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1949/03/25 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第3号
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1949/03/25 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第3号
昭和二十四年三月二十五日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○産業設備営団の業務上の損失に対す
 る政府補償等に関する法律案(内閣
 送付)
○日本專賣公社法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○派遣議員の報告
  ―――――――――――――
   午後一時三十八分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより大藏委員会を開会いたします。本日の議題は、産業設備営団の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案、日本專賣公社法の一部を改正する法律案、共に予備審査であります。で、この二つの法案の審議の後において、過般九州に出張をして頂きました税務に関する一般調査の派遣議員の報告を願います。川上嘉委員より願うことになつております。最初に産業設備営団の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案の政府よりの提案理由の御説明を願いたいと存じます。
#3
○政府委員(田口政五郎君) 只今議題となりました「産業設備営団の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案」について、提案理由を説明いたします。
 産業設備営団につきましては、産業設備営団法第三十九條の規定に基きまして、これまで政府は「予算外國庫ノ負担トナルベキ契約ニ関スル件」によりまして、昭和十六年度から昭和二十一年度までに同営団が受けました業務上の損失を、約二十四億円を限度として補償する旨の契約をして参り、この補償契約に從いまして、毎年度同営団に対して、補償を実施して來たのであります。その後同営団は昭和二十一年末に閉鎖機関に指定されましたが、その特殊清算は意のごとく進行せず、このために政府が只今申上げました契約金額の中約十三億円を補償しただけで補償契約期限を経過してしまつたのであります。ところが実際にはこの契約期限の経過後におきましても同営団は相当の損失を生じておりまして、これが延いては特殊清算の上に支障を來たしますと共に同営団の債権者である金融機関、企業等の再建整備を阻害することが予想されますので、この際政府におきましては同営団が昭和二十二年度及び昭和二十三年度において受けました損失を只今申上げました契約金額二十四億円と補償実施金額十三億円の差額である十一億円を限度として補償することにしますと共に、この損失の範囲及び損失金額につきましては從來の産業設備営団損失審査会が決定することといたしたのであります。
 次に只今申上げました補償債務の決済につきましては、この法律案の第二條に規定してありまするような條件の國債証券を交付することといたしたのであります。尚只今申上げました産業設備営団の損失補償を國債証券の交付により決済することに関連いたしまして、この法律案の第三條におきまして戰時補償特別措置法第六十條の規定に基く政府の地方公共団体又は特定機関に対する交付金約一億六千万円及び國民更生金庫の発行に掛かる更生債券に対する政府の補償債務約三億四千万円とを只今申上げましたと同じ條件の國債証券の交付によりまして決済することにいたしたのであります。以上がこの法律案を提出いたしました理由並びに本法律案の大要であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを切望する次第であります。
 只今提案理由を説明いたしましたにつきましてここに少し不十分の点もあると思いますので、前からの経過なり、金庫並びに営団の現状等につきまして少しく詳細に説明員より説明をさして頂きたいと思うのであります。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) それではちよつと速記を止めて。
   午後一時四十分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時六分速記開始
#5
