くにさくロゴ
1949/04/01 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第8号
姉妹サイト
 
1949/04/01 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第8号
昭和二十四年四月一日(金曜日)
   午前十一時一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○財政法の一部を改正する法律案(内
 閣提出衆議院送付)
○大藏大臣に対する緊急質問。
 貿易資金特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出衆議院送付)
○会計法の一部を改正する法律案(内
 閣提出衆議院送付)
○産業設備営團の業務上の損失に対す
 る政府補償等に関する法律案(内閣
 提出衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。本日は最初に財政法の一部を改正する法律案の御審議を願いたいと存じます。
#3
○小川友三君 この法律案は大藏大臣の立場が非常に重くなつておる点が多いのでありまして、又経済九原則の実施によつて行政整理をして行こうという面で、目的別予算と組織別予算というものを本式には一つにしてしまつて、そうして能率を挙げて行こうという面があるように思いますが、國会の報告の場合は別冊で出すのだから事実上変更はないのだというお話ですが、それでは政府にお伺いしますが、行政整理の必要上と、能率増進のためにやられたことと思いますが、その点についてちよつとお伺いを申上げます。もう一つは予算の流用等に関する規定は、これは成る程と思われる点がありますが、一々この場合に大藏大臣の流用許可が要るのだ、承認が要るのだということになつておりますから、万が一にも濫用する虞れはないと思いますが、その点についてここを見ると無駄に使う虞れがあるようにも見えますが、そういう点はどういう場合ですか、お教えを賜わりたいと思つております。それからもう一つ災害復旧とか緊急の必要があつた場合の債務負担行爲についてやはりこれは大藏大臣の直轄であるということになつておりますが、勿論大藏大臣とは思いますけれども、この点につきましてどのくらいのスピードで債務負担行爲をやるかということであります、よく債務負担行爲を請求してもなかなか應じない場合がありますので、この法律を通せば直ぐ早く應ずるのかという点を一つお答えを願います。
#4
○政府委員(佐藤一郎君) 第一点について先ずお答えいたします。目的別予算の廃止についてはその必要を申上げたわけでありますが、それに関連して今小川委員のお話でございますと、手続が簡素化されて行政整理の関係があるのじやないか、こういうお話でございます。その前も船員保險で同樣の問題もございましたので、先ずその点を一つ御了解を得て置きたいのでありますが、全然そういう行政整理というものを頭に入れておるわけではございません。勿論行政整理は一般に行われることでありますから、すべてが受ける結果にはなりますが、併しそういう意味ではございません。ただどんな場合でも政府といたしましては不必要と思われる手続はできるだけ止めて行く、これは事務の能率を挙げる上から当然であろうと、こう考えております。それから第二点でございますが、ちよつと私聞き漏らしましたが移用流用の御質問ですか。
#5
○小川友三君 そうです。
#6
○政府委員(佐藤一郎君) この点につきましては、ここにございますように、勿論予算におきまして國会の承認を経た範囲に限つてできることでございますから、この点についてはやはり濫用はないというつもりでおります。つまりこれをいたしました最も大きな理由は、この目的別予算の廃止に伴いまして申上げましたように、この度部局別予算というものを非常に重要視するという思想に立ちましたのです。御承知のように今までは予算に行政共通費という款項がございまして、この行政共通費には各局の家族手当であるとか超過勤務手当というものを何々局というものを分けませんで一括して載せてありました。ところが部局別ということを重視してこれを各局に分けてしまつたのです。農林省で申しますと総務局で超過勤務手当が幾ら、農政局で幾らと分けてしまつたのです。ところが或る局でどれだけ家族が殖えて家族手当が幾ら、或いはどれだけ超過勤務をやつて超過勤務手当を幾ら支給しなければならんかという予想は甚だ困難でございます。さればといつて予想が困難であるというので、各局毎に相当の余裕を持つた予算を組むということは、実情ではできない、予算をぎりぎりに組み同時にそういう見込の変動に應ずるような予算を局別に作るということは非常に困難を感じます。そういう場合には或る局で超過勤務手当が余つたら他の局に持つて行く、或る局で家族手当が余つたら他の局に持つて行くという程度のことはどうしても必要になつて参つたわけであります。そういうような必要に基きましてこの移用及び流用はどうしても認めなければならんことになりました。併し根本的のものについてもとよりそう軽々にやるという考ではございません、これは國会の御承認を願います。それから第三点でございますが、國庫の債務負担行爲につきましては御承知のように財政法に規定がございまして、その中、災害等のための國庫債務負担行爲は、これは実はその事態が突発的に起るものでありますから、予算の御承認を願うときにこれを所管別に組むことができない、それで恰も予備費におけるごとくに一括して大藏大臣がこれを管理いたしまして、災害の必要に應じまして、或いは建設省の方の債務負担行爲、或いは農林省の債務負担行爲というふうに分ける必要がございます。その意味において大藏大臣が当然管理することになつておりますが、今まで規定が不備でありましたのを入れただけでございます。
#7
○小川友三君 最後にそれではこれを承認するという場合に、最後に大事な災害復旧の支出がありますから、これを通したら、あなたも政務次官も骨折られるだろうと思いますが、災害復旧費の支出がスムーズに來ないで困つております。埼玉縣で堤防を作るのに青年團を集めてやつたが、その金が來ていない、一昨年の話です。それで我々議員のところに莚を立てて言つて來るので、我々が大藏省に行つて催促すると、大臣がいないとか、局長がいないからと言つて遅らしておる、これを通してやるという場合には、支出を道徳的といいますか、大いに促進して呉れるという点はどうでありますか。
#8
○政府委員(佐藤一郎君) これは私の方の大臣も申上げたと思いますが、この災害についての支拂についてはできるだけ促進するように図つております。これは内部的にも他に優先して手続を進めております。
#9
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑ございませんか。
#10
○中西功君 挿入されました二十四條の意味はどういう意味ですか。
#11
○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。予備費の規定についての改正でございますが、御承知のように憲法におきましては、予備費を設けることができるということになつておるのでございます。それを現行の財政法においては、予備費を設けねばならんと、こういうふうに規定してあつたわけでございます。それを大体憲法の趣旨と同じように、「ねばならん」というのを、「予備費を設けてもよろしい」というふうに改めたわけでございます。
#12
○中西功君 その第三十三條に、「あらかじめ予算をもつて國会の議決を経た場合に限り、」というふうに書いてありますが、具体的にはこれはどういう手続になるのですか。
#13
○政府委員(佐藤一郎君) これは御承知のように、予算に予算総則というものが先ず掲げてございます。この予算総則において限定をいたしますか、或いは又各項目のところに説明文が載つてございますが、そこにおいて特に規定して行くか、どちらにいたしてもよろしうございます。
#14
○中西功君 この説明書の中に、「終戰処理費、賠償施設関係経費その他公共事業費等の特定経費につきましては、」と、こう書いてあります。一應具体的にこういうふうに書いてありますが、この外に何かまだそういうふうないわゆる特定経費が考えられるのか。それが、一つ。もう一つは、ここの一應三つ掲げてあるのは、そもそもどういう理由でこのような配賦の場合に配慮を必要とするのか、それを伺いたい。
#15
○政府委員(佐藤一郎君) この規定は二十二年、二十三年の成立いたしました予算を御覽願うと分りますように、外の費用と違いまして、ここに掲げてございますような経費は、予算において事実目節を付さないまま協賛を経ておるのです。從來実際上そういうようなことになつておりましたのを、一應法律上にも現わしておこうと、こういうことで今度ここに出したわけでございます。それで、この例示以外に考えられますのは、價格調整費等でございます。要するに、これらの費用等におきましては、なかなか費用の目的をそう最初から確定するというようなことが困難な場合が相当ございますので、一應議決科目は御承知のように項までになつておりますので、項までで御審議を願つておきまして、そうして目節の区分は大藏大臣が各省の大臣と相談して決める建前になつておりますので、執行の場合にそれを決めると、こういうふうになつております。
#16
○中西功君 それならば、財政法の改正が非常に遅れて出されて、衆議院の場合におきますように、予算の審議の際にこの問題が紛糾を釀すというような事態が起つた、で、我々が普通常識的に考えれば、もつとこれを早く出して國会の十分な審議を経ればよかつたと思うのですが、政府はこればかりでなくてあらゆる法案を非常一緒に出して來たわけですね、そのために我々も非常に困惑をしたわけですが、何故今までこの財政法の改正、これを政府側は極めて技術的な改正であるとこういうふうに言つておるのですが、そのような技術的な改正を何故早く出せなかつたか、それを少しおききしたいと思う。
#17
○政府委員(佐藤一郎君) 只今のお話でございますが、私共の出しましたのは、確か財政法は三月二十五日に國会は提出になつたのであります。暫定予算は三月二十九日に遅れて提出はいたしております。その期間がもう少し裕りを持つて早く出せとこういうお話でございますと、これはまあいろいろと内部的な準備もございますし、又関係方面との折衝というようなことで相当なやはり時日を要します。尚予算の組み方と財政法、会計法の関係というものは密接に関連いたしておりますので或る程度予算の内容というものがほぼ確定する段階に至りませんと、必ずしも法律だけを動かすというように参りません。例えば、同じ御質問を受ける場合があるのですが、その逆の場合ですね、よく特別会計法に、一般会計へ何億円の金額を繰入れよと、こういう法律を御審議願うことがございます。たびたびございましたが、そういう場合に、然らば予算が先ず審議確定されなければ法律は待つのかということにもなるのでありまして、大体予算と法律とは或る程度不可分の関係である。そう離れることはできないというふうに考えております。一應提出は予算よりも早く出してはあります。
#18
○中西功君 僕はそういうふうな衆議院における議論をここで蒸し返そうとしておるのではない、何故極めて技術的な改正だと言われるそういうものが、予算の活貌が分らなければ出せないか、若し單なる財政法プロパーの改正ならば、予算と切離して、即ち予算というのは二十四年度においてどんな予算を組むかという問題と切離して出せる筈だと思う、だけれども実際の問題として、これがそうでなくてまあ多少は一日、二日は早く出されたとしても、大体雁行して出された、そこで私がきくのは、單なる技術的な改正という意味しかないのか、そうではなくて、二十四年度予算の実行に関して極めて重大な関係をこの財政法が持つているのかということを私は聞きたい。
#19
