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1966/12/20 第53回国会 参議院 参議院会議録情報 第053回国会 地方行政委員会 第1号
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1966/12/20 第53回国会 参議院

参議院会議録情報 第053回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第053回国会 地方行政委員会 第1号
昭和四十一年十二月二十日(火曜日)
   午後一時二十九分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         岸田 幸雄君
    理 事         小林 武治君
    理 事         沢田 一精君
    理 事         占部 秀男君
    理 事         原田  立君
                小柳 牧衞君
                高橋文五郎君
                竹中 恒夫君
                津島 文治君
                天坊 裕彦君
                鍋島 直紹君
                林田 正治君
                林田悠紀夫君
                加瀬  完君
                鈴木  壽君
                林  虎雄君
                松澤 兼人君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                市川 房枝君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     二宮 文造君     辻  武寿君
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     津島 文治君     塩見 俊二君
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     小林 武治君     津島 文治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸田 幸雄君
    理 事         沢田 一精君
    委 員
                小柳 牧衞君
                塩見 俊二君
                高橋文五郎君
                竹中 恒夫君
                津島 文治君
                天坊 裕彦君
                鍋島 直紹君
                林田 正治君
                林田悠紀夫君
   衆議院議員
       修正案提出者   奥野 誠亮君
   国務大臣
       自 治 大 臣  藤枝 泉介君
   政府委員
       自治大臣官房長  宮澤  弘君
       自治省選挙局長  降矢 敬義君
       自治省財政局長  細郷 道一君
       事務局側常任委
       員会専門員    鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十一年度における地方財政の特別措置に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等
 の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○山村町村の財政強化に関する請願(第七号)
○小選挙区制反対に関する請願(第一〇八号)
 (第六三〇号)(第六三一号)
○地方公務員給与改定実施に関する請願(第一一
 七号)(第二一三号)
○地方公務員等共済組合法の制度改善に関する請
 願(第一一八号)(第一三七号)(第二一四
 号)
○松代群発地震地域の四十四市町村の災害特別地
 域指定に関する請願(第一二三号)(第二一九
 号)
○憲法改悪をめざす小選挙区制反対に関する請願
 (第二四一号)(第二四二号)(第二四三号)
 (第二九五号)(第二九六号)(第二九七号)
 (第六三三号)(第六三四号)
○憲法改悪をめざし民主主義と東西貿易を破壊す
 る小選挙区制反対に関する請願(第二九八号)
○地方公務員の給与改定早期実施とこれに伴う財
 源措置に関する請願(第六〇九号)
○交通事故防止に関する請願(第六一〇号)
○基準財政需要額の基準単価引上げに関する請願
 (第六一一号)
○国庫補助負担事業にかかる地方超過負担解消に
 関する請願(第六一二号)
○小選挙区制反対等に関する請願(第六三二号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岸田幸雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日付小林武治君が辞任せられ、その補欠として津島文治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岸田幸雄君) 藤枝国務大臣から発言を求められておりまするので、この際、これを許します。藤枝国務大臣。
#4
○国務大臣(藤枝泉介君) 私は、このたび自治大臣兼国家公安委員長を命ぜられました。所管行政の各般にわたり複雑多様な問題をかかえております時期にあって、その責務の重大さを痛感いたしております。この機会に、地方行財政と治安行政の当面する問題について所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。
 近時、国政の進展とともに地方行政に対する各種の要請はとみに強まり、地方行政のあり方は、その質の面においても、また量の面においても大きな変貌を遂げつつあるのでありますが、私は、このような事態に対処して、すみやかに適切な施策を講じ、もって地方自治の伸展に万全を期してまいる所存であります。
 最近における社会経済情勢の変化に伴い、行政の運営にあたって、これを広域的に処理する体制を整備することの必要性は一そう強まっていると考えられます。政府といたしましては、このような見地から広域的地方公共団体としての府県の自治能力の充実強化を期すべく、さきの通常国会に都道府県合併特例法案を提出し、御審議をわずらわしているところでありますが、当面、都道府県・市町村を通じての事務の共同処理方式の活用を推進する等、行政の合理的かつ効率的な運営について積極的な指導を行なってまいりたいと存じております。