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて下さい。
 御質問がありましたら御質問を願いたいと思います。
#6
○中西功君 ここに「契約の期限経過後」――経過してしまつたと書いてありますが、これは契約期限はいつだつたのですか。
#7
○説明員(神代護忠君) 二十一年度でございます。
#8
○中西功君 二十一年ですね。
#9
○説明員(神代護忠君) はあ。
#10
○中西功君 そうするとここで同営団が昭和二十二年、二十三年において受けましたそういう損失を十一億と見積つたわけですね。
#11
○説明員(神代護忠君) さようでございます。十一億と申しますものは限度でございますから、それだけ一応補償するということではございません、そこまでの限度は……。
#12
○中西功君 それでちよつてよく分らないのですが、それは十六年度から二十一年度まで同営団が受けた業務上の損失を二十四億と見積つて、そのうち、今までに十三億を補償したわけですね。
#13
○説明員(神代護忠君) はあ。
#14
○中西功君 それで残りは一応十一億ということになるわけですね、これは明らかに十六年から二十一年までの損失ですね、ところがこちらでは二十二年度及び二十三年度において受けた損失を今度補償するということになつているわけなんですね、で、一体これはいつの損失を補償するのか、これじやはつきりしないのじやないかと思うのですがね。
#15
○説明員(神代護忠君) お答え申上げます。從來の補償契約と申しますものは、只今御質問がございましたように二十一年度までの損失を補償する、ところが先程御説明申上げましたように、若しこれを打切れば、確定評價で決めました一一%というものは確保できませんので、更に実質的にはその補償契約の期限を後二ケ年間、二十三年度まで延期するという、実質的にはそうなるわけでございます。ところが実際にその間に損失全部を補償いたしますということになりますれば、これは非常に大きなものになりますので、これはそこの目安は一一%を確保するというところに重点を置きまして、前の補償契約のトータルでありました二十四億というものを頭に入れまして、その差額までは一応補償しよう、その金額を限度として補償したらいいだろう、そうすると一一%というものと確保できると、若しこれが二十二年、二十三年の損失を全部補償するということになれば、もつと厖大な数字になりますし、尚且つ債権者の債権整理の基準になつておりました一一%以上債権者に返えるということになるのであります。その必要はなかろう、そう考えたわけであります。
#16
○中西功君 まだどうもはつきりしないですが、も一遍ちよつと簡單に聞きますけれども、十六年から二十一年まで、同営団の受けた損失が、どんなようなものであつて、更に次には契約期限経過後におきましても、同営団は相当の損失を受けておりますことが書いてありますが、二十一年以降二十三年までに、どんな損失を受けたか、それをも少し御説明して頂きたいと思います。
#17
○説明員(神代護忠君) 十六年から二十年度までの間は、これは二十四億の契約内におきまして、十七年においては数百万、十八年度においては五千三百万、十九年度においては三億四千万、二十年度においては二億七千八百万、二十一年度においては六億二千九百万円、これが損失になつたのであります。それでこの額は産業設備営団法によつてできました、損失補償審査委員会によつて決定しました額でございます。それでこの以後更に閉鎖以後の損失と、二十三年度までの損失は、どういうものかとの御質問でございましたと思いますが、これは当時の損失補償契約書に基きますと、大体次のようなものを損失にあげるということになつております。それは國家緊要産業の設備賣渡しによる損失金、所有設備損害による損失金、船舶等賣渡による損失金、所有船舶の減失、毀損等による損失金、その他業務上取得した債権の回收不能による損失金、これらのものが損失補償の対象になる項目でございます。それで二十三年度におきましても、これらの項目に該当する損失が出ておるわけでございます。これはこの法案が通過いたしますれば、直ちに審査会に掛けまして、査定をいたしまして、審査会が決定をいたしますれば、決定に基きまして、その補償金額が決定するということになるわけでございますが、今の見通しといたしましては、私共同じ限度内で済むと考えております。
#18
○中西功君 その損失の、大体その設備営団の方の二十二年、二十三年ですか……、二十一年を含めてその業務内容というのは公開されておるのですか。
#19
