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1949/04/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第16号
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1949/04/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第005回国会 大蔵委員会 第16号
昭和二十四年四月二十二日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○米國対日援助見返資金特別会計法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○貿易特別会計法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○政府に対する不正手段による支拂請
 求の防止等に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣送付)
○有價証券の処分の調整等に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣送
 付)
○國民金融公庫法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午後二時二十九分開会
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより委員会を開会いたします。
 米國対日援助見返資金特別会計法案の御審議を願いたいと存じます。御質疑がありましたらこの際にお願いいたしたいと存じます。
#3
○米倉龍也君 前回までのいろいろ御説明によりまして、大体この会計の全貌が分りましたが、この会計の資金の運用の結果は、御説明にもありましたように、結局デフレに導かれるということに考えなければならないのでありまするが、從つてこの運用をできるだけ産業資金の面に活用するような方針を採るべきだと思うのですが、大体日銀手持ちの國債、或いは復金債などを優先的に大部分のもので、償還に当てると、建設公債という二百五十億ですか或いは総合資金計画では二百七十億というような数字が示されておるようでありまするが、それ以外の千四百八十億というようなものが、産業資金に当てると言つておりますけれども、一面それは日銀手持ちの復金債、主として多分復金債を優先的に償還するだろうと思うのですが、そういうことが強行されれば当然デフレになつて來るわけでありますので、この点は運用については、米國の意向と申しまするか考え方が強くなるわけで、日本政府でどうすることもできないかも知れませんけれども、十分その点は政府において誠意を以て一つ御努力を願いたい、それはこのデフレになりまして最も懸念されるものが、中小企業の金融と同時に、農村金融の逼迫になることであります、現在の農村金融が非常に窮境に陷つておることは、すでに明らかになつておることでありまするが、この農村金融のこういうような状態になりましたことは、一般的の金融情勢からも考えられますけれども、その一つの理由といたしましては、昨年從來の農業金融を扱つておりました農業会の解体によりまして、新らしい農業協同組合が発足したんですが、この新らしい農業協同組合も、一面農村金融を扱うのであります。この移り変りのために農村金融は非常に変つて参りまして、農村金融の新らしい秩序がまだ確立しないのであります。そういう金融機関の、從來農村の金融機関として、大きな働きをしておりました組織が変りましたことによつて、農村金融は更に一般決済或いは金融情勢に拍車をかけて、苦しい状態に陷つたと思うのであります。そして新らしい農業協同組合が金融をもつと円滑に扱うためには、從來の農業会が持つておりました公債、國債の処理ということが非常に大事な問題になつておりまして、この國債の処理を何とか考えなければ、依然として農村金融がそのために圧迫される、そのことは解消されないのであります。大体政府は農業会の解体と、それから新らしい協同組合の発足との間に移り変るときの経済界、或いは金融界にどういう影響があるかというようなことを十分研究をし、それに対する対策を予め立てて置かなければならなかつたと思うのでありますけれども、そういうことを全然考えなくて、ただ組織の解体ということになりましたので、その点が現在農村の金融の上に大きな影響を及ぼしておるわけであります。それでこういうような資金が若し國債の償還に当てられるとするならば、農村金融から申しますれば、今農村の清算事務に、清算に入つておりまする旧農業会の手持ちの公債なり、或いはすでに新らしい農業協同組合に移讓されました國債、そういうものの償還にも一部分当てて頂くように御努力が願われるかどうか、そういうことは一般金融機関の國債に対しての問題にも関連するのでありまするけれども、今回のこの千四百八十億のうちのどれだけでありまするか、千億近いものが國債償還に当てられるとしても、それは日本銀行の手持ちが優先的で、外の機関のものはやらないといたしますれば、一應日本銀行の國債償還によつて、日本銀行の手持ちがなくなるわけであります。その後において日本銀行がそれらの農村にある國債の処分について十分考慮をして貰うというようなことに相成れば、結論といたしましては、この資金を利用したことに相成るわけであります、いずれにしましても現在の農村金融の上に、農村の金融機関が持つておりまする國債の処分ということは大きな問題だと思います。それは金融、当面の金融操作の上にも影響がありまするし、又新しくできまする農業協同組合が、いずれはその國債を引受けなければなりません。その引受けた場合の経営上の損益に大きな影響が來るのであります。現在の國債が四分五厘以上のものでありますのが、三分五厘内外の古い國債を相当手持ちをしなければならないということは、新しく発足する農業協同組合の收支の上に大きな影響があるのであります。でこれは相当の数にも上つておりまするので、どうか折角こういう資金によつて國債が償還さるるというならば、その中へ農村における只今申しましたようなものも入れて頂けるか、どうしてもそれはいけないとすれば何らか日本銀行において、農村にある国債の処分について、十分政府が日本銀行へ働きかけて心配をして頂きたいということをまあお願いするわけであります。
#4
