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1949/03/31 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第7号
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1949/03/31 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第7号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第7号
昭和二十四年三月三十一日(木曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日(木曜日)委員松嶋喜作
君辞任につき、その補欠として西川甚
五郎君を議長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○金資金特別会計法の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○國有鉄道事業特別会計法の一部を改
 正する法律案(内閣提出衆議院送
 付)
○酒類配給公團法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十四年の所得税の四月予定申
 告書の提出及び第一期の納期の特例
 に関する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○産業設備営團の業務上の損失に対す
 る政府補償等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。最初に金資金特別会計法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#3
○小川友三君 金資金特別会計法の一部を改正する法律案につきましては質疑は相当進んでおりますが……
#4
○中西功君 ちよつと。
#5
○小川友三君 今中西先生から質疑の申込が出ましたので討論の何の動議をちよつと延ばしまして、中西先生にどうぞ。
#6
○中西功君 昨日政府委員の方から二十四年度においては金を増産するというふうなことがあり、これに関連して今度の金資金への繰入関が問題になつておるわけであります。ところでその増産します場合に國内消費の方はかなり制限されておる、それを輸出の方に廻すというふうな話でありますが、私は、お聞きいたいのはそれを輸出に廻した場合に、一体現実にどのような方面にどのようにして使われるのか、又今後相当使われる可能性がどの程度あるのかという点が一つ。更にこれはもつと大きな問題なんですが、國内でそのように金を生産して相当の生産費が嵩んでおりますが、それを國外に持つて行きますと、昨日の話では一トンが三億二千六百万円、それがアメリカの金に換算すると、百十万ドルぐらいにしかならないのです。私はお聞きしたいのは、そのような百十万ドルというのがこれは相当の、この爲替レートは三千二百六十円、こういうふうなまあ爲替レートになつておる。ところで國内で使うために増産するというのでしたら話は分る。だけれどもこういう馬鹿げた不生産的なものを、日本でわざわざこういう金を使つて費して造つて輸出するよりも、むしろ輸入せんでもいいように、この金を農地改良費なり、或いは災害復旧費なり、そういうものに当然向けるべきだと思うんです。こんな馬鹿げたことはないし、おかしいと思うし、若し爲替レートが三百三十円か、或いはその前後で設定されたならば、こんな輸出なんぞは問題にならなくなる。若しそれを強行するとすれば、今度は輸出のために非常な補償金が要るということになる。それで私はこういうふうな政策が非常に馬鹿らしいと思うんです。私の計算が或いは違つておるかも知れないが、そういうふうなところを專門家の人がおりましたらもう少しお聞きしたいと思います。大体質問の要点はそこなんです。
#7
○政府委員(田口政五郎君) 今專門家の人が來ますから、もう少しお待ち下さい。
#8
○委員長(櫻内辰郎君) それでは本案に対しまする審議は説明員の方が見えましてからすることにいたします。
#9
○委員長(櫻内辰郎君) この際國有鉄道事業特別会計法の一部を改正する法律案の御審議を願います。政府から委員が見えていますから質問だけを願つておきたいと思います。御質疑がありましたら……
#10
○中西功君 委員長、済みませんが、昨日説明は聞いたんですが、これは非常にややこしい問題でここに專門家が見えているなら、もう少し詳しく説明して頂きたいと思います。
#11
○委員長(櫻内辰郎君) どういう点を御質疑になつていますか。中西君、御質疑は……全面的に説明を聞きますか。
#12
○中西功君 非常に技術的なことなんですがね、問題が……全面的に要点に從つて説明して頂きたいと思います。
#13
○委員長(櫻内辰郎君) それでは政府委員。
#14
○政府委員(三木正君) 鉄道総局の総務局長三木と申します。御説明いたします。この法案の第三條第二項を改正いたしますのは、減價償却引当金の外にその他の引当金を設ける必要が生じたためにこういうものを書いたわけであります。第九條の第二項を改正いたしますのは……
#15
○中西功君 私の要求したのはそういう條文の説明ではなく、今までこういうふうにやつて來て、こういう不都合が生じたために、こういうふうに直して貰いたい、こういうふうな説明を要求しておるんで、そうなふうに読んで行くなら別に手数を煩わす必要はないんです。
#16
○政府委員(三木正君) 第三條は源價償却引当金だけが法律に規定してあるのでありますが、その他に経理上引当金をもつと作らなければならん場合を生じますので、こういう改正をお願しておるわけであります。第九條は全く技術的で引当金ができますと、その引当金に相当した勘定区分をしなければならないので、それをお願しておるのでございます。それから第二十四條第一項を削除いたしますのは、從來御承知の通り陸運監督費、私鉄なり、自動車なりの監督をいたしますものが特別会計が支弁されておつたわけであります。それで本年度はその支弁の財源を一般会計から繰入れておりますが、会計法上はやはり鉄道特別会計の費目として支出されておつたのでありますが、御承知の通り國有鉄道が公共企業体になりますと、監督と運営とを截然分けるということになつて、公共企業体ができますときに分ければよいという考えがあるかも知れませんが、予算は一年を通じて、殊に企業体の予算は一年を通じてやらなければなりませんので、二十四年度の予算から監督費を特別会計から除きまして一般会計の方にいたしたいために、この特別会計で支弁することができることとなつておる項目を削除いたしまして、國有鉄道事業特別会計は事業運営に必要な予算のみを計上するということにいたしたいために、こういう改正をお願いしておるわけであります。
#17
○中西功君 今までそれはどのくらいあつたですか。
#18
○政府委員(三木正君) 本年度予算約十四億……それから附則に参りまして、國庫余裕金を繰替使用する暫定的規定を設けましたのでありますが、これは以前は國有鉄道事業特別会計、一般会計とその資金の余裕があつた場合には相互融通することになつておつたのでありますが、昭和二十三年度から実施されました特別会計法の改正におきまして、一般國庫の余裕金を鉄道特別会計が、應急の場合において一時繰替使用することができるという條文が落ちたのであります。併し鉄道の資金に余裕があるときには一般会計は、勿論これは國庫金でありますから自由に使用されておるのでございますが、これは片手落な措置でもございますし、それから現実に予算で認められましてから一時借入金をやります場合にも、関係方面の許可その他に非常に日数を要しますので、非常に資金の逼迫を來しましたような場合には、成規の現在の法律の手続によつておりますと非常に日数を要しますので、若し國庫金に余裕がある場合にはこの條文によりまして、一時鉄道の会計で使用することができるようになつたらば非常に事業運営に好都合であるので、こういうことを御願いしておる次第であります。
#19
○中西功君 一般会計からの融通をするというわけですか。
#20
○政府委員(三木正君) そうでございます。現在鉄道特別会計の事業資金に余裕のある場合には、勿論これは國庫金でございますから大藏大臣が御使用になる分もあると思いますが、反対に私共の預託金が非常に枯れて來た場合に、國庫に余裕のある場合にそれを融通さして頂くことができないのでございます。それを是非できるようにして頂きたい。特に最近のように金詰りの場合には非常にそういう必要もありますし、更に又先程申しました通りそれを予算に認められました一時借入金として、日銀から借入れる場合には非常に手数を要しますので、早急の場合に応じ難いこともあるのであります。更に又日銀から借入れますれば利子というような問題も起きて参りますので、我々の方の金を使われる場合にも今のところ利子はございませんが、國庫余裕金から利子を附けないで借して貰えるように、こういうことにいたしたいのであります。
#21
○中西功君 独立採算制ということは、私は賛成じやないのですが、それとの関係はどうなるのですか。
#22
○政府委員(三木正君) これは別にございません。資金の面の話でございまして、以前からもこれはずつて行われておつたのでありますが、ところが会計法を改正いたします際に、どういう関係かこれが落ちておるので、非常に不便であるし、我々としてはただ手落ちだと思うのでやつて頂きたい、これが五月一杯になつておりますのは、別に変りがないのでございまして、特別会計が一應五月一杯でなくなることになつておりますから、それで五月までが切つてあるのでございます。
#23
○木村禧八郎君 それに関連しましてこれは、建前勘定のみについてのことですか。
#24
○政府委員(三木正君) 建設勘定でもなんでもすべてを通じて資金の面でございます。
#25
○木村禧八郎君 それでは今度の予算編成に当りまして、例の司令部の方から内示がありました建設資金、この点は鉄道ばかりでなく通信の方も関連がありますが、日本銀行から借入れるとか或いは公債発行、これは認められないことになつているようですが、伝えられるところによれば貿易資金特別会計に生じた黒字を以て特別会計を設け、それを一般会計に繰入れて、そういう方から鉄道とか通信の建設的な工事に資金を融通すること。
   〔委員長退席、理事黒田英雄君委員長席に着く〕
 それに対應する立法技術なんですか。
#26
○政府委員(三木正君) そうではございません。それとは全然違いまして資金が一時枯渇しました場合に國庫金に余裕があると、予算は私共の方はございますが現金がない、当然收入さるべき現金が未拂で入つて來なかつたり、いろいろな関係上資金の出入りに波があつたりした場合に、会社でいえば一時借金をしたり約手を発行したりしなければなりませんが、我々の関係ではそういうことができませんのでございます。一般國庫金に余裕がある場合には國庫金から一時融通支拂をする。勿論予算の限度で抑えられることは事実であります。ただこれは現金の問題でございます。
#27
○木村禧八郎君 ほんの金繰りの問題ですね。
#28
○政府委員(三木正君) そうでございます。
#29
○木村禧八郎君 そういう実際問題として一般会計に余裕がありますか。
#30
○政府委員(三木正君) ない場合は勿論できません。ある場合に大藏大臣の御承認があつてその場合しかできませんが、常にできるというわけでございません。これがございませんと、余裕金がありましても、私共に予算がございましても、ただ一時現金の都合で拂えない場合がある。こういうためにお願しておるわけです。
#31
○中西功君 ちよつとついでに今木村さんが言つた問題ですが、今度の國鉄の建設資金問題については、予算の編成の過程でいろいろ問題があつたと思うのですが、そういうふうな新らしい問題はこの中には全然含まれていないのですか。
#32
○政府委員(三木正君) 今の問題は全然含まれておりません。
#33
○中西功君 ついでにあなた知つておる範囲で建設資金の問題を……
#34
○政府委員(三木正君) 若し今のようなお話になれば、それは財源をどこに求めるかということの問題だと思います。
#35
○中西功君 財源を求めるというだけでなく、会計を組替えようとしておるのじやないですか。
#36
○政府委員(三木正君) 私共大藏省でどうお考えになつておられるか存じませんが、我々鉄道といたしましては、指定された財源から財源を得まして、予算で認められた方法によつてそれを支出する、そういう点は大藏省の方も見えましたから、そちらのほうから聞いて頂きたいと思います。これには関係はございません。
 附則の第三條は、貯藏品の評價替に関する規定でございまして、これは前に御説明したと思いますが、最近のように物價が上ります場合に、若し買つた値段でこれを使つておりますと、鉄道のような仕事は必ず一定の物を持ち毎年一定の物を使つて行かなければなりませんので、それを在來のように、次に買うときには高くなつて買えないものを公債その他で補給しますことは、鉄道の財源を健全にするゆえんでない、だから物價の公價の改訂がありました際には、手持の品物を全部その新らしい値段に直しまして、それによつて予算を使つて行く。そうしませんと、安い値段でやつておりますと、名目上の予算よりは実質上に沢山の仕事をする代りに、明くる年において次のものを買うための資金の補充をしなければならん、それは健全でないから、公價の改訂があればその新らしい公價によつて物を使つて行つて予算を使用して行く。これまで五円で買つておつたのが今度公價が十円になつたら、十円にして決算をして行く。そうすると運転資金と申します勘定が自動的にそれだけ次のものを買う資金が得られる。かようにしますために作つた條文でございます。
 それから附則の第四條は、陸運監督費等に関する規定を書いてあるのでありますが、第二十四條の第一項を削除しまして、それに伴いまして二十三年度の歳出予算が、歳出になつたものはよろしうございますが、歳出にならなかつたもの、その予算一定のものは繰越を認められておりますので、その繰越を認める、或は繰越を認められないで資金の余つた場合は一般会計にお返しするというために設けてあるのであります。先程申しました通り、六月からコーポレーシヨンになりますので、一般会計と、監督行政の内容と運営の面を分けますために、これだけ鉄道特別会計に所属しておりましたこの監督行政分のものを、跡始末をここで規定したわけであります。
 それから附則の第五條は、昨日も御説明したと思いますが、五月二十一日に終るであろうこの会計の最終決算においては、約七十六億円の欠損の予定額を見るだろうと思うのでありますが、これをこういう経済の変動期でもありますし、一應こういう勘定を設けて欠損の処理をしておきたいという、最終の結論はどうなりますか分りませんが、とにかく五月三十一日にこの会計がなくなりますときに、次の公共企業体に移り得る態勢を整えますために、こういう勘定を設けておきたい、こういうために規定してあるのであります。それから附則第一條は、これらの諸規定のそれぞれの適用の費用を明らかにしたのでありまして、各條文に、二條及び五條ははつきりした適用の何が書いてありますからこれは除きまして、その他の規定については二十四年度から、但し第二十四條の貯藏品の評價替のことにつきましては、これは本年度から、昨年の七月に價格の改定がございましたから、これは適用して貰いたい、こういうことを規定したわけでございます。
#37
○中西功君 現在相当多額の欠損金を有しておるのでありますが、この欠損金というのはどんな性質のものですか。
#38
○政府委員(三木正君) 昭和二十三年度におきまして、運賃の値上がいろいろな事情で抑止されまして赤字を生じたのでありますが、その一部のものは繰入金によつて一般会計から繰入れられたのでありますが、その繰入の法律が出ます前に生じておつた赤字を、借入金によつて賄つておつたのです。その額がこの七十六億に当るのです。
#39
○中西功君 それから二十二年度も二十三年度を繰入れたわけですが、二十二年度の追加予算のときであつたと思いますが、この繰入は普通一般の繰入とは違つた條件でついておると思うのですが、その繰入はその後どうなつておるか。確かあのときには單なる一般会計からの繰入でなくして、或る時期にというような何が條件がついておつたと記憶しております。その点はどうなつておりますか。
#40
○政府委員(佐藤一郎君) 法律の條文を私は自分で見ておりませんが、確かあると思います。後日ということになつておりまして、これは外にもいろいろ例がありますが、おのおのの場合に應じて決めてあるわけです。それをどうするかということは、今後の日本の國有鉄道の経営と政府の財政というものと睨み合せて、今後決める問題でありまして、現在は何らまだはつきりした結論は出しておりません。現在は方針としてまだこれをどういうふうにするかというような点は、はつきりと決まつておりません。注文にございますように後日ということになつておりますので、そういうことでありますから……
#41
○政府委員(三木正君) 以前に鉄道会計から臨時軍事費に繰入れた場合にも返すということになつておりましたが、その法律が廃止されるときに法的処置によつてその結末がついたのでありますが、今度もこれの処置はいずれ後日法律によつて決めて頂かなければならんだろうと、こういうふうに思います。
#42
○中西功君 七十六億の借入金としての赤字があつたということなんですが、これはすでにあの当時二十二年度のときに分つておつたものですか、それともその後こういうふうな会計をした結果が、七十六億という欠損金になつておるのですか、どちらですか。
   〔理事黒田英雄君退席、委員長着席〕
#43
○政府委員(三木正君) 当時の会計を予定して特別の借入金を認められたものであります。
#44
○中西功君 それが誰が認めたのですか、どういう法律に基いて……
#45
○政府委員(三木正君) 予算によつて認められたのであります。
#46
○中西功君 それは特別会計のときに……
#47
○政府委員(三木正君) 單独の法律で認められたわけであります。赤字借入は……
#48
○中西功君 ここに本案について、運輸省側が「貯藏品の價格を改定し、これに困り回收する資金をもつて、貯藏品」ということがありますが、物價改訂をするのかということですが、マル公を上げてそしてその利鞘を運転資金に使うかということをお聞きします。それでなければ貯藏品の價格を改定するというのはどういう意味合でありますか。
 それから改定した場合にどのくらいの運転資金ができるかという見通しをお聞きします。
#49
○政府委員(佐藤一郎君) 只今の問題はこの條文説明をお読みになると分りますように、價格が改定になると、貯藏品の勘定としては高く新らしき物は買つて賄わなければならない。ところが賣拂う物は從來の安い價物を以て賣拂つて行くということになりますと、貯藏品勘定が段々細つて行く、そこで賣拂う場合においても今後新らしく高くなつた價格で賣拂うという措置を講じたい、こういうことであります。
#50
○中西功君 今までやつていなかつたのですか。
#51
○政府委員(佐藤一郎君) 從來も必要に應じてやつております。ですからこれで利鞘を稼ぐというような思想ではございません。
#52
○波多野鼎君 ちよつとその点に関連して、賣拂うというのは工事請負人などに拂うというのですか。
#53
○政府委員(佐藤一郎君) 御承知のようにこの勘定は中間勘定でございまして、これから又鉄道の中の損益の勘定でございます建設勘定別に勘定が分れておりましてそちらへ賣ることになつております。
#54
○小川友三君 帳簿上の價格ではないのですね。
#55
○政府委員(佐藤一郎君) そういうことです。
#56
○木村禧八郎君 そうしますと全体として鉄道の予算はこれで膨らむわれですか。
#57
○政府委員(佐藤一郎君) それは受ける分で高く買うように組んでございます。ですからどうしてもその範囲においては膨れておるわけであります。
#58
○小川友三君 本案につきましての予備審査はこれを一時打切つて頂きまして、今度は金資金の方に移つて頂きたいと思います。皆樣にお諮りいたします。
#59
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ありませんか……。それではそういうふうにいたします。
#60
○委員長(櫻内辰郎君) 金資金特別会計法の一部を改正する法律案の審議に入ります。
#61
○小川友三君 本案法につきましてはすでに質疑は十分に近い程度にされたことと思いますので、この際質疑を打切りまして、討論に入りますことをお諮り申上げます。
#62
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御発言に対して御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めまして討論に入ります。
#64
○小川友三君 政府の原案に対しまして私は修正意見を持つております。歴代の政府は、終戰後金生産の能率を非常に低くやつておりますので、これに不満を持つものであります。一ドル二百九十円程度の爲替換算になりますこの有利な金生産を、非常にスロー・モーシヨンにしておるということは、國家再建の建前から、経済九原則の実施の意味からして甚だ不満でありまして、政府はこの際終戰前の昭和十七年程度の、一年間に二十五トンの金の生産をするということに重点を置いて頂きたいということは、去年以來の本議員の提案であります。それで爲替レートが一ドル三百三十円という案がありますが、併し金が沢山できれば、二百九十円程度で爲替レートも確立する見通しがつくのでありまして、特に強力なる吉田内閣においてはこの点に重点的にやつて頂きたい。
 又失業者が相当出ておる。産金事業に何十万の失業者を廻して失業救済をするという見地からしても、私は本原案の金額が余りに僅少なので反対いたします。私は百億にこれを増大いたしまして大いに能率を上げる、百億あれば三十五トンの金が全部買えるのでありまして、その修正意見を出しまして本案に私は反対いたします。
#65
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。それでは他に御発言もないようでありますから、採決に入りますが、小川君の修正意見に賛成のお方の御挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#66