○説明員(神代護忠君) これは御承知のように、閉鎖機関に指定いたされましてからは、いわゆる特殊精算というものに入りまして、閉鎖機関整理委員会というものが、閉鎖機関令に基きまして、その他一連の命令、或いは省令等によりまして、特殊精算をやつておりますので、業務そのものはやつておりません。それで、例えば資産を処分するとか、或いは債権を回收するとかといつたような上において、先程申上げましたような項目に該当する場合には、それを損失として考えておるわけです。
#20
○中西功君 だから私は実質的にはつきり第一聞きたいのは、一体十六年度から二十一年度までの損失分の中、まだ未拂分をここで補償しようというのか、それとも実際に二十一年の期限が切れたあとの二十二年、二十三年分の損失分を補償しようとしておるのか、どちらなんですか。
#21
○説明員(神代護忠君) 只今御質問のありましたのは、そのあとの方の考えであります。
#22
○中西功君 そうしますと、十六年から二十一年度までのはこれでもう打切つた、そうして閉鎖機関になつたあとの損失を、この法案で補償するのだ、そういうふうに理解できるわけですか。
#23
○説明員(神代護忠君) そうでございます。
#24
○中西功君 もう一遍聞きますが、閉鎖機関になつておつて、損失がこんなに沢山出たということは、私達非常に不思議だと思います。先程から言われたごとく、閉鎖機関中は業務しないわけで、いわゆる業務はしない、清算事務をするわけでしようが、それにしても余りにも酷い損失だと思うのです。これはもつと詳しく聞かなければ分らんでしようが、二十二年、二十三年、或いは二十一年閉鎖機関中の整理状況を相当詳しく述べて貰わなければならんと思います。
#25
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(櫻内辰郎君) それでは速記を始めて……。それでは本案については次回までに詳細なる資料を提出して頂いて、御説明を伺うことにいたします。
 それでは第二の、日本專賣公社法の一部を改正する法律案の御説明をお願いいたします。
#27
○政府委員(田口政五郎君) 只今議題となりました日本專賣公社法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明申上げます。
 日本專賣公社法は、第三回國会において可決せられ、本年四月一日より施行することになつておりますが、今回政府において決定いたしました、行政機構刷新、及び人員整理の方針と関連し、これが施行期日を本年六月一日に延期することといたした次第であります。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いいたします。
#28
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたならばこの際にお願いいたしたいと思います。
#29
○油井賢太郎君 これは行政整理をするという建前で延期するということなら、行政整理をして、そのあとで引渡しをするというふうに解釈できますが、どの程度の人員の整理を行うのですか、それと同時に專賣公社になつてからも、その人員のまま経営するということがはつきりと政府で以て監督できるのですか、その二点をお伺いいたします。
#30
○政府委員(原田富一君) 行政整理の方針はやはり一般の政府の行政整理の方針に從つて、專賣公社においてもやることになつておりますので……。
#31
○中西功君 何%……。
#32
○政府委員(原田富一君) 実際のところ、これは一般行政官廳が三割、現業官廳が二割の方針でございます。專賣局で実際に一般行政官廳と同じような現業でないもののところは三割、現業のところには二割、ただそれには專賣局におきまして、製造工場の拡張をやつておりますから、事業分量の殖えた程度の増員ということは別個に一応考えられると思います。そういうことで今案を立てております。それで実際に整理をやりますのは、まだ一応六月一日にやるという方針のようでありますが、はつきりまだ確定しておるように聞いておりませんが、実際問題として六月一日までに整理を終つて、公社になるのは、或いは方針が決つて、公社になつてからやるのか、まだ確定はいたしておりません。とにかく方針としましては一般の政府の方針に基いて、整理をやることになつております。ただ先程も申上げました通りに、專賣局が工場の拡張によつて、実際に殖やさなければならない人員は事業分量に応じて……、そういうことも考えられています。又予算の点でまだ案は確定いたしておりませんが、そういうように進んでおります。引継いだあとの監督はやはり大藏省でちやんとやつて行くようになつております。
#33
○中西功君 今日行政整理にしろ、御説明されたいろいろの刷新問題にしろ、公社にしては何故できないのか、公社にしてしまつて、その法律を発動して以後どうしてできないのか。
#34
