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1966/12/20 第53回国会 参議院 参議院会議録情報 第053回国会 商工委員会 第1号
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1966/12/20 第53回国会 参議院

参議院会議録情報 第053回国会 商工委員会 第1号

#1
第053回国会 商工委員会 第1号
昭和四十一年十二月二十日(火曜日)
   午後一時五十分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         村上 春藏君
    理 事         赤間 文三君
    理 事         豊田 雅孝君
    理 事         柳田桃太郎君
    理 事         近藤 信一君
                井川 伊平君
                上原 正吉君
                大谷藤之助君
                剱木 亨弘君
                近藤英一郎君
                宮崎 正雄君
                吉武 恵市君
                阿部 竹松君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                椿  繁夫君
                藤田  進君
                鈴木 一弘君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十五日
    辞任         補欠選任
     剱木 亨弘君     重政 庸徳君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                赤間 文三君
                豊田 雅孝君
                柳田桃太郎君
    委 員
                井川 伊平君
                上原 正吉君
                大谷藤之助君
                近藤英一郎君
                重政 庸徳君
                宮崎 正雄君
                吉武 恵市君
   国務大臣
       通商産業大臣   菅野和太郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        金丸 冨夫君
       通商産業大臣官
       房長       大慈彌嘉久君
       通商産業省石炭
       局長       井上  亮君
       通商産業省鉱山
       保安局長     森  五郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨
 時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国産電子計算機振興のための利用増大方策の実
 施に関する請願(第一号)
○東京にアジア・エレクトロニクス研修センター
 設置に関する請願(第三号)
○北九州市小倉炭鉱鉱害に基因する水害地の復旧
 予算に関する請願(第二三九号)
○福岡県三菱新入炭鉱の石炭採掘とこれが地表に
 及ぼす影響の調査並びに復旧に関する請願(第
 五三七号)
○継続審査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、理事会において協議いたしました事項について報告いたします。
 本日は通商産業大臣の発言を許しましたあと、石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案及び請願の審査をいたし、次いで継続審査要求の御決定を願うことといたしましたので、御了承願いたいと存じます。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) 委員の変更について御報告いたします。
 本月十五日、剱木亨弘君が辞任され、その補欠として重政庸徳君が選任されました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(村上春藏君) この際、菅野通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。菅野通商産業大臣。
#5