○委員長(櫻内辰郎君) 少数、否決であります。では金資金特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#67
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  米倉龍也、木村禧八郎、黒田英雄、油井賢太郎、伊藤保平、波多野鼎、小宮山常吉、木内四郎
#69
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか……。なしと認めます。
  ―――――――――――――
#70
○委員長(櫻内辰郎君) 次は酒類配給公團法の一部を改正する法律案の御審議を願います。御質疑がございましたら……
#71
○伊藤保平君 酒類公團を廃止されました後、納税上におきましても亦取引の円滑を期しまする上におきましても、中間の卸機構とか或いは荷受機関というものが必要だと思いますが、この点につきまして政府はその必要をどの程度までお認めになつておりまするか。又それが必要だといたしまして、今後三月間に満足が得られるような、公團に代るそういう中間機関ができるお見込でございまするか、先ずこの点をお伺いします。
#72
○政府委員(田口政五郎君) お答えいたします。公團廃止後納税料並びに取引料を円滑にするために中間の荷受機関の必要はないが、若し必要があるとすれば三ヶ月間で完全な荷受機関ができる見通しはあるかというお尋ねであると思います。公團廃止後にこの公團が今日まで酒類の配給並びに徴税上に大きな役割を盡しておりましたので、廃止後も雖も徴税という大きな問題と、又酒の円滑な配給という両面に亘りまする機能を円滑にするというために、是非中間のこれに代るべき機能を発揮するような強力な荷受機関が必要であろうとは存じております。これに対しましては今後三ヶ月間の猶予期間を頂いて、その間に大藏省といたしましてはあらゆる方面からの協力を得まして、公團に代る機能を十分発揮し得るような立派な中間機関を作りたいと、目下研究中でございます。
#73
○伊藤保平君 今まで政府は公團に対しまして全面的に指導しておられまするし、又配給面におきましても計画を立てて、そうして地域的偏在のないように、全國で公平にやつておられますことは事実でありまするが、今後これを野放しにいたしますると、配給面におきまして地域的に非常に偏在する。例えば主産地と遠隔の地にある大消費地との間、その他府縣におきましてもそれぞれ区々になると思いますが、それらにつきましては相当強力なる何か計画を立て、又これを推進されるということにつきまして抱負を持つておられますか。
#74
○説明員(山本菊一郎君) 只今の伊藤さんの御質問は、酒の配給公團が廃止になりました場合に、酒類の地域的偏在を來しまして、需給がうまく行かないのではないかという点であつたかと思います。その点は確かに酒の配給公團がございますれば、公團が全部の酒類を一手に買受けるのでございますから、それを計画的に配分するということができないわけでございます。ところがその公團がなくなりまして、運営の卸賣機関ができました場合においては、一應酒類は自然の成り行きに委せるということに相成りますので、そういう計画的な操作ということはいたしかねると思うのでございます。但し労務配給等の配給酒類につきましては、これは物資需給調整法に基く酒類配給規則によりまして、依然として統制を継続いたしますので、切符制に基きまして或る程度その切符の還流に対する見合の酒の出荷を促進するという方法におきまして、需給の調整ができるのでございます。ただその半面、自由販賣の酒につきましては、一應公團がございませんと計画的に需給の調整をやるということが困難になることは事実でございます。併しながら公團を廃止して、そういう自由な状態に委せるというのは、本然の姿でもございますし、又これは荷受機関の非常に強力なものができますれば、そこに自然的な調節が行われまして、そうしてそう大きな弊害を起すようなことはないであろうと見通しておるような次第でございまして、要は強力な荷受機関をつくるという点に盡きるかと思うのでございます。その点につきましては、只今伊藤委員の御指摘の通り非常に大きな問題でございますので、又政府といたしましても、徴税の確保という見地からゆるがせにできない問題でもございますので、只今各方面の御協力を得てそれを実現しよう、強力な荷受機関をつきろうというふうに努力いたしておるような次第でございます。只今政務次官からお答え申上げましたように、どうしてもこの点につきましては業界の協力ということが必要でございましと、幸いにして各生産者、販賣業者卸賣業者とも伊藤委員御承知の通りそういう機運に向つておりますので、この機運を適当に助長いたしまして、そうして荷受機関の確固たるものをつくることに今後とも万全の力をいたしたい、こう存じておるような次第でございます。
#75
○伊藤保平君 只今のお話で今後自由販賣に大部分移すということでありましたが、そういたましすと現在までおやりになつておりました家庭配給については、これはどういう考を持つておられますか。併せまして労務配給、特配が今まであつたと思うのでありますが、その家庭配給、労務配給、これは両方ともやめられるのでありますか、或いは両方とも残されるのでありますか。この点明確に伺いたいと思います。
#76
○説明員(山本菊一郎君) 只今のお尋ねの家庭配給でございますが、家庭配給は今後はやめる方針でございます。又家庭配給をいたしますといたしますれば、公團のような強力な中間機関がございませんとなかなか困難であろうというふうに考えております。労務の配給でございますが、この方は鉱山、工業用はもとよりのこと、又農村のリンク物資関係の労務特配も勿論非常に大切なものでございまして、それが生産の復興に寄與するところも大きいと思いまするが、これは継続いたしたいと考えております。又市場用の一部も継続いたさなければならないと思つております。但しリンクの酒等については非難がございまして、余り沢山割当てられて喜ばないというふうな奇異な現象も一部に見受けられるようでございますから、今後はそういうことはないように、適当に最高額を限定するというふうな方法によりましてやつて参りたいと思つておりますので、全体の総量としては、昨年よりもむしろ多少減る程度になりはしないか、こう存じております。
#77
○伊藤保平君 この公團廃止は大体統制撤廃というようなところから生れて來ていると思うのでありますが、現在の段階では原料の方面からいたしまして生産の統制ということは、政府の方でやはりおやりになるようなお話であつたようでありますが、つきましては價格面の統制ですが、これはやはり從來通り統制をおやりになるのでありますか。又おやりになるといたしましたならば、全國等價ということは難しくなると思うのでありますが、この地域別の價格をお認めになりますか。又それを加算するというふうにいたしましても、どういうふうな方法でおやりになるおつもりでおられるか、その点も伺いたいと思います。
#78
○説明員(山本菊一郎君) 只今の御質問は酒の公團を廃止し、自由な取引に委した場合に價格の統制をどうするかというお尋ねでございますが、その点につきましては、私共といたしましても、一應の價格統制も廃止して見たらどうかということをスタートに考えて見たわけでございます。併しながらそういたしますと相当競爭が激化して参る心配もございますし、競爭が激化したしますればそこに酒税の獲得が困難になるというふうな、いやな現象も起りかねないと存じますので、このように酒の供給の総量が少く、且つ税金が高い時代においては、まだまだ價格統制の廃止ということは困難ではないか、こう判断いたしまして、公定價格を存置するというふうに只今考えておるわけでございます。尚そういたしました場合に、只今は公團がございますし、その前は酒類販賣会社がございまして、價格運賃のプールをいたしておつたわけでございます。それが今度公團が廃止になりますと、そういう操作ができなくなりますので、一本のマル公でございますと、例えば東京のような、近所に酒の生産が少くて非常に大きい消費があるというふうなところにおきましては、一本の價格ではなかなか酒が來ないのではないかというふうな心配もあるわけでございます。それでそういう特殊な地域につきましては只今伊藤委員からもお触れになりましたように、昔の特定地加算という制度を復活いたしまして、一定額のつまり平均運賃よりも余計かかる運賃の部分のみにつきまして運賃の加算をやる、昔の言葉で申しますと特定地加算というものを復活するというふうな考えでいたしております。ただそういう制度を採りました場合に、その特定地加算のやり方を誤りますれば、これ亦変な結果が出かねないのでございまして、特定地加算はよく研究をいたしてやらなければならないということを考えますと同時に、酒の需給の状況を時々見計らいまして、若しそれが工合が惡いような場合には、機動的にその特定地加算の修正をいたしまして、酒の需給が円滑に行くように配慮して参らなくてはならないのではないかというふうに考えております。大体そのような線で只今研究しておる次第でございます。
#79
○伊藤保平君 そういたしますと、全國に酒が公平に行き亘るというためには、生産者に例えば出荷指令とか、又生産者に対する協同出荷機関を設けさすとか、いろいろ手があると思いますのですが、そういう面におきましては何とか行政的の措置をお採りになるつもりでおられますのですか。
#80
○説明員(山本菊一郎君) 只今の御質問は生産者に対して出荷指令その他のことを採るかという御質問でございますが、出荷指令というのはやはり法規の根拠がなくてはできないわけでございます。尤も臨時物資需給調整法、又酒税法という根拠の規定なきにしもあらずでございますけれども、ただ公團が荷受をいたしますならばともかくといたしまして、民営の機関である場合は、非常に高い酒に対してどの機関に強制的に出荷をしろというようなことは、少くとも自由販賣の酒についてはやりにくいと思うのでございます。從いまして出荷指令ということは自由販賣酒についてはいたさないつもりでございます。尤も労務配給の酒、これは切符制によつて確保する必要がございますので、これについては臨時物資需給調整法に基いて止むを得ない場合には出荷の指令もいたしたい、こう思つております。
 それから協同出荷機関ということでございますが、これは協同組合といたしまして、小規模の生産者が協同して出荷するということは法規的に許されることでございますので、そういうことは是非指導をいたしましてやつてもらいたいと思うのでございますが、大規模の業者乃至は法人である業者が協同して、例えば組合を作つて協同出荷の計画を立てるというふうなことは、独禁法、事業者團体法の関係におきまして目下のところなかなか困難であると思うのであります。從いまして協同出荷とか、出荷の自治的統制ということは、そこにおのずから限度があるというふうに御了承を願いたいと思うのでございます。
#81
○伊藤保平君 今のは大体分つたのですけれども、この中間機関を設ける上におきまして、どうしても製販が一致して強力に協力いたさなければなかなか円滑のことはできないと思います。只今のお話の中にも独禁法、事業者團体法などがありまして相当の掣肘、拘束を受けております。そういうようなことにつきましても場所によつては多少の緩和をして、そして実際に出滑にできるような措置につきまして、何かお考えを持つておりますか。
#82
○説明員(山本菊一郎君) 独禁法、事業者團体法の関係については私担当でございませんので、はつきりしたお答をいたしかねますが、御承知のように新聞紙上等に伝えられておるような独禁法の改正、事業者團体法の改正、協同組合法の改正等が考えられておりまして、それが今議会に提案になるように連絡を受けております。それが提案になりますれば恐らく六月一杯までに間に合うと思うのでありまして、それができますれば製販協同による荷受機関設立ということは或る程度樂になるのではないかと思います。
#83
○伊藤保平君 現在の段階におきましては製販のようなものがある方がいいというふうに、御答弁中、大体了承したのでありますが、若しこれはどうしても廃止しなければならないということになりますと、新聞によりますと本年は酒類から六百五十億の税收を期待しておるように出ておりますが、なかなかこれは実際から申しますと中間機関ができるまでには相当の準備期間も要りますから、又それができましても價格の関係、地域の関係などからいたしまして賣行きにずれが起ると思います。私共の考え又当業者の話などを聞きまして想像いたしましても、少くとも二割以上のずれが出て來て、賣行が少くなる。明年からは平年に復するとしても、差当り本年におきましては経過的に申しますと二割の減收が生ずるのではなかろうか、百三十億ですかの自然減收が生じやしないかということを案じておるのであります。そういたしますと結局酒税上の関係からいたしますと現在よりも弱くなる。しますと今度示されております経済九原則の中の酒税の促進強化というようなことをいわれておりますが、それと反対にむしろ弱化するのではないかという感じを持つております。これは相当財政面からいたしましても大きな問題になると思いますが、そういう点につきましてはどういう見通しを持つておられますか、その点をお尋ねします。
#84
○説明員(山本菊一郎君) 自由経済の態勢に速かに移行するために、公團の廃止ということは、この際断行すべきことであるという判断に基きまして、今度公團を廃止する方針を立てておるわけでございますが、その場合只今お示しのような点が一應心配されるわけでございます。と申しますのは、公團がございませんと時期的な徴税と申しますか、計画的な徴税と酒税の徴收をやるということはできにくくなる。それから又公團の廃止を受けて立ちます荷受機関の整備が、或いは時期的に遅れるとか又はそれが非常に強いものが望めないとかいう状態になりますと、それだけ只今お示しのような時期的徴税のずれとか、又將來における徴收の不安定ということが心配されるわけでございます。併しながらこれはもうすべてが如何に強力な荷受機関ができるかという点にかかるわけでございまして、只今業者の意見も非常にその点に関心を持つておられますし、政府も今後全力を挙げて、そういう強力な荷受機関の整備ということに力をいたして努力いたしたいと思つているのでございまして、多少の過渡期のずれということは或いは止むを得ないかと存じますが、六百五十億の歳入につきましては、今後まだ多少甘藷その他におい前原料の増加の見通しもございますし、二〇%という大きな数字ではなくて僅かに止まりまして、それも自然に時の経つに從いまして、徴税の確保も十分できるようになるというふうな考え方に基いて、今度の公團廃止をいたしましたにしましても、徴税上にはさほどの影響はあるまい、こういうふうに考えている次第であります。
#85
○伊藤保平君 最後にもう一つお尋ねいたしておきたいと思いますが、これは金融の面でありますが、公團が現在三千万円の資本でやつておりまするが、大体この加算税をいろいろ流用をいたしまして、あまり借入金もせずに税金と代金との融通でやつているようでありますが、大体五百億から六百億の取引を僅か三千万円の資本金でやつていると思うのでありますが、今度民間に野放しいたしますると、莫大な仕入資本が要ると思うのであります。明年の酒類の賣上高は先程申しました酒税を六百五十億と予想しておられるのでありますから、そういたしますと少くも八百億円以上になると思います。それでこれを月一回の回転……まあ極端なあれですが、回転いたしましても六十何億円、月二回うまく回転いたしましても三十余億円の月々の仕入資金が要ると思うのであります。酒の御承知のように非常に運転の度数も少いのでありまして、莫大な仕入資金が要る。これにつきましては、現在の金融が非常に行詰つております際に、民間でこの何十億という資金を調達することは、非常に困難でもあり無理があろうと想像いたしますが、併しながらどうしても民間でやらなければならないといたしますると、信用のみで取扱わなければ、自然現金取引とかいうようなことで通貨の膨脹を來たす原因にもなりますし、又莫大な資金を出して調達するということについてはなかなか困難と思いますが、これにつきましては、政府は結局この税金の取立機関みたいなものになるのでありますから、結局税を完納させるという建前から、他の公團などの廃止を違いましてこの面におきましても、いろいろな御指導なり、御監督なる、御援助を願わなければならんとこう考えておるのでありますが、そういう金融面の見通しにつきましても、何かお考えを持つておられますか。一つ併せてお尋ね申上げたいと思います。
#86
○説明員(山本菊一郎君) 確かに只今お示しの通り、酒を高いものでございますから金融の問題は大きな問題だと存じます。そこで只今お示しのように公團が現在復興金庫から一銭の借入もなくなつて参りましたのは、加算税の徴收を公團が引受けましてそれを翌月末に納めるという、徴税事務と納税義務を附與せられている、そのひと月間の資金によつて繰廻しをしているという点にあつたかと思います。從いまして今度荷受機関を設立するといたしましても、そういう面がございませんと、一時に巨額の資金を集めなくてはならないということに相成りまして、実際問題として荷受機関の設立ができないということになりかねないと存じます。又技術的に申しましても、翌月末の納税ということはこれは適当な制度と考えられる次第でございますので、政府といたしましては、御賣業者の中に一定の資格を持ちましてこれは大丈夫だと認められる御賣業者につきましては、只今の加算税の相当する部分のうち、となりますか大部分となりますか、そこは只今研究中でございますが、大体加算税に相当する程度のものをそういう機関からは取つて貰う、つまりそういう機関に限つてその加算税の納税義務者にするということを只今考えているように次第でございます。尤もその場合におきましては、政府といたしましては、滞納その他の都合の惡い事態が起りませんようにいたさねばなりませんので、その御賣業者から一定額の担保を徴收しておくというような措置は、講じなくてはならないのではないかというふうに考えております。かような考え方で只今研究中でございます。
#87
○油井賢太郎君 政務次官にちよつとお伺いいたしたいと思うのですが、先般來政務次官のお話では、今度の法案は、自由経済復帰の方針に從つて改正する法律であるというような工合に承わつておつたのです。又説明員のお話でも、大体そんなような趣旨が見受けられたのですが、その話の間に大分喰違いが出ているということをちよつとお伺いいたしたいと思います。即ち政務次官は自由経済に復帰すれば酒のごときものは、必ず値段も安く消費者の手に渡すことができるというお話のようでしたが、政府委員の方、つまり官聽側の方では、公團法を廃止するということは結局自由経済になるのだが、値段の点においては價格が上ることを考慮して、價格の統制経済だけはやはり残して行かなくてはならないのではないかというようなお話で、大分この間に喰違いがあります。一つその点お伺いいたします。
#88
○政府委員(田口政五郎君) お答えいたします。製造の方も販賣の方も全部が、本当の自由経済に手放しできるような状態になりますれば、或いは値が下ると思いまするが、今日では、公團の廃止によりまして値段が上ると説明員から申されましたのは、これは税金が非常に高くなつておりますので、その点で値段が上りますので、自然のコースとしては公團廃止のために特に値段が上るということはないと思つております。その点別に喰違つておらんと思うのですが、御了解を願います。
#89
○油井賢太郎君 そうしますと税金は搜せばもつと上るのですか、この四月からと申しますか。或いは暫定予算後の課税標準というものは上ることになるのですか。
#90
○政府委員(田口政五郎君) 上るものもあるし、税金は配給所などは勿論上りません、元の儘で参るつもりであります。一般の自由倍賣の方も税額は單價は上るわけではございませんが、別に酒の税金が上るという予定はいたしておりません。
#91
○説明員(山本菊一郎君) 只今の御指摘の点は、私が伊藤委員の御質問にお答えいたしまして、マル公の廃止がこの際困難であるということをお答えしたに関連しているかと思います。マル公の廃止が困難であると申上げましたのは、マル公の廃止をいたしますと競爭が激甚になりまして、或るものは例えば、灘の特殊な銘柄酒等は、極度に飛び上つて参りますし、田舎の酒屋はそれに押されて、ますます酒の賣行が惡くなりまして、そういうレギユラーな現象が起るので、困難であるとこう申上げたつもりでございました。今度の價格の点につきましても、すでに御説明申上げました通りに、配給酒は据置きます。それから自由販賣の酒につきましては、配給の値段と特賣酒の値段の中問のところで決めたい。要するに現在できております酒の量を以て、極度の收入が挙げられる限界点において、酒の價格を定めてそれから税率を逆算して参りたい、こう存じておるような次第でございます。
#92
○油井賢太郎君 昨年の酒造高と、今度の二十四年の酒造高は、どのくらいの変更を來たす予定ですか。
#93
○説明員(山本菊一郎君) 大体におきまして、昨年と今年は三割程度殖えておる、昭和二十二酒造年度に対して、昭和二十三酒造年度は、大体三割と申しましたが、二割六分程度殖えておる……訂正いたします。三三%増加を見ております。尤もそのうちいろいろのものによつて違いがございまして、例えば清酒でございますと三一%程度、ビールでございますと二一%程度、それから合成酒、焼酎でございますと四〇%ないし五〇%、大体その程度殖えております。
#94
○油井賢太郎君 今度の予算では大体六百五十億の税額を見込んでおられますが、酒造年度は三月までですか。
#95
○説明員(山本菊一郎君) 酒造年度は十月に始まりまして九月に終る……
#96
○油井賢太郎君 そうすると六百五十億というのは酒造年度と別ですか。
#97
○説明員(山本菊一郎君) あれは会計年度でございます。
#98
○油井賢太郎君 そうしますと会計年度でもつて大体お聞きしたいのですが、私共素人で酒造年度というのは分りませんから、会計年度における今までの増石高と並びに税額の徴收高の大体の見当はこの表には書いてありますが、この昭和二十三年度というものが或いは二月、三月の推定によるというのですから、会計年度ですか。それとも酒造年度ですか。会計年度と了承しますが、会計年度内におけるところの税額はいくらになつておりますか。
#99
○説明員(山本菊一郎君) 只今のここに差上げてございます数字は、会計年度でございます。
#100