○政府委員(原田富一君) 公社にしてもできると思います。ただ行政機構の問題もありますし、大藏省としての全体の機構の問題もありますし、專賣公社になりましても大藏省に或る程度の監督機関ということがあるわけであります。そういうことに関連して一緒にやるということでありまして、公社になると政府の方針でできないということではないのであります。ただ一緒にやるということ……。
#35
○中西功君 それは私はちよつとおかしいと思うのです。公社にした理由がどういうところにあつたか、勿論私は公社に賛成しなかつた、併しまあいずれにしろ、公社にするというのにはいろいろ合理的な理窟を沢山述べられたと思うのです。即ち今の專賣制より公社の方がいいんだといつてあの法案ができたわけです、だからその法案を早く実施して、そうしてその法案に基いた理想的な経営、それからいろいろの整理をやればいいのであつて、これを六月一日に延ばさなければならん、同時に國鉄法案があると思いますが、この二つを六月一日に延ばさなければならんというのは、私はどうも呑み込めないのです。これだけの理由じやないのだと思うのです。もつと外の理由があるからそれが延期されておるのじやないかと思うのです。吉田首相がはつきり言つておるじやないですか、この問題に関しては……。意味がないと思うのです、わざわざ延ばすという理由が……。私はこれだけの理由だつたら後からでも十分できる筈のことなんですね、そのときになつて公社法を一部改正という必要があれば一部改正すればよろしい、そんなことは政府はいつだつててきる筈です。何でこんな緊急に迫つて來てやらなければならないかという理由が全然呑み込めませんです、これだけじや……。本当のことを言つて貰わなければ……。
#36
○政府委員(田口政五郎君) 中西君のおつしやること御尤もなんですが、事務的にはこれは私は別に六月まで延ばさなければならんということはなかろうと思うのですが、これだけでなしに、先程お話になつたような鉄道の方もありますし、一貫した政策として一緒にスタートしようという意味で延ばしておるのですから、別に事務的に考えれば、この四月からやつて差支えないと思いますが、ただこれだけの事務的の問題でなく、全体の政府の政策に関連しました一連のこれが政策であるので、一緒に全部をスタートしたいという建前で、事務的にはおつしやる通りだと私は了解いたしております。
#37
○中西功君 それならば私はやはりこういうふうな説明理由だけじやなくて、もつとそういうふうに書いて貰いたいと思うのです。それについては、私はやはりこれは恐らく施政演説にも出るんだと思うのですけれども、一度吉田首相に來て貰つてそういう政治的な事情をはつきり我々に述べて了解を得ベきだと思うのです。これじや全く事務的ですからね、私はもつと外に大きな問題があるから延びるのだと思うのです。それならばそれの政策、或いは腹案について私は直接政府の責任者が一度、ここへ來てはつきり述べられたらいいと思います。相済みませんが、委員長にその措置をとつて貰いたいと思うのです。
#38
○黒田英雄君 私は只今政府委員の御説明がありましたが、そういうふうではないではないかというように考えて、説明を伺つておつたのですが、只今中西委員からの御質問は、この專賣公社だけでなく、他のいろいろの、或いは鉄道の公社とか或いは公団とかいうものと全体に関連して何か政府は考えておるので一緒にやつたのではないかというふうな意味のような御質問のように思うのです。政府の方でもこういうような答弁のように聞こえたのですが、私も御質問を伺つて、これは專賣公社についてはそれらが違つておつて、ただ公社を作れば大藏省の專賣局というものは廃止される、專賣局は廃止するが、併しながら專賣局の或るうちの仕事は大藏省の方に残して公社を確立して行かなければならんということが起つて來るので、そのあとに残すものが今度大藏省の機構を改正するのに関連をして、どういうところにその機構を置くか、どういう規模において置くかというふうないろいろな点が大藏省の機構改正というものと伴つて決めなければならんから、それがここ一ケ月か二ケ月を要するからそれが決まるまで延ばしたいという意味のように説明を伺つておつたのですが、そうではないのですか。
#39
○中西功君 それでも同じですよ、僕の言うことは……。
#40
○政府委員(原田富一君) 私先程中西さんに申上げたのは結局同じように考えてやはり一般の行政機構の刷新と関連してやるのは、やはり專賣公社と大藏省の監督機関をどうするかということと関連いたしまして、やはり同じ趣旨で……。
#41
○中西功君 それでもいいのです。いずれにしろそういう問題が現にある以上、そういうことについても多少我々にはつきり政府の責任者が説明しなければいかんと思います。(黒田英雄君「意見ではないか」と述ぶ)意見じやない当り前のことです。
#42