 また、人口及び産業の都市集中化に伴って生じております。いわゆる過密過疎の問題につきましては、都市における過密の弊害を除去するための再開発の施策や農山漁村における行政水準を確保するための方策等、早急なる対策を迫られている課題でございます。私は、この際、変貌しつつある各地域社会の将来を洞察し、その特性に即応した地方自治体の形成、振興につとめてまいりたいと存じております。
 なお、国と地方公共団体との間における行政事務の再配分につきましては、地方制度調査会におきまして、かねてから御審議をいただいているのでございますが、目下第十一次地方制度調査会におきまして、事務再配分に伴い必要となる財源配分の問題について御審議をお願いしておりますので、その結論を待ってその実現につとめてまいりたいと存じております。
 次に、公務員行政につきましては、ILO八十七号条約の発効とともに、地方公務員法が整備され、この改正法の趣旨にのっとり、公務員秩序の確立に万全の措置を講じてまいったところでありますが、なお、今後、地方公共団体の近代的な労使関係を確立し、公務能率の向上をはかるための措置について検討する必要があるものと考えております。
 次に、選挙制度について申し上げます。現在、各方面から政治のあり方に対して批判されておりますが、今日このような事態を招いた原因の一つは、金のかかる選挙の実態にあると考えられるのでありまして、その改善をはかるため、今後とも政党の近代化、組織化と、金のかからない選挙の実施及び国民の政治意識の高揚につとめる必要があると考える次第であります。これらの諸問題を解決するため、政府は、さきに第五次選挙制度審議会を発足させ、第四次審議会に引き続き、当面の諸問題を含めて選挙区制、その他選挙制度の根本的改善をはかるための方策について、目下鋭意御審議をお願いしているところでありまして、適切な答申が出されることを期待いたしますとともに、答申がありました暁には、その趣旨を尊重して、その実現に努力してまいる所存であります。
 次に、地方財政について申し上げます。地方財政は、最近における経済情勢を反映して、自主財源の伸び悩みとともに、人件費、公共事業費等の増高もあって、楽観を許さない状況にあります。特に本年度におきましては、国家財政における国債を財源とする大幅減税と公共投資の増大等によって、その運営は一段と困難な局面を迎えることとなりましたので、地方交付税率の引き上げを行なうほか、臨時地方特例交付金の交付、特別事業債の発行等、臨時応急の措置がとられたことは、御承知のとおりであります。しかしながら、国家財政において国債を財源とする施策が今後とも継続されるということであれば、そのような財政環境に対処するためには、いかにすべきかという問題につきまして、第十一次地方制度調査会において、かねてから御審議をお願いしておりました。このたび、当面の地方税財政措置についての答申を得ましたので、この答申の趣旨を尊重しつつ、国債発行下における地方財源の確保、超過負担の解消、零細補助金の整理等、当面の地方財政対策に全力をあげて取り組んでまいりたいと存じております。なお、行政事務の再配分に伴って必要となる財源再配分の問題及び社会経済情勢の変化に伴う地方行財政の変貌に対処する地方財政のあり方については、鋭意検討を重ねておりますが、今次の地方制度調査会においても、引き続き審議をわずらわしているところでもあり、その結論を待って長期的観点から安定した地方財源の充実につとめてまいりたいと存じます。
 一方、地方公共団体に対しましても、冗費を削減して、経費の重点的かつ効率的な使用を徹底させ、地方財政の健全化に一そうの努力を払い、いやしくも住民の不信を招くことのないよう強く期待し指導してまいる所存であります。
 地方公営企業につきましては、改正地方公営企業法の趣旨にのっとり、企業経営の健全性を堅持するよう指導体制を整備し、公営企業の財政再建を積極的に進めているところであります。
 次に、地方税制につきましては、ここ数年来、困難な地方財政のもとにおいて、あとう限りの減税を行ないながら、税負担の合理化、均衡化を進めてまいりましたが、今後においても税制調査会の長期税制に関する中間報告の趣旨に沿って、地方税負担の合理化と均衡化にさらにつとめるとともに、国と地方公共団体との問の税源の再配分を通じ、地方税源の充実強化をはかるよう努力してまいりたいと存じます。
 さらに、消防行政につきましては、火災及び火災による死傷者の増加する傾向にかんがみ、消防力の充実強化を一そう積極的に進める必要を痛感するのであります。そのため、消防の常備化と広域化の施策を推進するとともに、消防財源を充実して、消防施設の増強をはかってまいりたい所存であります。特に、最近における社会経済の発展に伴い、危険物災害が続出し、また、超高層ビル、地下街等、従前に見られなかった建築物が増加しておりますので、これらの特殊災害に対処するため、科学消防力の増強につとめてまいりたいと存じます。
 なお、最近の交通事故等の増加の状況にかんがみ、全国的な救急体制の整備をはかってまいりたいと考えております。
 次に、国家公安委員長としましての私の所信を申し述べたいと存じます。
 私は、治安の確保が国政の基本であることにかんがみ、いかなる事態にも対処し得る警察体制の確立につとめてまいりたいと思います。当面の警察運営の方針としましては、従来に引き続き、交通事故の防止、青少年非行の防止及び組織暴力の絶滅に重点を置いて諸施策を進めるとともに、近く行なわれることが予想される各種選挙に関して行なわれる違法行為に対しましては、真に厳正公平な取り締まりを行ない、選挙の公正明朗化に寄せる国民の期待にこたえるようつとめてまいる所存であります。
 交通事故は、本年に入ってから増加の傾向が著しく、本年の死者数が従来の最高を記録していることは憂慮にたえません。このような状況に対処するための交通事故防止対策につきましては、特に皆さま方にも御配意いただいているところでありますが、私は、交通安全施設の整備、運転者対策の推進、大型車による交通事故防止対策の徹底、交通安全教育の普及、交通暴力の排除、被害者救済対策の確立等の施策を、特に歩行者保護の観点から強力に推進してまいる所存であります。
 青少年非行の問題は、わが国の将来に思いをいたすとき、特に重視する必要があると考えております。私は、積極的に健全な青少年を育成することを全国民の課題として推進するよう、関係各機関と協力を密にするとともに、この中で非行少年の早期発見、早期保護及び青少年をめぐる有害な社会環境の浄化に努力を重ねてまいる所存であります。
 組織暴力の取り締まりにつきましては、徹底した取り締まりを重ね、相当の成果を見ていると存ずるのでありますが、さらに国民各層の協力を得て取り締まりを継続し、その根絶をはかってまいる所存であります。
 以上、所管行政の当面の諸問題について所信を申し上げたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(岸田幸雄君) 昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