○政府委員(佐藤一郎君) 今回の二十四年度の予算は、御承知のように、その編成に当りましていろいろと困難な経過がございましたのですが、特につまり九原則を守るという目的のために、いろいろ苦慮しながらも、やはり相当厖大な予算になりまして、現在の國民負担の或る意味におきましては相当ぎりぎりのところまでの予算を現状において組まなければならないという状況になつて参りました。それで例えばそうい場合に、今度は同時に予算の執行の面において嚴重にするという場合に、先程もちよつと申上げましたが、相当余裕を以て組める予算でありますれば、例えばそれぞれの部局に十要るものを十五、組み得るというような状態でありますれば、或いは方針だけを決めまして、そうして後から予算を組むということもできるかも知れませんが、それらもやはり予算のいろいろの数字とか、折衝の過程というものと睨み合せて、どうしてもこういうふうな予算の組み方をするのではなかなか予算執行の上でこれでは動かなくなるというような面も明らかにございますし、技術的と申しますけれども、これは勿論技術的と言つても財政法というのは本当重要な法律でございますから、内容が予算に関係いたします。それからこの財政法自身の建前をどうするかということについても、予算においていろいろと困難があつたように、種々いろいろと経過がございまして、議論があるわけでございます。そう簡單に予算と切離して、以前からこの方針が簡單に決まるというばかりのものでもありませんので、まあこういう状況になつたわけでございまして、そこは一つ御了解を願います。
#20
○中西功君 私が言うのは、この説明書の最初に、「施行二箇年の経過に鑑みまして、」と、こう書いてあります。これが嘘だということですか、そうではなくて、二十一年度予算をどうやつて行くかにつきまして、この財政法を変えたいというのが本音なんでしよう。それならば、こんな嘘を書かなくてもいいじやないか。
#21
○政府委員(佐藤一郎君) それはこの條文のおのおのの意味を申上げるとお分りになると思うのでありますが、例えば目節の区分についてはという一番最後の問題ですね、或いは國庫債務負担行爲については大藏大臣が管理するという問題、それから支出負担行爲の改正、これは実は会計法の改正に内容最には連なつて來るので、そこには表面だけしか出ていないのでお分りになることが困難だと思うのでありますが契約統制ということをこの会計法の改正によつて今度改正しておるわけであります。これらの問題は、いずれも財政法施行二ヶ年の経驗に鑑みまして、契約の統制を十分やらなければ駄目だということについて相当むずかしい問題があつて、やつて成案を得たというようなことなんです。併しこれは必要なことでありますので、どんなに急いででもこれをやりたいということで、例えばこの三十四條の改正が行われることになつたわけであります。それからその前の三十三條の中でも、目の流用について、從來は一定の目だけでよかつたが、すべての目について大藏大臣の承認を経る、これらのこともこの施行二ヶ年の経驗に鑑みてやることになりました。それから例えば先つきの附則にございますように、目節の区分を付さないでやるというようなこともまあ、今まで予算で認めて頂いておつたという現実にも必要であるということを立法化する、これらはいずれも只今の問題として必要であります。
#22
○中西功君 そんならその文句に該当しない、二十四年度予算の執行についてこのような必要が起つて來ましたから、この点をこう改正いたしますということをはつきり説明して貰いたい。
#23
○政府委員(佐藤一郎君) これは私の方の説明が足りなかつた点でありまして、只今御説明申上げましたように、それらと共に、この実際上の必要からということも合せて考えておるわけであります。
#24
○中西功君 いやそれを具体的に……
#25
○政府委員(佐藤一郎君) それは今申上げましたように、法の運用につきましては、こういうような今度のぎりぎりの予算にもなつて参りますというような点も、やはり重要な原因になつておるわけであります。
#26
○中西功君 だから今度の場合ですね、二十四年度の予算で非常にぎりぎりで、まあ期間も少いということにつきましては、予算を非常に無理して組んだから、その予算には無理があるから、だから時の情勢によつてですね、多少の流用はやる、そうしたことは免れないというような、極めておかしな予算だから、こういう項目が必要になつて來たと……
#27
○政府委員(佐藤一郎君) おかしな予算といいますか、現情に即してですね
#28
○中西功君 現情はそのおかしな予算……。
#29
○政府委員(佐藤一郎君) 余裕のある予算は、現在の社会情勢から組めないから、それは五百億の歳出に、七百億の歳入の余裕を見積つていなければできないわけであります。どうしても現在の國民負担においては、相当重い負担になつておるので、これは止むを得ない。
#30
○中西功君 負担のことを言つておるのではない。
#31
○波多野鼎君 政府委員の御答弁は少し食い違つておるのではないか、中西君の質問に対して、大体この財政法の改正を、二十四年度予算の編成と睨み合せて、ぎりぎりにやつて來た、つまり二十四年度の予算の、大体輪郭が分らなければ、財政法の改正の方針も決まらないという観念があるのではないか、そういう点もあるのではないか、二年間の経驗によつて云々ということ以外に、その点があるのではないか、その点を明かにして呉れというのではありませんか、答弁されたらいいでしよう。そういうことなんです、私もそれを聞きたい。
#32
○政府委員(佐藤一郎君) 例えばですね、もう少し詳しく御説明いたしますが、この目的別予算と部局別予算と、目的別を廃するということにいたしましたのは、これは從來の経緯に鑑みて、必要がないということで実はやつたわけでありますが、これらについても、併しながらわざわざ改正の労をとるかどうかというような点もいろいろと考えまして、そういう方針にやつて決まつたわけでありますが、結局それに基いて部局別にしなければならんということになりますと、今申上げましたように、今度は部局別の点はしつかりして、実行の上では非常によくなるけれども、その代り又余り彈力性がなくなつて使いにくくなるというような関係も生じて來るというようなことから、まあそれは実際予算の編成を数字的な或程度目処を立てまして、それと併せてやつた方が確実になるのでありますから、これを財政法だけを予算と全然切離して、例えば相当前に出すということも実際上はこれは無理ですから。
#33
○波多野鼎君 それでは分らないんですよ。そうじやなくて今度の二十四年度の予算編成上、今までの財政法では都合が惡いところがあつて、それで直したのじやないかという質問でありますが、都合が惡いところがあるから直したということを否定されるならばそれはそれでいいが、肯定されるならばどこが都合が惡るかつたか、それを言つて貰いたい。
#34
○政府委員(佐藤一郎君) つまり部局別をやりますと、今度は項の流用がなければ動かなくなるという点を心配しておるわけであります。
#35
○中西功君 それが末節なんであります、あなたのいうことは。だからですね大体今度の予算の編成の過程で、こういう問題が起つて來て、そうしてこれではですね、旧財政法ではなかなか執行ができにくいので、こういうふうに直したいと思うのでありますというふうならば、私は分るのでありますが、ただ單に部局別というように、あなたが頭から言つておつては、部局別が又今度の予算とどう関連しておるかということに問題が起つて來ると思う、そこをはつきりして頂きたい。
#36
○政府委員(佐藤一郎君) どうも私の説明が十分でないからお分り願えませんが、要するにどうしても部局別でやらなければならないということが大前提になつておるわけであります。それで部局別をどうしてもやる以上、今度は部局別にすべて細かく切つてしまうと、先程のような経費などというものは組めないような場合ができるわけです。今度は方針としては、できるだけ追加予算を原則としては避けて行きたいという根本方針を立てておるわけでありますから、そういうことになると、僅かの経費で一々追加ということも困難になつて來るのであります。それらのことも考えて、今後流用ということも、場合によつてはでき得るという途をどうしても開かなければならんことになつたわけであります。結局ですね、この部局別の予算を徹底化して、從來のような行政共通費の費目というものを落すというようなことも、やはり今度の予算の編成の際にも考えられて來たわけであります。
#37
○中西功君 やはり同じなんですがね、分らないんですよ、それはなぜ分らないかといいますと、二十四年度の予算についてですよ、何にも言わないから分らない、ただ部局別の予算を組まなければならなくなりましたというだけでやつているだけで、我々としては、この予算を出さなければならなくなつた、部局別を強く出さなければならなくなつた、その原因、その必要を問題にしているわけです。だからもつと奧から説明して貰わなければならない。
#38
○政府委員(佐藤一郎君) 部局別予算の必要の問題は、今までちよつと申上げたと思いますが、これはどうしてもこの徹底的に部局化して、そうしてその点をはつきりしたいという氣持からやつたことであります。
#39
○波多野鼎君 私は、別の観点からききますがね、数日、もつて前かね、一週間以上前の新聞に、今度の二十四年度の予算編成においては、相当大きな数字を出して置いた、大きな数字を出して置いて、その机用については、大藏大臣の権限において、或いは節約するというようなこともやりたいと、そういう方針であれは作つている、つまりドツジ公使の意見として、こういうことが言われたわけなんですね、今まで國の必要なもの、必要な経費なるものを、金融面を動かしたりなんかして、予算面にはごまかして來ている、それをそういうことをしないで、全部予算に出してしまえと、そうして出してしまつたあとで、節約するなら節約するというようなことをやつて行きたい、枠を大きく拡げておいて、いわゆる実行予算的なもので收めて行こうというようなことで組まれておるんだと新聞に出ておつたということは事実ですか。
#40
○政府委員(佐藤一郎君) そういう事実は、私は聞いておりませんし、そういうことはないと思います。
#41
○波多野鼎君 そういうことと関連して、この財政法の改正が意図されたのではないかと我々は思うのでありますが、その点はどうですか。
#42
○政府委員(佐藤一郎君) そういうことは全然考えておりません。つま裕りりを持つて組んでおいて、あとで自由にどうでもしようというような考えでは全然組んでおりません。
#43
○中西功君 問題はそこにあるんでうよ、だから先つきから私はきいている、二十四年度の予算編成と、この財政法とは一緒になつていると、又政府の説明でも、今までこれをなぜ早く出せなかつたかという原因の一つは、二十四年度の予算の見通しが十分つかなかつたから出せなかつたと、それと見合つて出したと言つているところを見ても明かなんです。じやもう少し私も具体的にききます。價格調整費を今後どういうふうに、ここには書いてありませんが、どういうふうにやつて行くおつもりなのか、これが恐らく私は配賦における流用問題のキーポイントであると思う、それについてどういう考えがあるか、聞かして貰いたい。
#44
○政府委員(佐藤一郎君) 價格調整費についても、別に他の費用と特別に考えを現在持つておりません。で、ありまするからして、價格調整の必要なる経費を、物價廰、商工省、それぞれ当該主管大臣の計算に基きまして、要求せられましたものを、必要に應じて配賦し、或いは特別会計に入れるというふうに予定しております。
#45
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……
   〔速記中止〕
#46
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて……
#47
○小川友三君 緊急動議を提出いたします。本案は相当まだ議論もあると思いますので、貿易資金特別会計法の方が、特に貿易関係上生きておる仕事で無論ありますが、今日政府側では相当金が要るようですが、これを繰上げて皆さんにお諮りしたいと思いますが……それともこの本案につきましては、一時延ばすか、或いは質疑を打切つて討論に入りますか……
#48
○波多野鼎君 質疑はまだある。
#49
○小川友三君 そうすると、貿易資金の方に移りたいと思いますが、如何でしようか。商工省から政務次官が見えておりますから貿易資金の方が、今日金がなくて困つておるような状態らしいのです。だからこれを採上げて貿易資金の方を……
#50
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……
   〔速記中止〕
#51
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて……それでは小川君只今の動議を撤回して頂きますか。
#52
○小川友三君 撤回いたします。