○政府委員(田口政五郎君) 中西君のおつしやるのは行政機構の改革なんかに関連してこれが遅れたのだ、それならそれで政府として、総理大臣として、そういうことを根本的に機構改革が遅れたということを予め説明して、それからのちにそれに関連したことを出して來いと、こういう御意見じやないですか、それはただ時間的に、事務的に申しまして、非常に遅れておりますから技術的にそれまで待てんので実は先に御先議を願う、そういう点をお含み願います。
#43
○中西功君 そればかりでなく、私は吉田首相が今までやはりはつきりと言明したところには煙草の拂下問題とか、國鉄の一部を拂下げる問題とか、はつきり言つておるわけです。單に大藏省の機構改革だけの問題でなくて、我々としては、この專賣の問題についてはいろいろ政府がどういうふうな考えを持つておるかということについては疑問を持つておる、若し吉田首相が新聞にそんなことを言わなければそのまま済むかも知れんが、やはりこれは一応そういう問題に更に行政機構の改革刷新の問題とも関連して、やはりそれを聞いた上でないと、ただこういうふうに時間もせつぱ詰つていろいろ用意ができませんからちよつと延ばして呉れというだけでは済ませることができないのではないか、こういうわけなんです。
#44
○油井賢太郎君 只今までの政府委員の御説明を聞くと、大藏機構の改革によつてどういうふうになるか分らんというようなお話も承つたのですが、大体ま恒は第三回國会で以て專賣公社法というものを決めて、四月一日から実行するとなつておる以上は、大藏省の内部でもそういうふうになるということは十分審議が盡されて決定しておつたものと我々は思つておるのです。それが今になつて又変わるようなふうにも聞こえるのですが、そんなにぐらぐらするものでもないと思うのです。こういう点について又人員整理の点についても、日本專賣公社に移つてしまつてから行政整理というものには対象にならないというような見地から、政府の手許にある中に行政整理をして、それで引渡すというような考えなのか、その点がちよつと不審に思われたのです。例えば行政整理をしないで、日本公社にしてしまえば、そうすれば政府の威令が行われんというふうにも聞こえるのです。そうなつた以上は、日本專賣公社というものは今後どんなことをやつても政府の意向と違つたことをやつても、抑えることもできないというふうにもなるのではないかと懸念される、それで特にこの点をお伺いしたいわけです。この点に対して政府委員の御説明を承りたい。
#45
○政府委員(原田富一君) 公社に関すること、或いは公社の内容がまだ変るかも知れんといふうな御質問のように承りましたが、その点はないのであります。公社のただ監督機関としてどういう形のものを大藏省に置くかという問題が公社とは別にあるわけです。この問題が大藏省の一般の機構改革と関連してやるという、そういうことなんです。それから整理の点等につきまして、公社になつてしまえば監督ができないで、例えば整理の問題でも、政府の方針通りできないのではないかというような点につきましては、これはもうそういうことはない、政府の方針に從つて今後もずつと先でもやられるものと思います。これは大藏大臣の監督下に属するものでもありますし、又公社の性質が非常に國家的の事業、國家的の性質を持つておりますので、これは十分大藏大臣の監督通りにやれるものと思つております。
#46
○油井賢太郎君 どうも大藏省の内部の機構改革についてまだはつきりした、つまり見通しがないという結論になるわけですね。
#47
○政府委員(原田富一君) これは大藏省の一般の機構改革に関連してやるというので、案としては大藏省として考えておるのですが、これが一般の政府の行政機構の刷新を六月にやるということになつておるのですが、まだ政府として決定いたしてはおらん、案としては勿論考えております。
#48
○委員長(櫻内辰郎君) 如何でしようか、今日は予備審査でもありますので、まだ御質疑を願う機会があることと存じますから、この程度でこの案の質疑は次回に続行することにいたしまして、留保して置きまして。
#49
○中西功君 次回に私は一つ大藏大臣か首相に來て貰つて、ここでそういうこれに関連した國税問題について一応説明するように取計らつて頂きたいと思います。
#50
○委員長(櫻内辰郎君) 要求して置きます。次に派遣議員の御報告を願いたいと思います。川上嘉君。
#51