○政府委員(田口政五郎君) 米倉さんにお答えをいたします。お話のようにこの米國の対日援助見返資金で現在日本銀行が持つておる、又市中一般銀行の持つておりまする公債或いは復興債券を買上げるというときに、ただそれだけではなしに農業金融方面のことを考慮して、農業金融方面の今日行詰つておるのを解決するために、元の農業会の持つておる公債或いは今度引継がれる協同組合の持つ國債をも併せて買上げようと、こういう御意見でございますが、勿論この資金で國債の買上げをいたしまするのは、日本銀行の手持ちになつておりまする分、或いは一般市中銀行の、そういつた銀行の持つておる分ということに制限されておるものではありませんので、御希望のように農業組合、農業会の持つておりまする國債をも買上げができるように、勿論考慮をいたします筈であります。又只今お説のように、日本銀行の手持ちの國債を償還いたしましても、亦復金債を償還いたしましても、結局は間接にそれだけの全体の資金にゆとりができて來るのであります。紙幣の発行高は約三千五百億に限つておりますが、それに余裕ができますれば、それが産業方面の資金に廻ることも当然でありまして、現政府の根本方針としましては、特別の機関による日本銀行の信用制度の膨脹を抑えまして、ただ一般金融機関にこの手持資金を豊富に出しまして、その金融機関の自主的活動によつて、すべての中小商工業、或いは農業方面、水産方面の金融が行き詰らないように円滑に行くように、いわゆる自由経済の眞の金融機関の自主的活動に俟つて、各資金が円滑に廻つて行くようにということを原則として希望いたしておるのでありますから、今のお説のような点は直接、或いは間接に資金が枯渇せないように、円滑に廻るように政府におきましては十分の誠意を持つて進むつもりでありますから、その点御了承願いたいと思います。
#5
○波多野鼎君 ちよつと條文について説明を聽きたいのですが、第四條ですね。これがまあ運用の中心になる條文ですが、ここで「國債に運用し」ということ、それから「國債の償還に関する費途に使用し、」、ということ、償還に関する費途というようなことと、國債の運用ということと、どうなふうな区別がありますか。先ず説明を聽きたい。
#6
○政府委員(佐藤一郎君) 「國債の償還に関する費途に使用し」と申しますのは、後に出て参りますように、整理基金に入りまして償還をしてしまうというつもりの費途に充てます。それからもう一つはこの援助資金で公債を買いましてそうして持つておりまして、場合によりましては又賣るというようなことも考慮をいたしておるわけであります。償還の方はこれは潰してしまうわけでありますが、持つておりまして又賣るとかいうようなことをも考慮しておるわけでございます。
#7
○波多野鼎君 そうすると國債の運用に使用しということは、いわゆるマーケット・オペレーションとなるのですね。
#8
○政府委員(佐藤一郎君) さようでございます。
#9
○波多野鼎君 後の方は償還の場合で、そうすると「國債の償還に関する費途に使用し」ということはどういうことですか。「國債の償還に使用し」と言つては間違いなんですか。
#10
○政府委員(佐藤一郎君) お答え申上げますが、これは趣旨においては変りございません。
#11
○波多野鼎君 まあ、そうですか。
#12
○政府委員(佐藤一郎君) おつしやいました意味で実は使つております。要するに運用と使用はその後の方にもございますように、全部使い分けておりますので、いわゆる運用と、それから場合によつてはやりつぱなしの場合と、両方考えておるわけであります。それから國債の場合は償却の場合なんですから、國債の償還に関する費途……。
#13
○波多野鼎君 それじや國債の償還に使用してはよくないのですか。「関する費途」と書いてあるとその費用が莫大のような印象を受けるのですが……。
#14
○政府委員(佐藤一郎君) 國債に関する費途は直接その國債の何連もございますし、それに関連する費用も起りますわけでございますから関するとした方がいいと思います。
#15
○波多野鼎君 それからもう一つは私企業に対する資金に運用すという場合は貸付ですか。公企業に対する資金に使用するというのは政府出資金そういう意味ですか。
#16
○政府委員(佐藤一郎君) この運用の方は、これは公私両面に亘る運用については公私企業でもよろしいと、併しながら例えば補助をするとか、やりつぱなしのような場合にはこれは私企業に対してはできない、こういうふうに考えております。
#17
○波多野鼎君 公企業に対する資金に使用する、というのはやりつぱなし補助金のようなことを意味するものでありますか。
#18
○政府委員(佐藤一郎君) 結局例えば独立採算の鉄道なんかの場合に考えまして、あとで返して貰わないでやりつぱなしにしてしまうというような場合もあり得るという書分けであります。
#19
○波多野鼎君 それからもう一つだけ第五條の「國債を償還又は償却したときは」のこの「償還」と「償却」どんなところが違うのでありますか、一つ説明して頂きたいのであります。「償還又は償却したとき」とあるのであります。
#20
○政府委員(佐藤一郎君) これは第五項でございますね。
#21
○波多野鼎君 第五條。
#22
○政府委員(佐藤一郎君) 第五條ですか、これは前の條文を受けておりまして、いわゆる借入償還の場合と、それからこの國債整理基金特別会計に移す場合と両方ございますが、いすれにしましても滅失償却をする場合は償却というふうに今考えております。
#23
○波多野鼎君 そうすると買入償還という場合は滅失しないのでありますか。償却というのは滅失する場合という意味なんですが。
#24
○政府委員(佐藤一郎君) ちよつと字をこれは使いわけましたのでありますが。
#25
○波多野鼎君 余り使い分けてるから分らなくなつてしまうのであります。却つて分らなくなつてしまうのであります。どういう具体的の場合を言つておるのか。
#26
○政府委員(佐藤一郎君) 普通の買入れ償還の場合でありますと期限が参りましてそれは償還でございます。それからそいつを持つておりましたものを滅失棄却するようなものを償却と、こういうふうに考えて書分けたわけですが。
#27
○波多野鼎君 それだから買入償還という場合でも買入れてそれを持つておるのでありますか、買入償還の場合……。
#28
○政府委員(佐藤一郎君) それは運用の場合には起り得るわけであります。
#29
○波多野鼎君 運用の場合は分るのであります。それは分るけれども、償還というのはどういう意味か。
#30
○政府委員(佐藤一郎君) これは期限が……。
#31
○政府委員(伊原隆君) 私申上げますが、國債に御存じのように期限が参りまして償還いたします場合と、それから期限前に市場等から買いまして、市場でなくてもよろしいのでありますが、買入れまして潰してしまう場合と二つあるわけでありますが、期限が來たときに還す場合を償還といい、期限前に買入償却をする場合を償却と、こういう使い分けであろうと思います。
#32
○波多野鼎君 そんならば先程の説明は違つておるわけですね。
#33
○政府委員(佐藤一郎君) それでは一つ訂正いたしますから……。
#34
○中西功君 第五條、ついでにですが、その第五條の意味が私にも分らないのであります。「償還したときは、まず一般会計の負担に属する國債について償還又は償却があつたものとする。」というのは、優先的に一般会計の負担に属する國債について、償還又は償却するという意味ですか。
#35
○政府委員(佐藤一郎君) さようでございます。
#36
○中西功君 これもそういうように書いて貰つた方が意味が通ずるのですが……。
#37
○政府委員(佐藤一郎君) 「まず」というところで……。
#38