#53
○委員長(櫻内辰郎君) それでは御審議を続行願います。
#54
○波多野鼎君 先程の問題は一番大事な問題で、つまり國会の権限よりも執行部の権限の方を強化しようという、そういう意図がここに一端現われて來ておるというふうに私は理解するのですが、非常に大きな問題だと私は思います。日本の民主政治の今後の行き方によつてもうこれは一角が崩れるのだ、この財政法をこういうふうに変えることは、現にこの財政法の提出されたときの國会の速記録を読んでおりますと、これは第九十二議会貴族院の委員会の速記録なんですが、特にこの目的別編成ということを力説しておるのですよ、当時の大藏大臣の石橋湛山、第一次吉田内閣です。そのときにやかましく言つておるのです。これをちよつと読んで見ますと、石橋大藏大臣が、この財政法の特色を挙げまして、第三の点として、國の財政統制に関することでありますが、「例へば目的別の予算区分の外に部局等の組織別の編成方針を採りまして、予算に対する各部局の責任を明らかにしたこと、予算の執行について從來の現金支出を中心として支拂予算の制度から一歩進めまして、契約等の計画を立てることといたしたこと等はその主なるものでございます。」それから続いて予算の民主化という点を力説いたしまして、「歳出にあつては目的別及び組織別の両面からの区分を明らかになしたこと、」これが予算民主化の主眼であるということを力説して、そうしてこの議会を通しておる、その一番大事な特色であるところの目的別編成というものを抹殺しようとすることは予算の民主化という権利とまるで逆行するわけで、先程申しました執行部の権限を特に強めて國会の権限を弱めて行こうという考えと相通するものがあります。そういう点についての政府当局の見解を一つはつきりとお伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(佐藤一郎君) この目的別予算を特に廃しました理由は或いは御説明したかと思いますが、要するにむしろ部局別予算を重視したということが根本であります。それから目的別予算というものは部局別予算に含まれておるから二本建にする必要はないということもありますし、言い換えますと、この部局別予算とただ組織別或いは部局別と一口に申しますが、その部局の中に更に項が分れておりましてそこにおいてはつきりと目的というものが立てられておるのであります。而もそれはいわゆる從來の目的別予算に現われております項と少しも違つておりません。ただ從來の項の上にこの項の予算を更にどこの部局が責任を背負うかということを明らかにしておるのであります。これを一例をとつて分り易く申上げますと、例えば農林省の農政局というものを例にとつて申上げますと、あすこには農村の振興費だとか農地の調整費でありますとか、資材の対策費でありますとか、等々の費用がございますが、これらは從來もやはりそういう項がございまして、それがいわゆる産業経済費の中の農林省関係の経費としてそういう項で並んでおつたのでありますが、併しただその場合にそういう項はいずれも農政局の責任なんだということをはつきりさせるために更にその項の上に部局を乘せたというだけでありまして、即ちこの條文を御覧願うと分りますように、部局の中を款項に分けております。從來目的別予算と申しますものは部、款、項とございますが、結局終局においては項によつて現わされておるのでありまして、この項によつてすべての目的を明らかにしておるその項というもの自体は今度の予算において少しも変化は蒙つておりません。ただその間に部局の関係を狹んだために総合的に通観して見にくいといけないというので、やはり款項表といたしましてこの部局を抜き去つたところの項だけの見よい表をお出ししようということでありまして、その実体は変つておらない、言い換えますとむしろ財政法を初めてやりましたときには、まだこの新らしい財政法的な考え方が熟しておらなかつた点もあつたわけでありますが、実は部局別予算を集計いたしまして、目的別予算を作つておつたような実情でありまして、その操作というのは何も変つたところがないのであります。で、ありますからむしろ予算が二つあるというような、どつちかと申しますと、はつきりしない恰好をすつきりといたしまして、とにかく部局別の予算一本にしよう、そうして部局別予算を集計すれば目的別予算が機械的に出て來るならば、それは款項表として出そう、それによつて審議は十分行われる、それから尚目的別というものは実体においては目的別予算がなくなつたことによつて少しもなくなつておらない、部局別の下にちやんと從來通りの目的別の制約というものを設けておるから目的別予算を廃したからといつて目的別の使い方について政府が勝手な眞似ができるということになつたわけではありません。で、ありますから実体においては少しも変更がない、むしろ、我々は予算が形式上二つあるという形をすつきりしたいということを考えておるわけであります。別にこれによつて特別に他意のある考えは持つておりません。
#56
○波多野鼎君 私は今の答弁では十分納得いたしません。問題の根本は先程から何度も繰返して言いますように、國会の権威と行政部の権威とがどう変化して行くかというところに掛かつておると思うのであります。その点については後で責任者からの答弁を求めまして、事務当局に対する質問はこれも止めて置きます。
#57
○中西功君 関連して伺いたい、事務当局の説明では、目的別予算並びに部局別組織別予算、この区別に廃止したことは実質的にちつとも変らない、こういう説明です。そうしてそれは部局というものの中に狹んだために、ただ形式が少し変つておるだけに過ぎない、併しこれは先程波田野委員からも問題の提出がありましたように、單にこういう技術の問題でないのです。これはその政府が或いは政治勢力がどんな考え方で以て日本のこの國の政治をやつて行くか、ここに私は大きな岐れ路があると思う、目的別が何故財政の民主化であり、又その國の民主化を強調しておつたかと言えば、これはその中にその政府がやろうとしておるところの政策が数字の上ではつきり出て來るからなんです。このことが一般大衆にもはつきり映じ、勿論我々議員にもはつきりしますと、國民全体が政府が六・三制においてどれだけ取つておるか、或いは政府が教育費にどれだけ取つておるか、或いは公共事業費にどれだけ取つておるかというふうな大きな政府の政策が一見して、分る分るだけでなくて、そういうふうな大きな政策をここに現わすのです。從つて又立派な政治をやろうとする人々はその政策を現わすようなこの数字が必要なんです。又もつと眞に日本の政府が自主性を持ち、或いは権威を持ち、そうして政治的な良心を持つておつたらそのような立派な目的別予算を作るのです。又そこにおいて本当に技術でない政治というものがはつきり現われるのです。ですから私はこのようなやり方は技術的に見て同じだというふうなそういう軽いものではないわけなんです。そもそもその政府が一体自分たちの政治或いは日本の政治についてどう考えておるかということをここでよく証明しておるのです。そうしてそういうふうな本当に建設的或いは國民の生活のためになる費用を最大限に組もうとする努力、そうしたものはこの中で行われなければいかんと思います。そうでなくて、このように部局或いは組織別一本にして行くという考え方の基礎には、やはりここでそういうふうな大きな政治はもうやらない、というのはそれを不明瞭にして、そうしてこの各部局に割当てしまつて行くということ、而もその各部局に割当てて行くことによつて、ここに新らしい官僚主義が出て來る、この財政法の一部改正法案を新しい官僚主義の発生と、而もその中においてめちやくちやに流用が利くところのとてつもない二つのものが混流しておるわけです。そうしてそういうことによつて日本の財政面というものをいよいよ不明朗にして行く、ですから我々は目的別とかそういうことは單に技術の問題だと考えていない、形式は違うけれどもその内容は同じだというそういうような説明で我々は決して満足しない、又そういう問題だ考えておるところに私は問題があると思う、こういうふうな行き方は、官僚主義を非常に培うのです。そうして繩張り根性をますます廣くする、廣くする上に、尚それじや済まないものですから、流用規定というものが当然必要になつて來て、そうしてこの流用規定に至つたことは、これは收拾つかないというようなことに、收拾つかんということは形容詞は惡いですが、こういうふうになると思う、ですからそういう点を我々は非常に心配しておるのです。ただもう少し具体的にちよつとききますが、配賦におけるところの流用においてそれを三十三條におけるように、「あらかじめ予算をもつて國会の議決を経た場合に限り、」というような同じような文句をその配賦の場合において掲げることは、それを政府委員としてはどう考えておられますか、これはまあ技術的で結構であります。
#58
○政府委員(佐藤一郎君) 配賦と言いますと……
#59
○中西功君 例えば具体的に言いますと終戰処理費とか、賠償施設関係経費とか……
#60
○政府委員(佐藤一郎君) 附則の最後の改正の分だけですね、今おつしやいますのは一條の二の……
#61
○中西功君 三十三条の改正のところに「國会の議決を経た場合に限り、」と書いてありますね、これは各項の場合ですね、そういうふうな精神で配賦の際に同じように適用するわけなんですか。その意味はここに終戰処理費とか、賠償施設関係費とか、公共事業費とか、價格調整費とか、大体決まつている筈なんです。そうして又恐らく政府もそれ以外にめちやくちやにやろうとは思つていないだろうと思いますが、そういうふうな大体一應予算を立てる前に予想されるようなものだと思うのであります、從つてそういうものを一應大体先に出して名前を書く必要はないのですか、「國会の議決を経た場合に限り、」というふうな文句を入れるという問題ですが、これはどうなんですか。
#62
○政府委員(佐藤一郎君) これは実際は特に入れませんでも國会の御審議を経る問題なんでありますから、当然それに伴つてやることなんでありますからして、できることと考えております。從來の例えば二十三年度の予算を御覧願うと分りますが、そういう経費については目節の区分は附さないからということをお断りしてある、それはやはり予算総則で一應お断りしておるのです。
#63
○中西功君 だからそのことをこの中へはつきり法制的に掲げた方が、多少でもこの國会を尊重するという意味においては成立つのではないかと思うのですが……
#64
○政府委員(佐藤一郎君) これはこういう建前になつております。特にここに書きませんのは、御承知のように目節は、結局いわゆる議決科目と申しますか、國会はこういうものを法律上の、憲法上の対象として一應大体財政法上の建前として、拘束力のあるものとして、議決して頂きまして、そうして目節は財政法においては内閣がこれを配賦するということになつておりますものですからして、その建前が崩れてしまうわけであります。併し実質上は今申上げましたような予算総則でお断りしている。こういうことになつております。
#65
○中西功君 それは考えようなんです。目節は確かに内閣が独自にやる権限があると思うのです。併しその目節の元であるところの終戰処理費は項ですね。
#66
○政府委員(佐藤一郎君) 項にもなつております。これは部款ですから、項は二、三本に分れております。終戰処理の事務費とか……
#67
○中西功君 そうするとこれは款ですか。
#68
○政府委員(佐藤一郎君) 款だと思います。併し大体実態において変りません。
#69
○中西功君 ですから項以上のものですね、この項以上のものについてその配賦の場合にこうしてもよろしいというふうに書くことは、而もその項以上の、例えば終戰処理費だとか或いは價格調整費とか、そうすうふうな項目、例えば條文的に言えば、「各省各廳の長は」……
#70
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやつていますのは附則にあるのです。
#71
○中西功君 第一條の二ですね、内閣は当分の間配賦する場合において、國会の議決を得た款項については当該配賦の際というふうにここに附加えれば、何もあなたの言われるようなことと抵触しないと思います。
#72
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと恐れ入りますがもう一回おつしやつて頂きたいと思います。
#73
