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1949/04/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第14号
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1949/04/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第14号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第14号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
   午後三時二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○大藏省預金部特別会計外二特別会計
 の昭和二十四年度における歳入不足
 補てんのための一般会計からする繰
 入金に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○開拓者資金融通特別会計において貸
 付金の財源に充てるための一般会計
 からする繰入金に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○貴金属特別会計法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○連合委員会開会の件
○米國対日援助見返資金特別会計法案
 (内閣送付)
○貿易特別会計法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。
 本日の議題は、大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十四年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案を御審議を願いたいと存じます。大体予備審査において御質疑は相当行われておりますが、引続き御質疑がありましたら、この際お願いいたしたいと存じます……外に御発言もないようでありますから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#4
○小川友三君 本案に対しましては、衆議院通過の通り本員は賛成するものであります。
#5
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか……外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十四年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方のお挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#6
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願いたいと存じます。
  多数意見者署名
     小林米三郎  九鬼紋十郎
     小宮山常吉  西川甚五郎
     森下 政一  伊藤 保平
     小川 友三  玉屋 喜章
     黒田 英雄
  ―――――――――――――
#8
○委員長(櫻内辰郎君) 次の開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の御審議を願いたいと存じます。予備審査において相当に御質疑が済んでいると思いますが、尚この際に御質疑がありましたら、御質疑を願いたいと存じます。
#9
○小川友三君 質疑を省畧願います。
#10
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言もないようでありますから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め討論に移ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#12
○小川友三君 開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案ですが、これは金額が一般会計から十五億千四百九万四千円という額でありますが、開拓者の実情を調査いたしますると、この金額では不足を來すような点もあるということは想像はできまするけれども、経済九原則を中心として諸般の情勢によるところの現下日本においては、政府原案であり、又衆議院を通過した本案に賛成すべきものであると私は認めますので、この原案通り賛成いたします。
#13
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか……外に御発言もないようでありますから、討論はすべて終了したものと認めて直ちに採決をいたします。開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#14