○中西功君 書き方としては一般会計の負担に属する國債を優先的に償還又は償却すると書いた方が……。そういう意味なんでしよう。
#39
○政府委員(伊原隆君) さようでございます。ただ御存じのように一般会計、鉄道、通信、その他の会計で公債を持つておりますが、段々と特別会計、一般会計の分がなくなつたような場合には、整理をいたしまして、一般会計に移し替えて償却したというようなことにするつもりを含んでおります。この状別会計は貸しような恰好になつたりする。
#40
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#41
○中西功君 復金債なんか、それはどういう取扱いになるのですか。あれは一般会計の負担じやないわけですね、復金債としては……。
#42
○政府委員(伊原隆君) 復金債の償還の場合は、國債でございませんですから、この條項には嵌まらないのであります。ただこの間うち御説明申上げましたように六百二十四億六千七百万円かの復金債を償還いたしますために、一般会計で交付公債を出しまして、復金に渡しまして、復金がこの見返資金特別会計で買つて貰つて、それで復金債を返すというような仕組を考えておりますが、この條文には嵌まつておりません。
#43
○中西功君 そうすると第五條のこの條文が必要である理由はどこにあるわけですか、一般会計の負担に属する國債を先ずやるというのは、第五條は何故これがなければいけないのか。
#44
○政府委員(伊原隆君) 一般会計の方の公債から段々潰して行こうという原則を見たと思います。
#45
○中西功君 第四條の第二項ですが、財政法の関連が書いてあるのですが、これは私もよく分らんから聽くわけですが、第二項が、現金の受拂、それを何故財政法に関連させなければならないのか、その理由はどこにあるのか。
#46
○政府委員(佐藤一郎君) これは前に御説明したかと思いますが、実は從來貿易会計等でもそうでございますが、資金の受拂というものがいわゆる特別会計の歳入歳出に立つておりませんでした。それでそれは貿易会計でございますと、いわゆる経費的な部分だけが出ておりまして、そうして資金の出入りというものは事実上の運用になつていたわけです。勿論法律に基いてですが……。特別会計の歳入歳出の面に出ておらなかつた。從つていわゆる國の財政法の收入支出というものからは外れた観念でございましたが、それを今回は貿易会計等においても全部資金の受拂が歳入歳出の面に出ることになりました。それと同じように、この会計におきまする動きもすベて資金の受拂が歳入歳出として出て來るわけであります。それを表わす意味でこういうふうに特に断わつたのです。
#47
○中西功君 それでもう一つ、第四條の一項ですが、さつきも波多野さんの聽かれたところですが、「公私企業に対する資金に運用し若しくは公企業に対する資金に使用する」、この「公企業に対する資金に使用する」という場合なんですが、今度國鉄及び通信会計に繰入れると言いますか、入れているわけです。あれは確か建設公債というようなわけでやつていると記憶しておりますが、あの場合はどのようになつておりますか。運用になつているのですか。
#48
○政府委員(佐藤一郎君) 運用に当つているわけであります。
#49
○中西功君 そうすると、先程波多野さんの御質問の中にあつたのですが、公企業に対する資金に使用するという具体的の、例えば國鉄或いは通信なんかの場合を見たら、とらいう場合であつて、而もそれはそれに対して使用してしまつた場合に……。それならば併しそれにも拘わらず幾ら使用いたしましても、見返会計には一應千七百五十億として入れたことにはなつているわけですが、即ち私の聽きたいのは、そういう使用としてしまつた場合は、その金はそうするとその最終の負担責任はどうなるのかというわけであります。即ち見返会計からそれだけ拔けてしまつて、あとそれだけのものはなくなつたものとして計算されて行くのかどうか。その貰う方は受けたので、そのまま使つてしまつたということになりますけれども、会計自体から言つたら、使用した場合にはどんな会計になるのですか。
#50
○政府委員(佐藤一郎君) これは例えば鉄道で申上げますと、建設公債を買入れるというような運用の形でございませんで、繰入れてしまいまして、後では仮して貰わないという場合も考え得る、こういうことでございます。從つて今お話のありました通り、この会計としては別に貸しが残るということにならないのであります。
#51
○中西功君 そこで貸しが残らないということになりますが、大きな意味でこの見返会計全体を我々が借金と考えるのが、貰つたものと考えるのかによつて、いろいろ考え方も違つてくるわけでありますが、一應今年千七百五十億、来年は幾らというようにして、受入れた額は累積して行くわけですね。それは消えないのじやないか、段々額としては……。その中でこれだけ使つた、これだけ使つた、そうすると使用して行つた分、これは借入れなければ、その後見仮会計から減つて行くわけですね。それはそういふうに減らして行つてもいいわけですか。
#52
○政府委員(伊原隆君) この指令にございますように、原則は貸付でありまして、「日本國政府がこの資金から許されるところの支出は能う限り明確に規定された利子並びに償還計画に從つてこの資金に返還し得るようにせねげならない」ということを謳つておりますので、原則は申上げましたように、普通の場合は貸付になりますから、バランス・シートから申しますと、片つ方に使いましても、貸付金とか公債とかいう恰好で残つているわけであります。併しながらこの後にありますように、「併しながらこの原則はらり一層日本の安定及び輸出量に貢献する他の範疇の引出があればこれを妨げるものではない」ということを言つておりますので、相当例外的の場合でございますけれども、やりきりにしてしまうという場合がある。で、この法律に謳つておりますように、公企業等に対しては支出として落してしまうという場合がある、こういうわけでございます。
#53
○中西功君 もう一つはそれに関連しているのですが、運用とか使用のときはよく分りませんけれども、公私企業に運用された場合、例えば今度みたいに國鉄、通信に益らかの建設公債を引受けてやるというふうなことをなされたときに、この資金自体がその企業に対しては、何か特別な発言権とかそういうものを持つことが予想されておりますか。
#54
○政府委員(伊原隆君) これは今度の運用又は使用、そういうものがあつた場合について、その企業について、場合によりまして檢査するとか、必要な報告を受けるというようなことは、当然あり得ると思います。
#55
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。
#56
○黒田英雄君 衆議院におきまして、政府提案に対して四條の第六項並びに第七項は削除されたのでありまして、それに関連して更に決議案が出たということを承知しておるのでありますが、政府におきましては、それに対して衆議院で答弁があつたかどうか私は承知しませんが、この六項、七項は削除されましても、すでに我々に御配付になりました連合國司令部からの覚書において詳しく規定されておるようでありまするので、政府においては削除されましても、原案にありますと同じような手続を取られるお考えでありますかどうですか。つまり削除されましても実際においては別に取扱上変りはないというお考えでありますのですか。この点をお伺いします。