○中西功君 配賦する場合において國会の承認を得た款なり項なり、款というかどうか私はよく知りませんが、当該配賦の際國会の承認を得た款項については、目又は節に区分し難い、だからそういう意味をここに挿入してもよいと思うのです。即ち具体的に言えば價格調整費については、これは國会の議決を経たわけですが、それについては目又は節の区別をしなくても配賦ができるというふうなことをここに入れたところで決して不自然ではないと思います。
#74
○政府委員(佐藤一郎君) つまり目又は節に区分し難い項が何であるか、ということを國会の承認を経る、こうおつしやるのですか。
#75
○中西功君 そういうわけです。
#76
○政府委員(佐藤一郎君) 言い換えると予算に添えて現わせ、こういうお言葉ですね。
#77
○中西功君 いやそういう修正、自分の意見と言うよりも、そういうふうなことは決して法理的に見て或いは財政上……
#78
○政府委員(佐藤一郎君) これは予算を御審議頂きます際に、予算にそれを入れて頂いて結構なのです。
#79
○中西功君 問題は予算の問題ではなくて、財政法の建前として言つているわけです。
#80
○政府委員(佐藤一郎君) これは目節の区分が今申上げたような建前になつておるものですから、一應書いておらないのですが、從來の通りで私はおつしやる趣旨はむしろ予算の審議に讓る方が理論的にも適当だと思つておりますがね。
#81
○中西功君 これは委員の間で少し懇談して貰いたいのですが、提案いたします。
#82
○委員長(櫻内辰郎君) 今大藏大臣が直ぐ見えますからちよつと……、他に御質疑はありませんか。
#83
○木村禧八郎君 この改正の一番最初の第一点についてですが、この説明書を見ますと、これまでの目的別予算と組織別予算は「この形式はあたかも予算が二種類あるかのように見え、かえつて予算の理解を困難ならしめる嫌いがありましたので」こういうことになつておりますが、これはどういう所でそういうことが問題になつたのでありますか、或いは大藏省内においてそういう声が起つたのか、或いは又司令部その他においてそういう声が起つたのか、どこからこういう改元の動機が起つた來たのか、その間の経緯をちよつと……
#84
○政府委員(佐藤一郎君) お答え申上げます。実はただ一概に予算とか歳出予算とかいう言葉をいろいろな場合に使いますのですが、そのときに、結局申上げますように、議会で御審議なさるような場合には、この目的別の実態が分つておればよろしいのでありますが、いろいろ経理上の整理しますその際にただ予算と申しましても部局別予算だけを対象にすればよろしい事務上の場合もございますので、そういうような場合もはつきりいたしませんというと、それから何と言つても根本的には説明の言葉が足りませんが、つまり部局別予算というものの重要性が実は今までの財政法では、まあ第一回の國会におきまして初めて部局別予算というものが日本で出て來たわけです。旧憲法においては、即ち目的別予算しかなかつたわけであります。そこへ部局別予算を新しい要求で立てたわけでありますが、尚部局別予算の観念が非常に弱いというので、むしろ部局別予算の観念を中心に立てなきやならんという、こういうところから考えられて來ておるわけです。むしろそういう点でございます。
#85
○木村禧八郎君 今の御説明で分りましたが、積極的にこの目的別予算を廃す理由というのがないのでありますね、問題は今おつしやる部局別予算ですか、これの趣旨をもつて徹底させるためにそういう形式を採る、そういうお話ですと、それの趣旨を徹底させる方法の問題であつて、折角財政なり予算の民主化を促進させるために財政法を作つたのであつて、この財政法は非常に権威があるものとして、これから運用して行かなきやならないのでありまして、我々はこれまでのような編成の仕方で段々に予算の見方をして行こうとして、漸く馴れようとしているところに又そういうような改正があると、そういうことになると却つて混乱がありますので、何ら二つあつて差支ないと思うのですが、これを一つに形式を纒める積極的な理由がどうもはつきりいたさないのです。
#86
○政府委員(佐藤一郎君) まあこれは感じの問題もあるわけでありまして、どつちかにすつきりさせたいという氣持は非常に強いわけでありますが、それと共に今申上げましたように、二つあるとどつちが重要なのかというようなことも、どつちが一体本質的なのか、本当なのかという点もはつきりいたしませんので、まあ部局別というものを重視する意味でこれを考えておるわけなんでありまして、尚申上げますと目的別予算と簡單に申しておりますが、これも多分御承知と思いますが、完成に目的別ではございません。御承知のように例えば農林省の経費というものは從來の目的別によりますといわゆる行政部費というところに骨格的の人件費事務費がございますし、或いは事業費は産業経済費というふうに出ておりますし、或いは行政共通費に載つておると、そういうふうに本当の意味で目的別ということを徹底いたすということになりますと、從來の目的別も実は不十分な点もございまして、そのために参考表をすでに差上げておるようなわけでございまして、そういう意味から言いますと目的別という点からはまだまだ不十分な点もございますし、それで予算の見方は或いは目的別或いはこれを出す対象別、或いは又今度のような組織別、或いは経済上の効果の見地と、理論の立てようによつては幾らもあるわけであります、若しそういう理論上の要求をすべて満足させたいということになりますと、実は理論上は予算は五つも四つもできるのであります、併しながらそれでは法律上如何なるものか本当の予算なのかというような場合にどうしても紛らわしさを避け難いという見地から、この際すつきりさせたいと、こういう氣持でおるのであります。從つて國会の目的別についての御審議を妨げるという氣持は少しもございません。それで参考表等で十分にそれを現わしたい、尚たびたび申上げましたように、一概に部局別予算と申してはおりますが、その部局の中で從來通りの項を立てております。從いましてただに審議の点について御不便を與えないと同時に、そういう項というものによつて部局の中における目的を明らかにしておりますから、政府は農地調整費の費用を勝手に肥料対策費に使うということは原則としてできない、即ち項が分れておるのであります。今度の部局別予算の部局の中が從來の目的別の予算に從つて区分されておるのでありますから、その点は十分從來の目的は達しておる、こういう考えでおります。
#87
○委員長(櫻内辰郎君) 波多野君大藏大臣が見えました。
#88
○波多野鼎君 財政法の一部を改正する法律案につきまして先程から事務当局に質問いたしておりますが、問題の重点はこういうところにあると思うのであります。二十四年度の予算の編成の目鼻がつくのを待つてこの財政法の一部改正の法律案を出されたということは、提案理由の説明書にあるように、二年間の施行の経過に鑑みましてということもそれはあるかも知れんが、その理由の外に、二十四年度の予算編成ということに関連してこの財政法の一部改正が提案されたと思う、二十四年度予算の編成におきまして今までの財政法では都合の惡いという点が発見されたのでこの改正が提案されておるのじやないか、こう考えられるのです。そうして我々が新聞その他を通じて理解するところでは、從來の國会中心主義から次第に行政府中心主義に考え方が変つて來つつあるのじやないかということを非常に懸念するのであります。そういう印象を受けるのです。特に九原則の実行に関しましてそういう傾向が次第に濃厚に現われて來るのじやないか、その一端が二十四年度予算の編成及びそれに関連しての財政法の一部改正というところにすでに現われておるというふうに感ぜざるを得ないのです。大藏大臣はこの問題についてどうお考えになつておるか、明確な御答弁をお願したい。
#89
○國務大臣(池田勇人君) 二十四年度予算の編成と財政法の改正は全然別個のものでございまして、只今説明員より申上げましたように、過去二年間予算を組んで参りますと、目的別、組織別の二様の分は非常に煩瑣でございまして、組織別だけで十分目的を達し得ますと同時に、又その他の点で改正いたします。即ち、負担行爲、契約行爲の二つによりまして、財政の執行を完璧にしたいという所存でやつたのであります。尚予算につきましては勿論國会中心主義でございまして、國会で御審議願つた趣旨に反するようなことは行政面において絶対に行うべきものでないということははつきりしておると思います。
#90
○波多野鼎君 大臣はそう言われますが、先程から政府委員の説明では、財政法の一部改正の法律案をなぜ早く出さなかつたか、單に二年間の施行の経過に鑑みてということならもつと早く出して筈じやないか、もつと早く出せれば衆議院におけるようなああいう問題も起きなかつた筈だ、という質問に対して、二十四年度の予算の編成の目鼻がつくまでは出せなかつたという答弁なんです。そこで我々は二十四年度予算の編成ということと財政法の一部改正の法律案とが必然的な関連ありと察せざるを得ないのです。関連なしと言われるのは少し間違つておりはせんですか。
#91
○政府委員(河野一之君) この問題は佐藤政府委員からそのように申上げたかも存じませんが、一番目的別予算を廃したいという点は、先程も政府委員が申しましたが、決算の問題として非常に困るという問題が二年間の経過に徴してあつたわけでございます。即ち各局別に予算ができておりまして、流用の関係が、これを目的別に持つて参りますと非常に煩瑣な手続になりまして、実際問題としてそれがために決算の提出が遅れるというようなことがありましたので、組織別で一應組織別の中に目的別が入つておるわけでありますから目的別として特に予算の効力をする有ものを出す必要はないじやないかということが二年間の経驗に徴しましてあつたわけであります。それからもう一つ、財政法の改正は外に二点あるのでございまして、もう一つは項の移用の問題でございます。これは組織別ということを徹底して参りますると各局間において予算を移し替えねばならない、例えば俸給でありますとか事務費でありますとかいうようにおのおの特別になつておりますと、人事の経理上、或いはその他の関係から非常に困る、そこで束縛されて困る、そこで流用の問題が起きて参ります。それからもう一つは予算の執行の問題でございますが、この執行の問題は今後非常に重要なのでありまして、從來支拂予算だけで編成いたしておりましたものを契約の段階にまで遡つてこれを統制して行く、こういう三つの要望からできたものでございまして、第一点につきましては從來の経驗でございますが、第二点も多少その点もございますが、主として第三点は予算の、まあ第二点も勿論でございますが、第二点及び第三点がこの予算の編成に関連いたしまして、如何にすべきやということからこの財政法の提出が遅れたような次第でありまして、從來の経驗及び今年の予算との関連、こう申しました政府委員の説明は必ずしも誤りでないことを御了承願いたいと思います。
#92
○波多野鼎君 大臣の説明とは少し食い違いますね。
#93
○政府委員(河野一之君) 食い違いと申すわけでもありませんが、どちらが主かと申上げますと、あとの問題は多少関連のある問題でございまして、從來の経緯と申上げた方が適当であろうかと存じます。
#94
○波多野鼎君 いや大臣に、私が質問したときには、二十四年度予算の編成の問題とは何ら関係なしと言われた。
#95
○國務大臣(池田勇人君) 御質問の点がはつきりいたさないのでございまするが、御質問の眞意がどこにあるのか、それは財政法の改正でございまするから二十四年度予算には関係のあることは当然でございます。全然関係はないということはございません。二十四年度の予算はこの財政法の趣旨によつて組むのでございます。その点においては関係ございます。察するのに流用の問題とかいろいろな執行上の問題について二十四年度の予算が相当厖大なものになるから、それを抑えるため予算が先にできて財政法があとでできたのだ、こういうふうな御質問かと思いまして、その意味においては必ずしも関係はないと申上げたのであります。
#96
○波多野鼎君 まあこれは將來のことだから分りませんが、例えば二十五年度の予算の編成というようなことが又近く問題になるのですが、この場合に又財政法の改正ということが今のようなふうな経過で出て來れば、又そういう危險がある、その年の予算を組むに当つていつも財政法の改正と関連して予算を組むということが、そういう慣例が確立したのじや困ると思うのですよ、財政法は予算の前にちやんとあつて、これに併せて予算を組むべきなんです。これを私は言いたいのです。