○国務大臣(菅野和太郎君) 私は、今回はからずも通商産業大臣の大任を仰せつかったのでありますが、何ぶんにも微力なものでありますので、委員各位の御支援を得まして、この大任を果たしたいと思います。どうぞよろしくお願い申します。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○委員長(村上春藏君) 衆議院送付の石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。菅野通商産業大臣。
#7
○国務大臣(菅野和太郎君) 石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国石炭鉱業は、エネルギー革命の進行に伴い、経営基盤の悪化等きわめて憂慮すべき状況に置かれており、このまま放置することを許されない情勢に立ち至っております。
 このため、石炭鉱業審議会は一年余にわたる慎重な審議を経て、本年七月、石炭鉱業の抜本的安定対策について答申を行ない、政府といたしましても、同年八月、この答申の趣旨を尊重し、石炭対策を強力に推進する旨の閣議決定を行ない、今後の石炭対策の基本的方向を確立した次第であります。
 この抜本的安定対策のための諸措置は、昭和四十二年度からすべて実施する所存でありますが、このうち特に終閉山交付金制度の拡充強化等につきましては、昭和四十一年度から実施することといたしております。このため、本年度補正予算におきまして、単価引き上げに伴う予算措置を講ずることといたしておりますが、これに伴う制度改善につきまして、今回石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部改正を提案いたした次第であります。
 改正の第一点は、今後やむなく生ずる非能率炭鉱の終閉山の円滑化をはかるため、石炭鉱業合現化事業団が石炭鉱山整理促進交付金及び石炭鉱山整理交付金の中から廃止事業者にかわって優先的に弁済する債務として、従来の賃金債務及び鉱害賠償債務のほかに、賃金債務と同様の性格を持つものとして貯蓄金の返還の債務を加えることとしたことであります。
 改正の第二点は、本年度から実施する石炭鉱山整理促進交付金の単価の引き上げに伴い、採掘権者または租鉱権者が、毎年事業団に納付する納付金の限度額を石炭の数量一トンにつき現行三十円から四十五円に引き上げることとしたことであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(村上春藏君) 次に、政府委員から補足説明を聴取いたします。井上石炭局長。
#9
○政府委員(井上亮君) 石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部改正案につきまして、補足説明をさしていただきます。
 改正の要点は、ただいま大臣から提案理由として御説明がありましたとおり、二点ございます。
 第一点は、終閉山に伴いまして、従来閉山交付金を交付する制度があったわけでございますが、これにつきましては、特に賃金債務につきましては未払い賃金、退職金につきましては、この交付金からの配分の対象に相なっておったわけでございますが、社内預金は従来対象になっていなかったわけでございます。ところが、石炭鉱業の過去数カ年の実態を見まするに、先生方御承知のように、石炭鉱業は非常に窮迫した経営を行なっておりますために、たとえば期末手当とか夏期手当、あるいはひどいのになりますと、賃金の一部についても支払いが不能なために社内預金という形で積み立てられておって、支払いを受けないでおる例が相当多かったわけであります。この法律の中では「貯蓄金の返還の債務」ということばを使っておりますが、実態は平たく言いますと、いわゆる社内預金でございますが、そういった社内預金につきまして、従来ですと、終閉山いたしまして交付金をもらっても、それが返還の対象にならないというような事態でありましたために、きわめて、閉山のつど大きな問題を起こしておったわけであります。
 なお、社内預金の現状は、社内預金そのもの全体としては、石炭鉱業の中で大体二百六十億ぐらいであります。しかしその中で、先ほど御説明申し上げましたようないわゆる未払い賃金的なもの、あるいは期末手当の支払いができなかったために社内預金の形を取ったというようなものは、二百六十億の大体半数程度がそういうものではなかろうかというような調査をいたしております。今回、閉山交付金のトン当たり単価、これは従来トン当たり千二百円であったわけですが、これを二千四百円に引き上げるに際しまして、特にこの社内預金も交付の対象たり得るような法律改正をいたしたいというのが改正の第一点でございます。
 それから第二点は、同じく閉山交付金に関連いたしますが、閉山交付金は国の予算措置でございますが、現実に閉山いたしました業者がもらって、それを賃金だとか、あるいは周辺の中小企業だとか、あるいは銀行債務とかいうような社会的な配分をこの交付金で行なうわけでございますが、この所要額は全部国の金ではありませんで、一部石炭業界が負担するわけでございまして、納付金制度と言っておりますが、従来この納付金が、トン当たり三十円石炭業者から徴収いたしておったわけですが、交付金単価を千二百円から二千四百円に引き上げるに際しまして、三十円から四十五円に納付金を引き上げたいというのが改正の第二点でございます。
 こういった措置によりまして、今後の閉山をできるだけ円滑に処理いたしたいというふうに考えております。
 なお、石炭鉱山保安臨時措置法の一部改正もありますが、この改正の内容も、ただいま申しました納付金にからむ関連する問題でございます。大体内容といたしましては、全く同じ改正をいたしたい。ただ、一般の閉山と、鉱山保安にからみまして、保安勧告に基づいて閉山いたします場合との違いを申しますと、一般的な閉山につきましては、これは自発的な申し込みによって閉山するわけでございますが、その場合には、トン当たり交付金は千二百円、それを二千四百円に引き上げたわけでございますが、保安の場合は、きわめて保安の不良炭鉱に対して国が勧告して閉山させるわけですから、その際の閉山交付金は従来四百円と六百円と両方ありました。租鉱権のほうが四百円、一般の採掘権者が六百円ということになっておりましたが、それをそれぞれ三百円ずつ交付金を引き上げるという措置をいたしたいと思っておるわけでございます。その点が違いますが、制度の改正といたしましては全く同様の改正でございます。
 以上、簡単でございますが、今回の改正法案につきましての概要を御説明申し上げました。
#10
○委員長(村上春藏君) それではこれより本案の質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#11
○柳田桃太郎君 大臣にお伺いいたしますが、政府の重要産業であり基幹産業であるこの石炭産業に対する基本的な考え方と、本年の八月閣議決定を見ました石炭鉱業の抜本的安定対策の具体的な進め方につきまして、その概要をまず承りたいと思います。
#12
○国務大臣(菅野和太郎君) 石炭産業に対する基本的な考え方といたしましては、先ほど予算委員会でも申し上げたことでありますが、とにかく石炭産業を私企業として存続さすという根本方針でありまして、私企業ではもう成立し得ない状態にあると思います。そこで私企業として成立するがためには、政府ができるだけ援助をしなければならぬという立場をとっておるのでありまして、これは申すまでもないことでありますが、日本のエネルギー資源の確保ということと国際収支の関係、あるいは産業に対する石炭産業の重要性というようなことを勘案いたしまして、どうしても私企業としては存続せしめなければならぬ。それに対して政府ができるだけ援助をするということで、先般の抜本策ができたのでありまして、八月の閣議では、この抜本策を強力に実施するという方針をとっておるのであります。
 そこで、この石炭座業というものは、まあ御承知のとおりそれ自体で自立し得ないので、これはもう申すまでもないエネルギー革命の結果でありますが、まあそれについては、全部が全部赤字の部分をこれは政府が、補助するというわけにもいかないので、石炭産業界自体においても、お互いに相互扶助の精神でやってもらうし、そしてまた、とうてい経営の成り立たないものは閉山する、閉山に対してはそれだけの手当てをする、交付金を出す。しかしやり方によってはペイするという鉱山は、これはできるだけ経営の合理化、技術の合理化をはかって経営さすということで、大体約五千万トンは産出してもらうという計画を立てておるわけであります。五千万トンでありますが、しかし長期的な観点からすれば、できれば五千万トン以上に需要を確保したいというつもりでおりますが、大体五千万トンで一応計画を立てておる。抜本策にはそういうふうにうたっておるのであります。そういうことで五千万トンの石炭の需要を確保して、そしてそれだけは是が非でもひとつ採掘して、そして日本のエネルギー問題の解決の一助としたい、こういうのが根本対策であります。
#13
○柳田桃太郎君 すでに日本の石炭企業の現況は、非常に経営が危殆に瀕しておるということは、大臣もお認めのところだと思いますが、さきの抜本的安定対策に盛られておりますもののうち、ただいまの大臣の御説明にもございましたが、閉山交付金と、坑道掘進費の補助と電源開発会社に対する出資というものだけを今回の補正予算でとり上げておりますが、最も期待をされておりましたこの閉山の合理化に伴ういわゆる借り入れ金の一千億の肩がわりと、それから炭価安定補純金というのは昭和四十二年度から実施するということで申し送っておりますが、すでにもう御成案もあることと存じますが、どうして今回の補正にその片りんをお出しにならなかったか、その理由について御説明願いたいと思います。
#14
○国務大臣(菅野和太郎君) お話のとおり、この私企業として存立さすがためには、政府としてできるだけの援助をしなければならぬということで、抜本策に掲げてあるのでありますが、そこで、それには相当の費用の支出を要すると思います。その支出は大体特別会計を設けて、その特別会計でまかなっていこうという大体方針なのであります。特別会計はそれでは財源はどうであるかと申しますと、これは原重油の関税収入を充てるということにしておりますから、まあ来年度は大体五百億円ぐらいではないかと、こういう大体予算を見積もっておるわけであります。その五百億円の範囲内において、抜本策で盛られておるいろいろの対策をこれを実現したい、こう大体考えておる次第であります。
#15
○柳田桃太郎君 ただいま御説明にございましたが、わが国総合エネルギー政策の中における石炭の位置づけは、当面、年生産量約五千万トン程度と押えて、これの需要はそれを上回るように努力をしたいというのが抜本策の趣旨のようでございますが、この需要を確保する見通しがどのように立てられておるかどうかということについて、これは政府委員あるいは次官から御説明願いたいと思います。
#16
○政府委員(金丸冨夫君) 閣議決定におきましては、答申の場合五千万トン程度ということに相なっておりますものを、さらに五千万トン以上になるように政府といたしましては努力をするということが決定せられております。この見通しにつきましては、四十一年度の状況をまず申し上げますというと、一般炭におきましては三千九百九十二万トン程度、そのうちの内訳は、電力が二千三百五十六万トン、一般が千六百三十六万トン、もっともこの一般炭には雑炭が五百万トン入っております。また原料炭が千二百十一万トン、内訳は鉄鋼が九百二十、ガス・コークスが二百九十一万トン、このほかに無煙炭が二百十万トンありまして、合計五千四百十三万トンということに相なりますが、雑炭は一般炭についてはこれが入っておりませんので、これを差し引きますと、四千九百十三万トン程度に四十一年度は相なろうかと存じます。ところが、この五千万トン以上の努力をしようという政府の考え方からいたしまして、大体昭和四十五年度の石炭需要量の見通しを一応いたしておるわけでございまするが、これにつきましては、先ほどの四十一年度の数字が一般炭におきましては三千九百八十五万、そのうちの電力が二千九百二十五万、九電力でもってその内訳が二千三百万トン、さらに発電、今回の電源開発の三基と、それから本法案につきまして二基増設、かれこれ合わせまして三百三十四万トンぐらいの増加に相なろうかと存じます。それから一般炭が千五十万トンにこれは減るのであります。それから原料炭は千四百万トン程度、鉄鋼が千百万トン、ガス・コークスが三百万トン、これは大体大きい変わりはございません。無煙炭は大体同様二百十万トンぐらいということになりまして、結局これが一般炭の雑炭を含めますというと、五千五百九十五万トンというように推算をいたしております。このうちから約四百万トン程度の雑炭を引きますれば、五千百九十五万トンということになりまして、一般炭の非常に少なくなるかわりに、電源開発その他の需要を増加努力をいたしまする結果、五千百九十五万トン、五千万トンをまあ二百万トン程度上回るという見通しを持っておるわけであります。そしてこの間の年次別の点につきましては、これを目標に目下検討し、またこれを推進することに努力をするつもりでおります。
#17
○柳田桃太郎君 見通しにつきましては承りましたが、原重油の世界的値下がり傾向とわが国におきます需要量の増大の現況から判断いたしまして、ただいまの見通しはかなり困難があるようにも思われますので、積極的に政府がその需要を造成確保するという意図が見られるべきではないかと思いますが、すでに出ております例の重油ボイラー設置規制法は昭和四十二年三月三十一日の時限法になっておりますが、これは延長ずる予定であるかどうかということをまず承りたいと思います。これは局長から。
#18
○政府委員(井上亮君) 重油ボイラー規制法の今後の取り扱いの問題でございますが、この点は長い間いろいろ議論があったわけでございますが、今回七月に石炭鉱業の今後の抜本対策の答申がありまして、引き続いて閣議決定があったわけでございますが、この問の各方面との慎重な検討の結果、今後の石炭の需要確保は何と申しましても、これはまあ世界的にも同様な政策がとられておりますが、一般炭におきましては、主として電力に需要の大宗を仰ごうと、原料炭につきましては、これはまあ鉄鋼、ガス業界ともにこれは燃料というよりも原料でございますから、この点の需要確保は問題ないわけでございますが、一般炭につきましては、むしろ一般産業に何といいますか、政策需要的な配慮をあまり加えないようにして、そのかわり電力に対して政策需要を確保するという端的な需要確保の政策が、日本経済の今後の発展のためにも、あるいはその他価格政策等のためにも、一番いいんじゃないかというような結論になりまして、私どももそういった方針でこの重油ボイラー規制法の改正に取り組みたい。したがいまして、そういう考え方に立ちますと、これはやはりそのままある条件のもとに廃止されてしかるべきではないかというふうに考えております。