#6
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま議題となりました昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由とその内容の要旨を御説明申し上げます。
 今回、政府におきましては、人事院の勧告に基づき、本年九月一日から国家公務員の給与改定を実施することといたしましたが、これに伴い、地方団体が国に準じて地方公務員の給与改定を実施する場合における一般財源所要額を、基準財政需要額の算定を通じて付与することといたしたいのであります。
 なお、本年度においては、景気の回復に伴い、地方税収入については、相当の増収が見込まれ、その一部が再算定に際し基準財政収入額を算入される結果、再算定後の財源不足額は、予算補正後の国税三税の総額に対応する普通交付税の額を約二十億円下回ることになるものと見込まれますので、この際、昭和四十年度において給与改定の実施に要する経費の財源を附与するため、交付税及び譲与税配付金特別会計において借り入れた借り入れ金三百億円の年度別償還額のうち、最終年度分から二十億円を本年度に繰り上げて償還することとし、別途予算上の措置をいたしておる次第であります。
 次に、第五十一回国会において修正が加えられた固定資産税の免税点の引き上げ等に伴う地方税の減収額は、総額五十億五千九百万円にのぼるものと見込まれますので、政府としては、この減収に対処して地方財源の補てんをはかるため、臨時地方特例交付金中に新たに第三種特例交付金を設け、これを地方団体に対し交付することといたしたいのであります。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容の要旨につき御説明申し上げます。
 第一は、地方公務員の給与改定に要する経費を基準財政需要額に算入するため、その積算に用いる単位費用の引き上げをはかることであります。本年度分の単位費用の算地の基礎となっている給与費に、本年九月一日から国家公務員に準じて給与改定を実施した場合の所要経費を算入することといたしたのであります。
 第二は、本年度限りの特別措置として、市町村及び都に対し、第三種特例交付金を交付することとしたことであります。
 第三極特例交付金の総額は、五十億五千九百万円であり、すでに御説明申し上げました固定資産税の免税点の引き上げ等による地方団体の減収額の総額に見合うものであります。各市町村等に対して交付すべき額については、総額を各市町村等の人口で案分して算定することといたしております。そのほか、第三種特例交付金については、第一種特例交付金と同様に基準財政収入額の算入の対象とすることとする等、関係規定に必要な改正を加えることといたしております。
 以上が昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容の要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(岸田幸雄君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#8
○沢田一精君 二、三お尋ねいたしますが、まず財政局長にお伺いいたしますが、今度の給与改定で、いわゆる地方公共団体で必要とされる額は大体どれくらいであるか、それと、今度の補正予算により地方交付税の増加額は幾らになっておるか、まず事務的にお伺いいたします。
#9
○政府委員(細郷道一君) 国に準じて九月から実施ということにいたしますと、財政計画上給与改定所要額、一般財源所要額は四面六十一億、そのうち交付団体分が三百四十三億、不交付団体分が百十八億と見込まれております。なお、今回補正予算に計上になっております地方交付税の増加額は三百二十七億でございます。
#10
○沢田一精君 ただいまの大臣の提案理由説明にもございましたが、いまお話のように三百二十七億の地方交付税の増加額があるわけなんですが、そのうちから二十億を差っ引いて、後年度の結局償還を繰り上げて償還をすると、こういう御説明があったわけなんですが、地方財政の現状からしまして、四十七年度で返せばいいものを、何でいまの逼迫した地方財政の状況の段階で繰り上げて返さなければならぬのか、まあその点が私はどうも納得がいかぬと思うわけです。その点どうしてこういう措置をおとりになったのか、お伺いいたしたいと思います。
#11
○国務大臣(藤枝泉介君) 詳しい計算のことで、もし御必要があれば、後ほど局長のほうからお答えいたさせますが、御指摘のように、地方財政、現在非常に苦しいときでございまして、まあ極端な言い方をすれば、一銭でも多くほしいということでございます。ただ、この地方財政の現在のいろいろな苦しさというものは、先ほど所信の中でも申し上げましたように、国の国債発行下における、そういう環境における地方団体の財源の問題、その他根本的に解決すべきものが多々あるのではないかということを考えますと、この際二十億というものが、個々の地方団体に対してどれほどのプラスになるかということ等を考えますと、結局借金は借金なのでございますので、返すべきものは返し、そうして根本的に財源として確保すべきものは確保するという態度がいいんではないかということを、根本的に考えます。
 また、今回の給与改定等は、この程度の、二十億程度のものを返しても、十分法人関係の税等の伸びと、三百六億の交付税でまかなえるのではないかというようなことを彼此勘案いたしまして、このような処置をとった次第でございます。
#12
○沢田一精君 お話は一応わかるのですけれども、ことしの地方財政全般から見ますると、臨時地方特例交付金における交付や、特別事業債の発行など、お話のように応急的な臨時の措置がとられたことによって、非常に苦しいとはいいながら、何とか切り抜けられるという状況に至っておりますことは、これは政府の御努力のたまものだと思うわけなんですが、しかしながら、地方を回ってみますると、特に山村であるとか、あるいは僻地であるとか、財政規模のきわめて小さな、そういう町や村におきましては、積極的な前向きな施策と申しますか、行政水準を上げるための、あるいは住民の福祉を増進するためのこまごました仕事の経費にもこと欠いておるという状況です。一部には災害のひどいところもあると思うんですが、こういう二十億という金がここで出てまいれば、自治大臣とされては、当然これを特別交付金のワクに追加して、そういった、あたりまえであればなかなか恵まれない、貧弱な村に重点的に投資を回してやるというような親心を示されるのも私は非常に必要なことじゃなかろうかという気がするわけなんです。こういう際ですから、四十七年度で返せばいいものを何も繰り上げて返す必要はなかったのじゃなかろうかと、何かこういう措置をとられますと、地方財政はもう息をついて楽になったのだというふうな印象を世間に与える結果になりはせぬかという気がするわけなんですけれども、重ねてお伺いいたします。