#97
○政府委員(河野一之君) 波田野委員のおつしやる通り御尤もの点もあるのでありますが、從來予算とこれに関連する法律は非常な関連を持つておりまして、同時に御審議を願つて、おのおの同時に御審議、御議決を願うというような例はこの前の財政法、二十二年度の財政法ではできたのでありますが、二十二年度予算と財政法との関係は全く現在同様の慣例になつておりまして、そういつた前例もございまするし、それから今回の財政法の改正は、この予算自身は財政法の趣旨に基いてできたものでありますが、改正法はこの予算の財政法の根本を搖るがすというようなものではないと改正法の趣旨は織込んでございますが、形式の点において多少從來と変つているという点でございまして、非常に根本を動かすというふうに考えておりませんので、この辺のところを先ず御了承を頂いて差支ないのじやないかというふうに考えておる次第でございます。
#98
○波多野鼎君 私の意見を述べて置きますが、財政法というのは言うまでもなく國家財政の基本法なのであります。毎年、二十四年度予算とか、二十五年度予算とか、そういうような時々刻々内容が変つて來るでしよう、併しそういうようなものを編成するに当つて基本法たる財政法に則つてやるので当然でと思うのです。それを二十四年度の予算を組むためにそれに関連して財政法の改正をやる、根本までの改正をして行こうというところに問題があると思います。基本法じやないかということを言つておるのです。
#99
○政府委員(河野一之君) 先例のことを申上げては甚だ恐縮なのですが、從來の、終戰後二十一年の予算は会計法、それから二十二年に財政法ができまして、從來の会計法から財政法及び会計法の二段構えになりまして、二十四年度の予算というものは改正財政法、根本的に変つた財政法に基きまして編成せられたものでありまして、まあそういつた面から申しまするならばまあ御了承願えると思うのであります。今回のは非常に粗末な、粗末と申しましては失礼でありますが、根本に触れるようなものではないと考えておる次第でございます。
#100
○木村禧八郎君 只今の河野政府委員のお話によりますと、この財政法の根本に触れる改正でないということを御説明ですが、財政法を作つた根本の精神は、予算なり財政の民主化を徹底させるということが一つと、それから健全財政というものを確立する、この二つが根本の目的だと思う、その精神だと思う、それでこの財政法の改正が、その財政なり予算の民主化に反するか或いは健全財政の確立に反するかどうかに、根本の問題に触れるか触れないかの論点があると思うのです。この改正によつてその危險が私はあるのではないか、そう思うのですが、目的別予算は、これは一般國民に対して予算がどういうふうに使われるかということを示すのに非常にいい例です。分り易い予算であつて、これを財政法においてそういうふうに規定しなければいけないというふうにはつきりと規定して行く方がいいのであつて、便宜によつてそれを予算に添附するという、そういう仮に方法によるべきではないと思うのです。財政の民主化ということが非常に重要であるならば、それに一番役に立つ一番必要な目的予算というものは、やはり財政法に存置しておいた方が私はいいと思うのです。それからもう一つの健全財政の確立ということにつきましては、予算の流用ができる、前よりも安易にできるというふうに改正することは、これは健全財政の確立に私は反して行くのじやないかと思います。勿論ここで「あらかじめ予算をもつて國会の議決を経た場合に限り、」というふうにしてございますけれども、そのときの國会がどういう政治勢力によつて支配されておるかによつて、例えば非民主的な政治勢力が強い國会においてはそういうものは効率的に使用させるために特に國会において部局の経費の流用を認めるというような議決がどんどんなされたら、私は健全財政の確立に寄與しないと思います。やはりそれは法律においてはつきりと決めて置いた方がいいのであつて、その予算の使い方が堅実になるということは、そうして國会の承認を経なければ、嚴重な承認を経なられば使えないということで非常に窮屈であるということが予算の民主化、健全務ということに寄與するのであつて、ただ安易にこれを効率的に運用できるということは実際の行政を担当される方としてのそういう氣持はよく分かるのですが、併し財政法の根本の精神から行くと、そういう目先の安易な観点のみからこういう改正を考えるべきじやない、こういうふうに思うが技術的には簡單のようでありますが、この技術的な改正を段々遡つて、財政法を制定した根本の精神に照して見ますと、そういう危險が私は出て來ると、そういうふうに思うのですが、この点どういうふうにお考えですか。
#101
○政府委員(河野一之君) 私の言葉が過ぎましたかどうか存じませんが、こういうふうにお考え願いたいのでございますが、予算の区分の方法なんでございますが、これは目的で行くのが一つでございます。目的と申しますのはフアンクシヨンでございまして、食糧増産に幾ら或いは社会施設の関係に幾ら、こういう分け方が一つでございます。それからどの官廳で幾らどの役所で幾ら使うかという分け方がありますが、例えば賠償廳実施課で幾ら金を使うか、こういう分け方がある、それからもう一つは俸給に幾ら或いは旅費に幾ら、補助金に幾ら使う、この三つの分け方があります。この三つの分け方をどういうふうに組み合せて行くかということが予算の科目の作り方或いは予算の形式になると思う、從來の予算で参りますと、先ず組織別と目的別とその外に対象別というのが項以下で組んでおるのでありまして、目的は組織と一致すれば所官別目的組織でありますが、裁判所費でもそうでありますが、今までの予算というものはそれを目的別で出して行きまして、組織別のところでおのおの項を立てておりまして、これはおのおの目的別になつております。例えば農林省農政局でありますならば農林省農林本省という項があり、或いは農地調整法という項があり、その他幾つも項があるのであります。それを集めて行くと目的別になるということでございましいて必ずしも現在の新らしい改正財政法で目的別がないとは申せないのでございます。ただ予算の効力としてその項を集めて一本にするということをやつておらない、と申しますことは、目的でありますと非常にそのときによつて違うわけであります。そのときの……、前年との対比その他の点もございますが、非常にとりようによつて生産力拡充ということもありましようし、それから教育費と申しましてもどんなものを入れるかそのときの考え方で目的が非常に異なつて來るということが一つと、それからとりようによつてどうにでも分けられるというように点がありますので、先ず組織を中心にして行く、そうしてそのときに情勢によつてその項を目的に合せるように考えて行く、こういう行き方の方がよいのじやないかというふうに考えましたので、予算としての目的を出さん、ということが民主化に即廳するのじやないかというふうに考えております。で、私共といたしましては、ただ参考表として目的別も出しますし、対象別も出ますし、それから從來の目的別以外の分け方も相当あると思うのであります。いろいろ御注文でこういつた経費がどの程度入つておるかというような御注文でありますれば、幾らでもそういうことが出せるのであります。それは單に予算としての効力を持たせるかどうかていうだけの問題である、こういうふうにお考え願いたいと思います。
#102
○中西功君 私は問題の重点は実は政府が非常に欠けているところにあると思うのです。そこで一つ大藏大臣におききしますが、公共事業費というふうなものが今度非常に少くなつて六・三制等がなくなりまして、六・三制につきましてはなくなつたということは非常に大きな問題を釀しております。そうした場合にたしか新聞で見ましたと記憶しておりますが、その六・三制は一應上つてはいないけれども、何とか予算の執行の上において加減ができるというようなことも言われたか言われないか知らないが、何か新聞で見たように私は記憶しております。それだけでなくて價格調整費という問題は今度の予算のいわば中心問題であります。で、而もこれと関連して外國からの援助物資勘定、そういう特別な勘定が定てられて、会計が立てられて、そして費用に関しては非常に機動的にこれが実行されて行くというようなことも伝えられております。そういうようなことと今度の財政法の改正のプランは根本的に関連があります。で、若しそういうことがなければこういう改正法は要らないと私は思います。で、目的別、組織別という問題もそのところの関連で出て來るわけです。技術的に見たら、先刻政府委員が言われたように、これはどんな目的別へ何を出そうとそれがただ予算的な効力を持つか持たんかが問題であると言つておりますが、その通りであります。そういうこともこの價格調整費や、或いは今後の特殊な会計の費用をそれを行動的に或いはいろいろそのときの情勢に應じて実行して行く、こういうことがありますからそういう問題が起つて來る、この問題について大藏大臣がどう考えておるのか、それを先ずおききしたい。
#103
○國務大臣(池田勇人君) 公共事業費につきましては、総体の枠を御審議願つて、その中大体のあら見当は前文に書くことにしております。從いまして、又質問によりましては公共企業全体の額を幾らでも申上げる次第であります。
 尚一部新聞に誤つて報道されたかと聞いておりますが、これは同じ内閣の予算でありますから、價格調整の方から公共事業の方へ持つて行くということは考えておりません。第三の援助物資による特別会計の予算につきましては、これは特別会計の支出につきましては、先方の方で相当使い方について制限をしておると思いますが、まだこれは費用が決まつておりません。國会の審議というものは我々は十分尊重します。繰返して申上げます。公共事業費の方で余つたから國会へ相談なくして六・三制へ持つて行くとか、或いは他に持つて行くということは毛頭考えていません。
  ―――――――――――――
#104
○中西功君 緊急質問をいたします。それでは大藏大臣に最近の大阪における税金問題、それに関する警察との関係、それについて質問をします。
 実は二十二日の朝から大阪の生野、福島、城東、東成区、西成区この五ヶ所におきまして、大阪の警察が臨時搜査本部を設けて、そして生活擁護同盟の会員約五百名から千人の会員を喚出して生産擁護同盟にいつ入つたか、去年の税金をまけて貰つたか、共産党に金を幾ら出したか、共産党が金を呉れと言つたか、お前は党員かというような趣旨のことを聞いておる、その喚出す場合に巡査が生活様護同盟に会員を強制的に警察へ連れて來ておる、而もその場合、前に一日或いは半日待たせておるというふうなことをしておる、而もこれが第一点でありますが、第二点で、特に私は税金問題と関連して由々しいことだと思いますことは、生活擁護同盟に人々が、異議申請を税務署に申出ております。その異議申請書を全部警察が税務署から取上げておるのです、これが第二点です。二十二日の午後には、城東の生活擁護同盟事務所に武装警官八十名を動員して搜査をした、同時に檢挙された者もおります。ところで檢挙されたのは税務代理士法違反であり、こういうことになつております。で、この税務代理士法違反について檢事局の松本次席檢事に質しましたところ彼は曰く、即ち何をきいたかといいはすと、一体税務代理士法にどういうふうに違反するかというようないろいろなことをきいたわけでありますが、その時に要するに税金について相談を受け、その世話をした者は全部掛かるのだ、こうはつきり彼はいう、で、一遍やつても掛かるのかというと、またやるというつもりでやつたら掛かる、というようなことをいつているそうです。こういうふうに税金について相談を受け、その世話をして者は全部税務代理士法違反で掛かるということになりますと、これは現に税務署自身が、同業組合を使つて税金の相談をやらしておりますが、こういうことは税務代理士のごとく、その相談を業としておるのではなくして、特定の人々の間で、そういう税務の相談をしておるということは、これは普通の非常に普及した事実なんであります。税務代理士の場合には、明かに業とすると書いてあるわけなんであります。この解釈がめちやくちやになされておる、税務代理士に対しては、一件千円近くの金を拂わなければならん、それのない人達はこれはそういうことはできないのです。事実大阪では自由党も、社会党も税務相談所の看板を掲げてやつておる、そういうふうな事実を指摘いたしまして、これはとんでもないことではないかと申しますと、まあ檢事なんかもこれは由々しい社会問題だ、こういつておるわけです。而もこれは警察のことに関係しますが、こういう事実もあるわけです。檢挙した連中に対しまして、若し今後止めるという誓約書を書けば許してやる、これは明かに刑事訴訟法の完全なる違法である、こういうような強要的なことをするのは……。現在こういう問題で大阪では非常に大きな緊迫した状態に立つております。私はこういう問題を今日聞いたわけでありますが、余りに甚しいやり方であると思うのです。特に異議申請書を警察が勝手に税務署から取り、全く警察が、税務署の代りをしてやつておるというようなことは、これは全くおかしいわけです。それにこの税務代理士法違反の、こういうような形で実際税金に今因つておる人々を苦しめる、その人たちが、お互に相談し合うということさえも、これをこういう形で彈圧する、勿論こういう人々は生活擁護同盟を作つて、その團体交渉で以てやろうとしておるのではない、これは税務署と交渉するところの恰好でやつておる、而もそういうことをする場合に、申請書の書き方、そういうことについてお互に協力しておる、そういうことについて相談をし合つておるわけです。そういう税務署との団体交渉とか何とかいうことの問題は、從來ありましたけれども決してそのことにも触れておるのではない、そうして、勿論これを業としておるわけじやなくして、特定の人の間で、それを相談し合つておるわけです。これが税務代理士法の業とする者に該当しないことは、極めて明白なんです。このまま大阪の問題が放置されて、或いは全國にこういう問題が沢山起つておると思いますが、こういうようなことを大藏大臣として、少くとも税金の主管大臣として依然として放つて置くつもりか、今後もこういうようなやり方でどんどんやつて行くつもりか、そういう点をはつきりおききしたいと思います。
