが、そういう工合に実力闘争もあえて排除して一戦争起こすのだということが新聞に書いてありますが、何かこういう現地では不信、不安、緊迫、異常な雰囲気のようでありますけれども、これはどうするつもりですか。総裁どうです。
#76
○国務大臣(大橋武夫君) 私からお答えさせていただきたいと思います。飛行場について現在計画されておる新空港よりももっとスケールの大きな完全なものをつくるべきだという御意向はまことに私どももそのとおりだと存じます。ただ先ほど航空局長からも申し上げましたるごとく、政府といたしましては数年間の精力的な調査の結果、現在計画しておりまする飛行場がいろいろの状況からみて最も実現し得る完全なものだ、こういう考え方でやっておるわけでございまして、しかもこの飛行場は完成後十年間は処理できるというたてまえでございますので、その後のことはまた日進月歩の航空界でございますから、今日から予想することも困難でございますので、今後の状況に応じて処理いたしていきたい。こう考えておきます。
 それから、さように今日得られる最善の飛行場でございまする以上は、しかもそれが四十六年の四月には少なくとも一本の滑走路を実用に供しなければならぬという厳重な期限をつけられておるものでございますから、あくまでもこれを実現しなければならぬのでございますが、しかし、何と申しましても現在他人の土地であるものが大部分であり、これは政府として相当の措置を講じて買い入れなければならぬ。その手段といたしましては私どもはこうした事柄の原則上、あくまでも話し合いによって納得を得た上でやっていくということがたてまえでございますので、現在絶対反対を唱えておる方々に対しましても、幸いに千葉県知事も何とかそういう人たちとも話し合いをしてやっていこう、こういうお考えでございますから、どこまでも話し合いで実現できるというたてまえで進みたい考えでございます。
#77
○大倉精一君 まあその前提となる国際空港が完全なものだ、最善のものだという御発言がありましたけれども、それはいま申しましたように、ひとつ最善かどうかはもう一回この答申、中間報告、これをひとつすなおに検討してもらいたいと思う。それで、いまさっき申しましたように、非常に緊迫した状態になっておる。そこであくまでも話し合いによってやるということをたてまえにしておると、どうもこのたてまえというのはおかしいのですよ、たてまえというのは。それで、おそらくたてまえということになれば、どうやって一体納得させるか、反対側をですよ。どうやって納得させるか。これがやっぱり政治力ですね。納得させるのにどうして納得させるか。まあ条件派のほうさえ測量オーケーというならば、ドラムかんにくいを打った特殊なものをやって、それでいろいろな拠点でもって戦いをやってくるだろう、やってくればそれにこちらも立ち向かって戦争を起こすのだという状態になりかねないということを心配するのですよ。現地でもそういう状態になりかねないという緊迫した状態になっている。しかも五月二十日をめどに測量をするというのでしょう、二十日をめどに。政府が一ぺん二十日をめどと立てると、これは強引にやるのですよ、いままで見ておりますと。その時分になると、たてまえというたけれども、話し合いがつかないから一戦争やるのだということになったのじゃたいへんだ。それで総裁ね、これはあなたの責任でもあるのですよ。いま友納知事が歯どめの役をして、いろいろ潤滑油になっておりますけれども、事態の推移によっては、そういう流血と言っては大げさかもしれませんけれども、場合によってはそういう遺憾な状態が出ぬとも限らない。私はこういう空港についてそういう状態になることを非常に心配をする。そんなことまでやって、とかくの批判のあるこの空港をつくらなきゃならぬかということに、私も国民の一人として疑問を持つわけです。由来この空港の選定については紆余曲折があったということを聞いております。その中にはいろんな政治問題もからんでおるようですが、これはきょうはおきまして、そういう紆余曲折があって、まことに奇々怪々の経過を経てきまった空港が、予定しておったよりも半分の空港になってしまった。四千メーターというおことばでございますけれども、これもこの報告によれば、これだけでは不十分だ。ですから、そういう非常事態まで起こしてやらなければならぬということはないと思うのですけれども、総裁、これはひとつ国民が安心するように言ってください。
#78