#13
○国務大臣(藤枝泉介君) まさに御指摘のような考え方もあるわけでございます。根本的に現在地方財政というものはよくなっていない。むしろ非常に悪化の方向にある。しかも、ただいまお話のございましたように、いわゆる都市集中による過疎地帯等が行政水準の低下と申しますか、少なくともその維持に非常に骨を折っておるというときでございますので、こういうものを考えてもいいんではないかというお話でありますが、先ほど根本的に申し上げましたように、こうした地方財政全体、しかも、特に過疎地帯などで、一体どういうことをやれば行政水準を下げない、あるいは上げていく。この従来の画一的な行政のあり方でなく、その土地土地に適合した行政というものをやっていくためのその財源の裏打ちというものを、どうやっていくかということは、これは非常に重大な、しかも早急に考えていかなければならない問題だと思います。そういうことで、実はむしろこの昭和四十二年度を最初とする、今後の地方財政のあり方で根本的な解決をやっていくという姿勢のもとにやったほうがいいのではないか。まあ俗なことばで言えば、この二十億をやったために、将来の根本的解決にも何か恩恵がましくこれがあるのではないかというようなことを言われるのもどうかというような感じもいたしますので、こういう処置をとったような次第でございまして、決してこの地方財政がゆるんだ、楽になったというような印象は、これは与えないように配慮はいたしてまいりたいと存じます。
#14
○沢田一精君 実はもう一つこれと関連してお伺いしますが、先般の当委員会で、これは前大臣のときでございましたけれども、かねて問題になっております地方の超過負担の解消について、各党、与野党一致して決議をいたした経緯があるわけなんです。ことし一部その負担の解消ははかられたわけでございますけれども、なお一千億以上の超過負担があるという現実の今日の状況からしまして、額は二十億でございますけれども、やはりそういった面の解消に使っていくというふうな方針をどうしてお立てにならないのだろうかという気もあわせてするわけなんですが、大臣の地方の超過負担の解消に対するお考えというものをこの際承っておきたいと思います。
#15
○国務大臣(藤枝泉介君) 当委員会で超過負担の解消についての御決議をいただいておりますことは承知をいたしております。ただいまお話もありましたように、本年当初手直しをいたしたのでありますが、まだまだ相当多額の超過負担を持っておる。来年度以降――来年度でこれを一挙に解決することができるかどうか、なかなかむずかしいことだと思いますので、一挙に解決するつもりではありますが、しかしいろいろの事情もございましょうから、とにかくある計画を立てる、年度計画と申しますか、二年なら二年、三年なら三年の間にはこういうものを解決するという方針をきめてもらって、これは政府としてきめて、そうして各省協力をしていただいて、そうして解消をしていくということが現実に即したやり方ではないかと思いますので、ぜひ来年度予算編成にあたって、これを解消するための年度計画と申しますか、そういう計画を立てるということを政府部内で決定するように最善の努力をはかりたいというふうに考えておる次第でございます。
#16
○沢田一精君 次は財政局長にお伺いしますが、私どもがこうして予算を通し、関係法律を何とかして改正をしようと努力をいたしておりますのも、年末を控えて、せっかくのベース・アップと申しますか、給与改定が生かされるように、平たく申しますならば、一日も早く地方公務員の諸君のふところに入るようにという配慮があるからなわけなんですが、年末を控えまして、中には貧弱な団体等では、相当資金繰り等でも困っておる団体があるのではなかろうかと思うわけですが、せっかくこの法律が改正されましても、いわゆる資金の交付が年があけてからずっとあとだというようなことでは困ると思うわけなんですが、そういった資金状況からして、当面困っておる地方団体はないのかということが一点と、それからやはり条例改正ということがそれぞれの地方団体で必要になるわけなんですけれども、まあだんだん年末の議会も終わりに近づいておる、あるいは終わってしまったというようなところもあるのではなかろうかと思うのですが、その辺の状況はどういうふうに見ておられますか、お伺いいたします。
#17
○政府委員(細郷道一君) 今回の改正案によります交付税の再算定につきましては、その収入の調査その他からいたしまして、どうしても一月に入るものと考えられます。しかるに、一方では御指摘のような地方団体の資金の状況もございますので、われわれ事務当局といたしましては、この法律案並びに補正予算案が可決になりました暁におきましては、年内にその一部の概算交付をいたしたいというふうに内々実は話を進めているわけでございまして、今度の交付税の三百二十七億のうち大体三分の二に当たります二百億余りを年内に概算交付するよう準備を進めている次第でございます。
 それから、第二のほうの条例その他の措置につきましては、すでに十二月の初めから各地方団体においていろいろ問い合わせ、その他ございまして、私のほうといたしましては、国に準ずるという基本原則がございますので、国における法案の成立の状況等も見合わなければならないのでありますけれども、準備を進めることについては、並行してやるようにというふうに実は指導いたしているのでございます。
 具体的にはいろいろな方式があるわけでございまして、それぞれの議会におきまして、条例案を成立しておいて、その施行を国の法律の施行に合わせて行なうとか、あるいはすでに事実上議会側と話し合って、専決をするといったような方法もあろうと思います。いずれにいたしましても、それぞれの団体において、そういう準備を進めている状況でございます。
#18
○沢田一精君 最後にもう一点大臣にお伺いいたします。
 先ほどのごあいさつの中にもございましたが、最近地方制度調査会からの地方財政についての答申があったようでございます。ここにもありますように、国債発行下の国家財政のもとにおける今後の地方財政の基本的な方針ということだろうと思うわけですが、要するに恒久的な財源措置を地方に対して付与するようにという趣旨にほかならないと思うわけでございますが、そのためには、やはり交付税率の引き上げということをここでお考えいただかなければ、なかなか抜本的な対策は講じられないわけですが、たまたま来年度の予算編成という時期にも際会しておりますが、新大臣とされましては、地方交付税率の引き上げということについて、どのように基本的にお考えになっておるのか、この際お伺いしておきたいと思います。
#19