#105
○國務大臣(池田勇人君) お話の大阪における事件につきましては、私はまだ耳にいたしておりません。御質問の税務署長に対しまする異議申請書を、警察の方へ持つて行つたかどうか、これは事実を調ベてからでないと、何とも申上げられませんが、御質問の要点は、税務代理士法の解釈の問題だと思います。所得税その他の特定の税金につきまして、業としてやる場合には税務代理士としての免許を受けることに相成つております。業としてやるということは、報酬を得なくても不特定の人々のために反復して、そういう行爲をしますれば、それは業としてやつた者、こういう解釈をいたしておるのであります。從いまして大阪の事件が税務代理士法に違反するかどうかの点につきましては事実問題でございまして、税務代理士法の業とするという意味は、私は不特定多数の人々のために反復してやる場合に、業とすると解釈いたしておるのであります。
#106
○中西功君 それは業とするのでないことは明白なんです。それは不特定でなくて、特定の生活擁護同盟の人々の間でやられておるのです。問題は私のおききしたい点は、税務関係の、税務徴收のためにこういうふうに武装警官を介入させて、そして一般の大衆が納得の行く税金を納めようとしておるのに、それに対してこのような警察官まで動員させて、そして尚このようにやつて行くのか、この警察官のやり方は明かにこれは人権蹂躙です。刑事訴訟法やそうしたものを、すベて蹂躙しておる、こういうふうなやり方で以て、今後とも税務の徴收をやつて行くのか、それとももつと民主的な何らかの方法を今政府は考えようとしておるのか、そして又考えようとしておるならば、こういう事件に対しては一体今後どんな手を打つつもりですか、それをはつきりおききしたい。
#107
○國務大臣(池田勇人君) 最近租税が相当重くなつて参りましたので、いろいろいやな問題も起つて來るのであります。我々税金の問題につきましては、それが円滑に行きますように、常に心掛けております。脱税その他の場合につきましては、原則として勿論税務官良の手のみによつてやつて行きたい、又そういうように今までもいたしておるのでありまするが、税の種類によりましては武装警官或いは関係方面の援助を受けてやる場合もございます。大阪でこの問題が起きましたのはどの税でございまするか、察するに所得税であろうと思います。私は所得税等の調査につきまして税務官吏が、警官、武装警官、或いは関係方面と一緒に行つたということはまだ聞いておりません。自分といたしましては税のことは、税務官吏でやつて行きたいという念願を持つております。
#108
○中西功君 実は私も詳細は聞いておりません。今日初めて聞いたんで、むしろこの点は税務署が頼んだか、或いはどうかよく知りませんが、警察が前面に立つてこれをやつておるわけなんですが、大藏大臣として税金のことは税務署でやりたいといふうなお考えであり、又成るたけ大衆に納得の行くようにやりたいという考えであるならば、このような問題にかくもあくどく警察が干渉することに対して、当然そういう警察当局に対して私は何らかの意思表示をされなければいかんと思うのであります。早速この事情を調査して、先き言われたごとく税務署は税務署としてやつて行くと、殊に所得税問題についてはそうするつもりであるというふうにお考えならば、その処置を早速とつて貰いたいとこう思うのであります。
#109
○國務大臣(池田勇人君) 今初耳でございますので、事情をよく調査いたしまして適当な措置をとりたいと思つております。
#110
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りいたします。大藏大臣も時間が切迫をしておるらしいのでありまして、若し必要がありとしますれば、午後お出ましを願うことにしまして、一時休憩いたしまして午後一時半から再開いたしたいと思いますが……
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(櫻内辰郎君) それでは午後一時半まで休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十八分開会
#112
○委員長(櫻内辰郎君) それではこれより休憩前に引続き会議を開きます。財政法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#113
○小川友三君 本法案につきましては、質疑は相当済んでおりまするが、まだ中西先生の御質問があるようでありますから、もう少し延ばしましようか。質疑を打切りまして、討論に入りますか、如何でしよう。皆さんにお諮りいたします。
#114
○中西功君 僕は大藏大臣に聞きたかつたんです。先の大藏大臣の御答弁は、波多野さんのきいた範囲で、非常に小さいことを聞いたのですが、非常に曖昧な御答弁だつたんです。それで具体的に当局におききしますが、例えば公共事業費或はその他の項目でもいいのですが、今まで價格調整費なんかを配賦するとき具体的に、例えば目節と分けてやつておつたか、それとも分けずにやつておつたのか、例えばこの二十三年一般会計のあれですが、ここでは價格調整費なんかは部、款、項まで價格調整費と書いてあるのです。それでこちらの組織別に見ましてもやはりその通りに書いてある、実際配賦するときどういうふうにやつたか、それをききたいのであります。
#115
○政府委員(佐藤一郎君) これは目節に分けてやつております。
#116
○中西功君 その目節に分けるときに我々に渡された大体表があつたと思いますが、それは例を挙げると非常によいと思うのでありますが、とにかく我我としては國会における今までのように、目節はないわけですね、ただ参考資料の場合でも予算委員会のとき余り詳しいものは出なかつたと思うのです。それを内閣総理大臣は配賦するとき、その目節というふうな項目は、一体どんな項目だつたのですか、どんな名前だつたのですか、その中の目節の名前は……
#117
○政府委員(佐藤一郎君) これは今、目節の具体的な名前は手許にありませんのでちよつと申上げかねますが、これを分けることはわけはございません。ただ金額の見通しが先程申上げましたように困難でございますから、一應の計画を予算審議の際にお聽き取りを願うということは、これは結構だと思います。実際上は確実に予定し得るという経費ではないものですから、現在目節を付さないで、一應御審議を願つているわけであります。それは具体的には必ず出しております。今手許にありませんので、具体的な名称はちよつと申上げかねます。
#118
○小川友三君 本案につきましては、相当審議が盡されておりますので、討論に入ることにしては如何でありましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の質疑終局の動議に対しまして、賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#120
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。それでは質疑を終局いたしまして、討論に入ります。
#121
○小川友三君 本案は政府の行政措置に十分に信頼し、そしてこれは衆議院通過の原案を賛成いたします。
#122
○九鬼紋十郎君 本案につきましては現状に即しまして適当であり、又必要であると考えますので、本案について賛成するものでありますが、これにつきまして各部局或いは款、項目節、こういつたものの流用規定につきまして、相当大藏大臣の大きな権限を認めておりますので、これにつきましては十分に大藏大臣の方で責任を以て濫用しないように監督を嚴重にして十分な処置をとられんことを要望するのであります。尚今日組織別予算に変更になりますので、そういつた点につきまして、この説明理由のごとく歳入歳出予算の総計表というものは必ずつけて審議に対して便宜を図られるよう十分御注意を願いたいと思います。以上の理由を以ちまして本案に賛成を表する次第であります。
#123
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はありませんか。
#124
○木内四郎君 本案の提案の理由につきまして政府当局から縷々御説明を伺つたのでありまして、大体本改正案は適当なものだと思いますので賛成いたしたいと思いますが、ただ一点ここで我々運用上特に御注意を願わなければならんことは二十四條におきまして予見し難い予算の不足に充てるために予備費を計上しなければならないという規定が從來ありましたものを計上することができるというようなふうにしてあります。場合によりましては計上されないようなこともあるのじやないかと思いますが、そういう場合におきまして万一予見し難い相当大きな予算の不足などが出て來るというような場合におきましてはその措置について勿論今日におきましては從來のような責任支出を認めることはできません、飽くまで立憲的な処置をとつて行くということが必要じやないかと思います。その点について特に從來のような責任支出をしないということを明かにして置くと同時に、これが動もすれば今回の財政法の改正によつて費目の流用、濫用によつてこれに対処されるというような虞れもないのではないのでありまして、そういう点につきましても濫に流れないようにやつて頂きたいということを希望いたしまして本案に賛成いたします。
#125
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。
#126
○中西功君 我々共産党はこの財政法の一部を改正する法律案に反対いたします。この財政法に関する改正は決して單なる技術的な改正ではないのであります。それを私はもつとはつきりさせたかつたのでありますが、質疑の中においては十分はつきりさせ得なかつたことを非常に残念に思います。政府がこれを出すに当つて、今度の予算の執行、それと睨み合せしていることは、これは極めて明白であります。而も今度の改正の根本はそこにあります。政府が提案理由書の説明の中で「施行の二箇年の経過に鑑みまして、」というのは、これは結局小さい理由であつて、もつと根本は今度の予算編成及び執行に関係がある、そういう面を政府委員は殊更に隱しているわけであります。提案の理由におきましても、そういう点が現われておるばかりでなく、他の箇所においても、これは本村委員から指摘されたごとく、この形式は予算に二種類あるかのごとく見えて、却つて予算の理解を困難ならしめる嫌いがある、こういうふうなことを言つておるのも、これは逆なんであります、全く逆なんであります。目別予算と部局別予算を作つた方が、若し理解を容易にするというなら、それの方がいいのであります。從つてそれが理窟にならないために政府委員は後の方じや決算の都合というふうなことを又申しております。これは後からつけた理由であります。若しそれが根本的な理由ならば最初からこの説明書になければならない、このように問題の本質すら……、そうして極めて些細な理窟口実によつてこの改正をなそうとしておる、非常に残念だと思いますのは、このような政府の不誠意な答弁或いは態度に対してこの大藏委員会が徒らにこれを通そうとすることだけ考えて、何らこれを審議しようとしない、私は若し國民の代表であるからにはそういう態度では非常に残念なことではないかと思うのであります。このようにこの改正案は隱くされた非常に重大な意図から出発しておる、そのことは又実際においてこの具体的な改正案の中にもはつきり分るのであります。さて以下その細かい問題について二、三申したいと思います。