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
     小宮山常吉  西川甚五郎
     九鬼紋十郎  小林米三郎
     森下 政一  伊藤 保平
     小川 友三  玉屋 喜章
     黒田 英雄
  ―――――――――――――
#16
○委員長(櫻内辰郎君) 次は、貴金属特別会計法案について御審議を願いたいと思います。御質疑がありましたらこの際お願いいたしたいと存じます。
#17
○黒田英雄君 極めて小さん事務的のことでありますが、ちよつと読んで理解しにくいのでお伺いしたいのでありますが、この附則の第七項に「当分の間、この会計において、附則第五項の規定によりこの会計に帰属した金資金所属の有價証券、外貨預金及び貸付金その他の資産に係る経理を行うことができる。」ということでありますが、この附則の第五項は「金資金特別会計法廃止の際、金資金に属する資産(現金を除く。)及び負債は、この会計に帰属させる。」こういうことを書いてあつて、この会計にこれらものは帰属しておるのでありますが、帰属すれば当然この経理はできるように思うのですが、特に第七項における「経理を行うことができる。」ということを書かれるのはどういう理由があるのでありましようか、この点を御説明を願いたいと思います。
#18
○説明員(喜田村健三君) 只今の御質問について御説明いたします。この特別会計法の第一條に、この特別会計の設置の意義といたしまして貴金属の買入、賣拂又は管理に関する経理を明確にするために、一般会計と区分して経理する主なる目的だけをここに挙げておりまして、その外に現在有價証券とか、帝國鉱発とか、朝鮮鉱業振興とかこういうものに対する有價証券がありますが、これは残務整理が済むまで暫くここに帰属いたしますので、当分の間だけはここの会計で以て経理することができる、こういうふうに別に規定してあるのであります。先ずここに資産が帰属すると書きまして、それに対する経理ができるかと言いますと、第一條ではできませんから、ここに附則第七項におきまして、これの経理もできる、こういうふうに特別に書いたものでございます。
#19
○黒田英雄君 帰属したらばですね、当然経理しなければ始末が付かないように思いますが、帰属させるということで第一條の一般のものに附加したようになるように思うのです。更にここにやはり経理ということを入れなくちやならんものでしようか。若しこれが第七項がないと言うとどうなりますか。帰属させないと……
#20
○説明員(喜田村健三君) 只今の御質問にお答えをいたします。例えばこれに対する貸付金とか、こういうものの回收とか、これに対する株券のまだ拂込みがありまして、そういうものをやろうとします場合に、第一條でありますと、経理ということができないで、ただ保管ということは帰属できますが、それに対して回收とか、拂込とか、こういうことができない。(「分りました」と呼ぶ者あり)貸付金の回收とか、こういうものがございますが。
#21
○黒田英雄君 これは私は十分了解できませんが、まあ蛇足と思つても差支えないし、この程度に止めて置きます。別に異議はないのであります。
#22
○小宮山常吉君 金資金の特別会計法の審議ですが、砂金政策というものが極めて抽象的のように、今日まで余り政府として重きを置かんように考えておるようでありますが、二十四年度の予算がドツジ案として均衡のある予算を組んだのであるが、この予算を通じて、日本は金本位に帰るという出発点であると言われるが、政府はこの点にどういうような具体案を拵えておるかということを伺いたい。
#23
○國務大臣(池田勇人君) 今回は均衡予算を作つたのでありますが、直ちに今金本位に帰るかどうかということにつきましては、申上げかねるのであります。理想といたしましては、私はそういうふうな方向に向うべきものだと思つておるのでありますが、大藏当局といたしまして、金本位に帰る、いつ帰るということはちよつと御返事いたしかねるのであります。
#24
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑ございませんか。
#25
○小川友三君 これはまあ簡單な法律でありまして、すでに金資金特別会計法で相当審議しましたのでありますから、それを詳しく書いてありますので、誠に敬意を表するものでありますが、第一條に大分詳しく分らんような名前も出ておりますが、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム等、これだけ書くのならば、ラジウムも入れた方がいいと思うのでありますが、これはまあ余り長くなるから除いたのだと思いますが、それをちよつと説明員でもよろしいですから、説明を承わりたいと思います。それから又今の金本位の問題でございますが、これは大藏大臣の御答弁がございました通りと思いますが、新聞に速報されておりますので、或いは金本位には二十年ぐらい先か、十年ぐらい先か、かような見当がこのところで付くと思いますので、大藏大臣は本当の財政通でいらつしやいますから、何年ぐらい経つたならばなりそうだというところを具体的にお漏らしを願いたいと思います。
#26
○國務大臣(池田勇人君) 私から何年経つたら金本位にするということは只今のところ申しかねますが、いずれ講和会議が済みますれば、ブレトン・ウツズ協定の加入もできましようし、日本の経済の自立の度合によりまして、なることと思つております。