○参考人(成田努君) まことにごもっともなお話でございます。そのとおりでございますが、現在のところはいま先生のおっしゃるほど緊迫の状態ではないのでございまして、全般の約八割は条件闘争のほうへ入っております。絶対反対と言うておられるのは全体のうちの二割程度でございまするので、条件闘争の方々とは知事を仲介して今後話し合いの上測量に入りたい、こう思うております。絶対反対の方は二割ほどおありなのでございますが、これも八割の方々が賛成してくださって土地の買収が進みますれば、いつまでもがんこなことをおっしゃっておられまいと、こう考えて、私は心配はしておりまするが、いま先生のおっしゃるほど悲観の気持ちじゃないのでございます。
#79
○大倉精一君 そうなればけっこうだと思うのですね、私も。それはしかし甘いですな。それで八割は条件派で反対派はたった二割だと、こうおっしゃる。私はこれは数でものを言うべきもんじゃないと思うのです。二割の人があくまでも反対しておるのはのっぴきならない事情があると思うのです。問題は、その話し合いのたてまえの二割の人が対象なんです。条件派のほうの人の話し合いというなら、これは話しできますよ。しかし、絶対いけないというのはいけない理由があるはずだ。国としてもここに国際空港つくらなきゃならぬという理由があると同時に、この土地を放してはいけないという、その二割の人が大事なんです。いま八割が賛成すれば二割もすらすらとついてくるだろう、これは総裁、ちょっと責任者としてはまずいですよ。問題は、この二割の人をどうやって説得するか、話し合いをするか、これに焦点をしぼらなきゃならぬのですね。それをいまのお話でありますというと、八割さえオーケーと言えば二割はこん棒持っていこうが、何持っていこうが、こっちもやるぞ、戦争して取っちゃう、そういうようなことがちらりとうかがわれる、これを心配してきょう私はお伺いしておるのです。二十日の日をめどということをおっしゃっていますけれども、二十日の日に話し合いがつかなければやらぬわけですね。そうすると、どうなるのですか。どうやって話し合いをしたらいいか、その自信がおありになりますか、その二割の人。
#80
○参考人(今井榮文君) 総裁の先ほどの話を補足的に私から御説明申し上げたいと思いますが、全く先生のおっしゃるとおり状況は決して楽観いたしておりません。ただ、総裁が申し上げました二割というのは、敷地内の方々の、現在の絶対反対だというふうな方々の数を申し上げたのでございまして、空港のことでございますので、周辺の騒音地区もございます。したがいまして、騒音地区の方々の中にそういう反対も相当ございます。これは特に空港の南側に所在する芝山町を中心として非常に強い反対勢力のあることも十分承知いたしております。したがいまして、私どもとして決して情勢を楽観しておるわけではございませんが、ただ総裁がおっしゃるのは、空港については八割程度の方々がすでに条件によってはひとつ国のために踏み切ってやろうというところまできておるということをおっしゃったわけでございます。今後のスケジュールでございますが、実は先ほど大臣からお話がございましたように、できるだけ話し合いによって御説得をいたしたいということで、千葉県知事が仲介いたしまして、今月の十一日に最大の条件派の方々、二つ団体がございますが、こういった方々との間に千葉県庁において第一回の会合をいたしました。そのときのお約束で、この十七日、十九日の二日間にわたって地元の代表の方々とさらに第二回の会談をするということと並行いたしまして、私どもはできるだけ反対の方々にも接触を深めたい。特に先ほども申し上げましたが、千葉県知事は近く反対の強い地区に参りまして、反対の方々との話し合いも始める、こういうことを言っておられるようでございます。私どもとしては、千葉県のそういったごあっせんの成果に非常に期待いたしますと同時に、私ども自身も状況によりましては、あるいはまた行ったほうがいいということでありますれば、直接出向きまして反対の方々とも十分話し合いをいたして、先生のおっしゃったような心配がないように、問題が進むように全力をあげて努力するつもりでおります。
#81
○大倉精一君 問題は、相互の不信感だと思うのですね。ここにも政府が信用できないという気持ちがあるだろうと思う。たとえばいま騒音の区域をおっしゃったけれども、航空局長、今度航空騒音障害防止法が出ますね。あの法律によって補償をされる騒音の区域の範囲はどうなるのですかね。
#82
○政府委員(澤雄次君) 航空機の騒音防止法を今国会に御審議願おうと思っておりますが、それで騒音区域をどれだけにするか、また補償工事の範囲をどれだけにするかといいます基準につきましては、目下航空審議会の騒音対策部会というのを開いておりまして、この結論が八月ごろ出ると思います。その結論を尊重して基準をきめてまいりたいと、このように考えております。
#83
○大倉精一君 ここにも不信があるのですね。政府は成田空港を閣議決定したときは、騒音区域は滑走路先端二千メートル、中心から六百メートル、そうきめて通知しておるでしょう。それを今度は審議会から違った答申が出れば違った答申でいくのですか。
