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1967/07/11 第55回国会 参議院 参議院会議録情報 第055回国会 運輸委員会 第18号
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1967/07/11 第55回国会 参議院

参議院会議録情報 第055回国会 運輸委員会 第18号

#1
第055回国会 運輸委員会 第18号
昭和四十二年七月十一日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月八日
    辞任         補欠選任
     高橋  衛君     井野 碩哉君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         天坊 裕彦君
    理 事
                岡本  悟君
                谷口 慶吉君
                岡  三郎君
                小酒井義男君
    委 員
                江藤  智君
                金丸 冨夫君
                木村 睦男君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                木村美智男君
                田代富士男君
   政府委員
       運輸政務次官   金丸  信君
       運輸省航空局長  澤  雄次君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公共用飛行場周辺における航空機騒音による障
 害の防止等に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る八日、高橋衛君が委員を辞任され、その補欠として井野碩哉君が選任されました。
#3
○委員長(天坊裕彦君) 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#4
○岡三郎君 東京の羽田の飛行場についてですね、この前、滑走路の問題について言ったわけですが、飛行場の周辺に及ぼす騒音だけではなくて、危険度合いというものもかなりこれに付随して大きな問題として提起されていると思うのですが、この羽田については、私が記憶するところにおいては、昭和三十一年ごろかな、まあ羽田の周辺の学校等の防音施設について、当時の東京都の教育委員会でやったわけですが、全体的に言って東京羽田飛行場と伊丹の周辺の学校の防音施設というものはどうなっておりますか、現状において。
#5
○政府委員(澤雄次君) 防音施設につきましては東京都のほうでみずから実施したものが若干ございますが、騒音防止のこういう予算制度が民間空港についてはございませんでしたので、国がそういう防音の施設をするということは、東京、大阪につきましてはいままでございませんでした。ただ、航行の方法を規制いたしまして、これは東京都、航空局、それから航空会社が集まりまして、夜間のジェット機につきましては、原則として夜の十一時から午前六時までは陸地の方向に向かっては離発着をしないという行政指導をいたしております。それから昼間におきましても、海側から陸地に向かって離陸いたしましたときには、一定の安全高度に達しましたら右旋回をして海の上に出るという、これは東京でございますが、そういう措置をとっております。現在までのところ、騒音対策として国がとっております措置は以上でございます。
#6
○岡三郎君 そうすると、本法が施行せられるとどの程度のそういうふうないわゆる防音に対する措置を行なう予定になっておりますか。
#7
○政府委員(澤雄次君) 本法が施行になりますと、お手元に資料として配布いたしてあるかと思いますが、この防衛施設周辺整備法に基づく措置の基準という資料でございますが、これに規定しております。
 この一でございますが、学校教育法によります学校、それから医療法に規定します病院、これは二十人以上のベットのある施設、それからそのほか児童福祉法によります保育所、それから六人以上の患者の収容施設を有します診療所その他につきまして、二ぺ−ジ以下の基準によりまして、二。へ−ジ以下の基準、これは二ページの上にございますのは学校の基準でございますが、七十ホン以上の音響が十回以上、または八十ホン以上の音響が五回以上、これは一時間にでございます。こういうところにあります学校につきましては、一定の防音工事をいたします。たとえて見ますと、九十五ホンのホン数が十回のところにつきましては、鉄筋コンクリートで二重窓の学校を、これは補助金でございますが、国で東京都に補助金を交付いたしまして建設いたします。その補助率は原則として防音に関するものは一〇〇%、十分の十でございます。ただし学校側が利益を得る限度でその補助金は減額をいたしております。こういう措置と、それから一番最後の五ぺ−ジにございますが、この飛行機の着陸帯、まん中にありますのが滑走路でございまして、そのまわりの白いところは着陸帯でございますが、着陸帯から五百メートルのところは、無条件でもし売りたいという方は時価で買い上げます。それから斜線をしてあります部分のところは、宅地は無条件で買いますし、それから家その他を転居いたしまして、残りの土地を従来の利用に供せられないというようなものにつきましてもそれを買い上げる。それから移転をしたい方には完全な移転補償を行なう、大体以上の措置をとることに相なっております。
#8
○岡三郎君 そういうふうな経費を一応三億円と見ていると言いますが、その積算の大体のもとは何です。
#9
○政府委員(澤雄次君) 今年度の三億円はこの公共用飛行場の騒音防止法と直接の関係はございませんで、とりあえずの予算措置として実施いたしたものでございます。これにつきましては、東京と大阪の小学校、中学校から四十二年度からこの防音工事を実施してまいりたいと思っております。
#10
○岡三郎君 この騒音の基準は大体わかりましたですが、こういう騒音の調査ですね、こういうものを従来どういうふうにやってきたわけですか。
#11
○政府委員(澤雄次君) これは三十七年以来、予算はわずかでございますが、毎年度調査予算をいただきまして、東京と大阪の両空港につきまして、各学校に音響測定器を置きまして、騒音調査を実施いたしました。
#12
○岡三郎君 その調査のデータはありますか。
#13
○政府委員(澤雄次君) 調査のデータ、ございます。
#14
○岡三郎君 概略、どの程度になっておりますかね。
#15
○政府委員(澤雄次君) これはDC8あるいはコンベア880、ボーイング727で違うのでございますが、その当時におきましてDC8によりまして中学校、小学校約十五くらいを調べましたところ、滑走路延長一・ニキロメートルのところで百ホン、それから二・五キロメートルのところで九十五ホン、四・一キロメートルのところで九十ホン、五・三キロメートルのところで八十五ホン、こういうふうになっております。測定をいたしましたときのコンターがございますので、これは資料として委員会のほうに提出いたしたいと思います。
#16
○岡三郎君 これからだんだんだんだんまた大型がふえてくると思うのですが、そういうふうな調査については、今後どういう計画があるのですか。
#17
○政府委員(澤雄次君) 従来の調査は、一年のうち一週間なら一週間を限りまして、調査をいたしたわけでございますが、これでは不十分でございまして、今度この法律に基づきまして実際に学校に何ホンのものにはどういう工事をするということになりますので、もっと徹底した調査予算を四十三年度から要求いたしたいと思っております。
#18
○岡三郎君 大体その調査の方法と、予算についての計画について説明してもらいたいと思う。
#19
○政府委員(澤雄次君) 従来、毎年二百万から二百五十万円の予算で実施をいたしております。今年度も二百五十万の騒音調査費がついております。来年度からはこの騒音防止法によりまして、補償工事を実施するおそらく対象になるであろうという推定地域を対象といたしまして、騒音調査を実施いたしたいと思っております。まだ来年度どれだけの予算要求をいたしますか、数字は固まっておりません。
#20
○岡三郎君 まあいままで、一カ年に一週間程度というと、どういう季節とか、どういうふうなころに調査するか、まあその点が非常に問題があると思うのですが、いままではこれは運輸省として調査したわけですか。
#21
○政府委員(澤雄次君) さようでございます。
#22
○岡三郎君 その場合に、たとえば第三者機関といいますか、まあ学者には限りませんけれども、第三者による公正な調査というか、公正というと変ですけれどもね、やはり当局がやることも一つの方法として考えられるけれども、第三者の権威ある機関というか、そういうものをつくって、やはり計画的に調査をして、それに即応するという形がとられないと、飛行機のほうは大きくなってくる。それに伴うところの調査によって施設をしていくということになれば、かなり客観的に第三者を納得せしめるような資料が必要じゃないかというふうに考えるわけですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#23
○政府委員(澤雄次君) 運輸省で実施いたしましたと申し上げましたが、運輸省の予算で実施いたしましたので、実際は、東京につきましては日本音響学会に調査委託をいたしました。それにはもちろん運輸省の役人も入っておりますが、調査委託をして実施いたしました。大阪におきましては、大阪大学に調査委託をいたしました。今後ともこういう権威ある音響学会あるいは大学に調査委託をお願いしようと思っております。
#24
○岡三郎君 なぜそういうこと言うかというと、ずいぶん風向きによって音というものは変わってくると思うのです。したがって、年間を通じて一週間程度では、ある一つの計画に基づいてやる場合に、やはり不十分なものになるんではないか。だからやはり夏の場合とか、または冬の場合、そういうふうな気候によって、かなり風向きが変わってくるし、それに伴って音の影響というものもずいぶん出てくるんじゃないか。そういう点で、やはり公正を期するという意味において、まず調査が厳格に行なわれるということが対策を生んでくるというふうに考えるので、その点については、ひとつ調査方法、そういうものが納得できるような企画というものを立てて実施してもらいたいというふうに考えるわけです。それから病院等の防音施設ということ、まあ学校でもそうですがね、二重の窓や鉄筋コンクリートやればかなりいいわけですが、まあ実際上いうと、換気の問題とか、いろんな問題があって、建築構造上かなり苦痛であるというふうな声も直接に聞くわけです。そういう点について、騒音防止工事というものについての研究、そういったようなものについてどういうふうにいままで勉強しておられるのか、その点ちょっと聞きたいと思う。
#25
○政府委員(澤雄次君) まことに申しわけないんでございますが、運輸省でいままで騒音防止の工事をやっておりませんので、研究あるいは経験というものは運輸省にはございませんです。ただ防衛庁が戦後長らくにわたりまして基地周辺の騒音防止工事をやっておりまして、そのために特別の研究も相当進めておられますので、目下防衛庁と連絡をとりまして、騒音防止工事のやり方その他につきまして、いま研究をいたしております。
#26
○岡三郎君 そうするというと、当面防衛庁の研究資料をもとにして行なうとしても、一般施工者ですね、一般施工者というものが、その言われた企画に基づいて工事をするにしても、やっぱりかなり防音装置をしたあとの衛生状態とか、まあ空気、換気の問題ですね。こういう問題について苦情を聞くわけですよ。特に夏季の場合ですね、この防音のほうはかなり効果があったとしても、非常に暑苦しくてたまらないというふうな声を聞くわけですがね。こういう点についても少し事情聴取しておりますか。
#27
○政府委員(澤雄次君) この点につきましても、従来防衛庁が実施しました工事について、全国の学校から相当な苦情が防衛庁のほうにまいっております。それらの資料も私のほうで検討いたしております。
#28
○岡三郎君 いままで防衛施設庁のほうとしてどのくらい防音工事しておりますか。
#29
○政府委員(澤雄次君) 防衛庁の実施いたしました騒音防止工事は、昭和四十年度までで教育施設が約百七十五億、それから医療施設が約十三億、合計約百八十九億でございます。
#30