 何といいましても、今度の改正の起つて來た骨子ともいうべきものは移用或いは流用規定なのであります。これは折角國会ができる限り細目に亘つていろいろの問題を審議したいといたしましても、そのときの都合、それからそのときの力関係によつて自由、勝手にそれが使われて行く可能性を與えるのであります。特に今後日本の國家財政は極めて重大な時期に達すると思う。これが爲替一本レートの設定、或いは又今後外國からの援助費が特別な会計として整理されて行き、そうしてそれに関連して價格調整費やそうしたものが極めて厖大な額に上り、その使用が全く日本の経済を支配して行くというような問題が我々の前に控えておる、そういうときに我々はその使用を実際に細部に亘つてまでやはり國会が監視する必要がある、又決定する必要があるのであります。こういうふうなときに、わざわざこのような移用或いは流用の規定を大きく設けて、それによつて國会の審議をその面に関しては非常にルーズにしてしまうというふうなことは、日本の今後の行き方にとつて極めて由々しき問題を釀すのであります。若しこのままなされて行くならば、我々が憂うるのは、單に日本の國会が非常に權限が少くなり、又権威のないものになり、日本の政府の執行権力が非常に強くなるというだけではないのであります。それだけではなくて、もつとこの中には由々しき問題が含まれるのであります。私達は先ず第一にそういう点をこの財政法改正の中にありありと見るのでありまして、我々共産党がこの改正案に賛成できないのも、第一の理由はそこにあるのであります。
 第二に、目的別予算を廃して、それから組織別予算だけにするという問題はこれも一見極めて技術的に説明されておりますけれども、私はこのことが先き申しました國会の権威をなくし、行政部の權威を濫用するというだけに止まらなくて、むしろ日本政府自体の極めて御都合主義的な、そうして又非常に権威のない有様がここにありありと現われておると思います。曾て財政法が作られたときに、この二つを作ることが財政の民主化であると、これは当時の自由党の石橋大藏大臣でさえがそう申して、而も殆んどの議員はそれに異議はなかつたのであります。それを今に至つて改正するのは、決して技術的な問題ではないのであります。私は政府或いは國家というものは、それは一面において民主的であり、即ち國民と共にあることが必要であるし、同時に政府の仕事は迅速に正しく責任を持つて行わなければならん。即ち一方には民主的であると共に、一方は集中的でなければならんと思います。このような二つが兼ね備わつて初めて立派な政治ができるのであります。そのようなことが予算に現われる場合には、やはりこの目的別と組織別との二つの区分として現われて來るのであります。確かに組織別区分、いわゆる部局別予算が確立して、そうして各部局が責任を持つて予算を十分に執行して行くということが必要であります。併しそれよりも、もつと大切なことは、國の政策を決定する政府としては、一体経費をどの方面に使うのか、即ち不必要な方面に沢山使うのか、それとも建設的な大衆生活に必要な方面に沢山使うのかということの方がもつと大切な問題である、政治の根本であります。こういうことを現わし、又そういう政策を通じて現わすのがこの目的別予算でありますが、若しこのような目的別予算を無雜作になくしてしまうおというように考えること自身は、これは技術的な問題ではなくして政治問題である、そういうような根本的な政府の考え方は、これは國民に見えるか見えないかというような些細なことじやなく、何ら日本のために、日本の勤労大衆のために予算を組まうとか、政策をしようとかしていない、そういう政府の態度をここの中に極めて明瞭に現わしておる、そして又このような行き方が完全に御都合主義で、日本の政府の自主性さえもなくして行くような結果をはつきりと見出しておると思うのであります。これは私の第二点であります。
 更に第三点でいいますれば、このような政治の貧困、政策の貧困をこれが表明しておるだけでなく、更にそれに附随しましてここに新らしい官僚主義の発生を招いておる、それは國会の権威、それを傷ける、或いは少なくするだけじやなくして、このような行き方で行くならば、即ち一方において本当の民主的な方向を失つて、而も部局別予算だけで行くような方向をとるならば、これは必然に各官廳の対立、或いは又そのブロツク化といいますか、そういうものを激成して行くのであります。そしてこれを大藏大臣によつて統制しようとすることは勿論できます。やるべきであります。やることが必要になつて來ますが、同時にそのことは大藏大臣の権限を極めて大きいものにしてしまう、勿論大藏省が、或いは又大藏省が掌つておる種々の仕事の関係から、大藏省なるものが、主としてどのような勢力の利益と最も関連しておるかということは、これはもういうまでもないことでありますが、そういうふうな官僚主義の上に、特に大藏大臣の権限を強めて、そしてこれが主として金融、或いは財政の面からすべての政策を規定して制約して行く、そういうふうな一つの大きな官僚主義がここに発生しようとしておるわけであります。決してこれは民主化だとか、或いはそういわれたものではなくて、完全に今までの意図された民主化の方向から逆行しておるのであります。私はこれは非常に些細なことのように見えますけれども、極めて大きな意義があると思うのであります。これが私が反対する第三点であります。この財政法の一部改正案はここには一部と書いてありますけれども、これは決して一部ではないのであります。これは全部なんです。旧來の財政法の根本的精神を抹殺しているのです。決して一部ではなくして、これは全部の改正です。即ち新らしい別個のフアツシヨ的な財政法をここに作り上げようとしている、而もそのフアツシヨ的なのは極めて憐れなフアツシヨでありまして、みずからの自主的な権限、力さえも十分に発揮するかしないか分らんようなフアツシヨだと思うのであります。この財政法はむしろ私は逆さまに読んで政財法と言つた方がいいと思うのであります。その政財法というのは、罪人を製造する法律だと言つた方がいい、何故ならば、こういうふうに部局間の流用を許したり、大藏大臣の一存でいろいろのことをするということは、必然の結果として、もう衆議院には不当財産取引委員会はなくなつたようでありますけれども、若しああいうものが続けられていたとするならば、そういう所を大変賑わすようなことになるだろうと思うのであります。そういう契機を沢山作るのであります。そういうふうな点から言いましても、むしろ名前さえ変えた方がいいというくらいに考えるのであります。それ程この財政法の根本に触れているものであります。我々といたしましては、これを決して小さい問題として考えることはできない、民主自由党の政府が今後なそうとして行く方向、財政を如何にやつて行くかという問題を端的にこれは表明しております。我々共産党は絶対にこのような改正案には賛成できないのであります。以上のような理由によつて私は反対したいと思います。
#127
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。
#128
○天田勝正君 日本社会党はこの改正案に反対いたします。その理由は、政府の提案理由の説明にもありまする通り、歳入歳出予算の総経費を賦するが故に國会の審議には何ら從前通り変らないと、こういうことが言われているのでありまして、消極的に考えましても、変らないものならば現行法通りで一向差支ないというのが第一点であります。それから只今中西委員から縷々この流用の点について論議されましたが、この流用が二通りありまして、同一の所要目的ならばこれが各省間でも各部局間でも流用ができるということと、目節の区分を付さないでもこの予算が配賦ができる、こういうことでありまして、このことは実は全権委任という形をとるのでありまして、勿論ただ今回の改正だけでは全権委任ではありません。併しながらこういうことによつて全権委任の第一歩を踏み出すものであると考えざるを得ないのであります。さような理由によりまして、社会党はこの改正案に反対いたします。
#129
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はありませんか……。御発言もないようでありますから討論は終了したものと認めて直ちに採決に入ります。財政法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手をお願いします。
   〔挙手者多数〕
#130
○委員長(櫻内辰郎君) 多数を認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
   小宮山常吉    小林米三郎
   九鬼紋十郎    伊藤 保平
   小川 友三    木内 四郎
   黒田 英雄    西川甚五郎
   米倉 龍也
#132
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名洩れはございませんか……。ないと認めます。
  ―――――――――――――
#133
○委員長(櫻内辰郎君) 次は貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#134
○小川友三君 大臣がお見えになつておりますからちよつとお伺いしますが、貿易資金の運用は極めて重大であることは間違いのないことでありまして、政府は五十億を増加するというわけですが、五十億程度で間に合うというわけでしようかしら、この点をちよつとお伺いします。
#135
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今御審議を願うのはそれによつて操作できるというつもりでございます。
#136
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑はございませんか。
#137
○小川友三君 質疑は相当に盡されておりますので、質疑を打切りまして討論に入ることをお諮り願います。
#138
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の御意見に対して御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(櫻内辰郎君) それでは直ちに討論に入ります。御発言の方は賛否を明かにしてお述べを願います。
#140
○小川友三君 政府の提出された、並びに衆議院を通過した本案は特に経済九原則の実施の立場から極めて重大なものでありまして、特に政府を信頼しましてその運営に過ちなきように切にお願いをしまして、この原案に賛成するものであります。
#141
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御発言はございませんか。
#142