○油井賢太郎君 その税額は……
#101
○説明員(山本菊一郎君) その税額は四百五十七億の予算に対しまして、昨年秋に穫りました芋等が相当多量に合成酒、燒酎等の原料に廻つて参りましたために、又特價酒の賣行も比較的良好でございましたために、大体五十億程度の自然増收に相成るかと只今見積つております。
#102
○油井賢太郎君 そうしますと会計年度でもつて、ちよつとお聞かせ願いたいのだが、二十三年度、二十四年度ではどの位の予定において増石になるのですか。
#103
○説明員(山本菊一郎君) お答いたします。ここにございます表の一番初めのこの賣上高というところに百六十一万三千石という、これは実石数でございますが、これが昭和二十三年度中に供給せられた酒の数量でございます。供給せられたと申しますのは、製造せられた酒に或る程度水を入れまして、僅かでございますが、それで酒を賣渡すわけでありますが、供給量といたしまして百六十一万三千石あつた、昭和二十四年度の見通しは只今原料の点、例えば干甘藷に未定の点がございますので、まだ分りませんが、生産は大体先程申上げたように三割程度殖えておるわけであります。ただ今年は二月末までに清酒を極力あげましたために、酒屋の酒を公團の機能を活用しまして、極力出しまして、殆んど家の中に酒の残らないまでに出さしたという関係もございまして持越しが殆んどありません。ところが公團がなくなり、自由に買えるという状態の下におきまして、又平常の仕事のやり方といたしまして、それ程荷を叩くということも本年は困難だろうと思いますので、來年に繰越す量が殖えて参る。それから只今申上げましたように原料関係において未定な点があるということでございます。昨年のこの百六十一万三千石がどの程度殖えるかということについて、まだ確固たる数字は持合しておりませんが、昨年の原料水の割当と今年の秋の原料米の割当、秋の甘藷の割当、今年の夏の麦の割当とが昨年とほぼ同樣だといたしまするならば、大体二、三割の供給石数の増加は当然望まれると思うのであります。ところが何分今年の秋の芋の割当、今年の春の麦の割当とがどの程度になるか、まだ決つておりませんので。そのきつちりした数字を今出しかねておる次第でございます。然らば六百五十億の数字はどうやつて組んだかということでございますが、これは大体昨年と同量の原料の割当の、関係方面等の意向によりましても可能のように見通されますので、一應その数字を基礎にいたしまして、酒の数量としては二割程度の増加を見まして六百五十億の予算を組んだようなわけでございます。
#104
○油井賢太郎君 もう一つ最後にお伺いいたしたいのですが、公團法の一部改正は、六月末を以て公團というものはなくなるという前提の下に解釈されるのですが、若しこの國会が六月までに継続しておればよろしいのですが、継続しないで途中で終つたような場合には、必要に應じてこれを延ばすというようなことも今から考えておられるかどうか。或いはもう全然考えておられないのか、この改正だけで打切りにするのですか、その点を一つ御説明願いたい。
#105
○説明員(山本菊一郎君) 只今のところ政府としては、これ以上延長するということは考えておりません。一應六月一杯で公團は終るという見通しの下に、又そういう方針の下に準備を進めているような次第でございます。
#106
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#107
○黒田英雄君 一つお尋ねしたいのですが、酒類配給公團が今後三ヶ月で以て廃止される方針で政府が進められていることは、承知いたしたのですが、そうなりますというと、自然現在の酒類配給公團の職員等は非常に動搖を來たすようなことがありはしないかと思うのであります。三ヶ月後に廃止されるならば、自分の今後の身の振り方についても考えるというようなことに自然なるのはこれは人情でありますが、そのために酒類の配給が円滑に行かないというふうなことがあれば、消費者も非常にまあ迷惑を蒙るわけでありまするし、又政府の歳入の方にも影響して來るのじやないかと思うのですが、これの廃止されるまで公團が十分にその機能を発揮するように政府は十分に監督されて、そういう憂いのないようにされるおつもりでありますかどうですか、その点お伺いしたい。
#108
○説明員(山本菊一郎君) 公團が廃止になりますまでの期間におきまして、公團の機能が低下するというふうなことがないようにということは一番心配している点でございます。從いまして公團を廃止します間においては、極力公團の監督と申しますか指導を強化いたしまして、特に特價酒の販賣、及び労務用その他の酒の配給につきまして、誤りなきを期するように注意しているわけでございます。尚その最後の時期におきまして公團の経理が乱れるとかいうふうなことのないように又注意をいたしたい、こう考えているようなわけでございます。
#109
○木村禧八郎君 一つだけお伺いしたいのですが、公團廃止後における密造酒との関係、現在密造関係はどうなつておりますか。又廃止後における密造の関係はどういう見通しか。我々素人考えで見ますと、公團廃止で値段が非常に下れば密造酒は少くなると思いますが、値段もあまり下らないようですし、又公團を廃止しますと酒の移動をトレイスして行く方法が困難になつて來るのではないかと思います。そうしますと、密造の経路を調べることは非常に困難になつて來るのじやないか。むしろ密造が容易になるというふうに、我々素人考えで思われるのですが、その点はどういうお見込でしようか。
#110
○説明員(山本菊一郎君) 密造の問題は甚だ困つた問題でございまして、只今どの程度あるかという御質問でございますが、只今清酒の原料等に昨年の秋割当てられました米の分量が、四十三万三千石でございますが、密造のために費える米の量は二、三百万石であろうということが伝えられておりまして、相当これが多くなつて來ている。又非常に惡質な大規模な密造が出ているということは、只今御指摘の通りでございます。これに対しましては何といたしましても、原料を殖やして酒を余計造るということが根本でございまして、その点については食糧事情等で非常に困難な時期ではございますが、極力原料の獲得に努めまして、そうして酒を余計供給するように考えて参つているわけでございます。
 それから又只今御指摘の公團を廃止した後においては、その関係がどうなるかということでございますが、今度の値段は現在の配給酒に比べますと多少高うございますが、特價酒の値段に比べますれば相当落ちて参るわけでございます。特に燒酎のごとき大衆向の酒類につきましては、値段をうんと抑えて参るつもりでございます。その狙いは結局密造酒にそういうものをして対抗せしめようという考え方に出たものでございます。御参考までにその値段を申上げますと、只今全部燒酎は二十五度でございますが、その配給される値段が三百六十五円でございます。それに対しまして今度決めようとします値段は四百五十円と考えております。そういたしますと約九十円くらい値上りになるようでございますが、他面、現在の燒酎の自由販賣の價格が七百八十七円でございますので、約三百三十円くらい落ちて参ります。この程度の値段でございましたならば、或る程度密造にも対抗でき得るだろうと考えております。他面、高級の酒類については、比較的現在の自由販賣酒の價格に近い値段を決めて参りたいと思つているわけでございます。公團の廃止が密造の関係に関連を持ちますのは、そういう点が主な点でございまして、外にはそう直接の関連はないかと、こう存じております。
#111
○波多野鼎君 公團を廃止した後の從業員の身の振り方などにつきまして、成算は政府の方でお持ちですか、次官から……。三千人の從業員の失業問題が起ると思うのでありますが、これに対してどういう対策を講じておられるか、その点一つお伺いいたしたい。
#112
○政府委員(田口政五郎君) 公團の從業員は、元來が酒類の販賣に從事いたしておりました人たちが、その主要部分でございまして、今後酒類が自由販賣に一部なりますれば、又その方面に帰つて仕事のできるような方が非常に多いのでありまして、一般の失業者に対する御心配は、この点は非常に少いだろうと存じております。又実際失業される方も相当あると思われれすが、それらに対しましては中間の荷受機関なり、その他公團廃止後に作りますそういう機関の方にも吸收いたしまして、大して公團の職員の失業問題は憂うるほどのことはないと存じております。
#113
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。波多野さん、あなたの御質疑はもう今の点だけでよろしうございますか。
#114
○波多野鼎君 よろしいです。
#115
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか――外に御発言もないようでありますから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないものと認めます。討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにして、お述ベを願いたいと存じます。
#117
○伊藤保平君 この公團になります以前に、全國的な酒類販賣会社が設立されました場合、又昨年のこの酒類配給公團が発足いたしました場合の実例に徹しましても、又独禁法とか或いは事業者團体法の拘束を受けまする点からいいましても、ここ三ヶ月ぐらいの短時日で満足のできる信用、資力、又倉庫設備のある卸問屋の復活でありますとか、又は荷受機関の出現は到底できない。これは大変無理があると考えます。從つて現段階におきまして、酒という非常に絶対量の乏しい、而もこれを公平に公正に配給をせなければならんもの、一面には非常に重い税金を課せられておりますので、酒ではなくてこれは一種の納税機関とでも申すベきような、他の公團とは違つた特異性から申しましても、業界が挙つて一年の猶予機関を陳情要望いたしておりますことには、全面的に是けるものであるのでありますが、從いまして原案には賛成し難いのであります。併しながら他の公團がここで存続するという関係からいたしましても、又すでに衆議院で三ヶ月の猶予期間の修正原案が通つております際に、本院において一年の修正をとります場合は、却つて現行の廃止期日であります本日を以て自然廃止になりますので、一層の混乱を生じます虞れがあると思いますので、止むなく原案に賛成をいたしたいのであります。併しながらこの賛成いたしまするにつきましては、一應條件を附けたいのでありまして、即ち政府はこの納税成績が極めて良好でありました過去のこと、即ち從來販賣会社ができ、又この公團ができまして、ここ十数年間というものは殆んどこの酒税につきましては、一銭の滯納もなかつたのであります。こういう実績に鑑みまして、今後公團に代る機関の設立、又納税保全の確立を期する上から、又は仕入資金の只今申しました金融面におきまする援助、配給の偏在並びに密釀酒とか闇取引が今後も相当跋扈する虞れがありますので、そういうものの絶滅を期する上におきまして、万全なる行政措置を政府において講ぜられますことを條件といたしまして、不本意ながら賛成をいたす者であります。
#118
○委員長(櫻内辰郎君) 外に発言はございませんか……外に御発言もないようでございますから、討論は終了したものと認め直ちに採決いたします。酒類配給公團法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに御賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#119
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。
 それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名九鬼紋十郎、米倉龍也、木村禧八郎、川上嘉、木内四郎、小宮山常吉、波多野鼎、伊藤保平、油井賢太郎、黒田英雄
#121
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名洩れはありませんか……。御署名洩れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#122
○委員長(櫻内辰郎君) 尚甚だ恐縮ですが、極めて簡單に済むことなんでありますが、昭和二十四年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律案を御審議願つてしまいたいと思います。御質疑がありましたら、御質疑を願います。
#123
○川上嘉君 この提案理由の説明をもつと細かく、六月に延長しなければならないという理由を、もう少し細かく説明して貰いたいのです。
#124
○説明員(辻克藏君) それでは只今の御質問に対して簡單に御答弁申上げます。現在の所得税の納期は第一期が四月、第二期が七月、第三期が十月、第四期が翌年一月、この四期になつております。ところが前年度の所得税のいろいろな御始末が四月にはまだ十分済みかねる点があるのでございます。又新らしく予定申告の提出をいたすにつきましても、若干の申告指導の期間を準備しなければならないのでございます。本年度といたしましては、別に改正案を追つて出すことにいたしておりますが、第一期はこの特例法通り六月、第二期は十月、第三期は明年一月と、年三期にいたしまして、それぞれ三分の一ずつ納めて頂くように、現在のところ改正案を進めておるような次第でございます。まあ徴税の実情から申しましても亦実際の納税者の納税の立場に立ちましても、かように納期及び申告の時期を改めることが、この際といたしては適当であろうと考えられる次第であります。
#125
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#126
○川上嘉君 この延ばす理由が、前年度の所得の更正決定に対する処理とか、その他いろいろの仕事があるために延ばさなくちやならない、かように考えるのでありますが、こういつた点に対して根本的な対策を打たない限り、又ずつと今後も未済々々で仕事が追われて行く、こういつたことを非常に心配するのでありますが、この辺のことについて一つ御答弁を願います。
#127
○説明員(辻克藏君) 本年昭和二十三年度の申告納税の所得税につきましては、昭和二十二年度のいろいろな経驗に徹しましてできるだけ早く更正決定等をいたす方針で年度頭初から計画を立てておつたのでございます。即ち昨年は七月が第一期の予定申告でございましたが、それに対しまして第二期との間に必ず予定申告に対するいわゆる仮更正決定を実施する、更に一月の確定申告を俟ちまして更に確定申告員低いというような向きに対しましては、更正決定を少くとも二月一杯にいたしまして、できるだけ早期に徴收を確保するという方針で参つておるのでございます。その結果、昭和二十二年度に比較いたしますると昭和二十三年度は更正決定後の処理等につきましても、相当進捗はよろしいと考えられるのでございますが、何分四月にはまだ処理の一部済みかねる点がございますのと、できるだけ申告納税制度の精神を生かしまして、第一期の申告までに十分納税宣伝或いは申告書のいろいろな普及徹底を図つて、昭和二十四年度の申告納税所得税につきましては実効を挙げて行きたい、かように考えておりますので、かたがた先程申しましたような事情で、本年は納期は六月、十月そうして來年の一月とこう三期にいたすように改正いたしたい、かように考えておる次第でございます。そうして右の第二期及び第三期の点につきましては近く成案を得まして、國会に提出いたしまして御審議を願う予定で進んでおる次第でございます。
#128
○川上嘉君 毎年こうして納期が延期されるのでありますが、これはその根本の理由を考えて見ますときに、やはり税制、或は機構の問題、更に徴税費の問題といろいろの問題に関連して、こういつた問題が起きて來るのでありますから、こういつた点に十二分に考慮されて、適当な措置と、更に最善の努力をされるよう特に希望して置きます。ここに折角書いてあるのにこう墨で消してありまするが、こういつた点について特に努力して貰いたいと希望いたします。
#129
○櫻内辰郎君 外に御発言はございませんか……
 御発言もないようでありますから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#130
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め、討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べ願います。御発言はございませんか。
#131
○木村禧八郎君 本案に賛成するものでありますが、念のため只今川上委員から言われたことについて希望意見を述べて賛成いたしたいと思います。こういうふうに納期がどうしても延びて行くのは、川上委員が指摘されたように、徴税機構そのものの欠陷、それから徴税日の関係、一部には申告納税制度自体にあると思うのです。從つて申告納税制度についても政府はもつと根本的に考えられ、又税率自体にも税制自体にも非常に大きな問題があると思いますから、そういう点についても十分に考えられることを希望しまして賛成いたします。
#132
○委員長(櫻内辰郎君) それでは採決いたします。昭和二十四年の所得税の四月予定申告書の提出及び第一期の納期の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#133
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  九鬼紋十郎、米倉龍也、木村禧八
  郎、黒田英雄、油井賢太郎、伊藤
  保平、木内四郎、波多野鼎、小宮
  山常吉、川上嘉
#135
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名洩れはございませんか……なしと認めます。これど暫時休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時一分開会
#136
○委員長(櫻内辰郎君) これより休憩前に引続き会議を開きます。最初に貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案の御審議を願いたいと存じます。御質疑がありましたら……
#137
○小川友三君 本案につきましては相当審議が盡されていますので、質疑を打切りまして討論に入りたいと思いますが(「冗談じやない、まだあるある」と呼ぶ者あり)それでは訂正します。ではどうぞ。
#138
○委員長(櫻内辰郎君) 御質疑がありましたらどうぞ。
#139
○波多野鼎君 この貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案の参考資料に貰つてありますものについて、若干御質問をしたいと思います。第一にこの貿易資金の現金受拂表というのがありますが、これを見ておりますと、外國貿易特別円資金特別会計からの繰入金というものは一つも出ていないが、これとの関係はどうなつておりますか、これを先づ一つ。
#140
○説明員(稻益繁君) 只今の御質問でございまするが、外國貿易特別円資金特別会計は、この表を作成いたしましたとき、現在においてはまだ繰入がございません、この本日で終ります二十三年度中におきまして、ほぼ一億前後と記憶をいたしておりますが繰入の予定であります。
#141
○波多野鼎君 外國貿易特別円資金の方はそんな僅かな繰入金の余裕しかないのですか、一億見当ぐらいの……
#142
○政府委員(佐藤一郎君) そうです。
#143
○波多野鼎君 この頃問題になつておる援助物資その他の拂下代金、あれはそこに入つておるのじやないですか、特別円資金の中へ……
#144
○政府委員(平井平治君) 特別円資金の特別会計の方に入りますものは、元の解散團体、例えば陸海軍の元の関係した各種の團体等の解散の土地建物等を処分して入つて來るわけでありまするが、この特別会計は昨年御審議を願いましてできた特別会計でございまして、只今数字を持つて参つておりませんが、一億や二億でなくもう少し沢山処分する予定であつたのでありまするが、関係方面の関係等がありまして処分が大分遅れておりまして、昨年の暮あたりやつて処分が促進するようになりましたので、昭和二十三年度には只今申上げましたように一億円程度じやないかと思いますが、今後は促進すると思いますが、只今のところではその程度であります。
#145
○波多野鼎君 そうしますと陸海軍が持つておつた建物などの賣却代金が入るのですか、外國貿易特別円というのはそうなんですか。
#146
○政府委員(佐藤一郎君) そうです。
#147
○波多野鼎君 何故それは外國貿易なんという言葉を附けたのですか。
#148
○政府委員(佐藤一郎君) これはそういうものを貿易促進のために使おうということですね、そういう仕組にするのです。それで昨年こういう名前のあれにしたので非常に実体と遠い名前なんです。目的を表わしておるので、その実体はつまり解散團体の清算から生ずるところの利益を以てできておる特別会計なんです。それは貿易促進に使おう、こういうことになつております。
#149
○波多野鼎君 そうするとガリオア・イロア資金などによつて出て來る資金とは違いますな。
#150
○政府委員(佐藤一郎君) 全然別個です。あれはちよつと早呑込みしましたが、今申上げましたように二十四年度からそれについての特別会計ができるようになりまして、追つてこの法案として御審議を願う予定になつております。
#151
○波多野鼎君 それからもう一つ、この輸出品の買上をやりまして、手持になつておるのが、非常に多いのですね。これを捌く見通じかついておりますか。
#152
○説明員(稻益繁君) お手許に差上げてございます表にございますように、輸出物資の手持高は十二月末で三百四十三億で、甚だ厖大な額でございますが、その多くの部分は、いわば輸出のための常時手持いたしておるべきランニング・ストツクというものが可なりあるわけでございます。その他に勿論物によつては計画生産でやりましたものが、輸出のその後の情勢によつてなかなか海外に、はけないというものが出て來ております。かようなものについては極力國内放出、その他若干ドル價格を操作することによつて輸出を急ぐというような方策を講じまして、お手許の表にございますように、ほぼ昨年の暮からでございますが、國内に放出いたしましたものが、六十億程度現金化いたしておるというような情勢になつております。勿論今後といたしましても、極力輸出に向くものは輸出いたしまするが、若し輸出がだめだというような判定が下りましたものについては國内放出いたしまして、円の回收を図り、合せて國内における物資自給に寄與するという考えでおります。
#153
○波多野鼎君 この三百四十三億の手持高のうちランニング・ストツクに属すると考えられるものはどの程度のものですか。
#154
○説明員(稻益繁君) 先般來私どもこの手持高について種々檢討いたしました結果、ほぼランニング・ストツクを超えると思われますものが、國内における販賣價格といたしまして七十億乃至八十億程度あるという認定を下しております。その中からかようにほぼ六十億近くの國内放出をいたしましたような次第でありまして、尚その後の買入の分において若干さようなものが出ておりますれば、尚今後の國内放出なり然るべきところの方法を講じたい、かように考えております。
#155
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑ございませんか。
#156
○油井賢太郎君 この貿易資金の支拂でありますが、相変らず大分遅れておるという一般の声が高いようであります。それに対しては貿易廳として、どの程度に現在まで実績として認めておられるか。
#157
○説明員(稻益繁君) 只今支拂が遅れておるというお言葉でございまするが、私共としましては、全体の資金繰作が、輸入物資の賣却代金によつて輸出物資の買上代金の支拂に当てるという建前になつておりまして、その時期的なずれというものを考慮いたしまして、日本銀行に対する借入金をする、かような仕組に原則としてはなつておるわけでございます。從いまして輸入物資の代金回收が、又輸入物資の日本へ参ります時期が、非常に定期的に計画通りに参りますれば、比較的順調に金繰ができるのでございまするが、輸入が時期によつて、非常に相違する、或いは全般的な金融の梗塞と申しますか、輸入物資の賣却代金の入金がとかく遅れ勝ちであるというような点からいたしまして、輸入物資の買上代金の支拂がまま齟齬を來たすというようなさような事態になつたことを、私共はしばしば経驗しております。ただ何と申しましても借入限度が法律で定められておりまして、さような場合に支拂いたいと思いましても、輸入代金の回收が思うに任かせず、又借入限度が一杯まで使用されておるというような場合に、丁度現在がさようでございまするが、相当額の支拂未済を來たしておるというような現状に相成つております。
#158
○油井賢太郎君 この貿易資金現金受拂表という中に、民間貿易物資買上代金、日銀扱いと二通りありますが、これは貿易公團で買上げる代金はすつかりここに入つておるわけなんでありますか。それとも民間商社が発行する手形を割引いたすものもこの中に入つておりますか。
#159
○説明員(稻益繁君) 只今の御質疑、民間貿易物資買上代金の方は、一昨年の八月十五日以來実施いたしておりますいわゆる制限附民間貿易の支拂でありまして、その下の欄にございますが、日銀扱いの民間貿易物資買上代金は、昨年の八月十五日から行なつておりますいわゆる純粹の民間貿易の代金支拂でございます。
#160
○油井賢太郎君 そうしますと日銀扱いというものは、相当大きな金額を示されておるのですが、優先的に、いわゆる金融機関が割引いた貿手の総額がそこへ現われておるわけですか。
#161
○説明員(稻益繁君) 只今貿手というお言葉がございましたが、この支拂は日銀扱いの方は昨年の八月十五日から行なつておりまする決済手続におきまして、外貨爲替が取組まれますると、日本にあります外國銀行がそれを買取りまして、その通知が参りますと、日本側の貿易廳が指定しております爲替取扱銀行から支拂われるという筋合のものでございまして、その結果がその前に純粹な國内金融として行われておりまする貿易手形の割引、その決済資金に充当せられるという関係乃至は結果になる、かように御承知願いたいと思います。
#162
○油井賢太郎君 それで大体分りましたが、貿手が最近銀行でもつて優遇されるべき立場にありながら、一向に優遇されておらない。而も日銀の貨出の粹の中に貿手を入れておるという状態でありますが、政府においては、一面、において貿易を振興させる、輸出を盛んならしめるという建前をとつておりながら、一方においては金融の面から輸出貿易というものを抑えておるという現象になつておりますが、これに対して政務次官はどのように將來政策をおとりになるか、現内閣の構想を一先ずお聞かせ願いたいと思います。
#163
○政府委員(田口政五郎君) 貿手の割引がなかなか事実上困難であるというような声は相当承わつておりまするが、今後輸出貿易を盛んならしめるということは、我國の経済復興上当然のことでありまして、最も力を入れなければならん点であることは申すまでもございません。輸出商品の生産者その他これを扱いまする業者に、金融面において金詰りの來ないように、円滑に手形の割引ができるように、今後せいぜい努力する決心でございます。
#164
○油井賢太郎君 それでは、四月一日から日銀におきまして高率適用制度とかいうのは発表しております。これによりますと各銀行の三ヶ月間の預金の平均残高の一二%だけは、日銀で以て再割引をする場合においては安い率を適用するけれども、これを超えるものは二銭七厘という日歩を取る。而も貿手のような優遇手形は二銭五厘でその場合でも行う。こういうことが発表されております。併しながら実際これが運用に当つて貿易業者として懸念されるのは、貿手がそのために結局優遇手形でなしに不優遇手形になつてしまう。どうしてだというと、さつきの一二%内で貸出をするものは、一般の普通の手形を担保とするようなものに対して行なつて、貿易手形のような率の安いものを、成るべき高率を適用する場合に割引をするという政策を採られるのではないかと、非常に懸念されております。これに対して政府は如何なる態度を以て、この優遇されるべき貿手に対して、効果が挙るような措置を取られるか、これについてお答え願いたいと思います。
#165
○説明員(稻益繁君) 只今の御質問でございまするが、貿易手形がどの程度に優遇されておるかという問題につきましては、先般日本銀行において取扱手続を改正いたしましたところによりますると、一定の條件を備えた貿易手形につきましては、日本銀行におきまして、商業手形同樣に再割引に應ずるという点がございます。これが現在の貿易金融を阻害いたしておりまする、市中銀行の手許資金ヴオリウムの不足という点を緩和いたしまする上に、一番大きな効果があるのではないかと、かように考えております。高率適用の問題は、全般的な日本銀行の市中銀行に対しまする貸出金の調整のための措置でございまして、その点において貿易手形がどの程度に優遇されるかという問題は、やはり高率の適用の際の歩合の問題で判断すべきものではなかろうかと、かように考えております。
#166
○油井賢太郎君 今の回答は甚だ不十分だと思うのですが、結局実際問題で一二%の中で以ていわゆる低率で以て貸出す場合には、貿手を入れるよりも普通の手形を入れて貸出しをして、その枠を超えて貸出をする場合には、枠外貸出が面倒になる。そういう場合にも優遇手形は衆先的に割引きを受けるから貿手を後廻しにする。結局貿手の方が非常に高く割引きをされるという結果になり、結局市中銀行が貿易業者に対して、貿手の割引に対しての措置が遅れる。これは常識的に実ははつきりと考えられる。そういう点について、日銀当局並びに市中銀行の態度について政府はどういう措置を以てそういう不都合を防止するか、こういう点をお聽きしておるわけです。
#167
○説明員(稻益繁君) 只今の高率適用の問題でございまするが、市中銀行が日本銀行へ持つて参ります際に、再割は只今申上げましたような商業手形或は一定の嚴格な條件を備えました貿易手形でありまして、その外に公團認証手形その他の一連の優遇手形は、それを担保として日本銀行が貸付けるということでありまして、その手形自体を再割するという問題とはおのずから別個のものではないかと考えます。從いまして市中銀行におきましても貿易手形を割引いております場合に、それは再割に持つて行く場合は一定の條件が附いたものでありまして、その外のものは公團認証手形もの他の優遇手形と共に、担保として日本銀行に差出すということでありまして、一般的な貸付になりまするので、その中で貿易手形を先に持つて行くとか後に持つて行くとかという問題は、別個のものだと考えるのでありまして、只今の御質疑がちよつと判明いたしませんが、私としてはさように考えております。
#168
○油井賢太郎君 それは私の言葉がよく分らなかつたかも知れませんが、結論において優先さるべき貿易手形が、実際においては後廻しになるという場合が沢山あるのです。これは結局日銀の方針、或は市中銀行の方針が枠外に或るべく貸さない、というその枠が決つているために、その枠の中で貸すものは貿易手形のようなものでなしに、外の高率を適用される手形を先に割引いてしまう。結局枠外で借りるときは、もつと一つ高率な適用を受ける。こういう点になるのですが、こういう点に関して当局の方でどういうふうな取締を以て臨んでおるか、そういうことを今まで檢討なさつておらないか。
#169
○波多野鼎君 今の油井君の質問に関連して、ちよつと私も言いますが、つまり一般の市中銀行が貿易手形のごときものの割引きをしないということなんですよ。というのは許されている金融のまあ一一%かなんかの範囲内では、ほかの手形の割引に應ずるなり或いは貸出をやつてしまつて、貿易手形を最後に廻すのです。というのは貿易手形を持つて行けば日本銀行なら優遇してくれるものだから、いつでも市中銀行の扱い方は貿易手形を最後に廻して行くというところから金融が逼迫するという問題が起きている。そこの問題でしよう。それについて政府当局はどう考えて解決するかという問題です。
   〔委員長退席、理事黒田英雄君委員長席に着く〕
#170
○説明員(稻益繁君) 只今のお話でございますると、貿易手形に限らず一般の優遇手形、或いはそのほかの貸付に対する大藏省としての銀行政策全般のようでございまするので……
#171
○理事(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて……
   〔速記中止〕
#172
○理事(黒田英雄君) 速記をつけて……
#173
○波多野鼎君 貿易の振興ということが九原則にもあり、日本の一つの國策としてやらなきやならん点なんだが、そのやらなきやならん貿易の振興が金融面において非常に阻碍されていることを今言つているわけなんです。特に貿易手形にはもう一つの先の、前の問題がある。それは輸出品の原材料を買う場合の資金のやりくりができない。この資金面についての政府の何といいますか、育成政策といいますか、その資金を円滑にして行くような政策がちつとも採られておらんのです。昨年からすでに輸出品の原料の買入代金について金融の途を開くようにという要望が沢山出ている。それに対して何ら手を打つていない。これをどうするつもりであるかということも併せて御答弁を願いたい。
#174
○油井賢太郎君 それでは引続いて貿易廳関係の方にお聞きしますが、この輸出物資の手持の大半は、ランニング・ストツクだという先程のお話ですが、巷間伝えるところによりますと、いわゆる公傳買上品計画生産というものは非常に粗雜極まる計画であつて、ストツクが増している。而もいわゆる海外の情勢というようなものも何ら研究もしてないで作つたために、現在海外で需要されてないような品物が沢山あるのだという話があるのですが、先程の御説明とこの点は大分喰違つているようですが、ランニング・ストツクが僅か六十億かそこらなら、残つた二百七、八十億は実際直ぐにも輸出される見込があるのですか。それとも他に適当な輸出物資があつても、実際はこの品物は輸出しても余り樂じやないという状態になつているのですか。その点これは打明けて一つお話を願いたいのです。
#175
○説明員(稻益繁君) 只今の御質問でございますが、先程ランニング・ストツクと申上げましたのは、全体のこれだけの量の貿易を行いまする際に、絶えず或る時期を以て切りますると相当額の手持品があるわけでございまして、これはその直ぐあとに又次々と輸出されるという手合のものと考えます。ただ御指摘ございましたように、先程又御説明いたしましたように、國内に放出しなければならないようなものが相当にある。さような意味の金額をほぼ七八十億と申上げたのでございますが、その方は主として御承知のように管理貿易でスタートいたしまして、当初海外の事情も皆自分らず、專ら貿易廳並びに司令部を通じて海外の市況その他の状況を判断いたしまして、國内において計画生産をいたして参りました次第でありまするので、中にはまま見込違い、或いは粗雜な物、海外において到底賣れないような物というようなものが出て参つております。さようなものにつきましては、極力國内でこれを販賣するとか、そのほかの手段を只今総合的に講じているのでございまして、ここに書いてあります三百億の大部分と申上げましたのは、さような國内でなければ向かないというようなものを除きました大部分のものは、やがて輸出されるもの、その意味で絶えず手持いたしておりまして、輸出されればあとから新規のものを買上げて行くというような意味合におきまして、ランニング・ストツクとかように申上げた次第であります。
#176
○油井賢太郎君 今のお話によりますと大変心強い話になるのですが、この提案理由では輸出物資の買入に要する資金というものが、民間貿易の発展によつてますます膨れ、而もますます民間貿易の大半はBSコントラクトによつて、貿易資金特別会計でなくてやつて行かれるものが相当あると思うのですが、その振合いはどの程度になつているのですか。
#177
○説明員(稻益繁君) 只今の民間貿易が非常に多いというお話でございますが、大勢といたしまして現在は殆んど圧倒的に民間貿易の方に重点が移行いたしております。でございまするが、昨年の九月頃までいたして参りました、主として繊維でございまするが、そういうものの計画生産は、その後貿易公團の方へ品物が納入になりまして、貿易公團の手持となり、同時にこれはその後昨年の八月十五日から実行いたしておりますBSベースによる民間貿易で、貿易公團からの賣戻しという形で民間のバイヤーの間でコントラクトができました。それに対して手持のものが民間でありません場合に、この貿易公團の手持品を拂下げを受けまして、それを輸出するというふうなことで、この公團手持の輸出物資が相当部分、特に繊維におきまして民間ベースの方へ乘移つておるというような関係に相成つております。
#178
○小宮山常吉君 次官にお尋ねします。この今のような財政のときに何百億というようなストツクを何とかもつと迅速に、金融を円滑に、政府として貿易廳並びに係の方を督励して頂きたい。特に聞きますところによりますと、そのストツクの中に相当な輸出に適わない不良品もあるというようなこともいろいろ聞いておりますが、こういう点をも一つ特に政府として督励して頂きたいということと、是非できるものならこの際本当に貿易廳、商工省あたりが特にかかりまして、このストツクの整理をなすつたならば非常に金融も円滑に行くのじやないか、こう思うのであります。この点政府として督励して頂きたいと思います。
#179
○油井賢太郎君 今度の改正する法律案で五十億を増すということになりますが、いくら増して行つても、こうやつて手持高が段々殖えて、輸出に向かないものが段々殖えればきりがないと思います。これに対して確固たる政府の方針ですね。金額でなしに数量的に確固たる方針をお立てになつているかどうか(「その通り」と呼ぶ者あり)甚だ疑問に思われるのですが、こういう点については政府当局はどうお考えになつておりますか。(「見通しが聞きたい」と呼ぶ者あり)
#180
○政府委員(田口政五郎君) 今小宮山さんのストツクに関する御意見、全く我々を同感でございまして、この点は早速措置いたしたいと思います。
 今の油井さんの御意見ですが、民間でやつております仕事であればこういうことは余程ない、又あつても少くて済むと思いますが、何しろこの点はまだ貿易がいろいろな方面から制約されておりますので、ついこういうストツクを抱いて一方には資金が不足するというような現象を現わしているのだろうと思いますが、この点は今後資金面のみならず先程お話のような品物の方面におきましても、事実輸出に適当でないものをいつまでもこれを販賣せずにストツクのままに置いておく、一方資金が欠乏するというようなことは如何にも商賣らしくないやり方であるということは全く同感でございますので、こういう点は先程の小宮山さんのお話のように一つ至急に措置をいたしまして、一方不適格品は國内に放出いたしまして、國内に非常に涸渇しております市場に應ずると共に、一方資金の方も樂にするようにという措置は至急に取る決心でございます。
   〔理事黒田英雄君退席、委員長著席〕
 ついでにお答えいたしまするが、波多野さんの御意見でございましたが、輸出原料の買入に対する金融が非常に拘束されている。又貿手の割引に対する金融も非常に拘束されているが、これに対する政府の総合的な金融政策はどうかというような御意見でございますが、これは私今日業界の声としまして、特にこの方面の金融が遍迫いたしまして、当然優遇さるべき貿手のごとき、又今日特に強調せられておりまする輸出産業の原料の仕入等に要しまする金が、思うように融通がつかないということは、これは今日輸出産業を特に声を大にして奬励いたしておることと正反対の現象が現われておるのでありまして、誠にこれは遺憾な点でございます。一方いろいろな金融統制の関係上いろいろな枠が設けられまして、業者はこの枠内において有利な方面に金を出そうとするいろいろな結果、本当に優遇さるべきものが優遇されずにおるということは、これは今日の業者の声といたしまして、実際の実情は困つている。金詰りで困つている。それがために輸出産業を非常に阻害いたしているということは明らかな事実で我々も十分認めておるのであります。併しながら今後このすべて國内の産業も、輸出産業ということに最も重点を置かるるような原則が確立いたしました以上は、こういう点に対しまして如何なる外の産業に対しましても優先的に、金詰りの面から輸出産業が阻害されるというようなことは絶対にないように、あらゆる点に優先してこの方面の金融を打開されるように、円滑に参りますように、而してこの輸出産業を大いに振興せしめるという方向に向つて政府の政策が重点的にとられることは、私は当然のことと考えております。簡單でありますが、私はそういうふうに考えておりますから、その点だけを御答弁申上げておきます。
#181
○油井賢太郎君 もう一つ続いて伺いたいのですが、この手持高のうち、アメリカに向きそうな品物とポンド地域へ向きそうな品物の大体の区別は、どのくらいのパーセントですか。
#182
○説明員(前島敏夫君) 今手持の品物につきましては、アメリカと南方向けのものにつきましては殆んど出ておりませんが南方関係、東亞関係のものが大部分と思います。大体計画生産いたしましたものについてはGHQのデイレクテイヴに基いたものが大部分でございまして、南方関係の需要の変更とか契約の取消ということが大部分でありまして、東亞関係の方が相当多いと思います。
#183
○木村禧八郎君 それに関連しまして、手持品の品目別はどういうふうになつておりますか。品目別というのは鉱産品、纎維、食料品と分けておりますが、どういう品物が多いのですか。
#184
○説明員(前島敏夫君) これは綿スフその他のものが大部分でありまして、その他のいわゆる雜貨とか鉱工品関係というものは比較的金額としては少いのでありますが、纎維関係について一番大きく狂いましたのは、南方に輸出する予定にしておりました綿スフとか或いは丸首シヤツというものが相当手持となつておりまして、当初蘭印のいろいろ國内的な紛爭というものを想定しないで、或る程度從來からの実績から見て捌けるというふうな前提に基いて生産いたしましたものが相当出ておりまして、それが一番大口だと思います。
#185
○小宮山常吉君 輸出品のストツクでありますが、合格品と不合格品というようなものを区別されたらばそれによつて品名、数量、というようなものの明細を一つ御提出願いたいと思うのであります。
#186
○説明員(前島敏夫君) これは今日直ぐ間に合わないかもしれませんが、後で追つて提出いたします。大体の金額の見当はさつき申上げましたように八十億程度が不合格品を含んだ金額になつております。
#187
○小宮山常吉君 第三國会からストツクストツクと申しておりましたが、ストツクの処分について私どもまだ一回も聞いておりませんですから、この点一つ……
#188
○説明員(前島敏夫君) 貿易廳においては現在貿易公團の保管物資の処理委員会というものを作りまして、毎週一回ずつ定例的に開きまして、各公團から一週間におけるストツクの処理状況、その後のいろいろ外國からの註文の状況とか、その他全部聞きまして毎週それを促進しているわけでありまして、漸く今まで努力いたしまして六十億程度の現金化を見たわけでありまして、これから先もずつとその方法というものは続けて行きたいと思つておりますので、できるだけ先刻から御注意のありましたような市場の從來、例えばアメリカからの注文で作りましたものであつても、それを南方関係とかその他の方面に変更することによつて出せまするものはできるだけ……國内に放出いたします場合にはドル化いたしませんが、外國に出します場合にはドル資金に相成りますので、成るたけ高く賣りたいのでありますが、多少値引してもドル化したいという方針でできるだけ関係方面と折衝いたしているわけであります。
#189
○木村禧八郎君 そうしますと、今お話を伺いますと、普通の今度の輸出物資の手持高が多くなつたのは、そのランニング・ストツクが多くなつたというのと非常に品質が違うと思うのです。只今のお話から聞きまして、從つてランニング・ストツクですと次々と輸出されて國内の手持がコンスタントであるというのですが、今度の場合は非常に事情が違つていますから、この手持高が今後順調に賣捌かれるという可能性は非常に少いのじやないか、そういうように思われるのですが、その点はどうですか。
#190
○説明員(前島敏夫君) その点につきましては、純粹なるランニング・ストツクのものとその他のものと全部込みでこれだけの数字になつております。後で資料として賣捌くことができる見込みのものが幾ら、賣捌けないようなものは幾らというような数字はできるだけ早く作りまして差上げます。そういうものが全部込みに入つておるのがこの数字であります。尚今後こういうものが増加するのが困るというお話でありますが、その点は私達は非常に実は困つておりまして、現在のやり方はこれも政務次官からもお話がありましたように、殆んど商賣のやり方になつておりませんので、海外の経済市況とかその他とかいうようなものは殆んど我々の方で知ることができませんので、全部関係方面或いはバイヤーの捌口を通して情報を得ましていろいろ交渉しております。海外のデザインの変更であるとか、或いは商品の品質に対するいろいろ註文の変更というものは殆んど戰前までの知識しか今のところ持つておりません。いろいろこういうような点につきましては日本政府だけでは決しかねますので、関係方面と絶えず連絡を取つてやつているわけですが、でもこういうふうな状況でありますので、これを打開するためには民間並びに政府の海外に対する貿易使節團の派遣とか、或いは民間商社の海外における出張所或いは支店の増設とか、出張員の派遣とかいうふうないろいろな方法によつてできるだけ海外情報を集めまして、向うの註文に合つた品物を作るという方向に行かなければならないと思つております。そういうふうな方向でいろいろ折衝しております。早急にできませんのでこういうふうになつたわけであります。
#191
○木村禧八郎君 実は非常に重要な御答弁を伺つたのですが、そうなりますと、今後日本経済の再建の仕方をどうするかという問題にも関連して來る大きな問題だと思う。聞くところによれば大体繊維品の輸出は大勢的には余り見込がないような傾向になつて來ておる。重工業品、薄鉄板とか鋼材とか商船とか或いは機関車そういう方面に輸出が重点的に移つて行つておる。そういう結果として繊維品の手持品が多くなるというようなことになると、これまでのような貿易に対する考え方に基いて繊維工業を中心とする計画生産、こういうものは相当檢討しなければならんのじやないか。若しかそうでなしに今迄のような繊維が中心の計画生産でやつたら、ますますこういう手持が多くなるのじやないか、そういうふうに危惧されるのですが、そういう点についてはどういうふうにお考えになつておるのですか。
#192
○説明員(前島敏夫君) 今の軽工業品殊に繊維につきましても、今後はこういうふうな滯貨の処理が増加することを非常に恐れまして、割当その他のやり方につきましても、從來の計画生産方式というものを放棄いたしまして、できるだけ註文生産の方式に改めたいというので目下案を作つておりますので、そういうようなことで滯貨の処理というものは比較的今度は少くなるのじやないかと思つております。註文生産の方式にいたしまして、註文の出たものだけ作らせるやり方に変えて行くわけです。
#193
○波多野鼎君 先程私が三百四十三億の手持の中ランニング・ストツクを超ゆるものは幾らかと言うたら七十億乃至八十億という答弁だつた。ところが今聽いておると、ランニング・ストツクといつておるものの中にも賣れるものと賣れないものが含まれておるという話ですが、こういう点についてはもう少しはつきりした責任のある答弁をして貰いたい。大藏当局でできなければ商工大臣に來て貰つて聞いた方がいいのじやないかと思います。直接の責任者ですから……。提案いたします。
#194
○説明員(稻益繁君) その数字の問題だけちよつと釈明しておきますが、ランニング・ストツクを六、七十億と申上げたのじやないのであります。
#195
○波多野鼎君 ランニング・ストツクを超えるものが六、七十億、その他はランニング・ストツクと言つたと聞いたのです。
#196
○説明員(稻益繁君) 何と申しますか輸出に向かないものがスロー・ムーヴィング・インヴェントリーと申しているのですが、六、七十億あると、かように申上げたのです。
#197
○波多野鼎君 不適格品ですね。
#198
○政府委員(稻益繁君) むしろ不適格品です。
#199
○波多野鼎君 それじや答弁が違うので、私はランニング・ストツクを超えたものが幾らあるかということを聞いたのです。それぢや丸で間違つた返事をしておる。
#200
○小川友三君 ストックというものの中で手持高ですね、これはこの前の國会においては、政府はこういう工合に答弁したのですが、どうも事実らしいのですが、発送したけれども、発送したものが向うに到着して金が入るまではやはりストツクの中に入つておるのだという意味があるそうですが、それもこの中に含まれているのですか。
#201
○説明員(前島敏夫君) さようでございます。
#202
○小川友三君 ストツクの中でその量はどのくらいになりますか。何パーセントぐらいになりますか。例えば船で荷積みしてサンフランシスコならサンフランシスコに行つている間ストツクになつておりますね。その量はどのくらいになりますか。
#203
○説明員(前島敏夫君) 金額としてははつきり出ておりません。
#204
○波多野鼎君 先程の次官の御答弁は、非常に次官も相当の決意を以て御答弁なさつたと考えます。貿易振興が金融の面から阻害されないように万全の策を講ずるということは、大変結構なお考えであると思います。ところで、その万全の策と言われるものの中に、どういうことを具体的にお考えになつておるか知りませんが、現在やつておるような貿易手形を優遇するといつたようなやり方は、決して貿易業者に有利じやないということをはつきり知つておつて頂きたい。一番貿易業者が困るのは、現在非常に金融が逼迫しておる。闇金融が非常に積行しておる。その闇金融の中に大銀行までも捲き込まれておる。そういう事実をはつきり知つておつて、そうして対策をお考えにならないと、飛んでもないことになる。優遇するためにやつたことが優遇にならないことになる、逆の結果になるということをはつきり知つておつて頂きたい。そのためには、本当に優遇するためには、金融の機構の面についてはつきりしたお考えをお持ちにならなければ駄目だということなんです。金融機関が独占的な利益を追求しておる限り、その面から、貿易業者に限らず、生産業者全部が圧迫を蒙むる、そうして日本の再建はそれによつて阻害されるという根本の事実をはつきりお知りの上、対策を立てられたい。これを切に註文をして置きます。
#205
○中西功君 最初二十三年度の貿易の計画と実績、これを輸出と輸入で、金額で結果ですから出して頂きたい。
#206
○説明員(前島敏夫君) 二十三年度の重要なる輸出の計画につきましては、当初の計画数字は今持合せておりませんので、実績についてお話申上げます。
#207
○中西功君 僕は実際計画してものが現実にどれだけ実現したかという、それを知りたいのです。
#208
○説明員(前島敏夫君) 今計画の数字は持つて参つておりませんですが……
#209
○中西功君 大体の見当でよい。
#210
○説明員(前島敏夫君) それでは今までの大体の経過をお話申上げます。
 二十三年におきましては、輸出の実績は一月から十二月までをトータルいたしまして、円にいたしまして五百二十億九千八百万円ばかり、それから輸入の方は六百二億九千百万円、こういう数字に相成つております。ドルにして申上げますと、輸出の方が二億五千八百万ドル、輸入の方が六億八千三百万ドル見当と、こういうふうに相成つております。それでこれは当初の輸出計画に比べますと、輸出計画は数回改訂いたされまして、歴年今まで作つたことはありませんですが、二十二年の四月から二十三年の三月くらいまでの大体の見当におきましては、輸出については一千億を超える数字を見ておつたような記憶をいたしております。それから輸入についても、現在ここに実績として出ておりました数字よりは相当上廻る数字を見ておつたような記憶をいたしております。その以前におきましては、大体輸出入の実績というものは、日本側からの司令部に対する希望的な数字というような恰好になつておりまして、大体計画を立てますと、それに対する二割乃至三割程度が実現するというような状況でありまして、それが漸次接近いたして参りまして、まあ二十三年項になりますと、輸出計画も、年度計画というよりも、むしろ四半期別の計画を立てて行くような恰好に相成つておりまして、四半期別の計画から言いますと、大体六割乃至七割程度は実現されるような方向に現在向つております。
#211
○小川友三君 今のちよつと違うのではないかな。輸出が五百二十億九千八百万円で、ドルに直すと二億五千八百万ドルであると、そうすると一ドルが二百五十円強になりますね。それから輸入の方が六百二億九千百万円で、ドルに直すと六億八千三百万ドルになると、輸入の方は一ドル大分高くつきますな。
#212
○説明員(前島敏夫君) 御説明申上げます。レートが、昨年の実績におきましては、輸出の方が大体二百一円ということになつております。それから輸入の方が八十八円平均、こういうふうなことになつております。
#213
○中西功君 そういたしますと、昨年の一月から十二月の実績で、輸出をアメリカ・ブロツクと、それから南洋、それから中國、その他と分けたら、大体どんなパーセンテージになりますか。
#214
○説明員(前島敏夫君) 昨年の今お話しのパーセンテージにつきましては、一月から九月までのパーセンテージを分けたものがありますが、これでよろしうございましようか……これによりますと、一九四八の一月から九月までで、アジア諸國が輸出については全体の五三・五%、アメリカ諸國が二九・四%、欧洲諸國が一〇・七%、アフリカ諸國六・四%、
   〔委員長退席、理事黒田英雄君委員長席に著く〕
 それから輸入の方につきましては、アジア関係が一五・四%、アメリカ関係が八〇・六%、欧洲諸國が二・一%、アフリカ諸國が一・九%、こういうふうな状態に相成つておりまして、その後も大体こういうふうなパーセンテージに近い数字になつております。
#215
○中西功君 僕が聞いたのは中國の割合を聞いている、香港を入れて……。
#216
○説明員(前島敏夫君) 中國関係は輸出につきましては同じく一月から九月までの状況でありますが、全体の二・四%になつておりまして、香港は七・二%、こういう状況になつております。それから輸入につきましては中國関係は三・二%、それから香港では〇・六%、この程度になつております。
#217
○中西功君 輸出は何ぼですか。
#218
○説明員(前島敏夫君) 輸出の方が中國が二・四%、香港が七・二%、それから輸入の方が中國が三・二%、香港か〇・六%、こういう数字があります。
#219
○中西功君 さつきから各委員の質問によつてこの輸出計画や、或いは又そうしたものが非常にあやふやな計画……可能性の上に立てられている、そのことから非常なストツクという問題が起つて來ると思うのですが、序でに二十四年度においてどのような計画をしているか。今まで私が聞いたことは、大体項目が分ると思いますが、それについて説明して頂きたいと思います。
#220
○説明員(前島敏夫君) 二十四年度につきましては、一應輸出の方を五億ドル見当、それから輸入の方を九億五千万ドル見当といつたような数字を大体の数字といたしまして、司令部の方から内示を受けているわけでありまして、それ以上の現在の詳しい内容はまだできておりません。
#221
○小川友三君 もう一遍言つて下さい、輸入が幾ら……
#222
○説明員(前島敏夫君) 輸出につきましては五億ドル、貿易外收支が五千万ドル、輸入の方は九億五千万ドル、これだけの数字ができておりまして、日本政府の方では從来それを相当上廻つたいろいろの計画を作つておりましたが、これは今回の司令部の指示によりまして改訂をしなければならんようなわけで、現在まだ内容はできておりません。
#223
○中西功君 私は昨年の実績を見ましても、計画から見れば遥かに少かつたと思うのです。その点は輸入においてじやなく輸出において非常に少かつた。今、今年五億ドル輸出が予定されているわけですが、殊に若しこれがやはりアジア市場を相当大きく見込んでいるとすれば、又非常な打算外れになると思うのですが、そして又このような打算外れの上に今後の貿易資金や或いは又そうしたものが立てられれば、これはただストツクを増すだけの結果になると思う。そういうアジア市場その他の市場への見透しというものは、一應日本政府としてこれよりもつと大きな計画を立てたのだが、どういうふうに考えているか聞きたい。
#224
○説明員(前島敏夫君) アジア市場とかその他に対する市場対策といたしましては、現在日本政府におきましては、貿易協定のやり方によりまして、各國間のドル資金の決済等のつかない場合とか、その他の貿易振興という点を図つておりまして、現在貿易協定のすでに成立いたしましたものが二億八千万ドル見当になつております。從つて來年度五億ドル見当の輸出計画を立てますと、その半額以上というものは現在すでに成立いたしております貿易協定の線に副つて繁いで行くことができますので、比較的可能ではないかさ私たちは考えております。それから実績から申上げますと、十二月におきまして、これはドル数字でございますが、輸出と輸入は比較的バランスの取れた数字が出て参りまして、從來に比べて輸出の実績は十二月あたりから非常に好転して参りました。この数字を御参考までに御報告申上げますと、十二月末におきましては、輸出が四千六百八十九万八千ドル見当、輸入の方が五千五百八十五万三千ドル見当、こういうことに相成りまして、差額が八百九十五万五千ドル、こういうような実績が司令部の方から発表されておりますので、これによつて見ますと、輸出輸入の差額というものが縮小されておりますので、比較的バランスが取れて参つておりますし、同時に十二月の実績というものを十二倍いたして見ますと、一年における五億ドルという数字も、比較的達成し易い数字じやないかというように考えております。その後の一月並びに二月の足取りというものは、私のところで相当愼重に見ておりますが、一月においては纎維関係のはつきりした数字がまだ出ておりませんが、大体三千八百万ドル見当になつております。從來この纎維関係というものは六割から七割の間を出しておりますので、それに七割をかけて見ますと、相当の数字が一月も出ているのじやないか。それから二月も大体同じような線を比較的継続いたしておりますので、比較的今年の輸出計画につきましては、むしろ五億ドルという数字を最低の線にして行きたいというように考えております。
#225
○中西功君 それでは次に、最近貿易公團の改組があつたわけだと思うのですが、私もこの貿易公團の……一々の新らしい公團について知つているわけじやないのですが、今度の改組が具体的にこの貿易資金やそうしたものにどのような影響を與えるか、或いは與えないか、それを知らして下さい。
#226
○説明員(稻益繁君) 御承知のようにこの三月三十一日附で從來ございました四公團のうち、現在の貿易公團と食糧貿易公團、この二つが廃止になりまして、その仕事のうち極く一部の仕事が鉱工品貿易公團へ引継がれるということになつております。これとお尋ねの貿易資金との関係でございまするが、大体現在までこの運用会計で貿易資金を動かして参りました場合には、この四公團に貿易資金から貸付をいたしまして、その貿易資金から借りた金で貿易公團がいろいろな物資を買うというようなことになつております。從いまして機能として廃止せられました分に相應するものは、貿易資金との関係がそれだけ切れるわけでありまして、ただ機能的に引継がれました部分だけが鉱工品貿易公團の仕事として更に継続されるということになると思います。資金の全体の額その他につきましては、目下檢討をやつている最中でありまして、近く予算の形で提案いたしまする際に詳しい御説明を申上げたいと思います。
#227
○中西功君 それから三番目は輸入の問題なんです。今度の計画においても十億米ドル近いものが輸入されるわけでありますが、この輸入が日本の商社としてはどれ程積極性を以て今後やり得るかという問題、それから今のところ殆んど輸入は、日本商社が非常に不利な地位に置かれている関係から、主として外國商社に依存しなければならんというふうなこと、或いは又それから來るいろいろな不便が沢山あると思うのですが、その輸入の問題について、少し私は詳しく、分つておる範囲でお聞きしたいのですが……
#228
○説明員(前島敏夫君) 今のお尋ねの輸入の問題につきましては、現在日本の商社と外國の商社との間で契約をいたすことが全然許されておりませんで、輸入につきましては完全なガヴアンメント・ベースというようなことが行われておるわけであります。從つて全部貿易公團の名前において行われておるわけでありまして、民間商社が直ちに出る余地が全然ないわけであります。ところがこういうふうな状況になりますというと、昨日でしたか、中西議員の方からお話がありましたように、いろいろ輸入物資の滯貨の問題とか、或いは使えるとか使えないとかいう品質の問題、その他いろいろな問題が起つて参ります。貿易廳の方は関係方面とも鋭意折衝いたしました結果、最近の機会におきまして、ガリオアとイロアの物資を除きまして、その他の物資につきましては、民間輸入の制度を実現することができるであろうと思いますが、今後は民間商社と外國商社との間で、民間商社の希望する眞に生産のために必要な物資というものを入れることができるようになるのではないかというふうに考えております。それから尚契約のやり方等についても、現在輸入につきましては全部CIF契約でやつておりますが、そういう点からも、運賃とか保險料とか、その他外貨で全部拂うものは貿易外の收支によるものが非常に多いわけであります。そういう点におきましても、できるだけ切換えるようにいろいろ関係方面とも折衝いたしておりますが、この点につきましては、傭船の問題とか、或いは自國船の使用の問題等とからみまして、相当複雜な問題でありますので、早急には今のところレートの問題は片附かないと思いますが、それも方向といたしましては、そういう線でいろいろ折衝いたしております。
#229
○中西功君 それで日本の輸入業者に聞きますと、どうも今みたいな状態では、日本の商社が輸入しようとしてもできない。又たとえこちらでよい思いつきがあつても、その思いつきが十分日本のその人自身が利用できないというふうなことがあつて、もうそういう面からも日本の商人はよりつかんというふうな傾向があるということを聞きましたが、そうしますと、今のところとしては、日本の商社が自発的にこれを欲しいということで輸入したものは殆んどないわけなんです。
#230
○説明員(前島敏夫君) それにつきましては、今の民間の商社の大きな不便というものは、海外の買入資材の生産状況とか、その他の使用状況というものが分つておりませんので、今後も仮に今のCIF契約のやり方ならば、そのために進出いたして行くといたしましても、相当困難が外商と比較して競爭する場合にはあると思いますが、その点からも海外への貿易使節團の派遣とか海外事務所の設置問題はできるだけ早く実現したい、こういうふうに思つております。
#231
○中西功君 十億ドル近い輸入なんですね。これは何といいましても、今後の経済を動かして行く原動力みたいなものだと思う。その輸入計画は日本政府が日本の今後の産業建設に必要なものとして計上したものと、それから関係方面からやれ、こういうなものを輸入したらどうかと言われたような、関係方面の計画と相当喰い違いがありますかどうか、その点を伺います。
#232
○説明員(前島敏夫君) その点につきましては、從來の実績から申しますると、鉄鉱石とか、石炭とか食糧とか、そういうような主な品目として数量の多いものにつきましては、比較的年間の計画が実現せられておりますが、その他のいわゆる工業原料品特に副原料関係のものには相当アンバランスがありまして、当初輸入計画として日本政府から要請いたします場合は、五ヶ年計画の第一次年度計画とか、或いはその後における物資の需給状況の変遷というものを見まして、輸出計画とかその他にマツチしたような輸入計画を向うの方へ提出しておるわけでありますが、実際入つて参りますものは、その後の市場における買付け状況とか、或いは関係方面のいろいろ意向等によりまして、いろいろ変化をして來ておるわけでありまして、実績において特に副原料関係において喰い違いが多いようであります。
#233
○中西功君 副原料というとどういうものですか。
#234
○説明員(前島敏夫君) 例へば漆とか、カオリン、それから繊維の染料関係とか、こういうようなものについて、特に今までいろいろ喰い違いがあつたように記憶いたしております。
#235
○中西功君 最後に中國に対する貿易ですが、これにはいろいろ見方がありましようが、大体日本政府の貿易計画の中では、中國市場というものは、もう問題になつていないのか、それとも多少は考えておるのか。考えておるとすれば、今後どの程度考えるのか。そこをちよつと聞かして貰いたいと思います。
#236
○説明員(前島敏夫君) その点につきましては、差当つて本年度の四月から開始されます年度の問題でございまして、香港経由或いは朝鮮経由で入つて來るものが相当あると思いますが、そういう点は、香港或いは朝鮮経由等の多少何らかの形で顔を出して行く面もあると思いますが、現実の上に中國との関係におきましては、はつきりした推計の見透しがつきませんので、数字としてははつきり出ないだろうと思つております。
#237
○中西功君 具体的には、香港や或いは朝鮮を通じての密貿易という問題が非常に問題になるのじやないですか。これは私は新らしい中國の連合政府が若しできましたら、これは徹底的に取締ると思うのです。併し今の政府だつたらルーズだと思うのです。私は今後日本品が、実際のことを申しますと、新らしい政府ができたような場合においても、香港或いは朝鮮を経由して密貿易として入つて來るものが非常に多くなつて來て、一つの國際問題になる可能性があるだろうと思つておりますが、これは將來のことですし、何も皆さんの意見を聞こうと思つておりませんが、そういう密貿易という問題について、何か今政府に表か何かありましたら聞かして貰いたいと思います。日本と大陸沿岸を通じてどの位行つておるかというような……
#238
○説明員(前島敏夫君) これはいろいろ耳にもいたしておりますし、GHQ等ではいろいろ統計を集めておるように聞いておりますが、具体的な数字はここに持合しておりません。
#239
○小川友三君 簡單にお伺いいたします。二十四年度の貿易計画は赤字である。約四億が赤字になるということですが、その利子はどういう工合に計算されて拂うのであるかという目標と、今までにどの位の利子をどういう率で拂つておりますか。それとも利息はなくて救済基金という名前か何かで輸入されておりますか。或いは復興資金というような名前で入つておるか。それと同時に、貿易のストツクの原因は貿易資料調査の不足によるということは、間違いないことであつて、それを打開するのに、その筋と具体的な連絡を政府当局がとれば、こういうことはないと思いますが、一應その調査の不十分の点も或いは幾らかあるのじやないかと思うのですが、この点についてお伺いします。それから註文生産で手堅く今度やつて行きたいというような御意見でありましたが、註文生産ということは、これはそういうことをかたくやる場合は、二十四年度の五億五千万ドルの輸出計画は齟齬を來しはしないかと思いますが、この五億五千万ドルの輸出計画は註文生産を堅持してやるのか、或いは見込生産も入つておるかということを含めてお伺いします。
 それから繊維製品の輸出が非常に盛んになつておるというお話で誠におめでたいことでありますが、これは註文生産であるかどうかということをお伺いいたします。それから今も中西先生からお話がありましたが、中華貿易に関してどういう工合の研究或いは調査をお進めになつておりますか、又中華民國全体で三二%の輸入となつておりますが、これは中共地区からの輸入はどのくらいあつたか。それからもう一つはパルプ資材が非常に不足していますが、ソ連、樺太からパルプを輸入する運動をしておりますかどうかという点をお伺い申上げます。
#240
○説明員(前島敏夫君) 今お尋ねがありました市場調査の不足の面につきましては、御指摘の通りでありまして、市場調査につきましては、官廳からもできるだけ関係方面の御了解を得て、比較的早くこうした機会を與えられまして、日本の貿易というものが比較的正常な状態に復りますようにいろいろ懇請いたしておるわけでありますが、これは皆樣の御協力を得まして、できるだけ早く実現いたしたいと思つております。それから註文生産について見込生産も入つているかどうか、この点につきましては、これは相当來年度の計画といたしましては、これだけの註文は必ず來るという前堤でこれを立てておるわけでありまして、現在も註文は各品種について見ますと、これ以上の金額に相成つておるわけでありますが、実際L・Cの開かれる金額とか、そういうものが相当限られておるわけでありまして、まあこの程度がいいところであるというふうに考えて現在のところは組んでおります。
 それからその次の中共貿易の数字でありますが、これは全部國民政府との取引の数字だけでありまして、それが実際中共地域にどの程度流れたかどうかということはこちらでは全然分りません。
 次にパルプ資材の輸入計画でありますが、これは從來からもパルプ資材は相当不足で入れて参りましたので、先般入れましたのはソ連地区から、樺太の方から持つて來たパルプでありますので、今後もこういうふうなパルプというものは日本における必要量だけ入れて行きたいと考えて懇請いたしております。
#241
○小川友三君 それからソヴイエト連邦からサントニンの輸入について本年はどういう計画を持つておられますかということを一つ、それから漆とカオリンの輸出ですが、漆は世界的に有名な日本の特産品でありまして、漆の輸出を極めて積極的に政府でやつて頂きたいと思います。これは漆の木をどんどん植林をするという面において、漆業者が政府からの補助は殆んどないようなものであつて、相当苦心をしておりますが、この漆の木を植えるために、政府はどれだけの予算を補助してくれますか。この点も沢山補助して貰いたいと思います。それからカオリン貿易の方ですが、これは日本のはそう優秀ではありませんが、脱色用にアメリカで重宝がられておりますので、このカオリンの貿易については特に中小企業者がやつておりますので、積極的に政府から應援をして貰いたいと思いますが、本年度の昭和二十四年度のつまり應援の仕方ですね、氣構えというのを分つている範囲内で結構ですから、一つお示しを願いたいと思います。
#242
○説明員(前島敏夫君) 今のサントニンの輸入の計画につきましては、來年度の計画の数字というものが、先刻お話申上げましたように、現在まだ決つておりませんので、項目として確かに上がるかどうかということは、現在におきましては私には分りませんです。
 次の漆の問題でありますが、漆の生産状況は最近におきましても、一期に対して、七トンから十トンぐらいの見当の数字でありますが、日本のこの輸出品の中で漆を使います分だけでも、到底それだけの数字では賄い切れませんので、從來から香港とか、或いはその他から漆というものを相当入れておつたわけでありまするが、これも現在入つております漆については、相当量が入つておりまして、少なくともこの一年間分ぐらいでは使い切れないぐらいの数字があるのではないかと思つております。從つてそういうふうな在庫量と睨み合せて、政府の方でも政策が決まるものであろうと思いますが、現在のところ國内の供出その他につきましては、農林省の方で努力しておられますので、そういう点にいろいろお願いをしておるわけであります。外國とか、香港等から入ります漆についても、國内の漆を混ぜて使いませんと、実際問題として使えませんのです。そういう点は特に外國から品物が入りましても、國内の供出についてはできるだけ力を入れて頂くようにお願をいたしておるわけであります。
 それから次のカオリンの問題につきましては、これも香港とか、或いは朝鮮からカオリンが現在すでに相当入つておりまして、恐らく來年度も相当量カオリンの輸入があることだろうと思つておりますが、これも國内のカオリン等とも適当に配合をして使つておりますので、國内のカオリンも陶磁器の輸出というものが、今後の爲替レートがどういうふうな影響を受けるか分りませんが、そういうふうな一つの爲替レートという関所を通過し、前途可能性がありますならば、國内のカオリン増産というものも相当力を入れなければいけないものだろうと考えております。
#243
○中西功君 この我々に渡された表の中で、貸付金千四百四十六億、それから償還金が千百二十八億とあるんですが、この差額が相当あるわけです。一体この差額はそうするとこれはどこに行つていることになるんですか。この差額は大きい差額ですよ。
#244
○説明員(稻益繁君) 貸付金は御承知のように、この法律の運用によりまして、貿易資金から貿易公團へ貸付けるものでありまして、貸付金と償還金千百二十八億との差額は、結局貿易公團に対する貸付残として残つておるわけであります。
#245
○中西功君 そうすると三百十何億というものが貸越になつておるわけですね。
#246
○説明員(稻益繁君) そうです。
#247
○中西功君 その三百十何億というものと、ここで要求されておる三百億とは見合うわけですね。金額の上では見合うように思いますが、この間に必然的な関連はないのですか。
#248
○説明員(稻益繁君) ございません。
#249
○中西功君 それはどういうわけですか。
#250
○説明員(稻益繁君) と申しますのは、この貸付残の……先程申上げましたように建前が輸入物資の賣却代金で賄つて大体輸出をやつて行く、その際に貿易公團に対して貸付金をするということで行つておりまするが、この三百億の私共の方で今度拡張いたしまして借りまする方は、全体の資金でありまして、この公團に対する貸付金はその中の一部としてこの貸付残の、例えば十二月末でありますると、ほぼ三百億近くが一部は手持の商品として先程から問題になつております輸出物資の手持高、それに大体なりまする部分と、後は貸付まして、輸出が済みました場合に貿易廳として清算拂をいたしまするので、その間の喰違いによります未受領金、公團の立場から申しましての未受領金がこれだけの貸付残の中に相当額入つておるという結果になります。たまたま結果として、御指摘のような三百億が公團に貸付られておるということは、結果としては起つて参りますが、直接の関連はない、かように考えます。
#251
○中西功君 それで貿易公團として、千四百四十六億の金を貸付け、更に又千百二十八億の金を貸付金として運転する。こういうふうな場合にその金利関係、そういうものはどうなるんですか。
#252
○説明員(稻益繁君) 金利は私の方の貿易資金で日本銀行から借りまする場合に、日歩一銭の金利で借りまして、又貿易公團に対して貸付けます場合には、同じく日歩一銭で貸付けをいたしております。
#253
○中西功君 で又これだけ沢山金が動くと、余程この金を経理をきちんとしないと、実にいろいろなことが起ると思います。そこで今度三百億借入れをするわけですが、その三百億の金利の問題ですね、これはさつき日歩一銭だということになつておりますが、一般にそれはどこで処理しておるわけですか。そういう金利の負担の問題、第一の問題は、これはどんなふうにして、要すれば誰が負担をするのか、それから又どういう勘定でこれは処理するのか、その二つ……
#254
○説明員(稻益繁君) 貿易資金が日本銀行から借入れます借入金の金利負担は、特別会計法におきまするいわゆる経費勘定で、歳入歳出の面で計上されております。從いましてこの公團に対する貿易資金の貸付金の金利は、まだそれだけのものが特別会計に納入になるということになつておりまして、その差額がございまするので、その差額によつて剰余金が出たり、或いは不足が出るということが特別会計の中の経費勘定の中で現われておるというふうになつております。
#255
○中西功君 そうすると今度の場合特別にこの法案と共に予算の方に……そういう意味で特別会計の方にはこれを出す必要はないのですか。こちらの方にそういうことを載せる必要はないのですか。今補正予算が出ているわけですが。
#256
○説明員(稻益繁君) 只今の御質問、今度の補正の中に入つております。
#257
○中西功君 それはどこにありますか……
#258
○小川友三君 本法案は極めて重大な法案でありまして、商工大臣の御出席を求めまして、それから審議を續行したいと思いますが、皆様にお諮りいたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
   〔波多野鼎君「大臣出席するまで休憩したらどうですか」と述ぶ〕
#259
○理事(黒田英雄君) 商工大臣は來ることになつておりますが、それまで次の法案を審議した方がいいと思いますから、これはこの程度にします。
#260
○理事(黒田英雄君) ではその間に産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案、これの審議を願いたいと思います。
#261
○小川友三君 今提案されました法律案につきましては、法的な解釈がございますので、特に法制長官と参議院の法制局長と出席して貰いまして、法的な解釈をして貰いたいのですが、お諮り申上げます。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#262
○理事(黒田英雄君) 法制長官の点ですが、それは要求します。外の点について……
   〔理事黒田英雄君退席、委員長著席〕
#263
○中西功君 緊急動議、商工大臣も要求してありますし、或いは法制局関係の人も要求してあるのですが、その人たちが來るまで、暫くの間休憩を一つお願いしたいと思うのであります。
   〔「賛成「と呼ぶ者あり〕
#264
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ありませんか。それでは暫時休憩いたします。
   午後三時四十分休憩
   ―――――・―――――
   午後五時八分開会
#265
○委員長(櫻内辰郎君) これより休憩前に引続いて会議を開きます。産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案の審議中でありますが、一時これを中止いたしまして、この際、國有鉄道事業特別会計法の一部を改正する法律案の審議に入りたいと存じます。本案に対して、御質疑がありましたら御質疑を願いたいと存じます。
#266
○中西功君 ここで提案理由書の中の第四点としてですね。この新たに用品勘定を設けて、この用品の再評價をしてですね。そうして資金の増加に充てるということになつておりますが、こういう再評價することが、具体的に言つて損益勘定、その他の或いは工事勘定、そういうものは具体的にどんな影響を與えるのか、成るたけ数字を以て説明して頂きたいと思います。
#267
○政府委員(佐藤一郎君) 只今手許に数字がございませんので、詳しい数字は鉄道省の方からお答えいたすと思いますが、要するにこの中間貯藏品勘定におきまして統制價格が上りました場合に、高い價格で用品を買う。そうしてそれに必要なための評價増といたしまして、それによつて他の勘定に対して高く賣ることになるのでありますからして、他の勘定におきましては当然予算が膨れる、こういうことになるわけですが、その数字はちよつと今……
#268
○中西功君 具体的に一番大きい問題は、恐らく損益勘定にどんな影響を與えるかということだと思うのです。大体のあれはありましようから、一つ鉄道省の方からお答え願いたいと思います。
#269
○政府委員(三木正君) 詳しい数字が申上られなくて、甚だ申訳ございませんが、本年度における工事勘定、損益勘定を通じまして、物品の代金、物品によつてやるものが約四百五十億ぐらいだろうと思いますが、これは七月までは前の値段であり、八月以降公價の改訂によりまして、八割増ぐらいの單價で見込んでいるわけでありますから、年度を通じますと、一年間のうちの三分の一については昔の値段であり、三分の二については新らしい値段、八割殖えた値段、年度を通じますと、八割の三分の二であります五割程度の物件費の膨脹を來たしておる、こういうことになる勘定でございます。
#270
○中西功君 これはまだその法律が改正されていないので、要するに今までは購入した價格で以て、すべての勘定が行われておるわけですね。ところがこの法律によつてそういうことを補足するというわけですね。だから補足する額がどのぐらいになるかということを聞いているわけなんです。
#271
○政府委員(三木正君) 勿論この法律が通らなければいけないのでございますが、大体関係方面の示唆もございまして、本年度の工事予算並びに損益勘定の予算は物件費に関する限り七月以降公定價格の値上りを見込みまして、約七割の値上げを見込まれまして組んであつたのでございます。実際に公定價格の引上げが実施されましたのを見ますと、品物によつて、いろいろ値上りの違いはございますが、平均いたしまして八割乃至十割の値上げになつております。でありますから我々といたしましては、八月にその物品の出納單價の改訂をいたしまして、こういう法律の予想をいたしまして、新らしい公定値段で決算の準備をしておるわけでございます。でありますから七割で見込まれた予算が実際に八割乃至十割になりましたために、それだけ事業費なり工事勘定の仕事は抑えられは恰好になつております。現在これでこの法律が通りました際には、そのまま決算されるのでございまして、資金の余裕が生ずることはないのでございます。資金という言葉が非常に紛らわしいのでございますが、これは現実の資金ではございませんで、運転資金という名目の予算上の資金額がそれだけ増加される。損益勘定なり、工事勘定から代金として返つて來るわけです。次に品物を買うそれだけの流動資金、資金と申しますと、現実の金のように聞えがちでありますが、それだけのフアンドが膨れ得るということになるわけであります。若しこれをやらなければ、元の古い公價でやりますれば、成るたけ沢山の仕事ができると同時に、次のものを買うためには値段が上つておりますから、同じ数を揃えるために資金の補充をしなければならん。昨年度まではそれを公債費或いは借入金によつて特別の予算によつてやつて頂いておるわけでありますが、今年はそれをしないで、自働的に資金の回收ができるという恰好をとるためにこれが出ておるわけであります。
#272
○中西功君 それは昨年のマル公改定のときに大体八割増というふうに計算を組んだ。それがその後そうではなくて実際に上つておる。もつて上つておるから、そのように直すというのか、それともすでに買込んである多くのストックがあるわけですね。それは非常に安いときに買込んだもの、ところがそれがやはり今までのやり方では買込んだときの値段で以て帳簿につけられておるから、或いは又そういうふうにして工事勘定や損益勘定の表についておるから、それを現在の大体のマル公の線まで上げてやるというのか、その二つは私は違うと思う、どちらですか。
#273
○政府委員(三木正君) 持つておりました品物も、今後買いますものも、皆マル公に割掛けを、用品勘定のいろいろな経費を加えたものですべて決算をして行つたわけであります。
#274
○中西功君 どうも私分らない。もう一度伺いますが、だから、分り易いように具体的な勘定の数字で以て言つて貰うと非常にいいと思う。八月にマル公改定したときに八割というふうに組んでおる。そういう予算面上の問題で実質と合わないから、これを直そうというのか、そうでなくて現に購入しておつた「用品勘定で保有する貯藏品の價格を一般の統制額に準じて改定し、」と書いてある。即ちここでは予算面でどういうふうに決められたということでなくて、実際に貯藏している價格を今の價格に引上げて資金の増加を図ろうというのでしよう。この二つで私は違つていると思うのですが……
#275
○政府委員(三木正君) どうも私の説明がまずくて御理解が願えないので大変申訳ありません。こういう品物を十個持つているとします。五円のものを五円で買いましたが、七月から今度十円になります。これを十鉄道運営のために要るとします。その時にこれを五円で決算して行きます。買込んだ値段が五円であります。このままこれは五円であるからというのでこれを工事に使つたときに、この中には五円として入つているとします。そうするとその次に、しよつちう一定のものを保有しておらなければ鉄道は運営できないわけでありますから、二つ使つたからこのとき二つ買う、二つ買い足すというときにもう公價が改定になつて十円になつている。そうすると一個十円だから二箇で十円金が足りなくなります。鉄道は常に或る程度のものを持つていなければならないのですから、値が上つても尚安い値段で決算しておりまするから、次に所要の量を確保するためにはその差額だけを何らかの形で補充しなければならない。それを在來は運転資金の不足ということで公債なり借入金によりまして、そのままの値段で決算して、その次に膨脹した物品を賄うためにはそういうものを借入金でやつておりますと、それでは甚だ不健全でありますから、今度これは公價が改定になつたときに十円で決算して行く、十円で使つたとして行く。そうすると運転資金という一つの項目におきましては、自分は五円で買つたのでありますが、十円で損益勘定なり工事勘定に賣つたことになりますから、そこにその勘定としてはそれだけの利益が生ずるわけであります。
#276
○中西功君 水ぶくれですね。
#277
○政府委員(三木正君) 水ぶくれではございません。現実にそれだけのものを使つたものとして、現実にそれだけの値段のものを使つたのでありますから、それとして許される予算の範囲内でやつて行く、これが私は正しい考えだろうと思います。それを十円で計算して参りますから、余裕ができましても、次に必要な二個を買い足すときには買い足す値上り分が保有できることになつて行きます。それを前には予算では七割に見ておりましたが、実際は八割なり十割の値上りを見ましたために、初め予定された予算を実質的に削減したことになります。それでいろいろな工事を手控えをいたしましたし、或いは事業の面においてもそれだけ物件費において制約を受けて來る、こういう恰好で年度を越す姿であります。
#278
○天田勝正君 二点お伺いいたします。第一点は第九條二項の改正でありますが、この中には「中間勘定その他所要の勘定の区分を設ける」としてありますが、その所要の勘定とは一体どういう点を予定されているか。第二は附則の第五項とそれから提案理由の説明の第四点との関係でありますが、提案理由の説明によりますと、「これらの勘定において必要の都度当該勘定に用品割掛費と購入原價との合計額をもつて使用せしめておるのでありますが、」こう言つているわけですが、第五項を見ますると、この割掛費用を加えるというようなことは、全然どこにも出ておらないのですが、こういう点はどうして割掛費を加えた價格がこの勘定における價格とみなし得るのかどうか。それからこの「統制額の規定に基きこの会計において保有すべき貯藏品の量に不足を生じたときは、」こういうことになつているのでありますが、このことは價格の改定、統制額の改定が行われたならば、その年度の当初から使用した分までも一体新らしく改定されたとみなして、そうして中間勘定の方へ渡すときには渡してやる、こういうことになるのか。その不足しただけを新らしい公定價格とみなして渡してやるのか、そのいずれなのか、明確を欠いていると思うのでありますが、この点についてお伺いいたします。
#279
○政府委員(三木正君) 第九條の第二項を改正いたしますのは、第三條の二項において、減價償却引当金の外にその他の引当金を設ける、修繕引当金のようなものを予想しているのでございますが、そういうものを設けることができるというように直して頂きたい、こういうので第三條の二項ができたわけであります。そういう條文ができますに從いまして、その引当金の内容をはつきりするために、勘定区分もそれに相應する勘定を設けまして、その内容を明細にしたいというので、第九條の第二項ができているのであります。
 それから第三点について、年度の当初から値を上げるのか上げないのかという御質問と心得ますが、これは公定價格が上つたときから変えて行く、こういうことに考えております、実際問題といたしましては、公定價格の改定は非常にだらだらと行われまして、一遍にやれませんので、大体七月一杯で殆んど大部分のものが改定になりましたので、八月にその價格の改定を行いまして、その八月以降はそれによつて決算いたしております。だから七月までは前の公定價格において決算をして行つております。
 それから第四点の割掛費を加えて、という御質問でございますが、これは鉄道で物を買いまして使用いたしますまでには、買入の原價だけではございませんで、それを運搬いたします費用でありますとか、例えば右炭のごときものは、消費地で配炭公團から頂くのでなくて、経費の節約のために、山元でこれを買いまして自分の手で運送しているのであります。その方が非常に安くつきますから、船舶の輸送費なり或いはポート・チヤージなり、そういうものを拂つております。その間にそういう経費、或いはその間に壞れるものもできますが、その壞れたものの費用であるとか、それに從事いたしまする職員の給料その他の費用でありますとか、そういうものを資材の値段に加えまして、それが本当の使用価段だ、使用地までに要した費用を加えまして決算をして行く、こういうことにいたしているのであります。
#280