#27
○小宮山常吉君 今、具体的な生産の政策だとか、主要鉱山の復興の予定というようなものは大藏省として分りませんか。
#28
○説明員(喜田村健三君) その前に、只今お尋ねのラジウムの問題でございますが、ラジウムは私は率直に申しましてよく分りませんが、科学上貴金属には入つておりませんそうで、この法律の目的は司令部から言われました貴金属の調整という点にあるのでありますから、関係方面とも連絡いたしまして、ラジウムはこれに入れてございません。それから金山の問題につきまして、商工省とも御連絡して、今後金鉱はいろいろな意味で非常に重要でございますので、どの金山をどうするかということを考えておりますけれども、まだ具体的には相成つておりません。戰爭中の鉱山整備によりまして、相当より鉱山も吸收いたしておりますが、その中で、例えば井華鉱業の鴻之舞などはそろそろ始めるようにしております。その他相当の鉱山につきまして復興の計画を立てております。
#29
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑ございませんか……外に御発言もないようですから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め、討論に入ります。御発言の方は賛否を明からしてお述べを願いたいと思います。
#31
○小川友三君 貴金属特別会計法につきましては、政府の説明も拜聽しましたし、相当にいい法律だと、現在の状況においては思われるのでありまして、衆議院も通過しました原案に対しまして賛成をいたします。
#32
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか……外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決をいたします。貴金属特別会計法案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#33
○委員長(櫻内辰郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚、本会議における委員長の口頭報告は、委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に、多数意見者の御署名を願います。
  多数意見者署名
     小宮山常吉  九鬼紋十郎
     小林米三郎  西川甚五郎
     伊藤 保平  森下 政一
     小川 友三  玉屋 喜章
     黒田 英雄
  ―――――――――――――
#35
○委員長(櫻内辰郎君) 次に、お諮りを申上げます。本委員会に付託になつておりまする國立病院特別会計法案に対しまして厚生委員会から、本委員会との間に連合委員会を開会をして貰いたいとお申出でがあるのであります。これに対しまして、連合委員会を開会することに御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めて、さよう決定をいたします。それでは連合委員会は厚生委員会と打合せの上、その日取りを決定して、公報によつてお知らせをいたします。
#37
○小川友三君 この案につきまして、この國立病院特別会計法案ですが、厚生委員会と連合委員会をやつている假があつて差支えないものでしようか、若し困るならば……今日、明日通らなくてもよろしいですか。
#38
○委員長(櫻内辰郎君) 今日、明日でなくともいいと思います。それではそういうように決定いたします。
  ―――――――――――――
#39
○委員長(櫻内辰郎君) 次は、米國対日援助見返資金特別会計法案の御審議を願います。本案につきましては、衆議院側と話をいたしたこともありますので、御報告を申上げます。
 衆議院側におきましては、本法案のうちその一部を次のように修正したいということでありまして、「第四條第六項及び第七項を削る」、その修正の理由は、一、政府と連合國最高司令官との関係において処理する方が望ましく、國内法に挿入することは適当でない。二、連合國最高司令官に行政責任を転嫁するごとき誤解を生ぜしめ、却つて米國の日本占領政策に副はざる結果となる虞れあり、又内閣の責任を曖昧にする懸念がある、三、デイレクテイブ又はメモランダムにより、政府においてこれを遵守することが適切である。四、國内法に挿入することは前例がないから、決議その他の措置により、右の趣旨を生かすようにする方が望ましい。こういう修正の理由であるのであります。これは向うの大藏委員ではすでに通過いたしまして、多分今日か、一両山の間に本会議にかけて、そうして決定をする筈になつておりますので、こちらの予備審査はこれを省いたものになるのでありますが、更に衆議院におきましてこの第四條の第六項及び第七項を削りまする代りに、改めて米國対日援助見返資金運営に関する決議案、米國の特別の好意により、我が國における通貨及び財政の安定、輸出の促進その他経済の再建に資せしめるため、米國対日援助見返資金を設置せんとする趣旨に鑑み、政府は右資金の運営に当り、次の條項を遵守しなければならない。