○岡三郎君 いま各改良工事で騒音防止工事を施行して苦情が来ているというその苦情の内容はどういうふうなものになっておりますか。
#31
○政府委員(澤雄次君) 先ほど先生のおっしゃいました、夏季におきまして通風が、装置がよくない、あるいは通風装置だけではどうしても温度が上がって勉強ができない、こういうことでございます。
#32
○岡三郎君 そうするというと、それに対応する策というものがあるわけですか。具体的にこれから補助をするという場合について、二重窓をつくるとか、そういうふうな防音装置に伴なう衛生とか健康に及ぼす諸問題について、それを取り上げないというと、ただ窓をつくってやれば、二重窓をつくってやればいいんじゃ、現状においては解消しないんじゃないかという気がするのですが、それはどう考えておりますか。
#33
○政府委員(澤雄次君) 通風装置を改良してまいりまして、少しでも気温の上がるのを防止いたしたい、こういうふうに考えております。
#34
○岡三郎君 実際問題として、この三億円というものの内訳はどういうふうになっていますか。大体何カ所つくるとか、そういうことではなくて、騒音防止工事をする場合についての工事費の補助とか、あるいはそういうふうな通風装置の補助とか、そういうものの内訳どうなっていますか。
#35
○政府委員(澤雄次君) 実は東京、大阪の周辺におきましては、すでに鉄筋コンクリートになっておる小中学校が非常に多いのでございまして、これを二重窓あるいは場所によりまして一重窓にいたしまして通風装置をするという予算が大部分でございます。
#36
○岡三郎君 いま言った点について、結局騒音防止工事をするということにとどまって、従来、内容の施設については当該の自治体、市町村においてやらせるというふうになっていた経過があるので、それでは自治体の財政によってかなり児童に格差が生じる。そういうふうな面で、積極的に騒音防止工事をやるならば、そこまで一歩踏み込んでいかぬというと、ありがたさがないんじゃないかというふうにいま感じておるわけですが、それはいまの答弁で言うと、そういうふうな点について、工事をする際、それに伴う付帯工事といいますか、そういうふうな点についてはどの程度補助するんですか。
#37
○政府委員(澤雄次君) 騒音に関します限り一〇〇%の補助をいたします。
#38
○岡三郎君 中身も。
#39
○政府委員(澤雄次君) はい。二重窓にいたしましたり、それから通風装置をいたしますについては一〇〇%の補助をやります。それから木造、これは四十二年度に取りかかるかどうかわかりませんが、木造の家屋でございましたら、これを、木造家屋を廃止いたしまして、そのあとに鉄筋コンクリートの学校をつくります。これにつきましても、原則として同じ面積であれば百分の百、一〇〇%補助するわけでございます。ただ、東京都なり地元のほうにそれが利益が残るわけでございます、木造のものを鉄筋にいたしますから。その利益の限度に応じまして補助率が九〇%あるいは七五%ということにいたしております。
#40
○岡三郎君 そうするというと、三億円ではたいしたことことしはできないね。どんな程度のことを考えているんですか。
#41
○政府委員(澤雄次君) 三億円ではお説のとおりたいしたことはできないのでございます。騒音防止法がなかったのでございますが、とりあえずの予算措置としてこれを予算措置で実施いたしたいということでございます。この三億円も二年計画で組んでございますから、総工費といたしましては六億円の計画でございます。それから、五年計画をいま進めておりまして、東京、大阪両空港につきまして、これはまだ運輸省だけの計画でございまして、政府の計画ではございません、約百億円の騒音対策費をつけてまいりたい、このように運輸省では計画をいたしております。
#42
○岡三郎君 いま成田空港がだいぶもめておりますがね、その前のいわゆる羽田なり伊丹の飛行場について、いま日航等が発注している大型の飛行機ですね、そういうものが実際に運航されてくるということを考えてみるというと、かなりこれは音が大きくなってくるんじゃないかというふうな気がするわけですがね、そういう点について具体的に、いま注文しているボーイングのあれは何という飛行機だっけな、747か、あれあたりはどのくらいですか、いまの707か727かに比べてみてどのくらいの音になっていますか。
#43
○政府委員(澤雄次君) 御質問のボーイング747はまだフライトテストに入っておりません。まだでき上がっておりませんので、どれくらいの音になるか実験的には出ていないのでございますが、アメリカの航空局、FAAと申しておりますが、アメリカの航空局からボーイング社への要請といたしましては、現在のDC8型以上の音を出さないように計画しろという要請が出ております。ボーイング社ではその方向に従いましていま計画を進めております。これはエンジンそのものが現在のDC8型よりも、エアコンプレッサーの前にありますファンをつけまして、そしてこれでそのエンジンルームに入ります空気のほかに、入らないで直接うしろのほうへ回りまして、そしてそのエンジンルームを通った空気と一緒に爆発させる、その量を多くしていくことによって騒音を少なくする、こういう研究を進めておりまして、まだ確定したことは申し上げられませんが、一応米国のFAAの要請としては、DC8型あるいは707以上の騒音を出さない、こういうことで計画を進めております。
#44
○岡三郎君 超音速機はどうなんですか。
#45
○政府委員(澤雄次君) 超音速機は、これはまだエンジンも開発されておりませんし、目下のところ全くわからないという状態でございます。
#46
○岡三郎君 しかし、われわれが見てきたところでは、だいぶん進んでおって、もう大体性能、そういったものは全部検査終了、終わって、ボーイングにきまったわけです。そうするというと、大体われわれ直接見てきたわけですけれども、エンジンなんかももうできていますよ、実際言って。だからそういうふうな今後の飛行機の急速な発達に伴っての問題をある程度考えていかないというと、実際五カ年計画とか、これから先々の計画というものが立たぬと思うのですが、たとえば新国際空港ですね、ここに登場してくる飛行機というものになると、これはいまイギリスとフランスが共同してやはり作成している、これのほうがかなり早目に就航する段階になるのじゃないか。ずいぶん大きい型の飛行機ですからね。そうなるというと、われわれ自体、常識的に考えるというと、エンジンも大きくなっていくのじゃないかというふうな気がしているわけですがね、そういう点のひとつ御研究もしてもらいたいと思うのですが、従来の防衛庁が一般軍事基地としての調査の中から、たとえば厚木の飛行場とか、その他横田とか、いろいろと農家に近いところにおいて、いろいろと調査をしてきておるわけですが、羽田あるいは伊丹の飛行場は直接農作物とか、あるいは豚、鶏等の養鶏なり、養豚という問題についての影響はないわけですけれども、これから新空港が一応完成された場合について、そういう問題がまたここに発生してくると思うのですが、そういう点について経営上損失をこうむったときにその損失を補償する、なかなかこれはデリケートな問題だと思うのですが、こういう点についてはどういうふうに考えているのですか。
#47
○政府委員(澤雄次君) 先生のおっしゃったのは農業補償だろうと思いますが、これは法案の第十条に損失補償がございまして、「農業その他政令で定める事業」、政令というのは、現在予定いたしておりますのは、あまりないかとは思いますが、もしあれば漁業を入れたいと考えております。それで、これにつきましては防衛庁が現在実施いたしておりますものと同じ損失補償を、これは完全に実施いたしまして、そうしてこれは御不満の場合は運輸大臣まで異議の申し立てをするし、途中におきまして都道府県知事に十分意見を述べていただく、あるいは意見書を添付していただきまして、さらに運輸大臣が審査し、それでも御不満の方は裁判まで持っていっていただく、そういう手続をとりまして、農家につきましては完全補償を実施いたしたいと考えております。
#48
○岡三郎君 それからラジオ、テレビですね、これに対してやはり基地周辺については減免措置とか、いろいろと講じておるようですが、これはどういうふうに考えていますか。
#49
○政府委員(澤雄次君) これは法律にございませんが、従来、基地周辺におきましては一定のホン以上の基地においては、二キロ、一キロの範囲につきまして、契約甲、ラジオとテレビと両方やっている契約甲につきまして半額NHKが聴視料を免除する。こういう措置をとっておりまして、国の予算として予算化いたしていないわけでございます。それで、この法律案をつくりますときも、いろいろ検討いたしたわけでございます。防衛庁の例にならいまして東京、大阪についても、一定の範囲内はそのラジオ、テレビの聴視料を免除してもらいたい、あるいは軽減してもらいたいということを、NHKと郵政省にいま申し入れをいたしております。まだ御承諾は得ておりません。
#50
○岡三郎君 いまの問題についてずいぶん不満があるわけですよ。現在の基地周辺の民生の安定という面から考えてみて、減免の度合いについても、これを全額免除してもらいたいというふうな要求が非常に強くあるわけですが、この問題について、交渉中ということになっているわけですが、すぐこの問題が追っかけ出てくると思うのです。もう少し研究しておらぬですか。要するに、二キロ、一キロと言うと、どういうふうになるのですか。たとえば伊丹を例にとってみると、飛行場周辺の二キロまでは半額、一キロまでは全面免除、――違うのですか。それを説明してください。
#51
○政府委員(澤雄次君) 滑走路の先端、進入表面に向かいまして二キロ、それから滑走路の横でございます、横、これを転移表面と申しておりますが、転移表面側が一キロ、この範囲を二分の一減免している、こういうことでございます。それで、この国の予算でそういう措置をするということは、これは実際上、防衛庁は、長い間NHKが実際上減免するという制度でやってまいりましたので、この公共用飛行場に関しまして、これを国の予算でそういう減免をするということは実際上不可能でございます。これはどうしてもやはりNHKの負担で聴視料を軽減してもらいたいということでNHKと郵政省にいまお願いをしている次第でございます。
#52
○岡三郎君 NHKと郵政省でやってもらえばそれでいいわけですけれども、実際問題としてらちがあかぬということで不払い同盟みたいな形がいま起こっている場所があるわけです。したがって、この飛行場周辺における騒音、こういうものに対しての補償というものの中の大きな問題はやはりラジオ、テレビの聴視障害というという問題になってくるんじゃないかと思うのですが、その点で、かりに郵政省あるいはNHKがノーと答えたら、これはどうするのですか。
#53
○政府委員(澤雄次君) 現在のところノーと答えているわけでございますが、大臣間の折衝に近く持っていっていただきたいと思っております。
#54
○岡三郎君 私はやはり、どうして不可能なんですか。私はそれがわからないのです。現実に飛行機が飛ぶことによって、その振動によって映像がもう乱れてしまう。あるいはラジオ聴取が不能だというふうな点について、深夜はまだ飛行機が飛ばないからいいとしても、ほとんど使用にたえない。しかし、そこから出ていくわけにもいかぬ、そういうふうな問題に突き当たっているわけですが、そういう点について、国としてやはりある程度のその補償なら補償というものを取り上げてやはり検討していかないというと、飛行場をつくったが周辺の人はそういうことでテレビも見れないというふうなことで、実際非常に大きな不満を持っていると思うのですが、どうしてそれに対する補償の問題がむずかしいのですか。
#55
○政府委員(金丸信君) この問題につきましては、私も航空局と一緒にNHKとも交渉いたしたわけでありますが、基地周辺の問題につきましては、NHKがこれについて減免をいたしておるというのは事実でありまして、この問題について、どこかで補償しなければならぬということだけは、ことに騒音防止法案というものが出るとすればなお当然だと私考えるわけであります。ただ、NHKは正常な電波を送っておる、私のほうから言えばむしろ私のほうも被害者だ、こうNHKは言っておられるわけであります。そういう意味で、先ほど局長から申されましたように、いまの段階ではもう事務段階じゃない。私もそう考えておるわけでありまして、私も郵政政務次官をやりまして、その関係もまんざら知らぬわけではないわけでありますが、いわゆるNHKにしわ寄せをするということ自体がちょっとおかしいのじゃないか。むしろこれは国で補償すべきである、こういう私は感じを持っておるわけでありますが、そういう意味で、前向きにこの問題は政府でやるような方向へ持っていくように検討してみたい、こう私は考えております。