#19
○柳田桃太郎君 一般燃料炭については、電力用炭に主として依存されるということについてはまことにけっこうでございますが、これについて、さらに需要確保の措置がいまだ不十分ではないかと思われる節がありますので、お尋ねをいたしますが、さきに、衆議院の石炭対策特別委員会におきましては、現在建設中の石炭火力発電所を入れて、昭和四十五年までに八基の火力発電所を設置してはどうかという決議がなされております。それに対しまして、今回の閣議決定では五基ということになり、新しく二基については今回予算措置も行なわれておるようでございますが、これによって、いま金丸政務法官から御説明がございましたが、昭和四十五年にほぼ現在の磯子、高砂、竹原の三基が二百一万トン程度と、さらに四十五年には運用されるであろう磯子、高砂の二号基が合わせて百三十三万トンで、三百三十四万トンぐらいいまより需要がふえる。これを現在すでに実績あるところの昭和四十年の電力用炭千八百十一万トンに加えてみますと、これは二千百四十五万トンしかないわけでございまして、これに対して昭和四十五年二千九百三十五万トン需要割り当てをするというお話でございます。さらにこれに対して心配をされますのは、すでに本年度におきましても電力用炭は三百九十六万トンという未曽有の貯炭を見まして、前年度よりも百万トンの貯炭増になっておるのでございます。しからば、どうしてこの石炭火力の増設についてもう少し着意をしなかったかということについて、この需要確保ということに対する政府の熱意のほどをお示し願いたいと思うのでございます。
#20
○政府委員(井上亮君) 一般炭の需要確保の問題につきましては、柳田先生おっしゃいましたように、私どももやはりく今後は一般産業の需要の伸びが期待できませんので、主として電力に依存いたしたい。しかしその場合には、やはり電力業界に対して、これは鉄鋼についても政策需要を要請いたす限りにおきまして、電力とともに負担増対策を考えてまいりたいと思っておりますが、ただいま数字で、特にこの需要確保の点になお今後問題が残るのではないかというような御指摘がありました。私どもそういう懸念も全然ないわけではございません。しかしながら、先ほど金丸政務次官から詳細に御説明ありましたように、ああいった数字と申しますか、計画といたしましては、一応五千万トンをこえる需要が、たとえば電力についてみましても、昭和四十五年に二千三百万トン引き取っていただける約束がすでにございますし、それに電発五基新設いたしますと、三百三十万トンばかりさらに追加されますし、それに雑炭があるということで、一応いける見通しではございますが、しかしまあ今後の需要の見通しを見ますと、重油の価格の低落傾向がさらに進むかもしれぬ懸念がございます。ですから、そういう今後のエネルギー事情の変化を考えますと、必ずしもこの需要確保が楽観を許されるかどうか疑問な点もございます。今日の見通しでは、五基で一応いけるというふうに考えておりますが、しかし今後のエネルギー事情の変化とも見合いまして、もしもこの需要確保が今日想定しております程度で不十分でありますならば、さらに国会におかれまして、いろいろ御決議をされたり、私どもに御提示のありました八基建設、これも念頭に置きながら善処してまいりたいというふうに考えております。
#21
○柳田桃太郎君 現在の需要が活発でないということについては、すでに御承知と思いますが、山元貯炭がこの脆弱な基礎の上に立っておる石炭産業を非常に圧迫をいたしておりますが、その貯炭約千三百万トンの内訳を見ますと、現在においては、通産省の統計では大口業者の貯炭が昨年より減り、山元貯炭のほうがふえてきておる趨勢が見えております。これにつきまして、おそらく電力用炭については、電力用炭販売会社の前払い金制度もあることでございますから、適当な措置がとられますでしょうが、一般炭についてはますます山元の金融情勢を悪化させておるような状態でございますが、これを何とか救済する方法が考えられておるかどうかということ。
 もう一つ、電力会社等が重油関税の還付を受けております。これは石炭の需要量に比例して還付さるべきものが、むしろ重油の使用量によって還付されておるような傾向になっておるようでございますが、これは非常に矛盾があるように思われますが、どういうことでございますか。