#57
○政府委員(田口政五郎君) 勿論政府と司令部との間におきましては、この四月一日付の日本政府宛ての覚書によりまして、この第三項によりまして、削られましたのと同じ……、これがありましても削られましても、同じ取扱をすることになつております。ですからこれが國内法で四條の六項と七項はなくてもいいじやないかという御意見には別に異議がないわけであります。これが削られましても、お説のように日本政府と司令部の間には同じ方法で覚書によつて交渉することになつております。
#58
○委員長(櫻内辰郎君) 外に質疑はございませんか。
#59
○中西功君 ちよつと、先の黒田委員に対する答弁の問題ですが、政務次官のお話、私はつきりしなかつたのですが。
#60
○政府委員(田口政五郎君) 簡單に申上げますと、それを削られましたのは國法法にはこういう体裁の必要はないじやないかという意味であります。政府としましては四月一日付の日本政府に対しまする覚書によりまして、六項、七項を國内法にも持つて行つたのであります。ところが國内にはそういうものを入れる必要がないじやないかということであつたのでありますが、勿論これがなくても政府と司令部の間にはあつたも同じような状態で交渉するということになつておるのであります。
#61
○中西功君 そうしますと、とにかくこの見返資金なるものを日本政府としてはどう考えておるかという問題があると思うのですがね。即ちこの場合向うからガリオア或いはイロア物資が入つて來る。それで昨日波田野委員の質問に対しても、單に予算に上げられた額が問題ではなくて、本日政府が受取つた物を日本の円に換算したものである、こういうことになつております。要するにこれは一定の幾ら幾らという資金の問題ではなくて、現実に物を日本で賣上げた代金、こういうものだと思うのです。それでこの場合我々はこの性格をはつきりしようと思えば、二つに分けて考えなければならんと思います。即ち五億ドルなら五億ドルという米ドル、こういうものを日本が一應借りておるなら借りておる、こういう性質のものと、もう一つはそういうものを日本で賣つて得た資金で、これは私は分けて考えなければいけないのでないか。で、このドルについては、これが借金なのか、或いは將來講和会議のときに何らかの形で我々の負担を少くして処理されるか、これも私は聽きたいと思いますが、なかなか答えにくいと思う。併し少くとも日本政府が日本の國政について責任を持つてやつておる、こういうふうな建前から見れば、この円なるものは明らかに私は日本のものであり、日本政府のものである、こう思うのです。これをどう使用しようと、これは日本政府の私は権限でできることじやないか。それは何故かといえば、さつきも申しましたが、ドルについてはそういうふうないろいろの將來の問題が沢山出て來ますが、少くとも日本國内でこれを賣つて、そうして円を取つて來ておる、その円に関しては、これは國内経済に関連することでありますし、而も日本の國内の政治は司令部の監督の下に日本の政府が責任を持つてこれを行うというふうな今までの統治方式、占領方式から見ましても、亦そのことは考えられますし、もう一つは現実にこの資金なるものは日本経済の一つの重要な一環として動いて行くものであり、而も実際に我々は千七百五十億円というものを見て行けば、一体この千七五十億円の中には何が入つておるかといえば、実際の資金から見て來ますと、八百三十三億の輸入調整金の中、六百十何億というものがここへ資金の面から見ても入つておるんです。ですから、私はそういう國民の税金が一應この千七百五十億の中にも入つて行くというふうな事情から見てもやはりこれは國内の問題であるというふうに思うのです。ですから、この円なるもの、円資金なるものの性格をはつきりさして貰わないと困るのですが、その点私はまあ政府側の責任ある答弁を聽きたいと思う。私の言つておることが詭弁に聞えるかも知れませんけれども、私は少くとも日本の占領下の統治方式というものを考えて行つたり、或いは現実にこの資金の出て來る所というものを考えてみたり、或いはこれが日本の経済に果す役割というものを考えてみれば、やはり日本政府の全責任を持つてこれをやるべきであると、こう思うのであります。その点どうなんでしようか。
#62
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて……。
#64
○油井賢太郎君 千七百五十億はすでに決つておる。残りの千四百八十億は今中西君が話したように、いろいろ先方と折衝しながら使つて行くというのですが、國会といたしましては、これは一面から見ると予備金というふうにも見られるのですがこの前の國会の予算書においては五十億の予備金でも随分問題があつたのです。それに対して千四百八十億というような大きな予備金とも見らるべき資金の使途に、國会の立場からどういうふうないわゆる檢討と申しますか、観察と申しますか、権限というものがあり得るかどうか、その点についてお聽かせ願いたいと思います。
#65
○政府委員(佐藤一郎君) お話御尤もと思いますが、非常に大きな額がまあ内容が決まらないまま出ておる次第でありまして、この運用をどうするかという問題は、安定本部と政府の部内で相当檢討してありますが、直接國会自身のお手許で以て、これの運用をどうするかというような点は、現在のところでは話が進んでおりません。又この條文を作ります際に、特に考慮に入れてはございません。予算の審議をするという途だけに現在のところなつております。
#66
○油井賢太郎君 そこで日本政府から、先方に使途について申入れる場合に、國会と一應協議をするとか、或いは國会にその使途について相談をするとかいう方策を、お採りになるかどうかという点、何しろ千四百八十億という大きな、予備金に匹敵するようなものが、政府自体の独自の意思で、勝手に使われるということは、これは國民としても相当問題が起きる点じやないかと思う。その点をはつきりと一つここでお示し願わないと、我々の方針もちよつと迷つて來はしないかと、こう思います。
#67
○中西功君 その点に関連して、第九條に「内閣は、毎会計年度、この会計の予算を作成し、一般会計の予算とともに國会に提出しなければならない。」提出しなければならないと、こう書いてありますけれども、承認を経なければならないということが書いてない。これはどういう意味か知りませんけれども、提出しなければならない、普通……。
#68
○政府委員(伊原隆君) 前段についてお答え申しますが、米國対日援助見返資金特別会計法案を國会で御審議願いまして、第四條にございます援助資金は通貨及び財政の安定、輸出の促進、その他経済の再建に必要な目的に使うとの御承認を経るわけでございまして、千七百五十億円の使途につきましては、この法案の趣旨に從いまして、政府の責任において運用するということになつております。
#69