#56
○岡三郎君 いま金丸政務次官が言ったように、私もやはりつっかけっこではなくて、実際これは国鉄なんかについてもいろいろと公共負担の問題があるわけであります。これは飛行場があるがゆえに電波障害を起こすのです。したがって、いま言ったように飛行場そのもの、特に東京とか大阪、伊丹とか、これは非常に人口が稠密しておる、そういうふうなところに対してどうするのかという点につきまして、これが拡大されてくるというとNHK自体もかなり負担が重くなるのじゃないかということを懸念しておるのじゃないかと思います。これからますます飛行場が拡張されて大きな飛行機が各都道府県の空港に着陸するような場合も考えてみるというと、かなり大ぜいの聴視者の問題をかかえていくということを想定できるわけであります。そうするというと、NHKに問題を投げかけておるばかりでなく、いま言ったように、やはり国として何らかそれに対する措置を講じなければならない、こういうふうなことが早急に起こってくるのじゃないかと思うのですが、特にこういうふうな法律ができるということになるというと、一体この問題どうしてくれるのだということですぐ次に出てくるのが私はこの問題だと思います。いま言ったように、政務次官のほうはいいが、事務当局のほうの考え方がちょっと後退的だね。郵政省とNHKがうんと言わなければうまくいかぬです。法律は施行される。そこら辺がはっきりしないとこの法律はあげられないな。これはそうだよ。法律はつくったが、すぐ問題はそこへくる。法律をつくったために責任の所在が追及されるということに私はなってくるの
 じゃないか。
#57
○政府委員(金丸信君) この問題につきましては、いろいろ方法もあろうと私は思います。現実は、基地周辺の問題についてはNHKがしわ寄せを背負っているということですから、政府の考え次第によってはNHKがこの免除はいろいろ例にならってやる。しかし、国がそれに対してNHKに助成をするというようなことができるとすれば、それも一つの方法だろうと思います。もし何なれば、いわゆる基地周辺の問題もこの際解消して全部政府補償にすべきだ、私はそういう感じをいたしておるわけでありますが、それがなかなかNHKのほうでは、これはむしろ私のほうは正常な電波を送っているのだ、私のほうが被害者だと言っているということを考えてみますれば、これは電話の問題もちょっと衆議院でもその問題が出たわけでありますが、電話のほうもNHKと同じようなことを言っているわけであります。そういうことを考えてみれば、これはあくまでもほんとうに国が、政府が何とかしなければならぬ問題だと思いますので、これは必ず何とかするように最善の努力をいたします。
#58
○岡三郎君 現在NHKが大体負担しておる額はどのくらいですか。減免による収入減という問題。
#59
○政府委員(金丸信君) 私もしっかりした記憶はないわけでありますが、たしか十億以下だと考えております。
#60
○岡三郎君 かりにこの東京、大阪空港、それから将来できるであろう成田空港ですね、こういうものをひっくるめて、まあこれは推定ですけれども、どのくらいになるわけですかね、大体。
#61
○政府委員(澤雄次君) 成田空港のほうは計算いたしておりませんですが、東京、大阪だけで半額免除で約年間一億円でございます。
#62
○岡三郎君 それは結局二キロ、一キロの測定からいってですか。
#63
○政府委員(澤雄次君) 基地周辺の場合と同じ二キロ、一キロで計算いたしました。
#64
○岡三郎君 それがだんだん無理になっているのじゃないかな、その基準というのが。結局これも飛行機の数がふえて、そうして大型化すれば、従来のその基準というものがかなり無理じゃないかという声があるわけですよ。それで一歩進めて半額免除よりも、ほとんど聴視不能であるというふうなところも地域によってある。だからこれは全額免除してもらいたいという声がそこにあるわけですよ。まあ大体そういうところにテレビを置いておくというのがおかしいじゃないかということになるわけですが、しかし、実際いうと、その間でちらちらしながらも無理して見ているというのが現実ですからね。そういう点で、二キロ、一キロの一つの基準というものを進めて、やはり場所によれば同じそういうふうな距離的な中においてもひどいところとそうでないところがあると思う。そういうふうな問題について、免除という問題についてかなり地元としてやっているようですが、なかなかうんと言わぬ。これはやはりNHKの収入の問題と関係していると思うのですがね。いま政務次官が言われているように、国としてNHKに対して補助をどうするか、そういうふうな問題とあわせて、やはりこういう周辺の聴視事情というものをよく調べて、それに合致するような手だてをとってもらいたいと思うのです。航空局として、運輸省として、ラジオ、テレビの聴視状況についての調査はしたことはございますか。
#65
○政府委員(澤雄次君) 調査をいたしたことはございません。
#66
○岡三郎君 そうするというと、どうも危っかしいね、これは。やはりまあNHKにまかせるということもさりながら、やはり一ぺんこういうふうな法律が今後成立して施行せられていくということになれば、防衛庁におぶさっているということだけではなくて、運輸省自体としても実際の公共飛行場における周辺の騒音に対する影響というものについて調査してもらわなければいかぬじゃないかというふうな気がするのですがね、そういう考え方でございますか。
#67
○政府委員(澤雄次君) これはNHKのほうからも申し入れがございますが、地元の方とNHKと郵政省と運輸省で、委員会のようなものを組織いたしまして、そして東京、大阪両空港につきまして、具体的に調査をし、また地元の方の話を聞こうじゃないか、こういう申し入れがございますので、それを実施いたしたいと考えております。
#68
○岡三郎君 それを実施するにも一つの可能性を与えるわけですからね。調査をすれば何とか政府がしてくれるだろうというふうに思うのがこれは人情ですからね。そうするというと、やはり基本的に言って、いまの基地周辺の問題とかね合わせて、やっぱり抜本的に今後の問題としてこれを積極的に政府自体として取り上げて検討するというふうに政務次官が言っておられるので、これを了として一応この問題についての質問は中止しますがね、非常にやはり苦情が多いわけですよ。そういう点について至急に何らかの結論を出して、この法律が施行される段階において目鼻をつけてもらいたい、こういうふうに思います。したがって、いま政務次官の意欲は了としますがね、必ずそれを何とか早急に結論を出さぬというと、やっぱり法律が施行せられたあとにおいてその問題がすぐ出てくるのじゃないかと思いますがね、その点についてもう少し時間的のめどを考えて答弁してもらいたい。
#69
○政府委員(金丸信君) ちょうど来年度予算要求もあることでございますし、なお帰りまして大臣とも十分連絡をとりまして、私も先頭になってひとつ大蔵省とこの問題について折衝いたしたいと考えております。必ずひとつ何とか解決するようにいたしたいと考えております。
#70
○岡三郎君 その場合において、先ほど言いましたように、やっぱり地域によってかなり影響が違うので、どこまでにするかという問題とあわせて、やはり減ずるのと免除するのと両方やっぱり考えてもらわないと困るのです。そういう点で、その点を含めて、ひとついまの答弁を私は了として、これで終わります。
#71
○木村美智男君 この法案ができますと、これによってこの規制を受けるのは、あとのほうの付則を読んでみますと、大体これは民間の飛行機だけであって、たとえば東京羽田の空港を利用している飛行機は相当ほかにあると思うのですけれども、結局民間のジェット機だけだ、こういうふうに理解をしなければならぬわけですか。
#72
○政府委員(澤雄次君) 実際の運用問題といたしまして、東京と大阪の両国際空港につきましては、一定の基準によるホンに達しましたときには、この法律によりますいろいろな補助工事を実施いたしますので、その飛んでおります飛行機が民間機であるか、あるいは自衛隊の飛行機であるか、MACのチャーター飛行機であるかというようなことは問わず、実際上の予算措置といたしましては、すべての飛行機を対象として防音工事を実施いたします。
#73
○木村美智男君 防音工事の実施は、確かにこれは区別がつかないから全体を対象にしてやるようなことになりますが、しかし、航行規制の段階になると、これはもう全然民間のジェット機だけだというふうになるのじゃないですか。
#74
○政府委員(澤雄次君) この第三条の規制措置につきましては、現在までにも実際上航空会社、軍のほうと話し合いをいたしておりまして、その航空会社だけでなしに、軍のほうも、運輸省の規制に事実上従ってもらっております。これは先ほど岡委員からの御質問もありました、たとえば夜十一時以降ジェット機は陸地に向かって飛ばない。あるいは一定の高度に達しましたら右側に進路を変えるというようなことにつきましては、MACチャーター機も従来からこの行政措置に従っておりますので、今後この法律が実施いたしまして、法律上の措置としていたしました場合にも、軍関係の飛行機もこの措置に従ってもらうということに相なると思います。ただ罰則の関係は、これもちろん罰則を適用するということは不可能でございます。
#75
○木村美智男君 まあ原則的には、夜間の飛行機等については、もう自衛隊なり、あるいはMACチャーター機についても、全部これは一応従ってもらっていると、そうですか。そうなりますとね、そういうことであれば相当の飛行量が、いままあ飽和状態にあると言われるだけあって、相当なものだと思うのですが、この騒音防止に対する補助の問題でね、この個人の民家等についての防止工事については、これはちょっと考えてみると、ここに特にあげられたような学校なり、医療法に基づく病院なり、あるいはその他政令できめる施設というようなものは、特に防音というか、騒音がひどくて、民家はひどくないというわけにはいかぬですね、これ。被害は同じでしょう。それに対して個人の民家については、これはそれでも全然何も見ないと、こういうことなんですか。
#76
○政府委員(澤雄次君) 学校、病院あるいはその他の公共施設につきましては、騒音というものが国民生活の基本に触れる、学校で騒音というものがございましたら、これはもはや学問はできないという基本的な問題でございますので、これらを防音工事の対象として取り上げたわけでございます。で、一般民家ももちろん先生のおっしゃるように騒音の被害を非常に受けるのでございます。これに対しましてすべての防音工事を実施するということは予算的にも実際上不可能でございます。それから現在の日本の家屋というものはほとんど木造家屋でございますし、これに防音工事自身を実施するということも非常に技術的にも困難でございます。それで、これらの一般民家に対しましては、法案の第六条におきまして、その地方の市町村長が共同学習施設あるいは共同集会所というようなものをつくられましたときには、それに対して国が補助をする、そういうことをいたしまして、学習あるいはその市町村民のいろいろな打ち合わせというような基本的な事項だけは騒音から守ろうということでございます。さらにどうしてももう自分はうるさくて生活ができないという方には、第九条で、もしよそに家屋を移される、あるいはよそに移転されるといいます場合には、移転補償を実施いたします。これは完全な移転補償を実施いたします。それからさらに、その土地を、もはやここらに住まなくなったから土地を買えといわれる方には土地を買おう、こういうことで、一般の住民の方の騒音に対する被害対策ということを考えておるわけでございます。
#77
○小酒井義男君 いまの話なんですが、立ちのき、あるいは土地の買い入れですね。そういう場合に、売り手と買い手では私は相当価格の開きができると思うのですが、その開きをこちらの、買うほうの評価じゃなければだめだと言っておられたんでは、片方はそのままほおっておかれたんでは困るわけですね。そういう場合に、何か適正な評価をするようなものでも必要になるんじゃないかと思うのですが、そういう場合はどうするんですか。
#78
○政府委員(澤雄次君) その場合には、関係市町村の意見ももちろん聞きますが、手続的には公正な土地鑑定人を入れまして、その評価に従って購入をいたしたいと考えております。
#79