 さらに第三は、皆さんが期待しております磯子の第一号は地元の反対によりまして、産業公害の発生をおそれて、運用を非常に反対をして、来年の三月なり六月なりに発電できるかどうかということも危ぶまれておるといううわさが立っておりますが、さなきだに石炭需要を少なくすることでわれわれ憂慮されますが、こういう点はないのかどうか、今後また石炭をたくことによってそういった支障を生じないような考慮が指導されておるかどうかということもあわせて承りたいと思います。
#22
○政府委員(井上亮君) まず貯炭の問題でございますが、貯炭は御指摘のように今日千二百万トン台をこえまして、千三百万トンに近い数字に相なっております。これは相当容易ならね事態でございまして、石炭鉱業もこのために金操りに非常に苦しんでおるわけでございます。まあ過般来石炭鉱業につきまして金融懇談会を設けまして、これらについて慎重に対策を練り、手を打っておりますが、結論的に申しますと、特にこの一般炭につきましては、電力用炭販売会社からこの貯炭の、つまり石炭の前払い金のような形で貯炭融資をするというような措置で、この年末は過ごそうという対策をすでに講じてございます。しかし、今後ともこの貯炭のアップがございますので、金融対策には十分注意してまいりたい。
 第二の関税の還付の問題でございますが、これは御指摘のように、まことに従来の制度は拙速をとうとんで、こういった負担増対策をやりましたが、御指摘のとおり欠陥がございますので、来年度からは負担増対策としまして、関税を還付する制度をやめまして、関税収入は一括特別会計に入るような形をとり、その中から電力に対して、引き取りに応じた負担増対策を講ずるようにいたしたいというように考えております。
 次に、電発火力二基新設を今年度内からいたしたいということで、ただいま補正予算等も提出さしていただいたわけでございますが、そのうちの関西の高砂は順調にいっておりますが、横浜の磯子の火力の建設、これにつきましては、御指摘のように地元がなおこの建設に釈然とされない面もございますので、これは一部の意見のようでございますが、あまりいますぐ無理をしてもどうかというような配慮もございまして、まあ来年に入りまして早々にでも、もう少し地元の説得工作を続けまして、いずれにしましても年度内着工できるような促進をいたしてまいりたいというように考えております。なお、今後の建設につきましては、十分地元等との調整を事前にいたしまして、そういう遺憾のないようにいたしたいと思っております。
#23
○柳田桃太郎君 もう一つお伺いをいたしたいと思いますが、今回の政府の抜本的安定策が全面的に実施されれば、ほぼ石炭企業も自立安定をするとわれわれは考えたいのでございますが、巷間伝えるところによりますと、この対策をやりましても、石炭企業の繰り越し欠損額や、あるいは退職金の不足額や、あるいは近代化の資金の借り入れ等で、直ちにまた一千億くらいの資金を借り入れなければならない、さらに政府の慫慂しておる月間出炭能力を最高度に上げても、なお過半数の石炭産業というものは、炭鉱というものは、現在の価格では採算がとれないのではないかということを非常に憂慮する向きがあるのでございます。それならば、現在行なわれておる――、ことばは抜本的と言っておりますけれども、非常にまだ微温的な、びほう的なものであって、これでは日本の石炭産業は救われないのじゃないか、さらにまた超抜本的なものを考えなければならぬのじゃないかという気がいたしておりますが、これに対する杞憂であるかどうか御説明願いたいと思います。
#24
○政府委員(井上亮君) 柳田先先の石炭産業の将来に対する御懸念は、率直に言いまして、私ももっともだと思います。ただしかし、政府といたしましては、過日の閣議決定もいたしましたし、まあ閣議決定そのものは比較的抽象的でございますが、要は来年度予算編成をひとつの契機といたしまして、この予算編成をしっかりしたものをつくり上げれば、それからなお本日関税審議会――いまやっておられるわけですが、私もあとかけつけて関税の四年延長をお願いいたしますけれども、こういう一連の措置ができ上がりますれば、私は相当長期に安定が可能になるのではないか、先ほど大臣もおっしゃいましたように、特に来年度は石炭鉱業特別会計をつくりまして、関税収入をもってやりたい。ただこの特別会計も、先ほど大臣が来年度は大体五百億程度とおっしゃいましたのは、大体来年度の関税収入が約五百億程度ということでして、これに盛り込むべき内容、政策のアイテム、つまり支出面のアイテムにつきましては、これはおおよそ石炭に関係のあるものを全部入れられますと、五百億ではとうてい足りません。したがいまして、その関係をどうするかということで、ただいま大蔵省と予算折衝をいたしておりますが、こういった一連の問題がまあ満足すべき状態で解決されますならば、私はまあ先生の御懸念はあまりないのではないかというふうに考えております。