○国務大臣(藤枝泉介君) お話のように、ことしは一種の臨時的な措置、国債発行下の国の財政のもとにおける、そういう環境における地方財政についての技術的な措置をいたしたわけでございますが、これに対して地方制度調査会は、そういう特に特別事業債のようなものはやめなさい。また、これの償還についても財源措置を考えろというようなことを中心にして、いろいろ答申をいただいたわけでございまして、この趣旨の実現につとめてまいりたいと思います。国がどれだけの財政規模、そうして、その中においてどれだけの減税をやるのか、国債をどれだけ発行するかというような、地方財政を算定する上におきましても基本になる問題がまだ未確定でございますので、来年の地方財政をどうするかという基本方針は別としまして、数字的にどう積み上げていくかというふうなことは、まだ困難でございます。
 ただいま、地方交付税率の引き上げを考えるかというお話でございました。昨年と申しますか、四十一年度において三二%に引き上げましたいきさつ等もございまして、これもなかなか困難かとは思いますが、この地方交付税率の引き上げをも含めた。いわゆる安定した財源の付与というものをぜひ実現するように最善の努力を払いたいと考えておる次第でございます。
#20
○委員長(岸田幸雄君) ほかに御質疑はございませんか。――他に御発言もないようでございまするので、本案についての質疑は終了したものと認めます。
 これより討論を行ないます。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますので、本案の討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(岸田幸雄君) 全会一致であります。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書につきましては、委員長に御一任を願います。
    ―――――――――――――
#22
○委員長(岸田幸雄君) 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を願います。藤枝自治大臣。
#23
○国務大臣(藤枝泉介君) ただいま議題となりました地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案について、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 御承知のように、都道府県及び市区町村を通じて、全国大多数の地方公共団体におきまして、議会の議員または長の任期が明年三月、四月または五月に満了することとなるのでありまして、現行法によりますれば、その任期満了前三十日以内に多数の地方選挙が集中して行なわれることになるのであります。
 政府といたしましては、前例にもかんがみ、これら多数の選挙の円滑な執行と選挙執行経費の節約を期するとともに、国民の地方選挙に対する関心を高める意味において、これらの選挙の期日を統一して行なうことが適当であると考え、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、期日を統一する選挙の範囲につきましては、明年三月から五月までの期間に任期が満了することが予定されている地方公共団体の議会の議員または長の任期満了による選挙を三月以降に行なう場合、これらの議会の議員または長について任期満了以外の選挙を行なうべき事由が発生し、三月及び四月中に選挙を行なうこととなる場合、並びに明年三月から五月までの期間に任期が満了することが予定されていない地方公共団体の議会の議員または長について選挙を行なうべき事由が発生し、三月及び四月中に選挙を行なうこととなる場合について、これらの選挙の期日を統一することといたしております。
 第二に、選挙の期日につきましては、都道府県並びに指定都市及び特別区の選挙にあっては、年度末の都道府県議会等の会期との関係、引き続いて行なわれる市町村の選挙との関係及び明年三月の選挙人名簿の追加登録等との関係等を考慮して、これを四月十五日とし、市町村の選挙にあっては、市町村における立候補届け出の受理の事務と都道府県の選挙における投票及び開票の事務との関係を考慮して、これを四月二十八日とするとともに、これらの選挙期日を告示する日につきましては、各選挙の選挙運動期間が公職選挙法に規定する最短期間となるように、これを法定いたしたのであります。
 第三に、この法律の規定により統一期目に行なわれる各選挙は、法律上当然に同時選挙の手続によって行なうものとして選挙管理事務の簡素化をはかるとともに、都道府県の選挙の候補者となった者は関係地域において行なわれる市町村の選挙の候補者となることができないこととして重複立候補による弊害を除くことといたしました。
 また、任期満了による選挙について、後援団体に関する寄付等の禁止期間を各選挙の期日前九十日から選挙の期日までの期間とすることといたしました。
 なお、この法律の規定の適用を受ける選挙の手続、その他その執行に関し特に必要があるときは、政令で特別の定めをすることができるものとし、選挙の円滑な執行をはかることといたした次第であります。
 以上が地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の脇時特例に関する法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#24
○委員長(岸田幸雄君) 本法律案は衆議院において修正議決されておりますので、衆議院修正部分について説明を願います。奥野誠亮君。
#25
○衆議院議員(奥野誠亮君) ただいま議題となっております内閣提出にかかる地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案に対する衆議院における修正の趣旨及びその内容について御説明申し上げます。
 御承知のとおり、従来から地方統一選挙における都道府県の議会の議員の選挙は、いずれも四月中に選挙の告示が行なわれ、同月中に執行されてきたのであります。したがって、市町村の議会の議員が都道府県の議会の議員の選挙に立候補する場合におきましては、市町村の議会の議員としての任期が四月以降まで残っている議員についてはその立候補の旧、つまり四月のその当日までは市町村議会の議員として在職していたのであります。
 しかるに、今回の政府原案による都道府県の議会の議員の統一選挙は、投票日が四月十五日とされ、その告示は三月三十一日とされました結果、この選挙に三月三十一日に立候補する市町村議会の議員の身分は、その残任期間が四月以降に及ぶ場合でも、同日をもって、つまり三月三十一日をもって失われることとなるのであります。その結果、四年前の統一地方選挙で選挙された市町村の議会の議員が今回の統一地方選挙に際し、都道府県の議会の議員の選挙に立候補する場合は、四年間在任するものと予想されていた期間が三年十一カ月で打ち切られるという事態が生ずるのであります。
 かくては、従来の統一地方選挙の場合に比し、議員の在職期間を基礎としてなされる処遇その他に差を生ずることとなります。特に、年を単位として計算される権利関係についての影響が大きいと考えられます。