○木村美智男君 そういうことでやらざるを得ないんで、そういう方針だと言われてしまえば、それはそれで、事情は事情としてわかりましたが、しかし、何かこの個人の生活というやつは、学校なり病院なりと比べて何かちょっと差別扱いをされるということは、基本的にはしかしやっぱりこれは誤りじゃないかというふうに考えているわけですが、これはそういうことで予算があればやるというふうにも聞こえるし、ある程度技術的に可能ならばやってもよろしいというふうに航空局長の答弁では考えるのですが、いまのやつはっけ足しなんでしょう。
#80
○政府委員(澤雄次君) これは予算的に不可能であろうということを申し上げたわけでございます。それから技術的にも、実際ほとんどの家屋が木造でございますから、それに防音工事を実施することは技術的にも不可能でございます。そこで、この第五条に掲げました学校、病院、その他の公共施設、これの工事、それから第六条の共同利用施設のいろいろな工事、これだけの予算でもう相当な額に達しまして、まずこれからかかっていくということが必要であろうと思います。ただいまのところ一般民家の補償工事ということは考えておりません。
#81
○木村美智男君 たいへんかかる話は聞いたんですがね。この第五条の一、二、三ですね。これについて大体どのくらいかかっておって、あるいはこれからどのくらいかかるかということをある程度はじき出してあるというんで、それをまず聞かしていただきたい。
#82
○政府委員(澤雄次君) 先ほども、岡委員の御質問でもお答え申し上げましたが、東京、大阪だけでこの五年間に約百億の補償をする必要がある。これは運輸省のほうの考えでございます。政府全体としてまだまとまっておりません。われわれとしては百億の補償を実施いたしたい、このように考えております。
#83
○木村美智男君 もう質問されたことだそうですから、こいつはあれにしまして、問題は、第五条の三号にある「前二号の施設に類する施設で政令で定めるもの」というやつ、資料をいただいたわけですがね。たとえば、そうしますと、二の「医療法第一条第一項に規定する病院」というのは、患者二十人以上の収容施設のある病院と、こういうふうに言われているわけです。ですから、そうすると、このあとの三号の関係になりますと、ここには診療所というのが入っているわけです。ちょうど十九人以下の収容施設を持った病院というやつは、これはこまかいようですが、どういうことになっていくわけですか、診療所の概念に入るんですか、それとも何か病院ということで適用になっていくのか、それともこれは法律として考えないのかどうか。
#84
○政府委員(澤雄次君) 医療法による診療所、六人以上のベッドを有するものを考えておりますので、これは実際上の予算措置といたしまして、病院であろうと診療所であろうと、六人以上のベッドを有するものにつきましては工事の対象といたしております。
#85
○木村美智男君 わかってきたんですが、そうなると、本法のほうでは二十人以上で、政令のほうでは六人以上、こうなるわけですね。それじゃ五人というのはだめだ、早い話が、それではちょっと弱るね。これは診療所にしろ、病院にしろ、とにかく一応収容施設はこしらえて、とにかく入院患者を扱うわけですね。そういったらこれはやっぱり病院らしきもので、入院の、収容施設を持っているところはこれは全部含まれなければ、理屈上は、一体六人のところに線を引いたのはどういうわけだと言われたときにちょっと答えられないですね、これでは。
#86
○政府委員(澤雄次君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、騒音防止法の運用全体につきまして早急に実施しなければならない騒音防止工事というのは非常に多いわけでございます。それで予算的にはまずそういうものから実施をしてまいりますので、その緊急度の高いもの、あるいは非常に大ぜいのものを扱っておるもの、そういうものから実施しておるという状態でございまして、それらが充足されていけば将来におきまして順次方向として先生のおっしゃったような方向に進むことに相なると思います。これは現在防衛庁が実施しておりますいろいろな騒音補償でも非常に不満が多いのは、やはり国の予算でございます。ある一定の限度をきめて、そこをまず重点的にやりますから、隣の家までいろいろな対策をとってもらえたのに、その隣の自分の家はなぜやれないのか、あるいは六人まではみてもらえるのに五人はなぜやれないかという不満は実際出てきますから、それは不合理ではあると思います。国の予算の立て方といたしまして非常にこういう工事を実施すべきものが多いので、まず緊急なもの、大量のものから取り上げていくということで、それらの終了次第順次先生のおっしゃる方向に向かってまいる、かように考えております。
#87
○木村美智男君 これは緊急なものという関係はこの場合はあてはまらないんですね、量が多い、少ないという話なり、人間尊重もヘチマもない話で、やるならば、それは量が多い少ないでいいけれども、大体緊急を要するような人間をやっぱり患者として収容したり、それからとにかく家庭で療養できぬというものを病院に持ってさておいて、それが五人のところはだめで六人以上ならそうした防音装置をやってやるというのは、これは緊急のものという概念は入ってこないんですね、ここには。だからこれはどのくらいあるか調べて、――やはりたいしたことはない思うんです。五つ以下のベッドを持った診療所なんというものは、東京、大阪全部合わせてみたって、この防音工事をやってやる区域内の関係におけるものはないはずだからね、これくらいのことはあまりしゃくし定木じゃなしに実施をするということで、これはやっていただかぬと、ちょっとこいつは質問しちゃったから、しなければいいけれども、これは認めるわけにはいかぬ、人権の問題でもあるし。ほんとうにそういうものだから、ひとつ運用というか、そういうことできちっとやってもらうということに、これはたいした数じゃないんだから、それは答弁をすれば、私はこの問題は認めたいと思いますがね。
#88
○政府委員(金丸信君) 全く先生のおっしゃるとおりで、人権という問題は尊重しなければならぬ。二十のベッドと五つのベッドと、病人が寝る、休むということには同じ環境だろうと思うわけでございますが、ただ問題は、ものには順序があるということでございまして、どっちのほうが緊急度があるかということになりますと、私は多いほうが緊急度が強いんじゃないか。しかし、精神は当然その精神でやらなくちゃならぬ。予算というものを伴っておるわけでございまして、私はいわゆる病院、診療所、ベッド数などは全然考えなくて、そういう工事をしてやるべきだと考えるわけでありますが、順序としてこういうことを考えておる。局長からも申し上げましたように、順次これを必ずやるということで御了承をいただきたいと思う次第であります。
#89
○木村美智男君 それじゃ、次官、最後の必ずやるという、それをもって了承しましょう。それを必ずやるったって、三年も五年も先の話じゃだめですから、それは早急に必ずやる、こういうことで次官の答弁を了承したいと思う。
#90
○岡三郎君 関連して。それは私はやはりおかしいと思うんですよ。だから五つのベッドでも騒音の度合いによって、ひどいところからやるということでなければ、本法を制定する意味はないと思う。だから二十ベッド、六ベッドでやる、五つじゃやらぬということではなくて、将来やるとしても、そうでなくて、やはり騒音の度合いによって、五つのところもひどいところはやる、二十のところでもちょっと度合いが少なければあとにする。一つの基準の立て方がおかしいんじゃないかと思うんですね。たとえば百ホンある、八十ホンある、ところが八十ホンのほうは七つのベッドがあって、百ホンのほうは五つしかなかったというときに、五つをおいて、六つか七つのところをやるというのは、基準の立て方がおかしいんじゃないですか、法律のたてまえからいって。どうなんですか。
#91
○政府委員(金丸信君) いまの九十五ホンあるいは七十五ホン――九十五ホンのところに五ベットの病院がある、七十五ホンのところに百ベッドの病院がある、どっちを先にすべきか、これは確かに私もそこまで考えておらなかったのですが、いいことを教えていただきまして、ひとつ前向きでこの問題を検討していきたいと思います。
#92
○小酒井義男君 関連をして。私は関連で済ませますが、いま話になっております法律の第五条の第三号ですね、これは政令事項の要旨というのを見ますと、「保育所、教護院、診療所、救護施設又は特別養護老人ホーム」、これだけがあげてあるんですが、羽田と伊丹飛行場の二つにこういう施設があるから定めたのか、あるなしにかかわらずこういうものはやるんだということで定められたのか、どうです。
#93
○政府委員(澤雄次君) これは防衛庁が従来実施してまいりますにつきまして、防衛庁と大蔵省と話し合いをいたしまして、話し合いのついた線でこういうものを出しているわけでございます。もっと詳しくは、防衛施設周辺整備法に基づく措置の基準という資料の1のハにございます。東京、大阪両空港あるいは新東京国際空港−新東京国際空港の周辺には、このほかに生活保護法、児童福祉法その他一連の厚生関係の法律に基づく施設でこれに入らないものがございますが、それらにつきましては、一応これでスタートをいたしまして、今後予算折衝を通じまして、非常に多くあるものについてはこれを強力に予算折衝をしてまいりまして、予算が成立すればこの政令に加えていくということにいたしたいと思います。たとえば、新東京国際空港の周辺では非常に児童の福祉施設が多いのでございます。これらを対象にしてくれという希望が非常に多いわけでございます。これらについても前向きに積極的に検討をしてまいりたいと考えております。
#94
○小酒井義男君 ついでですからもう一つ。第十条の損失補償ですね。これを十一条で受けて、新東京国際空港は除外するということになっておりますね。これはどういうことですか。除外する理由は。
#95
○政府委員(澤雄次君) 新東京国際空港につきましては、十六条以下に手続が書いてございますので十一条からは除外したわけでございます。十六条で、新東京国際空港は国以外のものでございますので、いわゆる運輸大臣の場合と違いますので、決定という形は好ましくなくて、実際の請求者の方と協議をする、協議をしていくというほうが妥当であろうということで十六条のような規定を設けたわけでございます。もちろん協議がととのわない、協議することができないときは運輸大臣の裁定を申請する、そういう手続を規定いたしたのでございます。
#96
○木村美智男君 いまの損失補償の手続問題で、たいへん十六条のほうが――これは航空局長、珍しく当事者間の協議という新しい方法を出しているわけですね。そっちから考えていくと、第十一条というやつは、単にいま公団が相手方だから、したがって、あなたの答弁を聞くと、要するに運輸大臣は第三者みたい、この場合には。したがって、協議によってととのわなかったときはひとつ裁定を下すという立場に立つんだと、こういう関係ですが、この精神はやっぱり十一条も、ほんとうはこういうことが望ましいと思いますな。こういう事柄についてはどう考えますか。
#97
○政府委員(澤雄次君) 先生のおっしゃったとおりでございまして、この精神は全く協議と同様でございます。それから衆議院におきます審議におきましても、大臣から、この運用については協議の精神でいく。それで、さらに、農家の補償を完ペきにならしめるために都道府県知事をまず経由いたしまして、十一条の二項で、都道府県知事は地元のことを一番よく知っておられるわけでございますので、都道府県知事がいろいろな意見書をこれに付する。この申請者の申請は妥当なものと認める。あるいはその他の意見を付すわけでございますが、この意見を付す場合は、もちろん申請者と都道府県知事はよく話し合いをして、都道府県知事が指導するわけでございます。指導いたしまして、申請書は出させることに相なると思います。そうしまして、これを運輸大臣に送付し、運輸大臣はこの補償金額を三項で決定するわけでございます。通常の場合でございますと、これは当事者間の法律関係を確定いたしますことでございますので、行政不服審査法では異議の申し立てということはできないことになっております。これは行政不服審査法の四条一項に書いてございます。異議の申し立てというのができないことになっております。異議の申し出という特別の制度をつくりまして、実際上訴訟をやるというのは、農家の方には困難な問題が多いと思います。異議の申し出を運輸大臣にもう一度再審査を要求する道をつくったわけでございます。それでも御不満がある場合には、第十四条で訴訟に持っていくことができる、こういう二重、三重の保護規定を置きまして、実際に協議と変わらない、あるいは協議の精神でこの申請書を扱ってまいりたい、こういうふうに大臣からも指示があるわけでございます。
#98