○政府委員(佐藤一郎君) 後の御質問でございますが、これはすべての会計法が実は皆こういう規定になつておりまして、予算が國会の協賛を得なければならないということは、すでに憲法において自明のことでございます。ここにあります規定はただ手続規定として書いてあるだけでございます。
#70
○油井賢太郎君 今のどうも政府の説明では、單に千四百八十億円というものは、政府だけに任して置いて貰いたい、というふうにも聞こえるのですが、漠然と任してしまつて、國会としての審議権というものが、これではどうも明確でないという点ですね、千四百八十億をまとめてお任せして置く。どういうふうに使われるかという明細については、日本政府が直接先方と……。日本政府の意図においてやるということになると、國会というものはただお任せしつ放しである。先程私が言つたように、予備金という問題は國会では非常に重要視されておる。その予備金と丁度同じような性格を持つと思う。これについてはつきりした國会との連繋というものがない限りは、我々の今後の方針が立たないのじやないか、こう思うのであります。
#71
○中西功君 私が今聽いたとき、日本政府と言いましたが、もつと根本的に言えば國会の問題です、いわゆる議院の権限、表面的には六項、七項は一應削除されましたけれども、実質上これと同じなんだということになりますから、九條に「提出しなければならない。」とされましても、一向の味のない提出でありまして、これを國会に提出することそえおかしいので、そんなことならむしろ提出して貰わんでも、いいぢやないかということさえ考えられるのであります。
#72
○政府委員(伊原隆君) 予算書に千七百五十億、それで二百七十億を鉄道通信の公債に向けるということが出ておりますのは、甚だ漠然としたことで、國会の御審議の内容としてどういうものかというお示しだと思うのでありますが、何分にもこういう事情でできました法律案でありまして、そうしてこの予算の運用は只今御審議を願つております第四條の趣旨に從つて運用するということに相成つております。その点御了承願いたいと思います。
#73
○油井賢太郎君 これは大藏大臣に來て頂いて、はつきりと責任の所在点を示して置いて頂かないと、私としてはちよつと納得し難いということを申し上げて置きます。
#74
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと速記を止めて。
   午後三時十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時三十二分速記開始
#75
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて下さい。
 それでは米國対日援助見返資金特別会計法案については只今大藏大臣の御出席を要求して、そうして御審議を願いたいと考えますので、そう取計います。
#76
○委員長(櫻内辰郎君) 次は貿易特別会計法案について御審議を願いたいと存じます。
#77
○中西功君 貿易廳の人が今日來ていますですか。
#78
○委員長(櫻内辰郎君) 見えています。
#79
○中西功君 それは安本の何か渡邊貿易局長という人いますか。
#80
○委員長(櫻内辰郎君) 渡邊さんは見えておりません。貿易廳の方は見えております。
#81
○中西功君 今日の新聞を見られれば分りますように安本の渡邊局長ですか、あれか、あの輸出入のドル價格による計画を発表されているのです。それは衆議院の何かの委員会で発表されておる、それと我々が昨日聞いたのととても食い違つているのです。それでああいう計画は私前に聞いたことあります。だけれども少くとも数はまあ別として大分食違つている。一体あれはどういうわけなのか、私新聞を見てびつくりしたのです。あれだというと計算が又皆違つて來ると思うのですが、その点ちよつと説明して貰いたしと思います。
#82
○政府委員(新井茂君) 済安定本部の方で御説明になつて数字は恐らく安定本部としての一つの希望案と申しますか、かようなものであると存ぜられるのでありまして、あれはまだ政府全体としての計画になつておりませんわけで、それでこの予算の編成を待つてやるべきわけに参らん、差迫つておりますのでそれとは別箇に予算の基本といたしまして、大体の数字を想定をいたしまして、そうしてそれを基礎にいたしまして、この貿易甫朴会計を出しておるわけであります。
#83
○中西功君 いや、それはいろいろ政府にも希望的な條件、或いは要求もありましようけれども、併し実際に新聞にああやつて出ますとあれは一つの事実になると思うのです。それで予算において想定されておる、少くとも國会で審議されておる基本と安本の名において出された数字とは余程めやちくちやに食違つておるということになりますと、これはもう非常に私は國民として迷惑になると思うのです。或い意味では現在まだ日本政府にそういう確乎とした数字がないと言えば言えるかも知れませんけれども、併とさもかくもああやつて大きく新聞に出れば、あの事実、あの数字が事実でなくとも一つの大きな力を持つのです。やはり嘘から出た誠になると思う。あれがこういうふうに或る意味ででたらめに発表されたら、少くとも國会で審議している基本的な予想数字と、それから発表されたものとか食違つておるということ支もそれは決して單に一個人が発表されたというようなものでなくて、確か参議院の委員会で言われた数字になつておる。それで私はこういうことをされたのじや非常に困ると思うのですが、衆議院の商工委員会で聞いたのですが、困ると思うのですが、それならば一應予算においてこれを組むに当つて推定し予想した数字をですね。私ははつきり出した方が、尚それの方が正確だと思うのです。これも一應推定数字である。予想数字であるということを詮釈付で出した方がいいのです。でないと我々が若し別個のそういう数字によつて、國会だけが勝手にやつておるというふうなことにもなりまするので、その点、私は政治の責任において、この問題ははつきりされないと、徒らに國民の考え方を混乱させるだけではないか、こう思うのですが政務次官如何がですか。
#84
○波多野鼎君 それにちよつと関連して、以前小宮山委員から貿易の最近の実情、それから二十四年度の貿易計画品種別の、仕向地別の資料を出した呉れということを要求されております。それが委員会においてそれぞれ出ていないようですが、それも一應期待して俟つておるところです。衆議院の商工委員会でそういうようなものを発表して置いて、我々の方にはさつぱり発表しないというようなことは甚だおかしいですから、是非そちらで発表したのならこちらで発表するのが当然だと思います。
#85
○政府委員(新井茂君) 只今お話の中で貿易の昨年におきまする実績は資料としてお配りしてある。
#86
○波多野鼎君 最近の二十四年度の計画も含めて……。
#87