#25
○柳田桃太郎君 大臣にお伺いいたします。
 国の石炭産業に対しまする適切な指導監督体制の問題でありまするが、来年度から特別会計をつくりまして、直接対策費だけでも五百億、トン当たり約千円の国費をつぎ込むわけでございますが、これだけの国費をつぎ込む石炭企業に対して、どういう適切な指導監督体制を持つべきかということについてであります。
 一つは、一千億の債務肩がわりをする、一千億の債務肩がわりをする場合に、その運用管理の適切と厳正を期するために何か特別立法が必要なのではないかということが一つ。
 第二番目は、経理業務の監督に関する臨時の措置法はございますが、他の産業では、たとえば海運業などもそうでありますが、みずから必要な抜本的な合理化対策を打ち出しております。しかるに石炭鉱業の場合は、鉱区の再編成も、企業の合併も、輸送の合理化も、あるいは社外の投融資の規制等も他の産業から比べて、まだきびしくないようにわれわれは見受けるのでございます。これは、これほどの国家の財政的援助を受ける産業として、もう少し企業体みずからがきびしくみずからを律して立ち上がり、政府はこれに必要な法的措置もまた考えるべきじゃないかと考えますが、どうでありますか。
#26
○国務大臣(菅野和太郎君) 柳田先生から今後の石炭産業に対する指導監督と申しますか、そういうことについてお尋ねがありましたが、仰せのとおり、今後の石炭産業を確保するについては、政府が非常な金額を支出するのでありますが、しかし、同時に経営者自身もやはり反省してもらって、そして経営の合理化をはかるということをやってもらわなければ、いかに政府が金をつぎ込んでもこれは成功しないと思います。そういう意味で、政府も金をつぎ込むが、経営者もひとつ大いに反省してもらって、いままでのような甘い考えを持たずに、少しきびしい考えを持って経営してもらいたいということをわれわれは熱望いたしておるのであります。政府と民間と両々相まってひとつ石炭産業の安定をはかりたいと、こう考えております。
 なお、いまの相当政府が金を出すので、それに対して何か監督することを考えておるかというお話がありましたが、まあ相当の金額を支出いたしますので、これについては政府は十二分にひとつ監督しなければならぬと思いますので、来年度は再建整備法というような法律をつくりたいということで目下立案中であります。経理規制法についてはいま現にあるのですが、これはなお強化して、そして経理面については厳格にひとつ監視するというようなことで、政府の監督を強化して、そしてひとつやっていきたい、こう考えております。
#27
○柳田桃太郎君 最後に、本日の提案にかかります措置法に伴う問題をお伺いいたしますが、これはトン当たり千二百円を今回は二千四百円に引き上げ、主として賃金債務等の未払いを処理するということで、やむを得ざる措置であり、また適当な措置であろうと考えられますが、いままですでに退職した者で、それらの社内預金の残存しておった未払い分を今回これで整理するのかどうかということが一つと、それから社内預金に高額の金利がつけられておるところがございますが、これを一定割合で保証するということに定められておりますが、その一定割合とはどの程度を意味しておるのかということでございます。
 それから、これに見合いまして、納付金の納付限度を引き上げられるのはやむを得ないことでございますが、現在でも非常に採算不良の炭鉱に、トン当たり三十円を四十五円にするということは非常に大きな負担のように考えられますが、これが滞納になれば、地方税法に基づいて滞納処分をされるのであります。しかるに、なお資料によりますと、八千万円以上の不納欠損が生じておるというふうでございますが、そういう不納欠損が生じた場合、これらはどこでだれが最終的に措置するかどうかということと、さらに賃金等の債務の支払いが今回の閉山交付金の範囲内で払えない鉱山も出るかと思いますが、そういうものの措置はなお未済のままこれが残るかどうか、そういう問題について、最後に井上石炭局長の説明をお伺いしたいと思います。
#28
○政府委員(井上亮君) 先生御質問の第一点でございますが、すでにある未払い賃金、これはどうなるかというお尋ねでございますが、今回政府は閣議決定によって閉山交付金トン当たりを引き上げたわけでございますが、この引き上げ措置の適用は本年度の最初にさかのぼって実施いたしたいということで、すでにその事務を進めております。正確に申しますと、本年の二月十五日以降に本年度四十一年度閉山分として申し込まれた山について適用するということでございます。さかのぼります。