○木村美智男君 その点は当事者が違うということから条文が変わっておるけれども、十一条については、十六条と同様協議の精神でいくんだという、いまの手続を含めてそういう精神だということですから、これは了解をいたします。
 そこで、ちょっとこの法案に関連をした問題として、次官がせっかくおいでですから少しお伺いしたいのですが、実は熊本に大型空港をつくるのだということを知事が言い出して、そしてそれが、どうも聞くところによると、約三千メーターということになるから、この法案では一応羽田と、それから伊丹と、そして近い将来成田がもしできれば、その場合にはこれが加わっていくという関係ですが、三千メーターということになると、これもまた関係をしてくるので、そういう関連から少しお伺いをしたいと思うのですが、これは運輸省としてどうも、何というか、ある程度熊本の飛行場の建設問題について陳情を受けたりなんかして、初めは受ける立場にあったようでありますけれども、現在では運輸省が一枚この建設に加わっているのではないかというふうに考えられる節もあるようですから、まずひとつ事情を聞かしてもらいたい、でっかい飛行場なんです。
#99
○政府委員(澤雄次君) いまの木村委員の御質問の事務的な点だけお答えをいたしますが、三千メーターという空港は、現在の空港整備五カ年計画では考えておりません。二種空港におきましては二千メーター、または千五百メーターのいずれかの空港を考えております。
#100
○木村美智男君 いや、ぼくは、運輸省が整備計画を変更してやり出したんかと思ったら、航空局長は、整備計画としてはそのことは考えてないというわけですから、そうすると、熊本の飛行場の問題は、いわゆる今日進めておる整備計画ではないのだ、別個の問題、こういうふうに考えていいのですね。
#101
○政府委員(澤雄次君) 熊本空港は現在は千二百メーターでございまして、空港整備計画で、二種空港のうち重要なものは二千メーターということを考えておりますので、熊本の飛行場につきましては二千メーターに拡張したいということを考えております。ただ先生のさっき三千メーターというお話がございましたので、三千メーターということは考えておりません。
#102
○木村美智男君 局長、ぼくは熊本空港−いまの健軍空港ね、これは千二百メートルの二種空港だから、これを二千メートルに拡張するという問題として運輸省が考えておるというなら、いまからあとの質問はやめていいのですよ。ところが現実はどうかというと、たとえばこの健軍飛行場を千二百メートルから二千メートルに伸ばすということを途中でやめてしまって、別に新しい高遊原という原っぱへ持っていって、まあ成田空港じゃないけれども、まああとで申し上げますが、大騒ぎをしていまごたごたもめているわけだね。このことについて運輸省は熊本の町の近くにある健軍飛行場の拡張をいわゆる整備計画として放てきをして、こっちの飛行場建設のほうにいま乗っかっているんじゃないかというふうに聞いているわけです。
#103
○政府委員(澤雄次君) 運輸省の基本方針といたしまして、二種空港のうち重要なものは二千メートルに拡張して航空機の安全性と定時性の確保ということをはかりたいと考えております。熊木の健軍飛行場につきましても、これを二千メートルに拡張することを一度考えたわけでございます。そうしますといろいろな不都合な点が出てまいりまして、第一点は、これを二千メートルにいたしますと、との飛行場の延長の方向に、進入表面の先に小山がございまして、これが進入表面に引っかかるわけでございます。それが第一点。
 それから第二点として、健軍は御承知のように熊本市に非常に近接いたしておりまして、付近の地価が高いということでございます。
 それから第三点は、この騒音防止法とも関連いたしますが、この健軍を拡張いたしまして、もしジェット機が入るようになりますと、熊本市の大半が騒音地域になるわけでございます。それでもしこの健軍を拡張いたすということになりましたら、これは猛烈な反対が起きるであろうということはほぼ確実に予想されるところでございます。それで健軍の飛行場の拡張につきまして思案をいたしておりましたら、熊本県のほうから、先ほど木村先生のおっしゃいました高遊原、これは熊本市から十七キロ離れたところにございますが、高遊原という高台が非常に飛行場の適地であるから調査をしてもらいたい、こういう話がございまして、県と航空局とでこれを調査いたしましたら、非常に場所がゆったりあるということ。それからこの付近の地価が安いということ。それで健軍の飛行場を拡張いたしますと、これはまあ試算でございますから非常に粗雑でございますが、約四十億の金が要りますが、高遊原のように二千メートルの飛行場をつくりますと、二十九億であがる。それから、高遊原に飛行場をつくりますと、現在の健軍の飛行場を売ることができるわけでございます。これを売りますと数億の国有財産収入があるだろうというようなことから考えますと、騒音の問題はないし、しかも費用がはるかに健軍の拡張よりも安くて済むということで、飛行実験その他をやってみましたところ、これは飛行場として最適の土地である、こういう状態でございますので、運輸省としてはこれは前向きで考えていきたい、このように考えております。
#104
○木村美智男君 そうすると、さっき答えられている考え方の、いわゆる空港整備拡張計画のいわゆる整備計画ですね。これとはどういう関係になるのですか。要するに二千メートル以上のものは考えていないと、こう言っているんだけれども相当今度のは広いから、したがって、何か大きな飛行場をやはりつくるという考え方でしょう。
#105
○政府委員(澤雄次君) 相当広うございますが、二千メートルの滑走路しか考えておりません。高遊原につくる場合でも。
#106
○木村美智男君 いま健軍の飛行場の問題で、たいへんうまくないような話を聞いたんですが、たとえば延長方向に小山がある。これはこの前三宅島で、小山の問題は大騒ぎをしましたね。だけれどもあれは、わずか三千万かそこらで削って使うようにしたわけですよ。あなたは、これを売り飛ばせばと、いまいみじくも言ったんだが、数億の国家の収入になるというようなことを言ったけれども、それじゃ局長に聞くけれども、健軍飛行場をつくるときにはどういういきさつで、どのくらいの地価でこの飛行場を買ったか。収用法を発動する寸前までいって、大騒ぎをして無理に買い上げておいて、いま売っ飛ばすという話をしているんだが、これはたいへんな問題で、そんなことが現地にでも聞こえてみなさい。それは頭にきてたいへんな騒ぎになるから。そういう簡単なことでこれをやられることは、ちょっと私はやはり問題だと思うので、いまの小山の問題は、これは削れば十分に使い得るものだ。同時に拡張が無理だというけれども、たとえば市のほうに二百メートル、反対側のほうに六百メートル伸ばす。あるいは反対側のほうだけ六百メートル伸ばすという伸ばす方法は、これは技術的には十分可能なところなんで、だからそういう面を現地をちゃんと調査をして、そうして航空局としてこれなら大丈夫だというんなら、これは一つの意見ですよ。しかし、この健軍飛行場については、健軍空港については、どうもそういう熱意を持った、要するに調査なり、あるいは下調べというものがなされてないように聞いている。で、たいへん高遊原の台地について、これは飛行場の条件としてすぐれていると、こういうことを言われておるので、それはあとからまたすぐれてない話を少し聞きたいと思うのですがね。
#107
○政府委員(澤雄次君) これは国の飛行場建設に関する長期的見通しかなかったというおしかりを受けるかもしれませんが、戦後の飛行場の建設につきまして、一応、地方空港は千二百メートルを、これはDC3、当時の使用機がDC3であった関係もありますので千二百メートルで地方の主要空港を整備したわけでございます。しかしそれは、その後いろいろ飛行機の大型機が、国内線にも就航するように相なりまして、また事故も起きましたので、空港を、主要空港を、二種空港は二千メートルまたは千五百メートルに拡張しよう。こういうことに国自身の方針が変わったわけでございます。それで熊本の飛行場も地元からの御要請もございますし、できればこれを二千メートルに拡張したいということを考えて、この調査にかかったわけでございます。健軍につきましては、航空局としましても相当調査をいたしておりますが、どうしてもここは先ほど申し上げましたような事情で、その進入表面に小山がある。この小山をくずせということも考えたわけでございますが、そのまわりには住民が、この小山に、相当多くの住民が住んでおります。この小山をくずすということは、単に予算の問題だけでございませんで、このまわりの住民の生活の問題にもかかってくるわけであります。それから騒音、ここの健軍を広げますと熊本市内の非常に多くの部分が騒音のもとにさらされるということに相なりますので、もし他に高遊原のような適地があり、しかも住民の御賛成が得られるならば、健軍を伸ばすよりは高遊原に移したほうがはるかに得策ではないか、こう考えております。何とぞ御了承お願いいたしたいと思います。
#108
○岡三郎君 関連。政務次官に聞きたいんですが、結局いままでの事故というものを見ておると、さまざまな形がありますが、ジェット機の事故というのは非常に多いような気がするんです。最近における事例においてもそうだと思うんです。特に日本の国内航空政策として、私は都道府県の飛行場を全部二千メーターにして、そうしてそこへ将来ジェット機を飛ばすなどということは絶対反対なんです。少なくとも日本でいまつくっているYSn、これは優秀だということで諸外国に出しているし、アメリカ等においても国内は主としてこれを使用するというふうなことをいっておりますが、日本においては、端的に言ってYS11ならYS11というものを、国の開発した飛行機をさらに安全度合いを高めてこれを使う、そういうふうに考えて、国内においての幹線はまあ別でしょう、しかし、少なくとも全国各地域に将来ジェット機を飛ばすということは、私は逆にそんなに速く行かなければならぬならば二時間早く出て、ターボプロップというか、要するにYS11のような飛行機で十分いいんではないか。特に大枚の金を出して外国から飛行機を買って、そうしてそれを使う、それほどの緊急の度合いがあるのかどうか、国内的に将来を展望して。そういう面で私は安全度合いということから考えてもプロペラ機で国内はいいんではないか、ローカル線は特に。この点を特にしっかりと踏まえてもらわないと困るんです。やたらに何でも拡張して大きな飛行機を持っていけばいいんだという、これはどこの県においてもやはりスピード時代になって大型機来てもらいたいというのは常識ですが、それは航空政策全般として、諸外国からこれから大きな飛行機を購入していく、外貨の問題とも関連してきますが、主要幹線に国内においてもジェット機を飛ばすということには反対しませんが、しかし、でき得る限り、YS11というものをせっかく開発したわけですから、これを国内のローカル線には徹底的に使っていく、そういう中で土地の紛争という問題をあまり惹起しないように考えていくことがこれは必要じゃないか、これは事故の対策としても根本問題じゃないか。特に日航にしてもこれから国際線に多額な投資をして大きな飛躍をしようというときに、狭い国土で何千メーターだ、へったくれだということを自体が時代錯誤だと私は思う。そういうふうな点で、国内の航空路における、特にローカルについての見解を聞きたいんですよ。私自体は、いろいろな被害状況あるいは事故状況からみて、国内はやはりYS11のような形の飛行機で十分であるし、そういう面での安全対策というものを考えていったほうが得策だし、外貨の節約にもなる。大体熊本に二時間速く行かなければならぬということはないんですからね、一時間速くですか。私はそういう点で十分間に合うのではないか。たとえば板付なら板付へ行って、そこからローカルに乗って筑豊なら筑豊へ行く。端的に、直接行くにしても、ジェットとYS11で行くのと東京から行った場合どのくらい違うんですか。
#109
○政府委員(澤雄次君) ちょっと詳細な計算はあとでいたしますが、約一時間、YSと727で一時間違います。これは政務次官からお答え申し上げると思いますが、ただ事務的に飛行場拡張の経緯を申し上げますと、ジェットを入れるか入れないかという問題は別といたしまして、現在の千二百の基準の滑走路では安全度からいってどうであろうということが議論になったわけでございます。YS11は千二百メーターの滑走路を前提として設計した飛行機でございますので、千二百メーターで安全でございます。安全でございますが、その後いろいろな事故の経験にかんがみまして、たとえば昨年の松山の事故でも、千二百メーターの滑走路の六百メーターのところへ接地して、それから着陸を行なっております。あれが二千メーターの飛行場であれば事故は起こらなかっただろうというようなこともありまして、衆参両院の非常な御協力によりまして、航空整備五カ年計画が閣議了解されまして、その中におきまして二種空港は二千メーターまたは千五百メーターにするということが閣議で了解されたわけでございます。ここにジェット機を入れるかどうかということは、また別の交通政策なり、あるいは岡先生の言われた外貨の問題等も考慮して検討すべきことか、このように考える次第でございます。
#110
○岡三郎君 私は、滑走路が長いほうが安全でいいですよ。しかし、問題はやはりローカル空港の他の機械設備ですね。そういうものが非常におくれている、日本は。アメリカ等に行ってみれば、ほとんど事故のないところを別にして、もう九十何パーセント全部整備されておる。機械設備が完全になっておる。松山のあの場合においても、機械設備がないから、ああいう事態になっているのじゃないかと私は思うのです。だから滑走路の長さというものと設備、施設、こういうものとは相関関係に私はあるのじゃないか。そういう点で、私は現実においては、やはりそういう機械設備で、それをもっと具体的にやらないというと、天候が非常に変わりやすい日本の場合はうまくないのじゃないか。だから二千メートルとか千五百メートルということと同時に、その問題をやはりやってもらわなければいかぬし、それからいま言ったように、これから質問があると思うのですが、千二百メートルでつくって、あと三百メートルで千五百メートルになるわけですが、結局いやがる農民の土地を取り上げてやっていくという問題、これはいまもう全国的に起こっているわけですが、やはり少し考え方を考え直してもらわなければいかぬと思うのです。いまの飛行場の中において機械を設備をして、完備をして、安全度合をもっと飛躍的に拡大するということを考え、それから賛成を得て二千メートルなり千五百メートルに伸ばし得るということは、それでよろしいと思いますが、その点についての見解を含めて政務次官から聞きたいと思います、国内航空政策として。
#111
○政府委員(金丸信君) 先ほど航空局長から御答弁申し上げましたので、大体の運輸省の考え方はわかると思うのですが、いま岡先生のおっしゃるように両々相まつ、これがまず必要であろうと私は思うのでありまして、ジェット機というような問題につきましては、これはまだそこまで飛躍的な考え方はいたしておりません。ただ、この問題につきましては、あくまでも松山の事故というような問題もありまして、これを中心に、こういう計画を立ててまいったわけであります。ただ熊本の飛行場の問題につきましては、先般来から申し上げましたように、飛行場の拡張という問題が非常に困難であり、それに公害問題も伴ってくるというようなこともありまして、熊本の知事から高遊原に理想的な飛行場の土地がある、調査してくれというようなことで調査をいたしたわけであります。結果は非常に理想的な土地である。ただ、この問題につきましては、ちょっと話が先走って恐縮でありますが、あくまでも運輸省といたしましては、熊木の知事も呼びまして、実は大臣と幾らか話をすべきだというようなことを考えたのですが、むしろ政務次官が交渉するほうがいいだろうというようなことで、熊本県の知事あるいは与党の衆参両院の先生あるいは社会党の森中先生のところへまいりまして、いろいろ円満に話がまとまるということであるならば運輸省も考えていきたい。いわゆる緊急度の点から考えてみまして、成田の空港をつくるというような状況とはおのずと事が違うと私は考えておりまして、そこで与党の代議士の中にも一、二慎重にやらなければいかぬ。しかし、飛行場をそこへもっていくということについては、将来の交通事情から考えて非常にけっこうなことだろうというような話もあったわけでございまして、また森中先生にも会いまして、私も参りましていろいろお話をしたところが、全部の社会党の国会議員を集めなくてもよろしい、ぼくが代表だからぼくが全権でお話しましょうというようなお話で、森中先生の会館の部屋で私もいろいろ申し上げたのですが、あくまでもこの問題は円満裏に話を進めてまいる運輸省の考えをもっておるわけでございます。そこで、先般熊本の知事が私のところへ参りまして、非常に状況は前よりよくなっておるというような報告はありましたが、航空局長にも地元の状況もよく調査しておってもらいたいと、こういう話はいたしたわけでありますが、運輸省といたしましては、この問題につきましては慎重なひとつ態度をもって対処したいと、こう考えておる次第でございます。
#112
○委員長(天坊裕彦君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#113
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。
#114
○木村美智男君 いまあなたのおっしゃることを聞いておりますと、円満にまとまるならばという、その現地の実情をどういうふうに次官は把握しておるかわかりませんが、大体現地はこういうことになっていますよ。その一部を、これは熊本日日の切り抜きだが、これはどちらかといえば飛行場推進、促進をするほうの立場に立っている新聞です。その伝えるところでも、「農繁期にもかかわらず、農民は早朝から台地中央の見張り小屋や県道の要所、要所につくられたヤグラに集まって、測量班がくるのを監視している。測量班がくると、カネやドラムカンをたたいて“戦闘体制”に入る。まるで戦時中の、“空襲警報”を思い出させるような光景だ。」これは成田空港以上だと私は見ておるのですよ。こういったような状況の中で一町四カ村ですか、これが関係している。ところが大体おおむねこういう状態になってきているので、私はなかなか次官が言うように円満にまとまるような情勢にない。こういうことなのに、一体運輸省としてはこれを無理押ししてもやるような考えになっているのかどうかということ。
 それからもう一つは、岡委員が言われたように、熊本といったようなところは、航空地図をひとつ考えてみて、板付にあれだけの国際空港並みの、千歳、東京、大阪、板付と、この四つはやはり相当ジェット機を飛ばして大きなそれなりの航空需要もあるわけですけれども、一体熊本がジェット機を飛ばさなければならぬほどの交通需要、背景というものがあるのかどうか、あそこに運輸省は二千メートルでとめると言っておるが、これの問題が出てきたのはそうじゃない。三千メートルの大型空港をつくるのだというところに知事の発想があって出発した問題なんだから、あなたらが何ぼこれは二千メートルでとめるのだと、いまこの時点で言っても、これは将来ごまかしになりますよ。二千メーター以上のものはつくらないのだというのならば、はっきりそういうふうに言ってもらう。そうして、そこから、はたして、それならばあそこの健軍空港が拡張可能なのかどうか、もう一回再検討すべきだ。どうしてもだめだというのならば別ですよ。しかし、小山の問題は、私はやはりいまの農民の、この四百八十世帯もある。そこで、何と言うか、あそこは土地がいいし、ものができている関係で、これは農民にとっては死活問題になっている。だから、それだけの抵抗と、たとえば小山の上に数軒ある。これの補償問題とてんびんにかけるのならばどういうものかということも考えてみなきゃならぬ。
 それから、公害問題は、ひとり熊木だけじゃありません。いま二種空港は、拡張しなきゃならぬ空港というのは、北は北海道から始まって何十ありますか。そこを、全部それじゃ公害問題、騒音問題が起こるからといって、全部そりゃほかのところへ代替地を求めて飛行場をつくり直しますか。だから、そういう点を熊本だけが特別扱いでなくて、全体的に空港計画として運輸省が立てられるのならば、私はその点はそれなりに理解ができると思う。熊本だけを二千メートルにするのにほかへもっていかなきゃならぬという特別な理由がどこにあるのかという問題、それならばそれなりの航空需要というものが多いのだから、聞くところによれば、大村を回す、あるいは宮崎、鹿児島のほうの中継地点としてというようなことを言っているようですけれども、私は、これは必ず運輸省がかつてやった、何というか、格差解消のために全国至るところに要りもせぬところまで飛行場をつくったと同じようなあやまちを熊木飛行場によって再び引き起こすような心配があるからこれは言うのであって、あそこの熊本飛行場にジェット機、百二十人から百五十人も乗っけて飛ばすような、そうして、日に二往復、三往復やっていくような航空需要があるのかどうかということも、これはよく考えてみなけりゃならない。そういう点もいまずるずるべったり何だかわからぬようにしてもっていくところに実は問題があるので、これは運輸省として、もしそういう計画の上に乗っかって進めるというのならば、ここで空港整備計画を明確にひとつ考え出してもらって、いまそんなことをやっている前に、二種空港の拡張問題というやつをどういうふうにして全国的に事故防止という観点から整備しようとしているのか、それを明らかにしてもらって、なおかつ近い将来、この空港整備という問題について、その一環として熊本もこうするああするという話が出てくるならば、それはそれなりにまた検討すべき問題だと思う。これは、今回の空港整備計画、あの松山の事故その他を契機にして起こってきた空港整備の問題とは、この熊木の問題は一つ次元が違ってきているような気がするものですから、これは、この点はひとつ円満にとか、慎重にとかいうのじゃなしに、方針としてこれは明らかにしてもらいたい。そうしてもらわないと、どうしてもやるということならば、いま申し上げたような抵抗運動があるにかかわらず、これを、たとえば何というか、強権発動やってもやろうという、それだけの腹がまえで進んでいるのかどうか。そこら辺まで聞かないと、ただ、ずるずるべったりこのままの質疑で終わるというわけにはいかんので、そういう決意を持っているとするならば、同時にひとつ今後の空港整備計画の青写真を明確にここに出してもらいたい。そうでなくたって、航空局は全国に二種、三種の空港ばたばたつくって、そのことが実は飛行機の飛ばない飛行場がたくさんできているでしょう。松本だってそうだし、あるいはちょっと天候が悪ければ釧路の空港、女満別の空港、みんな飛行場が飛べないじゃないですか。そういうような状態というものを、いまここで見通しをして、そうしてなおかつ熊本はこれは十分ペイもするし航空需要もそれに見合うものがある、将来に向けて幹線に準ずるやはり空路として開発することが必要なんだ、こういう明確な展望が出されれば、これはわれわれとしても検討せなければならぬと思う。そこら辺の方針を明らかにしてもらいたい。それでなければこの問題についてはひとつある程度ここでたな上げをしてもらうというか、現地に向かってもそういう事情を話してもらった上でやってもらわなければ、現地からやってきたからといって半分乗っかったような、あるいは第三者的なようなそういう態度をとるべき時点ではない。航空局はき然としていまみずからの方針を持って臨むべき段階に来ておる、こういうふうに考えるので、これは大臣の出席をしたときにまた方針を聞かしてもらって、きょうはとりあえず大臣がいないから次官に考え方を明確にしてもらいたい。
#115
○政府委員(金丸信君) 航空局といたしましては、先ほど来申し上げましたように、松山の事故にかんがみまして、滑走路が短いために事故が起きたというようなしわ寄せが運輸省にこられることはまことに迷惑だ、できるだけそういうものを完備すべきだ、もちろん滑走路が長いことのほうが事故が少ないということは考えられます。また半面、そういうために農家の大きな損害と反対も出てくるということもわかるわけであります。熊本の飛行場の問題につきまして、あくまでも測量を強制的でもこれをやるか、こういうようなお話がただいまあったわけでありますが、この問題につきましては、運輸省といたしましては、円満に話が地元でつかなければ、あくまでもこの問題については強制収用とか、あるいは強制測量とか、そういうことをする考えは持っておりません。
#116
○木村美智男君 円満に話がつかなければ強制あるいは強権発動というようなことをしてまでやろうとは考えていないといういまの次官の答えによって、一応きょうは、この問題は本論からちょっとそれておりますからこれで打ち切っておきます。運輸省としてもひとつ慎重にこの問題について取り扱うように再度要望をしておきます。
#117
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#118
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。
#119