一、政府は、米國対日援助見返資金特別会計法第四條第一項の規定による運用若しくは使用又は同條第五項の規定による國債の償却については、連合國最高司令官の承認を経なければならん。二、政府は、右の承認を経て行なつた運用、使用又は償却については、連合國最高司令官の監査を受け、又必要な報告を行うものとする。右決議する。この決議案を衆議院としては本会議に提出したい、こういう意向であるのであります。從つて衆議院でこれらの措置を取られました後に、本委員会におきましては本件についても御相談をしなければならんと、こう考えておりますが、このことだけをお含み置きを願いたいと存じます。尚、本案に対しまして質疑がありますならば、殊に大藏大臣も御出席でありますから、大藏大臣に対する御質疑を先にお願いいたしたいとこう考えます。
#40
○小川友三君 米國対日援助見返資金特別会計法、これは本議員の最も待望して止まない法案でありまして、この運営につきましては勿論國会を通じ、政府の責任において極めて眞面目におやり頂くということは信用できるのでありますが、現在までの情勢で分つておる範囲内を、この資金の運営の大体の状況を大藏大臣から詳しく御説明を賜わりたいと思つております。
#41
○國務大臣(池田勇人君) 米國対日援助見返資金特別会計は、昭和二十四年度の予算におきまして、最も重要な会計であるのでございます。大体從來は対日援助物資が、或いは輸入補助金に使われたり、或いは輸出補助金となつたりしまして明確を欠いておつたのです。從いまして不明確のままずつと來ておることは、日本の経済自立に適当でないという考の下に、これをはつきり特別会計法に繰入れ、そうしてこれを第四條に規定しておりまする面に使用することに相成つたのであります。そうしてこの金額は千七百五十億円でございまするが、只今のところは鉄道通信両会計におきまする建設公債二百七十億円に使用することが大体決つておりまして、残りの千四百八十億円につきましてはまだ決まつておりません。併しこの金額の運用如何は、我が國の経済の推移に非常な影響がありますので、この使用につきましては一應閣議決定をいたしまして、資金計画を安本、大藏省で立てまして、実際の管理は大藏省でやつて行くということにいたしておるのであります。何分にも今委員長からお話がありましたように、アメリカの納税者の負担によるお金でありますので、これの使途につきましては、連合軍の関係方面と十分話合をして行きたいと考えております。
#42
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はありませんか。
#43
○森下政一君 大臣の只今の御説明で、一通りのことは分るのでございますが、鉄道通信に対する二百七十億円の外は現在未定であろうと思います。ところでこれはいろいろアメリカの方との関係もあつて、それ以上のことはおつしやりにくいのだと思うのですが、速記を止めてでも、大体こういうつもりなのだということだけでも聽かして貰うわけに行かんでしようか。
#44
○國務大臣(池田勇人君) これは西ヨーロツパ方面では、大体マーシヤル・プランとしてやつております。使い方につきましては各國の経済事情によつて変つております。イギリスにおきましては、主としてこれは國債の償還に充てられております。フランスにおきましては、主として長期産業資金に向けられておるのであります。イタリー、ギリシヤ方面におきましても、國債の償還よりも大体産業資金、或いは住宅資金等に使われておる状況でございます。これは各西ヨーロツパ諸國とアメリカとの協約によつて使い方ができておる次第でございます。で、フランス等におきましてはその重要性に鑑みまして、この金の使用について國務大臣を置いている國もございます。我が國においては大藏省の機構を強化いたしまして、只今この方面を主として担当いたしまする財務官を置いて処理して行きたいと考えております。私の氣持といたしましては、成るべく経済復興に必要な産業資金に使いたいと、こう考えておりますが、その点はまだはつきりいたしておりません。併しこれが産業資金に直接投資せずに、國債の償還或いは復金債の償還に充てられたりいたしましても、その金をそのまま日本銀行へ納めてしまつて、そういうものを縮小することでなしに、やはり償還いたしまして、市中銀行の余裕金ができれば、それはやはり長期資金の方にも持つて行きたい、こういう考えを持つております。具体的な問題は大体四半期ごとに計画を立てましてやつて行きたいと考えております。
#45
○波多野鼎君 ちよつと大藏大臣に、今のよその國のことを少し聽きたいのですが、イギリス、フランスなどでは大体双務協定とかいうものでやつておるらしいのだが、その双務協定の内容は、資金の運用方法についての大綱を決めて、例えば何%を國債の償還に、何%を産業資金とか、或いは全部を産業資金とかいつたようなふうの大綱を決めておるだけであつて、産業資金として決められた枠の中で個々の事業にどう投資するか、どう使うかというようなことについてまで一々双務協定で決めているのですか、どうですか。又日本においてどうなるのですか、その点……
#46