 本修正は、このような差異のよって来たるところが三月三十一日を告示日と定めた結果であり、しかも同日を告示日とすることは、来たるべき統一地方選挙における各種選挙の日取り、その他諸般の選挙管理執行上やむを得ないものである等の事情を種々考慮した結果行なったものであります。すなわち、都道府県の議会の議員の選挙に立候補するため、昭和四十二年三月三十一日に退職した市町村の議会の議員の在職期間を本来の任期満了の日まで、またその日が都道府県の議会の議員の選挙の期日以後にまで及ぶ場合には当該選挙の期日の前日まで、それぞれ在職するものとみなして、取り扱い上の不利が起こらないように是正したものであります。
 以上が修正の趣旨及びその内容であります。何とぞ全会一致、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#26
○委員長(岸田幸雄君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#27
○小柳牧衞君 本特例法案を審議するにあたりまして、まず第一に新大臣に対しまして、選挙の基本的な問題について一、二お伺いいたしたいと思います。
 御承知のように、今日選挙近しという声は全国至るところに広がっていることと思います。したがって、地方の状況を見ますると、立候補者たらんとする側においては、ずいぶんいわゆるサービスを十分にやっておる。しかも、それがともすると、事前運動の制約に反するようなことまでもやっておりますし、また一面、選挙人におきましては、きわめて卑俗なことばでありますが、金も持たぬで立候補するとか、当選を願うということはずうずうしいというような声が高まっておる。これはきわめて卑近なことですが、こういうような風潮は、実にそのきざすところきわめて大きな影響があり、いわばわが国の民主政治なり議会政治の根本を破壊するおそれすらあると思われるのでございます。これは要するに、いわゆる金のかかる選挙ということになるのでありまして、それにつきましては、さきに佐藤総理もこの点について力説されておりますし、ただいま新大臣の就任のごあいさつにおきましても、この点を強く言っておられるのであって、まことに適切な御所信であるとわれわれは思うのでありまするが、しかし、この際もう少し掘り下げてお聞きしたいと思うのです。
 これらのことについて、金のかからない措置をするには、先ほどもお話がありましたように、審議会の答申を待ってやるのは当然でございましょうが、しかし選挙は必ずしも答申を待って行なわれるとも限りませんし、まず、いつあるかわからぬという立場におきまして、答申は答申としまして、現在の制度において、また自治省等の立場においてやり得ること、また一面、大臣は公安委員長もやっておられるのでありますから、選挙の取り締まり等という立場からも見まして、金のかからない選挙については、どういうような抱負なり、あるいは心がまえを持っておられるのか、率直にお示し願いたいと思います。
 第二はこれも全般的なことですが、これもやはり世間に論議されておると思いまするが、いわゆる政治資金の問題であります。したがって、この政治資金については、どういうふうにされるお考えであるか。いわゆる政治資金規正法の改正というようなことも言われておる次第であります。これについての御所信をまず第一にお伺いいたしたいと思います。
#28
○国務大臣(藤枝泉介君) 第一に選挙に金がかかる、これをどうするかということでございまして、もちろん制度の面あるいは第二の御質問のありました政治資金の面等もございましょうが、根本はやはり政党がしっかりし、政党が組織化され、近代化され、そして選挙が政党本位に行なわれるような、そういう問題と、国民の政治思想との問題だろうと思います。現行の選挙その他におきましても、私はやはり一番大切なのは、候補者たらんとする者あるいは現職の者の心がまえが一つ、そしてそれを政党として十分自粛するように、政党自身が考えるということ、また、それに対していまいろいろと報道等も行なわれ、一つの企画として新聞等も報じております現存でございますから、選挙民と申しますか、国民全体が、そういう候補者たらんとする者あるいは現職の者に金をねだったりするというような風潮を払拭するような運動と申しますか、心がまえを育てていくことがまず第一だと存じます。
 しかしながら、現実には、いま御指摘のように、特に年末年始を控えまして、悪質な事前運動等も行なわれておるのでございまして、これに関しましては、さきに各都道府県の県警本部等を通じましては、事前運動と思われるものにつきましては警告を発し、警告を聞かない者については、本人を招致してさらに厳重な警告をする。あるいは悪質な買収等に関するものにつきましては事前といえども検挙するというようなかたい態度を示しまして、通達を出し、現実にやっておりますわけでございまして、新聞等にもときどきごらんをいただいておるかと思いますが、事前運動の取り締まりについては、特に年末年始を控えまして、十分警察力を動員いたしまして、これの徹底を期したいと考えておる次第でございます。
 さらに、第五次の選挙制度審議会も発足したわけでございまして、審議会におかれましても、すでに、御承知のように、選挙区制その他選挙制度の制限問題もさることながら、当面する選挙について緊急に必要なものを審議しようということで、特別委員会を開き、明日第一回の会合をされるという予定でございまして、いつごろ答申がございますかわかりませんけれども、これは非常に急いでおられるようでございます。答申を待ちまして、その趣旨を尊重して、成文化いたし、御審議をわずらわしたいと存ずる次第でございます。
 それから、政治資金の問題につきましては、いろいろ御意見があります。ことに、それを制度審議会で御審議をいただいておるときに私の私見を申すのもいかがかと存じますが、政党活動そのものにつきましては、私はやはり相当の金のかかるもの――政策の徹底あるいは国民の声を聞く、そういうことをほんとうに政党らしくやっていくためには、政党そのものは非常に金のかかるものだと思います。したがいまして、政党に政治資金と申しますか、政治献金が集まるということは、これは相当広く認めていいのではないかという感じがいたします。ただ、それが非常にガラス張りの中で行なわれる。政治資金規正法による罰則等につきまして、いかなるところから入り、いかなるところへ出ていったかということが、国民に十分わかるようなガラス張りの制度、現在そういう趣旨でできてはおりますが、それがさらにその趣旨が徹底するようになるべきだと思います。ただ政党以外の点につきましては、いろいろ御議論もありまして、金額的に制限せいとか、あるいは税金の面におきましてある限度を考えるとか、いろいろの御議論があるところでございまして、政党以外の個人あるいは団体等につきましての政治献金等については、なおある程度の規制をする必要があるのではないかというようなことを考えておるわけでございます。これまたやはり審議会の御審議をいただいて善処をいたしたいと考えておる次第でございます。
#29