○天田勝正君 今最後にお答えになつた点は、割掛費用を加えた額をそういうようにみなすというのは分るのであります。それが第五項によつてはそういうものを價格とみなすということが明確になつておらないが、その点はどうかという点であります。
 それから第九條の二項の改正は「その他所要の勘定の区分を設ける」こう言つているのだが、その他、前に列記した外の「その他所要の勘定の区分」というのは、どういうことを予想されているか、こういうことを質問しているのであります。
#281
○政府委員(三木正君) 只今現実に大藏省と御相談してこういうものを直ぐ置きたいというものはできておらんのでございますが、私共として勘定科目の改正として考えておりますものは、具体的には申上げる時期に至つておりません。ただこの勘定科目だけでなしに、必要に應じてはその他の引当金を作つて、その勘定を明細にして、経理もはつきりすることができるということを規定して頂きたい、こういう意味で出したのでございます。もう一点は……
#282
○天田勝正君 附則の第五項の点なんですが、私がさつきお聞きしたのは、提案の理由の説明の方で用品を「割掛費と購入原價との合計額をもつて使用せしめる」こういうふうになつておる。ところが購入原價と割掛費を加えたものを要するに價格とみなすということは、第五項によればどこにもこれでは書いてないが、不備ではないか、こう聞いておる。
#283
○政府委員(佐藤一郎君) 只今の御質問ですが「貯藏品の價格を改定し」とございますが、この價格という観念はどういう観念かという説明が、この提案理由の説明に書いてあるのだろうと思います。この價格をどういう内容のものとするかということは、鉄道の経理上從來から、説明にありますように、この両方を含んでおつて処理しておつたわけでありまして、今後もそういうようにやらして頂きたい。そういう氣持であります。
#284
○天田勝正君 習慣上そういうことをやつておられるのですから、別に取扱方が不自由でなければ差支えないわけですが、結局そうした習慣だけで、何も注文上の根拠がないものでは不備ではありませんか。
#285
○政府委員(佐藤一郎君) 價格という言葉を内容的に必ず分析して規定をしなければならんということになりますと、この貯藏品勘定のごときは各勘定に関係がございまして、すべての場合に價格の内容を現わすということはむしろ困難であります。それらは実際上予算の面におきまして、二十三年度においても審議をして頂いておるような状況になつておりまして、從來からこの程度の表現で現わしておるのでありますから、御了解を願います。
#286
○波多野鼎君 提案理由の中に、この会計で支拂上現金で不足が出た場合に、一時借入金の借入れ又は融通証券の発行でやつておつたのだが、一時借入金の借入れ又は融通証券の発行を待つことができないような火急の場合におきまして、國庫の余裕金を使うという途を開いておる。併しこれは昭和二十四年度に限る。二十五年度からは國庫の余裕金を使うというようなことはしないと言つておりますが、一時借入金又は融通証券の発行で間に合すことができないそういう火急の必要は、二十四年度でもうなくなるわけですから、二十五年度以降はどうなるのか、その点の説明を願います。
#287
○政府委員(佐藤一郎君) 実は本予算が全部現われませんと、或いは予算の方で分つておらないかも知れませんが、御承知のようにこの特別会計は、明年度からは日本國有鉄道ということに全然組織が改まりますわけであります。当初は四月当初からそういう組織になる予定でありましたが、いろいろの事情で多少延びましたのですが、この年度の比較的早い期間においてこれが國有鉄道に変りますのですが、從いまして特別会計というものがなくなるわけであります。差当つて六月から國有鉄道になりまして、五月までしか特別会計というものはない、こういうことになりますので、本年度限り、二十四年度限りと、こう書いてございます。
#288
○波多野鼎君 それは分りますが、こういう借入金とか融通証券の発行によつて賄うということができない程と、それ程火急の事件というものは、一体どんな事件なんですか。
#289
○政府委員(佐藤一郎君) これは御承知のように、借入金をいたします際に、日本銀行から借入をいたします際に、非常に手続その他によりまして期間を要します。それで差当つては、例えば月の八日に給料を拂わなければなりません。それが相当の額に上る。確か二十億ぐらいですかになるわけですが、そういうものをどうしても八日なら八日に給料を拂わなければなりませんのですが、どうしても日銀の借入金の手続がそれまでに間に合わないのであります。從來もこういう例がたびたびありまして、鉄道としては非常に苦しんだわけでありまして、特に又借入金のやかましくなつた、こういう時勢でありますので、それに対應するためにこういう規定を設けたのであります。
#290
○波多野鼎君 日本國有鉄道ですか何かになると、その場合にどんなことになるんですか、予想されるところは…
#291
○政府委員(佐藤一郎君) 日本國有鉄道は明年どういうふうになるか、問題でありますが、勿論必要な場合には、今度國有鉄道に関するやはり会計の方で同様の措置を必要とあれば採らなければならないことになります。ただ特別会計はこの二十四年度の当初だけのものでありまするからして、今計法の改正といたしまして、ここに挙げてあります。
#292
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#293
○中西功君 さつき聞いておつた続きを私は聞くのですが、この法文では、確か私が聞いておる説明書の第四点は、附則の一・二・三・四・五と書いてある五が相当する点だと思うのであります。「昭和二十三年度中における物品の價格等の統制額の改定に基きこの会計において保有すべき貯藏品の量に不足を生じたときは、同年度中において、貯藏品の價格を改定し、これに因り回收する資金をもつて、貯藏品保有量の増加に充てることができる。」これですね。これがさつきのそのあれですね。ここに「保有すべき貯藏品の量に不足を生じたとき」ということになつております。まあその範囲ですが、「貯藏品の價格を改定し、これに因り回收する」云々。これは一般の民間会社或いは公團関係、そういうところですと、價格改定がありましたときには、價格差差益金が取られることになつておる。今取つておるかどうか私はよく知りませんが……併しそれは國や、或いは公共團体には適用しなかつた。何故それを適用しないかといえば、こういうことをしないから適用しない。即ち五円で買つたものは五円で賣るから、これは適用しない。價格差差益金のあれはね。こういうふうにやつたんじや民間に價格差差益金を取る根拠はなくなつちやうじやありませんか。國有鉄道だけこういう勝手なことをしたんでは……私はそれで聞いておるわけなんであります。その関係は一体どうなるのですか。
#294
○政府委員(佐藤一郎君) これは私で適当にお答えできるかどうかあれですが、要するにこの貯藏品勘定というものは中間勘定でございまして、そこで以て実際清算いたしまして、そうして或いは相当特別に意味においてストツクしておいて利益を増すという関係では勿論ございません。ですからいわば通り拔けてしまいまして行くわけなんです。ですから鉄道の事業といたしましてはこの價格改定が行れない限りは貯藏品の数量は段々減つて行くわけでありまして、輝道の経営自体は成立しないわけであります。そういう意味から言えば鉄道経営の内部の操作として当然のことと考えられます。
#295
○中西功君 それでそういうものは損益勘定やそういうところに現れて來るのであります。私も余り会計のことはよく分らんけれども、このように貯藏品の價格改定をやつて行くとすればこれは当然損益勘定においてはいわゆる支出増として現れて來るわけです。支出増として現れて來て、そして要するに損益勘定に持越して行くだけに過ぎない、ちつとも問題は解決されて行くのじやなくて、ただ損益勘定に移行して行くだけです。それでその損益勘定においてこれこれの損益がありますからということから、幾多のことが國有鉄道としてやれる、今まではそれが損益勘定については現われずにむしろいわゆる貯藏品の不足という方向に現われておつたのを、ただ損益勘定の方にこの問題を移行するに過ぎない。そして損益勘定がそう言えば一つの水増しであつて、損益勘定においてはいわば支出増となるわけです。その支出増となる結果が一体どういうふうな結果を持つかといえば、それは直接には若し独立会計の範囲内でこれを何とか処理しようとすれば、國鉄の労働者の賃金を値上できない、或いは切り下げる、こういう方向に向つて行くことは極めて確実であります。ですから、こういうことからそういうふうな意図が……ことが必然に起つて來る、而も若しどうしても國鉄がこのような赤字なんだからというのであつて、一方には一般会計の方に又何とかしてくれないかということを要求して、一つのいわゆる基礎資料にもなる、だからまあ私の意見として言えば、こういう小手先のことによつてその換價の改定においても勿論いろいろなことが起る、必ずしもいいことばかり起らん、それだけじやなくて損益勘定に移行した結果はそういうふうなことが起つて來る、こう思うのであります。その点はどうですか。
#296
○政府委員(佐藤一郎君) それは要するにこの貯藏品勘定の價格が改定されますと、それを受けてこうしたところの損益勘定でありますとか、建設勘定の費用が増加することは当然であります。併しながらこれは即ち統制價格が上つた結果でございまして、鉄道として統制價格が上つた以上、出すべきものを出すということは又当然だと思いまして、貯藏品勘定はただその最後の損益なり建設勘定に行くまでの中間勘定に過ぎないのでありますから、これは当然のことと考えます。
#297
○波多野鼎君 この委員会は当然に相当重大な点があると思いますので、その点質して置きますが、公定價格が上つたことによつて手持品の價格を公定價格に鞘寄せするということによつて價格差差益金で出て來る、その價格差差金は一般民間或いは政府代行機関のようなものにおきましても納付しております。そうすることによつてそういう機関或いは民間会社の手持品は段々減つて行くのは分り切つておる、ところが鉄道特別会計においては手持金を減らさないでおこうという、價格差納付金というものはここで出さんでいいことになつておりますが、その点はつきりしておいて貰いたいと思います。
#298
○政府委員(佐藤一郎君) これは出さんでいいことになつております。
#299
○政府委員(三木正君) ランニングストツクでございまして賣るためのものでございません、事業経営のために持つておるものでございますから、何か我々としましてはそれに差益を取られますと、事業が経営できないということになります。
#300
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつとお諮りいたします。まだ質疑があるようでしたら大藏大臣は産業設備営團の問題について御説明に來ておいでになるので、又あとの時間もお急ぎのようでありますから、できればこれを決定してしまつて頂きたいと思いますが……
#301
○中西功君 もう一つ質問したいことがあるけれども、保留して置きます。
#302
○委員長(櫻内辰郎君) これは上げてしまいたいと思います。
   〔「大体いいじやないか」と呼ぶ者あり〕
#303
○小川友三君 質疑は極めて熱心に盡されまして、幾らか残つておる点もありますが、次の重要法案が山積しておりますので、この辺で質疑を打切りまして、討論に入りたいことをお諮り願います。
#304
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御提案のように、討論に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#305
○委員長(櫻内辰郎君) それでは御異議ないと認めて討論に入ります。
#306
○小川友三君 衆議院を通過しました本案につきましては、行政面において政府が極めてまじめに努力して頂くことを信頼しましてこの原案を賛成いたします。
#307
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御意見ありませんか。
#308
○中西功君 共産党はこれに反対いたします。実は政府がもう少し誠意があつてこれを早く提案して置いて、我々に審議の機会を與えるならば、私はこの法案の持つておる意議というものをはつきりと私は質疑の中で聽きたかつたと思います。一見この法案は極めて技術的のように見えますけれども、この中には今後この日本國有鉄道がどうなつて行くか、又政府としてどうしようとしておるか、こういう問題、特にこれが六月以降日本國有鉄道という特別の公共事業に切替えられて行く過程において、生じて來るいろいろの問題がここに出されておると思います。特に説明書にある最後の点、即ち現在七十六億の借入金による赤字がある、こういうふうな問題を、私はさつきもう少し強くはつきりと質問したかつたのですが、こういうふうな資産を一体どのように新らしい会社に引継がして整理するかという問題も非常に大きな問題なんです。恐らくそういうふうな問題と、七十六億の銀行からの借入金を返すという問題と、さつき私が質問いたしましたこの水増し的な價格評價から來る資金の捻出というようなものとは決して無関係ではないわけであります。このような水増し的なことを今後政府はやつて行くとすれば、これが許されて行くとすれば、要するにここで今まで國鉄が持つておつたところの貯藏品を成るたけ高く評價して、そうして金を出して、そのことによつていろいろ國鉄に持つておる負債或いはそうしたものを多少でもうまく整理しよう、うまくという意味は、國民のためにうまくではなくて、日本の金融資本のためにうまくしようという意図がありありとここに現われておると思います。そういうふうな点、一見、先程も申上げましたが、極めて技術的に見えるけれども、これは整理過程の問題として非常に大きな問題であります。我々は日本の今度の整理がそういうふうに行われて行くということに対しては、我々は反対します。以上がまあ反対の理由であります。
#309
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はありませんか。……御発言もないようでありますから直ちに採決いたします。國有鉄道事業特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#310
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#311
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  天田勝正、米倉龍也、小川友三、川上嘉、木村禧八郎、黒田英雄、油井賢太郎、玉屋喜章、木内四郎、伊藤保平、九鬼紋十郎、西川甚五郎、波多野鼎、高橋龍太郎、小宮山常吉
  ―――――――――――――
#312
○委員長(櫻内辰郎君) それでは次に産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案の御審議を願います。
#313
○天田勝正君 法制局長官は來ておりましようか。
#314
○委員長(櫻内辰郎君) 第一局長が見えております。
#315
○天田勝正君 先ず大藏大臣には法律上の問題でありまするから、第一局長との質疑をお聞き願つて、それから昨日私に対しまする保留になつておる質問に対してお答え願いたいと思うのであります。
 この法律の第一條によりまして、明らかに産業設備営團法によつて由來すると政府委員は説明しておりますが、いずれにいたしましても、それによつての損失を補償するということが明らかでございます。然るに過日の提案理由の説明によりますると、この法律案は昭和十六年度から二十一年度までに、同営團が受けた業務上の損失二十四億円、こういうものを曾つての帝國議会の同意を経まして、この限度内で補償するということを契約して参つた。そこでその後同営團が閉鎖機関に指定されまして清算したが、その先に契約した金額のうち十三億円補償しただけで、残りの十一億円は補償していない。ところが実際には、この契約期限の経過後においても同営団に相当の損失が生じた、こう説明しておるわけであります。この説明を聞きますると、本來年限が十六年度から十二一年度までにできた損失であり、且つその補償額の最高は二十四億円である、こういうことでございまして、最後の結びの方にありまする契約期限経過後におきましても、と言つておる点からいたしますと、明らかにもう期限は切れて、これは失効しておるものだ、こういうことに説明がなると思います。そうして昨年の説明におきましても、結局これは先の産業設備営團法との関係はないんである、こういうことが可なり明らかにされて参りました。尤もその関係があつて確かに産業設備営團法によつて契約したのが今日有効だとすれば、新たにこの法律を出すまでもなく、この契約に基いての請求権を行使すればそれで用が足りるわけであるにも拘らず、新らしくこの法律を出して來なければならないという点は、明かに曾ての産業設備営團法との関係ではない。ただそれを数字的基礎においてここに法律を出したということが明らかになつたと思うのであります。そういう観点からいたしまして、法制当局はこの第一條に規定いたしました言葉によつてこれが十分であるとお考えになるかどうか。更にこの提案理由の説明によつて、今私が申上げた点、それらとこの法律との関係はどういうことに相成りますか、この先ず二点をお伺いいたしまして後に大臣に質問したいと思います。
#316
○政府委員(林修三君) 多少私のお答えが御質問の趣旨に全く合つているかどうか聊か疑問でございますが、一應私共といたしまして考えておるところをお答えいたしたいと存じます。この法律は産業設備営團法の十七條に基いて産業設備営團が閉鎖機関に指定せられる前に行なつておりました業務に基いて生じた損失を補償するための規定でございまして、過去の産業設備営團法におきましては、お説の通りに昭和十六年度から二十一年度に亘ります間において生じた損失を、二十四億円を限つて補償することにいたしたのでありますが、その二十四億円の範囲の損失補償が二十一年度までにおいて尚確定しなかつたために年度を経過したわけでございまして、その年度を経過した分をこの際諸般の事情に鑑みて補償をしようという趣旨のものでありますので、この條文でその趣旨は出ておると考えておる次第でございます。尚又私昨日質問の席におりませんでしたもので、或いは産業設備営團法の効力の問題についての御質問もあつたように伺つておるわけでありますが、その点御質問があればこの際お答えをいたしたいと存じます。
#317
○天田勝正君 簡單に質問しますが、そういたしますと、あなたの御説明では、産業設備営團法に基いての損失を補償するので、これがまあ第一條であるけれども、その由來が二十一年度前に起きたんだけれども、その損失が現われて來たのが二十一年後になつて來たこういうような説明だと思います。
#318
○政府委員(林修三君) この損失補償を生ずるに至つた原因は、この産業設備営團が事業をやつておつた当時のものであると存じます。
#319
○天田勝正君 まあそれと仮定してよいです。そこでそうだとすれば曾ての……、ここに損失補償契約の写しが幾つも出ておりますが、これを見ましても、当然請求権を発動しさえすればよいことになつております。この契約で……。そこでいいことになつているものを新らしく法律悩出さなければならないというところは、これとは無関係になつたと我々は考えるのだが、それをあなたの今の説明のごとくすると、これから生じた二十一年度までの中からいつになつても請求ができる、こういうふうに考えて、結局この第一條ができたと考えられざるを得ないわけなんです。当然この契約書が活きているとすれば、この契約書に基いて請求権を行使するだけでいいのじやないのですか。改めて法律を出さなくても……
#320
○政府委員(林修三君) 過去の損失補償契約は昭和二十一年に生じたとございます意味は、確定したという意味に取つておりまして、それまでに確定した分だけをそれまでに拂うという意味でありまして、二十二年から以後において確定した分は期限を経過したものと考えている次第でございます。
#321
○波多野鼎君 どうも説明が曖昧で分らないのでありますが、別の各度から同じ問題を聞きますが、第一條に産業設團法第十七條に規定する業務により昭和二十二年度及び昭和二十三年度、とこうある。ところがこの産業設備営團は二十一年十一月ポツダム政令によつて解散を命ぜられている、解散させられているのです。これはもうないのです。ないものが二十二年、二十三年において損失を受けるとか、十七條による業務であるということはある筈がない。これはどういう意味ですか。
#322
○政府委員(林修三君) その点は私の先程申しました言葉が多数不十分であつたかと存じますが、産業設備営團が閉鎖を命ぜられた以前に行いました業務と申しますか、いろいろ工場を建てたり或いは貸したりいたしております、そういうものがその後清算過程に入りまして処分したりいろいろしておりますが、そういうことに基いて生じた損失という意味でございまして、つまり十七條の業務により生じたという意味は、その起る原因が二十一年以前でありまして、確定した損失は二十二年、二十三年において生じた。そういう意味に解釈しております。
#323
○波多野鼎君 だから昨日からいろいろ問題になつているのです。産業設備営團はもうないのですよ。そして閉鎖機関整理委員会があるだけなんです。ところが閉鎖機関整理委員会からの説明、資料を今日貰いましたが、それを見ると二十三年、二十二年、そういう時期において産業設備営團が解散せられた後において、いろいろ処分をやつております。この行爲は誰がやつた行爲であるか。
#324
○政府委員(林修三君) 産業設備営團はお説の通り昭和二十一年十一月に閉鎖機関に指定されておりました。その後において新らしい、いわゆる十七條の規定では業務は行ない得ないことになつたわけでございます。その後は清算過程に入つたわけであります。併し清算過程に入りましても、そのものがなくなつたわけではございません。これは普通の法人と同じように清算法人に相成りました。それが閉鎖機関に指定された関係上、その清算事務を閉鎖機関整理委員会の委員会において行なつているわけであります。閉鎖機関指定後において、過去において尚いろいろの業務に基いて財産等を処分いたしておりますが、これは清算人として閉鎖機関整理委員会がやつた行爲であります。從いまして清算法人として尚存続しているものと解釈しております。
#325