○政府委員(伊原隆君) 條文の問題でございますから、私から説明いたします。只今大臣からお話がございましたように、ヨーロツパではマーシヤル・プランに関しまして各國とアメリカとの間に双務協定を結んでおりまして、一番典型的なのをアメリカの國務省でも発表いたしておりますのは、イタリーと米國との間の双務協定のようであります。これは相当の條文になつておりますが、例えば対日援助見返資金に相当するような部分におきましては第四條に規定がございますが、波田野委員のおつしやる通り、別にどこの事業にどうしようということは書いてございません。ただ書き方は、イタリーの利用し得る援助資金の対價になるイタリーの通貨に相当する部分をイタリーの中央銀行に積立てる。そうしてこのリラ貨は、復興計画に関しましてはアメリカの経済協力局の出先機関がございますので、それの米國側の行政費用、それから救援物資の國際的輸送の費用その他イタリー内の生産力の発展、米國の不足物資生産の探究乃至開発、それからイタリーの國債の返還等、インフレーシヨンとならないいろいろのもので、イタリー政府と米國政府との間に了解の得られた目的に使用する、こういうことになつております。実際問題としてイタリーとの間ではナポリのドツクでありますとか、埠頭の建設、それからシシリー島、サルジニア島の道路の建設、それから下水工事、それから労務者用の住宅の建設、その他商船隊の建造、観光事業等にイタリーでは使われておるようであります。
#47
○波多野鼎君 双務協定の一つの見本について説明を承わりましたが、その中ではイタリーに対する贈與ということははつきり出ておるわけですね。日日のこれはそうじやないでしようか、どうですか、その点は……贈與というのですか。
#48
○國務大臣(池田勇人君) 只今占領治下でありますので、これが贈與か或いは貸與か、私には何とも御返事できません。
#49
○政府委員(伊原隆君) ちよつと私が贈與という言葉を使いましたので、補足をさして頂きますが、マーシヤル・プランにおきましては、御存じのように贈與になります部分と、それから貸與になります部分とございます。それで見返資金を設けておりまするのは、贈與に相当する部分のところに各國では見返資金を設けてはございますが、併し日本の部分については只今大臣がおつしやつた通り、それが贈與であるとか、それから貸付であるとかというようなことは、只今のところでは明確でございません。
#50
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑ございませんか。……それでは本案に対しまする御質疑は、この程度で止めて置きます。
  ━━━━━━━━━━━━━
#51
○委員長(櫻内辰郎君) 次に、貿易特別会計法案の御審議を願いたいと思います。御質疑がございましたら、御質疑を願いたいと思います。
#52
○黒田英雄君 この貿易特別会計法案というものについての提案の理由は先日承わつたのですが、極めて簡單な説明であるので、只今会計法案を見ますというと、会計法案の内容は事業費勘定、経費勘定、清算勘定等に区分して、いろいろ規定がありますが、これらの区分された必要と、それらの運営等について、もう少し政府委員から御説明して頂きたいと思います。それから尚御質問申上げることがあれば御質問いたします。
#53
○國務大臣(池田勇人君) 今までは貿易資金特別会計法は経費勘定だけを挙げておりまして、実体がよく分らなかつた。今後は事業費勘定、清算勘定、こういうものを入れまして、予算面にはつきり事業分量を出して行く、こういうことに相成つたのであります。
#54
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑ございませんか。
#55
○黒田英雄君 大藏大臣の御説明でそれは分りましたが、それぞれの勘定がこういうことをやるということを、これに書いてあることはあるけれども、それに関しましては政府委員からでも御説明を願いたいと思います。
#56
○政府委員(河野一之君) 三勘定の問題ですが、從來のやり方を一つ申上げて置きたいと思うのでございますが、貿易資金という一つの資金がございまして、これに特別会計が付いておつたわけでございます。そうしまして実際の貿易品の賣買というものは貿易資金の運用としてやられておりまして、從つてこれが歳入歳出に立つておりません。貿易資金の特別会計に載つておりました経費というものは、貿易廳の経費と、それから貿易公團に対する交付金というようなものが歳出になつておつたのであります。それから貿易資金は多額の借入金をいたしておりましたので、その貸付金の利子というようなものが入つておりました。それから貿易公團に貸付をいたしておりますその資金を日銀から仰いでおりましたので、その利子の利拂いの額、こういうふうになつておつたのであります。今度の会計の制度におきましては、從來の貿易資金特別会計に相当する分が経費勘定として現われて参つております。即ち貿易公團に対する交付金の問題、それから貿易廳の経費というようなものが、これが経費勘定でございます。それから貿易資金の從来の運用の勘定になつておりました、即ち賣買の関係が今度の貿易特別会計の事業勘定になつて参るわけであります。それからもう一つ清算勘定というのが付いておるのでありますが、これは去る三月三十一日を以て食糧貿易公團、それから原材料貿易公團が解散いたしましたので、その清算事務だけをやる特別の勘定であります。