○小柳牧衞君 ただいまの大臣の御所信を了承いたしましたが、これは単にことばの上の問題ではなく、現実にそれがあらわれるように一段と御精進あらんことをお願いする次第であります。
 次に事務的なことを少しお尋ねいたしたいと思うのでありますが、この特例法の対象となっておる選挙の件数は、団体の種類ごとにどれくらいある見込みでございますか、それが一つ。
 それから、選挙を統一するにあたり、任期が三月から五月までに満了するものを対象としておりますが、ずいぶんこれは広い感じを与えるのでありますが、それをこういうふうにやられた理由をお尋ねいたしたいと思います。
#30
○政府委員(降矢敬義君) この法律は、三月から五月までに任期の満了するものを対象にして選挙期日を統一することにしておるのでありますが、その団体ごとの件数は、知事は十八件、それから都道府県議会議員の関係団体四十四、それから市長が百五十六、それから市議会議員が三百五十九、町村長が千五十五、町村議会議員が千四百五十二、特別区議会議員が二十二、計三千百六でございます。
 それから第二の、任期の満了になるものが三月から五月までを統一することにしてありますが、この法律によりまして、三月三十日までに任期の満了するものにつきましては二月中に、公職選挙法によりますと、任期満了による選挙は任期満了前三十日以内にやることになっております。したがって、この法律におきましても、第一条におきまして三月の三十日までに任期の満了するものにつきましては、当該団体の選挙管理委員会が公職選挙法によって二月中に――二月の二十八日までに当該選挙を終了する、執行するという道を開いてありますので、その点を考慮いたしまして、任期が長くなるとか曠欠するというようなことを、具体的な問題を避けるということを頭に置きまして、前回の例にならって三月から五月までのものを統一する、こういうことにいたした次第でございます。
#31
○小柳牧衞君 この特例法が実行されますというと、六大市の選挙と府県の選挙を同じ日に行なうことが、最も多い場合では、府県知事、府県会議員、市長、市町村会議員、四つも同時に行なうことになるのでありまして、先ほど提案理由の説明によりまするというと、円満なる施行と施行の経費を節約する云々と言われたのでありますが、なるほどそういうことも考えられますが、しかし、他面、この結果、選挙の管理に混乱を来たすことが予想されるのでありますが、何ゆえにこれを同日に行なおうとしたのでありますか、もう少し詳しく説明を願いたいと思います。
#32
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のとおり、選挙の種類がたくさん重なりました場合においては、少ない場合と比較いたしまして、管理執行をする上において容易でないということは一般的に考えられるわけでございますけれども、六大市とそれを含む府県の選挙を同時に行なうことにいたしましたのは、御案内のとおり、六大市につきましては市長及び議会の議員の選挙の期間が一般の市よりも長うございまして、いずれにいたしましても、四月中に選挙を執行するとすれば、どうしても重複する期間が生ずるということを避けがたいのでございます。したがって、その点を避ける意味におきまして、六大市の選挙を府県の選挙に合わせることが実際問題としては適当ではないかということが一つでございます。
 それからもう一つは、この六大市とそれを含む県の選挙を同時に行なってまいりましたのは、すでに御案内のとおり、昭和三十年の四月選挙から、三十年、三十四年、三十八年と、過去三回行なってまいりまして、管理の執行の面からいたしましても、現地の選挙管理委員会としても十分なれてきておりますので、特段の問題を生じておらない、こういうふうに判断いたしまして、従来の例にならって、六大市とこれを含む府県の選挙を同一の期日にすることにいたした次第でございます。
#33
○小柳牧衞君 この特例法案は、任期満了による期日を統一して行なうというのが目的であると思うのですが、これ以外の、解散であるとか、あるいは長の退職等、あらかじめ予期のできない理由によって行なわれる選挙までも統一選挙に含めようとするのはどういう理由ですか。御説明願います。
#34
○政府委員(降矢敬義君) 本案の第一条の二項、三項におきまして、御指摘のような規定を設けてあるわけでございます。で、この任期満了以外の事由によりまして、いまの御指摘のように解散あるいは辞職、死亡と、こういうことによりまして三月−四月中に当該選挙を行なうようなかっこうになりますものは、いずれにいたしましても、この統一法によって期日を統一して行なうほうが全体として管理執行あるいは関心を高めるという意味からいたしましても、趣旨に適するという判断で、この任期満了以外の事由による選挙におきましても、当該選挙を三月及び四月中に行なうこととなるものは、合わせて統一することにいたした次第でございます。
 なお参考までに、前回におきましてもこういう立法をいたしたわけでございますが、このような法律によりまして、市会議員において五つの団体、それから町村議会議員において百十五、計百二十の団体におきましては補欠選挙を行なう事由が生じまして、やはり統一法に従って三十八年には四月三十日に、合わせて選挙をやっておる次第でございます。
#35
○小柳牧衞君 この特例法を適用した場合、三月及び四月に議員及び長の任期満了する地方公共団体では、相当の期間にわたって議員も長も存在しないということがあり得るわけだと思います。この場合、何ら弊害がないでしょうか。重要な地位の者が長い問欠員になっているということは相当支障があるのではないかと思うのですが、何ゆえに任期延長の措置をとられなかったのでありますか。その点を承りたいと思います。
#36
○政府委員(降矢敬義君) この法案におきまして、任期が三月、四月、五月の三期間にわたって満了するものを四月中に統一するのでございますが、御指摘のように、問題は主として三月中に任期が満了するものについて考えられると思います。五月のものにつきましては、公職選挙法に従いましても、大体四月中には行なえるというようなかっこうに相なっておりますので、そういうふうな、主として三月中の問題であろうと思いますが、この点につきましても、先ほど申し上げましたとおり、二月中に開き得る道をこの法律上残してあるわけでございますので、その点の配慮は、選挙管理委員会あるいは当該市町村におきまして御判断願えるというふうに考えたわけでございますし、また、たとえば議会の解散というような場合には、公職選挙法でもその日から四十日以内、あるいは長の死亡の場合には五十日以内に選挙をやるというような本来の、相当長い期間の間における公職選挙法本来の規定もございますので、全体を考えまして、他の突発的な事由によって長なり議員の曠欠を生じた場合におきましても、結果、重大な障害がないであろう、こういうふうに判断いたしまして、三月から五月までのものについての任期満了するものをこの統一法でくくって四月中に選挙をする、こういうふうにいたした次第でございます。