○天田勝正君 もう一度はつきり聞いて置きますが、この契約書に基いて請求権を発動したが故にこの法律を制定することになつたわけではないのですね。
#326
○説明員(田代一正君) 只今の御質問に対しまして御返答いたします。今度法律で規定いたしました点は、今までありました契約が昭和二十一年までの業務によつて損失したそれを対象としておりますので、当然二十二年及び二十三年度の分は今までの契約では賄ない切れない、今までの契約では失効しておる、こういう状態でございますから、從いまして新しいものであると思います。
#327
○天田勝正君 その請求権の発動とは何も関係はないと解釈していいですね。法律自体は関連はございますが。数字的には関連があるが、この契約に基く請求権の発動とは何の関係もないでしよう。
#328
○政府委員(林修三君) 今の大藏省の説明ですと、さようでございます。
#329
○小川友三君 第一局長、これはあなたの答弁が非常に下手ですよ。ポツダム宣言受諾によつてこの法律が生れたのですね。それの支拂なんでしよう。これはあなたはそうではなくて、清算してない中に損がいつたという解釈をしますが、二十二年、二十三年度においてこの損害が発生したのだという御解釈は勉強が足りないのではないかと思います。
 それから今の閉鎖機関になつてもまだ営團があるのだという御解釈でありましたが、これは閉鎖機関としての営團は形態が変つてしまつた。そうでありますね。その点を一つ。
#330
○政府委員(林修三君) 前段の御質問は何と申しますか、損失はやはり昭和二十二年及び二十三年度において確定したものでございます。その点は。
 それから今お話の閉鎖機関指定後の法人の性格の問題でございますが、これは勿論閉鎖機関指定後においてはいわゆる閉鎖機関になりますが、普通の解散法人と同じく法人格は存続しております。ただ閉鎖機関はその清算事務を閉鎖機関整理委員会が行う。そういうことが普通の法人の場合と閉鎖機関である場合と違う。こう思うのであります。
#331
○小川友三君 今のあなたのお答えはこの法案を決めるに重要なポイントになつておりますので、そのつもりでゆつくりで結構ですから本当のことを言つて頂きます。あなたの解釈如何によつては重大な問題になりますので、この法的根拠につきましてどうかもう少し眞のある御答弁を是非願います。
#332
○天田勝正君 大藏大臣も相当お忙がしいでしようから、まだ法律の勉強は不十分であるのでありますけれども、お聞きの通りでありますので、その点お含みの上御答弁願いたいと思います。昨日來この委員会でいろいろ問題になりまして、この法律の疑義が相当あるという点でありますが、今お聞きになりました通り、この法律と曾ての産業設備営團法によるところの契約は、何ら関係はないということだけは明らかになりました。そこでこうして何ら関係がなく、請求権を発動されたのでもないのに、こうして法律を出さなければならないという政治的な根拠は一体どこにあるかという点を昨日質問したわけであります。それは今日この財政が困難のときに、可なりの民間からのいろいろな要求があるにも拘わらず、それに應じ切れないという現状であろうと思うのであります。然るに何ら請求権を発動されておらないものが、そのような補償をしなければならない。これは誠に私共には理解に苦しい点であります。そういう観点に立ちまして、大藏大臣はこの法案を提出されるには、何らかそこに経済的に、或いは政治的にもこういう根拠に立つて、これをどうしても出さなければならないという理由がある筈であります。その根拠というものがこの説明だけでは、ただ営團と契約した当時の残りがあるから補償するという程度でありまして、別段これによつて特に重大なる影響というものが明らかにされておらないのであります。そういう点からいたしまして、今申しました政治的な理由、経済的な理由ということを明確に御説明願いたいと存じます。
#333
○國務大臣(池田勇人君) 本法案につきまして、貴重なる時間を御熱心に御審議頂きましたことにつきまして、厚く御礼申上げます。実は御承知の通り昭和二十一年までに産業設備営團の補償します金額は大体二十四億円と決められておつたのであります。その後閉鎖機関になりました関係上、整理事務が遅延いたしました。最近になつて漸く整理ができたのであります。而して片一方では、金融機関再建整備法その他の経済再建に基きまする法令によりまして、具体的の処置がどんどん取運ばれたような次第でございます。從いまして、金融機関再建整備法等におきまして、新旧勘定を分けまして、預金者その他の預金について非常手段をとつたのでありますが、本問題が先に二十四億円の補償を御審議頂いている関係上、金融機関等の整理につきましては、これが一應貰えるものといたしまして、整理いたしたのであります。從いまして御承知の第二封鎖預金の切替、その他につきましても、これを見込んでやつておるのであります。從つてこれが万が一にもどうこうということになりますならば、金融機関の再建整備、又預金者に対しまするあの第二封鎖の復活等に非常な影響があることであります。從いまして私といたしましては今日までこれが延びたということはいろいろな事情がありましようとも、この点につきましては、政府当局の怠慢の誇りを免れないと思うのであります。併し以上申述べましたような事情がございますので、その辺を了といたされまして、速かに御審議をお願いたしたいと思うのでございます。
#334
○木村禧八郎君 只今大藏大臣から金融機関再建整備に当つて、すでにこの補償が貰えるものと、そういうことを想定して金融機関再建整備をやつた。ところが金融機関再建整備の結果、第二封鎖預金は相当余つたのです。あの第一封鎖預金というものは戰時補償打切りに伴つて、あれは打切られる性質のものであつたのであります。それが相当第二封鎖預金が余つてそれを解除したのであります。あれだけの金額があるならば、こういうものをそう貰えなくても第二封鎖預金を切捨ればちやんと整理ができたに違いない。而もこれを補償する根拠は、只今の政府委員のお話によつて明らかになつた通り、天田委員の質問によつて明らかになつたように、産業設備営團法に基いて、この損失を補償する根拠が一つもない。産業設備営團法には三十九條、それから四十條によつて損失を補償する契約をなすことができることになつておりますが、又その損失を審査する委員会を作ることになつておりますが、産業設備営團法に基いてこの損失を請求する根拠はないということが明らかになつた以上、全然新らしくここで又この損失補償を認めるか認めないかという問題になつて來ると思うのであります。而も最近金融機関においては、再建整備以後相当沢山の儲けをしておるわけであります。今一番儲つておるのは金融機関であります。この程度の損失を打切つても金融機関に混乱が起きる、そういうことはあり得ないと思う。又そんなに急いで何故この補償を早く決めなければならんという根拠について、もう一つお伺したいのですが、大藏大臣は昨日の私の質問に対して、二十四年度からは交付公債みたいなものを出したくない。本当のバランス・オブ・バジエツトを組みたい。そう言われましたが、二十三年度と二十四年度との間には一日しか相違がありません。今日と明日においてはです。今日交付公債を発行するということは、やはりバランス・オブ・バジエツトを組む上によくないというならば、明日においてもこれは同じことなんであつて、本当に二十四年度の予算からバランス・オブ・バジエツトを組みたいというならば、直ぐその一日前においてこういうバランス・オブ・バジエツトを崩すような交付公債を出すということについても適当でないと考える。その点について御答弁を願います。
#335
○國務大臣(池田勇人君) 先程申上げましたように、一應産業設備営團の損失は一体二十四億円とお認めを願つておつたのであります。こういう既成事実を考えまして、金融機関再建整備法に基きまして第二封鎖の切替を計算いたしたのであります。(「違うよ」と呼ぶ者あり)それで、今回この法案の出して御審議を願つておる次第であります。(「そんな話はない」と呼ぶ者あり)金融機関の最近の利益状況とは、これは別個の問題であると考えております。尚二十四年度から本当の意味のバランス・オブ・バジエツトというならば、一日のことじやないか、明日にしてもいいじやないかという御意見のようでありますが、今日を以て二十三年度も終りますので、昨年申上げましたようなこういうあと腐れのものは、綺麗に洗い流して新らしい年度を迎えたいという念願であります。
#336
○木村禧八郎君 只今あと腐れのないようにしたいと申されましたが、それはあと腐れが依然として残るのであつて、交付公債を出せばそれは政府債務が生じ、而もそれに対して金利負担というものが起つて來まして、これを國民が拂うというあと腐れが残るわけであります。ただ交付公債を出さなければその負担は大体において金融機関、金融業者の負担であります。金融業者の負担を國民の負担に転嫁するということが、あと腐れをなくすということでありまして、交付公債を出したからといつて政府の負債は決して減るものではないのであります。その点大藏大臣はどうお考えになつておりますか。
#337
○國務大臣(池田勇人君) 從來、先程申上げましたように補償するという建前にいたしておりました関係上、そういう約束をこの際果してしまいたい。そうしてこの交付公債を出しますことは、金融機関の問題でなしに、結局は預金者に(「うまいことを言うな」と呼ぶ者あり)行くものであります。
#338
○木村禧八郎君 それではもう一つお伺いしますが、金丹機関再建整備法と関連いたしまして、金融機関再建整備におきましては、この産業説備営團債により、これをどの程度に打切ることになりましたですか。
#339
○説明員(神代護忠君) お答いたします。一般債務については、金融機関再建整備法においては一〇〇%返る。営團債においては一一%ということが確定基準になつております。
#340
○木村禧八郎君 そういたしますと、配付頂きました資料、産業設備営團の業務上の損失に対する政府補償等に関する法律案資料、この四ページを見ますと、將來の政府補償が債権者に及ぼす影響、こういう資料が出されております。これによりますと、一般債務を一〇〇%打切り、社債を一一%打切つたときに影響は八億であります。それだのになぜ十一億の補償をするのか、その点が明かでない。十一億の補償をした場合に資料としては、一般債務一〇〇%で打切り、そうして祉債二八%で打切る。こういう場合に十一億の損失が出て來る、その点はどうですか。
#341
○説明員(神代護忠君) 御説明申上げます。先ず第一にその表は、私の方が一應どういうことになるかという計算をしただけの表でございまして、表の見方を先ず御説明申上げますと、大体営團債について十一%、それから一般債券について百パーセント拂うのには八億円くらいあつたならば、いいのだろうという当時の計算でございます。それだけあれば十分だ、從つて今度の法律案には十一億必ず拂うと書いていないのです。十一億を限度として、その実際の数字を如何に決定するかということは審査会において決定する、そう書いてございます。
#342
○中西功君 大藏大臣の答弁は、これは皆違つているのです。二十一年度の二十四億の損失があつたから、それを補償するのだということを言つている、とんでもない話しです。今まで我我が聞いた範囲では、そんなものではない。二十一年度にあつた損失を今日これで補償をしようとしているのではない、閉鎖機関ができて整理の過程で、実際に生れて來た損失が、先我々に渡された資料の中では大体十三億、こういう資料に基いて我々はやつているのです。以前のようなことは全然問題にならない。第一点です。それから整理いたしました、今まで整理できませんでしたけれども、整理いたしました。冗談じやないです、整理できていないのです。今までの手続きでやるならば、審査委員会というものがあつて、そうして損失を決定してやるのです。審査委員会もまだできていないし、大体そういう審査委員会ができる根拠がない、だからこの法律で作ろうとしているのじやないか、整理ができましたら、ここで損失を一應拂つて貰うのだというようなわけじや絶対にないのです。そういう説明から見ても、それは絶対整理ができていないわけです。これは我々に出された資料から見ても、はつきりしているのです。整理はできていない、それからまあ本当を言うと、法制的な問題についてはもつと沢山質問があるのでありますが、これは又後でもつとしつかりやりますが、差当り大藏大臣は自分の言つていることが間違つておるかどうか、その点をはつきりさしたいと思います。
#343
○大藏大臣(池田勇人君) 二十四億円は、各年度の総計をいたしまして二十四億円でございます。今お話の通り今まで交付公債を出しましたものは十三億円で、後の十一億円を御審議願つているのであります。政府の段階は今まで申しました大体十一億円を補償するという程度にまでいつて、これで打切りでございます。
#344
○天田勝正君 どうも二十四億円の残りということを、昨日以來政府から説明されるので、それが問題の元であります。それで私が無関係かどうかということを追究して参りまして、これは無関係であるということに明らかになつたのですから、もうすでに残りということは申されたくないのです。こつちは一体この十一億といつて新らしく出て來た数字、その数字的な根拠を曾ての営團の契約の数字に基くと、こういうことでありますから、どだいそれから推して申しますと、各契約等をずつと見て参りますと、必ずその金額には、以内となつておるのであります。從つて何も最高限であるべき二十四億をどうしても満さなければならないという根拠は一つもないのであります。その以内でやりさえすれば政府の仕事は十分なんでありまして、向うが、営團側が請求権を発動しなかつたということは、一体営團側の水落ちなんであります。これは誰もそれに対してそれでは氣の毒であるとか、それでは金融機関の救済ができないとか、それに引続いて預金者の救済ができないとか、そういう余計な理窟は言う必要がないのでありまして、こういうことは今までの二十一年以後にできました、曾ての民自党内閣におきましても、その後の芦田或いは片山内閣等においても、一遍もとり上げなかつたことを、ここに新らしく十一億補償する、而も幾多の面から、或いは災害復旧、その他そういう強烈な要求があるに拘らず、それに應じ切れないのに、かように要求のないところへ政府が單独で出してやろうという根拠が私共にどうしても理解ができないのでありますから、政治的な理由を伺つたわけでありますが、それに対して結局私共の納得の行くお答えは得られませんでした。そこでどうして一体清算の済むべき二十一年度、その後すでに二年以上経つている今日、而も前の内閣でとり上げなかつたことを新らしくここに法律を作つてまで補償しなければならないという理由を、伺いたいのであります。
#345
○國務大臣(池田勇人君) 私は政府といたしまして、産業設備営團の損失に対しまして、補償する道徳的義務があると考えまして、本法案を提出いたしたのであります。
#346
○中西功君 この我々に出された資料の損失補償契約書(写)の二十年度分を見ますと、産業設備営團が昭和二十年度以降二ヶ年間に損失を受けたときは、政府はその損失額の全額を補償する。但し政府の補償金総額は五億四千二百二十六万三千円以内とする、とはつきり書いてある。即ち二十年度分の業務については、こういうふうになつておる。これはずつと今まで十六年からこういうふうに毎年來ておる。そして全額を補償する、但しこれ以内とする。而もその有効期間は二ヶ年、このように契約がちやんとこうなつておるし、法律も出されておる。こういう契約は終つておるわけであります。済んでおるわけです。それだのに先の話では、二十四億の内十一億残つておるから補償するのだ。そういうふうなことは、これは法理的に見れば全然理窟にならん。從つてまあ道徳的と言われるのも無理がない。併しそういう道徳は恐らく通用しない道徳だと思う。
#347
○小川友三君 今大藏大臣が道徳的義務があると見て本案を提出した。そうして我々は水害地の議員であるが、水害地に対する経費を今度削られるというので、困つておりますが、この法案は道徳的義務でも認めるという場合に、水害地の経費を相当認める肚がありますか、ちよつとお伺いいたします。
#348
○國務大臣(池田勇人君) 水害につきましては、できるだけ多額の経費を計上すべて努力いたしております。
#349
○木内四郎君 念のために伺つて置きたいのですけれども、産業設備営團に対して昭和十六年から二十一年度まで二十四億円を限り政府が補償するという約束をしておつた。それをそういうように國庫の負担によつて、契約に基いて約束しておつた。そこで若しこれが閉鎖機関に指定されて、特殊清算が順調に進んでおつたならば、政府が二十四億円までは補償しておらなければならんものである。ところが産業設備営團の責に帰すべからざる事由によつて、これが遅れた。だからしてこれに対して尻拭いして、ここに出さなければならんというふうに解釈しておられる御説明だと思いますが、その点はどうですか。
#350
○國務大臣(池田勇人君) その通りでございます。
#351
○中西功君 木内委員のお話の、二十四億は補償するという契約をしておつたということは、どこにも書いてない。全然書いてない、どこにもそういうことは書いてない。契約書を見れば分ります。
#352
○説明員(田代一正君) 御答弁いたします。今五億四十万円しか契約していないとこう申されましたが、これは昭和二十年度の契約分でありまして、この契約書をずつと御覽になれば以前の十九年、十八年とずつとありまして、その年度の契約全部がその年度から昭和二十一年度までの業務により生じた損失について、何円々々と明細になつておりまして、トータルで二十四億円であるということであります。この一つで補償契約ができているのではありません。
#353
○天田勝正君 契約と関係はないことになつておるのに、又契約と……そういうことになつて來たら、理窟は一点から論議をしなければ駄目であるから、同じ観点に立つて一つ言うのですが、この契約書のトータルが成る程二十四億になつておるかも知れません。併し一つ一つを読んで御覧なさい。みんな幾ら以内となつております。それ以下は幾らでも構わんと、國の方では最高は二十四億円以上になつてはいけないということを制限しておる、制限規定であります。これは制限以内には出せるが、この契約においても必ず五億四千二百二十六万以内と、こういうことでありまして、これは最高のマル公式の制限であります。これ以上出してはいけないということであります。これ以内なら幾らでもいい、ですから以下の請求をして來て、その請求に基いて結局審査委員会が決定をする、こういうことになつております。從いまして請求のして來ないものは道義的な責任もなければ、道徳的なあれもないわけであります。でありますから私はこれは全然無関係であるということを念を押しておるわけであります。仮にこの数字的な根拠だけをこれに取るとしても、何ら二十四億円出してやるという根拠はない。この点だけを一つはつきり申上げて置きます。
#354
○政府委員(林修三君) 今のことで私から便宜お答えしますが、先程大藏省の説明員が申上げましたように、産業設備営團に対して、損失補償契約をしたトータルが約二十四億円であります。今これを毎年度契約をいたしておりまして、毎年度において損失の起る大体予想をいたしまして、大体この程度の損失が生じたということを予想して、契約をしておるのでございまして、そこに詳しい数字が入つておるのも御覧下されば分りまするように、大体その程度だということを予想をつけてこれは契約をしておつたわけであります。大体その範囲内というのは、その範囲で幾らでもいいというだけの意味ではなくて、大体その程度の損失が起り得るであろうということを予想をして契約をしておるわけであります。
#355
○小川友三君 もう分つた、分つた。
#356
○政府委員(林修三君) その点先程大藏大臣の説明したことですが、昭和二十一年度において、設備営団が閉鎖機関に相成りました関係上、その後の整理が十分に進まなかつた関係上、二十一年度のあれに補償すベき損失補償の決定ができなかつたということが、先程大藏大臣の申されたことだと思うのでございます。
#357
○波多野鼎君 議事進行について。産業設備営團の損失補償の問題は、我々議員としまして、尚審議すベきことが沢山残つております。十一億のこの補償をするというようなことを、そうそう早急に決められない。國民がすでに重税に苦しんでおつて、疊を剥がれたり、乳母車を取られておる、そういうときに十一億の補償をして金融機関を救おうとかいうようなことを軽々に我々はやれない、又我々としては、理解し難いところが沢山ある、(「その通り」と呼ぶ者あり)でありまするから、今日の審議はこの程度で打切りまして、改めて審議をやり直すということにして頂きたいと思います。すでに本会議も散会したそうでございますから、今日これはやる必要はないのであります。
#358
○委員長(櫻内辰郎君) 波多野君の動議に賛成の方は御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#359
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。それでは本日はこの程度で散会することにいたします。
   午後六時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           天田 勝正君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (主計局司計
   課長)     平井 平治君
   大藏事務官
   (主計局法規
   課長)     佐藤 一郎君
   法務廳事務官
   (法制第一局
   長)      林  修三君
   商工政務次官  有田 二郎君
   運輸事務官
   (鉄道総局総
   務局長)    三木  正君
  説明員
   大藏事務官
   (主税局國税
   第一課勤務)  辻  克藏君
   大藏事務官
   (主税局國税
   第二課長)   山本菊一郎君
   大藏事務官
   (管理局閉鎖
   機関課長)   神代 護忠君
   大藏事務官
   (管理局閉鎖
   機関課勤務)  田代 一正君
   商工事務官
   (貿易廳総務
   局貿易調査課
   長)      前島 敏夫君
   商工事務官
   (貿易廳経理
   局資金課長)  稻益  繁君
ソース: 国立国会図書館
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