○田代富士男君 いま航空機騒音による障害の防止に関する問題についていろいろ検討がなされてまいりましたが、この法律を見ますと、第一条の目的の項に「公共用飛行場の周辺における航空機の騒音により生ずる障害の防止、」云々、このようにうたってありますが、今度第二条の定義のほうを見てみますと、「この法律において「特定飛行場」とは、」このような特定飛行場として東京国際空港及び大阪国際空港、それから新しくできます新東京国際空港、三空港を政令案で指定してあるわけなんです。そういうことになりますと、特定飛行場以外の公共用の飛行場は、この法律の適用の対象にならないのかどうか、そういう点をまず最初に私はお伺いしたいと思うのですけれども。
#120
○政府委員(澤雄次君) 飛行場における騒音の問題が非常にやかましくなってまいりましたのは、東京及び大阪の両飛行場にジェット機が入ってまいりまして、ジェット機のひんぱんな離着陸による騒音によって関係住民が非常な障害を生じ、生活にも影響してくるということで、この法律を早くつくってくれ、こういう要望が出てまいりましたので、とりあえずは東京と大阪の両国際空港を対象にしてまいりたい。ただし地方空港も将来、これは先ほどの岡先生の御質問もございましたが、将来もしジェット機が入ってまいりまして、東京、大阪両国際空港と同じ程度のジェット機による騒音障害というものが出てまいりましたら、これは漸次政令の中に加えてまいらなければならない、このように考えております。
#121
○田代富士男君 そうしますと、これは今度の法律の場合、特定飛行場以外の公共用の飛行場は今回の法律適用の対象にはならない。いまジェット機の離着陸を問題として考えたことでありまして、これは対象にならない、そういうことでございます。そうしますと、いま申されましに特定飛行場を政令で定めるのにジェット機の離着陸ということを聞きましたが、それ以外に何かの基準によって定められたものがあるならば、言っていただきたいと思うのです。
#122
○政府委員(澤雄次君) 特に基準というものはございませんが、ジェット機の離着陸は一日七十回をこえるものということで事務的には考えております。
#123
○田代富士男君 そうしますと、この第一条に書いてありますとおり、「航空機の離着陸のひん繁な実施により生ずる損失の補償」云々とあって、ここにはジェット機に限るとの規定が、いまの話のとおりであるならば、当然入らなくちゃならないのですが、そのジェット機に限るとの規定がないわけなんです。その点でいまの説明では、ジェット機の離着陸が七十回以上、そのように説明されますが、私はこの点について特定飛行場のみを対象とする理由は何であるかということが、いまの説明の範囲内、あるいは条文の中から拝しまして、ちょっと理解しにくい点があるのですけれども、その点はいかがでしょうか。
#124
○政府委員(澤雄次君) この第二条にございますように、「ひん繁な実施により生ずる騒音等による障害が著しいと認めて政令で指定するもの」その騒音による障害はどの飛行場でもあるわけでございます。騒音による障害が著しい、こう認めるというものと、現在におきましてはジェット機による騒音ということを前提と考えているわけでございまして、特に法律にジェット機ということを入れなくてもいいのではないか、このように考えております。
#125
○田代富士男君 そうしますと第二条の、いまの説明されました障害が著しいということで、これはジェット機の騒音の、簡単に言うならば代名詞と理解してもよろしいということでございますですね――じゃわかりました。
 その次に、いまこの指定されております最初の、新東京国際空港の建設について、いまの熊本の飛行場がいろいろ問題になりましたが、新東京国際空港の建設についての、地元住民団体その他との間にいろいろなトラブルが伝えられておりますけれども、運輸当局の見通しではどのようになっているか。きょうは大臣がいらっしゃればその点を最初にお聞きしたいと思いましたが、幸い次官も見えていらっしゃいますから、見通し等についてお聞かせを願いたいと思うんです。
#126
○政府委員(金丸信君) 先般、先月の二十六日ですか、大臣は成田の市役所まで参りまして、いろいろ懇談をしてまいったわけでありますが、なお公団のほうから副総裁あるいは関係の方たちが向こうへ参りまして、ただいま、水の問題、あるいはかんがい用水の問題、水道の問題、あるいは畑刈りの問題、道路の問題、そういうような問題で話を詰めておりますし、また、騒音関係の問題につきましても、騒音区域の六百メートル、二千メートルの関係のところにつきましては、公団に、これを買い上げるというような問題も提示いたしまして、困難ながらも、話が、大臣が向こうへ参りまして以来前進をいたしておるという、いわば明るい見通し、一歩進んできておるというような状況であろうと考えております。
#127
○田代富士男君 じゃついでに。それは現在の状況でございますし、私が聞きたいのは将来ですね。もちろん現在なくして将来はありませんが、そのように、大臣が六月二十六日に成田の市役所までおもむいて打開策を講じていらっしゃいますが、いま一番注目されておりますし、完成の予定等につきまして、現況よりも一歩進んだ将来の見通しについてお聞かせ願いたいと思います。そこが現在行き詰まっていた問題のために将来の見通しも立たない面もあるし立つ面もある。しかし、いま話し合いの結果、前向きの、前進すべきようなそういう面が出てきた。そうすれば、行き詰まっていたときの将来の見通しと、現在は、そのように、大臣みずから乗り込んでいって前進している方向に向いた将来の見通しというものは、これは幾ぶん変わってくると思うんです。そういう点を立て分けてお願いしたいと思います。
#128
○政府委員(金丸信君) 澤航空局長から。
#129
○政府委員(澤雄次君) 公団が昨年七月に設立されましてから一年たちまして、見ようによっては一年おくれたわけでございますが、四千メーター滑走路の供用開始は四十六年四月、これは四十五年度中に羽田空港一ぱいになりますので、四十六年四月から、新空港の滑走路のうち、四千メートルの供用開始をぜひともやっていただきたいということで、公団に運輸大臣から指示をいたしております。いまから土地買収を始めまして、四十三年度中に土地買収ができましたら、四十四年、四十五年のニカ年で四千メーター滑走路一本とターミナルその他の所要の付帯工事ができる見込みでございます。
#130
○田代富士男君 それでいま、将来の概略も聞かしていただきましたが、いま問題になっています特定飛行場の問題と関連しまして、将来もこのように進展しまして、もし四十三年度中に土地の買収等がスムーズに進めば、四十四年、四十五年で、四千メーター一本と、ターミナル等ができると、そして実際は四十六年四月には四千メーターの滑走路ができて営業を開始したいということでございますが、現在は新東京国際空港というものは存在してないわけです。実際に。しかし、このようにもうすでに今回のこの法律におきましては、特定飛行場に指定されていると、そういう点はどういうわけで指定されておるのか、その点についてお願いしたいと思います。
#131
○政府委員(澤雄次君) 新東京国際空港は現実に存在いたしませんが、法律上は新東京国際空港は成立いたしているわけでございます。これは、新東京国際空港公団法を成立さしていただきまして、それから航空法の規定に基づきまして、新東京国際空港の工事をいたしております。さらに空港整備法の中には、第一種空港というものを、新東京の中に新東京国際空港及び国際的な空港ということで、各法律に新東京国際空港を指定しているわけでございます。それで新東京国際空港が供用開始になりましたら、ここにはジェット機が現在の羽田以上に入るであろうということは確実でございますので、これを特定いたしたわけでございます。さらに、実質的にこれを規定いたします効果は、新東京国際空港は四十六年の四月から供用開始をするわけでございます。それまでの間に、予算の許す限りこういう騒音防止工事を四十三年度から実施をしてまいりたい、将来九十ホンあるいは百ホンの地帯の下になるということの明確な小学校、あるいは病院等につきましては、四十三年度から騒音防止工事を御希望によって実施してまいりたい、このように考えましたので、実質的にもこの新東京国際空港ということを法律の中に入れたわけでございます。
#132
○田代富士男君 いまのお話を聞きますと、現在まだ実際には営業もされてないところであるけれども、これが早手回しに、また、さっきのベッドの問題等もありましたが、急を要さなくちゃならないところを先にすべきだというような、さっきの意見が出ておりました。しかし、ここは四十六年の四月から離着陸が始まる、それ以前に予算をもらえればこれをやる、進めていく、私は、それだけのことがあるならば、もっと大所高所から検討しまして、その予算をどうしてもいま悩んでいるところに振り向けるべきだ、これは実際いまから準備しておれば、四十六年四月の段階から考えれば、その時点におきましては、現在の羽田やあるいは板付関係の周辺よりも環境はこれはよくなるのではないかと思います。そういう点では考えられない点もないですけれども、その点が、きょう朝からずっとこの委員会で聞いておりますけれども、この運輸行政という面が、法的に定められたんだからしかたがない、その範囲内で定められたのだからという、そういう私は官僚的な行政になっている感がしてしかたがないわけです。そういう点から私はひとつお聞きしたいことは、現在、防衛施設周辺整備法の適用を受けている米軍及び防衛庁所管の飛行場を除いて、いわゆる第二種、第三種の飛行場についての補償規定というものは一体どのようになっているのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
#133
○政府委員(澤雄次君) 御質問にはございませんでしたが、前段の田代先生の御意見の、ほかに急ぐものがあるから新東京国際空港は四十六年になってから工事をして、それまでに大阪、東京のほうを先にやるべきではないかという御意見もまことにごもっともとは思いますが、四十六年になりましたらジェット機が必ず入ってくるということが目に見えてわかっているわけでございますし、われわれといたしましては新成田の空港をつくるために千葉県の県民には非常な御迷惑をかけております。あのような平和な地域に飛行場をつくるために関係住民は非常な迷惑をこうむっているわけでございますので、いろいろな関連の公共事業というものを総合的に政府といたしましても閣議決定して地元にお約束いたしております。それからこの騒音対策工事というものもできる限りのことをする、こういうことをお約束をいたしております。もちろん緊急の度合いということもございましょうが、あの平和な千葉県民に対する政府の誠意と申しますか、でき得る限りのことをするという面からも、これは国際空港の供用開始前に予算の許す限り騒音防止工事をしていくということは、私は決して官僚的ではないと思っております。
 それから第二種、第三種の空港につきましては、御承知のように、第二種につきましては原則として国が七五%、地元が二五%を持ちます。それから第三種につきましては、基本施設につきまして国が五〇%の補助をいたしているわけでございます。
#134
○田代富士男君 いま航空局長のお話がありましたのですが、これは千葉県民に対してそれぞれ政府として約束をしている、また政府の誠意を千葉県民に対してあらわしている一環の仕事として始めているのだ、そのように誠意ある御答弁じゃないかと思うのです。もちろんこれは千葉県民に限らず、全部あらゆる面でそうあってもらいたいわけなんです、私はそれを願うのです。いま申されたように、千葉の平和な、あのようないままでそういう騒動一つ起きなかった農民の人々に対して、成田空港の問題が取り上げられてから騒ぎが起きている、また、これが羽田のように離陸するようになってから起きる問題を未然に防ごうということをいまさっき言いましたが、それに誠意をもって当たろう、そういう姿勢で私は全部やってもらいたいわけなんです。