#37
○小柳牧衞君 この法案の第六条によりますというと、選挙の手続その他その執行に関し、特に必要があるときは政令でやる、こうなっておりますが、大体政令にはどういうことを見込んでおられるのでありますか、一応承りたいと思います。
#38
○政府委員(降矢敬義君) これは選挙の管理執行上特に配慮すべき問題として四点考えております。で、これは一つは六大都市とそれを含む府県の選挙のうちで、三つの選挙を同時に行なう場合におきまして、投票所がかりに狭いというような事態が生じた場合におきましては、六大市の選挙及び府県の選挙ごとに、同一の投票区内におきましても投票所を二つ設けて同時に選挙を行なうことができる、こういうふうにいたしたいと思っておる点が一つでございます。
 それからその次は、選挙公営関係でありますが、六大市の議会の議員と府県の議会の議員の選挙につきまして、任意制のポスター掲示場、あるいは任意制の公営の立ち会い演説会、あるいは任意制の選挙公報の制度を採用している地方団体がございまして、そういう地方団体におきましては、議会の議決によって、いずれか一つの公営制度を選択して採用いたしまして、その一を実施するようにいたしたい、こう考えております。
 それから第三は、地方公共団体の長の選挙につきまして、公職選挙法上、記号式の投票方法を採用することができることとなっております。その場合におきましては、投票所内における氏名掲示の制度を採用しない、掲示しない、こういうかっこうにいたしたいと思っております。
 それから第四は、同一の市町村内において住民の住所の移動がありました場合においては、選挙人名簿は投票区ごとに調整することになります。したがいまして、投票区が違った場合においては、いわゆる名簿の登録の移しかえということをやらなきゃならぬようにしてあるのでございますが、その移しかえにつきまして、公職選挙法の政令の第十八条の六によりますと、一般の場合においては任期満了前六十日以内の間において住民の住所の移動があった場合には移しかえはやらない。これは選挙の準備の都合などからでございますが、今回は、任期満了前六十日ということを、この法律に定めております選挙の期日から六十日の間において移動を行なった場合には移しかえを行なわない、こういうふうに特例を定めたいと、こう思っておる次第でございます。
#39
○小柳牧衞君 附則についてちょっとお伺いしたいと思うのですが、今度修正された附則によりますというと、「当該市町村の議会の議員としての在職期間の取扱いについては、その者は、政令で定めるところにより、当該退職に係る議員の任期満了の日まで引き続き当該議員として在職したものとみなす。」、こうなっておるのですが、政令でどういうことを定めるのですか。この任期延長については、先ほどもちょっと御説明などあったようですが、権利の場合と義務、責任に関する部分とあると思うのですが、たとえば退職金あるいは叙勲の年限計算の問題等々あると思うのですが、また、義務、責任の問題についても、その職責上相当あるんじゃないかと思います。要するに、どういうようなものをねらってこの規定を当てはめるのか、政令はどういうことを考えておるのか、この点を例示的でけっこうですが、お示しを願いたいと思います。
#40
○衆議院議員(奥野誠亮君) 今度の在任期間の問題で一番問題になりましたのは、十二年市町村議会議員として在職しますと退職年金の受給資格が発生するわけであります。ところが、このような場合には、十一年十一カ月で退職せざるを得なくなって退職年金の受給資格を失ってしまう。それを在職期間が十二年であったというふうに法律改正によっていたすわけでございますけれども、その場合でも、やはり一月分の掛け金は納めてもらわなければ困ると、こう考えるわけでございます。したがいまして、議員として果たすべき負担、それをこの法律によって免じたわけじゃございませんので、その辺のことは政令で書かざるを得ないのじゃないか、かように考えているわけであります。
#41
○委員長(岸田幸雄君) ほかに御質疑はございませんか。――他に御発言もないようでございますので、本案についての質疑は終了したものと認めます。
 これより討論を行ないます。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございまするが、本案の討論は終局したものと認め、これより採決を行います。
 地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#42
○委員長(岸田幸雄君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書につきましては、先例により委員長に御一任を願います。
#43
○委員長(岸田幸雄君) 請願二十五件の審査を行ないます。
 委員長及び理事打合会において御協議をいただきましたものにつきまして、専門員から簡単に御報告いたさせます。
#44
○専門員(鈴木武君) お手元に配付いたしてあります請願一覧表によりまして御報告いたします。
 第一一八号外二件、地方公務員等共済組合法の制度改善に関する請願、採択。
 第七号、山村町村の財政強化に関する請願、採択。
 第一一七号外一件、地方公務員給与改定実施に関する請願、採択。
 第六〇九号、地方公務員の給与改定早期実施とこれに伴う財源措置に関する請願、採択。
 第六一一号、基準財政需要額の期準単価引上げに関する請願、採択。
 第六一二号、国庫補助負担事業にかかる地方超過負担解消に関する請願、採択。
 第六一〇号、交通事故防止に関する請願、採択。
 第一〇八号外二件、小選挙区制反対に関する請願、留保。
 第二四一号外七件、憲法改悪をめざす小選挙区制反対に関する請願、留保。
 第二九八号、憲法改悪をめざし民主主義と東亜貿易を破壊する小選挙区制反対に関する請願、留保。
 第六三二号、小選挙区制反対等に関する請願、留保。
 第一二三号外一件、松代群発地震地域の四十四市町村の災害特別地域指定に関する請願、採択。
 以上でございます。
#45
○委員長(岸田幸雄君) ただいまの報告どおり決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないものと認め、さように決します。
 それでは採択に決定いたしました請願は、いずれも議院の会議に付し内閣に送付することを要するものといたし、他は留保するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○委員長(岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書につきましては、先例により委員長に御一任を願います。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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