これは全く過渡的のもので、將來は経費勘定と事業費勘定になる。こういうことになるわけであります。それで各勘定の間の出入りの問題でありますが、貿易会計におきましての事業費勘定でいろいろ賣買をやりました場合に、そこに手数料とかというようなもののマージンが加わつて参りますので、一應そのマージンを入れまして、それを経費勘定の方の歳出に繰入れて、経費勘定の経費を賄うわけであります。事業費勘定で一應の利益が出ますというと、経費勘定に入れる。それから経費勘定でそれが余りが出ますと、又もう一回事業勘定に戻して参りまして、そうしてその事業の資金に充てられる。こういう仕組みで、清算勘定についても同樣な問題があるのでありますが、大体そういう仕組みで、お互いにぐるぐる廻つておるような関係になつております。併しながら根本に流れておる思想は、先程申上げましたように、從來の賣買の勘定が事業費勘定、貿易資金特別会計の関係が経費勘定、それから清算勘定、こういうことになつておるわけであります。
#57
○委員長(櫻内辰郎君) 他に御質疑はございませんか。
#58
○小宮山常吉君 ちよつと伺いますが、爲替レートの問題は最近どういう事情になつておるか、一つお聽かせ願いたいと思います。
#59
○國務大臣(池田勇人君) 爲替レートの問題は、まだ一つも決まつておりません。ただ予算面につきましては、大体三百三十円を想定レートといたしてやつております。
#60
○小宮山常吉君 近頃の一般の経済状況からして、輸出産業が非常に行き詰まつておるということを私共業界から聽いておりますが、政府の今後の振興策というものはどういうふうなお考えであるか、承わりたいと思います。
#61
○政府委員(新井茂君) 輸出産業の振興につきましては、今般の予算では輸出補助金を出さないということに相成つておりまして、從いまして直接的の補助はいたさないのでありまするが、間接的にあらゆる方法を以て輸出産業を振興して参りたいという構想の下に、今いろいろその具体化について研究をいたしております。例えば資材につきましては、從來は資材は各産業別に輸出用のものにつきましても枠を作つておりましたが、これを輸出用の一本建てにいたしまして、如何なる産業の種類を問わず、輸出注文がありましたならば、それに應じて資材を配当する、これは現物化につきましても外のものより優先して、輸出注文に対しましては最優先的にこれを現物化を図るというような方針で只今その具体化を研究いたしております。尚又輸出金融につきましても、例えば貿手を特に優遇いたすとか、或いは又輸出金融につきまして補償をいたすとかいう、そういうような点につきましても只今関係各省との間にいろいろ御相談いたしておるような次第であります。
#62
○波多野鼎君 貿易長官に一つお伺いします。貿易資金問題を討議して來た際に、輸出できないような品物が大体八十億見当残つておるという話が出ておりましたが、あれはその後処分の方針等決まつたかどうか、お伺いします。
#63
○政府委員(新井茂君) 現在輸出品の中で、本当のストツクになつておりますものは約七十一億円ばかり、昨年の末の現在でございます。それでそれをどういうふうに処置するかということにつきまして関係方面ともいろいろ御相談いたしておつたのでありますが、大体の方針としましては、その中で多少値段を下げれば輸出できるというふうなものにつきましては、極力輸出に向くベく、それから値段を下げても輸出の見込みは当分ないというふうなものにつきましては、できる限り早く國内向に処分をするという方針で、品物ごとに関係方面の御承認を得て処置いたしております。この三月までに國内向に処分をしたものは約六億ばかりであります。
#64
○波多野鼎君 今度一般会計から四百億ばかり貿易資金に入れることになつておると思いますが、こういうような品物の焦げ付が適切に適時に処分されないと、今後もこういうものは恐らく出て來ると思いますが、不適格品、或いは不良品というようなものは、そうすると一般会計から繰入をするのが四百億ばかりじや足りないということになつて來ると、而も今度は全部税金でやるということでありまして、できるだけ貿易廳の方の活動をもつと活發にして貰つて、こういうストツクはどんどんはかして行くように、もつと商賣人的になつて貰いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)四百億を今度入れるということになると、非常に問題はあると思います。我々は四百億を入れるのはこれは意見ですから別にいたしますが、とにかく活動が鈍いのじやないかと思いますので、貿易廳はもつとビジネス・ライクにやつて貰わないと困ります。
#65
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#66
○小宮山常吉君 貿易長官にお尋ねしますが、輸出したものにも相当な不良がありますが、そういうような不良のできないようなもつと強行な檢査の方法はできないものでしようか。
#67