○川上嘉君 九州班は波多野、伊藤両委員と私の三名でありましたが、視察の経過を簡單に御報告いたします。二月二十五日から約二週間福岡財務局管内、熊本財務局管内を視察いたしましたが、九州地区の特殊な事情とか、又各税務署のそれぞれの特別な事情について詳細に調査するといつたような方法ではなく、租税制度の全般に亙りまして、限られた短期間内で、一ケ所でも多くの税務署を訪ねたり、又どんな小さな会合にも出席し、一人でも多くの納税者に接しまして、廣く資料を集めるということに努力いたしたのでありまするが、予定通りの効果を收めることのできなかつたことは誠に遺憾であります。公聽会は福岡、鹿兒島で行い、尚税務署は福岡、熊本の両財務局を初めといたしまして、門司、小倉、八幡、福岡、博多、久留米、大牟田、鳥栖、佐賀、熊本、八代、鹿兒島、加治木、伊集院、宮崎、都城の各税務署を訪ねました。公聽会には必ず税務署長とか、又各税務署の課長とか、或いは各係長に出席して貰つたのであります。先ず九州全般から見まして、確定決定の通知を発送したばかりのところでありまして、異議を申立てる者が役所に殺到しており、而も年度末を目前に控えまして、厖大な税收入目標達成に向いまして、どこの税務署も猫の手も借りたいといつたような忙しさで、目曜も返上いたしまして、家庭生活も顧みる暇もなく、速日超過勤務の惡戰苦鬪を続けていたようであります。この地方では、政府が心配しておるがごとき納税を阻害するような団体の反税活動は殆んどないということができます。納税思想も決して低調ではなく、不利な條件といたしましては、全般的に見て納税資力が非常に涸渇しておるということができます。尚税務の事務が非常に煩雜多忙を極めておるにも拘わらず、人手が非常に不足しておるということであります。全般的な見方は大体以上でありますが、次に具体的な問答は簡畧いたしまして、納税者並びに第一線税務職員の声及び要望を要約して、もう少し詳しく報告いたしたいと思います。先ず納税者の側から申上げますと、運用の面につきましては、税務職員が非常に不深切である。言葉も乱暴で、納税者を最初から罪人扱いするといつたようで、質が非常に低下しておるとの非難が多い。次に実地調査が不十分、不徹底で、各種目間の権衡が不公平である。所得の実額捕捉が曖昧で、國税の権威が失墜しつつあるとのことであります。正直者の申告も、不正直な者の申告も同じように取扱つておる、又納税者から提出するいろいろの資料にいたしましても同樣な取扱いをしておるから、この際是非とも正直な者と不正直な者とをはつきり識別して貰いたいとのことであります。特に取引高税の更正決定のごときは、納税者を思想的にも非常に惡化しておるといつたような現状であります。
 尚滯納者に対する差押え、公賣等に言つても、納税者の苦境を汲み取つて、正直な者と不正直な者とを見分けして貰いたい。
 更に税法がある限り、封建的な税金の割当はあり得ないことでありますが、いうところの收入目標に相当無理があるのではないかとの非難が囂々としております。次に立法面につきましては、第一に税金の負担が非常に重い、政府は國民所得と税率の割合が英米に比較して非常に低いと発表しておるようであるが、國民所得は仮想の数字であり、税金は実額であるから、ここに矛盾があり、無理がある、納税者に取つては死活の問題であるから、國民所得は科学的な根拠に基いて、できるだけ完全に近い正確なものを算出して貰いたいということを強く要望されております。
 次に吉田内閣は取引高税の撤廃、所得税の軽減といつたような公約を是非とも履行して貰いたい。衆議院の議席も二百六十六人の絶対多数を占めているのであるから、是非とも公約を履行して貰いたい、國民は心から期待しているとのことであります。
 次に申告納税制度を再檢討して貰いたいとのことであります。納税者は予定申告、修正申告、確定申告等、息つく暇もなく税務署への報告に追われており、又税務職員は更正決定、確定決定、これにそれぞれ伴う異議申立てなどの事務で、いやが上にも事務が煩雜、多忙を極めております。年度末を目前に控えて確定決定の通知を受取るのであるから、納期が非常に短かく、而もこの間に一時に大金を納税しなくてはならない苦境を汲み取つて、合せて納期の問題も檢討して貰いたいとのことであります。尚これに関連いたしまして附加えて置きますが、税金の負担が重く、その上納税資力が涸渇しておるから、税金の分納について何らか適当な措置を講じて貰いたいとのことであります。
 次に現在の税務機構、税務事務の不備を補うために、公選による所得税調査委員、名称は税務協力委員でも税務委員でも結構ですから、この際外部からの協力を俟つといつたような制度を設けることが必要である、尚これは労働組合や農民組合からの切実なる要望でありまするが、民主団体と適当に協力して、これを是非とも活用して貰いたいとのことであります。