 それから第二の点は、社内預金につきまして、これは配分にからむ問題だと思いますが、その一定割合については見るけれども、ある割合は一応見ない、優先弁済の形では見ないというような規定があるわけであります。これはまあ政令で定めたいと思いますが、ただいまのところこれはこういう考え方でございます。この社内預金に金利がついております。ところが会社によりまして安いところもあります。たとえば七分というようなところもありますが、八分五厘というようなところもあります。あるいはもっと高いところもあります。これは労使の力関係で、つまり経営者が払うべきものを払わないわけでありますから、払えないわけですから、払えないで社内預金という形で納めておるわけですから、どうしても労使の関係、労働組合の非常に強いところでは非常に高い金利を要求するようなところがあるわけでありますが、特に、ここで言っておりますが、特に優先弁済をさしてあげたい、優先弁済の範囲に入れますものはまあ大体六分程度、これが従来の政府のこういった措置についての慣行になっておりますが、これがまあ六分になるのか何分になるのか、もう少し関係各省で打ち合わせてみたいと思いますので、まだ結論は出ておりませんが、そういう考え方、それ以上の分については一般債務としての弁済に扱われる、優先弁済でなくて一般弁済に扱われるというような考え方で措置いたしたいと思います。
 それから第三点の納付金の負担の問題でございますが、これは確かに柳田先生御指摘のとおり、石炭産業の今日の事情から納付金をさらに引き上げるなんということはほんとうに何といいますか、たいへんな問題でございます。しかしながら私どもは、今度この納付金を引き上げるに際しまして、同時にうらはらとしての助成策も別にこれは来年度予算編成の内容によるわけですが、そういった配慮もいたしておりますので、こういった納付金の負担にたえられるような対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
 それから第四点の賃金債務が支払えなくなった場合に、それは未済として残こるかという御指摘でございますが、これは率直にお答えしますとそうなります。ただしこれは閉山いたします形態にもよりますが、たとえば大手のたくさん山を持っている企業におきましては、これは要するに石炭鉱業として生きているわけですから、依然として払えなくても、なお今後退職者は生きておりますその会社に対して債権の行使ができますから、これは必ず適当な機会にはまた支払えるであろうというふうに考えております。ただ一山一社の場合、肝心の会社が倒山しちゃった場合、この場合は遺憾ながらこの交付金の範囲内でしかもらえないケースが多いのではないか。一山一社の場合、炭鉱主が非常に資産でもあれば当然請求できるわけですが、完全に無資力な場合には、場合によりますと、この交付金の交付の範囲内だけにとどまるケースもございます。
 以上簡単でございますが、御答弁申し上げます。
#29
○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでありまするが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。石炭鉱業合理化臨時措置法及び石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本法案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#32
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(村上春藏君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#34
○委員長(村上春藏君) 次に、請願審査を行ないます。
 第一号、国産電子計算機振興のための利用増大方策の実施に関する請願外三件を一括議題といたします。
 本請願につきましては、理事会において慎重に検討いたしました、以下お手もとに配付いたしました資料によってその結果を御報告いたします。
 第一号及び第三号の請願は、いずれも議院の会議に付するを要するものとして内閣に送付することを要するものと決定いたしました。以上御報告いたします。
 ただいま報告のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#37
○委員長(村上春藏君) 次に、継続審査要求についてお諮りいたします。
 予備審査のため、本委員会に付託されました消費者基本法案、物価安定緊急措置法案の両法案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、両法案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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