○政府委員(新井茂君) 輸出品の檢査につきましては、いろいろこれは考え方があるのでございますが、從來の輸出品檢査は、輸出する品物はすべて政府機関、又は政府の指定した民間機関の檢査を経なければならないという建前であつたのでありますが、最近の経済情勢からいたしまして、先般の議会において新らしく檢査制度について法案を提出いたしまして、これが制定に相成つたのでありまするが、この法案におきましては、こういうふうに強制的に輸出品を檢査するということでなく、大体一級品、二級品、三級品というふうなものの標準を輸出品に決めまして、その標準に該当するや否やということは、先ず一次的には輸出する業者の責任においてこれを調べて、そうしてその旨の表示をいたすということになりまして、ただこれを取締をいたしますために必要があつた場合においては、主管大臣において檢査をすることができるというふうな極めて民主的な立て方に変つて参りました。それでこの法規で現在動いておりまするが、でき得る限りこの法規の運用を実情に即するようにいたしまして、惡い品物を輸出しないように注意をして参りたいと思つております。
#68
○小宮山常吉君 もう一つお伺いしたいのですが、最近の貿易に関する資料がありましたら、プリントにして全般に一つお渡しを願いたい。尚その不良品についても分りましたならば、プリントにして一つお届け願いたいと思います。
#69
○波多野鼎君 ちよつと大藏大臣についでと言つては済まんがお尋ねして置きますが、貿易振興の問題についていろいろ議論がなされておる。そのうちで外國市場に関する問題は非常に我々の手の届かんところでいたし方ないが、國内の輸出品の生産の問題につきまして、一番隘路になつておりますのが、資金の問題だとこう言われております。貿易手形の割引につきましていろいろ便宜を図るということが新らしく考えられておりますが、その点は非常に結構ですが、もう一つ前へ遡りまして、輸出品の原材料の買入資金の面につきまして非常に困つておる面が沢山ありますが、そういう点について、当局において何かお考えになつておるかどうか、その点があれば一つ承わりたいと思います。
#70
○國務大臣(池田勇人君) 波田野委員の先程の質問で、貿易廳にあつてはビジネス・ライクでなければならないと言われましたが、これはお説の通りでありまして、今度税金で賄うことになりました関係上、できるだけ一つ督励をして早く金にする、國内向につきましては、できるだけ早く賣拂つてしまうというような方法で行きたいと思つております。尚、貿易手形の割引につきましては從來もやつておりますが、輸出品に対する金融につきましても、同樣に考えて行きたいと思つております。
#71
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#72
○黒田英雄君 十三條の借入金の限度を二百億円にされておりますが、これは何か根拠が……
#73
○政府委員(村岡信勝君) 法の第十三條の借入は、これは四百億円の繰入の外に、從來あつたと同じような一時借入金であります。これは援助物資関係の一千七百五十億とは全然無関係の一般の輸出、一般の輸入の関係の資金繰りを賄うためのもので、勿論年度内に返済するものですが、借入金として大体二百億見当の計算をした次第であります。
#74
○黒田英雄君 それではどれだけの数量を……。現金の支拂上これだけの不足でしようが、その不足を見て最高二百億円とされたんだろうと思いますが、これは何か根拠が、いろいろな点から勘案して算出された根拠というものはないのですか、大体の見込みですか。
#75
○政府委員(村岡信勝君) 大体の今までの実績等を勘案いたしまして、輸出代金に対する支拂いの支出の方の関係と、輸入品が入つて参りまして代金が回收になりますその收入の方の関係との時期的の関係を檢討いたしまして、從來の実績などから睨み合せまして、大体二百億程度の一時借入金の限度を以ていたしますれば、支拂いがなし得るという関係でございます。
#76
○小川友三君 今の政府委員の方にちよつと伺いますが、つまり勘でやつたわけですね。統計学的な勘でやつたわけですね。大体これだけあれば、大体賄えるという勘だと思いますが、勘ではないのですか、ちよつとお伺いします。
#77
○國務大臣(池田勇人君) 大体今まで貿易特別会計で借入れておりました金は二百五十億でございます。昨年の三月の末に五十億円増額して頂いたのでございます。今回一年中でございますが、四百億円を繰入れまして、二百五十億円を返す予定になつております。そういたしますると、まあ最高限度二百億円くらいの借入金で、大体三百五十億円程度に相成りますので、その程度で賄つて行けるのではないか。こういう考えであります。
#78
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はありませんか……外に御質疑がなければ、本審査に入つてから御質疑を続行いたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           木村禧八郎君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   貿易廳次長   新井  茂君
   商工事務官
   (貿易廳経理局
   長)      村岡 信勝君
  説明員
   大藏事務官
   (理財局管理課
   勤務)     喜田村健三君
ソース: 国立国会図書館
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