○政府委員(新井茂君) 計画の方は今申しましたようなわけで、この予算の基礎としては、一應まあ基礎はできておるわけでございますが、先程お話の経済安定本部で御説明になつて数字は恐らくこれまでいろいろ経済復興計画等につきまして、研究をせられたものの一部が出ておることと考えるのでありますが、併しながらこの予算の編成につきましてはそれとは別にこれは大体から申しますと、この間も大藏省の政府委員から説明がありました通りにアメリカの予算が決らなければ輸入等につきましては、はつきりした数字が出て來ないわけでありまして、從つて不確定な要素を或る程度含んでおるのであります。從つて、それをどう見るかということはむずかしい問題でありますが、併しながら予算案においては大体関係方面においてもこれを了承されておると存じますので、この予算の数字が目下のところにおきましては、最も信頼すべき数字であろうと、かように考えます。
#88
○中西功君 それならば予算に基いた数字というものは私はやはり発表したらいいと思う、そんなことは予算を詳細に見れば大体分り切つて出てくることなんだと思うのです。なぜそういう予算に基いた確実なものを発表しないか。そしてただ、こういう安本なり商工委員会で、ただ安本の勝手な、或る意味で勝手なものを発表しておる、これは政府の、勿論事務当局の問題であるというよりも私はこれは政治問題だと思います。で恰も來年は輸出輸入が非常に殖えて、日本経済が潤おうかのような感じを與えるためか何か知りませんが、やたらに大きな数字だけを上げればいいというふうな悦好が見えると思います。ここにゴム原料は三万五千トンを計画しておると書いてあります。我々の予算書には三千四千トンと載つております。併しながら実際にこれを業者、即ち輸入に当つておる人や或いは輸入自動車関係の労働組合の人達に聽きますと、今年はどこへ行つても関係方面に行つても、或いは商工省に行つても二万四千トンぐらいしか入らない。強行に輸入を要求しておつても、それは止むを得ないのだというふうなことで、これを言われておるのです。そういう数字に関しては或る意味では随分出たらめになつていると思います。私は恐らくゴムの問題については二万数千トンというのが正しいのじやないか。現実にぶつかつてこれはそう考えております。だから私今日これを見まして、非常に政府が無責任なことを発表したりするじやないかということを考えましたので、この点は一つ事務当局の問題としてでなく、政治問題として、いつでも宜ろしうございますが、適当な方が責任を以てこの数字の問題については、今後はこういうふうな出たらめなことをしないで、一定の政府として確定したものを確実に発表するというふうにして貰うように要望したいと思います。
#89
○波多野鼎君 今日発表された数字を私も見ておいたのですが、出たらめであるかどうか分からない。中西君は出たらめというが或いは眞実かも知れない。だから安本長官に來て貰つてはつきりしたものを聞かなければいけないと思うのです。
#90
○中西功君 ただゴムの問題について言えば、実際私達が当面しているところと比べれば非常に違う。もう一つ別のことですが、昨日から問題になつておりました私が出しました会計の資金組みの問題ですが、政務次官に頼んだのですが、あれを適当に回答して頂けますか。
#91
○政府委員(村岡信勝君) 只今の中西委員のお尋ね、一應資金組みの点でありますが昨日申上げました通り、ドルの金から言いますと、援助物資関係を除きまして、若干輸出超過ということに予算上相成るわけであります。從いまして円の側から言いますと、支拂の方が多くなるという結果、輸出品の買上の代金として千八百八十六億円あまり、一般の輸入品の賣上によりまして收入として一千三百八十五億ということになります。その結果資金の面から言いますと、どうしても不足になつて参ります。勿論純粹の輸出輸入の取引の外に貿易外の関係の支拂受入れの関係もございますし、正確に申上げた輸出代金輸代金の價格だけが資金、これのマイナスになるわけでありませんけれども、いろいろな要素を総合いたしました結果、結局において一般会計からの借入金四百億円を基にし、更に年度中一時借入金最高限度二百億の借入を認めるということによつて年度内に操作をいたし、更に年度を通じて從來の借入金のうち二百五十億円を返済いたすということによつて、昭和二十四年度の資金組みが收支とんとんでないか、そういう計算に相成つております。
#92
○中西功君 そうするとこういうことになりますね。第一の問題はドル会計と円会計が、貿易において一應切り離されている結果として、いろいろ特別貿易の円会計の方に問題が起つて來る。この点が一つ。具体的に言えば、今度の貿易計画数字から見ても、さつき言われましたように、一億余りの輸出超過見たいなものができて來る。それは勿論援助物資の部分を直接そのまま除いてしまえば、輸出超過の面ができて來る。その輸出超過的な面が貿易会計においては、それが円の支拂い超過になるわけです。その結果その超過になる部分を埋めるために、絶対数字が直接それに合つているか、合つていないかということは別といたしまして、全部がそれに投ぜられているかどうかは別といたしまして、一般会計からの繰入れ或いは一時借入金というふうなものが必要になる、これが第二番目なのですね。そうして第三番目の問題として言えば、若し逆にこの千七百五十億というもののこの円資金をそのまま全部無條件に見返会計に入れるのではなくて、若しこの援助物資、円資金の一部で以て、さつき申したような出超部分を補うようにできておれば、一般会計に繰入れ、或いは借入金というふうなことは必要でなくなる。これは逆の場合であります。そうして最後に國の問題としては、このように会計が組まれて行きますと、いはば輸出が増大すればする程、又輸出を増大させようとすればする程、一般会計の税金或いはその他の繰入金によつて、貿易資金に、我々は注ぎ込んで行かなければならないというふうな結果を生むわけなんでありまして、このことは輸出補償金だとか或いはいろいろのことをやらないと、表面はそう言われておりますけれども、やはり何らかの形でこういうような輸出振興策が講ぜられていると見るべきか、それともまあ同じことでありますけれども、そういういわゆる輸出振興のために國民の金がやはりそういう面でこの会計の操作を通じて一應注ぎ込まれて行かれなくてはならなくなつている、こういう事実ですね。こういう事実を……最後の問題を別にしてもいいですが、一、二、三までの間は、一應先の答弁によつて貿易應当局が認められたということになるならば、一應私の質問はそれで終るわけであります。
#93
○政府委員(村岡信勝君) 千八百八十億の輸出のための代金支拂と、千三百八十五億の輸入代金の支拂の結果、当然資金繰りに不足が來て、そういう部分をカバーするための繰入金であるということは大体において御指摘の通りと思います。ただその結果、やはりその裏付になります、裏にありますところのドルの勘定から言いますと、この予算の上で申上げて、仮に同じような一億ドルなら一億ドルの超過ということになりますと、單に本年度限りの立場から言えば、そういう工合に円サイドでは数百億の繰入れということになりますけれども、更に次の年度のこの関係を見ますと、この一億ドルの輸出超過というものは、結局新らしく輸入の資金になるわけでありまして、仮に予算通り推移して参りますれば、來年度以降において同じ額を、輸出代金の支拂を要せずして一億ドルに相当する円の側における。收入がオーヴアーするわけであります。仮に一本レート等の資金が参りました場合を考えて参りますれば、当然に一億ドルに相当する面が、歳入の面で歳出を超過するという結果になりますので、当然にこれは本年度における数百億の繰入金の返還に充て得る、そういうような結果になるわけであります。