 次に國民の最低生活を脅かすがごとき点を是非改正して貰いたい。これがためには少額所得者の税率を大幅に引下げる、尚基礎控除、扶養控除の大幅引上げなどが強く要望されております。又これに関連しまして、同居家族の総合所得を檢討して貰いたい、これは昨日油井議員からもお話がありましたが、大口の所得者は別といたしまして、家族の全員が働きに出かけなくちやならないような貧乏な家庭におきまして、家族の一人々々の僅かな所得を掻き集めてまで合算して課税をするがごときは苛酷である。この点を十分に血もあり涙もある措置を檢討して貰いたいとのことであります。尚個々の俸給生活者で、家庭で妻子が細々と農業をやるとか、営業をやつておるとかの場合の総合所得についても再檢討を加えて貰いたいとのことであります。
 次に大口の闇所得、大口の脱税者を捕捉して貰いたいとのことです。これがためには最近國税査察法が発足いたしまして、随分活動しておつたようでありますが、この結果が、却つて比較的に良心的で眞面目な経営者が槍玉に挙げられまして、隅から隅まで塵一つ残さずといつたような筆法で、嚴重な調査を受けて、その結果が、非常に破産するがごとき立場に追込まれている、從いまして大口所得者に対しては依然として大した効果が挙つていないとのことでありまするので、この点十二分に檢討して貰いたいとのことであります。
 次に國税と地方税との徴税の問題でありまするが、この問題も昨日天田、油井両議員から詳細に報告があつたようでありまするが、法人税の場合におきましても、個人税の場合におきましても、國税と地方税とを合せると、税額と所得額とが殆んど同額となり、又は遥かに税額が所得額を上廻るといつたような変な実例がありますので、この点を大いに檢討して貰いたいとのことであります。尚差押え物件を競賣するような際にも、差押えされた者の住所氏名を一々掲示することは止めて貰いたい。滯納して差押えをされたことが、隣り近所に対して身を切らるる思いでいるのに、一々住所氏名を税務署の掲示板に公示されたのでは全く自暴自棄にならざるを得ない。この点も特別に檢討して貰いたいとのことであります。尚正直な申告納税者に対する何らかの報奬制度を設けて貰いたいとのことであります。
 次に織物消費税の撤廃、それから特價酒、焼酎の價格の引上げなどが要望されております。以上は納税者の声及び要望であります。
 次に直接税務の第一線に携つております税務職員の側から申上げますというと、先ず第一に納税者は喜んで、進んで納税することができ、税務職員は愉快に健康で十二分に働くことができるような、民主的な税務体制を一日も早く整えて貰いたいという希望であります。税務の機構、制度、施設について根本的な分析、調査、檢討を行つて、税務行政を刷新改善改革して貰いたいとのことであります。こうした目的を果すために、最近税制審議会が発足しているようでありまするが、これはまだまだでありまして、國会の権威者を網羅して特に税務職員の中から優秀な経験者を参加させて、その機能を十二分に発揮すべきであるとの要望が強く現われております。
 次に税務の事務は現在非常に煩雑多忙を極めており、一つの仕事が未済のうちに次から次へと新らしい仕事が加重されて來ると、人手が少い、熟練者が少い、徴税費が少い、すべての法律の中で税法ほど改廃の烈しいものはない、殆んど毎年、それどころか毎國会、改廃が論議されたり、又事実改廃が行われておる。こうしてこの新税法、改正税法を十二分に研究する暇のない程多忙を極めている。尚如何なる階級の人に対しても等しく納税者である以上、相手の所得の内容、財産の内容を調査しなくてはならないのでありますから社会的にも経済的にももつとその地位が確保されなくちやならない。こうした税務職員の職務の特異性を十分に認識して貰いたいとのことであります。
 次に所得の実額を正確に捕捉できるような権威のある科学的な調査方針を立てて貰いたい。こうした目的を果すために大藏省当局では、主税局並びに財務局に税務能率刷新調査会及び調査室を設けて努力しているようでありますが、これはまだまだでありまして、更に一段の努力と措置が要望されております。権威のある科学的な調査方針を立てるために特に要望されている資料をここに二、三挙げますと、先ず第一に税務職員の大幅増員を行うこと、それから税務職員の素質の向上、納税者カード作成、資料の蒐集、税法の簡易平明化、業況指数の作成、預金調書の作成、組織団体の使命を更に一段と活用することなどに万全を期して貰いたいとのことであります。
 更に銀行を調査する権限を賦与して貰いたいとのことであります。尚納税者はその大部分が帳簿もなく、又あつても不備であるとか、又は誤つた記載をしているとかで正確に自分自身の所得を算出できるものが殆んどなく、從いまして自分の所得額の決定に対して不服があつても、正当な理由が成り立たないといつたような次第でありますから、こうした面で納税者を指導善導する方策を講ずべきであるといつたような要望があります。