 そこで私お聞きしたいのは、いま対象になっているのは、これはジェット機がほとんど対象じゃないかと思うのですが、そのジェット機の規定、ジェット機という固有名詞はありませんが、いまの説明によりますと、騒音等による障害が著しいと認められた場合という、まあ航空局とすればこれが精一ぱい、ジェット機の固有名詞はないけれども表現である、そういうお立場であると思うのですが、たとえばジェット機以外でひんぱんな離陸をやっているYS11のいま話が出ているのです。日本の航空界の一つの誇りじゃないかと思うのです、終戦の、敗戦の日本の国があれだけのものをつくったということは。そのYS11の性能というものは御承知のとおりでありますが、ターボプロップ型の離着陸あるいはこれ以外のエンジン・テスト等によって起きている騒音については、私は、ジェット機の騒音、このYS11のようなターボプロップ型の離着陸、こういうような騒音というものは、障害が著しいと認められた場合と、ここにそういうことばの表現でなされておりますけれども、私はこれにも当てはまるのじゃないかと思うわけなんです。そうすれば、いまさっきの千葉県民の人々に対しては政府は誠意をもってこたえているとおっしゃるならば、さっき私がジェット機の規定がないけれども、と言ったときに、局長の御答弁なさったこのことから考えるならば、これも騒音に、ジェット機の騒音に入るのじゃないか、そう思うのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
#135
○政府委員(澤雄次君) ただいま資料を用意いたしておりませんが、やはり騒音による障害というものはジェット機の場合が非常に問題が大きいわけでございまして、それはYSあるいはバイカウントというようなターボプロップも非常に周波数の高い音を出しまして、関係住民は被害をこうむっているわけでございます。これがジェット機による場合に比べまして問題が、その音の程度が非常に小さいということで、まずジェット機を取り上げることにいたしたわけでございます。
#136
○田代富士男君 私も大阪の住民ですが、豊中、池田、伊丹へちょいちょい行きますが、このYS11の音、もう住民の人々は音を聞くだけでこれは何の飛行機だ、このくらい悩まされているわけなんです。そうすれば、いまジェット機の音に比べてこのYS11、ターボプロップあるいはバイカウントの飛行機の音は小さいとおっしゃいますけれども、局長さん、一回私御案内してもよろしいですけれども、豊中あたりへ、一口あそこですわっておいでいただいたら、ジェット機以外の音は騒音の対象にならないとおっしゃるのは、私はどうかと思うのですね。御承知のとおりに、大阪の伊丹空港の飛行機というものは大阪城のそばの、城東の無線センターですか、あそこへ全部飛行機は集められるわけです、どこから飛んで行きましても。そうしますと、天王寺から大阪城の横を通りまして全部伊丹空港を通っていくコースを通っているわけです。私の知り合いのうちはそのおりていく真下にあるわけです。幸い私が運輸委員ということも先方が知っているものですから、実験しましょうというわけで、出されましたのが何か、バケツなんです。バケツを持ってどうするのかと私は言いましたところが、飛行機が来たらこのバケツ持ってみなさい。私、そのバケツを持ちました、そうしますと、水の入ってないバケツですよ、水の入ってないバケツでさえも、私は各種で実験しました、これはおもしろい、やってみよう、YS11の場合、バイカウントの場合、ジェットの場合も持ってみました。そうしますと、水が入っていませんからバケツが飛行機の爆音でゆれるのです、ビビビビッと、持っている私自身はそのゆれるからバケツのために電気がかかっているみたいにビリビリする、からバケツです。実験すれば一番早いのです。私がやってみたのですから、それを。ジェットの場合ひどいです。じゃ、YSの場合はならないかというと、なるのです。ハイカウントの場合もなるのです。だから、これだけの騒音があるのです。私はこの点に対しまして、ただいまの場合はジェット以外の、バイカウントあるいはYS、確かにそれは低いかわかりませんが、だからジェットに比べて低いから、じゃ、いまのジェットよりももっと、マッハ二、マッハ三ぐらいのものをとってみなさい、そうすれば、いまのジェットの騒音は対象外、最高のものに比べるよりも人体に危険を与える最低のところに基準を合わせて考えていただけるならば、私はいまさっきの千葉県民に対しまして、飛行機は飛ばないいまから誠意をもってやっているとおっしゃることとちぐはぐじゃないかと思います。そういう点で、官僚主義ではない、それはわかりますけれども、私自身実験者です、そのような問題に対して。バイカウントもYS11も、対象にする余地がないのか、検討の余地があるのかないのか、その点を、私、実験者の一人として御質問いたします。
#137
○政府委員(澤雄次君) これは御説明が足りなかったかとも思いますが、指定の場合はジェット機の離着陸回数の非常に多い空港を指定いたすわけでございます。それは現在のところ東京と大阪の両国際空港でございます。ただし、これは若干議論にも矛盾があって、あるいは先生にあとからおしかりを受けるかもしれませんが、ただし指定を受けましたら、指定をいたしましたら、そのあとはジェット機の騒音であろうとターボプロップの騒音であろうと、すべてお手元に配布いたしました騒音基準によりまして、たとえば学校の騒音基準七十ホン以上の音響十回以上、八十ホン以上の音響が五回以上、しかし、こういう騒音基準の適用につきましては、それがジェット機であろうとターボプロップ機であろうと、すべて対象にいたしておるわけでございます。何とぞ御了承を得たいと思います。
#138
○田代富士男君 御了承を得たいとのことでございますけれども、そこでですね、私は、いま手元にありますこの法律案を見てみますと、まあ六年後の昭和四十八年にならなければ国際空港としての機能を発揮することができない。新国際空港がいま申すとおりに、このような適用を受けているわけなんです。そして現在使用中の特定飛行場以外の公共用の飛行場が除外されていると、いまも何回も言いますけれども、そうしますとですね、この第一条の精神というもの、第一条に書いてありますところの精神、「この法律は、公共用飛行場の周辺における航空機の騒音により生ずる障害の防止、」障害の著しいとかそういう表現をされてない。「航空機の騒音により生ずる障害の防止、航空機の離着陸のひん繁な実施により生ずる損失の補償その他必要な措置について定めることにより、関係住民の生活の安定及び福祉の向上に寄与することを目的とする。」という、私はこの第一条の目的から、説明はいま聞きましたけれども、どうも私なりの考えかわかりませんけれども、正しく理解していくならば、私は第一条の精神から、いまいろいろ言われていることは逸脱しているように思えてならないんです。何回も、いまも二回ほど聞いておりますけれども、聞けば聞くほどそのギャップが出てきてしかたないんですけれども、この点についてはひとつどうですか。
#139
○政府委員(澤雄次君) ちょっと事務的な御回答をさせていただきます。
 第一条は、確かに騒音等による障害の著しいということを規定いたしておりませんが、これは法律的には第三条との関係でございます。
 第二条は「特定飛行場」ということを規定いたしておりますが、この特定飛行場の規定の適用になりますのは、第四条以下でございます。第三条の、航行の規制あるいは時間帯の規制ということは、特定飛行場だけでなくて、全国の飛行場に対しまして、この第三条を適用してまいることになっております。それで、一条と二条の書き方が法律的にちょっと違うと、こういうことでございます。
#140
○政府委員(金丸信君) 田代先生のいわゆる第一条の精神は、私もごもっともだと思うわけでありますが、予算等の問題もありまして、将来こういう問題も順次解決をしていかなくちゃならない。だから、この問題はもうこれで終わりだということでなくて、ひとつ田代先生の御指摘の方向に向かって前向きに検討してまいりたいと考えております。
#141
○田代富士男君 それで、いま運輸当局を代表して、予算の関係もあるけれども、順次解決の方向に努力していくと、そういう当局のお答えでございますから私も了としたいと思うんです。そのように努力していただきたいと思います。
 それで、いま第二条の問題につきましては、この適用は第四条以降の問題であると申されました中で、騒音防止工事について第五条には、「政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その費用の全部又は一部を補助するものとする。」この政令に定めるところによるとありますけれども、どういう内容のものであるか御説明を願いたいと思うんです。
#142
○政府委員(澤雄次君) 非常に重要な部分が政令に譲ってございまして、まことに恐縮でございますが、こういう法律の性格からいたしまして、将来を流動的に考えるということで、政令に譲っておるわけでございます。この政令事項要旨というのを、一応資料でお配り申し上げたと思いますが、この政令だけでもまだ具体的な基準がわからない点が多いんで、さらにそのほかに防衛施設周辺整備法に基づく措置基準というものがございます。大体この防衛庁の基準につきましては、この騒音防止法でも同じ基準をとるということについて、関係政府機関で原則的に了解をとってあるわけでございます。
#143
○田代富士男君 そうしますと、運輸大臣が定める騒音の強度及び頻度の限度というものは、どのような基準できめられるのか、われわれしろうとは、いま言うようにバケツ論議になるわけです。そのバケツ論議で云々するわけにいきませんけれども、それですら私は一つの表現として、ジェットの場合とバイカウントの場合の違いがあるわけなんです。そういうわけで、との運輸大臣の定められる基準ですね、そのものについて、限度基準について御説明を願いたいと思うのです。
#144
○政府委員(澤雄次君) 第五条の基準につきましては、具体的に防衛施設整備法の措置基準の二ページをごらんいただきます。これは学校の騒音基準でございます。一授業時間に七十ホン以上の音響が十回以上または八十ホン以上の音響が五回以上、こういう状態が一週間を通じまして二〇%以上の場合には、騒音防止工事の対象といたすわけでございます。そうしてさらに内部基準で次々と段階をつくっておりまして、一番高いものは九十五ホン以上が十回、これは資料に書いてございませんけれども、実施基準でございます。九十五ホン以上が十回または百ホン以上が五回という場合には、RA3という工事基準、これは基地周辺の方は皆さんよく御存じのあれでございます。RA3という工事を実施いたします。RA3というのは鉄筋コンクリートで二重窓、そうして通風装置を完全に実施するという工事でございまして、そういうものが経験的に大体どの範囲ということにつきまして、これは基地の場合と民間航空とでは差異があるかと思います。基地の場合は経験的に滑走路の末端から五キロ、滑走路の横から二キロ、この範囲はこの最高のRA3という工事を実施いたしております。
#145
○田代富士男君 いま基準その他を説明していただきましたが、いまさっきの法律もありましたが、その費用の全部または一部を補助するとありますが、学校や病院の場合、どういう場合に全部補助にしまして、これに一部補助となるか。いま基準がありましたね。いろいろありました。学校の場合とか病院の場合、いまさっきもちょっと出ておりましたが、もう一度お願いしたいと思います。
#146
○政府委員(澤雄次君) 原則といたしまして、学校に対します補助は、防音に関します限り十分の十、一〇〇%国が補助するというたてまえでございます。それで、ただし木造の校舎をこわしまして鉄筋にいたしますと、やはりその住民に受益があるということで、その受益の限度はこれを控除するということに相なっております。先ほど申し上げましたRA3の工事の場合は百分の九十の補助になっておる。一〇%が地元負担ということでございます。これいろいろグレードがございまして、その下のグレード、RA2という場合には七五%の補助、二五%の地元負担ということにいたしております。
#147
○田代富士男君 いまいろいろ基準を聞きましたが、学校あるいは病院に対しての補助について東京、大阪について  いま千葉県の新東京国際空港については、三十三、三十四年と具体的に言われましたけれども、何年計画でどの程度の予算処置を講じていらっしゃるかお聞かせ願いたいと思うのです。
#148
○政府委員(澤雄次君) これは先ほど御説明申し上げましたように、運輸省だけの考えでございますが、五カ年間に東京、大阪両国際空港につきましては、百億円、新東京国際空港につきましては三十六億円の予算でいろいろな騒音防止補償を実施してまいりたいと運輸省では考えております。
#149
○委員長(天坊裕彦君) 速記やめて。
  〔速記中止〕
#150
○委員長(天坊裕彦君) 速記つけて。
 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後一時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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