#94
○中西功君 ただそのとき剰余ができましたときにも、この一般会計の繰入ということは、今度は貿易会計からしないのでただ貿易会計として参つて行くだけですね、資金が剰余ができましても……。この度の場合は税金から四百億出しているのです。ただ併し來年度において輸入がよくなりまして、即ち自由輸入がうまくなりまして、貿易資金の受入れが多くなりましても、そして又剰余が残つても、それはただ貿易資金会計として繰入れられて行くだけでありまして、一度拂つた税金というのはもう一般会計に帰つて來ないというシステムになつていますね。
#95
○政府委員(村岡信勝君) 実際の操作の結果、仮定いたしましたように貿易特別会計の中において一般会計から繰入れを受ける必要なく、逆に何百億か金が余るということになりました際は、又新しき法的措置を講じて、むしろ一般会計の方へ金を繰入れるというようなことをやるのが適当じやないかと、かように考えております。
#96
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御質疑はございませんか。只今波多野さんの要求で安本長官の出席を求めておりますが、病内におられないそうでありまして、行く先は分らないそうであります。但し渡辺次長が出席をし得るだろうと思うからということで今交渉いたしておりますから、さよう御承知を願いたいと思います。で時間の関係で、この際この貿易特別会計法案の審議をちよつと中止をいたして置きます。
#97
○委員長(櫻内辰郎君) 新しく付託されました政府に対する不幸手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について政府より提案理由の御説明を伺いたいと存じます。
#98
○政府委員(田口政五郎君) 政府に対する不正手段による支拂請求の防止等に関する法律の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。昭和二十二年九月十二日付連合國最高司令官からの日本政府宛政府支出の削減に関する覚書の発生に伴いまして、政府は闇價格と不当な高賃金による支拂から免れ、直面している財政の危機を打開突破しようと異常な決意を以て同年十二月第一回國会に法律案を提出し御審議並びに議決を得まして、この法律を制定せられましたことは御承知の通りでありまして、政府は爾來一年余りこの法律の円滑な運用につきまして非常な努力をいたして参つておりますが、施行の実情に鑑みまして、法律の改正に俟たなければならない点について鋭意研究しつつありましたところ、今回連合國最高司令官から再び覚書が発せられまして、政府支出の削減の趣旨に副うような競爭入札契約による政府支出の場合には、その契約額を公價として取扱うことができるよう指令されましたので、ここに、この法律の改正を必要とすることになつた次第であります。
 即ち、一般競爭契約又は指名競爭契約に基いて政府が物品、資材、建設又は役務の給付を受けてその対賣を支拂う場合は、政府が予め予定價格を計算し、而もその計算を合理適正なものとし、その範囲内で落札する以上、その額を一種の公價として取扱つても決して政府支出の不当をきたさないわけでありまして、覚書の趣旨もここにあるわけであると存じております。
 以上の理由によりましてこの法律案を提出いたしました次第でありますが、右に述べました覚書において至急実施するようにとの指示のあつた関係もございますので、何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
  ―――――――――――――
#99
○委員長(櫻内辰郎君) 次は有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案であります。政府の提案理由の御説明を願います。
#100
○政府委員(田口政五郎君) 有價証券の処分の調整等に関する法律の一部を改正する法律案提出の理由を御説明申上げます。今回改正しようといたします点は、株主登録制度の簡素合理化ということであります。現在の制度の下では、株主の登録を要する会社として比較的小規模の会社が指定せられ、これらの会社は指定を受けた際、その株主全部について証券処理調整協議会に報告し、爾後毎月これら全株主の移動について報告をすることになつております。ところが今回株主登録制度の範囲を拡張し、大会社にも株主の登録をさせる必要が生じたのでありますが、極めて多数の株主を有する会社が零細なる株主に至るまで、その移動を逐一報告することは煩鎖にたえませんので、本制度を簡素合理化し、五千株以上の株主についてのみ、登録すれば足ることをすると共に、株式分布状況報告書等を提出させ、株式民主化の実態を報告させようとするものであります。
 この外、先に閉鎖機関の特殊清算人の地位を解かれました日本銀行を証券処理調整協議会の協議員から除く等、若干の改正をいたそうとするものであります。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第であります。
 何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げます。
  ―――――――――――――
#101
○委員長(櫻内辰郎君) 次は國民金融公庫法案について御審議を願います。政府より提案理由の御説明を願います。
#102
○政府委員(田口政五郎君) 國民金融公庫法案の提案理由を御説明いたします。
 一般の金融機関から資金の供給を受けることが困難な國民大衆に対して、その生活の再建を図るために必要な資金を供給し、民生の安定と社会秩序の維持を図ることの必要なことは改めて申上げるまでもないところであります。而して從來右のような金融を擔当しておりました庶民金庫と恩給金庫は、金融機関再建整備法による最終処理の結果、庶民金庫についてはその資本金の全額を、恩給金庫についてはその資本金の九割を損失補填のために切捨てられたため、かような金融を擔当する能力を失つたのでありまして、その機構の整備を必要とするに至つたのであります。從つてこの際右両金庫の機能が比較的類似している点を考慮し、両者を統合して、新たに國民金融公庫を設立し、一般金融機関の供給すること困難な國民大衆に対する金融を行わしめようとするものであります。この國民金融公庫は、その行う金融の性質上資本金を一般に仰ぐことが困難でありますため、その資本金は政府の全額出費によることとし、昭和二十四年度において十三億円の政府出資を予定しております。
 次に業務の範囲としては、國民大衆の生活再建のため緊要な小口の事業資金の供給に限ることとし、生活資金その他消費的な資金の供給を行わんこととすると共に、從來庶民金庫の行なつていた無盡会社及び市街地信用組合の中央機関業務、恩給金庫の行なつていた恩給担保の貸付業務等については今後これを行わぬことといたしました。
 以上のような性格と業務内容を持つ公庫については、その業務の民主的な運営を確保するため、國民金融審議会が設置され、業務の運営に関する重要事項につき、大藏大臣の諮問に應じ、又進んで意見を述べることになります。この審議会の委員は関係官廳の代表の外、産業各界及び國民各會の代表者を以て構成されるのであります。更に又公庫が政府の全額出資による機関であるという特殊性に基き、その役員及び職員は國家公務員として取扱われると共に、その会計に関しては、公團等の予算及び決算の暫定措置に関する法律に基き公庫の予算決算について國会の議決を経ることとし、その経理の適実を期することといたしたのであります。
 以上が國民金融公庫法案の大要でありますが、速かに御審議の上御賛成あらんことを切望します。
#103
○委員長(櫻内辰郎君) 波多野君にお諮りいたしますが、あなたの御要求で安本長官の出席を求めたのですが、今院内におられない。それが外出先も分らないというのですが、どういたしまようか、安本長官の出席されるまで審議を中止いたしましようか、どういたしましよう。
#104
○波多野鼎君 貿易資金ですか。――
#105
○委員長(櫻内辰郎君) 貿易資金です。
#106
○波多野鼎君 それはいいです。
#107
○委員長(櫻内辰郎君) 只今貿易の方の政府委員が見えないそうであります。それでは貿易特別会計法案の御質疑は大体終了いたしておりますから、若し最終の御質疑がありますならば、この際お願いいたしたいと思います。外に御発言もないようでありますから、直ちに討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認め討論に入ります。御発言の方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。
#109
○中西功君 貿易特別会計法案につきましては、我々共産党は反対いたします。
 反対の理由はもともと今吉田内閣がやつておりますところの貿易政策そのものに、実は我々は重大な批判を持つているのであります。このよう貿易が決して日本を本当によくしない。こういう貿易ならば、やればやる程日本の國民は損をする。その結果といたしまして、日本の購買力の減少、或いはよく言われておりますような低賃金或いは農村におけるいろいろの複雜な問題、更に又中小商工業者、或いは國内向けの産業に從事しているところの企業がこのような貿易政策の結果として大量の崩潰して行く、これは現に起つているわけであります。こういうふうな今日本経済に起つている非常に悲劇の根源がこの貿易政策にあるわけでありまして、我々といたしましては、その貿易政策を裏付けようとするところのこの会計法に盛られたいろいろの行き方に対しましては、根本的な反対を持つておるわけであります。それが第一点です。
 第二点は具体的に言えば、会計法の仕組の問題であります。実は前にこれが貿易資金特別会計として行われておりましたときにも、我々はその会計のやり方について非常な大きな批判を持つておりました。でそれは特にガリオア・フアンド或いはイロア・フアンドとして送られて來るところ円資金なるものが、貿易資金特別会計の中に減茶苦茶に入られ、そうして使われておる。こういうふうな点では批判を持つておつたのであります。どうしてもそれを特別な会計としてこれを十分日本政府の責任において処理しなければいけない、これは会計の仕組みについてそう考えておりました。たまたまこのたび見返資金特別会計というものができたのでありますが、これは我々の言つていたことと表面的には似ておりますが、実質的には百八十度違つております。で特に私がこのたびの質問においても問題にいたしましたのは、そのような必ずしも正しくない見返資金特別会計の設定の結果として貿易資金特別会計には非常に無理が起つて來ております。從つて直接國民に関連いたしますことなんでありますが、この中にこの仕組ではますます輸出が増大すれば増大する程、國民の税金や或いはその他日銀の資金がこの会計に繰り入れて行かなければならん、こういうふうな実際の関係が起つております。それは見返資金特別会計関連において起る問題であります。我々といたしましては、そういう点に非常にこれは困ると思うのであります。大体大きな問題としてはそういう点なんであります。そういう意味で一見いたしますと、この貿易会計は曾て我々が主張した方向へ來ておるように見えるのでありますが、実際は全く逆な方向へ行つておる。こういう意味で私達やはり反対せざるを得ない、これが私の反対理由であります。
#110
○委員長(櫻内辰郎君) 外に御発言はございませんか。外に御発言もないようでありますから、討論は終了したものと認めて直ちに採決いたします。貿易特別会計法案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#111
○委員長(櫻内辰郎君) 多数と認めます。よつて本案は可決と決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告は委員長において本法案の内容、委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を願います。
    多数意見者署名
     川上  嘉  米倉 龍也
     西川甚五郎  黒田 英雄
     玉屋 喜章  伊藤 保平
     小宮山常吉  小林米三郎
     波多野 鼎
#113
○委員長(櫻内辰郎君) 御署名洩れはございませんか。――なしと認めなす。
  ―――――――――――――
#114
○委員長(櫻内辰郎君) 次は酒税法等の一部を防止する法律案の御審議を願います。御質疑がありましたら、この際御質疑を願いたいと存じます。それでは随分内容がございますので、本日はこの程度で散会し、明日午前十時から開くことにしては如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(櫻内辰郎君) それでは、明日午前十時から開くことにいたしまして、本日は散会いたします。
   午後四時二十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           油井賢太郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           中西  功君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   大藏事務官
   (主計局法規課
   長)      佐藤 一郎君
   大藏事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大藏事務官
   (管理局財務部
   長)      内藤 敏男君
   貿易廳次長   新井  茂君
   商工事務官
   (貿易廳経理局
   長)      村岡 信勝君
ソース: 国立国会図書館
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