 次に設備の拡充でありますが、廰舍の改善、交通通信の設備、自転車、トラツク、自動車などの設置、その他吏員の増員が要求されております。御承知の通り税務署はどこに行つても廰舍が非常に狹くてきたないのでありますが、殊に今回廻つたところの福岡縣の門司の税務署、更に熊本縣の八代税務署、更に鹿兒島縣の加治木税務署等は非常にひといのでありまして、こういつた点については即刻廰舍の改善を講ずべきである、かように考えます。
 尚最近頻りに差押えをやりますのでその差押え物件を運ぶためにトラツクが是非とも必要であるというようなわけで、トラツクも設置して貰いたい、更に乘用の自動車も各署に一台くらいずつ設置して貰いたい。
 尚次に税務職員の職務に応じた待遇といたしまして徴税費の大幅引上を行う、更に旅費の増額、超過勤務手当の増額、住宅費、交通費の支給、更に福利厚生といたしまして、被服、靴、加配米等の現物支給の外、医療施設の完備などが要望されております。
 次に待遇改善と四十八時間制の問題でありますが、これは両方とも現在全財労組並びに日財労組の二つの組合から強く要望されておりますが、先ず待遇改善について申上げますと、平均三号俸取消を即時撤回しろとのことであります。実は二十三年度の一月一日現在、職階制号俸切替えのときに、税務職員は特別職階であるにも拘わらず、一般職員と同程度か若くはそれ以下になつていましたが、去年の九月頃正確な資料、基準を掲げまして、その誤謬なることを指摘して、組合として大藏大臣に訴へましたところ、丁度この頃給与局におきましても調査中でありまして、その調査の結果が、組合の要求なるものが正当であるとの事実を発見いたしまして、財務職員全体に対して大体平均三号俸の引上げを行なつたそうであります。ところがその後間もなく職階制号俸切替えのときに、又その後におきまして、闇昇給が他官廰において相当なされたとの理由によつて、昭和二十三年の十二月一日、六千三百七円ベースに切替えの際に闇昇給は一際取消すとの政府の指令によりまして言うところの闇昇給は皆んな取消になつたそうであります。ところが税務職員は実際正確な資料、正確な基準に基いて昇給したのにも拘わらず、このとき九月の昇給そのものが、やはり一律に闇昇給であるという工合に見做されて取消されたそうであります。この取消は、飽くまでも不法であるから、早急に撤回して貰いたいとの要望であります。
 次に四十八時間制の問題でありまするが、これは現在全官公廰職員が、反対しておりますが、特に財産職員としての反対の理論的な根拠をここに掲げますと、御承知の通り非常に人手不足である、熟練者も不足しておる、事務の煩雑、多忙、更に住宅難、交通難等で、仕事の分量が非常に過重である、好むと好まないに拘わらず、最盛期には殆んど一年中の大半は、日曜返上してまで夜勤を続けなくちやならんといつたような現状で、特に最近は労働過重から職場には病人が続出しているといつたような悲惨な実情であります。尚ずつと以前から税務職員は早出晩退の理由があると言われておる程でありまして、今更今頃になつてわざわざ四十八時間制を嚴密に適用することもなかろうと思考されます。かかる見地から四十八時間制に対しても更に一段と檢討を願つて止まないとのことであります。
 以上簡單に納税者、並びに第一線で日夜苦闘を続けております税務職員の切実な声、眞摯な要望を報告したのでありまするが、これを單なる報告として取扱わず、特に大藏省におきましては、今後税法の立案更に機構、制度、施設などの一切の企画の中に、こうした一般の切実な声、要望を是非共織込んで頂きたい。特に私はこの点を強調して止まないのであります。
 尚このたびの税制の調査は、議員が議事堂から外部に踊り出て、國民大衆の中に深く入り込んで行つて、直接生きた資料を集めて知識を啓発することができるという点から見まして、又他方、当局と納税者との摩擦を少くすることができたりするといつたような点から見まして、非常に有益であり、今後共かかる計画が実施さるべきとの希望を附加えまして、簡單でありまするが、報告を終ることにいたします。
#52
○委員長(櫻内辰郎君) この際委員長として一言申上げたいと存じます。國会が自然休会の間を利用いたしまして、大藏委員会から税務に関する一般調査のために、東北班、関西班及び九州班の三班に分れて御出張を願いまして、三班から詳細なる御報告に接したのでありまするが、誠にその間にありまして、各地をお廻り願つて、そうして有益なる御報告に接しましたことを衷心から感謝の意を表する次第であります。本日はこれを以て散会いたしたいと存じます。
   午後三時十七分散会
 出席者は左の通り
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   專賣局長官   原田 富一君
  説明員
   大藏事務官
   (管理局閉鎖機
   関課長)    神代 護忠君
ソース: 国立国会図書館
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