#84
○政府委員(澤雄次君) 七月四日に閣議決定をいたしました騒音対策につきましては、お配り申し上げてもよろしゅうございますが、従来国が実施している騒音対策の基準を参照して新空港については騒音対策を実施する、このように規定されております。
#85
○大倉精一君 具体的に何メートルですか。
#86
○政府委員(澤雄次君) 従来実施しておりますというのは、これはいろいろございますが、基地周辺整備法で実施しておりますところを大部分指すわけでございます。この何メートルと申しますのは、その補償工事の内容によってずいぶん違います。買い取りの地域あるいは補償工事の地域あるいは農耕補償の地域、それぞれによりまして基準が違ってまいっております。
#87
○大倉精一君 私の伺っておるのはそうじゃなくて、すでに閣議決定のときに、地元民には騒音防止の補償区域は滑走路先端二千メートル、中心から六百メートルにします、こういうことを国際空港成田空港については地元民に知らしておったのですね。地元民はそう思い込んでおるのですよ、そうでしょう。それを今度何やら基準何やら基準といって、また違ったものを持っていけば、それは不審に思いますよ。一たん約束したことは実行する義務があるんですよ。
#88
○政府委員(澤雄次君) これは先生の言われましたように、知事は滑走路の末端から二千メートル、それから中心から三百メーター、こう範囲を、もし買い取りの申し出があれば買い取るということを申しておられます。それで政府といたしましても、これは航空機騒音防止法だけによりますか、あるいはその他の対策をとりますか、いろいろな諸対策を講じまして、知事の言われたことは、県とも共同いたしまして完全に実施するということで目下進めております。
#89
○大倉精一君 要するに、そういうところからやっぱり現地の不信感を買うんですから、一たん口に出したことは補償の範囲に入れてやらなきゃいけないと私は思います。
 そこで、大臣、これは時間がありませんから、私はもう簡単にいたしますれけども、先ほど総裁のほうから五月二十日と言ったけれども、必ずしもこれにこだわらない、こういうお話がありましたが、あくまでも二割も絶対反対ですと、二割ですよ、この人を重点的に、話し合いの方法、内容というものをひとつ御検討願いたいと思う。それで、十五日には回答出したんですか、条件派二派に。――十五日にそういう回答も出ておるようですけれども、それに従って条件派がいいと言ったからいいだろうと、もう始まれば戦争が起こりますよ、あそこに。ですから、そういうことのないように、最初二十日にはこだわらぬと言われましたから、大臣としても、あくまでも二割の村民をどう説得するか、ここに最重点を置いて今後努力してもらいたい。あくまでもあの空港に対して流血のような不祥事件を起こさないように、責任を持って、大臣、これは処理願いたいと思いますが、いかがですか。
#90
○国務大臣(大橋武夫君) まことにごもっともしごくでございまして、私といたしましても全く同感でございます。十分善処いたします。
#91
○大倉精一君 終わります。
#92
○小酒井義男君 一つだけお尋ねしておきたいんですが、航空局長の先ほど答弁の中で、あの飛行場は十年は使えると、その間に航空技術などもいろいろ変わっていくだろうということを言われたんですが、最近の趨勢としては、やはりボーイング747ですか、ああいうものの離着陸がふえるんじゃないかというふうに私は考えるんです。そうすると、十年も使えるのか。もっと短かい期間に間に合わぬようになるんじゃないかという、そういう疑念を持つんです。逆に飛行場が小さくてもやれるようなふうの方法が十年間に出てくるのか、そういう点が一つ。
 それから、十年でもどれだけでも使えるうちは使うんだと、使えなくなったら、そういう場合にはほかにつくればいいという考え方かどうか。ほかにつくればいいという考え方なら、あそこ以上に用地が要るわけですね、ほかに。そのときでも、いまでも、私は大体日本の地理的な要件が変わるはずがないと思うんですが、そういう点はどうなんですか。
#93
○政府委員(澤雄次君) 二十六万回の離発着回数の能力がございまして、これは供用開始後十年間の需要に耐えるであろうと申し上げましたのは、従来の傾向値を延ばしまして――これはいずれまた御説明申し上げてもよろしゅうございますが、傾向値を延ばしますと、従来の飛行機の型によりまして十年間の能力があるであろう。いま申されましたボーイング747が相当四十五年以降、四十四年から日本にも入ってまいります。そうなりますと、これは御承知のように三百五十名から五百名の搭載能力がございますので、むしろ機数としては従来のDC8換算のものよりは機数としては減ってまいると思います。
 それからその後十年でこの成田の飛行場はだめになるのか、こういうお話につきましては、十年後といえども、この東京からとにかく六十六キロという近い距離にある国際空港として、十年後といいましても、これはりっぱに大きな役割りを将来にわたって続けてまいるであろうということでございます。
 その後につきましてどうするかということは、今後運輸省でも検討を進めまして、どこかもっと遠いところへ持っていくかというようなことを検討してまいりたいと思っております。これは公共投資の二重投資になってむだではないか、こういうようなお話もございますが、これは諸外国の飛行場を見ましても、ニューヨークでも、パリでも――たとえばパリでも、いま一つつくってまた一つつくりまして、これで足りなくなってまた大きいのをつくっている。ニューヨークでも御承知のように次々と飛行場をつくっているということでございまして、それぞれりっぱに役割りを果たします。羽田は羽田として、未来にわたりまして国内線として重要な、この東京の邪心にこういう近いところとして役割りを果たすであろうし、成田は成田として、東京に近い国際飛行場として、将来にわたって重要な価値を持つでごさいましょうし、われわれ関係者の間では、これは決してむだな投資ではない、このように考えている次第でございます。
#94
○小酒井義男君 これは大臣に答弁をしていただくということは無理だと思うのですがね。私は総裁の先ほどのお等えや、あるいは川地買収にまだ手がついておらぬというような段階でしたら、やはり将来も使い得るようなところをやはり検討するべきじゃないかという気がするのです。これはいまきまっておるのを、ここで再検討するという答弁は大臣としてはおそらくできないと思うのですけれども、私はそういうふうに考えておるのです。
#95
○国務大臣(大橋武夫君) まことにごもっともな御質問でございますが、先ほど申し上げましたごとく、この成田の新空港の敷地につきましては、政府といたしましても数年間、あらゆる努力をいたしました結果、これが現在期待し得る最善の候補地である、こういう考えで進んでおるわけでございまして、しかもこれは四十六年の四月にはどうしても四千メートルの滑走路を完成させなければならぬという期限の問題等もございまするので、先ほど来申し上げましたるごとく、成田新空港と羽田空港、この二つの空港では、東京の航空機の出入の処理ができないという将来は当然くると思いますが、そのときはまたそのときの考えとして、いまから検討を始めると同時に、すでに計画として決定しておりまする成田空港についてはあくまでも計画どおり進めてまいりたい、こういう考え方でございます。
#96
○大倉精一君 資料をお出し願いたいと思うのだが、先ほど私が申し上げました航空政策研究会、この中間答申の内容に関係する具体的な図解並びに数字等をあげた資料をひとつお出し願いたい。われわれしろうとがわかるようなものをお出しを願いたいと思います。わかりますかね。この内容がいろいろありますね、あの答申の中には。それはこうだ、これはこうだということを具体的な資料としてひとつ判断の資料を出していただきたい。
#97
○委員長(天坊裕彦君) いいですか。
#98
○政府委員(澤雄次君) いまの資料要求の御趣旨は、これそのもの……。
#99
○大倉精一君 その中身ですね。
#100
○政府委員(澤雄次君) これを図解にしてでございますか。
#101
○大倉精一君 ええ、そう。私の申し上げまするのは、たとえば面積はこうだから適当ではない、滑走路はこうだから適当ではない、あるいは飛行場から東京までの距離はこうだから適当ではない、あるいは何々は適当ではないということをずっと答申は言っておりますね。これはそうならそう、そうではないならそうではないということを、図解なり、あるいは何なり、数字を含んで、われわれしろうとが理解できるような、そういう資料をひとつ出していただきたい。
#102
○国務大臣(大橋武夫君) そうすると、弁明的な意見を含めてということですか。
#103
○大倉精一君 ええ、それもけっこうですが、われわれにとにかくわかればいいのですから、わかるようなものをひとつ。
#104
○国務大臣(大橋武夫君) これ自体を解説的に……。
#105
○大倉精一君 そうそう、解説書。それは読めばわかる――読んでほんとうかどうか、うそかどうかわからぬから、これはほんとうです、これはうそですということを具体的に出してもらいたい。
#106
○委員長(天坊裕彦君) 本件に関する調査はこの程度といたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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