○中西功君 我々共産党は貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案に反対であります。これは今まで貿易資金特別会計として、今までの穴ができたところを埋めるというような費用なんであります。問題はこの費用が多いか少いか、妥当であるかということもあるでしようけれども、私達が問題にするのはその根本であります。我々は現在日本の政府がとつておりますところの貿易政策、このものに根本的な欠点と誤りがあると考えております。どこにその根本的な誤りがあるかと申しますれば、即ち、一つは貿易政策を行い、建てます場合に、日本の國民が消費するところの物を、この物を成るだけ沢山作ろう、そのためにこのような経済計画、並びに政策を建てようというような点に、重点があるのではなくて、逆なんです。逆にアメリカから、或いはその他の國々から物を買つて、或いはこれを加工したり、それを外國に賣出して、そしてこれを通じて儲けよう、こういうところに根本的な眼目が置かれておるのであります。一口で言いますならば、我々の考えでは、貿易政策は日本の國民のための再建諸施策に從属すべきものでありますけれども、政府の建前は逆でありまして、貿易政策、それを集中するような爲替レート政策、そういうものがすべてであつて、それに入り合うように日本の経済が再編成されて行く、ここに第一の問題があるのであります。第二番目は、このように根本政策が間違つておる結果として、現実に日本の貿易は、現在の貿易は、一体どのような結果を我々日本國民経済に與えておるかと申しますれば、凡そ分けて三つの影響力を與えております。一つは外國に物を賣つて、即ちもつとはつきり言えば外國から物を買つて、その支拂手段として物を賣る。ここから飢餓輸出というものが出て來ます。かような飢餓輸出については、実は政府自身もはつきり申しております。このような飢餓的輸出は、結局において日本の労働者の賃金を刻々に下げて行かなければ成立しないところの輸出であります。一口で申しますれば、これは日本國民の生活を今後ともどんどん切下げるということを前提として成立つておる、その上に立つておる輸出であります。これは單に労働者の賃金の問題に止まらないのであります。農民の米價の問題にも、或いは國民購買力の減少を通じて、中小商工業者の商賣にも非常に大きな影響を與えるとともに、又その他の税金問題にも大きな影響を與えるのであります。これが一つの結果であり、もう一つの第二の結果は、これは日本がこのような経済的な侵略的輸出をすることによつて、再び中國や、南洋諸國との間に不幸な関係をもたらすのであります。現に今でも蘭印、或いは中國においては、日本のこのようなダンピングに対しては排日貨、その他のことがはつきり起つております。当然親睦親善関係で東亞を共に担つておるところの諸民族が、再び分裂させられ、そうして不幸な状態に落込んで行くこと、これはもう目に見えておるのであります。又現に現われております。中國の大公報という新聞、これは決して中國共産党の新聞ではありません。この大公報という新聞は、日本の現在の貿易政策は明かに経済帝國主義である、或いは又、中國の政府側においても、或いはイギリス方面からでもこのような低賃金によるダンピングに対しては、種々の抗議があるのであります。我々はこう考えますとき、このような貿易政策が國際的に如何に我々に不幸をもたらすかということは、これは極めて明白なんであります。第三番目は、我々がこのようなやり方をやつて行くならば、ますますアメリカ経済に依存して行かなければならん。現に二十四年度においては、十億の輸入が政府においても予定されておる、このような大きなものをアメリカ経済に依存する、この依存の度合はこれはまあ非常な依存の度合であります。今なされておりますところの日本政府のすべての政策というものは、このような三つの條件の上に立つた政策なんである、そこから爲替一本レートの問題が起つて來る、工業においては集中生産の問題が起つて來る、更に農業においては、農地改良費や開拓費や、或いは又種々の経費を削らなければならん、農村を崩壞に導くというような問題が起つて來る、更に予算を組む場合においても、價格調整費というような項目がべら棒な項目として計上しなければならん、税金の面において、特に今後輸出産業を振興するというふうな経費のために、実に千億を超えるところの費用を國家が注ぎ込まなければならん、こういう形で以つて、この実に詰らんところの貿易を維持しようとしておる、これは日本経済にとつては、実際は集中生産というようなものを通じて、全く崩壞なんである、單の中小商工業者の事業が崩壞するというだけではない、廣汎な日本の産業が現に崩壞しておる、こういうようなことを考えましても、日本國民のために、日本勤労大衆の生活をよくするために、日本の復興はなされていない、復興ということは言葉は同じでも、いろいろの種類がある、今の日本の政府のやつておる復興は、日本國民を飢餓に導くところの復興なんである、そうして極めて一部の人々が利益をするところの復興なんである、今現に、今の日本の國民がどんな苦しい状態になつているか、議会の絨緞の上にいる人々はよく分らんかも知らん、物凄い差押え、蒲團さえ取られて行くような人さえある、サンマータイムというので、まあこんなに寒い時代からサンマータイムになつて、氣分だけは夏になつている人があるかも知らんけれども、実際は寒い、併し蒲團はそのままとられて行く、そういうことは今現にこの瞬間にも私は潰れておる会社もあると思う、このような犠牲を我々國民に負わせておるのはこの貿易政策である、これは極めて明白なんである、而もこのようなことに、このような詰らんことに、この会計においても五十億、來年度予定せられておるものが四百億受入れて、やろうとしておる、実に馬鹿らしい、而も昨日來指摘されたごとく、貿易をやつて、できるできると言つて置きながら、不適格品というような形、いろいろの形で沢山な滯貨があるのです、そして腐つているのです、國民に若しこれを使わすならば、喜んで或いは助かるものが、輸出用だというので虫に食わしてある、こういう馬鹿らしいことのために今日ここで皆さんは五十億を可決しようとしている、もう少しです、我々は日本の経済、本当の大きき問題を日本の國会議員が考えなくてはならんと思う、それはこのような國が滅びても、或いは自分だけは儲かるという人はあると思う、併し私達はそういう人は何をか言わんや、少くとも八千万の大多数は、今本当に危急の存亡の機に來ておる、決してこの五十億だからと言つて大きな問題ではない、恐らく四百億、五百億が來ても、このような状態なら大抵のこの今のような状態なら皆餓死してしまうのであります。併しこのことによつて日本は恐らく、私は四月、五月、六月というものは本当に悲惨な運命になるだろうと、誰だつて予感しておる、我々はこういうような状態を無視することは、看過することはできない、私達日本共産党は、本当に日本國民の大多数の人々の生活の向上と安寧、それを中心にした復興、そしてそれを中心にした貿易政策というものを、考えますが故に、我々は反対するのであります。我々は決して單に反対せんがための反対を敢てしているのではない、今出されて來るところの法案のすべてが、このような一般的な方針の上に立てられている、先の財政法だつて同じことです。そして若し本当にそれならば、我々はどうした貿易政策をやればよいかと言うなら簡單です、建前を根本的に変えることです、そして我々が單にアメリカ一國だけではなくして、いろいろの國々とバーター・システム、そういうことによつてやることが何よりで、飢餓輸出をしなけりやならんというような貿易を罷めることが私は根本だと思うのであります。以上のような理由で我々日本共産党はこの法案に反対するのであります。
#143
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はありませんか。
#144
○天田勝正君 日本社会党はこの法律案に反対いたします。その理由は成る程政府の提案にありましたように、現在の資金計画を以つていたしますならば、四十九億の不足を生ずるということに相成ります。併しながら政府の提出の資料を以ていたしましても、この受入の中に輸出物資國内放出、この額が六十億と相成つておるのであります。この六十億の輸出物資國内放出は結局メーカーが輸出に適せざるものを作つたために、かような結果を招いたということは明らかでございます。從つてかようなものに対してまでも、相当多額な輸出物資の貸付、こういうことを行なつておるのでありまして、かような面を十分規制いたしまするならば、すでに六十億のこの金が浮かんで來るということがこれ亦明らかであります。そういう経費節約によりましてかような五十億の限度を引上げるということをいたさなくとも、その運営は十分できると思うのであります。かようなところに支出するものを更に災害復旧、或いは六・三制の十分なる施行等に支出するのが当然であろうと考えられますので、社会党は本案に反対いたします。
#145
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか……、発言もないようでありますから討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。
 貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#146
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  小宮山常吉、小林米三郎、九鬼紋十郎、伊藤保平、小川友三、木内四郎、黒田英雄、西川甚五郎、米倉龍也
  ―――――――――――――
#148
○委員長(櫻内辰郎君) 次は会計法の一部を改正する法律案の御審議を願います。
#149
○小川友三君 会計法の一部を改正する法律案、これはすでに質疑もないようでございますから、質疑を省略いたしまして、直ちに討論に入られんことを望みます。
#150
○委員長(櫻内辰郎君) 小川君の動議に御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。直ちに討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#152
○小川友三君 本案は民自党内閣にしては珍らしい公正の上等の法律案でありまして、これは民主党と抱き合せ内閣であるという点から或いは社会党のいい政策を採り入れて規定の整理をしたというところでみごとなものであるというのでこの法案全体に賛成をいたします。
#153
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか……、外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。会計法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#154
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨、及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長の議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  西川甚五郎、米倉龍也、小林米三
  郎、九鬼紋十郎、伊藤保平、小川
  友三、木内四郎、黒田英雄
#156
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名漏れはございませんか……。なしと認めます。それでは暫時休憩いたします。
   午後二時五十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時五十七分開会
#157
○委員長(櫻内辰郎君) それでは休憩前に引続き会議を開きます。
#158
○波多野鼎君 産業設備営團の損失補償に関する法律案の取扱については、大藏大臣が予算委員会で言明した点に鑑みて、政府側から善後措置を講ずるまでこの委員会は待機する、そういう態度を決めて頂きたいと思います。
#159
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それでは明日午後一時から、証券民主化の問題も衆議院の方から申出がございますから、この問題を議題として打合会を開きたいと思いますので御出席を願いたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           天田 勝正君
           西川甚五郎君
           木内 四郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           米倉 龍也君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      佐藤 一郎君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト